説明

新規タンパク質

配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含む新規の単離ポリペプチド、及びそれをコードする核酸分子。該ポリペプチドは、癌、免疫関連性、ウイルス性及び炎症性疾患を含む様々な疾患の治療方法において使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規タンパク質及びその治療上の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトに影響を及ぼす疾患は、それらの原因機序により分類され得る。例えば、免疫学的要素又は病因を有する疾患としては、感染性疾患、急性及び慢性炎症性疾患、癌、移植及び自己免疫性疾患が挙げられる。
【0003】
自己免疫性疾患の例としては、多発性硬化症(MS)、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫性ブドウ膜強膜炎、自己免疫性甲状腺炎、橋本病、膵島炎、シェーグレン症候群、自然流産、実験的自己免疫性心筋炎、関節リウマチ(RA)、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、狼瘡(SLE)、乾癬及び糖尿病(特にI型)が挙げられる。
【0004】
自己免疫性疾患の追加例としては、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、自己免疫性形成不全貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂質血症、自己免疫性免疫不全、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、軸索および神経細胞ニューロパチー、Bal病、Behnet病、水疱性類天疱瘡、心筋ミオパチー、キャッスルマン病、セリアック病(非熱帯性)、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性ポリニューロパチー(CIDP)、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素疾患、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、クレスト疾患、本態混合性クリオグロブリン血症、脱髄性ニューロパチー、皮膚筋炎、デビック病、円板状狼瘡、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エバンス症候群、線維筋痛、線維化性肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、溶血性貧血、ヘノッホ・シェ−ライン紫斑病、妊娠性ヘルペス、低ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、免疫調節リポタンパク質、封入体筋炎、インスリン依存性糖尿病(I型)、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病、川崎症候群、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線状IgA疾患(LAD)、ライム病、メニエール病、顕微鏡的多発動脈炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハ・ハーベルマン病、筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、骨関節炎、回帰性リウマチ、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パーソネージ・ターナー症候群、扁平部炎(末梢ブドウ膜炎)、天疱瘡、末梢性ニューロパチー、免疫脳脊髄炎、有害な貧血、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、I、II、およびIII型自己免疫性多腺性症候群、リウマチ性多発性筋痛、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心筋切開後症候群、プロゲステロン皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変症、乾癬性関節炎、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、赤芽球癆、レイノー現象、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、下肢静止不能症候群、リウマチ熱、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、精子および精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、自己免疫性甲状腺疾患、トローザハント症候群、横断性脊髄炎および壊死性ミエロパシー、潰瘍性大腸炎、未分化型結合組織病(UCTD)、脈管炎、水泡性皮膚病、白斑及びウェゲナー肉芽腫症が挙げられる。
【0005】
癌の種類の例としては、限定しないが、副腎皮質癌、悪性メラノーマ、非メラノーマ皮膚癌、皮膚反応性T細胞リンパ腫、カポジ肉腫、膀胱癌、結腸癌、結腸直腸癌、直腸癌、神経管外胚葉及び松果体癌、小児脳幹神経膠腫、小児小脳アストロチトーム、小児脳アストロチトーム、小児髄芽腫、小児視路グリオーマ、髄膜腫、混合性神経膠腫、乏突起膠腫、アストロチトーム、上衣細胞腫、下垂体腺腫、転移性腺癌、聴神経腫、傍脊椎悪性奇形腫、乳癌、腺管癌腫、乳腺腫瘍、卵巣癌、カルチノイド腫瘍、子宮頚管癌、子宮癌、子宮内膜癌、膣癌、外陰癌、妊娠性栄養膜癌、卵管癌、子宮肉腫、白血病、リンパ腫(ホジキン病及び非ホジキン病)、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、軟組織肉腫、ウィルムス腫瘍、ファンコーニ貧血、ランゲルハンス細胞組織球症、腎臓の悪性横紋筋様腫瘍、肝臓癌、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、絨毛癌腫、内分泌癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫、眼癌、消化管癌、胃腸癌、泌尿生殖器癌、神経膠腫、女性生殖器癌、頭頸部癌、肝細胞癌、下咽頭癌、膵島細胞癌、腎臓癌、喉頭癌、肺癌、リンパ腫、男性乳癌、メラノーマ、中皮腫、多発性骨髄腫、鼻咽頭癌、非メラノーマ皮膚癌、食道癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、下垂体癌、前立腺癌、腎細胞癌腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、肉腫、皮膚癌、扁平上皮細胞癌腫、胃癌、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、移行細胞癌、栄養膜癌、子宮癌、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、腺様嚢胞癌腫、肛門癌、骨癌、腸癌、腺管癌腫、脂肪肉腫、神経芽細胞腫、腎芽腫及び骨肉腫が挙げられる。
【0006】
炎症性疾患としては、敗血症、内毒素血症、膵炎、ブドウ膜炎、肝炎、腹膜炎、角膜炎、SIRS及び損傷誘発性炎症が挙げられる。
【0007】
生殖能力に関連する疾患としては、男性不妊症及び女性不妊症が挙げられる。
【0008】
男性不妊症は、様々な障害によって生じ得る。より一般的な障害のいくつかを下記に挙げる。
【0009】
・精子産生不足:男性不妊症の90%は、十分な精子を産生出来ないことにより生じる。無精子症は精子がまったく産生されなかった場合に起こり、一方、精子減少症は精子がほとんど産生されない場合に診断される。ほとんどの精子が卵細胞に到達前に破壊されるため、精子が多いほど卵細胞の受胎に成功する可能性が高くなる。しかし、男性の有する精子が健康であり、適切に形成され、且つ可動である場合、精子数が少ないこと又は精子総数が5百万/mL未満であることは必ずしも男性が不妊であることを意味しない。
【0010】
・精索静脈瘤:2つの精索のうち1つの周囲の精索静脈瘤は、精巣内鬱血を起こし得る、これは、続いて、この場所の温度を高める。より高い温度は精子産生を低減し、不妊症に至らせ得る。幸いなことに、本障害は外科手術によって治療し得る。
【0011】
・他の障害:男性不妊症を起こし得る他の障害としては、精巣の発育異常又は損傷(内分泌障害又は炎症により起きる)、付属腺障害、性交障害、男性生殖器官における嚢胞の原因となる1950年代及び1960年代に使用された合成エストロゲンであるジエチルスチルベストロール(DES)への曝露、停留精巣、並びに稀なケースでは染色体異常などの遺伝的障害が挙げられる。
【0012】
女性不妊症も様々な問題によって起こされ得る。より一般的な障害のいくつかを下記に挙げる。
【0013】
・多嚢胞卵巣疾患:本疾患は女性における排卵障害の最も一般的な原因であり、卵巣内の多数の微小嚢胞の存在、アンドロゲン過剰産生、及び過少月経(infrequent periods)(過少月経(obliomenorrhoea))又は無月経(absent periods)(無月経(amenorrhoea))により特徴付けられる。排卵機能不全は女性不妊症の最も一般的な原因であり、明白な理由なく、又はストレス、ホルモン不均衡、及び生殖系の様々な疾患及び障害(いくつかは下記に記載する)の結果として生じ得る。
【0014】
・骨盤内炎症性疾患:本生殖器官感染症は卵管の閉塞又は損傷に到り得、通常、性感染症、流産、中絶、分娩、又は子宮内避妊器具によって起こされる。
【0015】
・排卵機能障害:本障害は、年齢、ホルモン不均衡、又は他の障害のために女性の卵巣が卵細胞を産生しないとき又は通常より少ない卵細胞を産生するときに生じる。
【0016】
・子宮筋腫:これらの良性子宮腫瘍は女性の40%に生じ、胚の着床又は胎児の成長に干渉し得る。
【0017】
・子宮内膜症:本障害は、子宮の内側を覆う組織(子宮内膜)が増殖して子宮外(通常、卵巣、卵管、及び子宮を支える靱帯、膣と直腸間の領域、子宮外表面、骨盤腔内面、膀胱、腸、膣、頚部、外陰、及び腹部の外科的瘢痕内における)の腫瘍又は病巣となる場合に生じる。本組織は月経周期と同期して、毎月蓄積し、壊れ、そして剥がれ落ちる。しかし残念ながら、体外への排出手段はない。その結果、内出血、病巣由来の血液及び組織の崩壊、並びにほとんどの場合、疼痛、不妊、瘢痕組織形成、癒着、及び腸障害を起こし得る炎症を引き起こす。
【0018】
・免疫性不妊症:本障害は女性のシステムがパートナーの精子を破壊する抗精子抗体を産生するときに生じる。
【0019】
糖質代謝障害は多くの形で生じる。最も一般的な障害は後天性である。後天性又は続発性糖質代謝異常、例えば糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧性昏睡、及び低血糖症などは、すべて中枢神経系に影響を及ぼす。末梢神経疾患の多くの形及び変異形もまた糖尿病において見られる。その他の糖質代謝障害は稀な先天性代謝異常(すなわち遺伝的欠損)である。
【0020】
糖質代謝の後天性障害は、米国において及び国際的にかなり一般的である。アルコール依存症及びインスリン治療を受けている糖尿病患者において、低血糖症は神経疾患、特に急性精神機能低下、記憶喪失、失見当識、知覚鈍磨、及び昏睡の一般的な原因である。他の原因による高インスリン血症は稀であるが、膵臓腫瘍は原因となり得る。様々な神経合併症を伴う糖尿病は、成人患者において治療される最も一般的な障害の1つである。糖尿病性ケトアシドーシスは、教育及び精密な医学的追跡調査によって、数十年前よりも一般的ではなくなっているが、未だに生じる。高浸透圧性昏睡も、Plum及びPosnerによる伝統的モノグラフであるDiagnosis of Stupor and Coma(知覚麻痺及び昏睡の診断)によって初めて内科医の注目を浴びたときほど問題ではなくなっている。高浸透圧性昏睡は未だに生じ、昏迷患者の評価中に留意する必要がある。
【0021】
糖質代謝の遺伝的障害は稀である。ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH)複合体の重度欠陥及び五炭糖尿症と呼ばれる良性化学的異常がごくわずかな患者(2〜6人)において報告されてきている。
【0022】
低血糖症、糖尿病性ケトアシドーシス、及び高浸透圧性昏睡はすべて潜在的に致死的だが、潜在的に治療可能な疾患である。
【発明の概要】
【0023】
KTPAF50と名付けられた新規タンパク質が新規cDNAに基づき現在見出されている。該cDNAによってコードされたペプチドは74アミノ酸の長さであり、そのN末端上に24アミノ酸のシグナルペプチドを含む。KTPAF50のcDNA配列(配列番号1)及びアミノ酸配列(配列番号2)は下記のとおりである:
【0024】
atgccaggc cattctagg cttctgtct atcctggtt tctggtctg tgcgttgtg ggtagcagc attggcgta ttacgccgg agggagcag gctgagcga ggctccaga aggtgcgca atagccgga gaggaaagg gcgatgctg tcacctagc cccctccct gagactcca ttcagccca gaaaaagga gctgctttc tcccccatc taccctagg agaaaa(配列番号1)
【0025】
MPGHSRLLSILVSGLCVVGSSIGVLRRREQAERGSRRCAIAGEERAMLSPSPLPETPFSPEKGAAFSPIYPRRK(配列番号2)
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
したがって、本発明は配列番号1の核酸分子及び配列番号2のペプチドを提供する。配列番号2のポリペプチドは本明細書において「完全なKTPAF50ペプチド」と表す。
【0027】
完全なKTPAF50ペプチドは24アミノ酸で構成されると考えられるシグナル配列も含む。したがって、本発明は、下記配列(配列番号4)からなる、シグナルペプチドを含まない完全なKTPAF50ペプチド配列を含むペプチドも提供する:
【0028】
LRRREQAERGSRRCAIAGEERAMLSPSPLPETPFSPEKGAAFSPIYPRRK(配列番号4)
【0029】
シグナル配列(配列番号4)を欠くKTPAF50ペプチドは本明細書において「KTPAF50ペプチド」又は「KTPAF50」と表す。
【0030】
また、本発明はKTPAF50ペプチドをコードする配列を含む核酸分子も提供する。これは下記配列(配列番号3)を含む:
【0031】
ttacgccgg agggagcag gctgagcga ggctccaga aggtgcgca atagccgga gaggaaagg gcgatgctg tcacctagc cccctccct gagactcca ttcagccca gaaaaagga gctgctttc tcccccatc taccctagg agaaaa(配列番号3)
【0032】
本発明は、配列番号1又は配列番号3の修飾核酸分子および配列番号2又は配列番号4の修飾ペプチドも提供する。その場合、非修飾分子と比較して修飾分子の生物学的特性に有意な影響を及ぼさずに、1つ以上のヌクレオチド又はアミノ酸残基がそれぞれ付加、欠失又は置換される。
【0033】
「ペプチド」という用語は本明細書において、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質を指すために使用される。ペプチドは、遺伝子工学的方法、宿主細胞内発現、又は他の任意の適した手段を通して合成的に得られる。別段の定めがない限り、ペプチドは通常、天然に生じるL−アミノ酸からなる。
【0034】
「生物学的特性」という用語は、ペプチド分子に関して、完全なKTPAF50ペプチド又はKTPAF50ペプチドによって発揮され得るインビトロ(in vitro)又はインビボ(in vivo)効果の少なくとも1つを発揮するペプチドの能力を指し、限定しないが、本明細書に記載された生物学的活性を含む。例えば、生物学的特性としては、癌、免疫系関連疾患、ウイルス性疾患及び炎症性疾患の治療能力が挙げられる。「生物学的特性」という用語は、核酸分子に関して、完全なKTPAF50ペプチド又はKTPAF50ペプチドの生物学的特性に類似した生物学的特性を有するペプチドをコードする特性を指し、該特性としては、特に、(i)遺伝暗号の冗長性によって、配列番号1又は配列番号3の配列とは異なる配列を有するが、完全なKTPAF50ペプチド又はKTPAF50ペプチドをそれぞれコードする核酸分子、及び(ii)完全なKTPAF50ペプチド又はKTPAF50ペプチドとは異なる配列のアミノ酸分子をコードするが、完全なKTPAF50ペプチド又はKTPAF50ペプチドそれぞれの生物学的特性と類似した生物学的特性を有するアミノ酸分子をコードする核酸分子、とが挙げられる。
【0035】
「非修飾分子と比較して修飾分子の生物学的特性に有意な影響を及ぼさない」という用語は、非修飾分子の生物学的特性に定性的に類似した生物学的特性を保持する修飾分子を示すことを意味する。修飾ペプチドに関して、これは配列番号2又は配列番号4のペプチドの生物学的特性の1つ以上を保持することを意味し、特に下記のように、本明細書に記載されたそのインビトロ及びインビボ活性と同様に、その診断的及び治療的適用を含む。ペプチドが非修飾分子に類似した生物学的活性を定性的に保持するか決定するために、1つ以上の試験、例えば並行して試験された、対応する非修飾ペプチド(すなわち完全なKTPAF50ペプチド又はKTPAF50ペプチド)と修飾ペプチドを比較するインビトロ、インビボ又は臨床的実験、又は修飾ペプチドが、別に行った実験によって分かった非修飾ペプチドの生物学的効果に類似した生物学的効果を有するかどうか調べるために検討した実験、を実行し得る。そのような実験は、例えば、下記の実施例に記載された方法で実行され得る。修飾核酸分子に関して、「非修飾分子と比較して修飾分子の生物学的特性に有意な影響を及ぼさない」という用語は上記の任意の特徴の修飾ペプチドをコードする特性を示す。
【0036】
修飾ペプチドは、KTPAF50ペプチドにおいて少なくとも8、12、15、20、25、30、35、40又は少なくとも45アミノ酸残基の対応配列と一定の同一性を有する少なくとも8、12、15、20、25、30、35、40又は少なくとも45アミノ酸残基の連続配列を含むペプチドを含み得、一定の同一性とは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%及び特に好ましくは少なくとも95%である。
【0037】
本発明は、少なくとも8アミノ酸残基を含む完全なKTPAF50ペプチドからの一部の連続配列を含むペプチドをさらに提供し、該連続配列は前記の完全なKTPAF50ペプチドにおける連続配列として含まれる。そのようなペプチドは、本明細書において「一部のKTPAF50ペプチド」と表す。一部のKTPAF50ペプチドの例としては、限定しないが、下記実施例VIに記載された配列番号7及び配列番号8が挙げられる。
【0038】
本発明は、完全なKTPAF50ペプチド、KTPAF50ペプチド、修飾ペプチド又は一部KTPAF50ペプチドのアミノ酸配列を含むタンパク質又はポリペプチド(そのようなタンパク質又はポリペプチドは本明細書において「KTPAF50含有タンパク質」と表す)をさらに提供する。該KTPAF50含有タンパク質は、例えば、完全なKTPAF50ペプチド、KTPAF50ペプチド、修飾ペプチド又は一部のKTPAF50ペプチドを含む融合タンパク質の場合がある。また、完全なKTPAF50ペプチド、KTPAF50ペプチド、修飾ペプチド又は一部のKTPAF50ペプチドを伴う、タンパク質又は他のペプチド又はポリペプチドとの複合体である場合などがある。
【0039】
本発明は、(i)配列番号1に含まれる連続する24核酸配列を含み得る、少なくとも8アミノ酸残基を含むKTPAF50ペプチドの一部の連続配列をコードするオリゴヌクレオチド、(ii)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下にて配列番号1のヌクレオチド配列へハイブリダイズし得るヌクレオチド配列、(iii)少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%及び特に好ましくは少なくとも95%の配列番号1に含まれる連続するヌクレオチド配列に対応する配列と一定の同一性を示す、少なくとも24連続ヌクレオチド配列のオリゴヌクレオチドも提供する。
【0040】
本発明は、核酸分子、例えば上記の任意の核酸分子を含むトランスファーベクター又は発現ベクターも提供する。
【0041】
また、本発明は、上記に定義した任意のペプチドから派生した修飾ペプチド、例えば、保存的置換によって1つ以上のアミノ酸が別のアミノ酸に置換された修飾ペプチドも提供する。本明細書で使用されるように、「保存的置換」とは、同一クラスのアミノ酸による1つのクラスのアミノ酸置換を示し、該クラスは一般的な物理化学的なアミノ酸側鎖の特性及び自然界で見出される相同タンパク質における高頻度の置換によって定義される。アミノ酸側鎖は、クラスI(Cys)、クラスII(Ser、Thr、Pro、Ala、Gly)、クラスIII(Asn、Asp、Gln、Glu)、クラスIV(His、Arg、Lys)、クラスV(Ile、Leu、Val、Met)、及びクラスVI(Phe、Tyr、Trp)を含む6つの一般的なクラスに分類される。例えば、Aspを、Asn、Gln又はGluなどの他のクラスIIIの残基に置換することは保存的置換である。
【0042】
一実施形態では、アミノ酸配列において置換は1つのみ行われる。別の実施形態では、2つの置換が行われる。さらなる実施形態では、3つの置換が行われる。置換の最大数は、置換されていない配列における少なくとも70%、望ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の同一性を残すようにし、そのアミノ酸数を超えるべきではない。好ましい一実施形態では、他によって置換されたアミノ酸残基を最大3つ、時に、最大6つ含む置換は保存的置換である。
【0043】
さらなる実施形態では、1つ以上のアミノ酸をD−アミノ酸、好ましくは対応するD−アミノ酸によって置換し得る。好ましい実施形態では、全アミノ酸がD−アミノ酸である。
【0044】
さらなる実施形態では、上記配列の逆順配列も本発明に含まれる。
【0045】
したがって、本発明は、1つ以上の保存的置換によって修飾した配列番号2の完全なKTPAF50ペプチド又は好ましくは配列番号4のKTPAF50ペプチド又はその一部KTPAF50配列も提供する。
【0046】
したがって、少なくとも10、又は15、又は20、又は25、又は30、又は35、又は40アミノ酸残基又はKTPAF50ペプチドの完全な配列を含むペプチドを提供する。
【0047】
本発明はまた、KTPAF50ペプチド、完全なKTPAF50ペプチド、一部のKTPAF50ペプチド、修飾ペプチド若しくはKTPAF50を含むタンパク質又は上述した任意の核酸分子を使用した、治療方法、診断方法及び医薬組成物をも含む。治療方法、診断方法及び医薬組成物は、上記の背景の部に挙げた1つ以上の疾患及び障害に対して使用し得る。
【0048】
本発明による医薬組成物としては、薬学的に許容可能な担体と組み合わせたKTPAF50ペプチド、完全なKTPAF50ペプチド、一部のKTPAF50ペプチド、修飾ペプチド若しくはKTPAF50を含むタンパク質又は上述した任意の核酸分子が挙げられる。
【0049】
「薬学的に許容可能な担体」という用語によって、有効成分に反応しない不活性、無毒性材料の任意の1つを意味する。担体は時々、製剤の望ましい剤形に基づき選択される。担体は時々、薬物安定性の改良、クリアランス率の遅延化、徐放特性の付与、望ましからぬ副作用の低減など、標的組織までの有効成分の送達又は浸透を改良する効果を有する場合がある。担体は食用香味剤などと共に製剤化するため、剤形を安定させる物質(例えば保存料)でもよい。担体は従来使用されている任意のものでよく、溶解度及びポリペプチドとの反応性欠如などの物理化学的考慮、及び投与経路によってのみ限定される。担体は添加剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、湿潤剤、保存料、香料剤、及び薬理学的に適合する担体を含んでよい。加えて、担体は予測可能な方法で有効成分の作用に影響を及ぼす物質と定義されるアジュバントでよい。担体の典型例としては、(a)水、生理食塩水、天然果汁、アルコール、シロップなどの、希釈剤に有効量の活性物質が溶解されている溶液、(b)カプセル(例を挙げると、例えば界面活性剤、滑剤及び不活性の増量剤を含む、普通の硬膜又は軟膜のゼラチン型)、錠剤、薬用キャンディー(該活性物質は、スクロース及びアカシア又はトラガカントなどの香味剤の中、又は該活性物質はゼラチン及びグリセリンなどの不活性な基剤の中である)及びトローチであり、各々は所定量の活性剤を固体又は顆粒として含む、(c)粉末、(d)適切な液体中の懸濁液、(e)適切な乳剤、(f)リポソーム製剤、などが挙げられる。
【0050】
KTPAF50ペプチドの潜在的診断適応及び治療適応は下記の1つ以上を含み得る。
【0051】
1.KTPAF50は、異なる生物由来の毒素の皮下注射後の免疫能力欠如の診断手段としての役割を果たし得る。
【0052】
2.血中KTPAF50レベル検査は、免疫系活性レベルの指標としての役割を果たし得る。
【0053】
3.KTPAF50レベルは、自己免疫性疾患の指標としての役割を果たし得る。
【0054】
4.KTPAF50は免疫系の刺激剤としての役割を果たし得る。例えば、KTPAF50は細菌、寄生生物及びウイルス毒素に対する免疫能力欠如の治療に使用し得る。
【0055】
5.KTPAF50はアレルギー性及び炎症性応答を低減する治療手段として利用し得る。例えば、KTPAF50は喘息又はその症状の発生を低減するために使用し得る。
【0056】
6.KTPAF50はAIDS及び合併免疫不全などの免疫不全疾患を治療する治療手段として使用し得る。
【0057】
7.KTPAF50はグルコース代謝障害を治療する治療手段として使用し得る。
【0058】
9.KTPAF50は他のいくつかの疾患の治療に使用し得る。例えば、KTPAF50はBDI、筋無力症、多発性硬化症、糖尿病I型、関節リウマチ、系統的狼瘡、強皮症、慢性自己免疫性溶血性貧血、結腸炎及びクローン病などの自己免疫性病変を治療する免疫系の抑制剤としての役割を果たし得る。
【0059】
10.KTPAF50は、肺癌、喉頭癌腫、頭頸部及び乳癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、乳癌、肝細胞癌、メラノーマなどの癌疾患を治療する免疫系刺激剤としての役割を果し得る。
【0060】
11.KTPAF50は高齢者若しくは若年者又は免疫不全の者の免疫応答を高め得る。
【0061】
12.KTPAF50は男性不妊症又は女性不妊症治療のための治療手段として用いられ得る。
【0062】
13.KTPAF50は異なる免疫反応の一般的な刺激剤又は阻害剤としての役割を果たし得、また心臓及び肺などのような他の臓器に直接的又は間接的に影響を及ぼし得る。
【0063】
14.KTPAF50は免疫系から特定細胞を特定して細胞療法用に使用するプローブとしての役割を果たし得る。
【0064】
15.KTPAF50又はその一部をコードする核酸配列は、特定のヒトDNA及びcDNA配列を特定するプローブとしての役割を果たし得る。
【0065】
上記の診断適応及び治療適応のために、完全なKTPAF50ペプチド、一部のKTPAF50ペプチド又はKTPAF50を含むタンパク質、又はその修飾ペプチドも使用し得る。
【0066】
発明を理解し、実際にどのように実行できるかを見るために、ここで実施例のみに限定しない形で、付属の図面を参照して実施形態を下記のとおり記載する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】KTPAF50の提示した濃度(ng/mL)で処理したヒト末梢白血球由来のIL−17(pg/mL)分泌を示すグラフである。
【図2】KTPAF50の提示した濃度(ng/mL)で処理したヒト末梢白血球由来のINF−γ(pg/mL)分泌を示すグラフである。
【図3】KTPAF50の提示した濃度(ng/mL)で処理したヒト末梢白血球由来のTNF−α(pg/mL)分泌を示すグラフである。
【図4】KTPAF50濃度(ng/mL)関数としての生存細胞%(対照量に標準化した)を示す棒グラフである。
【図5】免疫細胞傷害性応答に関連する様々な種類の細胞における一定のKTPAF50 mRNA誘導を示す棒グラフである。
【図6】処理群(▲)及び未処理群(■)(対照)のヌードマウスのU937腫瘍体積(mm)を時間関数として示すグラフである。
【図7】KTPAF50ペプチド及びその画分の濃度(ng/mL)関数としての生存細胞%(対照量に標準化した)を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0068】
【実施例1】
【0069】
新規cDNAがヒトcDNAライブラリより単離された。
RT−PCR分析のために下記プライマーを使用した。
5’ − GCT TCT GTC TAT CCT GGT TTC TGG − 3’(配列番号5)
5’ − TTT CTC CTA GGG TAG ATG GG − 3’(配列番号6)
【0070】
下記PCR条件を使用した。
95℃を2分間
下記を40サイクル:
95℃を45秒間
59℃を45秒間
72℃を5分間
最終サイクル:
72℃を5分間
PCR産物をシーケンシングした。
アガロースゲル上のPCR分析及びCybar Green(Invitrogene)による染色後、BioRad ChemiDoc分析器を用いてPCR産物の強度を評価した。結果は下記のとおりである:
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【0071】
cDNAの発現が見られ得る主な組織は、腎臓、膵臓、精巣及び胎盤である。興味深いことに、産物は白血球においても発現し、該発現は細胞の活性化に関連して変化した。
【実施例2】
【0072】
様々な疾患におけるKTPAF50の潜在的効果を決定するために、KTPAF50をヒト末梢白血球(pWBC)と共にインキュベートし、サイトカインのパネル量を測定した。
【0073】
KTPAF50は、Anaspec社によって化学的に合成された。
【0074】
PHA含有培地(Biological Industries INC−カタログ番号−01−201−1)(2mL培地中2百万細胞/ウェル)内で総ヒト白血球を培養した。該細胞を図に提示した濃度のKTPAF50で3日間処理した。対照細胞は処理しなかった。
【0075】
3日目、培地を採取し、e−Bioscience社のキットを用いて、ヒトIL−17(カタログ番号:88−7176)、ヒトINF−γ(カタログ番号:88−7316)及びヒトTNF−α(カタログ番号:88−7346)のELISA分析を行った。結果を図1、2及び3に要約する。
【0076】
KTPAF50がpWBCを刺激し、測定した全3サイトカインを分泌することが見られる場合がある。IL−17の分泌は、KTPAF50が炎症促進の役割を有し得ることを示す。INF−γの分泌は、KTPAF50が抗ウイルス、抗癌及び炎症促進の役割を有し得ることを示す。TNF−αの分泌は、KTPAF50が免疫系を刺激する役割を有し得ることを示す。
【実施例3】
【0077】
癌に対するKTPAF50の効果をさらに決定するために、KTPAF50を癌細胞株と共にインキュベートした。
【0078】
U937急性骨髄性白血病細胞及びPC3前立腺癌細胞を10%FCS+RPMI培地で増殖させ、96ウェルプレートに20,000細胞/ウェルで四重に播種した。
【0079】
KTPAF50を1日間、細胞と共にインキュベートし、レサズリン(R&D System)及び分光光度計を用いて生存細胞を検出した。結果を図4に提示する。
【0080】
KTPAF50が、2種類の癌由来の生存細胞の有意な減少を起こすことが見られる場合がある。
【実施例4】
【0081】
免疫応答におけるKTPAF50の役割をさらに調べるために、様々な免疫細胞傷害性細胞におけるKTPAF50の存在を決定した。
【0082】
下記の細胞のヒトcDNAライブラリをClontech社から購入した。
1.単球−静止期(R)及び活性化(A)単球(細胞はLPS又はPHAを用いて活性化した)
2.CD8−R及びA細胞傷害性CD8 T細胞
3.CD19−R及びA CD19 B細胞
4.CD4−R及びA CD4 Tヘルパー細胞
【0083】
これらの細胞におけるKTPAF50 mRNAの定量分析をKTPAF50の特異的プライマーを使用したRT−PCR法によって実行した。結果を図5に要約する。
【0084】
B細胞の活性化がKTPAF50の発現の減少を引き起こす一方、単球及び細胞傷害性T細胞の活性化が、KTPAF50の発現の有意な増加をもたらす場合がある。Tヘルパー細胞の活性化又は非活性化は、KTPAF50の発現に対して無効であった。したがって、KTPAF50は、細胞の免疫応答の活性化のマーカーとして、及びTH1対Th2経路を識別するために用いてよい。
【実施例5】
【0085】
癌細胞におけるKTPAF50の効果はインビボ(in vivo)でも試験した。
【0086】
8〜9週齢の14匹の胸腺欠損雌ヌードマウスをHarlan Biotech、Israelから購入した。マウスに15x10個のU937細胞を皮下注射により接種した。腫瘍は増殖し始め、9日目にマウスを2群に分けた。
・生理食塩水を注射した対照群。
・KTPAF50を注射した処置群(25μg/マウス)
【0087】
20日目に、対照群マウス4匹が巨大な腫瘍を有していたため、倫理上の理由から屠殺した。結果を図6に提示する。
【0088】
顕著な結果は、KTPAF50が完全に腫瘍の増殖を抑えたことを示す。
【実施例6】
【0089】
完全なKTPAF50ペプチドを活性に必要とするか判断するため、上記実施例IIIに記載された実験を、U937細胞を使用して、完全なKTPAF50ペプチド及びその断片を用いて反復した。
下記KTPAF50ペプチドを使用した。
A−KTPAF50ペプチド(50アミノ酸)
B−KTPAF50のN末端36アミノ酸(LRRREQAERGSRRCAIAGEERAMLSPSPLPETPFSP)(配列番号7)
C−KTPAF50のC末端14アミノ酸(EKGAAFSPIYPRRK)(配列番号8)
【0090】
結果を図7に要約する。
【0091】
KTPAF50画分が、KTPAF50ペプチドに類似した抗癌活性を有することが見られる場合がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド。
【請求項2】
非修飾分子と比較して修飾分子の生物学的特性に有意な影響を及ぼさずに1つ以上のアミノ酸残基が付加、欠失又は置換された配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド。
【請求項3】
少なくとも8アミノ酸残基を含む配列番号2の連続配列を一部含み、該連続配列は前記配列番号2の連続配列として含まれる単離ポリペプチド。
【請求項4】
配列番号7又は配列番号8を含む請求項3に記載の単離ポリペプチド。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリペプチドのアミノ酸配列を含む単離タンパク質又はポリペプチド。
【請求項6】
保存的置換によって別のアミノ酸残基で各々最大3残基置換された配列番号2又は配列番号4の修飾配列を含む、請求項2に記載の単離ポリペプチド。
【請求項7】
1つ以上のアミノ酸が対応するD−アミノ酸によって置換された、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチド配列。
【請求項8】
アミノ酸が逆順である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド配列。
【請求項9】
請求項1に記載の単離ポリペプチドをコードした配列を含む単離核酸分子。
【請求項10】
遺伝暗号の冗長性によって可能になる、1つ以上の核酸残基が他の核酸残基によって置換されている配列番号1又は配列番号3の配列を含む単離核酸分子。
【請求項11】
非修飾分子と比較して修飾分子の生物学的特性に有意な影響を及ぼさずに1つ以上のヌクレオチドが付加、欠失又は置換された配列番号1又は配列番号3のヌクレオチド配列を含む単離核酸分子。
【請求項12】
配列番号5及び配列番号6から選択された配列からなる単離核酸分子。
【請求項13】
少なくとも24ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドであり、(i)少なくとも8アミノ酸残基を含み、配列番号2の一部の連続アミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチド、(ii)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下にて配列番号1のヌクレオチド配列にハイブリダイズし得るヌクレオチド配列、又は(iii)少なくとも70%の同一性をもって、配列番号1に含まれるヌクレオチドに対応する連続配列と一定の同一性を示す、少なくとも連続する24ヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチド。
【請求項14】
配列番号1に含まれる連続する30ヌクレオチド配列を含む、請求項13に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項15】
請求項9〜14のいずれか一項に記載の配列を含む核酸ベクター。
【請求項16】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の単離ポリペプチドを含む医薬組成物。
【請求項17】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリペプチドの有効量を、必要としている対象に投与することを含む、疾患又は障害の治療方法。
【請求項18】
疾患又は障害が、免疫学的要素又は病因を有する疾患、感染性疾患、急性及び慢性炎症性疾患、癌、移植及び自己免疫性疾患、生殖能力に関連する疾患及び糖質代謝障害の群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
癌が副腎皮質癌、悪性メラノーマ、非メラノーマ皮膚癌、皮膚反応T細胞リンパ腫、カポジ肉腫、膀胱癌、結腸癌、結腸直腸癌、直腸癌、神経管外胚葉及び松果体癌、小児脳幹神経膠腫、小児小脳アストロチトーム、小児脳アストロチトーム、小児髄芽腫、小児視路グリオーマ、髄膜腫、混合性神経膠腫、乏突起膠腫、アストロチトーム、上衣細胞腫、下垂体腺腫、転移性腺癌、聴神経腫、傍脊椎悪性奇形腫、乳癌、腺管癌腫、乳腺腫瘍、卵巣癌、カルチノイド腫瘍、子宮頚管癌、子宮癌、子宮内膜癌、膣癌、外陰癌、妊娠性栄養膜癌、卵管癌、子宮肉腫、白血病、リンパ腫(ホジキン病及び非ホジキン病)、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、軟組織肉腫、ウィルムス腫瘍、ファンコーニ貧血、ランゲルハンス細胞組織球症、腎臓の悪性横紋筋様腫瘍、肝臓癌、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、絨毛癌腫、内分泌癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫、眼癌、消化管癌、胃腸癌、泌尿生殖器癌、神経膠腫、女性生殖器癌、頭頸部癌、肝細胞癌、下咽頭癌、膵島細胞癌、腎臓癌、喉頭癌、肺癌、リンパ腫、男性乳癌、メラノーマ、中皮腫、多発性骨髄腫、鼻咽頭癌、非メラノーマ皮膚癌、食道癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、下垂体癌、前立腺癌、腎細胞癌腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、肉腫、皮膚癌、扁平上皮細胞癌腫、胃癌、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、移行細胞癌、栄養膜癌、子宮癌、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、腺様嚢胞癌腫、肛門癌、骨癌、腸癌、腺管癌腫、脂肪肉腫、神経芽細胞腫、腎芽腫及び骨肉腫を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
免疫学的要素又は病因を有する疾患、感染性疾患、急性及び慢性炎症性疾患、癌、移植及び自己免疫性疾患、生殖能力に関連した疾患及び糖質代謝障害からなる群から選択した疾患又は障害を治療するための医薬組成物製造のための請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリペプチドの有効量の使用。
【請求項21】
KTPAF50又はその一部をコードする核酸配列を伴う前記配列を含む物質との接触を含む、特定のヒトDNA及びcDNA配列の特定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−507545(P2011−507545A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540219(P2010−540219)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際出願番号】PCT/IL2008/001674
【国際公開番号】WO2009/083968
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(510170992)トゥー トゥー バイオテック リミテッド (1)
【Fターム(参考)】