説明

文字列確認装置及び文字列確認プログラム

【課題】利用者が文字列を読んだことをより確実に確認することを目的とする。
【解決手段】文字列確認装置10は、文字列をタッチパネル30に表示し、表示された文字列の上を指でなぞらせ、表示された文字列に含まれる全ての文字に、先頭の文字から順に触れられ、かつ、文字列をなぞっていた時間が所定の有効時間内であったか否かを判定する。先頭から順に全ての文字に触れられ、かつ、文字列をなぞっていた時間が有効時間内であった場合、次の処理へ進むことを許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示された文字列を利用者が読んだことを確認する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置に表示されたコメント等の文字列を、利用者が読んだことを確認する方法として、コメントを読んだ場合に確認ボタンを押下させ、確認ボタンが押下された場合に、次の処理へ進むことを許可する方法がある。
【0003】
特許文献1には、発生した事象に対して利用者がグラフのうち確認した部分を、なぞる、囲う、指し示す、クリックする等することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−39648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来あった、文字列を利用者が読んだことを確認する方法では、利用者がコメントを読んでいなくても、確認ボタンを押下することができ、利用者がコメントを読まずに次の処理へ進んでしまう場合がある。
この発明は、利用者が文字列を読んだことをより確実に確認することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る文字列確認装置は、
文字列をタッチパネルに表示する表示部と、
前記表示部が表示した文字列に含まれる全ての文字に触れられたか否かを判定する接触判定部と、
前記全ての文字に触れられたと前記接触判定部が判定した場合、次の処理へ進むことを許可する許可部と
を備えることを特徴とする。
【0007】
前記接触判定部は、先頭の文字から順に前記全ての文字に触れられたか否かを判定し、
前記許可部は、先頭の文字から順に前記全ての文字に触れられたと前記接触判定部が判定した場合、次の処理へ進むことを許可する
ことを特徴とする。
【0008】
前記文字列確認装置は、さらに
前記文字列に含まれる文字毎に有効範囲を決定する有効範囲決定部と、
所定の時間間隔で触れられている位置を検出する位置検出部と
を備え、
前記接触判定部は、前記全ての文字について、前記有効範囲決定部が決定した有効範囲内の位置を、前記位置検出部が検出した場合に、前記全ての文字が触れられたと判定する
ことを特徴とする。
【0009】
前記文字列確認装置は、さらに
前記文字列に含まれる文字に触れられている接触時間が、所定の有効時間内であるか否かを判定する時間判定部
を備え、
前記許可部は、前記全ての文字に触れられたと前記接触判定部が判定し、かつ、前記接触時間が前記有効時間内であると前記時間判定部が判定した場合、次の処理へ進むことを許可する
ことを特徴とする。
【0010】
前記表示部は、前記文字列に含まれる文字のうち、既に触れられた文字と未だ触れられていない文字とを区別して表示する
ことを特徴とする。
【0011】
前記文字列確認装置は、さらに、
視線を検出する視線検出部と、
前記視線検出部が検出した視線が前記全ての文字に合わされたか否かを判定する視線判定部と
を備え、
前記許可部は、前記全ての文字に触れられたと前記接触判定部が判定し、かつ、視線が前記全ての文字に合わされたと前記視線判定部が判定した場合、次の処理へ進むことを許可する
ことを特徴とする。
【0012】
前記文字列確認装置は、さらに、
音声を入力する音声入力部と、
前記音声入力部が入力した音声を文字列に変換する音声変換部と、
前記音声変換部が変換した文字列と、前記表示部が表示した文字列とが所定の割合以上一致しているか否かを判定する音声判定部と
を備え、
前記許可部は、前記全ての文字に触れられたと前記接触判定部が判定し、かつ、文字列が前記所定の割合以上一致していると前記音声判定部が判定した場合、次の処理へ進むことを許可する
ことを特徴とする。
【0013】
前記有効範囲決定部は、利用者毎に前記有効範囲を決定する
ことを特徴とする。
【0014】
この発明に係る文字列確認プログラムは、
文字列をタッチパネルに表示する表示処理と、
前記表示処理で表示した文字列に含まれる全ての文字に触れられたか否かを判定する接触判定処理と、
前記全ての文字に触れられたと前記接触判定処理で判定した場合、次の処理へ進むことを許可する許可処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
この発明に係る文字列確認装置は、
文字列と、その文字列を閲覧させる閲覧者とを入力装置により入力させる入力部と、
前記入力部が入力した文字列を、閲覧者とともに記憶装置に記憶する文字列記憶部と、
前記文字列記憶部が記憶した文字列を、閲覧者が使用するタッチパネルに表示する表示部と、
前記表示部が表示した文字列に含まれる全ての文字に触れられたか否かを判定する接触判定部と、
前記全ての文字に触れられたと前記接触判定部が判定した場合、次の処理へ進むことを許可する許可部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係る文字列確認装置は、文字列に含まれる全ての文字に触れさせることにより、文字列が読まれたことを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態1に係る文字列確認装置10の機能の概要を説明するための図。
【図2】実施の形態1に係る文字列確認装置10の機能構成を示すブロック図。
【図3】実施の形態1に係る文字列確認装置10の動作の流れを示すフローチャート。
【図4】実施の形態1に係る有効範囲の説明図。
【図5】実施の形態1において、利用者が文字列を読んだと判定される場合と、読んだと判定されない場合との例を示す図。
【図6】実施の形態2に係る文字列確認装置10の機能の概要を説明するための図。
【図7】実施の形態2に係る文字列確認装置10の動作の流れを示すフローチャート。
【図8】実施の形態3に係る文字列確認装置10の機能の概要を説明するための図。
【図9】実施の形態3に係る文字列確認装置10の機能構成を示すブロック図。
【図10】実施の形態3に係る文字列確認装置10の動作の流れを示すフローチャート。
【図11】実施の形態4に係る文字列確認装置10の機能の概要を説明するための図。
【図12】実施の形態4に係る文字列確認装置10の機能構成を示すブロック図。
【図13】実施の形態4に係る文字列確認装置10の動作の流れを示すフローチャート。
【図14】実施の形態4に係る視線有効範囲の説明図。
【図15】実施の形態5に係る文字列確認装置10の機能の概要を説明するための図。
【図16】実施の形態5に係る文字列確認装置10の機能構成を示すブロック図。
【図17】実施の形態5に係る文字列確認装置10の動作の流れを示すフローチャート。
【図18】実施の形態6に係る医療システム40の構成図。
【図19】実施の形態6に係るコメント入力画面の例を示す図。
【図20】実施の形態6に係るコメント表示画面の例を示す図。
【図21】実施の形態6に係る設定情報記憶部が記憶する情報の例を示す図。
【図22】文字列確認装置10、サーバ41、クライアント42のハードウェア構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1.
実施の形態1では、文字列の上をなぞらせることにより、利用者が文字列を読んだか否かを判定する方法について説明する。
【0019】
図1は、実施の形態1に係る文字列確認装置10の機能の概要を説明するための図である。
図1では、タッチパネル30に「ABCDE」の5文字の文字列が表示されている。この場合、先頭の文字「A」から順に文字「E」まで文字列の上を利用者が指でなぞり、指が文字列に触れていた時間が有効時間内である場合には、文字列確認装置10は、利用者が文字列を読んだと判定する。
つまり、先頭の文字から順に全ての文字の上を指でなぞられ、かつ、文字列に触れていた時間が有効時間内である場合に、文字列確認装置10は、利用者が文字列を読んだと判定する。
【0020】
図2は、実施の形態1に係る文字列確認装置10の機能構成を示すブロック図である。
文字列確認装置10は、文字列表示部11(表示部)、有効範囲決定部12、位置検出部13、接触判定部14、時間判定部15、許可部16を備える。文字列確認装置10が備える各機能については、文字列確認装置10の動作とともに説明する。
【0021】
図3は、実施の形態1に係る文字列確認装置10の動作の流れを示すフローチャートである。
(S11:表示処理)
文字列表示部11は、予め記憶装置(例えば、後の実施の形態で説明するコメントDB45)に記憶された文字列をタッチパネル30に表示させる。
(S12:有効範囲決定処理)
有効範囲決定部12は、文字列表示部11が表示させた文字列に含まれる各文字についての有効範囲を処理装置により決定する。有効範囲とは、その文字が触れられたことを検出する範囲である。
(S13:位置検出処理)
位置検出部13は、利用者により触れられたタッチパネル30における位置を、所定の時間間隔で処理装置により検出する。位置検出部13は、人が文字列を読みながら一般的な速度で文字列をなぞった場合に、検出されない文字がでない間隔で位置を検出する。
(S14:位置判定処理)
位置検出部13は、有効範囲内の位置を検出した後に、指がタッチパネル30から離れたことを検出したか、又は、有効範囲外の位置を検出したか否かを処理装置により判定する。例えば、位置検出部13は、一定時間以上触れられた位置が検出されない場合、指がタッチパネル30から離れたと検出する。
位置検出部13は、いずれかを検出したと判定した場合(S14でYES)、処理をS15へ進める。一方、位置検出部13は、いずれも検出していないと判定した場合(S14でNO)、処理をS13へ戻す。
(S15:接触判定処理)
接触判定部14は、先頭の文字から順に、文字列に含まれる全ての文字について、有効範囲決定部12が決定した有効範囲内の位置を、位置検出部13が検出したか否かを処理装置により判定する。接触判定部14は、先頭の文字から順に全ての文字について有効範囲内の位置を検出した場合に、先頭の文字から順に全ての文字の上を利用者がなぞったと判定する。
接触判定部14は、先頭の文字から順に全ての文字の上を利用者がなぞったと判定した場合(S15でYES)、処理をS16へ進める。一方、先頭の文字から順に全ての文字の上を利用者がなぞっていないと判定した場合(S15でNO)、処理を終了する。
(S16:時間判定処理)
時間判定部15は、文字列に含まれるいずれかの文字についての有効範囲内の位置を位置検出部13が検出していた接触時間が、有効時間内であるか否かを処理装置により判定する。
なお、有効時間には、接触時間が有効と判定される最短時間と、接触時間が有効と判定される最長時間とが設定される。但し、有効時間に、最短時間だけが設定されていてもよい。例えば、仮名・漢字等の文字の種別毎に1文字当たりの最短時間及び最長時間が予め決定されており、文字列に含まれる各種別の文字の文字数から有効時間が設定される。
時間判定部15は、接触時間が有効時間内であると判定した場合(S16でYES)、処理をS17へ進める。一方、時間判定部15は、接触時間が有効時間外であると判定した場合(S16でNO)、処理を終了する。
(S17:許可処理)
許可部16は、利用者が文字列を読んだと処理装置により判定し、次の処理へ進むことを許可する。
【0022】
図4は、実施の形態1に係る有効範囲の説明図である。
有効範囲決定部12は、各文字「A」、「B」、「C」、「D」、「E」についての有効範囲を決定する。
有効範囲決定部12は、文字列が横書きの場合、各文字について、その文字の表示領域と、その表示領域の下側の所定の領域とをその文字の有効範囲とする。文字の表示領域の下側の領域も有効範囲に含めるのは、文字列を読みながらなぞるため、文字の真上をなぞらず、少し下側をなぞることが考えられるためである。
図4の例では、文字の表示領域と同じ大きさの領域を下側の所定の領域としている。例えば、文字「A」であれば、文字の表示領域は、文字の左下の座標(a,0)、左上の座標(a,1)、右下の座標(a,0)、右上の座標(a,1)で囲まれた領域である。そして、下側の領域は、座標(a,−1)、座標(a,0)、座標(a,−1)、座標(a,0)で囲まれた領域である。したがって、文字「A」の有効範囲は、座標(a,−1)、座標(a,1)、座標(a,−1)、右上の座標(a,1)で囲まれた範囲である。
他の文字「B」、「C」、「D」、「E」についても同様に決定される。その結果、文字列「ABCDE」の有効範囲は、座標(a,−1)、座標(a,1)、座標(e,−1)、座標(e,1)で囲まれた範囲となる。
【0023】
図4では、文字列が横書きの場合を示した。文字列が縦書きの場合、各文字について、その文字の表示領域と、その表示領域の右側の所定の領域とをその文字の有効範囲とする。文字の表示領域の右側の領域も有効範囲に含めるのは、文字列を読みながらなぞるため、文字の真上をなぞらず、少し右側をなぞることが考えられるためである。
【0024】
図5は、実施の形態1において、利用者が文字列を読んだと判定される場合と、読んだと判定されない場合との例を示す図である。図5では、位置検出部13が検出した位置を「x」で示す。
【0025】
図5(a)は、線L1のように文字列の上をなぞられた場合を示す。つまり、図5(a)は、検出点D1で初めに有効範囲内の位置が検出され、検出点D2で有効範囲内の位置が検出された後、検出点D3で有効範囲外の位置が検出された場合を示す。
図5(a)では、先頭の文字「A」から順に、全ての文字「A」、「B」、「C」、「D」、「E」の有効範囲内で位置が検出されている。そして、初めに有効範囲内の位置が検出された検出点D1の検出時刻から、最後に有効範囲内の位置が検出された検出点D2の検出時刻までの接触時間Tが有効時間内であれば、利用者が文字列を読んだと判定される。
【0026】
図5(b)は、線L2のように文字列の上をなぞられた場合を示す。つまり、図5(b)は、検出点D4で初めに有効範囲内の位置が検出され、検出点D5で有効範囲外の位置が検出された場合を示す。
図5(b)では、先頭の文字「A」から順に、最後の文字「E」まで文字列の上をなぞられている。しかし、指を動かす速度が速かったため、文字「C」の有効範囲内で位置が検出されていない。そのため、利用者が文字列を読んだと判定されない。
【0027】
図5(c)は、線L3のように文字列の上をなぞられた場合を示す。つまり、図5(c)は、検出点D6で初めに有効範囲内の位置が検出され、検出点D7で有効範囲外の位置が検出された後、再び検出点D8で有効範囲内の位置が検出され、検出点D9で有効範囲外の位置が検出された場合を示す。
図5(c)は、検出点D7で有効範囲外の位置が検出された時点で、利用者が文字列を読んだか否かの判定がされ、利用者が文字列を読んだと判定されない。
再び検出点D8で有効範囲内の位置が検出され、最終的に先頭の文字「A」から順に、全ての文字「A」、「B」、「C」、「D」、「E」の有効範囲内で位置が検出されている。しかし、一旦検出点D7で有効範囲外の位置が検出された時点で、利用者が文字列を読んだか否かの判定は終了しており、利用者が文字列を読んだと判定されることはない。
つまり、途中で有効範囲外の位置が検出された場合には、先頭の文字から文字列の上をなぞり直す必要がある。途中で指がタッチパネル30から離された場合も同様である。
【0028】
以上のように、実施の形態1に係る文字列確認装置10は、文字列の上を十分な時間をかけてなぞらせることで、利用者が文字列を読んだことを確認することができる。また、実施の形態1に係る文字列確認装置10は、利用者が文字列を読んだと判定した場合に、次の処理へ進むことを許可するため、利用者が文字列を読むことなく次の処理へ進むことを防止することができる。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態1に係る文字列確認装置10は、途中で有効範囲外の位置が検出された場合や、途中で指がタッチパネル30から離れた場合には、先頭の文字からなぞり直す必要があった。実施の形態2では、途中で有効範囲外の位置が検出された場合や、途中で指がタッチパネル30から離れた場合には、続きの文字からなぞることを許す方法について説明する。
なお、実施の形態2では、文字列確認装置10について、実施の形態1に係る文字列確認装置10と異なる部分を中心に説明する。
【0030】
図6は、実施の形態2に係る文字列確認装置10の機能の概要を説明するための図である。
図6では、図1と同様に、タッチパネル30に「ABCDE」の5文字の文字列が表示されている。この場合に、利用者が途中で指をタッチパネル30から離した場合や指が文字列の上からずれた場合であっても、全ての文字に指が触れ、指が文字列に触れていた時間が有効時間内である場合には、文字列確認装置10は、利用者が文字列を読んだと判定する。
例えば、図5(c)に示すように、利用者が文字「A」から「B」までの文字列の上をなぞり、一旦タッチパネル30から指を離し、再び「C」から「E」までの文字列の上をなぞったとする。この場合、「A」から「B」までなぞっていた時間T1と「C」から「E」までなぞっていた時間T2との合計(T1+T2)が有効時間内である場合には、文字列確認装置10は、利用者が文字列を読んだと判定する。
【0031】
実施の形態2に係る文字列確認装置10の機能構成は、図2に示す実施の形態1に係る文字列確認装置10の機能構成と同一である。
【0032】
図7は、実施の形態2に係る文字列確認装置10の動作の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、有効時間には、最短時間と最長時間とが設定されているものとする。
S21からS24までの処理は、図3に示すS11からS14までの処理と同一である。また、S28の処理は、図3に示すS17の処理と同一である。そこで、ここでは、S25からS27の処理のみ説明する。
(S25:接触判定処理)
接触判定部14は、S15と同様に、先頭の文字から順に、文字列に含まれる全ての文字について有効範囲内の位置を検出したか否かを判定することにより、先頭の文字から順に全ての文字の上を利用者がなぞったか否かを判定する。
接触判定部14は、先頭の文字から順に全ての文字の上を利用者がなぞったと判定した場合(S25でYES)、処理をS26へ進める。一方、接触判定部14は、先頭の文字から順に全ての文字の上を利用者がなぞっていないと判定した場合(S25でNO)、処理をS27へ進める。
(S26:第1時間判定処理)
時間判定部15は、S16と同様に、接触時間が有効時間内であるか否かを判定する。ここで、接触時間は、図5(c)に示す時間T1+T2のように、一旦有効範囲外の位置に触れた場合や指が離れた場合には、有効範囲内の位置を検出していた時間の合計となる。
時間判定部15は、接触時間が有効時間内であると判定した場合(S26でYES)、処理をS28へ進める。一方、時間判定部15は、接触時間が有効時間外であると判定した場合(S26でNO)、処理を終了する。
(S27:第2時間判定処理)
時間判定部15は、接触時間が最長時間以下であるか否かを判定する。なお、接触時間は、S26の場合と同様に、有効範囲内の位置を検出していた時間の合計となる。
時間判定部15は、接触時間が最長時間以下である場合(S27でYES)、処理をS23に戻す。一方、時間判定部15は、接触時間が最長時間を超えている場合(S27でNO)、処理を終了する。
つまり、有効範囲内の位置が検出されていない文字が残っており、接触時間が最長時間以下である場合、再び処理をS23へ戻して、残りの文字の有効範囲内の位置が検出されるかことを待つ。
【0033】
なお、上記説明では、途中で有効範囲外の位置が検出された場合と、途中で指がタッチパネル30から離れた場合とのどちらの場合にも、続きの文字からなぞることを許すこととした。しかし、途中で指がタッチパネル30から離れた場合だけは、続きの文字からなぞることを許し、途中で有効範囲外の位置が検出された場合には、続きの文字からなぞることを許さないようにしてもよい。
【0034】
以上のように、実施の形態2に係る文字列確認装置10は、途中で指がタッチパネル30から離れた場合等には、続きの文字からなぞることを許す。これにより、実施の形態1に係る文字列確認装置10に比べ、利用者の利便性を高くすることができる。
【0035】
実施の形態3.
実施の形態2では、途中で指がタッチパネル30から離れた場合等には、続きの文字からなぞることを許す方法を説明した。しかし、続きの文字からなぞる場合に、どの文字からなぞればよいのか、利用者には明確でない場合がある。実施の形態3では、続きの文字からなぞる場合に、どの文字からなぞればよいか表示する方法について説明する。
なお、実施の形態3では、文字列確認装置10について、実施の形態2に係る文字列確認装置10と異なる部分を中心に説明する。
【0036】
図8は、実施の形態3に係る文字列確認装置10の機能の概要を説明するための図である。
図8では、図6と同様に、タッチパネル30に「ABCDE」の5文字の文字列が表示されている。そして、図8では、利用者が文字「A」から「B」までの文字列の上をなぞり、一旦タッチパネル30から指を離した状態を示している。この場合、文字列確認装置10は、既になぞられた「A」から「B」までの文字列の背景に所定の模様を表示する。
つまり、文字列確認装置10は、どの文字まで読んだと認識しているかを示すインジケータを表示する。これにより、続きの文字からなぞる場合に、どの文字からなぞればよいかを利用者は容易に知ることができる。
【0037】
図9は、実施の形態3に係る文字列確認装置10の機能構成を示すブロック図である。
文字列確認装置10は、実施の形態2に係る文字列確認装置10が備える機能(図2参照)に加え、インジケータ表示部17(表示部)を備える。インジケータ表示部17の機能については、文字列確認装置10の動作とともに説明する。
【0038】
図10は、実施の形態3に係る文字列確認装置10の動作の流れを示すフローチャートである。
S31からS33までの処理は、図7に示すS21からS23までの処理と同一である。また、S35からS39までの処理は、図7に示すS24からS28までの処理と同一である。そこで、ここでは、S34の処理のみ説明する。
(S34:インジケータ表示処理)
インジケータ表示部17は、先頭の文字から連続して、S33で有効範囲内の位置が検出された文字の背景に模様を表示する。
先頭の文字から連続して検出された文字だけが対象であるので、図5(b)のように途中の文字が飛ばされて検出された場合、飛ばされた文字以降の文字は対象外となる。つまり、図5(b)では、文字「A」、「B」の背景に模様が表示され、飛ばされた文字「C」以降の文字「C」、「D」、「E」の背景には模様は表示されない。
【0039】
なお、上記説明では、インジケータ表示部17は、文字の背景に模様を表示するとした。しかし、インジケータ表示部17は、文字の背景に模様を表示するのではなく、文字の背景の色を他の色に変えてもよいし、文字の色を他の色に変更してもよい。
【0040】
以上のように、実施の形態3に係る文字列確認装置10は、どの文字まで読んだと認識しているかを示すインジケータを表示する。これにより、続きの文字からなぞる場合に、どの文字からなぞればよいのか明確となる。
【0041】
実施の形態4.
実施の形態1−3では、文字列の上をなぞらせることにより、文字列が読まれたか否かを判定する方法を説明した。実施の形態4では、文字列の上をなぞらせることに加え、視線の位置を検出することにより、文字列が読まれたか否かを判定する方法について説明する。
なお、実施の形態4では、文字列確認装置10について、実施の形態1に係る文字列確認装置10と異なる部分を中心に説明する。
【0042】
図11は、実施の形態4に係る文字列確認装置10の機能の概要を説明するための図である。
図11では、図1と同様に、タッチパネル30に「ABCDE」の5文字の文字列が表示されている。この場合、先頭の文字「A」から順に文字「E」まで文字列の上を利用者が指でなぞるとともに視線でなぞり、指が文字列に触れていた時間が有効時間内である場合には、文字列確認装置10は、利用者が文字列を読んだと判定する。
つまり、先頭の文字から順に全ての文字の上を指と視線とでなぞられ、かつ、文字列に触れていた時間が有効時間内である場合に、文字列確認装置10は、利用者が文字列を読んだと判定する。
【0043】
図12は、実施の形態4に係る文字列確認装置10の機能構成を示すブロック図である。
文字列確認装置10は、実施の形態1に係る文字列確認装置10が備える機能(図2参照)に加え、視線検出部18、視線判定部19を備える。視線検出部18、視線判定部19の機能については、文字列確認装置10の動作とともに説明する。
【0044】
図13は、実施の形態4に係る文字列確認装置10の動作の流れを示すフローチャートである。
S41からS43までの処理は、図3に示すS11からS13までの処理と同一である。また、S45からS46までの処理と、S48からS49までの処理とは、図3に示すS14からS17までの処理と同一である。そこで、ここでは、S44の処理と、S47の処理のみ説明する。
(S44:視線検出処理)
視線検出部18は、S43で位置検出部13が触れられた位置を検出するのと並行して、利用者の視線の位置をアイカメラ31により検出する。視線検出部18は、一般的な速度で文字列を読む場合に、検出されない文字がでない間隔で位置を検出する。
(S47:視線検出処理)
視線判定部19は、先頭の文字から順に、文字列に含まれる全ての文字について、有効範囲決定部12が決定した有効範囲内の位置を、視線検出部18が検出したか否かを処理装置により判定する。視線判定部19は、先頭の文字から順に全ての文字について有効範囲内の位置を検出した場合に、先頭の文字から順に全ての文字の上を利用者が視線によりなぞったと判定する。
視線判定部19は、先頭の文字から順に全ての文字の上を利用者が視線によりなぞったと判定した場合(S47でYES)、処理をS48へ進める。一方、先頭の文字から順に全ての文字の上を利用者が視線によりなぞっていないと判定した場合(S47でNO)、処理を終了する。
【0045】
なお、上記説明では、指でなぞる場合の有効範囲と、視線でなぞる場合の有効範囲とを同じ範囲として説明した。しかし、これらは、それぞれ異なる範囲としてもよい。つまり、S42で有効範囲決定部12は、指でなぞる場合の接触有効範囲と、視線でなぞる場合の視線有効範囲とをそれぞれ別に決定してもよい。
【0046】
図14は、実施の形態4に係る視線有効範囲の説明図である。
有効範囲決定部12は、各文字「A」、「B」、「C」、「D」、「E」についての視線有効範囲を決定する。
有効範囲決定部12は、文字列が横書きの場合、各文字について、その文字の表示領域と、その表示領域の上側及び下側の所定の領域とをその文字の視線有効範囲とする。文字の表示領域の上側及び下側の領域も有効範囲に含めるのは、文字列を読む場合に、文字の真上に視線が合わず、少し上側又は下側に視線が合うことが考えられるためである。
図14の例では、文字の表示領域の半分の大きさの領域を上側及び下側の所定の領域としている。例えば、文字「A」であれば、文字の表示領域は、文字の左下の座標(a,0)、左上の座標(a,1)、右下の座標(a,0)、右上の座標(a,1)で囲まれた領域である。そして、下側の領域は、座標(a,−0.5)、座標(a,0)、座標(a,−0.5)、座標(a,0)で囲まれた領域である。また、上側の領域は、座標(a,1)、座標(a,1.5)、座標(a,1)、座標(a,1.5)で囲まれた領域である。したがって、文字「A」の視線有効範囲は、座標(a,−0.5)、座標(a,1.5)、座標(a,−0.5)、右上の座標(a,1.5)で囲まれた範囲である。
他の文字「B」、「C」、「D」、「E」についても同様に決定される。その結果、文字列「ABCDE」の有効範囲は、座標(a,−0.5)、座標(a,1.5)、座標(e,−0.5)、座標(e,1.5)で囲まれた範囲となる。
なお、接触有効範囲は、実施の形態1で説明した有効範囲と同様に、例えば図4に示すように決定される。
【0047】
また、実施の形態4では、実施の形態1に係る文字列確認装置10に視線検出部18等を追加した場合を例として説明した。しかし、実施の形態2,3に係る文字列確認装置10に視線検出部18等を追加してもよい。
【0048】
以上のように、実施の形態4に係る文字列確認装置10は、文字列の上を十分な時間をかけてなぞらせるとともに、文字列の上を見たことを確認することで、利用者が文字列を読んだことを確認することができる。
【0049】
実施の形態5.
実施の形態1−3では、文字列の上をなぞらせることにより、文字列が読まれたか否かを判定する方法を説明した。実施の形態5では、文字列の上をなぞらせることに加え、文字列を読み上げさせることにより、文字列が読まれたか否かを判定する方法について説明する。
なお、実施の形態5では、文字列確認装置10について、実施の形態1に係る文字列確認装置10と異なる部分を中心に説明する。
【0050】
図15は、実施の形態5に係る文字列確認装置10の機能の概要を説明するための図である。
図15では、図1と同様に、タッチパネル30に「ABCDE」の5文字の文字列が表示されている。この場合、先頭の文字「A」から順に文字「E」まで文字列の上を利用者が指でなぞるとともに読み上げ、指が文字列に触れていた時間が有効時間内である場合には、文字列確認装置10は、利用者が文字列を読んだと判定する。
つまり、先頭の文字から順に全ての文字の上を指でなぞられ、かつ、先頭の文字から順に全ての文字が読み上げられ、かつ、文字列に触れていた時間が有効時間内である場合に、文字列確認装置10は、利用者が文字列を読んだと判定する。
【0051】
図16は、実施の形態5に係る文字列確認装置10の機能構成を示すブロック図である。
文字列確認装置10は、実施の形態1に係る文字列確認装置10が備える機能(図2参照)に加え、音声入力部20、音声変換部21、音声判定部22を備える。音声入力部20、音声変換部21、音声判定部22の機能については、文字列確認装置10の動作とともに説明する。
【0052】
図17は、実施の形態5に係る文字列確認装置10の動作の流れを示すフローチャートである。
S51からS53までの処理は、図3に示すS11からS13までの処理と同一である。また、S56からS57までの処理と、S59からS60までの処理とは、図3に示すS14からS17までの処理と同一である。そこで、ここでは、S54からS55までの処理と、S58の処理のみ説明する。
(S54:音声入力処理)
音声入力部20は、利用者の音声をマイク32により入力する。
(S55:音声変換処理)
音声変換部21は、音声入力部20が入力した音声を文字列に処理装置により変換する。音声を文字列に変換する方法は、どのような方法であってもよい。
(S58:音声判定処理)
音声判定部22は、先頭の文字から順に、文字列に含まれる全ての文字について、音声変換部21が音声から変換したか否かを処理装置により判定する。音声変換部21は、先頭の文字から順に全ての文字について変換された場合に、先頭の文字から順に全ての文字を利用者が読み上げたと判定する。
【0053】
なお、上記説明では、音声判定部22は、先頭の文字から順に全ての文字について変換された場合に、先頭の文字から順に全ての文字を利用者が読み上げたと判定した。しかし、音声判定部22は、音声から変換された文字列と、タッチパネル30に表示された文字列との一致度合いを計算し、所定の割合以上一致する場合に、先頭の文字から順に全ての文字を利用者が読み上げたと判定してもよい。
【0054】
また、実施の形態5では、実施の形態1に係る文字列確認装置10に音声入力部20等を追加した場合を例として説明した。しかし、実施の形態2−4に係る文字列確認装置10に音声入力部20等を追加してもよい。
【0055】
以上のように、実施の形態5に係る文字列確認装置10は、文字列の上を十分な時間をかけてなぞらせるとともに、文字列を読み上げさせることで、利用者が文字列を読んだことを確認することができる。
【0056】
実施の形態6.
実施の形態1−5では、文字列を利用者が読んだことを確認する文字列確認装置10について説明した。実施の形態6では、文字列確認装置10を利用したシステムの例を説明する。
【0057】
実施の形態6では、文字列確認装置10を利用したシステムの例として、医療機関で使用される医療システム40について説明する。
医療システム40は、複数の利用者によって使用されるシステムである。医療システム40は、ある利用者により登録されたコメント(文字列)を、他の利用者が確認するシステムである。例えば、医療システム40では、患者Aを担当する医師により登録された患者Aについてのコメントを、患者Aを担当する看護師が確認する。
【0058】
図18は、実施の形態6に係る医療システム40の構成図である。
医療システム40は、サーバ41と、複数のクライアント42とを備える。サーバ41と各クライアント42とは、ネットワーク43を介して接続されている。サーバ41は、上記実施の形態で説明した文字列確認装置10を備える。各クライアント42は、タッチパネル30を備える。
サーバ41は、さらに、コメント入力部44(入力部)、コメントDB45(文字列記憶部)を備える。なお、文字列確認装置10部分ではなく、サーバ41全体を文字列確認装置と呼んでもよい。
【0059】
コメント入力部44は、コメント入力画面をタッチパネル30に表示して、利用者にコメントを入力させる。ここでは、コメント入力部44は、入力させたコメントの閲覧者も指定させる。コメントDB45は、コメント入力部44が入力したコメントを、指定された閲覧者とともに記憶する記憶装置である。文字列確認装置10の文字列表示部11は、指定された閲覧者が使用するクライアント42のタッチパネル30にコメントを表示する。
【0060】
図19は、実施の形態6に係るコメント入力画面の例を示す図である。
コメント入力部44は、患者を指定させた上で、その患者についてのコメントと、閲覧者と、コメントの重要度とを入力させる。
図19に示す例では、患者Aが指定された場合を示している。コメント入力画面には、患者Aが指定されると、患者Aの生年月日や主治医等の患者Aに関する情報が表示されるとともに、患者Aについてのコメントと、閲覧者と、コメントの重要度とを入力する入力欄が表示される。コメントを入力する利用者が、入力欄へコメントと閲覧者と重要度とを入力し、登録ボタンを押下すると、患者AのIDと、患者Aについてのコメントと、指定された閲覧者のIDと、そのコメントの重要度とがコメントDB45に登録される。
【0061】
図20は、実施の形態6に係るコメント表示画面の例を示す図である。
文字列表示部11は、指定された閲覧者(ここでは、看護師A)により、患者Aについてのコメントを確認することが指示されると、図20に示すコメント表示画面を表示する。図20に示す例では、患者Aの生年月日や主治医等の患者Aに関する情報が表示されるとともに、登録されたコメントやそのコメントの重要度が表示される。そして、閲覧者がコメントを読んだことが、サーバ41が備える文字列確認装置10により、上記実施の形態で説明した方法により確認される。
閲覧者がコメントを読んだと判定された場合、文字列確認装置10の許可部16により次の処理へ進むことが許可され、コメント閲覧画面の次の画面へ遷移させる「次画面」ボタンが表示される。
【0062】
なお、上記説明では、コメント入力部44は、コメントとともに、重要度を入力させるとした。文字列確認装置10は、この重要度に応じて、閲覧者がコメントを読んだことを確認する方法を変えてもよい。
例えば、重要度が低中高の場合、それぞれ次のように制御されるとしてもよい。重要度が低の場合、特に操作を要求することなく、次の処理へ進むことが許可される。重要度が中の場合、コメントを読んだことを確認するチェックボックスを表示し、チェックボックスがチェックされた場合に、次の処理へ進むことが許可される。重要度が高の場合、上記実施の形態で説明した方法により、コメントを読んだと判定された場合、次の処理へ進むことが許可される。
また、例えば、重要度が低中高の場合、それぞれ次のように制御されるとしてもよい。重要度が低の場合、実施の形態1−3で説明したように、指で文字列の上をなぞることにより、コメントを読んだと判定された場合、次の処理へ進むことが許可される。重要度が中の場合、実施の形態4で説明したように、指で文字列の上をなぞることに加え、視線で文字列の上をなぞることにより、コメントを読んだと判定された場合、次の処理へ進むことが許可される。重要度が高の場合、実施の形態5で説明したように、指及び視線で文字列の上をなぞることに加え、文字列を読み上げることにより、コメントを読んだと判定された場合、次の処理へ進むことが許可される。
【0063】
また、コメントを読む利用者(閲覧者)毎に、有効範囲や有効時間を変えてもよい。例えば、文字列確認装置10は、利用者毎に有効範囲や有効時間の設定情報を記憶した設定情報記憶部を備え、この設定情報記憶部が記憶した情報に基づき、利用者毎に有効範囲や有効時間を設定してもよい。例えば、上記説明では、文字列が縦書きの場合に、文字列の表示領域の右側にも有効範囲を設けるとしたが、左利きの利用者の場合には、文字列の左側に有効範囲を設けるとしてもよい。
【0064】
図21は、設定情報記憶部が記憶する情報の例を示す図である。
図21の例では、設定情報記憶部は、利用者ID毎に、パスワード、範囲設定情報、時間設定情報を記憶する。
利用者IDは、利用者の識別情報である。
パスワードは、利用者が医療システム40にログインする際に使用されるパスワードである。
範囲設定情報は、その利用者についての有効範囲を決定するための情報である。ここでは、文字列が横書きの場合を想定している。範囲設定情報は、上側範囲と下側範囲とを有する。上側範囲は、文字の表示領域の上側どの範囲を有効範囲に含めるかを示すものであり、下側範囲は、文字の表示領域の下側どの範囲を有効範囲に含めるかを示すものである。例えば、利用者IDがUSER01の利用者であれば、文字の表示領域の上側は有効範囲に含めず、下側「1」を有効範囲に含める。なお、ここでは、「1」を文字の表示領域のサイズとしている。したがって、利用者IDがUSER01の利用者であれば、図4に示すように、文字の表示領域と、その領域の下側における文字の表示領域と同じ大きさの領域とが有効範囲となる。
時間設定情報は、有効時間を決定するための情報である。ここでは、有効時間は、文字列に含まれる仮名の文字数と漢字の文字数とから設定されることを想定している。時間設定情報は、仮名設定情報と漢字設定情報とを有する。仮名設定情報は、仮名1文字当たりの有効時間を示し、漢字設定時間は、漢字1文字当たりの有効時間(ここでは、最短時間)を示す。
【0065】
また、図20では、複数の行に分かれて文字列が表示されている。このように、複数の行に文字列が表示される場合は、行毎に文字列を読んだか否かの判定を行うようにしてもよい。行毎に文字列を読んだか否かの判定をする場合、上の行から順に読んだか否かの判定を行う必要がある。
つまり、図20の例であれば、1行目の「患者移送をする際は、○○○の実施を忘れないよ」についての判定をした後、2行目の「うにしてください」についての判定を行う。
【0066】
また、医療システム40のサーバ41は、さらに、コメントを入力した利用者へ、閲覧者がコメントを読んだと判定したことを通知する通知部を備えてもよい。通知部は、例えば、コメントを入力した利用者のタッチパネル30等に、閲覧者がコメントを読んだと判定したことを示す情報を表示してもよいし、コメントを入力した利用者へ、電子メールで閲覧者がコメントを読んだと判定したこと示す情報を送信してもよい。
【0067】
図22は、文字列確認装置10、サーバ41、クライアント42のハードウェア構成の一例を示す図である。
図22に示すように、文字列確認装置10、サーバ41、クライアント42は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、LCD901(Liquid Crystal Display)、キーボード902(K/B)、通信ボード915、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。LCD901、キーボード902の代わりに、タッチパネル等の入出力装置でもよい。また、磁気ディスク装置920(固定ディスク装置)の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。磁気ディスク装置920は、所定の固定ディスクインタフェースを介して接続される。
【0068】
磁気ディスク装置920又はROM913などには、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0069】
プログラム群923には、上記の説明において「文字列表示部11」、「有効範囲決定部12、「位置検出部13」、「接触判定部14」、「時間判定部15」、「許可部16」、「インジケータ表示部17」、「視線検出部18」、「視線判定部19」、「音声入力部20」、「音声変換部21」、「音声判定部22」等として説明した機能を実行するソフトウェアやプログラムやその他のプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、上記の説明において「有効範囲」、「有効時間」等の情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「データベース」の各項目として記憶される。「データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPU911の動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPU911の動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0070】
また、上記の説明におけるフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、その他光ディスク等の記録媒体やICチップに記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体や電波によりオンライン伝送される。
また、上記の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。また、「〜装置」として説明するものは、「〜回路」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組合せ、さらには、ファームウェアとの組合せで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、ROM913等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、上記で述べた「〜部」としてコンピュータ等を機能させるものである。あるいは、上記で述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータ等に実行させるものである。
【符号の説明】
【0071】
10 文字列確認装置、11 文字列表示部、12 有効範囲決定部、13 位置検出部、14 接触判定部、15 時間判定部、16 許可部、17 インジケータ表示部、18 視線検出部、19 視線判定部、20 音声入力部、21 音声変換部、22 音声判定部、30 タッチパネル、31 アイカメラ、32 マイク、40 医療システム、41 サーバ、42 クライアント、43 ネットワーク、44 コメント入力部、45 コメントDB。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字列をタッチパネルに表示する表示部と、
前記表示部が表示した文字列に含まれる全ての文字に触れられたか否かを判定する接触判定部と、
前記全ての文字に触れられたと前記接触判定部が判定した場合、次の処理へ進むことを許可する許可部と
を備えることを特徴とする文字列確認装置。
【請求項2】
前記接触判定部は、先頭の文字から順に前記全ての文字に触れられたか否かを判定し、
前記許可部は、先頭の文字から順に前記全ての文字に触れられたと前記接触判定部が判定した場合、次の処理へ進むことを許可する
ことを特徴とする請求項1に記載の文字列確認装置。
【請求項3】
前記文字列確認装置は、さらに
前記文字列に含まれる文字毎に有効範囲を決定する有効範囲決定部と、
所定の時間間隔で触れられている位置を検出する位置検出部と
を備え、
前記接触判定部は、前記全ての文字について、前記有効範囲決定部が決定した有効範囲内の位置を、前記位置検出部が検出した場合に、前記全ての文字が触れられたと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の文字列確認装置。
【請求項4】
前記文字列確認装置は、さらに
前記文字列に含まれる文字に触れられている接触時間が、所定の有効時間内であるか否かを判定する時間判定部
を備え、
前記許可部は、前記全ての文字に触れられたと前記接触判定部が判定し、かつ、前記接触時間が前記有効時間内であると前記時間判定部が判定した場合、次の処理へ進むことを許可する
ことを特徴とする請求項1に記載の文字列確認装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記文字列に含まれる文字のうち、既に触れられた文字と未だ触れられていない文字とを区別して表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の文字列確認装置。
【請求項6】
前記文字列確認装置は、さらに、
視線を検出する視線検出部と、
前記視線検出部が検出した視線が前記全ての文字に合わされたか否かを判定する視線判定部と
を備え、
前記許可部は、前記全ての文字に触れられたと前記接触判定部が判定し、かつ、視線が前記全ての文字に合わされたと前記視線判定部が判定した場合、次の処理へ進むことを許可する
ことを特徴とする請求項1に記載の文字列確認装置。
【請求項7】
前記文字列確認装置は、さらに、
音声を入力する音声入力部と、
前記音声入力部が入力した音声を文字列に変換する音声変換部と、
前記音声変換部が変換した文字列と、前記表示部が表示した文字列とが所定の割合以上一致しているか否かを判定する音声判定部と
を備え、
前記許可部は、前記全ての文字に触れられたと前記接触判定部が判定し、かつ、文字列が前記所定の割合以上一致していると前記音声判定部が判定した場合、次の処理へ進むことを許可する
ことを特徴とする請求項1に記載の文字列確認装置。
【請求項8】
前記有効範囲決定部は、利用者毎に前記有効範囲を決定する
ことを特徴とする請求項3又は5に記載の文字列確認装置。
【請求項9】
文字列をタッチパネルに表示する表示処理と、
前記表示処理で表示した文字列に含まれる全ての文字に触れられたか否かを判定する接触判定処理と、
前記全ての文字に触れられたと前記接触判定処理で判定した場合、次の処理へ進むことを許可する許可処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする文字列確認プログラム。
【請求項10】
文字列と、その文字列を閲覧させる閲覧者とを入力装置により入力させる入力部と、
前記入力部が入力した文字列を、閲覧者とともに記憶装置に記憶する文字列記憶部と、
前記文字列記憶部が記憶した文字列を、閲覧者が使用するタッチパネルに表示する表示部と、
前記表示部が表示した文字列に含まれる全ての文字に触れられたか否かを判定する接触判定部と、
前記全ての文字に触れられたと前記接触判定部が判定した場合、次の処理へ進むことを許可する許可部と
を備えることを特徴とする文字列確認装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−105197(P2013−105197A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246528(P2011−246528)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(394013002)三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 (251)
【Fターム(参考)】