説明

文字コード変換方法およびシステム

【課題】秘密を守るべきテキストファイルの意味を理解不能とし、それをそのまま編集して得た編集ファイルから意味が理解可能な編集ファイルを得る。
【解決手段】規格文字コード表のコードと配列入替文字コード表のコードとの間の対応関係を記述したコード対応表を生成し、次に、規格文字コード表のコード文字からなるテキストファイルにおけるコードをコード対応表を使用してコード変換しコード変換テキストファイルを生成し、さらに、その生成する過程で使用したテキストファイル、コード対応表、コード変換テキストファイルを特定する情報とそれらを使用した処理の内容を記述する変換仕様ファイルを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は文字コードを変換する技術分野に属する。特に、秘密を守るべきテキストファイルの意味を理解不能とするコード変換と、その変換したテキストファイルを素材として使用しその他の素材も含めて編集によって得た意味が理解不能のテキストを含む編集ファイルからそのテキストの部分の意味が理解可能な編集ファイルを得るコード逆変換とを含む文字コード変換方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
個人情報等の秘密情報を取扱う部門(自部門)においては、自部門において秘密情報の漏洩を防止することは当然の義務である。しかしながら、自部門の内で秘密情報の取扱いが完結せず、他部門に秘密情報を提供する必要性が生じることがある。その場合には、他部門においても秘密情報の漏洩が起きないようにする必要性がある。
たとえば、請求書、利用明細書、等の顧客に送付するフォームには秘密情報が含まれている。また、請求書、利用明細書、等のフォームは、送付を受けた顧客によって無視されることが少なく、顧客は高い確率で目を通す。そのために、そのようなフォームはプロモーション(販売促進)のツールとして利用される。すなわち、請求書、利用明細書、等に係わる秘密情報だけでなく、その他、広告、PR、サービス、等の多数の情報(非秘密情報)をフォームに付加することが行われる。
その際に、秘密情報と非秘密情報とを別個のものとして編集するのではなく、一体で編集することが行われる。秘密情報においては、氏名、住所、請求または利用明細の内容、等の文字数が、個々の情報で相違している。非秘密情報についても同様である。また、フォームの形態はダイレクトメール、圧着はがき、ウェブページ、等、様々である。したがって、一体で編集しなければ、所望の体裁を得ることや、プロモーションに相応しい意匠性、訴求性を得ることが困難である。
その編集を自部門ではなく他部門で行うときには、編集可能ではあるが意味は理解不能の状態に秘密情報を変換しておくことが秘密情報の漏洩を防止することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002‐318797
【特許文献2】特開2008‐028695
【0004】
文字コードの変換に関しては、たとえば、所定事業体のメインフレームで作成された印字データのフォント名でフォント対応表データから対応するPCのフォント名を得ると共に、印字データの文字コードを文字コード対応表データに基づきPCの文字コードに変換し、変換不能文字を文字コード対応フォントデータよりイメージデータとして取得することによって、レイアウトデータに基づいてドキュメントの編集を行い、PDFファイルを作成する発明が知られている(特許文献1)。
また、秘密情報の漏洩に関しては、たとえば、第一のコード群を基に、所定の規則に従って、漏洩防止対象情報の文字数n(nは2以上の整数)と同数の数値を取得し、取得されたn個の数値からそれぞれ求まる位置に配置されたn個の空白と、それ以外の位置に配置されたダミーコードとから成る虫食いダミーコード群を生成し、n個の空白に、それぞれ、前記n文字から成る漏洩防止対象情報を入れることにより、前記虫食いダミーコード群とそれに入れられた前記n文字の漏洩防止対象情報とで構成される暗号化情報を生成する発明が知られている(特許文献2)。
しかしながら、これら従来技術においては、編集可能ではあるが意味が理解不能の状態に秘密情報を変換し、その秘密情報を編集した後に編集ファイルの意味を理解可能にすることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の問題を解決するために成されたものである。その目的は、秘密を守るべきテキストファイルの意味を理解不能とするコード変換と、その変換したテキストファイルを使用し編集によって得た編集ファイルから意味が理解可能な編集ファイルを得るコード逆変換とを含む文字コード変換方法およびシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る文字コード変換方法は、規格文字コード表の所定範囲における配列を入れ替える操作を行って得られる配列入替文字コード表において、前記規格文字コード表のコードと前記配列入替文字コード表のコードとの間の対応関係を記述したコード対応表を生成するコード対応表生成過程と、前記規格文字コード表を使用してコードから文字を再現するテキストファイルにおけるコードを前記コード対応表を使用してコード変換しコード変換テキストファイルを生成するコード変換テキストファイル生成過程と、前記コード変換テキストファイルを生成する過程で使用したテキストファイル、コード対応表、コード変換テキストファイルを特定する情報とそれらを使用した処理の内容を記述する変換仕様ファイルを生成する変換仕様ファイル生成過程と、を有するようにしたものである。
本発明の請求項2に係る文字コード変換方法は、請求項1に係る文字コード変換方法において、前記コード変換テキストファイルを素材として使用し編集によって得た編集コード変換テキストを含む編集ファイルにおいて、前記変換仕様ファイルを使用して前記編集コード変換テキストのコードを逆変換し、その逆変換によって得た編集コード逆変換テキストを含むコード逆変換編集ファイルを生成するコード逆変換編集ファイル生成過程を有するようにしたものである。
本発明の請求項3に係る文字コード変換方法は、請求項1または2に係る文字コード変換方法において、前記規格文字コード表はアスキー(ASCII:American Standard Code for Information Interchange)コード表であって、前記所定の範囲には英文字、数字を含み、その他は含まないようにしたものである。
本発明の請求項4に係る文字コード変換方法は、請求項1または2に係る文字コード変換方法において、前記規格文字コード表はJIS規格文字コード表であって、前記所定の範囲には英文字、数字、漢字、ひらがな、カタカナを含み、その他を含まないようにしたものである。
本発明の請求項5に係る文字コード変換方法は、請求項1〜4のいずれかに係る文字コード変換方法において、前記配列を入れ替える操作として、Fisher−Yatesシャッフル法を使用するようにしたものである。
本発明の請求項6に係る文字コード変換方法は、請求項1〜5のいずれかに係る文字コード変換方法において、前記コード対応表生成過程は、nを2以上の自然数として、第1配列入替文字コード表〜第n配列入替文字コード表からなる複数個の配列変入替文字コード表の各々に対応して、第1コード対応表〜第nコード対応表からなる複数個のコード対応表を生成し、前記コード変換テキストファイル生成過程は、所定の規則にしたがって、前記テキストファイルにおけるコードを前記複数個のコード対応表を使用してコード変換しコード変換テキストファイルを生成するようにしたものである。
本発明の請求項7に係る文字コード変換方法は、請求項6に係る文字コード変換方法において、前記所定の規則は、前記テキストファイルにおいてデータを区切るコードが出現する前までは前記第1コード対応表を使用し、そのデータを区切るコードから次のデータを区切るコードが出現する前までは前記第2コード対応表を使用し、そのデータを区切るコードから次のデータを区切るコードが出現する前までは前記第3コード対応表を使用し、・・・、そのデータを区切るコードから次のデータを区切るコードが出現する前までは前記第nコード対応表を使用し、そのデータを区切るコードから次のデータを区切るコードが出現する前までは前記第1コード対応表を使用し、・・・、というようにデータを区切るコードが出現する度に、使用する配列変換文字コード表の切替を行うようにしたものである。
本発明の請求項8に係る文字コード変換方法は、請求項7に係る文字コード変換方法において、前記データを区切るコードは空白を示すコードであるようにしたものである。
本発明の請求項9に係る文字コード変換システムは、規格文字コード表の所定範囲における配列を入れ替える操作を行って得られる配列入替文字コード表において、前記規格文字コード表のコードと前記配列入替文字コード表のコードとの間の対応関係を記述したコード対応表を生成するコード対応表生成手段と、前記規格文字コード表を使用してコードから文字を再現するテキストファイルにおけるコードを前記コード対応表を使用してコード変換しコード変換テキストファイルを生成するコード変換テキストファイル生成手段と、前記コード変換テキストファイルを生成する過程で使用したテキストファイル、コード対応表、コード変換テキストファイルを特定する情報とそれらを使用した処理の内容を記述する変換仕様ファイルを生成する変換仕様ファイル生成手段と、を有するようにしたものである。
本発明の請求項10に係る文字コード変換システムは、請求項9に係る文字コード変換システムにおいて、前記コード変換テキストファイルを素材として使用し編集によって得た編集コード変換テキストを含む編集ファイルにおいて、前記変換仕様ファイルを使用して前記編集コード変換テキストのコードを逆変換し、その逆変換によって得た編集コード逆変換テキストを含む編集ファイルを生成するコード逆変換編集ファイル生成手段を有するようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、秘密を守るべきテキストファイルの意味を理解不能とするコード変換と、その変換したテキストファイルを使用し編集によって得た編集ファイルから意味が理解可能な編集ファイルを得るコード逆変換とを含む文字コード変換方法およびシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の文字コード変換方法およびシステムにおける具体的な利用方法の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の文字コード変換システムとその周辺を含む全体構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の文字コード変換システムにおける構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の文字コード変換方法およびシステムにおけるコード対応表生成の過程の一例を示すフロー図である。
【図5】本発明の文字コード変換方法およびシステムにおけるコード変換テキストファイル生成の過程の一例を示すフロー図である。
【図6】本発明の文字コード変換方法およびシステムにおける変換仕様ファイル生成の過程の一例を示すフロー図である。
【図7】本発明の文字コード変換方法およびシステムにおけるコード逆変換編集ファイル生成の過程の一例を示すフロー図である。
【図8】アスキーコード表を示す図である。
【図9】アスキーコード表における太枠の内部(所定の範囲)に存在するコードと文字についてコード対応表が生成されることを示す図である。
【図10】コード対応表の一例を示す図である。
【図11】コード変換テキストファイル生成手段が生成するコード変換テキストファイルにおけるコード変換テキストの一例を示す図である。
【図12】テキスト、コード変換テキスト、編集コード変換テキスト、編集コード逆変換テキストの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。最初に、本発明の利用方法について全体像を説明しておく。本発明の文字コード変換方法およびシステムにおける具体的な利用方法の一例を説明図として図1に示す。
図1に一例を示すように、本発明の文字コード変換方法およびシステムは、たとえば、印刷会社と、印刷会社の得意先と、印刷会社の外注先とが関係する業務において利用することができる。得意先は印刷会社に個人情報が含まれる印刷物の印刷を発注する。たとえば、印刷物はクレジットカード利用明細を記載したダイレクトメールであるものとすると、個人情報としては、氏名、住所、利用明細に係わる情報、個人宛のメッセージ、等が含まれている。得意先はそれらの個人情報を印刷会社に提供する。その個人情報はデータベース等であって、そのまま使用可能な形式のテキストファイルでないこともある。その場合には、印刷会社においてファイル形式の変換、必要とするデータ(ここでは、「氏名」のような一区切りの文字列)の抽出、データの並べ替え(ソート)、等を行って使用可能な形式のテキストファイルを生成する。そのテキストファイルのコードには規格文字コード表(たとえば、シフトJISコード表)が使用されている。
【0010】
そのテキストファイルは素材の一つであって、ダイレクトメールには、その他、広告、PR、サービス、等の多数の素材(文字、絵柄、写真)が付加される。すなわち、テキストファイルの個人情報とともに、その他の情報の編集が行われる。テキストファイルの個々のデータについても、ダイレクトメールにおける印刷位置、フォント、色、等の属性について編集が行われる。そのような編集を、印刷会社において行うのではなく外注する場合がある。図1に示す外注先はそのような編集を行う外注先である。その場合、外注先から個人情報が漏洩することを防止する必要性がある。
そこで、印刷会社において本発明の文字コード変換方法およびシステムを利用し、規格文字コード表のコードが使用されているテキストファイルのコードに対して意味を理解不能とするコード変換を行いコード変換テキストファイルを生成する。そして、このコード変換テキストファイルを外注先に提供する。ここで、コード変換する範囲は、規格文字コード表の全体ではなく、一部である。たとえば、文字(漢字、カタカナ、ひらがな、英字、数字、等)についてはコード変換を行い、記号(制御文字、改行、空白、〒、等)についてはコード変換を行わない。そうすることで、外注先においてテキストファイルの意味が判らなくても(理解不能であっても)適正な編集が可能となる。
【0011】
外注先においては、このコード変換テキストファイルを使用して編集が行われ、印刷会社には意味が理解不能のテキストを含む編集ファイルが外注先から納品される。そこで、印刷会社において本発明の文字コード変換方法およびシステムを利用し、編集ファイルにおけるコード変換されているテキストの部分に対して、そのテキストのコードを逆変換し、コード逆変換した編集ファイル(コード逆変換編集ファイル)を生成する。すなわち、意味が理解可能なテキストからなるコード逆変換編集ファイルを生成する。そして、印刷会社においては、そのコード逆変換編集ファイルを使用し、印刷(プリント)、加工、等を行い、得意先が発注したダイレクトメールを生産する。
【0012】
上述した内容を整理して図2に示す。図2は、本発明の文字コード変換システムとその周辺を含む全体構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、テキスト提供元は意味を理解可能なテキストファイルを出稿する。情報処理部門の文字コード変換システムはそのテキストファイルを使用し意味が理解不能のコード変換テキストファイルを生成する。情報処理部門はそのコード変換テキストファイルを編集部門に提供する。編集部門はそのコード変換テキストファイルを使用し編集を行い、意味が理解不能の編集ファイルを情報処理部門に納品する。情報処理部門の文字コード変換システムはその編集ファイルを使用し意味を理解可能なコード逆変換編集ファイルを生成する。情報処理部門はそのコード逆変換編集ファイルを印刷部門(たとえば印刷会社)に提供する。印刷部門はそのコード逆変換編集ファイルを使用して印刷物を印刷する。
【0013】
次に、本発明の文字コード変換システムにおける構成について説明する。本発明の文字コード変換システムにおける構成の一例をブロック図として図3に示す。
図3に示すように、文字コード変換システム1は処理部10と記憶部20を有している。また、処理部10はコード対応表生成手段101、コード変換テキストファイル生成手段102、変換仕様ファイル生成手段103、コード逆変換編集ファイル生成手段104を有しており、記憶部20は規格文字コード表201、配列入替文字コード表202、コード対応表203、テキストファイル204、コード変換テキストファイル205、変換方法指定ファイル206、変換仕様ファイル207、編集ファイル208、テキスト箇所データファイル209、コード逆変換編集ファイル210を有している。
文字コード変換システム1はコンピュータシステムのハードウェアとソフトウェアによって実現することができる。図示していないが、文字コード変換システム1の記憶部20は、メモリだけでなくファイル(データ)の読み出し書き込みを制御するハードウエアとしてのメモリ制御機構、等を有している。また、処理部10における各手段は、文字コード変換システム1の特定のハードウエア資源がソフトウェアとしてのコンピュータプログラムに記述された一連の命令の実行によって駆動制御され、必要に応じて他のハードウエア資源と協調動作したり、別の命令の実行を促したりすることによりその機能が実現される。
【0014】
コード対応表生成手段101は、規格文字コード表201のコードと配列入替文字コード表202のコードとの間の対応関係を記述したコード対応表203を生成する。規格文字コード表201は、アスキー(ASCII:American Standard Code for Information Interchange)コード表、JIS規格文字コード表、のように標準規格とされているコード表のことである。アスキーコード表を図8に示す。図8に示すように文字数は128個であり、各々の文字には0〜127(10進)のコードが割り当てられている。また、配列入替文字コード表202は、規格文字コード表201の所定範囲における配列を入れ替える操作を行って得られるコード表のことである。ここで、所定範囲とは、アスキーコード表であれば、たとえば、英文字、数字を含み、その他は含まないコード表の範囲である。また、JIS規格文字コード表であれば、たとえば、英文字、数字、漢字、ひらがな、カタカナを含み、その他を含まないコード表の範囲である。アスキーコード表における配列を入れ替える操作を行う範囲(配列入替範囲;所定範囲)の一例を図9に示す。図9において、太枠の内部が配列入替え範囲である。なお、配列の入れ替えは規則性を有する入替えではなくランダムな(規則性を有しない)入替えの方が理解不能(解読困難)の程度を上げることができ好適である。
このように、区切り文字(空白文字など)、記号、等を文字コード変換の「所定範囲」に含めないことにより、コード変換テキストファイルの意味内容を理解不能にしつつも、外形的な形式(たとえば、単語のブロックの文字数など)が、元のテキストファイルの形式を保っていることから、外注先等での編集作業における視認性を高めることができる。
【0015】
配列をランダムに入れ替える操作としては、たとえば、Fisher−Yatesシャッフル法を使用することができる。Fisher−Yatesシャッフル法は、以下の手順で配列を入れ替える操作を行う。
第1ステップとして、所定の範囲に含まれるコードの数をNとしたときに、所定の範囲に含まれるコードを1〜N番目に順番に配置した配列を作成する。
第2ステップとして、1〜M(M=N−(乱数配置した数)、最初はM=N,その次はM=N−1)の数から乱数を使用してK(K=1〜Mの内の1つ)を選択する。
第3ステップとして、K番目のコードを配列の最後尾(最後尾=M番目)に配置(乱数配置)する。それに合わせて、元の(K+1)番目〜M番目の配列は1つ繰り上がる(番号を1つ減らす)。また、M=M−1=N−(乱数配置した数)とする(Mの値を1つ減らす)。
第4ステップとして、M=0となるまで第2ステップから第3ステップを繰り返す。
そして、この過程で新たに生成されたコードの配列は元の配列に対してランダムな配列となっている。
【0016】
コード対応表203は、第1ステップにおいて規格文字コード表201の所定の範囲に含まれるコードを1〜N番目に順番に配置した配列と、第4ステップにおいて新たに生成されたコードの配列とのコードの対応関係を記述した表である。そして、そのコード対応表203は、当然、規格文字コード表201のコードと配列入替文字コード表202のコードとの間の対応関係を記述した表となっている。コード対応表203の一例を図10に示す。図10に示すコード対応表203における規格文字の欄には図9に示すアスキーコード表における太枠の内部に存在するコードと文字が示されており、No.(番目)は、コードを1〜N番目に順番に配置した配列の番号(N=62)を示している(第1ステップ参照)。また、配列入替文字の欄は新たに生成されたコードの配列コードと文字が示されている。たとえば、N.1(第1番目)の規格文字の欄におけるコードと文字は48(10進)と0であるが、N.1(第1番目)の配列入替文字の欄におけるコードと文字は113(10進)とqになっている。また、N.37(第37番目)の規格文字の欄におけるコードと文字は97(10進)とaであるが、N.37(第37番目)の配列入替文字の欄におけるコードと文字は81(10進)とQになっている。このように、新たに生成されたコードの配列は元の配列に対してランダムな配列となっている。
【0017】
Fisher−Yatesシャッフル法の補足説明として、このコード対応表203をコード対応表生成手段101が生成する過程について説明する。上述の第1ステップにおいては、図10におけるNo.(番目)の欄と、規格文字の欄のデータが決定され、コード対応表における配列入替文字の欄のデータは空欄の状態となっている。
第2ステップにおいて、1〜62(=M)番目の内から乱数を使用して38番目(K番目)が選択される。したがって、第3ステップにおいて、38番目のコード98と文字bを(規格文字の欄における)配列の最後尾(62番目)に配置する。それに合わせて、元の39番目〜62番目の配列は1つ繰り上がる(番号を1つ減らす)。また、M=M−1=N−(乱数配置した数)とする。この最後尾に配置された38番目のコード98と文字bを(配列入替文字の欄における)配列の最後尾(62番目)に配置する。そして、第4ステップにおいて、M=1となっていないから第2ステップから第3ステップを繰り返す。
次に、第2ステップにおいて、1〜61(=M)番目の内から乱数を使用して17番目(K番目)が選択される。したがって、第3ステップにおいて、17番目のコード71と文字Gを(規格文字の欄における)配列の最後尾(61番目)に配置する。それに合わせて、元の18番目〜61番目の配列は1つ繰り上がる(番号を1つ減らす)。また、M=M−1=N−(乱数配置した数)とする。この最後尾に配置された17番目のコード71と文字Gを(配列入替文字の欄における)配列の最後尾(61番目)に配置する。そして、第4ステップにおいて、M=1となっていないから第2ステップから第3ステップを繰り返す。
このような繰り返しを行って、第3ステップでM=M−1を演算した結果、第4ステップにおいて、M=0となったときにその繰り返しを終了する。この一連のステップにより図10における配列入替文字の欄のデータは全て決定する。したがって、コード対応表生成手段101がこの一連のステップの当初の規格文字の欄のデータ(図10の規格文字の欄のデータ)とこの一連のステップにより決定した配列入替文字の欄のデータを組み合わせることにより、コード対応表203が得られる。
【0018】
なお、本発明は、規格文字コード表201の所定範囲における配列をコード対応表生成手段101が入れ替える操作、すなわちシャッフル(shuffle)の方法(アルゴリズム)によって制限されない。Fisher−Yatesシャッフル法を改良した上述以外の方法も多数知られており、それらの改良された方法や、それらとは異なる他の方法を使用することができる。
【0019】
コード変換テキストファイル生成手段102は、規格文字コード表201を使用してコードから文字を再現するテキストファイル204におけるコードを、コード対応表203を使用してコード変換しコード変換テキストファイル205を生成する。すなわち、テキストファイル205のテキストにおいて使用されているコードがコード対応表に載っているときには、そのコードに対応するコード対応表のコードに置き換えて使用する。一方、テキストファイル205のテキストにおいて使用されているコードがコード対応表に載っていないときには、そのコードをそのまま使用する。
コード変換テキストファイル生成手段102が生成するコード変換テキストの一例を図11に示す。図11において、(1)の「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」は規格文字コード表201を使用してコードから文字を再現するテキストファイル204におけるテキストの一例を示している。(2)の「クざレ炎化か化況まぺホちレ初メは炎笑こワ、化什まぺホちレ背ユは如虹ノ」は、コード対応表203を使用して、そのテキストのコードをコード変換して得られるコード変換テキストの一例を示している。この場合の規格文字コード表201は、たとえばJIS規格文字コード表であり、コード対応表203はその表に基づくコード対応表である。
また、(3)の「That's one small step for (a)man,one giant reap for mankind 」は規格文字コード表201を使用してコードから文字を再現するテキストファイル204におけるテキストの一例を示している。(4)の「trQT'V Nfp VoQll VTpK 7Nd (Q)oQf,Nfp wCQfT dKQp 7Nd oQfkCfD 」は、コード対応表203を使用して、そのテキストのコードをコード変換して得られるコード変換テキストの一例を示している。この場合の規格文字コード表201は、たとえばアスキーコード表であり、コード対応表203はその表に基づくコード対応表である。
【0020】
なお、コード対応表生成手段101が生成するコード対応表は1つではなく、複数のコード対応表を生成することができる。具体的に説明すると、nを2以上の自然数として、第1配列入替文字コード表〜第n配列入替文字コード表からなる複数個の配列変入替文字コード表の各々に対応して、第1コード対応表〜第nコード対応表からなる複数個のコード対応表を生成することができる。そのときには、コード変換テキストファイル生成手段102は、所定の規則にしたがって、テキストファイルにおけるコードを複数個のコード対応表を使用してコード変換しコード変換テキストファイルを生成する。
その所定の規則としては、データを区切るコードが出現する度に、使用する配列変換文字コード表の切替を行う規則とすることができる。具体的に説明すると、テキストファイルにおいてデータを区切るコードが出現する前までは第1コード対応表を使用し、そのデータを区切るコードから次のデータを区切るコードが出現する前までは第2コード対応表を使用し、そのデータを区切るコードから次のデータを区切るコードが出現する前までは第3コード対応表を使用し、・・・、そのデータを区切るコードから次のデータを区切るコードが出現する前までは第nコード対応表を使用し、そのデータを区切るコードから次のデータを区切るコードが出現する前までは第1コード対応表を使用し、・・・、というようにデータを区切るコードが出現する度に、使用する配列変換文字コード表の切替を行う。
たとえば、データを区切るコードとしては空白を示すコードを使用することができる。その他としては、段落記号、タブ文字、ハイフン、カンマ、等の特殊文字を使用することができる。
このように、コード対応表生成手段101が複数のコード対応表を生成し、コード変換テキストファイル生成手段102が使用する配列変換文字コード表の切替を行うことによって、理解不能(解読困難)の程度が向上し秘密情報の漏洩を防止する効果が高くなる。いわゆる換字式暗号は、固定の変換ルールでは平文の統計的性質(たとえば文字の出現頻度)が暗号文に残ってしまうため、暗号文に出現する文字の頻度分析によって解読の端緒を与えてしまうことが、暗号学、等において指摘されているが、複数のコード対応表を使用することで解読を極めて困難にすることができる。
さらに、上記の所定の規則を、データを区切るコードが出現する度に、複数のコード対応表をランダムに切り替える規則とすることにより、理解不能(解読困難)の程度が向上し秘密情報の漏洩を防止する効果が高くなる。ランダムに切り替える順序は、変換仕様ファイル207に記載しておく。
【0021】
変換仕様ファイル生成手段103は、コード変換テキストファイル205を生成する過程で使用したテキストファイル204、コード対応表203、コード変換テキストファイル205を特定する情報とそれらを使用した処理の内容を記述する変換仕様ファイル207を生成する。変換仕様ファイル207は、コード変換テキストファイル205を素材として使用し編集によって得た編集コード変換テキストのコードを逆変換するときに使用する。したがって、変換仕様ファイル207は、その逆変換において必要とする範囲の情報を有すれば済む。たとえば、コード変換の処理過程が簡単な場合においては、使用したテキストファイル204、コード対応表203、コード変換テキストファイル205を特定する情報だけで済むような場合もある。しかし、コード変換の処理過程が複雑な場合においては、たとえば複数のコード対応表203を組合わせて使用する場合には、複数のコード対応表203をどのような順番で使用したかという処理の内容に係わる情報が必要となる。
【0022】
コード逆変換編集ファイル生成手段104は、コード変換テキストファイル205を素材として使用し編集によって得た編集コード変換テキストを含む編集ファイル208において、変換仕様ファイル207を使用して編集コード変換テキストのコードを逆変換し、その逆変換によって得た編集コード逆変換テキストを含むコード逆変換編集ファイル210を生成する。
この編集ファイル208は、前述したように、情報処理部門が生成した意味が理解不能のコード変換テキストファイルの提供を受け、編集部門がそのコード変換テキストファイルを使用し編集を行った意味が理解不能の編集ファイルである。また、編集コード変換テキストはその編集ファイル208におけるコード変換テキストファイル205を素材として使用し編集した部分である。たとえば、コード変換テキストファイルのコード変換テキストが「クざレ炎化か化況まぺホちレ初メは炎笑こワ、化什まぺホちレ背ユは如虹ノ」であるときに、編集コード変換テキストは「クざレ炎化か化況まぺホちレ初メは炎笑こワ、(改行)・・・・・化什まぺホちレ背ユは如虹ノ」のように2行に編集したものとなる。コード逆変換編集ファイル生成手段104は、その編集コード変換テキストのコードを変換仕様ファイル207を使用して逆変換する。その結果、コード逆変換編集ファイル生成手段104は、編集コード逆変換テキストとして「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、(改行)・・・・・人類にとっては大きな飛躍だ」を生成する。テキスト、コード変換テキスト、編集コード変換テキスト、編集コード逆変換テキストの一例を図12に示す。なお、コード逆変換編集ファイル210は、一般的に、この編集コード逆変換テキストだけでなく、広告、PR、サービス、等のその他の素材(文字、絵柄、写真)を含んで構成される。
【0023】
以上、構成について説明した。次に、本発明の文字コード変換方法およびシステムにおける動作について説明する。最初に、コード対応表生成の過程について説明する。本発明の文字コード変換方法およびシステムにおけるコード対応表生成の過程の一例をフロー図として図4に示す。複数のコード対応表を生成するときには、図4のフローで示す過程を各々のコード対応表に対して行う。
まず、図4のステップS101(規格文字コード表読込)において、オペレータは文字コード変換システム1に対して読み込みの指示入力を行う。コード変換システム1のコード対応表生成手段101はその指示入力に従って、外部記憶システム、通信回線を介する等により、その記憶部201に規格文字コード表201を読み込む。
次に、ステップS102(配列入替範囲指定)において、コード対応表生成手段101は規格文字コード表201をディスプレイに表示する。その規格文字コード表201の表示画面においてオペレータがマウス等を使用し配列入替範囲(所定の範囲)を指定する(図9参照)。コード対応表生成手段101はその指定された配列入替範囲のコードを規格文字コード表201から抽出する。配列入替範囲は、すでに説明したように、規格文字コード表201がアスキーコード表であれば、たとえば、英文字、数字を含み、その他は含まないコード表の範囲である。また、規格文字コード表201がJIS規格文字コード表であれば、たとえば、英文字、数字、漢字、ひらがな、カタカナを含み、その他を含まないコード表の範囲である。
【0024】
次に、ステップS103(ランダム配列入替処理)において、コード対応表生成手段101は抽出した配列入替範囲のコードに対して、そのコードの配列をランダムに入れ替える処理を行う。この処理については、すでにFisher−Yatesシャッフル法を使用する方法を一例として説明が済んでいるからここでは説明を省略する。
次に、ステップS104(所定回数終了?)において、所定回数だけステップS103に戻り、ステップS103におけるランダム配列入替処理(シャッフル)を繰り返す。ここで、所定回数とは、Fisher−Yatesシャッフル法であれば指定された配列入替範囲におけるコードの数に一致する。その他の方法でランダム配列入替処理を行うときには、その方法にしたがった適正な所定回数である。
次に、ステップS105(配列入替文字コード表生成)において、コード対応表生成手段101は、ランダム配列入替処理を行ったコードと文字の関係を規格文字コード表201の配列入替範囲に適用することにより配列入替文字コード表202を生成する。この配列入替文字コード表202と規格文字コード表201とは、配列入替範囲において文字配列が相違し、その他の範囲において一致している。
【0025】
次に、ステップS106(コード対応表生成)において、コード対応表生成手段101は、規格文字コード表201のコードと配列入替文字コード表202のコードとの間の対応関係を記述したコード対応表203を生成する。規格文字コード表201のコードと配列入替文字コード表202のコードとが一致する部分(配列入替範囲外の部分)についてはコード対応表において省略が可能である。すなわち、コード対応表に存在しないコードは一致するコードであるとすることにより省略が可能である。したがって、規格文字コード表のコードと配列入替文字コード表のコードとが一致しない部分(配列入替範囲の部分)についてだけコード対応表に載せることができる(図10参照)。
次に、ステップS107(コード対応表保存)において、コード対応表生成手段101は、コード対応表203を記憶部20に保存する。
【0026】
以上、コード対応表生成の過程について説明した。次に、コード変換テキストファイル生成の過程について説明する。本発明の文字コード変換方法およびシステムにおけるコード変換テキストファイル生成の過程の過程の一例をフロー図として図5に示す。
図5のステップS201(テキストファイル読込)において、オペレータは文字コード変換システム1に対して読み込みの指示入力を行う。コード変換システム1のコード変換テキスト生成手段102はその指示入力に従って、外部記憶システム、通信回線を介する等により、その記憶部201にテキストファイル204を読み込む。
次に、ステップS202(文字コード判定)において、コード変換テキスト生成手段102はテキストファイル204にどの規格文字コード表が使用されているか(どの規格の文字コードに基づいてエンコードされているか)を判定する。文字コードとしては、たとえば、ASCII、日本語JIS(iso-2022-jp)、シフトJIS(shift_jis,JIS X 0208)、日本語EUC(euc-jp,Extended UNIX Code Packed Format for Japanese)、UTF−8(UCS Transformation Format 8,Unicode Transformation Format-8)、等である。文字コードの判別は、たとえば、使用されているコードの領域によって判定する。コードが0x00〜0x7F(16進)の範囲内ならASCIIであり、0x00〜0x7F(16進)の範囲外のコードが現れたらASCIIではない、というように文字コードの判定を行う。文字コードを判定する方法については多くの方法が知られているからここでは詳細な説明を省略する。
【0027】
次に、ステップS203(変換方法指定)において、コード変換テキスト生成手段102はディスプレイに変換方法の指定入力を行う画面を表示する。オペレータは、その画面において変換方法の指定入力を行う。コード変換テキスト生成手段102は、オペレータによる指定入力に基づいて、変換方法指定ファイル206を生成する。ステップS202において文字コード判定された規格文字コード表に基づくコード対応表としては複数のコード対応表203を生成して記憶部20に記憶しておくことができる。したがって、変換方法について指定する内容としては、使用するコード対応表203の指定が含まれる。さらに、複数のコード対応表203を指定したときにはそれらの使用順番、コード対応表の切替えを行う規則の指定、たとえばデータを区切るコードとして使用するコードの指定、等を指定する内容に含める。なお、以下のステップにおいては、複数のコード対応表203を指定し、データを区切るコードによってコード対応表の切替えを行う規則が指定されたものとして説明が行われる。
次に、ステップS204(コード対応表読込)において、コード変換テキスト生成手段102は変換方法指定ファイル206において指定されているコード対応表203を読み込む(変換に使用するコード対応表として設定する)。
【0028】
次に、ステップS205(変換開始入力)において、オペレータは文字コード変換システム1に対して変換開始を指示する入力を行う。コード変換テキスト生成手段102は、変換方法指定ファイル206に指定された内容にしたがって、ステップS201で読み込んだテキストファイル204のコードの変換を開始する。
次に、ステップS206(次の(最初の)1文字読込)において、コード変換テキスト生成手段102はテキストファイル204の最初の(次の)1文字を読み込む。
次に、ステップS207(区切りコード?)において、コード変換テキスト生成手段102は読み込んだ1文字のコードが区切りコードであるか否かを判定する。区切りコードであるときにはステップS208に進み、そうでないときにはステップS209に進む。
次に、ステップS208(使用コード対応表の切替)において、コード変換テキスト生成手段102は使用するコード対応表の切り替えを行う。そして、ステップS206に戻り、上述した以降のステップを繰り返す。
【0029】
次に、ステップS209(コード変換)において、コード変換テキスト生成手段102は読み込んだ1文字のコードを、読み込んだコード対応表203を参照して変換する。コード対応表203が指定された配列入替範囲のコードだけを記述したコード対応表であるときには、コード変換テキスト生成手段102は読み込んだコード対応表203を参照して、コードが存在するときにはそのコード対応表203に基づく変換を行うが、コードが存在しないときには読み込んだ1文字のコードをそのまま使用する変換(無変換)を行う。
次に、ステップS210(変換したコードを(追加)保存)において、コード変換テキスト生成手段102はコード変換テキストに対して変換したコードを追加しコード変換テキストファイル205として保存する。
次に、ステップS211(最終文字)において、コード変換テキスト生成手段102はステップS210における変換したコードがテキストファイル204の最終文字であるか否かを判定する。たとえば、コード変換テキスト生成手段102はあらかじめ計数したテキストファイル204の文字数と比較して最終文字であるか否かを判定する。最終文字であるときにはコード変換テキストファイルを生成する一連のステップを終了し、そうでないときにはステップS206に戻り、上述した以降のステップを繰り返す。
【0030】
以上、コード変換テキストファイル生成の過程について説明した。次に、変換仕様ファイル生成の過程について説明する。本発明の文字コード変換方法およびシステムにおける変換仕様ファイル生成の過程の一例をフロー図として図6に示す。
まず、図6のステップS301(テキストファイル(名)取込)において、変換仕様ファイル生成手段103はテキストファイルそのもの、またはテキストファイル名を変換仕様ファイルに記述するデータとして取り込む。この取り込みは、たとえば、前述したステップS201(テキストファイル読込)において、変換仕様ファイル生成手段103が行う。
次に、ステップS302(文字コード名取込)において、変換仕様ファイル生成手段103は文字コード名を変換仕様ファイルに記述するデータとして取り込む。この取り込みは、たとえば、前述したステップS202(文字コード判定)において、変換仕様ファイル生成手段103が行う。
次に、ステップS303(変換方法指定データ取込)において、変換仕様ファイル生成手段103は変換方法指定データそのもの、または変換方法指定データファイル名を変換仕様ファイルに記述するデータとして取り込む。この取り込みは、たとえば、前述したステップS203(変換方法指定)において、変換仕様ファイル生成手段103が行う。変換方法指定データには、使用するコード対応表名、それらの使用順番、コード対応表の切替えを行う規則の指定、等が含まれている。
【0031】
次に、ステップS304(変換開始時刻取込)において、変換仕様ファイル生成手段103はオペレータが変換開始入力を行った年月日時刻を変換仕様ファイルに記述するデータとして取り込む。この取り込みは、たとえば、前述したステップS205(変換開始入力)において、変換仕様ファイル生成手段103が行う。
次に、ステップS305(変換終了時刻取込)において、変換仕様ファイル生成手段103はコード変換が完了しコード変換テキストファイルが生成された年月日時刻を変換仕様ファイルに記述するデータとして取り込む。この取り込みは、たとえば、前述したステップS211(最終文字?)において、最終文字であると判定されたとき(END)において、変換仕様ファイル生成手段103が行う。変換開始時刻と変換終了時刻のデータを変換仕様に取込むことにより自他のシステム(たとえば、生産管理システム)におけるログ情報(生産管理システムであれば生産管理情報)、等と、ここで生成する変換仕様ファイルとの紐付けを容易にする。
【0032】
次に、ステップS306(コード変換テキストファイル名取込)において、変換仕様ファイル生成手段103はコード変換テキストファイル205そのもの、またはコード変換テキストファイル名を変換仕様ファイルに記述するデータとして取り込む。この取り込みは、たとえば、前述したステップS305(変換終了時刻取込)に引き続いて、変換仕様ファイル生成手段103が行う。そして、変換仕様ファイル生成手段103はそれまでに取り込んだデータを記述する変換仕様ファイル207を生成する。変換仕様ファイル207のファイル名としては、コード変換テキストファイル名を特定可能なファイル名を使用する。すなわち、変換仕様ファイル207とコード変換テキストファイル205は一方から他方を特定し組合わせて使用することができる。
なお、上記においてファイルそのものを取り込めば、当然、取込データ量は大きくなるがコード逆変換するときに変換仕様ファイル207に記述されたファイル名からファイルを読み込む必要がなくなる。一方、ファイル名だけのときには、当然、取込データ量は小さくなるが同一ファイル名で内容の相違するファイルが存在しないようにする必要性がある。本発明においては変換仕様ファイル207として各種各様の構成のものを使用することができる。変換仕様ファイル207における最小構成としては、テキストファイル、コード対応表、コード変換テキストファイルを特定するデータと、コード逆変換に必要な処理の内容またはそれと等価の関係を有する変換方法指定データである。
【0033】
以上、変換仕様ファイル生成の過程について説明した。次に、コード逆変換編集ファイル生成の過程について説明する。本発明の文字コード変換方法およびシステムにおけるコード逆変換編集ファイル生成の過程の一例をフロー図として図7に示す。
まず、図7のステップS401(編集ファイル読込)において、オペレータは文字コード変換システム1に対して読み込みの指示入力を行う。コード変換システム1のコード逆変換編集ファイル生成手段104はその指示入力に従って、外部記憶システム、通信回線を介する等により、その記憶部201に編集ファイル208を読み込む。
次に、ステップS402(変換仕様ファイル読込)において、コード逆変換編集ファイル生成手段104はその読み込んだ編集ファイル208の素材として使用したコード変換テキストファイルを生成したときの変換仕様ファイルを読み込む。変換仕様ファイルの特定は、たとえば、編集ファイル208からその素材としてのコード変換テキストファイルを特定し、さらにそのコード変換テキストファイルから変換仕様ファイルを特定する。
次に、ステップS403(変換仕様関連ファイル読込)において、コード逆変換編集ファイル生成手段104は読み込んだ変換仕様ファイルに関連し、コード逆変換に必要とするファイルを読み込む。たとえば、テキストファイル、コード変換テキストファイルを読み込む。
【0034】
次に、ステップS404(テキスト箇所指定)において、コード逆変換編集ファイル生成手段104は編集ファイル208をディスプレイに表示する。オペレータは、ディスプレイに表示された編集ファイル208において、コード変換テキストファイルが使用されている箇所(コード変換テキストの流し込みが行われている箇所)を指定する。この指定は、すくなくとも、編集形式の繰り返しにおける1単位の領域において行われる。たとえば、その1単位とはダイレクトメールであれば顧客一人分のことである。オペレータが指定すべき箇所は読み込んだコード変換テキストファイルを参照することにより、間違いなく行うことができる。コード逆変換編集ファイル生成手段104はその指定された箇所を指定箇所とし、他の箇所と編集ファイル208において区別できるようにする。
次に、ステップS405(変換開始入力)において、オペレータは文字コード変換システム1に対して変換開始を指示する入力を行う。コード逆変換編集ファイル生成手段104は、コード変換テキスト生成手段102によるコード対応表と変換方法指定ファイル206とに基づくコード変換に対して、コード逆変換となる処理を開始する。
【0035】
次に、ステップS406(次の(最初の)1文字読込)において、コード逆変換編集ファイル生成手段104は編集ファイル208における指定箇所の最初の(次の)1文字を読み込む。
次に、ステップS407(区切りコード?)において、コード逆変換編集ファイル生成手段104は読み込んだ1文字のコードが区切りコードであるか否かを判定する。区切りコードであるときにはステップS408に進み、そうでないときにはステップS409に進む。
次に、ステップS408(使用コード対応表の切替)において、コード逆変換編集ファイル生成手段104は使用するコード対応表の切り替えを行う。そして、ステップS406に戻り、上述した以降のステップを繰り返す。
【0036】
次に、ステップS409(コード逆変換)において、コード逆変換編集ファイル生成手段104は読み込んだ1文字のコードを、変換仕様ファイル207に記述されたコード対応表を参照して逆変換する。コード対応表が指定された配列入替範囲のコードだけを記述したコード対応表であるときには、コード逆変換編集ファイル生成手段104は変換仕様ファイル207に記述されたコード対応表を参照して、コードが存在するときにはそのコード対応表に基づく逆変換を行うが、コードが存在しないときには読み込んだ1文字のコードをそのまま使用する変換(無変換)を行う。
次に、ステップS410(逆変換したコードに置換)において、コード逆変換編集ファイル生成手段104は編集ファイル208の該当箇所において逆変換したコードへの置き換えを行いコード逆変換編集ファイル210として保存する。
次に、ステップS411(最終文字)において、コード変換テキスト生成手段102はステップS210における変換したコードが編集ファイル208の該当箇所における最終文字であるか否かを判定する。たとえば、コード逆変換編集ファイル生成手段104はあらかじめ計数した編集ファイル208の該当箇所における文字数と比較して最終文字であるか否かを判定する。最終文字であるときにはコード逆変換編集ファイル210を生成する一連のステップを終了し、そうでないときにはステップS406に戻り、上述した以降のステップを繰り返す。
【産業上の利用可能性】
【0037】
秘密情報を含むテキストファイルを素材とする編集を、その秘密を保持したまま行う産業において利用可能である。また、秘密情報を含むテキストファイルにおいて、特定の者に対して特定の部分だけ表示するように管理する産業において利用可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 カード
11 記憶手段
12 インタフェース
13 利用回数増加手段
14 暗号処理手段
15 命令処理手段
2 カード端末
21 記憶手段
22 リーダライタ
23 取引情報生成手段
24 通信手段
25 決済要求手段
3 決済サブシステム
31 記憶手段
32 通信手段
33 暗号処理手段
34 決済判定手段
35 タイミング判定手段
36 更新判定要求手段
4 会員管理サブシステム
41 記憶手段
42 会員データベース
43 通信手段
44 更新条件設定手段
45 更新判定手段
46 更新処理手段
47 カード発行手段
5 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
規格文字コード表の所定範囲における配列を入れ替える操作を行って得られる配列入替文字コード表において、前記規格文字コード表のコードと前記配列入替文字コード表のコードとの間の対応関係を記述したコード対応表を生成するコード対応表生成過程と、
前記規格文字コード表を使用してコードから文字を再現するテキストファイルにおけるコードを前記コード対応表を使用してコード変換しコード変換テキストファイルを生成するコード変換テキストファイル生成過程と、
前記コード変換テキストファイルを生成する過程で使用したテキストファイル、コード対応表、コード変換テキストファイルを特定する情報とそれらを使用した処理の内容を記述する変換仕様ファイルを生成する変換仕様ファイル生成過程と、
を有することを特徴とする文字コード変換方法。
【請求項2】
請求項1に記載の文字コード変換方法において、前記コード変換テキストファイルを素材として使用し編集によって得た編集コード変換テキストを含む編集ファイルにおいて、前記変換仕様ファイルを使用して前記編集コード変換テキストのコードを逆変換し、その逆変換によって得た編集コード逆変換テキストを含むコード逆変換編集ファイルを生成するコード逆変換編集ファイル生成過程を有することを特徴とする文字コード変換方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の文字コード変換方法において、前記規格文字コード表はアスキー(ASCII:American Standard Code for Information Interchange)コード表であって、前記所定の範囲には英文字、数字を含み、その他は含まないことを特徴とする文字コード変換方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の文字コード変換方法において、前記規格文字コード表はJIS規格文字コード表であって、前記所定の範囲には英文字、数字、漢字、ひらがな、カタカナを含み、その他を含まないことを特徴とする文字コード変換方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の文字コード変換方法において、前記配列を入れ替える操作として、Fisher−Yatesシャッフル法を使用することを特徴とする文字コード変換方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の文字コード変換方法において、前記コード対応表生成過程は、nを2以上の自然数として、第1配列入替文字コード表〜第n配列入替文字コード表からなる複数個の配列変入替文字コード表の各々に対応して、第1コード対応表〜第nコード対応表からなる複数個のコード対応表を生成し、前記コード変換テキストファイル生成過程は、所定の規則にしたがって、前記テキストファイルにおけるコードを前記複数個のコード対応表を使用してコード変換しコード変換テキストファイルを生成する、ことを特徴とする文字コード変換方法。
【請求項7】
請求項6に記載の文字コード変換方法において、前記所定の規則は、前記テキストファイルにおいてデータを区切るコードが出現する前までは前記第1コード対応表を使用し、そのデータを区切るコードから次のデータを区切るコードが出現する前までは前記第2コード対応表を使用し、そのデータを区切るコードから次のデータを区切るコードが出現する前までは前記第3コード対応表を使用し、・・・、そのデータを区切るコードから次のデータを区切るコードが出現する前までは前記第nコード対応表を使用し、そのデータを区切るコードから次のデータを区切るコードが出現する前までは前記第1コード対応表を使用し、・・・、というようにデータを区切るコードが出現する度に、使用する配列変換文字コード表の切替を行うことを特徴とする文字コード変換方法。
【請求項8】
請求項7に記載の文字コード変換方法において、前記データを区切るコードは空白を示すコードであることを特徴とする文字コード変換方法。
【請求項9】
規格文字コード表の所定範囲における配列を入れ替える操作を行って得られる配列入替文字コード表において、前記規格文字コード表のコードと前記配列入替文字コード表のコードとの間の対応関係を記述したコード対応表を生成するコード対応表生成手段と、
前記規格文字コード表を使用してコードから文字を再現するテキストファイルにおけるコードを前記コード対応表を使用してコード変換しコード変換テキストファイルを生成するコード変換テキストファイル生成手段と、
前記コード変換テキストファイルを生成する過程で使用したテキストファイル、コード対応表、コード変換テキストファイルを特定する情報とそれらを使用した処理の内容を記述する変換仕様ファイルを生成する変換仕様ファイル生成手段と、
を有することを特徴とする文字コード変換システム。
【請求項10】
請求項9に記載の文字コード変換システムにおいて、前記コード変換テキストファイルを素材として使用し編集によって得た編集コード変換テキストを含む編集ファイルにおいて、前記変換仕様ファイルを使用して前記編集コード変換テキストのコードを逆変換し、その逆変換によって得た編集コード逆変換テキストを含むコード逆変換編集ファイルを生成するコード逆変換編集ファイル生成手段を有することを特徴とする文字コード変換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−73560(P2013−73560A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214031(P2011−214031)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】