説明

断熱オイルパン構造

【課題】オイルパンに貯留されたオイルの保温性を向上させる。
【解決手段】クランクケースロアー1とオイルパンカバー2との間に、ロアー部材3とアッパー部材4とからなり内部に潤滑油が貯留される閉空間300を有する樹脂製のオイルパン本体5を挟持した。閉空間300は熱伝導率が金属より小さい樹脂で囲まれているので、貯留された潤滑油の保温性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車のオイルパン構造に関し、詳しくは、潤滑油の保温性に優れた断熱オイルパンの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の潤滑油を貯留する装置として、オイルパンが広く用いられている。オイルパンに貯留された潤滑油(以下、オイルという)は、内燃機関の運転時にオイルポンプによってストレーナを介して汲み上げられ、オイルフィルタで異物が除去された後に、内燃機関の各種接触部の潤滑あるいは冷却に使用される。使用後のオイルはオイルパンに戻り、再び汲み上げられるまでオイルパン内に貯留される。
【0003】
従来のオイルパンは保温性を重視していないため、内燃機関の停止後には急激に油温が低下する。油温が低下すると、粘度上昇によってオイルの流動性が低下するために、内燃機関を再び運転した際に流動抵抗が高くフリクションロスが増大し、スターターモータへの負荷が大きくなったり、燃費が悪化するという問題があった。
【0004】
そこで特開2000−199416号公報には、クランクケースロアーに取り付けられたアッパー側本体とロアー側本体との間にバッフルプレートを配置した二分割のオイルパン構造が提案されている。バッフルプレートにはオイル導入孔とオイル導出孔とが形成され、オイル導入孔には開閉可能な保温用カバーが設けられ、オイル導出孔はストレーナで塞がれている。したがってこの構造によれば、ロアー側本体内を密閉構造とすることができ、オイルの保温性が向上する。
【0005】
しかしながらこのオイルパン構造では、クランクケースロアーの下方にアッパー側本体が固定されているので、クランクケースロアーからの突出量が大きくなりスペース面での制約が大きいという問題がある。また上記公報には、アッパー側本体とロアー側本体との材質に関する記載が無いが、金属製であると熱伝導率が高いので断熱性に劣る。
【0006】
一方、実開平04−132445号公報には、樹脂製のオイルパンが記載されている。しかし樹脂製のオイルパンでは、走行時における飛石の衝突に対する強度が不足する。またオイルパンの上部が開口しているので、保温性が低い。
【特許文献1】特開2000−199416号公報
【特許文献2】実開平04−132445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、オイルパンに貯留されたオイルの保温性をさらに向上させることを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の断熱オイルパン構造の特徴は、上部に開口しオイルが貯留可能な容器形状をなす樹脂製のロアー部材と、下部に開口する逆容器形状をなし開口どうしが互いに対向するようにロアー部材に固定された樹脂製のアッパー部材と、からなり、ロアー部材とアッパー部材との間にオイルが貯留される閉空間を有するタンク形状をなすオイルパン本体と、
オイルパン本体のアッパー部材が収容されたクランクケースロアーと、
オイルパン本体のロアー部材を覆いクランクケースロアーに固定された金属製のオイルパンカバーと、からなり、
アッパー部材は閉空間へオイルを導入するオイル導入孔と閉空間からオイルを導出するオイル導出孔とを有し、
オイルパン本体がクランクケースロアーとオイルパンカバーとで挟持されていることにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明の断熱オイルパン構造によれば、クランクケースロアーとオイルパンカバーとで区画された空間内にタンク形状のオイルパン本体が配置されている。オイルパン本体は共に樹脂製のロアー部材とアッパー部材とからなり、両者の間にオイルが貯留される閉空間を有する。アッパー部材には、オイル導入孔とオイル導出孔が形成されている。
【0010】
したがってクランクケース内で潤滑や冷却に使用されたオイルは、オイル導入孔からオイルパン本体内に流入して閉空間に貯留される。オイルパン本体は樹脂製であるため、金属製のものに比べて熱伝導率が低く断熱性が高い。かつオイルパン本体は閉空間を有するタンク形状であるため、貯留されたオイルを略密封状態とすることができオイルからの放熱が抑制される。したがって内燃機関の停止時には、閉空間内に貯留されたオイルの保温性が高く、次の始動時には温度の高いオイルが循環されるため、フリクションロスを低減することができる。
【0011】
そして金属製のオイルパンカバーがオイルパン本体のロアー部材を覆っているので、飛石が衝突したとしてもオイルパン本体に傷付きや破損が生じるのを未然に防止することができる。
【0012】
ロアー部材及びアッパー部材の少なくとも一方は、周壁内に空気層を有することが望ましい。このように構成することで空気層が断熱層として機能し、貯留されたオイルの保温性がさらに向上する。
【0013】
またオイルパン本体内にストレーナを配置し、オイル導出孔をストレーナで塞ぐとともに、アッパー部材にはオイル導入孔を開閉可能な弁部材を配置することが望ましい。このように構成することで、閉空間の気密性が高まり貯留されたオイルの保温性がさらに向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
一般的な自動車エンジンのクランクケースは、クランクケースアッパーとクランクケースロアーとからなり、シリンダブロックの下部に配置されている。クランクケースロアーの下部には、一般に、オイルパンに対向する比較的大きな空間が形成されている。本発明は、この空間もオイルパンの一部として用いるものである。また本発明に係るオイルパンカバーは、従来用いられている金属製のオイルパン又はオイルパンカバーをそのまま用いることもできる。
【0015】
本発明の断熱オイルパン構造は、樹脂製でタンク形状をなすオイルパン本体が、金属製のクランクケースロアーと金属製のオイルパンカバーとの間に挟持されてなる。このオイルパン本体は、共に容器形状のロアー部材とアッパー部材とからなり、共にポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、などから射出成形によって形成することができる。
【0016】
アッパー部材は、クランクケースロアーの下部に形成された空間に入る形状とされる。潤滑に使用されたオイルは、クランクケースロアー内へ落下し、アッパー部材に付着した後に流動してオイル導入孔からオイルパン本体の閉空間に流入する。したがってアッパー部材とクランクケースロアーとの間に、オイルが集まって流れる集合流路を形成し、その集合流路の最下部にオイル導入孔を形成することが望ましい。
【0017】
ロアー部材及びアッパー部材の少なくとも一方は、周壁内に空気層を有することが望ましい。空気層によって断熱性がさらに向上する。周壁を発泡樹脂から形成することで空気層を形成することも可能であるが、オイルが気泡に含浸したり、強度が低下する場合がある。したがって周壁を少なくとも二枚の樹脂板から形成し、各樹脂板の間に空気層を形成することが望ましい。
【0018】
このようにするには、ロアー部材及びアッパー部材の少なくとも一方を、容器形状の内側部材と内側部材より一回り大きな容器形状の外側部材とから構成し、内側部材と外側部材とを接合するとともに、内側部材と外側部材との間に空気層を形成することが望ましい。
【0019】
ロアー部材とアッパー部材とは、開口どうしが互いに対向するように固定されて閉空間を有するタンク形状のオイルパン本体が形成される。例えばロアー部材とアッパー部材の開口を互いに同一形状とし、開口端面どうしを突き合わせて溶着などで接合することもできるが、オイルパン本体内にはストレーナなどが配置されるので交換時のことも考慮し、ロアー部材とアッパー部材とは分離可能に固定することが望ましい。このようにするには、ロアー部材及びアッパー部材の開口周縁にフランジ部を形成し、両フランジ部を合わせてボルトなどで結合することができる。この場合、両フランジ部どうしの間に液状ガスケット(FIPG)などのシール材を介在させることが望ましい。
【0020】
このようにフランジ部が形成されたロアー部材とアッパー部材との少なくとも一方の周壁内に空気層を形成する場合、以下のようにして容易に空気層を形成することができる。すなわちロアー部材とアッパー部材との少なくとも一方を、容器形状の内側部材と内側部材より一回り大きな容器形状の外側部材とから構成し、フランジ部を内側部材に形成し、外側部材の開口端面をフランジ部に溶着などで接合するだけで、空気層を容易に形成することができる。このようにすれば、フランジ部の数が少なくなるので、シール材を介在させる工数が低減される。なお、このように形成されたオイルパン本体は、フランジ部をクランクケースロアーとオイルパンカバーとの間に挟持して固定することができる。
【0021】
アッパー部材には、閉空間へオイルを導入するオイル導入孔と、閉空間からオイルを導出するオイル導出孔とが形成されている。もしオイル導入孔とオイル導出孔とがクランクケース内と連通していると、ロアー部材に貯留されたオイルの放熱が促進されるため好ましくない。したがって閉空間にはストレーナを配置し、ストレーナから延びる筒部でオイル導出孔を塞ぐように構成することが望ましい。またアッパー部材には、オイル導入孔を開閉可能な弁部材を配置することが望ましい。
【0022】
この弁部材は、閉空間に貯留されたオイルが所定量になるまではオイル導入孔を開き、内燃機関の停止時に所定量になった時点でオイル導入孔を閉じるように構成することが望ましい。このような弁部材としては、例えばフロートを利用した弁部材を用いることができる。
【0023】
ロアー部材とアッパー部材とからなるオイルパン本体は、クランクケースロアーとオイルパンカバーとで挟持されている。アッパ−部材の上面をクランクケースロアーの下面に当接させ、ロアー部材の下面をオイルパンカバーの上面に当接させることで挟持することもできるが、上記したようにロアー部材及びアッパー部材の開口周縁にフランジ部を形成し、その一対のフランジ部をクランクケースロアーとオイルパンカバーとで挟持して固定するのが望ましい。
【実施例】
【0024】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0025】
(実施例1)
図1に本実施例に係る断熱オイルパン構造を、図2にその部品構成図を示す。この断熱オイルパン構造は自動車に用いられ、アルミ合金製のクランクケースロアー1と、クランクケースロアー1の下面に固定されたステンレス鋼製のオイルパンカバー2と、ガラス繊維で強化されたポリアミド樹脂製のロアー部材3及びアッパー部材4からなるオイルパン本体5と、から構成されている。オイルパン本体5は、クランクケースロアー1とオイルパンカバー2との間に挟持されている。
【0026】
クランクケースロアー1は、従来から用いられているものであり、その内部にはオイルパンカバー2に対向する部位に比較的大きな空間10が形成されている。また下部には、オイルパンカバー2をボルト固定するための複数のボス部11が形成されている。
【0027】
オイルパンカバー2は従来のオイルパンに相当する容器状に形成され、開口周縁部にはカバーフランジ20が形成されている。また底部には、ドレインボルト21が螺合するボス22(図4参照)が突出している。
【0028】
図3に示すように、ロアー部材3は、容器形状の外側部材30と、同じく容器形状の内側部材31とからなる。外側部材30の外周表面は、オイルパンカバー2の内周表面に対応する形状をなし、オイルパンカバー2の内周表面に密着して配置されるように構成されている。また底部には貫通孔32(図4参照)が形成されている。
【0029】
内側部材31は、外側部材30より一回り小さな形状に形成され、その開口周縁部にはロアーフランジ33が形成されている。また外周表面には複数のリブ34が形成されている。底部には、オイルパンカバー2のボス22が係合する貫通筒部35(図4参照)が形成されている。
【0030】
そして内側部材31は外側部材30と重ねられ、リブ34が外側部材30の内周表面と当接するとともに、貫通筒部35が貫通孔32に係合しボス22が貫通筒部35に係合することで両者の位置決めがなされる。そして外側部材30の開口端面36がロアーフランジ33の下面に溶着され、外側部材30と内側部材31とが一体化してロアー部材3が形成されている。外側部材30と内側部材31との間には、図4に示すように、リブ34の高さに相当する厚さの空気層100が形成されている。
【0031】
アッパー部材4は、逆容器形状の外側部材40と、同じく逆容器形状の内側部材41とからなる。外側部材40は、クランクケースロアー1の空間10に下方から収容される形状に形成されている。また外側部材40の外周表面の一部は、クランクケースロアー1の内周表面の一部に対応する形状をなし、クランクケースロアー1の内周表面の一部に密着して配置されるように構成されている。外側部材40には、側方向に開口する貫通孔42(図5参照)と、上方向に開口するオイル導出孔43と、空気抜き孔44と、が形成されている。
【0032】
内側部材41は、外側部材40より一回り小さな形状に形成され、その開口周縁部にはアッパーフランジ45が形成されている。また側方向に開口する貫通筒部46(図5参照)と、上方向に開口する貫通筒部47及び貫通筒部48が形成されている。
【0033】
そして内側部材41は外側部材40と重ねられ、外側部材40の内周表面に形成されたリブ49が内側部材41の外周表面と当接することで両者の位置決めがなされる。そして外側部材40の開口端面がアッパーフランジ45の上面に溶着され、外側部材40と内側部材41とが一体化してアッパー部材4が形成されている。外側部材40と内側部材41との間には、リブ49の高さに相当する厚さの空気層200(図5参照)が形成されている。そして貫通筒部46の先端が貫通孔42の周縁部に接合され、貫通筒部47及び貫通筒部48の先端がオイル導出孔43及び空気抜き孔44の周縁部に接合されることで、空気層200がシールされている。
【0034】
オイルパン本体5の内部には、ストレーナ6が配置されている。このストレーナ6は、いずれも樹脂製の台部60と、メッシュ61と、蓋部62と、蓋部62から延びる円筒部63と、円筒部63の先端64から僅かに離れた位置に形成されたフランジ部65とからなり、台部60と蓋部62とはメッシュ61を介して連通している。
【0035】
本実施例の断熱オイルパン構造を組み立てるには、先ずストレーナ6のフランジ部65を内側部材41の貫通筒部47を貫通させ外側部材40のオイル導出孔43の周囲に溶着固定する。そしてロアー部材3とアッパー部材4を仮組付けする。このとき、ロアーフランジ33とアッパーフランジ45を重ねる。ロアーフランジ33とアッパーフランジ45との間には、FIPGを予め介在させておく。
【0036】
次いで、全体をオイルパンカバー2に配置する。このとき、ボス22をオーリング23を介して貫通筒部35に挿通することで、配置の位置決めとシールを容易に行うことができる。その状態で、クランクケースロアー1の空間10にアッパー部材4を挿入する。このとき、オイル導出孔43から突出したストレーナ6の先端64は、クランクケースロアー1に形成されたオイルポンプ吸引通路12の開口に嵌合する。
【0037】
そして図示しないボルトで、クランクケースロアー1、カバーフランジ20、ロアーフランジ33、アッパーフランジ45を一体に固定する。これにより、ロアー部材3とアッパー部材4との間に閉空間300をもつタンク形状のオイルパン本体5が形成される。そしてクランクケースロアー1とオイルパン本体5との間には、図5に示すように、流下したオイルを一時貯留する溝部50が形成され、溝部50の最低部に対向するようにオイル導入孔としての貫通孔42が開口している。したがって流下したオイルを確実にオイルパン本体5の閉空間300に貯留することができる。またオイル導出孔32は、ストレーナ6の先端54とオイルイルポンプ吸引通路12とで塞がれている。
【0038】
したがって本実施例の断熱オイルパン構造によれば、エンジン停止時には流下したオイルの大部分が貫通孔42から流入してオイルパン本体5の閉空間300に貯留される。閉空間300はほぼ全面が断熱性の高い樹脂で囲われ、クランクケース内と連通するのは貫通孔42と空気抜き孔44の開口のみである。したがって貯留されたオイルからの放熱が抑制され、保温性に優れているので、次の始動時におけるフリクションロスを大きく低減することができる。
【0039】
(実施例2)
本実施例の断熱オイルパン構造は、アッパー部材4にフロート弁7を配置したこと以外は実施例1と同一の構成であるので、フロート弁7以外の構成の説明は省略する。またフロート弁7以外の構成は、実施例1と同一の符合を付けて説明する。
【0040】
図6に示すフロート弁7は、弁本体70と、弁本体70から延びるロッド71と、ロッド71の他端が固定されたフロート72とからなる。弁本体70からは、脚部73が突出している。図7に示すように、アッパー部材4の内側部材41にはブラケット74が固定され、弁本体70がブラケット74に揺動自在に軸支されている。すなわち弁本体70は、揺動によって内側部材41の貫通筒部46を開閉する。
【0041】
フロート72は閉空間300に貯留されたオイルに浮き、オイル液面と共に移動する。そしてオイル液面が所定高さ未満の場合には、図8に示すように、フロート72は自重によって下方へ移動し弁本体70は貫通筒部46を開いている。また、脚部73がロアー部材3の内側部材31の内周表面に当接することで弁本体70の過度の揺動が規制されている。
【0042】
オイル液面が上昇するにつれてフロート72が上方へ移動し、それに伴って弁本体70が貫通筒部46を閉じる方向へ揺動する。オイル液面が貫通筒部46より上部となった場合でも、空気抜き孔44が開口しているため閉空間300へのオイルの流入は続行される。そしてオイル液面が所定高さとなると、図9に示すようにフロート72が貫通筒部48を閉じて空気抜き孔44を閉状態とするとともに、弁本体70が貫通筒部46を閉じ貫通孔42が閉じられる。これにより閉空間300は密閉状態となる。したがって貯留されたオイルからの放熱をさらに抑制することができ、保温性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施例に係るオイルパン構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係るオイルパン構造の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係るオイルパン構造に用いたオイルパン本体の分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に係るオイルパン構造の要部断面図である。
【図5】本発明の一実施例に係るオイルパン構造の断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係るオイルパン構造に用いたフロート弁の分解斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係るオイルパン構造の要部断面図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係るオイルパン構造をオイルパン本体内部側から見た斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係るオイルパン構造をオイルパン本体内部側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1:クランクケースロアー 2:オイルパンカバー
3:ロアー部材 4:アッパー部材
5:オイルパン本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口し潤滑油が貯留可能な容器形状をなす樹脂製のロアー部材と、下部に開口する逆容器形状をなし開口どうしが互いに対向するように該ロアー部材に固定された樹脂製のアッパー部材と、からなり、該ロアー部材と該アッパー部材との間に潤滑油が貯留される閉空間を有するタンク形状をなすオイルパン本体と、
該オイルパン本体の該アッパー部材が収容されたクランクケースロアーと、
該オイルパン本体の該ロアー部材を覆い該クランクケースロアーに固定された金属製のオイルパンカバーと、からなり、
該アッパー部材は該閉空間へ潤滑油を導入するオイル導入孔と該閉空間から潤滑油を導出するオイル導出孔とを有し、
該オイルパン本体が該クランクケースロアーと該オイルパンカバーとで挟持されていることを特徴とする断熱オイルパン構造。
【請求項2】
前記ロアー部材及び前記アッパー部材の少なくとも一方は、周壁内に空気層を有する請求項1に記載の断熱オイルパン構造。
【請求項3】
前記ロアー部材及び前記アッパー部材の少なくとも一方は、容器形状の内側部材と該内側部材より一回り大きな容器形状の外側部材とからなり、該内側部材と該外側部材とが接合され、該内側部材と該外側部材との間に前記空気層が形成されている請求項2に記載の断熱オイルパン構造。
【請求項4】
前記ロアー部材及び前記アッパー部材は開口周縁にフランジ部を有し、該フランジ部が前記クランクケースロアーと前記オイルパンオイルパンカバーとの間に挟持されて固定されている請求項1〜3のいずれかに記載の断熱オイルパン構造。
【請求項5】
前記フランジ部は前記内側部材に形成され、前記外側部材の開口端面が該フランジ部に接合されている請求項4に記載の断熱オイルパン構造。
【請求項6】
前記オイルパン本体内にはストレーナが配置され、前記オイル導出孔は該ストレーナから延びる筒部で塞がれ、前記アッパー部材には前記オイル導入孔を開閉可能な弁部材が配置されている請求項1〜5のいずれかに記載の断熱オイルパン構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate