説明

新規のエステラーゼおよびその使用

本発明は、コプリナスおよびトリコデルマから得られる、クチナーゼおよび/またはスベリナーゼ活性を有するポリエステラーゼに関する。本発明は、さらに、ポリエステラーゼを製造する方法に関し、およびそこで使用されるポリヌクレオチド、ベクターおよび宿主細胞に関する。当該酵素はクチン、スベリンおよびその他のポリエステルの加水分解に有用であり、例えば、農業的原材料もしくは食料原材料、または木材原材料、パルプおよび紙製品および廃棄物の処理において有用であり、および、ポリエステル繊維の改変に有用であり、または洗濯および食器洗いの用途に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のエステラーゼに関し、より具体的にはクチナーゼおよび/またはスベリナーゼ活性を有するポリエステラーゼタンパク質に関する。前記酵素は、真菌コプリナス属またはトリコデルマ属から得られてよい。本発明はまた、前記タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドに関し、ポリヌクレオチドを含むベクターおよび遺伝的に改変された微生物に関し、並びに前記タンパク質を製造する方法に関する。さらにまた、本発明は、ポリエステラーゼタンパク質を含む酵素製剤に関し、タンパク質または製剤の使用に関する。最終的に、本発明は、前記ポリエステラーゼを使用する、クチンおよび/またはスベリンまたはその他のポリエステルの加水分解の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クチナーゼおよびスベリナーゼは、植物性ポリエステルワックス、すなわちクチンおよびスベリンを分解または部分的脱重合することができるポリエステラーゼである。著しい量のクチン/スベリンが、様々な農業原料および森林原料および副産物、例えばカバノキの樹皮、およびコルク、液果、穀類、野菜およびそれらの加工された副産物中に存在する。植物原料におけるこれらのワックスの存在は、その疎水的特徴および頑強な構造のために、植物原料の産業的加工の障害となる可能性がある。
【0003】
ポリエステルの修飾は、幾つかの天然の材料の加工および利用を促進し、加工処理した共産物(co−products)の廃棄または廃棄物を減少させる。これらの廃棄物画分は、より価値ある化合物の供給源として使用できる可能性があり、たとえば、スベリンに基づくオリゴエステルは潤滑剤および結合剤の潜在的な原料となりうる。ポリエステラーゼの使用は、幾つかの植物材料、例えば穀類、果実、野菜および液果の加工および利用を促進し、また、これらの原材料から価値ある生理活性および機能性成分の放出および回収を促進する。
【0004】
天然資源の持続的使用および廃棄物の管理は、廃棄物の生成の最小化に寄与する。化学的および物理的加工との相乗作用による酵素の使用は、廃棄物共産物に価値を付与する環境に優しい手段である。クチナーゼ/スベリナーゼは、また、例えば洗濯および食器洗いの用途において脂肪を除去するために使用でき、ならびに、コットンバイオスコアリング(cotton bioscouring)および人工ポリエステル繊維の表面修飾に使用できる。
【0005】
脂質およびワックスは、様々な工業製品およびリグノセルロース残留物中の豊富な構成成分であるものの、従来のリパーゼのほかに、脂質改変酵素の限定的なセットのみしか商業的に利用できない。クチナーゼおよびスベリナーゼは、従来のリパーゼによって加水分解することのできない、天然の脂質およびワックスの改変のための潜在的な酵素とみなされている。
【0006】
植物/動物病原菌フサリウム・ソラニ種ピシ由来のクチナーゼは今まで最も研究されたクチナーゼであるが(Carvalho et al., 1999)、クチナーゼは、アルタルナリア・ブラシコラ(Trail and Koller, 1993)、ボトリティス・シネレア(Gindro and Pezet 1999)、ベンチュリア・イナエクアリス(Koller and Parker, 1989)、アスペルギルス・オリザエ(Maeda et al., 2005)および特定のストレプトマイセス種(Fett et al., 1992)といった微生物においても見つかっている。生化学的に十分特徴付けられたクチナーゼの全ては、セリンプロテアーゼおよび幾つかのリパーゼに共通する古典的なSer−His−Aspの三つ組を含むセリンプロテアーゼである。特徴づけられたクチナーゼは、中性から酸性域に最適pHを有する。
【0007】
クチナーゼは多数の用途が提案されているが、そのごく一部をここに示す。WO2004/029193では、例えば、発酵工程における、特にエタノール製造工程におけるクチナーゼを含むリパーゼの使用を提案している。US6,255,451は、リパーゼおよびクチナーゼによる生物分解性ポリマーの分解に関する。多数の潜在的脂肪分解性酵素産生生物が挙げられており、そこには特にコプリナス・シネリウスおよびトリコデルマ・リーゼイが含まれる。しかしながら、これらの生物に由来するリパーゼに関する開示は存在しない。Garcia−Lepe et al., 1997では、様々な属および種からの51の菌の自己溶解培養物においてリパーゼ活性についてスクリーニングしている。フサリウム属の菌はリパーゼ活性を最も作り出し、またそれらは、クチンおよびスベリンに対して低い活性を示した。アスペルギルスもまた一定の活性があった一方、ペニシリウム種は非常に低い活性を有する。トリコデルマ属、ケカビ目および担子菌綱由来のその他の種および株はリパーゼ活性を示さなかった。
【0008】
クチナーゼは、植物病原性菌によってしばしば作られる。これは、それらが、高等植物の構造的クチンポリマーの破壊に関与するためである。クチナーゼは、菌感染の初期段階における宿主植物へのクチクラ障壁を介した病原性菌の浸潤を可能にする分泌タンパク質である。しかしながら、植物病原性菌は、ユーザーの否定的な認識のために、望ましくない産業的酵素の供給源である。実際、食品等級のポリエステラーゼおよびスベリン加工酵素は現在市販されていない。したがって、新規且つより有効なポリエステラーゼに対する要求が存在する。本発明はこの要求を満たすだろう。
【発明の概要】
【0009】
本発明の対象の1つは、配列番号2、6、11または13と少なくとも50%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリエステラーゼタンパク質、またはポリエステラーゼ活性を有するその変種もしくは断片である。
【0010】
本発明のその他の対象は、以下から成る群から選択される単離されたポリヌクレオチドである:
a)配列番号1、3、5、10または12のヌクレオチド配列または請求項1に記載のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド;
b)a)の相補鎖;および
c)遺伝暗号の結果として、a)またはb)の何れかに対して縮重する配列。
【0011】
本発明の更なる対象の1つは、前記ポリヌクレオチドを含むベクター、このベクターを形質転換された遺伝的に改変された微生物である。
【0012】
本発明の対象の更なる1つは、前記ポリエステラーゼタンパク質を製造するための方法であって、前記ポリヌクレオチドを含むベクターを微生物に形質転換すること、前記ポリヌクレオチドの発現を可能にする条件下で前記形質転換した微生物を培養すること、および前記発現したタンパク質を回収することを含む方法である。
【0013】
本発明は、また、前記ポリエステラーゼタンパク質を含む酵素製剤を包含する。
【0014】
さらに、本発明は、クチン、スベリンまたはその他のポリエステルを加水分解する方法であって、クチン、スベリンまたはその他のポリエステルを含む材料を、前記ポリエステルの部分的または完全な加水分解が可能な条件下にて前記ポリエステラーゼタンパク質で処理することを含む方法を包含する。
【0015】
またさらに、本発明は、食品産業、パルプおよび紙産業、織物工業における、または洗濯および食器洗いの用途における、または化学合成における、前記ポリエステラーゼタンパク質または酵素製剤の使用を包含する。本発明の特定の実施態様は、従属請求項に記載される。本発明のその他の対象、詳細および利点は、以下の図、発明の詳細な説明および実施例において明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、コプリナス・シネレウスのクチナーゼ様タンパク質のアミノ酸配列を示す。
【図2】図2は、20Lバイオリアクター培養における、コプリナス・シネレウスクチナーゼ09668(CcCUT)の細胞外製造を示す。
【図3】図3は、20Lバイオリアクター培養における、トリコデルマ・リーゼイのクチナーゼ(TrCUT)およびスベリナーゼ(TrSUB)の細胞外製造を示す。
【図4】図4は、pH7および40℃で測定される、コプリナス・シネレウスクチナーゼ09668(CcCUT)およびトリコデルマ・リーゼイのクチナーゼ(TrCUT)のエステル分解活性に対する脂肪酸鎖長の効果を示す。
【発明の詳細な説明】
【0017】
本発明は、天然のおよび人工のポリエステル中のエステル結合を加水分解することができる新規の酵素タンパク質を提供する。それらの少なくとも一部は、酸性pHにおいても実質的に活性を有し、このことは特定の用途において利点となる。タンパク質は、(EC3.1.1)と分類される酵素、言い換えればカルボン酸エステル加水分解酵素を包含する「エステラーゼ」である。特に、本発明のタンパク質は、様々なポリエステルに対し、例えば、植物性ポリエステルワックス、すなわちクチンおよびスベリンまたは人工ポリエステルに対し顕著な活性を有することを意味する「ポリエステラーゼ」である。本発明の好ましい実施態様によると、当該タンパク質はクチナーゼ活性を有する。「クチナーゼ」とは、(EC3.1.1.74)に分類される酵素である。クチナーゼは、セリン加水分解酵素の古典的なSer、His、Aspの三つ組を含むセリンエステラーゼである。本発明の別の実施態様によると、当該タンパク質はスベリナーゼ活性を有する。「スベリナーゼ」とは、スベリンを分解できる酵素である。当該タンパク質は、モデル基質または基質としての単離されたクチンまたはスベリンを使用して測定される、複数の前記酵素活性を有してもよい。ポリメラーゼ活性は、従って、少なくともクチナーゼ活性もしくはスベリナーゼ活性、またはそれらの両方であってよい。さらに、当該タンパク質は、EC3.1.1とも分類されるリパーゼ活性といったその他の酵素活性を有してもよい。
【0018】
ポリエステラーゼは、配列番号2、6、11または13と少なくとも50%の、または好ましくは少なくとも60%、70%、80%、90%、95%もしくは98%の配列同一性を有するアミノ酸配列、またはポリエステラーゼ活性を有するその変種もしくは断片を含む。好ましい実施態様によると、ポリエステラーゼは、配列番号2と少なくとも50%
の配列同一性を有するアミノ酸配列、またはクチナーゼ活性を有するその変種もしくは断片を含む。そのようなポリエステラーゼは、例えば、配列番号4、7、8または9のアミノ酸配列を含むものである。そのようなタンパク質は、配列番号4と少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%または98%の配列同一性を有してよい。
【0019】
ここにおいて「同一性」という用語は、互いに比較される2つのアミノ酸配列間における配列同一性を意味する。ここにおいて配列の同一性は、欧州分子生物学研究所−欧州バイオインフォマティクス研究所(EMBL−EBI; http://www.ebi.ac.uk/clustalw/)のウェブページにて見つけられるClustal w マルチプルアラインメントプログラムにて、デフォルトセッティングおよび代替マトリックスとしてBlosum62を使用して(Thompson et al., 1994)決定される。
【0020】
1つまたは数個のアミノ酸の欠失、付加または置換が、酵素タンパク質の触媒特性を必ずしも変化させないことが周知である。それゆえ、本発明はまた、ポリエステラーゼ活性を有する、所与のアミノ酸配列の変種および断片を包含する。ここにおいて使用される「変種」という用語は、所与の配列と比較してアミノ酸配列におけるマイナーな変化を有する配列を意味する。そのような変種は、例えば同一の株、種または属内における対立形質として自然発生してよく、または突然変異誘発またはその他の遺伝子改変によって作製してよい。それは、アミノ酸の置換、欠失または挿入を含んでもよいが、所与の酵素と実質的に同一の様式で機能し、特に、ポリエステラーゼとしての触媒機能を保持する。
【0021】
所与のタンパク質配列の「断片」とは、そのような配列の一部を意味し、たとえば、N末端および/またはC末端にて切断された配列を意味する。それは、例えば、シグナル配列を含むタンパク質の成熟した部分であってよく、成熟タンパク質の酵素的に活性な断片のみであってよい。
【0022】
本発明はまた、相補鎖および縮重鎖を含む、開示されるポリエステラーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。所与の配列に対する「遺伝暗号の結果として縮重する」ポリヌクレオチドとは、それが1以上の異なるコドンを含むが、同一のアミノ酸をコードすることを意味する。ここにおいて使用される「ポリヌクレオチド」とは、一本鎖または二本鎖のポリ核酸であってよい。当該用語は、ゲノムDNA、cDNAおよびRNAを包含する。
【0023】
同一の触媒活性を有する酵素をコードする異なる生物由来の遺伝子は、配列の類似性を有する。これらの類似性は、同一のまたは類似の触媒活性を有するその他の生物からのその他の遺伝子をクローン化する多くの方法で利用できる。
【0024】
新規のエステラーゼをコードするポリヌクレオチドは、例えばインシリコで、ヌクレオチド配列を比較することで同定してよい。そのような配列が利用できない場合、ヌクレオチドまたはアミノ酸配列における保存された領域を同定することができ、またはPCR技術を使用して遺伝子断片をクローン化することできる。クローニング手段は、関心のあるDNA断片を一生物から自己複製遺伝子要素へ、および更におそらく外来性の宿主細胞へ運ぶ。断片の配列決定後、完全な遺伝子は、たとえばそれ自体既知の様式でcDNAライブラリーを使用して得ることができる。ポリエステラーゼ遺伝子を同定する別の方法は、従来の核酸ハイブリダイゼーション技術である。
【0025】
クローニングのための特定のプローブは、例えば対応するmRNAから作ることができ、または当該プローブは、遺伝子によってコードされるタンパク質のアミノ酸配列の一部が既知である場合は作製することができる。候補DNA配列が一旦決定されると、アルゴリズムの方法を使用して、マッチする標的ゲノムを効率的にサーチすることができる。BLAST(Basic Local Alignment Search Tool)はこの目的のために設計された広く使用されるシステムである。
【0026】
本発明のタンパク質またはポリヌクレオチドは、それらを含む細菌の、真菌の、酵母の、植物のまたは哺乳類の細胞を含む任意の適した生物から得ることができる。好ましくは、酵素は、真菌に由来し、特に、糸状菌、例えばコプリナス属またはトリコデルマ属に由来し、特に、C.シネレウスまたはT.リーゼイ(ヒポクレア・ジェコリナ)に由来する。
【0027】
特定の生物に「由来する」タンパク質またはポリヌクレオチドは、前記生物から単離された生成物ならびにその改変を受けたものを包含する。特定の生物に由来するタンパク質は、天然のタンパク質と同一のまたは改変物である、組み換え技術によって作製された生成物であってよい。タンパク質はまた、例えばグリコシル化、リン酸化またはその他の化学的修飾によって改変されてもよい。改変はまた、関心あるタンパク質への、適したペプチドまたはタンパク質融合パートナーの付着であってよい。融合パートナーは有益な役割を有してよく、たとえば、関心あるタンパク質の加水分解または加工の効率を上げてよく、または融合パートナーは、関心あるタンパク質の精製の助けとなってよい。そのような融合パートナーの例は、真菌ハイドロフォビンである。特定の生物に由来する生成物はまた、生成物の変異体および天然の変種であって、1以上の核酸および/またはアミノ酸が欠失、挿入および/または置換されているものを包含する。
【0028】
上述のとおり、タンパク質は、生物から単離される自然に発生するものであってよく、宿主細胞において組み換え的に作製されてよく、または例えばペプチド合成によって合成的に作製されてよい。好ましくは、タンパク質は組み換えタンパク質である。それは、まず、タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む断片を、PCR反応による増幅(Coen,2001)またはその他の組み換えDNA法(Sambrook et al.,1989)によって単離することにより作製してよい。次に、単離されたポリヌクレオチドは、ベクター、例えばプラスミドベクター、特に発現ベクターに挿入され、それは、次の実施可能的に繋がる要素を含む:転写プロモーター、ポリエスエラーゼをコードするセグメント、転写性ターミネーター。プロモーターは、好ましくはタンパク質の過剰発現を可能にする強力なプロモーターである。1つの適したプロモーターは、T.リーゼイのセロビオヒドラーゼ(cellobiohydrase)(cbh1)プロモーターである。プロモーターは、選択した生産用宿主における関心ある遺伝子の発現を生じさせることができるものが選択される。ベクターは、染色体に組み込まれるものであってよく、または自律的に複製するものであってもよい。
【0029】
次に、ベクターは、異種性または同種製の宿主細胞に形質転換されて「遺伝的に改変された微生物」が作られ、タンパク質の発現が可能な条件下で培養される。異なる宿主の系における組み換え技術によるタンパク質生産の方法は当該分野において周知である(Gellissen,2005)。あるいは、強力なプロモーターのみが、宿主の染色体上においてポリエステラーゼ遺伝子に実施可能的につながっており、それによって前記遺伝子が過剰発現する。宿主細胞は、任意の適した真核細胞または原核細胞であってよい。好ましくは、それは、真菌、例えば糸状菌または酵母であり、最も好ましくは、それはトリコデルマ属に属し、特にそれはT.リーゼイである。それはまた、サッカロマイセスまたはピキア株、たとえばそれぞれS.セレビジエおよびP.スチピチス(stipitis)である。さらに、それは、アスペルギルス株、例えばA.ニデュランス、A.ニガーもしくはA.オリザエであってよく、または細菌宿主であってもよい。
【0030】
ポリエステラーゼタンパク質は、好ましくは細胞外に作製され、これによって分泌されたタンパク質を培養液から取得してよい。あるいは、細胞を破壊して酵素を放出させてよく、その後、細胞の細片を除去した上清から取得してよい。さらに、必要に応じて、様々なタンパク質精製方法を用いて酵素を精製してもよい。そのような精製は、例えば、その他のタンパク質および特にその他の酵素を除去するための濃縮、沈殿、クロマトグラフィー、免疫精製、相分離等を含んでよい。
【0031】
本発明の文脈における「酵素製剤」とは、少なくとも1つの本発明のポリエステラーゼを含む任意の組成物をであってよい。それは、さらに、1以上のその他の酵素を含んでよい。それは、粗製の形態であってよく、例えば、使用済みの培養液または細胞上清の形態であってよく、または、それは、精製されたまたは実質的に精製された形態のポリエステラーゼを含んでよい。
【0032】
ポリエステラーゼは、クチン、スベリンまたはその他のポリエステルを含む材料の加水分解に有用である。クチンおよび/またはスベリンを含む材料は通常植物由来であり、一方、その他のポリエステルを含む材料は植物由来または人工のものであってよい。所望の反応を触媒するのに有効な量の酵素が材料に添加され、加水分解が可能な条件下で処理される。ポリエステラーゼは、例えば植物性ポリエステルワックス、例えばクチンおよびスベリンを分解または部分的に脱重合化させるために使用してよい。したがって、ポリエステラーゼは、例えば、農業的原材料もしくは食料原材料、または野菜、果実、果液および穀類から得られる副産物を処理するために使用してもよい。それらはまた、非食品加工において、例えば、木材原材料、パルプおよび紙製品、または加工廃棄物もしくは水または副産物を処理すること、または合成もしくはその他の人工ポリエステル繊維または織物を改変すること、または洗濯および食器からの粘着物または脂肪を除去することを含む方法に適用してよい。
【0033】
ポリエステラーゼはまた、適した条件下で、逆反応、すなわちエステル化を触媒するために使用してよい。当該エステル化とは、例えば脂肪酸とアルコールとの間のエステル結合の形成である。
【0034】
本発明は、以下の非限定的な例によって例証される。しかしながら、上記の発明の詳細および実施例に示される実施態様は例示の目的でのみ示され、様々な変更および修飾を請求項の範囲内で行うことができると解釈されるべきである。
【実施例】
【0035】
[実施例1.ポリエステラーゼ活性の測定]
スベリン分解をモデル化する方法
スベリンの脂肪性層の分解は、モデル基質、すなわちナフトール誘導体に限定されており、発色団の大きさ(1−ナフチル、2−ナフチル、ナフトールAS、ナフトールAS−D)およびエステル結合する炭素鎖の長さの両方において異なっていた。ナフトール誘導体の基質溶液(0.5−1mM)を、1%アセトンおよび1%Triton X−100を含む50mMクエン酸ナトリウム(pH5)または50mM NaP(pH8)にて作製した。170μlの基質溶液および10μlの酵素サンプルを含む反応混合物を40℃で20分インキュベートした。インキュベーション後、20μlの1%Fast Blus BB塩色素を添加し、さらに10分インキュベーションした後に、吸光度(1NA基質−450nm、2NA基質−510nm、NAS基質−595nm、NASD基質−595nm)を測定した。様々な量の1NA、2NA、NASまたはNASD(着色した反応生成物)から得られた検量線を参照して酵素活性を決定した。
【0036】
芳香族化合物を含むスベリンの層の分解を、蛍光分子(4−メチルウンベリフェロン、4MU)でエステル化されたp−クマル酸(本来のスベリンにて見つかる)を含むモデル基質4−メチルウンベリフェリル4−メチルフェルラ酸エステル(MUFE)によってモニターした。MUFEアッセイは、190μlの0.1mM基質溶液と10μlの酵素溶液とを40℃でインキュベートすることで行った。20分のインキュベーションの後に、基準としての4−メチルウンベリフェロン(4MU)を使用して蛍光を測定した(λex=355nm;λem=465nm)。
【0037】
スベリンの分解はまた、基質として放射性標識したスベリンを使用して測定した。カバノキの外部の樹皮から単離されたスベリンを[H]NaBHで標識した。反応混合物は、10mgのスベリン(5x10−10dpm/mg)、1.9mlのバッファー(0.1%Triton X−100を含む50mMクエン酸ナトリウム緩衝液、pH5、または50mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7)および0.1mMの酵素溶液を含んでいた。反応混合物を37℃でインキュベートし、0.1mlの反応サンプルを48時間のインキュベートの間に取り出した。酵素反応によって放出される加水分解産物(H標識モノマー)を、エチルアセテートによって反応サンプルから抽出し、得られる放射能を液体シンチレーションカウンターによって測定した。酵素による分解の程度(%)を、アルカリによるスベリンの完全な加水分解後に放出される放射能を測定することで定量した。
【0038】
クチン分解をモデル化する方法
クチナーゼ活性をモデル化するエステラーゼ活性を、2.1mMのp−ニトロフェニルブチレート(p−NPB)を基質として使用して、分光光度法(Davies et al.,2000を若干改変)によって測定した。反応は、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)中で、40℃で10分間行い、市販されるp−ニトロフェノールを基準として使用して、放出されたp−ニトロフェノールの量を340nmで測定した。このモデルは、簡便で迅速な非特定的エステラーゼ活性のためのアッセイを可能とする。
【0039】
クチナーゼ活性はまた、H標識リンゴクチンを基質として使用し、Kollerら(1982)およびDaviesら(2000)によって提示された方法論を適用して測定した。反応混合物は、8mgのクチン(5x10dpm/mg)、1.9mlのマスターミックス(0.025%Triton X−100を含む50mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0)および0.1mlの酵素溶液を含むものであった。反応混合物を37℃でインキュベートし、反応を24時間続けた。クチナーゼの作用により放出される加水分解産物(H標識されたモノマー)を、エチルアセテートによって0.1mlの反応サンプルから抽出し、得られる放射能を液体シンチレーションカウンターによって測定した。酵素の分解の程度(%)は、アルカリによるクチンの完全な加水分解後に放出される放射能を測定することによって定量できる。
【0040】
[実施例2.ポリエステル分解活性のスクリーニング]
全体で55の微生物(大半が糸状菌)を、スベリン改変酵素を生産する能力について、スベリン誘導条件にてスクリーニングした。スクリーニングは培養上清の酵素的アッセイ(実施例1に開示されるように、ナフトール基質および蛍光標識された芳香族化合物および放射標識されたスベリンの加水分解)および分離された固体のGC/MS分析に基づき、ヒドロキシ脂肪酸およびジオールといった長鎖脂肪酸の増大によって、微生物が増殖の間にスベリンを分解できたことが確認された。コプリナス・シネレウスおよびトリコデルマ・リーゼイは、クチン/スベリン分解酵素の潜在的な生産生物であることがわかった。
【0041】
[実施例3.ポリエステラーゼをコードする遺伝子のためのコプリナス・シネレウスのゲノム分析]
コプリナス・シネレウスは、クチンおよびスベリンといった天然のポリエステラーゼに対して活性を有するポリエステラーゼを生産できることがわかった(実施例2)。コプリナス・シネレウスの公開されているゲノム(http://www.broad.mit.edu/annotation/genome/coprinus_cinereus/Home.html)を、既知のポリエステラーゼ(クチナーゼおよびスベリナーゼ)に基づく類似性のサーチに利用し、6つの異なるクチナーゼ様遺伝子が見つかった。タンパク質の類似性は、Clustal wマルチプルアラインメントプログラムによって分析した。5つの遺伝子(CC1G_09668.1、CC1G_03922.1、CC1G_11503.1、CC1G_07482.1、およびCC1G_09365.1)がクチナーゼに高い配列相同性を示し、1つ(CC1G_05430.1)がアセチルキシランエステラーゼ(AXE)と高い相同性を共有し、たとえばトリコデルマ・リーゼイAXE1と30%の配列同一性を示した。結果を図1に示す。クチナーゼのセリン活性部位およびアスパラギン酸およびヒスチジン活性部位が示される。前記遺伝子および対応する酵素は、以降、単純にそれぞれ09668、03922,11503、07482、09365および05430と称する。
【0042】
Clustal wマルチプルアラインメントにて分析したコプリナス・シネレウスクチナーゼ間の配列同一性は表1に示される。遺伝子09668、03922、および11503は199のアミノ酸を有し、07482は200のアミノ酸を有し、09365は216、および05430は229アミノ酸を有する。
【表1】

【0043】
[実施例4.ポリエステラーゼをコードする遺伝子のためのトリコデルマ・リーゼイのゲノム分析]
トリコデルマ・リーゼイは、クチンおよびスベリンに対する活性を持つことがわかった(実施例2)。T.リーゼイの公開されたゲノム(http://genome.jgipsf.org/Trire2/Trire2.home.html)を、既知のクチナーゼに基づく類似性のサーチに利用し、1つのクチナーゼ(様)遺伝子(v1.2:tre17732, v2.0:tre60489,スキャフォールド7)が見つかった。
【0044】
スベリナーゼ様遺伝子は(v1.2:tre40871,v2.0:tre31227,スキャフォールド37)は、広範なブラスティング(blasting)によって見つかった。ストレプトマイセス・スカビーズ(scabies)のスベリナーゼのタンパク質配列を、まず国立生物工学情報センター、NCBIにおけるBLASTプログラム(blastp)による、デフォルトパラメーター(Matrix:Blosum62,gap costs:existence 11,extensio1)を用いたブラスティングに使用した。続いて、トリコデルマ・リーゼイのゲノムを、デフォルトパラメーターを用いて、S.スカビーズのスベリナーゼ(SEST様ドメインを含む)との類似性を有する真菌配列とブラストした。
【0045】
SESTドメインを含む酵素は、エステラーゼおよびリパーゼとして作用するが、真のリパーゼとの配列相同性はほとんどもたない。これらの酵素の三次の折り畳みは、アルファ/ベータ加水分解酵素ファミリーのそれと実質的に異なり、全ての既知の加水分解酵素の中で独特である。この種のエステラーゼドメインを含むタンパク質は、様々な加水分解酵素にて見つかった。構造的情報を有するものは、ジャガイモ斑点病の原因薬剤であり、スベリンの特異的エステル結合を加水分解するストレプトマイセス・スカビーズ(SEST)由来のエステラーゼを含む。ある仮定上のまたは推定上のタンパク質もまた、ストレプトマイセス・スカビーズエステラーゼと類似性を有する。
【0046】
[実施例5.コプリナス・シネレウス由来の新規のポリエステラーゼのクローニング]
互いに低い相同性を示す、実施例3からの3種の異なるポリエステラーゼ(09668、07482、05430)を、トリコデルマ・リーゼイにおける過剰発現について選択した。選択されたクチナーゼは、発現する宿主にとって、最適なコドン頻度を有し、本来の適したシグナル配列を有していた。
【0047】
染色体DNAの単離のために、コプリナス・シネレウス株VTT−D−041011を、胞子から開始した液体培養にて菌糸として増殖させた。胞子を、50mlのYP培地に播種し、24℃で撹拌しながら2時間増殖させた。菌糸をろ過によって回収し、ゲノムDNAをRaederおよびBroda、1985の方法によって単離した。ゲノムDNAを鋳型として、C末端His6タグを形成し、ファージラムダベースの部位特異的組み換え配列を有するように設計したプライマーを用いて、PCRによって、2つのクチナーゼ遺伝子(CC1G_09668.1、CC1G_07482.1)およびAXE様遺伝子(C1G_05430.1)を増幅した。遺伝子の本来のシグナル配列を利用した。使用したプライマーは、次のものであった:CC1G_09668.1 フォワード:配列番号14、CC1G_09668.1 リバース:配列番号15、CC1G_07482.1 フォワード:配列番号16、CC1G_07482.1 リバース:配列番号17、CC1G_05430.1 フォワード:配列番号18、CC1G_05430.1 リバース:配列番号19。PCR反応は、製造者によって推奨される反応混合物において、Phusion熱安定性ポリメラーゼ(Finnzymes、フィンランド)にて行った。PCRプログラムは、最初の変性工程として98℃で30秒を行い、続いて、10秒98℃、30秒64℃および30秒72℃にて25サイクル行い、ここにおいて、アニーリング温度は、50℃に達するまで、1サイクルごとに1℃減少させた。この後、72℃で10分の最後の伸長工程を行った。増幅したPCR産物はGatewayドナーベクターpDONR221(インビトロジェン)に、Gateway Recombinationキット(インビトロジェン)に組み込み、配列決定した。配列は表2に示される。
【表2】

【0048】
09668の2つのクローン3.1および3.5が配列決定された。これらは、クローン3.5のヌクレオチド配列およびゲノム配列との間でほとんど違いがないが、3つ全てのヌクレオチド配列が、同一のアミノ酸配列(配列番号2)をコードする。公開されているゲノム配列は、一倍体のゲノムに由来しており、自動化されたゲノムアノテーションに基づく。それゆえ、クローン化された遺伝子の配列は、公開されたゲノム配列とか異なってもよい。違いはまた、PCRの際に導入してもよい。
【0049】
配列番号4および配列番号6は、それぞれ、ゲノムから推定されるアミノ酸配列との間で1つのアミノ酸が異なる。この違いは図1に示されており、ここにおいて2つの異なるアミノ酸が網掛けされている。その他の3つのクチナーゼ様タンパク質CC1G_03922、CC1G_11503およびCC1G−09365の配列は、配列表中配列番号7、8および9にそれぞれ示される。
【0050】
遺伝子は、pDONR221からトリコデルマ・リーゼイ発現ベクターpMS186に対し、LR組み換え反応によって移行され、プラスミドpAWP26(CC1G_09668.1)、pAWP27(CC1G_07482.1)およびpAWP28(CC1G_054301.1)を生じさせる。pMS186ベクターは、cbh1(セロビオヒドラーゼ1)プロモーターとターミネーターとの間に挿入されるGatewayリーディングフレームカセットC(RfC)を含み、ハイグロマイシン耐性カセットを含む。LR組み換え反応は、製造者による指示の通りに、Gateway Recombinationキット(インビトロジェン)によって行った。
【0051】
[実施例6.トリコデルマ・リーゼイ由来の新規のポリエステラーゼのクローニング]
トリコデルマ・リーゼイ由来のクチナーゼ(v1.2:tre17732、v2.0:tre60489、スキャフォールド7)およびスベリナーゼ(v1.2:tre40871、v2.0:tre31227、スキャフォールド37)cDNAを、トリコデルマ・リーゼイRutC−30(Margolles−Clark E.,et al.,1996)のcDNA発現ライブラリーから、C末端Hisタグを作りファージラムダベースの部位特異的組み換え配列を有するよう設計されたプライマー(クチナーゼフォワード:配列番号20、クチナーゼリバース:配列番号21、スベリンフォワード:配列番号22、スベリンリバース:配列番号23)によってRT−PCRによって単離した。クチナーゼの本来のシグナル配列を使用した一方、cbh1のシグナル配列を、スベリナーゼ構築物のために使用した。PCR反応は、製造者の奨励する反応混合物中にて、Phusion熱安定性ポリメラーゼ(Finnzymes、フィンランド)によって行った。PCRプログラムは、30秒で98℃の最初の変性工程を行い、続いて、10秒98℃、30秒64℃および30秒72℃を25サイクル行い、ここにおいて、アニーリング温度は、50℃に達するまでサイクルごとに1℃低下させた。この後に、10分72℃で最後の伸長工程を行った。増幅したPCR生成物は、Gateway Recombinationキット(インビトロジェン)によって、GatewayドナーベクターpDONR221(インビトロジェン)に組み込み、配列決定した。配列は表3に示される。
【表3】

【0052】
クチナーゼのクローン化されたヌクレオチド配列および推定されるアミノ酸配列は、5’末端および3’末端の両方において、T.リーゼイゲノムのコンピューターアノテーションによって予測されるよりも長かった。
【0053】
クチナーゼおよびスベリナーゼ遺伝子は、LR組み換え反応によって、pDONR221ベクターからトリコデルマ・リーゼイ発現ベクターpMS186に移動し、プラスミドpAWP24(クチナーゼ)およびpAWP25(スベリナーゼ)を得た。pMS186ベクターは、cbh1(セロビオヒドラーゼ1)のプロモーターとターミネーターとの間に挿入されたGatewayリーディングフレームカセットC(RfC)およびハイグロマイシン耐性カセットを含む。LR組み換え反応は、製造者の指示に従って、Gateway Recombinationキット(インビトロジェン)によって行った。
【0054】
[実施例7.トリコデルマ・リーゼイにおける新規のポリエステラーゼの発現]
ポリメラーゼ遺伝子を、主要なセルラーゼ遺伝子cbh1の強力な誘導性プロモーターの下、T.リーゼイにて発現させた。環状発現ベクター(5μg)を、本質的にPenttila M.,et al 1987に開示されるようなPEG−介在形質転換によって、T.リーゼイcbh1陰性株VTT−D−04966に形質転換し、125μg/mlのハイグロマイシンBを含むプレートにおいて、形質転換体からハイグロマイシン耐性菌を選択した。形質転換体を2回の連続的なラウンドで選択培地にストリークし、ゲノムへの組み込みをPCRで試験した。陽性の形質転換体を、単一の胞子から培養することにより精製し、p−ニトロフェニルブチレート(p−NPB)をモデル基質として使用して、液体培地中でクチナーゼ活性を試験した(実施例1)。50mlの培養液(TrMM+4%ラクトース、2%使用済み穀類、100mM PIPPS、pH5.5)に、1x10の胞子を播種し、250rpmで撹拌しながら、28℃で最大10日間増殖させた。3つ全てのトリコデルマ構築物、すなわち、それぞれコプリナス遺伝子09668、07482および05430を形質転換したものは、p−NPB活性を示した。それぞれの遺伝子の最も高い活性を示した6つの形質転換体を、より徹底的な分析のために再度培養した。C.シネレウス09668は最も有望な候補であり、実験室スケールのファーメンターで培養した。T.リーゼイクチナーゼまたはスベリナーゼ遺伝子を保持する最も強力な形質転換体(p−NPBによる活性アッセイに基づく)もまた、ファーメンターにおける培養のために選択した。
【0055】
[実施例8.実験室スケールのファーメンターにおける新規のポリエステラーゼの生産]
クチナーゼ(CcCUT)を生産する09668の形質転換体を、ワーキングボリュームを20リッターとして、Braun Biostat Cファーメンター(B.Braun Biotech、ドイツ)にて培養した。培地は、ラクトース(60g/l)、(NHSO(5g/l)およびKHPO(5g/l)を含んだ。培地の液相は、60g/lの使用済み穀類を115℃で20分間オートクレーブ中で加熱し、冷却しおよび遠心分離して、固体成分を除去して作製した、蒸留家の使用済み穀類の水性抽出物であった。窒素源および誘導物質の両方を含む遠心分離の上清は、唯一の液体として培地中に使用した。培養温度は28℃で、pHは5.0−5.5とした(水酸化アンモニウムおよびリン酸の添加によって調節した)。300...700rpmの撹拌、8l/分の一定の通気により、溶存酸素を>30%に維持した。起泡は、Struktol J633 ポリオレアート抗起泡剤(Schill&Seilacher、ドイツ)を自動的に添加することで調節した。培養後、細胞を遠心分離によって回収し、培養上清を、Millipore(フランス)BioMax10メンブレン、公称カットオフ10kDaを使用して、限外ろ過によって濃縮した。
【0056】
C.シネレウスクチナーゼ(CcCUT)は、良好にファーメンター中で生産された。クチナーゼ生産は、96時間後に、最大で8000nkat/mlを超えるまで増大した(図2)。10倍の培養ろ液は70000nkat/mlのエステラーゼ活性(p−NPB)を有し、104mg/mlの総タンパク質含有量であり、約23mg/mlの量のクチナーゼであった。培養上清におけるクチン分解活性の存在もまた、更なる研究の前に単離されたリンゴクチンにて確認した(表4)。クチンは、0.1%のTriton X−100の存在下、酵素用量を1000、5000および20000nkat/gの基質(pH7、40℃)として、培養上清(45時間サンプル、1780nkat/mlのp−NPB活性)にて処理した。
【表4】

【0057】
トリコデルマ・リーゼイのクチナーゼ(TrCUT)およびスベリナーゼ(TrSUB)を生産する形質転換体は、CcCUTについて先に記載したのと同様に研究室のファーメンターで培養した。酵素活性は、図3にて、時間の関数として示される。
【0058】
[実施例9.組み換え酵素の精製]
C末端His(6)タグの存在は、固定化金属アフィニティクロマトグラフィ(IMAC)を用いたCcCUTおよびTrCUTの一段階精製を可能にする。濃縮された培養上清を、Ni2+を予め添加し、500mMのNaClおよび5mMのイミダゾールを含むpH7.2の50mMリン酸ナトリウム緩衝液で平衡化したキレーティングSepharose FFカラム(Amersham Biosciences、ウプサラ、スウェーデン)に適用した。カラムを、50mM(CcCUTのために)または20mM(TrCUTのために)のイミダゾールを補った平衡化緩衝液で洗浄し、未結合の材料を除去した。組み換えタンパク質は、200mMイミダゾールを添加した平衡化緩衝液で溶出し、画分を回収し、p−NPBに対する活性およびタンパク質の存在をSDS−PAGEによりスクリーニングした。SDS−PAGE(12% Tris−HCl Ready Gel,Bio−Rad)はLaemmli(1970)の方法に従って行い、予め染色されたSDS−PAGEスタンダード(Broad Range Cat. no. 161−0318, Bio−RadまたはLMW,Cat. No 17−0446−01,GE Healthcare)およびタンパク質の染色のためにクマシーブリリアントブルー(R350;Pharmacia)を使用した。
【0059】
精製したCcCUTはSDS−PAGE上で均一性を示し、約10グラムの精製された酵素を、更なる特徴づけおよび加水分解研究のために作製した。3グラムのTrCUTを精製し、95%前後の純度であった(SDS−PAGE分析に基づく)。TrSUBは、特徴づけに関して、CcCUTおよびTrCUTと同様に精製した。
【0060】
[実施例10.新規のポリエステラーゼの特徴付け]
精製されたコプリナス・シネレウス(CcCUT)およびトリコデルマ・リーゼイ(TrCUT)クチナーゼは、大きさ、活性、基質特異性、pHおよび温度の特徴に関して生物化学的に特徴づけした。
【0061】
基質特異性
基質特異性を、アセテート(C2)、プロピオネート(C3)、ブチレート(C4)、バレレート(C5)、カプロエート(C6)、カプレート(C10)、ラウレート(C12)、ミリステート(C14)、パルミタート(C16)およびステアラート(C18)によってエステル化されたp−ニトロフェノールを使用して決定した。基質分散液の濃度は5mMであった。より濃度の低いp−ニトロフェニルステアラート(2.5mM)を、その可溶性がより低いため使用した。活性アッセイを、記述されるとおりに、p−ニトロフェニルブチレート(p−NPB)のためにpH7、40℃で行った(実施例1)。得られた特異的活性は図4に示される。CcCUTおよびTrCUTは、より短い脂肪酸(C2−C10)の方が、より長い脂肪酸(C16およびC18)よりも高い活性を示した。驚くべきことに、p−NPアセテート(C2)及びプロピオネート(C3)に対する活性は、p−NPB(C4)よりも明確に高いことがわかった。CcCUTおよびTrCUTのC4/C16の比は、それぞれ1.8および3.1であった。典型的に、クチナーゼは、C2−C8脂肪酸にて高い活性を有し、C4/C16の比は1から4の間である。約1または<1のC4/C16比はクチン分解活性がないことを意味する(Kolattukudy 1984)。
【0062】
リパーゼおよびコレステリルエステラーゼ活性
Kontkanenら(2004)にならって、オリーブオイルエマルジョンを基質として使用して、リパーゼ活性をアッセイした。CcCUTおよびTrCUTのリパーゼ活性は表5に示される。
【0063】
コレステリルエステラーゼ(CE)活性の決定のために使用されるアッセイは、Tenkanenら(2002)にならって、4.3mMのコレステリルオレアートの加水分解後に遊離するコレステロールの分光光度計による決定に基づく。
【0064】
CcCUT製剤は、コレステリルエステラーゼ活性を示さなかった。TrCUT製剤における活性は決定しなかった。
【0065】
タンパク質アッセイ
タンパク質の濃度は、標準としてウシ血清アルブミンを使用し、Bio−Rad DCタンパク質アッセイキット(Bio−Rad、リッチモンド、カリフォルニア州)にて決定した。
【0066】
温度安定性
CcCUTおよびTrCUTの熱安定性は、酵素を30−80℃で1、3および20時間、タンパク質濃度5mg/ml、pH5(20mM酢酸ナトリウム緩衝液)でインキュベートすることで調べた。インキュベーション後、残る活性を、p−NPBを基質として使用して測定した(pH7および40℃で)。CcCUTは50℃までの温度では安定であったが、60℃において敏感に残りの活性が減少した。TrCUTは、50℃で20時間または60℃で1時間インキュベートしたとき、活性の80%を維持してある程度安定であった(表5)。
【0067】
pH安定性
CcCUTおよびTrCUTのpH安定性を、室温および50℃で20時間、様々なpH値にて、精製した酵素溶液インキュベートすることで調べた。溶液のpHは、pH2.2から8.0ではMcllvaine緩衝液(0.2M NaHPOおよび0.1Mクエン酸)で調整し、pH7.2から9.1では0.2M Tris−HCl緩衝液で調整し、または、pH8.6から10.6では0.2Mグリシン−NaOH緩衝液で調整し、5mg/mlのタンパク質濃度を得た。残る活性を、p−NPBを用いてpH7および40℃で測定した。結果は表5に示される。双方の酵素が、酸性領域を含む幅広いpHの領域にわたって活性を有しているようであった。CcCUTの残る活性は、室温、pH3で約80%であり、50℃での残る活性は、pH5で約40%、pH6で約100%であった。TrCUTは、pH4から7の範囲で90%を超える活性を保持していた。
【0068】
最適pH
精製したクチナーゼ製剤のエステラーゼ活性を、pH2.3から8ではMcllvaine緩衝液(0.2M NaHPOおよび0.1Mクエン酸)、pH7.2から9.1では0.2M Tris−HCl緩衝液およびpH8.6から10.6では0.2Mグリシン−NaOH緩衝液を使用して様々なpH値にて測定した。反応時間は、40℃で10分とした。結果を表5に示す。CcCUTの最適pHは7から8周辺であり、TrCUTは、2つの明確に異なる最適pH(4および8の周辺)を有していることが示された。したがって、TrCUTはより酸性の範囲における処理に適している。
【表5】

【0069】
[実施例11.単離されたリンゴクチンの加水分解]
単離されたリンゴクチンをCcCUTおよびTrCUTで処理した。基質を酵素的におよび化学的に処理し、炭水化物およびペクチンならびに非共有結合脂質をそれぞれ除去した。クチンを0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH8)に、20mg/mlの濃度で懸濁し、45℃で29時間CcCUTおよびTrCUTで処理した。酵素用量は1000および10000nkat/g基質(p−NPB活性)とし、処理は、Triton X−100の添加および非添加の状態で行った。加水分解物を2倍量のMTBEで2度抽出し固体マトリックスから全ての脂肪酸、モノマーおよびオリゴマーの両方を回収した。MTBE抽出物中の遊離脂肪酸を、酵素的比色法(Free fatty acids, Roche Diagnositic Ltd)によって、直接分析し、および放出されたオリゴマーのアルカリ加水分解の後に分析した。放出された脂肪酸の量を表6に示す。双方のクチナーゼがリンゴクチンを加水分解できた。
【表6】

【0070】
[実施例12.カバノキの樹皮のスベリンの加水分解]
蒸気爆発させたカバノキの外側の樹皮のスベリンをCcCUTおよびTrCUTで上記のクチン処理と同様に処理した。結果を表7に示す。
【表7】

【0071】
[実施例13.皮をはいだ小麦粉の処理]
皮をはいだ小麦粉をクチナーゼ(CcCUT)で処理し、非置換直鎖キシランおよびクチンの層から主に成る種皮の除去を促した。穀物(2g)を、乾燥含有量20%で含む水懸濁液にて、30℃で2時間撹拌して(100rpm)処理した。500および5000nkat/gの基質(p−NPB活性として)の酵素用量をCcCUTについて試験した。2つの異なるキシラナーゼおよびリパーゼの効果も調べた。酵素処理の後、遠心分離(9700g/10分)によって、液相と固体相とを分離した。穀物を水(10ml)で洗浄し、遠心分離を繰り返した。穀物を凍結乾燥し、重量を測定して重量損失を分析した。基準となる処理を、酵素添加を行わない以外は同一条件下で行った。放出された脂肪酸の量をMTBE抽出後に分析し、脂肪酸をEtOH/Triton/水の溶液に溶解した。還元糖を、DNS法(Bernfield、1955)を用いて液体サンプルから分析した。
【0072】
放出された脂肪酸の量および酵素処理後の溶解した炭水化物の量を表8に示す。CcCUTは、使用した条件の下で放出された脂肪酸の量を明確に増大させたことがわかる。行った処理は、炭水化物の量に何の効果も与えなかった。処理後、穀物の外観に何ら変化が見られなかったことは、クチンの選択的作用を示唆している。
【表8】

【0073】
[参考文献]
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号2、6、11または13と少なくとも50%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリエステラーゼタンパク質、またはポリエステラーゼ活性を有するその変種もしくは断片。
【請求項2】
配列番号4、7、8または9のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のタンパク質、またはポリエステラーゼ活性を有するその変種もしくは断片。
【請求項3】
配列番号2、4、6、11または13と少なくとも80%、90%、95%または98%の配列同一性を有する請求項1に記載のタンパク質。
【請求項4】
少なくともクチナーゼもしくはスベリナーゼの活性またはその両方を有する請求項1に記載タンパク質。
【請求項5】
さらにリパーゼ活性を有する請求項4に記載のタンパク質。
【請求項6】
トリコデルマまたはコプリナスに由来する、好ましくはトリコデルマ・リーゼイまたはコプリナス・シネレウスに由来する請求項1に記載のタンパク質。
【請求項7】
C.シネレウスに由来し、配列番号2、4、6、7、8または9に対応するアミノ酸配列を含む請求項6に記載のタンパク質、または少なくともクチナーゼもしくはスベリナーゼの活性またはその両方を有するその変種もしくは断片。
【請求項8】
T.リーゼイに由来し、配列番号11に対応するアミノ酸配列を含む請求項6に記載のタンパク質、または少なくともクチナーゼもしくはスベリナーゼの活性またはその両方を有するその変種もしくは断片。
【請求項9】
T.リーゼイに由来し、配列番号13に対応するアミノ酸配列を含む請求項6に記載のタンパク質、または少なくともスベリナーゼ活性を有するその変種もしくは断片。
【請求項10】
以下から成る群から選択される単離されたポリヌクレオチド:
a)配列番号1、3、5、10または12のヌクレオチド配列または請求項1に記載のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド;
b)a)の相補鎖;および
c)遺伝暗号の結果として、a)またはb)の何れか1つに対して縮重する配列。
【請求項11】
請求項10に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項12】
請求項11に記載のベクターを形質転換された、遺伝的に改変された微生物。
【請求項13】
請求項1に記載のポリエステラーゼタンパク質を製造するための方法であって、請求項10に記載のポリヌクレオチドを含むベクターを微生物に形質転換すること、前記ポリヌクレオチドの発現を可能にする条件下で前記形質転換した微生物を培養すること、および前記発現したタンパク質を回収することを含む方法。
【請求項14】
前記ポリヌクレオチドが、コプリナス・シネレウスに由来し、トリコデルマ、サッカロマイセス、ピキア、アスペルギルスおよび細菌から成る群から選択される宿主において、特にT.リーゼイである宿主において発現する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ポリヌクレオチドが、トリコデルマ・リーゼイに由来し、トリコデルマ、サッカロマイセス、ピキア、アスペルギルスおよび細菌から成る群から選択される宿主において、特にT.リーゼイである宿主において発現する請求項13に記載の方法。
【請求項16】
請求項1に記載のタンパク質を含む酵素製剤。
【請求項17】
クチン、スベリンまたはその他のポリエステルを加水分解する方法であって、クチン、スベリンまたはその他のポリエステルを含む材料を、前記ポリエステルの部分的または完全な加水分解が可能な条件下にて請求項1に記載のタンパク質で処理することを含む方法。
【請求項18】
農業原料もしくは食品原料または野菜、果実、液果もしくは穀類から得られた副産物を、前記タンパク質で処理することを含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
木材原料、パルプおよび紙製品、または加工廃棄物もしくは水または副産物を、前記タンパク質で処理することを含む請求項17に記載の方法。
【請求項20】
合成もしくはその他の人工ポリエステル繊維または織物を、前記タンパク質で処理することを含む請求項17に記載の方法。
【請求項21】
洗濯および食器からの粘着物または脂肪を、前記タンパク質によって除去することを含む請求項17に記載の方法。
【請求項22】
クチンまたはスベリンを前記タンパク質によって脱重合することを含む請求項17に記載の方法。
【請求項23】
食品産業、パルプおよび紙産業、織物工業における、または洗濯および食器洗いの用途における、または化学合成における、請求項1に記載のタンパク質または請求項16に記載の酵素製剤の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−532984(P2010−532984A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515544(P2010−515544)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【国際出願番号】PCT/FI2008/050419
【国際公開番号】WO2009/007510
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(501374390)バルティオン テクニリーネン トゥトキムスケスクス (16)
【Fターム(参考)】