説明

断熱パイプの製造装置

【課題】ガラス繊維マットの上面にバインダーを塗布しながら、ガラス繊維マットを成形ローラに加圧して巻き取り、所定厚さ及び所定直径を有する断熱パイプを製造する装置であって、マット供給ローラ3からのガラス繊維マット2を、成形ローラ4に巻き取られるように移送ローラ6-8と、ガラス繊維マット2の上面にバインダーを塗布する塗布ローラ9と、移送されるガラス繊維マットが複数回巻き付けられ、所定厚さの断熱パイプを成形する成形ローラ4と、成形ローラ4に巻き取られるガラス繊維マット2を加圧しながら、その表面にバインダーを塗布する圧搾ローラ10と、圧搾ローラ10を昇降させ巻き取り圧力を調節する圧力調節部11と、ガラス繊維マット2の引き出し長さを計測するエンコーダ13と、ガラス繊維マットが適正な長さに引き出された際に斜めに切断する切断部14と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄手のガラス繊維マットの上面にバインダー(接着剤又は接合剤)を塗布しつつ、ガラス繊維マットを成形ローラに加圧して巻き取り、所定厚さ及び所定直径を有する断熱パイプを製造できるようにした断熱パイプの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、発電及び石油化学プラントの冷・暖房設備、産業用機器の冷・暖房設備、各種製造装置の冷・暖房設備、空調機器の冷・暖房設備などの配管体には、多様な大きさ及び多様な材質の保温材又は保冷材(以下、「断熱パイプ」という。)が設置されており、配管体を介しての外部との熱交換を遮断することによって、エネルギー節減及び生産原価の節減を達成している。
【0003】
近年、労働力節減及び生産性向上のために、これら冷・暖房配管体への断熱パイプの施工(取り付け)が自動化ラインにより行われている。これに合わせて、冷・暖房配管体に自動的に嵌め込み可能とする断熱パイプの規格化が要求されている。
【0004】
現在生産されている断熱パイプは、短い(短繊維)ガラス繊維を成形枠に入れて加圧及び成形しており、脱型が可能になるように一側が切開された不完全な形態の断熱パイプを成形及び脱形してから接合し、円筒形の完成品を得ている。そのため、完全な円筒形の断熱パイプは製造不可能であるのが実状である。また、加圧成形による場合、ガラス短繊維自体のバルキー性のために組織の結束力が弱くなり、堅固性が低下する。そして、製品の厚さに比べて密度がかなり低目となる。
【0005】
また、断熱パイプの直径によって別途の成形枠が必要であるので、生産原価が非常に高くなる。断熱パイプの密度が低いために断熱効率が大いに劣る。それだけでなく、断熱パイプは、成形枠を用いて定められた規格で製造するとしても、自然に発生する切開部によって容易に変形するので、規格化された製品を期待することができず、自動化の障害になるという問題があった。
【0006】
また、断熱パイプを施工するとき、一側切開部を用いて冷・暖房管体に断熱パイプを嵌め込んだ後、その外面をテーピング処理することによって仕上げるので、取り付け作業が煩雑であり、設置時間を多く要するなどの問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、長繊維を用いてニードルパンチングなどの方法で製造し、厚みが比較的薄いガラス繊維マットを成形ローラに加圧して巻き取り、所定厚さ及び所定直径を有する断熱パイプを製造することによって、製造原価が安価になり、強度が大いに向上し、断熱性に優れた高密度の断熱パイプを成形することができる断熱パイプの製造装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、一つの製造装置でガラス繊維マットの引き出し、移送、バインダー塗布、加圧・巻き取り、切断などの一連の作業工程が行われることによって、作業工程及びラインが大幅に縮小され、自動化及び規格化が達成されることによって生産性が大いに向上する断熱パイプの製造装置を提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、ガラス繊維マットを切断するとき、広い幅の切断面が維持されるように斜線に沿って切断することによって、断熱パイプの巻き取り開始部分と終了部分に段差部が発生しない断熱パイプの製造装置を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、成形ローラの一端に圧力調節部が備えられた圧搾ローラを設置し、巻き取られるガラス繊維マットを圧搾ローラが加圧することによって、多量のバインダーがガラス繊維マットの内部に浸透し、接着力が大いに向上した高密度の断熱パイプを得ることを可能にし、断熱パイプの外周面にバインダーを塗布して仕上げるのを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る断熱パイプの製造装置は、マット供給ローラから引き出されるガラス繊維マットを移送する複数の移送ローラと、移送される前記ガラス繊維マットの上面にバインダーを塗布する塗布ローラと、バインダーが塗布されたガラス繊維マットを複数回巻き、所定厚さ及び所定大きさを有する断熱パイプを成形して製造する成形ローラと、前記成形ローラに巻き取られるガラス繊維マットを適切に加圧することによって密度を増加させ、外周にバインダーを塗布して仕上げる圧搾ローラと、前記圧搾ローラを昇降させ、ガラス繊維マットの巻き取り圧力を調節する圧力調節部と、ガラス繊維マットの引き出し長さを計測するエンコーダと、ガラス繊維マットが所定長さに引き出されたならば、傾いた円形カッターでガラス繊維マットを斜線に沿って切断する切断部と、前記切断部の上下に設置される補助ローラ及び補助板と、前記補助板を昇降させるエアシリンダと、圧搾ローラの表面にバインダーを供給するバインダー供給部と、成形ローラの回転と取り外し及び組付けを実現する駆動チャック及び被動チャックと、センサ、制御器、複数の駆動モータ及びその動力伝達手段とを含んで構成され、規格化された高密度の断熱パイプを成形・製造できるようになる。
【0012】
前記成形ローラの一側が組み付けられる駆動チャックは、基台に軸が取り付けられ、モータ及び動力伝達手段によって回転し、成形ローラの他側が結合される被動チャックは、基台に取り付けられたエアシリンダのロッドの端部に軸が取り付けられており、成形ローラを交換できるように構成される。
【0013】
前記切断部は、前・後側板に平行に固定される一対の案内棒と、前記案内棒に組み付けられる移動体と、前記前・後側板に取り付けられて平行をなす駆動軸棒及び被動軸棒と、前記駆動軸棒及び被動軸棒にそれぞれ取り付けられるチェーンギアと、前記チェーンギアに組み付けられ、移動体の上部一側に固定されるチェーンアタッチメントに組み付けられたチェーンと、前記後側板に固定される正逆モータと、前記正逆モータの回転軸棒と駆動軸棒とを連結する動力伝達手段と、前記移動体に設置されるインバータモータと、前記移動体の下端傾斜部に固定され、6.8゜前後の傾き角度θを有する連結板材と、前記連結板材の中央に取り付けられる軸部材と、前記軸部材の軸棒と前記インバータモータの回転軸棒とを連結する動力伝達手段と、前記軸棒の下端締結具に締結される円形カッターと、前記移動体の過度な移送を防止する左・右側限界センサと、前記チェーンの両側に固定され、左・右側の限界センサを動作させる移動部材とを含んで構成される。
【0014】
前記成形ローラと平行をなす圧搾ローラは、モータ及び動力伝達手段によって回転し、前記圧搾ローラの下部には、バインダー供給ボックス及び圧力調節部が設置される。前記圧力調節部は、バインダー供給ボックスの両側に設置される垂直案内棒及びボールスクリューと、前記ボールスクリューの下部に組み付けられるベベルギアと、前記ベベルギアに噛み合わされ、基台に軸が取り付けられた軸棒の両端に組み付けられる他のベベルギアと、前記軸棒及びベベルギアを回転させるモータ及び動力伝達手段とを含んで構成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明であると、移送されるガラス繊維マットの上面にバインダーを塗布しながら、ガラス繊維マットを成形ローラに加圧して巻き取り、高密度の円筒形の断熱パイプを製造することにより、製造原価が節減され、断熱効果に優れる。また、規格製品を得られることから断熱パイプの自動組み立てが可能であるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一例の構成図である。
【図2】本発明の一例の正面図である。
【図3】本発明において、切断部がガラス繊維マットを切断する前の位置を示す図である。
【図4】本発明において、切断部がガラス繊維マットを切断した後の位置を示す図である。
【図5】本発明において、切断部の補助板が下降した状態を示す断面図である。
【図6】本発明において、切断部の補助板が上昇してガラス繊維マットを切断する状態を示す断面図である。
【図7】本発明の切断部の拡大図である。
【図8】本発明において、ガラス繊維マットの斜線切断状態を示す図である。
【図9】本発明の一例の回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施例を添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明の実施例を説明するにおいて、各図面の同一の構成要素には、可能な限り同一の符号を付し、関連した公知の構成や機能に対する具体的な説明は、本発明の要旨が分かりにくくなることを防止するために省略する。
【0018】
図1は、本発明の一例の断熱パイプの製造装置1を示す全体構成図である。断熱パイプの製造装置1は、ガラス繊維マット2の上方の面にそれぞれバインダー(接着剤又は接合剤)を塗布しつつ、ガラス繊維マット2を成形ローラに加圧して巻き取ることで、所定厚さ、所定大きさ及び所定長さを有する断熱パイプを製造可能となっている。
【0019】
前記断熱パイプの製造装置1は、(1)ガラス繊維マット2を供給するマット供給ローラ3と、(2)複数個所に設置され、ガラス繊維マット2が成形ローラ4に巻き取られるようにガラス繊維マット2を成形ローラ4に移送するアイドルローラ5及び複数の移送ローラ6、7、8と、(3)移送されるガラス繊維マット2の上部面にバインダーを塗布し、バインダーが塗布されたガラス繊維マット2を移送する塗布ローラ9と、(4)バインダーが塗布されたガラス繊維マット2を複数回巻き、所定厚さ及び所定大きさを有する断熱パイプ12を成形する成形ローラ4と、(5)成形ローラ4に巻き取られるガラス繊維マット2を適切に加圧しながら、外周面にバインダーを塗布する圧搾ローラ10と、(6)圧搾ローラ10を昇降させることで、ガラス繊維マット2を巻き取る際の圧力を調節する圧力調節部11と、(7)ガラス繊維マット2の引き出し長さを計測するエンコーダ13と、(8)ガラス繊維マット2が適正な長さに引き出されたならば、ガラス繊維マット2の切断線に突条が形成されないようにガラス繊維マット2を斜線に沿って切断する切断部14と、(9)円形カッター72の後方の上下部に設置され、ガラス繊維マット2の斜線切断を助ける補助ローラ15及び補助板16と、(10)円形カッター72がガラス繊維マット2を斜めに切断する際に、補助板16を上昇させ、ガラス繊維マット2を平らにするエアシリンダ17と、(11)塗布ローラ9の表面にバインダー22を供給するバインダー供給部18と、(12)成形ローラ4の回転と取り外し及び組付けが可能になるように設置される駆動チャック31及び被動チャック35と、(13)これらを制御する制御器19と、(14)複数の駆動モータ、その動力伝達手段及び各センサ(又は感知スイッチ)とを含んで構成される。
【0020】
マット供給ローラ3に巻き取られたガラス繊維マット2は、長繊維を用いてニードルパンチングなどの方法で製造されるので、厚さが薄く、また、複数重に巻き取られたので巻径が比較的大きい。マット供給ローラ3のガラス繊維マット2は、断熱パイプを成形する際に、複数の移送ローラ6、7、8及び塗布ローラ9によって被動回転しながら引き出される。そして、ガラス繊維マット2が全量使い尽くされたならば、マット供給ローラ3が、新しいマット供給ローラ3に取り替えられる。
【0021】
前記マット供給ローラ3は、前・後側板20に軸が設置される複数個のアイドルローラ21によって支持される。前記アイドルローラ21は、マット供給ローラ3が良好に回転できるようにマット供給ローラ3よりやや長い長さを有し、マット供給ローラ3の収容及び引き出しが可能なように前・後側板20の下部及び両側部のみに、所定間隔で軸が設置される。
【0022】
前記マット供給ローラ3の上方には、マット供給ローラ3と平行をなす他のアイドルローラ5が軸を設置され、このアイドルローラ5は、マット供給ローラ3から引き出されるガラス繊維マット2を平坦に、かつ均一に広げる。
【0023】
前記アイドルローラ5の後方に設置される下部移送ローラ6、8は、モータ23及び動力伝達手段24、25によってそれぞれ回転する駆動ローラであって、一側の移送ローラ6の上部に設置される移送ローラ7は、エアシリンダ26によって昇降される被動ローラである。
【0024】
前記エアシリンダ26によって前記各移送ローラ6、7間の圧力(又は隔離距離)が調節され、ガラス繊維マット2は、各移送ローラ6、7間を通過し、成形ローラ4の方向に移送される。
【0025】
他側の移送ローラ8の上部に設置される塗布ローラ9は、エアシリンダ26aによって昇降される被動ローラの一種であって、前記エアシリンダ26aによって移送ローラ8と塗布ローラ9との間の圧力(又は隔離距離)が調節され、ガラス繊維マット2は、移送ローラ8と塗布ローラ9との間を通過し、成形ローラ4の方向へと移送される。
【0026】
前記塗布ローラ9の一側には、塗布ローラ9の表面にバインダー22を供給するバインダー供給部18が設置され、移送中のガラス繊維マット2の上面には適正な厚さのバインダー22が塗布される。
【0027】
前記塗布ローラ9の側部及び上部には、塗布ローラ9の表面に所定厚さのバインダー22が被着されるように被着量を調節するスクレーパ27、28がそれぞれ設置される。塗布ローラ9の表面に被着されるバインダーは、移送中のガラス繊維マット2の上部面に塗布される。前記スクレーパ27、28と塗布ローラ9との間の距離(間隙)は、締結手段に形成された長孔(図示せず)を用いて適切に調節される。
【0028】
図面には、前記移送ローラ6が下部に位置し、他の移送ローラ7が上部に位置するように示したが、その反対に、移送ローラ6が上部に位置し、他の移送ローラ7が下部に位置するように構成することもできる。
【0029】
そして、上部に設置される塗布ローラ9を下部に設置し、ガラス繊維マット2の下部面にバインダーが塗布されるように構成することができる。
【0030】
例えば、移送ローラ8の一側には、移送ローラ8の表面にバインダー22を供給するバインダー供給部18を設置し、移送ローラ8の側部及び下部にスクレーパをそれぞれ設置し、バインダー22が移送ローラ8の表面に所定厚さで被着されるように構成すれば、ガラス繊維マット2の下部面に所定厚さのバインダー22が塗布される。
【0031】
前記塗布ローラ9は、エアシリンダ26aによって昇降できるように構成される。
【0032】
一方、アイドルローラ5と移送ローラ6との間には、ガラス繊維マット2が上面を通過するように所定幅の平板29が設置される。この平板29の上部には、エンコーダ13が設置され、エンコーダ13は、ガラス繊維マット2の移送長さ(引き出し長さ)を感知し、これを制御器19に入力するようになる。断熱パイプの成形厚さを勘案し、ガラス繊維マット2が、設定された長さに引き出されたならば、ガラス繊維マット2が切断部14によって斜めに切断される。
【0033】
前記エンコーダ13の一側には、ガラス繊維マット2の有無を感知するマット感知センサ30が設置され、このマット感知センサ30は、マット供給ローラ3のガラス繊維マット2が全量消耗され、平板29上に移送するガラス繊維マット2がない場合、これを感知して制御器19への入力を行う。制御器19は、マット供給ローラ3が新しいマット供給ローラ3に取り替えられ、ガラス繊維マット2の供給(又は引き出し)が再開されるときまで、各移送ローラを停止させる。
【0034】
前記エンコーダ13は、基台32に設置されるエアシリンダ3aによって昇降される。前記エアシリンダ3aは、新しいガラス繊維マットが供給される際、ガラス繊維マット2の先端が通過できるようにエンコーダ13を上昇させる。また、ガラス繊維マット2の先端が通過すれば、エンコーダ13を下降させ、ガラス繊維マット2の移送長さを測定できるようにする。
【0035】
成形ローラ4は、テーパー構造を有する駆動チャック31及び被動チャック35に、両側部がそれぞれ組み付けられる管体形である。成形ローラ4は、断熱パイプ12の成形が完了したならば、前記駆動チャック31及び被動チャック35から容易に取り外せるように構成される。
【0036】
例えば、成形ローラ4の一側が組み付けられる駆動チャック31は、基台32に軸が取り付けられ、モータ33及び動力伝達手段34によって回転する。そして、成形ローラ4の他側が組み付けられる被動チャック35は、基台32に取り付けられたエアシリンダ36のロッド37の端部に、軸が取り付けられ、成形ローラ4が回転できるように構成される。そして、エアシリンダ36によって前・後進することで、成形ローラ4の他側に組み付けられ、また、成形ローラ4の他側から取り外される。
【0037】
すなわち、断熱パイプ12の成形が完了した後、図2のようにエアシリンダ36を作動させ、被動チャック35を後進させれば、断熱パイプ12が製造された成形ローラ4が駆動チャック31から分離される。そして、前記成形ローラ4を乾燥室に移動させ、断熱パイプ12の乾燥及び仕上げ工程を経た後、断熱パイプ12を成形ローラ4から分離すれば、高密度の円筒形の断熱パイプ12を得られるようになる。
【0038】
そして、ガラス繊維マット2を巻き取る前に成形ローラ4の外面に予め塗布した離型剤、又は成形ローラ4の外面に予め巻き付けておいたビニールによって、断熱パイプ12と成形ローラ4が容易に分離される。
【0039】
そして、新たな成形ローラの一側を駆動チャック31に組み付け、エアシリンダ36でもって被動チャック35を前進させ、新たな成形ローラの他側を被動チャック35に組み付ければ、新たな成形ローラの組み付けが完了する。このような状態でガラス繊維マット2を移送しながらバインダーを塗布し、加圧、巻き取り及び切断を行い、仕上げ巻き取り、バインダー塗布及び成形ローラの取り外しの過程を経て新しい断熱パイプを繰り返し製造できるようになる。
【0040】
成形ローラ4の下方に平行に設置される圧搾ローラ10は、他のモータ38及び動力伝達手段39によって回転する。圧搾ローラ10の下方には、バインダー22が収容された細長い形のバインダー供給ボックス40が設置される。圧搾ローラ10の下部が、バインダー22に浸されて被着される。
【0041】
したがって、圧搾ローラ10がモータ38によって回転すれば、表面に被着されるバインダー22は、成形ローラ4に巻き取られるガラス繊維マット2の外周面に適正な厚さで塗布され、バインダー塗布が完成する。前記圧搾ローラ10は、圧力調節部11の両側の基台部分にそれぞれ、軸が取り付けられる。
【0042】
前記圧搾ローラ10は、ガラス繊維マット2が巻き取られるとき、適正な圧力で継続的に加圧されるように構成することができる。巻き取られる断熱パイプ12の最終厚さ(巻き取り厚さ)を勘案し、断熱パイプ12の最終厚さより、やや短い距離に成形ローラ4との隔離距離が維持されるように構成することが望ましい。このように構成すれば、ガラス繊維マット2が斜めに切断された後、円形カッター72と成形ローラ4との間に位置するガラス繊維マット2についての仕上げ巻き取りが行われる際に、ガラス繊維マット2を前記圧搾ローラ10によって加圧する。これにより、成形ローラ4に巻き取られるガラス繊維マット2に、バインダー22が充分に浸透し、密度が増加し、接着力が向上する。そして、断熱パイプ12の外周面へのバインダーの仕上げ塗布が行われて成形される。
【0043】
前記モータ38は、継続的に回転を行うよりも、ガラス繊維マット2が斜線に沿って切断された後、移送されて巻き取られる時から成形が終了する時まで回転するように制御することが望ましい。
【0044】
前記バインダー供給ボックス40は、ガラス繊維マット2の成形厚さを考慮し、圧力調節部11によって昇降高さが決定される。前記圧力調節部11は、(1)バインダー供給ボックス40の両側に設置される垂直案内棒41、42及びボールスクリュー43、44と、(2)ボールスクリュー43、44の下部に組み付けられるベベルギア45、46と、(3)前記ベベルギア45、46に噛み合わされ、基台32に軸が取り付けられる軸棒47の両端に組み付けられるベベルギア48、49と、(4)前記軸棒47を回転させるモータ50及び動力伝達手段51とを含んで構成される。
【0045】
前記成形ローラ4及び圧搾ローラ10は、それぞれのモータ33、38によって反対方向に回転するように構成され、ガラス繊維マット2が成形ローラ4に巻き取られるとき、巻径(直径)が大きくなるとしても、過負荷なしに巻き取られる。
【0046】
前記圧搾ローラ10の加圧力により、ガラス繊維マット2の密度及びバインダー22の浸透量が増加する。すなわち、バインダー22による各ガラス繊維マット2間の物理的な結合が増加し、密度が向上し、高温でも各ガラス繊維マット間の結合が破壊されないので、使用寿命が延びる。
【0047】
前記バインダー供給ボックス40の両側には、指示針83がそれぞれ設置され、両側の基台32に垂直に設置された板材部分には、目盛り82がそれぞれ形成されている。そのため、断熱パイプ12の成形厚さを勘案し、作業者は、圧搾ローラ10の高低を調節したり、容易に把握することができる。バインダー供給ボックス40の底部分には、掃除できるように、バルブが備えられた排出口が設置される。
【0048】
前記バインダー22は、使用によって漸次消耗されるので、作業者が補充して供給する。または、ポンプ、流量センサ及び流量供給源を備えた流量調節手段によって自動的に補充するように構成することもできる。
【0049】
一方、切断部14は、(1)前・後側板52、53に平行に固定される一対の案内棒54、55と、(2)前記案内棒54、55に沿って移動できるように案内棒54、55の外周に組み付けられる移動体56と、(3)前・後側板52、53に設置され、平行をなしている駆動軸棒57及び被動軸棒58と、(4)前記駆動軸棒57及び被動軸棒58の一側端部にそれぞれ設置されるチェーンギア59、60と、(5)前記チェーンギア59、60に組み付けられるチェーン62と、(6)前記チェーン62が組み付けられ、移動体56の上部一側に固定されるチェーンアタッチメント61と、(7)後側板53に固定される正逆モータ65と、(8)正逆モータ65の回転軸棒と駆動軸棒57とを連結する動力伝達手段64と、(9)移動体56に設置されるインバータモータ63と、(10)移動体56の下端傾斜部66に固定され、所定の傾き角度θに維持される連結板材67と、(11)連結板材67の中央に固定される軸部材69と、(12)軸部材69の軸棒68とインバータモータ63の回転軸棒とを連結する動力伝達手段70と、(13)前記軸棒68の下端締結具71に締結される円形カッター72と、(14)移動体56の過度な移送を防止する左・右側限界センサ73、74と、(15)チェーン62の両側に固定され、前記左・右側限界センサ73、74を動作させる移動部材75、76とを含んで構成される。ここで、連結板材67及び円形カッター72の傾き角度θは、図8のように水平線に比べてガラス繊維マット2の排出方向に6.8゜前後の角度で傾くように設置される。また、円形カッター72による斜線切断面Pの傾斜も6.8゜前後の傾きに維持される。
【0050】
前記左・右側限界センサ73、74は、それぞれ一対に構成され、移動体56が内側の限界センサに近接すれば急激に減速し、移動体56が外側の限界センサに近接すれば停止する構成である。
【0051】
前記円形カッター72は、一般のナイフの縁部、すなわち、切断刃部分にダイアモンドが電着されるので、長期間使用するとしても摩耗が防止され、刃が鈍くならない。
【0052】
本発明において、ガラス繊維マット2には、切断部14の斜線切断によって、図8のようにガラス繊維マット2の厚さtの6〜10倍ほどの長さ(幅)の斜線切断面Pが形成される。この斜線切断面Pによって巻き取り終了部分の段差部が除去される。そのため、成形された断熱パイプ12の開始部分と終了部分が、段差なしに滑らかに加工される。ガラス繊維マット2の厚さtによって異なるが、厚さtが15mmである場合、斜線切断幅Lは100mm前後になる。
【0053】
移送ローラ8の後方には、傾斜度を調節可能な傾斜板77が設置される。
【0054】
前記傾斜板77は、新たに取り替えられた成形ローラ4の表面に、ガラス繊維マット2が巻き取られる前に、移送されるガラス繊維マット2aが作業者によって成形ローラ4の表面に巻き取られる時まで、該ガラス繊維マット2aを一時的に収容する。
【0055】
そして、図6のように、傾斜板77には、軸ピン77aを中心にする円弧線状の基台32部分に、複数個の通孔78が所定間隔で形成されている。前記複数個の通孔78のうちの一つの通孔と、傾斜板の通孔に組み付けられるピン80を用いて、傾斜板77の傾斜度を適切に調節することができる。移送ローラ8と傾斜板77との間には、傾斜板77に移送されるガラス繊維マット2aを平らにするアイドルローラ79が設置される。
【0056】
前記補助板16の上部には、円形カッター72の縁部を収容できるように凹入溝16a及び傾斜面16bがそれぞれ形成される。傾斜面16bの傾きは、円形カッター72の傾き角度θと同一又は同程度である。
【0057】
したがって、ガラス繊維マット2の上面が補助ローラ15によって平らな状態に維持されるので、ガラス繊維マット2を切断するとき、ガラス繊維マット2のゆらぎや一側(切断される方向)への偏りが防止される。また、補助板16は、ガラス繊維マット2の切断ダイ(切断板)としての機能を果たす。すなわち、補助板16は、ガラス繊維マット2の垂れを防止するだけでなく、円形カッター72の移動時に案内を行う役割を担当する。
【0058】
前記補助板16は、その下部にエアシリンダ17のロッド端部が固定され、昇降可能な構造である。すなわち、ガラス繊維マット2が移動及び成形される期間の間には、図6のようにエアシリンダ17によって補助板16が下降し、ガラス繊維マット2の円滑な移動が保障される。また、円形カッター72によってガラス繊維マット2が斜線に沿って切断される期間の間(マットの移動が停止する)には、図5及び図7のように、エアシリンダ17によって補助板16が上昇し、補助ローラ15の助けにより、ガラス繊維マット2が平らに、かつ均一に広がる。
【0059】
このような状態で、図3のように、ガラス繊維マット2の外側に位置していた切断部14の正逆モータ65に電源が供給されることによって、正逆モータ65が正回転する。また、同時に、インバータモータ63に電源が供給されることによって、円形カッター72が回転するようになる。
【0060】
正逆モータ65が正回転すれば、チェーン62が反時計方向に回転し、チェーン62に組み付けられているチェーンアタッチメント61によって移動体56が駆動軸棒57の方向に前進する。そして、移動体56に設置された円形カッター72によって、図4及び図8のように、ガラス繊維マット2が斜めに切断される。
【0061】
ガラス繊維マット2を斜線に沿って切断した移動体56が、引き続き移動し、移動部材76が限界センサ74に近接すれば、制御器19によって正逆モータ65及びインバータモータ63に供給される電源が遮断される。これにより、移動体56が停止し、円形カッター72の回転が停止する。
【0062】
移動体56が停止すると同時に、正逆モータ65に逆電源が供給されることによって正逆モータ65が逆回転する。そして、チェーン62が時計方向に回転し、移動体56が被動軸棒58の方向へと後進移動する。チェーン62に組み付けられている移動部材76が限界センサ73に近接すれば、次回の、斜線に沿った切断時まで、正逆モータ65に供給される電源が遮断され、移動体56が停止する。前記円形カッター72は、ガラス繊維マット2を切断する前進期間の間のみ回転する。
【0063】
図9は、本発明の一例の制御器19を示した回路ブロック図である。
【0064】
中央処理装置(CPU)及びPLCなどで構成される制御部Cの入力には、(1)設定部Sと、(2)移送されるガラス繊維マット2の長さを測定するエンコーダ13と、(3)ガラス繊維マット2の有無を感知するマット感知センサ30と、(4)円形カッター72の過度な移送を制限する限界センサ73、74と、(5)作業者がガラス繊維マット2の移送状態を足で操作できるようにするフットスイッチ81とがそれぞれ接続される。上記設定部Sは、ガラス繊維マット2の引き出し長さ及び引き出し速度、ガラス繊維マット2の巻き取り厚さ及び巻き取り速度、ガラス繊維マット2の切断速度、モータのオン(ON)/オフ(OFF)、回転速度及び回転方向、エアシリンダ13a、17、26、26a、36の動作速度、バインダー22の塗布量、圧搾ローラ10の加圧力(成形ローラとの隔離距離)などのデータが入力され、運転状態及び運転モードなどを設定可能なキーパッドと、制御器の異常時にリセットさせるリセット部とを含んで構成される。
【0065】
そして、前記制御部Cの出力には、設定値(制御値)や現在の値/動作状態/警報光などが表示される表示部Dと、異常が発生した場合、音や光又は音と光で警報を発する警報部Aと、モータ23、33、38、50、63、65と、エアシリンダを制御するソレノイドバルブVとがそれぞれ接続される。
【0066】
前記制御器19は、中央処理装置(CPU)やPLCの代わりにシーケンス回路で構成することもできる。前記表示部Dは、電源供給状態を表示する電源表示灯と、モータ及びエアシリンダが動作中であることを表示する動作表示灯と、各種異常状態を知らせる警報灯と、各種データ表示部分とを含み、液晶ディスプレイ(LCD)、セブンセグメント又は発光ダイオードのうち一つであったり、これらが複合的に構成されるが、状況与件によってタッチスクリーンで表示部を構成し、使用の便宜を図ることもできる。
【0067】
そして、警報部Aでは、モータ23、33、38、50、63、65の過負荷、断線及び短絡、ガラス繊維マット2の引き出し異常、エアシリンダの動作異常などの状態が表示及び/又は警報出力される。
【0068】
本発明に係る断熱パイプの製造装置1において、成形ローラ4に巻き取られるガラス繊維マット2は、その厚さを考慮し、予め与えられた長さだけ引き出され、バインダーによって塗布され、斜線に沿って切断されて巻き取られる。このとき、ガラス繊維マット2は、傾斜して設置された円形カッター72によって斜線に沿って切断されるので、ガラス繊維マット2の巻き取り開始部分及び巻き取り終了部分に段差部が発生することなく自然に成形される。その結果、外周面及び内周面に段差部や段の発生がない優れた品質の断熱パイプ12を製造できるようになる。
【0069】
本発明において、エンコーダ13によって測定されたガラス繊維マット2の引き出し長さ又は移送長さは、制御器19に予め入力され、設定された基準成形長さと比較される。そして、測定された長さが基準成形長さと一致すれば、制御器19によって移送ローラの回転が停止し、ガラス繊維マット2の移送が停止する。このような状態で、ガラス繊維マット2は、切断部14の動作によって、図8のように広い幅に、斜線に沿って切断される。
【0070】
ガラス繊維マット2の斜線切断が完了し、作業者がフットスイッチ81を踏んでオン(ON)にすれば、斜線に沿って切断された残りのガラス繊維マット2が移送される。そして、圧搾ローラ10によって斜線切断面Pにバインダーが塗布され、ガラス繊維マット2が成形ローラ4に加圧されて巻き取られ、断熱パイプ12の成形が完了する。このとき、斜線に沿って切断されたガラス繊維マット2aは、傾斜板77の上面に移送された状態にある。
【0071】
成形が完了すれば、作業者は、回転が停止した成形ローラ4をつかんだ状態でエアシリンダ36を動作させ、被動チャック35を後進させる。そうすると、成形ローラ4が駆動チャック31及び被動チャック35から取り外される。取り外された成形ローラ4は、乾燥室または乾燥工程へと移され、断熱パイプ12の乾燥、仕上げ及び包装過程が行われる。
【0072】
そして、ガラス繊維マット2が巻き取られていない新たな成形ローラの一側を、駆動チャック31に組み付け、エアシリンダ36を動作させ、被動チャック35を前進させれば、この新たな成形ローラの他側が組付けられることによって取り付けが完了する。
【0073】
新たな成形ローラの取り付けが完了すれば、傾斜板77にまで移送されているガラス繊維マット2aを、前記成形ローラに貼り付け、加圧・巻き取り、成形及び切断などの前記過程を繰り返すことによって断熱パイプ12の大量生産が可能である。成形ローラ4に巻き取られるガラス繊維マット2の初期巻取り部にはバインダーが塗布され、この初期巻取り部が斜線切断面Pをなすので、断熱パイプ12の外周面のみならず、内周面にも段差部が発生しない。
【0074】
円形カッター72の傾き角度θについて、本発明では6.8゜前後であると説明したが、状況与件によって適切に加減可能であることは当然である。例えば、傾き角度θは、6.8゜を基準にして±5゜〜±10゜ほど加減可能である。
【0075】
前記傾き角度θによってガラス繊維マット2が6.8゜前後の傾きで斜線に沿って切断され、巻き取られるガラス繊維マット2の表面に斜線切断面Pが最終的に接合される。そのため、断熱パイプ12の外周面に段差部が発生しない。
【0076】
本発明において、バインダー供給ボックス40に収容されたバインダー22は、常温に維持される。場合によっては、バインダー22の温度を感知する温度感知センサを設置し、バインダー供給ボックス40の周辺に制御器19の制御を受ける恒温装置をさらに設置することによって、バインダー22の温度が設定温度に常に維持されるように構成することができる。
【0077】
また、従来は、バインダー供給ボックスが移動中のガラス繊維マットの下方側、すなわち、駆動ローラの部分に位置しており、バインダーがガラス繊維マットの上部面を塗布するのであった。そのため、引き出されるガラス繊維マットをS字状にひっくり返すねじれ構成がさらに必要となり、構成が複雑であり、作業性及び生産性が低下するなどの問題があった。しかし、本発明では、ガラス繊維マット2の上面が、ガラス繊維マット2の上方に位置する塗布ローラ9によって充分に塗布されるので、前記のようなねじれ構成が必要でない。
【0078】
また、本発明によると、従来分散されていた各工程を一つの製造装置に縮小し、全体の工程が一括的に行われる。そのため、製造ラインが縮小され、作業性及び生産性が向上し、設置空間も自然と縮小される。
【0079】
本発明に係る断熱パイプの製造装置1の前面底部には、作業者が足で操作できるようにするフットスイッチ81が設置されている。手を自由に使用することができるので、作業の便宜性が大いに増大する。
【0080】
本発明によって製造される断熱パイプ12は、ガラス繊維の特性上軽く、薄い厚さでも優れた保温性を発揮する。
【0081】
本発明では、ガラス繊維マットを用いて断熱パイプを成形することを例示したが、ガラス繊維マットのみならず、各種無機繊維マットを用いて多様な直径及び多様な厚さの断熱パイプを成形可能であることは当然である。
【0082】
以上のように説明した本発明は、本実施例及び添付の図面に限定されるものでなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であり、これは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとって自明である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、一つの断熱パイプの製造装置で一連の作業が行われることによって製造ラインが大幅に縮小され、自動化及び規格化が達成されることによって生産性が大いに向上するという効果を有する。
【0084】
また、従来は、作業者が切断道具を用いてガラス繊維マットを手動で切断していたので、疲労の累積によって生産性が低下し、筋骨格系疾患をもたらしていた。ところが、本発明では、ガラス繊維マットが、設定された長さで移動すれば、円形カッターによって広い幅の斜線に精巧に切断されるので、手作業に依存していた従来の切断方法に比べて約50%生産性が向上するという効果を有する。
【0085】
本発明において、ガラス繊維マットを成形するとき、上面にバインダーを塗布しながら加圧・成形するので、複数重に巻き取られる各ガラス繊維マット間の化学的結合のみならず、圧搾ローラの加圧力によって物理的な結合が増大し、高温でも各ガラス繊維マット間の結合が破壊されず、使用寿命が延長されるという効果を有する。
【0086】
また、本発明は、ガラス繊維マットを切断するとき、円形カッターを用いて斜線方向に精巧に切断することによって、断熱パイプの巻き取り終了部分に段差部が生じない。また、ガラス繊維マットの巻き取り開始部分も斜線切断面であることから、断熱パイプの内周面にも段差部が生じず、高品質の製品を量産できるという効果を有する。
【0087】
また、本発明は、円形カッターを用いてガラス繊維マットを切断するとき、補助ローラ及び昇降機能が与えられた補助板によって切断面が均一かつ迅速に切断されるので、切断効率が向上するという効果を有する。
【0088】
また、本発明の断熱パイプは、成形時に加圧によって密度が増加し、段差部のない完全な円筒形で形成されるので、人為的な外圧を加えない限り、変形のおそれのない製品を得られるという効果を有する。
【0089】
また、本発明は、安価な成形ローラを用いて断熱パイプを製造することによって生産原価を減少させることができ、自動化ラインを通した断熱パイプの組み立てが可能であり、施工時にも断熱パイプを配管体に挿入すればよいので、施工が容易であるという効果を有する。
【符号の説明】
【0090】
1 断熱パイプの製造装置 2 ガラス繊維マット 3 マット供給ローラ
4 成形ローラ 5、21、79 アイドルローラ 6、7、8 移送ローラ
9 塗布ローラ 10 圧搾ローラ 11 圧力調節部 12 断熱パイプ
13 エンコーダ 14 切断部 15 補助ローラ 16 補助板
16a 凹入溝 16b 傾斜面
13a、17、26、26a、36 エアシリンダ
18 バインダー供給部 19 制御器 20 前・後側板 22 バインダー
23、33、38、50、63、65 モータ
24、25、34、39、51、64、70 動力伝達手段
27、28 スクレーパ 29 平板 30 マット感知センサ
31 駆動チャック 32 基台 35 被動チャック
37 エアシリンダのロッド 40 バインダー供給ボックス
41、42 垂直案内棒 43、44 ボールスクリュー
45、46、48、49 ベベルギア 47、68 軸棒
52、53 前・後側板 54、55 案内棒 56 移動体
57 駆動軸棒 58 被動軸棒
59、60 チェーンギア(チェーンスプラケット)
61 チェーンアタッチメント 62 チェーン 66 傾斜部 67 連結板材
69 軸部材 71 締結具 72 円形カッター
73、74 左・右側限界センサ 75、76 移動部材 77 傾斜板
77a 傾斜板の軸孔 78 通孔 80 ピン 81 フットスイッチ
82 目盛り 83 指示針 L 斜線切断幅 t ガラス繊維マットの厚さ
P 斜線切断面 θ 傾き角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マット供給ローラ(3)のガラス繊維マット(2)を移送する複数の移送ローラ(6)(7)(8)と、
移送されるガラス繊維マット(2)の一側面にバインダーを塗布する塗布ローラ(9)と、
バインダーが塗布されたガラス繊維マット(2)が複数回巻き付けられ、所定厚さ及び所定大きさの断熱パイプ12を成形する成形ローラ(4)と、
成形ローラ(4)と平行をなし、モータ及び動力伝達手段によって回転する圧搾ローラ(10)と、
圧搾ローラ(10)を昇降させ、巻き取られるガラス繊維マット(2)を加圧し、バインダーが塗布されるようにする圧力調節部(11)と、
ガラス繊維マット(2)の移送長さを測定するエンコーダ(13)と、
ガラス繊維マット(2)が所定長さで移送されたならば、ガラス繊維マット(2)を斜線に沿って切断し、元の位置に復帰させる切断部(14)と、
制御器(19)、複数の駆動モータ、動力伝達手段及びセンサと、を含んで構成された断熱パイプの製造装置。
【請求項2】
切断部(14)の上下部に補助ローラ(15)及びエアシリンダ(17)によって昇降する補助板(16)をそれぞれ設置してなる請求項1に記載の断熱パイプの製造装置。
【請求項3】
成形ローラ(4)の一側に駆動軸(31)が組み付けられ、
前記駆動チャック(31)は、基台(32)に軸が設置され、モータ(33)及び動力伝達手段(34)によって回転し、
前記成形ローラ(4)の他側が組み付けられる被動チャック(35)は、基台(32)に取り付けられたエアシリンダ(36)のロッド(37)の端部に、軸が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の断熱パイプの製造装置。
【請求項4】
切断部(14)は、
前・後側板(52)(53)に平行に固定される一対の案内棒(54)(55)と、
案内棒(54)(55)に結合される移動体(56)と、
前・後側板(52)(53)に設置されて平行をなす駆動軸棒(57)及び被動軸棒(58)と、
駆動軸棒(57)及び被動軸棒(58)のチェーンギア(59)(60)に組み付けられるチェーン(62)と、
チェーン(62)が組み付けられる移動体(56)のチェーンアタッチメント(61)と、
後側板(53)に固定される正逆モータ(65)と、
駆動軸棒(57)を正・逆回転させる正逆モータ(65)及び動力伝達手段(64)と、
移動体(56)に設置されるインバータモータ(63)と、
移動体(56)の下端傾斜部(66)に設置される連結板材(67)と、
連結板材(67)の中央に固定される軸部材(69)と、
軸部材(69)の軸棒(68)とインバータモータ(63)の回転軸棒とを連結する動力伝達手段(70)と、
軸棒(68)の下端締結具(71)に締結され、所定の傾き角度(θ)を有する円形カッター(72)と、
移動体(56)の過度な移送を防止する左・右側限界センサ(73)(74)と、
チェーン(62)の両側に固定され、前記左・右側限界センサ(73)(74)を動作させる移動部材(75)(76)と、を含んで構成された請求項1又は2に記載の断熱パイプの製造装置。
【請求項5】
圧搾ローラ(10)は、モータ(38)及び動力伝達手段(39)によって回転し、
前記圧搾ローラ(10)の下部には、圧力調節部(11)によって昇降するバインダー供給ボックス(40)が設置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の断熱パイプの製造装置。
【請求項6】
圧力調節部(11)は、
バインダー供給ボックス(40)の両側に設置される垂直案内棒(41)(42)及びボールスクリュー(43)(44)と、
ボールスクリュー(43)(44)の下部に組み付けられるベベルギア(45)(46)と、
前記ベベルギア(45)(46)に噛み合わされ、基台(32)に軸が取り付けられた軸棒(47)の両端に組み付けられるベベルギア(48)(49)と、
前記軸棒(47)を回転させるモータ(50)及び動力伝達手段(51)と、を含んで構成された請求項1又は2に記載の断熱パイプの製造装置。
【請求項7】
円形カッター(72)の傾き角度(θ)は6.8゜であることを特徴とする請求項4に記載の断熱パイプの製造装置。
【請求項8】
移送ローラ(8)の後方に傾斜度を調節可能な傾斜板(77)を設置してなる請求項1又は2に記載の断熱パイプの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−537861(P2010−537861A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523930(P2010−523930)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【国際出願番号】PCT/KR2008/003796
【国際公開番号】WO2009/031753
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(310018434)セウン T&S カンパニー リミティッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SEWOON T&S CO., LTD
【住所又は居所原語表記】11−9, Mangjeong−dong, Yeongcheon, Gyeongsangbuk−do 770−110, Republic of Korea
【Fターム(参考)】