説明

新規なイミンカリックスアレーン誘導体とアミノカリックスアレーン誘導体、その製造方法及び該製造方法によって製造された自己組織化単分子層、該自己組織化単分子層を利用したオリゴ遺伝子の固定化方法及びこれによって製造されたオリゴ遺伝子チップ

本発明は、新規なイミンカリックスアレーン誘導体及びその製造方法、そして該製造方法によって製造された自己組織化単分子層、該自己組織化単分子層を利用するオリゴ遺伝子の固定化方法及びこれによって製造されたオリゴ遺伝子チップに関する。
また、本発明は、新規なアミノカリックスアレーン誘導体及びその製造方法、そして該製造方法によって製造された自己組織化単分子層、該自己組織化単分子層に溶液相でオリゴ遺伝子が自発的に分子認識により固定化されるオリゴ遺伝子の固定化方法及びこれによって製造されたオリゴ遺伝子チップに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なイミンカリックスアレーン(iminecalixarene)誘導体、及びその製造方法、そして該製造方法によって製造された自己組織化単分子層、該自己組織化単分子層を利用するオリゴ遺伝子の固定化方法及びこれによって製造されたオリゴ遺伝子チップに関する。
【0002】
より具体的に、本発明は、連続したグアニン塩基を有するオリゴ遺伝子を、分子認識によって固体基質の表面に固定化可能なイミンカリックスアレーン化合物を、ガラス基質又は金基質に単分子層で製造する方法及びその自己組織化単分子層を利用したオリゴ遺伝子の単分子層、即ち、オリゴ遺伝子チップ(OligoDNA chip)を製造する方法に関する。
【0003】
また、本発明は、新規なアミノカリックスアレーン(aminocalixarene)誘導体、その製造方法、及び該製造方法によって製造された自己組織化単分子層、該自己組織化単分子層に自発的なオリゴ遺伝子の非可逆的な分子認識によるオリゴ遺伝子の固定化方法及びこれによって製造されたオリゴ遺伝子チップに関する。
【0004】
より具体的に、本発明は、連続したグアニン塩基を有するオリゴ遺伝子を、多重塩基を非可逆的/自発的な分子認識によって固体基質の表面に固定化するアミノカリックスアレーン誘導体、及びそれをガラスや金基質等の固体基質に単分子層としてバイオチップ基板を製造する技術、及び該製造技術によって製造されたバイオチップ基板にオリゴ遺伝子を単分子層で高密度で固定化したオリゴ遺伝子チップを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0005】
人間ゲノムの研究チームとCelera社によって競争的に進められた人間ゲノムプロジェクト(Human Genome Project)が、2000年にその遺伝子情報地図が完成されながら、遺伝子の機能研究と変異遺伝子の検索及びこの情報を利用した診断用オリゴ遺伝子チップの開発が全世界的に進められている。特に、単一塩基の変異(SNP;single nucleotide polymorphism)検索用オリゴ遺伝子チップは、遺伝子欠陥等による遺伝病や癌の早期診断等に用いられるものと予測されているため、鳥インフルエンザ等のウイルスタイピング(typing;遺伝子型の判別)による正確なウイルス感染経路の分析及び有/無害の把握、癌誘発ウイルス群のタイピングを利用した癌発病予測用遺伝子チップ等の多数のオリゴ遺伝子を一つの基板に固定化したオリゴ遺伝子チップの製造技術に関する研究が世界的に進められている。実際にヒト乳頭腫ウイルス(HPV;human papiloma virus)をタイピングすることができるオリゴ遺伝子チップは、子宮頸部癌の発病可能性を予測する診断及び予防医学的バイオチップとして、韓国内で世界で初めて韓国食品医薬品安全庁で正式な許可が与えられた。また、子宮頸部癌診断用オリゴ遺伝子チップも、韓国食品医薬品安全庁の許可が与えられ、既に診断に用いられている。
【0006】
オリゴ遺伝子チップは、15−50mer水準の短い長さの遺伝子(オリゴ遺伝子)を固定化しなければならない。従って、変異遺伝子分析用として用いられてきたc−DNAチップが、従来単純に物理吸着方式を利用したことと異なり、現在アルデヒドとアミンとの間の化学的結合によるイミン結合方式を利用した固定化方式、又はアルデヒドとアミン作用基との間の化学的結合後、結合の強度を高めるための還元反応を経てアミン結合方式を利用した固定化方式等、数十年前に開発された方式がまだ利用されている。その理由は、主に再現性及び使用簡便性の面でまだアルデヒドチップを凌ぐに足るバイオチップ基板が開発されていないためである。しかし、アルデヒドチップ基板は、オリゴ遺伝子の末端基に合成技術により付着したアミン作用基がアルデヒドチップ上にイミン結合で化学結合されるため、固定化された遺伝子の量と、実際にハイブリダイゼーションでc−DNAと結合可能な固定化されたオリゴ遺伝子の量が、理論的な最大密度と大きな差異があり、固定化されたオリゴ遺伝子の密度が固定化条件により多くの影響を受けていつも変わるため、再現性のあるチップの開発に非常に大きな困難を経ている。
【0007】
その他に、ストレプトアビジン−ビオチン(streptavidin−biotin)の結合方式を応用した技術も広く用いられているが、上記技術は、固体基質の表面にストレプトアビジンを物理吸着、化学結合方式等を利用して固定化した後、ビオチンが付着されたオリゴ遺伝子のビオチン作用基をストレプトアビジンに分子認識させてオリゴ遺伝子を製造する方式である(Science、1993年 Vol.262、pp1706−1708)。しかし、このような多様な化学結合方式やストレプトアビジン−ビオチンの結合方式を応用した技術等は、まだアルデヒドチップ基板の性能を凌いでいない。
【0008】
一方、タンパク質チップでは、抗体の活性位置が表面に固定化されたタンパク質の1ヶ所に存在するため、この位置が抗原と結合することができる位置に存在さえすれば、結果を得るのに大きい問題はない。しかし、オリゴ遺伝子チップでは、オリゴ遺伝子のほとんどがハイブリダイゼーションで接近してくるc−DNAと一定個数以上の塩基が結合されなければならないため、c−DNAが最大限オリゴ遺伝子が固定化されている底まで接近して結合される塩基個数を最大化させなければならない。この問題を解決するために、固定化されるオリゴ遺伝子の間にc−DNAの自由な出入りが可能な水準の空間を維持しなければならない必要があるという見解が、2003年ヨーロッパ学会から提起され始め、現在空間確保技術という研究が競争的に進められる先端研究課題になっている。分子水準で表面に固定化されるオリゴ遺伝子は、自発的に近くに集まって結合される傾向を示すため、化学結合したオリゴ遺伝子チップには空間確保技術の適用が相対的に難しい。これによって、接近するc−DNAが底まで下がる必要がないように20−25−mer水準であれば、十分なオリゴ遺伝子の長さを最大50−mer水準まで引き上げてc−DNAの接近を容易にし、ハイブリダイゼーション時に結合される塩基の数を増やして診断の結果を再現性のあるように得ようとしている。しかし、明確な読出しが可能な結果は、最小数時間から一日以上を要する水準から外れておらず、鳥インフルエンザウイルスの分析等で既存の診断技術との差別化をなしていない状況である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記化学結合方式及びストレプトアビジン−ビオチン方式等の既存のオリゴ遺伝子の固定化方法は、下記のような問題点を有している。
【0010】
1.固定化密度の均一性:化学結合方式は最も広く用いられる方式であって、オリゴ遺伝子が固定化される時、アルデヒド作用基(−CHO)とアミン作用基(−NH)の間に化学反応が進められて化学的に固定化されるものと知られている。この時、水分子(HO)一つが抜けるとともにイミン結合(−C=N−)の形態に固定化される。しかし、上記反応が水溶液相で進められるため、固定化密度が均一に、即ち、再現性のあるように進められない。また、イミン結合は、水溶液相元来の作用基に戻る逆反応が容易に進められるため、オリゴ遺伝子の密度が均一に進められ難いという問題がある。また、このような逆反応を最小化するために、イミン結合をNaBH等の還元剤を利用して還元反応を行えば、オリゴ遺伝子の結合に影響を与えて固定化されたオリゴ遺伝子の長さが一定に維持されない。これによって、製造する度に異なる水準の結果を示すようになり、新しいオリゴ遺伝子チップの開発が長期化される傾向があり、オリゴ遺伝子チップの製品化に大きな障害物として認識されている。同時に、固定化されたオリゴ遺伝子は、その密度に比例して蛍光物質(Cy−3等)が付着されたc−DNAと結合してc−DNAの存在の有無及び濃度を知らせて診断目的等に用いられるが、オリゴ遺伝子の密度が同一に維持されなければ、製品化が不可能になる場合が示され、現在多くの企業がオリゴ遺伝子チップの製品化に莫大な費用を支払ったのにも拘らず、結果を得ていないのが実情である。
【0011】
2.c−DNAの接近のためのオリゴ遺伝子間の空間確保の必要性(超高速ハイブリダイゼーション不可能):オリゴ遺伝子チップは、窮極的に病原菌の鋳型遺伝子をPCR(polymerase chain reaction)を通じて増幅されたc−DNAが付着されなければならない。しかし、図7で示すように、固定化された遺伝子が極めて狭い間隔で存在するようになれば、c−DNAがオリゴ遺伝子の下の部分に接近し難くなる。現在ハイブリダイゼーション時間は数時間から一日以上の時間を要するオリゴ遺伝子チップが多いが、これは全的に接近してくるc−DNAが容易に底まで接近できず、固定化されているオリゴ遺伝子の底部分の塩基までの間に割り込んで結合しなければならないほど空間が確保されていないからである。従って、適切な水準のオリゴ遺伝子間の空間確保技術の必要性が台頭されているが、現在までは解決策が提示されていない。このような問題を解決するためには、連続した塩基の表面結合を利用して常にc−DNAが遺伝子チップ基板まで自由に出入りを可能とする適切な水準の空間確保技術が開発されなければならない。
【0012】
3.作用基の付着:化学結合又はストレプトアビジン−ビオチン結合を利用するオリゴ遺伝子の固定化技術は、結合がなされるオリゴ遺伝子にビオチン又はアミン作用基を付着しなければ固定化が不可能である。ところで、オリゴ遺伝子の合成後、このような作用基の付着において、現在まで作用基の付着がほとんどないオリゴ遺伝子に比べて3倍から10倍以上の高いオリゴ遺伝子の合成費用が必要である。また、オリゴ遺伝子チップの製品化のために、最小数十個のオリゴ遺伝子を固定化しても、数百乃至数千個のオリゴ遺伝子をテストしなければならず、この時必要な技術開発費用が数億乃至数十億水準であるため、製品化に困難を経ている。また、完成された製品の製造にも多くの費用を要する。このような問題を最小化するために、作用基の付着のないオリゴ遺伝子を利用したオリゴ遺伝子チップの製造技術の開発が必要である。
【0013】
4.A、C、Gの3個の塩基に付着されたアミン作用基とアルデヒドチップ基板の作用基と化学結合:アルデヒドチップ基板は、アミン作用基が付着されたオリゴ遺伝子を利用して表面のアルデヒド作用基と反応してオリゴ遺伝子を固定化したオリゴ遺伝子チップを製造する。ところで、オリゴ遺伝子に付着されている多くの数の塩基のうち、3/4を占める3個の塩基にアミン作用基が既に付着されており、これらがオリゴ遺伝子の末端基に付着された一つのアミン作用基とアルデヒドが反応して固定化されることよりさらに早く中間部分のオリゴ遺伝子が固定化されて、実際に接近してくる蛍光付着されたc−DNAと多重水素結合できる塩基の数が十分ではなくなる。さらに接近してくるc−DNAの塩基ともアルデヒドが水素結合することができ、これを除去するためにオリゴ遺伝子の固定化後に化学的処理を進めなければならず、この時製造された遺伝子チップの再現性の問題がさらに大きくなるものと知られている。
【0014】
5.単一塩基の変異(SNP)診断技術:鳥インフルエンザ、豚コレラ、癌転移の疑いのあるウイルス等の多数のウイルスに存在する多種の遺伝子を同時にタイピングすることは、現存する遺伝子の分析技術のうちオリゴ遺伝子チップだけが保有している最大の長所であるといえる。ところで、このようなウイルスはほとんど原種ウイルスの変異を通じて生成された新しい形態のウイルスであり、これは、原種ウイルスと塩基配列において大きな差がない場合が多く、特に問題になることは、単一塩基や2個ほどの塩基差を示すウイルス群が多く存在しているという点である。従って、オリゴ遺伝子チップを開発する多くの研究陣で最も力点を置いているのが単一塩基の変異をon−off(確診)水準で判別可能な、即ち、SNPの診断が可能な水準のオリゴ遺伝子チップを製造することである。現在最も多く用いられるアルデヒドチップ基板を利用して製造されるオリゴ遺伝子チップでは、このような単一塩基の変異を判別するのに必須な適切な水準の空間が固定化されたオリゴ遺伝子の間に存在しておらず、単一塩基の変異を読み出す診断用オリゴチップの製造が不可能であるということに多くの研究陣が同意している。
【0015】
6.低価用チップの製造技術:オリゴ遺伝子を固定化するために、アミン、ビオチン等の作用基を付着する場合、オリゴ遺伝子自体の価格が10倍以上高くなりながら、塩基の表面結合等を妨害するために高濃度で表面に遺伝子を塗布してチップを製造しなければならないので、オリゴ遺伝子チップの製造費用が非常に高くなる問題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0016】
発明の詳細な説明
技術的課題
本発明の目的は、前述した従来のオリゴ遺伝子の固定化方法で発生する固定化密度の均一性問題、オリゴ遺伝子間の空間確保の問題及び作用基の付着問題等を解決するために、連続したグアニン基を有するオリゴ遺伝子に対する分子認識が可能なイミンカリックスアレーン誘導体及びその製造方法を提供することである。
【0017】
本発明のまた他の目的は、上記イミンカリックスアレーン誘導体化合物を、アミン作用基を有するガラス基質(アミンスライドガラス)又は金基質(金薄膜又は金)に付着することにより、すべての種類のオリゴ遺伝子が何らの加工過程なしに適切な水準の空間を維持したまま、高密度で満たされたオリゴ遺伝子の単分子層、即ち、オリゴ遺伝子チップを生成することができるイミンカリックスアレーン誘導体の単分子層を提供することである。
【0018】
より詳しくは、本発明は、7個以上の連続したグアニンを保有したオリゴ遺伝子が何らの加工過程なしに適切な水準の空間を維持したまま、高密度で満たされたオリゴ遺伝子の単分子層、即ち、オリゴ遺伝子チップを生成することができるイミンカリックスアレーン誘導体の単分子層を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明の他の態様として、本発明の目的は、前述した既存のオリゴ遺伝子チップの製造技術で示される超高速ハイブリダイゼーション不可能、単一塩基の変異(SNP)診断技術の確保不可、A、C、Gの3個の塩基に付着されたアミン作用基とアルデヒドチップ基板の作用基と化学結合問題、製造されたチップでオリゴ遺伝子の均一密度の固定化の難しさ等の現存する遺伝子チップの製造技術で示されるすべての問題点を一挙に解決することができる、連続したグアニン基の非可逆的な分子認識が可能なアミノカリックスアレーン誘導体、及びその自己組織化単分子層の形態で製造されるオリゴ遺伝子チップの基板製造技術、及びチップ基板の表面で自発的な分子認識によってオリゴ遺伝子が非可逆的に固定化されて製造されるオリゴ遺伝子チップを提供することである。
【0020】
本発明のまた他の目的は、上記化合物をアミン作用基を有するガラス基質(アミンスライドガラス)等の固体基質に単分子層で付着又は金基質(金薄膜又は金)に付着することにより、すべての種類のオリゴ遺伝子が何らの加工過程なしに適切な水準の空間を維持したまま、最高密度の水準で固定化されたオリゴ遺伝子の単分子層、即ち、オリゴ遺伝子チップを製造することができるアミノカリックスアレーン誘導体を利用して製造されたチップ基板を提供することである。
【0021】
また、本発明の目的は、オリゴ遺伝子が連続したグアニン塩基が表面に長く固定化されて、何らの追加の工程なしに適切な水準の空間を維持したまま、高密度で固定化されたオリゴ遺伝子の単分子層、即ち、オリゴ遺伝子チップの製造技術を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
技術的解決方法
本発明の新規なイミンカリックスアレーン誘導体は、下記化学式1又は2の構造を有する。上記イミンカリックスアレーン誘導体は、7個以上の連続したグアニン基を有するオリゴ遺伝子の固定化方法で用いる自己組織化単分子層に必須な化合物である。
【0023】
【化1】


(上記式中、R、R、R及びRは、互いに独立して−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C及び−COORからなる群より選択され、上記−COORにおけるRは、−CH又は−Cを示す。)
【0024】
【化2】


(上記式中、R、R、R及びRは、互いに独立して−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C及び−COORからなる群より選択され、上記−COORにおけるRは、−CH又は−Cを示す。また、上記Y、Y、Y及びYは、互いに独立して−H、−(CH−CH=O、−(CH−SH、−(CHCHO)−CHCH−CH=O、−(CHCHO)−CHCH−SH、−(CH−C−(CH−Z及び−CO−(CHm−1−C−(CH−Zからなる群より選択される(n=2〜15、m=1〜10、c=0〜10、Z=−SH、−CHO、−COOH又は−NHで定義される)。)
本発明は、また上記化学式1及び化学式2のイミンカリックスアレーン誘導体化合物を製造する方法を提供する。
【0025】
下記化学式3の5,11,17,23−テトラアミノカリックス[4]アレーン化合物は、カリックス[4]アレーンを下記参考文献1の方法によって5,11,17,23−テトラニトロカリックス[4]アレーンに変換した後、還元反応によって合成する[参考文献1:Journal of Organic Chemistry、1990年 Vol 55、pp5639−5643;Journal of Organic Chemistry、1979年 Vol 44、pp1233−1238]。
【0026】
【化3】


本発明の上記化学式1のイミンカリックスアレーン誘導体化合物は、上記化学式3の5,11,17,23−テトラアミノカリックス[4]アレーン化合物を出発物質として化学式3のアミン作用基を下記化学式4の芳香族アルデヒドと反応させて合成する(下記実施例の反応式2参照)。
【0027】
【化4】


(上記化学式4において、Rは、−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C及びCOOR’からなる群より選択され、上記COOR’におけるR’は、−CH又は−Cを示す。)
また、本発明の化学式2のイミンカリックスアレーン誘導体化合物は、化学式1の化合物と末端基にハロゲンが付着されたアルデヒド化合物を反応させて、化学式1の化合物の1番目及び3番目の−OH基の位置にアルデヒド又はチオールが付着された末端基を有するように合成する(下記実施例の反応式3乃至反応式5参照)。
【0028】
上記ハロゲン化アルデヒドは、X−(CH−CH=O、X−(CH−SH、X−(CHCHO)−CHCH−CH=O、X−(CHCHO)−CHCH−SH、X−(CH−C−(CH−Z及びX−CO−(CHm−1−C−(CH−Zからなる群より選択され、ここで、n=2〜15、m=1〜10、c=0〜10、X=−Cl、−Br、−I又は−OSOCH、Z=−SH、−CHO、−COOH又は−NHで定義される。
【0029】
また、本発明は、チオール基が付着されたイミンカリックスアレーン誘導体を金基質に付着して製造した自己組織化単分子層の固体基質を提供する。
【0030】
また、本発明は、ガラス、シリコンウエハ又は水晶結晶等の固体基質にイミンカリックスアレーン誘導体をイミン結合を通じて付着して製造した自己組織化単分子層の固体基質、そしてガラス、シリコンウエハ又は水晶結晶等から選択される固体基質にイミンカリックスアレーン誘導体をエステル、エーテル又はアミド結合等の化学結合を通じて付着して製造した自己組織化単分子層の固体基質を提供する。
【0031】
また、本発明は、上記化学式2のイミンカリックスアレーン誘導体化合物を金基質又はアミン作用基が付着されたガラス基質に付着することにより、すべての種類のオリゴ遺伝子が高密度で固定化されたオリゴ遺伝子の単分子層、即ち、オリゴ遺伝子チップ及びその製造方法を提供する。
【0032】
図1は、本発明のイミンカリックスアレーン誘導体のガラス基質上での自己組織化単分子層の製造過程を概略的に示している。
【0033】
アミン作用基が付着されたガラス基質にイミンカリックスアレーン誘導体の自己組織化単分子層を製造するための具体的な方法は、次のとおりである。
【0034】
まず、上記アミン作用基が付着されたガラス基質(ガラススライドガラス)は、下記参考文献2の方法によってシラノール(−Si−OH)作用基が豊富なガラス基質の表面に化学反応を通じてアミン末端基を有するガラス基質(アミンスライドガラス又はアミンチップ)の形態で製造した[参考文献2:Langmuir、1997年、Vol 13、pp4305−4308;Langmuir、1996年、Vol 12、pp5338−5342]。このように製造されたアミン作用基が付着されたガラス基質と化学式2の化合物を0.1−5mMの濃度で溶かしたクロロホルムとTHFの混合溶液(CHCl:THF=9:1)に仕込んで置く。1−5時間後、クロロホルム、アセトン及びエタノールの順で洗浄した後、乾燥させれば、図1のようなイミンカリックスアレーンの自己組織化単分子層が完成される。上記単分子層の生成は、表面反射赤外線分光分析法を利用して確認する。上記ガラス基質として市販されるすべての種類のスライドガラス又はガラスを用いることができる。結合に用いられるイミン結合は、水中で長期間保存する場合、結合が崩れる場合がある。しかし、オリゴ遺伝子のような生体物質は、ほとんどpHが7−8の間の緩衝溶液で溶かして製造するため、このような用途で用いる時は、イミン結合された形態で直ちに用いても問題がないことを確認した。
【0035】
図2は、本発明のイミンカリックスアレーン誘導体の金基質上での自己組織化単分子層が製造される過程を概略的に示す。
【0036】
金基質にイミンカリックスアレーン誘導体の自己組織化単分子層を製造するための具体的な方法は、次のとおりである。
【0037】
クロロホルム(CHCl)等の有機溶媒に化学式2の化合物のうちチオールが付着された化合物を0.1−5mMの濃度で溶かした溶液を製造する。金基質を上記製造された溶液に仕込んで1−5時間の間浸した後、取り出してこれをクロロホルム、アセトン及び水でそれぞれ洗浄した後、乾燥させれば、図2のようなイミンカリックスアレーン誘導体の自己組織化単分子層が完成される。上記金基質は、いかなる種類の金薄膜でも可能であるが、一般的にガラス、溶融石英(fused silica)、シリコンウエハ、プラスチック基質等にクロム(Cr)やチタニウム(Ti)等を2−10nmで真空蒸着させた後、金を50−200nmの厚さで真空蒸着させた基質が好ましい。このように製造された金基質は、使用直前にピラニア溶液(Piranha solution;濃硫酸:30%過酸化水素水=3:1)に1分ほど浸した後、精製水で洗って窒素を吹き込みながら乾燥させて用いることが一般的である。上記単分子層の生成は、表面反射赤外線分光分析法を利用して確認する。
【0038】
また、本発明は、上記固体基質に連続したグアニン塩基が付着されたオリゴ遺伝子を多重分子認識によって固定化してオリゴ遺伝子チップを製造する方法及び製造されたオリゴ遺伝子チップを提供する。
【0039】
より詳しく、本発明は、上記イミンカリックスアレーン誘導体の4個の窒素原子を通じて連続したグアニン作用基を分子認識して多重分子認識によるオリゴ遺伝子の固定化方法を提供する。
【0040】
本発明のオリゴ遺伝子の固定化方法は、オリゴ遺伝子を利用したすべての種類の分析方法の基盤になるものであり、現在まで全世界的にこれと類似する研究結果も発表されたことがない新規なものである。
【0041】
図3は、本発明の連続したグアニン基を有するオリゴ遺伝子の固定化方法に関する概路図である。
【0042】
固定化に用いられた連続したグアニン基を有するオリゴ遺伝子は、5’−GGG GGG GGG AAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号1)である。ここに結合される蛍光付着されたc−DNAは、5’−Cy3−GT GCA GCT GTG GGT TGA TT−3’(配列番号2)として固定化されたオリゴ遺伝子と相補的なDNA配列を有しており、末端基に蛍光物質Cy−3(Telechem、米国)を付着して付着された位置においてのみ蛍光が示されるようにすることにより、固定化されたオリゴ遺伝子の密度を測定した。オリゴ遺伝子を54μg/ml(6.75pmol/ml)の濃度で15%のグリセロールが含まれた500mM KClの水溶液に溶かした後、Proteogen社(韓国)で購入したマイクロアレイを用いて製造されたイミンカリックスアレーンの単分子層上に直径約150μmの水準で塗布することにより、オリゴ遺伝子を固定する。1−4時間ほどの後、0.1%のSDS(sodium dodecyl sulfate)が含まれた2×SSC(1×SSC=sodium sitrate 15mM+NaCl 150mM)水溶液で洗浄し、0.1×SSC水溶液で3分間洗浄した後、乾燥して製造する。製造されたオリゴ遺伝子の単分子層は、最小6ヶ月以上測定するに足る変化がないことを確認した。
【0043】
図4及び図5は、本発明のオリゴ遺伝子の単分子層でのオリゴ遺伝子の密度を蛍光分析する概路図である。
【0044】
図3で製造されたオリゴ遺伝子の単分子層に固定化に用いられた連続したグアニン基を有するオリゴ遺伝子は、5’−GGG GGG GGG AAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号1)である。ここに結合される蛍光付着されたc−DNAは、5’−Cy3−GT GCA GCT GTG GGT TGA TT−3’(配列番号2)として固定化されたオリゴ遺伝子と相補的なDNA配列を有しており、末端基に蛍光を示す蛍光物質Cy−3(Telechem、米国)を付着して付着された位置においてのみ蛍光が示されるようにすることにより、固定化されたオリゴ遺伝子の密度を測定した。固定化されたオリゴ遺伝子に蛍光付着されたc−DNAが0.17nmol/mlの濃度で溶いている4×SSC+0.002%SDS+50%グリセロールの混合溶液60μlを塗布し、50℃で30分間ハイブリダイゼーションさせた。その後、常温で0.1%SDSが含まれた4×SSC溶液で1次洗浄し、4×SSC溶液で2次洗浄した後、乾燥してスキャナ(GSI lite、米国)を利用して結果を確認した。
【0045】
固定化に用いられたオリゴ遺伝子としてそれぞれ9個の連続したA、T、C、Gの塩基配列を有する下記DNA配列を有しているオリゴ遺伝子、グアニンと類似する作用基であるビオチンが付着されたオリゴ遺伝子及び連続した塩基配列のないオリゴ遺伝子を利用して、連続したグアニン塩基のみが選択的に固定化されることを実験を通じて確認した。固定化の比較に用いられたDNA配列は、次のとおりである。
【0046】
9G 5’−GGG GGG GGG AAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号1)
9T 5’−TTT TTT TTT TAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号3)
9A 5’−AAA AAA AAA TAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号4)
9C 5’−CCC CCC CCC CAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号5)
ビオチン 5’−ビオチン−T ATA TAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号6)
no 5’−AA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号7)
【0047】
これらとハイブリダイゼーションして結合されたc−DNAは、相補的な塩基配列を有するように合成した。
5’−Cy3−GT GCA GCT GTG GGT TGA TT−3’(配列番号2)
同時に蛍光物質(Cy3)を付着して蛍光スキャナで付着されたc−DNAの密度、即ち、c−DNAが付着された固定化されたオリゴ遺伝子の密度を相対的に分析することができるようにした。実際の実験結果によれば、それぞれのオリゴ遺伝子を上記条件で同一に塗布し、固定化した後、c−DNAを表面に最大に固定化され得るオリゴ遺伝子の量の3倍を塗布して固定化されたオリゴ遺伝子のすべてに十分に蛍光付着されたc−DNAが結合されるようにした後、洗って乾燥して蛍光スキャナで分析した。
【0048】
実際の実験結果は、6×6で結果が示される図5の中間図であり、この蛍光を数値で分析して棒グラフで示した結果が図5の右側の図表である。実際の実験結果は、グアニン基が9個連続した9Gオリゴ遺伝子の場合が異なる塩基が連続したオリゴ遺伝子、ビオチンが付着されたこと又は連続した塩基が付着されない場合に比べて10倍から約40倍の水準の高い蛍光の強さを示している。上記結果は、オリゴ遺伝子の固定化時に連続したグアニン塩基がある場合にのみ分析が可能な水準のオリゴ遺伝子がイミンカリックスアレーンの表面に固定化されるということを示している。
【0049】
図6は、本発明のイミンカリックスアレーン誘導体の自己組織化単分子層にオリゴ遺伝子の固定化時に7個以上の連続したグアニン作用基が必須的であることを示している。
【0050】
オリゴ遺伝子の固定化条件は、図3で提示された条件で進め、c−DNAも図4で用いられた蛍光付着されたオリゴ遺伝子を利用して上記提示された条件によってハイブリダイゼーションを行った。
【0051】
1G 5’−GAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号8)
4G 5’−GGG GAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号9)
7G 5’−GGG GGG GAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号10)
9G 5’−GGG GGG GGG AAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号1)
12G 5’−GGG GGG GGG GGG GAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号11)
15G 5’−GGG GGG GGG GGG GGG GAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号12)
c−DNA 5’−Cy3−GT GCA GCT GTG GGT TGA TT−3’(配列番号2)(Cy−3;蛍光物質)
上記提示された条件と同一にオリゴ遺伝子を塗布して洗った後乾燥した。実際の実験結果によれば、それぞれのオリゴ遺伝子を上記条件で同一に塗布して固定化した後、c−DNAを表面に最大に固定化され得るオリゴ遺伝子の量の3倍を塗布して固定化されたオリゴ遺伝子のすべてに十分に蛍光付着されたc−DNAが結合され得るようにした後、洗って乾燥して蛍光スキャナで分析した。
【0052】
実際の実験結果は、6×6で結果が示される図6の中間図であり、この蛍光を数値で分析して棒グラフで示した結果が図6の右側の図表である。連続したグアニン塩基配列が1又は4個ほどである時は、ほとんど表面固定化がなされない結果を示しており、7個の連続したグアニン(7G)を有する時から蛍光を強く示し始め、9個(9G)で最大値の蛍光を示す結果を示している。この時、9個より長さがさらに長い12個(12G)及び15個(15G)の連続したグアニン塩基を有するオリゴ遺伝子を用いて固定化した場合は、9Gの場合より少しずつ蛍光感度が減少し始める。これは、9個のグアニン塩基が分子認識による固定化に十分な水準であり、長さがさらに長いグアニン塩基を利用するようになれば、理論的に12Gである場合、9Gであるオリゴ遺伝子の固定化に必要な空間より約1/3の水準をさらに必要として結果的に蛍光感度が1/3水準減少する結果を示している。15Gである場合は、固定化に必要な空間が9Gより2/3水準をさらに必要として理論的に固定化される量が3/5水準であり、即ち、60%水準に減少するようになり、実際には蛍光感度が9Gに比べて約55%減少した結果で示されている。上記結果を総合すれば、固定化に必要な連続したグアニンは7個以上であることが分かる。好ましくは、上記連続したグアニンは7乃至15個であり、さらに好ましくは9乃至12個であり、最も好ましくは9個である。
【0053】
図7は、本発明のイミンカリックスアレーン誘導体の自己組織化単分子層にオリゴ遺伝子の固定化時、グアニン基が分子認識によって選択的に認識されるということを証明するために類似する構造を有するイミダゾール作用基を利用した競争反応の結果である。
【0054】
図7では、連続したグアニン塩基が固定化時に分子認識によって固定化されるということをグアニン塩基と類似する分子認識が可能なイミダゾールを含ませて固定化を進めて実際に得た研究結果である。イミダゾールは、グアニン塩基に比べてイミンカリックスアレーン内に分子認識が相対的に弱いため、固定化されるオリゴ遺伝子より高い濃度を用いて分子認識を競争反応させた。固定化は、図3での固定化条件と同一であり、蛍光感度の測定方式もc−DNAを利用して図4で用いられた方式と同一に進めた。図7の左側図は、実際の実験結果を示しており、右側の図表は、蛍光感度を競争反応させたイミダゾールの濃度による蛍光感度の減少を示している。実際に約20mMの水準で減少が始まり、30mMの水準で半分の水準に減少しており、100mM以上ではオリゴ遺伝子の固定化がほとんど進められない結果を示している。このような結果は、オリゴ遺伝子の固定化が9個の連続したグアニン塩基がイミンカリックスアレーン誘導体内に多重分子認識されて進められることを示すものである。
【0055】
このような結果は、イミンカリックスアレーン誘導体の自己組織化単分子層が9個の連続したグアニン塩基を多重分子認識して非可逆的に固定化し、特に蛍光分析によって示された固定化されたオリゴ遺伝子の量が既存に知られた方式に比べて5−30倍水準の高い固定化密度を示している。
【0056】
このように、本発明は、連続したグアニン塩基が単分子層の表面に固定化されながら、その長さほどの空間(2.5−3.5nm)が診断や研究目的等で特定塩基配列を有する遺伝子の分析時に数百個以上の塩基配列を有するc−DNAが固定化されたオリゴ遺伝子との強い結合のためにオリゴ遺伝子の下の部分まで下がるのに必要な空間を提供することにより、既存の12時間以上かかっていたc−DNA結合に必要なハイブリダイゼーション時間を1−2時間以内に画期的に短縮させて空間確保が可能な新規のオリゴ遺伝子の固定化方法を提供する。
【0057】
本発明の他の態様として、本発明の新規なアミノカリックスアレーン誘導体は、下記化学式5乃至8の構造を有する。上記アミノカリックスアレーン誘導体は、連続したグアニン基を有するオリゴ遺伝子の固定化方法で用いる自己組織化単分子層に必須な化合物である。
【0058】
【化5】


上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’は、互いに独立して−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C、−OH、−OCHCH、−Br、−CF、−OCH、−OC、−OCCH、−OCC(CH、−OCCF、−OCCl、−OCOCH、−NHCOCH、−CONHCH、−CN、−COOH、及び−COORからなる群より選択され、上記−COORにおけるRは、−CH又は−Cを示す。
【0059】
【化6】


上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’は、互いに独立して−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C、−OH、−OCHCH、−Br、−CF、−OCH、−OC、−OCCH、−OCC(CH、−OCCF、−OCCl、−OCOCH、−NHCOCH、−CONHCH、−CN、−COOH、及び−COORからなる群より選択され、上記−COORにおけるRは、−CH又は−Cを示す。また、上記Y、Y、Y及びYは、互いに独立して−H、−(CH−CH=O、−(CH−SH、−(CHCHO)−CHCH−CH=O、−(CHCHO)−CHCH−SH、−(CH−C−(CH−Z、及び−CO−(CH−C−(CH−Zからなる群より選択される(n=2〜15、m=1〜10、c=0〜10、Z=−SH、−CHO、−COOH、−NH、そして−C−とCはフェニル基で定義される)。
【0060】
【化7】


上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’は、互いに独立して−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C、−OH、−OCHCH、−Br、−CF、−OCH、−OC、−OCCH、−OCC(CH、−OCCF、−OCCl、−OCOCH、−NHCOCH、−CONHCH、−CN、−COOH、及び−COORからなる群より選択され、上記−COORにおけるRは、−CH又は−Cを示す。
【0061】
【化8】


上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’は、互いに独立して−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C、−OH、−OCHCH、−Br、−CF、−OCH、−OC、−OCCH、−OCC(CH、−OCCF、−OCCl、−OCOCH、−NHCOCH、−CONHCH、−CN、COOH、及び−COORからなる群より選択され、上記−COORにおけるRは、−CH又は−Cを示す。ただし、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’が同時に−Hである場合は除く。また、上記Y、Y、Y及びYは、互いに独立して−H、−(CH−CH=O、−(CH−SH、−(CHCHO)−CHCH−CH=O、−(CHCHO)−CHCH−SH、−(CH−C−(CH−Z、及び−CO−(CH−C−(CH−Zからなる群より選択される(n=2〜15、m=1〜10、c=0〜10、Z=−SH、−CHO、−COOH、−NH、そして−C−とCは、フェニル基で定義される)。
【0062】
本発明は、また上記化学式5乃至8のアミノカリックスアレーン誘導体化合物を製造する方法を提供する。
【0063】
【化9】


上記化学式9のテトラアミノカリックス[4]アレーンは、カリックス[4]アレーン(calix[4]−arene)を、上記参考文献1の方法によってテトラニトロカリックス[4]アレーンに変換した後、還元反応によって合成する。
【0064】
本発明の化学式5及び化学式7の化合物は、上記公知された方法によって合成された化学式9のテトラアミノカリックス[4]アレーンを出発物質として、下記実施例13の方法によって化学式9のアミン作用基をベンジルクロライドやベンジルブロマイド系列の誘導体と反応させて化学式5のアミノカリックスアレーン誘導体を合成する。また他の方法としては、下記実施例16の方法によって化学式9の作用基を芳香族アルデヒドと反応させた後、還元剤を用いて還元反応を進めた後、ベンジルクロライドやベンジルブロマイド系列の誘導体と反応させて化学式5のアミノカリックスアレーン誘導体を合成する。
【0065】
本発明の化学式6及び化学式8の化合物は、下記実施例17乃至19によってそれぞれ化学式5及び化学式7の化合物と末端基にハロゲンが付着されたアルデヒド等の作用基を有する化合物を反応させて下の−OH、即ち、アルコール作用基のうち1、3番目のアルコール作用基をアルキル基の末端にアルデヒド又はチオールが付着されたアミノカリックスアレーン誘導体の化学式6及び化学式8の化合物を合成する。
【0066】
また、本発明は、上記化学式6又は8のアミノカリックスアレーン誘導体を金基質又はアミン等の多様な作用基が付着されたガラス等の固体基質に付着することにより、すべての種類のオリゴ遺伝子を高密度で固定化が可能なオリゴ遺伝子の単分子層の製造のためのオリゴ遺伝子チップ基板の製造方法を提供する。
【0067】
また、本発明は、アミン作用基が付着されているガラス、シリコンウエハ及び水晶結晶からなる群より選択される固体基質に、上記化学式6又は化学式8のアミノカリックスアレーン誘導体のうち、アルデヒド作用基が末端基に付着されたアミノカリックスアレーン誘導体を利用してイミン結合及びこれを還元したアミン結合を通じて付着して製造した自己組織化単分子層の固体基質を提供する。
【0068】
また、本発明は、アミン作用基が付着されているガラス、シリコンウエハ及び水晶結晶からなる群より選択される固体基質に、上記化学式6又は化学式8のアミノカリックスアレーン誘導体のうち、アルデヒド作用基が末端基に付着されたアミノカリックスアレーン誘導体を利用してエステル、エーテル又はアミド結合等から選択される化学結合を通じて付着して製造した自己組織化単分子層の固体基質を提供する。
【0069】
また、本発明は、上記オリゴ遺伝子チップ基板に何らの操作なしに連続した塩基を有するオリゴ遺伝子を非可逆的に分子認識によって固定化してオリゴ遺伝子の単分子層、即ち、オリゴ遺伝子チップの製造方法を提供する。
【0070】
図8は、本発明のアミノカリックスアレーン誘導体のガラス、シリコンウエハ、溶融石英(fused silica)等の固体基質上での自己組織化単分子層の製造過程を概略的に示す。
【0071】
アミン作用基が付着されたガラス基質にアミノカリックスアレーン誘導体の自己組織化単分子層を製造するための具体的な方法は、次のとおりである。
【0072】
まず、用いられたアミン作用基が付着されたガラス基質(ガラススライドガラス)は、上記参考文献2に記載の方法によってシラノール(−Si−OH)作用基が表面に豊富なガラス基質の表面に化学反応を通じてアミン末端基を有するガラス基質(アミンスライドガラス、又はアミンチップ)の形態で製造した。このように製造されたアミン作用基が付着されたガラス基質を化学式6又は8の化合物を0.1−5mMの濃度で溶かしたクロロホルムとTHFの混合溶液(CHCl:THF=9:1)に仕込んで置く。1−5時間後にクロロホルムとアセトン、エタノールの順で洗浄した後に乾燥させれば、図8のようなアミノカリックスアレーン誘導体の自己組織化単分子層、即ち、BMT遺伝子チップの基板A型が完成される。単分子層の生成は、表面反射赤外線分光分析法を利用して確認する。ここに用いられるガラス基質は、一般的に市販されるすべての種類のスライドガラス又はガラスである。結合に用いられるイミン結合は、水中で長期間保存する場合、結合が崩れる場合があるが、オリゴ遺伝子のような生体物質は、ほとんどPHが7−8の間の緩衝溶液で溶かして製造するため、このような用途で用いる時は、イミン結合された形態で直ちに用いても問題がないという研究結果を確認した。
【0073】
製造されたチップ基板を図8におけると同様に、BH−THF又は1−5%NaBHの還元剤が溶いてある有機溶媒にBMT遺伝子チップ基板のA型を1−10分ほど浸すと、イミンがさらに強力なアミンに還元されて長期保管やPHが異なる範囲で遺伝子チップを製造する場合、優れた安定性を確保することができる。
【0074】
図9は、本発明のアミノカリックスアレーン誘導体の金基質上での自己組織化単分子層が製造される過程を概略的に示す。
【0075】
金基質にアミノカリックスアレーン誘導体の自己組織化単分子層を製造するための具体的な方法は、次のとおりである。
【0076】
クロロホルム(CHCl)等の有機溶媒に化学式6又は8の化合物のうちチオールが付着された化合物を0.1−5mMの濃度で溶かした溶液を製造する。金基質を上記製造された溶液に仕込んで1−5時間の間浸した後、取り出してこれをクロロホルム及びアセトン、そして水でそれぞれ洗浄した後に乾燥させれば、図9のようなアミノカリックスアレーン誘導体の自己組織化単分子層が完成される。ここに用いられる金基質は、いかなる種類の金薄膜でも可能であるが、一般的にガラス、溶融石英、シリコンウエハ、プラスチック基質等にクロム(Cr)やチタニウム(Ti)等を2−10nmで真空蒸着させた後、金を50−200nmの厚さで真空蒸着させた基質が好ましい。このように製造された金基質は、使用直前にピラニア溶液(Piranha solution;濃硫酸:30%過酸化水素水=3:1)に1分ほど浸した後、精製水で洗った後、窒素を吹き込みながら乾燥させて用いることが一般的である。単分子層の生成は、表面反射赤外線分光分析法を利用して確認する。
【0077】
また、本発明は、上記固体基質に連続したグアニン塩基が付着されたオリゴ遺伝子を多重分子認識によって固定化してオリゴ遺伝子チップを製造する方法及び製造されたオリゴ遺伝子チップを提供する。
【0078】
より詳しく、本発明は、上記アミノカリックスアレーン誘導体の4個の窒素原子を通じて連続したグアニン作用基を分子認識して多重分子認識によるオリゴ遺伝子の固定化方法を提供する。
【0079】
本発明の固定化方式は、オリゴ遺伝子を利用したすべての種類のバイオチップの製造技術を提供する基盤技術であって、現在までは世界的に類似した研究結果も発表されたことがない新規な発明である。
【0080】
図10及び図11は、自発的な分子認識による高密度のオリゴ遺伝子チップの製造技術に関する概路図及び単分子層を構成するアミノカリックスアレーン誘導体の個数を理論的に計算するための模式図である。さらに理論的に計算されたアミノカリックスアレーン誘導体の単分子層上に固定化され得る最大濃度のオリゴ遺伝子の濃度を比較確認した実際の実験結果である。
【0081】
理論的な最大値の固定化されたオリゴ遺伝子の量は、次のような方式を利用して計算した。X−線決定法によって得られたアミノカリックスアレーンの直径は2.1−2.2nmと明らかになった。これらが単分子層で表面に自己組織化される時に必要な分子の個数は、3個のアミノカリックスアレーン誘導体の中心を連結する線で構成される三角形の2個の面積と同一であるため、次の式によって一つのカリックスアレーン誘導体が表面に占める面積を求めることができる。
【0082】
2.1nm×2.1nm×sin60゜=3.82×10−14cm
そのため、1cm当たり存在するアミノカリックスアレーン誘導体の個数は、1/3.82×10−14cm=2.62×1013個=43.5pmol/cmのようである。一つのオリゴ遺伝子が固定化されるのに6−7個のアミノカリックスアレーン誘導体が結合された面積を用いるようになるので、固定化最高のオリゴ遺伝子の密度は43.5/(6〜7)pmol/cm=6.2〜7.25pmol/cmである。固定化用オリゴ遺伝子5’−GGG GGG GGG AAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号16)を実施例24の方法によって最大密度で固定化したオリゴ遺伝子チップに蛍光付着されたc−DNA 5’−cy3−GT GCA GCT GTG GGT TGA TT−3’(配列番号19)とハイブリダイゼーションした後、実施例13の方法によって洗って乾燥した後、蛍光スキャナ(GSI、米国)を利用して蛍光感度を測定した結果が図11の2)のハイブリダイゼーション結果に示されている。その蛍光感度と類似する感度をハイブリダイゼーションに用いられたものと同一のc−DNA 5’−cy3−GT GCA GCT GTG GGT TGA TT−3’(配列番号19)を多様な濃度で乾燥して蛍光スキャナを利用して類似する蛍光感度を測定した結果、理論的な計算値の半分水準である3.8pmol/cmの濃度で塗布して乾燥した場合に似ている水準の蛍光感度を得ることができた。この結果は、図11の1)の蛍光付着されたオリゴ遺伝子を乾燥した結果に示されている。この結果は、本発明で開発されたBMTオリゴ遺伝子チップ基板がオリゴ遺伝子をほとんど理論的な最大値に近く固定化してオリゴ遺伝子チップを製造することができ、同時に30分のハイブリダイゼーションでも最大値の蛍光の約50%水準の結果を得ることができ、超高速のハイブリダイゼーションを可能にし、同時に高密度の固定化技術を具現した世界最初のオリゴ遺伝子チップの製造技術であることを示している。
【0083】
図12は、最適の連続した塩基個数を把握するために、グアニン塩基が連続的に付着された同一の塩基配列を有するオリゴ遺伝子を利用して実施例22によって5倍の濃度のオリゴ遺伝子(6.75nmol/mL、1nL)を固定化させ、実施例22によってハイブリダイゼーションを行った後、洗って乾燥した後、蛍光スキャナ(GSI、米国)を利用して分析した結果である。図12の実験には、表4に示された塩基配列を有する遺伝子が用いられ、ハイブリダイゼーションには表4の蛍光付着されたc−DNAが用いられた。
【0084】
実際の実験結果は、図12の中間に示される6×6で結果が示されるスキャンデータであり、この蛍光を数値で分析して棒グラフで示した結果が図12の下に示される図表である。連続したグアニン塩基配列が1又は4個ほどである時は、ほとんど表面固定化がなされない結果を示しており、7個の連続したグアニンを有する時から蛍光を強く示し始め、9個から7個の2倍水準の蛍光を示す結果を示している。この時、9個より長さがさらに長い12個と15個の連続したグアニン塩基を有するオリゴ遺伝子を用いて固定化した場合は、9個でより1/2、1/3水準が減少された蛍光感度を示している。これは、9個のグアニン塩基が分子認識による固定化に十分な水準であり、長さがさらに長いグアニン塩基を利用するようになれば、理論的に12個である場合、長さが9個であるオリゴ遺伝子の固定化に必要な空間よりさらに広い空間を必要とし、結果的に蛍光感度が1/2水準に減少する結果を示している。15Gである場合には、固定化に必要な空間が9Gより2/3水準をさらに必要として固定化されるオリゴ遺伝子の量が30%水準に減少するようになって、蛍光感度が9Gに比べて約1/3水準に減少した結果を示している。総合すれば、固定化に最適の連続したグアニンは9個であることが分かり、それ以下の場合、十分な水準の分子認識による非可逆的なオリゴ遺伝子の固定化が起こらないことが分かり、9Gより多くの数の連続したグアニン塩基を有する場合には、固定化に必要な面積である9Gより広くて実際に固定化されるオリゴ遺伝子の個数が減少される結果と判断される。
【0085】
図13は、オリゴ遺伝子の固定化時に連続した塩基によって適切な空間を確保して固定化されたオリゴ遺伝子の間に確保された空間を通じて、c−DNAがチップの底まで接近が可能であり、超高速で出入りすることができるように十分な水準の空間を維持しているということを示す模式図である。同時にオリゴ遺伝子が固定化される時、実際に6−7個のアミノカリックスアレーン誘導体が固定化されている表面積を利用するということを示す模式図である。
【0086】
図14及び図15は、実際に表5に示されているそれぞれ1個ずつの塩基配列が異なるA、C、G、T型オリゴ遺伝子を実施例23によって固定化させた。その後、実施例23の蛍光が付着されたDNA(Cy3−DNA)を検出するためのc−DNAとのハイブリダイゼーションによってこれらとそれぞれ結合することができる相補的なc−DNAを実施例23によってハイブリダイゼーションを行った後、表5の蛍光付着されたオリゴ遺伝子を用いて実施例23によって蛍光付着させた。その後、洗って乾燥させて蛍光スキャナ(GSI、米国)を利用して蛍光感度を分析した。図14及び図15は、30分ほどの短いハイブリダイゼーション時間にも単一塩基の変異差異をOn−Offの水準で蛍光感度を差別化して分析することができる超高速のハイブリダイゼーションが可能でありながら、SNPの差別化がOn−Offの水準で進められるオリゴ遺伝子チップ基板であることを示す結果である。また、本発明で提案されたオリゴ遺伝子チップの製造技術が超高速のハイブリダイゼーションを可能にし、単一塩基の変異(SNP)を簡便で且つ再現性高く分析することができるようにする新技術であることを示す結果である。
【0087】
図16は、固定化に他の塩基よりグアニン塩基だけが選択的に高速固定化を行うという実際の競争反応の結果である。実施例25によって表6にある蛍光付着されたオリゴ遺伝子と結合されない9Gが付着されたオリゴ遺伝子(9G−1)を同一の濃度で用いながら、蛍光付着されたオリゴ遺伝子(Cy−3−DNA)と相補的な塩基配列を有しながら、9A、9G、9T、9Cが付着された4種類のオリゴ遺伝子をオリゴ遺伝子(9G−1)の1倍、2倍、4倍の濃度で混ぜた混合物を図16のような順序で塗布して遺伝子を固定化した。この時、9A、9C、9T、9Gが同一の濃度で混ざっている9Gが付着されたオリゴ遺伝子(9G−1)よりさらに早く固定化されれば、実施例25によって進められたハイブリダイゼーションで蛍光付着されたオリゴ遺伝子と結合するようになって蛍光が示されるようになり、9Gが付着されたオリゴ遺伝子(9G−1)がさらに早く固定化されれば、もちろん蛍光は示されないものと予測される。図16の実際の実験結果によれば、9Gを固定化した位置では固定化時のオリゴ遺伝子の濃度が増加するにつれて蛍光感度が漸次増加して9G−1:9G=1:1で約50%の蛍光感度を、そして1:4では80%水準の蛍光感度を示すことを確認することができる。9T、9Cでは蛍光感度が極めて微弱に増加されることを確認することができ、9Aの場合にも、16Gの量の4倍水準になってから若干の蛍光感度を示すものと確認され、実際の固定化時に9Gが付着されたオリゴ遺伝子を利用すれば、ハイブリダイゼーションで用いられなければならない、即ち、c−DNAと結合する時に用いられなければならない塩基のある部分が固定化には参加しないという、即ち、選択的に9Gが付着された位置だけが本発明で提案されたアミノカリックスアレーン誘導体の単分子層に最高密度で結合されて再現性のあるオリゴ遺伝子チップを製造することができるということを示す結果である。
【0088】
上記結果を総合すれば、本発明で開発されたアミノカリックスアレーン誘導体の自己組織化単分子層が連続したグアニン塩基を多重分子認識して非可逆的にオリゴ遺伝子を単分子層の表面に固定化してオリゴ遺伝子チップを製造することができ、蛍光分析によって示された固定化されたオリゴ遺伝子の量が理論的な最高密度に近く常に固定化が可能であって、再現性のあるオリゴ遺伝子チップの製造のための基盤技術であることを示す結果である。
【0089】
さらに本発明は、連続したグアニン塩基が単分子層の表面に固定化されながら、図13で示されるように、固定化されたオリゴ遺伝子が連続した塩基長さほどの空間を確保して配列される。この空間は、診断や研究目的等で特定の塩基配列を有する遺伝子を分析する時、数十−数百個以上の塩基配列を有するc−DNAが自由に超高速でチップ基板の表面まで容易に接近が可能になり、最大値の塩基が相補的に結合されて10分−1時間の短い時間内に超高速のハイブリダイゼーションを可能とする。同時に単一塩基の変異までも簡便に診断することができる固定化された遺伝子間の空間を十分に確保する技術が適用されたオリゴ遺伝子の単分子層の製造技術、即ち、オリゴ遺伝子チップを製造する基盤技術を提案する発明である。
【0090】
以下、本発明を下記実施例によってさらに具体的に説明する。しかし、本発明がここに限定されるものではない。
【実施例】
【0091】
実施例1
5,11,17,23−テトラアミノカリックス[4]アレーンの製造
【化10】


5,11,17,23−テトラニトロカリックス[4]アレーン(TNCA;tetranitrocalix[4]arene)を出発物質とし、下記参考文献3に提示された合成方法で合成して、淡黄色の固体生成物5,11,17,23−テトラアミノカリックス[4]アレーン(TACA;tetraaminocalix[4]−arene)を75%の収率で得た[参考文献3:VanWagenigen,A.M.A.;Snip,E.;Verboom.W.;Reinhoudt,D.N.;Boerrigter,H.;Liebigs Ann/Recueil 1997年.pp2235−2245]。上記反応を反応式1に示した。
【0092】
実施例2
5,11,17,23−テトラベンジルイミンカリックス[4]アレーンの製造
【化11】


乾燥された丸底フラスコに、TACA 500mg(1.03mmol)と無水MgSOを200mg仕込み、150mlのアセトニトリルとベンズアルデヒド0.84ml(8.24mmol)を同時に仕込んだ後、常温で窒素交流の下に2時間の間撹拌させた。反応後、濾過して固体生成物を除去した後、溶液を減圧して余分の溶媒を除去し、5mlのCHClに完全に溶かした後、30mlのn−ヘキサンを加えれば、5,11,17,23−テトラベンジルイミンカリックス[4]アレーン(TBICA;tetrabenzylimine−calix[4]arene)が淡紅色の固体に結晶化される。減圧フィルターをし、余分の溶媒を減圧下で除去してTBICA(822mg、収率95.7%)を得た。上記反応を反応式2に示した。
H NMR(300MHz,CDCl):δ 10.15(s,4H,OH),8.34(s,4H,N=CH),7.82−7.78(m,8H,Ar),7.40−7.38(m,12H,Ar),7.01(s,8H,Ar),4.31(d,4H,ArCHAr,J=13Hz),3.63(d,4H,ArCHAr,J=13Hz)
13C NMR(300MHz,CDCl):δ 159.26,146.28,136.40,131.32,t128.86,121.90,32.47
【0093】
実施例3
5,11,17,23−テトラベンジルイミンアルコキシカリックス[4]アレーンの製造
【化12】


乾燥された丸底フラスコに、TBICA 500mg(0.6mmol)、無水KCO(830mg、6mmol)及びヨウ化ナトリウム(810mg、5.4mmol)を仕込み、アセトニトリル150mlを仕込んだ後、窒素交流の下に撹拌させた。10分後、6−ブロモヘキサナール(bromohexanal)(644mg、3.6mmol)を仕込み、反応容器の温度を80℃に上げた後、24時間の間撹拌させた。反応後、アセトニトリルを減圧して除去させ、CHCl150mlを用いて反応物を溶かした。反応時に生成されるKBr、KI、KCO等は溶かないため、減圧濾過して除去し、濾液は減圧して溶媒を除去した後、5mlのエチルアセテートに完全に溶かした後、40mlのn−ヘキサンを加えれば、5,11,17,23−テトラベンジルイミンアルコキシカリックス[4]アレーン(TBICOCA;tetrabenzyliminealkoxy−calix[4]arene)が黄色の固体に析出される。これをCHCl/n−ヘキサンに再結晶して淡黄色の固体生成物TBICOCA(570mg、収率90%)を得た。上記反応を反応式3に示した。
H NMR(300MHz,CDCl):δ 9.81(t,2H,CHO),8.46(s,2H,N=CH),8.24(s,2H,N=CH),7.86−7.82(m,4H,Ar),7.73−7.70(m,4H,Ar),7.43−7.31(m,12H,Ar),7.07(s,4H,Ar),6.83(s,4H,Ar),4.33(d,4H,ArCHAr,J=13Hz),4.04(t,4H,OCH),3.46(d,4H,ArCHAr,J=13Hz),2.57(t,4H,CHCHO),2.10(t,4H,OCHCH),1.88−1.70(m,8H,CHCH
13C NMR(300MHz,CDCl):δ 202.07,197.11,159.61,158.90,148.21,147.19,145.93,143.10,t136.07,130.59−129.57,128.83−128.08,122.10,121.54,43.84,31.73,25.57
【0094】
実施例4
5,11,17,23−テトラベンジルイミンブロモブトキシカリックス[4]アレーンの製造
【化13】


乾燥された丸底フラスコに、TBICA(500mg、0.6mmol)、無水KCO(830mg、6mmol)及びヨウ化ナトリウム(1.08g、7.2mmol)を仕込み、アセトニトリル150mlを仕込んだ後、常温で10分間撹拌した。反応容器に、1,4−ジブロモブタン(1.3g、0.72ml、6mmol)を仕込み、反応容器の温度を80℃に上げた後、24時間の間に反応させた。反応容器を常温で冷やした後、溶媒は減圧して除去し、CHCl150mlにて残渣物を溶かした。反応時に生成されるKBr、KI、KCO等は溶けないため、減圧濾過して除去し、濾液は、減圧して溶媒を除去した。エチルアセテート/n−ヘキサンにて析出した後、減圧濾過して、黄土色の固体生成物、5,11,17,23−テトラベンジルイミンブロモブトキシカリックス[4]アレーン(TBBCA;tetrabenzylimine−bromobutoxy−calix[4]arene)を得た。この固体をCHCl/n−ヘキサンで再結晶して、淡黄色のTBBCA(480mg、72%)を得た。上記反応を反応式4に示した。
H NMR(300MHz,CDCl):δ 8.47(s,2H,N=CH),8.24(s,2H,N=CH),7.98(s,2H,ArOH),7.86−7.83(dd,4H,ArH),7.73−7.70(dd,4H,ArH),7.41−7.31(m,12H,ArH),7.08(s,4H,Ar),6.83(s,4H,Ar),4.33(d,4H,ArCHAr,J=13Hz),4.06(t,4H,OCH),3.49(s,4H,ArCHAr,J=13Hz),3.45(t,4H,CHBr),2.37−2.29(m,OCHCH)2.24−2.18(m,CHCHBr)
【0095】
実施例5
5,11,17,23−テトラベンジルイミンメルカプトブトキシカリックス[4]アレーンの製造
【化14】


乾燥された丸底フラスコに、TBBCA(500mg、0.45mmol)及びカリウムチオアセテート(114.21mg、1mmol)を仕込み、アセトン60mlに溶かした後、窒素交流下、室温で90分間の間にソニック反応させた。反応後、溶媒を減圧下で除去し、30mlのCHClで溶かして、不溶の沈殿物は、減圧濾過した後、濾液を水で2回洗い、有機層を分離して、MgSOで乾燥した。有機層を減圧濾過して、濾液を減圧乾燥した後、得られた固体を、エチルアセテート/n−ヘキサンを用いて再結晶し、減圧濾過して、淡黄色の固体結晶を得た。得られた固体結晶を丸底フラスコに仕込み、CHCl:メタノール=5:1の比率の混合溶液に溶かして、常温で、窒素交流下でソニック反応させた。1分後、1.0M KOH(1ml、1mmol)を仕込み、30分間ソニック反応させた。反応後、溶媒を減圧下で除去した後、5mlのCHClで溶かし、0.1M HCl水溶液で1回洗浄した。有機層を分離して、MgSOで乾燥した後、減圧濾過し、濾液の溶媒を減圧下で除去して、淡黄色の5,11,17,23−テトラベンジルイミンメルカプトブトキシカリックス[4]アレーン(TBIMBCA;tetrabenzyliminemercaptobutoxycalix[4]arene)を得た。得られたTBIMBCAをエチルアセテート/n−ヘキサンで再結晶し、TBIMBCA(450mg、収率73%)を白色の固体結晶として得た。上記反応を反応式5に示した。
H NMR(300MHz,CDCl):δ 8.48(s,2H,N=CH),8.17(s,2H,N=CH),7.84(m,4H,ArOH),7.68(m,4H,ArOR),7.38(m,6H,ArH),7.28(m,6H,ArOR),7.10(s,4H,ArH),6.81(s,4H,ArH),4.34(d,4H,ArCHAr),4.04(t,4H,ArOCH),3.47(d,4H,ArCHAr,J=13Hz),3.03(t,4H,SHCH),2.38(m,4H,ArOCHCH),2.11(m,4H,CHCH
【0096】
実施例6
イミンカリックスアレーン誘導体単分子層の製造
CHCl等の有機溶媒に、実施例3で合成したTBICOCAを0.1−5mMの濃度で溶かした溶液を製造した。図1と同様に、アミン作用基が付着されたスライドグラス(アミンチップ)を、製造された溶液に1−24時間の間浸漬した後、取り出して、これをクロロホルム、アセトン及び水でそれぞれ洗浄した後、乾燥して、本発明のイミンカリックスアレーン単分子層を製造した。同一の方法によって他のイミンカリックスアレーン誘導体単分子層を製造した。
【0097】
実施例7
金基質におけるイミンカリックスアレーン誘導体単分子層の製造
CHCl等の有機溶媒に、実施例5で合成されたTBIMBCAを0.1−5mMの濃度で溶かした溶液を製造した。図2のように、金基質を、製造された溶液に1−24時間の間浸漬した後、取り出して、これをクロロホルム、アセトン及び水でそれぞれ洗浄した後、乾燥して、本発明のイミンカリックスアレーン単分子層を製造した。同一の方法で他のイミンカリックスアレーン誘導体単分子層を製造した。上記金基質は多様な形態で用いることができるが、一般的に、ガラス、溶融石英、シリコンウエハ、プラスチック等にクロム(Cr)やチタン(Ti)等を5−20nmで真空蒸着した後、金を100−300nmの厚さで真空蒸着した基質が好ましい。このようにして製造された金基質は、使用直前にピラニア(piranha)溶液(濃硫酸:30%過酸化水素水=3:1で混合した混合溶液)に10秒乃至1分間程浸漬した後、水で洗浄し、窒素交流下で乾燥し、直ちに用いた。単分子層の生成は、表面反射赤外線分光分析法(FTIR−ERS)を用いて分析した。
【0098】
実施例8
多重分子認識によるオリゴ遺伝子の固定化方法
図3に示したオリゴ遺伝子の固定化には、ジェネティクス(Genetics)のマイクロアレイ装置(イギリス)とプロテオゼン(Proteogen Co.)のマイクロアレイ装置(韓国)を用いた。連続した9個のグアニン塩基を有するオリゴ遺伝子を6.75pmol/μlでBMTスポッティング(spotting)溶液に溶かし、固定化溶液を製造した。上記固定化溶液を、アレイピンを用いて、実施例6と同様の方式で製造された図1に提示された形態のイミンカリックスアレーン誘導体単分子層のガラス基質(ガラススライド)に1−5nLずつ塗布して、オリゴ遺伝子を直径150−180μmのスポット内に固定化した。1−4時間後にガラススライドを500mlのBMT Wa−A−1溶液で1分間1回洗浄し、BMT Wa−A−2溶液で2回洗浄した後、乾燥して、製造した。オリゴ遺伝子が固定化された以外の位置をブロッキング(blocking)するために、洗浄したガラススライドを250mlのBMTブロッキング溶液内に入れ、30分間処理を行った。その後、さらに500mlのBMT Wa−A−1溶液で3分間1回洗浄し、BMT Wa−A−2溶液で2回洗浄した後、水分を除去して乾燥して、製造した。
【0099】
実施例9
多重分子認識によって9個の連続したグアニン塩基を有するオリゴ遺伝子だけを非可逆的に固定化する方法
図4に示したオリゴ遺伝子の固定化には、ジェネティクスのマイクロアレイ装置(イギリス)を用いた。下記表1の9A、9G、9C、9T、no、ビオチン等の6種のそれぞれ異なる固定化用作用基の固定化効率を確認するために、それぞれのオリゴ遺伝子を6.75pmol/μlでBMTスポッティング溶液に溶かし、固定化溶液を製造した。上記固定化溶液を、アレイピンを用いて、実施例6と同様の方式で製造された図1に提示された形態のイミンカリックスアレーン誘導体単分子層ガラス基質(ガラススライド)に1−5nLずつ塗布して、オリゴ遺伝子を直径150−180μmのスポット内に固定化した。1−4時間後にガラススライドを500mlのBMT Wa−A−1溶液で1分間1回洗浄し、BMT Wa−A−2溶液で2回洗浄した後、乾燥して、製造した。オリゴ遺伝子が固定化された以外の位置をブロッキングするために、洗浄したガラススライドを250mlのBMTブロッキング溶液内に入れ、30分間処理を行った後、さらに500mlのBMT Wa−A−1溶液で3分間1回洗浄し、BMT Wa−A−2溶液で2回洗浄した。水分を除去して乾燥した後、図4に示したオリゴ遺伝子チップを製造した後、直径が0.8cmのハイブリダイゼーション用チャンバを強固に付着した。
【0100】
【表1】


次の蛍光付着された標的遺伝子とのハイブリダイゼーションのために、1.5mlのチューブに、2pmol/μlの濃度の蛍光が付着された標的遺伝子2μlと、BMT hyb−mixA58μlとの比率で混合溶液を製造した。これを100℃の水で3分間加熱し、氷の上で3分間放置して冷却した後、60μlの混合溶液を、ハイブリダイゼーション用チャンバが付着されたガラススライドに注入した。ガラススライドを、湿度が保持される恒温オーブンにて、50℃で30分間ハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションが終わったガラススライドを、30℃の恒温槽においてBMT Wa−B−1(4×SSC、0.1%SDS)溶液で2分間、常温でBMT Wa−B−2(4×SSC)溶液で2分間ずつ、2回繰り返して洗浄した。乾燥した後、マイクロアレイスキャナ(GSI Lumonics、米国)を用いて蛍光感度を定量的に分析した。実際の結果は、図5に示されたとおりである。上記結果は、9個のグアニン塩基を有するオリゴ遺伝子は高密度で固定化が進められ、他の塩基は、固定化に影響を与えないことを示す。
【0101】
実施例10
1−15個の連続したグアニン塩基を有するオリゴ遺伝子が多重分子認識によって非可逆的に固定化されるときの効率比較方法
図6に示したオリゴ遺伝子の固定化には、ジェネティクスのマイクロアレイ装置(イギリス)を用いた。下記表2の1G、4G、7G、9G、12G、15G等の6種のそれぞれ異なる固定化用作用基の固定化効率を確認するために、それぞれのオリゴ遺伝子を6.75pmol/μlでBMTスポッティング溶液に溶かし、固定化溶液を製造した。上記固定化溶液を、アレイピンを用いて、実施例6と同様の方式で製造された図1に提示された形態のイミンカリックスアレーン誘導体単分子層のガラス基質(ガラススライド)に1−5nLずつ塗布して、オリゴ遺伝子を直径150−180μmのスポット内に固定化した。4時間後にガラススライドを500mlのBMT Wa−A−1溶液で1分間1回洗浄し、BMT Wa−A−2溶液で2回洗浄した後、乾燥して、製造した。オリゴ遺伝子が固定化された以外の位置をブロッキングするために、洗浄したガラススライドを250mlのBMTブロッキング溶液内に入れ、30分間処理を行った。さらに、500mlのBMT Wa−A−1溶液で3分間1回洗浄し、BMT Wa−A−2溶液で2回洗浄した後、水分を除去した。乾燥した後、図4に示されたオリゴ遺伝子チップを製造し、直径が0.8cmのハイブリダイゼーション用チャンバを強固に付着した。
【0102】
【表2】


次の実施例9において用いられたものと同一の蛍光付着された標的遺伝子とのハイブリダイゼーションのために、1.5mlのチューブに、2pmol/μlの濃度の蛍光が付着された標的遺伝子2μlと、BMT hyb−mixA58μlとの比率で混合溶液を製造した。これを100℃の水で3分間加熱し、氷の上で3分間放置して冷却した後、60μlの混合溶液を、ハイブリダイゼーション用チャンバが付着されたガラススライドに注入した。ガラススライドを、湿度が保持される恒温オーブンにて、50℃で30分間ハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションが終わったガラススライドを、30℃の恒温槽においてBMT Wa−B−1(4×SSC、0.1%SDS)溶液で2分間、常温でBMT Wa−B−2(4×SSC)溶液で2分間ずつ、2回繰り返して洗浄した。乾燥した後、マイクロアレイスキャナ(GSI Lumonics、米国)を用いて蛍光感度を定量的に分析した。実際の結果は、図6に示されたとおりである。上記結果は、固定化のために7個の連続したグアニン塩基以上の連続したグアニン塩基が必要であることを示している。さらに、9個の連続したグアニン塩基の場合に、最も高い固定化密度を示すことが分かる。
【0103】
実施例11
イミダゾールとの競争反応を通じた多重分子認識によるオリゴ遺伝子固定化の証明
図7で示したオリゴ遺伝子の固定化には、ジェネティクスのマイクロアレイ装置(イギリス)を用いた。5’−GGG GGG GGG AAA TCA ACC CAC AGC TGC A−3’(配列番号1)の塩基配列を有するオリゴ遺伝子を6.75pmol/μlでBMTスポッティング溶液に溶かし、固定化溶液を製造した。上記固定化溶液を、アレイピンを用いて、実施例6と同様の方式で製造された図1に示された形態のイミンカリックスアレーン誘導体単分子層ガラス基質(ガラススライド)に1−5nLずつ塗布して、オリゴ遺伝子を直径150−180μmのスポット内に固定化した。但し、それぞれ異なる濃度のイミダゾールを図7に示した濃度で含まれるようにして、固定化溶液を塗布した。3時間後、ガラススライドを500mlのBMT Wa−A−1溶液で1分間1回洗浄し、BMT Wa−A−2溶液で2回洗浄し、乾燥して、製造した。オリゴ遺伝子が固定化された以外の位置をブロッキングするために、洗浄したガラススライドを250mlのBMTブロッキング溶液内に入れ、30分間処理を行った。さらに、500mlのBMT Wa−A−1溶液で3分間1回洗浄し、BMT Wa−A−2溶液で2回洗浄した後、水分を除去して乾燥した後、図4に示されたオリゴ遺伝子チップを製造し、直径が0.8cmのハイブリダイゼーション用チャンバを強固に付着した。
【0104】
次に実施例9において用いられたものと同一の蛍光付着された標的遺伝子とのハイブリダイゼーションのために、1.5mlのチューブに、2pmol/μlの濃度の蛍光が付着された標的遺伝子2μlと、BMT hyb−mixA58μlとの比率で混合溶液を製造した。これを100℃の水で3分間加熱し、氷の上で3分間放置して冷却した後、60μlの混合溶液を、ハイブリダイゼーション用チャンバが付着されたガラススライドに注入した。ガラススライドを、湿度が保持される恒温オーブンにて、50℃で30分間ハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションが終わったガラススライドを、30℃の恒温槽においてBMT Wa−B−1(4×SSC、0.1%SDS)溶液で2分間、常温でBMT Wa−B−2(4×SSC)溶液で2分間ずつ、2回繰り返して洗浄した。乾燥した後、マイクロアレイスキャナ(GSI Lumonics、米国)を用いて蛍光感度を定量的に分析した。実際の結果は、図7に示されたとおりである。上記結果は、イミダゾールが連続したグアニンの多重分子認識による固定化を阻害し、100mM以上のイミダゾールが含まれると、オリゴ遺伝子の固定化はほとんど進まないことが示された。即ち、分子認識によってイミダゾールが競争しながら、連続した9個のグアニン塩基を有するオリゴ遺伝子の固定化速度を落としてしまうことを示した。
【0105】
実施例8−11において固定化、洗浄等のために用いられた溶液の組成は、次のとおりである。
【0106】
BMTスポッティング溶液(4×SSC、15%グリセロール、1×PBS)
BMT Wa−A−1(2×SSC、0.1%SDS)
BMT Wa−A−2(0.1×SSC)
BMTブロッキング溶液(牛乳カゼイン5%水溶液)
BMT hyb−mixA(4×SSC、0.1%SDS、50%グリセロール、1×PBS)
BMT Wa−B−1(4×SSC、0.1%SDS)
BMT Wa−B−2(4×SSC)
【0107】
実施例12
5,11,17,23−テトラアミノカリックス[4]アレーンの合成
【化15】


5,11,17,23−テトラニトロカリックス[4]アレーン(TNCA;tetranitrocalix[4]arene)を出発物質として用い、上記参考文献3に提示された合成方法で合成して、淡黄色の固体生成物、5,11,17,23−テトラアミノカリックス[4]アレーン(TACA;tetraaminocalix[4]−arene)を75%の収率で得た。
【0108】
実施例13
5,11,17,23−テトラ(2,4−ジメチル)ジベンジルアミノカリックス[4]アレーンの合成
【化16】


乾燥された丸底フラスコに、マグネチック棒とTACA(1.0g、2.05mmol)とヨウ化ナトリウム(3.0g、20.5mmol)を仕込み、減圧乾燥した。乾燥後、無水アセトニトリル50mlを仕込んだ後、窒素交流下、加熱器で撹拌した。5分後、2,4−ジメチルベンジルブロマイド(16.2g、82mmol)を反応容器に仕込んだ後、温度をあげて交流撹拌しながらピリジン(6.62ml、82mmol)を仕込み、6時間の間反応させた。反応後、反応容器は、常温で冷やした後、溶媒は減圧下で除去した後、CHCl150mlに溶かした後、水で2回有機層を洗浄した。有機層を乾燥した後、減圧下で濾過し、濾液は減圧除去した後、CHCl/MeOHで再結晶し、淡灰色の固体生成物、5,11,17,23−テトラ(2,4−ジメチル)ジベンジルアミノカリックス[4]アレーン(2,4−DMTDBACA)2.1g(収率80%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl);δ 10.14(s,4H,ArOH),7.28 7.12(m,24H,ArH),6.03(s,8H,ArH),4.24(s,16H,ArNCH),4.11(d,4H,ArCHAr,13Hz),3.10(d,4H,ArCHAr,13Hz),2.43(s,12H,ArCH),2.28(s,12H,ArCH
【0109】
実施例14
5,11,17,23−(2,4−ジメチル)ベンジルイミンカリックス[4]アレーンの合成
【化17】


乾燥された丸底フラスコに、TACA(100mg、0.2mmol)とマグネチック棒を仕込み、準備した。反応容器に15mlのアセトニトリルを仕込んだ後、撹拌した。2,4−ジメチルベンズアルデヒド(322mg、2.4mmol)を仕込んだ後、窒素交流下で、2時間の間に常温で撹拌反応させた。反応後、減圧濾過して、減圧下で溶媒を除去した後、反応物を適正量のCHClに溶かし、n−ヘキサン15mlを注いで、淡褐色の固体生成物を得た。生成物は、さらに3mlのCHClに溶かした後、n−ヘキサン15mlを加え、淡褐色の固体生成物、5,11,17,23−テトラ(2,4−ジメチル)ベンジルイミンカリックス[4]アレーン(2,4−DMICA)155mg(収率81%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl);δ 10.19(s,4H,ArOH),8.54(s,8H,N=CH),7.79(d,4H,ArH),7.02(s,4H,ArH),7.01(d,4H,ArH),6.96(s,8H,ArH),4.30(d,4H,ArCHAr,13Hz),3.61(s,4H,ArCHAr,13Hz),2.43(s,12H,ArCH),2.30(s,12H,ArCH
【0110】
実施例15
5,11,17,23−テトラ(2,4−ジメチル)ベンジルアミノカリックス[4]アレーンの合成
【化18】


乾燥された丸底フラスコに、2,4−DMICA(100mg、0.1mmol)とマグネチック棒を仕込み、減圧乾燥した後、窒素交流下、無水THF20mlを仕込んで撹拌した。10分後にBH/THF1.0M溶液(0.8ml、0.8mmol)を仕込んだ後、常温で3時間反応させた。反応後、溶媒は減圧下で除去し、フラスコに残留する生成物は、CHClに溶かした後、0.1M HCl水溶液でそれぞれ2回洗った後、蒸留水で2回洗った。有機層を分離して、乾燥した後、減圧濾過して、濾液を減圧除去し、CHCl/ヘキサンで再結晶して、淡黄色の固体生成物、5,11,17,23−テトラ(2,4−ジメチル)ベンジルアミノカリックス[4]アレーン(2,4−TDMBACA)72mg(収率75%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl);δ 9.86(s,4H,ArOH),7.33−7.18(m,12H,ArH),6.21(s,8H,ArH),4.21−4.09(m,16H,ArCHAr,ArNHCH),3.58(s,4H,NH),3.22(d,4H,ArCHAr),2.43(s,12H,ArCH),2.28(s,12H,ArCH
【0111】
実施例16
5,11,17,23−テトラ(2,4−ジメチルテトラベンジル)ベンジルアミノカリックス[4]アレーンの合成
【化19】


乾燥された丸底フラスコに、マグネチック棒と2,4−TDMBACA(500mg、0.5mmol)とヨウ化ナトリウム(80mg、0.5mmol)とを仕込み、減圧乾燥した。乾燥後、無水アセトニトリル50mlを仕込んだ後、窒素交流下、加熱器で撹拌した。5分後、ベンジルブロマイド(1.1ml、10mmol)を反応容器に仕込み、交流攪拌した。反応容器にピリジン(0.8ml、10mmol)を仕込んだ後、6時間の間反応させた。反応後、反応容器は常温で冷やした後、溶媒は減圧除去して、CHCl60mlに溶かし、水で洗った後、有機層を乾燥して減圧濾過し、濾液は減圧除去した後、CHCl/MeOHで再結晶して、淡灰色の固体生成物、5,11,17,23−テトラ(2,4−ジメチルテトラベンジル)ベンジルアミノカリックス[4]アレーン(TB(2,4−DMTB)ACA)521mg(収率79%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ 10.01(s,4H,ArOH),7.35−7.10(m,34H,ArH),6.20−6.06(br,8H,ArH),4.31−4.01(m,16H,ArCHAr,ArNHCH),3.14(d,4H,ArCH2Ar),2.45(s,12H,ArCH3),2.27(s,12H,ArCH
【0112】
実施例17
5,11,17,23−テトラ(2,4−ジメチル)ジベンジルアミノカリックス[4]アレーン−1,3−ヘキサナールの合成
【化20】


乾燥された丸底フラスコに、マグネチック棒と2,4−DMTDBACA(500mg、0.35mmol)、KCO(487mg、3.5mmol)、ヨウ化ナトリウム(473mg、3.15mmol)を順次仕込んだ後、無水アセトニトリル130mlを、窒素交流下、反応容器に仕込み、加熱器で撹拌した。6−ブロモヘキサナール(376mg、2.1mmol)を仕込んだ後、16時間交流撹拌した。反応後、反応物を常温で冷やした後、減圧下で溶媒を除去する。130mlのCHClに反応物を溶かして、減圧濾過し、濾過された濾液は減圧除去した後、MeOH/CHClで再結晶し、減圧濾過して、淡黄色の固体生成物、5,11,17,23−テトラ(2,4−ジメチル)ジベンジルアミノカリックス[4]アレーン−1,3−ヘキサンアルデヒド(2,4−DMTDBACAHA)432mg(収率76%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl);δ 9.78(s,2H,CHO),7.317.04(m,12H,ArH),6.11−6.02(br,8H,ArH),4.41−4.13(m,20H,ArNCH,ArCHAr),3.89(t,4H,OCH),3.05(d,4H,ArCHAr,13Hz),2.57−2.49(t,4H,CHOCH),2.45−2.39(m,12H,ArCH),2.31−2.25(m,12H,ArCH),2.12−1.98(t,OCHCH),1.78−1.62(m,8H,CHCH
【0113】
実施例18
5,11,17,23−テトラ(2,4−ジメチルテトラベンジル)ベンジルアミノブロモブトキシカリックス[4]アレーンの合成
【化21】


乾燥された丸底フラスコに、2,4−TDMBACA(500mg、0.5mmol)と、無水KCO(619mg、5.0mmol)と、ヨウ化ナトリウム(674mg、4.5mmol)を仕込み、無水アセトニトリル160mlを仕込んで、常温で15分間撹拌した。反応容器に1、4−ジブロモブタン(1.03g、0.6ml、5.0mmol)を仕込み、20時間の間交流撹拌した。反応容器を常温で冷やした後、溶媒は減圧除去し、CHClに溶かした後、減圧濾過して、濾液は減圧除去した後、EA/ヘキサンで再結晶し、減圧濾過して、淡褐色の固体生成物、5,11,17,23−テトラ(2,4−ジメチルテトラベンジル)ベンジルアミノブロモブトキシカリックス[4]アレーン(TB(2,4−DMTB)ABCA)610mg(収率77%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl);δ 7.81(s,2H,ArOH),7.297.04(m,34H,ArH),6.06−6.02(d,8H,ArH),4.38−4.11(m,20H,ArNCH,ArCHAr),3.89(t,4H,OCH),3.04(d,4H,ArCHAr,13Hz),2.46−2.43(m,12H,ArCH),2.41−2.40(m,12H,ArCH)2.31−2.27(t,4H,BrCH),2.16−2.06(m,8H,CHCH
【0114】
実施例19
5,11,17,23−テトラ(2,4−ジメチルテトラベンジル)ベンジルアミノメルカブトブトキシカリックス[4]アレーンの合成
【化22】


乾燥された丸底フラスコに、TB(2,4−DMTB)ABCA(500mg、0.31mmol)と、カリウム チオアセテート(212mg、1.86mmol)を仕込み、無水アセトン60mlに溶かして、窒素交流下、90分間常温でソニック反応させた。反応後、溶媒を減圧除去した後、30mlのCHClに溶かして減圧濾過した後、濾液を水で2回洗い、有機層を分離して、乾燥した。有機層を減圧濾過し、濾液を減圧乾燥した後、得られた固体をEA/n−ヘキサンを用いて再結晶し、減圧濾過して、淡黄色の固体結晶を得た。得られた固体結晶を丸底フラスコに仕込み、CHCl:メタノール=5:1の比率の混合溶液に溶かして、常温で、窒素交流下でソニック反応させた。1分後、1.0M KOH(1.5ml、1.5mmol)を仕込み、30分間ソニック反応させた。反応後、溶媒を減圧除去した後、CHClに溶かし、0.1M HCl水溶液で洗った。有機層を分離した後、乾燥して、減圧濾過し、濾液は減圧下で溶媒を除去し、CHCl/MeOHを用いて再結晶すると、淡黄色の5,11,17,23−テトラ(2,4−メトキシ)ベンジルアミノメルカプトブトキシカリックス[4]アレーン(TB(2,4−DMTB)AMBCA)を320mg(収率73%)得た。
H NMR(300MHz,CDCl);δ 7.84(s,2H,ArOH),7.297.01(m,34H,ArH),6.25−6.19(br,8H,ArH),4.36−4.11(m,20H,ArNCH,ArCHAr),3.90(t,4H,OCH),3.05(d,4H,ArCHAr,13Hz),2.30(t,4H,SHCH),2.45−2.39(m,12H,ArCH),2.31−2.25(m,12H,ArCH)2.05−2.02(m,CHCH
【0115】
実施例20
図8のようなアミノカリックスアレーン誘導体単分子層の製造
CHCl等の有機溶媒に、実施例17で合成された2,4−DMTDBACAHAを0.1−5mMの濃度で溶かした溶液を製造した。図8のように、アミン作用基が付着されたスライドグラス(アミンチップ)を、製造した溶液に1−24時間の間浸漬した後、取り出して、これをクロロホルムとアセトン、及び水でそれぞれ洗浄し、乾燥すると、図8に示されたアミノカリックスアレーン誘導体単分子層(BMTオリゴ遺伝子チップA型)が製造される。前述したA型を、BH−THFやNaBHinMeOH還元剤の中に1−10分間入れて置いた後、水(DI water)で3回洗浄して、窒素雰囲気下で乾燥し、図8に示されたアミノカリックスアレーン誘導体単分子層(BMTオリゴ遺伝子チップB型)を製造する。
【0116】
実施例21
図9のような金基質におけるアミノカリックスアレーン誘導体単分子層の製造
CHCl等の有機溶媒に、実施例19で合成されたTB(2,4−DMTB)AMBCAを0.1−5mMの濃度で溶かした溶液を製造した。図9のように、金基質を製造した溶液に1−24時間の間浸漬した後、取り出して、これをクロロホルムとアセトン、及び水でそれぞれ洗浄し、乾燥すると、図9に示されたアミノカリックスアレーン誘導体単分子層が製造される。アミノカリックスアレーンの他の誘導体も、同様の方法で単分子層が製造される。ここに用いられる金基質は、多様な形態で用いることができるが、一般的に、ガラス、溶融石英(fused silica)、シリコンウエハ、プラスチック等にクロム(Cr)やチタン(Ti)等を2−10nmで真空蒸着した後、金を50−200nmの厚さで真空蒸着した基質が好ましい。このようにして製造された金基質は、使用直前にピラニア溶液(濃硫酸:30%過酸化水素水=3:1で混合した混合溶液)に10秒乃至1分間程浸漬した後、水で洗浄し、窒素交流下で乾燥して、直ちに用いる。単分子層の生成は、表面反射赤外線分光分析法(FTIR−ERS)を用いて分析する。
【0117】
実施例22乃至25において用いられた溶液とオリゴ遺伝子、蛍光付着されたオリゴ遺伝子、及びc−DNA塩基配列
【表3】

【0118】
【表4】

【0119】
【表5】

【0120】
【表6】

【0121】
【表7】

【0122】
【表8】

【0123】
実施例22
図12のアミノカリックスアレーン誘導体単分子層上に多重分子認識によって非可逆的に固定化されたグアニン塩基の最適個数の判別
−多重分子認識によるアミノカリックスアレーン誘導体単分子層上におけるオリゴ遺伝子の固定化
アミノカリックスアレーン誘導体単分子層上に多重分子認識に適合したグアニン個数の決定のために用いられるサンプル溶液及び濃度組成等は、表3のとおりである。先ず、オリゴ遺伝子の固定化のために用意されたアミノカリックスアレーン誘導体単分子層上に、下記表4の1G、4G、7G、9G、12G、15G個の連続したグアニン塩基を有したそれぞれのオリゴ遺伝子(100pmol/μl)10μlと、BMTスポッティング溶液3の148μlとの混合溶液を、マイクロアレイヤ(microarrayer)(Genetix Qarray2)を用いて1−5nlずつ塗布し、直径が150−180μmの大きさで、常温で時間別に、1時間、2時間、4時間の間、それぞれを固定化用チャンバにて固定化した。固定化後に、アミノカリックスアレーン誘導体単分子層は、余分のオリゴ遺伝子を除去するために、BMT Wa−A−1(2×SSC、0.1%SDS)で常温で1分間洗浄した後、BMT Wa−A−2(0.1×SSC)で洗浄し、BMTブロッキング溶液(牛乳カゼイン5%水溶液)により常温で30分間ブロッキングを行った。処理されたアミノカリックスアレーン誘導体単分子層は、BMT Wa−B−1(4×SSC、0.1%SDS)で常温で3分間洗浄した後、BMT Wa−A−2(0.1×SSC)洗浄瓶(wash−bottle)で洗浄し、乾燥した。
【0124】
−蛍光付着されたDNA(Cy3−DNA)とのハイブリダイゼーション
オリゴ遺伝子の固定化後に乾燥したアミノカリックスアレーン誘導体単分子層は、蛍光が付着されたCy3−DNAとのハイブリダイゼーションのために、先ず、ハイブリダイゼーション用チャンバを単分子層上に付着した後、表4に明示されたCy3−DNA(5nmol/ml)2μlをBMThyb−mixA(4×SSC、0.002%SDS、50%グリセロール、1×PBS)58μlと混合して、100℃の水で3分間加熱し、氷の上で3分間放置した後、マイクロピペットを用いて60μlずつ塗布し、その後、湿度が維持される恒温インキュベーターにおいて50℃で30分間ハイブリダイズした。ハイブリダイゼーション後、アミノカリックスアレーン誘導体単分子層の洗浄のために、BMT Wa−B−1(4×SSC、0.1%SDS)で30℃で2分間洗浄した後、BMT Wa−B−2(4×SSC)で常温で2分間の洗浄を2回繰り返して乾燥し、蛍光スキャナ(GSI Lumonics、米国)を用いて、示される蛍光感度を分析した。実際の結果は、図12のとおりである。上記結果は、アミノカリックスアレーン誘導体単分子層上に多重分子認識によってオリゴ遺伝子が固定化されるとき、最小7個以上のグアニン塩基が必要であり、9個のグアニン塩基の場合が、もっとも高密度で固定化されることを示す結果である。
【0125】
実施例23
図14及び図15の最適空間配列による単一塩基変異(SNP;Single Nucleotide Polymorphism)の差別化確認実験
−アミノカリックスアレーン誘導体単分子層上におけるSNPの確認
アミノカリックスアレーン誘導体単分子層上におけるSNPの確認のための実験は、先ず、オリゴ遺伝子の固定化のために用意したアミノカリックスアレーン誘導体単分子層上に、表6の塩基配列が同じ位置で1個ずつだけ異なるそれぞれのオリゴ遺伝子(100pmol/μl)9.1μlと、BMTスポッティング溶液1の35.9μlとを混合した混合溶液を、マイクロアレイヤ(Genetix Qarray2)を用いて1−5nlずつ150−180μmの大きさで塗布した後、常温で3時間の間固定化用チャンバにおいて固定化した。固定化後に、アミノカリックスアレーン誘導体単分子層は、余分のオリゴ遺伝子を除去するために、BMT Wa−A−1(2×SSC、0.1%SDS)で常温で1分間洗浄した後、BMT Wa−A−2(0.1×SSC)で洗浄し、BMTブロッキング溶液(牛乳カゼイン5%水溶液)により常温で30分間ブロッキングを行った。処理されたアミノカリックスアレーン誘導体単分子層は、BMT Wa−B−1(4×SSC、0.1%SDS)で常温で3分間洗浄した後、BMT Wa−A−2(0.1×SSC)洗浄瓶で洗浄した後、乾燥した。
【0126】
−蛍光付着されたDNA(Cy3−DNA)を検出するためのC−DNAとのハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーションのために、先ず、ハイブリダイゼーション用チャンバを単分子層上に付着した後、表6に明示されたそれぞれのc−DNA(5nmol/μl)2μlをBMThyb−mixA(4×SSC、0.002%SDS、50%グリセロール、1×PBS)28μlと混合して、100℃の水で3分間加熱し、氷の上で3分間放置して冷やした後、マイクロピペットを用いて30μlずつ塗布し、55℃の恒温インキュベーターにおいて30分間ハイブリダイズした。ハイブリダイゼーション後、アミノカリックスアレーン誘導体単分子層の洗浄のために、BMT Wa−B−1(4×SSC、0.1%SDS)で30℃で2分間洗浄した後、BMT Wa−B−2(4×SSC)で常温で2分間の洗浄を2回繰り返して乾燥し、蛍光が付着されたDNA(Cy3−DNA)とハイブリダイゼーションが可能なオリゴ遺伝子単分子層を用意した。
【0127】
−C−DNAと蛍光が付着されたCy3−DNAとのハイブリダイゼーション
C−DNAとのハイブリダイゼーションを終えた単分子層上において蛍光が付着されたCy3−DNAとのハイブリダイゼーションのために、先ず、ハイブリダイゼーション用チャンバを付着した後、表6のCy3−DNA(5nmol/ml)2μlをBMThyb−mixA(4×SSC、0.002%SDS、50%グリセロール、1×PBS)28μlと混合して、100℃の水で3分間加熱した後、氷の上で3分間放置して冷やし、マイクロピペットを用いて30μlずつ塗布した後、恒湿インキュベーターにおいて45℃で30分間ハイブリダイズした。ハイブリダイゼーション後、アミノカリックスアレーン誘導体単分子層の洗浄のために、BMT Wa−B−1(4×SSC、0.1%SDS)で30℃で2分間洗浄した後、BMT Wa−B−2(4×SSC)で常温で2分間の洗浄を2回繰り返して乾燥し、蛍光スキャナ(GSI Lumonics、米国)を用いてSNP差別化の有無を蛍光感度で確認した。結果は、図14及び図15に示されたとおりであり、ハイブリダイゼーションにおいて、一つの差がある何らのオリゴ遺伝子が固定化された箇所にも他の遺伝子は結合しないという結果を見せており、本発明において開発された技術が、固定化されるオリゴ遺伝子を適切な水準の空間を確保して配列し、オリゴ遺伝子の間の最適の空間配列により、迅速かつ正確にSNPの差別化を具現することができる結果を示した。
【0128】
実施例24
図10及び図11の最高密度固定化実験
−オリゴ遺伝子の固定化
アミノカリックスアレーン誘導体単分子層上にオリゴ遺伝子を固定化する方法は、先ず、オリゴ遺伝子の固定化のために用意したアミノカリックスアレーン誘導体単分子層上に、表7のオリゴ遺伝子(100pmol/μl)9.1μlと、BMTスポッティング溶液1の35.9μlとの混合溶液を、マイクロアレイヤ(Genetix Qarray2)を用いて1−5nlずつ塗布した後、常温で3時間の間固定化用チャンバにおいて固定化した。固定化後に、アミノカリックスアレーン誘導体単分子層は、余分のオリゴ遺伝子を除去するために、BMT Wa−A−1(2×SSC、0.1%SDS)で常温で1分間洗浄した後、BMT Wa−A−2(0.1×SSC)で洗浄し、BMTブロッキング溶液(牛乳カゼイン5%水溶液)により常温で30分間ブロッキングを行った。処理されたアミノカリックスアレーン誘導体単分子層は、BMT Wa−B−1(4×SSC、0.1%SDS)で常温で3分間洗浄した後、BMT Wa−A−2(0.1×SSC)洗浄瓶で洗浄した後、乾燥した。
【0129】
−蛍光付着されたCy3−DNAとのハイブリダイゼーション
蛍光付着されたCy3−DNAとのハイブリダイゼーションのために、先ずハイブリダイゼーション用チャンバを付着した後、表7のCy3−DNA(5nmol/ml)2μlをBMThyb−mixA(4×SSC、0.002%SDS、50%グリセロール、1×PBS)28μlと混合して、100℃の水で3分間加熱し、氷の上で3分間放置して冷やした後、マイクロピペットを用いて30μlずつ塗布した後、50℃のインキュベーターにおいて30分間ハイブリダイズした。ハイブリダイゼーション後、アミノカリックスアレーン誘導体単分子層の洗浄のために、BMT Wa−B−1(4×SSC、0.1%SDS)で30℃で2分間洗浄した後、BMT Wa−B−2(4×SSC)で常温で2分間の洗浄を2回繰り返して乾燥し、蛍光スキャナを用いて、示される蛍光感度を確認し、理論的な蛍光感度との比較分析をした。
【0130】
−蛍光付着されたc−DNAの量をチップ基板に乾燥させ、理論的な量の最大値と比較分析
アミノカリックスアレーン誘導体の上で、表7の蛍光が付着されたCy3−DNAを理論的な最大値の1/2(0.675fmol/nl)1−5nlを、マイクロアレイヤ(Genetix Qarray2)を用いて塗布し、乾燥した後、蛍光スキャナを用いて分析した。理論的な蛍光感度と実験的な蛍光感度とを比較した結果は図10及び図11に示されており、理論的な最大値の1/2水準の蛍光付着されたCy3−DNAを用いた結果が、ハイブリダイゼーションを介して固定化されたオリゴ遺伝子において現われる結果と同様に示され、理論的な最大値に近接した水準のオリゴ遺伝子が固定化されていることを示す結果となった。
【0131】
実施例25
図16の9A、9T、9G、9C−DNAとの競争反応を用いた9個のグアニン塩基のみの非可逆的固定化確認実験
競争反応のためのオリゴ遺伝子の準備は、表7のような組成で用意した。このとき、競争反応に用いられた他のDNAは表8に明示されており、濃度は、0倍、1倍、2倍、4倍で含まれるようにした。オリゴ遺伝子の固定化は、アミノカリックスアレーン誘導体単分子層上に、表7と同様の方法で製造されたそれぞれのオリゴ遺伝子混合溶液をマイクロピペットにより1μlずつ2mmの大きさでスポッティングし、常温で1時間の間固定化用チャンバにおいて固定化した。固定化後に、アミノカリックスアレーン誘導体単分子層は、余分のオリゴ遺伝子を除去するために、BMT Wa−A−1(2×SSC、0.1%SDS)で常温で1分間洗浄した後、BMT Wa−A−2(0.1×SSC)で洗浄し、BMTブロッキング溶液(牛乳カゼイン5%水溶液)により常温で30分間ブロッキングを行った。処理されたアミノカリックスアレーン誘導体単分子層は、BMT Wa−B−1(4×SSC、0.1%SDS)で常温で3分間洗浄した後、BMT Wa−A−2(0.1×SSC)洗浄瓶で洗浄し、乾燥した。
【0132】
−蛍光付着されたCy3−DNAとのハイブリダイゼーション
蛍光付着されたCy3−DNAとのハイブリダイゼーションのために、先ず、ハイブリダイゼーション用チャンバを付着した後、表8のCy3−DNA(10nmol/ml)10μlをBMThyb−mixA(4×SSC、0.002%SDS、50%グリセロール、1×PBS)590μlと混合して、マイクロピペットを用いて600μlずつ塗布した後、50℃のインキュベーターにおいて30分間ハイブリダイズした。ハイブリダイゼーション後、アミノカリックスアレーン誘導体単分子層の洗浄のために、BMT Wa−B−1(4×SSC、0.1%SDS)で30℃で2分間洗浄した後、BMT Wa−B−2(4×SSC)で常温で2分間の洗浄を2回繰り返して乾燥し、蛍光スキャナ(GSI)を用いて、示される蛍光感度を確認した。上記結果は図16に示されており、この結果は、9個のグアニンだけが非可逆的な多重分子認識によって固定化され、実際に、他の塩基は、連続しているかしていないかに関係なく、固定化に大きな影響を及ばせないことを示す結果である。この結果は、ハイブリダイゼーションに用いられるべき塩基が固定化に参加せずに連続した特定の塩基配列のみが固定化に参加して、ハイブリダイゼーションに必須な塩基が常に一定の数を維持し、かつ再現性のあるハイブリダイゼーションの結果が得られる、オリゴ遺伝子チップの製造技術を示す実際の実験結果である。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、世界的に一般化されて用いられている化学結合又は物理吸着方式によりオリゴ遺伝子を固定化する既存の方式とは全く差別化されたものであって、連続したグアニン塩基を多重分子認識という分子認識概念を適用して非可逆的にオリゴ遺伝子を固体基質上に固定化する新規な方法である。
【0134】
本発明は、オリゴ遺伝子チップの製造時、オリゴ遺伝子を固体基質に固定化するために既存の化学結合方式において主に用いられてきた、アミン作用基が付着された高価のオリゴ遺伝子とアルデヒドスライドガラス(アルデヒドチップ基板)との間の化学反応を通じてオリゴ遺伝子をアルデヒドチップ基板に固定化するときに生じる多数の問題を解決することにより、誰でも容易にオリゴ遺伝子チップを製造することができる新規な方法である。
【0135】
高価の作用基が付着されたオリゴ遺伝子を用いて製造するオリゴ遺伝子チップは、固定化段階において再現性を確保することが非常に難しいため、研究開発期間が長期化してしまい、多くのバイオ企業が研究開発段階から製品化段階へ進められない原因となっている。また、数百乃至数千個のオリゴ遺伝子塩基配列を検証して最上のハイブリダイゼーション結果をもたらすオリゴ遺伝子を選択するとき、研究開発費用の負担のために製品開発をあきらめる場合がある。
【0136】
本発明は、図3に説明されているように、連続したグアニン塩基がイミンカリックスアレーン誘導体単分子層(BMTイミンチップ)に多重分子認識によって固定化されるため、同一の条件で固定化されるオリゴ遺伝子の密度が常に均一であり、数千乃至数万個のオリゴ遺伝子チップを製造しても非常に高い再現性を示す。また、図3において連続したグアニン塩基が基質の表面に固定化されて生成される空間は、図4で見られるハイブリダイゼーションの際に、基質の表面まで結合されるべきc−DNAが固定化されたオリゴ遺伝子の間に容易に入ってきてハイブリダイゼーションを行う。従って、オリゴ遺伝子が密に固定化されている既存のオリゴ遺伝子チップに比して数倍乃至数十倍速成でハイブリダイゼーションを進めることができ、速成診断が可能であるという長所がある。分子認識によって固定化されるオリゴ遺伝子は、溶液上でBMTイミンチップに多重分子認識によって固定化されるため、用いられるオリゴ遺伝子の濃度を既存の1/3−1/10の水準で用いても、高密度でオリゴ遺伝子が固定化されたオリゴ遺伝子チップの製造が可能となる。
【0137】
さらに、本発明は、オリゴ遺伝子の固定化に約2−4時間、それから洗浄及び乾燥して製造するため、オリゴ遺伝子チップの製造のための製造工程の単純化及び迅速化が可能となる。
【0138】
特に、図4及び図6は、イミンカリックスアレーン誘導体自己組織化単分子層が9個の連続したグアニン塩基を多重分子認識して非可逆的に固定化し、ハイブリダイゼーションを通じて得られた蛍光分析の結果は、固定化されたオリゴ遺伝子の量が、既存の知られた方式に比べて最小5倍乃至30倍程の高いオリゴ遺伝子の固定化密度を有することを示している。
【0139】
このように、本発明は、既存のオリゴ遺伝子の固定化によるオリゴ遺伝子チップの製造技術に比して迅速に製造可能であり、高水準の再現性に基づいた研究開発費用の節減、並びに製品製造の際に、既存の1/3−1/5の水準で製品の生産が可能となるようにした画期的な新技術である。従って、今後、本発明に基づいて多様なDNAチップの製造等の応用が可能となるだろう。
【0140】
また、本発明の他の態様であって、本発明は、上述した既存のオリゴ遺伝子チップの製造技術で現われる超高速ハイブリダイゼーションの不可能、単一塩基変異(SNP)診断技術の確保不可、A、C、Gの3つの塩基に存在するアミン作用基とアルデヒドチップ基板のアルデヒド作用基とが化学結合しながら示されるハイブリダイゼーションの結果を同様に維持することが難しいため生じる遺伝子チップの再現性確保の困難さ、製造されたチップにおいてオリゴ遺伝子を均一に固定化する均一密度固定化の困難さ等の、現存する遺伝子チップの製造技術において現われる全ての問題点をいっぺんに解決することができる新技術である。
【0141】
本発明は、連続したグアニン基の非可逆的分子認識が可能なアミノカリックスアレーン誘導体及びその自己組織化単分子層の形態に製造されるオリゴ遺伝子チップ基板の製造技術並びにチップ基板表面で自発的な分子認識によってオリゴ遺伝子が非可逆的に固定化されて製造されるオリゴ遺伝子チップ及びその製造技術を提供する。このような固定化技術は、上記実施例及び図面で説明したように、塩基が固定化されつつ配列されるとき、連続した塩基が底に非可逆的に固定化されながら占める面積だけ塩基間の間隔が自動的に適切に維持され、このような間隔は、ハイブリダイゼーション時、c−DNAがチップ基板の底まで自由に出入するのに十分な空間であるため、ハイブリダイゼーション時間が超高速で進められ、同時に、ハイブリダイゼーションにおいて塩基間の結合に用いられる塩基の数が常に最大に一定して維持することができ、単一塩基の差をon−offの水準で確認可能な程、ハイブリダイゼーションを高い特異性で進めることができるようにする新技術である。
【0142】
さらに、本発明は、上記化合物をアミン作用基を有するガラス基質(アミンスライドガラス)等の固体基質に付着又は金基質(金薄膜又は金)に付着することにより、全ての種類のオリゴ遺伝子が何らの加工過程なく、適切な水準の空間を維持したまま最高密度水準で固定化されたオリゴ遺伝子単分子層、つまり、オリゴ遺伝子チップを製造することができる、アミノカリックスアレーン誘導体が単分子層として製造されたオリゴ遺伝子の固定化用チップ基板を提供して、全ての固体基質においてオリゴ遺伝子チップを同一かつ再現性よく製品化するのに必須の基盤技術を提供する。
【0143】
その上、本発明は、オリゴ遺伝子が、多重分子認識という新技術により固定化が水溶液上で空き空間なく行われるため、最大数値のオリゴ遺伝子が固定化される、つまり最大密度でオリゴ遺伝子が固定化されながらも、ハイブリダイゼーションは超高速で進行可能となるように、オリゴ遺伝子が自発的に配列されるようにする新技術であるため、低濃度のc−DNAも感知して診断が可能な世界最高水準の高感度オリゴ遺伝子チップの製造技術を提供する。同時に、常に最高密度のオリゴ遺伝子が固定化されるため、製品化に必須の再現性のあるオリゴ遺伝子チップの製造技術を提供する。これは、既存に用いられてきたチップ基板は、高価の作用基が付着されたオリゴ遺伝子を用いて製造しなければならず、オリゴ遺伝子の固定化段階で再現性を確保することが非常に難しいため、研究開発期間が長くなってしまい、研究開発段階から製品化段階へ進むことができない原因となっていたが、容易に製作可能な本発明において提供する分子認識技術を用いて、数百乃至数千個のオリゴ遺伝子の塩基配列を検証し、最上のハイブリダイゼーション結果をもたらすオリゴ遺伝子を選択してオリゴ遺伝子チップの開発及び製品化を進めるとき、研究開発費用の負担を節減し、再現性を確保することにより、迅速且つ適期に最適のオリゴDNAチップの発売を可能とする新技術を提供する。本発明において提供されるチップ製造のための基盤技術を用いると、多様な遺伝子チップの製造及び製品化が速かに進められる。
【0144】
また、本発明は、分子認識によって固定化されるオリゴ遺伝子が、表面に固定化される量の3−5倍水準だけを用いても高密度のオリゴ遺伝子チップの製造が可能であり、既存のオリゴ遺伝子チップの製造時に用いられたオリゴ遺伝子価格の1/10〜1/100程度のみを使ってもチップの製造が可能であるため、製造費用の莫大な節減が可能となる新技術である。
【0145】
そして、本発明は、世界的に一般化されて用いられている既存の化学結合又は物理吸着方式でオリゴ遺伝子を固定化する方式とは全く差別化される、連続したグアニン塩基を多重分子認識という分子認識概念を適用して非可逆的にオリゴ遺伝子を固体基質上に固定化する新技術である。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】図1は、本発明のイミンカリックスアレーン誘導体のガラス基質(アミンスライドガラス)上での自己組織化単分子層の製造過程の概路図である。
【図2】図2は、本発明のイミンカリックスアレーン誘導体の金基質上での自己組織化単分子層の製造過程の概路図である。
【図3】図3は、本発明の連続したグアニン基を有するオリゴ遺伝子の固定化方法に関する概路図である。
【図4】図4は、連続したグアニン基を有するオリゴ遺伝子のみ選択的に固定化する過程を示した図である。
【図5】図5は、蛍光が付着されたc−DNAを用いて固定化したオリゴ遺伝子の密度を分析した結果を示す。
【図6】図6は、本発明のイミンカリックスアレーン誘導体自己組織化単分子層にオリゴ遺伝子を固定化する際に、7個以上の連続したグアニン作用基が必要であることを示す図である。
【図7】図7は、本発明のイミンカリックスアレーン誘導体自己組織化単分子層にオリゴ遺伝子を固定化する際に、グアニン基が分子認識によって選択的に認識されることを証明するために、これと類似の構造を有するイミダゾール作用基を用いた競争反応の結果を示す図である。
【図8】図8は、本発明のアミノカリックスアレーン誘導体のガラス基質上での自己組織化単分子層の製造過程の概路図である。
【図9】図9は、本発明のアミノカリックスアレーン誘導体の金基質の上での自己組織化単分子層の製造過程の概路図である。
【図10】図10は、本発明の自発的な分子認識によって連続したグアニン基を有するオリゴ遺伝子の固定化方法に関する概路図である。
【図11】図11は、本発明の自発的な分子認識によって連続したグアニン基を有するオリゴ遺伝子の最高密度固定化の実際の実験結果である。
【図12】図12は、最大密度固定化のために連続したグアニン塩基の最適個数の決定のための実際の実験結果である。
【図13】図13は、オリゴ遺伝子の固定化の際に、連続した塩基により適切な空間を確保して固定化されたオリゴ遺伝子の間に確保された空間を通じてc−DNAがチップの底まで接近可能であることを示す模式図である。
【図14】図14は、超高速ハイブリダイゼーションを用いてSNPの差別化がon−offの水準まで可能であることを示す実際の実験結果である。
【図15】図15は、超高速ハイブリダイゼーションを用いてSNPの差別化がon−offの水準まで可能であることを示す実際の実験結果である。
【図16】図16は、固定化に他の塩基よりもグアニン塩基のみが選択的に高速固定化を遂行するという実際の競争反応の結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式1のイミンカリックスアレーン誘導体:
【化1】


(前記式中、R、R、R及びRは、互いに独立して−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C及び−COORからなる群より選択され、前記−COORにおけるRは、−CH又は−Cを示す)
【請求項2】
下記式2のイミンカリックスアレーン誘導体:
【化2】


(前記式中、R、R、R及びRは、互いに独立して−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C及び−COORからなる群より選択され、前記−COORにおけるRは、−CH又は−Cを示す。また、前記Y、Y、Y及びYは、互いに独立して−H、−(CH−CH=O、−(CH−SH、−(CHCHO)−CHCH−CH=O、−(CHCHO)−CHCH−SH、−(CH−C−(CH−Z及び−CO−(CHm−1−C−(CH−Zからなる群より選択される(n=2〜15、m=1〜10、c=0〜10、Z=−SH、−CHO、−COOH又は−NHで定義される))
【請求項3】
下記式3の5,11,17,23−テトラアミノカリックス[4]アレーンを下記式4の芳香族アルデヒドと反応させて請求項1のイミンカリックスアレーン誘導体化合物を製造する方法:
【化3】


【化4】


(前記式4において、Rは、−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C及び−COOR’からなる群より選択され、前記COOR’におけるR’は、−CH又は−Cを示す)
【請求項4】
請求項1のイミンカリックスアレーン誘導体化合物を二官能性化合物と反応させて請求項2のイミンカリックスアレーン誘導体化合物を製造する方法であって、前記二官能性化合物は、X−(CH−CH=O、X−(CH−SH、X−(CHCHO)−CHCH−CH=O、X−(CHCHO)−CHCH−SH、X−(CH−C−(CH−Z及びX−CO−(CHm−1−C−(CH−Zからなる群より選択され、ここで、n=2〜15、m=1〜10、c=0〜10、X=−Cl、−Br、−I又は−OSOCH、Z=−SH、−CHO、−COOH又は−NHで定義される方法。
【請求項5】
チオール基が付着されたイミンカリックスアレーン誘導体を金基質に付着して製造した自己組織化単分子層の固体基質。
【請求項6】
ガラス、シリコンウエハ及び水晶結晶からなる群より選択される固体基質に、イミンカリックスアレーン誘導体をイミン結合を通じて付着して製造した自己組織化単分子層の固体基質。
【請求項7】
ガラス、シリコンウエハ及び水晶結晶からなる群より選択される固体基質に、イミンカリックスアレーン誘導体をエステル、エーテル及びアミド結合からなる群より選択される化学結合を通じて付着して製造した自己組織化単分子層の固体基質。
【請求項8】
請求項5乃至7のうちいずれか一項の自己組織化単分子層の固体基質に、7個以上の連続したグアニン塩基が付着されたオリゴ遺伝子を多重分子認識によって固定化して製造されるオリゴ遺伝子チップ。
【請求項9】
請求項5乃至7のうちいずれか一項の自己組織化単分子層の固体基質に、7個以上の連続したグアニン塩基が付着されたオリゴ遺伝子を多重分子認識によって固定化してオリゴ遺伝子チップを製造する方法。
【請求項10】
請求項5乃至7のうちいずれか一項において、カリックスアレーンの5,11,17,23−の位置に窒素が付着されている下記式3の5,11,17,23−テトラアミノカリックス[4]アレーンのイミン誘導体を利用して製造した自己組織化単分子層の固体基質。
【化5】

【請求項11】
請求項10の自己組織化単分子層の固体基質に、7個以上の連続したグアニン塩基が付着されたオリゴ遺伝子を多重分子認識によって固定化して製造されるオリゴ遺伝子チップ。
【請求項12】
請求項10の自己組織化単分子層の固体基質に、7個以上の連続したグアニン塩基が付着されたオリゴ遺伝子を多重分子認識によって固定化してオリゴ遺伝子チップを製造する方法。
【請求項13】
下記式5のアミノカリックスアレーン誘導体:
【化6】


(前記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’は、互いに独立して−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C、−OH、−OCHCH、−Br、−CF、−OCH、−OC、−OCCH、−OCC(CH、−OCCF、−OCCl、−OCOCH、−NHCOCH、−CONHCH、−CN、−COOH、及び−COORからなる群より選択され、前記−COORにおけるRは、−CH又は−Cを示す)
【請求項14】
下記式6のアミノカリックスアレーン誘導体:
【化7】


(前記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’は、互いに独立して−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C、−OH、−OCHCH、−Br、−CF、−OCH、−OC、−OCCH、−OCC(CH、−OCCF、−OCCl、−OCOCH、−NHCOCH、−CONHCH、−CN、−COOH、及び−COORからなる群より選択され、前記−COORにおけるRは、−CH又は−Cを示す。また、前記Y、Y、Y及びYは、互いに独立して−H、−(CH−CH=O、−(CH−SH、−(CHCHO)−CHCH−CH=O、−(CHCHO)−CHCH−SH、−(CH−C−(CH−Z、及び−CO−(CH−C−(CH−Zからなる群より選択される(n=2〜15、m=1〜10、c=0〜10、Z=−SH、−CHO、−COOH、−NH、そして−C−とCはフェニル基で定義される))
【請求項15】
下記式7のアミノカリックスアレーン誘導体:
【化8】


(前記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’は、互いに独立して−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C、−OH、−OCHCH、−Br、−CF、−OCH、−OC、−OCCH、−OCC(CH、−OCCF、−OCCl、−OCOCH、−NHCOCH、−CONHCH、−CN、−COOH、及び−COORからなる群より選択され、前記−COORにおけるRは、−CH又は−Cを示す)
【請求項16】
下記式8のアミノカリックスアレーン誘導体:
【化9】


(前記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’は、互いに独立して−H、−CH、−C、−C、−OCH、−Cl、−C、−OH、−OCHCH、−Br、−CF、−OCH、−OC、−OCCH、−OCC(CH、−OCCF、−OCCl、−OCOCH、−NHCOCH、−CONHCH、−CN、−COOH、及び−COORからなる群より選択され、前記−COORにおけるRは、−CH又は−Cを示す。ただし、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’が同時に−Hである場合は除く。また、前記Y、Y、Y及びYは、互いに独立して−H、−(CH−CH=O、−(CH−SH、−(CHCHO)−CHCH−CH=O、−(CHCHO)−CHCH−SH、−(CH−C−(CH−Z、及び−CO−(CH−C−(CH−Zからなる群より選択される(n=2〜15、m=1〜10、c=0〜10、Z=−SH、−CHO、−COOH、−NH、そして−C−とCは、フェニル基で定義される))
【請求項17】
前記式6又は式8のアミノカリックスアレーン誘導体のうち、チオール基が付着されたアミノカリックスアレーン誘導体を金基質に付着して製造した自己組織化単分子層の固体基質。
【請求項18】
アミン作用基が付着されているガラス、シリコンウエハ及び水晶結晶からなる群より選択される固体基質に、前記式6又は式8のアミノカリックスアレーン誘導体のうち、アルデヒド作用基が末端基に付着されたアミノカリックスアレーン誘導体を利用してイミン結合及びアミン結合を通じて付着して製造した自己組織化単分子層の固体基質。
【請求項19】
アミン作用基が付着されているガラス、シリコンウエハ及び水晶結晶からなる群より選択される固体基質に、前記式6又は式8のアミノカリックスアレーン誘導体のうち、アルデヒド作用基が末端基に付着されたアミノカリックスアレーン誘導体を利用して、エステル、エーテル及びアミド結合からなる群より選択される化学結合を通じて付着して製造した自己組織化単分子層の固体基質。
【請求項20】
請求項17乃至19のうちいずれか一項の自己組織化単分子層の固体基質に、7個以上の連続したグアニン塩基が付着されたオリゴ遺伝子を多重分子認識によって固定化して製造されるオリゴ遺伝子チップ。
【請求項21】
請求項17乃至19のうちいずれか一項の自己組織化単分子層の固体基質に、7個以上の連続したグアニン塩基が付着されたオリゴ遺伝子を多重分子認識によって固定化してオリゴ遺伝子チップを製造する方法。
【請求項22】
請求項17乃至19のうちいずれか一項において、カリックスアレーンの5,11,17,23−の位置に窒素が付着されている下記式9の5,11,17,23−テトラアミノカリックス[4]アレーンのアミン誘導体を利用して製造した自己組織化単分子層の固体基質。
【化10】

【請求項23】
請求項22の自己組織化単分子層の固体基質に、7個以上の連続したグアニン塩基が付着されたオリゴ遺伝子を多重分子認識によって固定化して製造されるオリゴ遺伝子チップ。
【請求項24】
請求項22の自己組織化単分子層の固体基質に、7個以上の連続したグアニン塩基が付着されたオリゴ遺伝子を多重分子認識によって固定化してオリゴ遺伝子チップを製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2009−515822(P2009−515822A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535434(P2008−535434)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際出願番号】PCT/KR2006/001753
【国際公開番号】WO2007/043736
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(508112612)バイオメトリックス テクノロジー インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】