説明

新規な殺微生物剤

式(I)の化合物(置換基は、請求項1に記載される)は、微生物殺生剤として有用である。式(I)(式中、Xは、酸素又は硫黄であり;Aは、1〜3個のヘテロ原子(それぞれは、独立して酸素、窒素及び硫黄から選択される)を含む5若しくは6員の複素環又はフェニル環であり;上記複素環又はフェニルは、基R6、R7及びR8により置換されており;R6、R7及びR8は、それぞれ、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロゲンアルキル、C1〜4ハロゲンアルコキシ、C1〜4アルコキシ(C1〜4)アルキル又はC1〜4ハロゲンアルコキシ(C1〜4)アルキルであるが、しかし、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、水素ではなく;Bは、1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているフェニル、ナフチル又はキノリニル基である)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な殺微生物活性な(microbiocidally active)、特に殺菌活性なシクロプロピルアミドに関する。本発明は、これらの化合物の調製時に用いられる中間体、これらの化合物を含む組成物、そして植物病原性微生物、好ましくは真菌による植物のインフェステーションを抑制又は予防するための、農業又は園芸におけるそれらの使用にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
N−[2−(2−ピリジニル)シクロアルキル]−カルボキサミド誘導体及びそれらの殺菌剤としての使用が、国際公開第05/103006号パンフレット及び同05/103004号パンフレットに記載されている。2,6−ジ−クロロ−イソニコチン酸フェネチル−アミド誘導体及びそれらの殺虫剤としての使用が、特開平第09−165374号明細書に記載されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
新規なシクロプロピルアミドが、殺微生物活性(microbiocidal activity)を有することを見出した。
【0004】
従って、本発明は、次の式Iの化合物及びこれらの化合物の互変異性体/異性体/エナンチオマーを提供する:
【化1】

(式中、
Xは、酸素又は硫黄であり;
Aは、フェニル環か、又は1〜3個のヘテロ原子(それぞれ独立して、酸素、窒素及び硫黄から選択される)を含む5若しくは6員の複素環であり;上記複素環又はフェニル環は、基R6、R7及びR8により置換されており;
6、R7及びR8は、それぞれ、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロゲンアルキル、C1〜4ハロゲンアルコキシ、C1〜4アルコキシ(C1〜4)アルキル又はハロゲンアルコキシ(C1〜4)アルキルであるが、しかし、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、水素ではない;
1、R2、R3及びR4は、お互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)、C3〜C6シクロアルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)、C2〜C6アルケニル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)又はC2〜C6アルキニル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)を表し;
各Raは、お互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルコキシ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロゲンアルキルチオ又は−C(Rb)=N(ORc)を表し;
bは、水素又はC1〜C6アルキルであり;
cは、C1〜C6アルキルであり;
5は、水素、C1〜4アルキル、CH2CH=CHR5a、CH2C≡CR5b又はCOR5cであり;
5a及びR5bは、それぞれ独立して、水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C7シクロアルキル、COOC1〜C4アルキル、COOC3〜C6アルケニル、COOC3〜C6アルキニル又はCNであり;
5Cは、水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロゲンアルキルチオ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルコキシ、C3〜C6アルケニルオキシ、C3〜C6ハロゲンアルケニルオキシ、C3〜C6アルキニルオキシ又はC3〜C6ハロゲンアルキニルオキシであり;
Bは、1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているフェニル、ナフチル又はキノリニル基であり;各置換基R9は、お互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−C(Rd)=N(ORe)又は基−L−Rfを表し;
各Rdは、お互いに独立して、水素又はC1〜C6アルキルであり;
各Reは、お互いに独立して、C1〜C6アルキルであり;
各Lは、お互いに独立して、結合、−O−又は−S−であり;
各Rfは、お互いに独立して、C1〜C6アルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)、C3〜C6シクロアルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)、C6〜C14ビシクロアルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)、C2〜C6アルケニル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)、C2〜C6アルキニル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)、フェニル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)又はヘテロアリール(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)であり;
各Rhは、お互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロゲンアルキルチオ、C3〜C6アルケニルオキシ、C3〜C6アルキニルオキシ又は−C(Rj)=N(ORk)であり;
各RJは、お互いに独立して、水素又はC1〜C6アルキルであり;
各Rkは、お互いに独立して、C1〜C6アルキルである)。
【発明を実施するための形態】
【0005】
上記置換基の定義に見出されるアルキル基は、直鎖又は分岐鎖であることができ、そして、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル又はtert−ブチルである。アルコキシ、アルケニル及びアルキニル基は、上記アルキル基から誘導される。上記アルケニル基及びアルキニル基は、一不飽和体又は二不飽和体であることができる。
【0006】
上記置換基の定義に見出されるシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
上記置換基の定義に見出されるビシクロアルキル基は、当該環のサイズにもよるが、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[4.2.2]デカン、ビシクロ[4.3.2]ウンデカン、アダマンタン等である。
【0007】
ハロゲンは、一般的に、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、好ましくは、フッ素、臭素又は塩素である。これはまた、相応じて、他の意味、例えば、ハロゲンアルキル又はハロゲンアルコキシと組み合わせてハロゲンを提供する。
【0008】
ハロゲンアルキル基は、好ましくは、1〜4つの炭素原子を有する。ハロゲンアルキルは、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1−ジフルオロ−2,2,2−トリクロロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロエチル及び2,2,2−トリクロロエチル;好ましくは、トリクロロメチル、ジフルオロクロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及びジクロロフルオロメチルである。
【0009】
好適なハロゲンアルケニル基は、ハロゲンにより単置換又は複数置換されているアルケニル基であり、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素であり、そして特にフッ素及び塩素であり、例えば、2,2−ジフルオロ−1−メチルビニル、3−フルオロプロペニル、3−クロロプロペニル、3−ブロモプロペニル、2,3,3−トリフルオロプロペニル、2,3,3−トリクロロプロペニル及び4,4,4−トリフルオロブタ−2−エン−1−イルである。
【0010】
好適なハロゲンアルキニル基は、例えば、ハロゲンにより単置換又は複数置換されているアルキニル基であり、ハロゲンは、臭素、ヨウ素であり、そして特にフッ素及び塩素であり、例えば、3−フルオロプロピニル、3−クロロプロピニル、3−ブロモプロピニル、3,3,3−トリフルオロ−プロピニル及び4,4,4−トリフルオロブタ−2−イン−1−イルである。
【0011】
アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシであり;好ましくは、メトキシ及びエトキシである。ハロゲンアルコキシは、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ及び2,2,2−トリクロロエトキシであり;好ましくは、ジフルオロメトキシ、2−クロロエトキシ及びトリフルオロメトキシである。アルキルチオは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ又はtert−ブチルチオであり、好ましくは、メチルチオ及びエチルチオである。
【0012】
アルコキシアルキルは、例えば、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、n−プロポキシメチル、n−プロポキシエチル、イソプロポキシメチル又はイソプロポキシエチルである。
本発明の文脈において、置換基R1、R2、R3、R4及びRfの定義における「1つ又は2つ以上の置換基により置換されている」は、置換基R1、R2、R3、R4及びRfの化学構造にもよるが、典型的には、単置換から9置換されていること、好ましくは、単置換から5置換されていること、さらに好ましくは、単置換、2置換又は3置換されていることを意味する。
【0013】
本発明の文脈において、置換基Bの定義における「1つ又は2つ以上の置換基により置換されている」は、単置換から7置換されていること、好ましくは、単置換〜5置換されていること、さらに好ましくは、単置換、2置換又は3置換されていることを意味する。
【0014】
本発明の文脈において、「酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環」は、好ましくは、ピラゾリル(特に、ピラゾール−4−イル)、チアゾリル(特に、チアゾール−5−イル)、ピロリル(特に、ピロール−3−イル)、1,2,3−トリアゾリル、オキサゾリル(特に、オキサゾール−5−イル)、ピリジル(特に、ピリジ(pyrid)−3−イル)又は2,3−ジヒドロ−[1,4]オキサチイニル(oxathiinyl)(特に、2,3−ジヒドロ−[1,4]オキサチイニ(oxathiin)−5−イル)を意味する。
【0015】
本発明の文脈において、「ヘテロアリール」は、炭素原子又は窒素原子を経由して結合された芳香性の5員又は6員のヘテロアリール基であることが理解されることが好ましく、当該基は、酸素により一回、硫黄により一回そして/又は窒素により1,2若しくは3回割り込まれることができる。炭素原子を経由して結合された基は、例えば、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、3−イソオキサゾリル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、2−オキサゾリル、5−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−チアゾリル、5−チアゾリル、4−チアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、3−イソチアゾリル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、2−ピリジル、4−ピリジル、3−ピリジル、3−ピリダジニル、3−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、2−ピラジニル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル又は1,2,4−トリアジン−6−イルである。窒素原子を経由して結合された基は、例えば、1H−ピロール−1−イル、1H−ピラゾール−1−イル、1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル又は4H−1,2,4−トリアゾール−4−イルである。
【0016】
式Iの全ての化合物は、次の2種の異性体(II(シス)及びIII(トランス)):
【化2】

が発現する。
本発明は、それらの異性体全て及びそれらの混合物をカバーする。
【0017】
式Iの化合物は、異なる互変異性形態において発現しうる。
例えば、式Iの化合物(式中、Xが酸素であり、そしてR2が水素である)は、次の互変異形態(IIII及びIIV):
【化3】

において存在する。
本発明は、それらの互変異性形態全て及びそれらの混合物をカバーする。
【0018】
好ましい化合物の群では、Aは、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員の複素環であり;当該複素環は、基R6、R7及びR8により置換されている。
【0019】
上記好ましい化合物の群では、さらに好ましくは、Aは次のA1であり:
【化4】

(式中、
16は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲンアルキル、C1〜C4ハロゲンアルコキシ、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロゲンアルコキシ−C1〜C4アルキルであり;
17は、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲンアルキル、C1〜C4ハロゲンアルコキシ、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロゲンアルコキシ−C1〜C4アルキルであり;そして
18は、水素、ハロゲン又はシアノである);あるいは、
Aは、次のA2であり:
【化5】

(式中、
26は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲンアルキル、C1〜C4ハロゲンアルコキシ、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロゲンアルコキシ−C1〜C4アルキルであり;そして
27は、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲンアルキル、C1〜C4ハロゲンアルコキシ、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロゲンアルコキシ−C1〜C4アルキルである);あるいは
Aは、次のA3であり;
【化6】

(式中、
36は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲンアルキル、C1〜C4ハロゲンアルコキシ、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロゲンアルコキシ−C1〜C4アルキルであり;
37は、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲンアルキル、C1〜C4ハロゲンアルコキシ、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロゲンアルコキシ−C1〜C4アルキルであり;そして
38は水素、ハロゲン又はシアノである);あるいは
Aは、次のA4である:
【化7】

(式中、
46及びR47は、お互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲンアルキル、C1〜C4ハロゲンアルコキシ、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロゲンアルコキシ−C1〜C4アルキルである)。
【0020】
上記好ましい化合物の群では、さらに好ましくは、AはA1である。
上記好ましい化合物の群では、さらに好ましくは、AはA2である。
上記好ましい化合物の群では、さらに好ましくは、AはA3である。
上記好ましい化合物の群では、さらに好ましくは、AはA4である。
【0021】
別の好ましい化合物の群では、Aは、フェニル環か、又は酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む6員の複素環であり;当該フェニル環又は複素環は、基R6、R7及びR8により置換されている。
【0022】
上記好ましい化合物の群では、さらに好ましくは、Aは、次のA5
【化8】

(式中、
56は、ハロゲン、C1〜C4ハロゲンアルキル、C1〜C4ハロゲンアルコキシ又はC1〜C4ハロゲンアルコキシ−C1〜C4アルキルである)
であるか;又は
Aは、次のA6
【化9】

(式中、
66は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲンアルキル、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロゲンアルコキシ−C1〜C4アルキルである)
であるか;又は
Aは、次のA7
【化10】

(式中、
76は、C1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロゲンアルキルである)
である。
【0023】
上記好ましい化合物の群では、さらに好ましくは、AはA5である。
上記好ましい化合物の群では、さらに好ましくは、AはA6である。
上記好ましい化合物の群では、さらに好ましくは、AはA7である。
【0024】
特定の好ましい化合物の群では、AはA1であり、R18が水素である。別の特定の好ましい化合物の群では、AはA1であり、R16がC1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロアルキル、好ましくはC1〜C4ハロアルキルであり;R17がC1〜C4アルキルであり;そしてR18が水素又はハロゲン、好ましくは水素である。
別の特定の好ましい化合物の群では、AはA2であり、R26がC1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロアルキルであり;そしてR27がC1〜C4アルキルである。
さらに別の特定の好ましい化合物の群では、AはA3であり、R36がC1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロアルキルであり;R37がC1〜C4アルキルであり;そしてR38が水素又はハロゲンである。
さらに別の特定の好ましい化合物の群では、AはA4であり、R46がC1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロアルキルであり;そしてR47はC1〜C4アルキルである。
【0025】
さらに別の特定の好ましい化合物の群では、AはA4であり、R46がハロメチルであり、好ましくはR46が、CF3、CF2H及びCFH2から選択され;そしてR47がC1〜C4アルキルである。
さらに別の特定の好ましい化合物の群では、AはA5であり、R56がハロゲン又はC1〜C4ハロアルキルである。
さらに別の特定の好ましい化合物の群では、AはA6であり、R66がハロゲン又はC1〜C4ハロアルキルである。
さらに別の特定の好ましい化合物の群では、AはA7であり、R76がC1〜C4アルキル又はC1〜C4ハロアルキルである。
【0026】
本発明の実施形態の一つは、Xが酸素である化合物により表される。本発明の別の実施形態は、Xが硫黄である化合物により表される。Xが酸素である化合物が、好ましい。
好ましい化合物の群では、R5は水素である。
【0027】
好ましい化合物の群では、R1、R2、R3及びR4は、お互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ又はC1〜C6アルキル(置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、C1〜C6アルコキシ及びC1〜C6ハロゲンアルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている)を表し;さらに好ましくは、R1、R2、R3及びR4は、お互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ又はC1〜C6アルキル(置換されていないか、又はハロゲン及びC1〜C6アルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている)であり;最も好ましくは、R1、R2、R3及びR4は、お互いに独立して、水素、ハロゲン、又はC1〜C6アルキルを表す。
【0028】
好ましい化合物の群では、
1は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル又はC1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキルであり;
2は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル又はC1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキルであり;
3は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル又はC1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキルであり;そして
4は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル又はC1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキルである。
上記実施形態では、好ましくは、R1は、水素、ハロゲン又はC1〜C6アルキルであり;そしてR2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素及びC1〜C6アルキルから選択される。上記実施形態では、さらに好ましくはR3及びR4は水素である。実施形態の一つでは、R2、R3及びR4は水素である。別の実施形態では、R1、R2、R3及びR4は水素である。
【0029】
本発明の実施形態の一つは、Bが、1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているフェニル基である化合物により表される。
上記実施形態では、好ましくは、Bは、1つ、2つ又は3つの置換基R9により置換されているフェニル基であり;さらに好ましくは、Bは、1つ又は2つの置換基R9により置換されているフェニル基である。
また、好ましくは、Bはパラ位において、少なくとも1つの置換基R9により置換されているフェニル基である。
【0030】
好ましい化合物の群では、各置換基R9は、お互いに独立して、ハロゲン、−C(Rd)=N(ORe)又は−L−Rfを表し;さらに好ましくは、各置換基R9は、お互いに独立して、ハロゲン又は−L−Rfを表す。好ましい化合物の群では、各Lは、お互いに独立して、結合又は−O−である。好ましい化合物の群では、各置換基Rfは、お互いに独立して、C1〜C6アルキル(置換されていないか、又はハロゲン及びC1〜C6アルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている);C2〜C6アルキニル(置換されていないか、又はハロゲン及びC1〜C6アルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている);又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)を表す。
【0031】
上記実施形態では、Bが、次のB1であることがさらに好ましい:
【化11】

(式中、
19aは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であり;
19bは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であり;
19cは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であり;
19dは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であり;
19eは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であるが;ただし、
少なくともR19a、R19b、R19c、R19d及びR19eの少なくとも1つは、水素ではない)。
【0032】
本発明の実施形態の一つでは、R19b及びR19dは水素であり;そしてR19a、R19c及びR19eは、お互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C2〜C6アルキニル、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(ハロゲンにより置換されている)から選択されるが;ただし、R19a、R19c及びR19eの少なくとも1つは、水素ではない。
本発明の別の実施形態は、Bが、1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているナフチル又はキノリニル基である化合物により表される。
【0033】
本発明の別の実施形態は、Bが、1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているナフチル基である化合物により表される。
上記実施形態では、好ましくは、Bは、1つ又は2つの置換基R9により置換されているナフチル基である。上記実施形態では、好ましい化合物の群では、各置換基R6は、お互いに独立して、ハロゲン、−C(Rd)=N(ORe)又は−L−Rfを表し;さらに好ましくは、各置換基R6は、お互いに独立して、ハロゲン又は−L−Rfを表す。好ましい化合物の群では、各Lは、お互いに独立して、結合又は−O−である。好ましい化合物の群では、各置換基Rfは、お互いに独立して、C1〜C6アルキル(置換されていないか、又はハロゲン及びC1〜C6アルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている;C2〜C6アルキニル(置換されていないか、又はハロゲン及びC1〜C6アルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている;又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)を表す。
【0034】
本発明の別の実施形態は、Bが、1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているキノリニル基である化合物により表される。
上記実施形態では、好ましくは、Bは、1つ又は2つの置換基R9により置換されているキノリニル基である。上記実施形態では、好ましい化合物の群では、各置換基R6は、お互いに独立して、ハロゲン、−C(Rd)=N(ORe)又は−L−Rfを表し;さらに好ましくは、各置換基R6は、お互いに独立して、ハロゲン又は−L−Rfを表す。好ましい化合物の群では、各Lは、お互いに独立して、結合又は−O−である。
【0035】
好ましい化合物の群では、各置換基Rfは、お互いに独立して、C1〜C6アルキル(置換されていないか、又はハロゲン及びC1〜C6アルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている;C2〜C6アルキニル(置換されていないか、又はハロゲン及びC1〜C6アルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている);又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)を表す。
【0036】
5が水素であり且つXが酸素である式Iの化合物は、次の式IIの化合物:
【化12】

(式中、B、R1、R2、R3及びR4は、式Iの下で規定される通りである)
を、次の式IIIの化合物:
A−C(=O)−R* (III)
(式中、Aは、式Iの下で規定される通りであり、そしてR*は、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1〜6アルコキシ、好ましくはクロロである)
と、塩基(例えば、トリエチルアミン、ヒューニッヒ塩基、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ピリジン又はキノリン、好ましくは、トリエチルアミン)の存在下で、そして溶媒(例えば、ジエチルエーテル、TBME、THF、ジクロロメタン、クロロホルム、DMF又はNMP)内で、10分〜48時間、好ましくは12〜24時間の間、そして0℃〜還流、好ましくは20〜25℃において反応させることにより調製されうる。
【0037】
*がヒドロキシの場合には、カップリング剤、例えば、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスフィン酸クロライド(BOP−Cl)、N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)又は1,1’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)を用いることができる。
【0038】
次の式II:
【化13】

(式中、B、R1、R2、R3及びR4は、式Iの下で規定される通りである)
の中間体は新規であり、そして式Iの化合物の調製のために特に開発された。従って、それらはまた、本発明の主題の一部を形成する。
【0039】
式IIの好ましい中間体では、R1、R2、R3及びR4は、お互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ又はC1〜C6アルキル(置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、C1〜C6アルコキシ及びC1〜C6ハロゲンアルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている)を表し;さらに好ましくは、R1、R2、R3及びR4は、お互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ又はC1〜C6アルキル(置換されていないか、又はハロゲン及びC1〜C6アルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている)を表し;最も好ましくは、R1、R2、R3及びR4は、お互いに独立して、水素、ハロゲン、又はC1〜C6アルキルを表す。
【0040】
式IIの好ましい中間体の群では、R1は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル又はC1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキルであり;R2は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル又はC1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキルであり;R3は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル又はC1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキルであり;そしてR4は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル又はC1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキルである。上記実施形態では、好ましくは、R1は、水素、ハロゲン又はC1〜C6アルキルであり;そしてR2、R3及びR4は、それぞれ独立して水素及びC1〜C6アルキルから選択される。上記実施形態では、さらに好ましくは、R3及びR4は水素である。実施形態の一つでは、R2、R3及びR4は水素である。
【0041】
式IIの好ましい中間体では、Bは、1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているフェニル基である。上記実施形態では、好ましくは、Bは、1つ、2つ又は3つの置換基R9により置換されているフェニル基であり;さらに好ましくは、Bは、1つ又は2つの置換基R9により置換されているフェニル基である。また好ましくは、式IIの中間体において、Bは、パラ位において少なくとも1つの置換基R9により置換されているフェニル基である。
【0042】
式IIの好ましい中間体の群では、各置換基R9は、お互いに独立して、ハロゲン、−C(Rd)=N(ORe)又は−L−Rfを表し;さらに好ましくは、各置換基R9は、お互いに独立して、ハロゲン又は−L−Rfを表す。好ましい化合物の群では、各Lは、お互いに独立して、結合又は−O−である。好ましい化合物の群では、各置換基Rfは、お互いに独立して、C1〜C6アルキル(置換されていないか、又はハロゲン及びC1〜C6アルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている);C2〜C6アルキニル(置換されていないか、又はハロゲン及びC1〜C6アルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている);又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)を表す。
【0043】
上記実施形態では、さらに好ましくは、式IIの中間体において、Bは、次のB1である:
【化14】

(式中、R19aは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であり;
19bは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であり;
19cは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であり;
19dは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であり;
19eは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であるが;ただし、
19a、R19b、R19c、R19d及びR19eの少なくとも1つは、水素ではない)。
【0044】
本発明の実施形態の一つでは、式IIの中間体において、R19b及びR19dは水素であり;そしてR19a、R19c及びR19eは、お互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C2〜C6アルキニル、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はハロゲンにより置換されているフェニルから選択されるが;ただし、R19a、R19c及びR19eの少なくとも1つは、水素ではない。
【0045】
本発明の別の実施形態では、式IIの中間体において、Bは、1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているナフチル又はキノリニル基である。
式IIB(R1、R2、R3及びR4は、式Iの下で規定される通りである)の中間体を、次の反応スキーム(スキーム1及び2)、又はそれらと類似の反応スキームに従って調製することができる。
【0046】
次の式IIB:
【化15】

(式中、Bは、式Iの下で規定される通りである)
の中間体(式IIの中間体、ここでR1、R2、R3及びR4は水素であり、そしてBは、式Iの下で規定される通りである)を、反応スキーム1により調製することができる。
【0047】
【化16】

【0048】
スキーム1,ルートa(シス選択的合成):
Varinder K.Aggarwalら,Organic Lett.2001,Vol.3,No.17,2785−2788の手順に従って、式VIIIのアルデヒド(式中、Bは、式Iの下で規定される通りである)を、式VIIの化合物と反応させ、式VI(式中、Bは、式Iの下で規定される通りである)のトシルヒドラゾンを得る。これらの式VIのジアゾ−前駆体を、N−ビニルフタルイミド(V)と直接反応させて、式IVのフタルイミドを準備するように誘導し、そして式IIB(式中、Bは、式Iの下で規定される通りである)のcis−2−アリールシクロプロピルアミンを準備することができる。
【0049】
反応を、好都合な有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、クロロホルム、ジクロロメタン又はジオキサン)内で、0〜50℃の温度において実施する。シクロプロパン化反応のために、ロジウムを用いることができる。好ましい触媒は、相間転移触媒、例えば、ベンジルトリエチル塩化アンモニウムの存在下で、N−ビニルフタルイミド(V)及びトシルヒドラゾンのナトリウム又はリチウム塩と反応して、式IVのフタルイミドが得られるロジウムアセテートである。式IVのフタルイミドを、好都合な溶媒、例えば、エタノール中で、ヒドラジン水和物を用いて、式IIBのアミンに転化させる。
【0050】
スキーム1,ルートb:トランス化合物の合成
A.Burgerら,J.Am.Soc.70,2198(1948),J.of Med.Chem.1962,5,1243−1265の手順に従って、適度なトランス選択性を有する式IIB(式中、Bは、式Iの下で規定される通りである)の2−アリールシクロプロピルアミンを調製することができる。シクロプロピル−エステル トランス/シス(IX)(式中、Bは、式Iの下で規定される通りである)は、式N2CHCO2R(式中、Rは、C1〜C6アルキルである)のアルキル−ジアゾアセテートを、式X(式中、Bは、式Iの下で規定される通りである)のオレフィンと、金属触媒化シクロプロパン化させることにより調製されうる。この方法のための好適な溶媒には、エーテル、CH2Cl2及びClCH2CH2Clが含まれ、エーテルが好ましい。反応温度は、室温〜60℃の範囲にわたり、40℃が好ましい。上記シクロプロパン化のための好適な触媒は、Cu(acac)2又はPd(OAc)2である。
【0051】
次いで、2−アリールシクロプロピルアミン トランス/シス(IIB)を、3ステップのシーケンスを用いてシクロプロピル−エステル トランス/シス(IX)から調製する:エステルの塩基性加水分解(J.Vallgardaら,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1 1994)、クルチウス転位、及び最後のイソシアネートの加水分解(P.A.S.Smith,Org.Reactions,III,337 1946)。式トランス(IIB)のtrans−2−アリールシクロプロピルアミンを、公知の方法に従って、水性2−プロパノールから、対応するD−及びL−タルトレートの再結晶化により精製することができる。2−アリールシクロプロピルエステル トランス/シス(IX)を、H.M Walborsky及びL.PlonskerのJ.Am.Soc.83,2138(1961)の方法の変形により選択的に加水分解することができる。
【0052】
あるいは、シクロプロピル−エステル トランス/シス(IX)(式中、Bは、式Iの下で規定される通りである)を、U.MendeらのTHL No.9,629−632,1975に記載されるように、Pd(OAc)2の存在下で、ジアゾメタンを、式XI(式中、Bは、式Iの下で規定される通りである)のアルキルシンナメートと反応させることにより調製することができる。ジアゾメタン及びキラルパラジウム(II)錯体との上記シクロプロパン化はまた、Scott E.Denmarkら(J.Org.Chem.1997,62,3375−3389)により記載されている。次いで、式トランス(IIB)のtrans−2−アリールシクロプロピルアミンを、上述のように、シクロプロピル−エステル トランス/シス(IX)から調製することができる。
【0053】
次の式IICの中間体を、反応スキーム2により調製することができる:
【化17】

(式中、Bは、式Iの下で規定される通りであり、そして
1は、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)、又はC3〜C6シクロアルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)であり;ここで、各Raは、お互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルコキシ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルキルチオ又はC1〜C6ハロゲンアルキルチオを表し;
2は、水素、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)、又はC3〜C6シクロアルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)であり;ここで、各Raは、お互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルコキシ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルキルチオ又はC1〜C6ハロゲンアルキルチオを表し;
3及びR4は、お互いに独立して、水素、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)、又はC3〜C6シクロアルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)を表す;ここで、各Raは、お互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルコキシ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルキルチオ又はC1〜C6ハロゲンアルキルチオを表す)。
【0054】
【化18】

【0055】
スキーム2に従うと、式XVI(式中、R1、R3、R4及びBは、式IICの下で規定される通りである)の化合物を、式XV(式中、R2は、式IICの下で規定される通りであり、そしてR’はC1〜C6アルキルである)のアルキルジアゾアセテート誘導体及び触媒としてのビタミンB12aと反応させることにより、式XIV(式中、R1、R2、R3、R4及びBは、式IICの下で規定される通りである)のシクロプロピルカルボキシレートのジアステレオマー混合物が得られる(Y.Chen及びX.P.ZhangのJ.Org.Chem.2004,69,2431−2435)。上記ジアステレオマーを、クロマトグラフ的に、又はけん化の後、式XIII(式中、R1、R2、R3、R4及びBは、式IICの下で規定される通りである)の対応するカルボン酸を再結晶化させることにより分離することができる。式XII(式中、R1、R2、R3、R4及びBは、式IICの下で規定される通りである)のBOC保護化アミンへのクルチウス分解及び塩酸を用いた脱保護により、ヒドロクロリドの状態の式IICの化合物が生ずる(PCT/US2004/021505号及びG.HaufeらのJ.Med.Chem.2004,47,5860−5871を参照せよ)。(XIV)又は(XII)のシス及びトランス異性体を、クロマトグラフィーにより分離することができる。
【0056】
上記反応を、好都合な有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、tert−ブタノール、トリフルオロエタノール、クロロホルム、ジクロロメタン又はジオキサン内で、0〜100℃の温度において実施する。
他の触媒、例えば、酢酸銅を、シクロプロパン化反応のための、ビタミンB12aの代替として用いることができる。
式XIIIのカルボン酸を、式XIIのBOC保護化アミンにクルチウス転位させることを、好都合な塩基、例えば、トリエチルアミンと共にジフェニルホスホリルアジドを用い、そしてジ−tert−ブチルカーボネートを用いた処理が続くことにより実施することができる(D.Kim及びS.M.Weinreb,J.Org.Chem.1978,43,125−131)。上記BOC保護基を、一連の酸及び塩基処理により取り除くことができる。
【0057】
式VIII、X、XI又はXVI(全てにおいて、Bは、1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているフェニル基である)の化合物は公知であり、そして市販されるか、又は上述の参考文献若しくは当業界に公知の方法に従って、調製することができる。
【0058】
式IIIの化合物は公知であり、そして一部は市販されている。同様に、それらは、国際公開第00/09482号パンフレット、同第02/38542号パンフレット、同第04/018438号パンフレット、欧州特許第0−589−301号明細書、国際公開第93/11117号パンフレット及びArch.Pharm.Res.2000,23(4),315−323に記載されるように調製されうる。
式VII、V、及びXVの化合物は公知であり、そして市販されているか、又は上述の参考文献若しくは当業界に公知の方法に従って調製することができる。
【0059】
次の式XVIIの化合物を、反応スキーム3に従って、又は反応スキーム3と類似のスキームにおいて調製することができる:
【化19】

(式中、R9は、式Iの下で規定される通りであり;nは、1、2、3、4、5、6又は7、好ましくは、1又は2であり;R1は、水素、シアノ、C1〜C6アルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)、又はC3〜C6シクロアルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)であり、ここで、各Raは、お互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルコキシ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルキルチオ又はC1〜C6ハロゲンアルキルチオを表し;そしてR3及びR4は、お互いに独立して、水素、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)、又はC3〜C6シクロアルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)を表し;ここで、各Raは、お互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルコキシ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルキルチオ又はC1〜C6ハロゲンアルキルチオを表す)。式XVIIの化合物は、式XVI(式中、R1はハロゲンである)に従う化合物を除いて、式X又はXVI(式中、Bは、1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているナフチル基である)の化合物に相当する。
【0060】
【化20】

【0061】
スキーム3に従って、式XVII(式中、R9、n、R1、R3及びR4は、上記規定の通りである)の化合物を、Charles C.PriceらのJ Org Chem(1949),14 111−117に従って、KHSO4上のアルコール−脱水により、式XVIII(式中、R9、n、R1、R3及びR4は、式XVIIの下で規定される通りである)の化合物から、又は式XIX(式中、R9、n、R1、R3及びR4は、式XVIIの下で規定される通りである)の化合物から調製することができる。
【0062】
次の式XXの化合物:
【化21】

(式中、Halは、F又はClである)
を、スキーム4に従って調製することができる。
式XXの化合物は、式X又はXVIの化合物の下位群を形成する。
【0063】
【化22】

【0064】
式XX(式中、Halは、F又はClである)のモノハロゲン−ナフタレンを、Scott E.Denmark Organic Letters 2006 Vol.8,No.1 63−66により出版されるように、活性剤としてのTBAF及び安価且つ無毒のビニルドナー、例えば、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサンを用いて、式XXI(式中、Halは、F又はClである)のナフチルブロミドのパラジウム触媒化ビニル化により調製することができる。
【0065】
さらに、6−クロロ−2−ビニルナフタレンの合成は公知である(J.Am.Chem.Soc.,(1948),70,4265−4266を参照せよ)。
式XIX、式XVIII及び式XXIの化合物は公知であり、そして市販されるか、又は上述の参考文献若しくは当業界に公知の方法に従って、調製することができる。
【0066】
次の式XXII又はXXIII:
【化23】

(式中、R9は、式Iの下で規定される通りであり;nは、1、2、3、4、5又は6、好ましくは、1又は2であり;そしてR1、R3及びR4は、式XVIの下で規定される通りである)
の化合物を、反応スキーム5又は反応スキーム5に類似のスキームにより調製することができる。
式XXII及びXXIIIの化合物は、式X又はXVI(式中、Bは、1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているキノリニル基である)の化合物に相当する。
【0067】
【化24】

【0068】
スキーム5に従って、式XXII及びXXIII(式中、R9、n、R1、R3及びR4は、上記規定のとおりである)の化合物を、式XXVI(式中、R2は、式Iの下で規定される通りである)の化合物とのウィッティヒ反応を経由して、それぞれ、式XXIV及びXXVの化合物から調製することができる。
【0069】
式XXIV及びXXVの化合物は公知であり、そして市販されるか、又は上述の参考文献若しくは当業界に公知の方法に従って、調製することができる。特に、いくつかのモノクロロ置換化4−キノリンカルボキシアルデヒド及びモノクロロ置換化3−キノリンカルボキシアルデヒドは、市販されているか又は公知であり、例えば、化合物XXIVa〜XXIVjは、下記のCAS登録番号により登録されている。
【0070】
【化25】

【0071】
次の式IDの化合物:
【化26】

(式中、A及びBは上述のとおりであり、R5は、C1〜4アルキル、CH2CH=CHR5a、CH2C≡CR5b又はCOR5cであり;R5a及びR5bは、それぞれ、独立して、水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C7シクロアルキル、COOC1〜C4アルキル、COOC3〜C6アルケニル、COOC3〜C6アルキニル又はCNであり;R5cは、水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロゲンアルキルチオ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルコキシ、C3〜C6アルケニルオキシ、C3〜C6ハロゲンアルケニルオキシ、C3〜C6アルキニルオキシ又はC3〜C6ハロゲンアルキニルオキシである)
を、反応スキーム6に従って調製することができる。
【0072】
【化27】

【0073】
式XXVIの化合物では、B、R1、R2、R3、R4及びR5は、式IIDの下で規定される通りである。
【0074】
式I(式中、Xは硫黄である)の化合物を、例えば、不活性な溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン又はそれらの混合物の下、P25と反応させることにより調製することができる。式IIIの化合物は公知であり、そして一部は市販されている。それらを、同様に、例えば、国際公開第00/09482号パンフレット、同第02/38542号パンフレット、同第04/018438号パンフレット、欧州特許第0−589−301号明細書、国際公開第93/11117号パンフレット及びArch.Pharm.Res.2000,23(4),315−323に記載されるように調製することができる。
【0075】
式VII、V、XI及びXIIの化合物は公知であり、そして市販されるか、又は上述の参考文献若しくは当業界に公知の方法に従って、調製することができる。
【0076】
A、B、X、R1、R2、R3、R4及びR5の定義に従って官能化された式Iの化合物をさらにすべて調製するために、複数の好適な一般的方法、例えば、アルキル化、ハロゲン化、アシル化、アミド化、オキシム化、酸化及び還元がある。好適な調製方法の選択は、上記中間体内の置換基の特性(反応性)によって決まる。
【0077】
式Iの化合物を与えるための反応を、非プロトン性の不活性な有機溶媒中で実施することが有利である。上記溶媒は、炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン又はシクロヘキサン、塩素化炭化水素、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン又はクロロベンゼン、エーテル、例えば、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサン、ニトリル、例えば、アセトニトリル又はプロピオニトリル、アミド、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド又はN−メチルピロリジノンである。反応温度は、−20℃〜+120℃であることが有利である。一般に、反応は、若干発熱であり、そして一般に、それらを室温で実施することができる。反応時間を短縮するため、又は反応を開始するため、混合物を、簡潔には、反応混合物の沸点まで加熱することができる。
【0078】
また、反応触媒として、数滴の塩基を添加することにより、上記反応時間を短縮することができる。好適な塩基は、特に、第3級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン又は1,5−ジアザビシクロ−[5.4.0]ウンデカ−7−エンである。しかし、無機塩基、例えば、ヒドリド、例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カルシウム、ヒドロキシド、例えば、苛性ソーダ又は水酸化カリウム、炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム、又は炭酸水素塩、例えば、炭酸水素カリウム及び炭酸水素ナトリウムをまた、塩基として用いることができる。上記塩基は、それ自体、又は触媒量の相間転移触媒、例えば、クラウンエーテル、特に18−クラウン−6、又はテトラアルキルアンモニウム塩とともに用いることができる。
【0079】
式Iの化合物は、濃縮させ、そして/又は溶媒を蒸発させることにより、慣用の様式において単離し、そして再結晶化又は固体残差を粉砕(それらが容易に溶解しない溶媒、例えば、エーテル、芳香族炭化水素又は塩素化炭化水素内で)することにより精製されうる。
【0080】
化合物I、そして適切な場合には、その互変異性体は、可能性のある異性体又はこれらの混合物としての状態において、例えば、純粋な異性体、例えば、鏡像体及び/又はジアステレオマー、又は異性体混合物、例えば、エナンチオマー混合物、例えば、ラセミ化合物、ジアステレオマー混合物又はラセミ化合物混合物としての状態で、分子内で生じうる不斉炭素原子の数、絶対的及び相対的配置にもよるが、そして/又は分子内で生ずる非芳香性二重結合の配置にもよるが、存在することができ;本発明は、立体化学の詳細が、各ケースにおいてとくに詳細に言及されない場合であっても、この感覚において、本明細書の上記及び下記において、各ケースにおいて理解されるべき及び可能性のある純粋な異性体及び全ての異性体混合物とに関する。
【0081】
選択される出発原料及び手順にもよるが、得られうる化合物Iのジアステレオマー混合物又はラセミ化合物混合物を、成分の物理化学的相違に基づいて、例えば、分別晶出、蒸留及び/又はクロマトグラフィーにより、公知の様式において、純粋なジアステレオマー又はラセミ化合物に分離することができる。
【0082】
同様の様式において得ることができるエナンチオマー混合物、例えば、ラセミ化合物を、公知の方法、例えば、光学活性溶媒からの再晶出によるか、キラル吸着剤上のクロマトグラフィー、例えば、好適な微生物の助力を用いたアセチルセルロース上の高速液体クロマトグラフィーによるか、例えば、1種のエナンチオマーのみを錯化するキラルクラウンエーテルを用いた、包含化合物の形成を介した、特定の固定された酵素を用いた開裂によるか、又はジアステレオマー塩への転換、例えば、塩基末端生成物のラセミ化合物を、光学的に活性な酸、例えば、カルボン酸、例えば、ショウノウ酸(camphor acid)、酒石酸若しくはリンゴ酸、又はスルホン酸、例えばカンファースルホン酸と反応させ、そして得られうるジアステレオマー混合物に分離する(この様式では、例えば、所望のエナンチオマーを、好適な薬剤、例えば、塩基性薬剤の作用により遊離させることができるジアステレオマーを得るための、それらの異なる溶解性に基づく分別晶出により)ことにより、鏡像異性体に分離することができる。
【0083】
純粋なジアステレオマー又はエナンチオマーは、好適な異性体混合物を分離することだけではなく、一般的に知られているジアステレオ選択的合成又はエナンチオ選択的合成により、例えば、好適な立体化学の出発原料を用い、本発明に従う方法を実施することにより、本発明に従って得られうる。
【0084】
ここの成分が異なる生物活性を有する場合には、各ケースにおいて、生物学的にさらに有利な異性体、例えば、エナンチオマー又はジアステレオマー、又は異性体混合物、例えば、エナンチオマー混合物又はジアステレオマー混合物を単離又は合成することが有利である。
化合物I、そして適切な場合には、それらの互変異性体はまた、水和物の状態であることができ、そして/又は他の溶媒、例えば、化合物の晶出のために用いられうる溶媒を含むことができる(固形で存在する)。
【0085】
本発明に従う式Iの化合物が、実用的な目的において、植物病原性微生物、例えば、真菌、バクテリア又はウイルスにより生ずる病気に対して有用な植物を保護するための非常に有利なスペクトル活性を有することを、今回見出した。
【0086】
本発明は、植物病原性微生物により有用な植物のインフェステーションを抑制又は予防する方法に関し、そこでは、式Iの化合物が、活性成分として、植物、植物の一部、又は植物の位置に適用される。本発明に従う式Iの化合物は、低い適用率における優れた活性、植物により良好に許容されること、そして環境に安全であることにより特徴づけられる。それらは、非常に有用な治癒性、予防性及び全身性を有し、そして非常に多くの有用な植物を保護するために用いられる。式Iの化合物を用いて、植物又は有用な植物の種々の作物の植物の一部(果実、花、葉、茎、塊茎、根)に生ずる病気を抑制又は駆除し、同時に、植物のそれらの一部を保護することができる。
【0087】
式Iの薬剤を、植物繁殖材料、特に種子(果実、塊茎、穀類)及び植物カッティング(例えば、稲)の処理のため、真菌感染症に対する並びに土壌に生じる植物病原性真菌に対する保護のための粉衣剤(dressing agent)として用いることがまた可能である。
【0088】
さらに、本発明に従う式Iの化合物は、例えば、食品貯蔵又は衛生管理における、木材及び木材関連工業用製品を含む工業用材料の保護における関連領域において、真菌を抑制するために用いられうる。
【0089】
式Iの化合物は、例えば、次の種類の植物病原性真菌に対して有効である:不完全菌類(例えば、ボトリチス(Botrytis)、ピリクラリア(Pyricularia)、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)、フザリウム(Fusarium)、セプトリア(Septoria)、セルコスポラ(Cercospora)及びアルテルナリア(Alternaria))及び担子菌類(例えば、リゾクトニア(Rhizoctonia)、ヘミレイア(Hemileia)、プッチニア(Puccinia))。さらに、それらはまた、子嚢菌類(例えば、ベンチュリア(Venturia)及びエリシフェ(Erysiphe)、ポドスファエラ(Podosphaera)、モニリニア(Monilinia)、ウンシニュラ(Uncinula))及び卵菌類(例えば、ファイトフィトラ(Phytophthora)、フィシウム(Pythium)、プラスモパラ(Plasmopara))に対して有効である。優れた活性が、うどんこ病(エリシフェ(Erysiphe)種)に対して観察される。さらに、新規な式Iの化合物は、植物病原性バクテリア及びウイルス(例えば、キサントモナス属(Xanthomonas)種、シュードモナス属(Pseudomonas)種、エルウィニアアミロボラ(Erwinia amylovora)に対して、並びにタバコモザイクウイルスに対して)に対して有効である。良好な活性が、アジア大豆さび病(Asian soybean rust)(ファコプソラ・パチリジ(Phakopsora pachyrhizi))に対して観察される。
【0090】
本発明の範囲において、保護されるべき有用な植物には、概して、次の植物が含まれる:穀物(小麦、大麦、ライ麦、オートムギ、稲、メイズ、モロコシ及び関連種);ビート(糖ビート及び飼料用ビート);ナシ状果、石果及び柔らかい果実(リンゴ、西洋ナシ、プラム、ピーチ、アーモンド、チェリー、ストロベリー、ラズベリー及びブラックベリー);豆科植物(豆、レンズマメ、エンドウ、大豆);油脂植物(ナタネ、カラシナ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、トウゴマ、カカオ種子、ラッカセイ);キュウリ系植物(カボチャ、キュウリ、メロン);繊維植物(綿、亜麻、麻、ジュート);かんきつ類果実(オレンジ、レモン、グレープ果実、マンダリン);野菜(ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、パプリカ);クスノキ科(アボカド、シナモマム・カンファー)又は植物、例えば、タバコ、堅果、コーヒー、ナス、サトウキビ、チャノキ、コショウ、つる植物、ホップ、バナナ及び天然ゴム植物、並びに観葉植物。
【0091】
用語「有用な植物」は、従来法の育種又は遺伝子工学の結果として、ブロモキシニル又は除草剤種(例えば、HPPDインヒビター、ALSインヒビター、例えば、プリミスルフロン(primisulfuron)、プロスルフロン(prosulfuron)及びトリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、EPSPS(5−エノール−ピロビル−シキメート−3−ホスフェート−シンターゼ)(5−enol−pyrovyl−shikimate−3−phosphate−synthase)インヒビター、GS(グルタミンシンセターゼ)インヒビター又はPPO(プロトポルフィリノーゲン酸化酵素)インヒビター)等の除草剤に耐性を有する有用な植物をまた含むものとして理解されるべきである。従来法の育種による、イミダゾリノン、例えば、イマザモックス(imazamox)に耐性を有する作物の例は、Clearfield(商標)サマーレープ(summer rape)(カノーラ)である。遺伝子工学方法により除草剤又は除草剤種に耐性を有する作物の例には、RoundupReady(商標)、Herculex I(商標)及びLibertyLink(商標)の商標名の下で市販されるグリホサート及びグルホシネート耐性のメイズ亜種が含まれる。
【0092】
用語「有用な植物」は、1種又は2種以上の選択的に活性な毒素、例えば、公知のもの、例えば、毒素製造バクテリア、特にバシラス属(Bacillus)のものに由来するものを合成することができる組換型DNA技法を用いることにより変化した有用な植物を含むものと理解されるべきである。
【0093】
用語「有用な植物」は、選択的な作用を有する抗病原性物質を合成することができる組換型DNA技法を用いることにより変形させた有用な植物、例えば、いわゆる「病原性関連タンパク質」(PRP、例えば、欧州特許出願公開0 392 225号明細書を参照せよ)を含むことがまた、理解されるべきである。上記抗病原性物質及び上記抗病原性物質を合成することができるトランスジェニック植物の例は、例えば、欧州特許出願公開第0 392 225号明細書、国際公開第95/33818号パンフレット、及び欧州特許出願公開第0 353 191号明細書から公知である。上記トランスジェニック植物を製造するための方法は、当業者に公知であり、そして例えば、上述の公報に記載されている。
【0094】
本明細書において、有用な植物の用語「位置」は、当該有用な植物の植物繁殖材料が種子をまかれるか、又は当該有用な植物の植物繁殖材料が土壌に置かれる、当該有用な植物が生長する場所を包含することを意図する。上記位置の例は、作物が生長する場所である。
【0095】
用語「植物繁殖材料」は、植物の生殖部分、例えば、種子(後者の増殖のために用いることができる)、及び植物質、例えば、挿し木又は塊茎、例えば、ジャガイモを意味することが理解される。例えば、種子(厳格な意味において)、根、果実、塊茎、球根、根茎及び植物の一部に言及することができる。発芽の後又は土壌から出芽したのちに移植されるべき発芽した植物及び若い植物にまた言及することができる。これらの若い植物は、浸漬により全部又は一部を処理することにより移植前に保護されうる。「植物繁殖材料」は、種子を意味することが好ましい。
【0096】
式Iの化合物を、未改質の形態において、又は当業界の剤型に通常用いられる担体又はアジュバントと共に用いることができる。
【0097】
従って、本発明はまた、式Iの化合物及び不活性担体を含む、植物病原性微生物に対して抑制及び保護するための組成物に関し、そして植物病原性微生物により有用な植物のインフェステーションを抑制又は予防する方法に関し、そこでは、活性成分としての式Iの化合物及び不活性担体を含む組成物を、植物、植物の一部又は植物の位置に適用する。
【0098】
このために、式Iの化合物及び不活性担体を、公知の様式において、例えば、高分子量物質内で、乳剤、コーティング可能なペースト、直接スプレーできる又は希釈性溶液、希釈されたエマルション、水和剤、水溶剤、粉剤、粒状物、及びカプセルに配合することが好都合である。上記組成物の種類と同様に、適用の方法、例えば、スプレー、霧化、粉剤化、分散、コーティング又は流し込みを、意図される目的又は優位な環境に従って選択する。上記組成物はまた、さらなるアジュバント、例えば、安定化剤、消泡剤、粘度調整剤、バインダー又は粘着剤並びに肥料、微量元素供与体又は特定の作用を得るための他の剤型を含むことができる。
【0099】
好適な担体及びアジュバントは、固体又は液体であることができ、そして製剤技術に有用な物質、例えば、天然又は再生された無機物質、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着剤、増粘剤、バインダー又は肥料である。上記担体は、例えば、国際公開第97/33890号パンフレットに記載されている。
【0100】
式Iの化合物、又は活性成分としての式Iの化合物及び不活性担体を含む組成物を、さらなる化合物と同時に又は連続して、植物又は植物の治療すべき位置に適用することができる。これらのさらなる化合物は、例えば、肥料又は微量元素供与体又は植物の生長に影響を及ぼす他の調製物であることができる。それらはまた、選択的な除草剤並びに殺虫剤、殺菌剤、殺細菌剤、殺線虫剤、軟体動物駆除剤又はこれらのいくつかの調製物の混合物である(必要に応じて、当業界の剤型に習慣的に用いられている、さらなる担体、界面活性剤、又は適用促進アジュバントと共に)。
【0101】
式Iの化合物、又は活性成分としての式Iの化合物及び不活性担体を含む組成物を適用する好ましい方法は、葉面適用である。適用の頻度及び適用の比率は、相当する病原菌によるインフェステーションのリスクによって決まるであろう。しかし、式Iの化合物はまた、液剤を用いて植物の位置に投与するか、又は固形の化合物を土壌に適用する(例えば、粒状形態)(土壌適用)ことにより土壌を経由して根から植物に浸透させることができる(全体作用)。マコモの作物では、上記粒状物を、水に使った稲の範囲に適用することができる。式Iの化合物はまた、殺菌剤の液剤を用いて種子又は塊茎を含浸させるか、又は種子又は塊茎を固形剤でコーティングすることにより、種子(コーティング)に適用されうる。
【0102】
剤型、すなわち式Iの化合物を含む組成物(必要に応じて、固体又は液体のアジュバントを含む)は、上記化合物を、公知の様式において、典型的には、増量剤、例えば、溶媒、固体担体及び、所望による界面活性化合物(界面活性剤)と十分に混合し、そして/又は磨砕して調製されるのが一般的である。
【0103】
上記農薬配合は、0.1〜99重量%、好ましくは0.1〜95重量%の式Iの化合物、99.9〜1重量%、好ましくは99.8〜5重量%の固体又は液体のアジュバント、及び0〜25重量%、好ましくは0.1〜25重量%の界面活性剤を含むのが通常であろう。
一方、濃縮物として市販の製品を処方し、通常は、消費者が希釈された剤型を用いることが好ましい。
【0104】
有利な適用の比率は、通常は1ヘクタール(ha)当たり5g〜2kgの有効成分(a.i.)、好ましくは10g〜1kgのa.i./ha、最も好ましくは20g〜600gのa.i./haである。種子浸漬剤(drenching agent)として用いる場合には、好都合な適用の比率は、1kgの種子当たり、10mg〜1gの活性物質である。所望の作用のための適用の比率を、実験によって決定することができる。上記適用の比率は、作用の種類、上記有用な植物の発育段階、そして適用(位置、タイミング、適用方法)によって決まり、そしてこれらのパラメータのために、広い範囲で変わりうる。
【0105】
驚くべきことに、式Iの化合物がまた、植物病原性生物による攻撃に対して有用な植物の作物を保護する方法、並びにグリホサート及び少なくとも1種の式Iの化合物の組み合わせを、植物又はそれらの位置に投与することを含む、植物病原性生物により感染した有用な植物の作物の治療において用いられうることが、今回見出された(上記植物は、グリホサートに抵抗性を有するか、又は敏感である)。
【0106】
上記方法は、グリホサートを除外して式Iの化合物を用いることと比較して、予想外に改良された病気の抑制を提供することができる。上記方法は、式Iの化合物による病気の抑制を強化する際に有効であることができる。グリホサート及び少なくとも1種の式Iの化合物の混合物が、式Iの化合物により、少なくとも部分的に抑制された疾患スペクトラムを高めることができるが、式Iの化合物によりある程度まで抑制されるべきことがすでに知られている病気種に対して式Iの化合物の活性を増すことがまた、観察される作用でありうる。
【0107】
上記方法は、植物病原性生物の菌界、門:担子菌類、クラス:ウレディノミセテ(Uredinomycete)、サブクラス:ウレディノミセチダエ(Urediniomycetidae)及び目:さび菌目(一般的に、「サビ菌」と称される)に対して、特に有効である。農業に特に大きな影響を有するサビ菌の種類には、科:ファコプソラセアエ(Phakopsoradeae)のもの、特に属:ファコプソラ(Phakopsora)、例えば、ファコプソラ・パチリジ(Phakopsora pachyrhizi)(アジア大豆さび病(Asian soybean rust)とも称される)、及び科:プッチニアセアエ(Pucciniaceae)のもの、特に属:プッチニア(Puccinia)のもの、例えば、プッチニア・グラミニス(Puccinia graminis)(茎生銹菌又は黒サビ菌としても知られ、穀物作物にける問題のある病気である)及びプッチニア・レコンディタ(Puccinia recondita)(ブラウンラスト(Brown rust)としても知られている)が含まれる。
【0108】
上記方法の実施形態は、植物病原性生物による攻撃に対して、有用な植物の作物を保護し、そして/又は植物病原性生物に感染した有用な植物の作物を治療する方法であり、当該方法は、それらの塩又はエステルを含むグリホサートと、少なくとも1種の式Iの化合物(植物病原性生物に対して活性を有する)とを、植物、植物の一部及び植物の位置から成る群から選択される少なくとも1つの要素に同時に適用することを含む。
【0109】
驚くべきことに、上述の式Iの化合物又はそれらの医薬の塩がまた、動物内の微生物感染を治療及び/又は予防するための活性の有利なスペクトルを有することが、今回見出された。
【0110】
「動物」は、任意の動物、例えば、昆虫、哺乳動物、爬虫類、魚類、両生類、好ましくは哺乳動物、最も好ましくは人間であることができる。「治療」は、微生物感染の増加又は拡大を減じる若しくは遅らせる又は止めるため、あるいは上記感染を減らす又は感染を治療するために、上記感染を有する動物を用いることを意味する。「予防」は、将来の感染を予防するため、又は将来の感染の増加又は拡大を減らす又は遅らせるために、微生物感染の明確な徴候のない動物を用いることを意味する。
【0111】
本発明によると、動物の微生物感染の治療及び/又は予防において用いるための薬剤の製造において、式Iの化合物を用いることが提供される。式Iの化合物を医薬品として用いることがまた提供される。式Iの化合物を、動物の治療における抗微生物薬として用いることがまた提供される。本発明によると、有効成分としての式Iの化合物又は医薬的に許容可能なその塩、及び医薬的に許容可能な賦形剤又は担体を含む医薬組成物がまた提供される。この組成物を、動物の抗微生物感染の治療及び/又は予防のために用いることができる。この医薬組成物は、経口投与、例えば、錠剤、舐剤、ハードカプセル、水性懸濁液、油性懸濁液、エマルション分散性粉末、分散性粒剤、シロップ及びエリキシル剤のために好適な形態であることができる。あるいは、この医薬組成物は、局所適用、例えば、スプレー、クリーム又はローションのために好適な形態であることができる。あるいは、この医薬組成物は、非経口投与、例えば、注入のために好適な形態であることができる。あるいは、この医薬組成物は、吸入性(inhalable)形態、例えば、エアロゾルスプレーであることができる。
【0112】
式Iの化合物は、動物に微生物感染を生じさせることができる種々の微生物種に対して有効である。上記微生物の種の例は、アスペルギルス症を引き起こすもの、例えば、アスペルギウス属(Aspergillus)フミガタス(fumigatus)、A.フラブス(flavus)、A.テルス(terrus)、A.ニデュランス(nidulans)及びA.ニゲル(niger);クリプトコックス症を引き起こすもの、例えば、ブラストミセス・デルマティティディス(Blastomyces dermatitidis);カンジダ症を引き起こすもの、例えば、カンジダ・アルビカンス(candida albicans)、C.グラブラタ(glabrata)、C.トロピカリス(tropicalis)、C.パラプシロシス(parapsilosis)、C.クルセイ(krusei)及びC.ルシタニアエ(lusitaniae);コクシジオイデス症を引き起こすもの、例えば、コクシジオイデス・イミティス(Coccidioides immitis);クリプトコックス症を引き起こすもの、例えば、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans);ヒストプラスマ症を引き起こすもの、例えば、ヒストプラスマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)及び接合菌症(zygomycosis)を引き起こすもの、例えば、アブシディア・コリムビフェラ(Absidia corymbifera)、リゾムコル・プシルラス(Rhizomucor pusillus)及びリゾプス・アルヒズス(Rhizopus arrhizus)である。さらなる例は、フザリウム(Fusarium)種、例えば、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)及びフザリウム・ソラニ(Fusarium solani)及びスケドスポリウム(Scedosporium)種、例えば、スケドスポリウム・アピオスペルムム(Scedosporium apiospermum)及びスケドスポリウム・プロリフィカン(Scedosporium prolificans)である。さらなる例は、小胞子菌属(Microsporum)種、白癬菌属(Trichophyton)種、表皮糸状菌属(Epidermophyton)種、ムコール属(Mucor)種、スポロトリクス属(Sporothrix)種、フィアロフォラ属(Phialophora)種、クラドスポリウム(Cladosporium)種、ペトリエルリディウム(Petriellidium)種、パラコクシジオイデス(Paracoccidioides)種及びヒストプラスマ属(Histoplasma)種である。
【0113】
次の非限定的な例により、本発明を制限することなく、より詳細に、本発明が、具体的に説明される。
【実施例】
【0114】
調製例
例P1:3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(4−クロロフェニル)−シクロプロピル]−アミド(化合物No.1.001)の調製
【0115】
【化28】

【0116】
例P4からの未精製アミンZ1.001を、ジクロロメタン(10mL)及びトリエチルアミン(250mg、2.5ミリモル)内で懸濁させた。この懸濁液に、ジクロロメタン(2mL)内の3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリド(194mg,1.0ミリモル)の溶液を0℃で添加し、そして1時間攪拌した。溶媒を取り除いた後、残渣をシリカゲル(溶離液:ヘキサン/エチルアセテート1:9)上で精製した。収量:固体m.p.127℃の状態の、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(4−クロロフェニル)−シクロプロピル]−アミド(化合物No.1.001)のシス異性体、92mg(理論値の28.2%).
【0117】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ1.06−1.17(m,1H,CHH),1.44(q,1H,CHH),2.32−2.38(q,1H,CHAr),3.23−3.29(m,1H,CHN),3.73(s,3H,NCH3),6.08(s,1H,NH),6.48−6.75(t,1H,CHF2),7.14−7.17(d,2H,Ar−H),7.20−7.23(d,2H,Ar−H),7.70(s,1H,Pyrazol−H).MS[M+H]+326/328.
【0118】
例P2:3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロピル)−アミド(化合物No.1.004)の調製
【0119】
【化29】

【0120】
ジクロロメタン(2mL)内の3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリド(0.105g;0.54ミリモル)の溶液を、液滴として、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリド(0.105g;0.54ミリモル)内の例P5からのアミン(化合物Z1.004;2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロピルアミン;0.100g;0.54ミリモル)及びトリエチルアミン(0.15mL;1.08ミリモル)の攪拌溶液に添加した。反応混合物を、室温で1時間攪拌し、そして18時間静置した。上記反応混合物を、2MのHCl(5mL)、そして飽和のNaHCO3(5mL)を用いて洗浄し、次いで、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を蒸発させることにより、0.15gの3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロピル)−アミドが、シス/トランス異性体の7:3混合物として、黄色の固体(理論値の81%)として生じた。
【0121】
1H NMR(400MHz,CDCI3):シス異性体:1.50δ(m;1H):1.92δ(ddd;1H):3.62δ(m;1H):3.85δ(s;3H):6.05δ(br−s;1H):6.60δ(t;1H):7.30δ−7.40δ(m;4H):7.80δ(s;1H).トランス異性体:1.57δ(m;1H):1.67δ(ddd;1H):3.32δ(m;1H):6.70δ(br−s;1H):6.85δ(t;1H):7.30δ−7.40δ(m;4H):7.95δ(s;1H).
【0122】
例P3:N−[(1R,2S)−2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロピル]−2−トリフルオロメチル−ベンズアミド(化合物No.6.004)の調製
【0123】
【化30】

【0124】
ジクロロメタン(2mL)内の2−トリフルオロメチルベンゾイルクロリド(0.10g;0.54ミリモル)の溶液を、ジクロロメタン(3mL)内の例P5(化合物Z1.004;2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロピルアミン;0.100g;0.54ミリモル)からのアミン及びトリエチルアミン(0.15mL;1.08m)の攪拌溶液に、液滴として添加し、室温で1時間攪拌し、次いで18時間静置した。白色沈殿をろ過し、2M HCl、飽和のNaHCO3及び水を用いて洗浄し、そして空気乾燥して純粋なシス異性体0.065g(34%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3):1.60δ(m;1H):1.97δ(ddd;1H):3.67δ(m;1H):5.40δ(br−s;1H):7.10δ−7.65δ(m;8H).MH+358.MP204−2060
ジクロロメタン可溶性材料は、シス/トランス異性体の1:1混合物から成る。
【0125】
例P4:(1R,2R)−2−(4−クロロ−フェニル)−シクロプロピルアミン(化合物No.Z1.001)の調製
a)4−クロロベンズアルデヒドトシルヒドラジンの調製
【0126】
【化31】

【0127】
メタノール(20mL)内のp−トルエンスルホニルヒドラジド(5.0g、26.8ミリモル)の攪拌された懸濁液に、4−クロロ−ベンズアルデヒド(3.3g、23.3モル)を、液滴として添加した。0.h時間の後、混合物を0℃に冷却し、そして生成物をろ過により取り出し、冷却したメタノール(10mL)で洗浄し、次いで、熱いメタノールから晶出させ、白色固体の状態の4−クロロベンズアルデヒドトシルヒドラゾン5.5g(理論の76.5%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO):δ11.5(sブロード,1H),7.91(S,1H),7.77(d,2H),7.57(d,2H),7.44(d,2H),7.49(d,2H),2.35(s,3H).
【0128】
b)4−クロロベンズアルデヒドトシルヒドラゾンナトリウム塩の調製
【0129】
【化32】

【0130】
外部冷却しながら、ナトリウム(423mg、18.39ミリモル)を無水メタノール(19mL)に添加して、1Mのナトリウムメトキシド溶液を調製した。一度、全ての金属が溶解したら、4−クロロベンズアルデヒドトシルヒドラゾン(5.39g、17.51ミリモル)を添加し、混合物を固体が溶解するまで攪拌した。室温でさらに15分攪拌した後、上記メタノールを室温において、減圧下で取り除いた。5.73gの4−クロロベンズアルデヒドトシルヒドラゾンナトリウム塩を、白色粉末の状態で得た(理論値の99%)。
【0131】
c)2−[(1R,2R)−2−(4−クロロ−フェニル)−シクロプロピル]−イソインドール−1,3−ジオンの調製
【0132】
【化33】

【0133】
脱水1,4−ジオキサン(13mL)中の4−クロロベンズアルデヒドトシルヒドラゾンナトリウム塩(1.67g、5.05ミリモル)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(115mg、0.5ミリモル)、ロジウムアセテート(20mg、0.05ミリモル)及びN−ビニルフタルイミド(4.32g、25.0ミリモル)の混合物を、室温において、窒素下で、1日攪拌した。上記混合物に水(35mL)を添加し、そして水性層を、ジクロロメタンを用いて3回抽出した。混合された有機層を、Na2SO4上で乾燥させた。蒸発により、未精製の材料を得て、シリカゲル(溶離剤:ヘキサン/エチルアセテート 1:1)上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。固体の状態の2−[2−(4−クロロ−フェニル)−シクロプロピル]−イソインドール−1,3−ジオン392mg(理論値の26.3%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.73−7.62(m,4H),7.04−7.01(m,4H),3.08(td,1H,CHN),2.50(q,1H、CHPh),2.19(ddd,1H,CHH),1.63(q,1H、CHH),MS[M+H]+298/300.
【0134】
d)(1R,2R)−2−(4−クロロ−フェニル)−シクロプロピルアミン(化合物No.Z1.001)の調製
【0135】
【化34】

【0136】
エタノール(8mL)中の2−[2−(4−クロロ−フェニル)−シクロプロピル]−イソインドール−1,3−ジオン(320mg、1.07ミリモル)及びヒドラジン水和物(0.5mL)の混合物を、50℃で0.5時間、攪拌した。上記溶液を、減圧下で蒸発させた。生じたアミン(化合物Z1.001)を、さらに精製することなく、例P1内で用いた。
【0137】
例P5:2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロピルアミン(化合物No.Z1.004)の調製
a)2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロパンカルボン酸エチルエステルの調製
【0138】
【化35】

【0139】
ビタミンB12a(1.00g;0.723ミリモル)を、脱水トリフルオロエタノール(70mL)内に溶解し、そして1−クロロ−4−(1−フルオロ−ビニル)−ベンゼン(6.50g;41.5ミリモル)及びエチルジアゾアセテート(6.30g;50ミリモル;90%純度)を添加した。溶液を、窒素下で還流させながら18時間攪拌した。冷却させた後、溶媒を蒸発させ、そして残渣を、9:1のヘキサン/エチルアセテートを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。6.9gの2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロパンカルボン酸エチルエステルを、シス/トランス異性体の7:3混合物として、油状で得た(理論値の81%)。
【0140】
1H NMR(400MHz,CDCl3):シス異性体:1.05δ(t;3H):1.82δ(ddd;1H):1.95δ(ddd;1H):2.57δ(ddd;1H):3.95δ(m;2H):7.20δ−7.42δ(m;4H).トランス異性体:1.30δ(t;3H):1.60δ(ddd;1H):2.17δ(ddd;1H):2.30δ(ddd;1H):4.25δ(m;2H):7.20δ−7.42δ(m;4H).
【0141】
b)2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロパンカルボン酸の調製
【0142】
【化36】

【0143】
例P5a)(6.90g;28ミリモル)からのエステルを、氷/水冷却をしながら、メタノール(0.956M;300mL;0.28m)内のKOHの攪拌溶液に、液滴として添加した。次いで、溶液を18時間、室温で攪拌し、そして室温で、減圧下で濃縮した。残差を冷水と混合し、そしてジクロロメタンで抽出した。水性部分を、氷冷却しながら、濃縮HClを用いて酸性化し、そしてジクロロメタンで2回抽出した。抽出物を、乾燥し(MgSO4)、そして蒸発させた。シス/トランス異性体の7:3混合物として、黄色の固体の状態の2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロパンカルボン酸5.10g(理論値の85%)を得た。
【0144】
1H NMR(400MHz,CDCl3):シス異性体:1.85δ−2.00δ(m;2H):2.55δ(ddd;1H);7.20δ−7.40δ(m;4H).トランス異性体:1.67δ(ddd;1H):2.12δ(ddd;1H):2.30δ(ddd;1H):7.20δ−7.40δ(m;4H).
【0145】
c)(2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの調製
【0146】
【化37】

【0147】
例P5b)からのカルボン酸(5.09g;23.7ミリモル)を、シクロヘキサン(150mL)及びtert−ブタノール(17.70g;0.237m)の混合物中に溶解させた。トリエチルアミン(2.86g;0.0284m)及びジフェニルホスホリルアジド(7.30g;0.0262m)を添加し、そして当該溶液を、18時間、窒素下で還流させながら攪拌した。冷却後、ジ−tert−ブチルカーボネート(7.86g;0.0359m)を添加し、そして混合物を、還流させながら2時間攪拌した。冷却後、上記混合物を、エチルアセテート(200mL)で希釈し、そして5%のクエン酸溶液(50mL)で洗浄し、飽和NaHCO3溶液を続けた。抽出物を乾燥させ(MgSO4)、そして蒸発させた。油性残差を、ペンタン(50mL)を用いて粉砕し、そして白色固体をろ過し、そしてヘキサンから再晶出させた。シス/トランス異性体の7:3混合物として白色の固体の状態の(2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル4.3gを得た(理論値の63%)。
【0148】
1H NMR(400MHz,CDCl3):シス異性体:1.32δ(s;9H):1.42δ(m;1H):1.80δ(ddd;1H):3.30δ(m;1H):4.25δ(br−s;1H):7.30δ−7.40δ(m;4H).トランス異性体:1.40δ(m;1H):1.50δ(s;9H):2.97δ(m;1H):4.95δ(br−s;1H):7.30δ−7.40δ(m;4H).
【0149】
d)2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロピルアミン(化合物No.Z1.004)の調製
【0150】
【化38】

【0151】
例P5c)からの(2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.00g;3.5ミリモル)を、メタノール(10mL)内に溶解させ、そしてエタノール(10mL)内の飽和のHClの溶液を添加した。溶液を2時間、室温で攪拌し、次いで、蒸発させて白色固体を得た。次いで、水(50mL)を添加し、そして混合物をエチルアセテートで2回抽出した。水性相を、2MのNaOHを用いてアルカリ性にし、そしてエチルアセテートを用いて2回抽出した。抽出物を乾燥(MgSO4)させ、そして蒸発させた。シス/トランス異性体の7:3混合物として、黄色の油状の2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−シクロプロピルアミン0.60gを得た(理論値の92%)。
【0152】
1H NMR(400MHz,CDCl3):シス異性体:1.15δ(ddd;1H):1.60δ(ddd;1H):3.10δ(ddd;1H):7.30δ−7.45δ(m;4H).トランス異性体:1.27δ(ddd;1H):1.40δ(m;1H):2.57δ(ddd;1H):7.10δ−7.30δ(m;4H).
【0153】
表1〜表8:式IAの化合物
下記の表1〜表8に列挙する式(IA)の好ましい個々の化合物により、本発明をさらに具体的に説明する。特徴とするデータを、表18に示す。
【0154】
【化39】

【0155】
下記表Yに続く各表1〜表8は、式(IA)の化合物を274個含み、そこでは、R1、R2、R3、R4、R9a、R9b及びR9cは、表Y内に与えられる値を有し、そしてAは、表1〜表8に関連して与えられる値を有する。従って、表1は、Yが1である表Yに相当し、そしてAは、表1見出しの下で与えられる値を有し、表2は、Yが2である表Yに相当し、そしてAは、表2見出しの下で与えられる値を有し、そして表3〜表8に関しても同様である。
【0156】
【表1】

【0157】
【表2】

【0158】
【表3】

【0159】
【表4】

【0160】
【表5】

【0161】
【表6】

【0162】
【表7】

【0163】
【表8】

【0164】
【表9】

【0165】
【表10】

【0166】
【表11】

【0167】
【表12】

【0168】
表1は、274個の式(IA)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化40】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてR1、R2、R3、R4、R9a、R9b及びR9cは、表Yに規定される通りである)
である。
例えば、化合物1.001は、次の構造:
【化41】

を有する。
【0169】
表2は、274個の式(IA)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化42】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてR1、R2、R3、R4、R9a、R9b及びR9cは、表Yに規定される通りである)
である。
【0170】
表3は、274個の式(IA)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化43】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてR1、R2、R3、R4、R9a、R9b及びR9cは、表Yに規定される通りである)
である。
【0171】
表4は、274個の式(IA)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化44】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてR1、R2、R3、R4、R9a、R9b及びR9cは、表Yに規定される通りである)
である。
【0172】
表5は、274個の式(IA)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化45】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてR1、R2、R3、R4、R9a、R9b及びR9cは、表Yに規定される通りである)
である。
【0173】
表6は、274個の式(IA)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化46】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてR1、R2、R3、R4、R9a、R9b及びR9cは、表Yに規定される通りである)
である。
【0174】
表7は、274個の式(IA)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化47】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてR1、R2、R3、R4、R9a、R9b及びR9cは、表Yに規定される通りである)
である。
【0175】
表8は、274個の式(IA)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化48】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてR1、R2、R3、R4、R9a、R9b及びR9cは、表Yに規定される通りである)
である。
【0176】
表9〜表16:式IBの化合物
下記の表9〜表16に列挙する式(IB)の好ましい個々の化合物により、本発明をさらに具体的に説明する。特徴とするデータを、表18に示す。
【0177】
【化49】

【0178】
下記表Wに続く各表9〜表16は、式(IB)の化合物を872個含み、そこでは、B、R1、R2、R3及びR4は、表Wに与えられる値を有し、そしてAは、表9〜16に関連して与えられる値を有する。従って、表9は、Wが9である表Yに相当し、そしてAは、表9見出しの下で与えられる値を有し、表10は、Wが10である表Wに相当し、そしてAは、表10見出しの下で与えられる値を有し、そして表11〜表16に関しても同様である。
【0179】
表W
表Wにおいて、基Bは、次の基B1、B2、B3又はB4を表す。
【化50】

【0180】
【表13】

【0181】
【表14】

【0182】
【表15】

【0183】
【表16】

【0184】
【表17】

【0185】
【表18】

【0186】
【表19】

【0187】
【表20】

【0188】
【表21】

【0189】
【表22】

【0190】
【表23】

【0191】
【表24】

【0192】
【表25】

【0193】
【表26】

【0194】
【表27】

【0195】
【表28】

【0196】
【表29】

【0197】
【表30】

【0198】
【表31】

【0199】
【表32】

【0200】
【表33】

【0201】
【表34】

【0202】
【表35】

【0203】
【表36】

【0204】
【表37】

【0205】
【表38】

【0206】
【表39】

【0207】
【表40】

【0208】
【表41】

【0209】
【表42】

【0210】
【表43】

【0211】
【表44】

【0212】
【表45】

【0213】
【表46】

【0214】
【表47】

【0215】
【表48】

【0216】
【表49】

【0217】
表9は、872個の式(IB)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化51】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてB、R1、R2、R3、R4、R9a及びR9bは、表Wに規定される通りである)
である。
【0218】
例えば、化合物9.001は、次の構造:
【化52】

を有する。
【0219】
表10は、872個の式(IB)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化53】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてB、R1、R2、R3、R4、R9a及びR9bは、表Wに規定される通りである)
である。
【0220】
表11は、872個の式(IB)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化54】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてB、R1、R2、R3、R4、R9a及びR9bは、表Wに規定される通りである)
である。
【0221】
表12は、872個の式(IB)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化55】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてB、R1、R2、R3、R4、R9a及びR9bは、表Wに規定される通りである)
である。
【0222】
表13は、872個の式(IB)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化56】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてB、R1、R2、R3、R4、R9a及びR9bは、表Wに規定される通りである)
である。
【0223】
表14は、872個の式(IB)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化57】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてB、R1、R2、R3、R4、R9a及びR9bは、表Wに規定される通りである)
である。
【0224】
表15は、872個の式(IB)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化58】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてB、R1、R2、R3、R4、R9a及びR9bは、表Wに規定される通りである)
である。
【0225】
表16は、872個の式(IB)の化合物を提供し、
Aは、下記:
【化59】

(式中、破線は、基Aのアミド基への結合点を示し、そしてB、R1、R2、R3、R4、R9a及びR9bは、表Wに規定される通りである)
である。
【0226】
表17:式IIAの化合物
式(IIA)の化合物の実例は、下記表17に列挙される化合物である。これらの化合物に関する特徴とするデータを、表18に示す。
【0227】
【化60】

【0228】
【表50】

【0229】
【表51】

【0230】
【表52】

【0231】
【表53】

【0232】
【表54】

【0233】
【表55】

【0234】
【表56】

【0235】
【表57】

【0236】
【表58】

【0237】
【表59】

【0238】
【表60】

【0239】
【表61】

【0240】
表18:特徴とするデータ
表18は、表1〜表17の化合物に関する選択された融点及び選択されたNMRデータを示す。CDCl3を、特に明記しない限り、NMR測定の溶媒として用いた。溶媒の混合物が存在する場合には、これは、例えば、CDCl3/d6−DMSOと示される。全てのケースにおける全ての特徴とするデータを列挙するための試みはなされていない。
表18では、そして続く記載の全体を通して、温度は、摂氏温度において与えられ;「NMR」は、核磁気共鳴スペクトルを意味し;「MS」は、マススペクトルを表し;「%」は、他の単位において対応する濃度が示されない限り、重量%である。次の省略形を、本明細書の全体を通して用いる。
【0241】
m.p.=融点 b.p.=沸点
s =一重線 br =ブロード
d =二重線 dd =二重線の二重線
t =三重線 q =四重線
m =多重線 ppm =ppm
【0242】
【表62】

【0243】
【表63】

【0244】
式Iの化合物に関する剤型例
例F−1.1〜例F−1.2:乳剤
【0245】
【表64】

【0246】
所望の濃度のエマルションを、上記濃縮物を水で希釈して調製することができる。
【0247】
例F−2:乳剤
【0248】
【表65】

【0249】
所望の濃度のエマルションを、上記濃縮物を水で希釈して調製することができる。
【0250】
例F−3.1〜例F−3.4:溶液
【0251】
【表66】

【0252】
上記溶液は、マイクロドロップの形態で用いるために好適である。
【0253】
例F−4.1〜例F−4.4:粒状物
【0254】
【表67】

【0255】
新規化合物をジクロロメタンに溶解させ、当該溶液を担体上にスプレーし、次いで溶媒を、減圧下で蒸留により取り除く。
【0256】
例F−5.1及び例F−5.2:粉剤
【0257】
【表68】

【0258】
使用可能な粉剤は、全ての成分を十分に混合することにより得られる。
【0259】
例F−6.1〜例F−6.3:水和剤
【0260】
【表69】

【0261】
全ての成分を混合し、そして当該混合物を、好適なミル内で完全に粉砕して、所望の濃度の懸濁液まで水で希釈することができる水和剤を得る。
【0262】
例F7:種子処理用のフロアブル製剤濃縮物
【0263】
【表70】

【0264】
微細に粉砕した有効成分を、上記アジュバントを十分に混合して、水で希釈して所望の希釈度の懸濁液を得ることができるゾル剤を得る。上記希釈液を用いて、生きている植物並びに植物繁殖材料を、スプレー、流し込み又は浸漬により、微生物によるインフェステーションに対して治療及び保護することができる。
【0265】
生物学的例:殺菌作用
例B−1:ポドスファエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha)/リンゴに対する作用(リンゴ上のうどんこ病)
5週間経過したリンゴ苗木cv.Mclntoshを、スプレーチャンバー内で、処方された試験化合物(有効成分0.02%)を用いて処理した。適用の1日後、試験苗木上で、リンゴうどんこ病に感染した植物を振とうすることにより、リンゴ苗木を接種した。14/10時間(光/暗がり)の光領域の下で、22℃及び相対湿度60%における12日の定温放置期間の後、病気の発生率を評価した。化合物1.001、1.004、1.079、1.143、1.222、2.079、2.143、2.222、6.004、6.079、6.143及び6.222は、この試験において良好な活性を示した(<20%インフェステーション)。
【0266】
例B−2:ベンチュリア・イナエプアリス(Venturia inaepualis)/リンゴに対する作用(リンゴ上の腐敗病)
4週間経過したリンゴ苗木cv.Mclntoshを、スプレーチャンバー内で、処方された試験化合物(有効成分0.02%)を用いて処理した。適用の1日後、試験苗木上で、胞子懸濁液(4×105分生子/mL)をスプレーすることにより、リンゴ苗木を接種した。21℃及び相対湿度95%における4日間の定温放置の後、上記苗木を温室内で、21℃及び相対湿度60%において、4日間置いた。さらに21℃及び相対湿度95%における定温放置期間の後、病気の発生率を評価した。化合物1.001、1.004、1.079、1.143、1.222、2.079、2.143、2.222、6.004、6.079、6.143及び6.222は、この試験において良好な活性を示した(<20%インフェステーション)。
【0267】
例B−3:エルブシフェ・グラミニス(Ervsiphe graminis)/大麦に対する作用(大麦上のうどんこ病)
1週間経過した大麦苗木cv.Expressを、スプレーチャンバー内で、処方された試験化合物(有効成分0.02%)を用いて処理した。適用の1日後、試験苗木上で、うどんこ病に感染した植物を振とうすることにより、大麦苗木に接種した。温室内で、20℃/18℃(昼/夜)及び相対湿度60%における6日間の定温放置の後、病気の発生率を評価した。化合物1.001、1.004、1.079,1.143、1.222、2.079、2.143、2.222、6.004、6.079、6.143及び6.222は、この試験において、良好な活性を示した(<20%インフェステーション)。
【0268】
例B−4:ボトリチス・シネレア(Botrytis Cinerea)/リンゴに対する作用(リンゴ果実上のボトリチス病)
リンゴ果実cv.Golden Deliciousにおいて、3つの穴を開け、そしてそれぞれを、処方された試験化合物(有効成分0.02%)の30μLの液滴で満たした。適用2時間後、50μLのB.シネレアの胞子懸濁液(4×105分生子/mL)を、適用位置上にピペットで移した。生長チャンバー内で、22℃における7日間の定温放置の後、病気の発生率を評価した。化合物1.001、1.004、1.079、1.143、1.222、2.079、2.143、2.222、6.004、6.079、6.143及び6.222は、この試験において良好な活性を示した(<20%インフェステーション)。
【0269】
例B−5:ボトリチス・シネレア(Botrytis Cinerea)/ぶどうに対する作用(ぶどう上のボトリチス病)
5週間経過したぶどう苗木cv.Gutedelを、スプレーチャンバー内で、処方された試験化合物(有効成分0.02%)を用いて処理した。適用の2日後、試験苗木上で胞子懸濁液(1×106分生子/mL)をスプレーすることにより、ぶどう苗木を接種した。温室内で21℃及び相対湿度95%における4日間の定温放置の後、病気の発生率を評価した。化合物1.001、1.004、1.079、1.143、1.222、2.079、2.143、2.222、6.004、6.079、6.143及び6.222は、この試験において良好な活性を示した(<20%インフェステーション)。
【0270】
例B−6:ボトリチス・シネレア(Botrytis Cinerea)/トマトに対する作用(トマト上のボトリチス病)
4週間経過したトマト苗木cv.Roter Gnomを、スプレーチャンバー内で、処方された試験化合物(有効成分0.02%)を用いて処理した。適用の2日後、試験苗木上で胞子懸濁液(1×105分生子/mL)をスプレーすることにより、トマト苗木を接種した。生長チャンバー内で20℃及び相対湿度95%における4日間の定温放置の後、病気の発生率を評価した。化合物1.001、1.004、1.079、1.143、1.222、2.079、2.143、2.222、6.004、6.079、6.143及び6.222は、この試験において良好な活性を示した(<20%インフェステーション)。
【0271】
例B−7:ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)/大麦に対する作用(大麦上の網斑病)
1週間経過した大麦植物cv.Expressを、スプレーチャンバー内で、処方された試験化合物(有効成分0.02%)を用いて処理した。適用の2日後、試験苗木上で胞子懸濁液(3×104分生子/mL)をスプレーすることにより、大麦苗木を接種した。20℃及び相対湿度95%における2日間の定温放置の後、苗木を温室内で、20℃及び相対湿度60%において2日間保管した。接種4日後、病気の発生率を評価した。化合物1.001、1.004、1.079、1.143、1.222、2.079、2.143、2.222、6.004、6.079、6.143及び6.222は、この試験において良好な活性を示した(<20%インフェステーション)。
【0272】
例B−8:セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)/小麦に対する作用(小麦上のセプトリア(Septpria)斑点病)
2週間経過した小麦苗木cv.Ribandを、スプレーチャンバー内で、処方された試験化合物(有効成分0.02%)を用いて処理した。適用の1日後、試験苗木上で胞子懸濁液(10×105分生子/mL)をスプレーすることにより、小麦苗木を接種した。23℃及び相対湿度95%における1日間の定温放置の後、上記苗木を温室内で、23℃及び相対湿度60%において16日間保管した。接種18日後、病気の発生率を評価した。化合物1.001、1.004、1.079、1.143、1.222、2.079、2.143、2.222、6.004、6.079、6.143及び6.222は、この試験において良好な活性を示した(<20%インフェステーション)。
【0273】
例B−9:ウンシニュラ・ネカトール(Uncinula necator)/ぶどうに対する作用(ぶどう上のうどんこ病)
5週間経過したぶどう苗木cv.Gutedelを、スプレーチャンバー内で、処方された試験化合物(有効成分0.02%)を用いて処理した。適用の1日後、試験苗木上で、ぶどううどんこ病に感染した植物を振とうすることにより、ぶどう苗木に接種した。14/10時間(光/暗がり)の光領域の下で、26℃及び相対湿度60%における7日の定温放置期間の後、病気の発生率を評価した。化合物1.001、1.004、1.079、1.143、1.222、2.079、2.143、2.222、6.004、6.079、6.143及び6.222は、この試験において良好な活性を示した(<20%インフェステーション)。
【0274】
例B−10:アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)/トマトに対する作用(トマト上の夏疫病)
4週間経過したトマト苗木cv.Roter Gnomを、スプレーチャンバー内で、処方された試験化合物(有効成分0.02%)を用いて処理した。適用の2日後、試験苗木上で、胞子懸濁液(2×105分生子/mL)をスプレーすることにより、トマト苗木を接種した。生長チャンバー内で、20℃及び相対湿度95%における3日間の定温放置の後、病気の発生率を評価した。化合物1.001、1.004、1.079、1.143、1.222、2.079、2.143、2.222、6.004、6.079、6.143及び6.222は、この試験において良好な活性を示した(<20%インフェステーション)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式Iの化合物:
【化1】

(式中、
Xは、酸素又は硫黄であり;
Aは、1〜3個のヘテロ原子(それぞれ独立して、酸素、窒素及び硫黄から選択される)を含む5若しくは6員の複素環、又はフェニル環であり;前記複素環又はフェニル環は、R6、R7及びR8により置換されており;
6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロゲンアルキル、C1〜4ハロゲンアルコキシ、C1〜4アルコキシ(C1〜4)アルキル又はC1〜4ハロゲンアルコキシ(C1〜4)アルキルであるが、しかし、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、水素ではなく;
1、R2、R3及びR4は、お互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)、C3〜C6シクロアルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)、C2〜C6アルケニル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)又はC2〜C6アルキニル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Raにより置換されている)を表し;
各Raは、お互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルコキシ、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロゲンアルキルチオ又は−C(Rb)=N(ORc)を表し;
bは、水素又はC1〜C6アルキルであり;
cは、C1〜C6アルキルであり;
nは、0、1、2、3又は4であり;
5は、水素、C1〜C4アルキル、CH2CH=CHR5a、CH2C≡R5b又はCOR5Cであり;
5a及びR5bは、それぞれ独立して、水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C7シクロアルキル、COOC1〜C4アルキル、COOC3〜C6アルケニル、COOC3〜C6アルキニル又はCNであり;
5cは、水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロゲンアルキルチオ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルコキシ、C3〜C6アルケニルオキシ、C3〜C6ハロゲンアルケニルオキシ、C3〜C6アルキニルオキシ又はC3〜C6ハロゲンアルキニルオキシであり;
Bは、1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているフェニル、ナフチル又はキノリニル基であり;
各置換基R9は、お互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−C(Rd)=N(ORe)又は基−L−Rfを表し;
各Rdは、お互いに独立して、水素又はC1〜C6アルキルであり;
各Reは、お互いに独立して、C1〜C6アルキルであり;
各Lは、お互いに独立して、結合、−O−又は−S−であり;
各Rfは、お互いに独立して、C1〜C6アルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)、C3〜C6シクロアルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)、C6〜C14ビシクロアルキル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)、C2〜C6アルケニル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)、C2〜C6アルキニル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)、フェニル(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)又はヘテロアリール(置換されていないか、又は1つ若しくは2つ以上の置換基Rhにより置換されている)であり;
各Rhは、お互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロゲンアルキルチオ、C3〜C6アルケニルオキシ、C3〜C6アルキニルオキシ又は−C(Rj)=N(ORk)であり;
各Rjは、お互いに独立して、水素又はC1〜C6アルキルであり:
各Rkは、お互いに独立して、C1〜C6アルキルである)
及びこれらの化合物の互変異性体/異性体/エナンチオマー。
【請求項2】
Aが、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員の複素環であり;
当該複素環が、基R6、R7及びR8により置換されている:
請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項3】
Aが、フェニル環か、又は酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む6員の複素環であり;
当該フェニル環又は複素環が、基R6、R7及びR8により置換されている:
請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
Xが酸素である、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
5が水素である、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
Bが,1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているフェニル基である、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
Bが、次のB1
【化2】

(式中、R19aは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であり;
19bは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であり;
19cは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であり;
19dは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であり;
19eは、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(置換されていないか、又は1若しくは2以上のハロゲンにより置換されている)であるが;ただし、
19a、R19b、R19c、R19d及びR19eの少なくとも1つは、水素ではない)
である、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項8】
19b及びR19dが水素であり;そして
19a、R19c及びR19eが、お互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C2〜C6アルキニル、C1〜C6ハロゲンアルキル、C1〜C6ハロゲンアルコキシ又はフェニル(ハロゲンにより置換されてる)から選択されるが;ただし、
19a、R19c及びR19eの少なくとも1つは、水素ではない、
請求項7に記載の式Iの化合物。
【請求項9】
Bが、1つ又は2つ以上の置換基R9により置換されているナフチル又はキノリニル基である、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項10】
1、R2、R3及びR4が、お互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ又はC1〜C6アルキル(置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、C1〜C6アルコキシ及びC1〜C6ハロゲンアルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている)を表す、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項11】
1、R2、R3及びR4が、お互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ又はC1〜C6アルキル(置換されていないか、又はハロゲン及びC1〜C6アルコキシから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基により置換されている)を表す、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項12】
1、R2、R3及びR4が、お互いに独立して、水素、ハロゲン、又はC1〜C6アルキルを表す、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項13】
1が、水素、ハロゲン又はC1〜C6アルキルであり;そして
2、R3及びR4が、水素である:
請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項14】
植物病原性微生物による有用な植物のインフェステーションを抑制又は予防する方法であって、
請求項1に記載の式Iの化合物、又は当該化合物を有効成分として含む組成物が、前記植物、前記植物の一部、又は前記植物の位置に適用される、
前記方法。
【請求項15】
請求項1に記載の式Iの化合物及び不活性担体を含む、植物病原性微生物を抑制及び予防するための組成物。
【請求項16】
次の式II:
【化3】

(式中、R1、R2、R3、R4及びBは、請求項1における式Iの下で規定される通りである)
の化合物。

【公表番号】特表2009−537469(P2009−537469A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510362(P2009−510362)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004425
【国際公開番号】WO2007/134799
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【Fターム(参考)】