説明

文書表示システム、文書表示装置およびコンピュータプログラム

【課題】電子文書の閲覧に複数の表示装置を用いるユーザーの表示設定操作の手間を低減する。
【解決手段】第1および第2の文書表示装置を有するシステムにおいて、第1の文書表示装置は、共通項目および固有項目についての表示設定に従って、電子文書を表示する表示処理部と、電子文書が表示されている期間中に、ユーザーによる設定変更操作が行われるごとに、最新の表示設定を示す表示設定情報を更新する設定更新部と、電子文書の外部への送出指示を受けて、電子文書と表示設定情報とを送出する文書送出部とを備えており、第2の文書表示装置は、第1の文書表示装置から送出された電子文書および表示設定情報を取得する文書取得部と、電子文書の表示開始時の表示設定に、表示設定情報が示す表示設定のうちの共通項目の設定を反映させる表示設定部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子文書を表示する文書表示装置および複数の文書表示装置を備える文書表示システムに関する。文書表示装置には、据置き型または携帯型の情報処理装置・携帯端末・書籍リーダーなどのようにディスプレイを表示に用いる装置、およびプロジェクタのようにスクリーンを表示に用いる装置が含まれる。
【背景技術】
【0002】
一人の人物が同じ内容の電子文書を複数の情報機器のそれぞれに表示させて閲覧することがある。例えば、パーソナルコンピュータ(PC)で作成したりWebサイトから取り込んだりした電子文書を、スマートフォンやタブレットPCといった携帯型の情報機器に転送して持ち歩く、という情報機器のユーザーがいる。このユーザーはパーソナルコンピュータで閲覧した電子文書(またはその複製)を、携帯型の情報機器によって任意の場所で閲覧することができる。携帯型の情報機器に文書編集機能が備わる場合であれば、任意の場所で電子文書を更新したりコメントを付加したりすることができる。そして、携帯型の情報機器で更新した電子文書をそれが元々あったパーソナルコンピュータか別の情報機器かへ転送し、転送先の情報機器を用いて閲覧することもできる。
【0003】
電子文書の閲覧に際して、情報機器の表示設定がユーザーによって適宜変更される。表示設定の項目は、表示の向き(縦/横)、表示倍率、同時に表示するページの数、ページ送り順序、表示フォント、画面分割、画面の配色など様々である。一般に、電子文書を表示するソフトウェア(ビューアー)は電子文書を表示している期間中の設定変更操作を受け付ける。ユーザーは電子文書を閲覧しながら表示設定を変更して閲覧をし易くすることができる。
【0004】
ユーザーが変更した最新の表示設定を記憶する、いわゆる作業状態保存機能が知られている。ユーザーが閲覧終了操作をすると、その時点の表示設定および電子文書における表示中の部分の位置が記憶される。そして、その後にこの電子文書を表示するとき、以前の表示状態が再現される。ただし、全ての項目についてそれらの表示設定が電子文書に対応づけて記憶されるわけではない。すなわち、ユーザーが第1の電子文書を閲覧した後に第2の電子文書を閲覧し、第2の電子文書の閲覧中に特定の項目(設定がどの文書にも共通に適用される項目)について表示設定を変更したとする。そうすると、その後に再び第1の電子文書を閲覧するとき、特定の項目については第2の電子文書での表示設定が適用されてしまい、第1の電子文書を以前に閲覧したときの表示状態は再現されない。
【0005】
なお、同じ内容の電子文書を複数の情報機器に表示させることに関して、複数の携帯型端末のそれぞれのユーザーが電子文書の付加情報を共有するための情報共有システムが提案されている(特許文献1)。この情報共有システムでは、ある携帯型端末のユーザーが文書のページにアンダーラインや手書き文字を付すと、その内容を示す付加情報が管理装置へ送られ、管理装置から他に携帯型端末に配信する。全てのユーザーがそのいずれかによってアンダーラインや手書き文字の付された電子文書を閲覧することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−146245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一人の人物が第1の情報機器を用いて電子文書を閲覧した後に同じ電子文書を第2の情報機器を用いて閲覧する場合、第1の情報機器において閲覧し易いように表示設定を適宜変更したのと同様に第2の情報機器においても表示設定操作をするのは面倒である。特に多種多様の電子文書を閲覧する人物は、悪くすれば閲覧する電子文書が変わるごとに表示設定操作をしなければならず、その手間は大きい。従来では、第1の情報機器と第2の情報機器とが同機種であっても、表示設定の項目のうちの一部の項目についてのみ、第1の情報機器での設定が第2の情報機器での表示に反映され、残りの項目については反映されなかった。第1と第2の情報機器の間で、ディスプレイの解像度やビューアーの仕様に依存する表示機能に大きな差異があれば、一方の表示設定をそのまま他方に適用できない場合があり得る。しかし、その場合であっても、設定を変更しなければならない表示設定の項目が少なければ設定操作の手間はそれほど掛からない。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑み、電子文書の閲覧に複数の表示装置を用いるユーザーの表示設定操作の手間を低減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する文書表示システムは、第1および第2の文書表示装置を有する。前記第1の文書表示装置は、当該第1の文書表示装置および前記第2の文書表示装置に共通する表示設定項目のうちの予め定められた項目である共通項目および当該第1の文書表示装置における前記共通項目以外の表示設定項目である固有項目についての表示設定に従って、電子文書を表示する表示処理部と、前記電子文書が表示されている期間中に、ユーザーによる設定変更操作が行われるごとに、最新の表示設定を示す表示設定情報を更新する設定更新部と、前記電子文書の外部への送出指示を受けて、前記電子文書と前記表示設定情報とを送出する文書送出部とを備えており、前記第2の文書表示装置は、前記第1の文書表示装置から送出された前記電子文書および前記表示設定情報を取得する文書取得部と、前記電子文書の表示開始時の表示設定に、前記表示設定情報が示す表示設定のうちの前記共通項目の設定を反映させる表示設定部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1の文書表示装置における電子文書を表示している期間中の最新の表示設定を示す表示設定情報が、電子文書と共に第2の文書表示装置へ送られる。そして、第2の文書表示装置において、表示設定情報が示す少なくとも共通項目の設定が電子文書の表示開始時の表示設定に反映される。これにより、第2の文書表示装置において電子文書を閲覧するユーザーは、表示設定情報が反映されなかった項目についてのみ表示設定を変更すれば、第1の文書表示装置による以前の閲覧と同様に表示される電子文書を閲覧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】文書表示システムのハードウェア構成の第1例を示す図である。
【図2】電子文書に付加される閲覧チケットの第1例を示す図である。
【図3】第1および第2の文書表示装置のそれぞれにおける閲覧チケットに対応する文書表示の例を示す図である。
【図4】表示される文書の向きに適合するように文書表示装置の姿勢が変更される様子を模式的に示す図である。
【図5】第1および第2の文書表示装置の機能構成を示す図である。
【図6】文書表示装置における文書の表示を開始する動作の流れの概要を示す図である。
【図7】文書表示システムのハードウェア構成の第2例を示す図である。
【図8】電子文書に付加される閲覧チケットの第2例を示す図である。
【図9】文書表示装置の表示設定のデフォルト情報の一例を示す図である。
【図10】第1および第2の文書表示装置のそれぞれにおける閲覧チケットに従う文書表示の他の例を示す図である。
【図11】第1および第2の文書表示装置の機能構成の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
図1に例示される文書表示システム1は、第1の文書表示装置としてのスマートフォン11と第2の文書表示装置としてのタブレット型パーソナルコンピュータ(以下、タブレットという)12とを有する。スマートフォン11およびタブレット12は、それぞれの仕様で定められたファイル形式の電子文書(図中では「文書」と記す)4,4b,5,6,7,8を表示することができる。また、スマートフォン11およびタブレット12は、相互に電子文書4,4b,5,6,7,8を転送することができる。転送の方法として、IEEE 802.11b/gに準拠した無線LAN(Local Area Network)を用いる方法、Bluetoothによる方法、赤外線通信による方法、および電子メールに添付してメールサーバーを介して受け渡しする方法などある。
【0013】
文書表示システム1における電子文書の転送に際して、転送対象の電子文書が転送元で最後に表示されたときの表示設定を示す閲覧チケットが電子文書に付加される。閲覧チケットは電子文書ごとに作成され、各電子文書に個別に付加される。図1の例示では、スマートフォン11からタブレット12へ転送される電子文書4,5にそれぞれ閲覧チケットC4,C5が付加され、タブレット12からスマートフォン11へ転送される電子文書4,4bにそれぞれ閲覧チケットC4bが付加されている。閲覧チケットC4,C5,C4bが示す表示設定は、該当する電子文書4,5,4bが転送先で表示される際に可能な範囲内で最大限に転送先の表示設定に反映される。つまり、転送先の表示設定が自動的に転送元の表示設定と同一または近い設定になるように自動的に変更される。
【0014】
電子文書ごとに個別に付加される閲覧チケットに基づいて表示設定が変更されるので、ある電子文書Aを閲覧するときにユーザーが表示設定を変更したとしても、その後に他の電子文書Bを閲覧するときには当該電子文書Bを以前に閲覧したときの表示設定が現在の表示に反映される。
【0015】
このように閲覧チケットの示す表示設定を表示に反映させる機能は、例えば一人のユーザーがスマートフォン11およびタブレット12を場所や状況に応じて使い分ける場合に有用である。電子文書の閲覧に使う装置を切り替えるごとに表示設定を手動で最適化する手間が低減される。また、スマートフォン11およびタブレット12をそれぞれ異なるユーザーが使用する場合であっても、例えばスマートフォン11のユーザーが自己の閲覧時の表示設定と同様の設定でタブレット12のユーザーにも閲覧してほしいという状況において文書表示システム1は有用である。
【0016】
以下、文書表示システム1の構成をさらに詳しく説明する。
【0017】
図2(A)が例示する閲覧チケットC4は上述のとおりスマートフォン11からタブレット12へ転送される電子文書4に対応し、図2(B)が例示する閲覧チケットC4bは上述のとおりタブレット12からスマートフォン11へ転送される電子文書4,4bに対応する。電子文書4bは電子文書4の内容を部分的に編集したものである。編集には語句や画像の追加・削除およびアンダーラインやマーカーラインの付与が含まれる。ここでは「電子文書4を更新した電子文書4bを電子文書4の転送元であるスマートフォン11に返送する」という状況、および電子文書4が元の内容のままスマートフォン11とタブレット12との間で行ったり来たりする転送の繰り返しの行われる状況が想定されている。
【0018】
図2(A)のように閲覧チケットC4は、共通項目20と固有項目21とに分類された表示設定項目のそれぞれについての“最新の設定”を示す。最新の設定とは、注目する閲覧チケット(ここでは閲覧チケットC4)に対応する電子文書(ここでは電子文書4)が表示されている期間中においてユーザーが最後に指定した表示設定を意味する。表示期間中にユーザーが設定を変更しなければ、表示開始時の設定が最新の設定であり、設定を変更すれば、変更後の設定が最新の設定である。現在において電子文書が表示されている場合は現在の設定が最新の設定であり、過去において電子文書が表示されていた場合は表示終了時の設定が最新の設定である。
【0019】
共通項目20は、文書表示システム1を構成する文書表示装置であるスマートフォン11とタブレット12とに共通する表示設定項目のうちの、スマートフォン11およびタブレット12のいずれにも固有ではないと定められた表示設定項目である。図示において、共通項目20として、「表示ページ番号」「ページ表示順序」「見開きページ数」がある。「表示ページ番号」は複数のページを有する電子文書における表示対象ページを決める項目である。「ページ表示順序」はページ送りの順序を決める項目である。「見開きページ数」は、1ページずつの表示に代えて複数のページを並べて表示するかどうかを決める項目である。
【0020】
固有項目21は、デバイスAとして識別されるスマートフォン11における共通項目20以外の表示設定項目である。図示において、固有項目21として、「表示モード」「拡大率」「シフト表示」「画面分割」「表示の向き」がある。「表示モード」は、表示面の一部をメニューバーやステイタス表示領域といった特定の領域に割り当てる通常表示か表示面の全体を文書内容の表示に用いる全画面表示(フルスクリーン表示)かを決める項目である。「拡大率」は表示の倍率を決める項目である。「シフト表示」は、表示面の有効利用を可能にする項目であり、ページの周囲の余白が表示面からはみ出るようにページを表示面上に配置するかどうかを決める項目である。「画面分割」は表示面を複数の領域に分けて各領域で独立に電子文書を表示するかどうかを決める項目である。「表示の向き」は、長方形のページを縦向き(ポートレイト)で表示するか横向き(ロケーション)で表示するかを決める項目である。
【0021】
図2(B)のように閲覧チケットC4bは、共通項目20と固有項目21と固有項目22とに分類された表示設定項目のそれぞれについての最新の設定を示す。共通項目20および固有項目21は図2(A)の項目と同じである。固有項目22は、デバイスBとして識別されるタブレット12における共通項目20以外の表示設定項目である。つまり、閲覧チケットC4bは、閲覧チケットC4に固有項目22についての最新の設定を示すデータを追加した表示設定情報である。
【0022】
図示において、固有項目22として、「表示モード」「表示倍率」「画面分割」「表示の向き」がある。これらのうち、「表示倍率」は固有項目21の「拡大率」と同様の設定のための項目であり、残りの三つの項目(表示モード、画面分割、表示の向き)はそれぞれ固有項目21の同名の項目と同様の設定のための項目である。ただし、タブレット12の固有項目22である「表示倍率」および「画面分割」のそれぞれの設定の候補(設定の選択肢)は、スマートフォン11の固有項目21である「拡大率」および「画面分割」のそれぞれの設定の候補と同一ではない。タブレット12とスマートフォン11との間に表示機能の差異があるからである。
【0023】
図2の例示において固有項目21と固有項目22とを見比べるとわかるとおり、「表示モード」および「表示の向き」のそれぞれにおける設定の候補は固有項目21と固有項目22との間で同一である。言い換えれば、「表示モード」および「表示の向き」はスマートフォン11とタブレット12とに共通の表示設定項目とみることができる。しかしながら、本実施形態の文書表示システム1においては、スマートフォン11およびタブレット12のそれぞれと他の文書表示装置との電子文書のやり取りを想定し、当該他の文書表示装置が全画面表示機能や表示の向きを切り替える機能を持たない場合を考慮して、「表示モード」および「表示の向き」が固有項目21,22に定められている。
【0024】
閲覧チケットC4,C4bに対応する文書表示の例が図3に示される。図3の上段部に描かれたスマートフォン11は、垂直方向に長い縦向きの電子文書4のうちの一つのページを表示している。表示モードは表示面の上端部を操作のための特定領域A1に割り当てる通常表示である。そして、ページの余白M4を除くようにページの左上隅の点P1より内側の点P2を表示の起点とするシフト表示が行われている。このような表示設定を示す閲覧チケットC4と共に電子文書4が図3の中段部に描かれたタブレット12へ転送され、タブレット12に備わる水平方向に長い表示面上で電子文書4が表示される。
【0025】
電子文書4が転送された時点のタブレット12の表示設定について、表示モードは通常表示であり、表示の向きは縦向きであったとする。そうすると、電子文書4の表示開始に際して共通項目20については閲覧チケットC4の示す設定が適用される。しかし、閲覧チケットC4にはタブレット12の固有項目22についての設定情報は含まれていないので、固有項目22についてはタブレット12におけるデフォルト設定が適用される。図3の中段部に描かれたタブレット12による表示を閲覧するユーザーが、例えば通常表示を全画面表示に変更し、表示の向きを縦から横に変更したとする。そうすると、図3の下段部に描かれているように、タブレット12は表示面の全域を用いて縦向きの電子文書4を横向きに表示する。このとき、ユーザーは図4のようにタブレット12の姿勢を90度回転させて電子文書4を閲覧し易くすることができる。タブレット12において表示された電子文書4には、閲覧チケットC4に代えて閲覧チケットC4bが付加される。
【0026】
その後、タブレット12からスマートフォン11へ閲覧チケットC4bの付加された電子文書4が再転送され、スマートフォン11において電子文書4が表示されるときには、閲覧チケットC4bの共通項目20およびスマートフォン11に該当する固有項目21の設定が適用される。すなわち、スマートフォン11のユーザーが以前に電子文書4を閲覧したときの表示設定状態が再現される。
【0027】
さらにその後に、スマートフォン11からタブレット12へ再々転送された電子文書4、またはタブレット12内で保存されている電子文書4がタブレット12において表示されるときには、閲覧チケットC4bの共通項目20およびタブレット12に該当する固有項目22の設定が適用される。すなわち、タブレット12のユーザーが以前に電子文書4を閲覧したときの表示設定状態が再現される。
【0028】
図5はスマートフォン11およびタブレット12の機能構成を示す。
【0029】
スマートフォン11は、操作入力部101、表示処理部102、設定更新部103、文書送出部104、文書取得部105、表示設定部106、および文書管理部107を有する。これら要素は、スマートフォン11に備わるコンピュータとしてのCPU(central processing unit)が所定のコンピュータプログラムを実行することによって実現される機能要素である。
【0030】
操作入力部101は、操作キーおよびタッチパネルを有する操作入力デバイス31から入力される信号に基づいてユーザーによる操作の内容を解析し、ユーザーの指示をその内容に応じた通知先へ伝える。表示すべき電子文書の指定を伴う文書表示指示は表示処理部102へ伝えられ、電子文書を表示している期間中における表示設定の変更指示は設定更新部103へ伝えられ、外部への電子文書の送出指示は文書送出部104へ伝えられる。
【0031】
表示処理部102は、表示設定情報D11が示す共通項目20および固有項目21についての最新の表示設定に従って、ユーザーが表示の対象に選んだ電子文書をディスプレイ32の表示面上に表示する。表示処理部102は、表示対象の電子文書のデータを文書管理部107から取得し、表示設定に従ってデータを配置した画面を作成してディスプレイ32に送る。ページ送り操作に呼応する画面の切替えも表示処理部102が行う。表示設定情報D11はプログラム実行のワークエリアに存在し、ユーザーが表示設定の変更を指示するごとに設定更新部103によって逐次に更新される。そして、表示設定情報D11は適宜に不揮発性メモリに格納され、最新の設定が保存される。
【0032】
文書送出部104は、文書送出指示を受けて、送出の対象に指定された電子文書(ここでは電子文書4とする)を、ユーザーが指定した送出先へ通信インタフェース33を介して送出する。送出先は通信機能をもつ任意の外部装置であり、電子メールを利用する場合のメールサーバーを含む。図示では送出先はタブレット12である。通信インタフェース33は、無線LAN通信や赤外線通信などの複数の方式の通信を可能にするハードウェアおよびソフトウェアで構成される。送出対象の電子文書4がスマートフォン11において以前に表示されまたは現時点で表示されている場合、文書送出部104は電子文書4についての最新の表示設定を示す情報である閲覧チケットC4を電子文書4とともに送出する。送出指示の以前に表示された電子文書4には文書管理部107によって閲覧チケットC4が付加情報として対応づけられているので、文書送出部104は電子文書4とそれに付加された閲覧チケットC4とを文書管理部107から受け取って送出する。
【0033】
文書取得部105は、外部装置から送出された電子文書(図示では電子文書4b)および当該電子文書4bに付加された閲覧チケットC4bを、通信インタフェース33が介在する通信によって取得する。文書取得部105が取得した電子文書4bおよび閲覧チケットC4bは文書管理部107に引き渡され、ユーザーによる指定に応じて保存用のフォルダや表示用の一時記憶フォルダといった所定のメモリ領域に格納される。
【0034】
表示設定部106は、電子文書を表示する際に表示開始時の表示設定情報D11を決定する。ユーザーによって今回の表示の対象に指定された電子文書4が文書表示システム1において以前に表示されたことがなく、当該電子文書4に閲覧チケットC4が付加されていない場合、表示設定部106は不揮発性メモリに格納されているデフォルト情報D11Aを表示設定情報D11とする。今回の表示対象である電子文書4が以前にスマートフォン11において表示されたことがなく、当該電子文書4に付加されている閲覧チケットC4に固有項目21についての設定が含まれていない場合、表示設定部106は閲覧チケットC4における共通項目20の設定を表示設定情報D11に反映させ、固有項目21についてはデフォルト情報D11Aが示す設定を反映させる。そして、閲覧チケットC4に固有項目21についての設定が含まれている場合、表示設定部106は閲覧チケットC4における共通項目20および固有項目21の設定を表示設定情報D11に反映させる。
【0035】
文書管理部107は、スマートフォン11が保有する電子文書を管理し、表示処理部102および文書送出部104にそれらからの要求に応えて電子文書を提供する。表示対象に指定された電子文書4に閲覧チケットC4が付加されていない場合、文書管理部107は、表示設定部106によって決定された表示開始時の表示設定情報D11と同じ設定を示す閲覧チケットC4を作成し、電子文書4に対応づける。その後、文書管理部107は、設定更新部103によって表示設定情報D11が更新されるごとに逐次に閲覧チケットC4の内容を更新し、閲覧チケットC4の示す設定を表示設定情報D11における該当する項目の設定と一致させる。
【0036】
以上のスマートフォン11の機能構成と同様の構成がタブレット12において実現される。すなわち、タブレット12は、操作入力部201、表示処理部202、設定更新部203、文書送出部204、文書取得部205、表示設定部206、および文書管理部207を有する。これら要素は、タブレット12に備わるコンピュータとしてのCPUが所定のコンピュータプログラムを実行することによって実現される機能要素であり、それぞれがスマートフォン11における同じ名称の要素と同様に機能する。ただし、タブレット12において、操作入力部201は操作入力デバイス41の出力に基づいてユーザーによる操作の内容を解析し、表示処理部202は表示設定情報D12が示す設定に従ってディスプレイ42の表示面上に電子文書を表示する。文書送出部204および文書取得部205は、通信インタフェース43を介してスマートフォン11または他の外部装置と通信する。表示設定部206は、表示対象の電子文書4に閲覧チケットC4が付加されていないかまたは付加された閲覧チケットC4に固有項目22の設定が含まれていない場合、デフォルト情報D12Aに基づいて表示開始時の表示設定情報D12を決める。
【0037】
タブレット12において、表示対象に指定された電子文書に固有項目22の設定を含む閲覧チケット(例えば、閲覧チケットC4b)が付加されている場合には、当該電子文書の表示開始時の表示設定に、閲覧チケットにおける共通項目20および固有項目22の設定を反映させる。すなわち、表示設定情報D12が示す設定を閲覧チケットが示す設定に置き換える。
【0038】
スマートフォン11およびタブレット12が同様の機能構成を有するので、スマートフォン11およびタブレット12をそれぞれ用いて同一内容の電子文書を閲覧するユーザーに対して、一方での閲覧時の設定が全部または部分的に他方での表示に反映されるという相互に表示設定が共通化される閲覧環境が提供される。また、以前に閲覧した電子文書を以前と同じ装置を用いて閲覧する場合に以前の表示設定の再現される環境が提供される。
【0039】
図6はスマートフォン11およびタブレット12のそれぞれにおける電子文書の表示を開始する動作の流れの概要を示す。文書管理部107,207が表示すべき電子文書をそれの格納されている所定のメモリから読み出し(S10)、文書管理部107,207および表示設定部106,206が電子文書に付加されている情報を確認する(S11)。付加情報の中に閲覧チケットが無ければ(S12でNO)、表示設定部106,206はデフォルト情報D11A,D12Aを取得して表示設定に反映させる(S15)。閲覧チケットが有れば(S12でYES)、表示設定部106,206は文書管理部107,207が提供するデータから閲覧チケットを抽出し(S13)、閲覧チケットの内容を解析し(S14)、共通項目20の設定を示す共通情報を抽出して表示設定に反映させる(S16)。続けて、表示設定部106,206は固有項目21、22の設定を示す固有情報を抽出して表示設定に反映させる(S16、S17)。閲覧チケットに固有情報がなければ(S17でNO)、表示設定部106,206はデフォルト情報D11A,D12Aのうちの固有項目21、22のデータを取得して表示設定に反映させる(S19)。表示開始時の表示設定が決定した後、表示処理部102,202が表示開始時の表示設定を適用した画面データを作成し、ディスプレイ32,42に電子文書を表示させる(S20)。
〔実施形態2〕
図7に例示される文書表示システム2は、第1の文書表示装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)15と第2の文書表示装置としてのインテリジェント型のプロジェクタ16とを有する。MFP15およびプロジェクタ16はLAN10を介して通信可能に接続されている。LAN10は有線ネットワーク、無線ネットワーク、および有線と無線とが混在するネットワークのいずれでもよい。
【0040】
MFP15は、画像形成装置としての用途であるコピーおよびネットワークプリンティングの他に、文書(ドキュメント)の入力・保存・転送にも利用されるビジネスユースの情報機器である。MFP15はイメージスキャナおよびストレージを有しており、原稿シートのスキャニングまたは外部機器とのネットワーク通信によって取得した電子文書を保存することができる。そして、MFP15のユーザーは、MFP15が取得した電子文書を操作パネル50のディスプレイに表示させて閲覧したり、プロジェクタ16に転送したりすることができる。MFP15において表示された電子文書9には閲覧チケットC9が付加情報として対応づけられており、この電子文書9のプロジェクタ16への転送に際して、電子文書9とともに閲覧チケットC9が送出される。
【0041】
プロジェクタ16は、MFP15から転送された電子文書9をMFP15の表示面よりも十分に大きいスクリーン17に投影して拡大表示する。その際、プロジェクタ16は、電子文書9に付加されている閲覧チケットC9が示す設定をプロジェクタ16における表示設定に反映させる。そして、閲覧チケットC9に示されていない項目について、プロジェクタ16は予め保有しているデフォルト情報が示す設定を表示に適用する。
【0042】
図8のように閲覧チケットC9は、共通項目60と固有項目61とに分類された表示設定項目のそれぞれについての“最新の設定”を示す。最新の設定とは、上述のとおり注目する閲覧チケット(ここでは閲覧チケットC9)に対応する電子文書(ここでは電子文書9)が表示されている期間中においてユーザーが最後に指定した表示設定である。
【0043】
共通項目60は、文書表示システム2を構成する文書表示装置であるMFP15とプロジェクタ16とに共通する表示設定項目のうちの、MFP15およびプロジェクタ16のいずれにも固有ではないと定められた表示設定項目である。図示において、共通項目60として、「表示ページ番号」「ページ表示順序」「見開きページ数」「フォント置換」「文字サイズ最適化」がある。「フォント置換」は電子文書で使用されているフォントに代えて当該電子文書を表示する装置に適したフォントを使用するかどうかを決める項目である。「文字サイズ最適化」は電子文書の文字サイズを表示に適した文字サイズに変更するかどうかを決める項目である。
【0044】
固有項目61は、デバイスAとして識別されるMFP15における共通項目60以外の表示設定項目である。図示において、固有項目61として、「表示モード」「拡大率」「シフト表示」「表示フォント」「画面分割」「表示の向き」がある。「表示フォント」は、表示に使用するフォントを指定する項目である。
【0045】
図9はプロジェクタ16が保有するデフォルト情報D16Aの例を示す。デフォルト情報D16Aは、共通項目60と固有項目62とに分類された表示設定項目のそれぞれについてのデフォルト設定を示す。共通項目60は図8の共通項目60と同じである。ただし、各項目の設定は装置ごとに決められるので、図8と図9との間で共通項目60の設定に差異がある。固有項目62は、デバイスBとして識別されるプロジェクタ16における共通項目60以外の表示設定項目である。つまり、デフォルト情報D16Aは、プロジェクタ16においてユーザーが設定変更をすることのできる表示設定項目の全てについてのデフォルト設定を示す。図示において、固有項目62として、「表示モード」「表示フォント」「画面分割」「表示の向き」がある。
【0046】
図10は文書表示システム2における文書表示の例を示す。図10の左上部に描かれた電子文書9が表示の対象である。電子文書9はページ番号が連続した二つのページ93,94を含んでいる。図10の中段の右側部に描かれているように、MFP15の表示面DSでは、図中に一点鎖線で表わされる左右に並ぶ見開き状態の二つのページ93,94の一部分が全画面表示形式で拡大表示されている。また、シフト表示が行われ、明朝体フォントが用いられている。このような表示状態に対応した設定情報(図8参照)をもつ閲覧チケットC9が電子文書9とともにプロジェクタ16に転送される。
【0047】
図10の下段部に描かれているように、ページ93,94を拡大したページ93b,94bがスクリーン17上に表示される。このとき、閲覧チケットC9における共通項目60の設定が適用される。すなわち、MFP15で表示されたときと同様に二つのページ93b,94bが左右に並べられ、フォント置換および文字サイズ最適化が行われる。置換するフォントについては、閲覧チケットC9の固有項目61がプロジェクタ16の項目ではないので、デフォルト情報D16A(図9参照)の項目「表示フォント」の設定(ゴシック)が適用される。
【0048】
図11はMFP15およびプロジェクタ16の機能構成を示す。
【0049】
MFP15において、上述したスマートフォン11の機能構成(図5参照)と同様の構成が実現される。すなわち、MFP15は、操作入力部301、表示処理部302、設定更新部303、文書送出部304、文書取得部305、表示設定部306、および文書管理部307を有する。これら要素は、MFP15に備わるコンピュータとしてのCPUが所定のコンピュータプログラムを実行することによって実現される機能要素であり、それぞれがスマートフォン11における同じ名称の要素と同様に機能する。ただし、MFP15において、操作入力部301は操作パネルに備わる操作入力デバイス501の出力に基づいてユーザーによる操作の内容を解析し、表示処理部302は表示設定情報D15が示す設定に従ってディスプレイ502の表示面上に電子文書を表示する。文書送出部304および文書取得部305は、通信インタフェース59を介してプロジェクタ16または他の外部装置と通信する。表示設定部306は、表示対象の電子文書9に閲覧チケットC9が付加されていないかまたは付加された閲覧チケットC9に固有項目61の設定が含まれていない場合、デフォルト情報D15Aに基づいて表示開始時の表示設定情報D15を決める。
【0050】
プロジェクタ16は、表示処理部402、文書取得部405、および表示設定部406を有する。これら要素は、プロジェクタ16に備わるコンピュータとしてのCPUが所定のコンピュータプログラムを実行することによって実現される機能要素であり、それぞれがMFP15における同じ名称の要素と同様に機能する。ただし、プロジェクタ16において、表示処理部402は、スクリーン17上に電子文書9を表示させるために、表示設定情報D16が示す設定を適用して作成した画面データを投影機構62に送る。文書取得部405は、通信インタフェース63を介してMFP15または他の外部装置と通信する。表示設定部406は、表示対象の電子文書9に閲覧チケットC9が付加されていないかまたは付加された閲覧チケットC9に固有項目61の設定が含まれていない場合、デフォルト情報D16Aに基づいて表示開始時の表示設定情報D16を決める。
【0051】
以上の実施形態1、2によれば、デフォルト情報D11A,D12A,D15A,D16Aにおける共通項目20,60の設定に優先して閲覧チケットC4,C4b,C5,C9における共通項目20,60の設定が表示に適用されるので、以前の閲覧時の共通項目の設定がデフォルト設定と異なっていても、改めて電子文書を閲覧するときに以前の閲覧時の共通項目の設定が復元される。したがって、ある電子文書をユーザーが以前と同様の設定で閲覧したいと思う場合において、設定を復元する操作の手間を低減することができる。
【0052】
上述の実施形態1、2において、閲覧チケットの設定を表示に反映させるときに、自装置に該当する固有項目が閲覧チケットに含まれていなくても、表示機能の仕様が自装置と同一または類似する装置の固有項目が含まれていれば、それを表示に反映させるようにしてもよい。そうすれば、例えば同型の文書表示装置の間で、電子文書ごとにそれを閲覧するときの表示設定が自動的に共通化される。
【0053】
共通項目と固有項目との分類については、本発明を適用したコンピュータプログラムを導入しようとする複数種の文書表示装置の表示機能の仕様に応じて適宜行えばよい。上述したとおり、固有項目は3以上の文書表示装置のうちの複数の装置に共通の表示設定項目であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1,2 文書表示システム
11 スマートフォン(文書表示装置)
12 タブレット(文書表示装置)
15 MFP(文書表示装置)
16 プロジェクタ(文書表示装置)
20,60 共通項目
21,22,61,62 固有項目
4,5,6,7,8,9 電子文書
C4,C4b,C5,C9 閲覧チケット(表示設定情報)
102,202,302,402 表示処理部
103,203,303,403 設定更新部
104,204,304 文書送出部
105,205,305,405 文書取得部
106,206,306,406 表示設定部
D11A,D12A,D15A,D16A デフォルト情報


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の文書表示装置を有した文書表示システムであって、
前記第1の文書表示装置は、
当該第1の文書表示装置および前記第2の文書表示装置に共通する表示設定項目のうちの予め定められた項目である共通項目および当該第1の文書表示装置における前記共通項目以外の表示設定項目である固有項目についての表示設定に従って、電子文書を表示する表示処理部と、
前記電子文書が表示されている期間中に、ユーザーによる設定変更操作が行われるごとに、最新の表示設定を示す表示設定情報を更新する設定更新部と、
前記電子文書の外部への送出指示を受けて、前記電子文書と前記表示設定情報とを送出する文書送出部とを備えており、
前記第2の文書表示装置は、
前記第1の文書表示装置から送出された前記電子文書および前記表示設定情報を取得する文書取得部と、
前記電子文書の表示開始時の表示設定に、前記表示設定情報が示す表示設定のうちの前記共通項目の設定を反映させる表示設定部と、を備える
ことを特徴とする文書表示システム。
【請求項2】
電子文書を表示する文書表示装置であって、
当該文書表示装置に固有ではないと定められた表示設定項目である共通項目および当該文書表示装置における前記共通項目以外の表示設定項目である固有項目についての表示設定に従って、表示対象に指定された電子文書を表示する表示処理部と、
前記電子文書が表示されている期間中に、ユーザーによる設定変更操作が行われるごとに、最新の表示設定を示す表示設定情報を更新する設定更新部と、
前記電子文書の外部への送出指示を受けて、前記電子文書と前記表示設定情報とを送出する文書送出部と、
外部装置から送出された電子文書および当該電子文書に付加された表示設定情報を取得する文書取得部と、
前記文書取得部によって取得された前記表示設定情報が示す表示設定に前記共通項目の設定が含まれる場合に、前記文書取得部によって取得された電子文書の表示開始時の表示設定に、当該電子文書に付加された前記表示設定情報が示す表示設定のうちの前記共通項目の設定を反映させる表示設定部と、を備える
ことを特徴とする文書表示装置。
【請求項3】
前記表示設定部は、前記文書取得部によって取得された前記表示設定情報が示す表示設定に前記共通項目および前記固有項目の設定が含まれる場合に、前記文書取得部によって取得された電子文書の表示開始時の表示設定に、当該電子文書に付加された前記表示設定情報が示す表示設定のうちの前記共通項目および前記固有項目の設定を反映させる
請求項2記載の文書表示装置。
【請求項4】
前記表示設定部は、表示設定情報が付加されていない電子文書の表示開始時の表示設定を予め定められたデフォルトの設定とする
請求項2または3記載の文書表示装置。
【請求項5】
前記表示設定部は、前記固有項目の設定を示さない表示設定情報が付加された電子文書の表示開始時の前記固有項目の設定を予め定められたデフォルトの設定とする
請求項2ないし4のいずれかに記載の文書表示装置。
【請求項6】
電子文書を表示する文書表示装置であって、
当該文書表示装置に固有ではないと定められた表示設定項目である共通項目および当該文書表示装置における前記共通項目以外の表示設定項目である固有項目についての表示設定に従って、表示対象に指定された電子文書を表示する表示処理部と、
前記電子文書が表示されている期間中に、ユーザーによる設定変更操作が行われるごとに、最新の表示設定を示す表示設定情報を更新する設定更新部と、
前記電子文書の外部への送出指示を受けて、前記電子文書と前記表示設定情報とを送出する文書送出部と、を備える
ことを特徴とする文書表示装置。
【請求項7】
電子文書を表示する文書表示装置であって、
外部装置から電子文書および当該電子文書に付加された表示設定情報を取得する文書取得部と、
前記文書取得部によって取得された前記表示設定情報が示す表示設定に当該文書表示装置に固有ではないと定められた表示設定項目である共通項目の設定が含まれる場合に、前記文書取得部によって取得された電子文書の表示開始時の表示設定に、当該電子文書に付加された前記表示設定情報が示す表示設定のうちの前記共通項目の設定を反映させる表示設定部と、を備える
ことを特徴とする文書表示装置。
【請求項8】
前記表示設定部は、前記文書取得部によって取得された前記表示設定情報が示す表示設定に前記共通項目および当該文書表示装置における前記共通項目以外の表示設定項目である固有項目の設定が含まれる場合に、前記文書取得部によって取得された電子文書の表示開始時の表示設定に、当該電子文書に付加された前記表示設定情報が示す表示設定のうちの前記共通項目および前記固有項目の設定を反映させる
請求項7記載の文書表示装置。
【請求項9】
前記表示設定部は、前記表示設定情報が示す表示設定にフォント置換が含まれる場合に、前記電子文書の表示に用いるフォントを予め定められたフォントとする
請求項8記載の文書表示装置。
【請求項10】
前記表示設定部は、前記表示設定情報が示す表示設定に文字サイズの最適化が含まれる場合に、前記電子文書の表示文字サイズを予め定められたサイズとする
請求項8または9記載の文書表示装置。
【請求項11】
文書表示装置において実行されるコンピュータプログラムであって、
前記文書表示装置が有するコンピュータによって実行されたときに、
当該文書表示装置に固有ではないと定められた表示設定項目である共通項目および当該文書表示装置における前記共通項目以外の表示設定項目である固有項目についての表示設定に従って、表示対象に指定された電子文書を表示する表示処理部と、
前記電子文書が表示されている期間中に、ユーザーによる設定変更操作が行われるごとに、最新の表示設定を示す表示設定情報を更新する設定更新部と、
前記電子文書の外部への送出指示を受けて、前記電子文書と前記表示設定情報とを送出する文書送出部と、
外部装置から送出された電子文書および当該電子文書に付加された表示設定情報を取得する文書取得部と、
前記文書取得部によって取得された前記表示設定情報が示す表示設定に前記共通項目の設定が含まれる場合に、前記文書取得部によって取得された電子文書の表示開始時の表示設定に、当該電子文書に付加された前記表示設定情報が示す表示設定のうちの前記共通項目の設定を反映させる表示設定部と、を前記コンピュータに実現させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記表示設定部は、前記文書取得部によって取得された前記表示設定情報が示す表示設定に前記共通項目および前記固有項目の設定が含まれる場合に、前記文書取得部によって取得された電子文書の表示開始時の表示設定に、当該電子文書に付加された前記表示設定情報が示す表示設定のうちの前記共通項目および前記固有項目の設定を反映させる
請求項11記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
文書表示装置において実行されるコンピュータプログラムであって、
前記文書表示装置が有するコンピュータによって実行されたときに、
当該文書表示装置に固有ではないと定められた表示設定項目である共通項目および当該文書表示装置における前記共通項目以外の表示設定項目である固有項目についての表示設定に従って、表示対象に指定された電子文書を表示する表示処理部と、
前記電子文書が表示されている期間中に、ユーザーによる設定変更操作が行われるごとに、最新の表示設定を示す表示設定情報を更新する設定更新部と、
前記電子文書の外部への送出指示を受けて、前記電子文書と前記表示設定情報とを送出する文書送出部と、を前記コンピュータに実現させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項14】
文書表示装置において実行されるコンピュータプログラムであって、
前記文書表示装置が有するコンピュータによって実行されたときに、
外部装置から電子文書および当該電子文書に付加された表示設定情報を取得する文書取得部と、
前記文書取得部によって取得された前記表示設定情報が示す表示設定に当該文書表示装置に固有ではないと定められた表示設定項目である共通項目の設定が含まれる場合に、前記文書取得部によって取得された電子文書の表示開始時の表示設定に、当該電子文書に付加された前記表示設定情報が示す表示設定のうちの前記共通項目の設定を反映させる表示設定部と、を前記コンピュータに実現させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−194715(P2012−194715A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57389(P2011−57389)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】