説明

文書管理装置および文書管理方法

【課題】
文書に手書きで新たに追記された部分を電子的な画像データとして抽出して管理し、管理する画像データをユーザが任意に選択して合成画像として1枚の出力媒体に組み合わせて印刷することができる文書管理装置および文書管理方法を提供する。
【解決手段】
用紙に追記情報が追記された各世代の文書のイメージデータをスキャナ部31で読取り、スキャナ部31で読み取った各世代の文書のイメージデータとサーバ20に記憶管理する前世代のイメージデータとの差分データを手書き情報抽出部36が抽出することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを取得し、取得した該世代の追記情報のイメージデータをサーバ20に記憶管理させるように画像形成装置30を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理装置および文書管理方法に関し、特に、文書に手書きで新たに追記された部分を電子的な画像データとして抽出して保存管理し、保存管理する画像データをユーザが任意に選択して合成画像として1枚の出力媒体に組み合わせて印刷することができる文書管理装置および文書管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、文書の電子化に伴って、紙面に記されたデータをスキャナで読み取り、文書を電子的に管理する文書管理ツールが出回っている。
【0003】
そして、特許文献1には、個々にスキャンした文書の画像について、複数の画像を1枚の出力媒体に自動的に組み合わせる画像形成方法が提案されている。
【特許文献1】特開2002−135568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、特許文献1の発明は紙面全体に記載されたデータを1枚の出力媒体に組み合わせることはできるが、紙面に記載されたデータの一部分を抜き出して1枚の出力媒体に組み合わせることはできず、さらに、紙に新たに追記されたデータを抽出して電子的に管理することはできなかった。
【0005】
そこで、この発明は、文書に手書きで新たに追記された部分を電子的な画像データとして抽出して管理し、管理する画像データをユーザが任意に選択して合成画像として1枚の出力媒体に組み合わせて印刷することができる文書管理装置および文書管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する為、請求項1の発明は、用紙に記載された追記情報を順次追記することにより得られた文書を管理する文書管理装置において、前記追記情報が追記された各世代の文書のイメージデータを用紙から読取る読取り手段と、前記読取り手段で読取られた各世代の文書のイメージデータと前世代の文書のイメージデータとを比較することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを判別する判別手段と、前記判別手段で判別された前記追記情報のイメージデータを世代情報として順次記憶管理する記憶管理手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記読取り手段で読み取った文書のイメージデータに前記世代情報の参照情報を付加して印刷する印刷手段を更に具備することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記読取り手段は、前記文書のイメージデータの読取りに際して前記参照情報を読取り、前記判別手段は、前記読取り手段で読取った参照情報により前記記憶管理手段から前記世代情報を取得して前記前世代の文書のイメージデータを合成し、前記読取り手段で読取られた各世代の文書のイメージデータと該合成した前世代の文書のイメージデータとを比較することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを判別することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項2または3の発明において、前記印刷手段は、前記世代情報に対応する参照情報を電子透かし情報として印刷する文書のイメージデータに埋め込んで印刷することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明において、前記記憶管理手段に管理された少なくとも1つの世代情報を選択する選択手段と、前記選択手段で選択された世代情報に対応するイメージデータを含む文書を前記記憶管理手段に記憶管理された前記追記情報のイメージデータに基づき合成する合成手段とを更に具備し、前記印刷手段は、前記合成手段で合成した文書に前記選択手段で選択された世代情報の参照情報を付加して印刷し、前記記憶管理手段は、前記参照情報に基づき前記世代情報を記憶管理することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記合成手段は、前記選択手段で選択された世代情報に対応する参照情報に基づき前記世代情報に対応するイメージデータを前記記憶管理手段から取得して前記文書の合成を行なうことを特徴とする。
【0012】
また、請求項7の発明は、請求項5または6の発明において、前記印刷手段は、前記選択手段で選択された世代情報に対応する参照情報を電子透かし情報として印刷する文書のイメージデータに埋め込んで印刷することを特徴とする。
【0013】
また、請求項8の発明は、用紙に記載された追記情報を順次追記することにより得られた文書を管理する文書管理装置において、前記追記情報が追記された各世代の文書のイメージデータを用紙から読取る読取り手段と、前記読取り手段で読み取られた各世代の文書のイメージデータと前世代の文書のイメージデータとを比較することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを判別する判別手段と、前記判別手段により該世代の文書のイメージデータに追記された追記情報のイメージデータが含まれると判別された場合には、前記読取り手段で読み取られた各世代の文書のイメージデータを世代情報として順次記憶管理する記憶管理手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
また、請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記読取り手段で読み取った文書のイメージデータに前記世代情報の参照情報を付加して印刷する印刷手段を更に具備することを特徴とする。
【0015】
また、請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記読取り手段は、前記文書のイメージデータの読取りに際して前記参照情報を読取り、前記判別手段は、前記読取り手段で読取った参照情報により前記記憶管理手段から前記前世代の文書のイメージデータを取得し、前記読取り手段で読取られた各世代の文書のイメージデータと該取得した前世代の文書のイメージデータとを比較することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを判別することを特徴とする。
【0016】
また、請求項11の発明は、請求項9または10の発明において、前記印刷手段は、前記世代情報に対応する参照情報を電子透かし情報として印刷する文書のイメージデータに埋め込んで印刷することを特徴とする。
【0017】
また、請求項12の発明は、請求項8乃至11のいずれかの発明において、前記記憶管理手段に管理された世代情報に含まれる前記追記情報から少なくとも1つの追記情報を選択する選択手段と、前記選択手段で選択された追記情報に対応するイメージデータを含む文書を前記記憶管理手段に記憶管理された前記世代情報のイメージデータに基づき作成する作成手段とを更に具備し、前記印刷手段は、前記作成手段で作成した文書に前記選択手段で選択された追記情報の参照情報を付加して印刷することを特徴とする。
【0018】
また、請求項13の発明は、請求項12の発明において、前記作成手段は、前記選択手段で選択された追記情報が前記判別手段によって判別されて前記記憶管理手段に記憶管理された世代情報に対応する参照情報に基づき当該世代情報に対応する第1のイメージデータと当該世代情報の前世代の世代情報に対応する第2のイメージデータとを取得し第1のイメージデータと第2のイメージデータとの差分を抽出して、前記選択手段で選択された該追記情報に対応するイメージデータを取得して、前記文書の作成を行なうことを特徴とする。
【0019】
また、請求項14の発明は、請求項12はたは13の発明において、前記印刷手段は、前記選択手段で選択された追記情報に対応する参照情報を電子透かし情報として印刷する文書のイメージデータに埋め込んで印刷することを特徴とする。
【0020】
また、請求項15の発明は、用紙に記載された追記情報を順次追記することにより得られた文書を管理する文書管理方法において、前記追記情報が追記された各世代の文書のイメージデータを用紙から読取り手段によって読取り、前記読取り手段で読取られた各世代の文書のイメージデータと前世代の文書のイメージデータとを比較することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを判別手段によって判別し、前記判別手段で判別された前記追記情報のイメージデータを世代情報として記憶管理手段によって順次記憶管理することを特徴とする。
【0021】
また、請求項16の発明は、用紙に記載された追記情報を順次追記することにより得られた文書を管理する文書管理方法において、前記追記情報が追記された各世代の文書のイメージデータを用紙から読取り手段によって読取り、前記読取り手段で読み取られた各世代の文書のイメージデータと前世代の文書のイメージデータとを比較することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを判別手段によって判別し、前記判別手段により該世代の文書のイメージデータに追記された追記情報のイメージデータが含まれると判別された場合には、前記読取り手段で読み取られた各世代の文書のイメージデータを世代情報として記憶管理手段によって順次記憶管理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、追記情報が追記された各世代の文書のイメージデータを用紙から読取る読取り手段と、読取り手段で読取られた各世代の文書のイメージデータと前世代の文書のイメージデータとを比較することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを判別する判別手段と、判別手段で判別された追記情報のイメージデータを世代情報として順次記憶管理する記憶管理手段とを具備するように構成したので、文書に手書きで新たに追記された部分を電子的な画像データとして抽出して管理し、管理する画像データをユーザが任意に選択して合成画像として1枚の出力媒体に組み合わせて印刷することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係わる文書管理装置および文書管理方法の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
まず、本発明に係わる画像形成装置30で構成されるシステム構成について図1を参照して説明を行なう。
【0025】
図1は、本発明に係わる画像形成装置30で構成される画像管理システム1のシステム構成を示す構成図である。
【0026】
画像管理システム1は、ネットワーク15にパーソナルコンピュータ(以下、PCと記す)10とサーバ20と画像形成装置30とが接続されている。
【0027】
PC10は、サーバ20に保存された画像データを選択する合成画像生成画面の表示や、第1世代の文書を印刷するための印刷ジョブを画像形成装置30に送信する。
【0028】
サーバ20は、画像形成装置30でスキャンされた、第1世代の文書の画像データや差分データとして抽出された追記の部分の画像データである手書きデータ(以下、世代に関係なく、差分データとして抽出された追記の部分の画像データを手書きデータと呼ぶ)の保存を行なう。
【0029】
画像形成装置30は、スキャナ部31、制御部32、電子透かし情報読出部33、電子透かし情報生成部34、電子透かし情報埋込部35、手書き情報抽出部36、合成画像生成部37、印刷実行部38、ネットワークインタフェース部(以下、ネットワークI/F部と記す)39、表示/操作部40を備え、文書に追記された手書きデータを抽出してサーバ20に保存させる処理や、サーバ20に保存される手書きデータ等の画像データを合成して合成画像を印刷する等の処理を行う。
【0030】
画像形成装置30のスキャナ部31は、スキャナとして構成されスキャナ部31にセットされた文書をスキャンして、セットされた文書の画像データを読み取って、画像データの取得を行なう。
【0031】
画像形成装置30の制御部32は、画像形成装置30の統括的な制御を行う。
【0032】
画像形成装置30の電子透かし情報読出部33は、スキャナ部31で読み取った文書の電子透かし情報を読み出す。
【0033】
画像形成装置30の電子透かし情報生成部34は、電子透かし情報を生成する。
【0034】
画像形成装置30の電子透かし情報埋込部35は、電子透かし情報生成部34で生成された電子透かし情報を画像データに埋め込む。
【0035】
電子透かし情報は、印刷される画像データ中に埋め込まれる一見すると見ることのできないデータであり、印刷される文字情報の間隔に情報を埋め込む等の技術である。
【0036】
電子透かし情報として記録される内容は、画像データがサーバ20に保存される際の保存先であるサーバ20内のアドレスや、サーバ20に保存される画像データに付されるシリアル番号等である。
【0037】
画像形成装置30の手書き情報抽出部36は、スキャナ部31でスキャンした文書から、新たに追記された手書きデータを差分データとして抽出する。
【0038】
画像形成装置30の合成画像生成部37は、サーバ20に保存される画像データが組み合わされて合成される指示がなされた場合に、ユーザによって選択された画像データを組み合わせて合成画像を生成する。
【0039】
画像形成装置30の印刷実行部38は、PC10から受信した印刷ジョブから画像データを生成して印刷を行なう処理や、電子透かし情報が埋め込まれた画像データの印刷等の印刷処理を行う。
【0040】
画像形成装置30のネットワークI/F部39は、ネットワーク15と接続されており、サーバ20やPC10と情報の授受を行なう。
【0041】
画像形成装置30の表示/操作部40は、タッチパネルで構成されており、ユーザに情報を表示し、また、ユーザからの指示を受け付ける。
【0042】
このように構成される画像管理システム1は、画像形成装置30のスキャナ部31で用紙にデータが記載された第1世代の文書がスキャンされて電子透かし情報が埋め込まれて印刷され、そして、その印刷された文書に手書き等によって情報が追記されると、その追記されて作成された第2世代の文書が再度スキャナ部31でスキャンされ、第2世代の文書の中から手書きで追記されたデータだけが抽出されて、その抽出された手書きデータがサーバ20に保存され、スキャンされた第2世代の文書の画像に電子透かし情報が埋め込まれた文書が印刷される。
【0043】
第2世代の文書からさらに追記が行われて作成された第3世代の文書も同様にスキャナ部31でスキャンされることで、追記された手書きデータが抽出されてサーバ20に保存され、電子透かし情報が埋め込まれて印刷される。
【0044】
このように文書の世代については、用紙にデータが記載された最初の文書を第1世代の文書、第1世代の文書の画像データが保存された後に印刷される電子透かし情報が埋め込まれた第1世代文書の画像が印刷された文書に更に追記が行なわれた文書を第2世代の文書、第2世代の文書の手書きデータが保存された後に印刷される電子透かし情報が埋め込まれた第2世代の文書の画像が印刷された文書に更に追記が行なわれた文書を第3世代の文書というように、手書きデータが保存された後に印刷される電子透かし情報が埋め込まれた文書に追記が行なわれることによって世代が1つずつ上がっていくものとする。
【0045】
また、画像形成装置30では、サーバ20に保存された画像データからユーザが表示/操作部40やPC10で任意に選択して、選択された画像を合成して合成画像を生成し1枚の出力媒体に印刷することもできる。
【0046】
次に、画像形成装置30で文書がスキャンされて、差分データの抽出や選択された画像データから合成画像の生成等を行い印刷が行われる処理の概要について図2を参照して説明する。
【0047】
図2は、画像形成装置30で文書がスキャンされて、合成された画像データが印刷される処理の概要を示した模式図である。
【0048】
図2に示すように、画像形成装置30においてスキャンされる文書201は、電子透かし情報202の部分と目に見える部分の文書内容203とに分けられ、電子透かし情報202は電子透かし情報読出部33で読み取られてサーバ20内のアドレスが取得される(参照番号204)。
【0049】
取得されたアドレスにはスキャンされた文書201の前世代である文書の手書きデータが保存されており、その前世代の文書の第1世代となる文書の画像データから当該前世代までの手書きデータがサーバ20より読み出され(参照番号206)、読み出された画像データ(手書きデータを含む)を元に文書内容203から手書きデータが抽出される(参照番号205)。
【0050】
そして、抽出した手書きデータ(請求項1乃至7の世代情報に相当)をサーバ20に保存する(参照番号207)。
【0051】
そして文書内容203の画像データが印刷される画像データ(参照番号208)として扱われ、参照情報として、サーバ20に保存したサーバ20内のアドレスや印刷出力する文書のシリアル番号を示す電子透かし情報(参照番号209)が埋め込まれた文書が印刷される(参照番号210)。
【0052】
また、画像形成装置30では、サーバ20に蓄えられた画像データ(手書きデータを含む)が任意に選択され、選択された画像データが合成された合成画像が印刷される場合もあり、そのときには選択された画像データがサーバ20から読み出されて(参照番号211)合成画像が生成される(参照番号212)。
【0053】
生成された合成画像(参照番号208)は、選択された画像データを特定できる情報と印刷出力する文書のシリアル番号とを示す電子透かし情報(参照番号209)が埋め込まれて印刷される(参照番号210)。
【0054】
このように、画像形成装置30では、スキャンした文書に新たに追記された手書きデータを抽出してサーバ20に保存する処理や、サーバ20に蓄えた画像データを合成して合成画像を印刷出力する処理が行われる。
【0055】
次に、画像形成装置30で行われる処理について図3、図4のフローチャートを参照して詳しく説明する。
【0056】
図3、図4は、画像形成装置30で行われる処理について示したフローチャートである。
【0057】
画像形成装置30では、図3に示すように、最初にスキャナ部31で用紙にデータが記載された文書がスキャンされると(ステップ301)、電子透かし情報読出部33が文書の電子透かし情報の読み取り処理を行う(ステップ302)。
【0058】
電子透かし情報読出部33が文書の電子透かし情報を読み取れなかった場合には(ステップ303でNO)、スキャンした文書を本システムである画像管理システム1に登録するか否かが表示/操作部40からユーザによって選択され(ステップ304)、登録しないと選択された場合には(ステップ304でNO)、単なる複写処理としてスキャンした文書の画像データの印刷を行う(ステップ305)。
【0059】
また、ユーザによって、スキャンした画像を画像管理システム1に登録するように選択された場合には(ステップ304でYES)、スキャンした文書の画像データが制御部32によってサーバ20に保存される(ステップ306)。
【0060】
そして、参照情報として、保存したサーバ20のアドレスと第1世代の文書を示すシリアル番号とを示す電子透かし情報が電子透かし情報生成部34で生成され(ステップ307)、電子透かし情報埋込部35で電子透かし情報が文書の画像データに埋め込まれる(ステップ308)。
【0061】
そして、電子透かし情報が埋め込まれた文書が印刷実行部38で印刷される(ステップ309)。
【0062】
このようにして出力された第1世代の画像が印刷された文書には、スキャンされた文書内容と文書の画像データが保存されたサーバ20内のアドレス並びに第1世代ということが明確になるシリアル情報の電子透かし情報とが印刷されている。
【0063】
ユーザは、次に、このようにして出力された第1世代の画像が印刷された文書に手書き等によって追記を行い、第1世代の画像が印刷された文書に手書きデータが追記された第2世代の文書を画像形成装置30でスキャンする。
【0064】
画像形成装置30は、スキャナ部31で第2世代の文書のスキャンを行なうと(ステップ301)、文書の電子透かし情報の読み取り処理を行い(ステップ302)、読取り可能であった場合には(ステップ303でYES)、読み取った電子透かし情報からサーバ20内のアドレスを制御部32が取得する(ステップ310)。
【0065】
サーバ20内のアドレスが取得されると、サーバ20から、画像形成装置30のスキャナ部31で読み取った第2世代の文書についての第1世代から最新の世代までの保存された画像データが読み出され(この場合はスキャンした文書が第2世代なので第1世代だけが読み出されるが、スキャンした文書が例えば第4世代の場合には、第1世代から第3世代まで或いは第1世代から第4世代までの画像データが読み出される)、そのときまで画像形成装置30にスキャンされて画像データがサーバ20に保存された文書の中から最新の世代の文書の画像データが合成される(ステップ311)。
【0066】
この合成された最新世代の文書の画像データとスキャンした文書の画像データとを比較することによって、スキャンした文書が、過去に処理されてサーバ20に保存された文書と同じ文書であるかまたはサーバ20に保存されていない新たなデータが追記された新しい世代の文書であるかが判別される。
【0067】
その判別をする為に、ステップ311で合成された画像とスキャンした文書の画像との差分の抽出が行なわれ(ステップ312)、そして図4に示すように、違いがある場合には(ステップ313でYES)スキャンした文書は過去にサーバ20に保存されていないデータが記載されている新しい世代の文書であると判断され、手書きデータの抽出処理が行なわれる。
【0068】
違いがあると判断された場合には(ステップ313でYES)、制御部32は、ステップ312で抽出された差分データである画像データを新たに追記された手書きデータとしてサーバ20に保存する(ステップ314)。
【0069】
画像データがサーバ20に保存される際には前の世代の文書から保存された画像データとの関係が明確になるように手書きデータにシリアル番号が付けられて保存される。
【0070】
差分データが手書きデータとしてサーバ20に保存されると、参照情報として、保存されたサーバ20内のアドレスとスキャンした文書の世代が明確になるシリアル番号とを示す電子透かし情報が電子透かし情報生成部34で生成される(ステップ315)。
【0071】
ステップ315で生成された電子透かし情報は、電子透かし情報埋込部35によって、ステップ301でスキャンされた第2世代の文書の文書内容を示す画像データに埋め込まれる(ステップ316)。
【0072】
そして、保存先であるサーバ20内のアドレスとシリアル番号とを示す電子透かし情報が埋め込まれた第2世代の文書の文書内容を示す画像データの印刷が制御部32によって印刷実行部38で行なわれる(ステップ317)。
【0073】
このようにして(ステップ301、302、303でYES、310、311、312、313でYES、314、315、316、317)、第2世代の文書がスキャンされて第2世代の文書の文書内容の画像データに手書きデータが保存されたサーバ20内のアドレス等を示す電子透かし情報が埋め込まれて印刷が行なわれる。
【0074】
また、ステップ312で、サーバ20より読み出して合成したサーバ20に登録した最新世代の文書の画像とスキャンした文書の画像との差分抽出を行なって違いが無い場合には(ステップ313でNO)、スキャンした文書は過去に処理されてサーバ20に保存された文書であると判断され、保存された画像データ(第1世代の画像データや手書きデータ)から任意に画像データが選択されて、選択された画像データによって合成画像が生成される合成画像生成の処理が行なわれる。
【0075】
違いがないと判断されると(ステップ313でNO)、制御部32は、ステップ310で取得したアドレスに保存された文書に係わる画像データ(ステップ301でスキャンした文書より前の世代の文書からサーバ20に保存された画像データ)の保存先であるサーバ20内のアドレスを取得し、合成画像表示/操作部40に、画像データを選択するための合成画像生成画面を表示する(ステップ318)。
【0076】
サーバ20から取得されるサーバ20内のアドレスは、合成画像生成画面で選択可能な画像データが保存されているアドレスとなる。
【0077】
表示/操作部40に合成画像生成画面が表示されると、ユーザは、表示された合成画像生成画面から画像を合成する為の画像データの選択を行なって表示/操作部40より選択した画像データを入力する。
【0078】
画像形成装置30は、表示/操作部40を通して画像データの選択を受け付けると(ステップ319)、選択された画像データを、ステップ318で取得したアドレスから読出し、合成画像生成部37で合成画像を生成する(ステップ320)。
【0079】
合成画像が生成されると(ステップ320)、参照情報として、合成画像を生成するために組み合わされた画像データを特定できる情報(画像データのシリアル番号でも画像データの保存先のアドレスでもよい)と合成画像であるという情報とを示す電子透かし情報が電子透かし情報生成部34で生成される(ステップ321)。
【0080】
電子透かし情報が生成されると、生成された電子透かし情報は電子透かし情報埋込部35によってステップ320で生成された合成画像に埋め込まれる(ステップ322)。
【0081】
そして、電子透かし情報が埋め込まれた合成画像が印刷実行部38で印刷される(ステップ323)。
【0082】
このようにして(ステップ301、302、303でYES、310、311、312、313でNO、318、319、320、321、322、323)、第2世代の文書がスキャンされると第2世代の文書がスキャンされるまでにサーバ20に蓄えられた画像データから任意の画像データが組み合わされた合成画像の印刷が行われる。
【0083】
また、画像形成装置30では、第N世代(Nは2以上の自然数)の文書の手書きデータの保存についても第2世代の文書から抽出される手書きデータの保存と同様の処理が行われる(ステップ301、302、303でYES、310、311、312、313でYES、314、315、316、317の処理)。
【0084】
また、画像形成装置30では、第N世代(Nは自然数)の文書からサーバ20に保存された画像データの合成画像の印刷についても第2世代の文書がスキャンされて行なわれる合成画像の印刷と同様の処理が行われる(ステップ301、302、303でYES、310、311、312、313でNO、318、319、320、321、322、323の処理)。
【0085】
次に、文書に追記が行なわれて、追記された手書きデータが保存される様子について図5を参照して説明を行なう。
【0086】
図5は、文書に追記が行なわれて、追記された手書きデータが保存される様子について示した模式図である。
【0087】
画像形成装置30で第1世代の文書501がスキャンされると、画像管理システム1に登録する要望をユーザから受け付けて(参照番号502)、第1世代の文書501のスキャンされた画像データ503がサーバ20に保存され、スキャンされた画像データ503に電子透かし情報が埋め込まれた文書504が印刷される。
【0088】
そして、ユーザは電子透かし情報が埋め込まれた第1世代の文書501の画像が印刷された文書504に、記号505を追記する。
【0089】
記号505が追記されると、本システムでは、追記された記号505を抽出してサーバ20に保存するために、記号505が追記された第2世代の文書506が画像形成装置30でスキャンされる。
【0090】
画像形成装置30でスキャンされた第2世代の文書506には電子透かし情報が埋め込まれているので、第1世代の文書501の画像データ503がサーバ20から読み出され、スキャンされた第2世代の文書506の画像データと第1世代の文書501の画像データ503との差分画像データが抽出される(参照番号507)。
【0091】
抽出された差分画像データは、第2世代の手書きデータ508としてサーバ20に保存され、そして、スキャンされた第2世代の文書506の文書内容に電子透かし情報が埋め込まれた文書509の印刷が行われる。
【0092】
このように第N世代の文書から抽出される手書きデータを第N世代の手書きデータ(または第N世代の画像データ)という。
【0093】
そして、ユーザが電子透かし情報が埋め込まれた第2世代の文書506の画像が印刷された文書509に、記号510を追記する。
【0094】
記号510が追記されると、本システムでは追記された記号510を抽出して保存するために、ユーザによって記号510が追記された第3世代の文書511が画像形成装置30でスキャンされる。
【0095】
画像形成装置30でスキャンされた第3世代の文書511には電子透かし情報が埋め込まれているので、前の世代の画像データがサーバ20から読み出され、スキャンされた第3世代の文書の画像データから第3世代において手書きされた記号510が抽出される(参照番号512)。
【0096】
抽出された手書きデータ513は、第3世代の手書きデータ513としてサーバ20に保存され、そして、サーバ20に保存されたアドレス等を示す電子透かし情報をスキャンされた文書511の文書内容の画像データに埋め込んで、電子透かし情報が埋め込まれた文書514が印刷される。
【0097】
次に、追記された文書が画像形成装置30でスキャンされて、追記された手書きデータが画像形成装置30で抽出される処理について図6を参照して説明する。
【0098】
図6は、追記された文書が画像形成装置30でスキャンされて、追記された手書きデータが画像形成装置30で抽出される処理について示した模式図である。
【0099】
説明を容易にするために図5を参照して説明した第3世代の文書がスキャンされて手書きデータが抽出される処理について説明する。
【0100】
まず、第3世代の文書がスキャンされると、第3世代の文書に埋め込まれた電子透かし情報より前の世代の画像データである第1世代の画像データ503と第2世代の手書きデータ508がサーバ20から読み出され、スキャンされた第3世代の文書の画像データ601から第1世代の画像データ503と第2世代の手書きデータ508とが各画素間で差分処理されることで差分データが抽出され、第3世代の手書きデータ513が抽出される。
【0101】
このようにスキャンされた文書の文書内容示す画像データから前の世代の画像データが差分処理されることで、スキャンされた文書の世代の手書きデータが抽出される。
【0102】
次に、サーバ20に保存される画像データの世代間の関係について、図7を参照して説明をする。
【0103】
図7は、サーバ20に保存される画像データの世代間の関係について示した模式図であり、図7(a)はツリー構造を示す模式図であり、図7(b)はシリアル番号が登録される表である。
【0104】
まず、第1世代の文書の画像データ(1)701(「(1)」は画像データに付されるシリアル番号であって、また、「701」は添付図面の参照番号を示す。)が保存されると、第1世代の文書の画像データに電子透かし情報が埋め込まれた文書が印刷され、印刷された該文書に追記が行われ第2世代の文書が作成される。
【0105】
第2世代の文書は、第1世代の文書の画像データに電子透かし情報が埋め込まれた文書に追記が行われて作成されるのであって、当該文書を複数枚印刷してそれぞれの用紙に異なる内容を追記すれば、複数種類の第2世代の文書が作成される。
【0106】
このように作成された複数種類の第2世代の文書も画像形成装置30によって、手書きデータが抽出されて、サーバ20に保存されるので、例えば、サーバ20では、第2世代の文書の手書きデータ(2A)702、手書きデータ(2B)703、手書きデータ(2C)704、手書きデータ(2D)705が、第2世代の手書きデータとして保存される。
【0107】
また、第2世代の手書きデータ(2B)703が記された第2世代の文書の画像が印刷されて電子透かし情報が印刷された文書に追記が行なわれると、第3世代の文書が作成される。
【0108】
この手書きデータ(2B)703が記された第2世代の文書の画像が印刷された文書を元に作成された第3世代の文書について、画像形成装置30によって、該第3世代の文書に追記された手書きデータ(3A)706が保存されると、サーバ20では、手書きデータ(3A)706は手書きデータ(2B)703と関連付けられて、手書きデータ(2B)703が記された文書に追記が行なわれた文書の手書きデータとして保存される。
【0109】
また、手書きデータ(2B)703が記された第2世代の文書の画像が印刷された文書を元に作成された第3世代の文書について、画像形成装置30によって、第3世代の手書きデータ(3B)707が保存されると、サーバ20では、手書きデータ(3B)707は手書きデータ(2B)703と関連付けられて、手書きデータ(2B)703が記された文書に追記が行なわれた文書の手書きデータとして保存される。
【0110】
また、第2世代の手書きデータ(2D)705が記された第2世代の文書の画像が印刷された文書を元に作成された第3世代の文書について、画像形成装置30によって、第3世代の手書きデータ(3C)708が保存されると、手書きデータ(3C)708は手書きデータ(2D)705と関連付けられて、手書きデータ(2D)705が記載された文書に追記が行なわれた文書の手書きデータとして保存される。
【0111】
このように、サーバ20に保存される手書きデータは、どの文書を元に追記が行なわれて作成された文書の手書きデータであるかが明確になるように概念上ツリー構造をなして保存される。
【0112】
このような、サーバ20に保存された画像データの関連付けを示すツリー構造は、保存される画像データに付されたシリアル番号が、保存される画像データの世代と、前世代の画像データとの関係とが明確になるように、図7(b)に示すように、サーバ20内で表に登録されて管理されるが、他の管理方法によって画像データの世代間の関係が明確になるようにツリー構造が管理されてもよい。
【0113】
また、画像データに付されるシリアル番号は、前の世代の画像データとの関連が明確になるように設定される。
【0114】
例えば、図7(a)で示した第3世代の手書きデータ(3A)706のシリアル番号は、図7(b)では「0090_3A(2B)」と記録されており、手書きデータ(2B)703から追記された文書の手書きデータであることが手書きデータ(3A)706のシリアル番号0090_3A(2B)より明確になる。
【0115】
次に、実際に医療分野で予想される画像管理システム1を使用した使用例について図8を参照して説明を行なう。
【0116】
図8は、医療分野で予想される画像管理システム1を使用した使用例を説明する文書の模式図であり、図8(a)は画像管理システム1で電子透かし情報が埋め込まれて印刷される文書の関連を示す模式図であり、図8(b)は、医師がサーバ20に保存される任意の画像データを選択して合成させて印刷させた文書811を示す模式図である。
【0117】
まず、医師がある1枚の患部写真について3人のインターンに対して所見を求める状況であるとする。
【0118】
医師は患部写真801が記された第1世代となる文書を画像形成装置30でスキャンさせて、患部写真801が記されて電子透かし情報が埋め込まれた文書802を印刷させる。
【0119】
この文書802を3枚印刷させ、3人のインターンにそれぞれ1枚づつ配る。
【0120】
3人のインターンは配布された文書802にそれぞれ独自の意見を記入して医師に返却する。
【0121】
医師は返却された3枚の文書を画像形成装置30でスキャンさせて、インターンが記入したそれぞれの手書きデータをサーバ20に保存させる。
【0122】
すなわち、図8(a)に示すようにインターンが記入した第2世代の文書がスキャンされて印刷されたのが、文書803、文書804、文書805であり、それぞれ、インターンが記入した手書きデータ(2A)806、手書きデータ(2B)807、手書きデータ(2C)808がサーバ20に保存されている。
【0123】
そして、文書803の手書きデータ(2A)806を記入したインターンより追加の所見の申し出があり、医師は文書803を渡して追加の所見を書かせた。
【0124】
文書803に追加の所見が記入されて、再度、画像形成装置30にスキャンされると、追加の所見である手書きデータ(3A)809がサーバ20に保存されて、文書803に手書きデータ(3A)809が追記された文書に電子透かし情報が埋め込まれた文書810が印刷される。
【0125】
このように処理されることで、サーバ20には、第1世代の文書の画像データ(1A)801、手書きデータ(2A)806、手書きデータ(2B)807、手書きデータ(2C)808、手書きデータ(3A)809が保存される。
【0126】
そして、医師は、それぞれの所見の中から欲しい所見を抜き出して1枚の紙にまとめたいので、画像形成装置30に文書803或いは文書804或いは文書805或いは文書810をスキャンさせる(最初に文書802を4枚作成しておけば文書802をスキャンさせてもよい)。
【0127】
画像形成装置30は、いずれの文書をスキャンしても図4を参照して説明した差分の抽出の際に違いがないと判別するので(ステップ313でNO)、合成画像生成画面を表示して、医師からの選択を待つ。
【0128】
医師は、合成画像生成画面より、画像データ(1A)802、手書きデータ(2C)808、手書きデータ(3A)809を選択し、そして、選択された画像データによって合成される合成画像が画像形成装置30で印刷される。
【0129】
そのようにして印刷された文書が図8(b)に示す文書811であり、文書811には、患部写真801と2つの所見である手書きデータ(2C)808と手書きデータ(3A)809とが組み合わされた合成画像が印刷される。
【0130】
このように画像管理システム1を利用することで、医師は手書きデータ(2C)808と手書きデータ(3A)809との所見をひとつに組み合わせた合成画像を1枚の出力媒体に印刷させることができる。
【0131】
次に、合成画像が印刷される際に、サーバ20に保存された画像データが任意に選択される合成画像生成画面901について図9を参照して説明を行なう。
【0132】
図9は、合成画像が印刷される際に画像形成装置30の表示/操作部40に表示される合成画像生成画面901を示す画面構成図である。
【0133】
図9に示すように、合成画像生成画面901には、どの世代の手書きデータ(或いは第1世代の画像データ)を選択するかを示すチェックボックス902と、チェックボックス902によって選択された結果の合成画像をプレビューするプレビューボタン903と、プレビュー画像を示すプレビュー画面904と、印刷を決定するOKボタン905とが配置される。
【0134】
合成画像生成画面901が表示される際には、図3のフローチャートで説明したように、合成画像生成画面901で選択可能な画像データの保存先であるサーバ20内のアドレスが制御部32によってサーバ20より取得される(フローチャートのステップ318)。
【0135】
ユーザはサーバ20に保存された画像データから合成画像を生成するデータをチェックボックス902によって選択し、プレビューボタン903を押下する。
【0136】
すると、制御部32が、選択された画像データを、取得したアドレスよりサーバ20から読出し、合成画像生成部37が合成画像を生成して、合成画像がプレビュー画面904に表示される。
【0137】
ユーザはプレビュー画面904で自らの選択を確認してOKボタン905を押下することで、プレビュー表示された合成画像に電子透かし情報が埋め込まれて画像形成装置30の印刷実行部38で印刷が行われる。
【0138】
合成画像が印刷される際に埋め込まれる電子透かし情報は、合成画像が生成される際に選択された画像データが特定できる情報とシリアル番号とを示すものである。
【0139】
次に、合成画像生成画面の他の例について図10を参照して説明する。
【0140】
図10は、図9を参照して説明した合成画像生成画面901とは異なる種類の合成画像生成画面である合成画像生成画面1001を示す画面構成図である。
【0141】
図10に示す合成画像生成画面1001は、1つの世代の文書から異なる複数の文書が追記されることによって作成された際にユーザが合成画像の印刷を所望して表示される合成画像生成画面1001である。
【0142】
図10に示すように合成画像生成画面1001は、どの世代の画像データ(第1世代の画像データや第2世代以降の手書きデータ)を選択するかを示すデータのツリー構造図1002と、ツリー構造図1002によって選択された結果の合成画像をプレビューするプレビューボタン1003と、プレビュー画像を示すプレビュー画面1004と、印刷を決定するOKボタン1005とが配置される。
【0143】
合成画像生成画面1001が表示される際には、図3のフローチャートで説明したように、合成画像生成画面1001で選択可能な画像データの保存先であるサーバ20内のアドレスが制御部32によってサーバ20より取得される(フローチャートのステップ318)。
【0144】
ユーザは、ツリー構造図1002から、合成画像を生成するための画像データを選択して図示しないテンキーから選択した画像データの番号を入力する。
【0145】
番号が入力されるとツリー構造図1002で選択された画像データが斜線で特徴付けられて表示される。
【0146】
さらに、ユーザによってプレビューボタン1003が押下されると、制御部32が、番号が入力されることによって選択された画像データを、取得したアドレスよりサーバ20から読出し、合成画像生成部37が合成画像を生成して、合成画像がプレビュー画面1004に表示される。
【0147】
図10に示す合成画像生成画面1001では、ツリー構造図1002において「1A」で示される第1世代の画像データと「2C」で示される第2世代の手書きデータと「3A」で示される第3世代の手書きデータとが選択され、プレビュー画面1004には、それらの選択された画像データが合成された合成画像がプレビュー表示される。
【0148】
ユーザは、プレビュー表示された合成画像によって自らの選択を確認し、OKボタン1005を押下することでプレビュー表示させた合成画像の印刷を実行させる。
【0149】
このように、1つの世代の文書から複数の手書きデータが保存される場合であっても(合成画像生成画面1001では第2世代に3種類の手書きデータが保存される)、ツリー構造図1002を有する合成画像生成画面1001によって、任意の画像データを選択して合成画像を印刷させることができる。
【0150】
また、合成画像生成画面901、1001は、画像形成装置30の表示/操作部40に表示されるように説明したが、ネットワーク15に接続されるPC10のディスプレイ画面上に表示して、PC10から画像データの選択が行なわれるように構成してもよい。
【0151】
なお、追記が行なわれた文書が画像形成装置30でスキャンされて手書きデータがサーバ20に保存される際には、追記が行なわれた文書がスキャンされた後に手書きデータ(請求項1乃至7の世代情報に相当)が抽出されてサーバ20に保存されるように説明したが、サーバ20に保存される画像データは、スキャンされた後にスキャンされた文書の文書内容の画像データ(請求項8乃至14の世代情報に相当)がサーバ20に保存されるように構成してもよい。
【0152】
次に、追記が行なわれた文書が画像形成装置30でスキャンされる際に、スキャンされた文書の文書内容の画像データがサーバ20に保存される処理について図11を参照して説明を行なう。
【0153】
図11は、追記が行なわれた文書が画像形成装置30でスキャンされる際に、スキャンされた文書の文書内容から手書きデータが抽出されて保存されるのではなく、スキャンされた文書の文書内容の画像データがサーバ20に保存される様子について示した模式図である。
【0154】
画像形成装置30で第1世代の文書1101がスキャンされると、画像管理システム1に登録する要望をユーザから受け付けてスキャンされた文書1101の画像データ1102がサーバ20に保存され、第1世代となる文書1101の画像データに電子透かし情報が埋め込まれた文書1103が印刷される。
【0155】
ユーザは、印刷された第1世代となる文書1103に追記を行って第2世代の文書1104を作成する。
【0156】
第2世代の文書1104が作成されると、画像形成装置30によってスキャンされて、スキャンされた第2世代の文書1104の文書内容を示す画像データ1105がサーバ20に保存され、第2世代の文書の文書内容を示す画像データ1105に電子透かし情報が埋め込まれた文書1106が印刷される。
【0157】
ユーザは、印刷された第2世代の文書1106に追記を行なって、第3世代の文書1107を作成する。
【0158】
第3世代の文書1107が作成されると、画像形成装置30によってスキャンされて、スキャンされた第3世代の文書の文書内容を示す画像データ1108がサーバ20に保存され、第3世代の文書の文書内容を示す画像データ1108に電子透かし情報が埋め込まれた文書1109が印刷される。
【0159】
このように、サーバ20に保存される画像データが、抽出された手書きデータではなく、スキャンされた文書の文書内容を示す画像データであるように画像形成装置30が構成される場合には、画像形成装置30の表示/操作部40で表示される合成画像生成画面901、1001によって合成画像が生成される際等に手書きデータが必要とされるが、そのように手書きデータが必要とされる際には、必要になる手書きデータは図6を参照して説明したように画像データの画素間での差分処理が行われて必要とされる手書きデータが抽出される。
【0160】
なお、本実施例では、画像形成装置30で印刷される文書に、画像データの保存先であるサーバ20内のアドレスとシリアル番号とを示す電子透かし情報が埋め込まれるように説明したが、サーバ20内のアドレスとシリアル番号とを示す参照情報は、電子透かし情報ではなく、URL(Uniform Resource Locator)やバーコード等の目に見える情報であって、文書に印刷されるように構成してもよい。
【0161】
そのようにURLやバーコード等が文書に印刷されることでサーバ20内のアドレスやシリアル番号が示される場合には、画像形成装置30は、電子情報読出部33の換わりにOCR(Optical Character Recognition)を備え、印刷されたサーバ20内のアドレスやシリアル番号を読み取るように構成される。
【0162】
次に、画像データの保存先であるサーバ20内のアドレスとシリアル番号とを示す参照情報が電子透かし情報ではなく、文書に印刷されたURLである例について図12を参照して説明を行なう。
【0163】
図12は、画像データの保存先であるサーバ20内のアドレスとシリアル番号とを示す参照情報が電子透かし情報ではなく、文書に印刷されたURLである例を示す模式図である。
【0164】
図12に示すように、文書の下部等の空きスペースに、画像データの保存先であるサーバ20内のアドレス等が印刷される。
【0165】
このように文書にサーバ20内のアドレス等が印刷された文書が画像形成装置30でスキャンされる際には、画像形成装置30が備える図示しないOCRによって、サーバ20のアドレス等が読み取られる。
【0166】
なお、図12に示す文書の下部に印刷されたサーバ20内のアドレスは、それによって、画像データのシリアル番号が特定できるように記載されている。
【0167】
なお、手書き情報抽出部36、合成画像生成部37は、画像形成装置30内に備えられるのではなく、画像管理システム1のネットワーク15で接続されたPC10若しくはサーバ20内に備えるように構成してもよい。
【0168】
なお、第1世代の文書に電子透かし情報が埋め込まれた文書は、第1世代の文書が画像形成装置30からスキャンされて画像形成装置30より印刷されるように説明したが、PC10で作成された文書が印刷ジョブとして画像形成装置30に送信され、画像形成装置30で電子透かし情報が埋め込まれた印刷ジョブの文書が第1世代の文書として印刷されるように構成してもよい。
【0169】
その際には、PC10から画像形成装置30に送信する印刷ジョブに、印刷する画像データを本システムに登録する旨の情報が付与されて送信される。
【0170】
なお、サーバ20に保存される画像データの世代間の関係については、図7(b)を参照して説明したようにサーバ20内で表に画像データのシリアル番号が記録されて管理されるように説明したが、文書に埋め込まれる電子透かし情報に前の世代との関係がわかるデータを埋め込むようにして画像データの世代間の管理を行ってもよい。
【0171】
なお、スキャンした第1世代の画像データや抽出された手書きデータを保存する場所は、サーバ20でなく、画像形成装置30内に記憶装置を設け、その記憶装置内に保存するようにしてもよいし、PC10内の図示しない記憶装置内に保存するようにしてもよい。
【0172】
なお、文書に対して行なわれる追記は、手書きだけでなく、ワープロ等で印刷された文書(図形を含む)や写真等が貼り付けられることによって行なわれてもよい。
【0173】
なお、第1世代の文書に記載されるデータは、印刷されたデータであっても、手書きで記載されたデータであっても、印刷された文書(図形を含む)や写真等が貼り付けられたデータであってもよい。
【実施例2】
【0174】
本実施例では、実施例1で説明した画像管理システム1が行う、トラストマーキング付き文書の処理について説明する。
【0175】
本実施例を構成する画像形成装置は実施例1で説明した画像形成装置30であり、画像形成装置30の詳しい説明は重複を避ける為省略する。
【0176】
そして、画像形成装置30の電子透かし情報読出部33、電子透かし情報生成部34、電子透かし情報埋込部35は、それぞれトラストマーキングの読み出し、生成、埋め込みを行うことができる。
【0177】
まず、画像形成装置30でトラストマーキング付きの文書がスキャンされて、画像データが印刷される処理の概要について図13を参照して説明する。
【0178】
図13は、画像形成装置30でトラストマーキング付きの文書がスキャンされて、画像データの印刷が行なわれる処理の概要について示した模式図である。
【0179】
図13に示すように、画像形成装置30においてスキャンされる文書1301は、電子透かし情報1302と文書1301の文書内容1303とトラストマーキング情報1304とに分けられる。
【0180】
電子透かし情報1302は電子透かし情報読出部33で読み取られ、サーバ20内のアドレスが取得される(参照番号1305)。
【0181】
また、トラストマーキング情報1304は、電子透かし情報読出部33で読み取られる。
【0182】
電子透かし情報1302から読み取られたサーバ20内のアドレスには、スキャンされた文書の前世代の画像データ(手書きデータを含む)が保存されており、その前世代の文書の第1世代となる文書の画像データから当該前世代までの手書きデータがサーバ20より読み出され(参照番号1307)、読み出された画像データ(手書きデータを含む)を元に文書内容1303から手書きデータが抽出される(参照番号1306)。
【0183】
そして抽出した手書きデータ(請求項1乃至7の世代情報に相当)をサーバ20に保存する(参照番号1308)。
【0184】
文書内容1303の画像データが印刷される画像データ(参照番号1311)として扱われ、手書きデータをサーバ20に保存したサーバ20内のアドレスや印刷出力する文書のシリアル番号を示す電子透かし情報(参照番号1312)とが埋め込まれスキャンした文書1301より読み取られたトラストマーキング情報1304付きの文書として印刷される(参照番号1313)。
【0185】
また、画像形成装置30では、サーバ20に蓄えられた画像データ(手書きデータを含む)が任意に選択され、選択された画像データが合成された合成画像が印刷される場合もあり、そのときには選択された画像データがサーバ20から読み出されて(参照番号1309)合成画像が生成される(参照番号1310)。
【0186】
生成された合成画像(参照番号1311)は、選択された画像データが特定できる情報と印刷出力する文書のシリアル番号とを示す電子透かし情報(参照番号1312)が埋め込まれ、スキャンした文書1301より読み取られたトラストマーキング情報1304が付けられて印刷される(参照番号1313)。
【0187】
このように画像形成装置30では、スキャンしたトラストマーキング付きの文書に追記された手書きデータを抽出してサーバ20に保存して、スキャンした文書内容に保存先のアドレスと文書のシリアル番号とを示す電子透かし情報が埋め込まれ、スキャンした文書に付いていたトラストマーキングが付けられて印刷される処理が行われる。
【0188】
また、画像形成装置30では、サーバ20に蓄えた第1世代の画像データや第2世代以降の手書きデータを合成して合成画像を生成し、合成画像に、選択された画像データが特定できる情報とシリアル番号とを示す電子透かし情報を埋め込み、トラストマーキングを付けて印刷する処理が行われる。
【0189】
なお、本実施例においても実施例1と同様に、第N世代の文書から抽出される手書きデータを第N世代の手書きデータ(または第N世代の画像データ)という。
【0190】
次に、画像形成装置30で行なわれるトラストマーキング付きの文書の処理について図14、図15を参照して説明を行なう。
【0191】
図14、図15は、画像形成装置30で行なわれるトラストマーキング付きの文書の処理について示したフローチャートである。
【0192】
画像形成装置30では、図14に示すように、最初にスキャナ部31で用紙にデータが記載された文書がスキャンされ、文書の文書内容の画像データが読み取られ、トラストマーキングが電子透かし情報読出部33で読み出される(ステップ1401)。
【0193】
そして、電子透かし情報読出部33によって文書の電子透かし情報の読み取り処理が行われる(ステップ1402)。
【0194】
最初に第1世代となるトラストマーキング付きの文書がスキャンされるときは、まだ電子透かし情報が埋め込まれていないので、ステップ1402の処理では電子透かし情報読出部33によって電子透かし情報が読み出されず(ステップ1403でNO)、スキャンした文書を本システムである画像管理システム1に登録するか否かの選択が表示/操作部40からユーザによって入力され(ステップ1404)、登録しないと入力された場合には(ステップ1404でNO)、複写処理として、ステップ1401でスキャンした文書の文書内容を示す画像データに電子透かし情報読出部33が読み出した文書のトラストマーキングを付けて印刷される(ステップ1405)。
【0195】
また、ステップ1404で表示/操作部40からユーザによってスキャンした文書を画像管理システム1に登録するように入力された場合には(ステップ1404でYES)、スキャンした文書の画像データが制御部32によってサーバ20に保存される(ステップ1406)。
【0196】
そして、参照情報として、保存したサーバ20のアドレスと第1世代の文書を示すシリアル番号とを示す電子透かし情報が電子透かし情報生成部34で生成され(ステップ1407)、生成された電子透かし情報とスキャンされて読み取られたトラストマーキングとが電子透かし情報埋込部35によって文書内容を表す画像データに合成される(ステップ1408)。
【0197】
そして、電子透かし情報とトラストマーキングが合成された文書が印刷実行部38で印刷される(ステップ1409)。
【0198】
このようにして出力された第1世代の文書には、最初にスキャンされた文書内容に、文書の画像データが保存されたサーバ20内のアドレスと第1世代ということが明確になるシリアル情報との電子透かし情報が埋め込まれ、さらにスキャンされたトラストマーキングが付けられて印刷される。
【0199】
ユーザは、次に、このようにして出力された第1世代の文書に手書き等によって追記を行い、第1世代の文書に手書きデータが追記された第2世代の文書を画像形成装置30でスキャンさせる。
【0200】
画像形成装置30は、スキャナ部31で第2世代の文書のスキャンを行なうと(ステップ1401)、文書の電子透かし情報の読み取り処理を行い(ステップ1402)、読み取り可能であった場合には(ステップ1403でYES)、読み取った電子透かし情報からサーバ20内のアドレスを制御部32が取得する(ステップ1410)。
【0201】
サーバ20内のアドレスが取得されると、サーバ20から、画像形成装置30のスキャナ部31で読み取った第2世代の文書についての第1世代から最新の世代までの保存された画像データが読み出され(この場合はスキャンした文書が第2世代なので第1世代だけが読み出されるが、スキャンした文書が例えば第4世代の場合には、第1世代から第3世代まで或いは第1世代から第4世代までの画像データが読み出される)、そのときまで画像形成装置30にスキャンされて画像データがサーバ20に保存された文書の中から最新世代の文書の画像データが合成される(ステップ1411)。
【0202】
この合成された最新世代の文書の画像データとスキャンした文書の画像データとを比較することによって、スキャンした文書が、過去に処理されてサーバ20に保存された文書と同じ文書であるかまたはサーバ20に保存されていない新たなデータが書き込まれた新しい世代の文書であるかが判別される。
【0203】
その判別をする為に、ステップ1411で合成された画像とスキャンした文書の画像との差分の抽出が行なわれ(ステップ1412)、そして図15に示すように、違いがある場合には(ステップ1413でYES)スキャンした文書は過去にサーバ20に保存されていないデータが記載されている新しい世代の文書であると判断され、手書きデータの抽出処理が行なわれる。
【0204】
違いがあると判断された場合には(ステップ1413でYES)、制御部32は、ステップ1412で抽出された差分データを新たに追記された手書きデータとしてサーバ20に保存する(ステップ1414)。
【0205】
画像データ(手書きデータを含む)がサーバ20に保存される際には、前の世代との関係が明確になるように、そして、実施例1で図7(b)を参照して説明したように画像データにシリアル番号が付けられて保存される。
【0206】
サーバ20に保存される画像データに付けられるシリアル番号については、実施例1で図7(b)を参照して説明したシリアル番号と同様に前の世代の画像データとの関連がわかるように設定され、詳しい説明は重複を避ける為省略する。
【0207】
差分データが手書きデータとしてサーバ20に保存されると、参照情報として、保存されたサーバ20内のアドレスとスキャンした文書の世代が明確になるシリアル番号とを示す電子透かし情報が電子透かし情報生成部34で生成される(ステップ1415)。
【0208】
そして、ステップ1401でスキャンされた第2世代の文書の文書内容を示す画像データに、生成された電子透かし情報が埋め込まれスキャンされたトラストマーキングが付けられる(ステップ1416)。
【0209】
その後、ステップ1416で作成された画像データが印刷実行部38で印刷される(ステップ1417)。
【0210】
このようにして(ステップ1401、1402、1403でYES、1410、1411、1412、1413でYES、1414、1415、1415、1417)、トラストマーキング付きの第2世代の文書がスキャンされると追記されたデータが手書きデータとして抽出されてサーバ20に保存されて保存先であるサーバ20内のアドレス等を示す電子透かし情報が埋め込まれトラストマーキングが付けられた第2世代文書の文書内容の画像データが印刷される。
【0211】
また、ステップ1412でサーバ20より読み出して合成した画像とスキャンした文書の画像との差分抽出を行なって違いが無い場合には(ステップ1413でNO)、スキャンした文書は過去に処理されてサーバ20に保存された文書であると判断され、保存された画像データ(第1世代の画像データや手書きデータ)から任意に画像データが選択されて選択された画像データによって合成画像が生成される合成画像生成の処理が行なわれる。
【0212】
違いがないと判断されると(ステップ1413でNO)、制御部32は、表示/操作部40に、画像データを選択するための合成画像生成画面を表示する(ステップ1418)。
【0213】
表示/操作部40に合成画像生成画面が表示されると、ユーザは、表示された合成画像生成画面から画像を合成する為の画像データの選択を行なって表示/操作部40より選択した画像データを入力する。
【0214】
画像形成装置30は、表示/操作部40を通して画像データの選択を受け付けると(ステップ1419)、選択された画像データを組み合わせた合成画像を合成画像生成部37で生成する(ステップ1420)。
【0215】
合成画像が生成されると(ステップ1420)、参照情報として、合成画像を生成するために組み合わされた画像データを特定できる情報(画像データのシリアル番号でも画像データの保存先であるサーバ20内のアドレスでもよい)と合成画像であるという情報とを示す電子透かし情報が電子透かし情報生成部34で生成される(ステップ1421)。
【0216】
電子透かし情報が生成されると、ステップ1420で生成された合成画像に、生成された電子透かし情報が埋め込まれ、スキャンされた文書のトラストマーキングが付けられる(ステップ1422)。
【0217】
そして、ステップ1422によって作成された画像データが印刷実行部38で印刷される(ステップ1423)。
【0218】
このようにして(ステップ1401、1402、1403でYES、1410、1411、1412、1413でNO、1418、1419、1420、1421、1422、1423)、トラストマーキング付きの第2世代の文書がスキャンされると第2世代までにサーバ20に蓄えられた画像データから任意の画像データが組み合わされた合成画像に電子透かし情報が埋め込まれトラストマーキングが付けられて印刷される。
【0219】
また、画像形成装置30では、第N世代(Nは2以上の自然数)の文書の手書きデータの保存についても第2世代の手書きデータの保存と同様の処理が行われる(ステップ1401、1402、1403でYES、1410、1411、1412、1413でYES、1414、1415、1416、1417の処理)。
【0220】
また、画像形成装置30では、第N世代(Nは自然数)の文書から手書きデータの合成画像の印刷についても第2世代の文書がスキャンされて行なわれる合成画像の印刷と同様の処理が行われる(ステップ1401、1402、1403でYES、1410、1411、1412、1413でNO、1418、1419、1420、1421、1422、1423の処理)。
【0221】
なお、本実施例では追記が行なわれた文書が画像形成装置30でスキャンされて手書きデータがサーバ20に保存される際には、追記が行なわれた文書がスキャンされた後に手書きデータ(請求項1乃至7の世代情報に相当)が抽出されてサーバ20に保存されるように説明したが、サーバ20に保存される画像データは、実施例1と同様に、スキャンされた後にスキャンされた文書の文書内容の画像データ(請求項8乃至14の世代情報に相当)がサーバ20に保存されるように構成してもよい。
【0222】
なお、本実施例では、画像形成装置30で印刷される文書に、画像データの保存先であるサーバ20内のアドレスとシリアル番号とを示す電子透かし情報とが埋め込まれるように説明したが、サーバ20内のアドレスとシリアル番号とを示す参照情報は、実施例1と同様に、電子透かし情報ではなく、URLやバーコード等の目に見える情報であって、文書に印刷されるように構成してもよい。
【0223】
なお、手書き情報抽出部36、合成画像生成部37は、画像形成装置30内に備えられるのではなく、画像管理システム1のネットワーク15で接続されたPC10若しくはサーバ20内に備えるように構成してもよい。
【0224】
なお、第1世代の文書に電子透かし情報が埋め込まれた文書は、第1世代の文書が画像形成装置30でスキャンされて画像形成装置30から印刷されるように説明したが、PC10で作成された文書が印刷ジョブとして画像形成装置30に送信され、画像形成装置30で電子透かし情報が埋め込まれた第1世代の文書が印刷されるように構成してもよい。
【0225】
その際には、PC10から画像形成装置30に送信する印刷ジョブに、印刷する画像データを本システムに登録する情報が付与されて送信される。
【0226】
なお、サーバ20に保存される画像データの世代間の関係については、実施例1で図7を参照して説明したようにサーバ20内で表に画像データのシリアル番号が記録されて管理されるが、文書に埋め込まれる電子透かし情報に前の世代との関係がわかるデータを埋め込むように構成して、画像データの世代間の管理を行ってもよい。
【0227】
なお、スキャンした第1世代の画像データや抽出された手書きデータを保存する場所は、サーバ20でなく、画像形成装置30内に記憶装置を設け、その記憶装置内に保存するようにし、PC10内の図示しない記憶装置内に保存するようにしてもよい。
【0228】
なお、文書に対して行なわれる追記は、手書きだけでなく、ワープロ等で印刷された文書(図形を含む)や写真等が貼り付けられることによって行なわれてもよい。
【0229】
なお、第1世代の文書に記載されるデータは、印刷されたデータであっても、手書きで記載されたデータであっても、印刷された文書(図形を含む)や写真等が貼り付けられたデータであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0230】
この発明は、電子透かし情報を管理する装置若しくはOCR装置を備え、画像データを保存することができるサーバに接続することができる画像形成装置において利用可能である。
【0231】
この発明によれば、文書に手書きにより追記されたデータを電子的な画像データである手書きデータとして抽出して保存し、また、保存した手書きデータを任意に組み合わせて合成画像を生成し印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0232】
【図1】画像管理システム1のシステム構成を示す構成図。
【図2】画像形成装置30で文書が処理される処理の概要を示した模式図。
【図3】画像形成装置30で行われる処理について示したフローチャート。
【図4】画像形成装置30で行われる処理について示したフローチャート。
【図5】画像形成装置30で追記された手書きデータが保存される様子について示した模式図。
【図6】スキャンされた文書から手書きデータが抽出される処理を示す模式図。
【図7】サーバ20に保存されるデータの世代間の関係について説明する模式図。
【図8】医療分野で予想される使用例について示した模式図。
【図9】合成画像生成画面901を示す画面構成図。
【図10】合成画像生成画面1001を示す画面構成図。
【図11】スキャンされた文書の文書内容を示す画像データが保存される様子を示した模式図。
【図12】保存先であるサーバ20内のアドレス等が電子透かし情報でなく紙に印刷された例を示す模式図。
【図13】トラストマーキング付きの文書が画像形成装置30で処理される概要を示す模式図。
【図14】画像形成装置30で行われるトラストマーキング付きの文書の処理を示すフローチャート。
【図15】画像形成装置30で行われるトラストマーキング付きの文書の処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0233】
1 画像管理システム
10 パーソナルコンピュータ
15 ネットワーク
20 サーバ
30 画像形成装置
31 スキャナ部
32 制御部
33 電子透かし情報読出部
34 電子透かし情報生成部
35 電子透かし情報埋込部
36 手書き情報抽出部
37 合成画像生成部
38 印刷実行部
39 ネットワークインタフェース部
40 表示/操作部
901 合成画像生成画面
1001 合成画像生成画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に記載された追記情報を順次追記することにより得られた文書を管理する文書管理装置において、
前記追記情報が追記された各世代の文書のイメージデータを用紙から読取る読取り手段と、
前記読取り手段で読取られた各世代の文書のイメージデータと前世代の文書のイメージデータとを比較することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを判別する判別手段と、
前記判別手段で判別された前記追記情報のイメージデータを世代情報として順次記憶管理する記憶管理手段と
を具備することを特徴とする文書管理装置。
【請求項2】
前記読取り手段で読み取った文書のイメージデータに前記世代情報の参照情報を付加して印刷する印刷手段
を更に具備することを特徴とする請求項1記載の文書管理装置。
【請求項3】
前記読取り手段は、
前記文書のイメージデータの読取りに際して前記参照情報を読取り、
前記判別手段は、
前記読取り手段で読取った参照情報により前記記憶管理手段から前記世代情報を取得して前記前世代の文書のイメージデータを合成し、前記読取り手段で読取られた各世代の文書のイメージデータと該合成した前世代の文書のイメージデータとを比較することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを判別する
ことを特徴とする請求項2記載の文書管理装置。
【請求項4】
前記印刷手段は、
前記世代情報に対応する参照情報を電子透かし情報として印刷する文書のイメージデータに埋め込んで印刷する
ことを特徴とする請求項2または3記載の文書管理装置。
【請求項5】
前記記憶管理手段に管理された少なくとも1つの世代情報を選択する選択手段と、
前記選択手段で選択された世代情報に対応するイメージデータを含む文書を前記記憶管理手段に記憶管理された前記追記情報のイメージデータに基づき合成する合成手段と
を更に具備し、
前記印刷手段は、
前記合成手段で合成した文書に前記選択手段で選択された世代情報の参照情報を付加して印刷し、
前記記憶管理手段は、
前記参照情報に基づき前記世代情報を記憶管理する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の文書管理装置。
【請求項6】
前記合成手段は、
前記選択手段で選択された世代情報に対応する参照情報に基づき前記世代情報に対応するイメージデータを前記記憶管理手段から取得して前記文書の合成を行なう
ことを特徴とする請求項5記載の文書管理装置。
【請求項7】
前記印刷手段は、
前記選択手段で選択された世代情報に対応する参照情報を電子透かし情報として印刷する文書のイメージデータに埋め込んで印刷する
ことを特徴とする請求項5または6記載の文書管理装置。
【請求項8】
用紙に記載された追記情報を順次追記することにより得られた文書を管理する文書管理装置において、
前記追記情報が追記された各世代の文書のイメージデータを用紙から読取る読取り手段と、
前記読取り手段で読み取られた各世代の文書のイメージデータと前世代の文書のイメージデータとを比較することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを判別する判別手段と、
前記判別手段により該世代の文書のイメージデータに追記された追記情報のイメージデータが含まれると判別された場合には、前記読取り手段で読み取られた各世代の文書のイメージデータを世代情報として順次記憶管理する記憶管理手段と
を具備することを特徴とする文書管理装置。
【請求項9】
前記読取り手段で読み取った文書のイメージデータに前記世代情報の参照情報を付加して印刷する印刷手段
を更に具備することを特徴とする請求項8記載の文書管理装置。
【請求項10】
前記読取り手段は、
前記文書のイメージデータの読取りに際して前記参照情報を読取り、
前記判別手段は、
前記読取り手段で読取った参照情報により前記記憶管理手段から前記前世代の文書のイメージデータを取得し、前記読取り手段で読取られた各世代の文書のイメージデータと該取得した前世代の文書のイメージデータとを比較することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを判別する
ことを特徴とする請求項9記載の文書管理装置。
【請求項11】
前記印刷手段は、
前記世代情報に対応する参照情報を電子透かし情報として印刷する文書のイメージデータに埋め込んで印刷する
ことを特徴とする請求項9または10記載の文書管理装置。
【請求項12】
前記記憶管理手段に管理された世代情報に含まれる前記追記情報から少なくとも1つの追記情報を選択する選択手段と、
前記選択手段で選択された追記情報に対応するイメージデータを含む文書を前記記憶管理手段に記憶管理された前記世代情報のイメージデータに基づき作成する作成手段と
を更に具備し、
前記印刷手段は、
前記作成手段で作成した文書に前記選択手段で選択された追記情報の参照情報を付加して印刷する
ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の文書管理装置。
【請求項13】
前記作成手段は、
前記選択手段で選択された追記情報が前記判別手段によって判別されて前記記憶管理手段に記憶管理された世代情報に対応する参照情報に基づき当該世代情報に対応する第1のイメージデータと当該世代情報の前世代の世代情報に対応する第2のイメージデータとを取得し第1のイメージデータと第2のイメージデータとの差分を抽出して、前記選択手段で選択された該追記情報に対応するイメージデータを取得して、前記文書の作成を行なう
ことを特徴とする請求項12記載の文書管理装置。
【請求項14】
前記印刷手段は、
前記選択手段で選択された追記情報に対応する参照情報を電子透かし情報として印刷する文書のイメージデータに埋め込んで印刷する
ことを特徴とする請求項12または13記載の文書管理装置。
【請求項15】
用紙に記載された追記情報を順次追記することにより得られた文書を管理する文書管理方法において、
前記追記情報が追記された各世代の文書のイメージデータを用紙から読取り手段によって読取り、
前記読取り手段で読取られた各世代の文書のイメージデータと前世代の文書のイメージデータとを比較することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを判別手段によって判別し、
前記判別手段で判別された前記追記情報のイメージデータを世代情報として記憶管理手段によって順次記憶管理する
ことを特徴とする文書管理方法。
【請求項16】
用紙に記載された追記情報を順次追記することにより得られた文書を管理する文書管理方法において、
前記追記情報が追記された各世代の文書のイメージデータを用紙から読取り手段によって読取り、
前記読取り手段で読み取られた各世代の文書のイメージデータと前世代の文書のイメージデータとを比較することにより該世代で追記された追記情報のイメージデータを判別手段によって判別し、
前記判別手段により該世代の文書のイメージデータに追記された追記情報のイメージデータが含まれると判別された場合には、前記読取り手段で読み取られた各世代の文書のイメージデータを世代情報として記憶管理手段によって順次記憶管理する
ことを特徴とする文書管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−325196(P2007−325196A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−156134(P2006−156134)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】