説明

文字入力装置および文字入力方法

【課題】
文字入力操作を行った後に、入力された文字を利用するプログラムを選択して実行させたいという要望を満たす文字入力装置および文字入力方法を提供すること。
【解決手段】
文字入力操作によって入力される文字のデータと、プログラム選択操作によって選択されるプログラムの識別子と、を送信する第1プログラムと、当該第1プログラムから送信された前記識別子と前記データとを受信し、当該識別子によって識別されるプログラムを実行状態にするとともに、当該プログラムに前記データを送信する第2プログラムと、を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力装置および文字入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等のタッチパネル端末が一般化している(特許文献1参照)。
【0003】
また、タッチパネル端末は、文字入力画面を表示して文字入力機能を実現する。通常、文字入力操作は、電子メール等の所定のアプリケーションプログラムが実行された後に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−39772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、文字入力操作を行った後に、入力された文字を利用するプログラムを選択して実行させたいという要望があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、文字入力操作を行った後に、入力された文字を利用するプログラムを選択して実行させたいという要望を満たす文字入力装置および文字入力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る文字入力装置は、文字入力操作によって入力される文字のデータと、プログラム選択操作によって選択されるプログラムの識別子と、を送信する第1プログラムと、当該第1プログラムから送信された前記識別子と前記データとを受信し、当該識別子によって識別されるプログラムを実行状態にするとともに、当該プログラムに前記データを送信する第2プログラムと、を実行する文字入力装置。
【0008】
更に好適には、本発明に係る文字入力装置の前記第2プログラムは、前記プログラム選択操作によって選択された前記プログラムを実行状態にすると同時に、前記データを選択された前記プログラムに送信する。
【0009】
更に好適には、本発明に係る文字入力装置の前記プログラム選択操作によって選択された前記プログラムは、文字入力操作が可能な態様にて実行状態となる。
【0010】
更に好適には、本発明に係る文字入力装置の前記プログラム選択操作は、複数のプログラムから一つのプログラムを選択する操作である。
【0011】
更に好適には、本発明に係る文字入力方法は、文字入力装置における文字入力方法であって、文字入力操作によって入力される文字のデータと、プログラム選択操作によって選択されるプログラムの識別子と、を送信するステップと、送信された前記識別子と前記データとを受信し、当該識別子によって識別されるプログラムを実行状態にするとともに、当該プログラムに前記データを送信するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0012】
文字入力操作を行った後に、入力された文字を利用するプログラムを選択して実行させたいという要望を満たす文字入力装置および文字入力方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、携帯電話端末1の外観を示す正面図である。
【図2】図2は、携帯電話端末1の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、プログラムの状態遷移について示したフローチャートである。
【図4−1】図4−1は、携帯電話端末1における画面を示した図である。
【図4−2】図4−2は、携帯電話端末1における画面を示した図である。
【図4−3】図4−3は、携帯電話端末1における画面を示した図である。
【図4−4】図4−4は、携帯電話端末1における画面を示した図である。
【図4−5】図4−5は、携帯電話端末1における画面を示した図である。
【図5】図5は、制御部10にて実行されるプログラムの様子を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、文字入力装置の一例として携帯電話端末について説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、各種電子機器、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯型ワードプロセッサ、スマートフォン端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0015】
まず、図1を参照しながら、本発明に係る文字入力装置の一実施形態である携帯電話端末1の外観について説明する。図1は、携帯電話端末1の外観を示す正面図である。図1に示すように、携帯電話端末1は、筐体20を有し、その筐体20の表面にタッチセンサ2Aおよび表示部2Bで構成されるタッチパネル2と、入力部3と、レシーバ7と、マイク8と、を備える。
【0016】
携帯電話端末1は、図1に示すように、筐体20の正面側にタッチパネル2と、入力部3と、レシーバ7と、マイク8と、が配置されている。タッチパネル2は、筐体20の正面側の略全域に配置されている。レシーバ7は、筐体20の正面側の長手方向の一方の端部に配置され、また、入力部3とマイク8とは、筐体20の正面側の長手方向の他方の端部に配置されている。つまり、レシーバ7とマイク8とは、長手方向の両端にそれぞれ配置されている。ここで、タッチパネル2は、筐体20の正面側に設けられ、文字、図形、画像等を表示するとともに、利用者の指、スタイラス、ペン等によってタッチパネル2に対して行われる各種操作を検出する。以下、利用者の指によってタッチパネル2に対する操作が行われる態様にて本実施形態を説明する。また、入力部3は、所定の機能が割り当てられた第1ボタン3Aおよび第2ボタン3B等の複数のボタンを備える。
【0017】
次に、図2を参照しながら、携帯電話端末1の機能的な構成について説明する。図2は、携帯電話端末1の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、携帯電話端末1は、タッチパネル2と、入力部3と、電源部5と、通信部6と、レシーバ7と、マイク8と、記憶部9と、制御部10と、RAM(Random Access Memory)11と、を有する。本実施形態では、タッチセンサ2Aと入力部3とが操作部となる。
【0018】
タッチパネル2は、文字、図形、画像等の各種情報を表示する第1の機能を有する。タッチパネル2は、表示されたオブジェクト、アイコン、ボタンに対する入力操作を検出したり、キーボード領域等の所定領域に対する入力操作を検出したりする第2の機能を有する。タッチパネル2は、タッチセンサ2Aと、表示部2Bとを重畳して構成される。このタッチセンサ2Aと表示部2Bとは、構成材料の一部を共有することが可能である。
【0019】
なお、本実施形態における「文字」には、平仮名・カタカナ・アルファベットといった文字だけではなく、「#」・「*」等といった記号も含まれるものとする。
【0020】
タッチセンサ2Aは、タッチパネル2の表面に対して行われる入力操作を検出し、検出した入力操作に応じた信号を制御部10に出力する。すなわち、タッチセンサ2Aは、操作の入力を検出する操作部として機能する。タッチセンサ2Aが各種操作を検出する方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(または超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、および荷重検出方式等の任意の方式でよい。タッチセンサ2Aによって検出される操作には、タップ操作、ダブルタップ操作、ロングタップ操作、スイープ(スワイプ)操作、およびフリック操作等が含まれる。
【0021】
タップ操作とは、指をタッチパネル2に接触させた後すぐにタッチパネル2から離す操作である。ダブルタップ操作とは、指をタッチパネル2に接触させた後すぐにタッチパネル2から離す動作を2回繰り返す操作である。ロングタップ操作とは、指をタッチパネル2に接触させ、指がタッチパネル2に接触した状態を一定時間保った後に指をタッチパネル2から離す操作である。スイープ操作とは、指をタッチパネル2に接触させたままで移動させる操作である。スイープ操作は、タッチパネル2に表示されている何らかのオブジェクトがその操作に追随して移動する場合、ドラッグ操作と呼ばれることがある。また、スイープ操作は、タッチパネル2に表示されている何らかのオブジェクトがその操作に追随して移動した位置で離された場合、ドロップ操作と呼ばれることがある。フリック操作とは、指をタッチパネル2に接触させた後、素早く払うように指を一方方向に高速で移動させながら指を離す操作である。
【0022】
表示部2Bは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELパネル(Organic Electro−Luminescence panel)、または無機ELパネル(Inorganic Electronic−Luminescence panel)等で構成され、文字あるいは図形等を表示する。表示部2Bは、制御部10から入力される制御信号に従って各種の情報を表示する。
【0023】
入力部3は、物理的なボタン等を通じて利用者の操作を受け付け、受け付けた操作に対応する信号を制御部10へ送信する。すなわち、入力部3は、操作の入力を検出する操作部として機能する。電源部5は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、制御部10を含む携帯電話端末1の各部へ供給する。
【0024】
通信部6は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。レシーバ7は、制御部10から送信される音声信号を音声として出力する。マイク8は、利用者等の音声を音声信号へ変換して制御部10へ送信する。
【0025】
記憶部9は、例えば、不揮発性メモリあるいは磁気記憶装置であり、制御部10での処理に利用されるプログラムおよびデータを保存する。記憶部9に記憶されるプログラムには、電子メールプログラム9A、ブラウザプログラム9B、電話帳プログラム9C、文字入力プログラム9D、および、メモ帳プログラム9Eが含まれる。また、記憶部9は、前述したこれらプログラムを連携するためのシステムプログラム9Fも記憶する。これらのプログラムは、工場出荷時点で携帯電話端末1にインストールされたものでもよいし、工場出荷後に利用者によってインストールされたものでもよい。また、記憶部9は、データとして、文字入力プログラム9Dによって、文字入力操作の際に用いられる辞書データ9Gを記憶する。記憶部9は、メモリーカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読取装置との組み合わせとして構成されていてもよい。
【0026】
電子メールプログラム9Aは、電子メール機能(電子メールアプリケーション)を実現するための機能を提供する。ブラウザプログラム9Bは、WEBブラウジング機能(ブラウザアプリケーション)を実現するための機能を提供する。電話帳プログラム9Cは、電話帳機能(電話帳アプリケーション)を実現するための機能を提供する。文字入力プログラム9Dは、文字入力機能(文字入力アプリケーション)を実現するために、本プログラムの処理の1つとして表示部2Bに文字入力画面を表示する処理を提供する。ここで、本実施形態の文字入力画面は、入力された文字を表示するための入力文字表示領域と、所定のプログラムを実行状態に遷移させるための処理が対応付けられた複数のソフトキーオブジェクトが列状に配列されて表示されたソフトキー表示領域と、文字入力操作のためのキーボード領域とを含む。本実施形態において、文字入力プログラム9Dは、文字入力画面中のキーボード領域内で検出された文字入力操作に基づいて、入力された文字を文字入力画面中の文字入力表示領域に表示させる処理を提供する。
【0027】
本実施形態において、文字入力画面とは、利用者によって所定操作がタッチセンサ2Aに行われた場合に、文字入力プログラム9Dが実行状態となって文字入力が可能となったときに表示される画面である。
【0028】
所定操作は、たとえば、入力部3(第1ボタン3A等)に対する押下操作、あるいは待受画面等に表示された所定のアイコンへのタップ操作である。待受画面とは、電話の発着信を待ち受けている状態の画面、またはプログラムの実行状態への遷移を待ち受けている状態の画面(所謂、ホーム画面)である。操作画面は、プログラムの実行によって実現される機能を利用者に提供するための画面である。携帯電話端末1が有するプログラムの実行によって実現される機能は、例えば、他の携帯電話端末との通話機能、電子メール送受信機能、携帯電話端末1が備えるカメラによる撮像機能、オーディオビジュアル機能、あるいはテキスト編集機能等である。
【0029】
RAM11は、制御部10によって実行されるプログラムの処理、制御部10が参照するデータ等が一時的に記憶される記憶領域として利用される。
【0030】
制御部10は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、携帯電話端末1の動作を統括的に制御して各種機能を実現する。制御部10は、例えば、電子メールプログラム9Aを実行することによって、電子メール機能を実現する。また、制御部10は、ブラウザプログラム9Bを実行することによって、WEBブラウジング機能を実現する。また、制御部10は、電話帳プログラム9Cを実行することによって、電話帳機能を実現する。また、制御部10は、文字入力プログラム9Dを実行することによって、文字入力機能を実現する。本実施形態においては、文字入力プログラム9Dが実行されることによって、文字入力画面中のキーボード領域内で検出された文字入力操作に応じた文字を、文字入力画面中の入力文字表示領域に表示させる機能を実現する。
【0031】
また、制御部10は、記憶部9に記憶されている電子メールプログラム9A、ブラウザプログラム9B、電話帳プログラム9C、文字入力プログラム9Dまたはメモ帳プログラム9Eを、RAM11に展開することによって、実行されていない非実行状態から実行されている実行状態に遷移させる。すなわち、RAM11に展開されることによって、制御部10にて実行されることが可能になったプログラムが実行状態のプログラムとなり、RAM11に展開されないがために、制御部10にて実行できないプログラムが非実行状態のプログラムとなる。そして、制御部10は、RAM11に展開されたプログラムの処理に従って、表示部2Bあるいは通信部6等を制御することによって各種機能を実現する。また、制御部10は、RAM11が有する記憶領域のうち、プログラムが展開された部分の領域を全て解放することによって(メモリの解放)、プログラムの状態を実行状態から非実行状態に遷移させることも可能である。また、制御部10は、あるプログラムが既に実行状態である場合に新たに他のプログラムが実行状態となるとき、先に実行状態となっていたプログラムを、RAM11から解放せずに実行を停止する停止状態に遷移させる。停止状態であるプログラムは、制御部10によって実行されていないものの、RAM11に展開されているため、非実行状態から遷移するときに比べて、より早く実行状態に遷移することが出来る。その一方で、プログラムが停止状態である場合には、RAM11が解放されないため、非実行状態に比べてRAM11の記憶領域はより多く占有されてしまう。
【0032】
なお、詳細は後述するが、文字入力プログラム9Dは、停止状態となった場合には、その後に自動的に非実行状態となる。
【0033】
また、他のプログラムとは異なり、システムプログラム9Fは、常にRAM11に展開されることによって、実行状態を維持する。
【0034】
なお、プログラムが実行状態であるか否かは、制御部10(CPU)の使用量などのパラメータによってユーザに提示されてもよい。
【0035】
前述したシステムプログラム9F以外のプログラムにおける実行状態、非実行状態および停止状態について、図3を参照しながら説明する。図3は、記憶部9に記憶されている任意のプログラムAが実行状態となっている場合において、他のプログラムBが実行状態となったときにおける、これらプログラムの状態遷移について示したフローチャートである。
【0036】
制御部10は、利用者の操作等によってプログラムAの機能の実現が要求された場合、記憶部9に記憶されているプログラムAをRAM11の一領域に展開することによって、プログラムAを非実行状態から実行状態へと遷移させる(ステップS101)。同様にして、記憶部9に記憶されているプログラムBが、プログラムAが展開されている領域とは異なるRAM11の一領域に展開されることによって、非実行状態から実行状態に遷移すると(ステップS102)、プログラムBより先に実行状態となっていたプログラムAは、停止状態に遷移する(ステップS103)。
【0037】
プログラムAが停止状態に遷移したとき、制御部10は、プログラムAが文字入力プログラム9Dであるか否かを判定し(ステップS104)、プログラムAが文字入力プログラム9Dではない場合には当該プログラムAを停止状態のままとし(ステップS105)、プログラムAが文字入力プログラム9Dである場合には当該プログラムAを停止状態から非実行状態に遷移させる(ステップS106)。
【0038】
次に、図4−1、図4−2、図4−3、図4−4および図4−5によって携帯電話端末1のタッチパネル2の画面の遷移を説明し、図5のシーケンス図に沿って、図4−1〜図4−5における画面の遷移が行われる際の内部処理について説明する。
【0039】
図4−1、図4−2、図4−3、図4−4および図4−5は、それぞれ携帯電話端末1における画面を示した図であり、図4−1、図4−2、図4−3、図4−4、図4−5の順番で画面は遷移する。
【0040】
図4−1に示すように、タッチパネル2にアイコン42−1、42−2、42−3、42−4を有するホーム画面40が表示されている場合においてホーム画面40上の文字入力プログラム9Dを示すアイコン42−1がタップ操作されると、図4−2に示すように、文字入力プログラム9Dの処理として文字入力機能が実行されることによって、タッチパネル2には文字入力画面44が表示される。
【0041】
文字入力画面44は、入力文字表示領域46、ソフトキー表示領域48および第1キーボード領域50と有する。入力文字表示領域46は、第1キーボード領域50に行われた文字入力操作に応じた文字を表示する領域である。第1キーボード領域50に対する文字入力操作とは、入力文字表示領域46に文字を表示するための操作であり、たとえば、第1キーボード領域50に対して「横浜市」という文字を入力する文字入力操作が行われた場合、図4−3に示すように、入力文字表示領域46は「横浜市」という文字を表示する。なお、本実施形態においては、既に入力文字表示領域46に表示されている文字を削除するための第1キーボード領域50に対する操作も、文字入力操作とする。ソフトキー表示領域48には、複数のソフトキーオブジェクトが表示される。複数のソフトキーオブジェクトにはそれぞれ異なるプログラムが対応付けられており、いずれかのソフトキーオブジェクトがプログラムの選択操作としてタップ操作されると、対応付けられたプログラムの処理にそった機能が実行される。本実施形態においては、メモ帳プログラム9Eが対応付けられたメモ帳オブジェクトキー48−1、電子メールプログラム9Aが対応付けられた電子メールオブジェクトキー48−2、電話帳プログラム9Cが対応付けられた電話帳オブジェクトキー48−3が、ソフトキー表示領域48に表示される。第1キーボード領域50は、前述したように文字入力操作が行われる領域であり、当該領域に対して文字入力操作が行われると、当該文字入力操作に応じた文字が入力文字表示領域46に表示される。具体的には、たとえば第1キーボード領域50として、平仮名の50音表が表示される。そして、第1キーボード領域50のキーが「よこはまし」という順番にてタップ操作された場合、制御部10は、辞書データ9Gを参照することによって「よこはまし」に対応付けられた「横浜市」を入力文字表示領域46に表示する。
【0042】
図4−3において示した画面の状態において、たとえばメモ帳オブジェクトキー48−1がタップ操作された場合、メモ帳プログラム9Eが実行されることによって、図4−4に示すようにタッチパネル2にはメモ帳画面52が表示される。表示された直後のメモ帳画面52は、文字入力画面44において入力された「横浜市」という文字が既に表示されているメモ帳表示領域54と、第2キーボード領域56と、を有し、当該第2キーボード領域56によって、既にメモ帳表示領域54に表示されている文字を修正したり、メモ帳表示領域54に表示する文字を追加したりする操作である文字入力操作が可能な態様となっている。具体的には、メモ帳表示領域54は、第2キーボード領域56に行われた文字入力操作に応じた文字を表示する領域であり、たとえば第2キーボード領域56に対して「青葉区」という文字を入力する文字入力操作が行われた場合、図4−5に示すように、「青葉区」という文字を、既に表示されている「横浜市」という文字とともに表示する。また、第2キーボード領域56に対して、文字を削除するという文字入力操作が行われた場合、メモ帳表示領域54は表示済みの文字を削除する。第2キーボード領域56は、前述したように、文字入力操作が行われる領域であり、当該領域に対して文字入力操作が行われると、当該文字入力操作に応じた文字がメモ帳表示領域54に表示される。なお、第2キーボード領域56に対する文字入力操作に応じた文字がメモ帳表示領域54に表示される態様は、前述した第1キーボード領域50に対する文字入力操作に応じた文字が入力文字表示領域46に表示される態様と同様である。
【0043】
図5は、図4−1、図4−2、図4−3、図4−4、図4−5の順番で携帯電話端末1のタッチパネル2の画面が遷移する際における、制御部10にて実行されるプログラムの様子を示したシーケンス図である。
【0044】
図4−1および図4−2を参照して説明したようにホーム画面40上の文字入力プログラム9Dを示すアイコン42−1がタップ操作されると、制御部10は、記憶部9に記憶されている文字入力プログラム9DをRAM11に展開することによって、文字入力プログラム9Dを非実行状態から実行状態へと遷移させる(ステップS501)。実行状態となった文字入力プログラム9Dは、タッチパネル2に図4−2に示す画面を表示する。文字入力プログラム9Dは、タッチパネル2(表示部2B)に第1キーボード領域50が表示されている場合において、当該第1キーボード領域50と重畳するタッチセンサ2Aの領域が文字入力操作としてのタップ操作を検出すると、図4−3に示すように、入力文字表示領域46に文字入力操作に応じた文字を表示する(ステップS502)。さらに、文字入力プログラム9Dは、メモ帳オブジェクトキー48−1の画面と重畳するタッチセンサ2Aの領域がタップ操作されると(ステップS503)、入力文字表示領域46に表示していた文字のデータである文字データと、メモ帳オブジェクトキー48−1に対応付けられていたメモ帳プログラム9Eを示す識別子とを、所定情報群として一つのデータとした上で(ステップS504)、システムプログラム9Fに当該所定情報群を送信する(ステップS505)。
【0045】
文字入力プログラム9Dから送信された所定情報群を受信したシステムプログラム9Fは、当該所定情報群を構成する識別子によって識別されるプログラムを、実行状態にすべきプログラムとして決定する(ステップS506)。本実施形態においては、所定情報群を構成する識別子によって識別されるプログラムはメモ帳プログラム9Eであるため、システムプログラム9Fは、メモ帳プログラム9EをRAM11に展開することによって非実行状態から実行状態へと遷移させると同時に、所定情報群を構成する文字データを送信することによって(ステップS507)、当該文字データをメモ帳プログラム9Eに受信させる(ステップS508)。そして、実行状態に遷移したメモ帳プログラム9Eは、受信した文字データを表示したメモ帳表示領域54と、第2キーボード領域56と、を有するメモ帳画面52を、図4−4に示したように、タッチパネル2に表示する(ステップS509)。
【0046】
一方、メモ帳プログラム9Eが実行状態に遷移すると、前述したように、先に実行状態であった文字入力プログラム9Dは実行状態から停止状態に遷移し(ステップS510)、さらに当該プログラムは文字入力プログラム9Dであるため、自動的に停止状態から非実行状態へと遷移する(ステップS511)。
【0047】
なお、上記実施形態においては、メモ帳オブジェクトキー48−1がタップ操作された実施形態を示したものの、たとえば電子メールオブジェクトキー48−2がタップ操作されたり、電話帳オブジェクトキー48−3がタップ操作されたりなど、他のオブジェクトキーが選択操作されてもよい。この場合、たとえば電子メールオブジェクトキー48−2が選択操作としてタップ操作された場合には、電子メールプログラム9Aは、前述したメモ帳プログラム9Eと同様に、文字データを受信する。そして、システムプログラム9Fは、当該文字データに基づく文字を表示した入力文字表示領域と、文字入力操作が行われるキーボード領域と、タッチパネル2に表示する電子メールプログラム9Aを、実行状態に遷移させる。また、たとえば電話帳オブジェクトキー48−3がタップ操作された場合においても、電話帳プログラム9Cは、前述したメモ帳プログラム9Eと同様に、文字データを受信する。そして、システムプログラム9Fは、当該文字データに基づく文字を表示した入力文字表示領域と、文字入力操作が行われるキーボード領域と、をタッチパネル2に表示するプログラム9Cを、実行状態に遷移させる。
【0048】
このように、本実施形態によれば、利用者は、文字入力プログラム9Dが実行状態である場合において、文字入力操作を行った後にソフトキーオブジェクトによって当該文字を利用する他のプログラムを選択して実行させることが可能になる。
【0049】
また、文字入力プログラム9Dは、文字データを受信した他のプログラムが実行状態に遷移した場合、実行状態から自動的に非実行状態に遷移する。従って、RAM11の記憶領域の一部が解放されるため、RAM11の領域の有効利用が可能となる。
【0050】
さらに、システムプログラム9Fによって実行状態となるプログラムは、キーボード領域を表示した状態、すなわち文字入力操作が可能な状態で実行状態となるため、文字入力プログラム9Dにおいて利用者が誤った文字入力操作を行ったとしても、文字データを受信したプログラムにおいて簡単に当該文字データの修正が可能となる。
【0051】
なお、本実施形態においては、文字入力プログラム9Dは、停止状態となった後に自動的に非実行状態へと遷移したものの、実施形態はこれに限られない。たとえば、文字入力プログラム9Dは、停止状態となったとき非実行状態に遷移せずに停止状態を維持してもよい。この場合においては、文字入力プログラム9Dは、たとえば、前述した所定操作等が新たに行われると停止状態から実行状態に遷移する。
【0052】
ところで、文字入力プログラム9Dが停止状態から再び実行状態に遷移する場合、停止状態となったときの態様をそのまま再現して実行状態に遷移すると、前回の実行状態時に入力文字表示領域46に表示されていた文字が、新たに実行状態となったときの入力文字表示領域46に既に表示された態様で実行状態に遷移してしまい、当該文字の表示が新たな文字入力操作の邪魔となってしまう。
【0053】
そこで、停止状態の文字入力プログラム9Dが再び実行状態となって前述した文字入力画面44をタッチパネル2に表示する場合には、当該文字入力プログラム9Dは、前回入力された文字のデータを消去して、入力文字表示領域46上に当該文字が表示されないようにした上で、文字入力画面44をタッチパネル2に表示する。なお、文字のデータが消去されるタイミングは、文字入力プログラム9Dが実行状態から停止状態に遷移するタイミング、停止状態から再び実行状態に遷移するタイミング、または停止状態から再び実行状態に遷移した直後であって、文字入力画面44がタッチパネル2に表示される前のタイミングなど、入力文字表示領域46がタッチパネル2に表示される前のタイミングであればどのタイミングでもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 携帯電話端末
20 筐体
2 タッチパネル
2A タッチセンサ
2B 表示部
3 入力部
3A 第1ボタン
3B 第2ボタン
5 電源部
6 通信部
7 レシーバ
8 マイク
9 記憶部
9A 電子メールプログラム
9B ブラウザプログラム
9C 電話帳プログラム
9D 文字入力プログラム
9E メモ帳プログラム
9F システムプログラム
10 制御部
40 ホーム画面
42−1、42−2、42−3、42−4 アイコン
44 文字入力画面
46 入力文字表示領域
48 ソフトキー表示領域
48−1 メモ帳オブジェクトキー
48−2 電子メールオブジェクトキー
48−3 電話帳オブジェクトキー
50 第1キーボード領域
52 メモ帳画面
54 メモ帳表示領域
56 第2キーボード領域


【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字入力操作によって入力される文字のデータと、プログラム選択操作によって選択されるプログラムの識別子と、を送信する第1プログラムと、
当該第1プログラムから送信された前記識別子と前記データとを受信し、当該識別子によって識別されるプログラムを実行状態にするとともに、当該プログラムに前記データを送信する第2プログラムと、
を実行する文字入力装置。
【請求項2】
前記第2プログラムは、前記プログラム選択操作によって選択された前記プログラムを実行状態にすると同時に、前記データを選択された前記プログラムに送信する
請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項3】
前記プログラム選択操作によって選択された前記プログラムは、文字入力操作が可能な態様にて実行状態となる
請求項1または2に記載の文字入力装置。
【請求項4】
前記プログラム選択操作は、複数のプログラムから一つのプログラムを選択する操作である
請求項1から3のいずれか一項に記載の文字入力装置。
【請求項5】
文字入力装置における文字入力方法であって、
文字入力操作によって入力される文字のデータと、プログラム選択操作によって選択されるプログラムの識別子と、を送信するステップと、
送信された前記識別子と前記データとを受信し、当該識別子によって識別されるプログラムを実行状態にするとともに、当該プログラムに前記データを送信するステップと、
を備える文字入力方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−109633(P2013−109633A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255072(P2011−255072)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】