新規な有機電気発光化合物及びこれを使用する有機電気発光素子
【課題】新規な有機電気発光化合物及びこれを使用する有機電気発光素子の提供。
【解決手段】高い発光効率を示す新規な有機電気発光化合物及びこれを含有する有機電気発光素子であって、該有機電気発光化合物は、化学式1によって表される。
(R1〜R4はH、C1〜C60アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン等であり、R5はH、C1〜C60アルキル基、ハロゲン、C1〜C60アリールであり、R6〜R7はH、ハロゲン置換基を有していてもよいC1〜C60アルキル基、C1〜C60アリール等である。Lは有機配位子であり、nは1〜3の整数である。)
【解決手段】高い発光効率を示す新規な有機電気発光化合物及びこれを含有する有機電気発光素子であって、該有機電気発光化合物は、化学式1によって表される。
(R1〜R4はH、C1〜C60アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン等であり、R5はH、C1〜C60アルキル基、ハロゲン、C1〜C60アリールであり、R6〜R7はH、ハロゲン置換基を有していてもよいC1〜C60アルキル基、C1〜C60アリール等である。Lは有機配位子であり、nは1〜3の整数である。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い発光効率を示す新規な有機電気発光化合物並びにこれを含む有機電気発光素子及び有機太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
OLED(有機発光ダイオード)における発光効率を決定するための最も重要な要因は、電気発光材料の種類である。現在まで、電気発光材料として蛍光材料が広く使用されてきたが、燐光材料の開発は、電気発光機構の観点から、理論的に4倍まで発光効率を改善するための最良な方法の一つである。
【0003】
現在まで、燐光材料として、各々赤色、緑色及び青色の物として、(acac)Ir(btp)2、Ir(ppy)3及びFirpicを含む、イリジウム(III)錯体が広く知られている。特に、最近多数の燐光材料が、日本、欧州及び米国において、研究されている。
【0004】
【化1】
【0005】
従来の赤色の燐光材料の中で、幾つかの材料が、良好なEL(電気発光)特性を有すると報告されている。しかしながら、これらの中で、商業化のレベルに到達する材料は非常に希である。最も好ましい材料として、1−フェニルイソキノリンのイリジウム錯体を挙げることができ、これは、優れたEL特性を有し、高い発光効率で暗赤色の色純度を示すことが知られている(A.Tsuboyamaら、J.Am.Chem.Soc.2003,125(42),12971−12979参照)。
【0006】
【化2】
【0007】
更に、寿命の顕著な問題点を有しない赤色材料は、それらが、良好な色純度又は発光効率を有するならば、容易な商業化の傾向を有する。従って、上記のイリジウム錯体は、その優れた色純度及び発光効率に起因して、非常に高い商業化の可能性を有する材料である。
【0008】
しかしながら、中ないし大サイズのOLEDパネルのために、既知の材料のものよりも高いEL特性のレベルが実際的に必要であるが、このイリジウム錯体は、まだ、単に小さいディスプレイに適用可能である材料として解されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】A.Tsuboyamaら著、J.Am.Chem.Soc.2003,125(42),12971−12979
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような従来技術の問題点を克服するための、集約的な取り組みによって、本発明者らは、優れた発光効率及び驚くほど向上された寿命を有する有機EL素子を実現するための、新規な有機電気発光化合物を開発するために研究してきた。遂に、本発明者らは、主配位子化合物のキノリンの3位にメチル基を組み入れ、同時に4位にフェニル誘導体を組み入れることによって合成されたイリジウム錯体を、電気発光素子のドーパント(dopant)とするとき、発光効率及び寿命特性が向上されることを見出し、本発明を完成した。従って、本発明の目的は、従来の赤色燐光材料のものにと比較した場合、より優れた特性を与える骨格を有する、新規な電気発光化合物を提供することである。本発明の他の目的は、中ないし大サイズのOLEDパネルに適用可能である、新規な有機電気発光化合物を提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、この新規な有機電気発光化合物を含有する、有機電気発光素子及び有機太陽電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、新規な有機電気発光化合物及びこれを含む有機電気発光素子に関する。詳細には、本発明による有機電気発光化合物は、これらが、化学式1によって表されることで特徴付けられる。
【0013】
【化3】
【0014】
式中、Lは有機配位子であり、
R1〜R4は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、
R5は、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン又は(C6〜C60)アリールを表し、
R6及びR7は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C60)アリールアミノを表し、又はR6及びR7は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R6及びR7のアルキル若しくはアリール、あるいは縮合環を有する又は有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによる連結によって、それらから形成される脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロビフルオレニル及び、
【0015】
【化4】
【0016】
から選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、並びに
nは、1〜3の整数である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、OLEDの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで図面に言及すると、図1は、ガラス1、透明電極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、電気発光層5、電子輸送層6、電子注入層7及びAlカソード8を含む、OLEDの断面図を示す。
【0019】
本明細書に記載される用語「アルキル」及び「アルキル」部分を含む任意の置換基は、線形種及び分枝種の両方を含む。
【0020】
本明細書に記載される用語「アリール」は、1個の水素原子の除去によって、芳香族炭化水素から誘導される有機基を意味する。各々の環は、4〜7個、好ましくは5〜6個の環原子を含有する単環式又は縮合環系を含有する。具体的な例として、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、インデニル、フルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル及びフルオランテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
本明細書に記載される用語「ヘテロアリール」は、芳香族環式主鎖原子としてのN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子並びに残りの芳香族環式主鎖原子として炭素原子を含有するアリール基を意味する。ヘテロアリールは、5員又は6員の、単環式ヘテロアリール、又は1個以上のベンゼン環と縮合された多環式ヘテロアリールであってもよく、部分的に飽和されていてもよい。ヘテロアリール基は、そのヘテロ原子が、酸化されるか又は四級化されて、N−オキシド及び第四級塩を形成してもよい、二価のアリール基を含み得る。具体的な例としては、単環式ヘテロアリール基、例えば、フリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル;多環式ヘテロアリール基、例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェナントリジニル及びベンゾジオキソリル;並びにこれらの対応するN−オキシド(例えば、ピリジルN−オキシド、キノリルN−オキシド)及び第四級塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
化学式1のナフチルは、1−ナフチル又は2−ナフチルであってもよく、アントリルは、1−アントリル、2−アントリル又は9−アントリルであってもよく、フルオレニルは、1−フルオレニル、2−フルオレニル、3−フルオレニル、4−フルオレニル又は9−フルオレニルであってもよい。
【0023】
本明細書に記載される「(C1〜C60)アルキル」部分を含む置換基は、1〜60個の炭素原子、1〜20個の炭素原子又は1〜10個の炭素原子を含有してもよい。「(C6〜C60)アリール」部分を含む置換基は、6〜60個の炭素原子、6〜20個の炭素原子又は6〜12個の炭素原子を含有してもよい。「(C3〜C60)ヘテロアリール」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子、4〜20個の炭素原子又は4〜12個の炭素原子を含有してもよい。「(C3〜C60)シクロアルキル」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子、3〜20個の炭素原子又は3〜7個の炭素原子を含有してもよい。「(C2〜C60)アルケニル又はアルキニル」部分を含む置換基は、2〜60個の炭素原子、2〜20個の炭素原子又は2〜10個の炭素原子を含有してもよい。
【0024】
化学式1によって表される化合物において、(C3〜C12)アルキレン又は(C3〜C12)アルケニレンによる連結によって、R6及びR7から形成される脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、インデン又はフェナントレンであり得る。化学式1中の大括弧([])内の化合物はイリジウムの主配位子として機能し、およびLは副配位子として機能する。また、本発明による有機電気発光化合物には、主配位子:副配位子=2:1の比を有する錯体(n=2)及び主配位子:副配位子=1:2の比を有する錯体(n=1)並びに副配位子(L)を有さないトリスキレート化錯体(n=3)が含まれる。
【0025】
本発明による有機電気発光化合物は、化学式2〜7の一つによって表される化合物によって、具体的に例示することができる。
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
式中、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びnは、化学式1における定義と同一であり、
R11〜R18は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロフルオレニル又は、
【0029】
【化7】
【0030】
を表し、
前記R11〜R18のアルキル、フェニル、ナフチル、アントリル又はフルオレニルは、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ及び(C6〜C60)アリールから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
R19及びR20は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル若しくは(C6〜C60)アリールを表し、あるいはR19及びR20は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R21は、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、フェニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、ナフチル、9,9−ジ(C1〜C60)アルキルフルオレニル又は9,9−ジ(C6〜C60)アリールフルオレニルを表し、並びに
mは、1〜5の整数である。
【0031】
R11〜R18は、独立に、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、トリフルオロメチル、フルオロ、シアノ、トリメチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、t−ブチルカルボニル、フェニルカルボニル、ジメチルアミノ、ジフェニルアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル又は
【0032】
【化8】
【0033】
を表し、並びにフルオレニルは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、フェニル、ナフチル、アントリル、トリメチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル又はトリフェニルシリルによって更に置換されていてもよい。
【0034】
好ましくは、化学式1のR1〜R4は、独立に、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、エチルヘキシル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フルオロ、トリメチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル又はトリフェニルシリルを表し、並びにR6は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、エチルヘキシル、フルオロ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル又はスピロビフルオレニルを表す。
【0035】
本発明による有機電気発光化合物は、下記の化合物によって具体的に例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
式中、Lは、有機配位子を表し、
R5は、独立に、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、エチルヘキシル、フルオロ、フェニル又はナフチルを表し、
R51及びR52は、独立に、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、エチルヘキシル、フェニル若しくはナフチルを表し、またはR51及びR52は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R53は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、トリメチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル、フェニル又はナフチルを表し、
mは、1〜5の整数であり、並びに
nは、1〜3の整数である。
【0040】
本発明による有機電気発光化合物の副配位子(L)には、下記の構造が含まれる。
【0041】
【化12】
【0042】
式中、R31及びR32は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル又はハロゲンを表し、
R33〜R39は、独立に、水素;(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル;トリ(C1〜C60)アルキルシリル;又はハロゲンを表し、
R40〜R43は、独立に、水素;(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニルを表し、並びに
R44は、(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル;又はハロゲンを表す。
【0043】
本発明による有機電気発光化合物の副配位子(L)は、下記の構造によって例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0044】
【化13】
【0045】
本発明による有機電気発光化合物の調製方法は、下記に示される反応図式1〜3を参照することによって説明される。
【0046】
【化14】
【0047】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びLは、化学式1における定義と同一である。
【0048】
反応図式1は、n=1を有する化学式1の化合物をもたらし、ここでは、三塩化イリジウム(IrCl3)及び副配位子化合物(L−H)が、1:2〜3のモル比で、溶媒中で混合され、この混合物が還流下で加熱され、その後ジイリジウム二量体が単離される。この反応段階において、好ましい溶媒は、アルコール又はアルコール/水の混合溶媒、例えば、2−エトキシエタノール、及び2−エトキシエタノール/水混合物である。単離されたジイリジウム二量体は、次いで、有機溶媒中で主配位子化合物と共に加熱されて、最終生成物として、1:2の主配位子:副配位子の比を有する有機燐光性イリジウム化合物をもたらす。この反応は、有機溶媒、例えば、2−エトキシエタノール及び2−メトキシエチルエーテルと共に混合されているAgCF3SO3、Na2CO3又はNaOHと共に実施される。
【0049】
反応図式2は、n=2を有する化学式1の化合物をもたらし、ここでは、三塩化イリジウム(IrCl3)及び主配位子化合物が、1:2〜3のモル比で、溶媒中で混合され、この混合物が還流下で加熱され、その後ジイリジウム二量体が単離される。この反応段階において、好ましい溶媒は、アルコール又はアルコール/水の混合溶媒、例えば、2−エトキシエタノール、及び2−エトキシエタノール/水混合物である。単離されたジイリジウム二量体は、次いで、有機溶媒中で副配位子化合物(L−H)と共に加熱されて、最終生成物として、2:1の主配位子:副配位子の比を有する有機燐光性イリジウム化合物をもたらす。最終生成物中の、主配位子化合物と副配位子(L)とのモル比は、組成物に応じた反応剤の適切なモル比によって決定される。この反応は、有機溶媒、例えば、2−エトキシエタノール、2−メトキシエチルエーテル及び1,2−ジクロロエタンと共に混合されているAgCF3SO3、Na2CO3又はNaOHと共に実施することができる。
【0050】
反応図式3は、n=3を有する化学式1の化合物をもたらし、ここでは、反応図式2に従って調製されたイリジウム錯体及び主配位子化合物が、1:2〜3のモル比でグリセロール中で混合され、この混合物が還流下で加熱されて、3つの主配位子で配位された有機燐光性イリジウム錯体を得る。
【0051】
本発明において主配位子として使用される化合物は、従来のプロセスに基づいて、反応図式4に従って調製することができるが、それらに限定されるわけではない。
【0052】
【化15】
【0053】
式中、R1〜R7は、化学式1における定義と同一である。
【0054】
また、本発明は、化学式1によって表される1種以上の有機電気発光化合物を含む有機太陽電池も提供する。
【0055】
また、本発明は、第一電極;第二電極;及び第一電極と第二電極との間に介在させられた少なくとも1つの有機層;を含む有機電気発光素子であって、この有機層が、化学式1によって表される1種以上の化合物を含む有機電気発光素子も提供する。
【0056】
本発明による有機電気発光素子は、有機層が、電気発光ドーパントとしての化学式1によって表される1種以上の有機電気発光化合物0.01〜10重量%と、1種以上のホスト(host)とを含む電気発光領域を含むことで特徴付けられる。本発明による有機電気発光素子に適用されるホストは、特に制限されないが、1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン、ポリビニルカルバゾール、m−ビスカルバゾリルフェニル、4,4’,4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、1,3,5−トリ(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−カルバゾリル−5−メトキシフェニル)ベンゼン、ビス(4−カルバゾリルフェニル)シラン又は化学式8〜11の一つによって表される化合物によって例示することができる。
【0057】
【化16】
【0058】
化学式8において、R91〜R94は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR91〜R94の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
前記R91〜R94のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノ、あるいは縮合環を有する又は有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる隣接する置換基への連結によってそれらから形成された脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0059】
【化17】
【0060】
化学式11において、配位子L1及びL2は、独立に、下記の構造から選択され、
【0061】
【化18】
【0062】
M1は、2価又は3価金属であり、
yは、M1が2価金属である場合0であり、M1が3価金属である場合1であり、
Qは、(C6〜C60)アリールオキシ又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、Qのアリールオキシ及びトリアリールシリルは、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールによって更に置換されていてもよく、
Xは、O、S又はSeを表し、
環Aは、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジン又はキノリンを表し、
環Bは、ピリジン又はキノリンを表し、環Bは、(C1〜C60)アルキル;又は(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル若しくはナフチル;によって更に置換されていてもよく、
R101〜R104は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR101〜R104の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、ピリジン又はキノリンは、R101と一緒に化学結合を形成して、縮合環を形成してもよく、
前記環A及びR101〜R104のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノ、あるいは縮合環を有する又は有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる隣接する置換基への連結によってそれらから形成された脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0063】
配位子L1及びL2は、独立に、下記の構造から選択される。
【0064】
【化19】
【0065】
式中、Xは、O、S又はSeを表し、
R101〜R104は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR101〜R104の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R111〜R116及びR121〜R139は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR111〜R116及びR121〜R139の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
前記R101〜R104、R111〜R116及びR121〜R139のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノ、あるいは縮合環を有する又は有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる隣接する置換基への連結によってそれらから形成された脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0066】
化学式11において、M1は、Be、Zn、Mg、Cu及びNiから選択される2価金属又はAl、Ga、In及びBから選択される3価金属であり、Qは、下記の構造から選択される。
【0067】
【化20】
【0068】
化学式8の化合物は、下記の構造によって表される化合物によって具体的に例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0069】
【化21】
【0070】
化学式9〜11の一つによって表される化合物は、下記の構造の一つを有する化合物によって具体的に例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0071】
【化22】
【0072】
【化23】
【0073】
【化24】
【0074】
【化25】
【0075】
電気発光層は、電気発光が生じる層を意味し、これは、単一層であっても、積層化された2以上の層から成る複数層であってもよい。ホスト−ドーパントの混合物が、本発明の構成に従って使用されるとき、素子寿命及び発光効率における顕著な改善を確認することができた。
【0076】
更に本発明による有機電気発光素子は、アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物から選択される1種以上の化合物、並びに化学式1によって表される有機電気発光化合物を含むことができる。アリールアミン又はスチリルアリールアミン化合物の例には、化学式12によって表される化合物が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0077】
【化26】
【0078】
式中、Ar11及びAr12は、独立に、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C6〜C60)アリールアミノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、または(C3〜C60)シクロアルキルを表し、あるいはAr11及びAr12は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
gが1である場合、Ar13は、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール又は下記の構造式の一つによって表されるアリールを表し、
【0079】
【化27】
【0080】
gが2である場合、Ar13は、(C6〜C60)アリーレン、(C4〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造式の一つによって表されるアリーレンを表し、
【0081】
【化28】
【0082】
(式中、Ar21及びAr22は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
R151、R152及びR153は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、
tは、1〜4の整数であり、wは、0又は1の整数である)
並びに、
前記Ar11及びAr12のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキル、またはAr13のアリール、ヘテロアリール、アリーレン若しくはヘテロアリーレン、またはAr21及びAr22のアリーレン若しくはヘテロアリーレン、またはR151〜R153のアルキル若しくはアリールは、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0083】
アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物は、下記の化合物によってより具体的に例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0084】
【化29】
【0085】
本発明による有機電気発光素子において、有機層は、化学式1によって表される有機電気発光化合物の他に、第1族、第2族、第4周期及び第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属から成る群より選択される1種以上の金属を更に含み得る。この有機層は、電気発光層に加えて、電荷発生層を含み得る。
【0086】
本発明は、独立発光方式のピクセル構造を有する電気発光素子であって、サブピクセルとして化学式1の化合物と、同時に平行にパターン形成された、アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物から成る群より選択される1種以上の化合物を含有する1個以上のサブピクセルとを含有する有機電気発光素子を含む電気発光素子を実現することができる。
【0087】
更に、この有機電気発光素子は、同時に、青色又は緑色の波長の電気発光ピークを有する化合物から選択される1種以上の化合物を含有する、有機ディスプレイである。青色又は緑色の波長の電気発光ピークを有する化合物は、化学式13〜17の一つによって表される化合物によって例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0088】
【化30】
【0089】
化学式14において、Ar101及びAr102は、独立に、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C6〜C60)アリールアミノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル若しくは(C3〜C60)シクロアルキルを表し、あるいはAr101及びAr102は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
hが1である場合、Ar103は、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール又は下記の構造式の一つによって表されるアリールを表し、
【0090】
【化31】
【0091】
hが2である場合、Ar103は、(C6〜C60)アリーレン、(C4〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造式の一つによって表されるアリーレンを表し、
【0092】
【化32】
【0093】
(式中、Ar201及びAr202は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
R161、R162及びR163は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、
iは、1〜4の整数であり、jは、0又は1の整数である)
並びに
前記Ar101及びAr102のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキル、またはAr103のアリール、ヘテロアリール、アリーレン若しくはヘテロアリーレン、またはAr201及びAr202のアリーレン若しくはヘテロアリーレン、またはR161〜R163のアルキル若しくはアリールは、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0094】
【化33】
【0095】
化学式15において、R301〜R304は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR301〜R304の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
前記R301〜R304のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノ、あるいは縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる隣接する置換基への連結によってそれらから形成された脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0096】
【化34】
【0097】
化学式16及び17において、
L11は、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
L12は、アントラセニレンを表し、
Ar301〜Ar304は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C5〜C60)シクロアルキル及び(C6〜C60)アリールから選択され、Ar301〜Ar304のシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルから成る群より選択される少なくとも1つの置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール又は(C4〜C60)ヘテロアリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C60)アルキルシリル;ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル;並びにトリ(C6〜C60)アリールシリル;から成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、並びに
p、q、r及びsは、独立に、0〜4の整数を表す。
【0098】
化学式16又は17によって表される化合物は、化学式18〜21の一つによって表される誘導体によって例示することができる。
【0099】
【化35】
【0100】
化学式18〜20において、R311及びR312は、独立に、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール又はN、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、又は(C3〜C60)シクロアルキルを表し、R311及びR312のアリール又はヘテロアリールは、(C1〜C60)アルキル、ハロ(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルから成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
R313〜R316は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C5〜C60)シクロアルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、R313〜R316のヘテロアリール、シクロアルキル又はアリールは、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルから成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
G1及びG2は、独立に、化学結合であるか、又は(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール及びハロゲンから選択される1種以上の置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリーレンを表し、
Ar41及びAr42は、下記の構造から選択されるアリール又は(C4〜C60)ヘテロアリールを表し、
【0101】
【化36】
【0102】
前記Ar41及びAr42のアリール又はヘテロアリールは、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール及び(C4〜C60)ヘテロアリールから選択される1種以上の置換基で置換されていてもよく、
L31は、(C6〜C60)アリーレン、(C4〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造によって表される化合物を表し、
【0103】
【化37】
【0104】
L31のアリーレン又はヘテロアリーレンは、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール及びハロゲンから選択される1種以上の置換基で置換されていてもよく、
R321、R322、R323及びR324は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル若しくは(C6〜C60)アリールを表し、あるいはこれらの各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R331、R332、R333及びR334は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール若しくはハロゲンを表し、あるいはこれらの各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよい。
【0105】
【化38】
【0106】
化学式21において、
L41及びL42は、独立に、化学結合であるか、(C6〜C60)アリーレン若しくは(C3〜C60)ヘテロアリーレンを表し、L41及びL42のアリーレン又はヘテロアリーレンは、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、(C6〜C60)アリール、(C3〜C60)ヘテロアリール、トリ(C1〜C30)アルキルシリル、ジ(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリールシリル及びトリ(C6〜C30)アリールシリルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
R201〜R219は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR201〜R219の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
Ar51は、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル又は下記の構造から選択される置換基を表し、
【0107】
【化39】
【0108】
(式中、R220〜R232は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ又はヒドロキシルを表し、
E1及びE2は、独立に、化学結合であるか、−(CR233R234)z−、−N(R235)−、−S−、−O−、−Si(R236)(R237)−、−P(R238)−、−C(=O)−、−B(R239)−、−In(R240)−、−Se−、−Ge(R241)(R242)−、−Sn(R243)(R244)−、−Ga(R245)−又はC(R246)=C(R247)−を表し、
R233〜R247は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR233〜R247の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよい)
前記Ar51のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アダマンチル若しくはビシクロアルキル、またはR201〜R232のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノは、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
xは、1〜4の整数であり、並びに
zは、0〜4の整数である。
【0109】
緑色又は青色の電気発光を有する有機化合物及び有機金属化合物は、下記の化合物によってより具体的に例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0110】
【化40】
【0111】
【化41】
【0112】
【化42】
【0113】
【化43】
【0114】
【化44】
【0115】
【化45】
【0116】
【化46】
【0117】
【化47】
【0118】
【化48】
【0119】
【化49】
【0120】
【化50】
【0121】
【化51】
【0122】
【化52】
【0123】
【化53】
【0124】
【化54】
【0125】
【化55】
【0126】
本発明による有機電気発光素子において、カルコゲニド(chalcogenide)層、金属ハロゲン化物層及び金属酸化物層から選択される1個以上の層(以下、「表面層」と呼ぶ)を、一対の電極の少なくとも一方の内側表面上に配置することが好ましい。特に、EL媒体層のアノード表面上に珪素及びアルミニウム金属(酸化物を含む)のカルコゲニド層を配置し、EL媒体層のカソード表面上に金属ハロゲン化物層又は金属酸化物層を配置することが好ましい。その結果、動作における安定性を得ることができる。
【0127】
カルコゲニドの例には、好ましくは、SiOx(1≦x≦2)、AlOx(1≦x≦1.5)、SiON、SiAlONなどが含まれる。金属ハロゲン化物の例には、好ましくは、LiF、MgF2、CaF2、ランタニドのフッ化物などが含まれる。金属酸化物の例には、好ましくは、Cs2O、Li2O、MgO、SrO、BaO、CaOなどが含まれる。
【0128】
本発明による有機電気発光素子において、このようにして製造された一対の電極の少なくとも一方の表面上に、電子輸送化合物と還元性ドーパントの混合領域、又は正孔輸送化合物と酸化性ドーパントの混合領域を配置することも好ましい。その結果、電子輸送化合物はアニオンに還元されるため、この混合領域からEL媒体へ電子を注入及び輸送しやすくなる。更に、正孔輸送化合物が酸化されてカチオンを生成するので、この混合領域からEL媒体へ正孔を注入及び輸送しやすくなる。好ましい酸化性ドーパントとしては、種々のルイス酸及びアクセプター化合物が挙げられる。好ましい還元性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属及びこれらの混合物が挙げられる。
【0129】
従来の燐光材料よりも優れたEL特性及び熱安定性の骨格を有する、本発明による有機電気発光化合物は、従来の材料に比較して、より高い量子効率及びより低い動作電圧を提供する。従って、本発明による有機電気発光化合物をOLEDパネルに適用すると、中から大型のOLEDの開発において、更に向上した結果が期待される。この化合物を、高効率の材料として有機太陽電池に適用すると、従来の材料に比較してより優れた特性が期待される。
【0130】
本発明のより良い理解のために、本発明による新規な化合物の調製方法に関して本発明を更に説明するが、これは本発明の範囲を限定することを意図するものでは決してない。
【実施例】
【0131】
調製実施例
調製実施例1 化合物(993)の調製
【0132】
【化56】
【0133】
化合物(A)の調製
反応容器に、2−アミノベンゾフェノン(10.0g、50.7mmol)、1−メチルアセトフェノン(6.7mL、50.7mmol)、氷酢酸(169mL)及び硫酸(10滴)を入れ、この混合物を還流下でアルゴンガス雰囲気の存在下で攪拌した。この反応が完了したときに、この混合物を室温まで冷却した。これに、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液を添加し、生成された固体を濾過し、蒸留水で洗浄した。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、化合物(A)(8.9g、60%)を得た。
【0134】
化合物(B)の調製
反応容器に、化合物(A)(7.0g、23.7mmol)、塩化イリジウム(3.2g、10.8mmol)、2−エトキシエタノール(36mL)及び蒸留水(12mL)を入れ、この混合物を、還流下でアルゴンガス雰囲気の存在下で24時間加熱した。この反応が完了したときに、反応混合物を室温まで冷却した。沈殿物を濾過し、十分に乾燥して、化合物(B)(4.0g、71%)を得た。
【0135】
化合物(993)の調製
化合物(B)(4.0g、3.9mmol)、2,4−ペンタンジオン(0.79mL、7.7mmol)及び炭酸ナトリウム(2.1g、19.3mmol)を、2−エトキシエタノール(100mL)中に溶解させ、この溶液を4時間加熱した。反応が完了したときに、この反応混合物を室温まで冷却し、生成された固体沈殿物を濾過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー及び再結晶による精製によって、化合物(993)(1.7g、25%)を、赤色結晶として得た。
【0136】
調製実施例1と同じ手順に従って、表1中の有機燐光性化合物(化合物1〜化合物1004)を調製した。それらの1H NMR及びMS/FABデータを、表2に記載する。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
【表3】
【0140】
【表4】
【0141】
【表5】
【0142】
【表6】
【0143】
【表7】
【0144】
【表8】
【0145】
【表9】
【0146】
【表10】
【0147】
【表11】
【0148】
【表12】
【0149】
【表13】
【0150】
【表14】
【0151】
【表15】
【0152】
【表16】
【0153】
【表17】
【0154】
【表18】
【0155】
【表19】
【0156】
【表20】
【0157】
【表21】
【0158】
【表22】
【0159】
【表23】
【0160】
【表24】
【0161】
【表25】
【0162】
【表26】
【0163】
【表27】
【0164】
【表28】
【0165】
【表29】
【0166】
【表30】
【0167】
【表31】
【0168】
【表32】
【0169】
【表33】
【0170】
【表34】
【0171】
【表35】
【0172】
【表36】
【0173】
【表37】
【0174】
【表38】
【0175】
【表39】
【0176】
【表40】
【0177】
【表41】
【0178】
【表42】
【0179】
【表43】
【0180】
【表44】
【0181】
【表45】
【0182】
【表46】
【0183】
【表47】
【0184】
【表48】
【0185】
【表49】
【0186】
【表50】
【0187】
【表51】
【0188】
【表52】
【0189】
【表53】
【0190】
【表54】
【0191】
【表55】
【0192】
【表56】
【0193】
【表57】
【0194】
【表58】
【0195】
【表59】
【0196】
【表60】
【0197】
【表61】
【0198】
【表62】
【0199】
【表63】
【0200】
【表64】
【0201】
【表65】
【0202】
【表66】
【0203】
【表67】
【0204】
【表68】
【0205】
【表69】
【0206】
【表70】
【0207】
【表71】
【0208】
【表72】
【0209】
【表73】
【0210】
【表74】
【0211】
【表75】
【0212】
【表76】
【0213】
【表77】
【0214】
【表78】
【0215】
【表79】
【0216】
【表80】
【0217】
【表81】
【0218】
【表82】
【0219】
【表83】
【0220】
【表84】
【0221】
【表85】
【0222】
【表86】
【0223】
【表87】
【0224】
【表88】
【0225】
【表89】
【0226】
【表90】
【0227】
【表91】
【0228】
【表92】
【0229】
【表93】
【0230】
【表94】
【0231】
【表95】
【0232】
【表96】
【0233】
【表97】
【0234】
【表98】
【0235】
【表99】
【0236】
【表100】
【0237】
【表101】
【0238】
【表102】
【0239】
【表103】
【0240】
【表104】
【0241】
【表105】
【0242】
【表106】
【0243】
【表107】
【0244】
【表108】
【0245】
【表109】
【0246】
実施例1
OLED(1)の製造
本発明による赤色リン光化合物を使用することによって、OLED素子を製造した。
【0247】
最初に、OLED用のガラス(1)(Samsung Corning製)から調製された透明電極ITO薄膜(15Ω/□)(2)を、トリクロロエチレン、アセトン、エタノール及び蒸留水を順に使用して超音波洗浄を行い、使用までイソプロパノール中に保管した。
【0248】
次いで、ITO基体を、真空蒸着装置の基体ホルダー内に装着し、4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)を、真空蒸着装置のセル内に置き、次いで、この装置を、チャンバー内の真空度が10−6トールに至るまで排気した。電流をセルに適用して、2−TNATAを蒸発させ、それによって、ITO基体の上に、60nmの厚さを有する正孔注入層(3)の蒸着物を得た。
【0249】
【化57】
【0250】
次いで、真空蒸着装置の他のセルに、N,N’−ビス(α−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPB)を入れ、電流をこのセルに適用して、NPBを蒸発させ、それによって、正孔注入層の上に、20nmの厚さの正孔輸送層(4)の蒸着物を得た。
【0251】
【化58】
【0252】
前記真空蒸着装置の他のセル内に、電気発光ホスト材料として4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を入れ、本発明による有機電気発光化合物(化合物1)を、更に他のセル内に入れた。この2種の材料を、異なった速度で蒸発させてドーピングして、正孔輸送層の上に30nmの厚さを有する電気発光層(5)を蒸着した。好適なドーピング濃度は、CBP基準で4〜10モル%である。
【0253】
【化59】
【0254】
次いで、電気発光層の上に、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(p−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(BAlq)を、NPBについてと同じ方法で、10nmの厚さで正孔ブロッキング層として蒸着し、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)(Alq)を、20nmの厚さで電子輸送層(6)として蒸着し、次いで、リチウムキノラート(Liq)を、1〜2nmの厚さで電子注入層(7)として蒸着した。その後、Alカソード(8)を、他の真空蒸着装置を使用することによって、150nmの厚さで蒸着して、OLEDを製造した。
【0255】
【化60】
【0256】
実施例2
OLED(2)の製造
正孔注入層及び正孔輸送層を、実施例1の手順に従って形成し、電気発光層をその上に下記のようにして蒸着した。該真空蒸着装置の他のセルに、本発明による電気発光ホスト材料としてH−2を入れ、本発明による有機電気発光化合物(化合物177)を、更に他のセル内に入れた。この2種の材料を、異なった速度で蒸発させてドーピングして、正孔輸送層の上に30nmの厚さを有する電気発光層(5)を蒸着した。好適なドーピング濃度は、ホスト基準で4〜10モル%である。次いで、正孔ブロッキング層、電子輸送層及び電子注入層を、実施例1におけると同じ手順に従って蒸着し、次いで、Alカソードを、他の真空蒸着装置を使用することによって、150nmの厚さで蒸着して、OLEDを製造した。
【0257】
実施例3
OLED(3)の製造
正孔注入層、正孔輸送層及び電気発光層を、実施例2におけると同じ手順に従って形成し、次いで、電子輸送層及び電子注入層を蒸着した。その後、Alカソードを、他の真空蒸着装置を使用することによって、150nmの厚さで蒸着して、OLEDを製造した。
【0258】
実施例1〜3に従って調製したOLEDの性能を確認するために、これらのOLEDの発光効率を、10mA/cm2で測定した。種々の特性を表3に示す。
【0259】
【表110】
【0260】
化合物(44)について、ジメチルの組み込みは、向上した効率及び色座標(color coordinate)の効果をもたらした。化合物(49)について、配位子へのFの組み込みは、HOMOレベルに影響を与え、Fを組み込ませる前の化合物にと比較した場合、低下した色座標であるが向上した発光効率をもたらした。各々、副配位子として、2−フェニルキノリン、2−スチリルキノリン及びフェニル(6−フェニルピリジン−3−イル)メタノンを組み込ませた化合物(177)、(584)及び(589)は、本発明による化合物の中で、最高の効率(各々、10.8cd/A、11.1cd/A及び11.3cd/A)を示した。副配位子としてppy又は1−スチリルキノリンを組み込んだ化合物は、10cd/A以上の高い効率を示した。従って、好適な配位子、例えば、2−フェニルキノリン、2−スチリルキノリン、フェニル(6−フェニルピリジン−3−イル)メタノン、ppy及び1−スチリルキノリンが、化合物の発光効率を向上させるために重要な役割を演じることがわかる。
【0261】
同一の素子構造で、EL素子においてCBPの代わりに本発明によるホストを使用することは、効率、色座標及び動作電圧において、CBPのものから顕著な変化をもたらさなかった。従って、これらのホストは、従来の電気発光ホストとしてのCBPの代わりに、本発明によるドーパントと共に使用するとき、燐光ホストとして使用できることが期待される。本発明によるホストを、正孔ブロッキング層を使用することなく、使用するとき、この素子は、従来のホストを使用するものにと比較した場合、匹敵する又はより高い発光効率を示し、少なくとも0.8V低下した動作電圧に起因する、OLEDの減少した電力消費をもたらす。本発明をOLEDの大量生産に応用する場合、大量生産のための時間も短縮させ、その商業化において大きい利益をもたらすことができる。
【符号の説明】
【0262】
1 ガラス
2 透明電極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 電気発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 Alカソード
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い発光効率を示す新規な有機電気発光化合物並びにこれを含む有機電気発光素子及び有機太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
OLED(有機発光ダイオード)における発光効率を決定するための最も重要な要因は、電気発光材料の種類である。現在まで、電気発光材料として蛍光材料が広く使用されてきたが、燐光材料の開発は、電気発光機構の観点から、理論的に4倍まで発光効率を改善するための最良な方法の一つである。
【0003】
現在まで、燐光材料として、各々赤色、緑色及び青色の物として、(acac)Ir(btp)2、Ir(ppy)3及びFirpicを含む、イリジウム(III)錯体が広く知られている。特に、最近多数の燐光材料が、日本、欧州及び米国において、研究されている。
【0004】
【化1】
【0005】
従来の赤色の燐光材料の中で、幾つかの材料が、良好なEL(電気発光)特性を有すると報告されている。しかしながら、これらの中で、商業化のレベルに到達する材料は非常に希である。最も好ましい材料として、1−フェニルイソキノリンのイリジウム錯体を挙げることができ、これは、優れたEL特性を有し、高い発光効率で暗赤色の色純度を示すことが知られている(A.Tsuboyamaら、J.Am.Chem.Soc.2003,125(42),12971−12979参照)。
【0006】
【化2】
【0007】
更に、寿命の顕著な問題点を有しない赤色材料は、それらが、良好な色純度又は発光効率を有するならば、容易な商業化の傾向を有する。従って、上記のイリジウム錯体は、その優れた色純度及び発光効率に起因して、非常に高い商業化の可能性を有する材料である。
【0008】
しかしながら、中ないし大サイズのOLEDパネルのために、既知の材料のものよりも高いEL特性のレベルが実際的に必要であるが、このイリジウム錯体は、まだ、単に小さいディスプレイに適用可能である材料として解されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】A.Tsuboyamaら著、J.Am.Chem.Soc.2003,125(42),12971−12979
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような従来技術の問題点を克服するための、集約的な取り組みによって、本発明者らは、優れた発光効率及び驚くほど向上された寿命を有する有機EL素子を実現するための、新規な有機電気発光化合物を開発するために研究してきた。遂に、本発明者らは、主配位子化合物のキノリンの3位にメチル基を組み入れ、同時に4位にフェニル誘導体を組み入れることによって合成されたイリジウム錯体を、電気発光素子のドーパント(dopant)とするとき、発光効率及び寿命特性が向上されることを見出し、本発明を完成した。従って、本発明の目的は、従来の赤色燐光材料のものにと比較した場合、より優れた特性を与える骨格を有する、新規な電気発光化合物を提供することである。本発明の他の目的は、中ないし大サイズのOLEDパネルに適用可能である、新規な有機電気発光化合物を提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、この新規な有機電気発光化合物を含有する、有機電気発光素子及び有機太陽電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、新規な有機電気発光化合物及びこれを含む有機電気発光素子に関する。詳細には、本発明による有機電気発光化合物は、これらが、化学式1によって表されることで特徴付けられる。
【0013】
【化3】
【0014】
式中、Lは有機配位子であり、
R1〜R4は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、
R5は、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン又は(C6〜C60)アリールを表し、
R6及びR7は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C60)アリールアミノを表し、又はR6及びR7は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R6及びR7のアルキル若しくはアリール、あるいは縮合環を有する又は有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによる連結によって、それらから形成される脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロビフルオレニル及び、
【0015】
【化4】
【0016】
から選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、並びに
nは、1〜3の整数である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、OLEDの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで図面に言及すると、図1は、ガラス1、透明電極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、電気発光層5、電子輸送層6、電子注入層7及びAlカソード8を含む、OLEDの断面図を示す。
【0019】
本明細書に記載される用語「アルキル」及び「アルキル」部分を含む任意の置換基は、線形種及び分枝種の両方を含む。
【0020】
本明細書に記載される用語「アリール」は、1個の水素原子の除去によって、芳香族炭化水素から誘導される有機基を意味する。各々の環は、4〜7個、好ましくは5〜6個の環原子を含有する単環式又は縮合環系を含有する。具体的な例として、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、インデニル、フルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル及びフルオランテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
本明細書に記載される用語「ヘテロアリール」は、芳香族環式主鎖原子としてのN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子並びに残りの芳香族環式主鎖原子として炭素原子を含有するアリール基を意味する。ヘテロアリールは、5員又は6員の、単環式ヘテロアリール、又は1個以上のベンゼン環と縮合された多環式ヘテロアリールであってもよく、部分的に飽和されていてもよい。ヘテロアリール基は、そのヘテロ原子が、酸化されるか又は四級化されて、N−オキシド及び第四級塩を形成してもよい、二価のアリール基を含み得る。具体的な例としては、単環式ヘテロアリール基、例えば、フリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル;多環式ヘテロアリール基、例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェナントリジニル及びベンゾジオキソリル;並びにこれらの対応するN−オキシド(例えば、ピリジルN−オキシド、キノリルN−オキシド)及び第四級塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
化学式1のナフチルは、1−ナフチル又は2−ナフチルであってもよく、アントリルは、1−アントリル、2−アントリル又は9−アントリルであってもよく、フルオレニルは、1−フルオレニル、2−フルオレニル、3−フルオレニル、4−フルオレニル又は9−フルオレニルであってもよい。
【0023】
本明細書に記載される「(C1〜C60)アルキル」部分を含む置換基は、1〜60個の炭素原子、1〜20個の炭素原子又は1〜10個の炭素原子を含有してもよい。「(C6〜C60)アリール」部分を含む置換基は、6〜60個の炭素原子、6〜20個の炭素原子又は6〜12個の炭素原子を含有してもよい。「(C3〜C60)ヘテロアリール」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子、4〜20個の炭素原子又は4〜12個の炭素原子を含有してもよい。「(C3〜C60)シクロアルキル」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子、3〜20個の炭素原子又は3〜7個の炭素原子を含有してもよい。「(C2〜C60)アルケニル又はアルキニル」部分を含む置換基は、2〜60個の炭素原子、2〜20個の炭素原子又は2〜10個の炭素原子を含有してもよい。
【0024】
化学式1によって表される化合物において、(C3〜C12)アルキレン又は(C3〜C12)アルケニレンによる連結によって、R6及びR7から形成される脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、インデン又はフェナントレンであり得る。化学式1中の大括弧([])内の化合物はイリジウムの主配位子として機能し、およびLは副配位子として機能する。また、本発明による有機電気発光化合物には、主配位子:副配位子=2:1の比を有する錯体(n=2)及び主配位子:副配位子=1:2の比を有する錯体(n=1)並びに副配位子(L)を有さないトリスキレート化錯体(n=3)が含まれる。
【0025】
本発明による有機電気発光化合物は、化学式2〜7の一つによって表される化合物によって、具体的に例示することができる。
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
式中、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びnは、化学式1における定義と同一であり、
R11〜R18は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロフルオレニル又は、
【0029】
【化7】
【0030】
を表し、
前記R11〜R18のアルキル、フェニル、ナフチル、アントリル又はフルオレニルは、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ及び(C6〜C60)アリールから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
R19及びR20は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル若しくは(C6〜C60)アリールを表し、あるいはR19及びR20は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R21は、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、フェニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、ナフチル、9,9−ジ(C1〜C60)アルキルフルオレニル又は9,9−ジ(C6〜C60)アリールフルオレニルを表し、並びに
mは、1〜5の整数である。
【0031】
R11〜R18は、独立に、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、トリフルオロメチル、フルオロ、シアノ、トリメチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、t−ブチルカルボニル、フェニルカルボニル、ジメチルアミノ、ジフェニルアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル又は
【0032】
【化8】
【0033】
を表し、並びにフルオレニルは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、フェニル、ナフチル、アントリル、トリメチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル又はトリフェニルシリルによって更に置換されていてもよい。
【0034】
好ましくは、化学式1のR1〜R4は、独立に、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、エチルヘキシル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フルオロ、トリメチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル又はトリフェニルシリルを表し、並びにR6は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、エチルヘキシル、フルオロ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル又はスピロビフルオレニルを表す。
【0035】
本発明による有機電気発光化合物は、下記の化合物によって具体的に例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
式中、Lは、有機配位子を表し、
R5は、独立に、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、エチルヘキシル、フルオロ、フェニル又はナフチルを表し、
R51及びR52は、独立に、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、エチルヘキシル、フェニル若しくはナフチルを表し、またはR51及びR52は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R53は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、トリメチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル、フェニル又はナフチルを表し、
mは、1〜5の整数であり、並びに
nは、1〜3の整数である。
【0040】
本発明による有機電気発光化合物の副配位子(L)には、下記の構造が含まれる。
【0041】
【化12】
【0042】
式中、R31及びR32は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル又はハロゲンを表し、
R33〜R39は、独立に、水素;(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル;トリ(C1〜C60)アルキルシリル;又はハロゲンを表し、
R40〜R43は、独立に、水素;(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニルを表し、並びに
R44は、(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル;又はハロゲンを表す。
【0043】
本発明による有機電気発光化合物の副配位子(L)は、下記の構造によって例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0044】
【化13】
【0045】
本発明による有機電気発光化合物の調製方法は、下記に示される反応図式1〜3を参照することによって説明される。
【0046】
【化14】
【0047】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びLは、化学式1における定義と同一である。
【0048】
反応図式1は、n=1を有する化学式1の化合物をもたらし、ここでは、三塩化イリジウム(IrCl3)及び副配位子化合物(L−H)が、1:2〜3のモル比で、溶媒中で混合され、この混合物が還流下で加熱され、その後ジイリジウム二量体が単離される。この反応段階において、好ましい溶媒は、アルコール又はアルコール/水の混合溶媒、例えば、2−エトキシエタノール、及び2−エトキシエタノール/水混合物である。単離されたジイリジウム二量体は、次いで、有機溶媒中で主配位子化合物と共に加熱されて、最終生成物として、1:2の主配位子:副配位子の比を有する有機燐光性イリジウム化合物をもたらす。この反応は、有機溶媒、例えば、2−エトキシエタノール及び2−メトキシエチルエーテルと共に混合されているAgCF3SO3、Na2CO3又はNaOHと共に実施される。
【0049】
反応図式2は、n=2を有する化学式1の化合物をもたらし、ここでは、三塩化イリジウム(IrCl3)及び主配位子化合物が、1:2〜3のモル比で、溶媒中で混合され、この混合物が還流下で加熱され、その後ジイリジウム二量体が単離される。この反応段階において、好ましい溶媒は、アルコール又はアルコール/水の混合溶媒、例えば、2−エトキシエタノール、及び2−エトキシエタノール/水混合物である。単離されたジイリジウム二量体は、次いで、有機溶媒中で副配位子化合物(L−H)と共に加熱されて、最終生成物として、2:1の主配位子:副配位子の比を有する有機燐光性イリジウム化合物をもたらす。最終生成物中の、主配位子化合物と副配位子(L)とのモル比は、組成物に応じた反応剤の適切なモル比によって決定される。この反応は、有機溶媒、例えば、2−エトキシエタノール、2−メトキシエチルエーテル及び1,2−ジクロロエタンと共に混合されているAgCF3SO3、Na2CO3又はNaOHと共に実施することができる。
【0050】
反応図式3は、n=3を有する化学式1の化合物をもたらし、ここでは、反応図式2に従って調製されたイリジウム錯体及び主配位子化合物が、1:2〜3のモル比でグリセロール中で混合され、この混合物が還流下で加熱されて、3つの主配位子で配位された有機燐光性イリジウム錯体を得る。
【0051】
本発明において主配位子として使用される化合物は、従来のプロセスに基づいて、反応図式4に従って調製することができるが、それらに限定されるわけではない。
【0052】
【化15】
【0053】
式中、R1〜R7は、化学式1における定義と同一である。
【0054】
また、本発明は、化学式1によって表される1種以上の有機電気発光化合物を含む有機太陽電池も提供する。
【0055】
また、本発明は、第一電極;第二電極;及び第一電極と第二電極との間に介在させられた少なくとも1つの有機層;を含む有機電気発光素子であって、この有機層が、化学式1によって表される1種以上の化合物を含む有機電気発光素子も提供する。
【0056】
本発明による有機電気発光素子は、有機層が、電気発光ドーパントとしての化学式1によって表される1種以上の有機電気発光化合物0.01〜10重量%と、1種以上のホスト(host)とを含む電気発光領域を含むことで特徴付けられる。本発明による有機電気発光素子に適用されるホストは、特に制限されないが、1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン、ポリビニルカルバゾール、m−ビスカルバゾリルフェニル、4,4’,4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、1,3,5−トリ(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−カルバゾリル−5−メトキシフェニル)ベンゼン、ビス(4−カルバゾリルフェニル)シラン又は化学式8〜11の一つによって表される化合物によって例示することができる。
【0057】
【化16】
【0058】
化学式8において、R91〜R94は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR91〜R94の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
前記R91〜R94のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノ、あるいは縮合環を有する又は有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる隣接する置換基への連結によってそれらから形成された脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0059】
【化17】
【0060】
化学式11において、配位子L1及びL2は、独立に、下記の構造から選択され、
【0061】
【化18】
【0062】
M1は、2価又は3価金属であり、
yは、M1が2価金属である場合0であり、M1が3価金属である場合1であり、
Qは、(C6〜C60)アリールオキシ又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、Qのアリールオキシ及びトリアリールシリルは、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールによって更に置換されていてもよく、
Xは、O、S又はSeを表し、
環Aは、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジン又はキノリンを表し、
環Bは、ピリジン又はキノリンを表し、環Bは、(C1〜C60)アルキル;又は(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル若しくはナフチル;によって更に置換されていてもよく、
R101〜R104は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR101〜R104の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、ピリジン又はキノリンは、R101と一緒に化学結合を形成して、縮合環を形成してもよく、
前記環A及びR101〜R104のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノ、あるいは縮合環を有する又は有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる隣接する置換基への連結によってそれらから形成された脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0063】
配位子L1及びL2は、独立に、下記の構造から選択される。
【0064】
【化19】
【0065】
式中、Xは、O、S又はSeを表し、
R101〜R104は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR101〜R104の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R111〜R116及びR121〜R139は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR111〜R116及びR121〜R139の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
前記R101〜R104、R111〜R116及びR121〜R139のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノ、あるいは縮合環を有する又は有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる隣接する置換基への連結によってそれらから形成された脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0066】
化学式11において、M1は、Be、Zn、Mg、Cu及びNiから選択される2価金属又はAl、Ga、In及びBから選択される3価金属であり、Qは、下記の構造から選択される。
【0067】
【化20】
【0068】
化学式8の化合物は、下記の構造によって表される化合物によって具体的に例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0069】
【化21】
【0070】
化学式9〜11の一つによって表される化合物は、下記の構造の一つを有する化合物によって具体的に例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0071】
【化22】
【0072】
【化23】
【0073】
【化24】
【0074】
【化25】
【0075】
電気発光層は、電気発光が生じる層を意味し、これは、単一層であっても、積層化された2以上の層から成る複数層であってもよい。ホスト−ドーパントの混合物が、本発明の構成に従って使用されるとき、素子寿命及び発光効率における顕著な改善を確認することができた。
【0076】
更に本発明による有機電気発光素子は、アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物から選択される1種以上の化合物、並びに化学式1によって表される有機電気発光化合物を含むことができる。アリールアミン又はスチリルアリールアミン化合物の例には、化学式12によって表される化合物が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0077】
【化26】
【0078】
式中、Ar11及びAr12は、独立に、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C6〜C60)アリールアミノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、または(C3〜C60)シクロアルキルを表し、あるいはAr11及びAr12は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
gが1である場合、Ar13は、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール又は下記の構造式の一つによって表されるアリールを表し、
【0079】
【化27】
【0080】
gが2である場合、Ar13は、(C6〜C60)アリーレン、(C4〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造式の一つによって表されるアリーレンを表し、
【0081】
【化28】
【0082】
(式中、Ar21及びAr22は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
R151、R152及びR153は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、
tは、1〜4の整数であり、wは、0又は1の整数である)
並びに、
前記Ar11及びAr12のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキル、またはAr13のアリール、ヘテロアリール、アリーレン若しくはヘテロアリーレン、またはAr21及びAr22のアリーレン若しくはヘテロアリーレン、またはR151〜R153のアルキル若しくはアリールは、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0083】
アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物は、下記の化合物によってより具体的に例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0084】
【化29】
【0085】
本発明による有機電気発光素子において、有機層は、化学式1によって表される有機電気発光化合物の他に、第1族、第2族、第4周期及び第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属から成る群より選択される1種以上の金属を更に含み得る。この有機層は、電気発光層に加えて、電荷発生層を含み得る。
【0086】
本発明は、独立発光方式のピクセル構造を有する電気発光素子であって、サブピクセルとして化学式1の化合物と、同時に平行にパターン形成された、アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物から成る群より選択される1種以上の化合物を含有する1個以上のサブピクセルとを含有する有機電気発光素子を含む電気発光素子を実現することができる。
【0087】
更に、この有機電気発光素子は、同時に、青色又は緑色の波長の電気発光ピークを有する化合物から選択される1種以上の化合物を含有する、有機ディスプレイである。青色又は緑色の波長の電気発光ピークを有する化合物は、化学式13〜17の一つによって表される化合物によって例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0088】
【化30】
【0089】
化学式14において、Ar101及びAr102は、独立に、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C6〜C60)アリールアミノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル若しくは(C3〜C60)シクロアルキルを表し、あるいはAr101及びAr102は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
hが1である場合、Ar103は、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール又は下記の構造式の一つによって表されるアリールを表し、
【0090】
【化31】
【0091】
hが2である場合、Ar103は、(C6〜C60)アリーレン、(C4〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造式の一つによって表されるアリーレンを表し、
【0092】
【化32】
【0093】
(式中、Ar201及びAr202は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
R161、R162及びR163は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、
iは、1〜4の整数であり、jは、0又は1の整数である)
並びに
前記Ar101及びAr102のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキル、またはAr103のアリール、ヘテロアリール、アリーレン若しくはヘテロアリーレン、またはAr201及びAr202のアリーレン若しくはヘテロアリーレン、またはR161〜R163のアルキル若しくはアリールは、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0094】
【化33】
【0095】
化学式15において、R301〜R304は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR301〜R304の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
前記R301〜R304のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノ、あるいは縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる隣接する置換基への連結によってそれらから形成された脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0096】
【化34】
【0097】
化学式16及び17において、
L11は、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
L12は、アントラセニレンを表し、
Ar301〜Ar304は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C5〜C60)シクロアルキル及び(C6〜C60)アリールから選択され、Ar301〜Ar304のシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルから成る群より選択される少なくとも1つの置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール又は(C4〜C60)ヘテロアリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C60)アルキルシリル;ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル;並びにトリ(C6〜C60)アリールシリル;から成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、並びに
p、q、r及びsは、独立に、0〜4の整数を表す。
【0098】
化学式16又は17によって表される化合物は、化学式18〜21の一つによって表される誘導体によって例示することができる。
【0099】
【化35】
【0100】
化学式18〜20において、R311及びR312は、独立に、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール又はN、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、又は(C3〜C60)シクロアルキルを表し、R311及びR312のアリール又はヘテロアリールは、(C1〜C60)アルキル、ハロ(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルから成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
R313〜R316は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C5〜C60)シクロアルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、R313〜R316のヘテロアリール、シクロアルキル又はアリールは、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルから成る群より選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
G1及びG2は、独立に、化学結合であるか、又は(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール及びハロゲンから選択される1種以上の置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリーレンを表し、
Ar41及びAr42は、下記の構造から選択されるアリール又は(C4〜C60)ヘテロアリールを表し、
【0101】
【化36】
【0102】
前記Ar41及びAr42のアリール又はヘテロアリールは、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール及び(C4〜C60)ヘテロアリールから選択される1種以上の置換基で置換されていてもよく、
L31は、(C6〜C60)アリーレン、(C4〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造によって表される化合物を表し、
【0103】
【化37】
【0104】
L31のアリーレン又はヘテロアリーレンは、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール及びハロゲンから選択される1種以上の置換基で置換されていてもよく、
R321、R322、R323及びR324は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル若しくは(C6〜C60)アリールを表し、あるいはこれらの各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R331、R332、R333及びR334は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール若しくはハロゲンを表し、あるいはこれらの各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよい。
【0105】
【化38】
【0106】
化学式21において、
L41及びL42は、独立に、化学結合であるか、(C6〜C60)アリーレン若しくは(C3〜C60)ヘテロアリーレンを表し、L41及びL42のアリーレン又はヘテロアリーレンは、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、(C6〜C60)アリール、(C3〜C60)ヘテロアリール、トリ(C1〜C30)アルキルシリル、ジ(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリールシリル及びトリ(C6〜C30)アリールシリルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
R201〜R219は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR201〜R219の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
Ar51は、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル又は下記の構造から選択される置換基を表し、
【0107】
【化39】
【0108】
(式中、R220〜R232は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ又はヒドロキシルを表し、
E1及びE2は、独立に、化学結合であるか、−(CR233R234)z−、−N(R235)−、−S−、−O−、−Si(R236)(R237)−、−P(R238)−、−C(=O)−、−B(R239)−、−In(R240)−、−Se−、−Ge(R241)(R242)−、−Sn(R243)(R244)−、−Ga(R245)−又はC(R246)=C(R247)−を表し、
R233〜R247は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、あるいはR233〜R247の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよい)
前記Ar51のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アダマンチル若しくはビシクロアルキル、またはR201〜R232のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノは、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
xは、1〜4の整数であり、並びに
zは、0〜4の整数である。
【0109】
緑色又は青色の電気発光を有する有機化合物及び有機金属化合物は、下記の化合物によってより具体的に例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0110】
【化40】
【0111】
【化41】
【0112】
【化42】
【0113】
【化43】
【0114】
【化44】
【0115】
【化45】
【0116】
【化46】
【0117】
【化47】
【0118】
【化48】
【0119】
【化49】
【0120】
【化50】
【0121】
【化51】
【0122】
【化52】
【0123】
【化53】
【0124】
【化54】
【0125】
【化55】
【0126】
本発明による有機電気発光素子において、カルコゲニド(chalcogenide)層、金属ハロゲン化物層及び金属酸化物層から選択される1個以上の層(以下、「表面層」と呼ぶ)を、一対の電極の少なくとも一方の内側表面上に配置することが好ましい。特に、EL媒体層のアノード表面上に珪素及びアルミニウム金属(酸化物を含む)のカルコゲニド層を配置し、EL媒体層のカソード表面上に金属ハロゲン化物層又は金属酸化物層を配置することが好ましい。その結果、動作における安定性を得ることができる。
【0127】
カルコゲニドの例には、好ましくは、SiOx(1≦x≦2)、AlOx(1≦x≦1.5)、SiON、SiAlONなどが含まれる。金属ハロゲン化物の例には、好ましくは、LiF、MgF2、CaF2、ランタニドのフッ化物などが含まれる。金属酸化物の例には、好ましくは、Cs2O、Li2O、MgO、SrO、BaO、CaOなどが含まれる。
【0128】
本発明による有機電気発光素子において、このようにして製造された一対の電極の少なくとも一方の表面上に、電子輸送化合物と還元性ドーパントの混合領域、又は正孔輸送化合物と酸化性ドーパントの混合領域を配置することも好ましい。その結果、電子輸送化合物はアニオンに還元されるため、この混合領域からEL媒体へ電子を注入及び輸送しやすくなる。更に、正孔輸送化合物が酸化されてカチオンを生成するので、この混合領域からEL媒体へ正孔を注入及び輸送しやすくなる。好ましい酸化性ドーパントとしては、種々のルイス酸及びアクセプター化合物が挙げられる。好ましい還元性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属及びこれらの混合物が挙げられる。
【0129】
従来の燐光材料よりも優れたEL特性及び熱安定性の骨格を有する、本発明による有機電気発光化合物は、従来の材料に比較して、より高い量子効率及びより低い動作電圧を提供する。従って、本発明による有機電気発光化合物をOLEDパネルに適用すると、中から大型のOLEDの開発において、更に向上した結果が期待される。この化合物を、高効率の材料として有機太陽電池に適用すると、従来の材料に比較してより優れた特性が期待される。
【0130】
本発明のより良い理解のために、本発明による新規な化合物の調製方法に関して本発明を更に説明するが、これは本発明の範囲を限定することを意図するものでは決してない。
【実施例】
【0131】
調製実施例
調製実施例1 化合物(993)の調製
【0132】
【化56】
【0133】
化合物(A)の調製
反応容器に、2−アミノベンゾフェノン(10.0g、50.7mmol)、1−メチルアセトフェノン(6.7mL、50.7mmol)、氷酢酸(169mL)及び硫酸(10滴)を入れ、この混合物を還流下でアルゴンガス雰囲気の存在下で攪拌した。この反応が完了したときに、この混合物を室温まで冷却した。これに、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液を添加し、生成された固体を濾過し、蒸留水で洗浄した。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、化合物(A)(8.9g、60%)を得た。
【0134】
化合物(B)の調製
反応容器に、化合物(A)(7.0g、23.7mmol)、塩化イリジウム(3.2g、10.8mmol)、2−エトキシエタノール(36mL)及び蒸留水(12mL)を入れ、この混合物を、還流下でアルゴンガス雰囲気の存在下で24時間加熱した。この反応が完了したときに、反応混合物を室温まで冷却した。沈殿物を濾過し、十分に乾燥して、化合物(B)(4.0g、71%)を得た。
【0135】
化合物(993)の調製
化合物(B)(4.0g、3.9mmol)、2,4−ペンタンジオン(0.79mL、7.7mmol)及び炭酸ナトリウム(2.1g、19.3mmol)を、2−エトキシエタノール(100mL)中に溶解させ、この溶液を4時間加熱した。反応が完了したときに、この反応混合物を室温まで冷却し、生成された固体沈殿物を濾過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー及び再結晶による精製によって、化合物(993)(1.7g、25%)を、赤色結晶として得た。
【0136】
調製実施例1と同じ手順に従って、表1中の有機燐光性化合物(化合物1〜化合物1004)を調製した。それらの1H NMR及びMS/FABデータを、表2に記載する。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
【表3】
【0140】
【表4】
【0141】
【表5】
【0142】
【表6】
【0143】
【表7】
【0144】
【表8】
【0145】
【表9】
【0146】
【表10】
【0147】
【表11】
【0148】
【表12】
【0149】
【表13】
【0150】
【表14】
【0151】
【表15】
【0152】
【表16】
【0153】
【表17】
【0154】
【表18】
【0155】
【表19】
【0156】
【表20】
【0157】
【表21】
【0158】
【表22】
【0159】
【表23】
【0160】
【表24】
【0161】
【表25】
【0162】
【表26】
【0163】
【表27】
【0164】
【表28】
【0165】
【表29】
【0166】
【表30】
【0167】
【表31】
【0168】
【表32】
【0169】
【表33】
【0170】
【表34】
【0171】
【表35】
【0172】
【表36】
【0173】
【表37】
【0174】
【表38】
【0175】
【表39】
【0176】
【表40】
【0177】
【表41】
【0178】
【表42】
【0179】
【表43】
【0180】
【表44】
【0181】
【表45】
【0182】
【表46】
【0183】
【表47】
【0184】
【表48】
【0185】
【表49】
【0186】
【表50】
【0187】
【表51】
【0188】
【表52】
【0189】
【表53】
【0190】
【表54】
【0191】
【表55】
【0192】
【表56】
【0193】
【表57】
【0194】
【表58】
【0195】
【表59】
【0196】
【表60】
【0197】
【表61】
【0198】
【表62】
【0199】
【表63】
【0200】
【表64】
【0201】
【表65】
【0202】
【表66】
【0203】
【表67】
【0204】
【表68】
【0205】
【表69】
【0206】
【表70】
【0207】
【表71】
【0208】
【表72】
【0209】
【表73】
【0210】
【表74】
【0211】
【表75】
【0212】
【表76】
【0213】
【表77】
【0214】
【表78】
【0215】
【表79】
【0216】
【表80】
【0217】
【表81】
【0218】
【表82】
【0219】
【表83】
【0220】
【表84】
【0221】
【表85】
【0222】
【表86】
【0223】
【表87】
【0224】
【表88】
【0225】
【表89】
【0226】
【表90】
【0227】
【表91】
【0228】
【表92】
【0229】
【表93】
【0230】
【表94】
【0231】
【表95】
【0232】
【表96】
【0233】
【表97】
【0234】
【表98】
【0235】
【表99】
【0236】
【表100】
【0237】
【表101】
【0238】
【表102】
【0239】
【表103】
【0240】
【表104】
【0241】
【表105】
【0242】
【表106】
【0243】
【表107】
【0244】
【表108】
【0245】
【表109】
【0246】
実施例1
OLED(1)の製造
本発明による赤色リン光化合物を使用することによって、OLED素子を製造した。
【0247】
最初に、OLED用のガラス(1)(Samsung Corning製)から調製された透明電極ITO薄膜(15Ω/□)(2)を、トリクロロエチレン、アセトン、エタノール及び蒸留水を順に使用して超音波洗浄を行い、使用までイソプロパノール中に保管した。
【0248】
次いで、ITO基体を、真空蒸着装置の基体ホルダー内に装着し、4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)を、真空蒸着装置のセル内に置き、次いで、この装置を、チャンバー内の真空度が10−6トールに至るまで排気した。電流をセルに適用して、2−TNATAを蒸発させ、それによって、ITO基体の上に、60nmの厚さを有する正孔注入層(3)の蒸着物を得た。
【0249】
【化57】
【0250】
次いで、真空蒸着装置の他のセルに、N,N’−ビス(α−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPB)を入れ、電流をこのセルに適用して、NPBを蒸発させ、それによって、正孔注入層の上に、20nmの厚さの正孔輸送層(4)の蒸着物を得た。
【0251】
【化58】
【0252】
前記真空蒸着装置の他のセル内に、電気発光ホスト材料として4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を入れ、本発明による有機電気発光化合物(化合物1)を、更に他のセル内に入れた。この2種の材料を、異なった速度で蒸発させてドーピングして、正孔輸送層の上に30nmの厚さを有する電気発光層(5)を蒸着した。好適なドーピング濃度は、CBP基準で4〜10モル%である。
【0253】
【化59】
【0254】
次いで、電気発光層の上に、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(p−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(BAlq)を、NPBについてと同じ方法で、10nmの厚さで正孔ブロッキング層として蒸着し、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)(Alq)を、20nmの厚さで電子輸送層(6)として蒸着し、次いで、リチウムキノラート(Liq)を、1〜2nmの厚さで電子注入層(7)として蒸着した。その後、Alカソード(8)を、他の真空蒸着装置を使用することによって、150nmの厚さで蒸着して、OLEDを製造した。
【0255】
【化60】
【0256】
実施例2
OLED(2)の製造
正孔注入層及び正孔輸送層を、実施例1の手順に従って形成し、電気発光層をその上に下記のようにして蒸着した。該真空蒸着装置の他のセルに、本発明による電気発光ホスト材料としてH−2を入れ、本発明による有機電気発光化合物(化合物177)を、更に他のセル内に入れた。この2種の材料を、異なった速度で蒸発させてドーピングして、正孔輸送層の上に30nmの厚さを有する電気発光層(5)を蒸着した。好適なドーピング濃度は、ホスト基準で4〜10モル%である。次いで、正孔ブロッキング層、電子輸送層及び電子注入層を、実施例1におけると同じ手順に従って蒸着し、次いで、Alカソードを、他の真空蒸着装置を使用することによって、150nmの厚さで蒸着して、OLEDを製造した。
【0257】
実施例3
OLED(3)の製造
正孔注入層、正孔輸送層及び電気発光層を、実施例2におけると同じ手順に従って形成し、次いで、電子輸送層及び電子注入層を蒸着した。その後、Alカソードを、他の真空蒸着装置を使用することによって、150nmの厚さで蒸着して、OLEDを製造した。
【0258】
実施例1〜3に従って調製したOLEDの性能を確認するために、これらのOLEDの発光効率を、10mA/cm2で測定した。種々の特性を表3に示す。
【0259】
【表110】
【0260】
化合物(44)について、ジメチルの組み込みは、向上した効率及び色座標(color coordinate)の効果をもたらした。化合物(49)について、配位子へのFの組み込みは、HOMOレベルに影響を与え、Fを組み込ませる前の化合物にと比較した場合、低下した色座標であるが向上した発光効率をもたらした。各々、副配位子として、2−フェニルキノリン、2−スチリルキノリン及びフェニル(6−フェニルピリジン−3−イル)メタノンを組み込ませた化合物(177)、(584)及び(589)は、本発明による化合物の中で、最高の効率(各々、10.8cd/A、11.1cd/A及び11.3cd/A)を示した。副配位子としてppy又は1−スチリルキノリンを組み込んだ化合物は、10cd/A以上の高い効率を示した。従って、好適な配位子、例えば、2−フェニルキノリン、2−スチリルキノリン、フェニル(6−フェニルピリジン−3−イル)メタノン、ppy及び1−スチリルキノリンが、化合物の発光効率を向上させるために重要な役割を演じることがわかる。
【0261】
同一の素子構造で、EL素子においてCBPの代わりに本発明によるホストを使用することは、効率、色座標及び動作電圧において、CBPのものから顕著な変化をもたらさなかった。従って、これらのホストは、従来の電気発光ホストとしてのCBPの代わりに、本発明によるドーパントと共に使用するとき、燐光ホストとして使用できることが期待される。本発明によるホストを、正孔ブロッキング層を使用することなく、使用するとき、この素子は、従来のホストを使用するものにと比較した場合、匹敵する又はより高い発光効率を示し、少なくとも0.8V低下した動作電圧に起因する、OLEDの減少した電力消費をもたらす。本発明をOLEDの大量生産に応用する場合、大量生産のための時間も短縮させ、その商業化において大きい利益をもたらすことができる。
【符号の説明】
【0262】
1 ガラス
2 透明電極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 電気発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 Alカソード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式1によって表される有機電気発光化合物:
【化1】
(式中、Lは有機配位子であり、
R1〜R4は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、
R5は、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン又は(C6〜C60)アリールを表し、
R6及びR7は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C60)アリールアミノを表し、またはR6及びR7は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
前記R6及びR7のアルキル若しくはアリール、または縮合環を有する又は有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによる連結によってそれらから形成される脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロビフルオレニル及び
【化2】
から選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、並びに
nは、1〜3の整数である。)。
【請求項2】
化学式2〜7の一つによって表される化合物から選択される、請求項1記載の有機電気発光化合物:
【化3】
【化4】
(式中、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びnは、請求項1の化学式1における定義と同一であり、
R11〜R18は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロフルオレニル又は
【化5】
を表し、
前記R11〜R18のアルキル、フェニル、ナフチル、アントリル又はフルオレニルは、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ及び(C6〜C60)アリールから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
R19及びR20は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル若しくは(C6〜C60)アリールを表し、またはR19及びR20は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R21は、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、フェニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、ナフチル、9,9−ジ(C1〜C60)アルキルフルオレニル又は9,9−ジ(C6〜C60)アリールフルオレニルを表し、並びに
mは、1〜5の整数である。)。
【請求項3】
配位子(L)が、下記の化学式の一つによって表される構造を有する、請求項1記載の有機電気発光化合物:
【化6】
(式中、R31及びR32は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル又はハロゲンを表し、
R33〜R39は、独立に、水素;(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル;トリ(C1〜C60)アルキルシリル;又はハロゲンを表し、
R40〜R43は、独立に、水素;(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニルを表し、並びに
R44は、(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル;又はハロゲンを表す。)。
【請求項4】
第一電極;第二電極;及び第一電極と第二電極との間に介在させられた少なくとも1つの有機層;を含む有機電気発光素子であって、
前記有機層が、
(i)化学式1によって表される有機電気発光化合物によって表される1種以上の化合物:
【化7】
(式中、Lは有機配位子であり、
R1〜R4は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、
R5は、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン又は(C6〜C60)アリールを表し、
R6及びR7は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C60)アリールアミノを表し、またはR6及びR7は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
前記R6及びR7のアルキル若しくはアリール、あるいは縮合環を有する又は有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによる連結によって、それらから形成される脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロビフルオレニル及び
【化8】
から選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、並びに
nは、1〜3の整数である。);
並びに、
(ii)1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン、ポリビニルカルバゾール、m−ビスカルバゾリルフェニル、4,4’,4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、1,3,5−トリ(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−カルバゾリル−5−メトキシフェニル)ベンゼン、ビス(4−カルバゾリルフェニル)シラン及び化学式8〜11の一つによって表される化合物から選択される1種以上のホスト:
【化9】
(化学式8において、R91〜R94は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、またはR91〜R94の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族を形成してもよく、
前記R91〜R94のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノ、または縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる隣接する置換基への連結によってそれらから形成された脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。)
【化10】
(化学式11において、配位子L1及びL2は、独立に、下記の構造から選択され、
【化11】
M1は、2価又は3価金属であり、
yは、M1が2価金属である場合0であり、M1が3価金属である場合1であり、
Qは、(C6〜C60)アリールオキシ又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、Qのアリールオキシ及びトリアリールシリルは、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールによって更に置換されていてもよく、
Xは、O、S又はSeを表し、
環Aは、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジン又はキノリンを表し、
環Bは、ピリジン又はキノリンを表し、および環Bは、(C1〜C60)アルキル;又は(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル若しくはナフチル;によって更に置換されていてもよく、
R101〜R104は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、またはR101〜R104の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、およびピリジン又はキノリンは、R101と共に化学結合を形成して、縮合環を形成してもよく、
前記環A及びR101〜R104のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノ、または縮合環を有する又は有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる隣接する置換基への連結によってそれらから形成された脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。)
を含む電気発光領域を含む、有機電気発光素子。
【請求項5】
前記有機層が、アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物から成る群より選択される1種以上の化合物;又は第1族、第2族、第4周期及び第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属から成る群より選択される1種以上の金属;を含む、請求項4記載の有機電気発光素子。
【請求項6】
下記化学式1によって表される有機電気発光化合物によって表される有機電気発光化合物と;同時に、青色及び緑色の波長で電気発光ピークを有する化合物とを含有する有機ディスプレイである、請求項4記載の有機電気発光素子:
【化12】
(式中、Lは有機配位子であり、
R1〜R4は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、
R5は、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン又は(C6〜C60)アリールを表し、
R6及びR7は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C60)アリールアミノを表し、またはR6及びR7は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
前記R6及びR7のアルキル若しくはアリール、または縮合環を有する又は有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによる連結によってそれらから形成される脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロビフルオレニル及び
【化13】
から選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、並びに
nは、1〜3の整数である。)。
【請求項7】
前記有機層が、電気発光層及び電荷発生層をふくむ、請求項4記載の有機電気発光素子。
【請求項8】
還元性ドーパントと有機物質の混合領域、又は酸化性ドーパントと有機物質の混合領域が、一対の電極の間の一方又は両方の電極の、内側表面上に配置されている、請求項4記載の有機電気発光素子。
【請求項9】
下記化学式1によって表される有機電気発光化合物によって表される有機電気発光化合物を含む有機太陽電池:
【化14】
(式中、Lは有機配位子であり、
R1〜R4は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、
R5は、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン又は(C6〜C60)アリールを表し、
R6及びR7は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C60)アリールアミノを表し、またはR6及びR7は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R6及びR7のアルキル若しくはアリール、または縮合環を有する又は有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによる連結によってそれらから形成される脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロビフルオレニル及び
【化15】
から選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、並びに
nは、1〜3の整数である。)。
【請求項1】
化学式1によって表される有機電気発光化合物:
【化1】
(式中、Lは有機配位子であり、
R1〜R4は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、
R5は、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン又は(C6〜C60)アリールを表し、
R6及びR7は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C60)アリールアミノを表し、またはR6及びR7は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
前記R6及びR7のアルキル若しくはアリール、または縮合環を有する又は有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによる連結によってそれらから形成される脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロビフルオレニル及び
【化2】
から選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、並びに
nは、1〜3の整数である。)。
【請求項2】
化学式2〜7の一つによって表される化合物から選択される、請求項1記載の有機電気発光化合物:
【化3】
【化4】
(式中、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びnは、請求項1の化学式1における定義と同一であり、
R11〜R18は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロフルオレニル又は
【化5】
を表し、
前記R11〜R18のアルキル、フェニル、ナフチル、アントリル又はフルオレニルは、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ及び(C6〜C60)アリールから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、
R19及びR20は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル若しくは(C6〜C60)アリールを表し、またはR19及びR20は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R21は、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、フェニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、ナフチル、9,9−ジ(C1〜C60)アルキルフルオレニル又は9,9−ジ(C6〜C60)アリールフルオレニルを表し、並びに
mは、1〜5の整数である。)。
【請求項3】
配位子(L)が、下記の化学式の一つによって表される構造を有する、請求項1記載の有機電気発光化合物:
【化6】
(式中、R31及びR32は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル又はハロゲンを表し、
R33〜R39は、独立に、水素;(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル;トリ(C1〜C60)アルキルシリル;又はハロゲンを表し、
R40〜R43は、独立に、水素;(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニルを表し、並びに
R44は、(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル;又はハロゲンを表す。)。
【請求項4】
第一電極;第二電極;及び第一電極と第二電極との間に介在させられた少なくとも1つの有機層;を含む有機電気発光素子であって、
前記有機層が、
(i)化学式1によって表される有機電気発光化合物によって表される1種以上の化合物:
【化7】
(式中、Lは有機配位子であり、
R1〜R4は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、
R5は、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン又は(C6〜C60)アリールを表し、
R6及びR7は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C60)アリールアミノを表し、またはR6及びR7は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
前記R6及びR7のアルキル若しくはアリール、あるいは縮合環を有する又は有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによる連結によって、それらから形成される脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロビフルオレニル及び
【化8】
から選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、並びに
nは、1〜3の整数である。);
並びに、
(ii)1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン、ポリビニルカルバゾール、m−ビスカルバゾリルフェニル、4,4’,4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、1,3,5−トリ(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−カルバゾリル−5−メトキシフェニル)ベンゼン、ビス(4−カルバゾリルフェニル)シラン及び化学式8〜11の一つによって表される化合物から選択される1種以上のホスト:
【化9】
(化学式8において、R91〜R94は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、またはR91〜R94の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族を形成してもよく、
前記R91〜R94のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノ、または縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる隣接する置換基への連結によってそれらから形成された脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。)
【化10】
(化学式11において、配位子L1及びL2は、独立に、下記の構造から選択され、
【化11】
M1は、2価又は3価金属であり、
yは、M1が2価金属である場合0であり、M1が3価金属である場合1であり、
Qは、(C6〜C60)アリールオキシ又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、Qのアリールオキシ及びトリアリールシリルは、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールによって更に置換されていてもよく、
Xは、O、S又はSeを表し、
環Aは、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジン又はキノリンを表し、
環Bは、ピリジン又はキノリンを表し、および環Bは、(C1〜C60)アルキル;又は(C1〜C60)アルキル置換基を有する又は有しないフェニル若しくはナフチル;によって更に置換されていてもよく、
R101〜R104は、独立に、水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し、またはR101〜R104の各々は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環、または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、およびピリジン又はキノリンは、R101と共に化学結合を形成して、縮合環を形成してもよく、
前記環A及びR101〜R104のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノ、または縮合環を有する又は有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる隣接する置換基への連結によってそれらから形成された脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよい。)
を含む電気発光領域を含む、有機電気発光素子。
【請求項5】
前記有機層が、アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物から成る群より選択される1種以上の化合物;又は第1族、第2族、第4周期及び第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属から成る群より選択される1種以上の金属;を含む、請求項4記載の有機電気発光素子。
【請求項6】
下記化学式1によって表される有機電気発光化合物によって表される有機電気発光化合物と;同時に、青色及び緑色の波長で電気発光ピークを有する化合物とを含有する有機ディスプレイである、請求項4記載の有機電気発光素子:
【化12】
(式中、Lは有機配位子であり、
R1〜R4は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、
R5は、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン又は(C6〜C60)アリールを表し、
R6及びR7は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C60)アリールアミノを表し、またはR6及びR7は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
前記R6及びR7のアルキル若しくはアリール、または縮合環を有する又は有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによる連結によってそれらから形成される脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロビフルオレニル及び
【化13】
から選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、並びに
nは、1〜3の整数である。)。
【請求項7】
前記有機層が、電気発光層及び電荷発生層をふくむ、請求項4記載の有機電気発光素子。
【請求項8】
還元性ドーパントと有機物質の混合領域、又は酸化性ドーパントと有機物質の混合領域が、一対の電極の間の一方又は両方の電極の、内側表面上に配置されている、請求項4記載の有機電気発光素子。
【請求項9】
下記化学式1によって表される有機電気発光化合物によって表される有機電気発光化合物を含む有機太陽電池:
【化14】
(式中、Lは有機配位子であり、
R1〜R4は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、
R5は、水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン又は(C6〜C60)アリールを表し、
R6及びR7は、独立に、水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ若しくはジ(C6〜C60)アリールアミノを表し、またはR6及びR7は、縮合環を有する又は有しない、(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R6及びR7のアルキル若しくはアリール、または縮合環を有する又は有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによる連結によってそれらから形成される脂環式環または単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、(C1〜C60)アルコキシ、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、ジ(C1〜C60)アルキルアミノ、ジ(C6〜C60)アリールアミノ、フェニル、ナフチル、アントリル、フルオレニル、スピロビフルオレニル及び
【化15】
から選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてもよく、並びに
nは、1〜3の整数である。)。
【図1】
【公開番号】特開2009−185017(P2009−185017A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−299064(P2008−299064)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(508223435)グラセル・ディスプレイ・インコーポレーテッド (53)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299064(P2008−299064)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(508223435)グラセル・ディスプレイ・インコーポレーテッド (53)
【Fターム(参考)】
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