説明

断熱容器

【課題】 変形用片部を確実に外方へ突出する断熱把持部に変形することができる断熱容器を提供する。
【解決手段】 外スリーブの変形用片部に該変形用片部を外方へ折り曲げる山折り線が形成されており、外スリーブに形成される上記変形用片部の1又は複数に、前記山折り線により上下に仕切られた一方又は双方に補強用の押罫が1又は複数形成されており、外スリーブの内壁面に取り付けた収縮変形フィルムの収縮変形によって変形用片部を圧縮し、変形用片部に形成した山折り線に沿って外方へ突出させて断熱把持部に変形させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、収縮変形フィルムを用いて、容器の扁平な胴部の一部を外方へ突出させて断熱把持部に変形させることができる断熱容器の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
容器本体の胴部壁外周面に外スリーブをスライド可能に外嵌して上下いずれか一方を固着すると共に、上記外スリーブを上下方向に圧縮して外スリーブに設けた複数のスリット形成区間部を外スリーブの外方に突出する断熱把持部に形成する断熱容器として、本出願人は、人の力などを用いて前記外スリーブを押し上げたり、押し下げたりすることでスリット形成区間部を断熱把持部に変形させる構造として特開2006−44723号や特開2006−160346号を提案し、相応の成果を挙げている。
一方、熱収縮フィルムを用いた構成として、特開2007−137468号の断熱性発現粘着ラベルが開示されているが、熱収縮による変形を横方向H形の切目線で吸収する構成となっており、ラベルにしか適用できないという欠点があった。
そこで本出願人は、WO2009/054110を提案しており、図16から図22で示すように、カップ状容器1の容器本体2の胴部壁3の外周面に筒体の外スリーブ5を容器本体2にスライド可能に外嵌し、外スリーブ5の上下いずれか一方(図示例では上方)を固定しており、前記外スリーブ5は、その高さ方向の一定範囲にわたって縦向きに延びるスリット7群からなり隣接する一対のスリット7により変形用片部15を形成するスリット形成区間部11を有している。
上記外スリーブ5の内壁面には、前記スリット形成区間部11を超えた上方に上部21が固着され、スリット形成区間部11を覆う中間部22は固着されず、前記スリット形成区間部11を超えた下方に下部23が固着される収縮変形フィルム20を取り付けており、前記収縮変形フィルム20の中間部22を収縮させることで外スリーブ5のスリット形成区間部11を上下方向に圧縮し前記変形用片部15を外スリーブ5の外方へ突出するように折り曲げて断熱把持部16を形成可能としており、これは外スリーブ5の貼合せ個所においても同様である。
【0003】
前記外スリーブ5は、図16及び図17に示すように、展開時の長手方向の両端に筒体の貼合せ個所10となる内側貼合せ部10bと外側貼合せ部10aとが形成されており、前記スリット形成区間部11に前記外側貼合せ部10aが含まれており、前記内側貼合せ部10bには前記外側貼合せ部10aに形成された変形用片部(説明の便宜上15'とする)に対応する切欠部10cが形成されており、前記内側貼合せ部10bは、上記切欠部10cを除いた個所で前記外側貼合せ部10aの内側に貼り合わされる構造となっている。
これにより、収縮変形フィルム20として直接に熱収縮フィルムを用い、又はマイクロ波を用いて間接的に加熱する収縮フィルムを用いて前記スリット形成区間部11の変形用片部15及び前記変形用片部15'を断熱把持部16に変形させることができる(図20参照)。
【0004】
更に、外スリーブ5の外側貼合せ部10aの変形用片部15’に対応するように内側貼合せ部10bに切欠部10cを設けているので、外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15’の裏面に対応する収縮変形フィルム20の中間部22は、前記内側貼合せ部10bの切欠部10cに整合するので、外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15’とも内側貼合せ部10bの表面とも接着されずに保持される(図18参照)。
そして、加熱により収縮変形フィルム20が収縮する際に、筒体となった外スリーブ5のスリット形成区間部11に対応する中間部22はすべての周囲においてフリーの状態となっているので、確実に収縮することができ、外スリーブ5の変形用片部15を図18及び図19の扁平な待機状態から変形用片部15及び15’を上下に圧縮させて、く字状に突出した断熱把持部16に変形することができ、相応の成果を挙げている。
なお図中、8は山折り線、8’は変形用片部15’の山折り線、9は谷折り線、9’は変形用片部15’の谷折り線、19は接着補助用罫線部である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2009/054110 図11〜図13参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
外スリーブ5は、収縮変形フィルム20の収縮で上下方向に圧縮されるため、容器1の胴部壁3が傾斜面の場合、図13(e)で示すように、胴部壁3の外周面に対して外スリーブ5との間にクリアランスcを設けておき、外スリーブ5の圧縮時に略垂直に上昇する外スリーブ5の下端が胴部壁3の外周面によって遮られずに変形しうるように設定する必要がある。
しかし、前記外スリーブ5の貼合せ個所10では、他の個所に比べて二倍の厚みとなるが、前記切欠部10cを設けた場合、外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15aは、胴部壁3との間に本来のクリアランスに加えて切欠部10cの隙間Sが増える(図13(a)参照)。
そのため外スリーブ5が圧縮方向に変形すると、貼合せ個所以外の変形用片部15の山折り線8は内向きの力が加わってもクリアランスcは僅かであるので胴部壁3に衝合して反発して外向きに突出する変形を行う(図13(e)参照)が、外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15’の山折り線8’は、前記クリアランスcと隙間Sに加わった空間が大きい場合や素材の性質などにより、図13(a)に示すように、内向きの力が加わると山折り線8’に内向きの力が加わって内折れてしまい、図21に示すように、貼合せ個所の変形用片部15’だけがく字状に変形できない現象が生じることがある。
また、外スリーブ5が、圧縮方向に対して直交する方向に紙の繊維の目が設定された紙を素材として用いた場合には、繊維と平行する方向に曲がりやすくなるが伸縮もしやすくなり、図22に示すようにスリット間の変形用片部を外方へ突出するように折り曲げる際にきれいに直線状に折り曲げることができず、湾曲状に緩く曲がりやすく、各変形用片部を強固に折板構造のように折り曲げることができないという問題点があった。
そこで、本発明者らは、鋭意研究の結果、変形用片部にスリット形成区間部の圧縮方向に沿って補強用の押罫を設けることで、変形用片部を山折り線を屈曲線として直線状に折り曲げることができることを知り、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、
容器本体の胴部壁外周面に筒体の外スリーブを外嵌し上下いずれか一方を固定すると共に、前記外スリーブの外周に沿って高さ方向の一定範囲にわたってスリット群からなるスリット形成区間部を形成してなり、
前記外スリーブの内壁面に、前記スリット形成区間部を超えた上方に上部が固着され、スリット形成区間部を覆う中間部は固着されず、前記スリット形成区間部を超えた下方に下部が固着される収縮変形フィルムを取り付け、
前記収縮変形フィルムを収縮させて前記スリット形成区間部を上下方向に圧縮し前記左右に隣接するスリット間に形成される変形用片部を外スリーブの外方へ折り曲げて断熱把持部を形成してなる断熱容器において、
変形用片部に該変形用片部を外方へ折り曲げる山折り線が形成されており、
上記変形用片部の1又は複数に、前記山折り線により上下に仕切られた一方又は双方に前記圧縮方向又はスリットの延出方向に沿って延びる補強用の押罫が設けられていることを特徴とする。
また、請求項2の発明では、
前記外スリーブが圧縮方向に対して直交し又は交差する方向に紙の繊維の目が設定された紙を素材として用いていることを特徴とする。
請求項3の発明では、
前記外スリーブが、展開時の長手方向の両端に筒体の貼合せ個所となる内側貼合せ部と外側貼合せ部とを形成してなり、
前記外側貼合せ部の内壁面に取り付けられる収縮変形フィルムの固着個所が、外側貼合せ部に形成された変形用片部に対応する個所を除き、変形用片部の上端近傍および下端近傍まで固着されていることを特徴とする。
請求項4の発明では、
前記外スリーブに、展開時の長手方向の両端に筒体の貼合せ個所となる内側貼合せ部と外側貼合せ部とが形成され、前記スリット形成区間部に前記外側貼合せ部が含まれており、前記内側貼合せ部には前記外側貼合せ部に形成されたスリット形成区間部に対応する切欠部が形成されており、
筒体になった際に外側貼合せ部に形成された変形用片部に該変形用片部を外方へ折り曲げる山折り線が形成されており、
上記変形用片部で前記山折り線により上下に仕切られた一方又は双方に補強用の押罫が1又は複数形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明では、
前記内側貼合せ部の変形用片部の内面に対応する個所に、内側貼合せ部の上部又は下部に連接して前記外側貼合せ部の変形用片部の山折り線の対応個所に重なる受片部と、前記外側貼合せ部の変形用片部に対応した個所で上記受片部を除いた個所に穿設された切欠部とを設けてなることを特徴とする。
更に、請求項6の発明では、
前記外側貼合せ部の内壁面に取り付けられる収縮変形フィルムの固着個所が、外側貼合せ部に形成された変形用片部に対応する個所を除き、変形用片部の上端近傍及び下端近傍まで固着されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明では、変形用片部に、山折り線により上下に仕切られた一方又は双方にスリット形成区間部の圧縮方向に沿って延びる補強用の押罫が1又は複数形成されるので、変形用片部を前記圧縮方向に対して曲がりにくく且つ伸縮しにくくすることができ、圧縮時に山折り線を屈曲線として折板構造のように折り曲げることができる。
従って、外スリーブが圧縮方向に対して直交する方向に繊維の目が設定された紙を素材として用いている場合であっても、変形用片部を補強することで山折り線を屈曲線として強固な断熱把持部に変形することができる。
また、外スリーブの紙の繊維の目の方向にかかわらず、外スリーブの貼合せ個所にあって外側貼合せ部に変形用片部が設けられており、内側貼合せ部に切欠部が形成されている場合であっても、変形用片部を強化することで山折り線を内折れさせることなく外方へ突き出させ直線状に折り曲げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1のカップ状容器の変形前の斜視図である。
【図2】実施例1の変形後の斜視図である。
【図3】実施例2のカップ状容器の変形前の斜視図である。
【図4】実施例2の変形後の斜視図である。
【図5】実施例3のカップ状容器の変形後の斜視図である。
【図6】実施例3の外スリーブ5の展開図である。
【図7】受片部を付加した実施例4のカップ状容器の変形後の斜視図である。
【図8】実施例4の外スリーブ5の展開図である。
【図9】図7の実施例4の貼合せ個所の部分断面図である。
【図10】受片部の位置を変えた実施例5の外スリーブの展開図である。
【図11】実施例6のカップ状容器の変形後の斜視図である。
【図12】実施例6の外スリーブ5の展開図である。
【図13】(a)は受片部を有しない従来の外スリーブの貼合せ個所の拡大断面図、(b)は受片部を有しない実施例1の貼合せ個所の拡大断面図、(c)は受片部を上方に有する実施例5の貼合せ個所の拡大断面図、(d)は受片部を下方に有する実施例4の貼合せ個所の拡大断面図、(e)は各実施例の外スリーブの貼合せ個所以外の個所の拡大断面図である。
【図14】山折れ線が傾斜状の場合の押罫を示す異なる実施例の斜視図である。
【図15】断熱容器が角形の異なる実施例の斜視図である。
【図16】従来例の外スリーブの外表面から見た展開図である。
【図17】図16の裏面の収縮変形フィルム側から見た展開図である。
【図18】従来例のカップ状容器の変形前の斜視図である。
【図19】図18の部分断面図である。
【図20】従来例の外スリーブの貼合せ個所の正常な圧縮状態を示す部分断面図である。
【図21】(a)は従来例の外スリーブの貼合せ個所の変形用片部の内折れ状態を示す部分断面図、(b)は別の座屈状態を示す部分断面図である。
【図22】従来例の外スリーブの貼合せ個所の変形用片部が緩く湾曲した状態の部分断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
変形用片部の1又は複数に、山折り線により上下に仕切られた一方又は双方に圧縮方向に沿って延びる補強用の押罫を1又は複数形成することで、変形用片部を補強し、強固な断熱把持部への変形を実現した。
以下に、この発明の断熱容器をカップ状容器に適用した実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0011】
[カップ状容器]
図1及び図2に示す実施例1のカップ状容器1は、内面が耐水加工された胴部壁3と底部壁4を有するカップ状の容器本体2と筒体の外スリーブ5とから形成される。
外スリーブ5は、高さ方向の一定範囲にわたって複数形成されたスリット7群からなるスリット形成区間部11が形成されており、前記胴部壁3の外周面を覆うように外嵌されている。
本実施例で、カップ状容器1は、紙材のみで形成されているもの、紙材に合成樹脂フィルムをラミネートしたもの、或いは紙材に合成樹脂を含浸させたもの、さらには紙材と合成樹脂フィルムや金属箔を積層したもの、合成樹脂などで、カップ形状をしたものをいい、キャップの有無は問わない。
この発明での容器は、カップ形状に限らず、任意の形状であってもよい。
【0012】
[外スリーブ]
外スリーブ5は、紙製又は合成樹脂ラミネート紙等の紙を基材とするシート材であって、本実施例では外スリーブ5の圧縮方向に対して紙の繊維の目が直交又は交差する方向に設定されている。
そして、上記外スリーブ5は、容器本体2の断面テーパ状の胴部壁3の外周面に沿って嵌合するように容器本体2の胴部壁3の形状に沿って僅かなクリアランスcを隔てた断面テーパ形状の筒体となって容器本体2に外嵌されている(図13(b)参照)。
本実施例の外スリーブ5は、図10の外スリーブ5における受片部30を除いて、ほぼ同じ構成からなっているので、展開形状については後述の図10を参照しながら説明する。
【0013】
前記外スリーブ5は、その上部が容器本体2の開口上部のカール部13近傍位置まで延びその上端部が容器本体2に固定(図9に接着層をH3で示す)されており、下部が容器本体2の中途位置乃至下端寄り(図3では容器本体2と同じ長さとして示す)の位置まで延びている。
上記固定手段は、接着でもよいし、係止手段を用い、或いは摩擦力その他適宜の係止手段を用いてもよい。
【0014】
容器本体2の胴部壁3の外周面は、前述のように上向きに漸次拡径する断面テーパ状の筒体に設定されている。
一方、外スリーブ5の筒体は、前記胴部壁3の外周面と同様に上向きに漸次拡径する断面テーパ状に形成されており、下端で胴部壁3の外周面との間にクリアランスcが生じる形態となっている(図13(b)参照)。
【0015】
外スリーブ5と胴部壁3の外周面との間のクリアランスcは、外スリーブ5の下端で最も広く、外スリーブの圧縮方向、本実施例では上方向に向かって徐々に隙間が狭くなって上端で密着しているので、外スリーブ5の圧縮時に外スリーブ5の下端が胴部壁3の外周面に沿ってスムーズに上昇することができる。
外スリーブ5は、圧縮による上限位置で外スリーブ5の下部が胴部壁3の外周面にほぼ接するようになることが好ましい(図9参照)。
なお、胴部壁3が垂直の場合には、外スリーブも摺動可能な極く僅かな隙間を隔てて略平行に配置されていてもよい。
【0016】
[スリット形成区間部]
外スリーブ5のほぼ中間部には、前記図16の従来例と同様に、縦方向で同じ長さに延び且つ略等間隔に配置されるスリット7を全周にわたって設けられており、隣接する一対のスリット7、7間に略短冊状の変形用片部15が仕切られたスリット形成区間部11が形成されている(図10参照)。
本実施例では、スリット7が同じ方向を向いた緩やかな円弧状の裁断線からなっているが、直線や円弧状、波形状などの曲線やこれらの組合せなどであってもよい。
【0017】
[変形用片部]
上記各変形用片部15には、外スリーブ5の圧縮時に外方へ突出変形する際の折曲げ起点となる罫線を設けている。
この罫線は、図示例の場合、変形用片部15を形成する一対のスリット7の上端又は下端に接続されて変形用片部15を横切る谷折れ線9と、該谷折れ線9と所定長さ離間して上記各変形用片部を中途位置で横切る山折り線8とからなっており、本実施例では前記谷折り線9の位置を隣接する変形用片部15間で交互に変形用片部15の上端と下端に変え、同様に山折り線8の位置も変えて配置している。
【0018】
前記罫線は、点線状に穿設した折曲線や、外表面側のみを切断したハーフカットなど公知の折曲線が用いられる。
山折り線8にハーフカットを用いれば、折り曲げを容易に行うことができる。
【0019】
[内側貼合せ部、外側貼合せ部]
前記外スリーブ5は、前記従来例の図16と同様に展開状態で略扇形状となっており、その左右両端部で、容器本体2に巻き付けた際に貼合せ個所10となる内側に重なる内側貼合せ部10bと、外側に重なる外側貼合せ部10aとが形成されている。
本実施例ではスリット形成区間部11に形成される多数の変形用片部15は全て同一形状であり、また内側貼合せ部10bと外側貼合せ部10aは変形用片部15と同じ横幅に設定されている。
【0020】
そして、外側貼合せ部10aには、内側に他のスリット7と同じ形状の1つのスリット7aを有し、外側にはスリットの代わりに外スリーブ5の端縁7a’とした1つの変形用片部15aが形成される(説明の便宜上、各符号にaを付した)。
変形用片部15aが有する谷折り線9a及び山折り線8aは他の変形用片部15と同じ規則に従って配置されており、図示例では変形用片部15aの下端に谷折り線9aが設けられ、中途位置に山折り線8aが設けられている。
【0021】
即ち、このカップ状容器1では、外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15aの谷折り線9aがスリット7aの下端に配置され、山折り線8aが谷折り線9aより所定長さだけ上方に配置されている。
なお、本実施例では外側貼合せ部10aに形成される変形用片部15aは1つの場合を例示したが、複数設けてもよい。
【0022】
[切欠部]
前記内側貼合せ部10bには、前記外側貼合せ部10aに形成される変形用片部15aに対応する個所に切欠部31(図16及び図17の従来例の切欠10cに相当する)が形成される。
切欠部31は、本実施例では変形用片部15aに対応して略コ字状の切欠からなっている。
この切欠部は、変形用片部の圧縮分の長さに対応した長さの切欠であってもよいし、この発明では、切欠部を設けなくてもよい。
【0023】
[収縮変形フィルム]
前記外スリーブ5の内壁面には、収縮変形フィルム20が取り付けられている。
収縮変形フィルム20は、緊張状態でその上部21が前記スリット形成区間部11の上方に固着され、その下部23がスリット形成区間部11の下方に固着されており、中間部22はスリット形成区間部11が形成された中間部分とは固着されず自由な状態となっている。
この実施例では、外側貼合せ部10aの内壁面に取り付けられる収縮変形フィルム20の固着個所は、外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15aに対応する非接着個所の中間部22を除き、上部21aは変形用片部15aの上端近傍まで固着され、下部23aは変形用片部15aの下端の谷折り線9a近傍まで接着剤を塗布して固着され、下部23aは変形用片部15aの下端近傍まで接着剤を塗布して接着した密着延長部23Aを形成している(図)13(b)参照)。
これにより、収縮変形フィルム20の上部21と下部23とは、外側貼合せ部10aの変形用片部15aに対応する個所を除き、その上端近傍および下端近傍まで固着される。
【0024】
即ち、図示例では収縮変形フィルム20の上部21は、変形用片部15、15aの上端近傍まで固着されているので、外側貼合せ部10aに固着される上部21aは前記上部21と同じであってもよいが、下部23は変形用片部15の下端から比較的長く離間させている。
しかし、それでは外スリーブ5と収縮変形フィルム20の中間部22との非接触部分が広がって隙間が生じるので、外スリーブ5の貼合せ個所10での変形用片部15aが正確に変形しない場合が生じることがあるため、本実施例では収縮変形フィルム20の中間部22の内、外側貼合せ部10aの変形用片部15aと重なる対応個所とは接着せず、上部21aは変形用片部15aの上端近傍まで接着等で固着し、下部23aは変形用片部15aの下端となる谷折り線9a近傍まで接着等で固着固着した密着延長部23Aを形成している。
そのため収縮変形フィルム20は、変形用片部15a対応個所を除いて外側貼合せ部10aに一体に固着され、同時に内側貼合せ部10bに一体に固着されるので、無駄な隙間が生ずることなく、変形用片部30の内折れを防止することができる。
【0025】
外側貼合せ部10aの変形用片部15aの裏面は収縮変形フィルム20の中間部22により固着されずに覆われており、内側貼合せ部10bの受片部30の裏面も切欠部31では前記中間部22も一緒に切り欠かれているが、内側貼合せ部10bには変形用片部が形成されないのでその裏面には収縮変形フィルム20は無くてもよい。
【0026】
本実施例では、上部21は変形用片部15の上端近傍まで固着されている場合を示したが、上部21が変形用片部15、15aから離れている場合(図示せず)は、貼合せ個所10で変形用片部15aの上端となるスリット7aの上端近傍まで接着等で固着した密着延長部を形成すればよい。
また、上部21と下部23の両方が変形用片部15、15aと離れている場合には、貼合せ個所10で上部21aと下部23aのそれぞれに前記延長密着部を形成すればよい。
これにより、後述の受片部30を設けなくても良い。
【0027】
上記収縮変形フィルム20は、熱収縮変形時に外スリーブ5の各変形用片部15を山折り線8を屈曲点にして外方へ突出させる収縮力を有すると共に、収縮後に収縮形状を維持する強度を有する素材が好ましく、本実施例の場合は、収縮率70%のPET樹脂フィルムを用いた。
ここでPET樹脂フィルムは一軸延伸フィルムが望ましいが、この発明では上記フィルムの種類や収縮率は一例であってこれに限定されるものではない。
また、収縮後の収縮形状の維持は前記収縮変形フィルム20の強度だけによらず、外スリーブ5と容器本体2の胴部壁3との摩擦力を利用してもよい。
【0028】
そして、前記収縮変形フィルム20が収縮すると、本実施例では、外スリーブ5の上部が容器本体2の胴部壁3に固定されているので、スリット形成区間部11は下部が上方に押し上げられ、これに伴い隣接するスリット7、7間の変形用片部15が、谷折り線9と山折り線8にガイドされて、外向きに略く字状に屈曲して、胴部壁3との間に断熱用の空間を形成し、断熱把持部16が形成される。
【0029】
上記実施例では、外スリーブ5の上部を容器本体2の胴部壁3に接着剤層H3で固定した場合を例示したが、外スリーブ5の下部を容器本体2の胴部壁3に固定してもよい。
その場合は、前記実施例の上下を逆にした構成とすることで、図示しないが、スリット形成区間部11は上部が下方に押し下げられ、これに伴い隣接するスリット7、7間の変形用片部15が、谷折り線9と山折り線8にガイドされて、外向きに略く字状に屈曲して、断熱把持部16が形成される。
その他、容器本体2との固定個所、固定方法は特に限定されない。
【0030】
また、加熱により収縮変形フィルム20を変形させる場合、カップ状容器1を包装するシュリンクフィルムの熱収縮温度を前記収縮変形フィルム20の熱収縮温度より低く設定しておけば、変形前の形態でカップ状容器を包装することができ、使用時に加熱することで断熱把持部16を形成することができる。
この断熱把持部16の形成時期は、上記の容器使用時に限らず、任意の段階で行うことができる。
例えば、前記シュリンクフィルムの熱収縮温度を前記収縮変形フィルム20の熱収縮温度以上にしておけば、カップ状容器1の包装時に同時に断熱把持部16を形成することができる。
【0031】
本実施例で外スリーブ5は、図13(b)に示すように、貼合せ個所10で前記内側貼合せ部10bの上に外側貼合せ部10aを重ねて、外側貼合せ部10aの裏面に対応する収縮変形フィルム20を切欠部31を挟んで上部を接着剤層H1で上部接着し、下部を接着剤層H2で下部接着して筒体としている。
この際に、外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15aの裏面に対応する収縮変形フィルム20は、前記内側貼合せ部10bの受片部30及び切欠部31に整合するので、外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15aとも内側貼合せ部10bの表面とも接着されずにフリーな状態に保持されるので、前記収縮を行うことができる。
【0032】
[押罫]
本実施例では、各変形用片部15及び15aに補強リブとして押罫32が形成されている。
図示例では、各変形用片部15及び15aの山折り線8及び8aにより上下に仕切られた長い方の部分に前記スリット形成区間部の圧縮方向である上下方向に沿って延びる補強用の押罫32が形成されている。
この押罫32は、図示例の場合、スリット7及び7aと略平行で変形用片部15及び15aの中央を通るように設けられているが、垂直線であってもよいし、波線やジグザグ線など上下に延びる線であればよく、1本に限らず適宜間隔を隔てて複数本を設けてもよい。
【0033】
上記押罫32は、山折り線8及び8aにより上下に仕切られた上下両方の部分に設けられるものであってもよい。
また、押罫32は、図示例では連続する1本の罫線としたが、複数の分断された罫線であってもよい。
これにより各変形用片部15及び15aの山折り線8及び8aにより仕切られた長い方の部分の強度が強化される。
【0034】
そこで、外スリーブ5の各変形用片部15及び15aに上向きに圧縮する力が作用すると、上記変形用片部15及び15aの長手方向に対して直交する方向に紙の繊維の目が設定されており、山折り線8と紙の繊維の目とが略平行となるが、前記押罫32により強化された各変形用片部15及び15aが山折り線8を屈曲線として外方へ突出するように折れ曲がり断面く字状の断熱把持部16に変形させることができる(図2参照)。
【0035】
また、外スリーブ5の貼合せ個所でも、山折り線8aと胴部壁3の外周面との間にクリアランスcが生じていても、少なくとも押罫32が形成された変形用片部15aの長い方の部分の強度が強化させるので図21のように途中で内向きに折れ曲がることがなく、外スリーブ5の他の変形用片部15と同様に強固な断熱把持部16に変形させることができる。
【0036】
[接着補助用罫線部]
上記内側貼合せ部10bの表面で、上記受片部30及び切欠部31を除いたその上方個所17及び下方個所18には、半切り状の点線からなる接着補助用罫線部19が上下に複数整列して配置されている。
一方、前記内側貼合せ部10bの上に重なる外側貼合せ部10aの裏面の収縮変形フィルム20には、前記接着補助用罫線部19に対応する位置に溝、スリット又は窪んだ谷部などのように表面積が広く形成された接着用補助部(図示せず)を設けることが好ましい。
【0037】
上記構成からなっているので、加熱により収縮変形フィルム20が収縮する際に、筒体となった外スリーブ5のスリット形成区間部11に対応する収縮変形フィルム20はすべての周囲においてフリーの状態となっており、確実に収縮することができる。
【実施例2】
【0038】
図3及び図4は、押罫32を外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15aにのみ設けた外スリーブ5を有する断熱容器1の異なる実施例を示す。
この場合、外スリーブ5は、紙の繊維の目が前記圧縮方向と平行であることが好ましい。
【0039】
これは、後述の実施例4で詳細に説明するように、前記変形用片部15aの山折り線8aの内折れを防止するためであって、少なくとも山折り線8aにより上下に仕切られた長い方の部分に押罫32を形成することで、押罫32が形成された部分が図21に示すように途中で屈曲せず、図4で示すように直線状を維持して折板状に変形するようにしている。
その他の構成は前記実施例1と同様であるので、同一符号を付してその説明を省略する。
【実施例3】
【0040】
図5及び図6に示す断熱容器1は、外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15aにのみ押罫32を設けた外スリーブ5を有する断熱容器1の別の実施例を示す。
前記実施例2では、変形用片部15aの下端に変形用片部15aを横切る谷折り線9aを設け、その上方に略平行に山折り線8aを設けたが、本実施例3では逆に変形用片部15aの上端に変形用片部15aを横切る谷折り線9aを設け、その上方に略平行に山折り線8aを設けた場合を示す。
図6は外スリーブ5の展開図を示す。
外スリーブ5の内壁面には、前述の実施例1や実施例2と同様に収縮変形フィルム20が取り付けられている。
縮変形フィルム20については、前記実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
【0041】
本実施例3においても、実施例2と同様に少なくとも山折り線8aにより上下に仕切られた長い方の部分に押罫32を形成することで、押罫32が形成された部分が図21に示すように途中で屈曲せず、図5に示すように直線状を維持して変形するようにしている。
【実施例4】
【0042】
図7から図9に示す実施例4の断熱容器1は、前記実施例3の構成に、更に受片部30を設けた異なる構造を示す。
【0043】
[受片部]
内側貼合せ部10bには、前記外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15aに対応する個所に切欠部31と受片部30とが形成されている。
即ち、外スリーブ5には、前記外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15aの圧縮変形前の山折り線8aに対応する個所で内側に重なる位置に受片部30が設けられている。
上記受片部30は、内側貼合せ部10bに形成されるものであり、内側貼合せ部10bに隣接する変形用片部15bの外側の短いスリット7bにより該変形用片部15bと切り離されている(説明の便宜上、各符号にbを付した)。
【0044】
この受片部30は、外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15aの山折り線8bが下部に近い場合には内側貼合せ部10bの下部と連接し(図示せず)、本実施例4のように内側貼合せ部10bの上部に近い場合には上部と連設する(図8参照)ことで、切欠部31を広く設定することができる。
変形用片部15aに対応する個所で中央位置にある場合には内側貼合せ部10bの上部と連設することが胴部壁3の外周面とのクリアランスcが狭くなるので好ましい(図13(d)参照)。
【0045】
前記内側貼合せ部10bには、前記外側貼合せ部10aに形成される変形用片部15aに対応する個所で受片部30を除いた個所に切欠部31が形成される。
切欠部31は、本実施例4では変形用片部15aに対応して前記受片部30の先端に配置されており、内側貼合せ部10bに接する変形用片部15bの外側のスリット形成個所7b’に沿って切り欠かれている。
【0046】
そして、外側貼合せ部10aと内側貼合せ部10bとが二重に重なった貼合せ個所では、外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15aの山折り線8aは内折れ方向に変化しようとすると受片部30と衝合するので、これに反発して外向きに折れ曲がることができる(図13(d)参照)。
その他、同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
この場合、山折り線8が変形用片部15aの上方位置に配置されているので、受片部30も上方位置に配置することができ、外スリーブ5と容器本体2の胴部壁3の外周面とのクリアランスcが実施例1より狭いので、押罫32による変形用片部15aの強化と共に受片部30によって山折り線8の内折れをより確実に防止することができる。
【実施例5】
【0048】
図10に示す実施例5の外スリーブ5は、前記実施例3のように外側貼合せ部10aに形成された変形用片部15aの山折り線8aを変形用片部15aの下方位置に設けた構成であって、山折り線8aにより上下に仕切られた長い方の部分に上下方向に沿って延びる補強用の押罫32が形成されている。
【0049】
また、内側貼合せ部10bには、前記変形用片部15aに設けた山折り線8aに対応した位置に受片部30が形成されている。
本実施例5では、前記実施例4のように受片部30を上方位置に設けた場合に比して、山折り線8a形成個所と胴部壁3との間のクリアランスcは図13(c)に示すように僅かに広がるが、図13(e)に示す貼合せ個所以外の個所の外スリーブ5の山折り線8形成個所と胴部壁3との間のクリアランスcとほぼ同様であるので、この場合も実施例4に準じた作用、効果を奏することができる。
【実施例6】
【0050】
図11及び図に示す外スリーブ5は、スリット7を直線状としたスリット形成区間部11であって、スリット7間に形成される変形用片部15の中央部に山折り線8のみを有する異なる実施例を示す。
前記実施例1と同様に全ての変形用片部15及び15aに押罫32を設ける構成、或いは選択された複数の変形用片部15及び又は15aに押罫32を設ける構成であってもよい。
【0051】
本実施例6では、山折り線8aに上下に仕切られた部分はほぼ同じ長さとなっているので、押罫32は折り線8aにより仕切られた上下の部分にそれぞれ押罫32が形成されている。
また、受片部30は上記山折り線8に対応してこれと衝合可能な位置まで延びており、内側貼合せ部10bの上部と連設されている(図参照)。
上記以外の構成は前記実施例と同様であるので、同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。
【実施例7】
【0052】
図14に示す断熱容器1は、外スリーブ5の上下に延びるスリット7間に形成された山折り線8と谷折り線9とが斜めに傾斜した異なる実施例を示す。
この場合、変形用片部15に形成される谷折り線9はスリット7の上下両端から隣接するスリットの中央側に向かってテーパ状に傾斜する上下一対の構成からなり、山折り線8は、一対の谷折り線9の内側に離間した位置で、一方に隣接する変形用片部15の谷折り線9の延長線に沿って延びる上下一対の構成からなっている。
山折り線8は、該谷折り線9と略平行に傾斜するものであってもよい。
そして、変形用片部15内の中央で、一対の山折り線8間に垂直に押罫32が形成されている。
この場合、一対の山折り線8間を押罫32で補強し、屈曲させることなく正確に変形させることができる。
【実施例8】
【0053】
断熱容器1は、角形のボックス状であってもよく、その場合、外スリーブ5も角筒形状となる。
また、変形用片部15は連続して設けなくてもよく、外周に沿って一定間隔を隔てて配置するものでもよい。
その際に山折り線8と谷折り線9(山折り線だけでもよい)は、作動部分となるので、外スリーブ5の外周に沿って一周するように配置する必要がある。
【0054】
図15は、角形の断熱容器1であり、各コーナー部分に複数のスリットを並べて1又は複数の変形用片部15を形成している。
そして、変形用片部15の基端(図示例では下端)に沿って、外スリーブ5の外周に沿って一周する谷折り線9を設け、該谷折り線9と平行に変形用片部15の中途位置を通る山折り線8を外周に沿って一周するように設けている。
この場合、押罫32は、各変形用片部15の中央でスリット7と平行に設けたが、谷折り線9と山折り線8の間だけ押罫32を設けてもよい。
その他の構成は前記実施例と同様であり、説明を省略する。
【0055】
上記各実施例では収縮変形フィルム20として、熱収縮フィルムを用いた場合を例示したが、上記フィルムに代えて、電子レンジのマイクロ波が照射されることにより前記収縮変形フィルム20が収縮し前記スリット形成区間部11を圧縮して外方へ突出させて断熱把持部16を形成するものでもよい。
例えば、アルミ蒸着フィルムなどのサセプターフィルムを用いてもよい。
【0056】
また、収縮変形フィルム20として、形状記憶樹脂からなるフィルムを用いてもよい。
この場合、所定温度の加熱が行われると、伸張状態のフィルムが予め設定されている収縮状態の形態に変化させることができるので、同様にこの発明の収縮変形フィルム20として使用することができる。
【0057】
また、変形用片部に形成される山折り線は、図14に示したように2本以上設けるものでもよい。
同様に、山折り線や谷折り線は水平に形成される場合に限らず、斜めに延びる線であってもよい。
この場合も山折り線で仕切られた上下いずれか一方、又は双方、或いは長い方に押罫を形成してもよい。
【0058】
押罫は、外スリーブの表面側に押圧して形成されるもの、又は裏面側に押圧して形成されるものであってもよい。
また押罫は、圧縮方向に沿って延びるものであればよく、変形用片部内を上下に延びる直線状に延びるものや、対角線に沿って傾斜状に延びるものなどであってもよい。
また、押罫は圧縮方向に沿って延びていればよく、直線状に限らず、湾曲状、波線状、凹凸状などであってもよい。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
上記各実施例ではカップ状容器に適用し、その用途は食器や自動販売機の飲料カップなどに用いることができるが、この発明では容器の用途や収納物の種類は特に限定されない。
また、本発明の容器の形状は断面円形のカップ状容器に限らず、断面四角形、楕円形等非円形容器などにも適用できる。
また、容器構成は容器本体と外スリーブの二重構成を示したが、多重構造であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 カップ状容器
2 容器本体
3 胴部壁
4 底部壁
5 外スリーブ
7 スリット
8 山折り線
8a 外側貼合せ部に変形用片部に形成された山折り線
9 谷折り線
9a 外側貼合せ部に変形用片部に形成された谷折り線
10a 外側貼合せ部
10b 内側貼合せ部
11 スリット形成区間部
13 カール部
15 変形用片部
15a 外側貼合せ部に形成された変形用片部
16 断熱把持部
17 上方個所
18 下方個所
19 接着補助線部
20 収縮変形フィルム
21 上部
22 中間部
23 下部
30 受片部
31 切欠部
32 押罫
H1〜H3 接着剤層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の胴部壁外周面に筒体の外スリーブを外嵌し上下いずれか一方を固定すると共に、前記外スリーブの外周に沿って高さ方向の一定範囲にわたってスリット群からなるスリット形成区間部を形成してなり、
前記外スリーブの内壁面に、前記スリット形成区間部を超えた上方に上部が固着され、スリット形成区間部を覆う中間部は固着されず、前記スリット形成区間部を超えた下方に下部が固着される収縮変形フィルムを取り付け、
前記収縮変形フィルムを収縮させて前記スリット形成区間部を上下方向に圧縮し前記左右に隣接するスリット間に形成される変形用片部を外スリーブの外方へ折り曲げて断熱把持部を形成してなる断熱容器において、
変形用片部に該変形用片部を外方へ折り曲げる山折り線が形成されており、
上記変形用片部の1又は複数に、前記山折り線により上下に仕切られた一方又は双方に前記圧縮方向又はスリットの延出方向に沿って延びる補強用の押罫が設けられていることを特徴とする断熱容器。
【請求項2】
外スリーブが圧縮方向に対して直交し又は交差する方向に紙の繊維の目が設定された紙を素材として用いていることを特徴とする請求項1に記載の断熱容器。
【請求項3】
外スリーブが、展開時の長手方向の両端に筒体の貼合せ個所となる内側貼合せ部と外側貼合せ部とを形成してなり、
前記外側貼合せ部の内壁面に取り付けられる収縮変形フィルムの固着個所が、外側貼合せ部に形成された変形用片部に対応する個所を除き、変形用片部の上端近傍および下端近傍まで固着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱容器。
【請求項4】
外スリーブに、展開時の長手方向の両端に筒体の貼合せ個所となる内側貼合せ部と外側貼合せ部とが形成され、前記スリット形成区間部に前記外側貼合せ部が含まれており、前記内側貼合せ部には前記外側貼合せ部に形成されたスリット形成区間部に対応する切欠部が形成されており、
筒体になった際に外側貼合せ部に形成された変形用片部に該変形用片部を外方へ折り曲げる山折り線が形成されており、
上記変形用片部で前記山折り線により上下に仕切られた一方又は双方に補強用の押罫が1又は複数形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の断熱容器。
【請求項5】
内側貼合せ部の変形用片部の内面に対応する個所に、内側貼合せ部の上部又は下部に連接して前記外側貼合せ部の変形用片部の山折り線の対応個所に重なる受片部と、前記外側貼合せ部の変形用片部に対応した個所で上記受片部を除いた個所に穿設された切欠部とを設けてなることを特徴とする請求項4に記載の断熱容器。
【請求項6】
外側貼合せ部の内壁面に取り付けられる収縮変形フィルムの固着個所が、外側貼合せ部に形成された変形用片部に対応する個所を除き、変形用片部の上端近傍及び下端近傍まで固着されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の断熱容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−116412(P2011−116412A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275811(P2009−275811)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000223193)東罐興業株式会社 (90)
【Fターム(参考)】