説明

断熱包装

パッケージ又は容器が内面及び外面を備えた側壁を有する。側壁の内面及び外面のうちの少なくとも一方は、少なくとも一部が断熱材の層で被覆されるのが良い。この断熱材は、断熱をもたらすよう膨らまされるようになっているのが良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の説明〕
本願は、2007年3月27日に出願された米国特許出願第11/728,973号の一部継続出願であり、この一部継続出願は、2006年4月3日に出願された米国特許仮出願第60/789,297号について35U.S.C.§119(e)の規定による出願日に関する利益を主張する出願である。上述の出願の全てを参照により引用し、これらの記載内容を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0002】
消費者は、出来合いの製品、例えば食品や飲料を容器に入った状態で購入する場合が多い。断熱容器が温かい若しくは高温の又は冷えた若しくは低温の液体又は食品、例えばホットコーヒー、アイスティー又はピザ向きに設計されている場合がある。これら容器は、内容物から消費者の手への熱さ又は冷たさの伝わり具合を減少させることにより液体又は食品内容物の温度を維持することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パッケージ、容器又は容器スリーブが側壁を有し、この側壁は、内面及び外面を有する。側壁の内面又は外面のうちの少なくとも一方は、断熱材の層を有するのが良い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の他のシステム、方法、特徴及び利点は、以下の図及び詳細な説明を吟味すると、当業者には明らかであり又は明らかになるであろう。かかる追加のシステム、方法、特徴及び利点は全て、本明細書における開示内に含まれ、本発明の範囲に含まれ、そして特許請求の範囲の記載により保護されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】外壁と組み立てられたカップの斜視図である。
【図2】二重壁カップの側面断面図である。
【図3】チャネルを備えた一体型容器の斜視図である。
【図4】チャネルを備えた一体型容器の斜視図である。
【図5】カップ付きスリーブの断面図である。
【図6】外壁と組み立てられたカップの上面断面斜視図である。
【図7】二重壁カップを製造する方法を示す図である。
【図8】断熱材がパターンをなして付けられたカップの図である。
【図9】断熱材がパターンをなして付けられたカップの図である。
【図10】断熱材がパターンをなして付けられたカップの図である。
【図11】カップから取り外された外壁の図である。
【図12】カップから取り外された外壁の図である。
【図13】カップから取り外された外壁の図である。
【図14】カップから取り外された外壁の図である。
【図15】スリーブと組み立てられたカップの図であり、熱の伝達状態を示す図である。
【図16】断熱材を基材に付ける例示の方法のブロック図である。
【図17】断熱材をスプレー型ノズル付き基材に付ける方法の略図である。
【図18】断熱材を非スプレー型ノズル付きの基材に付ける方法の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
パッケージ、容器又は容器スリーブは、断熱材で構成されると共に/或いは断熱材で断熱されるのが良い。断熱材は、容器に固定されても良く、或いは、取り外し可能なスリーブに付けられても良い。断熱材、例えば熱膨張可能であり且つ/或いはボイドを含む材料が容器又は外壁若しくはこれら両方に付けられるのが良い。また、膨張可能ではない又は温度(熱)による以外の仕方で膨らまされる断熱材、例えば感圧性材料、感光性材料、マイクロ波に敏感な材料等を用いることができる。断熱材は、最終使用者に届く前に、例えば、容器及び/又は容器スリーブを製造したときに膨らまされても良く且つ/或いは断熱材は、最終使用時にのみ且つ例えば温度又は圧力に応答してのみ膨らまされても良い。断熱材は、容器及び/又は容器スリーブの断熱能力を助けると共に/或いは容器及び/又は容器スリーブに剛性を追加し、例えば容器及び/又は容器スリーブの材料コンポーネントの厚さを減少させるために使用できる。
【0007】
図1は、内壁102及び外壁104を備えた容器100、例えばカップを示している。外壁104のブランクは、容器スリーブ又は容器100の壁若しくは本体の形態をしているのが良い。容器は、カップには限定されず、任意他の容器であって良く、かかる容器としては、ばらの又は個装のコーヒー入り容器、スープ用桶形容器、圧力成形容器、プレート、スリーブ(例えば、シングルフェース波形、ダブルフェース波形、非波形、厚紙等)、折り畳み箱、トレー、ボウル、クラムシェル及びカバー又はスリーブが付いた又は付けられていない他のものが挙げられるが、これらには限定されない。容器は、円筒形カップ又は円錐形、長方形等を含む他の幾何学的形状の容器であって良い。外壁104のブランクは、波形打抜きブランクには限定されず、任意種類の厚紙、紙、箔、フィルム、ファブリック、フォーム、プラスチック等で構成されても良い。外壁104は、任意の公称ペーパーストック(paper stock )(なお、「完成紙料」、「原質」又は単に「ストック」ともいう)で作られても良く、かかるペーパーストックとしては、天然シングルフェース、ホワイトトップ(white-topped)シングルフェース、コーテッドさらしトップ(coated bleached top )シングルフェース、波形、段付き波形のもの又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。外壁104は、容器100から取り外し可能であっても良く、或いは、容器100にくっつけられても良い。外壁104は、例えば、外壁104のブランクをホットメルト、コールドメルト及び/又は任意他の接着剤又は密封機構体を用いて容器上に積層することによりくっつけられるのが良い。代替的に又は追加的に、外壁104のブランクは、断熱材と共にくっつけられても良い。外壁104が製造中、カップに取り付けられる場合、外壁は、商業上の最終使用者による組み立てステップをなくすことにより効率を高めることができる。さらに、外壁104は、商業上の最終使用者が例えば2つのアイテムではなく1つのアイテムを貯蔵する場合に必要な貯蔵空間の大きさを減少させることができる。
【0008】
図1は、必ずしも縮尺通りには描かれていない。例えば、外壁104は、図示の場合よりも容器100の表面の大きな又は小さな部分を覆うことができる。例えば、外壁104は、本体全体の被覆を行うことができる。外壁104の表面積を増大させると、断熱面積を増大させると共に印刷面を広くすることができる。図面は、カップ上の外壁104を示しているが、外壁104は、任意他の容器に付加されても良く、かかる容器としては、例えば、ばらの又は個装飲料容器、圧力形成容器及びスープ用桶形容器が挙げられるが、これらには限定されない。代替的に又は追加的に、外壁104を容器スリーブに付加することができる。
【0009】
図2は、容器100の側面断面図であり、容器100は、二重壁カップであるのが良い。容器100は、容器100の外壁104と内容物206、例えば温かい若しくは高温の又は冷えている又は低温の飲料又は食品との間に空気のジャケット200を構成するのが良い。空気ジャケット200は、外部表面温度T0という尺度で測られる断熱作用を提供することができる。空気ジャケット200は、容器100を部分的に又は完全に包囲するのが良い。容器100が取っ手付きである場合、外壁104に及ぼされる圧力は、空気ジャケット200を減少させ、容器100の内壁102との接触を潜在的に開始させる圧力点で外壁104を潰すよう作用する場合がある。空気ジャケット200は、圧力点以下で潰れる場合があり、そして剛性が低くなった感じを与える場合があり、接触部は、外壁104上にホットスポットを作る場合がある。
【0010】
内壁102と外壁104との間に付けられた断熱材216がこの効果を減少させ又はなくすことができる。十分な量の断熱材216が用いられた場合、断熱材216は、外壁104に対する空気ジャケット200の断熱性を損なうことなく剛性をもたらすよう働くことができ、その結果、外壁104は、完全に又は部分的に潰れることがないようになっている。断熱材216は、機械的強度を容器100に付加することができる。断熱材216により付加される機械的強度に起因して軽量の材料を用いて容器100を製作することができ、従って、容器100を形成する基材の源を少なくすることができる。断熱材216を内壁102か外壁104かのいずれか又はこれら両方にスポットの状態で、例えば、点状パターン又は別のパターンをなして付けることができ、その結果、断熱材216は、空隙200を構成して外壁104が保持圧力を受けて内壁102上に潰れるのを阻止するようになっている。断熱材216は又、使用者にしっかりした感じを与えることができ、他方、基材材料、例えば内壁102又は外壁104の材料を少なくすることができる。
【0011】
断熱材216は、活性化時に膨らむことができ又は例えば空気若しくは不活性ガス、現場気泡又はエアボイド、微小球、膨張可能な微小球又は他の発泡剤の混入によりあらかじめ膨張可能である。断熱材216は、例えば、温度、圧力、水分等により活性化可能である。一例では、断熱材216は、高温又は低温により熱活性化可能であるのが良い。断熱材216は、膨張可能な断熱材又は接着剤であっても良い。追加的に又は代替的に、断熱材216としては、結合剤、膨張可能な微小球若しくは他のマイクロカプセル封入粒子、顔料及び他の添加剤、接着剤(例えば、ホットメルト、感圧接着剤)、不活性ガス発泡ホットメルト、熱膨張可能な微小球を含む水性被膜、デンプンを主成分とする接着剤、天然ポリマー接着剤、PVC、フォームコーティング、生分解性グルー又はこれらの任意の組み合わせ若しくは他の材料が挙げられるが、これらには限定されない。断熱材216は、現場気泡、微小球、微小粒子、繊維、膨張可能な繊維、溶解性粒子等を含むのが良い。断熱材216は、生分解性、堆肥化可能及び/又は再生利用可能であるのが良い。
【0012】
断熱材216は、濡れたとき又は乾いたときに膨張可能であっても良い。断熱材216としては、任意の合成又は天然材料が挙げられ、かかる材料としては、水を主成分とする材料、溶剤を主成分とする材料、固形分の高い材料又は固形分が100%の材料が挙げられる。固形分の量は、代表的には材料の30%〜80%であり、より好ましくは40%〜70%である。追加の成分を結合剤及び/又は断熱材216に添加することができ、かかる追加の成分としては、顔料又は染料、充填剤/増量剤、分散のための界面活性剤、用途の最適化のために粘度を調節する増粘剤又は溶剤、発泡剤、脱泡剤、蝋のような添加剤又はスリップ補助剤等が挙げられるが、これらには限定されない。変形例として、結合材及び/又は断熱材216は、接着剤であっても良い。断熱材216は、容器内容物を温かい状態又は冷えた状態に保つ断熱性、凝縮物及び/又は液体の吸収性を含む(これらには限定されない)幾つかの性質を有するのが良く且つ/或いは断熱材216は、高温材料(例えば、150°F(65.6℃)を越える温度の材料)との接触時に膨張するのが良く、好ましくは、設計上定められた活性化温度になる前では、例えば、ほぼ室温では不活性状態のままである。断熱材216は、再パルプ化可能、再生利用可能且つ/或いは生分解性であるのが良い。
【0013】
別の例では、不活性ガス、例えば窒素ガスを断熱材216中に注入するのが良い。例えば、不活性ガス、例えば窒素ガスを使用される場合のあるホットメルト接着剤、デンプンを主成分とする接着剤又は天然ポリマー接着剤中に注入するのが良い。ガスを内壁102の外面に差し向けてその後外壁104を配置しても良く、それにより、これら材料にフォーム構造を与え、従って、二重壁容器の機械的性質及び断熱性を向上させることができる。例えばガスを外壁104に差し向ける前に或いは外壁104への差し向け中にガスを断熱材216中に注入しても良い。
【0014】
代替的に又は追加的に、断熱材216は、膨張剤又は発泡剤と組み合わされる被膜又は接着剤であっても良い。膨張剤又は発泡剤は、断熱材216を活性化させることができるガスを加熱時に生じさせて、このガスが例えば気泡又はエアボイド、気泡構造等を占めることができるようにすることができる。変形例として、膨張剤又は発泡剤は、或る特定の条件下、例えば温度及び圧力条件下においてガスを放出するよう分解する材料であっても良い。加熱は、容器への内容物206、例えば温かい食品又は飲料を充填する間に生じるのが良い。変形例として、加熱は、外部源、例えばマイクロ波又は水浴から生じても良い。
【0015】
図3及び図4は、外壁104を備えた容器100を示している。容器100は、二重壁カップ組立体として構成されるのが良い。容器100は、円筒形カップ、容器スリーブ又は円錐形、長方形等を含む他の幾何学的形状の容器であって良い。外壁104は、容器100の本体を全体として又は部分的に覆うのが良い。容器100と外壁104を一体化して二重壁カップにしても良く、断熱材216及び/又は接着剤を内壁102と外壁104との間に付けても良い。断熱材は、接着性を更に有するのが良く、かくして、容器とブランクとの間の単なる取り付け部を形成しても良い。外壁104は、任意の公称ペーパーストックで作られるのが良く、かかるペーパーストックとしては、天然シングルフェース、ホワイトトップシングルフェース、コーテッドさらしトップシングルフェース又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。代替的に又は追加的に、外壁104は、箔、フィルム、ファブリック、プラスチック又は他の材料で作られても良い。外壁104及び/又は容器は、再パルプ化可能、再生利用可能であると共に/或いは生分解性であるのが良い。
【0016】
外壁104は、例えば、波形、溝(例えば、E溝、F溝、N溝又はG溝)、非波形又は型押し空気チャネルを有するのが良い。空気チャネルは、垂直方向、斜め方向又は他の方向に向いているのが良く、熱を手から遠ざけて運ぶのが良い。追加的に又は代替的に、空気チャネルは、断熱材216の付着に起因して生じても良い。例えば、断熱材216は、縞付きパターン、旋回状パターン又は点状パターンをなして外壁104に付けられるのが良く、その結果、空気チャネルが例えば熱又は圧力による活性化前、活性化中又は活性化後に形成され又は膨らまされるようになっている。断熱材216は、活性化時、溶解し、ガスを発生させ又は砕解し、かくして気泡又はフォーム構造体を作る膨張剤、発泡剤及び/又は他の作用剤を有するのが良い。
【0017】
外壁104は、容器100、例えばスリーブから取り外し可能であっても良く、或いは、容器100、例えば二重壁容器にくっつけられても良い。例えば、二重壁容器、例えばコップ又は二重壁容器スリーブは、断熱材216(例えば、ボイド含有断熱材、発泡断熱材等)を用いて外壁104を容器又は容器スリーブブランク上に積層して断熱材216を固定し又は任意他の接着剤又は密封法を利用して固定することにより製造できる。外壁104を製造中(例えば、一体型二重壁コップ又は二重壁スリーブを作る)容器100に永続的に取り付ける場合、外壁104は、商業上の最終使用者による組み立てステップをなくすことにより効率を増大させることができる。さらに、外壁104は、商業上の最終使用者が例えば2つのアイテムではなく1つのアイテムを貯蔵する場合に必要な貯蔵空間の大きさを減少させることができる。
【0018】
外壁104は、容器から取り外し可能であるのが良い。例えば、打抜きブランク、例えばスリーブは、別個に貯蔵されるよう製造されるのが良く、そして容器100から取り外し可能であるのが良い。
【0019】
外壁104は、空気の流れを可能にする一方の側部又は両方の側部が開口したままであっても良い。例えば、図3では、容器は、外壁104の頂部の近くに開口部302を有することができる。例えば、図4では、容器は、外壁104の頂部又は底部404の近くに開口部402を有することができる。開口部は、例えば穴として外壁104に形成されるのが良く、内壁102と外壁104との間の空間が断熱材216の活性化によって拡張されたときに空気の流れを可能にする空気チャネルを形成するのが良い。空気流は、断熱材216と外壁104又は膨張可能な材料216の付着パターンの相互作用により作られる波形、溝波形又は他の空気チャネルにより掴んでいる指から遠ざかって且つ上方に更に操作可能である。例えば、断熱材216の付着パターンは、空気チャネル304,402を作ることができる。
【0020】
図3は、断熱材216の付着が容器100の頂部306の近くに開口部302をどのようにして形成することができるかの別の非限定的な例を示している。チャネルは、断熱材216の膨張によって形成可能である。容器100の互いに反対側の端部、例えば頂部306と底部308に開口部が設けられるのが良い。開口部は、頂部306又は底部308のところにシールを完成させることなく、外壁104を容器に巻き付けることにより形成できる。
【0021】
図5は、容器100と組み立てられた外壁104、例えばスリーブの断面を示している。この図は、例示であって、本発明を限定するものではない。コップにかえて任意の容器、例えば圧力成形トレー、スープ用桶形容器又はばらの飲料容器を用いることができる。外壁104は、内面506及び外面504を有するのが良い。断熱材216を内面506、外面504及び/又は内面506と外面504との間の表面502、例えばスリーブの内壁に付けるのが良い。内面506と外面504との間には必ずしも空間502が設けられるわけではない。
【0022】
断熱材216、例えば膨張可能な材料を不活性形態で外壁104の内面506に付けるのが良い。非活性化断熱材216を外壁104の厚さをそれほど変えない薄膜として被着させることができる。また、断熱材216を外壁104の内側に付けることにより、外壁104の外面の印刷可能性を保つことができる。外壁104に付けた非活性化断熱材216を例えば標準型紙コップと組み立てる場合、かかる断熱材は、コップのスリムな輪郭形状を維持することができる。スリムな輪郭形状の維持により、標準型コップの効率的な入れ子状嵌め合わせ性を維持することができ、それにより、標準型コップを効率的にケースに入れ、クレートに詰め、そして送ることができる。加うるに、最終使用時における断熱材216の活性化により、容器又はスリーブの製造の際における活性化又は発泡若しくは硬化ステップを減少させ、それにより製造中に用いられるエネルギーを減少させることにより製造上の効率を高めることができる。
【0023】
例えば内容物206、例えば温かい液体、飲料又は食品を容器100内に追加することにより、断熱材216を活性化させ、それにより膨張させることができる。代替的に又は追加的に、容器100に内容物206、例えば飲料又は食品をあらかじめ詰め込んでも良く、そして断熱材216を加熱時、例えばマイクロ波又は水浴によって活性化させても良い。活性化は、外壁104の処理段階時ではなく、消費段階時にのみ起こっても良く、その結果、外壁104を実質的に非活性化されている断熱材216と共に消費者に送ることができるようになっている。例えば、断熱材216の活性化温度は、約120°F(48.89℃)以上且つ/或いは60°F(15.56℃)以下であるのが良く、その結果、断熱材216を温かい(又は冷たい)液体、飲料又は食品の温度によってのみ活性化させることができ、周囲の温度又は体温によっては活性化させることができないようになっている。活性化により、膨張可能な材料は、膨張して外壁104を容器100から「押し戻し」、それにより増大した空隙を生じさせる。空隙は、温かい飲料入り容器100と消費者の手との間のサーマルバリヤ(断熱層)を作ることができる。活性化は又、容器の曲げ剛性及び/又は捩じり剛性を高めることができ、それにより、容器壁の材料の量又は厚さを減少させることができる。以下に詳細に説明するように、断熱材216は又、消費者に届く前に活性化されても良く又は少なくとも部分的に活性化されても良い。その結果、断熱材216はこのように標的温度に応動することができるようにすることにより、この断熱材が包装された内容物206が熱くなるにつれてその断熱性を増大させることができるという点で、容器又はスリーブを「気のきいた」状態に作ることができる。
【0024】
断熱材216は、非膨張状態で外壁104に付けられても良い。断熱材216の膨張は、例えば給仕の時点で温かい流体又は固形物を追加することにより活性化までは起こらないようにするのが良い。これは、外壁104の製造中、材料を膨張させることとは異なっているのが良い。製造中における膨張により、外壁104の嵩が増大する場合がある。断熱材216は、入れ子状嵌め合わせ効率を高めるよう調整可能である。断熱材216の特性は、例えば、段付き波形材料で作られた外壁104と断熱材216のパターン付け付着を組み合わせて特定の断熱、空気流特性及び容器の剛性を高めることにより(これには限定されない)更に調整可能である。例えば、外壁104に付けられた断熱材216の波形及び/又はパターンは、熱の対流を上方に差し向けることができ、従って、消費者の持っている手に向かう水平の熱伝達を減少させることができる。変形例として、パターンを施すことができるシート中に断熱材216を押し出しても良く、例えば、段付け、打抜き形状、線、チャネル又は他の印付けによってこのシート中に押し出し、その後断熱材216のシートを外壁104に取り付けても良い。他の具体化例では、膨張は、輸送前、例えば容器100の製造前、製造中又は製造後に行われても良い。
【0025】
図6は、外壁104と組み立てられた容器100の断面の例示の平面図である。この図は、例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。断熱材216を外壁104に付けるのが良い。例えば、断熱材216を外壁104と容器100の壁との間に付けるのが良く、かかる断熱材は、外壁104と容器スリーブの内壁との間の中又はこれらの間に熱活性化可能な膨張可能な断熱材と共に一体化二層化コップを形成することができる。断熱材216は、例えば、現場空隙又は結合剤又は上述した任意他の適当な材料中に分散した膨張可能な微小球又は発泡剤602を有するのが良く、かかる断熱材は、接着性を有するのが良い。
【0026】
図7は、断熱材216を容器100に付ける例示の方法を示している。この方法は、コップ包装機械に適合可能である。この例では、断熱材216をアプリケータ706、例えばノズル、グルーガン又はスロットダイアプリケータによりマンドレル702に固定可能な例えば紙コップ100の外側に連続的に又は間欠的に付けることができる。パターンは、アプリケータ706に対する容器100の動きによって操作できる。例えば、マンドレル702を回転させると共に/或いは上下に又は別の方向に動かして所望のパターン、例えば螺旋パターン、点状パターン、線状パターン等を達成することができる。
【0027】
代替的に又は追加的に、アプリケータ706は、所望のパターンを達成するよう容器100に対して動いても良い。例えば、マンドレル702を回転アーム700に取り付けるのが良い。容器100、例えばコップをマンドレル702に手動で又は機械供給装置によって装填することができる。アーム700は、容器100をアプリケータ706の近くに動かすことができる。アプリケータ706は、容器100に対して動くことにより断熱材216のパターンを容器100に付けることができる。マンドレル702は又、例えば回転により容器100をアプリケータ706に対して動かすことができる。一例として、縞をマンドレル702の回転運動と組み合わされたアプリケータ706の横方向運動によってコップに付けることができる。アプリケータ706からのスプレーは、一定であっても良く間欠的であっても良く、スプレーは、フォームの破線、縞、点又は楕円を作ることができる。スワールをマンドレル702の横方向運動及び回転運動と組み合わされたアプリケータ706からの一定のスプレーによって付けることができる。
【0028】
アプリケータ706を断熱材216を送り出すことができるラインに取り付けることができる。ガス、例えば窒素ガスを別個のラインによって断熱材216に追加してアプリケータ706内で又は付着中、或いはアプリケータ供給ライン内等で混合することができる。
【0029】
断熱材216を付けた後、アーム700は、容器100を別の位置に動かすのが良く、ここで、コップを次の処理のためにマンドレルから取り外すのが良い。例えば、一体型二重壁容器、例えばコップを形成するのに、容器100を外壁104中に挿入するのが良い。外壁104は、あらかじめ成形され、容器100を挿入することができるキャビティ704内に配置するのが良い。
【0030】
図8は、例示の外壁104のブランクを示している。この図は、例示であり、寸法又は形状に限定されるものではない。寸法及び形状は、任意の容器の寸法形状に合わされるのが良い。断熱材216を外壁104に付けることができる。断熱材216を多くの方法により付けることができ、かかる方法としては、ノズルスプレーガン、印刷、スロットコータ又は他の方法、例えば上述し又は以下に詳細に説明する方法が挙げられるが、これらには限定されない。代替的に又は追加的に、断熱材216をシート中に押し出すことができ、断熱材のシートを容器のブランク、容器スリーブ又は打抜きブランクに積層することにより断熱材を容器、容器スリーブ又は打抜きブランクに付けることができる。断熱材216を例えばインラインコップ包装機械、インラインフォルダ/グルアで又は他の適当な方法、例えばオフラインコーティング及び乾燥により外壁104に付けることができる。断熱材216を任意適当なパターンをなして外壁104に付けることができ、かかるパターンとしては、帯状パターン、点状パターン、波形パターン、正方形、円、ダイヤモンド又は菱形、ランダムパターン、これらの組み合わせ又は任意他のパターンが挙げられるが、これらには限定されない。例えば、断熱材216を空気流を操作すると共に/或いは熱を例えば持っている指から遠ざかって垂直方向上方に導くパターンをなして付けることができる。断熱材216をこれがチャネルを形成し又は膨張して活性化時にチャネルを形成するよう被着させることができる。チャネルは、自然の対流を差し向けることができる。断熱材216は、被覆されるべき表面を完全に覆っても良く又は部分的にしか覆わなくても良い。
【0031】
例えば外壁104を容器100に巻き付けることにより外壁104を容器100又はコップに取り外し可能に又は永続的に取り付けることができる。例えば、断熱材216、例えばデンプンを主成分とする材料、ホットメルト及び膨張可能な材料、接着性を備えた膨張可能な材料、これらの組み合わせ若しくは任意他の接着剤又は密封方法を用いて外壁104を容器上に積層することにより二重壁コップ又は容器100を製造することができる。外壁104を製造中(例えば、一体型二重壁コップを作る際)容器100に永続的に取り付ける場合、外壁104は、商業上の最終使用者による組み立てステップをなくすことにより外壁104を用いた場合の効率を増大させることができる。さらに、外壁104は、商業上の最終使用者により(例えば商業上の最終使用者が2つのアイテムではなく1つのアイテムを貯蔵する場合に)必要な貯蔵空間の大きさを減少させることができる。外壁104の形状は、他の容器の形状に合わされるのが良く、かかる容器としては、容器スリーブ、スープ用桶形容器、圧力成形容器、ばらの又は個装の飲料容器が挙げられるが、これらには限定されない。変形例として、容器100は、両端が開口した容器スリーブであっても良い。
【0032】
外壁104は、オプションとして、インシーム(in-seam)ホットメルト又は低温硬化グルーを有するのが良い。また、断熱材216が接着剤である場合、インシームホットメルト又は低温硬化グルーを省くことができる。インシームホットメルト/低温硬化グルーを例えば補強材を接合するために断熱材216に加えて用いることができる。外壁104を例えば巻き付け、積層又は他の製造方法により容器100、例えばコップ又はスリーブに付けることができる。
【0033】
図8〜図12は、外壁104の多くの例を示している。これら例は、単に例示であって、本発明を限定するものではない。図8は、断熱材216が熱の放出を導くパターン809をなして付けられた外壁104を示している。断熱材216は、例えば、波形の紙、例えば、段付きコルゲート(これには限定されない)で作られるのが良い。対流は、波形、断熱材216の付着パターン又は別の適当な仕方で操作できる。
【0034】
図9及び図10は、断熱材216のパターンの他の考えられる非限定的な例を示している。断熱材216のパターンは、符号909,1009でそれぞれ表されている。断熱材216は、図8〜図10に示されたパターン以外のパターンをなして付着可能である。断熱材216は、厚さが変化するのが良く、そして熱を開口部に導く段階的流れをもたらすことができる。
【0035】
図11〜図14は、空気の流れを可能にするために使用することができる開口部のパターンを示している。開口部は、符号1112,1212,1312,1412によりそれぞれ示されている。開口部は又、例えば符号1214,1314,1414により示されているように配置されると共に/或いは形状を有しても良い。ブランクの互いに反対側の端部のところ又は一端部にのみ打抜き開口部が設けられるのが良い。図11〜図14の開口部の形状は、例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。例えば、断熱材216のパターン及び開口部の形状は又、空気の流れを操作するよう配置されるのが良く、例えば、ベンチュリ効果を生じさせるよう配置されるのが良い。
【0036】
図15は、例示の熱伝達状態を示す一例を示している。この例は、本発明を限定するものではなく、考えられる熱損失操作の単なる例示である。システムの全熱損失を次の方程式により表すことができる。
〔数1〕
T[カロリー/秒]=Q1+Q2+Q3+Q4
上式において、QTは、全熱損失である。Q11504は、水の蒸発に起因した熱損失である場合がある。符号1502,1506,1508でそれぞれ示されたQ2、Q3及びQ4は、熱対流及び熱伝導による熱損失を表している場合がある。
【0037】
内容物を温かい状態に保つ目的は、QTを最小限に抑えることにより達成できる。外壁104は、Q2、Q3及びQ4を最小限に抑えることによりQTを最小限に抑えることができる。断熱材の熱伝導率が低いことの結果として、Q2、Q3及びQ4に起因した熱損失が非常に少なくなる場合がある。
【0038】
消費者の火傷を阻止する目的は、例えばQ2、Q3及びQ4、特にQ2及びQ3を最小限に抑える一方で、Q1及びQ4が避けることができない高い熱流束(温かい又は高温の液体に起因する)を垂直方向上又は下に導くことができるようにすることにより達成できる。これは、例えば、波形溝を外壁104に追加することにより達成できる。溝は、例えば、全体として垂直であっても良く又は斜めに傾けられていても良い。
【0039】
非限定的な実施例は、次の通りである。
【0040】
実施例1.実施例1は、断熱材216が熱伝導率をどのようにして変えることができるかを示すグラフ図を提供している。コップの内側の温度を、Tiで表すことができる。コップの外側の温度をToで表すことができる。上側の線Xは、被覆された外壁104を備えていない容器を表している。第2の線Yは、被覆された外壁104と組み立てられた容器を表している。この実施例は、断熱材216で被覆された外壁104を備えていない容器では、容器の内部と外部の温度差は、非常に小さいことを示している。断熱材216で被覆された外壁104を備えた容器では、温かい食品又は飲料が容器に追加されると、内側と外側の温度差は、小さい場合がある。しかしながら、食品又は飲料が接触状態にある材料Aを活性化させることができ、それにより、この材料は、膨張する。材料が膨張すると、温度差Ti−Toは、増大する場合がある。
【0041】
【表1】


【0042】
実施例2.実施例2は、断熱材216が設けられていない外壁104と比較した断熱材216で被覆された種々の外壁104の材料の温度に関する感覚的比較結果を示している。以下の実験は、説明のためにのみ記載されているに過ぎず、本発明を限定するものではなく、他の実験結果を得ることができる。
【0043】
断熱材216、例えば熱により又は違った仕方で膨張可能な材料を種々の材料、例えば紙、厚紙及び段ボール(これらには限定されない)で作られた外壁104のブランクに付けるのが良い。各外壁104のブランクを容器、例えばコップに巻き付けるのが良い。コップに温水(湯)を充填するのが良い。次に、コップを素手で取り扱って2つの条件に対する感覚的な応答相互間の比較を行うのが良い。各試験において、被覆状態の外壁104を備えたコップは、被覆されていない外壁104を備えたコップよりも触って「温かい」感じが乏しかった。膨張は、温水をコップ内に注ぎ込んで数分以内に生じた。
【0044】
実施例3.断熱材216の被膜をシングルフェース媒体に被着させるのが良い。600°F(315.6℃)でMASTER−MITE 120V,475Wヒートガンを用いて被膜を湿潤時に膨張させるのが良い。
【0045】
実施例4.断熱材216の被膜を12オンス(340.2g)コップの外側に被着させて一晩空気により乾燥させた。次の日、190°F(87.78℃)の温水をコップ中に注ぎ込むのが良い。コップ内への190°F温水の充填後まもなく相当な膨張を観察することができる。蓋をコップに載せるのが良く、そして、7分後、それ以上の膨張を観察することができるが、依然として部分的な膨張であった。加熱後活性化の利点は、液体が温かければ温かいほど、被膜の膨張がそれだけ一層大きいということである。
【0046】
実施例5.断熱材216の被膜をコップに被着させた。フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific)社により製造されたモデル番号11‐504‐50の250W IRヒーターを用いて断熱材216を加熱するのが良い。膨張は、ランプが断熱材216から6インチ(15.24cm)離れている場合、ゆっくりであり、断熱材216から1インチ(2.54cm)離れている場合にはすぐであった。
【0047】
実施例6.断熱材216の被膜を紙に被着させ、次に、被膜を空気乾燥させた後、この紙を紙コップに巻き付けた。ヒートガンからの熱を用いて1分間紙シェルを介して間接的に断熱材216の被膜の一部を加熱した。被膜が膨張した。非加熱状態の断熱材216の被膜の別の部分を紙を介してIRランプの下で加熱した。断熱材216の被膜が膨張した。
【0048】
実施例7.断熱材216、例えば熱膨張可能な被膜を二重壁スリーブ又は容器、例えばコップの壁の内部に被着させた。製造中、断熱材216を適度に乾燥させたが膨張せず、又は全く膨張しなかった。スリーブ又は容器を高温、例えばコー1ー又はスープの温度にさらすと、断熱材216は、膨張して、二重壁スリーブ又は容器の壁を互いに押し離した。活性化によるこの膨張は、断熱材216中の気泡並びにパッケージの断熱具合及び剛性を「気を利かせて」増大させた。以下は、断熱材216の使用が容器又は容器スリーブの製造に用いられる材料の重量をどのように減少させたかを示す実験の詳細を示している。実験は、限られた1組の材料を用いているが、実験は、断熱材216の実現性及び利益を実証している。
【0049】
2つのサンプルを比較した。基準容器は、16ポイント外包みを備えた16オンス(45.36g)使い捨てコップであった。実験用の容器は、断熱材216、この場合フォーム被膜のパターン及び12ポイント外包みを備えた16オンス使い捨てコップであった。両方のコップに190°Fの水を充填した。実験用容器の断熱材216は、190°Fの水の追加時に膨張した。各コップの外面温度を測定して以下のようにプロットした。実験用コップは、実験の最初の数分間中、向上した断熱性を示した。
【0050】
【表2】

【0051】
第2の試行は、容器スリーブの使用を示している。基準容器スリーブは、N‐段シングルフェーススリーブであった。実験用容器スリーブは断熱材216、この場合フォーム被膜の内側層を備えたN‐段シングルフェーススリーブであった。クラフト紙の層を断熱材216の層上に積層し、材料を乾燥させたが、膨張しなかった。断熱材216を2つのパターンをなして、即ち、全被覆状態及びスリーブの頂部から底部まで延びるラインをなして付けた。以上要約すると、試験した容器スリーブの5つのフォーマットが得られた。
・クラフト紙の内側層を備えたN‐段シングルフェーススリーブ
・乾燥した非膨張熱活性化可能水性被膜(“AP”)の内側層及びクラフト紙の内側層を備えたN‐段シングルフェーススリーブ
・膨張した熱活性化可能水性被膜の内側層を備えているがクラフト紙の層を備えていないN‐段シングルフェーススリーブ
・膨張した熱活性化可能水性被膜の内側層が垂直線をなして配置されると共にクラフト紙の内側層を備えたN‐段シングルフェーススリーブ
・膨張した熱活性化可能水性被膜の全被覆内側層及びクラフト紙の内側層を備えたN‐段シングルフェーススリーブ
【0052】
スリーブを190°Fの水で満たされた16オンス使い捨てコップに装着した。充填後、コップの内側の温度を5分間1分間隔で試験した。結果は以下のように示されている。
【0053】
【表3】

【0054】
フォーム被膜を含むコップ及びスリーブは又、ペーパーストックが減少した状態であっても高い剛性を有した。パターン付けされた発泡被膜は、12ポイント外包みが取扱中、内壁中に潰れるのを阻止した。これは、少ない基本重量及びキャリパ(caliper)の厚紙の使用を可能にすると共に良好な断熱性を維持することができる。
【0055】
図16は、微小粒子被膜を基材に付ける例示の方法のブロック図である。この方法は、微小球又は他の膨張可能な被膜を基材、打抜きブランク、容器、スリーブ、飲食店用トレー、二重壁コップ、圧力成形トレー、スープ用桶形容器及びバッグ・イン・ザ・ボックス(bag-in-the-box)型容器のうちの任意のものに被着させるステップを有するのが良い。この方法は、インライン手順1600及びオフライン手順1610を有するのが良い。インライン手順1600は、積み重ねステーション1620、製造ステーション1630及び紙又は打抜き原材料から容器を製造するために用いられる包装ステーション1640を有するのが良い。積み重ね、製造及び包装ステーションは、完全に自動化されるのが良く且つ/或いは手動ステーションを有するのが良い。
【0056】
被膜被着ステップは、同一又は別の施設でインライン1600又はオフライン1610でおこるのが良い。インライン被着は、積み重ねステーション1620、製造ステーション1630及び包装ステーション1640のうちの1つ又は2つ以上のところでの断熱材216の付着を含むのが良い。断熱材216は、種々の仕方で付着可能であり、かかる仕方としては、ブラシ、スポンジ、印刷、ノズルスプレー、スロットダイコータ又は被膜の押し出しシートへの積層が挙げられるが、これらには限定されない。これらの手段の任意のもの又はこれらの種々の組み合わせは、インライン1600又はオフライン1610でおこるのが良く、この場合、オフラインプロセスは、積み重ねステージ1620の前におこるのが良い。
【0057】
1つ又は複数のブラシによる付着は、断熱材を圧力下で管を通ってブラシに供給することによって行われるのが良い。ブラシは、互いに異なる材料、例えば、馬の毛又は合成材料で作られるのが良い。ブラシは、中空フィラメントを有するのが良く、従って、断熱材は、フィラメントを通って塗布される。ブラシは、断熱材のスワッチ又はパターンを塗布することができる。ブラシに付けられる断熱材の量は、基材に塗布される断熱材の量を計量することができるよう調節されるのが良い。例示の且つ非限定的な例として、この量は、断熱材の1/64インチ(0.397mm)の層が被着されるよう調節されるのが良く、断熱材は1/16インチ(1.588mm)又は1/32インチ(0.794mm)、即ち、二重壁コップの内側層と外側層との間の隙間の距離まで膨張することができる。断熱材は、いったん膨張すると、外側層の形状を変形させないことが好ましい場合がある。断熱材216は、一様な又は漸変パターンで分布して配置可能である。ブラシは、例えばバッグインボックス型容器の内側を被覆するよう広い塗布が可能であるよう使用可能である。
【0058】
印刷機による塗布は、基材をローラ中に走行させることによって行われるのが良い。基材は、ペーパーストックのロール(巻取り紙)又はウェブ形態であるのが良く、或いは変形例として、シート(枚葉紙)形態であっても良い。断熱材216は、具体化例に応じて、スポット若しくはパターンをなして又は全被覆状態で加圧塗布されるのが良い。
【0059】
図17では、スプレー型ノズル1700を用いて断熱材216を基材1720に付けることができる。ノズルは、断熱材を拡散させて断熱材216の薄くて一様な層を基材に被着させることができる。1つ又は2つ以上のスプレー型ノズルを用いて断熱材216の連続した又は途切れたパターンを形成することができる。ノズルは、付けた断熱材216のオーバーラップが並置すると共に/或いは所与の空間だけ隔てられるよう配置されるのが良い。スプレーは、断熱材216の付着厚さを調節するよう計量されるのがよい。ノズルは又、断熱材216のスプレーを基材の指定された部分、例えばコーナー部のところに差し向けるよう位置決めされるのが良い。
【0060】
図18では、非スプレー型ノズル1800を用いて断熱材216の流れ1810を基材1820に塗布することができる。流れは、正確な量を塗布するためにノズルにより計量されるのが良い。ノズルは、流れ1810の指定された幅及び高さを調節するよう寸法決めされるのが良い。ノズルからの流れをオンにしたりオフにしたりして基材に塗布される断熱材216の指定されたパターンに対応するのが良い。
【0061】
トラフ又は浸漬断熱材216の塗布では、断熱材216を収容したトラフを通って基材を動かすのが良い。トラフを通って基材の一方又は両方の面を通すのが良い。基材に塗布される断熱材216の厚さは、基材が材料中にどれだけ長く留まるかによって調節可能である。断熱材216及び基材の温度は、塗布プロセス中、膨張可能な断熱材216を活性化させ又は活性化させないよう調節されるのが良い。制御ブレードを用いて過剰な断熱材216を計量しながら除去するのが良い。基材は、トラフを通ってベルト供給されるのが良く又はトラフ内に個々に保持されるのが良い。
【0062】
上述の塗布プロセスのうちの任意のもの及び任意他のプロセスでは、例えば、断熱材216を後のプロセス、例えば、製造中又は消費者による使用時に膨張させることが望ましい場合、断熱材216を活性化させないで冷風又は温風を利用し又は吹き付けることにより塗布された断熱材216を乾燥させ又は硬化させるのが良い。また、断熱材216を製造後且つ消費者による使用前、例えば、積み重ねステーションで膨張させることができる。断熱材216を容器の積み重ね前又は後で膨張させることができる。
【0063】
被覆又は非被覆ブランクを積み重ねステーションに供給することができる。断熱材216をインライン処理又はオフライン処理中に塗布することができる。インラインで塗布する場合、断熱材216は、コップ、スリーブ、容器等を形成する前又は断熱材216は濡れたままの状態でこれらを形成する前に乾燥させるのが良い。断熱材216の特性に応じて、乾燥させるには2、3秒から数分かかる場合がある。断熱材216をインライン製造中、又はその後、例えば消費者による使用段階時に活性化させることができる。断熱材216をインラインで活性化させるため、赤外線(IR)、空気、対流又は伝導による加熱方法のうちの任意のもの又は全てを用いることができる。断熱材216は、完全に膨張するのに2、3秒から数分間かかる場合がある。例えば、容器を容器の内側から保持したマンドレル及び/又はコップを容器の外側から保持したカラーを用いると、熱を加えてこの断熱材216を容器製造プロセス中に膨張させることができる。濡れた又は部分的に乾燥した断熱材216がプロセス中にマンドレルに接触する場合、マンドレルは、マンドレルへの断熱材216のくっつき又は移着を阻止するよう不粘着性の材料、例えばTEFLON(登録商標)を含むよう製造されるのが良い。活性化がインラインで行われる場合、低い活性化温度が好ましい場合がある。断熱材216を活性化させることによって、断熱材216は、膨張して補強された空隙を形成する。断熱材216は、容器の製造中、部分的に膨張可能であり、この場合、膨張は、消費段階まで続く場合がある。
【0064】
上述したように、断熱材216の使用は、容器に対して良好なしっかりとした手触りを維持しながら容器、スリーブ等を製作するのに必要な基材の厚さを減少させるのに役立ちうる。断熱材216は又、容器の断熱性を向上させると共に用途に応じて飲料又は食品をより長く温かい又は冷たい状態を保つのに役立つ。基材は、天然繊維、合成繊維又はこれら両方の繊維で作られるのが良く、例えば、SBS(固体漂白スルフェート)厚紙又は板紙で作られるのが良い。スリーブ材料、例えばライナ又は媒体は、15ポンド/3000平方フィート(6.80kg/0.83平方キロメートル)〜100ポンド(45.36kg)/3000平方フィートの材料、好ましくは18ポンド(8.16kg)/3000平方フィート〜50ポンド(22.68kg)/3000平方フィートの材料で作られるのが良い。高温又は低温用コップ、スープ用桶形容器、圧力成形容器及び他の非波形又は段なし容器用の紙基材の厚さは、9ポイント〜24ポイント、好ましくは10ポイント〜24ポイントであるのが良く、この場合、1ポイントは、1/1000インチ(0.0254mm)に等しい。
【0065】
本発明の種々の実施形態を説明したが、本発明の範囲に属する多くの実施形態及び具体化例を想到できることが当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重壁容器であって、
内壁を有し、
前記内壁に取り付けられた外壁を有し、前記内壁と前記外壁との間には空隙が形成され、
前記内壁と前記外壁との間に位置決めされた断熱材を有し、
フォームが空気チャネルを形成している、二重壁容器。
【請求項2】
前記断熱材は、現場気泡を有する、請求項1記載の二重壁容器。
【請求項3】
前記断熱材は、窒素ガスで発泡される、請求項1記載の二重壁容器。
【請求項4】
前記断熱材は、膨張可能な微小球で発泡される、請求項1記載の二重壁容器。
【請求項5】
前記断熱材は、デンプンを主成分とするフォームである、請求項1記載の二重壁容器。
【請求項6】
前記デンプンを主成分とするフォームは、窒素ガスで発泡される、請求項5記載の二重壁容器。
【請求項7】
前記膨張可能な断熱材は、ペーパーストック(paper stock )の重量の減少を許容する、請求項4記載の二重壁容器。
【請求項8】
前記断熱材は、高温により膨らむよう活性化される、請求項1記載の二重壁容器。
【請求項9】
前記断熱材は、縞状パターンをなして付けられる、請求項1記載の二重壁容器。
【請求項10】
二重壁容器を製造する方法であって、
容器の内壁を形成する第1の基材を用意するステップと、
前記容器の外壁を形成する第2の基材を用意するステップと、
断熱材を前記容器に付けるアプリケータを用意するステップと、
前記容器を動かして前記アプリケータに位置合わせするステップと、
断熱材を前記第1の基材の前記内壁に付けるステップと、
前記第2の基材を前記容器に取り付けて前記外壁を形成するステップとを有する、方法。
【請求項11】
前記断熱材は、パターンをなして付けられる、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記パターンは、前記容器に対する前記アプリケータの運動によって付けられる、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記パターンは、前記アプリケータに対するマンドレルの運動によって付けられる、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記パターンは、前記アプリケータからの間欠的付着により付けられる、請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記断熱材は、線状パターンをなして付けられる、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記断熱材は、前記第1の基材の前記内壁の外面に付けられる、請求項14記載の方法。
【請求項17】
スリーブであって、
内面及び外面を備えたブランクと、
前記ブランクの内面又は外面のうちの少なくとも一方に付けられた断熱材とを有し、前記断熱材は、チャネルを形成する、スリーブ。
【請求項18】
前記断熱材は、デンプンを主成分とするフォームである、請求項17記載のスリーブ。
【請求項19】
前記断熱材は、現場気泡を有する、請求項17記載のスリーブ。
【請求項20】
前記断熱材は、窒素ガスで発泡される、請求項18記載のスリーブ。
【請求項21】
前記断熱材は、製造時に膨らまされる、請求項17記載のスリーブ。
【請求項22】
前記断熱材は、高温飲料又は食品により膨らまされる、請求項17記載のスリーブ。
【請求項23】
前記膨張可能な断熱材は、熱膨張可能である、請求項17記載のスリーブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2012−531363(P2012−531363A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517578(P2012−517578)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/038677
【国際公開番号】WO2010/151456
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(507302818)エルビーピー マニファクチャリング インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】