説明

新しいクリーニング方法

本発明は、汚れた支持体のクリーニング方法であって、固体パーティキュレートクリーニング材料を有する配合物で濡れた該支持体を処理する過程を具備しており、該配合物が有機溶剤を含まず、該処理が少なくとも1つのシールされたコンテナー内で該支持体及び該配合物を攪拌する過程を有する該方法を提供する。好ましくは、該シールされるコンテナーは金属コンテナー、又は堅い又は柔軟なプラスチック材料で形成されるコンテナーを有するのがよい。好ましくは、該少なくとも1つのコンテナーは回転乾燥機の様な回転デバイス内で攪拌されるのがよい。好ましくは、該支持体は濡らされ、該固体パーティキュレートクリーニング材料は、界面活性剤を含むのが好ましい少なくとも1つの追加クリーニング剤を有する多数のポリマー粒子を備えるのがよい。最も好ましくは、該支持体は紡織繊維を有するのがよい。典型的に、該ポリマー粒子はナイロン又はポリエステルの粒子を有する。得られた結果は従来のクリーニング過程を行った時、観察される結果と合致しており、そして該方法は、コスト及び環境考慮の意味で全ての付随欠点を伴う、溶剤の使用が避けられると云う著しい利点を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は限定量の水しか使用を要しない無溶剤クリーニングシステムを使う支持体のクリーニングに関する。特に、本発明はこの様なシステムによる紡織繊維のクリーニングに関する。
【背景技術】
【0002】
ドライクリーニングは、特に従来の水による洗濯方法では除去が難しい疎水性しみの除去用として、繊維工業の主要な重要過程である。しかしながら、大抵の商業用ドライクリーニングシステムは現在パークロロエチレンの様な毒性があり、環境に被害を及ぼす可能性のあるハロゲン化炭化水素溶剤を使っている。これらの溶剤の使用と、それらの貯蔵、取扱い、及び/又は廃棄のニーヅと、は該工業の主要な排水問題を創り出し、これは不可避的にコストを増加させる。
【0003】
最近、この様なシステムの代替えとして二酸化炭素を使うことが報じられている。かくして、二酸化炭素親和性官能部分を有する界面活性剤と組み合わせて液体二酸化炭素を使用するシステムが提案される一方、超臨界二酸化炭素と組み合わせた従来型界面活性剤の使用も開示されている。しかしながら、二酸化炭素に伴う主要な問題は他の溶剤に対するその低い溶解力である。更に、その手順の幾つかは高圧力システムの使用に依存しているが、これは明らかに欠点であり、何故ならばそれは本質的安全リスクをもたらし、それにより該手順の魅力を減じるからである。
【0004】
毒性の可能性がある溶剤、或いは高圧二酸化炭素システム、の使用に付随する欠点をこうむらない水性クリーニング過程がなお広く使われているが、該過程は発生する莫大な量の排水の意味で非常に著しい環境上の困難をなお創り出している。結果として、これらの水性クリーニング過程の使用は複雑な廃棄物処理システムの開発を必要とする。
【0005】
ドライクリーニング過程は、溶剤の使用に依存しながら、これ又該クリーニング過程に水性媒体を組み入れるが、それはドライクリーニングに供される織物及び衣服が、大気からの吸収又は吸着により一般的にその中に捕捉される著しい量の水を不可避的に含むからである。場合によっては、ドライクリーニングの前に織物又は衣服の更に進んだ濡らしが望ましい。しかしながら、従来のドライクリーニング過程で使われるクリーニング配合物は追加量の水性媒体を中に含まず、この面で、ドライクリーニングは標準洗濯手順と異なる。本発明では、クリーニング過程は、本質的に有機溶剤を含まず、限られた量の水のみの使用を要するクリーニング配合物を使い、それにより環境上の著しい利点を提供する。
【0006】
従来の水性及びドライクリーニング過程に付随する困難及び欠点に照らして、本発明者は本問題への新アプローチを以前に考案したが、該新アプローチは従来技術の方法により示された欠陥が克服されること、そして支持体のクリーニング、特に紡織繊維のクリーニング用の過程を提供すること、を可能にする。提供されたその方法は、一方で液体又は超臨界状態での有害の可能性ある溶剤又は二酸化炭素の、他方で大きな容積の水性流体の、使用の必要性を取り除くが、経済的及び環境上の利点も生じながら、クリーニング及びしみ除去の効率的手段をなお提供出来る。該過程は本質的に有機溶剤を含まず、限られた量の水のみの使用を要するクリーニング配合物を使う。
【0007】
かくして、特許文献1では、汚れた支持体をクリーニングする方法及び配合物が開示されるが、該方法は加湿された支持体を多数のポリマー粒子を有する配合物で処理する過程を含み、該配合物は有機溶剤を含まない。好ましくは、該支持体は重量比で1:0.1か
ら1:5の間の支持体対水の比を達成するよう濡らされるのがよく、オプションでは該配合物は加えて、洗剤特性を有するのが最も好ましい界面活性剤を備えるのが典型的な少なくとも1つのクリーニング材料を具備する。好ましい実施例では、該支持体は紡織繊維を有し、該ポリマー粒子は例えば、ナイロンチップの形であるのが最も好ましいナイロンの粒子を有する。
【0008】
続いて、本発明人は該クリーニング操作の終わりでクリーニングされた支持体からクリーニングチップを効率的に分離する課題に取り組み、特許文献1の方法を使って汚損支持体の効率的クリーニングを実現するが、加えて、該クリーニング過程の終わりに該クリーニング媒体から該支持体を効率良く分離することを可能にする装置を特許文献2で開示した。該請求された装置は独立の回転が出来る2つの内部ドラムの使用を要し、工業用及び家庭用の両クリーニング過程での応用が行われる新規設計を提供した。該装置は、回転可能に設置された円柱状ケージであるが、該バスケット(該ケージの意)より大きい直径を有する回転可能に設置された円柱状ドラムの中に同心に配置された該ケージを有するケーシングを備えており、該ケージと該ドラムは該回転可能に設置されたドラムより大きい直径を有する静止円柱状ドラム内に同心で配置され、該ケーシングは該円柱状バスケットの内部へのアクセスを可能にするアクセス手段を有し、そして該回転可能に設置された円柱状のケージと該回転可能に設置された円柱状ドラムは独立に回転するよう適合されている。
【0009】
しかしながら、特許文献2の装置は支持体、特に紡織繊維の効果的で効率的なクリーニングを可能にするが、特に家庭用を背景にすると、兵站上の理由か又は経済的な理由により、この様な装置の部品が現実的に入手可能でない場合が起こる。その結果、本発明者は今度は特許文献1の方法に基づき、どんな状況下でも、そして特に家庭用の背景で、支持体のクリーニングを可能にする方法を提供することを追求した。かくして、本発明は標準的家庭用装置の使用により、特に家庭用回転乾燥機の使用により行われる方法を提供することを追求する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第WO−A−2007/128962号パンフレット
【特許文献2】PCT特許出願第PCT/GB2010/050261号明細書
【発明の概要】
【0011】
かくして、本発明によれば、汚染支持体をクリーニングする方法が提供され、前記方法は加湿された支持体を固体パーティキュレートクリーニング材料を有する配合物で処理する過程を具備しており、前記配合物は有機溶剤を含まず、前記処理は少なくとも1つのシールされたコンテナー内での前記支持体及び前記配合物の攪拌過程を有する。
【0012】
前記シールされたコンテナーは金属又はプラスチックコンテナーを有するのが最も好適である。かくして、例えば、ベースコンテナーと取り付け可能な蓋を有する金属コンテナーが使われるのが便利であり、1例はシール可能な染め壺の様な、ねじにより取り付けられた蓋を有するコンテナーである。典型的には、この様な金属コンテナーは、アルミニウム又はステンレス鋼の様な金属で形成されるが、どんな適当な金属又は金属合金で形成されてもよい。
【0013】
しかしながら、最も好ましくは、前記シールされたコンテナーは、堅いか又は柔軟なプラスチック材料であってもよいプラスチック材料で形成されるのがよい。好適な堅いコンテナーは、ポリプロピレンの様なポリアルキレンポリマーで形成された、どんな適当な形状のプラスチックコンテナーの形であってもよい。この様なコンテナーの適当な例はタッ
パーウエア(Tupperware(R))コンテナーを含む。しかしながら、最も好ましくは、前記シールされたコンテナーは柔軟なプラスチック材料、好ましくは柔軟なポリアルキレンポリマー、最も好ましくは柔軟なポリプロピレンで形成されるのがよい。前記柔軟なコンテナーは、好ましくは結びにより、又はクリップ又は他の適当なアタッチメントにより、シールされたバッグの形であるのがよい。
【0014】
適当なコンテナーは、クリーニング過程中攪拌された時、材料の効率的循環と混合を許容するため充分な充填空積を提供しながら、クリーニングされるべき支持体とクリーニング材料を収容するよう充分大きいサイズであらねばならない。典型的には、該方法の利用容量を最大化しながら効率的混合を提供するために、容積で少なくとも10%、好ましくは容積で少なくとも20%、最も好ましくは容積で30から60%の充填空積値のための余裕が作られるべきである。適当なコンテナーは、例えば5と50リッターの間の、一般的には20と30リッターの間の何れかの容量を有する、例えばポリプロピレンのバッグ又はサックである。
【0015】
動作時、クリーニングされるべき支持体とクリーニング材料は、該少なくとも1つのコンテナー内に置かれるが、該少なくとも1つのコンテナーはシールされ、攪拌と、好ましくは該システムへの加熱と、を提供出来る装置内に置かれる。典型的には該支持体は単一のコンテナー内に置かれるが、オプションでは該支持体は第1コンテナー内に置かれ、該第1コンテナーは次いでより効率的なシールを達成するために第2コンテナーの内部に置かれる。
【0016】
加えて、本発明の方法は、種々の支持体を有する多数のコンテナーを提供するよう、種々の支持体が別々のコンテナー内に置かれる実施例を更に予想している。該多数のコンテナーは、次いで攪拌を提供するために適当な装置内に置かれる。この様な実施例では、本発明は、同じ洗濯サイクル内で、種々の固体パーティキュレートクリーニング材料の使用により、多数の、異なるクリーニング環境を提供する可能性を有する。同様な利点は、多数のコンパートメントを有する単一のコンテナーの使用によっても達成されてもよい。
【0017】
最も効果的なクリーニングは、本発明の方法が高められた温度で行われた時達成される。周りの温度と約98℃の間のどんな温度でも、該クリーニング方法を行うために簡便に使われてよいが、クリーニングは30℃と90℃の間、好ましくは40℃と60℃の間の温度で、最も好ましくは約60℃付近の温度で行われるのがよい。
【0018】
本発明の方法は、例えば、該望ましい温度に保持された水のバス内で、該シールされたコンテナーを機械的に回転させることにより行われてもよい。代わりに、例えばマイクロ波オーブンの様なデバイスが必要な結果を達成するために使われてもよいが、請求される方法を行う最も満足すべき手段は、種々の材料を含む少なくとも1つのシールされたコンテナーを、適当に上昇した温度に高められた回転乾燥機の様な回転デバイス内に置くことである。典型的には、該処理は10分と1時間の間の時間、好ましくは約30分行われる。
【0019】
本発明の方法は、例えば、プラスチック材料、革、ペーパー、ボール紙、金属、ガラス又は木を含む広範囲の支持体の何れかをクリーニングするため使われてもよい。しかしながら、実際には、前記方法は、紡織繊維衣服を含む支持体のクリーニング用に主に使われ、紡織繊維の効率的クリーニングを達成するのに特に成功していることが示され、該紡織繊維とは、例えば綿の様な天然繊維か、又は人造及び合成の紡織繊維、例えばナイロン6,6、ポリエステル、酢酸セルローズ又はそれらのブレンド繊維か何れかを含んでもよい。
【0020】
本発明の方法は、前に述べた広い種類の支持体に適用されてもよい。特に、該方法は、天然及び合成の紡織繊維の範囲に亘り適用可能であり、該方法はナイロン6,6、ポリエステル及び綿の織物に関して特に応用を見出す。
【0021】
本発明の方法による処理の前に、汚れた支持体は、水で濡らすことにより吸湿させられるが、それは該クリーニングシステムに追加の潤滑を提供し、それにより該システム内の輸送特性を改善するためである。かくして、該少なくとも1つのクリーニング材料の該支持体へのより効率的輸送が実現し、該支持体からの汚れ及びしみの除去がより容易に起こる。最も簡便には、該支持体は主管水又は生水との接触により簡単に濡らされる。好ましくは、該濡らし処理は重量比で2.5:1と0.1:1の間の支持体対水比を達成するよう行われ、より好ましくは該比は2.0:1と0.8:1の間であるのがよく、特に好ましい結果は1.5:1、1.2:1及び1.1;1の様な比で達成された。しかしながら、或る環境では、1:50までの支持体対水比で成功裡の結果が達成されたが、この様な比は発生される著しい量の排水を考えると好ましくない。
【0022】
本発明の方法は、この水性処理の他に、該方法が追加の溶剤無しに、最も注目すべきは有機溶剤無しに行われる利点を有し、その結果該方法は、安全及び環境の配慮の意味でのみならず経済的意味で従来技術の方法に優る独特の利点を示す。しかしながら、請求される方法で使われる配合物は、この様な溶剤が該配合物に付加されない点で有機溶剤を含まないが、この様な溶剤の極微量が該ポリマー粒子、該支持体、該水、又はクリーニング材料の様な他に付加物内に不可避的に存在することは理解され、それでクリーニング配合物及びバスがこの様な溶剤を絶対含まなくはないことが起こり得る。しかしながら、この様な極微量は本発明の背景では重要ではなく、何故ならばそれらは請求される過程の効率に何等影響を有さず、それらは続く排水廃棄問題をも起こさず、該配合物は従って本質的に有機溶剤を含まないと見られるからである。
【0023】
本発明の方法は、汚れた支持体をクリーニングする配合物を利用しており、前記配合物は固体パーティキュレートクリーニング材料を含む。好ましくは、前記固体パーティキュレートクリーニング材料は多数のポリマー粒子を有するのがよい。1実施例では、前記配合物は本質的に前記多数のポリマー粒子のみから成り、オプションとして他の実施例では、前記配合物は付加的に少なくとも1つの追加クリーニング剤を含んでもよい。追加物は適当に前記配合物に組み入れられてもよい。
【0024】
本発明の方法は小さい規模か又は大きい規模か何れかでのバッチ過程用に使われてもよく、従って、家庭用及び工業用クリーニングの両過程での応用がある。しかしながら、それは小規模の家庭用の応用に特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施例を附属する図面を参照して以下で更に説明する。
【図1】本発明の方法による洗濯の前に綿織物上にセットされたしみのしみパターンを示す。
【図2】コーヒーしみについて未クリーニングゼロス(Xeros)標準しみセットから得られた値と比較したゼロスクリーニング動作後のコーヒーしみのシーアイイーエル(CIE L)カラー座標値を示す。
【図3】草しみについて未クリーニングゼロス標準しみセットから得られた値と比較したゼロスクリーニング動作後の草しみのシーアイイーエルカラー座標値を示す。
【図4】ボールペンしみについて未クリーニングゼロス標準しみセットから得られた値と比較したゼロスクリーニング動作後のボールペンしみのシーアイイーエルカラー座標値を示す。
【図5】トマトケチャップしみについて未クリーニングゼロス標準しみセットから得られた値と比較したゼロスクリーニング動作後のトマトケチャップしみのシーアイイーエルカラー座標値を示す。
【図6】靴磨きクリームしみについて未クリーニングゼロス標準しみセットから得られた値と比較したゼロスクリーニング動作後の靴磨きクリームしみのシーアイイーエルカラー座標値を示す。
【図7】口紅しみについて未クリーニングゼロス標準しみセットから得られた値と比較したゼロスクリーニング動作後の口紅しみのシーアイイーエルカラー座標値を示す。
【図8】真空掃除機塵しみについて未クリーニングゼロス標準しみセットから得られた値と比較したゼロスクリーニング動作後の真空掃除機塵しみのシーアイイーエルカラー座標値を示す。
【実施例1】
【0026】
本発明の方法では、支持体に対する固体パーティキュレートクリーニング材料の比は従来のドライクリーニングシステムの用語の公称“リッカー比”に基づいており、好ましい比は重量比で30:1から1:1の範囲にあり、好ましくは重量比で10:1から1:1の領域内にあるのがよく、特に好ましい結果は重量比で5:1と1:1の間の比で、最も好ましくは重量比で4:1付近で達成される。かくして、例えば、5gの織物のクリーニング用に、オプションとして界面活性剤でコートされた20gのポリマー粒子が使われる。
【0027】
前に述べた様に、本発明の方法は、紡織繊維のクリーニングで特別の応用を見出す。この様なクリーニングシステムで使われる条件は、紡織繊維の従来のドライクリーニングに適用される条件と非常に良く合致しており、結果として、一般的に織物の性質と汚れの程度により決まる。かくして、典型的手順と条件は当業者に公知のそれらと調和しており、織物は20分と1時間の間の持続時間に亘り、例えば、30℃と90℃の間の、より好ましくは40℃と65℃の間の、最も好ましくは約60℃で本発明の方法により処理され、次いで水で濯がれ乾燥される。
【0028】
最も好ましくは、該固体パーティキュレートクリーニング材料は多数のポリマー粒子を有するのがよい。前記ポリマー粒子は広範囲の種類のポリマーの何れかを含んでもよい。特定すると、発泡材でも、又は非発泡材でもよい、ポリエチレンの様な前記ポリアルケン及びポリプロピレン、ポリエステルそしてポリウレタンが挙げられる。しかしながら、好ましくは、前記ポリマー粒子はポリアミド又はポリエステル粒子を、特にナイロン、ポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートの粒子を有するのがよい。前記ポリアミド及びポリエステルは、水性のしみ/汚れの除去用に特に有効であるとことが分かる一方、ポリアルケンは、オイルベースのしみの除去に特に有用である。オプションとして上記ポリマー材料のコーポリマーが本発明の目的で使われてもよい。
【0029】
1実施例では、本発明の方法は、何等更に進んだ添加剤無しに、本質的に多数のポリマー粒子のみから成る配合物での吸湿支持体の処理による汚れ支持体のクリーニングを予想するが、オプションとしての他の実施例では、該使われる配合物は追加的に少なくとも1つの追加クリーニング剤を有してもよい。好ましくは、該少なくとも1つの追加クリーニング剤は、少なくとも1つの界面活性剤を含むのがよい。好ましい界面活性剤は洗剤特性
を有する界面活性剤を含む。前記界面活性剤は、陽イオン性、陰イオン性、及び/又は非イオン性界面活性剤を含んでもよい。しかしながら、本発明の背景では、非イオン性界面活性剤が特に好ましい。好ましくは、前記少なくとも1つの追加のクリーニング剤は前記ポリマー粒子と混合されるのがよい。
【0030】
ナイロン6,ナイロン6,6、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートを含むが、それらに限定されない種々のナイロンホモポリマー又はコーポリマーが使われてもよい。好ましくは、該ナイロンは5000から30000ドールトン、より好ましくは10000から20000ドールトン、最も好ましくは15000から16000ドールトンの領域内の分子量を有するナイロン6,6ホモポリマーを備えるのがよい。該ポリエステルはASTM D−4603の様な溶解技術により測定して、0.3−1.5dl/gの範囲内の固有粘度測定値に対応する分子量を有するのが典型的である。
【0031】
該ポリマー粒子は、良い流動性と紡織繊維との密接な接触とを許容する様な形状とサイズである。円柱形、球形又は直方体の様な種々の形状の粒子が使われてもよく、例えば、環状リング、ドッグボーン及び円形を含む適当な断面形状が使われてもよい。該粒子は、スムーズな又は不規則な面構造を有してもよく、充実構造又は中空構造であってもよい。粒子は5から100mg、好ましくは10から30mgの領域の平均質量を有するようなサイズであるのが好ましい。典型的にビーヅと呼ばれる、最も好ましい粒子の場合、好ましい平均粒子直径は0.5から6.0mm、より好ましくは1.0から5.0mm、最も好ましくは2.5から4.5mmの領域にあり、該ビーヅの長さは好ましくは0.5から6.0mm、より好ましくは1.5から4.5mmの範囲内にあるのがよく、最も好ましくは2.0から3.0mmの範囲内にあるのがよい。
【0032】
得られた結果は、編織布で従来のドライクリーニング手順又は家庭用水性クリーニングを行った時、観察された結果と非常によく一致する。本発明の方法により処理された織物で達成されたクリーニング及びしみ除去の程度は非常に良いことが見られ、特に抜きん出た結果は、除去することが難しいことが多い疎水性しみ、水性のしみ及び汚れに関して達成された。該方法は又、染色過程に続き紡織繊維へ適用されるウオッシュオフ手順と、紡績及び機織りの様な過程の後に存在する塵、汗、機械油、そして他の汚染物の除去用に生地工程中で使われる精錬過程と、に応用がある。クリーニング過程の終わりでの繊維へのポリマー粒子付着での問題は観察されなかった。更に、勿論、前に述べた様に、コストと環境配慮の意味での従来のドライクリーニング過程での溶剤の使用に付随して伴う欠点は避けられる、一方必要な水の容積は、従来の洗濯手順の使用に付随する容積より著しく少なく、これ又コスト及び環境的利点の意味で著しい利点を提供する。
【0033】
加えて、該ポリマー粒子の再利用が可能であること、そして該粒子の多数回使用の後、性能の幾らかの劣化は観察されたが、該粒子がクリーニング手順で満足するよう再使用され得ること、が示された。
【0034】
本書の説明及び請求項を通して、用語“具備する”及び“含む”とそれらの変種は“含むが限定されない”を意味し、それらは他の、部分、付加部分、部品、完全体又は過程を排除するよう意図されてない(そして排除しない)。本書の説明及び請求項を通して、単数は文脈が他の様に要求しないなら複数を含む。特に、不定冠詞が使われる場合、文脈が他の様に要求しないなら、本書は単数のみならず複数も考慮すると理解されるべきである。
【0035】
本発明の特定の側面、実施例又は例と連携して説明される特徴、完全体、特性、化合物、化学的部分又はグループは、それらと両立しないとされない限り、ここに説明された何れの他の側面、実施例又は例に適用可能であると理解されるべきである。本書に開示され
た全ての特徴(何れの付随する請求項、要約及び図面も含めて)及び/又はその様に開示された何れの方法又は過程の全てのステップ、は、この様な特徴及び/又はステップの少なくとも幾つかが相互に排除性である組み合わせを除いて、どんな組み合わせで組み合わされてもよい。本発明は前記何れの実施例の詳細にも限定されない。本発明は、本書(何等かの付随する請求項、要約書及び図面を含んで)で開示した特徴の、何れの新規な1つ、又は何れの新規な組み合わせ、へも拡張されるものであり、又同じく開示した何れの方法又は過程のステップの、何れの新規な1つ、又は何れの新規な組み合わせ、へも拡張されるものである。
【0036】
読者の注意は、本願明細書と連携して本願明細書と同時に又は本願明細書の前に出願された、そして本願明細書と共に公的注目へと開かれた全ての文献及び文書に向けられており、全てのこの様な文献及び文書の内容は引用によりここに組み入れられる。
【0037】
本発明の方法が、本発明の範囲を何等限定する仕方でなく、下記例を参照してここに例示される。
【0038】

例1
織られた綿織物(282g/m)が下記に説明する方法に従ってコーヒー及びトマトケチャップを使ってしみを付けられた。
(i)トマトケチャップ
ハインツ(Heinz(R))トマトケチャップが該織物に合成スポンジを使って5cmプラスチックテンプレートの範囲内で付けられた。該しみの付いた織物は次いで30分間40℃で乾燥され、その後、該織物は使用前に4日間の暗所内貯蔵により定着された。
(ii)コーヒー
10gのエイエスデーエイ スマートプライスコーヒー(ASDA(R) Smart
Price coffee)粉末が50mlの蒸留水内に70℃で溶かされた。続いて該溶液の1cmのアリクォートが合成スポンジを使って5cmプラスチックテンプレートの範囲内で該織物に付けられた。該しみの付いた織物は次いでトマトケチャップ用に説明した手順に従い乾燥され、定着された。
【0039】
インビスタテキスタイル(Invista Textiles){ユーケー(UK)}社から得られた約5mm×5mmの大きさのナイロン6,6のビーヅがクリーニング過程で使われた。
【0040】
該しみの付いた織物は1kg羽根枕の綿カバースリップにピン留めされた。該枕はジョンソンクリーナー(Johnsons Cleaners)ユーケー社により供給されており、バラストとして使われた。該しみの付いた綿織物/枕複合体は、400cm蒸留水と、1:1、5:1、10:1、15:1そして20:1のビーヅ対織物比を実現するのに充分なナイロン6,6ビーヅと、一緒にナイロン縦糸編みネットバッグ内に置かれた。該縦糸編みバッグはポリエステル織物リボンを使ってシールされた。該シールされた縦糸編みバッグは次いで、やはりポリエステル織物リボンを使ってシールされたポリプロピレンバッグ内に置かれた。
【0041】
該縦糸編みバッグと該ポリエステルバッグは一緒にコンテナーを形成し、該コンテナー内でクリーニングが行われた。前記コンテナーはエレクトロラックス ワスケーター(Electrolux(R) Wascator)テーテー(TT)500の回転乾燥機内に置かれ、30分間約70℃で加熱され、該時間後、該綿織物/枕複合体は除去され、該しみの付いた綿織物は該綿枕カバースリップから除去され、全材料は乾燥させられた。
【0042】
クリーニングの評価
該乾燥したしみの付いた織物は目視評価法を用いて評価された。クリーニング済み及び元の未クリーニングの織物がD65光源下でグレイ背景の場に置かれ、国際ファブリケア学会(International Fabricare Institute){アイエフアイ(IFI)}により使われる評価用提案スケールに基づき下記の1から5のスケールを使い目視評価された。
5:しみが完全に除かれた(痕跡が見えない)
4:しみが殆ど除かれた
3:しみが僅かに除かれた
2:しみは殆ど元通り
1:しみは元から変わらず
【0043】
表1は種々のビーヅ対織物比を使い達成されたしみ除去のレベルを示し、該表から1:1と1:15の間の比の変更は、しみ除去の程度に少しの影響しか有しないことは明らかである。1:20のビーヅ対織物比の場合、しみ除去が最低であることが明らかであり、これはビーヅ対織物比の適当なレベルの取り換えを可能にするのに不適当な充填空積しか該コンテナー内に無かったことに帰せられる。
【0044】
【表1】

【0045】
例2
白いポリエステル/綿3/4スリーブシャツ{マタラン(Matalan(R))}が使われ、該シャツがカラー及びカッフへの真空掃除機塵の付着でしみを付けられた。
【0046】
バラストはイーエムピーエイテスト材料(EMPA Test materials)から得られた2つの綿枕ケースを有している。
【0047】
ディストラポル社(Distrupol Ltd.)から得られたナイロン6,6{101エルエヌシー−010ザイテル(101L NC−010 ZYTEL)}ビーヅが、2g/lのパーシル バイオ(Persil(R) Bio)を含む洗剤と一緒に、クリーニング操作で使われた。
【0048】
下記の3種類のナイロンバッグが使われた:
−2重縫い目(double stitching)で強化されたエッジを有するナイロンバッグ;
−強度増加用にエッジに織物テープが付けられたナイロンネットバッグ;
−軽量の平織物(voile)とオーガンザ(Organza)で作られた織物バッグ。
【0049】
ゼロス(Xeros)クリーニングサイクル(60℃で10,15,20又は30分間)及び通気サイクル(60℃で10,15及び20分間のみならず30℃で20分間)用に、イーデーユー(EDU)ウイン(Win)コンピュータソフトウエアを運転するPCを使ってプログラムされたダニューブ(Danube)の商業用回転乾燥機が使われた。
【0050】
4枚のシャツが綿バラストと一緒に(合計質量1kg)、更に1Lの蒸留水、5kgのポリマービーヅ、そして2g/lのパーシル バイオ洗剤と一緒にして、533mm×813mmポリプロピレンサック内に置かれた。該シールされたサックは該ダニューブ回転乾燥機内に置かれ、60℃、30分のサイクルと続く5分のクールダウンサイクルで運転された。
【0051】
クリーニングの評価
達成されたクリーニングのレベルは乾燥したシャツ地を使って目視評価された。塵のしみは該シャッツサンプルから完全に除去されたことが見出された。
【0052】
例3
織られた綿織物(194g/m)が下記説明の方法に従い、コーヒー及びトマトケチャップを使ってしみを付けられた。
(i)トマトケチャップ
ハインツのトマトケチャップが合成スポンジを使い、5cmプラスチックテンプレートの範囲内で該織物に付けられ、該しみを付けられた織物は次いで40℃で30分間乾燥され、該乾燥後、該織物は使用前、4日間の暗所内貯蔵によりしみを定着された。
(ii)コーヒー
10gのエイエスデーエイ スマートプライスコーヒー粉末が50mlの蒸留水内で70℃で溶かされた。続いて該溶液の1cmのアリクォートが合成スポンジを使って5cmプラスチックテンプレートの範囲内で、該織物に付けられた。該しみの付いた織物は次いで乾燥され、トマトケチャップ用に詳述された手順に従い定着された。
【0053】
インビスタテキスタイル(ユーケー)社から得られた約5mm×5mmの大きさのナイロン6,6ビーヅが使われた。
【0054】
該しみの付いた織物は、1:2の水:織物比を提供する蒸留水と、15:1のビーヅ:織物比を提供するナイロンビーヅと一緒に、2000cm容量のポリプロピレンコンテナー内に置かれた。該コンテナーは堅くシールされ、次いでホワイトナイトセンソドライ(White Knight Sensodry)コンパクトモデル(Compact Model)シーエル(CL)311/1ダブリュー(W)回転乾燥機内に置かれ、30分間、フルパワーの熱設定を使い回転された。この時間の終わりに、該織物は該コンテナーから除かれ開放大気中で乾燥された。
【0055】
該しみを付けられた織物を処理するために、商業的に入手可能なスポット処理法が、下記のそれぞれの製造者により提供される指示書に従って使われた。
・オキシクリーン(Oxi clean)しみ除去剤(stain remover){チャーチアンドドゥワイト社(Church and Dwight Co. Inc.)}
・バニッシ オキシアクションホワイト(Vanish(R) Oxi Action
White){レッキットベンカイザーピーエルシー(Reckitt Benckiser Plc);50℃の水100cm内に供給される大さじ1/4の濃度で付けられた}
・バニッシ オキシアクションマルチ(Vanish(R) Oxi Action Multi){レッキットベンカイザーピーエルシー;50℃の水100cm内に供給される大さじ1/4の濃度で付けられた}
・バニッシ オキシアクションプレウォッシュスプレイ(Vanish(R) Oxi
Action pre−wash spray)(レッキットベンカイザーピーエルシー)
・オキシアクション(Oxi action)及びステインファイター(stain fighters)付きバニッシ プレウォッシュ(Vanish(R) pre−wash)しみ除去剤(レッキットベンカイザーピーエルシー)
・ゴーオキシジェン粉末(Go oxygen powder)(エイエスデーエイアール)
【0056】
それぞれのスポット処理を使って処理された該しみの付いた織物は2000cm容量ポリプロピレンコンテナー内に置かれ、上記説明のクリーニング過程に供された。この時間の終わりで該織物は該コンテナーから除去され、開放大気中で乾燥させられた。
【0057】
クリーニングの評価
該乾燥されたしみ付きサンプルは目視評価法を使い評価された。クリーニング済み織物及び元の未クリーニング織物がD65光源下のグレイ背景上に置かれ、例1に詳述した国際ファブリケア学会(アイエフアイ)により使われる評価用に提案されたスケールに基づき1−5スケールを使い目視評価により評価された。
【0058】
表2の結果は、しみ除去がスポット処理を欠いたクリーニングに比較して、商業的スポット処理の各々を使うともっと効果的になることを示す。該種々の商業的スポット処理は同じ様なレベルのしみ除去をもたらした。
【0059】
【表2】

【0060】
例4
織られた綿織物{194g/cm、ホウェーレイ(Whaleys)、ブラドフォード(Bradford)、ユーケー}が下記説明の方法に従ってコーヒー、口紅、ボールペン、トマトケチャップ、靴磨きクリーム、草及び真空掃除機塵でしみを付けられた。
(i)コーヒー
10gのモリソン フルローストコーヒー(Morrisons(R) Full Roast coffee)粉末が50mlの蒸留水内で70℃で溶かされた。続いて該溶液の1cmのアリクォートが合成スポンジを使って5cm直径の円形プラスチックテンプレートの範囲内で、該織物に付けられた。該しみの付いた織物は次いで周囲温度(23℃)で乾燥され、その後該織物は使用前に4日間の暗所内貯蔵によりしみを定着された。(ii)口紅
レブロン スーパーラストラス(Revlon(R) Super Lustrous)口紅{カッパーフロストシェード(copper frost shade)}が、合成スポンジを使って5cm直径の円形プラスチックテンプレートの範囲内を均一にカバーするよう該織物に付けられた。該織物は次いでコーヒー用に詳述された手順に従いしみを定着された。
(iii)ボールペン
黒のペーパーメイト フレックスグリップウルトラ(Paper Mate(R) Flex Grip Ultra)ボールペンが5cm直径の円形プラスチックテンプレートの範囲内で該織物を均一にカバーするよう使われた。該織物は次いでコーヒー用に詳述された手順に従い定着された。
(iv)トマトケチャップ
ハインツのトマトケチャップが合成スポンジを使って5cm直径の円形プラスチックテンプレートの範囲内を均一にカバーするよう該織物に付けられた。該織物は次いでコーヒー用に詳述した手順に従い定着された。
(v)靴磨きクリーム
キウィ(Kiwi(R))黒靴磨きクリームが合成スポンジを使って5cm直径円形プ
ラスチックテプレートの範囲内を均一にカバーするよう該織物に付けられた。該織物は次いでコーヒー用に詳述した手順に従い定着された。
(vi)草
エムジー(MG)7(国家植生分類)ソースから草が手で集められた。10gの該草が鋏で寸断され、電子式ブレンダーを使って200mlの生水とブレンドされた。該混合物は次いで金属シーブを使って濾過され、該濾過液はしみ付け媒体として使われた。これは合成スポンジを使って5cm直径円形プラスチックテンプレートの範囲内を均一にカバーするよう該織物に付けられた。該織物は次いでコーヒー用に詳述された手順に従い定着された。
(vii)真空掃除機塵
真空掃除機塵が一般家庭用の真空バッグから手で集められた。25gの真空掃除機塵が100mlの生水と混合され、該混合物は該織物にしみを付けるため用いられた。これは合成スポンジを使って5cm直径の円形プラスチックテンプレートの範囲内で均一にカバーするよう該織物に付けられた。該織物は次いでコーヒー用に詳述された手順に従って定着された。
【0061】
ここでしみ(i)−(vii)の各々は、標準ゼロスしみセットを構成するために、図1に説明するパターンで1枚の(36cm×30cm)の綿織物片に付けられた。ここで、該パターンは下記の様である。
・コーヒーは頂部左隅にあり、しみの中心は織物片の各エッジから5cmにある。
・口紅は頂部右隅にあり、しみの中心は織物片の各エッジから5cmにある。
・草は底部左隅にあり、しみの中心は織物片の各エッジから5cmにある。
・真空掃除機塵は底部右隅にあり、しみの中心は織物片の各エッジから5cmにある。
・靴磨きクリーム、ケチャップ及びボールペンは該織物片の中央を横切るよう一行に並び、該織物片のエッジから5cmでスタートして、左から右へ各5cm隔てられる。
【0062】
クリーニング操作では、ディストラポール社から得られたナイロン6,6(101エルエヌシー010ザイテル)ビーヅが使われた。
【0063】
洗濯負荷はバラストとして使われたイーエムピーエイテスト材料から得られた4つの綿枕ケースにプラスして上記説明の2つの標準ゼロスしみセットを含んでいる。合計ドライ洗濯負荷質量は1kgであった。
【0064】
この洗濯負荷は1Lの生水、5kgのポリマービーヅそして4g/lのパーシルアールバイオ洗剤と一緒に、533mm×813mmポリプロピレンサック内に置かれた。シールされた該サックはダニューブ回転乾燥機内に置かれ、60℃で30分間及び続く5分のクールダウンのサイクルで運転された。
【0065】
この過程は、各回新しい洗濯負荷を使うが、ビーヅは同じサンプルを使って100回繰り返された。洗濯間には該ビーヅの別のクリーニングは無かった。
【0066】
ゼロス標準しみセットは分析の前に、各洗濯後周囲温度(23℃)で吊り干しされた。
【0067】
クリーニングの評価
達成されたクリーニングのレベルはカラー測定を使い評価された。サンプルの反射率値は、光源D65下で、10°標準オブザーバーを使い、かつパーソナルコンピュータとインターフエースされたデータカラースペクトラフラッシュ(Datacolor Spectraflash)エスエフ(SF)600分光測光器を使って測定され、UV成分は含み、光沢成分は排除し、3cm視認用アパーチャーが使われた。1枚厚さの織物を使う測定が行われた。シーアイイーエルカラー座標が取られ、結果は図2−8で表される。
対照として、同じ測定が比較用の未クリーニングゼロス標準しみセット上で使用された全部で7つのしみについて行われた(それぞれ図2−8で洗濯番号0としてマークされる)。
【0068】
図2−8は全てのしみの種類について、そして全部で100の洗濯運転に亘り、未洗濯しみに比較して、ゼロスクリーニング後に著しいエル(従って良好なしみ除去)の増加を示すことが観察される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚れた支持体をクリーニングする方法であって、前記方法が、固体パーティキュレートクリーニング材料を有する配合物を用いて濡れた該支持体を処理する過程を具備しており、前記配合物が有機溶剤を含まず、前記処理する過程が、少なくとも1つのシールされたコンテナー内で前記支持体及び前記配合物を攪拌する過程を有する方法。
【請求項2】
前記シールされたコンテナーが、金属又はプラスチックのコンテナーを有する請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記金属コンテナーが、ベースコンテナーと取り付け可能な蓋とを有する請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記金属コンテナーが、シール可能な染め壺を有する請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記金属コンテナーが、アルミニウム又はステンレス鋼で形成される請求項3又は4記載の方法。
【請求項6】
前記コンテナーが、堅い又は柔軟なプラスチック材料で形成される請求項2記載の方法。
【請求項7】
前記コンテナーが、ポリアルキレンポリマーで形成された堅いプラスチックコンテナーを有する請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記コンテナーが、ポリアルキレンポリマーで形成された柔軟なプラスチックコンテナーを有する請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記柔軟なプラスチックコンテナーが、結び作業により又はクリップ又は他のアタッチメントによりシールされるバッグを有する請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記ポリアルキレンがポリプロピレンを含む請求項7,8又は9の何れか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記コンテナーが、容積で少なくとも10%の充填空積値を提供する請求項1から10の何れか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記充填空積値が、容積で少なくとも20%である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記充填空積値が、容積で30から60%である請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記コンテナーが、5と50リットルの間の容量を有するポリプロピレンのバッグ又はサックを有する請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記容量が、20と30リットルの間にある請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのコンテナーが、単一のコンテナーを有する請求項1から15の何れか1つに記載の方法。
【請求項17】
前記単一のコンテナーが、多数のコンパートメントを有する請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記支持体が第1コンテナー内に置かれており、該第1コンテナーが次いで第2のコンテナーの内部に置かれる請求項1から15の何れか1つに記載の方法。
【請求項19】
種々の支持体を有する多数のコンテナーの攪拌過程を具備する請求項1から18の何れか1つに記載の方法。
【請求項20】
前記コンテナーが、回転デバイス内で攪拌される請求項1から19の何れか1つに記載の方法。
【請求項21】
前記回転デバイスが回転乾燥機を有する請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記支持体が、プラスチック材料、革、ペーパー、ボール紙、金属又は木を有する請求項1から21の何れか1つに記載の方法。
【請求項23】
前記支持体が、紡織繊維を有する請求項1から21の何れか1つに記載の方法。
【請求項24】
前記紡織繊維が、天然繊維を有する請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記天然繊維が、綿を有する請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記紡織繊維が、合成繊維を有する請求項23記載の方法。
【請求項27】
前記合成繊維が、ナイロン6,6又はポリエステルを有する請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記支持体が、主管水又は生水との接触により濡らされる請求項1から27の何れか1つに記載の方法。
【請求項29】
前記支持体が、重量比で2.5:1及び0.1:1の間の支持体対水比を達成するよう濡らされる請求項1から28の何れか1つに記載の方法。
【請求項30】
前記比が、2.0:1と0.8:1の間にある請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記比が、1.5:1、1.2:1又は1.1:1である請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記固体パーティキュレートクリーニング材料が、多数のポリマー粒子を有する請求項1から31の何れか1つに記載の方法。
【請求項33】
前記ポリマー粒子が、ポリアルケン又はポリウレタン、又はそれらのコーポリマーの粒子を有する請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記ポリマー粒子が、ポリイミド又はポリエステルの粒子又はそれらのコーポリマーを有する請求項32記載の方法。
【請求項35】
前記ポリアミド粒子が、ナイロンビーヅを有する請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記ポリアミド粒子が、ナイロン6又はナイロン6,6を有する請求項34又は35記載の方法。
【請求項37】
前記ポリアミド粒子が、ナイロン6,6ホモポリマーを有する請求項34から36の何
れか1つに記載の方法。
【請求項38】
前記ナイロン6,6ホモポリマーが、5000から30000ドールトンの領域の分子量を有する請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記分子量が、15000から20000ドールトンの領域内にある請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記分子量が、15000から16000ドールトンの領域内にある請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記ポリエステル粒子が、ポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートの粒子を有する請求項34記載の方法。
【請求項42】
前記ポリエステルが、ASTM D−4603により測定した0.3から1.5dl/gの範囲内の固有粘度測定値に対応する分子量を有する請求項34又は41に記載の方法。
【請求項43】
前記ポリマー粒子が、球形又は直方体の形である請求項32から42の何れか1つに記載の方法。
【請求項44】
前記ポリマー粒子が、円柱形の形である請求項32から42の何れか1つに記載の方法。
【請求項45】
前記円柱形の粒子が、0.5から6.0mmの領域内の平均粒子直径を有する請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記平均粒子直径が、1.0から5.0mmの領域内にある請求項45記載の方法。
【請求項47】
前記平均粒子直径が、2.5から4.5mmの領域内にある請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記円柱形粒子の長さが、0.5から6.0mmの範囲内にある請求項44から47の何れか1つに記載の方法。
【請求項49】
前記長さが、1.5から4.5mmの範囲内にある請求項48記載の方法。
【請求項50】
前記長さが、2.0から3.0mmの領域内にある請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記ポリマー粒子が、5から100mgの領域内にある平均質量を有する請求項32から50の何れか1つに記載の方法。
【請求項52】
前記平均質量が、10から30mgの領域内にある請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記配合物が、少なくとも1つの追加クリーニング剤を有する請求項1から52の何れか1つに記載の方法。
【請求項54】
前記少なくとも1つの追加クリーニング剤が、少なくとも1つの界面活性剤を有する請求項53記載の方法。
【請求項55】
前記界面活性剤が、洗剤特性を有する界面活性剤を備える請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記界面活性剤が、少なくとも1つの陽イオン性、陰イオン性及び/又は非イオン性界面活性剤を有する請求項54又は55に記載の方法。
【請求項57】
前記少なくとも1つの追加クリーニング剤が、前記固体パーティキュレートクリーニング材料と混合される請求項53から56の何れか1つに記載の方法。
【請求項58】
前記固体パーティキュレートクリーニング材料対紡織繊維の比が、重量比で30:1から0.1:1の範囲内にある請求項23から57の何れか1つに記載の方法。
【請求項59】
前記比が、重量比で10:1から1:1の領域内にある請求項58記載の方法。
【請求項60】
前記比が、重量比で5:1から1:1の領域内にある請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記比が、重量比で4:1である請求項60記載の方法。
【請求項62】
バッチ式過程を有する請求項1から61の何れか1つに記載の方法。
【請求項63】
前記処理が、30と90℃の間の温度で行われる請求項1から62の何れか1つに記載の方法。
【請求項64】
前記処理が、10分と1時間の間の持続時間の間で行われる請求項1から63の何れか1つに記載の方法。
【請求項65】
何れの時に於けるにせよ、紡織繊維からしみを取り除くために、前記繊維に適用されたウォッシュオフ手順用に、又は前記繊維の精錬用に、用いられる請求項1から64の何れか1つに記載の方法。
【請求項66】
何れの時に於いても、家庭用又は工業用クリーニング過程で使われる請求項1から65の何れか1つに記載の方法。
【請求項67】
何れの時に於いても、請求項1から66の何れか1つに記載の方法により得られるクリーニングされた支持体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−525892(P2012−525892A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509097(P2012−509097)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050752
【国際公開番号】WO2010/128337
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(511201288)ゼロス・リミテツド (4)
【Fターム(参考)】