説明

断熱圧縮空気エネルギー貯蔵システム用の熱エネルギー貯蔵装置及び本システムを形成するための対応する方法

熱エネルギー貯蔵システム(100)及びその方法が開示され、熱エネルギー貯蔵システム(100)は、互いに近接させて配置される複数の圧力容器(218、220)を備え、圧力容器(218、220)のそれぞれは、外側表面と、この外側表面からそれぞれの壁厚さだけ離間し、圧力容器の内部容積を取り囲む内側表面とを備える壁を有する。内部容積は、1つ又は複数の圧縮機(104、112)及び1つ又は複数のタービン(128)と流体連通する第1の端部(230)と、1つ又は複数の追加の圧縮機(104、112)、1つ又は複数の追加のタービン(128)、及び少なくとも1つの圧縮空気貯蔵要素(122)の少なくとも1つと流体連通する第2の端部(230)とを有する。熱エネルギー貯蔵システム(100)は、複数の圧力容器(218、220)のそれぞれの内部容積内に配置される熱貯蔵媒体(226)をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概略的には、圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)システムに関し、より具体的には、断熱CAESシステム内の熱エネルギー貯蔵(TES)システムに関する。
【背景技術】
【0002】
CAESシステムは、大量の排出物を生成することなく、及び/又は、大量の天然資源を消費することなく、電気エネルギーの貯蔵を可能にする。CAESシステムは、通常、1つ又は複数の圧縮機を有する圧縮系統を含む。1つ又は複数の圧縮機は、空洞、多孔質造岩、枯渇した天然ガス/油田、又は他の圧縮空気貯蔵要素内に貯蔵するために、圧縮段階で吸入空気を圧縮する。次いで後に、圧縮空気は、エネルギー生成段階で電気エネルギーを生成するタービンを駆動するのに使用され、次いで、電気エネルギーを電力系統に供給することができる。電力エネルギーが、圧縮段階中に圧縮系統に動力を供給するのに使用されるとき、しばしば、圧縮系統は、電力プラントのオフピーク時間中に動作する。次いで通常、CAESのエネルギー生成段階は、高電力需要時間中に動作する。あるいは、風力タービン又は太陽電池パネルアレイからのエネルギーなどの、再生可能資源からのエネルギーは、圧縮段階中に圧縮系統に動力を供給するために、空気を圧縮し、空気を圧縮空気貯蔵場所(空洞など)に供給するのに使用することができる。このように、圧縮系統を、オフピーク時間以外の時間中に動作させることができ、存在する電力エネルギーを保存することができる。
【0003】
あるタイプのCAESシステムは、非断熱CAESシステムとして知られている。非断熱CAESシステムでは、圧縮系統により生成される熱は、通常、周囲環境に消える。すなわち、圧縮熱は、中間冷却器内の周囲に消える可能性があり、空洞又は他の圧縮空気貯蔵要素に入るときに残される熱は、圧縮空気が空洞の空気と混合され、貯蔵中にさらに外気温度まで冷却されるとき、低下する。したがって、空洞又は圧縮空気貯蔵要素内に貯蔵された圧縮空気が、電気エネルギーを生成するために、1つ又は複数のタービンを駆動するのに使用されるとき、圧縮空気は、通常、タービンに入る前に再加熱される。この再加熱ステップは、通常、圧縮空気貯蔵要素と、1つ又は複数のタービンとの間に配置される、天然ガス焚燃焼器及び回収熱交換器を使用して実行される。この再加熱ステップのために、非断熱CAESシステムの総合効率は、低減し、燃焼器に注入される天然ガスの使用は、炭素排出及び天然資源の消耗につながる。
【0004】
断熱CAESシステムすなわちACAESシステムは、後に使用するために圧縮熱を取り込み、それを貯蔵することにより、システム効率を改善することができる。そうしたシステムでは、1つ又は複数の熱エネルギー貯蔵(TES)ユニットが、圧縮機と空洞との間に配置される。通常、TESユニットは、コンクリート、石、流体(油など)、融解塩、又は相変化材料などの、熱貯蔵用の媒体をその中に含む。圧縮段階からの高温空気が、TESユニットを通過し、それにより、プロセス中にその圧縮熱を媒体に伝達する。したがって、ACAESシステムは、非断熱CAESシステムと異なり、圧縮系統により生成された熱のすべては失わず、代わりに、1つのTESユニット又は複数のTESユニット内に多少の熱を貯蔵する。次いで、圧縮空気は、外気温度で、又は外気温度付近で空洞に入る。
【0005】
電気エネルギーを生成するために、1つ又は複数のタービンを駆動するのに、空洞又は他の圧縮空気貯蔵ユニット内に貯蔵された圧縮空気を引き出すとき、圧縮空気は、TESユニットを介して戻り、それにより、1つのタービン又は複数のタービンに入る前に、圧縮空気を再加熱する。このように、ACAESシステムは、空洞又は他の圧縮空気貯蔵要素に存在する圧縮空気を再加熱するのに追加の天然ガスを必要としない。したがって、ACAESシステムは、非断熱CAESシステムを超える効率の改善をもたらし、(もしあれば)炭素排出量は少なく、天然資源消費量は全くかほとんどない。
【0006】
圧縮系統の圧縮サイクル中に生成される熱を効果的に貯蔵するように構築されるTESユニットは、ACAESシステムに関する高い熱変動及び高圧に耐えるように構築される。例えば、圧縮系統に存在する圧縮空気の温度は、250℃から750℃まで変化する可能性があるが、空洞からTESユニットに入る圧縮空気の温度は、外気温度に近い。同様に、TESユニットは、65〜85barの圧力に耐えるように設計される。そうした高い温度及び圧力に耐えるために、TESユニットの現行の提案は、熱貯蔵用の媒体で満たされた大きいコンクリート円筒の構築を含む。円筒の大きい直径のために、これらのTESユニットは、厚い、予応力を掛けられた鉄筋コンクリート壁を有するように形成され、それらの壁により、TESユニットは、内部の圧力により形成される、壁内の高い引張力に耐えることができる。しかし、そうした厚いコンクリート壁の構築は、重大な工学的問題及び高いコストにつながり、それにより、非効率的な非断熱CAESシステムとは反対に、ACAESシステムを実装する実現性を低減させる。さらに、高い動作温度及び温度サイクルは、コンクリート壁に破壊的な熱応力を導き、これらの応力は、コンクリート壁が厚くなるほど、増幅される。
【0007】
したがって、TESユニット構築に関する上述の欠点を克服する装置及び方法を設計することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4147204号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明の態様は、高い温度及び圧力に耐えるように構成される少なくとも1つのTESユニットを有するシステム、及びTESシステム用の方法を提供する。少なくとも1つのTESユニットは、その壁が最小の厚さを有するように構築及び構成される。
【0010】
本発明の一態様によれば、熱エネルギー貯蔵システムが開示され、この熱エネルギー貯蔵システムは、互いに近接させて配置される複数の圧力容器を備え、これらの圧力容器のそれぞれは、外側表面と、この外側表面からそれぞれの壁厚さだけ離間し、圧力容器の内部容積を取り囲む内側表面とを備える壁を有する。内部容積は、1つ又は複数の圧縮機及び1つ又は複数のタービンと流体連通する第1の端部と、1つ又は複数の追加の圧縮機、1つ又は複数の追加のタービン、及び少なくとも1つの圧縮空気貯蔵要素の少なくとも1つと流体連通する第2の端部とを有する。熱エネルギー貯蔵システムは、複数の圧力容器のそれぞれの内部容積内に配置される熱貯蔵媒体をさらに備える。
【0011】
本発明の別の態様によれば、熱エネルギー貯蔵システムを形成する方法が開示され、本方法は、所定の高さ及び厚さを有するように構築される壁を有し、その壁の内側表面が内部に内部容積を画定する、第1の圧力容器を形成することと、所定の高さ及び厚さの壁を有するように構築され、その壁の内側表面が内部に内部容積を画定する、第2の圧力容器を形成することとを含む。本方法は、第1及び第2の圧力容器のそれぞれの内部容積内に多孔質熱貯蔵媒体を配置することと、第1の圧力容器及び第2の圧力容器を互いに近接させて配置することとをさらに含む。さらに、本方法は、第1及び第2の圧力容器のそれぞれが、1つ又は複数の圧縮機及び1つ又は複数のタービンと流体連通するように、第1及び第2の圧力容器のそれぞれの第1の端部を、1つ又は複数の圧縮機及び1つ又は複数のタービンに接続することと、第1及び第2の圧力容器のそれぞれが、1つ又は複数の追加の圧縮機、1つ又は複数の追加のタービン、及び1つ又は複数の圧縮空気貯蔵要素の少なくとも1つと流体連通するように、第1及び第2の圧力容器のそれぞれの第2の端部を、1つ又は複数の追加の圧縮機、1つ又は複数の追加のタービン、及び1つ又は複数の圧縮空気貯蔵要素の少なくとも1つに接続することとを含む。
【0012】
本発明のさらに別の態様によれば、熱エネルギー貯蔵装置が開示され、この熱エネルギー貯蔵装置は、第1の内部容積を画定する第1のコンクリート円筒壁と、第2の内部容積を画定する第2のコンクリート円筒壁とを備え、第2のコンクリート円筒壁は、第1のコンクリート円筒壁及び第2のコンクリート円筒壁が同軸となるように、第1のコンクリート円筒壁の第1の内部容積内に配置される。熱エネルギー貯蔵装置は、第1のコンクリート円筒壁の第1の内部容積内、及び第2のコンクリート円筒壁の第2の内部容積内に配置される多孔質熱マトリクス材料をさらに備える。
【0013】
他の様々な特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【0014】
図面は、本発明を実施するために現在企図する、好ましい実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態によるACAESシステムの概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態によるTESシステムの断面図である。
【図3】本発明の別の実施形態によるTESシステムの断面図である。
【図4】図3の実施形態によるTESシステムの平面図である。
【図5】本発明の別の実施形態によるTESシステムの断面図である。
【図6】本発明の別の実施形態による、空洞の立坑内に配置されるTESシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態によれば、最小の壁厚さを維持しながら、高い圧力及び温度変動に耐えることができるように構成される、少なくとも1つのTESユニットを備えるシステムが提供される。
【0017】
最初に、図1を参照すれば、ACAESシステムの主要要素の概略構成図が示される。ACAESシステム100は、低圧圧縮機104に結合する電気モータ102を備える。電気モータ102には、オフピーク電力供給時間中に、従来の手段、すなわち電力系統を介して電気供給することができる。あるいは、電気モータ102には、風車群、太陽電池、又は他の再生可能資源を介して供給される電気により動力を供給することができる。電気モータ102は、低圧圧縮機104が吸気106を圧縮するように、低圧圧縮機104に動力を供給する。次いで、低圧圧縮機104からの圧縮空気108が高圧圧縮機112に供給され、空気がさらに圧縮されるようにする。低圧圧縮機104と同様に、高圧圧縮機112は、電気モータ110により動力を供給される。電気モータ110にも、電力系統により、又は風車群及び太陽電池などの再生可能資源により動力を供給することができる。ACAESシステム100は、「圧縮系統」内に2つの圧縮機を使用するように示すが、より多い又はより少ない圧縮機を使用することができることを理解されたい。
【0018】
空気が、低圧圧縮機104及び高圧圧縮機112をそれぞれ通過するとき、空気は、65〜85barのレベルまで圧縮され、続いて650℃の温度まで加熱される。次いで、この圧縮加熱空気114は、少なくとも1つの熱エネルギー貯蔵(TES)ユニット116に入る。少なくとも1つのTESユニット116は、通常、その中に配置される多孔質熱貯蔵媒体を含み、この多孔質熱貯蔵媒体は、空気114が少なくとも1つのTESユニット116を通過するとき、空気114により放出される十分な量の熱を保存することができる。この多孔質熱貯蔵媒体は、天然石(ひび割れた岩石及び/又は礫など)、セラミック、コンクリート、鋳鉄、又はセラミックと塩との合成物などの様々な固体材料とすることができる。あるいは、多孔質熱貯蔵媒体は、硝酸塩と鉱物油との合成物などの液体材料とすることができる。しかし、ひび割れた岩石及び/又は礫などの天然の熱貯蔵媒体材料を使用する利点は、そうした天然材料が容易に入手できれば、材料コストを大幅に抑え、製造/輸送エネルギーを節約することができる点である。多孔質熱貯蔵媒体として天然石を使用するとき、ひび割れた岩石及び/又は礫は、高い表面積対体積比及び温度抵抗を有するように適当なサイズとすべきである。
【0019】
加熱空気114が、少なくとも1つのTESユニット116を通過した後、圧縮空気118は、少なくとも1つのTESユニット116を低下した温度で出て、圧縮空気118を空洞122又は他の圧縮空気貯蔵要素内に貯蔵することができる。しかし、圧縮空気118は、空洞122に入る前に、圧縮空気118が例えば最高温度約50℃で空洞122に入るように、任意選択的な中間冷却器120により、さらに冷却する必要がある可能性がある。空洞122は、空気を約60〜80barのレベルまで圧縮することができ、著しく圧縮損失することなく長期間貯蔵する。
【0020】
依然として図1を参照すれば、圧縮空気124は、発電用に貯蔵空気の使用が所望されるとき、空洞122から放出することができる。圧縮空気124は、空洞122を出て、温度約20〜50℃で少なくとも1つのTESユニット116に再び入る。圧縮空気は、少なくとも1つのTESユニット116の多孔質熱貯蔵媒体を通過するとき、高圧圧縮機112から先に放出された加熱空気114の温度に近い温度である温度600℃まで再加熱される。この段階で約55〜75barのレベルまで圧縮される、この再加熱圧縮空気126は、次いで、タービン128に入り、タービン128は、再加熱圧縮空気126により動力を供給される。2つ以上のタービン128を使用することができ、「膨張系統」を形成する。非断熱CAESシステムと異なり、圧縮空気126は、少なくとも1つのTESユニット116内で再加熱され、したがって、圧縮空気を再加熱するのに、蒸気タービンにおける追加の熱再生又はガス燃焼の必要がない。蒸気タービン128が動作するとき、それから排気130が放出され、タービン128は、発電機132に動力を供給する。次いで、発電機132により生成される電気エネルギーは、消費するために電力系統に供給することができる。容易にわかるように、ACAESシステム100は、省かなければ、電気エネルギーの生成における天然資源消費量及び/又は炭素排出量を大幅に低減することができる、発電方法を示す。
【0021】
あるいは、多段ACAESシステムとして知られているものでは、1つのTESユニットのみが空洞又は他の圧縮空気貯蔵要素に流体的に接続しながら、圧縮及び/又は膨張系統と、圧縮空気貯蔵要素に流体的に接続するTESユニットとの間に、1つ又は複数の中間TESユニットが配置されるように、2つ以上のTESユニット116を使用することができる。これらの中間TESユニットは、一方の端部で1つ又は複数の圧縮機及び1つ又は複数のタービンに、他方の端部で圧縮空気貯蔵要素に流体的に接続するのではなく、その各端部で1つ又は複数の圧縮機及び1つ又は複数のタービンに流体的に接続する。
【0022】
図1に関して以上に説明したように、少なくとも1つのTESユニット116は、ACAESシステム100の動作中に大きい圧力(65〜85bar)及び温度(650℃まで)に曝される可能性がある。その結果、少なくとも1つのTESユニット116は、そうした高い圧力及び温度レベルに耐えるように構築すべきである。図2を参照すれば、本発明の一実施形態によるTESシステム216が示される。TESシステム216は、図1に示す、少なくとも1つのTESユニット116として使用することができ、それにより、TESシステム216は、ACAESシステムの動作に関連する大きい圧力及び温度に耐えることができることを理解されたい。
【0023】
図2は、TESシステム216の断面図を示す。TESシステム216は、2つの別々の同軸円筒圧力容器218、220を備える。圧力容器218は、所定の長さ及び直径を有する壁222を備え、壁222の長さは、10〜30mの範囲である可能性があるが、その直径は、3〜6mの範囲である可能性がある。しかし、圧力容器218は、そうした長さ及び直径範囲に限定されることなく、長さ及び直径のどちらにおいても、より大きく又はより小さくすることができる。他方、圧力容器220は、所定の長さ及び直径を有する壁224を備え、壁224の長さは、10〜30mの範囲である可能性があるが、その直径は、5〜12mの範囲である可能性がある。しかし、圧力容器218と同様に、圧力容器220の長さ及び直径は、以上の範囲に限定されない。圧力容器218、220は、通常、鉄筋コンクリートを使用して形成されるが、鋼鉄を含む、適当な材料なら何でも使用して形成することができる。さらに、圧力容器218、220は、円筒形に限定されることなく、任意の適当な形状を有するように形成することができる。
【0024】
図2に明確に示すように、圧力容器218は、圧力容器220の内部容積の境界内に配置される。圧力容器218の内部容積は、その中に多孔質熱貯蔵媒体226を含む一方、圧力容器220の内部容積は、その中に多孔質熱貯蔵媒体228を含む。多孔質熱貯蔵媒体226、228は、同じ熱貯蔵媒体から構成することができ、又は代わりに、様々な熱貯蔵材料から構成することができる。
【0025】
図1に関して以上に説明したものと同様に、TESシステム216は、少なくとも1つの圧縮機からの圧縮空気を受容するように構成され、それにより、圧縮空気は、第1の端部230でそれぞれの圧力容器218、220に入り、第2の端部232でそれぞれの圧力容器218、220を出て、圧縮空気を圧縮空気貯蔵ユニット内に貯蔵することができるようにし、又は代わりに、(多段ACAESシステムの場合には)追加の圧縮機及び/又はタービンに供給することができるようにする。少なくとも1つの圧縮機から受容した圧縮空気からの熱は、それぞれの多孔質熱貯蔵媒体226、228内に貯蔵することができる。貯蔵された圧縮空気が発電用に使用される場合、貯蔵された圧縮空気は、第2の端部232でそれぞれの圧力容器218、220に再び入り、圧縮空気がそれぞれの多孔質熱貯蔵媒体226、228を通過するとき、再加熱される。次いで、再加熱された空気は、第1の端部230でそれぞれの圧力容器218、220を出て、1つ又は複数の蒸気タービンに供給され、発電機に動力を供給する。
【0026】
単一の圧力容器を有する従来のTESシステムと異なり、TESシステム216により、圧力容器218、220は、それぞれ様々な圧力レベルを有する圧縮空気を受容することができる。すなわち、圧力容器218は、1つ又は複数の圧縮機及び圧縮空気貯蔵ユニットの両方からの高圧圧縮空気入力を受容するように構成することができるが、圧力容器220は、1つ又は複数の圧縮機及び圧縮空気貯蔵ユニットからの低圧圧縮空気入力を受容するように構成することができる。一実施形態では、圧力容器218は、40〜80barの圧力を受容する(及びそれに耐える)ように構成されるが、圧力容器220は、5〜20barの圧力を受容する(及びそれに耐える)ように構成される。圧力容器218が、圧力容器220よりも小さい直径(したがって、より低い引張力)を有するので、圧力容器218は、壁222の厚さが壁224の厚さよりも小さい場合であっても、より高い圧力に耐えることができる。さらに、圧力容器218は、圧力容器220の内部容積内に配置されるので、多孔質熱貯蔵媒体228を通過する低圧圧縮空気は、圧力容器218を通過する圧縮空気と、圧力容器218の外側の空気との差圧を低減するように働く。一般の単一圧力容器の壁は、外気圧力により取り囲まれるが、圧力容器218は、圧力容器220を通過する低圧圧縮空気により取り囲まれるので、壁222内の引張力は、低減され、したがって、壁222は、従来のTESシステムで使用される圧力容器と比較すると、大幅に低減した厚さを有するように構築することができる。さらに、圧力容器220は、低圧圧縮空気に曝されるので、壁224の厚さも、従来のTES圧力容器の厚さよりも大幅に小さくすることができる。
【0027】
それに加えて、圧力容器218を通過する圧縮空気と、圧力容器220を通過する圧縮空気との間の温度差が、従来のTESユニットを通過する圧縮空気と、周囲の外気との間の温度差よりも著しく小さいので、圧力容器218からの熱損失も、従来のTESシステムと比較すると、低減される。したがって、壁222が、従来の圧力容器壁より薄くても、TESシステム216の圧力容器218、220の同軸一体構成により、熱損失は、低減される。
【0028】
図2に示すように、TESシステム216は、圧力容器218と圧力容器220との組合せから形成されるので、それぞれの圧力容器218、220は、低減した壁厚さであっても、全体で高い圧力及び温度に耐えるように構築することができる。したがって、より小さい圧力容器の利点が追加され、したがって、TESシステム全体の設置面積が小さいので、TESシステム216を構築及び輸送するコスト及び複雑性は、一般のTESシステムのものよりも著しく小さい。
【0029】
ここで図3を参照すれば、本発明による別の実施形態が示される。図3は、流体的に平行に配置された、3つの別々の圧力容器318、320、322を備えるTESシステム316を概略的に示す。第1の圧力容器318は、熱貯蔵媒体334を取り囲む壁324を有し、第2の圧力容器320は、熱貯蔵媒体336を取り囲む壁326を有し、第3の圧力容器322は、熱貯蔵媒体338を取り囲む壁328を有する。それぞれの圧力容器318、320、322を同様に構築することができるが、本発明の実施形態をそのようなものとして限定しないことが想定される。
【0030】
圧力容器318、320、322は、少なくとも1つの圧縮機からの圧縮空気が圧力容器318、320、322の第1の端部330でそれぞれの圧力容器に入ることができるように、近接させて配置される。圧縮空気は、圧力容器318、320、322を通過し、それにより、圧縮空気からの熱が、それぞれの熱貯蔵媒体334、336、338内に取り込まれ、貯蔵される。次いで、圧縮空気は、圧力容器318、320、322の第2の端部332でそれぞれの圧力容器を出て、圧縮空気は、図2に関して以上に説明したものと同様に、空洞又は他の圧縮空気貯蔵装置内に貯蔵され、又は代わりに、追加の圧縮機及び/又はタービンに供給される。貯蔵された圧縮空気が発電用に使用される場合、貯蔵された圧縮空気は、第2の端部332でそれぞれの圧力容器318、320、322に再び入り、圧縮空気がそれぞれの多孔質熱貯蔵媒体334、336、338を通過するとき、再加熱される。次いで、再加熱された空気は、第1の端部330でそれぞれの圧力容器318、320、322を出て、1つ又は複数の蒸気タービンに供給され、発電機に動力を供給する。
【0031】
図3は、3つの別々の圧力容器318、320、322を示すが、本発明は、特定の数の圧力容器に限定されず、どんな数の、近接配置され又は充填された圧力容器も備えることができる。図4に示すように、圧力容器318、320、322は、それらのそれぞれの壁324、326、328が互いに近接させて(例えば、センチメートル内で、せいぜい1メートル離れて)配置されるように、三角形配列に配置されるのが好ましい。より多い又はより少ない圧力容器が存在するとき、六角形配列などの他の幾何学的配置は、確実に圧力容器を近接させて配置するのに使用することができる。そうした配置を使用すれば、断熱層340は、近接させて充填された圧力容器318、320、322の外周の周りにのみ配置することができ、したがって、それぞれの壁324、326、328内の、熱損失、熱応力、及び/又は熱勾配を最小化することができる。このように、圧力容器318、320、322のそれぞれの周りに配置される別々の断熱層が回避されるので、TESシステム316の設計及び構造は、単純化される。
【0032】
複数の、近接させて充填された圧力容器を使用することにより、TESシステム316は、大きい直径及び大きい壁厚さ要求のどちらも有する、単一のTESユニットを必要とすることなく、高温高圧に効果的に耐えることができる。したがって、TESシステム316は、システムサイズ及び重量が低減され、それにより、従来のTESシステムに関連する可能性がある多くの構築問題及び輸送問題を除去する、ACAESシステム内への効果的な熱エネルギー貯蔵を可能にする。
【0033】
図5は、本発明による別の実施形態を示す。TESユニット416は、内部に配置される熱貯蔵媒体420を含む円筒壁418を有する圧力容器を備える。TESユニット416は、図2及び3に関して以上に説明したTESシステム216及び316と同様に動作し、それにより、少なくとも1つの圧縮機からの圧縮空気が、第1の端部422でTESユニット416に入る。圧縮空気は、熱貯蔵媒体420を通過し、圧縮空気からの熱をTESユニット416内に取り込み、それを貯蔵することができる。次いで、圧縮空気は、第2の端部424でTESユニット416を出て、圧縮空気は、後に発電で使用するために、空洞又は他の圧縮空気貯蔵ユニット内に貯蔵される。
【0034】
円筒壁418は、薄い厚さを有する強い材料(鋼鉄など)を使用して、高い長さ対直径比を有するように構築されるのが好ましい。そうした小さい直径を使用すれば、円筒壁418の厚さを、従来のTESユニットの鉄筋コンクリート壁よりも小さくすることができるが、ACAESシステム内で使用するのに必要な熱を効果的に取り込み、その熱を貯蔵するために、増加した長さの円筒壁418は、ここでも、十分な量の熱貯蔵媒体420をその中に配置することができる。さらに、図5は、単一のTESユニット416のみを示すが、図3〜4に関して示し、説明したものと同様に、TESユニットの近接充填群を形成するように、複数のそうしたTESユニットを平行に配置することができることが想定される。したがって、増加した圧縮空気容積を複数のTESユニット416により処理することができるが、各個別のTESユニット416の低減したシステムサイズ及び重量は、従来のTESシステムに関連する可能性がある、多くの構築問題及び輸送問題をさらに除去する。
【0035】
ここで図6を参照すれば、本発明による別の実施形態が示される。従来のTESユニットは、導管/配管のネットワークを介して空洞又は他の圧縮空気貯蔵ユニットに流体的に接続する地上熱貯蔵ユニットとなるように構築されるが、図6に示すTESシステム516は、地表面下に配置されるように構成されるTESユニット518を備える。具体的には、TESユニット518は、内部に多孔質熱貯蔵媒体522を含む壁520を備える。TESユニット518の動作は、図2〜5に関して以上に説明したTESユニットの動作と同様であり、したがって、動作の詳細を繰り返さない。TESユニット518を単一のユニットとして示すが、TESユニット518は、図2〜5に関して以上に説明した構成を含む、様々な方法で構成することができることを理解されたい。
【0036】
TESユニット518は、空洞526の立坑524内に組込まれ、それにより、TESユニット518が地表面530下に配置されるように、岩盤/土壌528内でTESユニット518の壁520を取り囲む。少なくとも1つの圧縮機からの圧縮空気は、第1の端部532でTESユニット518に入り、第2の端部534でTESユニット518を出る。次いで、圧縮空気は、以上に説明したように、最終的に発電に使用するために空洞526内に貯蔵される。
【0037】
TESシステム516のTESユニット518は、地表面530下に配置されるので、壁520は、岩盤/土壌528により取り囲まれ、壁520の厚さ(及び壁520を取り囲む任意の断熱材(図示せず)の厚さ)を大幅に低減することができる。岩盤/土壌528は、内部の高圧により生じる、壁520内の高い引張力への天然の反作用をもたらし、岩盤/土壌528は、システム内の熱損失を低減する天然の断熱材ももたらす。それに加えて、空洞526の立坑524内へのTESユニット518の組込みは、ACAESプラントの地上設置面積を低減することができる。さらに、TESシステム516は、従来のいくつかのTESシステムに関する製造問題及び輸送問題を克服し、それにより、コストを低減し、ACAESシステム内のTESユニットの実装を単純化する。
【0038】
したがって、本発明の一実施形態によれば、熱エネルギー貯蔵システムが開示され、この熱エネルギー貯蔵システムは、互いに近接させて配置される複数の圧力容器を備え、これらの圧力容器のそれぞれは、外側表面と、この外側表面からそれぞれの壁厚さだけ離間し、圧力容器の内部容積を取り囲む内側表面とを備える壁を有する。内部容積は、1つ又は複数の圧縮機及び1つ又は複数のタービンと流体連通する第1の端部と、1つ又は複数の追加の圧縮機、1つ又は複数の追加のタービン、及び少なくとも1つの圧縮空気貯蔵要素の少なくとも1つと流体連通する第2の端部とを有する。熱エネルギー貯蔵システムは、複数の圧力容器のそれぞれの内部容積内に配置される熱貯蔵媒体をさらに備える。
【0039】
本発明の別の実施形態によれば、熱エネルギー貯蔵システムを形成する方法が開示され、本方法は、所定の高さ及び厚さを有するように構築される壁を有し、その壁の内側表面が内部に内部容積を画定する、第1の圧力容器を形成することと、所定の高さ及び厚さの壁を有するように構築され、その壁の内側表面が内部に内部容積を画定する、第2の圧力容器を形成することとを含む。本方法は、第1及び第2の圧力容器のそれぞれの内部容積内に多孔質熱貯蔵媒体を配置することと、第1の圧力容器及び第2の圧力容器を互いに近接させて配置することとをさらに含む。さらに、本方法は、第1及び第2の圧力容器のそれぞれが、1つ又は複数の圧縮機及び1つ又は複数のタービンと流体連通するように、第1及び第2の圧力容器のそれぞれの第1の端部を、1つ又は複数の圧縮機及び1つ又は複数のタービンに接続することと、第1及び第2の圧力容器のそれぞれが、1つ又は複数の追加の圧縮機、1つ又は複数の追加のタービン、及び1つ又は複数の圧縮空気貯蔵要素の少なくとも1つと流体連通するように、第1及び第2の圧力容器のそれぞれの第2の端部を、1つ又は複数の追加の圧縮機、1つ又は複数の追加のタービン、及び1つ又は複数の圧縮空気貯蔵要素の少なくとも1つに接続することとを含む。
【0040】
本発明のさらに別の実施形態によれば、熱エネルギー貯蔵装置が開示され、この熱エネルギー貯蔵装置は、第1の内部容積を画定する第1のコンクリート円筒壁と、第2の内部容積を画定する第2のコンクリート円筒壁とを備え、第2のコンクリート円筒壁は、第1のコンクリート円筒壁及び第2のコンクリート円筒壁が同軸となるように、第1のコンクリート円筒壁の第1の内部容積内に配置される。熱エネルギー貯蔵装置は、第1のコンクリート円筒壁の第1の内部容積内、及び第2のコンクリート円筒壁の第2の内部容積内に配置される多孔質熱マトリクス材料をさらに備える。
【0041】
ここに記載した説明は、本発明を開示するために、並びに、任意の装置又はシステムを作成及び使用することと、具体化された任意の方法を実施することとを含めて、当業者が本発明を実施することもできるように、最良の形態を含む例を使用する。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲により規定され、当業者が思いつく他の例を含むことができる。そうした他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造的要素を有するとき、又は、特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない均等な構造的要素を含むとき、特許請求の範囲の範囲内であるものとする。
【符号の説明】
【0042】
100 ACAESシステム
102 電気モータ
104 低圧圧縮機
106 吸気
108 圧縮空気
110 電気モータ
112 高圧圧縮機
114 圧縮加熱空気
116 TESユニット
118 圧縮空気
120 中間冷却器
122 空洞
124 圧縮空気
126 再加熱圧縮空気
128 蒸気タービン
130 排気
132 発電機
216 TESシステム
218 圧力容器
220 圧力容器
222 壁
224 壁
226 多孔質熱貯蔵媒体
228 多孔質熱貯蔵媒体
230 第1の端部
232 第2の端部
316 TESシステム
318 第1の圧力容器
320 第2の圧力容器
322 第3の圧力容器
324 壁
326 壁
328 壁
330 第1の端部
332 第2の端部
334 熱貯蔵媒体
336 熱貯蔵媒体
338 熱貯蔵媒体
340 断熱層
416 TESユニット
418 円筒壁
420 熱貯蔵媒体
422 第1の端部
424 第2の端部
516 TESシステム
518 TESユニット
520 壁
522 多孔質熱貯蔵媒体
524 立坑
526 空洞
528 岩盤/土壌
530 地表面
532 第1の端部
534 第2の端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに近接させて配置される複数の圧力容器を備える熱エネルギー貯蔵システムであって、
前記圧力容器のそれぞれは、
外側表面と、
前記外側表面からそれぞれの壁厚さだけ離間し、前記圧力容器の内部容積を取り囲む内側表面と
を備える壁を有し、前記内部容積は、
1つ又は複数の圧縮機及び1つ又は複数のタービンと流体連通する第1の端部と、
1つ又は複数の追加の圧縮機、1つ又は複数の追加のタービン、及び少なくとも1つの圧縮空気貯蔵要素の少なくとも1つと流体連通する第2の端部と
を有し、
前記複数の圧力容器のそれぞれの前記内部容積内に配置される熱貯蔵媒体を備える、熱エネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記複数の圧力容器は、第1の圧力容器及び第2の圧力容器を備え、前記第1の圧力容器は、前記第2の圧力容器の前記内部容積内に配置される、請求項1記載の熱エネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記第1の圧力容器の前記壁は、第1の壁厚さ及び第1の直径を有し、前記第2の圧力容器の前記壁は、第2の壁厚さ及び第2の直径を含み、前記第1の直径は、前記第2の直径よりも小さい、請求項2記載の熱エネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記第1の圧力容器は、前記第2の圧力容器よりも高い圧力レベルに耐えるように構成される、請求項2記載の熱エネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
互いに近接させて配置される前記複数の圧力容器は、パターンにより配置され、前記パターンは、三角形パターン及び六角形パターンの1つを含む、請求項1記載の熱エネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記複数の圧力容器の前記パターンの外周の周りに配置される断熱層をさらに備える、請求項5記載の熱エネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記複数の圧力容器のそれぞれの前記壁は、鋼鉄又はコンクリートのいずれかより形成される、請求項1記載の熱エネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
前記熱貯蔵媒体は、前記複数の圧力容器のそれぞれの前記内部容積内に配置される多孔質熱貯蔵媒体である、請求項1記載の熱エネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
前記多孔質熱貯蔵媒体は、少なくとも1つの天然石材料を含む、請求項8記載の熱エネルギー貯蔵システム。
【請求項10】
前記複数の圧力容器は、空洞立坑内に配置され、前記空洞立坑は、前記少なくとも1つの圧縮空気貯蔵要素と流体連通し、地表面下に配置される、請求項1記載の熱エネルギー貯蔵システム。
【請求項11】
前記複数の圧力容器のそれぞれは、円筒形状である、請求項1記載の熱エネルギー貯蔵システム。
【請求項12】
熱エネルギー貯蔵システムを形成する方法であって、
所定の高さ及び厚さを有するように構築される壁を有し、その壁の内側表面が内部に内部容積を画定する、第1の圧力容器を形成することと、
所定の高さ及び厚さの壁を有するように構築され、その壁の内側表面が内部に内部容積を画定する、第2の圧力容器を形成することと、
前記第1及び第2の圧力容器のそれぞれの前記内部容積内に多孔質熱貯蔵媒体を配置することと、
前記第1の圧力容器及び前記第2の圧力容器を互いに近接させて配置することと、
前記第1及び第2の圧力容器のそれぞれが、1つ又は複数の圧縮機及び1つ又は複数のタービンと流体連通するように、前記第1及び第2の圧力容器のそれぞれの第1の端部を、前記1つ又は複数の圧縮機及び前記1つ又は複数のタービンに接続することと、
前記第1及び第2の圧力容器のそれぞれが、1つ又は複数の追加の圧縮機、1つ又は複数の追加のタービン、及び1つ又は複数の圧縮空気貯蔵要素の少なくとも1つと流体連通するように、前記第1及び第2の圧力容器のそれぞれの第2の端部を、前記1つ又は複数の追加の圧縮機、前記1つ又は複数の追加のタービン、及び前記1つ又は複数の圧縮空気貯蔵要素の少なくとも1つに接続することと
を含む、方法。
【請求項13】
前記第1の圧力容器を前記第2の圧力容器の前記内部容積内に配置するように構成することをさらに含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの追加の圧力容器を形成することをさらに含み、前記第1の圧力容器、前記第2の圧力容器、及び前記少なくとも1つの追加の圧力容器は、圧力容器の群を形成するように、互いに近接させて配置される、請求項12記載の方法。
【請求項15】
圧力容器の前記群の外周の周りに断熱材を配置することをさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
第1の内部容積を画定する第1のコンクリート円筒壁と、
第2の内部容積を画定し、前記第1のコンクリート円筒壁及び前記第2のコンクリート円筒壁が同軸となるように、前記第1のコンクリート円筒壁の前記第1の内部容積内に配置される第2のコンクリート円筒壁と、
前記第1のコンクリート円筒壁の前記第1の内部容積内、及び前記第2のコンクリート円筒壁の前記第2の内部容積内に配置される多孔質熱マトリクス材料と
を備える、熱エネルギー貯蔵装置。
【請求項17】
前記第2のコンクリート円筒壁の直径は、前記第1のコンクリート円筒壁の直径よりも小さい、請求項16記載の熱エネルギー貯蔵装置。
【請求項18】
前記第1のコンクリート円筒壁及び前記第2のコンクリート円筒壁のどちらも、第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部は、1つ又は複数の圧縮機及び1つ又は複数のタービンと流体連通し、前記第2の端部は、1つ又は複数の圧縮空気貯蔵要素、1つ又は複数の追加の圧縮機、及び1つ又は複数の追加のタービンの少なくとも1つと流体連通する、請求項16記載の熱エネルギー貯蔵装置。
【請求項19】
前記第2のコンクリート円筒壁の前記第1の端部は、前記第1のコンクリート円筒壁の前記第1の端部よりも高い、前記1つ又は複数の圧縮機からの圧力入力を受容し、前記第2のコンクリート円筒壁の前記第2の端部は、前記第1のコンクリート円筒壁の前記第2の端部よりも高い、前記少なくとも1つの圧縮空気貯蔵要素からの圧力入力を受容する、請求項18記載の熱エネルギー貯蔵装置。
【請求項20】
前記多孔質熱マトリクス材料は、少なくとも1つの天然石材料を含む、請求項16記載の熱エネルギー貯蔵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−512410(P2013−512410A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541079(P2012−541079)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/051549
【国際公開番号】WO2011/066039
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)