説明

文書閲覧制御プログラム及び文書閲覧制御装置

【課題】文書情報に定義された閲覧権限を変更することなく当該文書情報を当該文書情報の公開状況毎に閲覧権限と異なる条件で閲覧を制限する文書閲覧制御プログラム及び文書閲覧制御装置を提供する。
【解決手段】文書閲覧制御装置1は、文書情報111に閲覧権限情報112を設定する閲覧権限設定手段102と、文書情報111を公開する文書公開手段100と、文書情報を公開する際に、当該文書情報を複製して当該編集用の文書情報のバージョンを更新する版情報管理手段101と、公開状況に対応した特殊閲覧権限情報115を公開用の文書情報に設定する特殊閲覧権限設定手段103と、閲覧権限情報112に基づいて編集用及び公開用の文書情報の閲覧を制限する閲覧制限手段105と、特殊閲覧権限115に基づいて公開用の文書情報の閲覧を制限する特殊閲覧制限手段106と、両制限に基づいて文書情報を閲覧させる文書閲覧手段104とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書閲覧制御プログラム及び文書閲覧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
文書情報のライフサイクルの遷移に伴う閲覧権限の変更を設定する技術が提案されている。
【0003】
これに関連する技術として、特許文献1には、ワークフローの各ライフサイクルフェーズの遷移条件及び遷移時の文書情報の記録配置を規定した情報であるライフサイクル規定情報と、文書情報の現在のライフサイクルフェーズを表すライフサイクル状態情報と、文書情報のライフサイクルフェーズ毎の利用者の閲覧権限を規定する閲覧権限規定情報と、ライフサイクルフェーズの遷移時に閲覧権限規定情報を参照して遷移したフェーズに対応した閲覧権限情報を現在の閲覧権限規定情報とする設定手段と、利用者の文書情報の閲覧要求時に現在の閲覧権限規定情報に基づいて閲覧の可否を判定する閲覧判定手段とを有する文書閲覧制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−107112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、文書情報に定義された閲覧権限を変更することなく当該文書情報を当該文書情報の公開状況毎に閲覧権限と異なる条件で閲覧を制限する文書閲覧制御プログラム及び文書閲覧制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]コンピュータを、
版情報が関連付けられた文書情報に閲覧権限を設定する閲覧権限設定手段と、
前記版情報を変更せずに前記文書情報を公開用の文書情報として公開する文書公開手段と、
前記文書公開手段が前記文書情報を公開する際に、当該文書情報を複製して編集用の文書情報を作成するとともに当該編集用の文書情報に関連付けられた版情報を更新する版情報管理手段と、
前記公開用の文書情報の公開状況に対応づけられる特殊閲覧権限を前記公開用の文書情報に設定する特殊閲覧権限設定手段と、
閲覧要求を受け付けた場合、前記閲覧権限設定手段が設定した前記閲覧権限に基づいて前記編集用の文書情報及び前記公開用の文書情報の閲覧を制限する閲覧制限手段と、
前記閲覧要求を受け付けた場合、前記特殊閲覧権限に基づき、前記公開用の文書情報の公開状況に応じて当該公開用の文書情報の閲覧を制限する特殊閲覧制限手段と、
前記閲覧制限手段の制限に基づいて前記編集用の文書情報又は前記公開用の文書情報を前記閲覧要求の要求元に閲覧させるとともに、前記閲覧制限手段の制限より優先して前記特殊閲覧制限手段で制限されない場合に前記公開用の文書情報を前記閲覧要求の要求元に閲覧させる文書閲覧手段として機能させるための文書閲覧制御プログラム。
【0007】
[2]版情報が関連付けられた文書情報に閲覧権限を設定する閲覧権限設定手段と、
前記版情報を変更せずに前記文書情報を公開用の文書情報として公開する文書公開手段と、
前記文書公開手段が前記文書情報を公開する際に、当該文書情報を複製して編集用の文書情報を作成するとともに当該編集用の文書情報に関連付けられた版情報を更新する版情報管理手段と、
前記公開用の文書情報の公開状況に対応づけられる特殊閲覧権限を前記公開用の文書情報に設定する特殊閲覧権限設定手段と、
閲覧要求を受け付けた場合、前記閲覧権限設定手段が設定した前記閲覧権限に基づいて前記編集用の文書情報及び前記公開用の文書情報の閲覧を制限する閲覧制限手段と、
前記閲覧要求を受け付けた場合、前記特殊閲覧権限に基づき、前記公開用の文書情報の公開状況に応じて当該公開用の文書情報の閲覧を制限する特殊閲覧制限手段と、
前記閲覧制限手段の制限に基づいて前記編集用の文書情報又は前記公開用の文書情報を前記閲覧要求の要求元に閲覧させるとともに、前記閲覧制限手段の制限より優先して前記特殊閲覧制限手段で制限されない場合に前記公開用の文書情報を前記閲覧要求の要求元に閲覧させる文書閲覧手段とを有する文書閲覧制御装置。
【発明の効果】
【0008】
請求項1又は2に係る発明によれば、文書情報に定義された閲覧権限を変更することなく当該文書情報を当該文書情報の公開状況毎に閲覧権限と異なる条件で閲覧を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態における文書閲覧制御システムの構成例を示す概略図である。
【図2】文書閲覧制御装置の構成例を示す概略図である。
【図3】図3は、閲覧権限情報の内容の一例を示す概略図である。
【図4】図4は、公開設定属性情報の内容の一例を示す概略図である。
【図5】図5(a)及び(b)は、特殊閲覧権限情報の内容の一例を示す概略図である。
【図6】図6(a)及び(b)は、文書閲覧制御装置の文書情報の公開動作の一例を説明するための概略図である。
【図7】図7(a)〜(c)は、文書閲覧制御装置の文書情報の閲覧動作の他の例を説明するための概略図である。
【図8】図8(a)〜(c)は、文書閲覧制御装置の文書情報の閲覧動作の他の例を説明するための概略図である。
【図9】図9は、(a)及び(b)は、文書閲覧制御装置の文書情報の履歴の閲覧動作の一例を説明するための概略図である
【図10】図10は、文書閲覧制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(文書閲覧制御システムの構成)
図1は、本発明の文書閲覧制御システムの構成例を示す概略図である。
【0011】
この文書閲覧制御システム4は、文書閲覧制御装置1と、端末2A、2Bとをネットワーク3によって互いに通信可能に接続することで構成される。
【0012】
文書閲覧制御装置1は、情報を処理するための機能を備えたCPU(Central Processing Unit)や記憶部等の電子部品を備える情報処理装置であり、端末2A、2Bの要求に応じた情報処理を実行する。
【0013】
文書閲覧制御装置1は、記憶部に文書情報を格納しており、本実施の形態において利用者5Aはその文書情報の作成者又は管理者であって、利用者5Aから端末2Aを介して文書情報の公開要求を受け付ける。また、利用者5Bは、文書情報の閲覧を希望する者であり、文書閲覧制御装置1は公開された文書の閲覧要求を受け付けて閲覧の権限を有する利用者である場合に閲覧のために表示処理する。なお、利用者5Aは、公開の有無に関わらず文書情報を閲覧可能である。
【0014】
文書情報は、例えば、ワープロ、表計算ソフト等のソフトで作成されたファイルや、HTML文書、画像ファイル、音楽ファイル等の情報である。
【0015】
端末2A(2B)は、液晶ディスプレイ等の表示部20A(20B)と、操作入力用のキーボード、マウス、タッチパッド等の操作部21A(21B)と、CPUや記憶部等の電子部品を有する本体とを備える。端末2A(2B)は、利用者5A(5B)の操作部21A(21B)に対する操作内容に応じた要求を文書閲覧制御装置1に送信し、その要求に対する応答を受信して、受信した内容を本体内部で処理し、処理結果を表示部20A(20B)に表示するものである。なお、端末2A(2B)は、例えば、パーソナルコンピュータであり、その他にPDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機等を用いることもできる。
【0016】
ネットワーク3は、LAN(Local Area Network)、インターネット等の通信網であり、有線、無線は問わない。
【0017】
図2は、文書閲覧制御装置1の構成例を示すブロック図である。
【0018】
文書閲覧制御装置1は、CPU等から構成され各部を制御するとともに各種のプログラムを実行する制御部10と、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体から構成され情報を記憶する記憶部11と、ネットワーク3を介して外部と通信する通信部12とを備える。
【0019】
制御部10は、後述する文書閲覧制御プログラム110を実行することで、文書公開手段100、版情報管理手段101、閲覧権限設定手段102、特殊閲覧権限設定手段103、文書閲覧手段104、閲覧制限手段105及び特殊閲覧制限手段106等として機能する。
【0020】
文書公開手段100は、記憶部11の文書情報111を後述する公開設定属性情報114に基づいて特定又は不特定の利用者に閲覧可能な状態として公開する。
【0021】
版情報管理手段101は、文書公開手段100が文書情報111を公開する際、文書情報111を複製して編集用の文書情報111を生成し、その文書情報111の版情報(バージョン)を更新する。
【0022】
閲覧権限設定手段102は、公開及び編集される文書情報111に共通の閲覧権限情報112を設定する。
【0023】
特殊閲覧権限設定手段103は、文書公開手段100によって公開される文書情報111にその公開状況に対応した特殊閲覧権限情報115を関連付けて閲覧制限を設定する。
【0024】
文書閲覧手段104は、端末2A、2Bから閲覧要求を受け付けて、文書情報111を閲覧のために表示処理する。
【0025】
閲覧制限手段105は、文書情報111に関連付けられた閲覧権限情報112に基づいて、文書閲覧手段104によって表示処理される文書情報111の閲覧を制限する。なお、本実施の形態においては、後述するように閲覧権限情報112の許可権限欄に記載された内容を許可して、記載された内容以外の内容を制限する。
【0026】
特殊閲覧制限手段106は、文書情報111に関連付けられた特殊閲覧権限情報115に基づいて、文書閲覧手段104によって表示処理される文書情報111の閲覧を制限する。なお、特殊閲覧制限手段106は、閲覧制限手段105の閲覧制限より優先して適用される。また、本実施の形態においては、後述するように特殊閲覧権限情報115の許可権限欄に記載された内容を許可して、記載された内容以外の内容を制限する。
【0027】
記憶部11は、制御部10を上述した各手段として動作させる文書閲覧制御プログラム110、文書情報111、閲覧権限設定手段102によって設定される閲覧権限情報112、文書閲覧制御システム4を利用可能な利用者を示す利用者情報113、利用者毎に設定された文書情報111の公開条件を示す公開設定属性情報114及び特殊閲覧権限設定手段103によって設定される特殊閲覧権限情報115等を記憶する。
【0028】
図3は、閲覧権限情報112の内容の一例を示す概略図である。
【0029】
閲覧権限情報112は、閲覧権限を設定する文書情報の識別子を示す文書ID欄と、閲覧を許可する利用者を示す許可ユーザー欄と、許可する内容を示す許可権限欄とを有する。
【0030】
図4は、公開設定属性情報114の内容の一例を示す概略図である。
【0031】
公開設定属性情報114は、公開設定属性情報114の設定の識別子を示す設定ID欄と、設定属性を適用する操作者や操作者の属するグループを示す操作者/操作者グループ欄と、設定属性の内容を示す設定属性ID欄と、設定属性の設定値を示す設定値欄とを有する。
【0032】
図5(a)及び(b)は、特殊閲覧権限情報の内容の一例を示す概略図である。
【0033】
特殊閲覧権限情報115Aは、特殊閲覧権限情報115Bを適用する文書情報の状況属性及び属性値を示す情報であって、特殊閲覧権限情報115Aの設定の識別子を示す設定ID欄と、特殊閲覧権限115Bを設定する文書情報の識別子を示す文書ID欄と、文書情報の状況の内容を示す状況属性ID欄と、閲覧を許可する状況属性の値を示す閲覧許可設定値欄とを有する。
【0034】
特殊閲覧権限情報115Bは、特殊閲覧権限情報115Aに定義される状況において文書情報の閲覧を許可する利用者と許可権限とを示す情報であって、特殊閲覧権限情報115Aの設定ID欄と対応する設定ID欄と、特殊閲覧権限の設定を許可する利用者を示す許可ユーザー欄と、許可する内容を示す許可権限欄とを有する。
【0035】
(文書閲覧制御システムの動作)
以下に、文書閲覧制御システム4の動作を図1〜図10を参照しつつ、(1)基本動作、(2)特殊閲覧権限設定動作及び(3)特殊閲覧制限動作に分けて説明する。
【0036】
(1)基本動作
まず、利用者5A及び5B(さらに、後述する5C)は、端末2A及び5B(5C)を操作して文書閲覧制御装置1に利用者認証を要求する。文書閲覧制御装置1は、利用者情報113を参照して文書閲覧制御システム4を利用可能な利用者について認証する。
【0037】
次に、利用者5Aは、端末2Aを操作して文書情報111aを作成し、作成した文書情報111aを文書閲覧制御装置1に登録するよう要求する。端末2Aは、文書情報111aとともに登録要求を文書閲覧制御装置1に送信する。
【0038】
文書閲覧制御装置1は、文書情報111aとともに登録要求を受け付けて文書情報111aを記憶部11に格納する。また、文書情報111aの格納と同時に、閲覧権限設定手段102は、文書情報111aに閲覧権限情報112を設定する。
【0039】
設定される閲覧権限情報112は、図3に示すように、文書情報111aに該当する文書ID欄の値が「100001」である場合、許可ユーザー欄の値である「開発グループ」の利用者(5A)が、許可権限欄の値である「参照/ダウンロード/公開操作」の許可権限を与えられていることを示す。
【0040】
次に、利用者5Aは、端末2Aを操作して文書閲覧制御装置1に文書情報111aの公開を要求する。端末2Aは、公開要求を文書閲覧制御装置1に送信する。
【0041】
文書閲覧制御装置1の文書公開手段100は、閲覧権限情報112の許可ユーザー欄に利用者5Aのグループが属する「開発グループ」が、許可権限欄に「公開操作」が登録されているため利用者5Aの公開要求を受け付ける。なお、公開先は、図4に示す公開設定情報114の操作者/操作者グループ欄が「開発1G」に該当する設定ID欄「700001」の内容に従い、「部門公開」となる。
【0042】
図6(a)及び(b)は、文書閲覧制御装置1の文書情報の公開動作の一例を説明するための概略図である。
【0043】
文書公開手段100は、文書情報111aを「部門公開」する。文書情報公開手段100が文書情報111aを公開する際、版情報管理手段101は、文書情報111aを複製して編集用の文書情報111aを生成する。この際、図6(a)に示すように、文書情報111aのバージョンが「3」であった場合、版情報管理手段101は、図6(b)に示すように編集用の文書情報111aのバージョンを「3」から「4」に更新する。
【0044】
次に、利用者5Aは、端末2Aを操作して文書閲覧制御装置1に「部門公開」中の文書情報111aに特殊閲覧権限情報115の設定を要求する。端末2Aは、特殊閲覧権限情報115の設定要求を文書閲覧制御装置1に送信する。
【0045】
文書閲覧制御装置1の特殊閲覧権限設定手段103は、以下に説明する方法で文書情報111aに特殊閲覧権限情報115を設定する。
【0046】
(2)特殊閲覧権限設定動作
特殊閲覧権限設定手段103は、例えば、利用者5Aから文書情報111a特殊閲覧権限情報115の設定要求を受け付けると、図5(a)及び(b)に示すように、文書情報111aに特殊閲覧権限情報115A及び115Bを設定する。
【0047】
まず、図5(a)の特殊閲覧権限情報115Aに示すように、特殊閲覧権限情報115Bに対応した設定をするために、設定ID欄の値が「500001」に該当する設定がされ、文書ID欄「100001」の文書情報111aの状況属性ID欄「公開状況」が閲覧許可属性値「部門公開」とされる。
【0048】
次に、図5(b)の特殊閲覧権限情報115Bに示すように、特殊閲覧権限情報115Aに対応して設定ID欄の値が「500001」に該当する設定がされ、許可ユーザー欄「計画グループ」の利用者(5B)に許可権限欄「参照/ダウンロード/公開操作」が設定される。
【0049】
(3)特殊閲覧制限動作
以上に説明した特殊閲覧権限情報115A、115Bの設定がなされると、閲覧制限手段105及び特殊閲覧制限手段106は、設定された閲覧権限情報112及び特殊閲覧権限情報115A、115Bに基づき文書情報111a及び111aの閲覧を制限する。
【0050】
図10は、文書閲覧制御装置1の動作例を示すフローチャートである。
【0051】
まず、閲覧制限手段105は、閲覧権限情報112を参照する(S1)。参照の結果、文書情報111a又は111aの許可ユーザー欄に閲覧を要求した利用者が設定されている場合(S2;Yes)、許可権限欄に設定されている内容で文書情報111a又は111aの閲覧を許可する(S3)。
【0052】
つまり、公開されない編集用の文書情報111aには閲覧権限情報112のみが設定されているため、図3(a)に示す閲覧権限情報112に基づいて、図6(b)に示すように、閲覧制限手段105によって閲覧が利用者5Aの所属する開発グループの利用者に制限される。
【0053】
また、閲覧権限情報112の許可ユーザー欄に閲覧を要求した利用者が設定されていない場合(S2;No)、又は許可ユーザー欄に閲覧を要求した利用者が設定されているが、要求した閲覧内容が許可権限欄に設定されていない場合、特殊閲覧制限手段106は、特殊閲覧権限情報115A、115Bが設定されているか確認する(S4)。
【0054】
特殊閲覧権限情報115A、115Bが設定されて存在する場合(S4;Yes)、特殊閲覧制限手段106は、特殊閲覧権限情報115Aの文書ID欄及び閲覧許可属性値欄の値が一致する設定が存在するか確認する(S5)。
【0055】
特殊閲覧権限情報115Aの文書ID欄及び閲覧許可属性値欄の値が一致する設定が有る場合(S5;Yes)、特殊閲覧制限手段106は、特殊閲覧権限情報115Bの許可ユーザー欄に閲覧を要求した利用者が設定されている場合(S6;Yes)、許可権限欄に設定されている内容で文書情報111a又は111aの閲覧を許可する(S3)。
【0056】
つまり、部門公開された文書情報111aには閲覧権限情報112及び特殊閲覧権限情報115A、115Bが設定されているため、図5(a)及び(b)に示す特殊閲覧権限情報115A、115Bが優先適用されて、特殊閲覧制限手段106によって閲覧が利用者5Bの所属する計画グループの利用者に制限される。また、閲覧権限情報112に基づいて閲覧制限手段105によって閲覧(参照)が利用者5Aの所属する開発グループの利用者に制限される。
【0057】
また、ステップS4〜S6に該当しない場合は、文書情報111a又は111aの閲覧を禁止し(S7)、閲覧不可である旨を端末2A(2B、2C)の表示部に表示する情報を応答する。
【0058】
また、各利用者が各端末を介して文書閲覧制御装置1に文書情報111の一覧の表示を要求した場合、文書閲覧制御装置1は、表示情報を各端末に送信し、各端末は、それぞれの表示部に以下に説明するような画面を表示する。
【0059】
図7(a)〜(c)は、文書閲覧制御装置1の文書情報の閲覧動作の他の例を説明するための概略図である。
【0060】
文書閲覧制御装置1に文書情報111a及び111aに加えて、公開用の文書情報111b(バージョン「2」)及び公開されない編集用の文書情報111b(バージョン「5」)が登録されている場合、利用者5Aが端末2Aを介して文書情報の一覧を閲覧請求すると、図7(a)に示すように、表示部20Aには最新バージョンの文書情報111a及び111bが表示される。なお、文書情報111bは、文書情報111aに設定されているものと同様の閲覧権限情報112及び特殊閲覧権限情報115が設定されており、文書情報111bは、文書情報111aに設定されているものと同様の閲覧権限情報112が設定されているものとする。
【0061】
また、利用者5Bが端末2Bを介して文書情報の一覧を閲覧請求すると、図7(b)に示すように、表示部20Bには「部門公開」されており特殊閲覧権限情報115で利用者5Bに閲覧が許可された文書情報の最新バージョンの文書情報111a及び111bが表示される。
【0062】
また、利用者5Cが端末2Cを介して文書情報の一覧を閲覧請求すると、図7(c)に示すように、表示部20Cには文書情報は表示されない。これは、文書情報に設定された閲覧権限情報112及び特殊閲覧権限情報115のいずれにも閲覧を許可された利用者として「その他ユーザー」に属する利用者5Cが含まれないためである。
【0063】
次に、「計画G」に含まれる利用者である利用者5Bは、文書情報111a及び文書情報111bを公開要求すると、文書公開手段100は、図4に示す公開設定属性情報114の設定ID欄「700002」に従って、文書情報111a及び文書情報111bを「社内公開」する。
【0064】
また、利用者5Bは、「社内公開」された文書情報111a及び文書情報111bに「計画グループ」に「参照/ダウンロード」を許可し、「その他ユーザー」に「参照/ダウンロード/印刷」を許可するよう設定要求すると、特殊閲覧権限設定手段103は、図5(a)及び(b)に示すように、特殊閲覧権限情報115A及び115Bの設定ID欄の値が「500001」に該当する内容を設定する。
【0065】
次に、各利用者が各端末を介して文書閲覧制御装置1に文書情報111の一覧の表示を要求した場合、文書閲覧制御装置1は、表示情報を各端末に送信し、各端末は、それぞれの表示部に以下に説明するような画面を表示する。
【0066】
図8(a)〜(c)は、文書閲覧制御装置1の文書情報の閲覧動作の他の例を説明するための概略図である。
【0067】
利用者5Aが端末2Aを介して文書情報の一覧を閲覧請求すると、図7(a)の場合と同様に、図8(a)に示すように、表示部20Aには文書情報111a及び111bが表示される。
【0068】
また、利用者5Bが端末2Bを介して文書情報の一覧を閲覧請求すると、図8(b)に示すように、表示部20Bには「社内公開」されており特殊閲覧権限情報115で利用者5Bに閲覧が許可された文書情報の最新バージョンの文書情報111a及び111bが表示される。
【0069】
また、利用者5Cが端末2Cを介して文書情報の一覧を閲覧請求すると、図8(c)に示すように、表示部20Cには「社内公開」されており特殊閲覧権限情報115で利用者5Cに閲覧が許可された文書情報111a及び111bが表示される。これは、文書情報111a及び111bに設定された特殊閲覧権限情報115の閲覧を許可された利用者として「その他ユーザー」に属する利用者5Cが含まれることとなったためである。
【0070】
また、上記した状況において各利用者が文書情報111a又は111aの履歴を参照した場合について以下に説明する。
【0071】
図9は、(a)及び(b)は、文書閲覧制御装置1の文書情報の履歴の閲覧動作の一例を説明するための概略図である。
【0072】
利用者5Aが端末2Aを介して文書情報111aの履歴を閲覧請求すると、図9(a)に示すように、表示部20Aには文書情報111a及び文書情報111aより以前のバージョンの文書情報(文書情報111aを含む)が表示される。これはすべてのバージョンの文書情報111aに設定された閲覧権限情報112に利用者5Aが含まれているためである。
【0073】
また、利用者5B(5C)が端末2B(2C)を介して文書情報111aの履歴を閲覧請求すると、図9(b)に示すように、表示部20B(20C)には文書情報111a及び文書情報111aより以前のバージョンであって特殊閲覧権限情報115が設定されたバージョンの文書情報111aが表示される。
【0074】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。
【0075】
例えば、図5(a)に示すように、特殊閲覧権限設定手段103は、状況属性ID欄の値として「docRev」、つまり、文書情報のリビジョン(改定番号)を設定してもよい。この場合、特殊閲覧制限手段106は、文書ID欄が「100001」の文書情報の「docRev」が「1」〜「5」のいずれかである場合に、図5(b)に示すように、「グループ2」に属する利用者に対して「100001」の文書情報の「参照」を許可する。
【0076】
また、上記文書閲覧制御プログラム110をCD−ROM等の記憶媒体に格納して提供することも可能であり、インターネット等のネットワークに接続されているサーバ装置等から装置内の記憶部にダウンロードしてもよい。また、文書公開手段100、閲覧権限設定手段102、特殊閲覧権限設定手段103、文書閲覧手段104、閲覧制限手段105及び特殊閲覧制限手段106の一部又は全部をASIC等のハードウェアによって実現してもよい。なお、上記実施の形態の動作説明で示した各ステップは、順序の変更、ステップの省略、追加が可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 文書閲覧制御装置
2A−2C 端末
3 ネットワーク
4 文書閲覧制御システム
5A−5C 利用者
10 制御部
11 記憶部
12 通信部
20A−20C 表示部
21A−21C 操作部
100 文書公開手段
101 版情報管理手段
102 閲覧権限設定手段
103 特殊閲覧権限設定手段
104 文書閲覧手段
105 閲覧制限手段
106 特殊閲覧制限手段
110 文書閲覧制御プログラム
111 文書情報
112 閲覧権限情報
113 利用者情報
114 公開設定属性情報
115 特殊閲覧権限情報




【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
版情報が関連付けられた文書情報に閲覧権限を設定する閲覧権限設定手段と、
前記版情報を変更せずに前記文書情報を公開用の文書情報として公開する文書公開手段と、
前記文書公開手段が前記文書情報を公開する際に、当該文書情報を複製して編集用の文書情報を作成するとともに当該編集用の文書情報に関連付けられた版情報を更新する版情報管理手段と、
前記公開用の文書情報の公開状況に対応づけられる特殊閲覧権限を前記公開用の文書情報に設定する特殊閲覧権限設定手段と、
閲覧要求を受け付けた場合、前記閲覧権限設定手段が設定した前記閲覧権限に基づいて前記編集用の文書情報及び前記公開用の文書情報の閲覧を制限する閲覧制限手段と、
前記閲覧要求を受け付けた場合、前記特殊閲覧権限に基づき、前記公開用の文書情報の公開状況に応じて当該公開用の文書情報の閲覧を制限する特殊閲覧制限手段と、
前記閲覧制限手段の制限に基づいて前記編集用の文書情報又は前記公開用の文書情報を前記閲覧要求の要求元に閲覧させるとともに、前記閲覧制限手段の制限より優先して前記特殊閲覧制限手段で制限されない場合に前記公開用の文書情報を前記閲覧要求の要求元に閲覧させる文書閲覧手段として機能させるための文書閲覧制御プログラム。
【請求項2】
版情報が関連付けられた文書情報に閲覧権限を設定する閲覧権限設定手段と、
前記版情報を変更せずに前記文書情報を公開用の文書情報として公開する文書公開手段と、
前記文書公開手段が前記文書情報を公開する際に、当該文書情報を複製して編集用の文書情報を作成するとともに当該編集用の文書情報に関連付けられた版情報を更新する版情報管理手段と、
前記公開用の文書情報の公開状況に対応づけられる特殊閲覧権限を前記公開用の文書情報に設定する特殊閲覧権限設定手段と、
閲覧要求を受け付けた場合、前記閲覧権限設定手段が設定した前記閲覧権限に基づいて前記編集用の文書情報及び前記公開用の文書情報の閲覧を制限する閲覧制限手段と、
前記閲覧要求を受け付けた場合、前記特殊閲覧権限に基づき、前記公開用の文書情報の公開状況に応じて当該公開用の文書情報の閲覧を制限する特殊閲覧制限手段と、
前記閲覧制限手段の制限に基づいて前記編集用の文書情報又は前記公開用の文書情報を前記閲覧要求の要求元に閲覧させるとともに、前記閲覧制限手段の制限より優先して前記特殊閲覧制限手段で制限されない場合に前記公開用の文書情報を前記閲覧要求の要求元に閲覧させる文書閲覧手段とを有する文書閲覧制御装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−252622(P2012−252622A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126025(P2011−126025)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】