断熱材真空包装機
【課題】 真空断熱材の製造工程の自動化を図り、また装置の設置スペースを小さくする。
【解決手段】 芯材充填部2において、金属製の保持容器内に保持した袋部材内に断熱材を供給し、保持容器内に袋部材を立てた状態で、プッシャー12によって保持容器ごと真空封止部3の真空チャンバー60内に移送する。真空封止部3には、真空チャンバー60が周方向に等角度をおいて六個設けられ、周方向に等角度毎に回動するステージ31が備えられている。ステージ31に設けられた真空チャンバー60内は吸引減圧する真空ポンプ32によって吸引減圧され、吸引減圧された袋部材の開口は封止手段によって密封封止される。
【解決手段】 芯材充填部2において、金属製の保持容器内に保持した袋部材内に断熱材を供給し、保持容器内に袋部材を立てた状態で、プッシャー12によって保持容器ごと真空封止部3の真空チャンバー60内に移送する。真空封止部3には、真空チャンバー60が周方向に等角度をおいて六個設けられ、周方向に等角度毎に回動するステージ31が備えられている。ステージ31に設けられた真空チャンバー60内は吸引減圧する真空ポンプ32によって吸引減圧され、吸引減圧された袋部材の開口は封止手段によって密封封止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋部材に収容された断熱材を真空包装する断熱材真空包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への関心が高まっており、真空断熱材の利用範囲は、家電製品はいうに及ばず、建家や自動車等、多岐にわたる。真空断熱材は、コア材をガスバリア性の外被材で覆ってその内部を減圧した、板状または箱形の部材である。真空断熱材の普及には、量産による一層のコストダウンが望まれている。
【0003】
従来の断熱材真空包装機としては、コア材(芯材)が充填されたガスバリア容器(外被材)の本体と蓋とを真空チャンバー内に装填し、真空ポンプによって真空チャンバー内を吸引減圧した状態で、ガスバリア容器の周縁部を加熱・圧着し密封封止することによって真空断熱材を製造するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、減圧槽内に、芯材のストックエリアやこの芯材を覆う外被材のストックエリア、さらには外被材をシールするシールエリアを設け、減圧槽内において連続的に真空断熱材を製造する装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−303674号公報
【特許文献2】特開2002−310554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような断熱材真空包装機は、いずれもガスバリア容器を真空チ
ャンバー内で寝かせた状態、すなわち横置きとすることによって板状または箱形の真空断熱材を形成するため、真空断熱材の大きさと比べて真空チャンバを十分大きくとらなければならず、装置を設置するための広いスペースが必要になるという問題があった。また、特許文献1に開示された装置は、一つの真空チャンバーによってガスバリア容器を一つずつ製造する方法であり、コア材の充填から外被材の真空封止までを自動化したものではない。したがって、真空断熱材の量産には適さないといった問題もあった。また、特許文献2に開示された装置は、真空断熱材を連続的に製造する手段を提供していることからすれば、量産を目的としているとも考えられるが、そのために減圧槽内において真空封止のみならず芯材の充填までも行うこととしている。したがって、特許文献2に開示された装置においては、芯材や外被材のストックエリアまでも減圧槽内に設けなければならないことから、装置が大型化する上に、具体的な装置として実現することは困難であるという問題がある。
【0007】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その第1の目的とするところは、真空断熱材の製造工程の自動化を図った断熱材真空包装機を提供するところにある。また、第2の目的は、装置の設置スペースを小さくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明は、所定位置に配置された保持容器内に保持されて開口を鉛直上方に向けた袋状のガスバリア容器内に、芯材を充填する芯材充填部と、前記芯材が充填された前記ガスバリア容器を真空封止する真空封止部と、前記ガスバリア容器を保持する前記保持容器を前記芯材充填部から前記真空封止部に移送する移送部とからなり、前記保持容器は、底部と、この底部に接続されて所定の距離離間する1対の板状の壁部材とを有し、前記真空封止部は、前記保持容器内において開口を鉛直上方に向けて保持された前記ガスバリア容器を前記保持容器ごと収容する真空チャンバーと、この真空チャンバー内を吸引減圧するポンプと、前記真空チャンバー内に設けられ、前記ガスバリア容器の開口を封止する封止手段とを備え、前記芯材充填部は、前記真空チャンバーの外で前記ガスバリア容器内に芯材を充填するものである。
【0009】
本発明は、前記発明において、前記真空封止部は、前記芯材充填部に隣接して設けられるとともに、略水平面内で回動可能に支持されて、その周方向に複数の前記真空チャンバーを搭載したステージをさらに備え、前記真空チャンバーの各々は、それぞれ一側面に開口を有し、その開口の周縁の突き合わせ面が互いに対接する第1隔壁部材と第2隔壁部材とから構成され、前記第1隔壁部材は、その開口を前記ステージの半径方向外側に向けて前記ステージに固定され、前記第2隔壁部材は、前記第1隔壁部材の前記突き合わせ面と平行な面内で移動自在に支持され、前記移送部は、前記芯材充填部に最も近接した前記真空チャンバーに対し、前記第2隔壁部材を移動させて前記第1隔壁部材の開口が露出した状態で前記第1隔壁部材の開口内に前記保持容器を装填するものである。
【0010】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、前記封止手段は、前記第1隔壁部材および前記第2隔壁部材にそれぞれアクチュエータを介して設けられ、前記真空チャンバー内において互いに対向する一対の電着用電極を有するものである。
【0011】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、前記真空封止部は、前記第1隔壁部材および前記第2隔壁部材にそれぞれ設けられ、前記真空チャンバー内において互いに対向配置される第1の板状部材および第2の板状部材と、前記第1の板状部材および前記第2の板状部材の一方を他方に向けて移動させ前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とに前記保持容器を狭持させるアクチュエータと
を有するものである。
【0012】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、前記第1および第2の板状部材に設けられ、前記保持容器を加熱する加熱手段を有するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、袋部材を立てた状態で真空チャンバー内に収容するようにしたことにより、袋部材の占める底面積を小さくすることができるため、装置の設置スペースを小さくすることができる。また、複数の真空チャンバーを、等角度ごとに回動するステージ上に周方向に等角度の位相ごとに配置し、各位相において各作業を同時、かつ連続的に行うというように、断熱材の真空包装動作を自動化することにより生産性が向上する。また、袋部材を金属製の保持容器内に保持することによって、袋部材内に供給される粉末断熱材の厚みを一定に規制することができる。また、袋部材を収容した金属製の保持容器ごと移動させて作業を行うようにしたことにより作業性が向上する。
【0014】
前記発明のうちの一つの発明によれば、第2隔壁部材を、第1隔壁部材に互いの開口面と平行な面内に移動自在に支持したことにより、第1隔壁部材の開口を大きく開放することができるため保守性が向上するとともに、ステージ上の限られた空間内により多くの真空チャンバーを搭載することが可能になる。
【0015】
前記発明のうちの一つの発明によれば、第1および第2の板状部材によって、真空チャンバー内を吸引減圧する際に保持容器の移動を確実に規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る断熱材真空包装機の平面図である。
【図2】本発明に係る断熱材真空包装機における芯材充填部の図1におけるII矢視図である。
【図3】本発明に係る断熱材真空包装機における真空封止部の正面図である。
【図4】本発明に係る断熱材真空包装機において、保持容器内に袋部材を挿入した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る断熱材真空包装機において、真空チャンバーの外観を示し、同図(A)は側面図、同図(B)は正面図である。
【図6】図5(B)におけるVI-VI 線断面図である。
【図7】同図(A)は本発明に係る断熱材真空包装機において、真空チャンバーの第1隔壁部材の正面図、同図(B)は同図(A)におけるVII(B)-VII(B) 線断面図である。
【図8】同図(A)は本発明に係る断熱材真空包装機において、真空チャンバーの第2隔壁部材の正面図、同図(B)は同図(A)におけるVIII(B)-VIII(B) 線断面図である。
【図9】本発明に係る断熱材真空包装機において、電着用電極を説明するための要部の斜視図である。
【図10】本発明に係る断熱材真空包装機において、制御部の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係る断熱材真空包装機において、各真空チャンバーのそれぞれの位相における動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】本発明に係る断熱材真空包装機において、真空封止動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図12に基づいて説明する。図1に全体を符号1で示す本発明に係る断熱材真空包装機は、ガスバリア容器となる袋部材25を保持容器15内に立てたままの状態で、その中に断熱材の芯材となる粉末断熱材(図示せず)を一定量ずつ供給する芯材充填部2と、粉末断熱材を充填された袋部材25を保持容器15ごと真空チャンバー60内に移送する移送部12と、断熱材が供給された袋部材25を真空チャンバー60内において真空封止する真空封止部3とによって構成されている。
【0018】
芯材充填部2には、図2に示すように粉末状の断熱材が貯留されるホッパー11が設けられており、このホッパー11から断熱材が自重によって落下し、後述するように所定位置において保持容器15内に保持された袋部材25内に一定量ずつ充填されるように構成されている。図1において、矢印A−B方向に移動可能に設けられ、移送部として作用するプッシャー12は、袋部材25を保持した保持容器15を矢印A方向に移動させ、後述するステージ31上に設けられた真空チャンバー60内に移送する。
【0019】
保持容器15は、図4に示すように、金属製の前板16、後板17、両側板18,19、底板20を備え、上部に開口21を有する偏平な箱状を呈しており、前板16および後板17のそれぞれの開口端には、上方に向かって互いに拡がるように傾斜した傾斜部16a,17aが折曲形成されている。このうち、前板16および後板17が、請求項1に記載された一対の板状の壁部材に相当する。開口21の幅W1は、袋部材25の幅W2よりもやや大きく形成され、前板16と後板17との間隔は長さtに形成されている。両側板18,19のそれぞれの上部には、断面コ字状に形成されて、後述する真空チャンバー60のガイドレール70に係合する係合部材22が固定されている。
【0020】
袋部材25は、ラミネートフィルム等の気密性の高い材料からなり、一端に開口26が設けられ、図中高さ方向(矢印C−D方向)の寸法は保持容器15の傾斜部16a,17aを含めた高さ方向の寸法Hよりも長く形成されている。したがって、袋部材25は、保持容器15内に収容されると、その中に立てられた状態で保持されて、開口26を有する端部が保持容器15の開口端上部から露出することとなる。
【0021】
真空封止部3は、図1に示すように6個の真空チャンバー60Aないし60Fが周方向に等角度(本実施例では60°)をおいて設けられ、周方向に等角度(本実施例では60°)毎に回動する多角形状に形成されたステージ31と、ステージ31上に設けられた真空チャンバー60Aないし60F内のそれぞれを吸引減圧する真空ポンプ32と、各真空チャンバー60Aないし60F内に設けられ、吸引減圧された真空チャンバー内で袋部材25の開口26を密封封止する封止手段33(図6参照)とを備えている。
【0022】
ステージ31は、図3に示すようにベース35の中央部に立設されたエアー管36を回転中心として回転自在に支持されている。すなわち、エアー管36の軸線方向の中央部には、ベアリング37を介して回転体38が回転自在に支持されており、ステージ31の中央部はこの回転体38に固定され、周縁がベース35に立設されたスタッド39に枢支されたローラ39aに支承されている。ベース35にはブレーキ付きのモータ40が固定されており、モータ40の出力軸に軸着されたスプロケット41と回転体38の外周部に固定されたスプロケット42との間にはチェーン(図示せず)が張架されている。このような構成において、モータ40を駆動することにより、スプロケット41、チェーン、スプロケット42および回転体38を介して、ステージ31が図1中時計方向へ60°ずつ間欠的に回動する。
【0023】
エアー管36の中心部には、図3に示すように中空部43が設けられており、この中空部43の下端部には、真空ポンプ32とエアーチューブ34(図1参照)を介して接続されるエアー吸引孔44が設けられている。エアー管36の上部の外周部には、周方向に複数の通気孔45が設けられている。この通気孔45は、エアー管36の上部に回転自在に支持された円筒状のバキュームヘッダー46によって覆われている。このバキュームヘッダー46の外周部には、バキュームヘッダー46の回動中も常時通気孔45と連通されている6個の通気孔47が周方向に千鳥状に設けられている。
【0024】
これら通気孔47のそれぞれには、図1に示すように6本の各ホース50の一端が接続されており、各ホース50の他端は、ステージ31上に設けられた6個の真空チャンバー60Aないし60Fの吸入口66a(図6参照)に接続されている。各ホース50の途中には、後述するようにエアーの流れを開放または遮断する電磁弁(図示せず)が設けられている。このような構成において、ステージ31とともに6個の真空チャンバー60Aないし60Fを一体的に回動させながら、電磁弁が開放されたホース50に接続された真空チャンバー内が真空ポンプ32によって吸引減圧される。
【0025】
52はスリップリング、53はステージ31に立設された架台である。この架台53上には、後述する制御部120を内蔵した制御盤54とコンプレッサー55とが搭載されている。コンプレッサー55と後述する6個の真空チャンバー60Aないし60F内に設けたエアーマット73,76,85との間は、エアーホース(図示せず)によって接続されている。これらのエアーホースの途中にはそれぞれ電磁弁(図示せず)が設けられており、これらの電磁弁を開放することによりコンプレッサー55からエアーマット73,76,85にエアーが供給される。
【0026】
次に、図5ないし図9を用いて真空チャンバーの構造について説明する。真空チャンバー60は、図6に示すように第1隔壁部材61と第2隔壁部材62とによって構成されている。第1隔壁部材61は、図7に示すように一側面に開口65を有する箱状を呈しており、開口65の周部には、同図(B)に示すように、第2隔壁部材62の後述する突き合わせ面81aと突き合わされる突き合わせ面65aが形成されている。
【0027】
また、第1隔壁部材61の背面部66の中央部と上部とのそれぞれには、第1および第2のエアー導入孔67,68が設けられており、両側部69,69の内側の上部には、保持容器15の係合部材22,22を支承する一対のガイドレール70,70が互いに向き合うように取り付けられている。第1隔壁部材61の背面部66には吸入口66aが設けられ、この吸入口66aには、上述したホース50の他端が接続される。また、第1隔壁部材61は、図6に示すように底部72がステージ31に固定される一方、その上端部には後述するエアーシリンダ93のエンドを枢支する支承部71が設けられている。底部72がステージ31に固定された第1隔壁部材61の開口65は、ステージ31の半径方向外側を指向している。
【0028】
図6に示すように、第1隔壁部材61の背面部66の内側には、アクチュエータとして作用するエアーマット73が固定され、このエアーマット73には板状の第1の保持部材74が取り付けられている。このエアーマット73内に第1のエアー導入孔67を介して上記したコンプレッサー55からエアーが供給されることにより、第1の保持部材74が図中矢印B方向に移動する。
【0029】
図6に示すように、エアーマット76が第2のエアー導入孔68に対応するように第1隔壁部材61の背面部66の内側に固定されている。このエアーマット76内に第2のエアー導入孔68を介してコンプレッサー55からエアーを供給することにより、エアーマット76はアクチュエータとして作用する。このエアーマット76の第1隔壁部材61との反対側には、図9に示すように、支持ブロック77が固定されており、さらにこの支持ブロック77の上面には絶縁体からなる電極ブロック78が固定されている。この電極ブロック78の矢印B方向の端面には電着用電極79が矢印E−F方向に設けられている。したがって、エアーマット76内にエアーを供給することにより、支持ブロック77が矢印B方向に移動し、電極ブロック78も一体的に矢印B方向に移動する。
【0030】
第2隔壁部材62は、図8に示すように、第1隔壁部材61と対向する一側面に開口81を有する箱状を呈しており、開口81の周部には、同図(B)に示すように上述した第1隔壁部材61の突き合わせ面65aと互いに突き合わされる突き合わせ面81aが形成されている。この突き合わせ面81aの全周には、シール材が嵌合される溝81bが凹設されている。第1隔壁部材61の突き合わせ面65aに第2隔壁部材62の突き合わせ面81aが突き合わされることにより、密閉状態の真空チャンバーが形成される。また、第2隔壁部材62の前面部82の上部には、第3のエアー導入孔83が設けられている。また、前面部82の内側には、断面コ字状の第2の保持部材84が上述した第1の保持部材74に対向するように固定されている。
【0031】
図8(B)に示すように、第2隔壁部材62の前面部82の内側には、エアーマット85が第3のエアー導入孔83に対応する位置に固定されている。また、このエアーマット85の第2隔壁部材62と反対側(矢印A方向の端面)には、絶縁体からなる電極ブロック86が固定されており、さらにこの電極ブロック86の矢印A方向の端面には、同図(A)に示すように電着用電極87が矢印E−F方向に設けられている。エアーマット85は、その内部に第3のエアー導入孔83を介してコンプレッサー55からエアーを供給することにより、電極ブロック86を第2隔壁部材62から遠ざかる方向(矢印A方向)に移動させるアクチュエータとして作用する。
【0032】
この電極ブロック86の電着用電極87は、図6に示すように、第2隔壁部材62の突き合わせ面81aを第1隔壁部材61の突き合わせ面65aに対接させた状態で、電極ブロック78の電着用電極79に対向する。この状態で、封止用のスイッチ(図示せず)がONになると、エアーマット76,85内にエアーが供給され、電極ブロック78が矢印B方向に移動するとともに、電極ブロック86が矢印A方向に移動し、袋部材25の開口部26が両電着用電極79,87に挟まれ溶着されることにより封止される。これら両電着用電極79,87が封止手段33を構成している。
【0033】
第2隔壁部材62は、真空チャンバー60を挟んで互いに対向した状態で第1隔壁部材61の両側部に固定されたフレーム91によって、略鉛直な平面内において移動可能に支持されている。図5(A)に示すように、フレーム91,91には、側面視への字状に形成された二対のガイド溝92,92が設けられ、これらガイド溝92には第2隔壁部材62の両側部に枢支された二対のころ101が係入される。第2隔壁部材62は、シリンダエンドが第1隔壁部材61の支承部71に枢支されエアーシリンダ93と、進退自在なロッド94の先端部に回転自在に支持された動滑車95および両フレーム91,91間に横架された支持軸97に回転自在に支持された定滑車96を介してひも98によって連結されている。なお、ひも98は、一端がフレーム91の固定部99に掛け止めされ、他端が第2隔壁部材62の上端部に設けた固定部100に掛け止めされており、中央部が動滑車95と定滑車96とに張架されている。
【0034】
第2隔壁部材62の両側部に枢支された二対のころ101は、ガイド溝92に係入されており、第2隔壁部材62は、ころ101がガイド溝92に案内されることにより、第1隔壁部材61に両フレーム91,91を介して上下方向(矢印C−D方向)に移動自在に支持されている。すなわち、第2隔壁部材62は第1隔壁部材61に、上述した突き合わせ面65a,81aと平行な面内に移動自在に支持されている。
【0035】
このような構成において、エアーシリンダ93のロッド94が後退し、同図(A)において動滑車95が二点鎖線で示す位置に下降することにより、ひも98を介して第2隔壁部材62が矢印C方向に上昇するので、第1隔壁部材61の開口65が開放される。一方、エアーシリンダ93のロッド94が前進し、同図(A)において動滑車95が実線で示す位置に上昇することにより、第2隔壁部材62が自重によって矢印D方向に下降するので、第1隔壁部材61と第2隔壁部材62の互いの突き合わせ面65a,81aが対接し、第1隔壁部材61の開口65が閉塞される。
【0036】
このように構成された真空チャンバー60は、図1に示すようにステージ31上に周方向に等角度(60°)をおいて、6個の真空チャンバー60Aないし60Fが設けられている。上述したように、ステージ31はモータ40の駆動によって周方向に60°毎回動するように構成されており、ステージ31上に設けられた6個の真空チャンバー60Aないし60Fのうち、いずれか一つ、図1においては真空チャンバー60Aが芯材充填部2に対向する位相110Aに位置付けられて停止するように構成されている。
【0037】
したがって、他の5個の真空チャンバー60Bないし60Fは、位相110Aから周方向に60°ずつ位相がずれた位相110Bないし110Fに位置付けられている。このようにステージ31上に設けられた6個の真空チャンバー60Aないし60Fの各吸入口66a(図6参照)には、各ホース50の他端が接続されている。
【0038】
制御部120は、図10に示すように、ホッパー11による断熱材の充填を制御する断熱材充填制御部121と、プッシャー12の動作を制御する移送制御部122と、モータ40によるステージ3の回動を制御するステージ制御部123と、各真空チャンバー60Aないし60Fに併設されたエアーシリンダ93を駆動して第2隔壁部材62の移動を制御する第2隔壁部材制御部124と、真空ポンプ32と各真空チャンバー60Aないし60Fとをつなぐホース50に設けられた電磁弁の開閉を制御する電磁弁制御部125と、コンプレッサー55と各真空チャンバー60Aないし60F内に設けられたエアーマット73とをつなぐエアーホースに設けられた電磁弁を開閉し、エアーマット73による第1の保持部材74の移動を制御する保持部材制御部126と、同じくコンプレッサー55と各真空チャンバー60Aないし60F内に設けられたエアーマット76,85とをつなぐエアーホースに設けられた電磁弁の開閉を制御して電極ブロック78,86を移動させるとともに、これらの電極ブロック78,86が互いに近接したときに電着電極79,87に通電する封止制御部127とを備え、断熱材真空包装機の動作を自動制御する。これらの各制御部は、演算装置、メモリ、インターフェース等を含むコンピュータと、このコンピュータにインストールされたコンピュータプログラムとが協働することによって実現される。
【0039】
次に、本実施の形態にかかる断熱材真空包装機の断熱材を真空包装する動作について説明する。まず、ステージ31上の6個の真空チャンバー60Aないし60Fのうち、芯材充填部2に対向する位相110Aに位置する真空チャンバー60Aのエアーシリンダ93のロッド94を図5(A)に二点鎖線で示すように後退させることにより、第2隔壁部材62によって閉塞されている第1隔壁部材61の開口65を開放しておく。
【0040】
この状態で、図4に示すように開口26を上方に指向させるようにして袋部材25を保持容器15の開口21から保持容器15内に挿入し、袋部材25を立てた状態で保持する保持容器15を、図2に示すようにホッパー11の直下に位置付ける。次いで、図12のステップS1において、ホッパー11内に貯留された粉末状の断熱材を自重によって落下させ、袋部材25の開口部26から袋部材25内に一定量の断熱材を充填する(図11において芯材充填部2による充填)。このとき、袋部材25が金属製の保持容器15によって立てられた状態で保持されるから、一定量の断熱材を袋部材25内に容易かつ確実に充填することができるとともに、断熱材が充填された袋部材25は、保持容器15によって一定の厚さに規制される。
【0041】
一定量の断熱材が袋部材25内に充填され、断熱材の袋部材25内への供給を停止した後、ステップS2においてプッシャー12を動作させ、袋部材25を保持容器15ごと矢印A方向へ押圧する。その結果、保持容器15は位相110Aに位置付けられている真空チャンバー60の開口65から第1隔壁部材61内へ移送される(図11において移送部12による移送)。このとき、第1隔壁部材61内へ移送された保持容器15は、図6に示すように、係合部材22が第1隔壁部材61のガイドレール70に係合することにより、ガイドレール70に支承される。保持容器15がガイドレール70に支承されると、エアーシリンダ93のロッド94を前進させて第2隔壁部材62を第1隔壁部材61の開口と対向する位置に移動させ、第2隔壁部材62によって第1隔壁部材61の開口65を閉塞する(図11において真空チャンバー60Aの位相110Aにおける保持容器の収容)。
【0042】
第1隔壁部材61の開口65が閉塞されると、ステップS3において、真空チャンバー60Aと真空ポンプ32とを接続するホース50に設けられた電磁弁を制御して、真空チャンバー60A内を減圧するとともに、真空チャンバー60Aのエアーマット73とコンプレッサー55と接続しているエアーホースの途中に設けられた電磁弁を開き、コンプレッサー55からエアーマット73にエアーを供給する。その結果、図6において、第1の保持部材74が矢印B方向へ移動するので、保持容器15は第1の保持部材74と第2の保持部材84とによって挟持され、真空チャンバー60A内で固定された状態で保持される(図11において真空チャンバー60Aの位相110Bにおける保持容器の保持)。また、その間にモータ40を駆動して、ステージ31を時計方向に60°だけ回動させ、保持容器15が収容された真空チャンバー60Aを位相110Bに位置付けるとともに、隣の真空チャンバー60Bを位相110Aに位置付ける。
【0043】
同時に、位相110Aに位置付けられた真空チャンバー60Bに対しては、真空チャンバー60Aについて上述したように、予め第1隔壁部材61の開口65を開放し、真空チャンバー60B内には、上述した真空チャンバー60Aと同様に、芯材充填部2から断熱材が供給されている袋部材25が立てられたままの状態で保持容器15ごと収容される(図11において真空チャンバー60Bの位相110Aにおける保持容器の収容)。
【0044】
真空チャンバー60A内で保持容器15が第1および第2の保持部材74,84によって保持され、真空チャンバー60B内に保持容器15が収容されると、ステップS4において、モータ40を駆動しステージ31を時計方向にさらに60°だけ回動させ、真空チャンバー60Aを位相110Cに位置付け、真空チャンバー60Bを位相110Bに位置付け、真空チャンバー60Cを位相110Aに位置付ける。
【0045】
ステップS5において、位相110Cに位置付けられた真空チャンバー60Aに接続されたホース50を介して、真空チャンバー60A内を吸引減圧する。この吸引減圧動作によって、真空チャンバー60Aを構成している第2隔壁部材62および第1隔壁部材61の互いに対接する各突き合わせ面81a,65aがより密着する。したがって、真空チャンバー60内は確実に密封された状態で吸引減圧され、保持容器15内に保持された袋部材25内も吸引減圧されて真空状態となる(図11において真空チャンバー60Aの位相110Cにおける保持容器内の減圧)。
【0046】
同時に、位相110Bに位置付けられている真空チャンバー60Bにおいては、コンプレッサー55からエアーマット73にエアーが供給され、保持容器15が第1および第2の保持部材74,84によって保持される(図11において真空チャンバー60Bの位相110Bにおける保持容器の保持)。また、位相110Aに位置付けられている真空チャンバー60C内には、芯材充填部2から断熱材が供給されている袋部材25が立てられたままの状態で保持容器15ごと収容される(図11において真空チャンバー60Cの位相110Aにおける保持容器の収容)。
【0047】
位相110Cにおける真空チャンバー60A内の吸引減圧動作と、位相110Bに位置付けられた真空チャンバー60Bにおける保持容器15の保持が終了し、位相110Aにおける真空チャンバー60C内への袋部材25の供給動作が終了すると、ステップS6において、モータ40を駆動しステージ31を図1中時計方向にさらに60°回動させる。したがって、真空チャンバー60Aが位相110Dに位置付けられ、真空チャンバー60Bが位相110Cに位置付けられ、真空チャンバー60Cが位相110Bに位置付けられ、真空チャンバー60Dが位相110Aに位置付けられる。
【0048】
位相110Dに位置付けられた真空チャンバー60Aにおいて、真空チャンバー60Aのエアーマット76,85とコンプレッサー55とを接続しているエアーホースの途中に設けられた電磁弁(いずれも図示せず)を開くことにより、コンプレッサー55からエアーマット76,85にエアーを供給し、電極ブロック78を図6中矢印B方向へ移動させるとともに、電極ブロック86を矢印A方向へ移動させて、両電極ブロック78,86の電着用電極79,87によって袋部材25の開口26の両端縁26a,26a(図4参照)を互いに対接させる。ステップS7において、封止手段33のスイッチをONにして電着用電極79,87に通電することによって、袋部材25の開口26の両端縁26a,26aを溶着して、袋部材25を真空封止する(図11において真空チャンバー60Aの位相110Dにおける袋部材の真空封止)。
【0049】
真空封止が完了すると、真空チャンバー60Aに接続されたホース50の途中に設けられた電磁弁を制御し、真空チャンバー60A内の吸引減圧動作を解除し、真空チャンバー60Aの圧力を大気圧に戻す。次いで、真空チャンバー60Aのエアーマット76,85とコンプレッサー55とを接続しているエアーホースの途中に設けられた電磁弁(いずれも図示せず)を閉じることにより、コンプレッサー55からエアーマット76,85へのエアーの供給を停止する。したがって、電極ブロック78が図6中矢印A方向へ移動するとともに、電極ブロック86が矢印B方向へ移動するため、両電極ブロック78,86の電着用電極79,87が、共に袋部材25の開口26の両端縁26a,26a(図4参照)から離間する。
【0050】
同時に、位相110Cに位置付けられた真空チャンバー60B内の吸引減圧動作が行われ(図11において真空チャンバー60Bの位相110Cにおける保持容器内の減圧)、位相110Bに位置付けられた真空チャンバー60Cにおいては、第1および第2の保持部材73,84による保持容器15の保持が行われ(図11において真空チャンバー60Cの位相110Bにおける保持容器の保持)、位相110Aに位置付けられた真空チャンバー60D内には、芯材充填部2から袋部材25が保持容器15ごと収容される(図11において真空チャンバー60Dの位相110Aにおける保持容器の収容)。
【0051】
位相110Dにおける真空チャンバー60A内の袋部材25の真空封止と、位相110Cにおける真空チャンバー60B内の吸引減圧動作と、位相110Bに位置付けられた真空チャンバー60Cにおける保持容器15の保持が終了し、位相110Aにおける真空チャンバー60D内への袋部材25の供給動作が終了すると、ステップS8においてモータ40を駆動し、ステージ31を図1中時計方向にさらに60°回動させる。したがって、真空チャンバー60Aが位相110Eに位置付けられ、真空チャンバー60Bが位相110Dに位置付けられ、真空チャンバー60Cが位相110Cに位置付けられ、真空チャンバー60Dが位相110Bに位置付けられ、真空チャンバー60Eが位相110Aに位置付けられ、真空チャンバー60Fが位相110Fに位置付けられる。
【0052】
ステップS9において、位相110Eに位置付けられた真空チャンバー60Aのエアーマット73とコンプレッサー55と接続しているエアーホースの途中に設けられた電磁弁(いずれも図示せず)を制御し、コンプレッサー55からエアーマット73へのエアーの供給を停止させる。したがって、図6において、第1の保持部材74が矢印A方向へ移動するので、保持容器15は第1の保持部材74と第2の保持部材84とによる保持が解除される(図11において真空チャンバー60Aの位相110Eにおける保持容器の保持解除)。
【0053】
同時に、位相110Dに位置付けられた真空チャンバー60B内では、袋部材25の真空封止が行われ(図11において真空チャンバー60Bの位相110Dにおける袋部材の真空封止)、位相110Cにおいては真空チャンバー60C内が吸引減圧され(図11において真空チャンバー60Cの位相110Cにおける保持容器内の減圧)、位相110Bに位置付けられた真空チャンバー60Dにおいては、第1および第2の保持部材74,84による保持容器15の保持が行われ(図11において真空チャンバー60Dの位相110Bにおける保持容器の保持)、位相110Aにおいては、芯材充填部2からの真空チャンバー60E内への袋部材25の供給が行われる(図11において真空チャンバー60Eの位相110Aにおける保持容器の収容)。
【0054】
これらの一連の動作が終了すると、ステップS10においてモータ40を駆動し、ステージ31を図1中時計方向にさらに60°回動させる。したがって、真空チャンバー60Aが位相110Fに位置付けられ、真空チャンバー60Bが位相110Eに位置付けられ、真空チャンバー60Cが位相110Dに位置付けられ、真空チャンバー60Dが位相110Cに位置付けられ、真空チャンバー60Eが位相110Bに位置付けられ、真空チャンバー60Fが位相110Aに位置付けられる。
【0055】
ステップS11において、位相110Fに位置付けられた真空チャンバー60Aにおいては、エアーシリンダ93のロッド94を図5(A)に二点鎖線で示すように後退させることにより、第2隔壁部材62によって閉塞されていた第1隔壁部材61の開口65を開放する。したがって、開放された開口65から真空封止された袋部材25を保持容器15ごと取り出す(図11において真空チャンバー60Aの位相110Fにおける保持容器の取り出し)。
【0056】
同時に、位相110Eに位置付けられた真空チャンバー60B内では、真空チャンバー60B内に真空の解除と第1および第2の保持部材74,84による保持容器15の保持の解除動作が行われ(図11において真空チャンバー60Bの位相110Eにおける保持容器の保持解除)、位相110Dに位置付けられた真空チャンバー60C内では袋部材25の真空封止が行われ(図11において真空チャンバー60Cの位相110Dにおける袋部材の真空封止)、位相110Cにおいては真空チャンバー60D内が吸引減圧され(図11において真空チャンバー60Dの位相110Cにおける保持容器内の減圧)、位相110Bに位置付けられた真空チャンバー60Eにおいては、第1および第2の保持部材74,84による保持容器15の保持が行われ(図11において真空チャンバー60Eの位相110Bにおける保持容器の保持)、位相110Aにおいては、芯材充填部2からの真空チャンバー60F内への袋部材25の供給が行われる(図11において真空チャンバー60Fの位相110Aにおける保持容器の収容)。
【0057】
このように、第2隔壁部材62を、第1隔壁部材61に互いの突き合わせ面65a,81aと平行な面内に移動自在に支持したことにより、第1隔壁部材61の開口65を大きく開放することができるため保守性が向上するとともに、ステージ31上の限られた空間内に、より多くの真空チャンバー60を搭載することが可能になる。また、不定型な袋部材25を金属製の保持容器15内に保持し、真空チャンバー60に対して保持容器15ごと袋部材25を出し入れするようにしたことにより、作業性が向上し、作業時間も短縮させることができる。
【0058】
また、複数の真空チャンバー60を、等角度ごとに回動するステージ31上に周方向に等角度の位相ごとに配置し、各位相において各作業を同時、かつ連続的に行うというように、断熱材の真空包装動作を自動化することにより生産性を向上させることができる。
【0059】
なお、本実施例においては、第2隔壁部材62を上下方向に移動させるようにしたが、左右方向に移動させるようにしてもよく、要は第2隔壁部材62を第1隔壁部材61および第2隔壁部材62の互いの突き合わせ面65a,81aと平行な面内に移動させるようにすればよい。また、真空チャンバー60内の吸引減圧動作や袋部材26の封止動作等を位相110Aないし位相110Fの各位相ごとに個別に行うようにしたが、同一の位相で複数の動作を同時に行うようにしてもよく、また、位相を六つに分けたが五つ以下または七つ以上としてもよく、種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…断熱材真空包装機、2…芯材充填部、3…真空封止部、12…プッシャー(移送部)、15…保持容器、25…袋部材、31…ステージ、32…真空ポンプ、33…封止手段、36…エアー管、40…モータ、50…ホース、60(60Aないし60F)…真空チャンバー、61…第1隔壁部材、62…第2隔壁部材、65a,81a…突き合わせ面、73,76,85…エアーマット、74…第1の保持部材、79,87…電着用電極、84…第2の保持部材、120…制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋部材に収容された断熱材を真空包装する断熱材真空包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への関心が高まっており、真空断熱材の利用範囲は、家電製品はいうに及ばず、建家や自動車等、多岐にわたる。真空断熱材は、コア材をガスバリア性の外被材で覆ってその内部を減圧した、板状または箱形の部材である。真空断熱材の普及には、量産による一層のコストダウンが望まれている。
【0003】
従来の断熱材真空包装機としては、コア材(芯材)が充填されたガスバリア容器(外被材)の本体と蓋とを真空チャンバー内に装填し、真空ポンプによって真空チャンバー内を吸引減圧した状態で、ガスバリア容器の周縁部を加熱・圧着し密封封止することによって真空断熱材を製造するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、減圧槽内に、芯材のストックエリアやこの芯材を覆う外被材のストックエリア、さらには外被材をシールするシールエリアを設け、減圧槽内において連続的に真空断熱材を製造する装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−303674号公報
【特許文献2】特開2002−310554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような断熱材真空包装機は、いずれもガスバリア容器を真空チ
ャンバー内で寝かせた状態、すなわち横置きとすることによって板状または箱形の真空断熱材を形成するため、真空断熱材の大きさと比べて真空チャンバを十分大きくとらなければならず、装置を設置するための広いスペースが必要になるという問題があった。また、特許文献1に開示された装置は、一つの真空チャンバーによってガスバリア容器を一つずつ製造する方法であり、コア材の充填から外被材の真空封止までを自動化したものではない。したがって、真空断熱材の量産には適さないといった問題もあった。また、特許文献2に開示された装置は、真空断熱材を連続的に製造する手段を提供していることからすれば、量産を目的としているとも考えられるが、そのために減圧槽内において真空封止のみならず芯材の充填までも行うこととしている。したがって、特許文献2に開示された装置においては、芯材や外被材のストックエリアまでも減圧槽内に設けなければならないことから、装置が大型化する上に、具体的な装置として実現することは困難であるという問題がある。
【0007】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その第1の目的とするところは、真空断熱材の製造工程の自動化を図った断熱材真空包装機を提供するところにある。また、第2の目的は、装置の設置スペースを小さくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明は、所定位置に配置された保持容器内に保持されて開口を鉛直上方に向けた袋状のガスバリア容器内に、芯材を充填する芯材充填部と、前記芯材が充填された前記ガスバリア容器を真空封止する真空封止部と、前記ガスバリア容器を保持する前記保持容器を前記芯材充填部から前記真空封止部に移送する移送部とからなり、前記保持容器は、底部と、この底部に接続されて所定の距離離間する1対の板状の壁部材とを有し、前記真空封止部は、前記保持容器内において開口を鉛直上方に向けて保持された前記ガスバリア容器を前記保持容器ごと収容する真空チャンバーと、この真空チャンバー内を吸引減圧するポンプと、前記真空チャンバー内に設けられ、前記ガスバリア容器の開口を封止する封止手段とを備え、前記芯材充填部は、前記真空チャンバーの外で前記ガスバリア容器内に芯材を充填するものである。
【0009】
本発明は、前記発明において、前記真空封止部は、前記芯材充填部に隣接して設けられるとともに、略水平面内で回動可能に支持されて、その周方向に複数の前記真空チャンバーを搭載したステージをさらに備え、前記真空チャンバーの各々は、それぞれ一側面に開口を有し、その開口の周縁の突き合わせ面が互いに対接する第1隔壁部材と第2隔壁部材とから構成され、前記第1隔壁部材は、その開口を前記ステージの半径方向外側に向けて前記ステージに固定され、前記第2隔壁部材は、前記第1隔壁部材の前記突き合わせ面と平行な面内で移動自在に支持され、前記移送部は、前記芯材充填部に最も近接した前記真空チャンバーに対し、前記第2隔壁部材を移動させて前記第1隔壁部材の開口が露出した状態で前記第1隔壁部材の開口内に前記保持容器を装填するものである。
【0010】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、前記封止手段は、前記第1隔壁部材および前記第2隔壁部材にそれぞれアクチュエータを介して設けられ、前記真空チャンバー内において互いに対向する一対の電着用電極を有するものである。
【0011】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、前記真空封止部は、前記第1隔壁部材および前記第2隔壁部材にそれぞれ設けられ、前記真空チャンバー内において互いに対向配置される第1の板状部材および第2の板状部材と、前記第1の板状部材および前記第2の板状部材の一方を他方に向けて移動させ前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とに前記保持容器を狭持させるアクチュエータと
を有するものである。
【0012】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、前記第1および第2の板状部材に設けられ、前記保持容器を加熱する加熱手段を有するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、袋部材を立てた状態で真空チャンバー内に収容するようにしたことにより、袋部材の占める底面積を小さくすることができるため、装置の設置スペースを小さくすることができる。また、複数の真空チャンバーを、等角度ごとに回動するステージ上に周方向に等角度の位相ごとに配置し、各位相において各作業を同時、かつ連続的に行うというように、断熱材の真空包装動作を自動化することにより生産性が向上する。また、袋部材を金属製の保持容器内に保持することによって、袋部材内に供給される粉末断熱材の厚みを一定に規制することができる。また、袋部材を収容した金属製の保持容器ごと移動させて作業を行うようにしたことにより作業性が向上する。
【0014】
前記発明のうちの一つの発明によれば、第2隔壁部材を、第1隔壁部材に互いの開口面と平行な面内に移動自在に支持したことにより、第1隔壁部材の開口を大きく開放することができるため保守性が向上するとともに、ステージ上の限られた空間内により多くの真空チャンバーを搭載することが可能になる。
【0015】
前記発明のうちの一つの発明によれば、第1および第2の板状部材によって、真空チャンバー内を吸引減圧する際に保持容器の移動を確実に規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る断熱材真空包装機の平面図である。
【図2】本発明に係る断熱材真空包装機における芯材充填部の図1におけるII矢視図である。
【図3】本発明に係る断熱材真空包装機における真空封止部の正面図である。
【図4】本発明に係る断熱材真空包装機において、保持容器内に袋部材を挿入した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る断熱材真空包装機において、真空チャンバーの外観を示し、同図(A)は側面図、同図(B)は正面図である。
【図6】図5(B)におけるVI-VI 線断面図である。
【図7】同図(A)は本発明に係る断熱材真空包装機において、真空チャンバーの第1隔壁部材の正面図、同図(B)は同図(A)におけるVII(B)-VII(B) 線断面図である。
【図8】同図(A)は本発明に係る断熱材真空包装機において、真空チャンバーの第2隔壁部材の正面図、同図(B)は同図(A)におけるVIII(B)-VIII(B) 線断面図である。
【図9】本発明に係る断熱材真空包装機において、電着用電極を説明するための要部の斜視図である。
【図10】本発明に係る断熱材真空包装機において、制御部の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係る断熱材真空包装機において、各真空チャンバーのそれぞれの位相における動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】本発明に係る断熱材真空包装機において、真空封止動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図12に基づいて説明する。図1に全体を符号1で示す本発明に係る断熱材真空包装機は、ガスバリア容器となる袋部材25を保持容器15内に立てたままの状態で、その中に断熱材の芯材となる粉末断熱材(図示せず)を一定量ずつ供給する芯材充填部2と、粉末断熱材を充填された袋部材25を保持容器15ごと真空チャンバー60内に移送する移送部12と、断熱材が供給された袋部材25を真空チャンバー60内において真空封止する真空封止部3とによって構成されている。
【0018】
芯材充填部2には、図2に示すように粉末状の断熱材が貯留されるホッパー11が設けられており、このホッパー11から断熱材が自重によって落下し、後述するように所定位置において保持容器15内に保持された袋部材25内に一定量ずつ充填されるように構成されている。図1において、矢印A−B方向に移動可能に設けられ、移送部として作用するプッシャー12は、袋部材25を保持した保持容器15を矢印A方向に移動させ、後述するステージ31上に設けられた真空チャンバー60内に移送する。
【0019】
保持容器15は、図4に示すように、金属製の前板16、後板17、両側板18,19、底板20を備え、上部に開口21を有する偏平な箱状を呈しており、前板16および後板17のそれぞれの開口端には、上方に向かって互いに拡がるように傾斜した傾斜部16a,17aが折曲形成されている。このうち、前板16および後板17が、請求項1に記載された一対の板状の壁部材に相当する。開口21の幅W1は、袋部材25の幅W2よりもやや大きく形成され、前板16と後板17との間隔は長さtに形成されている。両側板18,19のそれぞれの上部には、断面コ字状に形成されて、後述する真空チャンバー60のガイドレール70に係合する係合部材22が固定されている。
【0020】
袋部材25は、ラミネートフィルム等の気密性の高い材料からなり、一端に開口26が設けられ、図中高さ方向(矢印C−D方向)の寸法は保持容器15の傾斜部16a,17aを含めた高さ方向の寸法Hよりも長く形成されている。したがって、袋部材25は、保持容器15内に収容されると、その中に立てられた状態で保持されて、開口26を有する端部が保持容器15の開口端上部から露出することとなる。
【0021】
真空封止部3は、図1に示すように6個の真空チャンバー60Aないし60Fが周方向に等角度(本実施例では60°)をおいて設けられ、周方向に等角度(本実施例では60°)毎に回動する多角形状に形成されたステージ31と、ステージ31上に設けられた真空チャンバー60Aないし60F内のそれぞれを吸引減圧する真空ポンプ32と、各真空チャンバー60Aないし60F内に設けられ、吸引減圧された真空チャンバー内で袋部材25の開口26を密封封止する封止手段33(図6参照)とを備えている。
【0022】
ステージ31は、図3に示すようにベース35の中央部に立設されたエアー管36を回転中心として回転自在に支持されている。すなわち、エアー管36の軸線方向の中央部には、ベアリング37を介して回転体38が回転自在に支持されており、ステージ31の中央部はこの回転体38に固定され、周縁がベース35に立設されたスタッド39に枢支されたローラ39aに支承されている。ベース35にはブレーキ付きのモータ40が固定されており、モータ40の出力軸に軸着されたスプロケット41と回転体38の外周部に固定されたスプロケット42との間にはチェーン(図示せず)が張架されている。このような構成において、モータ40を駆動することにより、スプロケット41、チェーン、スプロケット42および回転体38を介して、ステージ31が図1中時計方向へ60°ずつ間欠的に回動する。
【0023】
エアー管36の中心部には、図3に示すように中空部43が設けられており、この中空部43の下端部には、真空ポンプ32とエアーチューブ34(図1参照)を介して接続されるエアー吸引孔44が設けられている。エアー管36の上部の外周部には、周方向に複数の通気孔45が設けられている。この通気孔45は、エアー管36の上部に回転自在に支持された円筒状のバキュームヘッダー46によって覆われている。このバキュームヘッダー46の外周部には、バキュームヘッダー46の回動中も常時通気孔45と連通されている6個の通気孔47が周方向に千鳥状に設けられている。
【0024】
これら通気孔47のそれぞれには、図1に示すように6本の各ホース50の一端が接続されており、各ホース50の他端は、ステージ31上に設けられた6個の真空チャンバー60Aないし60Fの吸入口66a(図6参照)に接続されている。各ホース50の途中には、後述するようにエアーの流れを開放または遮断する電磁弁(図示せず)が設けられている。このような構成において、ステージ31とともに6個の真空チャンバー60Aないし60Fを一体的に回動させながら、電磁弁が開放されたホース50に接続された真空チャンバー内が真空ポンプ32によって吸引減圧される。
【0025】
52はスリップリング、53はステージ31に立設された架台である。この架台53上には、後述する制御部120を内蔵した制御盤54とコンプレッサー55とが搭載されている。コンプレッサー55と後述する6個の真空チャンバー60Aないし60F内に設けたエアーマット73,76,85との間は、エアーホース(図示せず)によって接続されている。これらのエアーホースの途中にはそれぞれ電磁弁(図示せず)が設けられており、これらの電磁弁を開放することによりコンプレッサー55からエアーマット73,76,85にエアーが供給される。
【0026】
次に、図5ないし図9を用いて真空チャンバーの構造について説明する。真空チャンバー60は、図6に示すように第1隔壁部材61と第2隔壁部材62とによって構成されている。第1隔壁部材61は、図7に示すように一側面に開口65を有する箱状を呈しており、開口65の周部には、同図(B)に示すように、第2隔壁部材62の後述する突き合わせ面81aと突き合わされる突き合わせ面65aが形成されている。
【0027】
また、第1隔壁部材61の背面部66の中央部と上部とのそれぞれには、第1および第2のエアー導入孔67,68が設けられており、両側部69,69の内側の上部には、保持容器15の係合部材22,22を支承する一対のガイドレール70,70が互いに向き合うように取り付けられている。第1隔壁部材61の背面部66には吸入口66aが設けられ、この吸入口66aには、上述したホース50の他端が接続される。また、第1隔壁部材61は、図6に示すように底部72がステージ31に固定される一方、その上端部には後述するエアーシリンダ93のエンドを枢支する支承部71が設けられている。底部72がステージ31に固定された第1隔壁部材61の開口65は、ステージ31の半径方向外側を指向している。
【0028】
図6に示すように、第1隔壁部材61の背面部66の内側には、アクチュエータとして作用するエアーマット73が固定され、このエアーマット73には板状の第1の保持部材74が取り付けられている。このエアーマット73内に第1のエアー導入孔67を介して上記したコンプレッサー55からエアーが供給されることにより、第1の保持部材74が図中矢印B方向に移動する。
【0029】
図6に示すように、エアーマット76が第2のエアー導入孔68に対応するように第1隔壁部材61の背面部66の内側に固定されている。このエアーマット76内に第2のエアー導入孔68を介してコンプレッサー55からエアーを供給することにより、エアーマット76はアクチュエータとして作用する。このエアーマット76の第1隔壁部材61との反対側には、図9に示すように、支持ブロック77が固定されており、さらにこの支持ブロック77の上面には絶縁体からなる電極ブロック78が固定されている。この電極ブロック78の矢印B方向の端面には電着用電極79が矢印E−F方向に設けられている。したがって、エアーマット76内にエアーを供給することにより、支持ブロック77が矢印B方向に移動し、電極ブロック78も一体的に矢印B方向に移動する。
【0030】
第2隔壁部材62は、図8に示すように、第1隔壁部材61と対向する一側面に開口81を有する箱状を呈しており、開口81の周部には、同図(B)に示すように上述した第1隔壁部材61の突き合わせ面65aと互いに突き合わされる突き合わせ面81aが形成されている。この突き合わせ面81aの全周には、シール材が嵌合される溝81bが凹設されている。第1隔壁部材61の突き合わせ面65aに第2隔壁部材62の突き合わせ面81aが突き合わされることにより、密閉状態の真空チャンバーが形成される。また、第2隔壁部材62の前面部82の上部には、第3のエアー導入孔83が設けられている。また、前面部82の内側には、断面コ字状の第2の保持部材84が上述した第1の保持部材74に対向するように固定されている。
【0031】
図8(B)に示すように、第2隔壁部材62の前面部82の内側には、エアーマット85が第3のエアー導入孔83に対応する位置に固定されている。また、このエアーマット85の第2隔壁部材62と反対側(矢印A方向の端面)には、絶縁体からなる電極ブロック86が固定されており、さらにこの電極ブロック86の矢印A方向の端面には、同図(A)に示すように電着用電極87が矢印E−F方向に設けられている。エアーマット85は、その内部に第3のエアー導入孔83を介してコンプレッサー55からエアーを供給することにより、電極ブロック86を第2隔壁部材62から遠ざかる方向(矢印A方向)に移動させるアクチュエータとして作用する。
【0032】
この電極ブロック86の電着用電極87は、図6に示すように、第2隔壁部材62の突き合わせ面81aを第1隔壁部材61の突き合わせ面65aに対接させた状態で、電極ブロック78の電着用電極79に対向する。この状態で、封止用のスイッチ(図示せず)がONになると、エアーマット76,85内にエアーが供給され、電極ブロック78が矢印B方向に移動するとともに、電極ブロック86が矢印A方向に移動し、袋部材25の開口部26が両電着用電極79,87に挟まれ溶着されることにより封止される。これら両電着用電極79,87が封止手段33を構成している。
【0033】
第2隔壁部材62は、真空チャンバー60を挟んで互いに対向した状態で第1隔壁部材61の両側部に固定されたフレーム91によって、略鉛直な平面内において移動可能に支持されている。図5(A)に示すように、フレーム91,91には、側面視への字状に形成された二対のガイド溝92,92が設けられ、これらガイド溝92には第2隔壁部材62の両側部に枢支された二対のころ101が係入される。第2隔壁部材62は、シリンダエンドが第1隔壁部材61の支承部71に枢支されエアーシリンダ93と、進退自在なロッド94の先端部に回転自在に支持された動滑車95および両フレーム91,91間に横架された支持軸97に回転自在に支持された定滑車96を介してひも98によって連結されている。なお、ひも98は、一端がフレーム91の固定部99に掛け止めされ、他端が第2隔壁部材62の上端部に設けた固定部100に掛け止めされており、中央部が動滑車95と定滑車96とに張架されている。
【0034】
第2隔壁部材62の両側部に枢支された二対のころ101は、ガイド溝92に係入されており、第2隔壁部材62は、ころ101がガイド溝92に案内されることにより、第1隔壁部材61に両フレーム91,91を介して上下方向(矢印C−D方向)に移動自在に支持されている。すなわち、第2隔壁部材62は第1隔壁部材61に、上述した突き合わせ面65a,81aと平行な面内に移動自在に支持されている。
【0035】
このような構成において、エアーシリンダ93のロッド94が後退し、同図(A)において動滑車95が二点鎖線で示す位置に下降することにより、ひも98を介して第2隔壁部材62が矢印C方向に上昇するので、第1隔壁部材61の開口65が開放される。一方、エアーシリンダ93のロッド94が前進し、同図(A)において動滑車95が実線で示す位置に上昇することにより、第2隔壁部材62が自重によって矢印D方向に下降するので、第1隔壁部材61と第2隔壁部材62の互いの突き合わせ面65a,81aが対接し、第1隔壁部材61の開口65が閉塞される。
【0036】
このように構成された真空チャンバー60は、図1に示すようにステージ31上に周方向に等角度(60°)をおいて、6個の真空チャンバー60Aないし60Fが設けられている。上述したように、ステージ31はモータ40の駆動によって周方向に60°毎回動するように構成されており、ステージ31上に設けられた6個の真空チャンバー60Aないし60Fのうち、いずれか一つ、図1においては真空チャンバー60Aが芯材充填部2に対向する位相110Aに位置付けられて停止するように構成されている。
【0037】
したがって、他の5個の真空チャンバー60Bないし60Fは、位相110Aから周方向に60°ずつ位相がずれた位相110Bないし110Fに位置付けられている。このようにステージ31上に設けられた6個の真空チャンバー60Aないし60Fの各吸入口66a(図6参照)には、各ホース50の他端が接続されている。
【0038】
制御部120は、図10に示すように、ホッパー11による断熱材の充填を制御する断熱材充填制御部121と、プッシャー12の動作を制御する移送制御部122と、モータ40によるステージ3の回動を制御するステージ制御部123と、各真空チャンバー60Aないし60Fに併設されたエアーシリンダ93を駆動して第2隔壁部材62の移動を制御する第2隔壁部材制御部124と、真空ポンプ32と各真空チャンバー60Aないし60Fとをつなぐホース50に設けられた電磁弁の開閉を制御する電磁弁制御部125と、コンプレッサー55と各真空チャンバー60Aないし60F内に設けられたエアーマット73とをつなぐエアーホースに設けられた電磁弁を開閉し、エアーマット73による第1の保持部材74の移動を制御する保持部材制御部126と、同じくコンプレッサー55と各真空チャンバー60Aないし60F内に設けられたエアーマット76,85とをつなぐエアーホースに設けられた電磁弁の開閉を制御して電極ブロック78,86を移動させるとともに、これらの電極ブロック78,86が互いに近接したときに電着電極79,87に通電する封止制御部127とを備え、断熱材真空包装機の動作を自動制御する。これらの各制御部は、演算装置、メモリ、インターフェース等を含むコンピュータと、このコンピュータにインストールされたコンピュータプログラムとが協働することによって実現される。
【0039】
次に、本実施の形態にかかる断熱材真空包装機の断熱材を真空包装する動作について説明する。まず、ステージ31上の6個の真空チャンバー60Aないし60Fのうち、芯材充填部2に対向する位相110Aに位置する真空チャンバー60Aのエアーシリンダ93のロッド94を図5(A)に二点鎖線で示すように後退させることにより、第2隔壁部材62によって閉塞されている第1隔壁部材61の開口65を開放しておく。
【0040】
この状態で、図4に示すように開口26を上方に指向させるようにして袋部材25を保持容器15の開口21から保持容器15内に挿入し、袋部材25を立てた状態で保持する保持容器15を、図2に示すようにホッパー11の直下に位置付ける。次いで、図12のステップS1において、ホッパー11内に貯留された粉末状の断熱材を自重によって落下させ、袋部材25の開口部26から袋部材25内に一定量の断熱材を充填する(図11において芯材充填部2による充填)。このとき、袋部材25が金属製の保持容器15によって立てられた状態で保持されるから、一定量の断熱材を袋部材25内に容易かつ確実に充填することができるとともに、断熱材が充填された袋部材25は、保持容器15によって一定の厚さに規制される。
【0041】
一定量の断熱材が袋部材25内に充填され、断熱材の袋部材25内への供給を停止した後、ステップS2においてプッシャー12を動作させ、袋部材25を保持容器15ごと矢印A方向へ押圧する。その結果、保持容器15は位相110Aに位置付けられている真空チャンバー60の開口65から第1隔壁部材61内へ移送される(図11において移送部12による移送)。このとき、第1隔壁部材61内へ移送された保持容器15は、図6に示すように、係合部材22が第1隔壁部材61のガイドレール70に係合することにより、ガイドレール70に支承される。保持容器15がガイドレール70に支承されると、エアーシリンダ93のロッド94を前進させて第2隔壁部材62を第1隔壁部材61の開口と対向する位置に移動させ、第2隔壁部材62によって第1隔壁部材61の開口65を閉塞する(図11において真空チャンバー60Aの位相110Aにおける保持容器の収容)。
【0042】
第1隔壁部材61の開口65が閉塞されると、ステップS3において、真空チャンバー60Aと真空ポンプ32とを接続するホース50に設けられた電磁弁を制御して、真空チャンバー60A内を減圧するとともに、真空チャンバー60Aのエアーマット73とコンプレッサー55と接続しているエアーホースの途中に設けられた電磁弁を開き、コンプレッサー55からエアーマット73にエアーを供給する。その結果、図6において、第1の保持部材74が矢印B方向へ移動するので、保持容器15は第1の保持部材74と第2の保持部材84とによって挟持され、真空チャンバー60A内で固定された状態で保持される(図11において真空チャンバー60Aの位相110Bにおける保持容器の保持)。また、その間にモータ40を駆動して、ステージ31を時計方向に60°だけ回動させ、保持容器15が収容された真空チャンバー60Aを位相110Bに位置付けるとともに、隣の真空チャンバー60Bを位相110Aに位置付ける。
【0043】
同時に、位相110Aに位置付けられた真空チャンバー60Bに対しては、真空チャンバー60Aについて上述したように、予め第1隔壁部材61の開口65を開放し、真空チャンバー60B内には、上述した真空チャンバー60Aと同様に、芯材充填部2から断熱材が供給されている袋部材25が立てられたままの状態で保持容器15ごと収容される(図11において真空チャンバー60Bの位相110Aにおける保持容器の収容)。
【0044】
真空チャンバー60A内で保持容器15が第1および第2の保持部材74,84によって保持され、真空チャンバー60B内に保持容器15が収容されると、ステップS4において、モータ40を駆動しステージ31を時計方向にさらに60°だけ回動させ、真空チャンバー60Aを位相110Cに位置付け、真空チャンバー60Bを位相110Bに位置付け、真空チャンバー60Cを位相110Aに位置付ける。
【0045】
ステップS5において、位相110Cに位置付けられた真空チャンバー60Aに接続されたホース50を介して、真空チャンバー60A内を吸引減圧する。この吸引減圧動作によって、真空チャンバー60Aを構成している第2隔壁部材62および第1隔壁部材61の互いに対接する各突き合わせ面81a,65aがより密着する。したがって、真空チャンバー60内は確実に密封された状態で吸引減圧され、保持容器15内に保持された袋部材25内も吸引減圧されて真空状態となる(図11において真空チャンバー60Aの位相110Cにおける保持容器内の減圧)。
【0046】
同時に、位相110Bに位置付けられている真空チャンバー60Bにおいては、コンプレッサー55からエアーマット73にエアーが供給され、保持容器15が第1および第2の保持部材74,84によって保持される(図11において真空チャンバー60Bの位相110Bにおける保持容器の保持)。また、位相110Aに位置付けられている真空チャンバー60C内には、芯材充填部2から断熱材が供給されている袋部材25が立てられたままの状態で保持容器15ごと収容される(図11において真空チャンバー60Cの位相110Aにおける保持容器の収容)。
【0047】
位相110Cにおける真空チャンバー60A内の吸引減圧動作と、位相110Bに位置付けられた真空チャンバー60Bにおける保持容器15の保持が終了し、位相110Aにおける真空チャンバー60C内への袋部材25の供給動作が終了すると、ステップS6において、モータ40を駆動しステージ31を図1中時計方向にさらに60°回動させる。したがって、真空チャンバー60Aが位相110Dに位置付けられ、真空チャンバー60Bが位相110Cに位置付けられ、真空チャンバー60Cが位相110Bに位置付けられ、真空チャンバー60Dが位相110Aに位置付けられる。
【0048】
位相110Dに位置付けられた真空チャンバー60Aにおいて、真空チャンバー60Aのエアーマット76,85とコンプレッサー55とを接続しているエアーホースの途中に設けられた電磁弁(いずれも図示せず)を開くことにより、コンプレッサー55からエアーマット76,85にエアーを供給し、電極ブロック78を図6中矢印B方向へ移動させるとともに、電極ブロック86を矢印A方向へ移動させて、両電極ブロック78,86の電着用電極79,87によって袋部材25の開口26の両端縁26a,26a(図4参照)を互いに対接させる。ステップS7において、封止手段33のスイッチをONにして電着用電極79,87に通電することによって、袋部材25の開口26の両端縁26a,26aを溶着して、袋部材25を真空封止する(図11において真空チャンバー60Aの位相110Dにおける袋部材の真空封止)。
【0049】
真空封止が完了すると、真空チャンバー60Aに接続されたホース50の途中に設けられた電磁弁を制御し、真空チャンバー60A内の吸引減圧動作を解除し、真空チャンバー60Aの圧力を大気圧に戻す。次いで、真空チャンバー60Aのエアーマット76,85とコンプレッサー55とを接続しているエアーホースの途中に設けられた電磁弁(いずれも図示せず)を閉じることにより、コンプレッサー55からエアーマット76,85へのエアーの供給を停止する。したがって、電極ブロック78が図6中矢印A方向へ移動するとともに、電極ブロック86が矢印B方向へ移動するため、両電極ブロック78,86の電着用電極79,87が、共に袋部材25の開口26の両端縁26a,26a(図4参照)から離間する。
【0050】
同時に、位相110Cに位置付けられた真空チャンバー60B内の吸引減圧動作が行われ(図11において真空チャンバー60Bの位相110Cにおける保持容器内の減圧)、位相110Bに位置付けられた真空チャンバー60Cにおいては、第1および第2の保持部材73,84による保持容器15の保持が行われ(図11において真空チャンバー60Cの位相110Bにおける保持容器の保持)、位相110Aに位置付けられた真空チャンバー60D内には、芯材充填部2から袋部材25が保持容器15ごと収容される(図11において真空チャンバー60Dの位相110Aにおける保持容器の収容)。
【0051】
位相110Dにおける真空チャンバー60A内の袋部材25の真空封止と、位相110Cにおける真空チャンバー60B内の吸引減圧動作と、位相110Bに位置付けられた真空チャンバー60Cにおける保持容器15の保持が終了し、位相110Aにおける真空チャンバー60D内への袋部材25の供給動作が終了すると、ステップS8においてモータ40を駆動し、ステージ31を図1中時計方向にさらに60°回動させる。したがって、真空チャンバー60Aが位相110Eに位置付けられ、真空チャンバー60Bが位相110Dに位置付けられ、真空チャンバー60Cが位相110Cに位置付けられ、真空チャンバー60Dが位相110Bに位置付けられ、真空チャンバー60Eが位相110Aに位置付けられ、真空チャンバー60Fが位相110Fに位置付けられる。
【0052】
ステップS9において、位相110Eに位置付けられた真空チャンバー60Aのエアーマット73とコンプレッサー55と接続しているエアーホースの途中に設けられた電磁弁(いずれも図示せず)を制御し、コンプレッサー55からエアーマット73へのエアーの供給を停止させる。したがって、図6において、第1の保持部材74が矢印A方向へ移動するので、保持容器15は第1の保持部材74と第2の保持部材84とによる保持が解除される(図11において真空チャンバー60Aの位相110Eにおける保持容器の保持解除)。
【0053】
同時に、位相110Dに位置付けられた真空チャンバー60B内では、袋部材25の真空封止が行われ(図11において真空チャンバー60Bの位相110Dにおける袋部材の真空封止)、位相110Cにおいては真空チャンバー60C内が吸引減圧され(図11において真空チャンバー60Cの位相110Cにおける保持容器内の減圧)、位相110Bに位置付けられた真空チャンバー60Dにおいては、第1および第2の保持部材74,84による保持容器15の保持が行われ(図11において真空チャンバー60Dの位相110Bにおける保持容器の保持)、位相110Aにおいては、芯材充填部2からの真空チャンバー60E内への袋部材25の供給が行われる(図11において真空チャンバー60Eの位相110Aにおける保持容器の収容)。
【0054】
これらの一連の動作が終了すると、ステップS10においてモータ40を駆動し、ステージ31を図1中時計方向にさらに60°回動させる。したがって、真空チャンバー60Aが位相110Fに位置付けられ、真空チャンバー60Bが位相110Eに位置付けられ、真空チャンバー60Cが位相110Dに位置付けられ、真空チャンバー60Dが位相110Cに位置付けられ、真空チャンバー60Eが位相110Bに位置付けられ、真空チャンバー60Fが位相110Aに位置付けられる。
【0055】
ステップS11において、位相110Fに位置付けられた真空チャンバー60Aにおいては、エアーシリンダ93のロッド94を図5(A)に二点鎖線で示すように後退させることにより、第2隔壁部材62によって閉塞されていた第1隔壁部材61の開口65を開放する。したがって、開放された開口65から真空封止された袋部材25を保持容器15ごと取り出す(図11において真空チャンバー60Aの位相110Fにおける保持容器の取り出し)。
【0056】
同時に、位相110Eに位置付けられた真空チャンバー60B内では、真空チャンバー60B内に真空の解除と第1および第2の保持部材74,84による保持容器15の保持の解除動作が行われ(図11において真空チャンバー60Bの位相110Eにおける保持容器の保持解除)、位相110Dに位置付けられた真空チャンバー60C内では袋部材25の真空封止が行われ(図11において真空チャンバー60Cの位相110Dにおける袋部材の真空封止)、位相110Cにおいては真空チャンバー60D内が吸引減圧され(図11において真空チャンバー60Dの位相110Cにおける保持容器内の減圧)、位相110Bに位置付けられた真空チャンバー60Eにおいては、第1および第2の保持部材74,84による保持容器15の保持が行われ(図11において真空チャンバー60Eの位相110Bにおける保持容器の保持)、位相110Aにおいては、芯材充填部2からの真空チャンバー60F内への袋部材25の供給が行われる(図11において真空チャンバー60Fの位相110Aにおける保持容器の収容)。
【0057】
このように、第2隔壁部材62を、第1隔壁部材61に互いの突き合わせ面65a,81aと平行な面内に移動自在に支持したことにより、第1隔壁部材61の開口65を大きく開放することができるため保守性が向上するとともに、ステージ31上の限られた空間内に、より多くの真空チャンバー60を搭載することが可能になる。また、不定型な袋部材25を金属製の保持容器15内に保持し、真空チャンバー60に対して保持容器15ごと袋部材25を出し入れするようにしたことにより、作業性が向上し、作業時間も短縮させることができる。
【0058】
また、複数の真空チャンバー60を、等角度ごとに回動するステージ31上に周方向に等角度の位相ごとに配置し、各位相において各作業を同時、かつ連続的に行うというように、断熱材の真空包装動作を自動化することにより生産性を向上させることができる。
【0059】
なお、本実施例においては、第2隔壁部材62を上下方向に移動させるようにしたが、左右方向に移動させるようにしてもよく、要は第2隔壁部材62を第1隔壁部材61および第2隔壁部材62の互いの突き合わせ面65a,81aと平行な面内に移動させるようにすればよい。また、真空チャンバー60内の吸引減圧動作や袋部材26の封止動作等を位相110Aないし位相110Fの各位相ごとに個別に行うようにしたが、同一の位相で複数の動作を同時に行うようにしてもよく、また、位相を六つに分けたが五つ以下または七つ以上としてもよく、種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…断熱材真空包装機、2…芯材充填部、3…真空封止部、12…プッシャー(移送部)、15…保持容器、25…袋部材、31…ステージ、32…真空ポンプ、33…封止手段、36…エアー管、40…モータ、50…ホース、60(60Aないし60F)…真空チャンバー、61…第1隔壁部材、62…第2隔壁部材、65a,81a…突き合わせ面、73,76,85…エアーマット、74…第1の保持部材、79,87…電着用電極、84…第2の保持部材、120…制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定位置に配置された保持容器内に保持されて開口を鉛直上方に向けた袋状のガスバリア容器内に、芯材を充填する芯材充填部と、
前記芯材が充填された前記ガスバリア容器を真空封止する真空封止部と、
前記ガスバリア容器を保持する前記保持容器を前記芯材充填部から前記真空封止部に移送する移送部とからなり、
前記保持容器は、底部と、この底部に接続されて所定の距離離間する1対の板状の壁部材とを有し、
前記真空封止部は、
前記保持容器内において開口を鉛直上方に向けて保持された前記ガスバリア容器を前記保持容器ごと収容する真空チャンバーと、
この真空チャンバー内を吸引減圧するポンプと、
前記真空チャンバー内に設けられ、前記ガスバリア容器の開口を封止する封止手段と
を備え、
前記芯材充填部は、前記真空チャンバーの外で前記ガスバリア容器内に芯材を充填する
ことを特徴とする断熱材真空包装機。
【請求項2】
前記真空封止部は、
前記芯材充填部に隣接して設けられるとともに、略水平面内で回動可能に支持されて、その周方向に複数の前記真空チャンバーを搭載したステージをさらに備え、
前記真空チャンバーの各々は、
それぞれ一側面に開口を有し、その開口の周縁の突き合わせ面が互いに対接する第1隔壁部材と第2隔壁部材とから構成され、
前記第1隔壁部材は、その開口を前記ステージの半径方向外側に向けて前記ステージに固定され、
前記第2隔壁部材は、前記第1隔壁部材の前記突き合わせ面と平行な面内で移動自在に支持され、
前記移送部は、
前記芯材充填部に最も近接した前記真空チャンバーに対し、前記第2隔壁部材を移動させて前記第1隔壁部材の開口が露出した状態で前記第1隔壁部材の開口内に前記保持容器を装填する
ことを特徴とする請求項1記載の断熱材真空包装機。
【請求項3】
前記封止手段は、
前記第1隔壁部材および前記第2隔壁部材にそれぞれアクチュエータを介して設けられ、前記真空チャンバー内において互いに対向する一対の電着用電極を有する
ことを特徴とする請求項2記載の断熱材真空包装機。
【請求項4】
前記真空封止部は、
前記第1隔壁部材および前記第2隔壁部材にそれぞれ設けられ、前記真空チャンバー内において互いに対向配置される第1の板状部材および第2の板状部材と、
前記第1の板状部材および前記第2の板状部材の一方を他方に向けて移動させ前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とに前記保持容器を狭持させるアクチュエータと
を有することを特徴とする請求項2または3記載の断熱材真空包装機。
【請求項5】
前記第1および第2の板状部材に設けられ、前記保持容器を加熱する加熱手段を有することを特徴とする請求項4記載の断熱材真空包装機。
【請求項1】
所定位置に配置された保持容器内に保持されて開口を鉛直上方に向けた袋状のガスバリア容器内に、芯材を充填する芯材充填部と、
前記芯材が充填された前記ガスバリア容器を真空封止する真空封止部と、
前記ガスバリア容器を保持する前記保持容器を前記芯材充填部から前記真空封止部に移送する移送部とからなり、
前記保持容器は、底部と、この底部に接続されて所定の距離離間する1対の板状の壁部材とを有し、
前記真空封止部は、
前記保持容器内において開口を鉛直上方に向けて保持された前記ガスバリア容器を前記保持容器ごと収容する真空チャンバーと、
この真空チャンバー内を吸引減圧するポンプと、
前記真空チャンバー内に設けられ、前記ガスバリア容器の開口を封止する封止手段と
を備え、
前記芯材充填部は、前記真空チャンバーの外で前記ガスバリア容器内に芯材を充填する
ことを特徴とする断熱材真空包装機。
【請求項2】
前記真空封止部は、
前記芯材充填部に隣接して設けられるとともに、略水平面内で回動可能に支持されて、その周方向に複数の前記真空チャンバーを搭載したステージをさらに備え、
前記真空チャンバーの各々は、
それぞれ一側面に開口を有し、その開口の周縁の突き合わせ面が互いに対接する第1隔壁部材と第2隔壁部材とから構成され、
前記第1隔壁部材は、その開口を前記ステージの半径方向外側に向けて前記ステージに固定され、
前記第2隔壁部材は、前記第1隔壁部材の前記突き合わせ面と平行な面内で移動自在に支持され、
前記移送部は、
前記芯材充填部に最も近接した前記真空チャンバーに対し、前記第2隔壁部材を移動させて前記第1隔壁部材の開口が露出した状態で前記第1隔壁部材の開口内に前記保持容器を装填する
ことを特徴とする請求項1記載の断熱材真空包装機。
【請求項3】
前記封止手段は、
前記第1隔壁部材および前記第2隔壁部材にそれぞれアクチュエータを介して設けられ、前記真空チャンバー内において互いに対向する一対の電着用電極を有する
ことを特徴とする請求項2記載の断熱材真空包装機。
【請求項4】
前記真空封止部は、
前記第1隔壁部材および前記第2隔壁部材にそれぞれ設けられ、前記真空チャンバー内において互いに対向配置される第1の板状部材および第2の板状部材と、
前記第1の板状部材および前記第2の板状部材の一方を他方に向けて移動させ前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とに前記保持容器を狭持させるアクチュエータと
を有することを特徴とする請求項2または3記載の断熱材真空包装機。
【請求項5】
前記第1および第2の板状部材に設けられ、前記保持容器を加熱する加熱手段を有することを特徴とする請求項4記載の断熱材真空包装機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−20703(P2011−20703A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167007(P2009−167007)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(391010459)株式会社設楽製作所 (4)
【出願人】(502066867)
【出願人】(502066890)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(391010459)株式会社設楽製作所 (4)
【出願人】(502066867)
【出願人】(502066890)
【Fターム(参考)】
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