説明

新規ジ(メタ)アクリレートおよびこれを含有する光硬化性樹脂組成物

【課題】ラジカル重合開始剤と共に光硬化性樹脂組成物を為すことができる新規なジ(メタ)アクリレートを提供すること。
【解決手段】式(1)


(式中、Aはジグリシジルエーテル化合物の残基を表し、並びに、Bは酸無水物の残基を表す。)で表されるジ(メタ)アクリレート、該ジ(メタ)アクリレートを含有する光硬化性樹脂組成物及びそれから得られる硬化物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なジ(メタ)アクリレート化合物に関するものである。
また本発明は、上記新規なジ(メタ)アクリレート化合物を含有する光硬化性樹脂組成物並びに該組成物から得られる硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、光照射後に弱アルカリ水溶液で現像可能な種々の光重合性(硬化性)化合物が報告されている。
例えば、ビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシアクリレートをベースとしたカルボキシル基を有する光重合性不飽和化合物、並びに該化合物とエポキシ化合物、光重合開始剤及び/または光増感剤を含有する感光性樹脂組成物(特許文献1、特許文献2参照)等が提案されている。
【特許文献1】特許第3148429号公報
【特許文献2】特許第3268771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、光硬化性化合物の需要はますます高まっており、より安価に入手できる化合物に対する要求が高まっていた。
本発明は上記要求を解決すべくなされたものであり、その目的は、ラジカル重合開始剤と共に光硬化性樹脂組成物を為すことができる新規なジ(メタ)アクリレートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、光照射後に上記各性能を満足することができる、新規なジ(メタ)アクリレートを見出した。
すなわち本発明は、下記の一般式(1)で表される新規なジ(メタ)アクリレートに関する。
【化1】

(式中、
1、R2はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、
3、R4はそれぞれ独立に、炭素原子数1乃至8のアルキレン基、又は置換基を有してもよいフェニレン基を表し、
5、R6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、又は置換基を有してもよいフェニル基を表し、
7、R8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基又は、アルコキシアルキル基を表し、
9乃至R12はそれぞれ独立に、水素原子又はカルボキシル基を表し、
Aはジグリシジルエーテル化合物の残基を表し、並びに、
Bは酸無水物の残基を表す。)
【0005】
また本発明は下記式(2)で表される新規なジ(メタ)アクリレートに関する。
【化2】

【0006】
さらに本発明は下記式(3)で表される新規なジ(メタ)アクリレートに関する。
【化3】

【0007】
そして本発明は、(A)前記ジ(メタ)アクリレート、及び(B)ラジカル重合開始剤を必須成分として含有することを特徴とする、光硬化性樹脂組成物に関する。
また本発明は前記光硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の新規ジ(メタ)アクリレートはラジカル重合開始剤と共に光硬化性樹脂組成物を為すことができ、該光硬化性樹脂組成物は光照射後における密着性、耐熱性、耐酸性、硬度に優れ、タックフリーかつクラックフリーであり、弱アルカリ水溶液で現像可能な硬化物を為すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を以下に更に詳しく説明する。
尚、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
【0010】
[新規ジ(メタ)アクリレート]
本発明は一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート
【化4】

(式中、R1〜R12、A及びBは上記定義の通りである。)
であり、該ジ(メタ)アクリレートは、下記反応スキームを経ることによって得られる。
【0011】
【化5】

【0012】
すなわち、前記一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレートは、下記一般式(4)で表される化合物と、下記一般式(5)で表されるイソシアナト(メタ)アクリレートとウレタン化反応させることにより得られる。
【0013】
【化6】

(式中、R5、R6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、又は置換基を有してもよいフェニル基を表し、R7、R8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基又は、アルコキシアルキル基を表し、R9乃至R12はそれぞれ
独立に水素原子又はカルボキシル基を表し、Aはジグリシジルエーテル化合物の残基を表し、Bは酸無水物の残基を表す。)
【0014】
【化7】

(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R3は炭素原子数1乃至8のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を表す。)
【0015】
上記一般式(5)で表されるイソシアナト(メタ)アクリレートの具体例としては、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、p−イソシアナトベンジル(メタ)アクリレート、o−イソシアナトベンジル(メタ)アクリレート、m−イソシアナトベンジル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
【0016】
また、上記一般式(4)で表される化合物は、下記一般式(6)で表される化合物と下記一般式(7)で表される酸無水物と反応させて得られる。
【0017】
【化8】

(式中、R5、R6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、又は置換基を有してもよいフェニル基を表し、R7、R8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、又はアルコキシアルキル基を表し、Aはジグリシジルエーテル化合物の残基を表す。)
【0018】
【化9】

(式中、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子又はカルボキシル基を表し、Bは酸無水物
の残
基を表す。)
【0019】
上記一般式(7)で表される酸無水物において、式中のBで表される酸無水物の残基の具体例として、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸、無水トリメリット酸などが挙げられるが何らこれらに限定されるものではない。
【0020】
さらに、上記一般式(6)で表される化合物は、下記一般式(8)で表されるジグリシジルエーテル化合物と下記一般式(9)で表される化合物を反応させて得られる。
【0021】
【化10】

(式中、Aはジグリシジルエーテル化合物の残基を表す。)
【0022】
上記一般式(8)で表されるジグリシジルエーテル化合物において、式中のAで表されるジグリシジルエーテル化合物の残基としては具体的には、例えばビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールC、ビスフェノールS、ビスフェノールZ、ビスフェノールAP、およびこれらの置換基含有体のジグリシジルエーテル化合物の残基が挙げられるが何らこれらに限定されるものではない。
【0023】
【化11】

(式中、R5は水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、又は置換基を有してもよい
フェニル基を表し、R7は水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基又は、アルコキシ
アルキル基を表す。)
【0024】
本発明で用いる一般式(9)で表される化合物の具体例としては、ベンジル酸、マンデル酸、およびそれらのベンゼン環に置換基を有するものなどが挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
【0025】
<工程I:一般式(6)で表される化合物の合成>
一般式(6)の誘導体を得るための一般式(8)で表されるジグリシジルエーテル化合物と一般式(9)で表される化合物を反応させる方法としては、有機溶剤中で、塩基性触媒存在下、加熱攪拌する方法等が挙げられる。
【0026】
一般式(6)の誘導体を得るための一般式(8)で表されるジグリシジルエーテル化合物と一般式(9)で表される化合物の反応の割合は、通常、モル比でジグリシジルエーテル化合物/一般式(9)で表される化合物=1/2以上であることが好ましい。
使用する一般式(9)で表される化合物の割合が少ないと、ジグリシジルエーテル化合物同士の反応の確率が高くなり、逆に多すぎると未反応物としてジグリシジルエーテル化合物が残ることになる。
従って一般式(9)で表される化合物の割合は、ジグリシジルエーテル化合物に対して3倍モル以下の使用にすることが好ましく、より好ましくは2倍モル以下での使用である。
【0027】
本工程において用いられる有機溶媒としては、後の精製工程を容易にするため非水溶性のものであって、後に反応に用いるイソシアナト(メタ)アクリレートのイソシアネート基と反応するアルコール類を除けば、特に限定されるものではない。
当該有機溶媒としては、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル等が挙げられる。
有機溶媒の使用量は特に限定されるものではないが、通常は反応物の合計質量に対して、5倍以下の質量が好ましく、より好ましくは1乃至3倍の質量である。
【0028】
本工程において用いられる塩基性触媒としては、特に限定されるものではないが、好ましくはテトラメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。
通常は反応液に対して10乃至10000ppmの範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1000乃至3000ppmである。
【0029】
一般式(8)で表されるのジグリシジルエーテル化合物と一般式(9)で表される化合物の反応は通常、50乃至150℃、好ましくは80乃至120℃の範囲で行われる。
反応時間は特に限定されないが通常、1乃至20時間の範囲で行うことによって、一般式(6)で表される化合物を含む反応溶液を得ることができる。
【0030】
<工程II:一般式(4)で表される化合物の合成>
一般式(4)の誘導体を得るための一般式(6)で表される化合物と一般式(7)で表される酸無水物を反応させる方法としては、上記一般式(6)で表される化合物の溶液に一般式(7)で表される酸無水物を加え加熱攪拌する方法等が挙げられる。このとき必要に応じ、前記有機溶媒を追加しても良い。
【0031】
一般式(4)の誘導体を得るための一般式(6)で表される化合物と一般式(7)で表される酸無水物の反応の割合は、通常、モル比で一般式(6)で表される化合物/酸無水物=1/2以上であることが好ましい。
使用する酸無水物の割合が少ない場合、一般式(4)で表される化合物の収率が低下してしまい、逆に多すぎると酸無水物が未反応物として残ることになる。
従って酸無水物の割合は一般式(6)で表される化合物に対して3倍モル以下の使用にすることが好ましく、より好ましくは2倍モル以下での使用である。
【0032】
このときの反応では、一般式(6)で表される化合物は、一般式(9)で表される化合物由来の水酸基と一般式(8)で表されるジグリシジルエーテル化合物のグリシジル基の開環時に生じる水酸基の二つを有していることから、酸無水物はいずれの水酸基にも反応する可能性がある。
しかし一般式(9)で表される化合物と酸無水物のみとを反応させた場合、一般式(9)中のフェニル基の立体障害のため、反応が進行せず、上記反応においてはグリシジル基の開環時に生じる水酸基と酸無水物とが反応していることとなる(後述の実施例における予備実験を参照)。
【0033】
本工程における反応は通常50乃至200℃、好ましくは100乃至150℃の範囲で行われる。反応時間は特に限定されないが通常、1乃至20時間の範囲で行うことによって、一般式(4)で表される化合物の反応溶液を得ることができる。
【0034】
<工程III:一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレートの合成>
本発明の一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレートを得るための、一般式(4)で表される化合物と一般式(5)で表されるイソシアナト(メタ)アクリレートをウレタン化反応させる方法としては、上記一般式(4)で表される化合物の溶液に一般式(5)で表されるイソシアナト(メタ)アクリレートを加え、塩基性触媒およびラジカル重合禁止剤存在下、空気バブリングを行い、加熱攪拌する方法等が挙げられる。このとき必要に応じて、前記有機溶媒を追加しても良い。
【0035】
一般式(4)で表される化合物と一般式(5)で表されるイソシアナト(メタ)アクリレートの反応の割合は、通常、モル比で一般式(4)の化合物/イソシアナト(メタ)アクリレート=1/2以上であることが好ましい。
使用するイソシアナト(メタ)アクリレートの割合が少ないと、目的とするジ(メタ)
アクリレートの収率が低下してしまい、逆に多すぎると反応液中のラジカル重合成分の増加によるゲル化のおそれが高くなる。また所望のジ(メタ)アクリレート中に未反応分としてイソシアナト(メタ)アクリレートが残ることになる。
従ってイソシアナト(メタ)アクリレートは一般式(4)で表される化合物に対して3倍モル以下の使用にすることが好ましく、より好ましくは2倍モル以下での使用である。
【0036】
本工程に用いる塩基性触媒としては、特に限定されるものではないが、好ましくはトリエチルアミン、トリメチルアミン等の有機アミン類が挙げられる。
通常は反応液に対して10乃至10000ppmの範囲で使用することが好ましく、より好ましくは50乃至1000ppmである。
【0037】
本工程に用いるラジカル重合禁止剤としては、ラジカルを補足する化合物であれば特に限定されないが、好ましくはハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、エトキシハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン、フェノアジン、t−ブチルカテコール等といった従来から知られている通常のラジカル重合禁止剤が挙げらる。これらのラジカル重合禁止剤は単独で使用しても良いし、二種類以上を併用して使用しても良い。
通常は反応液に対して10乃至10000ppmの範囲で使用することが好ましく、より好ましくは50乃至1000ppmである。
【0038】
また反応中のラジカル重合防止のため、ラジカル重合禁止剤の添加に加え、反応時に空気等の酸素含有気体を通気することが望ましい。
【0039】
一般式(4)で表される化合物と一般式(5)で表されるイソシアナト(メタ)アクリレートの反応は通常、50乃至150℃、好ましくは70乃至100℃の範囲で行われる。反応時間は特に限定されないが通常、1乃至20時間の範囲で行われる。
【0040】
一般式(4)で表される化合物と一般式(5)で表されるイソシアナト(メタ)アクリレートの反応後、反応で使用した触媒等を除去するため、必要に応じて水による洗浄を行う。
洗浄の方法としては、反応終了後、反応物の固形分が10乃至40質量%、より好ましくは15乃至25質量%となるように非水溶性溶媒を適宜追加し希釈する。このときの非水溶性溶媒は反応工程において使用したものに限定されることはなく、他のものであっても良い。
次に希釈した反応液に対し、水を50乃至200質量%、好ましくは70乃至100質量%追加し、5乃至60分、好ましくは10乃至20分撹拌を行う。撹拌後、静置すると反応液からなる有機層と、水層の2層に分離するため、分液操作で下層の水層を除去する。このときの静置時間は分離が完了するまでの時間であるが、通常10分乃至2時間である。
上記の水洗工程を必要に応じ、複数回繰り返すことにより、洗浄を行う。
なお洗浄の温度については特に限定されないが、通常10乃至40℃の範囲で行われる。
【0041】
洗浄後、分液操作で分離された有機層を、減圧留去等の方法で濃縮することにより、目的とするジ(メタ)アクリレートを得ることができる。
また洗浄後、分液操作で分離された有機層より沸点の高い、所望の有機溶剤を加え、減圧留去等の方法で濃縮することにより、所望の有機溶剤を含有するの目的のジ(メタ)アクリレート溶液を得ることができる。
【0042】
上記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレートの具体例としては、下記式(2)又は
下記(3)で表されるジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【化12】

【化13】

【0043】
[光硬化性樹脂組成物および硬化物]
本発明の光硬化性樹脂組成物は、前述の(A)新規ジ(メタ)アクリレートと(B)ラジカル重合開始剤を必須成分として含有する。
【0044】
本発明に用いるラジカル重合開始剤としては、特に限定されることはないが、具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、2−メチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。また市販品としては、セイクオールZ(精工化学(株)製)、ベンゾインメチルエーテル(みどり化学(株)製)、イルガキュア184、同907、DAROCUR TPO(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、KAYACURE DETX−S(日本化薬(株)製)等が挙げられ、これらは単独で使用しても2種類以上を併用しても良い。
【0045】
またラジカル重合開始剤と併せて、必要に応じて光増感剤を使用することができる。
光増感剤として特に限定されることはないが、具体例としては、N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン(所謂ミヒラーズケトン)、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0046】
また上記組成物において、前述の新規ジ(メタ)アクリレートに加えて、必要に応じ他のラジカル重合性化合物を併用して使用することも可能である。
ラジカル重合性化合物としては単官能、多官能の(メタ)アクリレート類、スチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン誘導体が挙げられ、使用目的や必要物性に応じて、任意の割合で使用可能である。
【0047】
上記(メタ)アクリレート類としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類等を挙げることができる。
【0048】
これら他のラジカル重合性化合物は、その1種のみを単独で使用できるほか、2種以上を併用して使用することもできる。
そして、このような化合物は、粘度調整剤あるいは光架橋剤として作用するものであり、その使用量は、本発明の樹脂組成物の性質を損なわない範囲で適宜選択することができるが、通常は、上記化合物の少なくとも一種を上記一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート100質量部に対して50質量部以下の範囲で更に配合する。
これらの化合物の配合量が50重量部を越えると、硬化物を製造する際、プリベーク時にタックが起こるなどの問題が出てくる。
【0049】
また、本発明の樹脂組成物において、さらにエポキシ誘導体等のカチオン重合性化合物を含有してもよい。
上記エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂や、フェニルグリシジルエーテル、p−ブチルフェノールグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリシジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基を少なくとも1個有する化合物等が挙げられる。
【0050】
これらエポキシ化合物は、その1種のみを単独で使用できるほか、2種以上を併用して使用することもできる。
そして、これらエポキシ化合物は、通常、上記一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート100質量部に対して50質量部以下の範囲で更に配合する。
これらの化合物の配合量が50重量部を越えると、光照射して硬化させたとき、割れが起こったり、基板上で硬化させた場合には密着性の低下が起こる場合がある。
【0051】
また、本発明の光硬化性樹脂組成物は上述の成分に加えて、必要に応じ、エポキシ基硬化促進剤、重合禁止剤、酸化防止剤、密着助剤、界面活性剤、消泡剤などの添加剤を配合してもよい。
【0052】
上記組成物は、可視光や紫外線の照射によって本発明の硬化物と為すことができる。
【実施例】
【0053】
次に実施例に基づいて本発明をより詳しく説明するが、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、特に記載のない限り、以下に示す%は質量%を表す。
【0054】
<合成例1−1 一般式(6)で表される化合物の合成(ビフェノール型)>
撹拌器、温度計を取り付けた1L加圧反応容器にベンジル酸137.0g(0.60mol)、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ化合物106.3g(0.30mol)、メチルイソブチルケトン365.0gおよび塩基性触媒のテトラメチルアンモニウムクロリド1.2gを仕込み、100℃まで加熱した。100℃にて8時間反応を行い、その後30℃まで冷却し、淡黄色液体を得た。
得られた化合物のGPC分析の結果、原料ピークが消失し新たなピークが一つ生成していること、下記1H−NMR、13C−NMRスペクトル(400MHz、測定溶媒:重D
MSO)の結果から目的とする一般式(6)で表される化合物(下記式(10)で表される化合物)が合成されていることを確認した。
【化14】

【0055】
合成例1−1より得られた化合物の1H−NMR、13C−NMRスペクトルのスペクト
ルデータと帰属は以下の通りである。
1H−NMR(δ,ppm,CD3SOCD3):2.16(s,12H、(CH32−P
h−)、3.34(s,2H、−OCH2CH(OH)CH2−OPh)、3.65(s,4H、−OCH2CH(OH)CH2−OPh)、4.25〜4.35(m,4H、−OCH2CH(OH)CH2−OPh)、5.34(s,2H、−OCH2CH(OH)CH2−OPh)、6.62(s,2H、−C(Ph)2−OH)、7.20〜7.46(m,2
4H、−C(Ph)2−OH,(CH32−Ph−)
13C−NMR(δ,ppm,CD3SOCD3):15.87,16.01((CH32−Ph−)、66.10(−OCH2CH(OH)CH2−OPh)67.45(−OCH2
CH(OH)CH2−OPh)、72.69(−OCH2CH(OH)CH2−OPh)、
80.79(−C(Ph)2−OH)、126.72〜127.71(ベンジル酸由来の
フェニル基の2,3,4位の炭素,ビフェノール基由来の2位の炭素)、130.57(ビフェノール基由来の3位の炭素)、135.36(ビフェノール基由来の1位の炭素)、143.39(ベンジル酸由来のフェニル基の1位の炭素)、154.53(ビフェノール基由来の4位の炭素)、172.99(ベンジル酸由来のカルボニル炭素)
【0056】
<合成例1−2 一般式(4)で表される化合物の合成>
合成例1−1の反応に続いて、反応容器にテトラヒドロ無水フタル酸91.3g(0.60mol)を仕込み、130℃まで加熱した。130℃にて10時間反応を行い、30℃まで冷却を行った結果、淡黄色液体を得た。
得られた化合物のGPC分析の結果、上記式(10)で表される化合物のピークが消失し、新たなピークが一つ生成していること、IRスペクトルよりテトラヒドロ無水フタル酸の1780cm-1のピークが消失していることから、目的とする一般式(4)で表される化合物(下記式(11)で表される化合物)が合成されていることを確認した。
【化15】

【0057】
<予備実験 ベンジル酸と酸無水物の反応>
撹拌器、温度計を取り付けた1L加圧反応容器にベンジル酸137.0g(0.60mol)、テトラヒドロ無水フタル酸91.3g(0.60mol)、塩基性触媒のテトラメチルアンモニウムクロリド1.2g、メチルイソブチルケトン365.0gを仕込み130℃まで加熱した。130℃にて10時間反応を行い、30℃まで冷却を行った。
得られた反応液のGPC分析、1H−NMR(400MHz、測定溶媒:重DMSO)
の結果から、ベンジル酸とテトラヒドロ無水フタル酸のエステル化反応は進行していないことを確認した。
【0058】
<合成例1−3 一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレートの合成>
合成例1−2の反応終了後、1L反応装置にバブリング管を取り付け、2−イソシアナトエチルアクリレート84.7g(0.60mol)、トリエチルアミン0.08g、ジブチルヒドロキシトルエン0.08gを仕込み、乾燥空気をバブリングしながら80℃まで加熱した。80℃にて12時間反応を行い、30℃まで冷却を行い、淡黄色液体を得た。
得られた反応液を5L分液漏斗に移し、そこへメチルイソブチルケトン1310.7g仕込み、撹拌して均一にした。その後、イオン交換水1677.1g仕込み、10分間撹拌後、1時間静置した。1時間後、有機層と水層の2層に分離し、水層を除去した。残った有機層にイオン交換水を1677.1g加え、同様の分液操作を行い、水層を除去した。さらに同様の分液操作を行い、計3回水洗を行った。水洗後、有機層を3Lナスフラスコに移し、50℃で減圧留去により濃縮を行った。有機層の液量が1/3に濃縮されたところで、メトキシプロピルアセテート2096gを加え、更に固形濃度50質量%溶液となるまで濃縮を続けところ、淡黄色溶液を得た。
【0059】
得られた化合物のGPC分析の結果、上記式(11)で表される化合物のピークが消失し、新たなピークが一つ生成していること、IRスペクトルより2−イソシアナトエチルアクリレートの2276cm-1のピークが消失していることから目的とする目的とする一般式(1)で表されるジアクリレート(下記式(2)で表されるメトキシプロピルアセテート溶液)が合成されていることを確認した。
【化16】

【0060】
<合成例2−1 一般式(6)で表される化合物の合成(ビスフェノールA型)>
撹拌器、温度計を取り付けた1L加圧反応容器にベンジル酸137.0g(0.60mol)、ビスフェノールA型エポキシ化合物102.1g(0.30mol)、メチルイソブチルケトン358.7gおよび塩基性触媒のテトラメチルアンモニウムクロリド1.2gを仕込み、100℃まで加熱した。100℃にて8時間反応を行い、30℃まで冷却し、淡黄色液体を得た。
得られた化合物のGPC分析の結果、原料ピークが消失し新たなピークが一つ生成していること、下記1H−NMR(400MHz、測定溶媒:重DMSO)の結果から目的と
する一般式(6)で表される化合物(下記式(12)で表される化合物)が合成されていることを確認した。
【化17】

【0061】
合成例2−1より得られた化合物の1H−NMRのスペクトルデータと帰属は以下の通
りである。
1H−NMR(δ,ppm,CD3SOCD3):1.65(s,6H、−Ph−C(CH32−Ph−)、3.35(s,2H、−OCH2CH(OH)CH2−OPh)、3.9
1(m,4H、−OCH2CH(OH)CH2−OPh)、4.19(m,4H、−OCH2CH(OH)CH2−OPh)、4.40(s,2H、−OCH2CH(OH)CH2−OPh)、6.62(s,2H、−C(Ph)2−OH)、6.75(m,4H、−Ph−
C(CH32−Ph−)、7.15〜7.59(m,24H、−C(Ph)2−OH,−
Ph−C(CH32−Ph−)
【0062】
<合成例2−2 一般式(4)で表される化合物の合成>
合成例2−1に続いて、反応容器にテトラヒドロ無水フタル酸91.3g(0.60mol)を仕込み、130℃まで加熱した。120℃にて10時間反応を行い、30℃まで冷却し、淡黄色液体を得た。
得られた化合物のGPC分析の結果、前記式(12)で表される化合物のピークが消失し、新たなピークが一つ生成していること、IRスペクトルよりテトラヒドロ無水フタル酸の1780cm-1のピークが消失していることから目的とする一般式(4)で表される化合物(下記式(13)で表される化合物)が合成されていることを確認した。
【化18】

【0063】
<合成例2−3 一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレートの合成>
合成例2−2の反応終了後、続いて、1L反応装置にバブリング管を取り付け、2−イソシアナトエチルアクリレート84.7g(0.60mol)、トリエチルアミン0.08g、ジブチルヒドロキシトルエン0.08gを仕込み、乾燥空気をバブリングしながら80℃まで加熱した。80℃にて12時間反応を行い30℃まで冷却した後、淡黄色液体を得た。
得られた反応液を5L分液漏斗に移し、そこへメチルイソブチルケトン1310.7g仕込み、撹拌均一にした。その後、イオン交換水1677.1g仕込み、10分間撹拌後、1時間静置した。1時間後、有機層と水層の2層に分離し、水層を除去した。残った有機層にイオン交換水を1677.1g加え、同様の分液操作を行い、水層を除去した。さらに同様の分液操作を行い、計3回水洗を行った。水洗後、有機層を3Lナスフラスコに移し、50℃で減圧留去により濃縮を行った。有機層の液量が1/3に濃縮されたところで、メトキシプロピルアセテート2096gを加え、更に固形濃度50質量%溶液となるまで濃縮を続けところ、淡黄色溶液を得た。
【0064】
得られた化合物のGPC分析の結果、上記式(13)で表される化合物のピークが消失し、新たなピークが一つ生成していること、IRスペクトルより2−イソシアナトエチルアクリレートの2276cm-1のピークが消失していることから、目的とする式(1)で表されるジアクリレート(下記式(3)で表されるメトキシプロピルアセテート溶液)が合成されていることを確認した。
【化19】

【0065】
[実施例]
上記で得られた式(2)で表される化合物のメトキシプロピルアセテート溶液と式(3)で表される化合物のメトキシプロピルアセテート溶液を用いて、表1に示す処方で光硬化性樹脂組成物の溶液を調製した。
得られた各光硬化性樹脂組成物の溶液について、下記(1)乃至(11)に示した手順
に基づいて各性能を評価した。表1に評価結果を併せて示す。
【0066】
(1)非露光部のアルカリ溶解性
調製した各光硬化性樹脂組成物の溶液をガラス板上にバーコーターを用いて約10μmの厚さに塗布し、90℃で2分間乾燥後、25℃、0.5質量%の水酸化カリウム水溶液
に120秒間浸漬した。
浸漬後のガラス板上に残存する樹脂を目視にて以下の通り評価した。
○:ガラス板上に樹脂が全く残らないもの
△:ガラス板上に樹脂がわずかに残るもの
×:ガラス板上に樹脂が多く残るもの
【0067】
<紫外線硬化膜の作製>
以下の(2)、(4)乃至(10)の評価に用いた硬化膜は、以下の手順に基づいて作製した。
調製した各光硬化性樹脂組成物の溶液をガラス板上にバーコーターを用いて約10μmの厚さに塗布し、90℃で2分間乾燥後、395Wの高圧水銀ランプを用いて70mW/cm2の紫外線を18秒間照射し、硬化膜を得た。
尚、実施例2、4、6、8の各光硬化性樹脂組成物の溶液を用いた膜作製においては、紫外線照射後、さらに150℃で30分加熱し、硬化膜を得た。
【0068】
(2)光硬化性
上記方法によって得られた各硬化膜を、25℃、0.5質量%の水酸化カリウム水溶液
に120秒間浸漬した。その後、硬化膜の状態を以下の通り評価した。
○:硬化膜に影響が全くないもの(厚さが変化せず溶解部分が存在しないもの)
×:硬化膜に影響があったもの(厚さが変化したり、溶解部分があったもの)
【0069】
(3)露光感度
調製した各光硬化性樹脂組成物の溶液をガラス板上にバーコーターを用いて約10μmの厚さに塗布し、90℃で2分間乾燥後、マスクとして21段のステップタブレットを塗膜上に乗せ、395Wの高圧水銀ランプを用いて70mW/cm2の紫外線を18秒間照
射し、0.5質量%の水酸化カリウム水溶液に240秒間浸漬し、現像を行った。
その後、残存するステップタブレットの段数を調べた(この評価法では段数が多いほど、高感度であることを示している。)。
【0070】
(4)タック性の有無
上記方法によって得られた各硬化膜のタック性について、指触を用いて以下の通り評価した。
○:タックが認められないもの
×:タックが認められたもの
【0071】
(5)クラック性の有無の評価
上記方法によって得られた各硬化膜のクラックの有無について、目視によって以下の通り評価した。
○:クラックが認められないもの
×:クラックが認められたもの。
【0072】
(6)鉛筆硬度
上記方法によって得られた各硬化膜について、JIS K5600の試験法に準じて試験を行い、硬度を測定した。
【0073】
(7)密着性
上記方法によって得られた各硬化膜の表面に、JIS K5600の試験法に準じて、25マスの碁盤目を作るようにクロスカットを入れ、粘着テープ(使用した粘着テープ:セロテープ(登録商標))によるピーリング試験を実施した。硬化膜の剥離状態について、目視によって以下の通り評価した。
○:全く剥離が認められないもの
×:剥離が認められたもの
【0074】
(8)耐熱性
上記方法によって得られた各硬化膜を250℃で3時間加熱し、硬化膜の状態を以下の通り目視にて評価した。
○:割れ、剥離が認められず、さらに、加熱後、(7)密着性試験を行った後においても、全く剥離が認められないもの
×:割れ、剥離が認められる、或いは、加熱後、(7)密着性試験を行った後、剥離が認めたもの
【0075】
(9)耐酸性
上記方法によって得られた各硬化膜を5質量%の塩酸溶液に25℃で24時間浸漬し、硬化膜の状態を以下の通り目視にて評価した。
○:溶解せず、さらに、浸漬後、(7)密着性試験を行った後においても、全く剥離が認められないもの
×:溶解が認められる、或いは、浸漬後、(7)密着性試験を行った後、剥離が認めたもの
【0076】
(10)絶縁抵抗
調製した各光硬化性樹脂組成物の溶液をPET板上にバーコーターを用いて塗布し、90℃で2分間乾燥後、395Wの高圧水銀ランプを用いて70mW/cm2の紫外線を1
8秒間照射し、厚さ約30μmの硬化膜を得た。
上記方法によって得られたPET板上の硬化膜の絶縁抵抗値を、ヒューレットパッカード社製ハイレジスタンスメーターを用いて測定した。
【0077】
【表1】

【0078】
表1に示すように、いずれの実施例においても光照射によって硬化膜が作製でき、非露光部のアルカリ溶解性にも優れるものであった。
また得られた硬化膜は、タック性、クラック性を生じず、硬度、密着性、耐熱性、耐酸性に優れ、絶縁抵抗の値も大きいことが観測された。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の新規ジ(メタ)アクリレートは、光硬化性樹脂組成物を為すことができ、該組成物から得られる硬化物は、光学材料、電子材料、接着剤、塗料、インキ、コーティング材料、印刷材料等の多くの用途への応用が期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(1)で表される新規なジ(メタ)アクリレート。
【化1】

(式中、
1、R2はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、
3、R4はそれぞれ独立に、炭素原子数1乃至8のアルキレン基、又は置換基を有してもよいフェニレン基を表し、
5、R6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、又は置換基を有してもよいフェニル基を表し、
7、R8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基又は、アルコキシアルキル基を表し、
9乃至R12はそれぞれ独立に、水素原子又はカルボキシル基を表し、
Aはジグリシジルエーテル化合物の残基を表し、並びに、
Bは酸無水物の残基を表す。)
【請求項2】
下記式(2)で表される新規なジ(メタ)アクリレート。
【化2】

【請求項3】
下記式(3)で表される新規なジ(メタ)アクリレート。
【化3】

【請求項4】
(A)請求項1乃至3のうち何れか一項記載のジ(メタ)アクリレート、及び
(B)ラジカル重合開始剤
を必須成分として含有することを特徴とする、光硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項4記載の光硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。

【公開番号】特開2009−108252(P2009−108252A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283763(P2007−283763)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000221797)東邦化学工業株式会社 (188)
【Fターム(参考)】