説明

新聞紙面制作システム

【課題】区切罫を自動的に配置するようにし、オペレータの負担を軽減すること。
【解決手段】本発明は、記事、画像、写真及びこの写真の説明文を含む素材のうちの少なくとも何れかを新聞紙面上に配置して新聞紙面を制作する新聞紙面制作システムにおいて、写真及びこの写真の説明文が新聞紙面上に配置された場合には、写真と説明文との新聞紙面上における位置関係に基づいて、新聞紙面上に配置された説明文をそれに隣接配置された素材と区切る区切罫を新聞紙面上に配置するか否かを判定する区切罫判定部52を備えている。また、区切罫判定部52によって区切罫を配置すると判定された場合には、区切罫を新聞紙面上に配置する区切罫配置部53を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞紙面上に割り付けられた各レイアウト領域に、記事、画像、写真、及び写真の説明文を含む素材を配置することによって新聞紙面を制作するシステムに係り、特に、写真の説明文を、それに隣接配置された素材と区切る区切罫を配置するのに好適なシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、新聞紙面の制作は、図34に示すようなシステム構成の新聞紙面制作システムを用いてなされている。このような新聞紙面制作システムは、通常は新聞社に設置され、記事入力/校正端末1と、記事サーバ2と、画像入力/加工端末3と、画像サーバ4と、組版端末5と、組版編集サーバ6と、紙面データ格納部7と、出力サーバ8と、プリンタ/プロッタ9とによって構成されている。
【0003】
記事入力/校正端末1は、記事や、写真の説明文の入力および校正を行うための端末であり、オペレータによって記事データや説明文データが入力されると、入力された記事データや説明文データは、この記事入力/校正端末1によって記事サーバ2に出力される。また、この記事入力/校正端末1によって、記事サーバ2に蓄積されている記事データや説明文データが取得される。この取得された記事データや説明文データは、記事入力/校正端末1を介してなされるオペレータ操作によって校正がなされ、更に校正された記事データや説明文データは、記事入力/校正端末1から記事サーバ2に再び出力される。
【0004】
記事サーバ2では、このようにして記事入力/校正端末1から入力された記事データや説明文データの他に、図示しない通信回線を経由して通信社などから入力された記事データや説明文データも送信される。この送信された記事データや説明文データもまた記事サーバ2に蓄積される。更に、記事入力/校正端末1からの校正要求に基づいて、蓄積している記事データや説明文データの中から、要求のあった記事データや説明文データが、記事サーバ2から記事入力/校正端末1へと出力される。更に、記事サーバ2に蓄積されている記事データや説明文データは、オペレータ指示に基づいて組版編集サーバ6に出力され、組版編集サーバ6でなされる組版編集に供される。
【0005】
スキャナやディスプレイ等が備えられている画像入力/加工端末3では、画像データや写真データの入力、およびこれらデータの加工が行われる。入力された画像データや写真データは、画像入力/加工端末3から画像サーバ4へと出力される。また、オペレータから入力された画像データや写真データの加工操作入力に基づいて画像データや写真データの加工が行われ、加工されたデータは、この画像入力/加工端末3から画像サーバ4へと出力される。
【0006】
画像入力/加工端末3から出力されたデータは、画像サーバ4に蓄積される。また、画像サーバ4に蓄積されている画像データや写真データは、画像入力/加工端末3から要求があると、画像入力/加工端末3に出力される。また、オペレータから指示があった場合には、組版編集サーバ6に出力され、ここで行われる組版編集に供される。
【0007】
組版端末5は、オペレータが、記事、画像、写真、写真の説明文、および見出しのレイアウト編集を行うための操作入力を行う端末であり、各オペレータに対して1台ずつ備えられている。図34では、代表的に1台の組版端末5のみを示している。各オペレータは、自分が担当する組版端末5を操作することによってレイアウト編集作業を行っている。
【0008】
組版編集サーバ6では、組版端末5から出力された操作情報に基づいて、紙面データ71の編集作業が行われる。そして、このように組版編集サーバ6で編集作業がなされた紙面データ71は、紙面データ格納部7に格納される。また、一旦格納された紙面データ71が再び組版編集サーバ6へと読み出され、再び編集作業が行われた後に紙面データ格納部7に格納されることも可能である。
【0009】
出力サーバ8では、組版端末5からの大刷/版下出力指示にしたがって、組版編集サーバ6から出力された紙面データ71がドットデータに展開される。このように展開されたドットデータに基づいて、プリンタ/プロッタ9から大刷や版下が出力される。
【0010】
さて、このような編集作業によって配置される写真とその説明文との位置関係は、一般的に、図35に示すような2ケースに分類されている。図35(a)は、新聞紙面10上において写真12とその説明文(以下、「写真説明文」と称する)14とが一体的に配置されている第1のケース(以下、「写真/写真説明文一体型」と称する)である。この場合、写真説明文14と、本文16とは分離しているので、写真説明文14と本文16とを区切る区切罫を配置しなくても、読者は、写真説明文14と本文16とを互いに認識することができる。
【0011】
一方、図35(b)は、新聞紙面10上において、写真説明文14と本文16とが配置上混じってしまう第2のケース(以下、「写真説明文張出型」と称する)である。このような場合、図35(b)に示すように、読者が、写真説明文14と本文16とを混同することなく認識できるように、オペレータは、組版端末5を操作することによって、写真説明文14と本文16との境界を示す区切罫18を配置する必要がある。
【0012】
新聞紙面10が完成するまでは、記事、画像、写真、および写真説明文の変更や差替が頻繁に行われるのが常である。このような場合には、その都度、写真説明文14と本文16の区切罫18の配置を取り消し、しかる後に、新たな配置条件に応じて区切罫18の再度配置操作をしなければならない。
【0013】
また、新聞紙面10における全体レイアウトの都合で、写真12と写真説明文14の位置パターンを変更した場合も、変更後の配置条件に応じて、区切罫18の配置位置の変更操作をしなければならない。
【0014】
このような位置パターンの変更としては、例えば、図35(a)に示すような写真/写真説明文一体型から、図35(b)に示すような写真説明文張出型へ変更した場合がある。この場合は、写真説明文14と本文16とを区切る区切罫18を、該当する位置に新たに配置しなければならない。また、逆に、図35(b)に示すような写真説明文張出型から、図35(a)に示すような写真/写真説明文一体型へ変更した場合もある。この場合は、既に配置した区切罫18を除去する必要がある。また、写真説明文張出型であるものの、写真説明文14の張り出し位置を変更した場合もある。この場合は、変更前の区切罫18を削除し、変更後の写真説明文14と本文16との間に、区切罫18を新たに配置しなければならない。
【特許文献1】特開平5−286107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、このような従来の新聞紙面制作システムでは、以下のような問題がある。
【0016】
すなわち、区切罫18の再配置は、上述したように記事、画像、写真、および写真説明文の変更や差替、あるいはレイアウト全体の変更がある毎に、それにあわせて必要となる。
【0017】
区切罫18の配置操作自体は、機械的で単純ではあるが、頻繁に発生することから煩雑に感じるものである。しかも、新聞紙面の配置作業が完成した時点で区切罫18を引き忘れたことに気がついた場合には、紙面レイアウトルール上不自然になり、手直しを要するために、オペレータは、引き忘れがないように、細心の注意を払って区切罫18の配置操作を行わねばならない。
【0018】
このように、区切罫18の配置操作は、オペレータにとって極めて負担の大きい作業となっているという問題がある。
【0019】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、区切罫を自動的に配置するようにし、もって、オペレータの負担の軽減を図ることが可能な新聞紙面制作システムを提供することを目的とする。
【0020】
なお、本願発明に近いと思われる先行文献としては、上記特許文献1がある。特許文献1では、新聞紙面上における素材のレイアウト調整を自動的に行う技術が開示されている。しかしながら、本願発明で対象としている区切罫の自動配置についての記載はなされていない。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0022】
請求項1の発明は、記事、画像、写真及びこの写真の説明文を含む素材のうちの少なくとも何れかを新聞紙面上に配置して新聞紙面を制作する新聞紙面制作システムにおいて、判定手段と、区切罫配置手段とを備えている。
【0023】
判定手段は、写真及びこの写真の説明文が新聞紙面上に配置された場合には、写真と説明文との新聞紙面上における位置関係に基づいて、新聞紙面上に配置された説明文をそれに隣接配置された素材と区切る区切罫を新聞紙面上に配置するか否かを判定する。区切罫配置手段は、判定手段によって区切罫を配置すると判定された場合には、区切罫を新聞紙面上に配置する。
【0024】
従って、請求項1の発明の新聞紙面制作システムにおいては、以上のような手段を講じることにより、写真と写真説明文とを配置する場合、写真と写真説明文との位置関係に基づいて、写真説明文と、それに隣接配置された本文記事等の素材との区切罫を自動的に配置することができる。その結果、オペレータによる区切罫の配置操作を不要とし、オペレータの負担を低減することが可能となる。
【0025】
請求項2の発明は、請求項1の発明の新聞紙面制作システムにおいて、区切罫の罫種と罫幅を含む書式情報を保持する書式情報保持手段を更に備えている。そして、区切罫配置手段が区切罫を配置する場合には、書式情報保持手段に保持された書式情報に従って区切罫を配置する。
【0026】
従って、請求項2の発明の新聞紙面制作システムにおいては、以上のような手段を講じることにより、区切罫の罫種や罫幅といった書式を自在に設定することが可能となる。
【0027】
請求項3の発明は、請求項2の発明の新聞紙面制作システムにおいて、区切罫によって隣接配置された素材と区切られている説明文と、この説明文に対応する写真との位置関係が変更された場合には、判定手段は、変更された位置関係に基づいて、位置関係が変更された説明文に対する区切罫の配置場所を変更するか否か判定する。そして、区切罫配置手段は、判定手段によって区切罫の配置場所を変更すると判定された場合には、書式情報保持手段に保持された書式情報に基づいて区切罫の配置場所を変更する。
【0028】
従って、請求項3の発明の新聞紙面制作システムにおいては、以上のような手段を講じることにより、素材の差替や、レイアウト変更等により、説明文と写真との位置関係が変更された場合であっても、変更後の位置関係に基づいて、写真説明文と、それに隣接配置された本文記事等の素材との区切罫の配置場所を、それにあわせて変更することができる。その結果、オペレータによる区切罫の配置操作を不要とし、オペレータの負担を低減することが可能となる。
【0029】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のうち何れか1項の発明の新聞紙面制作システムにおいて、区切罫によって隣接配置された素材と区切られている説明文に対応する写真の配置が取り消された場合には、写真、この写真の説明文、この説明文とそれに隣接配置された素材とを区切る区切罫を新聞紙面から消去する消去手段を更に備えている。
【0030】
従って、請求項4の発明の新聞紙面制作システムにおいては、以上のような手段を講じることにより、写真の配置が取り消された場合には、関係する写真、写真説明文、および区切罫を共に新聞紙面から消去することができるので、オペレータの負担を軽減することが可能となる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の新聞紙面制作システムによれば、区切罫を自動的に配置することができ、もって、オペレータの負担の軽減を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
【0033】
なお、以下の形態の説明に用いる図中の符号は、図34乃至図35と同一部分については同一符号を付して示すことにする。
【0034】
本発明の実施の形態に係る新聞紙面制作システムは、記事、画像、写真及びこの写真の説明文を含む素材を新聞紙面上に配置して新聞紙面を制作する新聞紙面制作システムであって、図34に示す従来技術の新聞紙面制作システムの組版端末5や組版編集サーバ6上などに実装可能であるが、ここでは一例として、組版端末5に実装した構成について説明する。
【0035】
図1は、本発明の実施の形態に係る新聞紙面制作システムの組版端末5の詳細構成例を示す機能ブロック図である。
【0036】
すなわち、本発明の実施の形態に係る新聞紙面制作システムは、組版端末5に、オペレータ入力部50と、紙面データ保持部51と、区切罫判定部52と、区切罫配置部53と、書式情報保持部54と、区切罫消去部55とを備えている。
【0037】
オペレータ入力部50は、この処理に必要な情報の入力をオペレータから受け付け、入力された情報を区切罫判定部52に出力する。
【0038】
紙面データ保持部51は、紙面データ格納部7に格納されている紙面データ71(#1〜#n)の中から、処理する紙面データ71を組版編集サーバ6を介して取得する。区切罫判定部52、区切罫配置部53、書式情報保持部54、及び区切罫消去部55は、紙面データ保持部51に保持された紙面データ71を対象に区切罫の配置、配置場所の変更、消去等の処理を行う。そして、保持している紙面データ71に対するこれら処理が完了すると、紙面データ保持部51は、この紙面データ71を、組版編集サーバ6に出力する。このようにして組版編集サーバ6に出力された紙面データ71は、組版編集サーバ6における編集処理に供されたり、組版編集サーバ6から更に紙面データ格納部7に送られ、ここで保持される。
【0039】
紙面データ71の構成例を以下に説明する。すなわち、紙面データ71は、図2に示すような管理情報と、図3から図11に示すような各素材データと、図12に示すような実データテーブルとからなっている。
【0040】
管理情報は、図2に示すように、掲載年月日71KN、面名71MN、版名71HN、印刷ページ番号71PG、体裁情報(組方向、段数、字詰、文字サイズ、段間、行間など)71TS、紙面X方向寸法71PX、紙面Y方向寸法71PYの各データからなっている。
【0041】
素材データは、紙面への配置が検討されている全ての素材毎に存在するものである。したがって、例えば、本文a、写真b、写真説明文c、本文d、写真e、写真説明文f、区切罫g、区切罫h、区切罫iの各素材データの配置が検討されている紙面の場合においては、図3から図11に示すように、これら各素材毎に素材データが存在する。これはあくまで紙面に9つの素材を配置する場合の例であって、これ以上の素材が配置される場合も、またこれ以下の素材の配置で済む場合もある。何れの場合においても、配置される素材毎にこのような素材データが存在する。
【0042】
このような素材データのデータ構成は、本文の場合、#1素材データ(本文a)を対象とした図3に示すように、素材種別71SB、素材属性71PR、素材ID番号71ID、配置情報71FL、配置位置座標71LM、配置領域寸法71SZ、仮見出71KM、テキスト格納アドレス情報71AD、レイアウト済テキスト格納アドレス情報71BDを持つ。図6も本文に関する素材データであるので同様なデータ構成をしている。
【0043】
一方、写真の場合、#2素材データ(写真b)を対象とした図4に示すように、図3に示すような本文の素材データのテキスト格納アドレス情報71ADおよびレイアウト済テキスト格納アドレス情報71BDに代えて、画像の付属情報71FZ、表示画格納アドレス情報71AD、実画像格納アドレス情報71BDを持っている。なお、画像の付属情報71FZは、画像の寸法71FZ1、カラー/モノクロ71FZ2、トリミング情報71FZ3、および画像形式71FZ4を含んでいる。図7も写真に関する素材データであるので同様なデータ構成をしている。
【0044】
また、写真説明文の場合、#3素材データ(写真説明文c)を対象とした図5に示すように、図3に示すような本文の素材データに加えて、写真説明文の付属情報71FZを持っている。なお、この付属情報71FZは、写真の素材ID番号71FZ1、パターン分類71FZ2、写真説明文が接する写真の辺71FZ3、写真説明文の写真に対する揃え71FZ4、および写真説明文と本文との区切罫71FZ5を含んでいる。図8も写真説明文に関する素材データであるので同様なデータ構成をしている。
【0045】
また、区切罫の場合、#7素材データ(区切罫g)を対象とした図9に示すように、図5に示すような写真説明文cの素材データの仮見出し71KMを無くし、更に付属情報71FZの構成を変更している。すなわち、区切罫の場合は、付属情報71FZとして罫種71FZ1、罫幅71FZ2、縦・横区分71FZ3を備えている。図10および図11も区切罫に関する素材データであるので同様なデータ構成をしている。
【0046】
実データは、図12に示すように、#n素材データ毎の本文のテキスト71TX(#n)、レイアウト済テキスト71LX(#n)、写真の表示画データ71HI(1#n)、画像の実画像データ71RI(1#n)、写真説明文のテキスト71TX(#n)、写真説明文のレイアウト済テキスト71LX(#3)からなっている。
【0047】
区切罫判定部52は、オペレータ入力部50を介してなされたオペレータからの入力にしたがい、紙面データ保持部51に保持された紙面データ71に基づいて、写真説明文14が新聞紙面10上に配置されている場合には、この写真12と写真説明文14との新聞紙面10上における位置関係を把握する。そして、この把握した位置関係に基づいて、この写真説明文14に対する区切罫18を新聞紙面10上に配置するか否かを判定する。このような処理を、紙面データ保持部51が紙面データ71を保持する毎に行うことによって、区切罫18が配置されていない紙面データ71についてはもちろん、既に区切罫18が配置されており、その後レイアウトの変更や素材の差し替え等により、区切罫18の配置位置の変更が必要になった紙面データ71に対しても適切な位置に変更できるようにしている。
【0048】
書式情報保持部54は、図13に示すようなデータ構成をした書式情報テーブル540を備えている。書式情報テーブル540は、区切罫の罫種54KS、罫幅54KH、天/左方向空き値54TA、地/右方向空き値54BAの区切罫の書式を決定するパラメータを保持している。なお、罫種54KSは、図14に示すような「リーダ」、図15に示すような「カスミ」、図16に示すような「双柱」がある(何れも縦組レイアウトの場合)。また、罫幅54KHにおける「四分」とは、1行の1/4幅のことであり、他に1行の1/3幅である「三分」や、1行の1/2幅である「半角」又は「二分」、1行の幅である「全角」がある。
【0049】
区切罫配置部53は、区切罫判定部52によって区切罫を引くと判定された場合には、区切罫を新聞紙面上に配置し、それを紙面データ71に反映することによって紙面データ保持部51に保持されている紙面データ71の内容を更新する。なお、この場合、書式情報保持部54から書式情報テーブル540を取得し、書式情報テーブル540で定義されている書式情報に従って区切罫を配置する。
【0050】
区切罫消去部55は、紙面データ保持部51に保持された紙面データ71に基づいて、既に配置されている区切罫18に対応する写真説明文14に対応する写真12の配置が取り消された場合には、この写真12、写真説明文14、及び区切罫18を新聞紙面10から消去し、それを紙面データ71に反映する。
【0051】
このような構成の本発明の実施の形態に係る新聞紙面制作システムは、縦組のレイアウト、及び横組のレイアウトの何れについても適用可能であるが、本明細書では、縦組レイアウトを例に説明している。また、説明を簡潔にするためにレイアウト中に発生する重なりやはみだしなどの各種エラーのチェックに関しては記述を省略する。
【0052】
次に、以上のように構成した本発明の実施の形態に係る新聞制作システムの区切罫配置処理における動作について説明する。
【0053】
まず、写真説明文14に対して新たに区切罫18を配置する場合の動作について図17乃至図18に示すフローチャートを用いて説明する。
【0054】
まず、写真説明文14に対して新たに区切罫18を配置する場合には、紙面データ格納部7から、対象の紙面データ71が、組版編集サーバ6を介して組版端末5の紙面データ保持部51に取得される。また、書式情報保持部54には、図13に示すようなデータ構成の書式情報テーブル540が保持されている。
【0055】
そして、オペレータが、オペレータ入力部50を操作することにより、処理対象とする写真12、写真説明文14、およびこれらの位置パターンの指定入力を行う(S1)。区切罫18を配置する必要がある場合は、図35(b)に示したような張出型の場合である。したがって、ステップS1で入力された位置パターンの指定入力が張出型である場合と、そうでない一体型とで以下の処理は分かれる(S2)。
【0056】
位置パターンが張出型である場合(S2:Yes)には、紙面データ保持部51に保持されている紙面データ71が区切罫判定部52に読み出され、区切罫判定部52によって、ステップS1で指定された写真12の素材データの配置情報71FLが「配置済」とされる(S3)。
【0057】
次に、オペレータは、オペレータ入力部50から、この写真12の配置位置および配置領域を入力する(S4)。すると、区切罫判定部52において、配置位置から配置位置座標71LMが、配置領域から配置領域寸法71SZがそれぞれ計算され、それぞれ紙面データ71におけるこの写真12の素材データに書き込まれる(S5)。以上により、写真12の素材データが確定され、写真12の新聞紙面10上への配置がなされるようになる。
【0058】
次に、オペレータにより、オペレータ入力部50から張出型のタイプの指定入力がなされ(S6)、これに基づいて、写真説明文14の新聞紙面10上への配置処理がなされる。張出型のタイプは図19に示すように、H1からH8までの8タイプに分類される。図20は、これら各タイプにおける写真12と写真説明文14との位置関係を示す模式図である。
【0059】
例えば、タイプH1は、(a)写真説明文14(#H1)が接する写真12の辺は上辺、(b)写真説明文14(#H1)の写真12の辺に対する揃えは左揃え、(c)写真説明文14(#H1)の段方向寸法は1段分、(d)写真説明文14(#H1)の組方向は縦組、(e)写真説明文14(#H1)と本文との区切罫18の位置は、写真説明文14(#H1)の右側となる。なお、(c)写真説明文の段方向寸法は、1段分に限るものではない。また、(d)写真説明文の組方向は、縦組に限るものではなく、横組にすることも可能である。
【0060】
このように張出型のタイプが指定されると、区切罫判定部52によって、この写真説明文14の段方向寸法(c)に基づいて、写真説明文14のテキスト71TXがレイアウトされ、レイアウト済テキスト71LXが作成される(S7)。更に、段方向寸法(c)と、レイアウト済テキスト71LXとから、配置領域寸法71SZが計算される(S8)。
【0061】
次に、区切罫判定部52によって、ステップS6で指定されたタイプに対応する、図21に示す写真説明文14の配置位置座標の計算式(f)から、この写真説明文14の配置位置座標71LMが計算される(S9)。配置位置座標71LMは、図21の(f)に示すように、X座標(xt)とY座標(yt)との2次元からなる。図21の(f)に示す各計算式で使用されているパラメータは、図22に示す通りである。すなわち、(xs,ys)は写真12の配置位置座標、(PX,PY)は写真12の配置領域寸法、(xt,yt)は写真説明文14の配置位置座標、(AX,AY)は写真説明文14の配置領域寸法である。この場合、原点は、新聞紙面10の右上としている。その後、区切罫判定部52によって、写真説明文14の素材データの配置情報71FLが配置済とされる(S10)。
【0062】
そして、ステップS8で計算された配置領域寸法71SZ、ステップS9で計算された配置位置座標71LMが、写真説明文14の素材データに書き込まれる。また、写真説明文14の付属情報71FZをオペレータ入力部50から入力する。これらも写真説明文14の素材データに書き込まれる(S11)。
【0063】
更に、ステップS7で作成されたレイアウト済テキスト71LXが、実データテーブルに登録されるとともに、写真説明文14のレイアウト済テキストの格納アドレス情報71BDが、素材データに書き込まれる(S12)。以上により、写真説明文14の素材データが確定され、写真説明文14の新聞紙面10上への配置がなされるようになる。
【0064】
次に、紙面データ71が区切罫判定部52から区切罫配置部53に送られ、区切罫配置部53によって、以下に示すようにして区切罫18の配置処理が行われる。すなわち、区切罫判定部52からの紙面データ71が区切罫配置部53へと送られると、書式情報保持部54に保持されている書式情報テーブル540が、区切罫配置部53によって読み取られる。これによって、区切罫配置部53によって、区切罫18の罫種54KS、罫幅54KH、天/左方向空き値54TA、および地/右方向空き値54BAが把握される(S13)。
【0065】
すると、区切罫配置部53によって、ステップS6で指定されたタイプに対応する、図23に示す区切罫18の配置位置座標と配置領域寸法の計算式(g)から、区切罫18の配置位置座標71LXと配置領域寸法71SZとが計算される(S14)。なお、計算式(g)で使用されている(xt,yt)は写真説明文14の配置位置座標、(AX,AY)は写真説明文14の配置領域寸法、(xu,yu)は区切罫18の配置位置座標、(CX,CY)は区切罫18の配置位置寸法、Kは区切罫18の罫幅、mは区切罫18の天/左方向の空き値、nは地/右方向の空き値である。
【0066】
次に、区切罫配置部53によって、紙面データ71の素材データの空きレコードが探索され、そこに素材種別71SB、素材属性71PR、素材ID番号71ID、配置情報71FL(=「配置済」)、配置位置座標71LM、配置領域寸法71SZ、および付属情報71FZが書き込まれる(S15)。以上により、区切罫18の素材データが確定され、区切罫18の新聞紙面10上への配置がなされるようになる。
【0067】
そして、ステップS5において作成された写真12の素材データ、ステップS11およびステップS12において作成された写真説明文14の素材データ、およびステップS15において作成された区切罫18の素材データに基づいて、新聞紙面10上に写真12、写真説明文14、および区切罫18が配置され、そのイメージが表示されるようになる(S16)。
【0068】
一方、ステップS2において、位置パターンが張出型ではない場合、すなわち一体型である場合(S2:No)には、紙面データ保持部51に保持されている紙面データ71が区切罫判定部52に読み出され、区切罫判定部52によって、ステップS1で指定された写真12の素材データの配置情報71FLが「配置済」とされる(S17)。
【0069】
次に、オペレータは、オペレータ入力部50から、この写真12の配置位置および配置領域を入力する(S18)。すると、区切罫判定部52において、配置位置から配置位置座標71LMが、配置領域から配置領域寸法71SZがそれぞれ計算され、それぞれ紙面データ71における素材データに書き込まれる(S19)。以上により、写真12の素材データが確定され、写真12の新聞紙面10上への配置がなされるようになる。
【0070】
次に、オペレータにより、オペレータ入力部50から配置タイプの指定入力がなされ(S20)、これに基づいて、写真説明文14の新聞紙面10上への配置処理がなされる。一体型の配置タイプは図24に示すように、I1からI4までの4タイプに分類される。図25は、これら一体型の各配置タイプにおける写真12と写真説明文14との位置関係を示す模式図である。
【0071】
例えば、タイプI1は、(a)写真説明文14(#I1)が接する写真12の辺は上辺、(b)写真説明文14(#H1)の写真12の辺に対する揃えは一体揃え、(c)写真説明文14(#I1)の段方向寸法は成り行き、(d)写真説明文14(#I1)の組方向は横組、(e)写真説明文14(#I1)と本文との区切罫18の位置は「なし」となる。なお、(d)写真説明文の組方向は、横組に限るものではなく、縦組にすることも可能である。
【0072】
このように配置タイプが指定されると、区切罫判定部52によって、この写真説明文14の段方向寸法(c)に基づいて、写真説明文14のテキスト71TXがレイアウトされ、レイアウト済テキスト71LXが作成される(S21)。更に、段方向寸法(c)と、レイアウト済テキスト71LXとから、配置領域寸法71SZが計算される(S22)。
【0073】
次に、区切罫判定部52によって、ステップS20で指定された配置タイプに対応する、図26に示す写真説明文14の配置位置座標の計算式(h)から、この写真説明文14の配置位置座標71LMが計算される(S23)。配置位置座標71LMは、図26の(h)に示すように、X座標(xt)とY座標(yt)との2次元からなる。図26の(h)に示す各計算式で使用されているパラメータは、図27に示す通りである。すなわち、(xs,ys)は写真12の配置位置座標、(PX,PY)は写真12の配置領域寸法、(xt,yt)は写真説明文14の配置位置座標、(AX,AY)は写真説明文14の配置領域寸法である。この場合、原点は、新聞紙面10の右上としている。その後、区切罫判定部52によって、写真説明文14の素材データの配置情報71FLが配置済とされる(S24)。
【0074】
そして、ステップS22で計算された配置領域寸法71SZ、ステップS23で計算された配置位置座標71LMが、写真説明文14の素材データに書き込まれる。また、写真説明文14の付属情報71FZをオペレータ入力部50から入力する。これらも写真説明文14の素材データに書き込まれる(S25)。
【0075】
更に、ステップS21で作成されたレイアウト済テキスト71LXが、実データテーブルに登録されるとともに、写真説明文14のレイアウト済テキストの格納アドレス情報71BDが、素材データに書き込まれる(S26)。以上により、写真説明文14の素材データが確定され、写真説明文14の新聞紙面10上への配置がなされるようになる。
【0076】
そして、ステップS19において作成された写真12の素材データ、およびステップS25およびステップS26において作成された写真説明文14の素材データに基づいて、新聞紙面10上に写真12と写真説明文14とが配置され、そのイメージが表示されるようになる(S27)。
【0077】
以上のようにして、新規の区切罫18が配置される。
【0078】
次に、区切罫18が一旦配置された状態から、写真12と写真説明文14との位置パターンを変更する場合の動作について図28乃至図30に示すフローチャートを用いて説明する。
【0079】
まず、紙面データ格納部7から、対象の紙面データ71が、組版編集サーバ6を介して組版端末5の紙面データ保持部51に取得される。そして、オペレータが、オペレータ入力部50から、位置パターンが変更された写真12の素材ID番号71IDを入力する(S31)。すると、区切罫判定部52によって、この素材ID番号71IDに従って、紙面データ71から、対応する写真説明文14の素材データが探索される(S32)。これによって、変更前の位置パターンが張出型であったか一体型であったかが、区切罫判定部52によって判定される。
【0080】
次に、オペレータが、オペレータ入力部50を操作することにより、変更対象とする写真12と写真説明文14との変更後の位置パターンの指定入力を行う(S33)。
【0081】
そして、変更前の位置パターンが張出型であり(S34:Yes)、更に変更後の位置パターンが張出型である場合(S35:Yes)には、区切罫判定部52によって、変更対象とする写真説明文14の素材データ内の付属情報71FZから、区切罫18の素材ID番号71FZ5が取得され、この素材ID番号71FZ5に対応する区切罫18の素材データが探索される(S36)。更に、区切罫消去部55によって紙面レイアウト上における位置パターン変更前の写真説明文14とその区切罫18の表示が消去される(S37)。
【0082】
次に、ステップS33で指定入力された変更後の位置パターンに基づいて、区切罫判定部52によって、図21に示す計算式(f)に従って位置パターン変更後の写真説明文14の配置位置座標71LMが計算され、更に、その素材データの配置位置座標71LM、付属情報71FZの内容が書き換えられる(S38)。
【0083】
次に、ステップS36において探索された区切罫18について、位置パターン変更後の配置位置座標71LMが、図23に示す計算式(g)に従って計算され、更にその素材データの配置位置座標71LMの内容が書き換えられる(S39)。
【0084】
そして、ステップS38において書き換えられた写真説明文14の素材データ、およびステップS39において作成された区切罫18の素材データに基づいて、新聞紙面10上に写真説明文14と区切罫18とが配置され、そのイメージが表示されるようになる(S40)。
【0085】
一方、変更後の位置パターンが張出型ではなく、一体型である場合(S35:No)には、区切罫判定部52によって、変更対象とする写真説明文14の素材データ内の付属情報71FZから、区切罫18の素材ID番号71FZ5が取得され、この素材ID番号71FZ5に対応する区切罫18の素材データが探索される(S41)。更に、区切罫消去部55によって紙面レイアウト上における位置パターン変更前の写真説明文14とその区切罫18の表示が消去される(S42)。
【0086】
次に、区切罫判定部52によって、この写真説明文14の段方向寸法(c)に基づいて、写真説明文14のテキスト71TXがレイアウトされ、レイアウト済テキスト71LXが作成される(S43)。更に、段方向寸法(c)と、レイアウト済テキスト71LXとから、配置領域寸法71SZが計算される(S44)。
【0087】
次に、区切罫判定部52によって、変更後の配置タイプに対応する、図26に示す写真説明文14の配置位置座標の計算式(h)から、この写真説明文14の配置位置座標71LMが計算される(S45)。
【0088】
そして、ステップS44で計算された配置領域寸法71SZと、ステップS45で計算された配置位置座標71LMが、写真説明文14の素材データに書き込まれる。また、写真説明文14の付属情報71FZも写真説明文14の素材データに書き込まれる(S46)。
【0089】
更に、ステップS43で作成されたレイアウト済テキスト71LXが、実データテーブルに登録されるとともに、写真説明文14のレイアウト済テキストの格納アドレス情報71BDが、素材データに書き込まれる(S47)。以上により、写真説明文14の素材データが確定され、この写真説明文14と、対応する写真12の新聞紙面10上への配置がなされるようになる(S48)。
【0090】
また、ステップS34において、変更前の位置パターンが張出型ではなく(S34:No)、変更後の位置パターンが張出型である場合(S49:Yes)には、区切罫消去部55によって、紙面レイアウト上における位置パターン変更前の写真説明文14の表示が消去される(S50)。
【0091】
次に、区切罫判定部52によって、この写真説明文14の段方向寸法(c)に基づいて、写真説明文14のテキスト71TXがレイアウトされ、レイアウト済テキスト71LXが作成される(S51)。更に、段方向寸法(c)と、レイアウト済テキスト71LXとから、配置領域寸法71SZが計算される(S52)。
【0092】
次に、区切罫判定部52によって、変更後の配置タイプに対応する、図21に示す写真説明文14の配置位置座標の計算式(f)から、この写真説明文14の配置位置座標71LMが計算される(S53)。その後、区切罫判定部52によって、写真説明文14の素材データの配置情報71FLが配置済とされる(S54)。
【0093】
そして、ステップS52で計算された配置領域寸法71SZ、ステップS53で計算された配置位置座標71LMが、写真説明文14の素材データに書き込まれる。また、写真説明文14の付属情報71FZをオペレータ入力部50から入力する。これらも写真説明文14の素材データに書き込まれる(S55)。
【0094】
更に、ステップS51で作成されたレイアウト済テキスト71LXが、実データテーブルに登録されるとともに、写真説明文14のレイアウト済テキストの格納アドレス情報71BDが、素材データに書き込まれる(S56)。以上により、写真説明文14の素材データが確定され、写真説明文14の新聞紙面10上への配置がなされるようになる。
【0095】
次に、紙面データ71が区切罫判定部52から区切罫配置部53に送られ、区切罫配置部53によって、以下に示すようにして区切罫18の配置処理が行われる。すなわち、区切罫判定部52からの紙面データ71が区切罫配置部53へと送られると、書式情報保持部54に保持されている書式情報テーブル540が、区切罫配置部53によって読み取られる。これによって、区切罫配置部53によって、区切罫18の罫種54KS、罫幅54KH、天/左方向空き値54TA、および地/右方向空き値54BAが把握される(S57)。
【0096】
すると、区切罫配置部53によって、変更後の配置タイプに対応する、図23に示す区切罫18の配置位置座標と配置領域寸法の計算式(g)から、区切罫18の配置位置座標71LXと配置領域寸法71SZとが計算される(S58)。次に、区切罫配置部53によって、紙面データ71の素材データの空きレコードが探索され、そこに素材種別71SB、素材属性71PR、素材ID番号71ID、配置情報71FL(=「配置済」)、配置位置座標71LM、配置領域寸法71SZ、および付属情報71FZが書き込まれる(S59)。以上により、区切罫18の素材データが確定され、区切罫18の新聞紙面10上への配置がなされるようになる。
【0097】
そして、このようにして更新された写真12、写真説明文14、および区切罫18の素材データに基づいて、新聞紙面10上に写真12、写真説明文14、および区切罫18が配置され、そのイメージが表示されるようになる(S60)。
【0098】
一方、ステップS49において、変更後の位置パターンが張出型ではなく、一体型である場合(S49:No)には、区切罫消去部55によって、紙面レイアウト上における位置パターン変更前の写真説明文14の表示が消去される(S61)。
【0099】
次に、配置タイプに従って、区切罫判定部52によって、図24に示すこの写真説明文14の段方向寸法(c)に基づいて、写真説明文14のテキスト71TXがレイアウトされ、レイアウト済テキスト71LXが作成される(S62)。更に、段方向寸法(c)と、レイアウト済テキスト71LXとから、配置領域寸法71SZが計算される(S63)。
【0100】
次に、区切罫判定部52によって、配置タイプに対応する、図26に示す写真説明文14の配置位置座標の計算式(h)から、この写真説明文14の配置位置座標71LMが計算される(S64)。その後、区切罫判定部52によって、写真説明文14の素材データの配置情報71FLが配置済とされる(S65)。
【0101】
そして、ステップS63で計算された配置領域寸法71SZ、ステップS64で計算された配置位置座標71LMが、写真説明文14の素材データに書き込まれる。また、写真説明文14の付属情報71FZをオペレータ入力部50から入力する。これらも写真説明文14の素材データに書き込まれる(S66)。
【0102】
更に、ステップS62で作成されたレイアウト済テキスト71LXが、実データテーブルに登録されるとともに、写真説明文14のレイアウト済テキストの格納アドレス情報71BDが、素材データに書き込まれる(S67)。以上により、写真説明文14の素材データが確定され、写真説明文14の新聞紙面10上への配置がなされるようになる。
【0103】
そして、更新された写真12、および写真説明文14の素材データに基づいて、新聞紙面10上に写真12と写真説明文14とが配置され、そのイメージが表示されるようになる(S68)。
【0104】
次に、区切罫18が一旦配置された状態から、写真12の配置が取り消された場合の動作について図31に示すフローチャートを用いて説明する。
【0105】
まず、オペレータが、オペレータ入力部50から、配置を取り消す写真12の素材ID番号71IDを入力する(S71)と、区切罫判定部52によって、この素材ID番号71IDに従って、紙面データ71から、対応する写真説明文14の素材データが探索される(S72)。これによって、位置パターンが張出型であったか一体型であったかが、区切罫判定部52によって判定される(S73)。
【0106】
そして、張出型であった場合(S73:Yes)には、ステップS71で入力された素材ID番号71IDに従って、対応する写真説明文14の素材データが探索される(S74)。更に、ステップS74で探索された写真説明文14の素材データの付属情報71FZから、区切罫18の素材ID番号71IDが取得され、その素材データが探索される(S75)。そして、配置を取り消す写真12、これに対応する写真説明文14および区切罫18の表示が、区切罫消去部55によって、紙面レイアウト上から消去される(S76)。更に、区切罫判定部52によって、ステップS76で紙面レイアウト上から消去された区切罫18の素材データが、紙面データ71から削除される(S77)。
【0107】
次に、区切罫判定部52によって、ステップS76で紙面レイアウト上から消去された写真説明文14の素材データ内の配置情報71FLが「未配置」とされる。また、配置位置座標71LMおよび配置領域寸法71SZがクリアされる。更に、この写真説明文14のレイアウト済テキスト71LXとレイアウト済テキスト格納アドレス情報71BDとが削除される(S78)。
【0108】
次に、区切罫判定部52によって、ステップS76で紙面レイアウト上から消去された写真12の素材データ内の配置情報71FLが「未配置」とされる。また、配置位置座標71LMおよび配置領域寸法71SZがクリアされる(S79)。
【0109】
一方、ステップS73において張出型ではなく一体型である場合(S73:No)には、ステップS71で入力された素材ID番号71IDに従って、対応する写真説明文14の素材データが探索される(S80)。そして、配置を取り消す写真12、およびこれに対応する写真説明文14の表示が、区切罫消去部55によって、紙面レイアウト上から消去される(S81)。
【0110】
次に、区切罫判定部52によって、ステップS81で紙面レイアウト上から消去された写真説明文14の素材データ内の配置情報71FLが「未配置」とされる。また、配置位置座標71LMおよび配置領域寸法71SZがクリアされる。更に、この写真説明文14のレイアウト済テキスト71LXとレイアウト済テキスト格納アドレス情報71BDとが削除される(S82)。
【0111】
次に、区切罫判定部52によって、ステップS81で紙面レイアウト上から消去された写真12の素材データ内の配置情報71FLが「未配置」とされる。また、配置位置座標71LMおよび配置領域寸法71SZがクリアされる(S83)。
【0112】
次に、区切罫18が一旦配置された状態から、配置済の写真12を移動した場合の動作について図32乃至図33に示すフローチャートを用いて説明する。
【0113】
まず、紙面データ格納部7から、対象の紙面データ71が、組版編集サーバ6を介して組版端末5の紙面データ保持部51に取得される。そして、オペレータが、オペレータ入力部50から、配置場所を移動する写真12の素材ID番号71IDを入力する(S91)。すると、区切罫判定部52によって、この素材ID番号71IDに従って、紙面データ71から、対応する写真説明文14の素材データが探索される(S92)。これによって、移動前の位置パターンが張出型であるか一体型であるかが、区切罫判定部52によって判定される(S93)。
【0114】
そして、張出型であると判定された場合(S93:Yes)には、移動対象の写真12、この写真12に対応する写真説明文14、およびこの写真説明文14に対応する区切罫18の紙面レイアウト上における表示が消去される(S94)。具体的には、ステップS92で探索された写真説明文14の素材データの付属情報71FZから、写真説明文14と区切罫18の素材ID番号71FZ1,71FZ5が把握され、この素材ID番号71FZ1,71FZ5に対応する素材データが探索され、この素材データにおける配置情報71FLが「未配置」に書き換えられることによってなされる。
【0115】
次に、オペレータはオペレータ入力部50から、移動対象の写真12の移動場所の指定入力を行う。入力された移動場所は、区切罫判定部52に送られ、区切罫判定部52では、これに基づいて、X方向移動値およびY方向移動値が計算される(S95)。
【0116】
次に、ステップS91で入力された素材ID番号71IDに対応する写真説明文14の素材データが探索される(S96)。そして、この素材データにおける配置位置座標71LMのX座標およびY座標に対して、ステップS95で計算されたX方向移動値およびY方向移動値がそれぞれ加えられ、素材データが書き換えられる(S97)。
【0117】
次に、ステップS91で入力された素材ID番号71IDに対応する区切罫18の素材データが探索される(S98)。そして、この素材データにおける配置位置座標71LMのX座標およびY座標に対して、ステップS95で計算されたX方向移動値およびY方向移動値がそれぞれ加えられ、素材データが書き換えられる(S99)。
【0118】
そして、写真12、この写真12に対応する写真説明文14、およびこの写真説明文14に対応する区切罫18が、それぞれ、自己の素材データに書き込まれた配置位置座標71LMに基づいて配置され、そのイメージが表示されるようになる(S100)。
【0119】
一方、ステップS93において、張出型ではない、すなわち一体型であると判定された場合(S93:No)には、移動対象の写真12、およびこの写真12に対応する写真説明文14の紙面レイアウト上における表示が消去される(S101)。具体的には、ステップS92で探索された写真説明文14の素材データの付属情報71FZから、写真説明文14の素材ID番号71FZ1が把握され、この素材ID番号71FZ1に対応する素材データが探索され、この素材データにおける配置情報71FLが「未配置」に書き換えられることによってなされる。
【0120】
次に、オペレータはオペレータ入力部50から、移動対象の写真12の移動場所の指定入力を行う。入力された移動場所は、区切罫判定部52に送られ、区切罫判定部52では、これに基づいて、X方向移動値およびY方向移動値が計算される(S102)。
【0121】
次に、ステップS91で入力された素材ID番号71IDに対応する写真説明文14の素材データが探索される(S103)。そして、この素材データにおける配置位置座標71LMのX座標およびY座標に対して、ステップS102で計算されたX方向移動値およびY方向移動値がそれぞれ加えられ、素材データが書き換えられる(S104)。
【0122】
そして、写真12、およびこの写真12に対応する写真説明文14が、それぞれ、自己の素材データに書き込まれた配置位置座標71LMに基づいて配置され、そのイメージが表示されるようになる(S105)。
【0123】
上述したように、本発明の実施の形態に係る新聞制作システムにおいては、上記のような作用により、写真12と写真説明文14とを配置する場合、写真12と写真説明文14との位置関係に基づいて、写真説明文14と、それに隣接配置された本文16等の素材との区切罫18を自動的に配置することができる。
【0124】
また、素材の差替や、レイアウト変更等により、説明文と写真との位置関係が変更された場合であっても、変更後の位置関係に基づいて、区切罫18を自動的に配置することができる。
【0125】
以上により、オペレータによる区切罫の配置操作を不要とし、オペレータの負担を低減することが可能となる。これにより、オペレータは、他の重要な部分に集中することが出来ると共に、単純な操作の忘れによる手直しによる後戻り作業を防止することが期待できる。
【0126】
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の実施の形態に係る新聞紙面制作システムの組版端末5の詳細構成例を示す機能ブロック図。
【図2】管理情報の一例を示すデータ構成図。
【図3】素材データの一例を示すデータ構成図(本文a)。
【図4】素材データの一例を示すデータ構成図(写真b)。
【図5】素材データの一例を示すデータ構成図(写真説明文c)。
【図6】素材データの一例を示すデータ構成図(本文d)。
【図7】素材データの一例を示すデータ構成図(写真e)。
【図8】素材データの一例を示すデータ構成図(写真説明文f)。
【図9】素材データの一例を示すデータ構成図(区切罫g)。
【図10】素材データの一例を示すデータ構成図(区切罫h)。
【図11】素材データの一例を示すデータ構成図(区切罫i)。
【図12】実データテーブルの一例を示すデータ構成図。
【図13】書式情報テーブルの一例を示すデータ構成図。
【図14】リーダの一例を示す模式図。
【図15】カスミの一例を示す模式図。
【図16】双柱の一例を示す模式図。
【図17】写真説明文に対して新たに区切罫を配置する場合の動作を示すフローチャート(前半)。
【図18】写真説明文に対して新たに区切罫を配置する場合の動作を示すフローチャート(後半)。
【図19】張出型の各配置タイプについてまとめた図。
【図20】張出型の各配置タイプにおける写真と写真説明文との位置関係を示す模式図。
【図21】張出型の各配置タイプ毎の写真説明文の配置位置座標の計算式をまとめた図。
【図22】図21に示す計算式に使用されているパラメータを示した図。
【図23】区切罫の配置位置座標と配置領域寸法との計算式をまとめた図。
【図24】一体型の各配置タイプについてまとめた図。
【図25】一体型の各配置タイプにおける写真と写真説明文との位置関係を示す模式図。
【図26】一体型の各配置タイプ毎の写真説明文の配置位置座標の計算式をまとめた図。
【図27】図26に示す計算式に使用されているパラメータを示した図。
【図28】区切罫が一旦配置された状態から、写真と写真説明文との位置パターンを変更する場合の動作を示すフローチャート(その1)。
【図29】区切罫が一旦配置された状態から、写真と写真説明文との位置パターンを変更する場合の動作を示すフローチャート(その2)。
【図30】区切罫が一旦配置された状態から、写真と写真説明文との位置パターンを変更する場合の動作を示すフローチャート(その3)。
【図31】区切罫が一旦配置された状態から、写真の配置が取り消された場合の動作を示すフローチャート。
【図32】区切罫が一旦配置された状態から、配置済の写真を移動した場合の動作を示すフローチャート(前半)。
【図33】区切罫が一旦配置された状態から、配置済の写真を移動した場合の動作を示すフローチャート(後半)。
【図34】従来技術による新聞紙面制作システムの構成例示す機能ブロック図。
【図35】新聞紙面に配置される写真とその説明文との位置関係の一例を示す模式図。
【符号の説明】
【0128】
1…記事入力/校正端末、2…記事サーバ、3…画像入力/加工端末、4…画像サーバ、5…組版端末、6…組版編集サーバ、7…紙面データ格納部、8…出力サーバ、9…プリンタ/プロッタ、10…新聞紙面、12…写真、14…写真説明文、16…本文、18…区切罫、50…オペレータ入力部、51…紙面データ保持部、52…区切罫判定部、53…区切罫配置部、54…書式情報保持部、55…区切罫消去部、71…紙面データ、540…書式情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記事、画像、写真及びこの写真の説明文を含む素材のうちの少なくとも何れかを新聞紙面上に配置して新聞紙面を制作する新聞紙面制作システムにおいて、
前記写真及びこの写真の説明文が前記新聞紙面上に配置された場合には、前記写真と前記説明文との前記新聞紙面上における位置関係に基づいて、前記新聞紙面上に配置された説明文をそれに隣接配置された素材と区切る区切罫を前記新聞紙面上に配置するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって区切罫を配置すると判定された場合には、前記区切罫を前記新聞紙面上に配置する区切罫配置手段と
を備えた新聞紙面制作システム。
【請求項2】
請求項1に記載の新聞紙面制作システムにおいて、
前記区切罫の罫種と罫幅を含む書式情報を保持する書式情報保持手段を更に備え、
前記区切罫配置手段が前記区切罫を配置する場合には、前記書式情報保持手段に保持された書式情報に従って前記区切罫を配置するようにした新聞紙面制作システム。
【請求項3】
請求項2に記載の新聞紙面制作システムにおいて、
前記区切罫によって隣接配置された素材と区切られている説明文と、この説明文に対応する写真との位置関係が変更された場合には、前記判定手段は、前記変更された位置関係に基づいて、前記位置関係が変更された説明文に対する区切罫の配置場所を変更するか否か判定し、前記区切罫配置手段は、前記判定手段によって前記区切罫の配置場所を変更すると判定された場合には、前記書式情報保持手段に保持された書式情報に基づいて前記区切罫の配置場所を変更するようにした新聞紙面制作システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の新聞紙面制作システムにおいて、
前記区切罫によって隣接配置された素材と区切られている説明文に対応する写真の配置が取り消された場合には、前記写真、この写真の説明文、この説明文とそれに隣接配置された素材とを区切る区切罫を前記新聞紙面から消去する消去手段を更に備えた新聞紙面制作システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2006−31095(P2006−31095A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204728(P2004−204728)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】