説明

文書管理システム、文書管理装置およびプログラム

【課題】文書管理システムに記憶された情報に対するアクセス権の設定を簡略化する。
【解決手段】情報公開サーバ80の公開情報記憶部83に記憶された電子文書に関連付けられた公開情報へのアクセス権を設定するに際して、公開情報管理部82は、公開情報へのアクセス権をすでに有する一のデジタルペンを含む複数のデジタルペンが同一の媒体識別情報を所定時間内に読み取った場合に、かかる一のデジタルペン以外の他のデジタルペンに対し、公開情報へのアクセス権を媒体識別情報に対応付けて設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理システム、文書管理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、文書を電子データ(電子文書)化してコンピュータシステムにより管理する形態が普及している。このような文書管理を行うコンピュータシステムでは、管理対象である電子文書が紙等の媒体に印刷され、閲覧・配布等に付される場合がある。その場合に、印刷された文書(印刷文書)が何れの電子文書を元に作成されたものであるかを管理するには、印刷文書を電子文書と関連付けておくことが必要となる。
例えば特許文献1には、電子文書とその電子文書が印刷された用紙とを関連付けておく技術が記載されている。具体的には、電子文書の識別情報と用紙上での位置情報とを2次元コード等に代表されるコード画像に埋め込み、プリンタ等によりコード画像を電子文書に重畳させて印刷する。そして、例えばペン型のスキャナを用いて印刷文書に筆記を行うと、印刷文書上での筆記箇所の部分画像が印刷文書から連続的に読み取られ、電子文書のページの識別情報と部分画像の印刷文書上での複数の位置情報とが検出される。それにより、検出した識別情報からオリジナルの電子文書が識別される。また、複数の位置情報により印刷文書上に筆記された内容がオリジナルの電子文書に付加される。
【0003】
【特許文献1】特開2004−94907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般に、文書管理を行うコンピュータシステム(文書管理システム)に記憶された電子文書には、プライバシー性の高い個人情報等が含まれる場合が多い。そのため、通常、電子文書へのアクセスは権限(アクセス権)を有するユーザだけが許可されるように構成される。しかしながら、アクセス権の設定を行うに際して必要となる、例えばユーザ識別情報やパスワード等の設定の手続きは煩雑なものであった。
本発明は、文書管理システムに記憶された情報に対するアクセス権の設定を簡略化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、文書画像と媒体を識別する媒体識別情報とが印刷された当該媒体から当該媒体識別情報を読み取る複数の識別情報読取手段と、前記媒体識別情報と前記文書画像の元となる電子文書に関連付けられた文書関連情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記文書関連情報へのアクセス権を前記媒体識別情報および前記識別情報読取手段に対応付けて設定するアクセス権設定手段とを備え、前記アクセス権設定手段は、前記アクセス権をすでに有する一の前記識別情報読取手段を含む複数の前記識別情報読取手段が同一の前記媒体識別情報を所定時間内に読み取った場合に、当該一の識別情報読取手段以外の他の当該識別情報読取手段に対し、前記文書関連情報へのアクセス権を当該媒体識別情報に対応付けて設定することを特徴とする文書管理システムである。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記記憶手段に記憶された前記文書関連情報へのアクセスを許可するか否かを判定する判定手段をさらに備え、前記判定手段は、前記アクセス権が設定された前記識別情報読取手段により当該識別情報読取手段に対応付けられた前記媒体識別情報が読み取られた場合に、当該媒体識別情報に対応付けられた前記文書関連情報へのアクセスを許可することを特徴とする請求項1記載の文書管理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記識別情報読取手段は、当該識別情報読取手段を識別する読取手段識別情報が対応付けられ、前記アクセス権設定手段は、当該読取手段識別情報により当該識別情報読取手段を特定することを特徴とする請求項1記載の文書管理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記記憶手段は、前記文書関連情報を前記媒体識別情報が印刷された前記媒体上の位置にさらに対応付けて記憶し、前記アクセス権設定手段は、前記識別情報読取手段により前記媒体識別情報が読み取られる前記媒体上の位置に応じて異なる前記文書関連情報への前記アクセス権を設定することを特徴とする請求項1記載の文書管理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記識別情報読取手段にて前記媒体識別情報が読み取られる前記媒体は、当該媒体上の位置に応じて異なる複数の前記媒体識別情報が印刷されたことを特徴とする請求項1記載の文書管理システムである。
【0007】
請求項6に記載の発明は、文書画像と媒体を識別する媒体識別情報とが印刷された当該媒体から当該媒体識別情報を読み取る識別情報読取手段から、読み取られた当該媒体識別情報と当該識別情報読取手段を識別する読取手段識別情報とを取得する情報取得手段と、前記媒体識別情報と前記文書画像の元となる電子文書に関連付けられた文書関連情報とを対応付けて記憶する記憶手段に記憶された当該文書関連情報へのアクセス権を、当該媒体識別情報および前記読取手段識別情報に対応付けて設定するアクセス権設定手段とを備え、前記アクセス権設定手段は、前記読取手段識別情報に前記アクセス権がすでに設定された一の前記識別情報読取手段を含む複数の前記識別情報読取手段が同一の前記媒体識別情報を所定時間内に読み取った場合に、当該一の識別情報読取手段以外の他の当該識別情報読取手段の前記読取手段識別情報に対し、前記文書関連情報への当該アクセス権を当該媒体識別情報に対応付けて設定することを特徴とする文書管理装置である。
【0008】
請求項7に記載の発明は、前記記憶手段に記憶された前記文書関連情報へのアクセスを許可するか否かを判定する判定手段をさらに備え、前記判定手段は、前記読取手段識別情報に前記アクセス権が設定された前記識別情報読取手段により当該読取手段識別情報に対応付けられた前記媒体識別情報が読み取られた場合に、当該媒体識別情報に対応付けられた前記文書関連情報へのアクセスを許可することを特徴とする請求項6記載の文書管理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記記憶手段は、前記文書関連情報を前記媒体識別情報が印刷された前記媒体上の位置にさらに対応付けて記憶し、前記アクセス権設定手段は、前記識別情報読取手段により前記媒体識別情報が読み取られる前記媒体上の位置に応じて異なる前記文書関連情報へのアクセス権を設定することを特徴とする請求項6記載の文書管理装置である。
【0009】
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、文書画像と媒体を識別する媒体識別情報とが印刷された当該媒体から当該媒体識別情報を読み取る識別情報読取手段から、読み取られた当該媒体識別情報と当該識別情報読取手段を識別する読取手段識別情報とを取得する機能と、前記媒体識別情報と前記文書画像の元となる電子文書に関連付けられた文書関連情報とを対応付けて記憶する記憶手段に記憶された当該文書関連情報へのアクセス権を、前記読取手段識別情報に前記アクセス権がすでに設定された一の前記識別情報読取手段を含む複数の前記識別情報読取手段が同一の前記媒体識別情報を所定時間内に読み取った場合に、当該一の識別情報読取手段以外の他の当該識別情報読取手段の前記読取手段識別情報に対し、当該媒体識別情報に対応付けて設定する機能とを実現することを特徴とするプログラムである。
請求項10に記載の発明は、 前記読取手段識別情報に前記アクセス権が設定された前記識別情報読取手段により当該読取手段識別情報に対応付けられた前記媒体識別情報が読み取られた場合に、前記記憶手段に記憶された前記文書関連情報へのアクセスを許可する機能をさらに実現することを特徴とする請求項9記載のプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1によれば、本発明を採用しない場合に比べて、文書管理システムに記憶された情報に対するアクセス権の設定を簡略化することができる。
本発明の請求項2によれば、アクセス権が設定された識別情報読取手段とアクセス権の設定が行われた際に対応付けられた媒体識別情報が印刷された媒体とを所持する特定人だけが文書関連情報にアクセスできるので、本発明を採用しない場合に比べて、情報の漏洩を強く抑制することができる。
本発明の請求項3によれば、文書管理システムに記憶された情報に対するアクセス権を設定するに際して、本発明を採用しない場合に比べて、特定人の所有する識別情報読取手段を精度良く識別することができる。
本発明の請求項4によれば、媒体上の異なる位置から異なる文書関連情報にアクセスできるので、本発明を採用しない場合に比べて、ユーザの所望する文書関連情報へのアクセスを迅速に行うことができる。
本発明の請求項5によれば、1枚の媒体から複数の異なる文書関連情報へのアクセス権を設定でき、本発明を採用しない場合に比べて、アクセス権を他の特定人に対して設定するユーザの利便性を高めることができる。
【0011】
本発明の請求項6によれば、本発明を採用しない場合に比べて、文書管理装置を備えた文書管理システムに記憶された情報に対するアクセス権の設定を簡略化することができる。
本発明の請求項7によれば、アクセス権が設定された識別情報読取手段とアクセス権の設定が行われた際に対応付けられた媒体識別情報が印刷された媒体とを所持する特定人だけが文書関連情報にアクセスできるので、本発明を採用しない場合に比べて、情報の漏洩を強く抑制することができる。
本発明の請求項8によれば、媒体上の異なる位置から異なる文書関連情報にアクセスできるので、本発明を採用しない場合に比べて、ユーザの所望する文書関連情報へのアクセスを迅速に行うことができる。
本発明の請求項9によれば、本発明を採用しない場合に比べて、プログラムが適用される文書管理システムに記憶された情報に対するアクセス権の設定を簡略化することができる。
本発明の請求項10によれば、アクセス権が設定された識別情報読取手段とアクセス権の設定が行われた際に対応付けられた媒体識別情報が印刷された媒体とを所持する特定人だけが文書関連情報にアクセスできるので、本発明を採用しない場合に比べて、情報の漏洩を強く抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」という)について詳細に説明する。
始めに、本実施の形態における文書管理システムの全体構成について説明する。
図1は、本実施の形態の文書管理システムに関する構成の一例を示した図である。図1に示したように、この文書管理システムは、端末装置10と、文書サーバ20と、識別情報サーバ30と、画像形成装置40と、端末装置50と、情報公開サーバ80とがLAN(Local Area Network)等のネットワーク100に接続されて構成されている。
また、この文書管理システムでは、画像形成装置40により文書が印刷された紙等の媒体から各種情報を読み取るデジタルペン60aおよびデジタルペン60bが用いられる。
ここで、端末装置50には通信装置71が接続され、デジタルペン60aおよびデジタルペン60bと通信を行う。また、情報公開サーバ80は、インターネット110とも接続され、インターネット110を介して外部端末装置90と接続される。外部端末装置90には通信装置72が接続され、デジタルペン60bと通信を行う。
なお、本実施の形態では、通信装置71や通信装置72が通信可能なデジタルペンとしてデジタルペン60aおよびデジタルペン60bを用いる場合を例として説明するが、使用できるデジタルペンの数は限定されない。また、本明細書では、デジタルペン60aおよびデジタルペン60bのうちの特定の一方を指す場合を除き、単に「デジタルペン60」とも表現する。
【0013】
本実施の形態の文書管理システムでは、ユーザにより端末装置10から電子文書の印刷要求が行われると、文書サーバ20は端末装置10からの印刷要求を受け取り、画像形成装置40に対して印刷要求の対象となった電子文書の印刷指示を行う。それにより、画像形成装置40は、この電子文書についての文書画像を紙等の媒体に印刷するが、その際に、画像形成装置40は文書画像に加えて符号画像を媒体上に印刷する。ここでの符号画像とは、識別情報および位置情報を符号化して得られる識別符号および位置符号を画像化したものである。識別情報とは、文書画像が印刷される媒体を一意に特定するための情報であり、識別情報サーバ30が発行する。また、位置情報は、文書画像が印刷される媒体上の座標位置を特定するための情報であり、文書サーバ20が生成する。
【0014】
また、その際に、文書サーバ20は、印刷要求の対象となった電子文書を媒体識別情報に対応付けて登録する。さらに、文書サーバ20は、電子文書に関連した文書関連情報の一例であって、ユーザが閲覧許可する特定人だけに限定して公開する情報(以下、「公開情報」という)と、ユーザ自身を特定するための識別情報(ユーザ識別情報)とを、端末装置10から受け取る。そして、文書サーバ20は、媒体識別情報に対応付けて、公開情報とユーザ識別情報とを登録する。
なお、電子文書に関連した公開情報とは、印刷要求が行われた時点で電子文書を所持するユーザだけが参照可能な情報であり、通常は、電子文書についての文書画像が印刷された媒体には印刷されない情報である。例えば、医療分野を例に挙げると、カルテ等の診療データや検査データ、さらにはその説明等であって、患者のプライバシー情報が含まれる。また、ユーザ識別情報としては、本実施の形態では、ユーザがそれぞれ所持するデジタルペン60を特定する識別情報(ペンID)を用いることとする。
【0015】
さらに、文書画像と符号画像とが印刷された媒体に対し、ユーザが筆跡情報生成手段の一例であるデジタルペン60を用いて筆記すると、デジタルペン60は符号画像に含まれる位置情報に基づいて手書き情報(筆跡情報)を生成する。またそれと同時に、デジタルペン60は符号画像に含まれる識別情報を認識する。そして、デジタルペン60は、認識された識別情報と筆跡情報とを、端末装置50を介して文書サーバ20に送る。識別情報と筆跡情報とを受け取った文書サーバ20は、識別情報に基づいて媒体に印刷された電子文書を特定し、この特定された電子文書と筆跡情報とを関連付けて記憶する。
【0016】
一方、文書サーバ20は、画像形成装置40に対して電子文書の印刷指示を行うのに同期させて、媒体識別情報と、媒体識別情報に対応付けて登録された公開情報およびユーザ識別情報とを情報公開サーバ80に送信する。それにより、情報公開サーバ80は、公開情報およびユーザ識別情報を媒体識別情報に対応付けて記憶する。そして、情報公開サーバ80に対して公開情報の閲覧要求が行われた場合には、その公開情報に関してアクセス権を有する特定人からの閲覧要求であった場合に限り、閲覧要求された公開情報を送信する。
その場合に、電子文書に関連した公開情報に関するアクセス権の設定は、電子文書についての文書画像と符号画像とが印刷された媒体により行われる。ここでのアクセス権の設定に関しては、後段で詳述する。
【0017】
なお、本明細書では、媒体に記録する画像の元となる電子データを「電子文書」と表記するが、これは、テキストを含む「文書」を電子化したデータのみを意味するものではない。例えば、絵、写真、図形等の画像データ(ラスタデータかベクターデータかによらない)、データベース管理ソフトウェアや表計算ソフトウェアで記録されるデータ、その他の印刷可能な電子データも含めて「電子文書」としている。
また、本明細書において、「媒体」は、画像を印刷可能な媒体であれば、その材質は問わない。代表例は紙であるが、OHPシート等といったプラスチック板や金属板等であっても構わない。
さらに、本実施の形態の文書管理システムでは、電子文書、媒体、さらにはデジタルペン60やユーザについて、それぞれを一意に識別するための識別情報を用いて処理を行う。そこで、本明細書においては、媒体を識別するために媒体に固有に付与される識別情報を「媒体識別情報」、ユーザに識別する識別情報を「ユーザ識別情報」、電子文書を識別するために電子文書に固有に付与される識別情報を「文書ID(=文書識別情報)」、デジタルペン60を識別するためにデジタルペン60に固有に付与される読取手段識別情報の一例としての識別情報を「ペンID(=デジタルペン識別情報)」と称する。また、本実施の形態では、ユーザ識別情報としてユーザがそれぞれ所持するデジタルペン60のペンIDを用いることから、両者を明確に区別して用いる場合を除き、ペンIDとユーザ識別情報とを同義として使用する。
【0018】
続いて、本実施の形態の文書管理システムを構成する各構成要素について説明する。
端末装置10は、文書サーバ20に対する電子文書の印刷要求を受け付ける。また、印刷対象の電子文書に関連付ける公開文書の入力や指定、ユーザ識別情報となるデジタルペン60の識別情報(ペンID)の入力を受け付ける。そして、印刷対象の電子文書と、公開文書およびペンIDとを文書サーバ20に送る。ここで、端末装置10としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータ装置が用いられる。
文書サーバ20は、電子文書を記憶し管理する。端末装置10から電子文書の印刷要求があると、電子文書についての画像と、識別情報および位置情報を表す符号画像とを生成する。そして、これらを合成した合成画像を媒体に印刷する印刷命令(印刷ジョブ)を画像形成装置40に対して出力する。また、文書サーバ20は、電子文書に関連付けられた公開文書およびペンIDを記憶し管理する。そして、公開文書およびペンIDを電子文書が印刷された媒体識別情報と対応付けて情報公開サーバ80に送信する。ここで、文書サーバ20としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータ装置が用いられる。
【0019】
識別情報サーバ30は、媒体に付与する識別情報を発行する。そして、発行した識別情報を、その識別情報が付与される媒体に印刷される電子文書と関連付けて記憶する。ここで、識別情報サーバ30としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータ装置が用いられる。
画像形成装置40は、媒体に画像を印刷し、印刷文書として出力する装置である。この画像形成装置40は、単体のプリンタや印刷機であってもよいし、他にスキャナや通信の機能を備えた所謂「複合機」であってもよい。ここで、画像形成装置40における画像形成方式としては、例えば、電子写真方式を用いるとよいが、その他の方式を用いてもよい。
【0020】
端末装置50は、印刷文書に対する筆記を電子化した情報(以下、「筆跡情報」という)を、印刷文書に記録された画像の元となる電子文書に反映させるために識別情報サーバ30に送信する。また、筆跡情報を反映する対象の電子文書をディスプレイ(不図示)に表示し、その上に筆跡情報を重ねて表示するようにしてもよい。なお、筆跡情報には、筆記の内容を電子化したものの他に、例えば、建築や機械等の図面データを出力する装置であるプロッタ等によって機械的に描画された情報等を含む。
さらに、端末装置50は、デジタルペン60により読み取られた媒体識別情報、および媒体識別情報を読み取ったデジタルペン60のペンID、さらには、媒体識別情報を検出した日時を特定する日時情報を相互に関連付けられた形態として情報公開サーバ80に送信する。
ここで、端末装置50としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータ装置が用いられる。
【0021】
デジタルペン60は、印刷文書上に文字または図形を筆記するために用いられるペンデバイスである。デジタルペン60は、第1の動作モードでは、筆跡情報生成手段の一例として機能し、媒体に印刷された符号画像を読み取り、そして、読み取った符号画像から位置情報を検出し、筆記した文字または図形をイメージデータ化した筆跡情報をこの位置情報に基づいて生成し記憶する。また、第2の動作モードでは、識別情報読取手段の一例として機能し、印刷文書上への筆記に伴う筆跡情報の生成を行わずに、媒体に印刷された符号画像を読み取り、読み取った符号画像から媒体識別情報を検出する。また、媒体識別情報を読み取った日時を特定する日時情報を生成する。
通信装置71は、デジタルペン60(デジタルペン60a,デジタルペン60b)が第1の動作モードに設定されて使用された場合には、デジタルペン60から筆跡情報を取得して端末装置50に送信する。また、デジタルペン60が第2の動作モードに設定されて使用された場合には、デジタルペン60から媒体識別情報とペンIDと日時情報とを取得して端末装置50に送信する。端末装置50への情報の送信は、例えば、デジタルペン60を差し込む差込口を設け、この差込口にデジタルペン60が差し込まれると、デジタルペン60に記憶された筆跡情報や媒体識別情報を端末装置50に送信するようにするとよい。ここで、端末装置50との間の通信の方式としては、USB(Universal Serial Bus)、RS232、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信機能等、種々の方式が考えられる。また、図1では、通信装置71をデジタルペン60と別体のものとして示しているが、必ずしも別体である必要はなく、一体に構成してもよい。
【0022】
情報公開サーバ80は、文書サーバ20から、電子文書が印刷された媒体識別情報と、識別情報に対応付けられた公開文書およびペンIDとを取得し記憶する。また、端末装置50から、デジタルペン60により読み取られた媒体識別情報と、媒体識別情報を読み取ったデジタルペン60のペンIDと、媒体識別情報を読み取った日時を特定する日時情報とを取得し記憶する。そして、文書サーバ20から取得した媒体識別情報と公開文書とペンID、および端末装置50から取得した媒体識別情報とペンIDと日時情報とに基づいて、電子文書に関連した公開情報に関するアクセス権の設定を行う。さらには、アクセス権が設定されたユーザからその公開情報に関する閲覧要求であった場合に、そのアクセス権が設定されたユーザに対して公開情報を送信する。
【0023】
引き続き、文書管理システムを構成する各構成要素の詳細を説明する。
まず、文書サーバ20の構成について説明する。
図2は、文書サーバ20の機能構成の一例を示したブロック図である。図2に示したように、文書サーバ20は、受信部21と、識別情報取得部22と、文書/筆跡情報管理部23と、文書/筆跡情報記憶部25とを備える。また、識別符号生成部27aと、位置符号生成部27bと、符号配置部27cと、パターン画像記憶部27dと、符号画像生成部27eとを備える。さらに、文書画像生成部26と、画像合成部28と、送信部29とを備える。
【0024】
受信部21は、端末装置10から印刷要求を受信する。ここで、印刷要求には、電子文書が含まれる。さらには、この電子文書に関連付けられた、印刷対象となる電子文書の識別情報(文書ID)、印刷に関する各種設定(以下、「印刷設定」という)、および上記した公開情報、ユーザ識別情報(ペンID)とが含まれる。文書IDは、端末装置10にて電子文書毎に付与されるが、文書サーバ20にて付与してもよい。また、受信部21は、印刷文書が印刷される媒体に固有に付与される識別情報を識別情報サーバ30から受信する。さらに、印刷文書に対する筆記が行われた際には、識別情報サーバ30から、印刷文書に埋め込まれた識別情報と、印刷文書に対する筆記の内容を電子化した筆跡情報とを受信する。
識別情報取得部22は、受信部21から文書IDおよび印刷設定を取得し、これを送信部29に渡して識別情報の発行要求の送信を指示する。また、文書IDおよび印刷設定を文書画像生成部26に渡して、電子文書に基づく画像である文書画像の生成を指示する。また、受信部21から媒体識別情報を取得し、これを識別符号生成部27aに渡して識別符号の生成を指示する。
【0025】
文書/筆跡情報管理部23は、管理手段の一例であって、受信部21が受信した媒体識別情報と電子文書と電子文書に関連付けられた各種情報とを取得し、これらを対応付けて文書/筆跡情報記憶部25に登録(記憶)する。すなわち、電子文書と、電子文書に関連付けられた文書ID、印刷設定、公開情報、およびユーザ識別情報(ペンID)とを媒体識別情報に対応付けて文書/筆跡情報記憶部25に記憶する。また、文書/筆跡情報記憶部25に記憶された電子文書を複製した新たな電子文書(以下、「複製文書」という)を生成し、生成された複製文書を文書/筆跡情報記憶部25に記憶する。また、電子文書のサムネイルを生成し、生成されたサムネイルを文書/筆跡情報記憶部25に記憶する。さらに、文書/筆跡情報記憶部25に記憶された電子文書の印刷や表示が指示された際には、対応する電子文書と識別情報とを、文書/筆跡情報記憶部25から取り出す。
また、文書/筆跡情報管理部23は、受信部21が受信した媒体識別情報と筆跡情報とを取得し、両者を対応付けて文書/筆跡情報記憶部25に登録する。また、筆跡情報の表示が指示された際には、対応する筆跡情報と媒体識別情報とを、文書/筆跡情報記憶部25から取り出す。
文書/筆跡情報記憶部25は、文書/筆跡情報管理部23によって管理される電子文書および電子文書に関連付けられた各種情報と筆跡情報とを媒体識別情報に関連付けて記憶するデータベースである。ここで、本実施の形態では、媒体識別情報と、電子文書および電子文書に関連付けられた各種情報と、筆跡情報とを相互に関連付けて記憶する記憶手段の一例として、文書/筆跡情報記憶部25を設けている。
【0026】
識別符号生成部27aは、媒体を特定する識別情報を符号化して識別符号を生成する。
位置符号生成部27bは、媒体上の座標位置を示す位置情報を符号化して位置符号を生成する。
符号配置部27cは、識別符号生成部27aにて生成された識別符号や、位置符号生成部27bにて生成された位置符号等を所定のレイアウトに従って2次元平面に配置し2次元の符号配列を生成する。
パターン画像記憶部27dは、符号配列に格納される各符号の符号値に対応するパターン画像を記憶する。
符号画像生成部27eは、符号配置部27cが生成した2次元の符号配列を参照し、各符号値に対応したパターン画像を選択して符号画像を生成する。
【0027】
文書画像生成部26は、識別情報取得部22から文書IDおよび印刷設定を取得する。そして、この文書IDで特定される電子文書を文書/筆跡情報記憶部25から読み出し、印刷設定に従ってその電子文書に関する文書画像を生成する。
画像合成部28は、符号画像生成部27eが生成した符号画像と、文書画像生成部26が生成した文書画像とを合成し、合成画像を生成する。
送信部29は、識別情報サーバ30に対して識別情報の発行要求を送信する。また、画像形成装置40に対して媒体に対する画像の印刷命令を送信する。その際に、印刷対象となる電子文書に、公開情報およびユーザ識別情報(ペンID)が対応付けられている場合には、印刷対象の電子文書と、電子文書が印刷された媒体識別情報と、識別情報に対応付けられた公開文書およびペンIDとを情報公開サーバ80に送信する。さらに、筆跡情報の表示が指示された際には、識別情報サーバ30に対して識別情報と筆跡情報とを送信する。
【0028】
ここで、本実施の形態の文書サーバ20で生成される符号画像について説明する。
図3は、符号画像を構成する画像等の一例を示した図である。まず、符号画像を構成する単位パターンについて説明する。図3(a)は、単位パターンの一例を示したものである。
単位パターンとは、情報埋め込みの最小単位である。図3(a)では、黒塗りの領域と斜線の領域をドット配置可能な領域とし、その間にある白色の領域をドット配置不可能な領域としている。そして、ドット配置可能な領域のうち、黒塗りの領域にドットが配置され、斜線の領域にはドットが配置されていないことを示している。すなわち、図3(a)は、ドットを配置可能な9箇所の中から選択した2箇所(黒塗りの領域)にドットを配置することで単位パターンを構成した例を示したものである。ここで、9箇所の中から2箇所を選択する組み合わせは36(=)通りなので、単位パターンは、36種類存在する。このうち、4種類の単位パターンは、同期パターンとして使用される。同期パターンとは、画像の回転を検出したり、識別符号および位置符号の相対的な位置を特定したりするためのパターンである。特に、画像の回転を検出する必要があることから、4種類の同期パターンとしては、そのうちの1つの同期パターンを90度回転するとそのうちの別の同期パターンになるようなものが選ばれる。また、この4種類の単位パターンを除く32種類の単位パターンは、識別符号および位置符号を表現する情報パターンとして使用され、5ビットの情報が表現される。
【0029】
ところで、図3(a)に示したドットは、あくまで情報表現のためのドットであり、画像を構成する最小の点を意味するドットとは必ずしも一致しない。本実施の形態において、情報表現のためのドット(図3(a)の最小の四角)は、600dpiにおける2ドット×2ドットの大きさを有している。600dpiにおける1ドットの大きさは0.0423mmなので、情報表現のためのドット(図3(a)の最小の四角)の一辺は、84.6μm(=0.0423mm×2)である。情報表現のためのドットは、大きくなればなるほど目に付きやすくなるため、できるだけ小さいほうが好ましい。ところが、あまり小さくすると、プリンタで印刷できなくなってしまう。そこで、情報表現のためのドットの大きさとして、50μmより大きく100μmより小さい上記の値を採用している。ただし、上記の値84.6μmは、あくまで計算上の数値であり、実際に印刷されたトナー像では100μm程度になる。なお、本明細書で「ドット」というときは、特に明示しない限り、画像を構成する最小の点を意味するドットではなく、情報表現のためのドットを指すものとする。
【0030】
次に、このような単位パターンから構成される符号ブロックについて説明する。図3(b)に、符号ブロックのレイアウトの一例を示す。なお、ここでは、画像ではなく、パターン画像によって置き換えられる直前の符号配列で示している。すなわち、図3(b)の最小の四角(以下、「単位ブロック」という)に、図3(a)のような単位パターン(36通りの単位パターンのいずれか)が配置され、その画像が媒体に形成されることになる。
図3(b)のレイアウトでは、符号ブロックの左上の1つの単位ブロックに、同期符号が配置されている。また、同期符号が配置された単位ブロックの右側の4つの単位ブロックにX位置符号が配置され、同期符号が配置された単位ブロックの下側の4つの単位ブロックにY位置符号が配置されている。さらに、これらの位置符号が配置された単位ブロックに囲まれた16(=4×4)個の単位ブロックに識別符号が配置されている。
【0031】
識別情報の符号化について述べる。識別情報を符号化する場合、識別情報を構成するビット列は、RS符号化を行うために複数のブロックに分割される。符号化には、いくつかの方法があるが、本実施の形態では、RS符号化が適している。RS符号は多値の符号法であり、この場合、単位ブロックで表現される値がRS符号の多値に対応するからである。例えば、1つの単位ブロックで5ビットの情報を表現する場合、60ビットの識別情報は、ブロック長が5ビットの12個のブロックに分割される。そして、2ブロックの誤りを訂正可能なRS符号を採用したとすると、符号長は16ブロックとなり、図3(b)の符号ブロックにおける識別符号が配置される単位ブロックに収まることになる。なお、符号化方式はRS符号に限定するものでなく、その他の符号化方式、例えば、BCH符号等を使用してもよい。
【0032】
次いで、位置情報の符号化について述べる。位置情報の符号化には、擬似乱数系列の一種であるM系列符号が使用される。ここで、M系列とは、ある長さのシフトレジスタとフィードバックによって生成される符号系列とのうち、その周期が最長になる系列をいう。Kをシフトレジスタの段数とすると、M系列の系列長は2−1となる。このM系列から取り出した任意の連続したKビットは、同じM系列中の他の位置に現れない性質を持つ。そこで、この性質を利用して位置情報を符号化する。
ところで、本実施の形態では、符号化すべき位置情報の長さから、必要なM系列の次数を求め、M系列を生成している。しかしながら、符号化する位置情報の長さが予め分かっている場合は、M系列を毎回生成する必要はない。すなわち、固定のM系列を予め生成しておき、それをメモリ等に格納しておけばよい。
例えば、系列長8191のM系列(K=13)を使用したとする。この場合、位置符号も5ビット単位で埋め込むため、系列長8191のM系列から5ビットずつ取り出してブロック化する。
【0033】
なお、本明細書では、説明を簡単にするために、識別情報と位置情報とは明確に区別して用いている。しかしながら、広範な位置情報を用意しておき、媒体ごとに異なる範囲から位置情報を切り出して埋め込み、位置情報の違いによって媒体を識別するという手法もある。そこで、このような手法においては、媒体を識別する機能が位置情報に備わっているものと見て、位置情報を識別情報としても考えるものとする。
【0034】
引き続いて、文書サーバ20内の文書/筆跡情報記憶部25が記憶するデータベースの内容について具体的に説明しておく。
図4は、文書/筆跡情報記憶部25に記憶されたデータベース内のデータの一例であって、各媒体に印刷された電子文書を管理するためのテーブル(電子文書管理テーブル)を示した図である。図4に示したように、この電子文書管理テーブルには、媒体識別情報と、電子文書の文書IDと、電子文書の格納場所と、筆跡情報の格納場所と、さらには、印刷設定と、公開情報の格納場所と、ユーザ識別情報(ペンID)とが項目として設けられている。すなわち、電子文書管理テーブルは、識別情報に各項目が対応付けられた電子情報の一つである。
【0035】
媒体識別情報は、媒体を特定するために、媒体に固有に付与された識別情報である。
文書IDは、媒体に印刷された電子文書を特定するために、電子文書に固有に付与された識別情報である。
電子文書の格納場所は、各媒体に印刷された電子文書が格納された場所の情報(アドレス情報)である。図4では、電子文書の格納場所として、文書/筆跡情報記憶部25におけるデータベース内でのファイル名を用いている。また、電子文書の格納場所として一連番号を採用してもよい。その場合には、この一連番号をキーとして、別途記憶されている一連番号と電子文書の格納場所との対応情報を参照することにより、電子文書の格納場所が得られる。
筆跡情報の格納場所は、各媒体に筆記された筆跡情報が格納された場所の情報(アドレス情報)である。図4では、筆跡情報の格納場所として、文書/筆跡情報記憶部25におけるデータベース内でのファイル名を用いている。また、筆跡情報の格納場所として一連番号を採用してもよい。
【0036】
印刷設定は、各媒体に電子文書を印刷した際に設定した各種印刷パラメータに関する情報である。図4では、印刷設定の一例として、「ページ(P),余白(A,B,C,D)」という形式で示している。Pはページ番号であり、A、B、C、Dは、それぞれ、左側、右側、上側、下側の余白(単位はmm)である。なお、ここでは印刷パラメータとしてページおよび余白を示したが、その他にも、通常の印刷で用いられる種々の印刷パラメータを管理することが可能である。
公開情報の格納場所は、電子文書に関連付けられた公開情報が格納された場所の情報(アドレス情報)である。図4では、公開情報の格納場所として、文書/筆跡情報記憶部25におけるデータベース内でのファイル名を用いている。また、公開情報の格納場所として一連番号を採用してもよい。
ユーザ識別情報としては、ユーザがそれぞれ所持するデジタルペン60を特定する識別情報(ペンID)が用いられ、本実施の形態では、ユーザ識別情報(ペンID)は、媒体識別情報とともに、情報公開サーバ80に記憶された公開情報に対するアクセス権として機能する。
【0037】
図4の電子文書管理テーブルでは、例えば1行目は、識別情報「phy_id00001」が印刷された媒体に、文書IDが「bun_1」である電子文書が印刷されていることを示している。そして、文書ID「bun_1」の電子文書は、ファイル名「C:¥data¥phy_id00001¥print_data」のファイルに格納されていること、印刷設定として、文書ID「bun_1」の電子文書の第1ページが左右上下の余白1mmで印刷されていること、ファイル名「C:¥data¥phy_id00001¥draw_data」の筆跡情報が描かれていることを示している。
さらに、文書ID「bun_1」の電子文書には、ファイル名「C:¥data¥phy_id00001¥data.xml」の公開情報が存在すること、また、この公開情報に対してはユーザ識別情報「read_id00001」にアクセス権が付与されていることを示している。それにより、媒体識別情報「phy_id00001」とユーザ識別情報「read_id00001」とが対応付けられている。
同様に、2行目は識別情報「phy_id00002」が印刷された媒体に関し、3行目は識別情報「phy_id00003」が印刷された媒体に関して、それぞれ各項目が対応付けられている。
なお、図4の電子文書管理テーブルでは、1行目〜3行目に管理された公開情報に対するアクセス権が、同一のユーザ識別情報「read_id00001」に設定されていることを示している。
【0038】
次に、識別情報サーバ30の構成について説明する。
図5は、識別情報サーバ30の機能構成の一例を示したブロック図である。図5に示したように、識別情報サーバ30は、受信部31と、識別情報管理部32と、識別情報記憶部33と、表示情報生成部34と、送信部39とを備える。
受信部31は、文書サーバ20から識別情報の発行要求を受信する。また、受信部31は、印刷文書に対する筆記が行われた際には、媒体識別情報と筆跡情報とを端末装置50から受信する。ここで、本実施の形態では、端末装置50から媒体識別情報と筆跡情報とを受信し、さらに筆跡情報の表示が指示された際に、文書サーバ20から媒体識別情報と筆跡情報とを受信する受信手段の一例として、受信部31を設けている。
【0039】
識別情報管理部32は、識別情報管理手段の一例であって、媒体識別情報の発行要求があると、媒体識別情報を重複することなく発行し、その際に指定された文書IDおよび印刷設定を識別情報に関連付けて識別情報記憶部33に記憶する。また、媒体識別情報の指定を受けて、その識別情報に対応する文書IDおよび印刷設定を識別情報記憶部33から取り出す。
識別情報管理部32での媒体識別情報を生成する方法としては、例えば、識別情報サーバ30にてプログラムを実行しているコンピュータのEthernet(登録商標) Mac Addressと時計とを元に決められる128ビットのUniversally Unique IDentifier(以下、「UUID」という)を用いる方法や、Ethernet(登録商標) Mac Addressの代わりにコンピュータの製造番号を用いる方法、識別情報記憶部33に記憶された識別情報に関する管理テーブルから未使用の番号を採用する方法等がある。UUIDを用いると、異なるメーカーのコンピュータで生成した媒体識別情報であっても媒体識別情報を唯一とすることができる。
【0040】
識別情報記憶部33は、識別情報を、その使用/未使用の状態、それが付与された媒体に印刷された電子文書の文書ID、それが付与された媒体に電子文書が印刷された際の印刷設定を関連付けて記憶するデータベースである。
表示情報生成部34は、筆跡情報の表示が指示された際に、文書サーバ20から取得した情報に基づいて、筆跡情報を表示するための表示情報を生成する。この表示情報としては、例えば、端末装置50で表示するイメージを生成する元となるデータを生成する。
【0041】
送信部39は、文書サーバ20からの要求に応じて発行した識別情報を文書サーバ20に送信する。また、印刷文書に対する筆記が行われた際には、媒体識別情報と筆跡情報とを文書サーバ20に送信する。さらに、筆跡情報の表示が指示された際には、端末装置50に対して表示情報を送信する。ここで、本実施の形態では、媒体識別情報と筆跡情報とを送信する送信手段の一例として、送信部39を設けている。
【0042】
次に、デジタルペン60について説明する。
図6は、デジタルペン60の構成の一例を示した図である。図6に示したように、デジタルペン60は、ペン全体の動作を制御する制御回路61を備える。また、制御回路61は、読み取った符号画像を処理する画像処理部61aと、画像処理部61aでの処理結果から識別情報および位置情報を抽出するデータ処理部61bとを含む。
また、制御回路61には、デジタルペン60による筆記動作をペンチップ69に加わる圧力によって検出する圧力センサ62が接続されている。さらに、媒体上に赤外光を照射する赤外LED63と、反射光を検知することによって符号画像を読み取る赤外CMOS64も接続されている。さらにまた、識別情報および位置情報を記憶するための情報メモリ65と、外部装置と通信するための通信回路66と、デジタルペン60を駆動するためのバッテリ67と、ペンの識別情報(ペンID)を記憶するペンIDメモリ68とが接続されている。
加えて、制御回路61には、デジタルペン60の動作モードを、筆記した文字または図形をイメージデータ化した筆跡情報を生成する上記した第1の動作モードと、印刷文書上への筆記に伴う筆跡情報の生成を行わずに媒体識別情報を検出する上記した第2の動作モードとの間で設定の切り替えを行う切替スイッチ76が接続されている。
【0043】
制御回路61において実現される機能構成について詳細に説明する。図7は、制御回路61の機能構成の一例を示したブロック図である。なお、図7では、制御回路61内の画像処理部61aとデータ処理部61bとに分けて、機能構成を示している。
図7に示したように、画像処理部61aは、画像取得部611と、ドット配列生成部612とを備える。また、データ処理部61bは、符号配列生成部613と、識別情報取得部614と、位置情報取得部615と、筆跡情報生成部616と、ペンID取得部617と、日時情報取得部618と、送信部619とを備える。
【0044】
画像取得部611は、赤外CMOS64が印刷文書から読み取った符号画像を取得する。また、必要に応じて、符号画像に含まれるノイズを除去する。
ドット配列生成部612は、符号画像におけるドットの位置を参照して、ドット配列を生成する。すなわち、2次元の配列上で、例えば、ドットがある位置に「1」を、ドットがない位置に「0」を記憶することにより、画像として検出したドットをデジタルデータに置き換える。そして、この2次元の配列をドット配列として出力する。
【0045】
符号配列生成部613は、ドット配列上で、符号ブロック内の単位パターンに対応するブロックを検出する。具体的には、単位パターンが配置されるブロックと同じ形状および大きさの枠をドット配列上で動かし、枠内のドット数が均等になる位置で枠を固定する。例えば、図3(a)の単位パターンを用いる場合であれば、3ドット×3ドットに対応する大きさの枠を動かし、枠内に含まれるドット数が2となる位置で枠を固定する。そして、その枠で区切られた各ブロック内のドット位置から定まる符号値を格納した符号配列を生成する。また、この符号配列が生成されると、予め定められた同期符号の符号値を検索することによって、同期符号の位置が特定される。
【0046】
識別情報取得部614は、符号配列から同期符号の位置を基準にして識別符号を検出する。そして、画像生成時にRS符号化処理で用いたパラメータを用いて識別符号を復号し、識別情報を取得する。
位置情報取得部615は、符号配列から同期符号の位置を基準にして位置符号を検出する。そして、位置符号からM系列の部分系列を取り出し、画像生成時に使用したM系列におけるこの部分系列の位置を参照し、この位置を同期符号によるオフセットで補正した値を位置情報として取得する。なお、オフセットで補正するのは、位置符号の間に同期符号が配置されているためである。
【0047】
筆跡情報生成部616は、位置情報取得部615が取得した位置情報を連結して筆跡情報を生成する。ここで、筆跡情報には、少なくともデジタルペン60のペン先の軌跡を電子化したデータが含まれるが、これ以外の情報を含んでもよい。ペン先の軌跡以外の情報としては、例えば、筆記した時にペンに設定されていた色の情報や、筆圧の情報等がある。
ペンID取得部617は、デジタルペン60の識別情報であるペンIDをペンIDメモリ68(図6参照)から取得する。本実施の形態では、例えばデジタルペン60aのペンIDメモリ68には、デジタルペン60aの所有者であるユーザ「Aさん」のユーザ識別情報として使用されるペンID「read_id00001」が記憶されている。そして、ペンID取得部617は、ペンIDメモリ68からペンID「read_id00001」を取得する。同様に、デジタルペン60bのペンID取得部617は、デジタルペン60bのペンIDメモリ68から、デジタルペン60bの所有者であるユーザ「Bさん」のユーザ識別情報として使用されるペンID「read_id00002」を取得する。
【0048】
日時情報取得部618は、切替スイッチ76により上記した第2の動作モードが設定された場合に、媒体識別情報が読み取られた日時を特定する日時情報を、例えば、現在時刻を計測する計時手段(不図示)から取得する。ここで、本実施の形態では、媒体識別情報が読み取られた時刻を示す読取時刻情報の一例として、日時情報を用いている。
送信部619は、識別情報取得部614が取得した識別情報と、筆跡情報生成部616が生成した筆跡情報と、ペンID取得部617が取得したペンIDと、日時情報取得部618が取得した日時情報とを通信回路66(図6参照)に受け渡すことで、通信装置71,72への情報送信を実現する。ここで、本実施の形態では、媒体識別情報と筆跡情報と日時情報とペンIDとを送信する送信手段の一例として、送信部619を設けている。
【0049】
デジタルペン60では、まず、赤外LED63が媒体に対して赤外光を照射し、赤外CMOS64がその反射光を受光することにより、符号画像を読み取る。そして、画像取得部611がこの読み取った符号画像を取得する。その際に、符号画像にノイズが含まれていれば、これを除去する。次に、ドット配列生成部612が、符号画像に含まれるドット位置をデジタルデータ化し、ドット配列を生成する。そして、符号配列生成部613が、ドット配列からブロックを検出し、ブロックごとの符号値を格納した符号配列を生成する。さらに、符号配列において、同期符号の位置を特定する。
【0050】
引き続き、切替スイッチ76により第1の動作モードが設定されている場合には、識別情報取得部614が、同期符号の位置に基づいて識別符号を検出し、これを復号して識別情報を取得する。また、位置情報取得部615が、同期符号の位置に基づいて位置符号を検出し、これを復号して位置情報を取得する。そして、筆跡情報生成部616が、位置情報を連結して筆跡情報を生成する。さらには、送信部619が、識別情報および筆跡情報を通信装置71および端末装置50を介して識別情報サーバ30へ送信する。
一方、切替スイッチ76により第2の動作モードが設定されている場合には、識別情報取得部614が、同期符号の位置に基づいて識別符号を検出し、これを復号して識別情報を取得する。そして、送信部619が、識別符号と、ペンID取得部617が取得したペンIDと、日時情報取得部618が取得した日時情報とを通信装置71および端末装置50、または通信装置72および外部端末装置90を介して情報公開サーバ80へ送信する。
【0051】
次に、情報公開サーバ80について説明する。
図8は、情報公開サーバ80の機能構成を説明する図である。図8に示したように、情報公開サーバ80は、受信部81と、公開情報管理部82と、公開情報記憶部83と、閲覧可否判定部84と、送信部89とを備える。
受信部81は、情報取得手段の一例であって、文書サーバ20から、印刷対象となった電子文書と、電子文書が印刷された媒体識別情報と、媒体識別情報に対応付けられた公開文書およびペンIDとを受信する。また、端末装置50から、デジタルペン60により読み取られた媒体識別情報と、媒体識別情報を読み取ったデジタルペン60のペンIDと、媒体識別情報を読み取った日時を特定する日時情報とを受信する。また、例えばインターネット110を介して外部端末装置90から、公開文書の閲覧要求を受信する。ここで、本実施の形態では、文書サーバ20から媒体識別情報と電子文書と公開文書とペンIDとを受信し、端末装置50から媒体識別情報とペンIDと日時情報とを受信し、外部端末装置90から公開文書の閲覧要求を受信する受信手段の一例として、受信部81を設けている。
【0052】
公開情報管理部82は、受信部81が受信した電子文書が印刷された媒体識別情報と、媒体識別情報に対応付けられた電子文書と公開文書とペンIDとを取得し、これらを対応付けて公開情報記憶部83に登録する。すなわち、電子文書が印刷された媒体識別情報と、印刷対象となった電子文書と、電子文書に関連付けられた公開文書、この公開情報に対するアクセス権が設定されているユーザ識別情報であるペンIDとが、公開情報管理部82によって相互に対応付けられて公開情報記憶部83に記憶される。
また、公開情報管理部82は、アクセス権設定手段の一例であって、受信部81が受信した端末装置50からの媒体識別情報とペンIDと日時情報とを取得する。そして、取得したペンIDが所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たす場合にデジタルペン60により読み取られた媒体識別情報に関連付けられた公開文書へのアクセス権を設定する。そして、取得したペンIDを公開文書へのアクセス権を有するユーザ識別情報として公開情報記憶部83に追加して登録する。なお、取得したペンIDに対して公開文書へのアクセス権を設定するか否かの判断に関しては、後述する。
【0053】
公開情報記憶部83は、印刷対象となった電子文書と、この電子文書が印刷された媒体識別情報と、電子文書に関連付けられた公開文書と、この公開情報に対するアクセス権が設定されているユーザ識別情報であるペンIDとを相互に対応付けて記憶するデータベースである。
閲覧可否判定部84は、判定手段の一例であって、受信部81が外部端末装置90から受信した公開文書に関する閲覧要求を取得する。そして、公開情報記憶部83に記憶された公開文書管理テーブル(後段参照)に基づいて、公開文書に関する閲覧要求を許可するか否かを判定する。公開文書に関する閲覧要求を許可すると判定した場合には、公開情報記憶部83から閲覧要求の対象となった公開情報を取り出し、送信部89に渡す。
送信部89は、閲覧可否判定部84にて公開文書に関する閲覧要求が許可された場合に、閲覧要求の対象となった公開情報を閲覧要求を送信した外部端末装置90に送信する。ここで、本実施の形態では、公開情報を送信する送信手段の一例として、送信部89を設けている。
【0054】
ここで、情報公開サーバ80内の公開情報記憶部83が記憶するデータベースの内容について具体的に説明しておく。
図9は、公開情報記憶部83に記憶されたデータベース内のデータの一例を示した図である。図9(a)は、各媒体に印刷された電子文書に関連付けられた公開文書を管理するためのテーブル(公開文書管理テーブル)を示し、(b)は、公開情報記憶部83におけるデータベース内でのディレクトリ構造を示している。
図9(a)に示したように、この公開文書管理テーブルには、媒体識別情報と、媒体に印刷された電子文書の格納場所と、電子文書に関連付けられた公開情報の格納場所と、「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」とが項目として設けられている。また、公開文書管理テーブルでは、媒体識別情報と電子文書の格納場所と公開情報の格納場所とは、図9(b)に示したようなデータ構造を有している。
【0055】
電子文書の格納場所は、各媒体に印刷された電子文書が格納された場所の情報(アドレス情報)である。図9では、電子文書の格納場所として、公開情報記憶部83のデータベース内でのファイル名を用いている。また、電子文書の格納場所として一連番号を採用してもよい。
公開情報の格納場所は、電子文書に関連付けられた公開情報が格納された場所の情報(アドレス情報)である。図9では、公開情報の格納場所として、公開情報記憶部83のデータベース内でのファイル名を用いている。また、公開情報の格納場所として一連番号を採用してもよい。
【0056】
「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」には、(1)の欄に、端末装置10から文書サーバ20に対して電子文書の印刷要求が送信された際の、印刷対象の電子文書に関連付けられたユーザ識別情報(ペンID)が設定される。すなわち、印刷要求が行われた時点で電子文書に関連付けられた公開情報に対するアクセス権を有する、電子文書の所有者であるユーザのペンIDが設定される。例えば、ユーザ「Aさん」が端末装置10から文書サーバ20に対して電子文書の印刷要求を行った場合には、ユーザ「Aさん」が入力したユーザ「Aさん」が所有するデジタルペン60aのペンID「read_id00001」が、(1)の欄に設定される。なお、本実施の形態では、図9のアクセス権が設定されたユーザ識別情報の(1)の欄には、図4に示した文書サーバ20内の電子文書管理テーブルに対応させて、ユーザ「Aさん」のユーザ識別情報であるペンID「read_id00001」が設定されているものとする。
一方、図9の公開文書管理テーブルの「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(2)以降の欄には、公開情報管理部82により新たに公開文書へのアクセス権が付与されたペンIDが設定される。例えば、ユーザ「Bさん」のユーザ識別情報であるペンID「read_id00002」や、ユーザ「Cさん」のユーザ識別情報であるペンID「read_id00003」や、ユーザ「Dさん」のユーザ識別情報であるペンID「read_id00004」等といったユーザ「Aさん」以外のユーザのユーザ識別情報が設定される。
【0057】
次に、情報公開サーバ80の公開情報管理部82が実行するユーザ識別情報(ペンID)に対する公開文書へのアクセス権の設定処理について説明する。
図10は、本実施の形態の文書管理システムにて電子文書についての文書画像を媒体に印刷してから、アクセス権が設定されるまでの流れを説明する図である。図10では、医療分野を例に取り、ユーザ「Aさん」を医師、ユーザ「Bさん」を患者とし、患者「Bさん」の診療データ(カルテ)を公開情報とする。なお、医師「Aさん」のユーザ識別情報は「read_id00001」であり、患者「Bさん」のユーザ識別情報は「read_id00002」であるとして、上記の図9の公開文書管理テーブルでの説明に対応させるものとする。
【0058】
図10に示したように、フェーズ1では、医師「Aさん」が端末装置10から文書サーバ20に電子文書の印刷要求を行い、画像形成装置40にてこの電子文書についての文書画像を媒体に印刷する(後段の[印刷文書の生成処理]を参照)。医師「Aさん」が得た媒体には、電子文書についての文書画像と、媒体識別情報を含む符号画像とが印刷されている。一方、電子文書に関連付けられた公開文書は印刷されていない。なお、ここでの電子文書は、カルテのフォーマットや、患者「Bさん」を特定する氏名等や診察の順番のガイドといった書誌的事項等をその内容とする。
そして、その際には、文書サーバ20から情報公開サーバ80に対して、印刷対象の電子文書と、電子文書が印刷された媒体の媒体識別情報と、媒体識別情報に対応付けられた(電子文書に関連付けられた)公開文書およびペンIDとが送信される。それにより、情報公開サーバ80内に、媒体に印刷された電子文書の格納場所と、電子文書に関連付けられた公開情報の格納場所と、アクセス権が設定されたユーザ識別情報(ペンID)とが媒体識別情報に対応付けられたテーブルである公開文書管理テーブルが作製される。
【0059】
その後、フェーズ2では、電子文書についての文書画像が印刷された媒体を所持する医師「Aさん」のもとへ、患者「Bさん」が診察を受けに来る。その際に、医師「Aさん」は、患者「Bさん」に検査結果、病状、治療方法、投薬の説明、次回の診察予約等といった診療に関する情報(診療データ)の説明を行うが、一般に医師は1人1人の患者と接する時間を長く取ることができない場合が多い。そこで、患者「Bさん」への説明を補うため、または説明に代えるため、媒体に印刷された文書画像の他に、患者「Bさん」のプライバシー情報と関連する詳細な診療データを例えばインターネット110上で患者「Bさん」に公開する。しかしその場合に、公開情報である患者「Bさん」の診療データを誰でも閲覧可能な状態に置くと、患者「Bさん」のプライバシーを保護できない。そのため、患者「Bさん」への公開情報に関しては、医師「Aさん」を除き患者「Bさん」だけがインターネット110上で閲覧可能となるように設定する必要がある。そうすれば、患者「Bさん」は、誰にも知られることなく、自身の診療データ(公開情報)を閲覧することができる。
ところが、この時点では、上記したように、情報公開サーバ80内の公開文書管理テーブルには、電子文書に関連付けられた公開情報へのアクセス権が媒体の印刷要求者である医師「Aさん」にだけ設定されている。すなわち、公開文書管理テーブルの「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(1)の欄に、医師「Aさん」のユーザ識別情報「read_id00001」が登録されているにすぎない。そのため、この時点で、患者「Bさん」は電子文書に関連付けられた公開情報を閲覧できない。
【0060】
そこで、フェーズ3〜フェーズ4では、医師「Aさん」は、プライバシー情報である診療データ(公開情報)を閲覧するためのアクセス権を患者「Bさん」に設定する。
ここでは、フェーズ3〜フェーズ4にて患者「Bさん」にアクセス権を設定する方法について述べる。
患者「Bさん」へのアクセス権の設定は、医師「Aさん」の印刷要求によって電子文書が印刷された媒体の媒体識別情報と、医師「Aさん」のユーザ識別情報である医師「Aさん」が所持するデジタルペン60aを特定するペンIDと、患者「Bさん」のユーザ識別情報である患者「Bさん」が所持するデジタルペン60bを特定するペンIDとを用いて行われる。
【0061】
まずフェーズ3では、医師「Aさん」および患者「Bさん」は、自身が所有するデジタルペン60aおよびデジタルペン60bを切替スイッチ76により第2の動作モードに設定する。そして、医師「Aさん」および患者「Bさん」それぞれが、ほぼ同時刻に、自身のデジタルペン60aおよびデジタルペン60bから、医師「Aさん」の印刷要求による電子文書が印刷された媒体の媒体識別情報を読み取る。
デジタルペン60aは、識別情報取得部614が取得した媒体識別情報と、ペンID取得部617が取得したペンID「read_id00001」と、日時情報取得部618が取得したデジタルペン60aが媒体識別情報を読み取った日時情報とを通信装置71および端末装置50を介して情報公開サーバ80へ送信する。同様に、デジタルペン60bは、媒体識別情報と、ペンID「read_id00002」と、デジタルペン60bが媒体識別情報を読み取った日時情報とを通信装置71および端末装置50を介して情報公開サーバ80へ送信する。
なお、医師「Aさん」および患者「Bさん」それぞれが、自身のデジタルペン60aおよびデジタルペン60bから医師「Aさん」の印刷要求による電子文書が印刷された媒体の媒体識別情報を読み取った後には、電子文書が印刷された媒体(印刷文書)は、患者「Bさん」に手渡される。
【0062】
次に、フェーズ4において、情報公開サーバ80は、デジタルペン60aからの媒体識別情報と、ペンID「read_id00001」と、デジタルペン60aが媒体識別情報を読み取った日時情報とを受信する。また同様に、デジタルペン60bからの媒体識別情報と、ペンID「read_id00002」と、デジタルペン60bが媒体識別情報を読み取った日時情報とを受信する。
そして、情報公開サーバ80では、公開情報管理部82が、次の条件を満たすか否かを判断する。
(1)デジタルペン60bからの媒体識別情報が、デジタルペン60aからの媒体識別情報と同一であること。
(2)デジタルペン60bが媒体識別情報を読み取った時刻が、デジタルペン60aが媒体識別情報を読み取った時刻と所定の範囲内(例えば、1分未満)の時間差であること。
上記の(1)、(2)の条件を満たす場合には、公開情報管理部82は、デジタルペン60bのペンID「read_id00002」を、媒体識別情報に対応付けて、図9の公開文書管理テーブルにおける「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(2)以降の欄に追加して登録する。
【0063】
図11は、医師「Aさん」が患者「Bさん」にアクセス権を設定する際のデジタルペン60および情報公開サーバ80の動作の一例を示したシーケンス図である。なお、図11では、デジタルペン60aをデジタルペン1、デジタルペン60bをデジタルペン2として表記した。
医師「Aさん」は、切替スイッチ76によりデジタルペン1(デジタルペン60a)を第2の動作モードに設定する(ステップ611a)。そして、デジタルペン1により、医師「Aさん」の印刷要求による電子文書が印刷された媒体の媒体識別情報「phy_id00001」を読み取る(ステップ612a)。
その際に、デジタルペン1では、日時情報取得部618が媒体識別情報が読み取られた日時を特定する日時情報を取得する(ステップ613a)。さらに、ペンID取得部617がデジタルペン1のペンIDを取得する(ステップ614a)。
そして、デジタルペン1の送信部619は、通信装置71および端末装置50を介して、読み取った媒体識別情報「phy_id00001」と、取得した日時情報「2007/03/22/10:46:55」と、取得したデジタルペン1のペンID「read_id00001」とを相互に関連付けられた形態で情報公開サーバ80に送信する(ステップ615a)。
【0064】
一方、患者「Bさん」は、切替スイッチ76によりデジタルペン2(デジタルペン60b)を第2の動作モードに設定する(ステップ611b)。そして、デジタルペン2により、医師「Aさん」の印刷要求による電子文書が印刷された媒体の媒体識別情報「phy_id00001」を読み取る(ステップ612b)。
その際に、デジタルペン2では、日時情報取得部618が媒体識別情報が読み取られた日時を特定する日時情報を取得する(ステップ613b)。さらに、ペンID取得部617がデジタルペン2のペンIDを取得する(ステップ614b)。
そして、デジタルペン2の送信部619は、通信装置71および端末装置50を介して、読み取った媒体識別情報「phy_id00001」と、取得した日時情報「2007/03/22/10:46:57」と、取得したデジタルペン1のペンID「read_id00002」とを相互に関連付けられた形態で情報公開サーバ80に送信する(ステップ615b)。
【0065】
それにより、情報公開サーバ80では、受信部81が、デジタルペン1(デジタルペン60a)からの媒体識別情報「phy_id00001」と、日時情報「2007/03/22/10:46:55」と、デジタルペン1のペンID「read_id00001」とを相互に関連付けられた形態で受信する。また同様に、デジタルペン2(デジタルペン60b)からの媒体識別情報「phy_id00001」と、日時情報「2007/03/22/10:46:57」と、デジタルペン1のペンID「read_id00002」とを相互に関連付けられた形態で受信する(ステップ811)。
公開情報管理部82は、受信部81が受信したデジタルペン1(デジタルペン60a)およびデジタルペン2(デジタルペン60b)からの媒体識別情報と日時情報とペンIDとを取得する。そして、デジタルペン1およびデジタルペン2からの媒体識別情報と日時情報とペンIDとを比較するための比較テーブルを作成する(ステップ812)。
ここで、図12は、公開情報管理部82にて作成された比較テーブルの一例を示した図である。図12では、デジタルペン1(デジタルペン60a)から受信した各情報を(1)欄、デジタルペン2(デジタルペン60b)から受信した各情報を(2)欄に記述した比較テーブルを示したが、デジタルペン1およびデジタルペン2以外のデジタルペン60からも同様に各情報を受信した場合には、(3)欄以降の欄に記述されることとなる。なお、図12では、デジタルペン1およびデジタルペン2以外のデジタルペン60からの情報は受信されておらず、(3)欄以降の欄には、何れのデジタルペン60からの各情報は記述されていないものとしている。
【0066】
公開情報管理部82は、比較テーブルを参照して、デジタルペン1(デジタルペン60a)から受信した媒体識別情報とデジタルペン2(デジタルペン60b)から受信した媒体識別情報とを比較し、両者が同一か否かを判断する(ステップ813)。
そして、両者の媒体識別情報が同一である場合には、公開情報記憶部83に記憶された公開文書管理テーブル(図9参照)に同一の媒体識別情報が存在し、かつ、その媒体識別情報に対応付けられた「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(1)欄に、デジタルペン1(デジタルペン60a)のペンIDが記述されているか否かを判定する(ステップ814)。
一方、両者の媒体識別情報が同一でない場合には、デジタルペン2のペンIDを公開文書管理テーブルの「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(2)欄または(2)欄以降の欄に登録しない。すなわち、デジタルペン2のペンIDにアクセス権を設定しない(ステップ818)。
【0067】
ステップ814にて、公開情報記憶部83に記憶された公開文書管理テーブルに同一の媒体識別情報が存在し、かつ、その媒体識別情報に対応付けられた「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(1)欄に、デジタルペン1(デジタルペン60a)のペンIDが記述されていると判定された場合には、比較テーブルを参照して、デジタルペン1から受信した日時情報とデジタルペン2から受信した日時情報との差分を算出する(ステップ815)。すなわち、医師「Aさん」がデジタルペン1から医師「Aさん」の電子文書が印刷された媒体識別情報「phy_id00001」を読み取った時刻と、患者「Bさん」がデジタルペン2から医師「Aさん」の電子文書が印刷された媒体識別情報「phy_id00001」を読み取った時刻との時間差を算出する。
一方、公開情報記憶部83に記憶された公開文書管理テーブルに同一の媒体識別情報が存在しないか、または、その媒体識別情報に対応付けられた「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(1)欄に、デジタルペン1のペンIDが記述されていないと判定された場合には、デジタルペン2のペンIDを公開文書管理テーブルの「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(2)欄または(2)欄以降の欄に登録しない。すなわち、デジタルペン2のペンIDにアクセス権を設定しない(ステップ818)。
【0068】
そして、ステップ815にて算出されたデジタルペン1(デジタルペン60a)から受信した日時情報とデジタルペン2(デジタルペン60b)から受信した日時情報との差分が1分未満であるか否かを判定する(ステップ816)。
両者の日時情報の差分が1分未満である場合には、デジタルペン2のペンID「read_id00002」を、公開文書管理テーブルにおいて、媒体識別情報「phy_id00001」に対応付けられた「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(2)欄または(2)欄以降の欄に登録する(ステップ817)。すなわち、デジタルペン2のペンID「read_id00002」にアクセス権を設定する。
一方、両者の日時情報の差分が1分以上である場合には、デジタルペン2のペンID「read_id00002」を公開文書管理テーブルの何れの「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(2)欄または(2)欄以降の欄にも登録しない(ステップ818)。すなわち、デジタルペン2(デジタルペン60b)のペンID「read_id00002」にアクセス権を設定しない。
【0069】
このようにして、媒体に印刷された電子文書に関連付けられた公開情報へのアクセス権が、医師「Aさん」から患者「Bさん」に設定される。本実施の形態によるアクセス権の設定では、例えばキーボード等の操作入力手段からユーザ識別情報やパスワード等を入力する手間が省かれるので、手続きの簡略化が図られる。さらには、アクセス権の設定に際する管理コストが低減される。また、医師「Aさん」と患者「Bさん」とが対面したことを以ってアクセス権が設定されることから、不特定者へのアクセス権の漏洩が抑制され、文書管理に関する安全性が高められる。
【0070】
なお、ステップ816にて日時情報の差分に関する判定を行うに際して、1分を基準とした。これは、医師「Aさん」と患者「Bさん」とが各々の所持するデジタルペン60から同一の印刷文書の媒体識別情報を読み取った時間の差が1分未満であれば、医師「Aさん」と患者「Bさん」とがほぼ同時刻に同一の印刷文書の媒体識別情報を読み取ったと判断できるからである。そして、その場合には、医師「Aさん」の立会いの下で、医師「Aさん」が患者「Bさん」に対して公開文書へのアクセスを許可した事実を客観的に認定できるからである。
したがって、日時情報の差分に関する判定基準は、医師「Aさん」が患者「Bさん」に対して公開文書へのアクセスを許可した事実を客観的に認定できる時間差であればよい。そのため、通信装置71および端末装置50と、デジタルペン1(デジタルペン60a)およびデジタルペン2(デジタルペン60b)との物理的な距離や、通信装置71とデジタルペン1(デジタルペン60a)およびデジタルペン2(デジタルペン60b)との通信環境等の様々な状況に応じて、医師「Aさん」と患者「Bさん」とがほぼ同時刻に同一の印刷文書の媒体識別情報を読み取ったと判断できる場合には、日時情報の差分に関する判定を行う際の基準を1分よりも長く設定してもよい。
【0071】
また、アクセス権の設定に際してデジタルペン60を用いることから、デジタルペン60の使用者がその所有者であることを保障するため、デジタルペン60に指紋認証等の所有者を認証する機能を設けることが好ましい。
【0072】
次に、図10に戻ってフェーズ5では、公開情報を閲覧するためのアクセス権が設定された患者「Bさん」が、情報公開サーバ80に記憶された公開情報にアクセスする。
フェーズ5においては、患者「Bさん」は、自身のデジタルペン60bを第2の動作モードに設定する。そして、フェーズ3で手渡された電子文書が印刷された印刷文書(媒体)から、デジタルペン60bによって媒体識別情報「phy_id00001」を読み取る。
デジタルペン60bによって読み取られた媒体の媒体識別情報「phy_id00001」は、デジタルペン60bのペンID「read_id00002」と関連付けられた形態で、通信装置72および外部端末装置90からインターネット110を通して情報公開サーバ80へ送信される。
【0073】
情報公開サーバ80では、受信部81がデジタルペン60bからの媒体識別情報「phy_id00001」とデジタルペン60bのペンID「read_id00002」とを受信する。そして、閲覧可否判定部84が受信部81にて受信したデジタルペン60bからの媒体識別情報「phy_id00001」とペンID「read_id00002」とを取得する。
そして、閲覧可否判定部84は、公開情報記憶部83に記憶された公開文書管理テーブル(図9参照)を参照して、公開文書管理テーブルに同一の媒体識別情報「phy_id00001」が存在し、かつ、その媒体識別情報「phy_id00001」に対応付けられた「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(2)欄または(2)欄以降の欄にデジタルペン60bのペンID「read_id00002」が記述されている場合には、外部端末装置90から送信された患者「Bさん」からの公開情報に対する閲覧要求を許可する。
患者「Bさん」からの公開情報に対する閲覧要求を許可した場合には、閲覧可否判定部84は、公開文書管理テーブルの媒体識別情報「phy_id00001」に対応付けられた公開情報の格納場所を参照して、公開情報記憶部83から媒体識別情報「phy_id00001」に対応付けられたファイル名「C:¥data¥phy_id00001¥data.xml」の公開情報を取り出す。そして、取り出した公開情報を送信部89から外部端末装置90に対して送信する。
それにより、患者「Bさん」は、外部端末装置90にて、フェーズ3で医師「Aさん」から手渡された印刷文書(媒体)に印刷された電子文書に関連付けられた公開情報を閲覧できることとなる。
【0074】
図13は、患者「Bさん」が医師「Aさん」から手渡された印刷文書(媒体)に印刷された電子文書に関連付けられた公開情報にアクセスする際のデジタルペン60および情報公開サーバ80の動作の一例を示したシーケンス図である。なお、図13でも、デジタルペン60bをデジタルペン2として表記した。
患者「Bさん」は、切替スイッチ76によりデジタルペン2(デジタルペン60b)を第2の動作モードを設定する(ステップ621)。そして、デジタルペン2により、医師「Aさん」から手渡された印刷文書(媒体)に印刷された媒体識別情報「phy_id00001」を読み取る(ステップ622)。
その際に、デジタルペン2では、ペンID取得部617がペンID「read_id00002」を取得する(ステップ623)。
そして、デジタルペン2の送信部619は、通信装置72および外部端末装置90を介して、読み取った媒体識別情報「phy_id00001」と、取得したデジタルペン2のペンID「read_id00002」とを相互に関連付けられた形態で情報公開サーバ80に送信する(ステップ624)。
【0075】
ここで、外部端末装置90から情報公開サーバ80への接続(アクセス)は、外部端末装置90にインストールされた例えばブラウザソフト等のプログラムにより実現される。その場合に、情報公開サーバ80のアドレス情報を医師「Aさん」からの印刷文書(媒体)に記録しておき、デジタルペン2(デジタルペン60b)を用いて情報公開サーバ80のアドレス情報を取得するように構成してもよい。
図14は、情報公開サーバ80のアドレス情報が記録された印刷文書(媒体)の一例を示した図である。図14に示したように、例えば印刷文書上の所定の領域Hには、情報公開サーバ80のアドレス情報を符号化した符号画像が印刷されている。例えば、領域Hでは、図3の識別符号が形成された符号ブロックに、識別符号に代えてアドレス情報を符号化したアドレス符号が形成されている。それにより、デジタルペン2を用いて印刷文書上の領域Hを読み込むことで、情報公開サーバ80のアドレス情報が取得される。
そして、取得された情報公開サーバ80のアドレス情報は、デジタルペン2から通信装置72を介して外部端末装置90に送られる。外部端末装置90は、情報公開サーバ80のアドレス情報に基づき、例えばブラウザソフトにより情報公開サーバ80にアクセスされる。
なお、本実施の形態の外部端末装置90は、インターネット110を経由して情報公開サーバ80に接続される構成としたが、例えば病院内に設置したイントラネットを経由して情報公開サーバ80に接続される構成としてもよい。
【0076】
引き続いて、情報公開サーバ80では、受信部81が、デジタルペン2(デジタルペン60b)からの媒体識別情報「phy_id00001」と、デジタルペン2のペンID「read_id00002」とを相互に関連付けられた形態で受信する(ステップ821)。
閲覧可否判定部84は、受信部81が受信したデジタルペン2からの媒体識別情報「phy_id00001」とペンID「read_id00002」とを取得する。そして、閲覧可否判定部84は、公開情報記憶部83に記憶された公開文書管理テーブル(図9参照)を参照して、公開文書管理テーブルに同一の媒体識別情報「phy_id00001」が存在し、かつ、その媒体識別情報「phy_id00001」に対応付けられた「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(2)欄または(2)欄以降の欄にデジタルペン2のペンID「read_id00002」が記述されているか否かを判定する(ステップ822)。
【0077】
ステップ822にて、公開文書管理テーブルに同一の媒体識別情報「phy_id00001」が存在し、かつ、その媒体識別情報「phy_id00001」に対応付けられた「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(2)欄または(2)欄以降の欄にデジタルペン2のペンID「read_id00002」が記述されていると判定された場合には、外部端末装置90から送信された患者「Bさん」からの公開情報に対する閲覧要求を許可する(ステップ823)。
その場合には、閲覧可否判定部84は、公開文書管理テーブル(図9参照)の媒体識別情報「phy_id00001」に対応付けられた公開情報の格納場所を参照して、公開情報記憶部83から媒体識別情報「phy_id00001」に対応付けられたファイル名「C:¥data¥phy_id00001¥data.xml」の公開情報を取り出す。そして、送信部89から外部端末装置90に対して、取り出した公開情報を送信する(ステップ824)。
一方、ステップ822にて、公開文書管理テーブルに同一の媒体識別情報「phy_id00001」が存在しないか、または、その媒体識別情報「phy_id00001」に対応付けられた「アクセス権が設定されたユーザ識別情報」の(2)欄または(2)欄以降の欄にデジタルペン60bのペンID「read_id00002」が記述されていないと判定された場合には、外部端末装置90から送信された患者「Bさん」からの公開情報に対する閲覧要求を許可しない(ステップ825)。
このようにして、患者「Bさん」は、誰にも知られることなく、自身の診療データ(公開情報)を閲覧することができる。
【0078】
ところで、上記の説明では、同一の媒体識別情報を用いて一つの公開情報へのアクセス権の設定に関して述べた。しかし、同一の媒体識別情報を用いて複数の公開情報へのアクセス権を設定するように構成してもよい。例えば、媒体に印刷された位置情報を用いて、媒体上の異なる領域から取得した媒体識別情報と位置情報とにより、それぞれ異なる公開情報を対応付けてもよい。
図15は、同一の媒体識別情報を用いて複数の公開情報へのアクセス権を設定する際に用いられる媒体を示した図である。図15に示したように、電子文書が印刷された印刷文書(媒体)には、複数の公開情報に対応した複数の領域が設けられている。そして、各領域には同一の媒体識別情報が形成されていることから、上記と同様にして、アクセス権が設定される。また、各領域には、各領域の位置情報に対応する公開情報が例えば図9の公開文書管理テーブルに設定されている。例えば、媒体上に「公開情報1」と記載された領域には、公開情報1が対応付けられている。
そのため、デジタルペン60を用いて、媒体上の「公開情報1」の領域から媒体識別情報と位置情報とを読み取ることで、公開情報1へのアクセス権が設定される。同様に、媒体上の「公開情報2」の領域から媒体識別情報と位置情報とを読み取ることで、公開情報2へのアクセス権が設定される。
また、この場合に、例えば、媒体上の「公開情報1」の領域から媒体識別情報と位置情報とを読み取ると、すべての公開情報へのアクセス権が設定され、それ以外の例えば「公開情報2」の領域から媒体識別情報と位置情報とを読み取ると、特定の例えば公開情報2へのアクセス権だけが設定されるように構成してもよい。
【0079】
さらには、媒体上の各領域毎に異なる媒体識別情報を形成してもよい。そのように構成すれば、1つの媒体を用いて、複数の異なるユーザに対して、それぞれ異なる公開情報へのアクセス権を設定することができる。
【0080】
次に、本実施の形態の文書管理システムにて、上記したアクセス権の設定以外に、電子文書に関して行われる各種処理について説明しておく。
[印刷文書の生成処理]
図16は、文書管理システムにて印刷文書が生成される際の動作の一例を示したシーケンス図である。
まず、ユーザは端末装置10から電子文書の印刷指示を文書サーバ20に送信する(ステップ131)。その際には、端末装置10は、印刷対象となる電子文書と、電子文書の識別情報(文書ID)と、ユーザが指定した印刷設定と、電子文書に関連付けられた公開情報と、ユーザ識別情報(ペンID)とを送信する。ここで、印刷設定は、ページ、部数、用紙サイズ、Nアップ (電子文書のNページを媒体の1ページに割り付ける印刷)、余白等の設定を含む。
【0081】
文書サーバ20は、端末装置10から電子文書の印刷指示を受信する(ステップ231)。印刷指示に含まれる印刷対象となる電子文書は、文書/筆跡情報管理部23に送られ、文書/筆跡情報管理部23が、電子文書を文書IDに関連付けて文書/筆跡情報記憶部25に登録する(ステップ232)。それに伴い、文書/筆跡情報管理部23は、電子文書の格納場所と、印刷設定と、電子文書に関連付けられた公開情報の格納場所と、ユーザ識別情報(ペンID)とを文書IDに関連付けた、電子文書を管理するための電子文書管理テーブル(図4参照)を作製する。そして、文書/筆跡情報記憶部25内に電子文書管理テーブルを記憶する。
また、文書サーバ20は、印刷を指示された電子文書の文書IDと印刷設定とを識別情報サーバ30に送信する(ステップ233)。
それにより、識別情報サーバ30は、文書IDと印刷設定とを受信する(ステップ331)。そして、媒体識別情報を管理する識別情報管理部32が識別情報記憶部33から未使用の媒体識別情報を取得する(ステップ332)。ここで、取り出す媒体識別情報の数は、印刷設定に応じて決められる。つまり、基本的には、印刷するページ数に印刷部数を乗じて得られる数の媒体識別情報が取り出される。ただし、印刷設定情報の中に、Nアップ印刷の指定等がある場合は、それも考慮される。例えば、10ページの電子文書を2アップ印刷で5部印刷する場合は、25(=10÷2×5)個の媒体識別情報が取り出される。
次に、識別情報サーバ30は、媒体識別情報と文書IDと印刷設定とを関連付けて識別情報記憶部33に登録する(ステップ333)。すなわち、電子文書の文書IDと、使用/未使用の状態と、印刷設定とを媒体識別情報に関連付けた、媒体識別情報を管理するための識別情報管理テーブル(不図示)を作製する。
そして、識別情報サーバ30は、文書サーバ20に対し、媒体識別情報を送信する(ステップ334)。
【0082】
それにより、文書サーバ20は、媒体識別情報を受信する(ステップ234)。それに伴い、文書サーバ20の文書/筆跡情報管理部23は、媒体識別情報を電子文書管理テーブルにおいて対応する文書IDに関連付けて登録する(図4参照)。
そして、媒体識別情報および位置情報を表す符号画像を生成する(ステップ235)。すなわち、文書サーバ20では、受信部21が媒体識別情報を受信する。そして、受信部21は、受信した媒体識別情報を識別情報取得部22に受け渡す。すると、まず識別情報取得部22が、取得した媒体識別情報を識別符号生成部27aに渡し、識別符号生成部27aが、上記した方法を用いて媒体識別情報を符号化し、識別符号を生成する。
また、位置符号生成部27bは、受信部21から印刷設定を受け取り、印刷設定に応じた範囲の位置情報を上記した方法を用いて符号化し、位置符号を生成する。
そして、符号配置部27cが、媒体識別符号と位置符号とを所定のレイアウトに従って配置し、これを符号画像生成部27eが、パターン画像記憶部27dに記憶されたパターン画像を用いて画像化することで符号画像を生成する。
【0083】
その後、文書サーバ20では、文書画像生成部26が、電子文書の文書画像を生成する(ステップ236)。その際に、文書画像生成部26は、ステップ231で識別情報取得部22が取得した文書IDを受け取り、文書IDに基づいて印刷対象となる電子文書を文書/筆跡情報記憶部25から読み出す。また、ステップ231で識別情報取得部22が取得した印刷設定を受け取り、これに基づいて文書画像を生成する。
そして、画像合成部28は、ステップ235で生成された符号画像と、ステップ236で生成された文書画像とを合成し、合成画像を生成する(ステップ237)。
その後、合成画像は送信部29に渡され、送信部29が、合成画像の印刷命令を画像形成装置40に送信する(ステップ238)。ここで、合成画像の印刷命令は、例えば、文書画像の印刷命令の列からなるPDL(Page Description Language)ファイルに対し、符号画像として印刷する内容をPDLコマンドとして設定したPDLの形式で送信される。
【0084】
画像形成装置40は、文書サーバ20から合成画像(電子文書の文書画像および符号画像)を受信する(ステップ431)。そして、画像形成装置40は、文書画像をY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン) により画像に展開する(ステップ432)。次に、文書画像はC、M、Yのトナーを用いて、符号画像はK(カーボンを含む黒)のトナーを用いて、それぞれ画像形成を行う(ステップ433)。
【0085】
ところで、上述した例では、識別情報サーバ30は媒体識別情報を発行するだけで、文書サーバ20が、媒体識別情報を含む符号画像を生成し、画像形成装置40に画像形成を指示する構成とした。しかしながら、識別情報サーバ30が、符号画像を生成し、画像形成装置40に画像形成を指示する構成としてもよい。
また、符号画像を画像形成装置40で生成する構成を採用してもよい。その場合には、文書サーバ20または識別情報サーバ30が、電子文書から生成したPDLに媒体識別情報を付加して画像形成装置40へ送信し、画像形成装置40が媒体識別情報を含む符号画像を生成することになる。
【0086】
また、上記の例では、識別情報と文書IDと印刷設定とが関連付けられて構成されたデータベース(識別情報記憶部33)を識別情報サーバ30に置く構成について説明した。これは、かかるデータベースを共有可能な装置(識別情報サーバ30)に置くことで、複数ユーザへの対応や、サーバのアクセス制御技術を利用した電子文書のセキュリティ確保が可能となるからである。しかしながら、必ずしもこのような構成を採用する必要はなく、端末装置10や文書サーバ20に上記のデータベースを置く構成を採用してもよい。
【0087】
また、上記した画像形成装置40では、符号画像をK(カーボンを含む黒) のトナーを用いて形成するようにした。これは、Kのトナーが、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のトナーよりも赤外光の吸収量が多く、デジタルペン60での符号画像の読み取りが容易となるからである。しかしながら、符号画像は、特殊トナーを用いて形成することも可能である。
ここで、特殊トナーとしては、可視光領域(400nm〜700nm)における最大吸収率が7%以下であり、近赤外領域(800nm〜1000nm)における吸収率が30%以上の不可視トナーが例示される。ここで、「可視」および「不可視」は、目視により認識できるかどうかとは関係しない。印刷文書における画像が可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性の有無により認識できるかどうかで「可視」と「不可視」とを区別している。また、可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性が若干あるが人間の目で認識し難いものも、「不可視」に含める。
【0088】
なお、ここでは、電子文書の画像に符号画像を合成して印刷することとしたが、白紙(ノートや付箋等)に符号画像を印刷する構成としてもよい。その場合は、ステップ231で受信する印刷要求に文書IDを含めないようにし、ステップ333で識別情報と文書IDおよび印刷設定との関連付けを行わないようにし、ステップ236における文書画像の生成は実行しないようにすればよい。
【0089】
[筆跡情報の登録処理]
次に、デジタルペン60が筆跡情報を生成して文書サーバ20に登録する際の動作について説明する。
上記したように、デジタルペン60では、第1の動作モードに設定されると、識別情報取得部614が媒体識別情報を取得する。また、位置情報取得部615が位置情報を取得する。さらに、筆跡情報生成部616が位置情報を相互に連結して筆跡情報を生成する。そして、送信部619が、媒体識別情報および筆跡情報を通信装置71および端末装置50を介して識別情報サーバ30へ送信する。そして、識別情報サーバ30が筆跡情報を文書サーバ20に登録する。
図17は、筆跡情報を登録する際の識別情報サーバ30および文書サーバ20の動作の一例を示したシーケンス図である。
識別情報サーバ30では、まず、受信部31が、デジタルペン60からの媒体識別情報および筆跡情報を受信する(ステップ341)。次に、媒体識別情報および筆跡情報は識別情報管理部32に渡され、識別情報管理部32は、渡された識別情報に関連付けられた文書IDを識別情報記憶部33から取り出す。そして、ステップ341で受信した媒体識別情報および筆跡情報の送信先となる文書サーバ20(文書IDで特定される電子文書が存在する文書サーバ20)を決定する(ステップ342)。なお、識別情報記憶部33において媒体識別情報に文書IDが関連付けられていなければ、その媒体識別情報は白紙(ノートや付箋)に割り当てられたものであると考えられる。その場合は、白紙に対する筆跡情報を管理する文書サーバ20を送信先として決定すればよい。
その後、媒体識別情報および筆跡情報は送信部39に渡され、送信部39が、ステップ342で送信先として決定した文書サーバ20に対し、媒体識別情報および筆跡情報を送信する(ステップ343)。
【0090】
それにより、文書サーバ20では、受信部21が、媒体識別情報および筆跡情報を受信する(ステップ241)。そして、受信部21は、受信した媒体識別情報を文書/筆跡情報管理部23に渡す。すると、文書/筆跡情報管理部23は、媒体識別情報と筆跡情報とを対応付けて文書/筆跡情報記憶部25に記憶する(ステップ242)。それに伴い、文書/筆跡情報管理部23は、電子文書管理テーブルにおいて、対応する媒体識別情報に関連付けて筆跡情報の格納場所を登録する(図4参照)。
【0091】
ところで、本実施の形態の文書管理システムでは、文書サーバ20が電子文書や筆跡情報を管理し、識別情報サーバ30が媒体を一意に識別するための識別情報を生成/管理するように構成した。しかしながら、これらの処理を如何なる装置で行うかについては種々のバリエーションが考えられる。例えば、媒体識別情報を生成/管理する処理は、文書サーバ20で行ってもよいし、端末装置50や画像形成装置40で行ってもよい。
そのため、これらの処理を汎用的な装置としてのコンピュータ200で行うものとして一般化できる。そこで、文書管理システムを構成する端末装置10、文書サーバ20、識別情報サーバ30、端末装置50、および情報公開サーバ80がコンピュータ200で構成されるものとして、コンピュータ200のハードウェア構成について説明する。
【0092】
ここで図18は、コンピュータ200のハードウェア構成を示した図である。
図18に示したように、コンピュータ200は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)201と、記憶手段であるメインメモリ202および磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive) 203とを備える。ここで、CPU201は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、上述した各機能を実現する。また、メインメモリ202は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置203は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
さらに、コンピュータ200は、外部との通信を行うための通信I/F(Interface) 204と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構205と、キーボードやマウス等の入力デバイス206とを備える。
【0093】
なお、本実施の形態を実現するプログラムは、例えば、磁気ディスク装置203の予約領域に格納されたプログラムを、メインメモリ202にロードして実行される場合がある。また、予めメインメモリ202に格納された状態にて、CPU201で実行される形態がある。さらに、EEPROM等の書き換え可能なメインメモリ202を備えている場合には、機器がアッセンブリされた後に、プログラムだけが提供されてメインメモリ202にインストールされる場合がある。このプログラムの提供に際しては、インターネット等のネットワークを介して通信I/F204からプログラムが伝送され、メインメモリ202にインストールされる形態も考えられる。
【0094】
以上説明したように、本実施の形態の文書管理システムでは、印刷文書に印刷された電子文書に関連付けられた公開情報を記憶した情報公開サーバ80に対して公開情報の閲覧要求が行われた場合には、その公開情報に関するアクセス権を有する特定人からの閲覧要求であった場合に限り、閲覧要求された公開情報を送信する。そして、その場合に、公開情報に関するアクセス権の設定は、例えば「Aさん」と「Bさん」とが対面し、「Aさん」および「Bさん」それぞれが、所定時間内に(例えば、ほぼ同時刻)に、自身のデジタルペン60aおよびデジタルペン60bから電子文書が印刷された媒体の媒体識別情報を読み取ることにより行われる。
それにより、例えばキーボード等の操作入力手段からユーザ識別情報やパスワード等を入力する手間が省かれるので、公開情報へのアクセス権の設定手続きの簡略化が図られる。さらには、アクセス権の設定に際する管理コストが低減される。また、「Aさん」と「Bさん」とが対面したことを以ってアクセス権が設定されることから、不特定者へのアクセス権の漏洩が抑制され、文書管理に関する安全性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本実施の形態の文書管理システムの構成の一例を示した図である。
【図2】文書サーバの機能構成の一例を示したブロック図である。
【図3】符号画像を構成する画像等の一例を示した図である。
【図4】文書/筆跡情報記憶部に記憶された電子文書管理テーブルを示した図である。
【図5】識別情報サーバの機能構成の一例を示したブロック図である。
【図6】デジタルペンの構成の一例を示した図である。
【図7】制御回路の機能構成の一例を示したブロック図である。
【図8】情報公開サーバの機能構成を説明する図である。
【図9】公開情報記憶部に記憶された公開文書管理テーブルを示した図である。
【図10】文書管理システムにて電子文書についての文書画像を媒体に印刷してからアクセス権が設定されるまでの流れを説明する図である。
【図11】医師「Aさん」が患者「Bさん」にアクセス権を設定する際のデジタルペンおよび情報公開サーバの動作の一例を示したシーケンス図である。
【図12】公開情報管理部にて作成された比較テーブルの一例を示した図である。
【図13】患者「Bさん」が医師「Aさん」から手渡された印刷文書(媒体)に印刷された電子文書に関連付けられた公開情報にアクセスする際のデジタルペンおよび情報公開サーバの動作の一例を示したシーケンス図である。
【図14】情報公開サーバのアドレス情報が記録された印刷文書(媒体)の一例を示した図である。
【図15】同一の媒体識別情報を用いて複数の公開情報へのアクセス権を設定する際に用いられる媒体を示した図である。
【図16】文書管理システムにて印刷文書が生成される際の動作の一例を示したシーケンス図である。
【図17】筆跡情報を登録する際の識別情報サーバおよび文書サーバの動作の一例を示したシーケンス図である。
【図18】コンピュータのハードウェア構成を示した図である。
【符号の説明】
【0096】
10…端末装置、20…文書サーバ、30…識別情報サーバ、40…画像形成装置、50…端末装置、60(60a,60b)…デジタルペン、71,72…通信装置、80…情報公開サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書画像と媒体を識別する媒体識別情報とが印刷された当該媒体から当該媒体識別情報を読み取る複数の識別情報読取手段と、
前記媒体識別情報と前記文書画像の元となる電子文書に関連付けられた文書関連情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記文書関連情報へのアクセス権を前記媒体識別情報および前記識別情報読取手段に対応付けて設定するアクセス権設定手段とを備え、
前記アクセス権設定手段は、前記アクセス権をすでに有する一の前記識別情報読取手段を含む複数の前記識別情報読取手段が同一の前記媒体識別情報を所定時間内に読み取った場合に、当該一の識別情報読取手段以外の他の当該識別情報読取手段に対し、前記文書関連情報へのアクセス権を当該媒体識別情報に対応付けて設定することを特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶された前記文書関連情報へのアクセスを許可するか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記アクセス権が設定された前記識別情報読取手段により当該識別情報読取手段に対応付けられた前記媒体識別情報が読み取られた場合に、当該媒体識別情報に対応付けられた前記文書関連情報へのアクセスを許可することを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項3】
前記識別情報読取手段は、当該識別情報読取手段を識別する読取手段識別情報が対応付けられ、前記アクセス権設定手段は、当該読取手段識別情報により当該識別情報読取手段を特定することを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記文書関連情報を前記媒体識別情報が印刷された前記媒体上の位置にさらに対応付けて記憶し、
前記アクセス権設定手段は、前記識別情報読取手段により前記媒体識別情報が読み取られる前記媒体上の位置に応じて異なる前記文書関連情報への前記アクセス権を設定することを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記識別情報読取手段にて前記媒体識別情報が読み取られる前記媒体は、当該媒体上の位置に応じて異なる複数の前記媒体識別情報が印刷されたことを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項6】
文書画像と媒体を識別する媒体識別情報とが印刷された当該媒体から当該媒体識別情報を読み取る識別情報読取手段から、読み取られた当該媒体識別情報と当該識別情報読取手段を識別する読取手段識別情報とを取得する情報取得手段と、
前記媒体識別情報と前記文書画像の元となる電子文書に関連付けられた文書関連情報とを対応付けて記憶する記憶手段に記憶された当該文書関連情報へのアクセス権を、当該媒体識別情報および前記読取手段識別情報に対応付けて設定するアクセス権設定手段とを備え、
前記アクセス権設定手段は、前記読取手段識別情報に前記アクセス権がすでに設定された一の前記識別情報読取手段を含む複数の前記識別情報読取手段が同一の前記媒体識別情報を所定時間内に読み取った場合に、当該一の識別情報読取手段以外の他の当該識別情報読取手段の前記読取手段識別情報に対し、前記文書関連情報への当該アクセス権を当該媒体識別情報に対応付けて設定することを特徴とする文書管理装置。
【請求項7】
前記記憶手段に記憶された前記文書関連情報へのアクセスを許可するか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記読取手段識別情報に前記アクセス権が設定された前記識別情報読取手段により当該読取手段識別情報に対応付けられた前記媒体識別情報が読み取られた場合に、当該媒体識別情報に対応付けられた前記文書関連情報へのアクセスを許可することを特徴とする請求項6記載の文書管理装置。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記文書関連情報を前記媒体識別情報が印刷された前記媒体上の位置にさらに対応付けて記憶し、
前記アクセス権設定手段は、前記識別情報読取手段により前記媒体識別情報が読み取られる前記媒体上の位置に応じて異なる前記文書関連情報へのアクセス権を設定することを特徴とする請求項6記載の文書管理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
文書画像と媒体を識別する媒体識別情報とが印刷された当該媒体から当該媒体識別情報を読み取る識別情報読取手段から、読み取られた当該媒体識別情報と当該識別情報読取手段を識別する読取手段識別情報とを取得する機能と、
前記媒体識別情報と前記文書画像の元となる電子文書に関連付けられた文書関連情報とを対応付けて記憶する記憶手段に記憶された当該文書関連情報へのアクセス権を、前記読取手段識別情報に前記アクセス権がすでに設定された一の前記識別情報読取手段を含む複数の前記識別情報読取手段が同一の前記媒体識別情報を所定時間内に読み取った場合に、当該一の識別情報読取手段以外の他の当該識別情報読取手段の前記読取手段識別情報に対し、当該媒体識別情報に対応付けて設定する機能と
を実現することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
前記読取手段識別情報に前記アクセス権が設定された前記識別情報読取手段により当該読取手段識別情報に対応付けられた前記媒体識別情報が読み取られた場合に、前記記憶手段に記憶された前記文書関連情報へのアクセスを許可する機能をさらに実現することを特徴とする請求項9記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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