説明

整水具

【課題】本発明は、飲料水に浸漬するだけで整水が可能であり、コーヒー等の風味や味わいが重要な抽出用に用いると効果的である。
【解決手段】マグネシウム又はマグネシウム合金からなる擬性陽極材と、SUS製の陰極とを接触してあることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水に浸漬するだけで、飲料水の整水ができる整水具に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーの抽出等に用いる飲料水によっては、コーヒーの風味や味わいが損なわれる場合がある。
特開平11−225673号公報には、コーヒー抽出液にアルカリ性塩を添加することが提案されているが、塩の添加はコーヒー本来の風味を損なう恐れが高い。
また、特開平8−243565号公報には、飲料水に2本の電極を浸漬し、交互に極性を変化させて通電する整水器を開示するが、電源や操作部を必要とし、構造が複雑であり実用性に劣るものである。
【0003】
【特許文献1】特開平11−225673号公報
【特許文献2】特開平8−243565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、飲料水に浸漬するだけで整水が可能であり、コーヒー等の風味や味わいが重要な抽出用に用いると効果的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る整水具は、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる擬性陽極材と、SUS製の陰極とを接触してあることを特徴とする。
【0006】
マグネシウム又はマグネシウム合金からなる金属とそれよりもイオン化傾向の小さい異種金属とを接触させた状態で水に浸漬すると、マグネシウムが擬性陽極になり、水素イオンが発生する。
これにより、風味が損なう原因とされる水中に含まれる微小の有機物等が分解される。
また、一部溶出するマグネシウムイオンも水の改質に寄与する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る整水具にあっては、コーヒーの抽出に用いる水等に、浸漬するだけで整水作用が生じ、マグネシウムイオンはミネラルの1つとして有用であり、人体への害もない。
一方、陰極となるSUSも飲料に何ら害を与えるものではない。
本発明に係る整水具を用いて整水した水にてコーヒー飲料をつくると、風味が高く味わいのあるコーヒーとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に係る整水具の構造例を以下、図に基づいて説明する。
図2に整水具10の例を示し、図1は整水具10をケースに入れて使用しやすくした例を示す。
図2に示すように整水具10は、パイプ状に製作したマグネシウムからなる擬性陽極材11の周囲にコイル状のSUS製陰極材を巻き付けた例を示す。
擬性陽極材は、マグネシウム又はマグネシウム合金で製作したものであれば、形状や構造は特に限定されない。
例えば、棒状であってもよく、また芯材の表面にマグネシウム箔を貼り付けたり、メッキ仕上げにしてもよい。
陰極材もJISに規定するSUS304,SUS316等、飲料用に用いることができるSUS材であれば、材質や形状が限定されない。
本実施例のように、コイル材を用いると、パイプ状のマグネシウム合金材の周囲に容易に組み付けることができる。
図2に示した整水具10を、水に直接浸漬してもよいが、図1に示すようにケースに入れると取扱いが容易になる。
図1に示したケースの例は、樹脂製のケース本体1と同じく樹脂製の蓋2からなり、その中に整水具10を入れる。
ケースには吊り下げ具3を設けてある。
また、ケース本体1には、水が出入りする通水孔1aを設けてある。
【0009】
図1,図2に示したような整水具を約200mlの水道水に浸漬したところ、水素イオン濃度が0.02p.p.mから約2p.p.mに上昇し、これを用いてコーヒーを造ったところ風味が高く、味わいが向上していた。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る整水具をケースに入れた例を示す。
【図2】本発明に係る整水具の構造例を示す。
【符号の説明】
【0011】
1 ケース本体
1a 通水孔
2 蓋
3 吊り下げ具
10 整水具
11 擬性陽極材
12 SUS陰極材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネシウム又はマグネシウム合金からなる擬性陽極材と、SUS製の陰極とを接触してあることを特徴とする整水具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−115589(P2010−115589A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290319(P2008−290319)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(594079349)
【Fターム(参考)】