説明

文書データのワークフロー処理のための方法及び装置

【課題】ユーザに対する最終出力を正確に且つ確実に生成するスキャニングした文書のワークフロー処理のためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】ワークフロー制御サービスは、ワークフローで定義される後処理ステップを実行する1又はそれ以上の装置の機能を識別する。画像スキャナは、文書データを生成するよう文書を走査するために用いられる。ワークフロー制御サービスは、1又はそれ以上の装置に、それらの夫々の装置の識別された機能に基づいて、後処理ステップを提供する。次いで、装置は、最終出力を生成するよう、走査された文書データに対して後処理ステップを実行する。次いで、ワークフロー制御サービスは、最終出力を生成するよう、ワークフローによって識別される装置へ出力データを送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、走査、すなわち、スキャニングされたデータのワークフロー処理に関し、より具体的には、スキャナを利用したワークフロー及び最終出力を生成するために装置の後処理機能を識別し利用するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク環境において、ネットワークのユーザに前処理(pre-processing)及び後処理(post-processing)機能を提供するために、多数の装置が存在する。例えば、一部のユーザは、走査(スキャニング)された文書データ(すなわち、スキャニング文書データ)を生成するよう文書を走査するための走査装置(いわゆるスキャナ)を利用することができ、一方、他のユーザは、スキャニング文書データに対して色補正処理を行った後、その補正されたデータをカラープリンタで印刷することができる。
【0003】
ネットワーク環境内のサービスを提供することに位置付けられる装置の数は時間とともに変化するので、より新しい一部の装置は、より古い装置では見られない機能を有することがある。このようにして、時間の経過とともに、ネットワーク環境における古い装置及び新しい装置の混合は、特定の装置が実際にどのような機能を有しているのかについて、ユーザを混乱させることがある。例えば、一部の装置は光学式文字認識(OCR)機能を有するが、他の装置は有さないことがある。従って、時間の経過とともに、データの後処理のためにユーザが求める機能を有する特定の装置を正確に識別することは、ユーザにとって困難となりうる。
【0004】
装置がネットワーク環境内で動作中である場合、所望の前処理及び後処理作業を行うよう装置にアクセスするために、ユーザには多くの選択肢が存在する。例えば、一部の装置は、装置上で内部サービス(例えば、スキャニングしアドビ・ポータブル・ドキュメント・フォーマット(PDF)ファイルサービスへ変換すること、又はスキャニングしデータファイルサービスへ転送すること等)への種々のインターフェースを提供するローカルディスプレイを有してよい。ネットワーク環境内の他の装置は、より限定されていることがあり、代わりに、装置の機能にアクセするために、ユーザにコンピュータでソフトウェアを実行するよう求める。
【0005】
どのようにユーザが何らかの特定の装置にアクセスすることができるのかに関係なく、ユーザは、いずれか1つの装置に存在し又はしないこともあるデータに対して、多数の後処理ステップを実行したいと望むことがある。例えば、装置のユーザが文書を走査し、PDFファイルを生成したいと望む場合は、ユーザは、文書の所望の最終出力を生成するために、走査機能及びPDF生成機能の両方を含む特定の装置を識別しなければならない。いずれの装置も所望の後処理機能を有さない場合、ユーザは、後処理のために装置からコンピュータへ何らかの中間フォーマットデータを転送しなければならない。なお、これは、ユーザが所望の後処理機能を含むコンピュータへのアクセスを有する場合にのみ、ユーザに利用可能であってよい。
【0006】
ユーザが走査データ(スキャニングデータともいう。)を生成し、その走査データに対して多数の後処理ステップを実行した後、ユーザは、後処理出力を特定のあて先(例えば、電子メールアドレス又はネットワークロケーション等)に与えたいと望むことがある。後処理と同じように、種々のあて先は、ユーザが操作している特定の装置に基づいて利用可能であったり又はなかったりする。例えば、ユーザは、ネットワークロケーション・デスティネーション機能のみサポートする装置でデータの走査及び後処理を行っていることがある。しかし、ユーザは、最終出力がメモリカード(例えば、USBフラッシュドライブ等)に置かれていることを望むことがある。USBフラッシュドライブで最終出力を受け取るために、ユーザは、データをコンピュータに転送し、所望の最終出力を生成するよう手動でデータをUSBフラッシュドライブに置かなければならない。走査機能を備えた複合機であれば、USBフラッシュドライブを接続するインターフェースを備えている場合もある。
【0007】
幾つかの場合において、管理者は、走査データの最終出力に関して、特定のユーザ又はユーザグループを一定の機能、サービス及び/又はあて先に制限したいと望むことがある。このような制限は、現在の技術では、容易に達成されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、ワークフロー全体を処理し、ユーザのための最終出力を正確に且つ確実に生成するよう種々の装置の機能を識別し利用することは、継続的な課題である。
【0009】
本発明は、上記の及び他の問題を解消して、ユーザのための最終出力を正確に且つ確実に生成するためのスキャニングした文書のワークフロー処理のシステム及び方法を提供することによって、現在の技術を進展させる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これに関して、1つの態様は、最終出力を生成するための文書データのワークフロー処理の方法を提供する。当該方法に従って、画像スキャナを含む1又はそれ以上の装置の機能が識別される。文書データの最終出力を生成するための後処理ステップを定義するワークフローが受け取られる。文書は前記画像スキャナで走査され、前記文書データが生成される。前記文書データは、前記ワークフローの前記後処理ステップを用いて処理され、出力データが生成される。この処理には、識別された前記機能に基づいて前記1又はそれ以上の装置に前記後処理ステップを提供することが含まれる。前記出力データは、前記ワークフローによって識別される前記1又はそれ以上の装置に送られ、前記最終出力が生成される。
【0011】
これに関して、他の態様は、ワークフローシステムを提供する。当該ワークフローシステムは、最終出力を生成するよう文書データのワークフローを処理するよう動作する。当該ワークフローシステムは、コンピューティング装置で動作するワークフロー制御サービスを有する。前記コンピューティング装置のメモリは、前記ワークフロー制御サービスと通信上結合され、文書データの最終出力を生成するための後処理ステップを定義するワークフローを格納するよう動作する。当該ワークフロー制御システムは、前記ワークフロー制御サービスと通信上結合される1又はそれ以上の装置を有し、該1又はそれ以上の装置は画像スキャナを含む。前記画像スキャナは、前記文書データを生成するよう文書を走査するよう動作する。前記ワークフロー制御サービスは、更に、前記メモリから前記ワークフローを受け取るよう動作し、更に、前記1又はそれ以上の装置の機能を識別するよう動作し、更に、識別された前記機能に基づいて前記1又はそれ以上の装置に前記後処理ステップを提供するよう動作する。前記1又はそれ以上の装置は、出力データを生成するよう、受け取った前記後処理ステップに基づいて前記文書データを処理するよう動作する。前記ワークフロー制御サービスは、更に、前記最終出力を生成するよう、前記ワークフローによって識別される装置の中の1又はそれ以上の装置へ前記出力データを送るよう動作する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によれば、ユーザのための最終出力を正確に且つ確実に生成するためのワークフロー処理のシステム及び方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態における例となるワークフローシステムのブロック図である。
【図2】図1のシステムに係る例となる通信及び処理シーケンスを表す。
【図3】本発明の実施形態におけるワークフロー処理のための例となる方法を表すフローチャートである。
【図4】図3の方法の例となる付加的な詳細を表すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態におけるワークフロー処理のための他の例となる方法を表すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態における例となるワークフローシステムのブロック図である。
【図7】本発明の実施形態におけるワークフロー制御サービスの例となるモジュラー分解のブロック図である。
【図8】XMLポスト走査プロセッシング(PSP)フォーマットで記述される例となるワークフローである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
同じ参照符号は、全ての図において同じ要素又は同じ種類の要素を表す。
【0015】
図1〜8及び以下の記載は、本発明の具体的な実施形態を表し、本発明をどのように構成し使用するのかを当業者に教示する。この教示のために、本発明の幾つかの従来態様は簡単化され、又は省略されることがある。本発明の技術的範囲内にあるこれらの実施形態からの変形例は、当業者に明らかである。以下で記載される特徴が本発明の多数の変形例を形成するよう様々な方法で組み合わされ得ることは、当業者に明らかである。結果として、本発明は、以下で記載される具体的な実施形態に限定されず、特許請求の範囲及びその均等によってのみ定められる。
【0016】
図1は、本発明の実施形態における例となるワークフローシステム100のブロック図である。ワークフローシステム100は、ワークフロー制御サービス108を操作するコンピューティング装置107と、ネットワーク110によりコンピューティング装置107と結合されている1又はそれ以上の装置102〜106とを有する。ネットワークは、装置102〜107の間でデータを転送するよう動作する。コンピューティング装置107は、また、ワークフロー114を記憶するメモリ112を有する。装置102〜106は、画像スキャナ(例えば、画像スキャナ102)を有する。ワークフロー114は、走査(スキャニング)された文書データに基づいて出力データを生成する後処理ステップ124〜126を定義し、また、最終出力を生成する最終出力装置127を示す。例えば、ワークフロー114は、走査された文書データ(又は走査文書データともいう。)に対して実行すべき一連のデータ処理(例えば、色変換処理、デスキュー(de-skew)処理、及びOCR処理)を有してよい。また、ワークフロー114における最終出力装置127は、最終出力を生成する特定の装置を示すために用いられてよい。このように、ワークフロー114は、最終出力を生成するために画像スキャナ(例えば、画像スキャナ102)から生成された走査された文書データに対して実行すべき一連の処理ステップを定義する。
【0017】
ワークフローシステム100が動作中である場合、ワークフロー制御サービス108は、ワークフロー114を受け取り、装置102〜106の機能118〜122を識別する。走査された文書データが画像スキャナ(例えば、画像スキャナ102)で生成される。ワークフロー制御サービス108は、装置102〜106の夫々の対応する各自の機能118〜122に基づいて、装置102〜106の1又はそれ以上に、後処理ステップ124〜126を与える。出力データは、走査された文書データ及び後処理ステップ124〜126に基づいて生成される。次いで、ワークフロー制御サービス108は、最終出力を生成するよう、ワークフロー114で最終出力装置127として識別される装置102〜106の中の1つに出力データを送信する。
【0018】
幾つかの実施形態で、ワークフローシステム100は、多数の他の任意の装置(例えば、後処理サーバ104)を有する。後処理サーバ104は、様々な後処理サービス117をワークフローシステム100に提供するよう動作する。幾つかの場合で、後処理サーバ104は、装置102〜103及び105〜106の中で見つけられない追加のサービスを提供するよう動作することができる。他の場合で、後処理サーバ104は、ワークフローシステム100内の他の装置102〜103及び105〜106に比べて、例えば、後処理サーバ104がサービスを実行する際により速く動作する場合等、幾つかの後処理サービスを提供するのにより適していることがある。
【0019】
他の実施形態で、コンピューティング装置107は、ワークフロー制御サービス108と結合されている様々な後処理サービス116を有してよい。このように、かかる実施形態で、ワークフロー制御サービス108は、後処理ステップ124〜126を実行する場合に、後処理サービス116を利用することができる。後処理サービス116の利用は、装置102〜106によって提供されるサービスに加えて、又はそれらに代えて、行われてよい。例えば、後処理サービス116の利用は、装置102〜106のいずれもがワークフロー114の後処理ステップ124〜126で識別される後処理サービスを有さない結果であってよい。後処理サーバ104と同じように、ワークフロー制御サービス108は、ワークフローシステム100内の装置102〜106に比べて、後処理サービス116が幾つかのサービスを提供するのにより適している場合に、後処理サービス116を利用してよい。
【0020】
ワークフローシステム100の動作の更なる詳細が一例として記載される。ワークフローシステム100で、画像スキャナ102は、データを走査し処理するための様々な後処理サービスを有する。例えば、画像スキャナ102は、走査文書データを生成するために特定の解像度、色空間又は色ビット深さで文書を走査するよう動作することができる。画像スキャナ102は、また、様々な後処理機能118(例えば、PDFファイルの生成、OCR処理の実行、又は他のそのような後処理機能)を有してよい。このように、ワークフロー制御サービス108が画像スキャナ102の機能118を識別する場合、画像スキャナ102に特有の一意の後処理サービス及び走査機能が識別される。
【0021】
本例では、ワークフロー114は、後処理ステップ124における色補正処理、後処理ステップ125におけるデスキュー処理、及び後処理ステップ126におけるOCR処理を定義するとする。また、ワークフロー114は、最終出力装置127が後処理サーバ104であることを示すとする。最終出力を生成するために、ワークフロー114は、後処理サーバ104が後処理ステップ124〜126の結果をFTPサーバにアップロードすることを示す。ユーザがワークフロー114を処理するためにワークフローシステム100を利用したいと望む場合、ユーザは、最初に、画像スキャナで文書を走査して、走査文書データを生成することができる。ワークフロー114を処理する際に、ワークフロー制御サービス108は、出力データを生成するよう、機能118〜122に基づいて装置102〜106へ、ワークフロー104で定義される様々な後処理ステップ124〜126を提供する。例えば、画像スキャナ102の機能118が色補正処理を行う機能を示し、画像スキャナ103の機能119がデスキュー処理を行う機能を示し、マルチファンクションプリンタ106の機能122がOCR処理を行う機能を示すならば、ワークフロー制御サービス108は、出力データを生成するために、後処理ステップ124を画像スキャナ102へ提供し、後処理ステップ125を画像スキャナ103へ提供し、後処理ステップ126をマルチファンクションプリンタ106へ提供する。
【0022】
幾つかの実施形態で、ワークフロー制御サービス108は、改善された後処理性能のためにワークフロー114を最適化してよい。例えば、ワークフロー114の幾つかのステップは、装置102〜106の機能118〜122に基づいて異なる順序で、又は改善された性能のために並行して、行われてよい。特定の装置が他の装置よりもワークフロー114の多くのステップを行うことができる場合、その特定の装置は他の装置よりも選択され得る。この働きは、装置のネットワークにわたる中間の後処理データ伝送を減らすよう作用し、これにより、性能が改善される。多数の装置は、後処理を実行する際に同じような機能を有するが、一部の装置は、特定の後処理ステップを実行するために、他の装置よりも適していることがある。
【0023】
他の実施形態で、ワークフロー制御サービス108は、装置102〜106の状態を識別し、状態情報を用いて、装置102〜106のうちどれを様々な後処理動作のために利用すべきかを決定してよい。例えば、幾つかの装置はビジー状態又は運転休止(out of service)状態を示すことがある。このように、ワークフロー制御サービス108は、様々な後処理ステップを実行するための異なる装置を選択することに決めることができる。
【0024】
画像スキャナ102〜103及びマルチファンクションプリンタ106が、例となるワークフロー114における後処理ステップ124〜126を受け取る場合に、画像スキャナ102〜103及びマルチファンクションプリンタ106は、夫々の後処理ステップ124〜126に基づいて走査文書データを処理することによって出力データを生成するよう動作する。従って、画像スキャナ102は、走査文書データに基づいて色補正処理を行うよう動作し、画像スキャナ103は、走査文書データに基づいてデスキュー処理を行うよう動作し、マルチファンクションプリンタ106は、走査文書データに基づいてOCR処理を行うよう動作する。
【0025】
例えば、画像スキャナは、最初に、何らかの中間出力を生成するよう走査文書データを処理し、次いで、後の処理のために中間出力をワークフロー制御サービス108に送る。ワークフロー制御サービス108は、デスキュー処理のために、受け取った中間出力をスキャナ103に送る。同じように、ワークフロー制御サービス108は、スキャナ103からデスキュー処理の結果を受け取り、次いで、OCR処理のために且つ出力データを生成するために、マルチファンクションプリンタ106へデスキュー処理の結果を送信する。ワークフロー制御サービス108がマルチファンクションプリンタ106から出力データを受け取った後、ワークフロー制御サービス108は、その出力データを後処理サーバ104へ送る。後処理サーバ104は、最終出力を生成するために、ワークフロー114で示されるFTPデスティネーションロケーション(destination location)へ出力データをアップロードする。
【0026】
ワークフローシステム100内の装置102〜106の機能118〜122を識別するとともに、ワークフロー制御サービス108は、また、出力データのあて先(デスティネーション)を提供するために、装置102〜106の種々の走査設定、後処理機能、及びデスティネーション機能を識別するよう動作する。例えば、画像スキャナ102は、ハードディスクドライブ又はソリッドステート・メモリカードスロットを有してよい。従って、画像スキャナ102のデスティネーション機能は、最終出力を生成するためにハードドライブ又はソリッドステート・メモリカードに出力データを書き込むことであってよい。後処理サービスと同じように、ワークフローシステム100内の装置102〜107は、異なるデスティネーションロケーション機能を有してよい。例えば、マルチファンクションプリンタ106はFTP機能を有してよい。FTP機能は、マルチファンクションプリンタ106が出力データをFTPロケーションに提供することを可能にする。マルチファンクションプリンタ106は、また、他のデスティネーション機能(例えば、サーバメッセージブロック(SMB)プロトコルを用いるネットワークロケーション・デスティネーション又はネットウェアコアプロトコル(NCP)を用いるネットワークロケーション・デスティネーション等)を有してよい。ワークフローシステム100内の装置102〜107は様々な後処理及びデスティネーションロケーション機能に関して記載されているが、このような機能は、ワークフローシステム100の一部である装置102〜107のいずれで利用可能であってもよいことは当業者には当然である。ワークフローシステム100内の装置102〜106の様々な後処理及びデスティネーションロケーション機能を識別するワークフロー制御サービス108が、図2に関して、更に表されている。
【0027】
図2は、本発明の実施形態において図1のシステムについての例となる通信及び処理シーケンス200を表す。図2で、ワークフローシステム100内の特定の装置は、当業者が、走査される文書の最終出力データを生成するためのワークフロー114の処理においてワークフロー制御サービス108によって提供される柔軟性をより明りょうに理解することができるように記載される。
【0028】
通信及び処理シーケンス200は、最終出力データを生成するようワークフロー114を処理する場合に画像スキャナ102〜103、ワークフロー制御サービス108、及び後処理サーバ104の間で起こりうる様々なシーケンスを表す。通信及び処理シーケンス200で、ワークフロー制御サービス108は、シーケンス202から204において、画像スキャナ103、画像スキャナ102及び後処理サーバ104の夫々から装置機能を受け取る。具体的に、例えば、ワークフロー制御サービス108に、画像スキャナ103はデスキュー処理機能を示し、画像スキャナ102は色補正処理機能を示し、後処理サーバ104はFTPデスティネーションロケーション機能を示すとする。
【0029】
シーケンス206で、ワークフロー114が、ワークフロー制御サービス108によって受け取られる。例えば、ワークフロー114は後処理ステップ124での色変換処理、後処理ステップ125でのデスキュー処理、後処理ステップ126でのOCR処理、及び後処理サーバ104が最終出力装置127であること、を定義するとする(図1参照)。
【0030】
シーケンス208で、ワークフロー制御サービス108は、色変換処理を行うための装置を識別する。シーケンス202〜204で受け取った装置機能に基づいて、ワークフロー制御サービス108は、画像スキャナ102を、色変換処理を実行することができると認める。
【0031】
シーケンス210で、文書が画像スキャナ102で走査され、走査文書データが生成される。シーケンス212で、ワークフロー制御サービス108は、画像スキャナ102に色変換処理を行うよう指示する。
【0032】
シーケンス214で、画像スキャナ102は、走査文書データに対して色変換処理を行う。シーケンス216で、画像スキャナ102は、処理された走査文書データをワークフロー制御サービス108に送る。
【0033】
シーケンス218で、ワークフロー制御サービス108は、デスキュー処理を行うための装置を識別する。シーケンス202〜204で受け取った装置機能に基づいて、ワークフロー制御サービス108は、画像スキャナ103を、デスキュー処理を実行することができると認める。
【0034】
シーケンス220で、ワークフロー制御サービス108は、処理された走査文書データを画像スキャナ103に送り、画像スキャナ103にデスキュー処理を行うよう指示する。シーケンス222で、画像スキャナ103は、シーケンス220で受け取ったデータに対してデスキュー処理を実行する。
【0035】
シーケンス224で、画像スキャナ103は、処理したデータをワークフロー制御サービス108に送る。シーケンス226で、ワークフロー制御サービス108は、OCR後処理ステップを行うための装置を識別する。この例では、シーケンス202〜204で識別される装置機能のいずれも、この処理を実行することができる装置を示さない。この場合に、ワークフロー制御サービス108は、自身に結合されている後処理サービス116によって利用可能なOCR後処理機能を識別する。
【0036】
シーケンス228で、ワークフロー制御サービス108は、出力データを生成するようデータに対してOCR処理を実行する。シーケンス230で、ワークフロー制御サービス108は、ワークフロー114からの最終出力装置を後処理サーバ104と認める。シーケンス232で、ワークフロー制御サービス108は、出力データを後処理サーバ104に送る。
【0037】
シーケンス234で、後処理サーバ104は、ワークフロー114によって示されるFTPロケーションに出力データをアップロードすることによって、ワークフロー114の最終出力を生成する。
【0038】
図6は、ワークフローシステム100の代替の実施形態を表す。図6で、図1のコンピューティング装置107は、装置102〜106の中の1つの装置にある。従って、この代替の実施形態で、装置102〜106の中の1つの装置は、ワークフロー制御サービス108、ワークフロー114を含むメモリ112、及び後処理サービス116を有する。これに対して、装置102〜106の中の1つの装置は、図1のワークフロー制御サービス108に関して記載される全ての機能性を実行するよう動作する。
【0039】
図1及び6のワークフローシステムは、特定の要素に適用される機能性に関して記載されているが、当業者には明らかなように、記載される機能性は、設計選択事項として、より多くの又はより少ない要素において具現されてよい。また、当業者に明らかなように、記載される機能性の様々な実施は、任意の数の電子回路、電子装置、サーバ、プロセッサ、電子メモリ装置、及び/又はプログラム可能論理装置によって、本願で記載される機能性を実施するよう様々な構成で具現されてよい。また、当業者に明らかなように、図2に表されるシーケンスは、設計選択事項として、より多くの若しくはより少ないシーケンスを有してよく、及び/又は、表されているシーケンスを異なった順序で有してよい。
【0040】
図3は、本発明の実施形態におけるワークフロー処理についての例となる方法を表すフローチャートである。図3のステップは、図1のコンピューティング装置107を含む画像スキャナと、ネットワーク環境で画像スキャナに結合されている1又はそれ以上の装置とを用いるワークフロー処理の例に関して記載されている。本例で、ユーザは画像スキャナに近づき、ワークフロー処理がまさに始まろうとしていることを示す。ユーザは、走査のために画像スキャナに文書を載置し、文書の処理のために画像スキャナのディスプレイ上でワークフローを選択する。更に、ユーザは、ウェブブラウザ又は遠隔のユーザインターフェースを用いてワークフローを選択することもできる。
【0041】
方法300のステップ302で、スキャナ内のワークフロー制御サービスは装置の機能を識別する。これらの装置には画像スキャナが含まれる。幾つかの実施形態で、装置の機能は、ウェブサービス・オン・デバイス(WSD(Web Service on Devices))プロトコルを用いてワークフロー制御サービスによって識別され得る。他の実施形態で、装置は、1又はそれ以上のハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP(Hypertext Transfer Protocol))要求、シンプルネットワーク管理プロトコル(SNMP(Simple Network Management Protocol))要求、又は他のタイプの要求を用いてワークフロー制御サービスによって識別され得る。更なる実施形態で、管理者は、幾つか又は全ての機能を、このような情報がワークフロー制御サービスによって識別され得ない場合に、入力することができる。
【0042】
ステップ304で、ワークフロー制御サービスは、走査文書データの最終出力を生成するための後処理ステップを定義するワークフローを受け取る。幾つかの実施形態で、ワークフローを受け取るためのワークフロー制御サービスの権利は、特定のユーザ又はスキャナを操作するユーザが属する特定のグループに基づいて、定義され得る。例えば、ユーザは、ディレクトリ・サービスによって認証され、ユーザID又はユーザが属するグループIDに基づいてそのディレクトリ・サービス内の様々なワークフローへのアクセスを与えられ得る。これに対して、ディレクトリ・サービスは、ユーザが特定のワークフローを選択することに応答して、ワークフロー制御サービスへワークフローを送ることができる。
【0043】
ステップ304で、ワークフロー制御サービスは、ディレクトリ・サービスからユーザによって選択されたワークフローを受け取る。幾つかの実施形態で、ワークフロー制御サービスは、改善された後処理性能のためにワークフローを最適化してよい。例えば、ワークフローの幾つかのステップは、装置の機能性に基づいて異なるシーケンスで、又は改善された性能のために並行して、行われてよい。多数の装置が、後処理を行う場合に同じ機能を有することがあるが、一部の装置は、特定の後処理ステップを行うのに他の装置より適していることがある。
【0044】
ステップ306で、ユーザは、走査文書データを生成するよう文書の走査を開始する。スキャナは、ワークフロー内の具体的な走査設定に基づいて走査処理を行う。
【0045】
ステップ308で、スキャナは、出力データを生成するよう後処理ステップに基づいて走査文書データを処理する。幾つかの実施形態で、スキャナは、ワークフローで定義されている後処理機能性を全ては有さないことがある。従って、ワークフロー制御サービスは、ステップ302で識別される機能性に基づいて、後処理ステップを他の装置へ与えてよい。ステップ308の追加の例となる詳細は図4で論じられる。
【0046】
図3のステップ310で、ワークフロー制御サービスは、最終出力を生成するよう、ステップ308を実行することで得られた出力データを、ワークフローで識別される装置の中の1又はそれ以上の装置へ送る。例えば、スキャナ内のワークフロー制御サービスは、出力データをFTPロケーションにアップロードするために、出力データをマルチファンクションプリンタへ送ることができる。
【0047】
図4は、方法300のステップ308についての例となる追加の詳細を表すフローチャートである。
【0048】
ステップ402で、ワークフロー制御システムは、ステップ302で識別された機能に基づいて、ワークフローの第1の後処理ステップを行うことができる第1の装置を識別する。幾つかの実施形態で、第1の装置は、ワークフロー制御サービスを操作する画像スキャナである。
【0049】
ステップ404で、ワークフロー制御サービスは、第1の後処理ステップを第1の装置へ提供する。ワークフロー制御サービスがステップ402で第1の装置を識別した後、ワークフロー制御サービスは、第1の装置に、第1の後処理ステップを実行するよう指示する。ステップ406で、第1の装置は、第1の後処理ステップを実行して、走査文書データから中間出力を生成する。
【0050】
ステップ408で、ワークフロー制御サービスは、ステップ302で識別された機能に基づいて、最後の後処理ステップを行うことができる最後の装置を識別する。幾つかの実施形態で、最後の装置及び第1の装置は同じ装置である。他の実施形態で、第1の装置と最後の装置との間の複数の装置は、後処理サービスを行うために利用される。
【0051】
ステップ410で、ワークフロー制御システムは、最後の後処理ステップを最後の装置へ提供する。ワークフロー制御システムがステップ408で最後の装置を識別した後、ワークフロー制御サービスは、最後の装置に、最後の後処理ステップを実行するよう指示する。ステップ412で、最後の装置は、前の後処理ステップからの中間データに対して最後の後処理ステップを実行して、出力データを生成する。図3のステップ310は、出力データがステップ412で生成された後に行われる。
【0052】
図5は、本発明の実施形態におけるワークフロー処理のための他の例となる方法500を表すフローチャートである。図5のステップは、図1のコンピューティング装置107を有する画像スキャナと、ネットワーク環境で画像スキャナに結合されている1又はそれ以上の装置とを用いるワークフロー処理の例に関して記載されている。
【0053】
ステップ502で、ワークフロー制御サービスは、1又はそれ以上の装置の走査設定機能、後処理機能、及び出力デスティネーション機能を識別する。例えば、ワークフロー制御サービスは、装置に走査機能(例えば、色空間、色深さ、解像度等)を識別するよう求めてよい。ワークフロー制御サービスは、また、装置の種々の出力デスティネーション機能(例えば、FTPロケーション選択肢、ネットワークロケーション選択肢、メモリカードロケーション選択肢等)を識別してよい。
【0054】
ステップ504で、ワークフロー制御サービスは、走査文書データの最終出力のための後処理ステップを定義するワークフローを、ステップ502で識別された機能に基づいて生成する。幾つかの実施形態で、管理者は、ワークフローを生成するためにワークフロー制御サービスを利用したいと望むことがある。ワークフローを生成する場合に、管理者は、最初にワークフローの1又はそれ以上のステップを識別し、次いで、ワークフロー制御サービスを用いて、ワークフローの後処理ステップを実行することができる装置を識別することができる。ワークフロー制御サービスがワークフローを生成する場合に、ワークフロー制御サービスは、ステップ502で識別された機能を用いて、ワークフローにおける後処理ステップを実行するよう最初に1又はそれ以上の装置を割り当てる。例えば、ワークフローは、3つの装置がワークフローにおける第1の後処理ステップを実行すると特定されたことを示すことができる。このように、ワークフローは、第1の後処理ステップを実行するための第1、第2及び第3の装置をリストアップすることができる。
【0055】
幾つかの実施形態で、ワークフロー制御サービスは、改善された後処理ステップのためにワークフローを最適化してよい。例えば、ワークフローの幾つかのステップは、装置の機能に基づいて異なるシーケンスで、又は改善された性能のために並行して、実行されてよい。多数の装置は、後処理ステップを実行する場合に同じ機能を有することがあり、一方、幾つかの装置は、特定の後処理ステップを実行するのに他の装置より適していることがある。
【0056】
ステップ506で、ワークフロー制御サービスは、ワークフローをディレクトリ・サービスに記憶する。幾つかの実施形態で、管理者は、ワークフローにアクセスする権利を割り当てるためにワークフロー制御サービスを利用してよい。例えば、一部のユーザ又はユーザのグループはワークフローにアクセスすることを認められるが、他のユーザ又はユーザのグループは認められないことがある。ワークフローは、具体的に、特定の部門(例えば、オフィス設定における法務部)に合わせられ得る。このように、ワークフローは、アクセスに関して、法務部内の特定のユーザ又は全てのユーザに制限されてよい。
【0057】
ステップ508で、ワークフロー制御サービスは、ワークフローにアクセスするための認証プロセスを実行するようディレクトリ・サービスとコンタクトをとる。例えば、ユーザは、所望のワークフローを選択するために画像スキャナのディスプレイ上で認証情報を入力することがある。その場合に、ワークフロー制御サービスは、認証情報及び選択されたワークフロー情報を、要求を処理するために、ディレクトリ・サービスに転送してよい。
【0058】
ステップ510で、ワークフロー制御サービスは、ユーザがワークフローへのアクセスを認められたことに応答して、選択されたワークフローステップをディレクトリ・サービスから取り出す。
【0059】
ステップ512で、スキャナは、文書から走査文書データを生成するよう動作する。幾つかの実施形態で、ユーザは、スキャナに文書を載置して、ワークフロー処理が開始すべきことをワークフロー制御サービスに示すよう指示されることがある。走査文書データがスキャナによって生成された後、ワークフロー制御サービスは、図1〜4及び6の実施形態と同じように処理を行って、ワークフローの最終出力を生成する。
【0060】
図3〜5の方法300及び方法500は特定のステップに関して記載されているが、当業者に明らかなように、より多くの又はより少ないステップが、ここで記載される機能性を実行するために用いられてよい。また、当業者に明らかなように、方法300及び方法500は、図1及び6のワークフローシステム、又は記載される機能性を実行するのに適した他のシステムによって実行されてよく、あるいは、コンピュータ読取可能な媒体に記憶され且つプロセッシングシステムによって実行可能なプログラム命令として具現されてもよい。
【0061】
図7は、本発明の実施形態におけるワークフロー制御サービスの例となるモジュラー分解のブロック図である。本実施形態における図7のワークフロー制御サービス702は、様々な機能を実行するための多数のモジュール(例えば、ユーザインターフェース(UI)モジュール704)を有する。UIモジュール704は、ワークフロー制御サービス702と対話するようユーザとインターフェースをとるよう動作する。例えば、ユーザは、UIモジュール704を用いて、走査文書データを処理するための特定のワークフローを選択してよい。
【0062】
ワークフロー制御サービス702は、また、装置ディスカバリモジュール706及び装置通信モジュール708を有する。装置ディスカバリモジュール706は、ワークフロー処理のためにワークフロー制御サービス702が利用可能な様々な装置を発見するよう動作する。例えば、装置ディスカバリモジュール706は、特定の装置(例えば、スキャナ、プリンタ、ファクシミリマシーン等)を識別してよい。装置ディスカバリモジュール706が様々な装置を識別した後、装置通信モジュール708は、後処理、物理的な走査、及びデスティネーションロケーションへのアクセスを行うための装置の機能を識別するために、様々な装置にクエリーを行うよう動作する。装置通信モジュール708は、また、ワークフロー最適化モジュール710に実時間の装置/ジョブ情報を提供するよう、装置機能並びに装置/ジョブステータス変化事象を示す。実時間の情報は、ワークフロー最適化モジュール710が特定のワークフローステップにとって最も適切な装置を選択することを可能にする。例えば、データの後処理の間、特定の後処理ステップを実行する装置の状態は、実時間で変化しうる(例えば、装置は、データの後処理が行われている間、オフラインとなってよい。)。この場合に、ワークフロー最適化モジュール710は、装置のステータスの変化の実時間アップデートを受け取る。この状態の変化は、目下オフラインの装置に以前に割り当てられた後処理ステップを実行するために、実時間で別の装置を識別するようワークフロー最適化モジュール710に示す。この働きは、ワークフロー最適化モジュール710が、実時間で動的に後処理ステップ割り当てを調整することを可能にする。これにより、ワークフロー制御サービス702の性能は高まる。
【0063】
ワークフロー制御サービス702は、また、ディレクトリ・サービス通信モジュール714及びワークフロー最適化モジュール710を有する。ディレクトリ・サービス通信モジュール714は、ワークフロー(例えば、ユーザがUIモジュール704を操作することで選択されるワークフロー)を取り出すようディレクトリ・サービスにクエリーを行うよう動作する。ワークフロー最適化モジュール710は、後処理性能を改善するよう、受け取ったワークフローを最適化(例えば、ワークフローのステップを並べ替えること及び/又は装置ディスカバリモジュール706によって発見される様々な装置の間で並行してワークフローを実施すること)するために利用されてよい。
【0064】
ワークフロー制御サービス702は、また、装置設定変換モジュール712、記憶モジュール716、及びログモジュール718を有する。装置設定変換モジュール712は、如何なるユーザ指定の走査設定も、更には如何なる後走査処理命令もPSPフォーマットに変換するよう動作する。例えば、ユーザは、UIモジュール704を用いて600dpiの走査設定、RGB24の色空間、及びPDFフォーマットでの最終出力を入力してよい。この場合に、変換モジュール712は、これらの設定及び命令をPSPフォーマット(例えば、下記の例となるPSP分解)に変換する(部分的にここで示されるPSPは走査設定のためのものである。)。
【数1】

【0065】
記憶モジュール716は、あらゆる中間の後処理出力、最終の後処理出力、又はディレクトリ・サービス通信モジュール714から受け取られたワークフロー、を記憶するよう動作する。また、記憶モジュール716は、ディレクトリ・サービスが利用可能でない場合に、作成され及び/又はカスタマイズされたワークフローを記憶するよう動作する。加えて、記憶モジュール716は、改善された性能のために装置機能情報をキャッシュするよう動作する。例えば、種々の装置は、ワークフローが処理されている場合に、中間出力を生成することがある。中間出力は、更なる後処理のために更なる装置に転送される前に、記憶モジュール716に記憶されてよい。後処理が完了した後、記憶モジュール716は、ワークフロー処理ステップからの出力を記憶してよい。ログモジュール718は、ワークフロー制御サービス702の様々なモジュールの動作中の様々な働きを記録するよう動作する。例えば、ワークフロー処理中に生じたあらゆるエラーがログモジュール718によって記録され得る。加えて、ログモジュール718は、ワークフローの様々なステップの処理の成功、又はワークフローが完了したこと、を記録することができる。
【0066】
図7のワークフロー制御サービス702は特定のモジュールを用いて記載されているが、当業者に明らかなように、モジュールは設計選択事項として他の実施形態に組み合わされ又は分解されてよい。
【0067】
図8は、XML PSPフォーマットで記述された例となる走査ワークフロー800である。走査ワークフロー800は、走査文書データを生成し且つ走査文書データの後処理を実行するための様々な命令を含む。幾つかの実施形態で、走査ワークフロー800は、最終出力を生成するために図1、6及び7の様々なワークフロー制御サービスによって処理される。
【0068】
図8の区間802は、走査フォーマット(例えば、jpeg2k)、走査色空間(例えば、RGB24)、及び走査解像度(例えば、300×300)を含む、走査ジョブのための命令を含む。区間803〜805は、様々な後処理及びデスティネーションロケーションステップ(例えば、区間803におけるプレビューステップ、区間804におけるFTPステップ、及び区間805におけるシェアポイント(sharepoint)へのセーブステップ)のための命令を含む。区間803のプレビューステップは、例えば‘MustHonor=true’といった命令を含み、‘scanner1.test.net’の特定の装置に提供して、プレビューステップを実行する。これは、プレビューステップが特定の‘scanner1.test.net’装置によって実行されるべきことをワークフロー制御サービスに示す。
【0069】
区間804は、例えば‘MustHonor=false’といった、デスティネーションロケーションを識別するための様々なFTPステップ命令を含む。この例となる区間において、‘scanner2.test.net’の特定の装置は、FTP処理ステップを実行するために利用される必要はない。例えば、‘scanner2.test.net’は、他の後処理ステップを実行していてビジーであり、又は利用可能でないことがある。この場合に、ワークフロー制御サービスは、この機能性を実行する別の装置を選択してよい。
【0070】
区間804は、また、‘<SaveToFTPURL>ftp://testscan.net/repository’情報によって特定される、データのFTPロケーションのための命令を含む。この場合に、データは、FTPを介して‘ftp://testscan.net/respository’にアップロードされうる。
【0071】
区間805のシェアポイントステップは、データをシェアポイントサーバにアップロードするための様々な命令を含む。ワークフロー制御サービスが区間805の命令を実行する場合に、データは、‘http://testscan/site/scans’としてその区間で挙げられているシェアポイントURLにアップロードされてよい。
【0072】
特定の実施形態がここでは記載されてきたが、本発明の適用範囲はそれらの特定の実施形態に限定されない。本発明の適用範囲は、特許請求の範囲及びその均等によって定義される。
【符号の説明】
【0073】
100,600 ワークフローシステム
102,103,105,106 画像スキャナ
104 後処理サーバ
107 コンピューティング装置
108,702 ワークフロー制御サービス
110 ネットワーク
112 メモリ
114,800 ワークフロー
116,117 後処理サービス
118〜122 機能
124〜126 後処理ステップ
127 最終出力装置
704 UIモジュール
706 装置ディスカバリモジュール
708 装置通信モジュール
710 ワークフロー最適化モジュール
712 装置設定変換モジュール
714 ディレクトリ・サービス通信モジュール
716 記憶モジュール
718 ログモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最終出力を生成するための走査文書データのワークフロー処理の方法であって、
画像スキャナを含む1又はそれ以上の装置の機能を識別する段階と、
走査文書データの最終出力を生成するための後処理ステップを定義するワークフローを受け取る段階と、
前記走査文書データを生成するよう前記画像スキャナで文書を走査する段階と、
出力データを生成するよう前記後処理ステップに基づいて前記走査文書データを処理し、識別された前記機能に基づいて前記1又はそれ以上の装置に前記後処理ステップを提供する段階と、
前記最終出力を生成するよう前記ワークフローによって識別される前記1又はそれ以上の装置へ前記出力データを送る段階と
を有する方法。
【請求項2】
最終出力を生成するよう走査文書データのワークフローを処理するよう動作するワークフロー制御システムであって、
コンピューティング装置で動作するワークフロー制御サービスと、
前記コンピューティング装置内にあり、前記ワークフロー制御サービスと通信上結合され、走査文書データの最終出力を生成するための後処理ステップを定義するワークフローを格納するよう動作するメモリと、
画像スキャナを含み、前記ワークフロー制御サービスと通信上結合される1又はそれ以上の装置と
を有し、
前記画像スキャナは、前記走査文書データを生成するよう文書を走査するよう動作し、
前記ワークフロー制御サービスは、更に、前記メモリから前記ワークフローを受け取るよう動作し、更に、前記1又はそれ以上の装置の機能を識別するよう動作し、更に、識別された前記機能に基づいて前記1又はそれ以上の装置に前記後処理ステップを提供するよう動作し、
前記1又はそれ以上の装置は、出力データを生成するよう前記後処理ステップに基づいて前記走査文書データを処理するよう動作し、
前記ワークフロー制御サービスは、更に、前記最終出力を生成するよう、前記ワークフローによって識別される前記1又はそれ以上の装置へ前記出力データを送るよう動作する、ワークフロー制御システム。
【請求項3】
前記ワークフローは複数の後処理ステップを有し、
前記ワークフロー制御システムは、
前記走査文書データから中間出力を生成するよう第1の後処理ステップを実行するよう動作する、前記1又はそれ以上の装置の中の第1の装置と、
前記中間出力に基づいて前記出力データを生成するよう最後の後処理ステップを実行するよう動作する、前記1又はそれ以上の装置の中の最後の装置と
を更に有し、
前記ワークフロー制御サービスは、更に、前記識別された機能に基づいて前記第1の装置及び前記最後の装置の両方を識別するよう動作し、更に、前記第1の装置に前記第1の後処理ステップを提供し且つ前記最後の装置に前記最後の後処理ステップを提供するよう動作する、請求項2に記載のワークフロー制御システム。
【請求項4】
前記第1の装置及び前記最後の装置は同じ装置である、請求項3に記載のワークフロー制御システム。
【請求項5】
前記第1の装置及び前記最後の装置のうち少なくとも一方は画像スキャナである、請求項3に記載のワークフロー制御システム。
【請求項6】
前記メモリは、更に、色変換処理、デスキュー処理、光学式文字認識処理、暗号化処理又はPDF作成処理の中の少なくとも1つを含む後処理ステップを定義するワークフローを格納するよう動作する、請求項2に記載のワークフロー制御システム。
【請求項7】
前記ワークフロー制御サービスは、更に、前記1又はそれ以上の装置のデスティネーションロケーション機能を識別するよう動作し、
前記デスティネーションロケーション機能は、ファイル転送プロトコル・ロケーション、前記画像スキャナ内のハードディスク、前記画像スキャナと結合されるソリッドステート・メモリカード、電子メール、ファクシミリ、サーバメッセージブロック・プロトコルを用いるネットワークロケーション、又はネットワーク・コア・プロトコルを用いるネットワークロケーションの中の少なくとも1つを含み、
前記ワークフロー制御サービスは、更に、前記ワークフローからデスティネーションロケーションを識別するよう動作し、更に、識別された前記デスティネーションロケーション機能に基づいて、識別された前記デスティネーションロケーションに前記出力データを提供するよう動作する前記1又はそれ以上の装置の中の装置を識別するよう動作し、
前記ワークフロー制御サービスは、更に、前記最終出力を生成するよう、識別された前記装置へ前記出力データを送るよう動作する、請求項2に記載のワークフロー制御システム。
【請求項8】
前記画像スキャナは、前記ワークフロー制御サービスが動作する前記コンピューティング装置を有する、請求項2に記載のワークフロー制御システム。
【請求項9】
最終出力を生成するための走査文書データのワークフロー処理の方法であって、
画像スキャナを含む1又はそれ以上の装置の走査設定機能及び走査デスティネーション機能を識別する段階と、
識別された前記走査設定機能及び識別された前記走査デスティネーション機能に基づき、走査文書データの最終出力のための後処理ステップを定義するワークフローを生成する段階と、
前記ワークフローにアクセスする権利とともにディレクトリ・サービスに前記ワークフローを格納する段階と、
ユーザによる前記ワークフローへのアクセスのための認証プロセスを実行する段階と、
前記ユーザが前記ワークフローにアクセスすることを認証されたことに応答して、前記ディレクトリ・サービスから前記ワークフローを取り出す段階と、
前記走査文書データを生成するよう前記画像スキャナで文書を走査する段階と、
出力データを生成するよう、取り出された前記ワークフローに基づいて前記走査文書データを処理し、前記識別された走査設定機能及び前記識別された走査デスティネーション機能に基づいて、前記1又はそれ以上の装置に、前記取り出されたワークフローにおいて定義される前記後処理ステップを提供する段階と、
前記最終出力を生成するよう前記取り出されたワークフローによって識別される前記1又はそれ以上の装置へ前記出力データを送る段階と
を有する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−66884(P2011−66884A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199697(P2010−199697)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】