説明

敷設可能経路を考慮したケーブル敷設設計用のプログラム、装置及びシステム

【課題】伝送ケーブルの敷設経路の設計に対して、その伝送ケーブルの工事区間の総延長に対する準最適解を与えることができるケーブル敷設設計用のプログラム等を提供する。
【解決手段】伝送ケーブルを敷設可能な経路について、物理的なノードの位置情報vと、それらノードを結ぶエッジeとによって表現した敷設可能経路情報G(V,E)を記憶すると共に、各エッジeに付与された敷設コストwを記憶する敷設可能経路情報データベースと、ノードVの部分集合Tに、収容局及び分岐局毎の位置情報tを記憶する位置情報データベースとを有する。そして、全ての収容局及び分岐局Tを、閉路のない連結グラフで結んだツリー状グラフG'(V',E')を生成する第1のステップと、G'上について、敷設コストの総和が最小となるべき、収容局から各分岐局を結ぶ2点間経路を、最短経路探索アルゴリズムによって探索する第2のステップとしてコンピュータを実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信局間を結ぶケーブルの敷設経路の設計を支援する装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通信局間を、有線の伝送ケーブルで接続する場合、その敷設経路(ルート)を設計する必要がある。近年では、PON(Passive Optical Network)用のODN(Optical Distribution Network)における光ファイバケーブルについて、その敷設経路を設計する需要も多い。このネットワーク構成は、収容局から伸びる1本の光ファイバの途中に、光スプリッタ(分岐装置)を挿入し、その複数の光ファイバケーブルを加入者宅に引き込むものである。
【0003】
図1は、PONのシステム構成図である。
【0004】
図1のシステムによれば、1つの収容局2に、光ファイバケーブルを介して複数の光スプリッタ3が接続されている。収容局2と光スプリッタ3との間を接続する光ファイバネットワークは、一般に「ODN」と称される。また、光スプリッタ3は、収容局2に接続する1本の光ファイバケーブルを、光加入者ユニット(ONU(Optical Network Unit))4に接続する複数の光ファイバケーブルに分岐する。光スプリッタ3と光加入者ユニット4との間の光ファイバケーブルは、一般に「ドロップケーブル」と称される。図1のシステムにおける光スプリッタ3は、スターカプラのような電気装置を必要としない受動的な素子を用いており、「Passive」と称される。
【0005】
通信事業者によって敷設される通信局間のケーブルの敷設経路は、熟練技術者に依存して、以下のような2つのステップによって設計されていた。例えばPONの場合、少なくとも1つの収容局の位置は、予め与えられている。
(ステップ1)最初に、光スプリッタの配置位置が決定される。この位置は、光ファイバケーブルの敷設可能な経路だけでなく、トラヒックの需要予測や、加入者端局の分布密度、等の情報に基づいて決定される。
(ステップ2)次に、収容局に対して全ての光スプリッタを結ぶように、光ファイバケーブルの敷設経路が決定される。ここで、以下の2つが考慮される。
「敷設される伝送ケーブルの総延長」
「伝送ケーブルの敷設工事区間の総延長」
しかしながら、熟練技術者に依存するために、ケーブルの敷設経路の設計には、膨大な手間と時間を要することとなる。
【0006】
従来、PONにおける光ファイバケーブルの敷設コストを最小化するための技術がある(例えば非特許文献1及び2参照)。この技術によれば、収容局を中心とした円形のエリア内に、加入者宅内の光加入者ユニットが一様に分布していることを前提とする。
【0007】
また、ODNとして敷設される光ファイバケーブルの総延長を、準最適解となるように設計する技術もある(例えば特許文献1及び2参照)。この技術によれば、前述したステップ1における収容局及び光スプリッタの配置位置を、自動的且つ最適に決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−204780号公報
【特許文献2】特願2009−218195号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】宇田川大輔、松本隆男、「多段分岐光アクセスネットワークの最小光ファイバ長に関する検討」、電子情報通信学会総合大会、B-8-29、2003年
【非特許文献2】宇田川大輔、松本隆男、「多段分岐アクセスネットワークのコスト最小化条件に関する検討」、電子情報通信学会総合大会、B-8-11、2004年
【非特許文献3】S. Dreyfus, R. Wagner, “\lochThe Steiner problem in graphs,”\loch Networks 1, pp.195-207, (1972).
【非特許文献4】Xianlong Hong, et al., “\lochTIGER: An Effcient Timing-Driven Global Router for Gate Arrayand Standard Cell Layout Design,”\loch IEEE Trans. On Computer-aided Design of Integrated Circuits andSystems, Vol. 16, No. 11, Nov., pp. 1323-1331, (1997).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一般的に、単位長さあたりで比較すると、光ファイバケーブルの敷設工事コストは、光ファイバケーブルの材料コストよりも、大幅に高価である。このため、ODN構築コストを低減するためには、「伝送ケーブルの敷設工事区間の総延長」に対する準最適解を導出する必要がある。しかしながら、熟練技術者に依存した場合、ODNが、敷設コストに対する準最適解となっているか否かを確認することは不可能であった。
【0011】
図2は、伝送ケーブルの総延長と敷設工事区間の総延長との関係を表す説明図である。
【0012】
図2によれば、例えば、1つの収容局と、3つの光スプリッタと、収容局及び光スプリッタ以外の2つのノード(例えば道路の交差点や、送電線の設備点(電柱))とが配置されており、ケーブルの敷設候補(図2(a)参照)が表されている。L1〜L9は、距離を表す。
[敷設1](図2(b)参照)ケーブルの総延長を最短にした場合(L1,L2+L3+L8,L5)、工事区間の総延長は、L1+L2+L3+L5+L8となる。
[敷設2](図2(c)参照)一方で、工事区間の総延長を最短にした場合(L2+L3+L8,L6,L4)、ケーブルの総延長は、3×L2+2×L3+L4+L6+L8となる。
ここで、敷設工事コストをできる限り低額で抑えるためには、工事区間の総延長を最短にするべく[敷設2]を選択すべきである。
【0013】
また、前述した非特許文献1及び2に記載された技術によれば、以下の2つの点を前提としている。
(前提1)前提として、収容局を中心とした円形のエリア内に、PONの加入希望者宅が一様に分布している。
(現実1)現実的には、加入希望者宅が非一様に分布しおらず、また、収容局がカバーするエリアの形状も円形でない。
【0014】
(前提2)前提として、光ファイバケーブルは、任意の場所に、敷設可能である。即ち、エリアでは、光ファイバケーブルを自由に敷設することができる。
(現実2)現実的には、光ファイバケーブルは、架空送電線網や道路網に沿って敷設する必要がある。
【0015】
前述したステップ1(光スプリッタ設置位置の決定)のみであれば、準最適解が得られる。しかしながら、前述したステップ2(ODNの設計)では、光ファイバケーブルの総延長に対する準最適解を得るにすぎず、光ファイバケーブル工事区間の総延長は、全く考慮されていない。
【0016】
そこで、本発明は、伝送ケーブルの工事区間の総延長に対する準最適解を得ることができるケーブル敷設設計用のプログラム、装置及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、伝送ケーブルを敷設可能なグラフ状の経路上で、収容局と複数の分岐局との間(ノード間)における伝送ケーブルの敷設経路を決定するように、装置に搭載されたコンピュータを機能させるケーブル敷設設計用のプログラムであって、
伝送ケーブルを敷設可能な経路について、物理的なノード(節点)の位置情報v(収容局及び分岐局の位置情報を含む)と、それらノードを結ぶエッジ(枝)eとによって表現した敷設可能経路情報G(V,E)を記憶すると共に、各エッジeに付与された敷設コストwを記憶する敷設可能経路情報データベースと
ノードVの部分集合Tとして、収容局及び分岐局毎の位置情報tを記憶する位置情報データベースと
を有し、
全ての収容局及び分岐局Tを、閉路のない連結グラフで結んだツリー状グラフG'(V',E')を生成する第1のステップと、
ツリー状グラフG'(V',E')上について、敷設コストの総和が最小となるべき、収容局から各分岐局を結ぶ2点間経路を、最短経路探索アルゴリズムによって探索する第2のステップと
してコンピュータを実行させることを特徴とする。
【0018】
本発明のケーブル敷設設計用のプログラムにおける他の実施形態によれば、
第1のステップは、最小シュタイナー木(Minimum Steiner Tree)を導出するアルゴリズムを用いることも好ましい。
【0019】
本発明のケーブル敷設設計用のプログラムにおける他の実施形態によれば、
第1のステップは、
ノードV(={v1,v2,・・・,vn})の部分集合Tに、収容局及び分岐局の位置情報tを含める第11のステップと、
部分集合Tに含まれるノードtの任意の2点の組み合わせ毎に、両ノードを結ぶパス(経路)上に存在するエッジeに付与された敷設コストwの総和が最小となるパスを探索する第12のステップと、
第12のステップによって探索されたパス上に存在するノードvを、ツリー状グラフG'(V',E')に追加する第13のステップと、
第12のステップによって探索されたパス上に存在するエッジeについて、付与された敷設コストwを0に設定する第14のステップと
を有し、ツリー状グラフG'が連結するまで、第12〜第14のステップを繰り返すことも好ましい。
【0020】
本発明のケーブル敷設設計用のプログラムにおける他の実施形態によれば、
第2のステップの最短経路探索アルゴリズムは、部分集合Tに含まれる2点のノード同士の総当たりに対するダイクストラ(Dijkstra)法を用いることも好ましい。
【0021】
本発明のケーブル敷設設計用のプログラムにおける他の実施形態によれば、
敷設コストwは、ケーブルの敷設費用に基づく数値、又は、ケーブルの線路長に基づく数値であることも好ましい。
【0022】
本発明のケーブル敷設設計用のプログラムにおける他の実施形態によれば、
伝送ケーブルは、PON(Passive Optical Network)用のODN(Optical Distribution Network)における光ファイバケーブルであり、
分岐局は、光スプリッタであり、
収容局及び分岐局以外のノードは、物理的な敷設設備である
ことも好ましい。
【0023】
本発明によれば、伝送ケーブルを敷設可能なグラフ状の経路上で、収容局と複数の分岐局との間(ノード間)における伝送ケーブルの敷設経路を決定するように、装置に搭載されたコンピュータを機能させるケーブル敷設設計装置であって、
伝送ケーブルを敷設可能な経路について、物理的なノード(節点)の位置情報v(収容局及び分岐局の位置情報を含む)と、それらノードを結ぶエッジ(枝)eとによって表現した敷設可能経路情報G(V,E)を記憶すると共に、各エッジeに付与された敷設コストを記憶する敷設可能経路情報データベースと、
ノードVの部分集合Tとして、収容局及び分岐局毎の位置情報tを記憶する位置情報データベースと、
全ての収容局及び分岐局Tを、閉路のない連結グラフで結んだツリー状グラフG'(V',E')を生成するツリー状グラフ生成手段と、
ツリー状グラフG'(V',E')上について、敷設コストの総和が最小となるべき、収容局から各分岐局を結ぶ2点間経路を、最短経路探索アルゴリズムによって探索する2点間経路決定手段と
を有することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、伝送ケーブルを敷設可能なグラフ状の経路上で、収容局と複数の分岐局との間(ノード間)における伝送ケーブルの敷設経路を決定するケーブル敷設設計システムであって、
伝送ケーブルを敷設可能な経路について、物理的なノード(節点)の位置情報v(収容局及び分岐局の位置情報を含む)と、それらノードを結ぶエッジ(枝)eとによって表現した敷設可能経路情報G(V,E)を記憶すると共に、各エッジeに付与された敷設コストを記憶する敷設可能経路情報データベースと、
ノードVの部分集合Tとして、収容局及び分岐局毎の位置情報tを記憶する位置情報データベースと、
位置情報データベース及び敷設可能経路情報データベースとネットワークを介して接続された敷設経路設計装置と
を有し、
敷設経路設計装置は、
収容局及び分岐局毎の位置情報tと敷設可能経路情報G(V,E)とを用いて、Tに含まれる全てのノードを閉路のない連結グラフで結んだツリー状グラフG'(V',E')を生成するツリー状グラフ生成手段と、
ツリー状グラフG'(V',E')上について、敷設コストの総和が最小となるべき、収容局から各分岐局を結ぶ2点間経路を、最短経路探索アルゴリズムによって探索する2点間経路決定手段と
を有する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明のケーブル敷設設計用のプログラム、装置及びシステムによれば、伝送ケーブルの工事区間の総延長に対する準最適解を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】PONのシステム構成図である。
【図2】伝送ケーブルの総延長と敷設工事区間の総延長との関係を表す説明図である。
【図3】伝送ケーブルを敷設可能なグラフ状の経路を表す説明図である。
【図4】本発明における敷設経路設計装置の機能構成図である。
【図5】本発明における第1の実施形態のフローチャートである。
【図6】最短経路探索アルゴリズムを説明するグラフである。
【図7】本発明における第2の実施形態のフローチャートである。
【図8】具体的な敷設経路の第1の設計過程を表す説明図である。
【図9】具体的な敷設経路の第2の設計過程を表す説明図である。
【図10】具体的な敷設経路の第3の設計過程を表す説明図である。
【図11】具体的な敷設経路の第4の設計過程を表す説明図である。
【図12】本発明におけるシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0028】
図3は、伝送ケーブルを敷設可能なグラフ状の経路を表す説明図である。
【0029】
図3の経路によれば、収容局2と複数の光スプリッタ(分岐局)3との間の伝送ケーブルは、グラフ状に敷設可能となっている。ここで、以下のように定義する。
収容局の位置:C
光スプリッタの位置:SPLi(i=1,2,…,N)
ノードvi(i=1,2,…,K1)、ノードの集合V={v1,v2,・・・,vK1
エッジej(j=1,2,…,K2)、エッジの集合E={e1,e2,・・・,vK2
エッジejの重みwj(j=1,2,…,K2)
【0030】
ノード(節点)vは、物理的な位置情報であって、収容局及び光スプリッタの位置情報も含むものとする。
エッジ(枝)eは、ノードv同士を結ぶ。
例えば、敷設可能経路として道路網を想定する場合、以下のように対応付けられる。
ノードv:例えば道路の交差点や、送電線の設備点(電柱)の位置情報
(収容局及び光スプリッタの位置情報を含む)
エッジe:道路の交差点同士や送電線の設備点同士の間を結ぶ、道路や送電線
重みw :道路や送電線eの長さ(敷設コストにつながる)
【0031】
図4は、本発明における敷設経路設計装置の機能構成図である。
【0032】
敷設経路設計装置1は、伝送ケーブル(例えば光ファイバケーブル)の敷設可能経路網G(V,E)上に、収容局及び光スプリッタの全ての通信局を結ぶ敷設経路を決定する。敷設経路設計装置1は、敷設可能経路情報データベース101と、位置情報データベース102と、パラメータ記憶部103と、ツリー状グラフ生成部111と、2点間経路決定部112と、設計結果出力部113とを有する。敷設経路設計装置1は、例えばパーソナルコンピュータやサーバのようなものであって、その装置1に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0033】
[敷設可能経路情報データベース101]
敷設可能経路情報データベース101は、敷設可能経路情報G(V,E)を記憶する。敷設可能経路情報Gは、伝送ケーブルを敷設可能な経路について、物理的なノード(節点)の位置情報v(収容局及び分岐局の位置情報を含む)と、それらノードを結ぶエッジ(枝)eとを用いて表現したものである。また、各エッジeには、敷設コストwも付与される。
【0034】
[位置情報データベース102]
位置情報データベース102は、ノードVの部分集合Tとして、収容局C及び光スプリッタSPLi毎の位置情報tを記憶する。即ち、物理的なノード(節点)の位置情報vは、収容局及び分岐局の位置情報も含んでいる。
【0035】
[パラメータ記憶部103]
パラメータ記憶部103は、ノードvの部分集合Tとなるツリー状グラフG'(V',E')を、算出過程の中で一時的に記憶する。
【0036】
[ツリー状グラフ生成部111]
ツリー状グラフ生成部111は、全てのノード間について、閉路のない連結グラフで結んだツリー状グラフG'(V',E')を生成する。ここで、ツリー状グラフG'を生成するために、2つの実施形態がある。
(第1の実施形態)最小シュタイナー木を導出するアルゴリズムを用いる
(比較的演算量が多い)
(第2の実施形態)最小シュタイナー木に準ずる木を導出するアルゴリズムを用いる
(比較的演算量が少ない)
【0037】
[2点間経路決定部112]
2点間経路決定部112は、ツリー状ネットワークG'(V',E')について、敷設コストが最小となるべき、収容局から各分岐装置を結ぶ2点間経路を、最短経路探索アルゴリズムによって探索する。最短経路探索アルゴリズムとしては、例えばダイクストラ(Dijkstra)法を用いることができる。
【0038】
[設計結果出力部113]
設計結果出力部113は、最終的にパラメータ記憶部103に記憶された設計結果を、オペレータに明示するべくディスプレイへ出力する。これによって、オペレータは、伝送ケーブルの敷設経路を認識することができる。
【0039】
図5は、本発明における第1の実施形態のフローチャートである。
【0040】
(S51)最初に、位置情報データベース102に記憶された収容局C及び光スプリッタSPLi全ての位置情報を、ノードVの部分集合Tとする。
【0041】
(S52)次に、最小シュタイナー木を導出するアルゴリズムを用いて、収容局C及び光スプリッタSPLi全てを含む最小シュタイナー木を算出する。この木は、敷設可能経路情報データベース101に記憶されたノードv及びエッジeを用いて算出される。
【0042】
第1の実施形態によれば、「シュタイナー木(Steiner Tree)」を生成する。「シュタイナー木」とは、グラフGに対して、ノードVの部分集合T(T={t1,t2,…,tk}, k≦K1)が与えられた場合、部分集合Tに含まれる全てのノードを含む木をいう。この木は、閉路を持たない連結グラフである。
【0043】
ここで、本発明によれば、特に「最小シュタイナー木(Minimum Steiner Tree)」を生成する。「最小シュタイナー木」問題とは、エッジejに重みwjが付与されたグラフGにおけるノードVの部分集合Tについて、エッジeの重みの総和wが最も小さくなるシュタイナー木を算出することをいう。最小シュタイナー木問題は、NP(Non-deterministic Polynomial time)困難であることが周知となっている。最小シュタイナー木を導出するアルゴリズムとしては、例えば非特許文献3及び非特許文献4に記載の技術がある。
【0044】
パラメータ記憶部103は、最小シュタイナー木について、ノードv'i(i=1,2,…,K'1)及びエッジe'j(j=1,2,…,K'2)によって構成されるグラフG’=(V',E')を記憶する。尚、最小シュタイナー木G’は、グラフGの一部(G'⊆G)であるため、K'1≦K1、K'2≦K2であることは明らかである。
【0045】
(S53)最小シュタイナー木のグラフG'=(V',E')上で、各光スプリッタSPLi(i=1,2,…,N)から収容局Cまでの経路を、最短経路探索アルゴリズム(2点間経路決定部において実施)を用いて算出する。
【0046】
図6は、最短経路探索アルゴリズムを説明するグラフである。
【0047】
ここでは、最短経路探索アルゴリズムとして、ダイクストラ(Dijkstra)法を用いる。図6のグラフは、□で表された交差点(ノード)と、線で表された道路(エッジ)とからなる。また、各エッジには、例えばエッジの長さ(道路の長さ)に対応する重みwが付与されている。グラフには、起点及び終点が予め指定されており、ダイクストラ法によって、起点及び終点を結ぶ最短経路(=重みの総和が最小となる経路)が導出される。
【0048】
この方法は、各第i次ノードについて、隣接する第(i+1)次ノードを見出す。そして、各第(i+1)次ノードについて、以下の3つを記憶する。
(1)1ホップ前の第i次ノードを経由する起点からの累積距離
(2)起点までのホップ数
(3)1ホップ前のノードのノード番号
最終的に、終点に到達した際に、順次、0次ノード(起点)まで辿ることによって、起点と終点とを結ぶ経路を作成する。この経路が、起点と終点を結ぶ最短の経路となる。
m次ノード -> (m−1)次ノード -> (m−2)次ノード・・・
【0049】
(S61)起点を0次ノードとして、当該0次ノードからエッジに沿って隣接する1次ノードA1〜A2を探索する。そして、1次ノードA1,A2それぞれは、以下の情報を記憶する。
A1 -> 起点−A1間の累計距離Ad1
起点までのホップ数:1
1ホップ前のノード:起点
A2 -> 起点−A2間の累計距離Ad2
起点までのホップ数:1
1ホップ前のノード:起点
【0050】
(S62)次いで、各1次ノードA1及びA2について、2次ノードBijを探索する。
1次ノードA1については、3つの2次ノードB11,B12,B13を見出す。2次ノードB11,B12,B13に対して、以下の情報を登録する。
B11 -> 起点−A1−B11間の累計距離Bd11
起点までのホップ数:2
1ホップ前のノード:A1
B12 -> 起点−A1−B12間の累計距離Bd12
起点までのホップ数:2
1ホップ前のノード:A1
B13 -> 起点−A1−B13間の累計距離Bd13
起点までのホップ数:2
1ホップ前のノード:A1
【0051】
同様に、1次ノードA2については、2つの2次ノードB21,B22を見出す。2次ノードB21,B22に対して、以下の情報を登録する。
B21 -> 起点−A2−B21間の累計距離Bd21
起点までのホップ数:2
1ホップ前のノード:A2
B22 -> 起点−A2−B22間の累計距離Bd22
起点までのホップ数:2
1ホップ前のノード:A2
【0052】
ここで、ノードB13及びB21は、同一ノードである。このように、重複した1つのノードに対して、異なる経路の累積距離のデータが記憶される場合がある。この場合、起点からの累積距離Bd13とBd21との大小関係を比較し、大きい方のデータを破棄し、小さい方のデータのみを記憶する。例えば、Bd13>Bd21であれば、ノードB13(=B21)には、累計距離Bd21と対応する1ホップ前のノードA2の番号が最終的に記憶される。
[Bd13>Bd21]
B13 -> 起点−A1−B13間の累計距離Bd21
起点までのホップ数:2
1ホップ前のノード:A2
B21 -> 起点−A2−B21間の累計距離Bd21
起点までのホップ数:2
1ホップ前のノード:A2
【0053】
(S63)以降、同様に、各2次ノードBijについて、隣接する3次ノードCijを探索する。これを繰り返すことによって、探索が、終点に到達する。
【0054】
例えば、2次ノードB12及びB13(B21)は、3次ノードとしての終点を探索する。ここで、以下の2つの経路が検出される。
起点−A1−B12−終点 :累計距離(短い)
起点−A2−B13(B21)−終点 :累計距離(長い)
終点に到達した場合、累計距離が短い方の経路が、最短経路として決定される。例えば、図6によれば、起点−A1−B12−終点が、最短経路として決定される。
【0055】
図7は、本発明における第2の実施形態のフローチャートである。
【0056】
図5で前述した第1の実施形態のフローチャートによれば、「最小シュタイナー木」のアルゴリズムを用いた。「最小シュタイナー木」は、グラフGと、Vの部分集合(=全光スプリッタ及び収容局の位置を含む)(T={t1,t2,…,tk}, k≦K1)に基づいて、Tに含まれるノード全てを含む木を導出する。この最小シュタイナー木によれば、エッジの重みの総和が最小となる。
【0057】
しかしながら、このような最小シュタイナー木アルゴリズムの計算量のオーダは、3のTの要素数乗(O(3k))であることが分かっている。このため、Tの要素数が増加すると、計算量が爆発的に増加するという課題がある。
【0058】
そこで、図7の第2の実施形態によれば、エッジの重みの総和が望ましい程度に小さいシュタイナー木(つまり、「最小シュタイナー木に準ずる木」)を導出する技術を用いる。この技術によれば、エッジの重みの総和が確実に最小となるまで算出しないために、短時間で、ツリー状グラフの木を導出することができる。
【0059】
(S71)最初に、位置情報データベース102に記憶された収容局C及び光スプリッタSPLi全ての位置情報を、ノードV(={v1,v2,・・・,vn})の部分集合Tとする。
【0060】
(S72)次に、パラメータ記憶部103に対して、シュタイナー木G'=(V',E')の保存用に割り当てられている記憶領域を初期化する。V'及びE'を共に、空集合とする。
【0061】
(S73)次に、部分集合Tに含まれるノードtの任意の2点(ti,tj(i≠j))の組み合わせ毎に、光ファイバ敷設可能経路網G(V,E)上におけるti−tj間の最短経路を探索する。即ち、両ノードを結ぶパス(経路)上に存在するエッジeに付与された敷設コストwの総和が最小となる経路を探索する。その結果は、パラメータ記憶部103に保存される。
【0062】
(S74)パラメータ記憶部103に保存された全ての経路について、重み(長さ)の総和がゼロでない経路を抽出する。その中で、重みの総和が最小の経路tp−tqを検索する。
【0063】
(S75)当該経路について、両端ノードであるtp、tqを含め、当該経路を構成するノードv及びエッジeの集合を、シュタイナー木G'に追加する。
【0064】
(S76)また、S75によって探索されたパス上に存在するエッジeについて、付与された敷設コストwを0に設定する。即ち、光ファイバ敷設可能経路網G(V,E)について、G'に追加された経路を構成するエッジの重みwの値をゼロ(0)に変更する。
【0065】
(S77)最後に、シュタイナー木G'を構成するノードの集合V'が、Tを全て含み(T⊆V')、且つ、連結グラフかどうかを確認する。この条件を満たす場合、S78へ移行し、満たさない場合、S73へ移行する。
【0066】
(S78)最小シュタイナー木のグラフG'=(V',E')上で、各光スプリッタSPLi(i=1,2,…,N)から収容局Cまでの経路を、最短経路探索アルゴリズム(2点間経路決定部において実施)を用いて算出する。前述した図5のS53の処理と全く同様である。
【0067】
ここで、第2の実施形態における計算量のオーダについて検討する。ダイクストラ法の計算量のオーダは、グラフGに含まれるノード数の二乗であることが知られている。第2の実施形態によれば、ダイクストラ法による演算が、Tに含まれるノード間の全組合せについて実施されるために、全体の計算量のオーダは、K12×k2に比例する(O(K12×k2))。このため、光スプリッタ数の多い(kが大きい)場合では、第2の実施形態によって、大幅に計算量を削減(=設計処理の高速化)することができる。
【0068】
最後に、第2の実施形態における具体的な敷設経路の設計について説明する。
【0069】
図8は、具体的な敷設経路の第1の設計過程を表す説明図である。
【0070】
簡単化のために、ここでは、敷設可能経路網情報データベースに保存されている光ファイバ敷設可能経路網G(V,E)は、以下の要素から構成されているとする。
11個のノード(V={v1,…,v11})
16本のエッジ(E={e1,…,e16})
各エッジeは、初期状態ではエッジの長さで重み付けされているものとする。また、位置情報データベースには、3個の光スプリッタ及び収容局の位置情報が保存されているものとする。
【0071】
図9は、具体的な敷設経路の第2の設計過程を表す説明図である。
【0072】
最初に、S71について、光スプリッタ及び収容局を、Vの部分集合T={t1,t2,t3,t4}とする。ここで、t1=v7, t2=v4, t3=v10, t4=v8であるものとする。
次に、S72について、シュタイナー木G'を初期化する。
【0073】
次に、S73及びS74について、Tに含まれるノード同士の中で、G上で当該2つのノードを結ぶパスの重みの総和が最小となるノード同士を探索する。ここでは、経路t1−t3が見出されたとする。
次に、S75について、当該経路を構成するノード及びエッジを、シュタイナー木G'=(V',E')に追加する。
V'={t1,t2,t3,t4}, E'={e14}
次に、S76について、G上で、当該経路に含まれるエッジ全て(ここではe14)の重みを、ゼロとおく。
この時点では、V'に含まれないTの要素がある(T⊆V'でない)ため、S73へ戻る。
【0074】
図10は、具体的な敷設経路の第3の設計過程を表す説明図である。
【0075】
次に、S73及びS74について、Tに含まれるノード同士の中で、G上で当該2つのノードを結ぶパスの重みの総和が最小となるノード同士を探索する。ここでは、経路t2−t4が見出されたとする。
次に、S75について、当該経路を構成するノード及びエッジを、シュタイナー木G'=(V',E')に追加する。
V’={t1,t2,t3,t4,v5}, E'={e4,e7,e14}
次に、S76について、G上で、当該経路に含まれるエッジ全て(ここではe4,e7)の重みを、ゼロとおく。
この時点では、TはV'に含まれる(T⊆V')ものの、G'は、連結グラフでないため、S73へ戻る。
【0076】
図11は、具体的な敷設経路の第4の設計過程を表す説明図である。
【0077】
次に、S73及びS74について、Tに含まれるノード同士の中で、G上で当該2つのノードを結ぶパスの重みの総和が最小となるノード同士を探索する。ここでは、経路t1−t2が見出されたとする。
次に、S75について、当該経路を構成するノード及びエッジを、シュタイナー木G'=(V',E')に追加する。
V'={t1,t2,t3,t4,v5,v6}, E'={e4,e6,e7,e11,e14}
次に、S76について、G上で、当該経路に含まれるエッジ全て(ここではe4,e6,e11)の重みを、ゼロとおく。
この時点では、TはV'に含まれ(T⊆V')、且つ、G'は連結グラフとなるために、S78へ移行する。
【0078】
最後に、G'=(V',E')上で、それぞれの光スプリッタSPLi(i=1,2,3)に対して、収容局Cまでの経路を、最短経路探索アルゴリズムを用いて算出する。最終的に、図11のような経路が、最短経路として算出される。
【0079】
図12は、本発明におけるシステム構成図である。
【0080】
図12のシステムによれば、図4と比較して、敷設可能経路情報データベース101及び位置情報データベース102と、敷設経路設計装置1とが、ネットワークを介して接続されている。例えば敷設経路設計装置1がパーソナルコンピュータであってもよく、ネットワークに接続されたデータベースから情報を取得することによって、敷設経路を設計することができる。
【0081】
前述したように、本発明のケーブル敷設設計用のプログラム、装置及びシステムによれば、伝送ケーブルの工事区間の総延長に対する準最適解を得ることができる。
【0082】
例えばPONの光ファイバケーブルにおける敷設経路を設計する場合、複数の光スプリッタの位置と収容局の位置が与えられていても、光ファイバケーブルの敷設可能経路に対して制約条件が存在する。ここで、光スプリッタの全てを収容局に収容する場合、本発明によれば、光ファイバケーブル工事区間の総延長に対して準最適となるODNを自動的に設計することができる。また、本発明によって設計されたODN構築コストは、従来法(熟練した技術者による手作業や、特許文献1及び2に記載の手法)で設計されたコストよりも低くなる。更に、本発明の第2の実施形態によってODNを設計した場合、少ない演算量で、短時間に設計することができる。本発明によれば、特に、PONサービスを展開する通信事業者における、FTTHネットワークの設計に適する。
【0083】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0084】
1 敷設経路設計装置
101 敷設可能経路情報データベース
102 位置情報データベース
103 パラメータ記憶部
111 ツリー状グラフ生成部
112 2点間経路決定部
113 設計結果出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送ケーブルを敷設可能なグラフ状の経路上で、収容局と複数の分岐局との間(ノード間)における伝送ケーブルの敷設経路を決定するように、装置に搭載されたコンピュータを機能させるケーブル敷設設計用のプログラムであって、
伝送ケーブルを敷設可能な経路について、物理的なノード(節点)の位置情報v(収容局及び分岐局の位置情報を含む)と、それらノードを結ぶエッジ(枝)eとによって表現した敷設可能経路情報G(V,E)を記憶すると共に、各エッジeに付与された敷設コストwを記憶する敷設可能経路情報データベースと
ノードVの部分集合Tとして、収容局及び分岐局毎の位置情報tを記憶する位置情報データベースと
を有し、
全ての収容局及び分岐局Tを、閉路のない連結グラフで結んだツリー状グラフG'(V',E')を生成する第1のステップと、
前記ツリー状グラフG'(V',E')上について、前記敷設コストの総和が最小となるべき、収容局から各分岐局を結ぶ2点間経路を、最短経路探索アルゴリズムによって探索する第2のステップと
してコンピュータを実行させることを特徴とするケーブル敷設設計用のプログラム。
【請求項2】
第1のステップは、最小シュタイナー木(Minimum Steiner Tree)を導出するアルゴリズムを用いることを特徴とするケーブル敷設設計用のプログラム。
【請求項3】
第1のステップは、
ノードV(={v1,v2,・・・,vn})の部分集合Tに、収容局及び分岐局の位置情報tを含める第11のステップと、
部分集合Tに含まれるノードtの任意の2点の組み合わせ毎に、両ノードを結ぶパス(経路)上に存在するエッジeに付与された敷設コストwの総和が最小となるパスを探索する第12のステップと、
第12のステップによって探索されたパス上に存在するノードvを、ツリー状グラフG'(V',E')に追加する第13のステップと、
第12のステップによって探索されたパス上に存在するエッジeについて、付与された敷設コストwを0に設定する第14のステップと
を有し、前記ツリー状グラフG'が連結するまで、第12〜第14のステップを繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のケーブル敷設設計用のプログラム。
【請求項4】
第2のステップの最短経路探索アルゴリズムは、部分集合Tに含まれる2点のノード同士の総当たりに対するダイクストラ(Dijkstra)法を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のケーブル敷設設計用のプログラム。
【請求項5】
前記敷設コストwは、ケーブルの敷設費用に基づく数値、又は、ケーブルの線路長に基づく数値であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のケーブル敷設設計用のプログラム。
【請求項6】
前記伝送ケーブルは、PON(Passive Optical Network)用のODN(Optical Distribution Network)における光ファイバケーブルであり、
前記分岐局は、光スプリッタであり、
収容局及び分岐局以外のノードは、物理的な敷設設備である
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のケーブル敷設設計用のプログラム。
【請求項7】
伝送ケーブルを敷設可能なグラフ状の経路上で、収容局と複数の分岐局との間(ノード間)における伝送ケーブルの敷設経路を決定するように、装置に搭載されたコンピュータを機能させるケーブル敷設設計装置であって、
伝送ケーブルを敷設可能な経路について、物理的なノード(節点)の位置情報v(収容局及び分岐局の位置情報を含む)と、それらノードを結ぶエッジ(枝)eとによって表現した敷設可能経路情報G(V,E)を記憶すると共に、各エッジeに付与された敷設コストを記憶する敷設可能経路情報データベースと、
ノードVの部分集合Tとして、収容局及び分岐局毎の位置情報tを記憶する位置情報データベースと、
全ての収容局及び分岐局Tを、閉路のない連結グラフで結んだツリー状グラフG'(V',E')を生成するツリー状グラフ生成手段と、
前記ツリー状グラフG'(V',E')上について、前記敷設コストの総和が最小となるべき、収容局から各分岐局を結ぶ2点間経路を、最短経路探索アルゴリズムによって探索する2点間経路決定手段と
を有することを特徴とするケーブル敷設設計装置。
【請求項8】
伝送ケーブルを敷設可能なグラフ状の経路上で、収容局と複数の分岐局との間(ノード間)における伝送ケーブルの敷設経路を決定するケーブル敷設設計システムであって、
伝送ケーブルを敷設可能な経路について、物理的なノード(節点)の位置情報v(収容局及び分岐局の位置情報を含む)と、それらノードを結ぶエッジ(枝)eとによって表現した敷設可能経路情報G(V,E)を記憶すると共に、各エッジeに付与された敷設コストを記憶する敷設可能経路情報データベースと、
ノードVの部分集合Tとして、収容局及び分岐局毎の位置情報tを記憶する位置情報データベースと、
前記位置情報データベース及び前記敷設可能経路情報データベースとネットワークを介して接続された敷設経路設計装置と
を有し、
前記敷設経路設計装置は、
収容局及び分岐局毎の位置情報tと敷設可能経路情報G(V,E)とを用いて、Tに含まれる全てのノードを閉路のない連結グラフで結んだツリー状グラフG'(V',E')を生成するツリー状グラフ生成手段と、
前記ツリー状グラフG'(V',E')上について、前記敷設コストの総和が最小となるべき、収容局から各分岐局を結ぶ2点間経路を、最短経路探索アルゴリズムによって探索する2点間経路決定手段と
を有する
ことを特徴とするケーブル敷設設計システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−3876(P2013−3876A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134822(P2011−134822)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】