文字コード入力による装置設定の入力方法
【課題】文字コード入力による装置設定の入力方法に関し、操作が容易で判り易く、操作ミスが起こりにくい装置設定入力方法を提供し、装置設定の作業負担を軽減する。
【解決手段】メインメニューである「メイン機能選択画面」を表示設定し(8−1)、オペレータは下向き又は上向きのカーソル移動キーを操作し、設定変更すべき機能項目を含む制御機能を選択する(8−3)。該機能項目にサブメニューが有る場合、そのサブメニュー(下層画面)の画面表示設定を行い(8−8)、該サブメニュー(下層画面)を表示する(8−2)。機能項目の選択終了後、「選択機能の項目表示」の処理を呼び出し(8−9)、装置設定画面を表示し、オペレータは該装置設定画面を見ながら設定内容を変更する(8−10)。全項目について装置設定画面上に設定値を設定した後、装置設定画面上に設定した各項目の設定値をそれぞれ装置に一括して設定する(8−11)。
【解決手段】メインメニューである「メイン機能選択画面」を表示設定し(8−1)、オペレータは下向き又は上向きのカーソル移動キーを操作し、設定変更すべき機能項目を含む制御機能を選択する(8−3)。該機能項目にサブメニューが有る場合、そのサブメニュー(下層画面)の画面表示設定を行い(8−8)、該サブメニュー(下層画面)を表示する(8−2)。機能項目の選択終了後、「選択機能の項目表示」の処理を呼び出し(8−9)、装置設定画面を表示し、オペレータは該装置設定画面を見ながら設定内容を変更する(8−10)。全項目について装置設定画面上に設定値を設定した後、装置設定画面上に設定した各項目の設定値をそれぞれ装置に一括して設定する(8−11)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字コード入力による装置設定の入力方法に関し、文字コードにより各種制御や設定を行う装置に対して、コマンドラインインタフェースに代えて、操作の容易なインタフェースで装置設定を行うことができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
情報通信分野等において、複雑な機能を有し、装置を稼働状態にするまでに数多くの装置設定の操作を必要とする装置が増加する傾向にある。例えば、加入者単位でのVLAN(Virtual Local Area Network)管理を必要とするネットワーク装置や、ネットワーク品質保証サービス(QoS:Quality of Service)を実現するネットワーク装置においては、VLANの設定やQoS保証のためのキュー制御(Class Queue :High, Middle high, middle Low, Low)の設定等を行うに当たって、加入者毎の契約内容等に応じた詳細な項目について設定コマンドを入力する必要があり、その作業に多くの労力と時間を要していた。
【0003】
従来は、図15に示すように、装置設定用のコンピュータでコマンドプロンプトを表示した状態から、装置設定のコマンドとそのパラメータを設定項目毎に順々にキー入力することにより、装置への各種設定を行っていた。例えば、或るネットワーク装置のポートの設定を行う場合、図15に示すように、設定対象のポート番号(port 1-3)、設定するスピード(speed 100_full)、閉塞状態(blockage open)、フロー制御(flow control disable)などといった設定項目とそのパラメータとを入力して設定する。
【0004】
しかし、このようなコマンドラインインタフェースによる設定方法は、設定状態を表示するコマンドを投入し、コンピュータ画面上に設定内容を表示させて設定内容を確認した後に、変更すべき設定内容を入力しなければならなかった。また、その設定内容は、設定コマンドの実行により表示画面がスクロールするため、幾つかの設定コマンドを実行すると、先に行った設定内容の表示が画面からが消えてしまい、それらを表示するには、再度、設定内容表示のためのコマンドを投入して設定内容を表示させる必要があった。
【0005】
また、従来のコマンドラインによる装置設定は、装置を制御するための数多くのコマンドの中から当該装置設定に適合したコマンドを探し出し、そのコマンドに含まれるパラメータを、設定内容に応じて1つずつ指定して設定しなければならなかった。また、そのコマンドは、装置毎に異なる装置固有のコマンドであり、同じような設定内容であっても、種別の異なる装置に対して設定を行う場合には、別個のコマンド及びパラメータを指定しなければならず、多種多様なコマンドとパラメータとを入力しなければならなかった。
【0006】
また、従来のコマンドラインによる設定では、設定コマンドを実行して次の表示コマンドに設定内容を反映させるために、投入コマンドを逐次実行しながら設定を行うが、このような入力方法では、設定内容を遡ってチェックすることが困難であるため、誤った設定を行った場合に、その誤りに気付くことが遅れ、加入者サービスに重要な影響を及ぼすことが有った。
【0007】
本発明に関連する先行技術文献として下記の特許文献1に、GUI/CUI協動システム及びその方法並びにそのプログラムについて記載されている。CUI(Character-based User Interface)は、パソコン等を使用したコンピュータシステムにおいて、ユーザとの間で情報のやり取りを行う場合の環境として、ディスプレイ上に文字によって情報を表示し、その情報に対する入力操作をキーボードから行わせるようにしたものであり、GUI(Graphical User Interface)は、ディスプレイ上にウィンドウやアイコン等のグラフィックによって情報を表示し、その情報に対する入力操作をマウス等のポインティングデバイスにより行わせるものである。
【0008】
同文献記載のものは、ユーザがGUIのグラフィックを見ながらCUIのコマンドラインに入力操作をすることができるようにし、GUIの可視性とCUIの迅速な入力操作性といったGUIとCUIの両方の利点を活かし、それぞれの欠点を補完し合うようにしたものである、
【特許文献1】特開2007−114935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、多様なコマンドを投入し、設定内容の表示確認と投入した設定コマンドの実行を繰り返し行って各項目を設定する必要がある従来のコマンドラインによるインタフェースの代わりに、操作が容易で判り易く、操作ミスが起こりにくく、異なる装置でも設定操作環境を統一化することができる装置設定入力方法を提供し、装置設定の作業負担を軽減するとともに、誤設定による加入者サービスへの影響を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の文字コード入力による装置設定の入力方法は、装置設定処理において、各設定項目を2次元配列した表示項目テーブルと、該表示項目テーブルに配列された各設定項目について、少なくとも装置設定画面上の表示位置及び装置設定内容の情報を含むテーブル設定項目リストとを参照し、前記装置設定画面上に複数の設定項目の現在の装置設定内容を2次元的に配列して表示した状態で、カーソル移動キーのコードが入力される毎に、カーソルを列方向又は行方向の隣接する設定項目の先頭文字の位置へ移動させる文字コードを生成して送出し、設定変更対象の設定項目の先頭文字の位置へカーソルを移動させるステップと、前記カーソルが配置された設定項目に対して、入力された文字コードに応じた設定変更内容を前記テーブル設定項目リストに設定変更値として設定し、該設定変更値を前記装置設定画面上に表示するステップと、前記装置設定画面上に表示された各設定項目の設定内容を、特定のキーの文字コードの入力時に一括して装置設定内容として設定するステップを含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記設定項目の設定変更を行う際に、予め設定値を格納した設定一覧テーブルの設定一覧位置を、特定のキーの文字コードが入力される毎に1つずつ移動させて特定し、該一覧テーブルの特定された設定一覧位置に格納された設定値を、前記テーブル設定項目リストに設定変更値として設定し、該設定変更値を前記装置設定画面上に表示するステップを含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記設定項目の設定変更を行う際に、特定のキーの文字コードが入力されたときに、前記表示項目テーブルの同一列上の同一の設定項目の各テーブル設定項目リストに、現カーソル位置の設定値と同一の設定値を設定変更値として一括して設定し、該設定変更値を前記装置設定画面上に表示するステップを含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記設定項目の設定変更を行う際に、特定のキーの文字コードが入力されたときに、当該設定項目の前記テーブル設定項目リストに現在の装置設定内容を設定し、前記装置設定画面上の表示を元の設定値に戻すステップを含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記設定項目の設定変更を行う際に、特定のキーの文字コードが入力されたときに、前記テーブル設定項目リストの全てに対して、値更新未了を示す情報を設定し、前記装置設定画面上に表示された設定内容を装置に設定することなく、装置設定処理を終了させるステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、文字コードによるメニュー形式で表示された設定項目を選択して設定値を入力し、該入力により表示された設定値を装置に設定する構成としたことにより、従来の多様なコマンドとそのパラメータを入力する必要があった装置設定作業を、操作が容易で判り易く、操作ミスが起こりにくい簡便なものにすることができる。
【0016】
即ち、従来のように各設定項目の設定の都度、その設定内容を確認するための表示コマンドを実行する必要が無く、装置設定された内容を表示した画面(図2参照)上で確認しながら、ごく僅かな操作キー(図3参照)により、変更する設定項目にカーソルを移動(図4参照)させて設定値を入力・表示し、実際に装置へ設定する前に、設定内容の確認と設定内容の修正ができるため、設定変更時の誤設定を防ぐことができ、それにより加入者サービスへの設定ミスによる影響を防ぐことができる。
【0017】
また、汎用性のある文字コードによりメニュー形式で設定画面を表示し、設定内容を入力する構成としたことにより、種別の異なる装置でも装置設定操作環境を統一化することができ、装置設定の作業負担が軽減され、誤設定による加入者サービスへの影響を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明による装置設定のメイン処理フローを図8に示す。本発明による処理フローでは、装置設定処理へのログイン後にメインメニューである「メイン機能選択画面」を表示設定し(ステップ8−1)、該表示設定された各メイン機能項目を表示する(ステップ8−2)。該「メイン機能選択画面」の表示例を図1に示す。
【0019】
オペレータは、「メイン機能選択画面」で下向き又は上向きのカーソル移動キー「↓」又は「↑」を操作し、設定変更すべき機能項目を含む制御機能を選択して実行(「Enter」キー押下)する(ステップ8−3)。選択された制御機能が<Logout>である場合(ステップ8−4でYESの場合)は、ログアウトして終了する。選択された制御機能が<戻る>である場合(ステップ8−5でYESの場合)は、上層画面の表示設定を行い(ステップ8−6)、上記ステップ8−2に戻って同様の処理を行う。
【0020】
選択された制御機能が設定変更すべき機能項目であり、該機能項目にサブメニューが有る場合(ステップ8−7でYESの場合)には、そのサブメニュー(下層画面)を表示する画面表示設定を行い(ステップ8−8)、該サブメニュー(下層画面)を表示する(ステップ8−2)。メインメニュー又はサブメニューに表示された機能項目の選択が終了した後は、「選択機能の項目表示」の処理を呼び出し(ステップ8−9)、図9に示す表示処理フローにより、図2に示すような装置設定画面を表示する。
【0021】
「選択機能の項目表示」の処理フローについては後に詳述するが、オペレータは「選択機能の項目表示」の処理により表示された装置設定画面を見ながら、選択した機能の各項目の設定内容を変更する設定を行う(ステップ8−10)。設定変更する全項目について装置設定画面上に設定値を設定した後、「Enter」キーを押下することにより、装置設定画面上に設定した各項目の設定値をそれぞれ装置に一括して設定する(ステップ8−11)。
【0022】
図2はポート設定(Port Setting)の装置設定画面の例を示し、同図に示すように各ポート(PortNo.1〜16)に対して、伝送帯域、ポートVID、VLAN_Status、伝送速度、フロー制御、閉塞状態等の各設定項目について、オペレータは同図の画面表示を見ながら、設定すべき項目にカーソルを移動して設定内容を変更して設定する。
【0023】
カーソルの移動、設定値の変更、設定の反映及び設定キャンセル等の設定操作は、図3に示すように、文字入力用の各キーに割り当てておき、オペレータは該キーの操作によって、各設定項目の設定を行う。図4は、図2に示した装置設定画面において、図3に示すキー操作によりカーソルを移動させる例を示している。
【0024】
図4に示す画面の表示は、図1で<Port Setting>を選択することにより、図8のステップ8−8の「下層画面の表示設定」で図5の「Port_Settingテーブル」を設定し、図8のステップ8−2の処理で図5のテーブルから読み出される図6の「設定項目リスト」の各項目の内容に従って表示する。
【0025】
図4に示すように、設定項目の位置はカーソル(_)で指し示し、図4の画面が表示された後のカーソルの初期位置は、図5から読み出される図6の各項目リストで最初に「属性=設定」として定義されている項目リストの「表示位置:x=5,y=4」に従って、上から4行目で左から5文字(桁)目の位置にある「1」(「100」の先頭)にカーソルを配置する。なお、図2及び図4において、ポート番号(Port No.)は2文字で表し、帯域(Band)の「H」を表す「100」等は、ポート番号(Port No.)の次に2文字分のスペースを空けて3桁で表示するものとしている。
【0026】
図9は選択された機能の設定項目表示の処理フローを示し、該処理フローにより図2の装置設定画面が表示される。該処理フローにおいて、ステップ9−1で図5の項目表示テーブルの位置変数l,cを初期値0にセットする。ここで、lは該テーブルの行(line)位置、cは列(column)位置を表す。以下では、cをテーブル列数、lをテーブル行数と表記することがある。
【0027】
次のステップ9−2で、装置設定画面をクリアするためのCLSコマンドをTelnetクライアントに送信する。ステップ9−3で、カーソル位置cx,cyをそれぞれ初期値1にセットする。ここでカーソル位置cxは、装置設定画面の左端を1としたときの右方向の位置、カーソル位置cyは、装置設定画面の上端を1としたときの下方向のカーソル位置である。
【0028】
次に、ステップ9−4で図5の項目表示テーブルの位置変数l,c(最初はl=0,c=0)の位置から表示項目を読み込む。ステップ9−5で表示項目が“0x00(Null)”か否かを判定し、“0x00(Null)”でなければ、表示すべき項目の位置とカーソルとの相対位置(nx=x−cx,ny=y−cy)を計算する(ステップ9−6)。ここで、x,yは、項目表示テーブルの位置変数l,cで示される項目名(例えば、PTITL1)から、図6のテーブル設定項目リストを探索し、該テーブル設定項目リストに示されている表示位置x,yである。
【0029】
ステップ9−7及び9−8で、上記nxが正のとき、右方向移動キーのコードをnx個送信し、nxが負のとき、カーソルを左端に戻すコード“0x0d(CR)”とx個の右方向移動キーのコードとを送信する。また、上記nyが正のとき、カーソルを下方向へ移動させるコード“0x0a(LF)”をny個送信し、nyが負のとき、カーソルの上方向移動キーのコードをnyの絶対値の個数分送信する。
【0030】
ステップ9−9で、図6のテーブル設定項目リストに示されている「装置設定内容」を送信し、該「装置設定内容」の送信文字個数ccを設定し、ステップ9−10で、カーソル位置をcx,cyを、それぞれ、cx=cx+nx+cc,cy=cy+nyとして更新する。
【0031】
ステップ9−11で、テーブル列数cを、c=c+1として更新し、ステップ9−12でテーブル列数cが最大値c_maxを超えているか否かを判定し、テーブル列数cが最大値c_maxを超えていない場合には、更新したテーブル列数cについて前述のステップ9−4に戻って同様の処理を行う。
【0032】
テーブル列数cが最大値c_maxを超えた場合には、装置設定画面の次の行を表示するために、ステップ9−13でテーブル行数lを、l=l+1として更新し、かつ、テーブル列数cを0に更新し、ステップ9−14で、テーブル行数lが最大値l_maxを超えているか否かを判定し、テーブル行数lが最大値l_maxを超えていない場合には、更新したテーブル行数lについて前述のステップ9−4に戻って同様の処理を行う。テーブル行数lが最大値l_maxを超えた場合には、この処理フローを終了してメイン処理フローに戻る。この設定項目表示の処理フローにより、図7に示すように表示項目がASCII等の文字コードの送信のみによって設定され、該表示項目が図2に示す装置設定画面上に表示される。
【0033】
次に、選択した機能の各設定項目の設定処理フローについて図10を参照して説明する。ここで一例として右向きカーソル移動キー「→」が操作された場合について説明する。図10において、ステップ10−1〜10−10の処理は、図9のステップ9−1〜9−10と略同様の処理フローである。但し、ステップ10−4でカーソルの移動情報rc,rlを初期値0にセットする処理が追加されている。
【0034】
ステップ10−11の入力・設定・表示処理はサブルーチンとなっており、該入力・設定・表示処理のフローを図11〜図13に示す。図11において、ステップ11−1〜11−7は、各助変数の初期設定処理である。ここで、例えば、右向きカーソル移動キー「→」が操作された場合、図11のステップ11−8でキー入力有りと判定され、ステップ11−9で設定属性と入力キーにエラーが無いと判定され、ステップ11−10で入力キーが移動キーであると判定されると、ステップ11−11でカーソル移動キーの種別に応じてカーソルの移動情報rc,rlを設定し、右向きカーソル移動キー「→」の場合、rc=1,rl=0が設定される。
【0035】
上記ステップ11−11の後、図10のステップ10−11の入力・設定・表示処理のサブルーチンを抜け出し、ステップ10−12を通過し、ステップ10−13により、テーブル列数cをc=c+rcとして更新し、ステップ10−14でテーブル列数cが最大値c_maxを超えているか否かを判定し、テーブル列数cが最大値c_maxを超えている場合には、テーブル列数cを0に更新し(ステップ10−15)、テーブル次行変数rlを1に更新する(ステップ10−16)。
【0036】
そして、テーブル列数cが0より小さいか判定し(ステップ10−17)、テーブル列数cが0より小さい場合、テーブル列数cを最大値c_maxに更新し(ステップ10−18)、テーブル次行変数rlを−1に更新する(ステップ10−19)。そして、ステップ10−20によりテーブル行数lをl=l+rlとして更新する。次に、テーブル行数lが最大値l_maxを超えているか否かを判定し(ステップ10−21)、テーブル行数lが最大値l_maxを超えている場合には、テーブル行数lを0に更新する(ステップ10−22)。
【0037】
また、テーブル行数lが0より小さいか否かを判定し(ステップ10−23)、テーブル行数lが0より小さい場合には、テーブル行数lを最大値l_maxに更新する(ステップ10−24)。テーブル行数lが0より小さくない場合には、ステップ10−5の処理に戻る。
【0038】
このように、右方向移動キーが操作されると、移動情報(rc=1,rl=0)の値が設定され、参照する表示項目テーブルの「行:列」が更新(行(l=1→l=1):列(c=1→c=2))される。更新後の表示項目テーブルは、「MH1」を指し示しているため、カーソルの位置は図6の「MH1」のテーブル設定項目リストの「表示位置」(x=9,y=4)を元に、図10の処理により、上から4行目、左から9文字目にカーソルを移動する。他の移動キーを操作した場合も同様に図10及び図11の処理フローにより、図4にそれぞれ吹き出しで囲んだ説明文のとおりカーソルを移動する。
【0039】
次に、図3に示した装置設定操作キーにおいて、「設定値変更」をスペースキーで行う場合について説明する。スペースキーが押下された場合、前述の図10のステップ10−11の入力・設定・表示処理のサブルーチンにおいて、図11のステップ11−1〜11−10,11−12,11−15のフローを通り、図12のステップ12−1,12−5.12−6を通り、ステップ12−7で入力キーがスペースキーであると判定され、ステップ12−8で設定一覧テーブル(図14)の設定一覧位置sを、s=s+1として更新する。
【0040】
設定一覧テーブルには、図14に示すように、例えば0から110まで1ずつ増加する設定一覧位置sにそれぞれ対応させて予め固定的に設定値を格納しておく。図6の「MH1」のテーブル設定項目リストの「設定一覧」には「帯域設定値」と設定されていることから、「帯域設定値」を格納した設定一覧テーブル(図14)を参照し、以下のようにして設定値を表示設定する。
【0041】
図12のステップ12−9で設定一覧位置sが最大値s_maxを越えているか判定し、超えている場合は、設定一覧位置sを初期値1に設定する(ステップ12−10)。そして、ステップ12−15により、該設定一覧テーブルに格納されている設定値(例えば0.0)を、図6のテーブル設定項目リストの「設定変更値」に書き込む。その後、上記「設定変更値」に書き込まれた表示設定の内容(例えば0.0)を、図11のステップ11−18により、図2の装置設定画面の4行目、5文字目に表示する。
【0042】
一方、設定一覧テーブルの上の位置の設定値に変化させるために「シフトキー+スペースキー」が押下された場合、該「シフトキー+スペースキー」の押下を図12のステップ12−11で検出し、ステップ12−12で設定一覧位置sをs−1に更新し、ステップ12−13で設定一覧位置sが0より小さいと判定された場合、ステップ12−14で設定一覧位置sを最大値s_max(=110)に設定し、ステップ12−15で該設定一覧位置sに対応する設定値「100」を「設定変更値」に書き込む。
【0043】
4行目、5文字目(初期位置)にカーソルが設定されているときに、設定値として数値「1」が入力されたときは、図6の「MH1」のテーブル設定項目リストの「基準:右詰め/左詰め」を調べ(ステップ13−8)、右詰めであれば、図13のステップ13−12〜13−14の処理により、図6のテーブル設定項目リストの「設定変更値」に設定値を右詰めで「___1」(_は空白)のように表示設定し、該「設定変更値」に書き込まれた表示設定の内容「___1」を、図11のステップ11−18により、図2の装置設定画面の4行目、5文字目から表示する。
【0044】
その後、変更した設定項目だけ元に戻すために、「デリート(Delete)キー」が入力されたときには、図12のステップ12−1により「デリート(Delete)キー」の押下を検出し、ステップ12−2で図6のテーブル設定項目リストの装置設定内容を表示設定に設定し、ステップ12−3で「値更新」を「未」に設定し、ステップ12−4で「設定変更値」を初期化(「Null:0x00」を設定)し、図11のステップ11−18により装置設定画面に元の設定値を表示する。
【0045】
また、変更した設定値を設定せずに、設定処理を終了するために、「コントロール(Ctrl)キー+Cキー」又は「エスケープ(Escape)キー」が押下された場合、図11のステップ11−15により該キーの押下を検出し、ステップ11−16で全ての「更新値」を「未」に設定し、ステップ11−17で終了情報s_endを「終了」に設定する。すると、図10のステップ10−12で設定処理終了と判定され、表示内容を設定することなく、設定処理を終了する。なお、終了情報s_endは、ステップ11−1で「未終了」に初期化されている。
【0046】
また、装置設定画面の4行目、5文字目(初期位置)にカーソルが設定されているときに、「コントロール(Ctrl)キー+下方向への移動キー↓」が押下された場合は、図13のステップ13−1により該キーの押下を検出し、ステップ13−2,13−3,13−7により、図6の「H1」のテーブル設定項目リストと同一の内容を「H2」から「H16」のテーブル設定項目リストに設定し、図11のステップ11−18により、カーソル位置の設定項目と同一設定内容を、カーソル位置以下の装置設定画面の同一列の設定項目に一括で表示する。
【0047】
また、「コントロール(Ctrl)キー+上方向への移動キー↑」が押下された場合は、ステップ13−4で該キーの押下を検出し、ステップ13−5,13−6,13−7により、カーソル位置の設定項目と同一の設定内容を、同一列上のカーソル位置の上方向の設定項目に一括で設定し表示する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明のメイン機能選択画面の表示例を示す図である。
【図2】本発明の装置設定画面の表示例を示す図である。
【図3】本発明の装置設定操作キーの一覧を示す図である。
【図4】本発明の装置設定画面のカーソル移動の例を示す図である。
【図5】本発明の表示項目テーブルの例を示す図である。
【図6】本発明のテーブル設定項目リストの例を示す図である。
【図7】本発明の表示項目の例を示す図である。
【図8】本発明の装置設定のメイン処理フローを示す図である。
【図9】本発明の設定項目表示の処理フローを示す図である。
【図10】本発明の各設定項目の設定処理フローを示す図である。
【図11】本発明の入力・設定・表示処理フローを示す図である。
【図12】本発明の入力・設定・表示処理フローを示す図である。
【図13】本発明の入力・設定・表示処理フローを示す図である。
【図14】本発明の設定一覧テーブルの例を示す図である。
【図15】従来のTELNETによるコマンド入力例を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字コード入力による装置設定の入力方法に関し、文字コードにより各種制御や設定を行う装置に対して、コマンドラインインタフェースに代えて、操作の容易なインタフェースで装置設定を行うことができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
情報通信分野等において、複雑な機能を有し、装置を稼働状態にするまでに数多くの装置設定の操作を必要とする装置が増加する傾向にある。例えば、加入者単位でのVLAN(Virtual Local Area Network)管理を必要とするネットワーク装置や、ネットワーク品質保証サービス(QoS:Quality of Service)を実現するネットワーク装置においては、VLANの設定やQoS保証のためのキュー制御(Class Queue :High, Middle high, middle Low, Low)の設定等を行うに当たって、加入者毎の契約内容等に応じた詳細な項目について設定コマンドを入力する必要があり、その作業に多くの労力と時間を要していた。
【0003】
従来は、図15に示すように、装置設定用のコンピュータでコマンドプロンプトを表示した状態から、装置設定のコマンドとそのパラメータを設定項目毎に順々にキー入力することにより、装置への各種設定を行っていた。例えば、或るネットワーク装置のポートの設定を行う場合、図15に示すように、設定対象のポート番号(port 1-3)、設定するスピード(speed 100_full)、閉塞状態(blockage open)、フロー制御(flow control disable)などといった設定項目とそのパラメータとを入力して設定する。
【0004】
しかし、このようなコマンドラインインタフェースによる設定方法は、設定状態を表示するコマンドを投入し、コンピュータ画面上に設定内容を表示させて設定内容を確認した後に、変更すべき設定内容を入力しなければならなかった。また、その設定内容は、設定コマンドの実行により表示画面がスクロールするため、幾つかの設定コマンドを実行すると、先に行った設定内容の表示が画面からが消えてしまい、それらを表示するには、再度、設定内容表示のためのコマンドを投入して設定内容を表示させる必要があった。
【0005】
また、従来のコマンドラインによる装置設定は、装置を制御するための数多くのコマンドの中から当該装置設定に適合したコマンドを探し出し、そのコマンドに含まれるパラメータを、設定内容に応じて1つずつ指定して設定しなければならなかった。また、そのコマンドは、装置毎に異なる装置固有のコマンドであり、同じような設定内容であっても、種別の異なる装置に対して設定を行う場合には、別個のコマンド及びパラメータを指定しなければならず、多種多様なコマンドとパラメータとを入力しなければならなかった。
【0006】
また、従来のコマンドラインによる設定では、設定コマンドを実行して次の表示コマンドに設定内容を反映させるために、投入コマンドを逐次実行しながら設定を行うが、このような入力方法では、設定内容を遡ってチェックすることが困難であるため、誤った設定を行った場合に、その誤りに気付くことが遅れ、加入者サービスに重要な影響を及ぼすことが有った。
【0007】
本発明に関連する先行技術文献として下記の特許文献1に、GUI/CUI協動システム及びその方法並びにそのプログラムについて記載されている。CUI(Character-based User Interface)は、パソコン等を使用したコンピュータシステムにおいて、ユーザとの間で情報のやり取りを行う場合の環境として、ディスプレイ上に文字によって情報を表示し、その情報に対する入力操作をキーボードから行わせるようにしたものであり、GUI(Graphical User Interface)は、ディスプレイ上にウィンドウやアイコン等のグラフィックによって情報を表示し、その情報に対する入力操作をマウス等のポインティングデバイスにより行わせるものである。
【0008】
同文献記載のものは、ユーザがGUIのグラフィックを見ながらCUIのコマンドラインに入力操作をすることができるようにし、GUIの可視性とCUIの迅速な入力操作性といったGUIとCUIの両方の利点を活かし、それぞれの欠点を補完し合うようにしたものである、
【特許文献1】特開2007−114935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、多様なコマンドを投入し、設定内容の表示確認と投入した設定コマンドの実行を繰り返し行って各項目を設定する必要がある従来のコマンドラインによるインタフェースの代わりに、操作が容易で判り易く、操作ミスが起こりにくく、異なる装置でも設定操作環境を統一化することができる装置設定入力方法を提供し、装置設定の作業負担を軽減するとともに、誤設定による加入者サービスへの影響を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の文字コード入力による装置設定の入力方法は、装置設定処理において、各設定項目を2次元配列した表示項目テーブルと、該表示項目テーブルに配列された各設定項目について、少なくとも装置設定画面上の表示位置及び装置設定内容の情報を含むテーブル設定項目リストとを参照し、前記装置設定画面上に複数の設定項目の現在の装置設定内容を2次元的に配列して表示した状態で、カーソル移動キーのコードが入力される毎に、カーソルを列方向又は行方向の隣接する設定項目の先頭文字の位置へ移動させる文字コードを生成して送出し、設定変更対象の設定項目の先頭文字の位置へカーソルを移動させるステップと、前記カーソルが配置された設定項目に対して、入力された文字コードに応じた設定変更内容を前記テーブル設定項目リストに設定変更値として設定し、該設定変更値を前記装置設定画面上に表示するステップと、前記装置設定画面上に表示された各設定項目の設定内容を、特定のキーの文字コードの入力時に一括して装置設定内容として設定するステップを含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記設定項目の設定変更を行う際に、予め設定値を格納した設定一覧テーブルの設定一覧位置を、特定のキーの文字コードが入力される毎に1つずつ移動させて特定し、該一覧テーブルの特定された設定一覧位置に格納された設定値を、前記テーブル設定項目リストに設定変更値として設定し、該設定変更値を前記装置設定画面上に表示するステップを含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記設定項目の設定変更を行う際に、特定のキーの文字コードが入力されたときに、前記表示項目テーブルの同一列上の同一の設定項目の各テーブル設定項目リストに、現カーソル位置の設定値と同一の設定値を設定変更値として一括して設定し、該設定変更値を前記装置設定画面上に表示するステップを含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記設定項目の設定変更を行う際に、特定のキーの文字コードが入力されたときに、当該設定項目の前記テーブル設定項目リストに現在の装置設定内容を設定し、前記装置設定画面上の表示を元の設定値に戻すステップを含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記設定項目の設定変更を行う際に、特定のキーの文字コードが入力されたときに、前記テーブル設定項目リストの全てに対して、値更新未了を示す情報を設定し、前記装置設定画面上に表示された設定内容を装置に設定することなく、装置設定処理を終了させるステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、文字コードによるメニュー形式で表示された設定項目を選択して設定値を入力し、該入力により表示された設定値を装置に設定する構成としたことにより、従来の多様なコマンドとそのパラメータを入力する必要があった装置設定作業を、操作が容易で判り易く、操作ミスが起こりにくい簡便なものにすることができる。
【0016】
即ち、従来のように各設定項目の設定の都度、その設定内容を確認するための表示コマンドを実行する必要が無く、装置設定された内容を表示した画面(図2参照)上で確認しながら、ごく僅かな操作キー(図3参照)により、変更する設定項目にカーソルを移動(図4参照)させて設定値を入力・表示し、実際に装置へ設定する前に、設定内容の確認と設定内容の修正ができるため、設定変更時の誤設定を防ぐことができ、それにより加入者サービスへの設定ミスによる影響を防ぐことができる。
【0017】
また、汎用性のある文字コードによりメニュー形式で設定画面を表示し、設定内容を入力する構成としたことにより、種別の異なる装置でも装置設定操作環境を統一化することができ、装置設定の作業負担が軽減され、誤設定による加入者サービスへの影響を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明による装置設定のメイン処理フローを図8に示す。本発明による処理フローでは、装置設定処理へのログイン後にメインメニューである「メイン機能選択画面」を表示設定し(ステップ8−1)、該表示設定された各メイン機能項目を表示する(ステップ8−2)。該「メイン機能選択画面」の表示例を図1に示す。
【0019】
オペレータは、「メイン機能選択画面」で下向き又は上向きのカーソル移動キー「↓」又は「↑」を操作し、設定変更すべき機能項目を含む制御機能を選択して実行(「Enter」キー押下)する(ステップ8−3)。選択された制御機能が<Logout>である場合(ステップ8−4でYESの場合)は、ログアウトして終了する。選択された制御機能が<戻る>である場合(ステップ8−5でYESの場合)は、上層画面の表示設定を行い(ステップ8−6)、上記ステップ8−2に戻って同様の処理を行う。
【0020】
選択された制御機能が設定変更すべき機能項目であり、該機能項目にサブメニューが有る場合(ステップ8−7でYESの場合)には、そのサブメニュー(下層画面)を表示する画面表示設定を行い(ステップ8−8)、該サブメニュー(下層画面)を表示する(ステップ8−2)。メインメニュー又はサブメニューに表示された機能項目の選択が終了した後は、「選択機能の項目表示」の処理を呼び出し(ステップ8−9)、図9に示す表示処理フローにより、図2に示すような装置設定画面を表示する。
【0021】
「選択機能の項目表示」の処理フローについては後に詳述するが、オペレータは「選択機能の項目表示」の処理により表示された装置設定画面を見ながら、選択した機能の各項目の設定内容を変更する設定を行う(ステップ8−10)。設定変更する全項目について装置設定画面上に設定値を設定した後、「Enter」キーを押下することにより、装置設定画面上に設定した各項目の設定値をそれぞれ装置に一括して設定する(ステップ8−11)。
【0022】
図2はポート設定(Port Setting)の装置設定画面の例を示し、同図に示すように各ポート(PortNo.1〜16)に対して、伝送帯域、ポートVID、VLAN_Status、伝送速度、フロー制御、閉塞状態等の各設定項目について、オペレータは同図の画面表示を見ながら、設定すべき項目にカーソルを移動して設定内容を変更して設定する。
【0023】
カーソルの移動、設定値の変更、設定の反映及び設定キャンセル等の設定操作は、図3に示すように、文字入力用の各キーに割り当てておき、オペレータは該キーの操作によって、各設定項目の設定を行う。図4は、図2に示した装置設定画面において、図3に示すキー操作によりカーソルを移動させる例を示している。
【0024】
図4に示す画面の表示は、図1で<Port Setting>を選択することにより、図8のステップ8−8の「下層画面の表示設定」で図5の「Port_Settingテーブル」を設定し、図8のステップ8−2の処理で図5のテーブルから読み出される図6の「設定項目リスト」の各項目の内容に従って表示する。
【0025】
図4に示すように、設定項目の位置はカーソル(_)で指し示し、図4の画面が表示された後のカーソルの初期位置は、図5から読み出される図6の各項目リストで最初に「属性=設定」として定義されている項目リストの「表示位置:x=5,y=4」に従って、上から4行目で左から5文字(桁)目の位置にある「1」(「100」の先頭)にカーソルを配置する。なお、図2及び図4において、ポート番号(Port No.)は2文字で表し、帯域(Band)の「H」を表す「100」等は、ポート番号(Port No.)の次に2文字分のスペースを空けて3桁で表示するものとしている。
【0026】
図9は選択された機能の設定項目表示の処理フローを示し、該処理フローにより図2の装置設定画面が表示される。該処理フローにおいて、ステップ9−1で図5の項目表示テーブルの位置変数l,cを初期値0にセットする。ここで、lは該テーブルの行(line)位置、cは列(column)位置を表す。以下では、cをテーブル列数、lをテーブル行数と表記することがある。
【0027】
次のステップ9−2で、装置設定画面をクリアするためのCLSコマンドをTelnetクライアントに送信する。ステップ9−3で、カーソル位置cx,cyをそれぞれ初期値1にセットする。ここでカーソル位置cxは、装置設定画面の左端を1としたときの右方向の位置、カーソル位置cyは、装置設定画面の上端を1としたときの下方向のカーソル位置である。
【0028】
次に、ステップ9−4で図5の項目表示テーブルの位置変数l,c(最初はl=0,c=0)の位置から表示項目を読み込む。ステップ9−5で表示項目が“0x00(Null)”か否かを判定し、“0x00(Null)”でなければ、表示すべき項目の位置とカーソルとの相対位置(nx=x−cx,ny=y−cy)を計算する(ステップ9−6)。ここで、x,yは、項目表示テーブルの位置変数l,cで示される項目名(例えば、PTITL1)から、図6のテーブル設定項目リストを探索し、該テーブル設定項目リストに示されている表示位置x,yである。
【0029】
ステップ9−7及び9−8で、上記nxが正のとき、右方向移動キーのコードをnx個送信し、nxが負のとき、カーソルを左端に戻すコード“0x0d(CR)”とx個の右方向移動キーのコードとを送信する。また、上記nyが正のとき、カーソルを下方向へ移動させるコード“0x0a(LF)”をny個送信し、nyが負のとき、カーソルの上方向移動キーのコードをnyの絶対値の個数分送信する。
【0030】
ステップ9−9で、図6のテーブル設定項目リストに示されている「装置設定内容」を送信し、該「装置設定内容」の送信文字個数ccを設定し、ステップ9−10で、カーソル位置をcx,cyを、それぞれ、cx=cx+nx+cc,cy=cy+nyとして更新する。
【0031】
ステップ9−11で、テーブル列数cを、c=c+1として更新し、ステップ9−12でテーブル列数cが最大値c_maxを超えているか否かを判定し、テーブル列数cが最大値c_maxを超えていない場合には、更新したテーブル列数cについて前述のステップ9−4に戻って同様の処理を行う。
【0032】
テーブル列数cが最大値c_maxを超えた場合には、装置設定画面の次の行を表示するために、ステップ9−13でテーブル行数lを、l=l+1として更新し、かつ、テーブル列数cを0に更新し、ステップ9−14で、テーブル行数lが最大値l_maxを超えているか否かを判定し、テーブル行数lが最大値l_maxを超えていない場合には、更新したテーブル行数lについて前述のステップ9−4に戻って同様の処理を行う。テーブル行数lが最大値l_maxを超えた場合には、この処理フローを終了してメイン処理フローに戻る。この設定項目表示の処理フローにより、図7に示すように表示項目がASCII等の文字コードの送信のみによって設定され、該表示項目が図2に示す装置設定画面上に表示される。
【0033】
次に、選択した機能の各設定項目の設定処理フローについて図10を参照して説明する。ここで一例として右向きカーソル移動キー「→」が操作された場合について説明する。図10において、ステップ10−1〜10−10の処理は、図9のステップ9−1〜9−10と略同様の処理フローである。但し、ステップ10−4でカーソルの移動情報rc,rlを初期値0にセットする処理が追加されている。
【0034】
ステップ10−11の入力・設定・表示処理はサブルーチンとなっており、該入力・設定・表示処理のフローを図11〜図13に示す。図11において、ステップ11−1〜11−7は、各助変数の初期設定処理である。ここで、例えば、右向きカーソル移動キー「→」が操作された場合、図11のステップ11−8でキー入力有りと判定され、ステップ11−9で設定属性と入力キーにエラーが無いと判定され、ステップ11−10で入力キーが移動キーであると判定されると、ステップ11−11でカーソル移動キーの種別に応じてカーソルの移動情報rc,rlを設定し、右向きカーソル移動キー「→」の場合、rc=1,rl=0が設定される。
【0035】
上記ステップ11−11の後、図10のステップ10−11の入力・設定・表示処理のサブルーチンを抜け出し、ステップ10−12を通過し、ステップ10−13により、テーブル列数cをc=c+rcとして更新し、ステップ10−14でテーブル列数cが最大値c_maxを超えているか否かを判定し、テーブル列数cが最大値c_maxを超えている場合には、テーブル列数cを0に更新し(ステップ10−15)、テーブル次行変数rlを1に更新する(ステップ10−16)。
【0036】
そして、テーブル列数cが0より小さいか判定し(ステップ10−17)、テーブル列数cが0より小さい場合、テーブル列数cを最大値c_maxに更新し(ステップ10−18)、テーブル次行変数rlを−1に更新する(ステップ10−19)。そして、ステップ10−20によりテーブル行数lをl=l+rlとして更新する。次に、テーブル行数lが最大値l_maxを超えているか否かを判定し(ステップ10−21)、テーブル行数lが最大値l_maxを超えている場合には、テーブル行数lを0に更新する(ステップ10−22)。
【0037】
また、テーブル行数lが0より小さいか否かを判定し(ステップ10−23)、テーブル行数lが0より小さい場合には、テーブル行数lを最大値l_maxに更新する(ステップ10−24)。テーブル行数lが0より小さくない場合には、ステップ10−5の処理に戻る。
【0038】
このように、右方向移動キーが操作されると、移動情報(rc=1,rl=0)の値が設定され、参照する表示項目テーブルの「行:列」が更新(行(l=1→l=1):列(c=1→c=2))される。更新後の表示項目テーブルは、「MH1」を指し示しているため、カーソルの位置は図6の「MH1」のテーブル設定項目リストの「表示位置」(x=9,y=4)を元に、図10の処理により、上から4行目、左から9文字目にカーソルを移動する。他の移動キーを操作した場合も同様に図10及び図11の処理フローにより、図4にそれぞれ吹き出しで囲んだ説明文のとおりカーソルを移動する。
【0039】
次に、図3に示した装置設定操作キーにおいて、「設定値変更」をスペースキーで行う場合について説明する。スペースキーが押下された場合、前述の図10のステップ10−11の入力・設定・表示処理のサブルーチンにおいて、図11のステップ11−1〜11−10,11−12,11−15のフローを通り、図12のステップ12−1,12−5.12−6を通り、ステップ12−7で入力キーがスペースキーであると判定され、ステップ12−8で設定一覧テーブル(図14)の設定一覧位置sを、s=s+1として更新する。
【0040】
設定一覧テーブルには、図14に示すように、例えば0から110まで1ずつ増加する設定一覧位置sにそれぞれ対応させて予め固定的に設定値を格納しておく。図6の「MH1」のテーブル設定項目リストの「設定一覧」には「帯域設定値」と設定されていることから、「帯域設定値」を格納した設定一覧テーブル(図14)を参照し、以下のようにして設定値を表示設定する。
【0041】
図12のステップ12−9で設定一覧位置sが最大値s_maxを越えているか判定し、超えている場合は、設定一覧位置sを初期値1に設定する(ステップ12−10)。そして、ステップ12−15により、該設定一覧テーブルに格納されている設定値(例えば0.0)を、図6のテーブル設定項目リストの「設定変更値」に書き込む。その後、上記「設定変更値」に書き込まれた表示設定の内容(例えば0.0)を、図11のステップ11−18により、図2の装置設定画面の4行目、5文字目に表示する。
【0042】
一方、設定一覧テーブルの上の位置の設定値に変化させるために「シフトキー+スペースキー」が押下された場合、該「シフトキー+スペースキー」の押下を図12のステップ12−11で検出し、ステップ12−12で設定一覧位置sをs−1に更新し、ステップ12−13で設定一覧位置sが0より小さいと判定された場合、ステップ12−14で設定一覧位置sを最大値s_max(=110)に設定し、ステップ12−15で該設定一覧位置sに対応する設定値「100」を「設定変更値」に書き込む。
【0043】
4行目、5文字目(初期位置)にカーソルが設定されているときに、設定値として数値「1」が入力されたときは、図6の「MH1」のテーブル設定項目リストの「基準:右詰め/左詰め」を調べ(ステップ13−8)、右詰めであれば、図13のステップ13−12〜13−14の処理により、図6のテーブル設定項目リストの「設定変更値」に設定値を右詰めで「___1」(_は空白)のように表示設定し、該「設定変更値」に書き込まれた表示設定の内容「___1」を、図11のステップ11−18により、図2の装置設定画面の4行目、5文字目から表示する。
【0044】
その後、変更した設定項目だけ元に戻すために、「デリート(Delete)キー」が入力されたときには、図12のステップ12−1により「デリート(Delete)キー」の押下を検出し、ステップ12−2で図6のテーブル設定項目リストの装置設定内容を表示設定に設定し、ステップ12−3で「値更新」を「未」に設定し、ステップ12−4で「設定変更値」を初期化(「Null:0x00」を設定)し、図11のステップ11−18により装置設定画面に元の設定値を表示する。
【0045】
また、変更した設定値を設定せずに、設定処理を終了するために、「コントロール(Ctrl)キー+Cキー」又は「エスケープ(Escape)キー」が押下された場合、図11のステップ11−15により該キーの押下を検出し、ステップ11−16で全ての「更新値」を「未」に設定し、ステップ11−17で終了情報s_endを「終了」に設定する。すると、図10のステップ10−12で設定処理終了と判定され、表示内容を設定することなく、設定処理を終了する。なお、終了情報s_endは、ステップ11−1で「未終了」に初期化されている。
【0046】
また、装置設定画面の4行目、5文字目(初期位置)にカーソルが設定されているときに、「コントロール(Ctrl)キー+下方向への移動キー↓」が押下された場合は、図13のステップ13−1により該キーの押下を検出し、ステップ13−2,13−3,13−7により、図6の「H1」のテーブル設定項目リストと同一の内容を「H2」から「H16」のテーブル設定項目リストに設定し、図11のステップ11−18により、カーソル位置の設定項目と同一設定内容を、カーソル位置以下の装置設定画面の同一列の設定項目に一括で表示する。
【0047】
また、「コントロール(Ctrl)キー+上方向への移動キー↑」が押下された場合は、ステップ13−4で該キーの押下を検出し、ステップ13−5,13−6,13−7により、カーソル位置の設定項目と同一の設定内容を、同一列上のカーソル位置の上方向の設定項目に一括で設定し表示する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明のメイン機能選択画面の表示例を示す図である。
【図2】本発明の装置設定画面の表示例を示す図である。
【図3】本発明の装置設定操作キーの一覧を示す図である。
【図4】本発明の装置設定画面のカーソル移動の例を示す図である。
【図5】本発明の表示項目テーブルの例を示す図である。
【図6】本発明のテーブル設定項目リストの例を示す図である。
【図7】本発明の表示項目の例を示す図である。
【図8】本発明の装置設定のメイン処理フローを示す図である。
【図9】本発明の設定項目表示の処理フローを示す図である。
【図10】本発明の各設定項目の設定処理フローを示す図である。
【図11】本発明の入力・設定・表示処理フローを示す図である。
【図12】本発明の入力・設定・表示処理フローを示す図である。
【図13】本発明の入力・設定・表示処理フローを示す図である。
【図14】本発明の設定一覧テーブルの例を示す図である。
【図15】従来のTELNETによるコマンド入力例を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置設定処理において、各設定項目を2次元配列した表示項目テーブルと、該表示項目テーブルに配列された各設定項目について、少なくとも装置設定画面上の表示位置及び装置設定内容の情報を含むテーブル設定項目リストとを参照し、
前記装置設定画面上に複数の設定項目の現在の装置設定内容を2次元的に配列して表示した状態で、カーソル移動キーのコードが入力される毎に、カーソルを列方向又は行方向の隣接する設定項目の先頭文字の位置へ移動させる文字コードを生成して送出し、設定変更対象の設定項目の先頭文字の位置へカーソルを移動させるステップと、
前記カーソルが配置された設定項目に対して、入力された文字コードに応じた設定変更内容を前記テーブル設定項目リストに設定変更値として設定し、該設定変更値を前記装置設定画面上に表示するステップと、
前記装置設定画面上に表示された各設定項目の設定内容を、特定のキーの文字コードの入力時に一括して装置設定内容として設定するステップと
を含むことを特徴とする、文字コード入力による装置設定の入力方法。
【請求項2】
前記設定項目の設定変更を行う際に、予め設定値を格納した設定一覧テーブルの設定一覧位置を、特定のキーの文字コードが入力される毎に1つずつ移動させて特定し、該一覧テーブルの特定された設定一覧位置に格納された設定値を、前記テーブル設定項目リストに設定変更値として設定し、該設定変更値を前記装置設定画面上に表示するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の、文字コード入力による装置設定の入力方法。
【請求項3】
前記設定項目の設定変更を行う際に、特定のキーの文字コードが入力されたときに、前記表示項目テーブルの同一列上の同一の設定項目の各テーブル設定項目リストに、現カーソル位置の設定値と同一の設定値を設定変更値として一括して設定し、該設定変更値を前記装置設定画面上に表示するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の、文字コード入力による装置設定の入力方法。
【請求項4】
前記設定項目の設定変更を行う際に、特定のキーの文字コードが入力されたときに、当該設定項目の前記テーブル設定項目リストに現在の装置設定内容を設定し、前記装置設定画面上の表示を元の設定値に戻すステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の、文字コード入力による装置設定の入力方法。
【請求項5】
前記設定項目の設定変更を行う際に、特定のキーの文字コードが入力されたときに、前記テーブル設定項目リストの全てに対して、値更新未了を示す情報を設定し、前記装置設定画面上に表示された設定内容を装置に設定することなく、装置設定処理を終了させるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の、文字コード入力による装置設定の入力方法。
【請求項1】
装置設定処理において、各設定項目を2次元配列した表示項目テーブルと、該表示項目テーブルに配列された各設定項目について、少なくとも装置設定画面上の表示位置及び装置設定内容の情報を含むテーブル設定項目リストとを参照し、
前記装置設定画面上に複数の設定項目の現在の装置設定内容を2次元的に配列して表示した状態で、カーソル移動キーのコードが入力される毎に、カーソルを列方向又は行方向の隣接する設定項目の先頭文字の位置へ移動させる文字コードを生成して送出し、設定変更対象の設定項目の先頭文字の位置へカーソルを移動させるステップと、
前記カーソルが配置された設定項目に対して、入力された文字コードに応じた設定変更内容を前記テーブル設定項目リストに設定変更値として設定し、該設定変更値を前記装置設定画面上に表示するステップと、
前記装置設定画面上に表示された各設定項目の設定内容を、特定のキーの文字コードの入力時に一括して装置設定内容として設定するステップと
を含むことを特徴とする、文字コード入力による装置設定の入力方法。
【請求項2】
前記設定項目の設定変更を行う際に、予め設定値を格納した設定一覧テーブルの設定一覧位置を、特定のキーの文字コードが入力される毎に1つずつ移動させて特定し、該一覧テーブルの特定された設定一覧位置に格納された設定値を、前記テーブル設定項目リストに設定変更値として設定し、該設定変更値を前記装置設定画面上に表示するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の、文字コード入力による装置設定の入力方法。
【請求項3】
前記設定項目の設定変更を行う際に、特定のキーの文字コードが入力されたときに、前記表示項目テーブルの同一列上の同一の設定項目の各テーブル設定項目リストに、現カーソル位置の設定値と同一の設定値を設定変更値として一括して設定し、該設定変更値を前記装置設定画面上に表示するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の、文字コード入力による装置設定の入力方法。
【請求項4】
前記設定項目の設定変更を行う際に、特定のキーの文字コードが入力されたときに、当該設定項目の前記テーブル設定項目リストに現在の装置設定内容を設定し、前記装置設定画面上の表示を元の設定値に戻すステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の、文字コード入力による装置設定の入力方法。
【請求項5】
前記設定項目の設定変更を行う際に、特定のキーの文字コードが入力されたときに、前記テーブル設定項目リストの全てに対して、値更新未了を示す情報を設定し、前記装置設定画面上に表示された設定内容を装置に設定することなく、装置設定処理を終了させるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の、文字コード入力による装置設定の入力方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−59027(P2009−59027A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223689(P2007−223689)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】
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