説明

新規環状ペプチド化合物

本発明は、C型肝炎ウイルスレプリコンのRNA複製に対する阻害活性に基づく抗C型肝炎ウイルス活性を有している新規環状ペプチド化合物またはその塩に関するものであり、弱酸性条件下においての転位反応、およびその後のアミノ酸変換反応などを含む、その製造のためのプロセスに関するものであり、同化合物を含む医薬組成物に関するものであり、およびヒトまたは動物におけるC型肝炎の予防的および/または治療的処置の方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、C型肝炎ウイルス(これ以降HCVと表記)レプリコンのRNA複製に対して阻害活性を有する新規環状ペプチド化合物またはその塩に関する。詳細には、本発明は新規環状ペプチド化合物またはその塩、その製造のためのプロセス、新規ペプチド化合物またはその塩を含む医薬組成物、およびヒトまたは動物におけるC型肝炎の予防的および/または治療的処置の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
HCVキャリアの概算数は全世界で約1億7千万人(約3%)であり、日本では約150万人である。治療の第一選択肢として利用可能であるインターフェロン(これ以降IFNと表記)およびリバビリン(ビラゾール)を用いた複合療法であっても、そのすべてのHCV型に対する有効性は40%である。さらに、日本で特に多く確認されるIFN耐性ウイルス(遺伝子型1b)に対するその有効性はわずかに15から20%である。その一方で、複合療法には高頻度の副作用がみられる。したがって、現在利用できる治療法によってウイルスを完全に駆除することは困難である。慢性肝炎が完全に治癒できない場合は、肝炎は確実に肝炎性肝硬変(30%)または肝細胞癌(25%)に進行する。欧州および米国では、C型肝炎は肝臓移植の主要な適応症である。しかし、移植肝においてもHCVの再発は頻繁に発生する。これらの理由により、有効性および安全性について改善され、より高い抗ウイルス作用を有しかつC型肝炎を防止することのできる新規薬剤に対するニーズは社会において非常に高い。
【0003】
HCVは遺伝子としてプラス鎖型RNAを有するウイルスであり、遺伝子の塩基配列の分析結果に従ってFlaviviridaeと分類される。「Fields Virology第4版」,D.Knipe他編、Philadelphia,Lippincott Williams&Wilkins 2001,1127−1161によると、HCVの存在は1970年代に予測されていたものの、HCVの発見は非常に困難であった。HCVは長年非A非B型肝炎ウイルスと呼ばれていた。Choo Q−Lらにより、1989年に感染した実験動物の血清よりこのウイルスの遺伝子の一部がクローニングされ(非特許文献1)、そのcDNA配列が同定および確認されたことにより、そのウイルスは「HCV」と命名された。
【非特許文献1】Science 1989年、244、pp.359−362
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シクロスポリンAは臓器移植のための免疫抑制剤として用いられる。M.Thali他、Nature 372,363−365(1994)は、シクロスポリンAはシクロスポリンAとヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)のタンパク質を形成するウイルス粒子との相互作用を阻害することによって抗HIV活性を有することを報告した。R.M.Wengerらは、国際公開番号第WO00/01715号においてその新規シクロスポリンが抗HIV活性を示すことを報告した。さらに、K.Inoue他、6th International Symposium on Hepatitis C and Related Virus,3−6 June(2000) Bethesda(米国メリーランド州)において、シクロスポリンAは抗HIV活性を有すると報告したものの、現在までこの所見を裏付ける報告は他のグループより報告されていない。またHijikataらは、国際公開番号第WO2005/021028号においてその修飾シクロスポリンが抗HIV活性を示すことを報告した。
【0005】
M. Berenguer他、J.Hepatol 32,673−684(2000)は、免疫抑制剤として作用するシクロスポリンAの臨床使用によってHCVが移植患者で増殖したことを報告した。
【0006】
したがって、上述の理由により、たとえばシクロスポリンAと比較して、活性、血中移行性、選択性および副作用が改善された抗C型肝炎薬剤が要請されている。
【0007】
さらに、シクロスポリン化合物の骨格を変換するためには、高温または高圧などのいくつかの厳しい条件を必要とする。その一方で、本発明における転位反応による出発化合物(化合物FR901459)から我々の化合物への変換は、出発化合物の2位の水酸基のために、弱酸性条件を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における目標環状ペプチド化合物は新規化合物であり、以下の一般式(I):
【0009】
【化33】

(式中、
Xが
【0010】
【化34】

または
【0011】
【化35】

であり、
1が水素または低級アルキルであり;
2が水素、以下からなる群から選択される1個の適切な置換基で置換されてもよいアリールまたは低級アルキル:
ヒドロキシ、シクロ(低級)アルキル、低級アルコキシ、アリール、アリール(低級)アルコキシ、置換されてもよいカルバモイルオキシ、および置換されてもよいアミノ
であり;
【0012】
【化36】

がNを含む複素環基であり;
Yが
【0013】
【化37】

または
【0014】
【化38】

であり、
3がシクロ(低級)アルキル、アリール、置換されてもよい複素環基または以下からなる群から選択される1個の適切な置換基によって置換されてもよい低級アルキル:
ヒドロキシ、シクロ(低級)アルキル、低級アルコキシ、アリール、アリール(低級)アルコキシ、低級アルコキシ(低級)アルコキシ、置換されてもよいアミノおよび−OC(O)NR67(式中、R6およびR7がそれぞれ独立に水素または低級アルキルであるか、またはその代わりにR6およびR7がその結合する窒素原子と一緒になって、低級アルキルで置換されてもよいNを含む複素環基を表す)
であり;
4およびR5がそれぞれ独立に水素または低級アルキルであり;
----が単結合または二重結合を表す)
またはその塩で表すことができる。
(ただし、
2が水素である場合、R3がシクロ(低級)アルキル、アリール、置換されてもよい複素環基、低級アルコキシメチル、アリール(低級)アルキル、t−ブチル、sec−ブチル、シクロ(低級)アルキル(低級)アルキル、またはヒドロキシ、低級アルコキシ、アリール(低級)アルコキシ、低級アルコキシ(低級)アルコキシ、置換されてもよいアミノおよび−OC(O)NR67(式中、R6およびR7がそれぞれ上記の通り定義される)からなる群より選択される1個の適切な置換基によって置換されるエチルである。)
【0015】
目標化合物(I)の好ましい実施形態は以下の通りである。
【0016】
(1)
Xが
【0017】
【化39】

であり、
1が水素または低級アルキルであり;
2が以下からなる群より選択される1個の適切な置換基で置換されてもよいアリールまたは低級アルキル:
ヒドロキシ、シクロ(低級)アルキル、低級アルコキシ、アリール、アリール(低級)アルコキシ、ジ(低級)アルキルカルバモイルオキシ、および以下からなる群から選択される1個また2個の適切な置換基によって置換されてもよいアミノ;
低級アルキル、ベンジルオキシカルボニルおよびt−ブトキシカルボニル;
であり;
Yが
【0018】
【化40】

または
【0019】
【化41】

であり、
3が以下からなる群より選択される1個の適切な置換基で置換されてもよいシクロ(低級)アルキル、アリールまたは低級アルキルであり:
ヒドロキシ、低級アルコキシおよびアリール(低級)アルコキシ
4が水素であり;
5が低級アルキルである;
一般式(I)の化合物またはその塩。
【0020】
(2)
1が低級アルキルであり;
2が低級アルキルであり;
Yが
【0021】
【化42】

であり、
3がヒドロキシまたは低級アルコキシで置換されてもよいアリールまたは低級アルキルであり;
4が水素であり;
5が低級アルキルであり;
----部分が二重結合である、
(1)の化合物、またはその塩。
【0022】
(3)
3がヒドロキシまたは低級アルコキシで置換されてもよい低級アルキルである(2)の化合物、またはその塩。
【0023】
(4)
Xが
【0024】
【化43】

であり、
1が低級アルキルであり;
2が水素であり;
Yが
【0025】
【化44】

または
【0026】
【化45】

であり、
3がシクロ(低級)アルキル、アリール、低級アルコキシカルボニル、(低級)アルコキシ(低級)アルキル、アリール(低級)アルキル、t−ブチル、sec−ブチル、シクロ(低級)アルキル(低級)アルキルで置換されてもよい複素環基、または以下からなる群から選択される1個の適切な置換基によって置換されるエチル:
ヒドロキシ、低級アルコキシ、アリール(低級)アルコキシ、低級アルコキシ(低級)アルコキシ、−OC(O)NR67(式中、R6およびR7がそれぞれ独立に水素または低級アルキルであるか、またはその代わりにR6およびR7が、その結合する窒素原子と一緒になって、低級アルキルで置換されてもよいNを含む複素環基を表す)、および以下からなる群から選択される1個または2個の適切な置換基によって置換されてもよいアミノ:
低級アルキルおよびベンジルオキシカルボニル
であり;
4およびR5がそれぞれ独立に水素または低級アルキルである;
一般式(I)の化合物、またはその塩。
【0027】
(5)
Yが
【0028】
【化46】

であり、
3がシクロ(低級)アルキル、アリール、低級アルコキシカルボニル、t−ブチル、sec−ブチルによって置換されてもよい複素環基、または以下からなる群から選択される1個の適切な置換基によって置換されるエチル:
ヒドロキシ、低級アルコキシ、アリール(低級)アルコキシ、低級アルコキシ(低級)アルコキシ、および−OC(O)NR67(式中、R6およびR7がそれぞれ独立に水素または低級アルキルであるか、またはその代わりにR6およびR7が、その結合する窒素原子と一緒になって、低級アルキルで置換されてもよいNを含む複素環基を表す)
であり;
4が水素であり;
5が低級アルキルであり;
----部分が二重結合である、
(4)の化合物、またはその塩。
【0029】
(6)
Xが
【0030】
【化47】

および
Yが
【0031】
【化48】

であり、
3が低級アルキルであり;
4およびR5がそれぞれ独立に水素または低級アルキルである;
一般式(I)の化合物、またはその塩。
【0032】
(7)
Xが
【0033】
【化49】

または
【0034】
【化50】

であり;
4が水素であり;
5が低級アルキルであり;
----部分が二重結合である、
(6)の化合物、またはその塩。
【0035】
本発明の化合物(I)またはその塩は以下の反応スキームで例示するようなプロセスで製造することができる。
【0036】
(プロセス1)
【化51】

【0037】
【化52】

【0038】
(プロセス2)
【化53】

【0039】
【化54】

【0040】
(プロセス3)
【化55】

【0041】
【化56】

【0042】
(プロセス4)
【化57】

【0043】
本発明の出発化合物またはその塩は、たとえば以下の反応スキームで例示するようなプロセスによって調製することができる。
【0044】
(プロセスA)
【化58】

【0045】
【化59】

【0046】
(プロセスB)
【化60】

【0047】
【化61】

(式中、
XおよびYが上記に定義するとおりであり、
Lが脱離基であり、
Pがアミノ保護基であり、
R’がメトキシまたは
【化62】

であり、
R”がHまたは
【化63】

であり、
「n回」のnが2または3である。)
【0048】
目標化合物および出発化合物の製造のためのプロセスは以下に記載するとおりである。
【0049】
(プロセス1)
目標化合物(Ia)またはその塩は化合物(IIa)またはその塩から以下のプロセスにより製造することができる。
【0050】
(a)保護されたアミノ酸の導入
この反応は化合物(V)による化合物(IIa)のアミド化である。
【0051】
通常、化合物(V)はカルボン酸(LがOH)またはその反応性誘導体(ハロゲン化アシル(例:塩化カルボニル、臭化カルボニルなど)、酸無水物、活性化エステル(例:ビニルエステル、プロパルギルエステル、2,4-ジニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、メタンスルホニルフェニルエステル、ジメチルイミノメチルエステル、p-ニトロフェニルチオエステル、N−ヒドロキシ化合物との活性化エステル(N−ヒドロキシサクシンイミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールなど)など)などを含む)である。
【0052】
化合物(V)が遊離カルボン酸化合物である場合、反応は好ましくは縮合剤(カルボジイミド(例:N,N−ジイソプロピルカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミドなど)、ジフェニルホスフィン酸アジド、ジフェニルホスホン酸クロリドなどを含む)の存在下で実施される。
【0053】
また通常は、本発明のこの反応はN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリドなどの添加剤の存在下で実施される。
【0054】
反応はアルカリ金属重炭酸塩、トリ(低級)アルキルアミン、ピリジン、N−(低級)アルキルモルホリン、N,N−ジ(低級)アルキルベンジルアミンなどの有機または無機塩基の存在下で実施してもよい。
【0055】
通常、反応は水、アセトン、アルコール(例:メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、または反応に好ましくない影響を及ぼさない他のあらゆる有機溶媒またはその混合物などの通常の溶媒中で実施される。
【0056】
反応温度は限定されず、また反応は通常は冷却または加熱下で実施される。
【0057】
(b)脱保護
この反応は化合物(IIIa)またはその塩のアミノ保護基の脱離反応である。またこの反応は化合物(IIIa)またはその塩のメチルエステル基とカルボン酸の反応でもある。
【0058】
これら2つの反応は反応基質または反応条件に応じて同時に(たとえば後述の製造例68または161を参照)、または2つに分けた反応で(たとえば後述の製造例7および171または153および169を参照)実施する。
【0059】
(c)環化
この環化は化合物(IVa)のアミド化によって実施されるので、この反応は前述のプロセス1−a)におけるものと同じ方法によって実施することができ、従って使用する試薬および反応条件(例:溶媒、反応温度など)はプロセス1−a)のそれを参照することができる。
【0060】
(プロセス2)
目標化合物(Ib)またはその塩は前記に例示された保護されたアミノ酸の導入、脱保護および環化を含む一連の反応によって化合物(IIb)より製造することができる。また各反応は前述のプロセス1と同じ方法によって実施することができるので、使用する試薬および反応条件(例:溶媒、反応温度など)はプロセス1のそれを参照することができる。
【0061】
(プロセス3)
目標化合物(Ic)またはその塩は前記に例示されたような保護されたアミノ酸の導入および脱保護反応をそれぞれ2回、および環化を含む一連の反応によって化合物(IIc)から製造することができる。また各反応は前述のプロセス1と同じ方法によって実施することができるので、使用する試薬および反応条件(例:溶媒、反応温度など)はプロセス1のそれを参照することができる。
【0062】
(プロセス4)
目標化合物(Id)またはその塩は化合物(Ic)に触媒水素化を施すことによって製造することができる。
【0063】
触媒水素化において使用する適切な触媒は白金触媒(例:白金板、海綿状白金、白金ブロック、コロイド状白金、酸化白金、白金ワイヤなど)、パラジウム触媒(例:海綿状パラジウム、パラジウムブラック、酸化パラジウム、パラジウム坦持炭素、水酸化パラジウム坦持炭素、コロイド状パラジウム、パラジウム坦持硫酸バリウム、パラジウム坦持炭酸バリウムなど)などの通常のものである。
【0064】
通常、水素化は水、アルコール(例:メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、塩化メチレン、二塩化エチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドまたは反応に好ましくない影響を与えない他の有機溶媒またはその混合物などの通常の溶媒中で実施される。
【0065】
反応温度は重要ではなく、また反応は冷却または加温下で通常実施される。
【0066】
(プロセスA)
化合物(IX)またはその塩は化合物(VII)またはその塩から以下のプロセスにより製造することができる。
【0067】
(a)転位
この反応は化合物(VII)の転位である。
【0068】
反応は、通常は酸(トリフルオロ酢酸、硫酸、メタンスルホン酸など)の存在下で実施される。
【0069】
反応は、通常は水、アセトン、アルコール(例:メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、または反応に好ましくない影響を与えない他のあらゆる有機溶媒またはその混合物などの通常の溶媒中で実施される。
【0070】
反応温度は限定されずまた反応は通常は冷却から加熱下で実施される。
【0071】
本発明のこの反応は、基質のために、弱酸(p−トルエンスルホン酸)および穏やかな温度(環境温度から加温)といった穏やかな条件で実施して選択的転位反応を受けた化合物を得ることができる。
【0072】
(b)アミノ保護
この反応は、転位反応によって消失するアミノ基の保護である。
【0073】
反応は、通常は水、アルコール(例:メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、または反応に好ましくない影響を与えない他のあらゆる有機溶媒またはその混合物などの通常の溶媒中で実施される。
【0074】
反応温度は限定されず、また反応は通常は冷却から加熱下で実施される。
【0075】
これらの一連の反応(a)転位およびb)アミノ保護)は後述の製造例156に開示された方法またはこれと同様の方法によって実施することができる。
【0076】
(c)加水分解
化合物(IX)またはその塩は化合物(VIII)またはその塩から加水分解により製造することができる。
【0077】
加水分解は、好ましくは塩基(アルカリ金属(例:ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(例:マグネシウム、カルシウムなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩または重炭酸塩、トリアルキルアミン(例:トリメチルアミンなど)、ヒドラジン、ピコリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの無機塩基および有機塩基を含む)または酸(有機酸(例:ギ酸、酢酸、プロパン酸、トリフルオロ酢酸など)、無機酸(例:臭化水素酸、硫酸、塩酸など)およびルイス酸(三臭化ホウ素、塩化アルミニウム、三塩化チタンなど)を含む)の存在下で実施される。
【0078】
反応は、通常は水、アルコール(例:メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、または反応に好ましくない影響を与えない他のあらゆる有機溶媒またはその混合物などの通常の溶媒中で実施される。
【0079】
液状塩基または酸も溶媒として用いることができる。
【0080】
反応温度は限定されずまた反応は通常は冷却から加熱下で実施される。
【0081】
この反応は後述の製造例167に開示された方法またはこれと同様の方法によって実施することができる。
【0082】
(プロセスB)
化合物(II)またはその塩は化合物(IX)またはその塩から以下のプロセスにより製造することができる。
【0083】
(a)(X)との反応
この反応は化合物(X)による化合物(IX)のアミド化であるので、この反応は前述のプロセス1−a)におけるものと同じ方法によって実施することができ、従って使用する試薬および反応条件(例:溶媒、反応温度など)はプロセス1−a)のそれを参照することができる。
【0084】
この反応は後述の製造例90に開示された方法またはこれと同様の方法によって実施することができる。
【0085】
(b)脱保護
この反応は前述のプロセス1−b)と同じ方法によって実施することができるので、使用する試薬および反応条件(例:溶媒、反応温度など)はプロセス1−b)のそれを参照することができる。
【0086】
この反応は後述の製造例152に開示された方法またはこれと同様の方法によって実施することができる。
【0087】
(c)エドマン分解法(n回)
反応は、通常は水、アセトニトリル、アセトン、アルコール(例:メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、または反応に好ましくない影響を与えない他のあらゆる有機溶媒またはその混合物などの通常の溶媒中で実施される。
【0088】
反応温度は限定されずまた反応は通常は冷却から加熱下で実施される。
【0089】
また反応は目標化合物が得られるまで繰り返し実施することができる。
【0090】
この反応は後述の製造例138、一連の2および3などに開示の方法またはこれと同様の方法によって実施することができる(例:この種のエドマン分解法について報告したM.K.Eberle他、J.Org.Chem.59,7249−7258(1994))。
【0091】
化合物(VII)またはその塩(FR901459化合物)は、たとえば日本国公開特許出願特開平5−271267などに記載の方法にしたがって、真菌(Stachybotrys chartarum No.19392:寄託番号FERM BP−3364号)の発酵によって製造することができる。
【0092】
より具体的には、目標化合物は本明細書の実施例に記載のプロセスまたは同様のプロセスによって製造することができる。
【0093】
上述のプロセス1から4およびAおよびBで得られる化合物は、粉末化、再結晶化、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、再沈殿法および脱イオン樹脂カラムクロマトグラフィーなどの通常の方法で分離および精製することができる。
【0094】
目標化合物の適切な塩(I)は、通常の製薬上許容でき、かつ無毒性の塩であり、かつたとえば無機塩基塩(ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類塩、アンモニウム塩)、有機塩基塩(トリエチルアミン塩、ジイソプロピルエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N’N’−ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機アミン塩など)、無機酸付加塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など)、有機カルボン酸またはスルホン酸付加塩(ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩など)、塩基性または酸性アミノ酸塩(アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸など)などの塩基塩または酸付加塩であってもよい。
【0095】
本明細書の上述のおよびこれに続く記載において、本発明の範囲に含まれる多様な定義の適切な実施例および例示は以下で詳細に説明する。
【0096】
用語「低級」は、特に示さない限り1から6個、好ましくは1から4個を有する基を意図する。
【0097】
「低級アルキル」および「低級アルキル」基の適切な例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、tert−ペンチル、neo−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシルなどの、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝基を含んでもよい。
【0098】
「低級アルコキシ」および「低級アルコキシ」基の適切な例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、tert−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシなどの、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝基を含んでもよい。
【0099】
「シクロ(低級)アルキル」の適切な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどの、3から6個の炭素原子を有する環状アルキルを含んでもよい。
【0100】
「アリール」および「アリール」基の適切な例は低級アルキルで置換されていてもよいフェニル(例:フェニル、メシチル、トシルなど)、ナフチル、アントリル、テトラヒドロナフチル、インデニル、テトラヒドロインデニルなどを含んでもよい。
【0101】
「置換されてもよいアミノ」の適切な例は、低級アルキル、アミノ保護基(例:ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル(Boc)など)などの1または2個の適切な置換基によって置換されてもよいアミノを含んでもよい。
【0102】
「置換されてもよいカルバモイルオキシ」の適切な例は、低級アルキル、アミノ保護基(例:ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル(Boc)など)などの1または2個の適切な置換基によって置換されてもよいカルバモイルオキシを含んでもよい。
【0103】
「複素環基」の適切な例は:
たとえばピロリル、ピロリニル、イミダソリル、ピラゾリル、ピリジル、ジヒドロピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(例:4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリル、など)、テトラゾリル(例:1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリルなど)、アゼピニルなどの1から4個の窒素原子を含む3から8員(より好ましくは5または6員)不飽和複素単環基;
たとえばアジリジニル、アゼチニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、2,5−メタノピペラジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、などの1から4個の窒素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)飽和複素単環基;
たとえばインドリル、イソインドリル、インドリニル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロインドリル、ジヒドロインダゾリルなどの1から4個の窒素原子を含む不飽和縮合複素環基;
たとえばオキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル(例:1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリルなど)などの1または2個の酸素原子および1から3個の窒素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)不飽和複素単環基;
たとえばモルホリニル、シドノニルなどの1または2個の酸素原子および1から3個の窒素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)飽和複素単環基;
たとえばベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリルなどの1または2個の酸素原子および1から3個の窒素原子を含む不飽和縮合複素環基;
たとえばチアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、(例:1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリルなど)、ジヒドロチアジニルなどの1または2個のイオウ原子および1から3個の窒素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)不飽和複素単環基;
たとえばチアゾリジニルなどの1または2個のイオウ原子および1から3個の窒素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)飽和複素単環基;
たとえばチエニル、ジヒドロジチイニル、ジヒドロジチオニルなどの1または2個のイオウ原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)不飽和複素単環基;
たとえばベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾチアジアゾリルなどの1または2個のイオウ原子および1から3個の窒素原子を含む不飽和縮合複素環基;
たとえばフリルなどの1個の酸素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)不飽和複素単環基;
たとえばオキシラニル、1,3−ジオキソラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルなどの1または2個の酸素原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)飽和複素単環基;
たとえばジヒドロオキサチイニルなどの1個の酸素原子および1または2個のイオウ原子を含む3から8員(より好ましくは5から6員)不飽和複素単環基;
たとえばベンゾチエニル、ベンゾジチイニルなどの1または2個のイオウ原子を含む不飽和縮合複素環基;および
たとえばベンゾオキサチイニルなどの1個の酸素原子および1または2個のイオウ原子を含む不飽和縮合複素環基;
たとえばテトラヒドロピリドピロリジニルなどの1から3個の窒素原子を含む飽和縮合複素環基;
などを含んでもよい。
【0104】
適切な「Nを含む複素環基」は上記のものを参照してもよく、その複素環基はピロリジニル、ピペリジル、モルホリニル、チアゾリル、オキサゾリルなどのような少なくとも1個の窒素原子を含む。
【0105】
適切な「置換されてもよい複素環基」は、低級アルキル、低級アルコキシ、アリール、アミノ、低級アルコキシカルボニルなどの1個の適切な置換基で置換されてもよい上述の複素環基を含んでもよい。
【0106】
用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
【0107】
V.Lohmann他、Science 285,110−113(1999)は、HCV RNAサブゲノム分子が導入されたヒト肝細胞癌細胞系(Huh−7)を製造し、細胞内でHCV RNAサブゲノムが高率で複製されることを確認したと報告した。これらの細胞系におけるHCV RNAサブゲノムの複製メカニズムはHCV感染肝細胞におけるHCV RNAゲノムの全長の複製と非常に類似していると考えられる。したがって、本発明によるRNA複製阻害に対する化合物(I)の活性を評価する方法は、HCV RNAサブゲノムを導入したHuh−7細胞を用いた細胞分析法に基づく。
【0108】
本発明の化合物(I)またはその塩の有用性を示すために、本明細書の代表的化合物の薬理試験実施例を以下に示す。
【0109】
(試験実施例)
(1.HCVレプリコンレポーター分析)
Yokota他、EMBO 4:602−608(2003)によって報告された、レプリコン系においてコードされるレポーター遺伝子産物であるルシフェラーゼの活性を定量することにより、被験化合物のHCVレプリコン複製に対する阻害活性を評価した。Steady−Glo(登録商標)ルシフェラーゼ測定システム(Promega)の技術マニュアルに従って酵素分析を実施した。レプリコン測定はLohmann他、Science 285:110(1999)によって報告された変法により実施した。詳細を以下に記載する。
【0110】
(1)細胞への試薬の添加
ウシ胎児血清を5%含有するD−MEM培地中のHCVレプリコン細胞6×103個を96ウェルマイクロタイタープレート(Corning Inc.)の各ウェルに播種した。細胞を5%CO2中、37℃で16時間培養した後、被験化合物を添加した。
【0111】
(2)ルシフェラーゼ測定手順
さらに2日間培養した後、培地を取り除いてGlo−Lysis緩衝液25μLを各ウェルに添加し、5分間培養した。溶解を発生させ、Steady−Glo(登録商標)測定試薬25μLを各ウェルに加えた。5分間培養した後、Mithras LB940(BERTHOLD TECHNOLOGIES GmbH&Co.KG)照度計を用いメーカーの指示に従って発光を測定した。
【0112】
(3)試験結果
各濃度の化合物で処理したレプリコン細胞のルシフェラーゼ活性を用いて、対照(無薬物群、DMSOのみを含有)に対して50%の酵素活性レベルを示す化合物濃度を示す、各化合物のEC50値を算出した。
【0113】
【表1】

【0114】
上述の試験例の結果より、本発明の化合物(I)またはその塩は抗C型肝炎ウイルス活性を有することが認識される。
【0115】
有効成分として化合物(I)またはその塩を含む本発明の抗−HCV薬は、経口;舌下;バッカル;鼻腔内;呼吸器;非経口(皮内、臓器内、皮下、真皮内、筋肉内、関節内、中心静脈、肝静脈、末梢静脈、リンパ系、心血管系、動脈、眼の周囲での注射または眼の周囲での点滴を含む眼);眼球、眼球構造または眼球層内への静脈点滴;耳道、乳頭室、外耳道および内耳道、鼓膜、鼓室を含む耳、蝸牛管らせん器神経節、迷路などを含む内耳を含む聴覚器;腸;直腸;膣;尿管および膀胱への投与に適した有機または無機担体または賦形剤と混合された、たとえば固形、半固形または液状の医薬製剤の形態で使用することができる。子宮内および周産期適応病については、母体の血管、または子宮、子宮頸部および膣を含む母体臓器などの空隙;胎児胚、胎児、新生児および複合組織;および羊膜、臍帯、臍動脈および臍静脈;胎盤などにおいて投与が実施されるので、非経口投与が好ましい。これらの経路の使用は各患者の状態に応じて変更される。
【0116】
化合物(I)またはその塩は治療薬として独立に用いられることもあれば、処方薬の一部として用いることが望まれることもある。本発明による「抗HCV薬」は、少なくとも1つまたはいくつかの適切な有機または無機担体または賦形剤、又は他の薬理学的治療薬と混合して、たとえば固形、半固形または液状形態の医薬製剤の形態で用いることができる。有効成分は、たとえば顆粒剤、錠剤、ペレット、トローチ、カプセルまたは坐剤;クリーム;軟膏;エアロゾル;吸用散剤などの固形;注射;経口服用;点眼用の溶液、乳液、懸濁液などの液状、および使用に適した他のあらゆる形態で通常の薬理学的に許容でき、かつ無毒性の担体に配合することができる。また、必要であれば、上述の製剤に安定化剤、増粘剤、湿潤剤、硬化剤および着色料、香料または緩衝化剤、または一般的に用いられる他の添加剤などの補助的物質を含めてもよい。
【0117】
化合物(I)または製薬上許容できるその塩は、疾患の過程または状態に対して所望の抗C型肝炎効果をもたらすのに十分な量で医薬組成物に含まれる。
【0118】
IFNおよび/またはリバビリンと化合物(I)またはその塩の複合使用はC型肝炎に対して有効である。
【0119】
ヒトに対して組成物を適用するには、静脈内、筋肉内、肺、経口投与、点眼投与または吸入によって適用することが好ましい。治療的に有効な量の化合物(I)の用量は治療を受ける各患者の年齢および状態により幅があると共に、これに応じて変化し、静脈内投与の場合、化合物(I)の1日用量0.001〜400mg/kgヒト体重であり筋肉内投与の場合、化合物(I)の1日用量0.1〜20mg/kgヒト体重であり、経口投与の場合、化合物(I)の1日用量0.5〜50mg/kgヒト体重をC型肝炎の治療または予防のために一般的に投与する。しかし、これらの用量は治療的結果を得るためにその限界を超える必要があることもある。
【0120】
本発明の単独用量単位の組成物に含まれるリポペプチド化合物(I)または製薬上許容できるその塩の量は、0.1から400mg、より好ましくは1から200mg、より好ましくは5から100mg、具体的には5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95および100mgである。
【0121】
本発明は、包装材料および前記包装材料に収容される上記に特定される化合物(I)を含み、前記化合物(I)がC型肝炎の予防または治療について治療的に有効であり、かつ前記包装材料が前記化合物(I)をC型肝炎の予防または治療のために用いることができるかまたは用いるべきであることを示すラベルまたは文書を含んでもよい。
【0122】
本発明は、上記に特定される化合物(I)を含む医薬組成物およびこれに関連する文書を含み、文書が化合物(I)をC型肝炎の予防または治療のために用いることができるかまたは用いるべきであると記載する商品包装を含んでもよい。
【0123】
化合物(I)またはその塩は、不斉炭素原子および二重結合による光学異性体および幾何異性体などの1つまたはそれ以上の立体異性体を含んでもよいこと、およびこのような異性体およびその混合物はすべて本発明の範囲内に含まれることに留意すべきである。
【0124】
化合物(I)またはその塩は溶媒和化合物(例:水和物、エタノラートなど)を含んでもよい。
【0125】
化合物(I)またはその塩は結晶型および非結晶型の両者を含んでもよい。
【0126】
化合物(I)またはその塩はプロドラッグ型を含んでもよい。
【0127】
本明細書に引用する特許明細書および出版物はその全文を参照文献として本明細書に含める。
【0128】
以下の製造例および実施例は本発明を例示する目的で提供される。しかし、本発明はこれらの製造例および実施例に限定されない。
【0129】
以下の実施例1から83において使用される出発化合物および得られる目標化合物は以下に示すように得られる。
【0130】
本明細書の上記およびその後に続く記載(表を含む)における製造例、実施例、および化学式で用いられる略語、記号、および用語は以下の意味を有する。
AcOEt 酢酸エチル
Bop−Cl ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド
CHCl3 クロロホルム
CH2Cl2 ジクロロメタン
Et2O ジエチルエーテル
HCl 塩酸
HOAt 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
LiOH 水酸化リチウム
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
MgSO4 硫酸マグネシウム
NaHCO3 炭酸水素ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
Na2SO4 硫酸ナトリウム
TFA トリフルオロ酢酸
WSCD 1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド
nBu n−ブチル
iBu イソブチル
tBu tert−ブチル
Cy.Hex. シクロヘキシル
Et エチル
Me メチル
Ph フェニル
iPr イソプロピル
Bn ベンジル
Boc tert−ブトキシカルボニル
Fmoc 9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル
Ex. 実施例番号
Prep. 製造例番号
MS 質量分析データ
【0131】
(製造例1)
下記の製造例158の目標化合物(未精製78g、理論値76.9g)のMeCN(555mL)溶液に氷浴冷却下で1N HCl(555mL)を加えた。混合物を30℃に加温し、30℃で3時間攪拌した。生成した混合物をNa2CO3溶液(H2O 300mL中で29.48g)で中和し、減圧濃縮した。飽和NaHCO3水溶液で残留溶液のpH値を8に調節し、溶液をAcOEtで抽出した。有機相を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、(3S,6S,9S,12S,15R,18S,21S,24S,27S,30S)−30−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−27−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−3,6,9,18,21−ペンタイソブチル−24−イソプロピル−8,12,15,17,23,26−ヘキサメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29−デカアザヘントリアコンタン−31−酸メチル(未精製70g、理論値65.5g)を淡褐色粉末として得た。得られた粗生成物はさらに精製せずに次の反応に用いた。
【0132】
(製造例2)
製造例1の目標化合物(未精製70g、理論値65.5g)のAcOEt溶液(660mL)にイソチオシアナトベンゼン(10mL)を環境温度で加え、ジイソプロピルエチルアミンで混合物のpH値を7.5に高めた。反応混合物を環境温度で1.5時間攪拌した。生成した溶液にN,N−ジメチルプロパンジアミン(9.1g)を加え、5分間攪拌した。反応混合物を0.5N HCl(1L)に注ぎ、AcOEtで抽出した。有機相を0.5N HCl、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をヘキサン:AcOEt(2:1〜1:1〜1:2)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(3S,6S,9S,12S,15R,18S,21S,24S,27S,30S)−1−アニリノ−30−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−27−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−3,6,9,18,21−ペンタイソブチル−24−イソプロピル−2,8,12,15,17,23,26−ヘプタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−1−チオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29−デカアザヘントリアコンタン−31−酸メチル(44.3g)を淡黄色粉末として得た。
【0133】
(製造例3)
製造例2の目標化合物(44.3g)のMeCN(337mL)溶液に1N HCl(337mL)を加え、混合物を30℃で2時間攪拌した。生成した混合物をNa2CO3水溶液(H2O 300mL中58.5g)で中和し、減圧濃縮した。飽和NaHCO3水溶液で残留溶液のpH値を8に調節し、溶液をAcOEtで抽出した。有機相を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をCHCl3:MeOH(100:0〜97:3)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(2S,5S,8S,11S,14S,17R,20S,23S,26S)−26−アミノ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−5−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−11,14,23−トリイソブチル−8−イソプロピル−6,9,15,17,20,24,28−ヘプタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタオキソ−3,6,9,12,15,18,21,24−オクタアザノナコサン−1−酸メチル(29.1g)を淡黄色の形態として得た。
1H−NMR(クロロホルム−d,δppm):10.27(0.5H,d,J=9.0Hz),7.38(0.5H,d,J=8.5Hz),7.00(0.5H,d,J=8.5Hz),6.93(0.5H,d,J=8.5Hz),6.89(1H,d,J=8.5Hz),6.84(0.5H,d,J=8.0Hz),6.80(0.5H,d,J=8.0Hz),5.14−5.51(5H,m),4.86−5.04(1H,m),4.66−4.81(2H,m),4.55(2H,m),4.31(1H,m),4.00(1H,m),3.77(1H,m),3.76(1.5H,s),3.75(1.5H,s),3.25(1.5H,s),3.14(1.5H,s),3.06(1.5H,s),3.02(1.5H,s),3.01(1.5H,s),3.00(3H,s),2.71(1.5H,s),2.35(2H,m),2.03−1.24(61H,m)
【0134】
(製造例4)
下記の製造例59の目標化合物(3.2g)のCH2Cl2(38.5mL)溶液に氷浴冷却下でTFA(9.6mL)を加え、混合物を氷浴冷却下で2時間攪拌した。混合物にTFA(7mL)を加え、混合物を氷浴冷却下でさらに1時間攪拌した。生成した混合物をNa2CO3水溶液(H2O 100mL中6.6g)で氷浴冷却下で中和し、減圧濃縮した。残留溶液に飽和NaHCO3水溶液を加えてpH=8に調節し、混合物をAcOEtで抽出した。有機相を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、NaSO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、(3S,6S,9S,12S,15R,18S,21S,24S,27S,30S)−3−sec−ブチル−30−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−27−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−6,9,18,21−テトライソブチル−24−イソプロピル−8,12,15,17,23,26−ヘキサメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29−デカアザヘントリアコンタン−31−酸メチル(3.0g)を無色固形物として得た。
【0135】
製造例5〜19の化合物は製造例4と同様の方法で得られた。
【0136】
(製造例20)
下記の製造例208の目標化合物(1.20g)のジオキサン(10mL)溶液に氷浴冷却下で1N LiOH(3.1mL)を加えた。同じ温度で3時間攪拌した後、5%クエン酸で溶液を酸性化してpH5とし、減圧濃縮してジオキサンを除去し、AcOEt(50mL)で抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生成した残渣をEt2Oで粉砕し、(3R,6S,9S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,30S,33S)−6−(1−tert−ブトキシエチル)−33−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−30−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−9,12,21,24−テトライソブチル−27−イソプロピル−3,5,11,15,18,20,26,29−オクタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカアザテトラトリアコンタン−34−酸(790mg)を固形物として得た。
【0137】
製造例21〜24の化合物は製造例20と同様の方法で得られた。
【0138】
(製造例25)
製造例4の目標化合物(81mg)の溶液に、氷浴冷却下で(2R)−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル](メチル)アミノ}プロパン酸(33.5mg)、Bop−Cl(26.2mg)、およびジイソプロピルエチルアミン(36μL)を加えた。混合物を環境温度で13時間攪拌し、AcOEtで抽出した。有機相を10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=90:10)で精製して(5R,8S,11S,14S,17S,20R,23S,26S,29S,32S,35S)−8−sec−ブチル−1−(9H−フルオレン−9−イル)−35−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−32−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−11,14,23,26−テトライソブチル−29−イソプロピル−4,5,7,13,17,20,22,28,31−ノナメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−2−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカアザヘキサトリアコンタン−36−酸メチル(74mg)を無色固形物として得た。
【0139】
製造例26〜40の化合物は製造例25と同様の方法で得られた。
【0140】
(製造例41)
製造例25の目標化合物(73mg)のジオキサン(1.9mL)溶液に環境温度で1N NaOH(0.49mL)を加え、混合物を2時間攪拌した。反応混合物に10%クエン酸水溶液を加えてpH=4に調節し、溶液をAcOEtで抽出した。有機相を食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をEt2Oで粉砕し、(3R,6S,9S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,30S,33S)−6−sec−ブチル−33−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−30−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−9,12,21,24−テトライソブチル−27−イソプロピル−3,5,11,15,18,20,26,29−オクタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカアザテトラトリアコンタン−34−酸(56mg)を無色粉末として得た。
【0141】
製造例42〜56の化合物は製造例41と同様の方法で得られた。
【0142】
(製造例57)
下記の製造例93の目標化合物(1.60g)のN,N−ジメチルホルムアミド(16mL)溶液に室温でピペリジン(1.1mL)を加えた。同じ温度で2時間攪拌した後、反応混合物を減圧濃縮した。残渣をAcOEt(60mL)に溶解し、溶液を5%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(溶離液:2%MeOH含有CHCl3)で精製して(2S,5S,8S,11S,14S,17R,20S,23S,26S,29S)−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−5−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−11,14,23,26−テトライソブチル−8−イソプロピル−6,9,15,17,20,24,30,32,32−ノナメチル−29−(メチルアミノ)−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−31−オキサ−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナアザトリトリアコンタン−1−酸メチル(1.34g)を粉末として得た。
【0143】
製造例58の化合物は製造例57と同様の方法で得られた。
【0144】
(製造例59)
製造例3の目標化合物(3.0g)のCH2Cl2(60mL)溶液に氷浴冷却下で(2S,3S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]−3−メチルペンタン酸(839mg)およびHOAt(466mg)およびWSCD(531mg)を加え、混合物を氷浴冷却下で1.5時間攪拌した。生成した混合物を減圧濃縮し、残渣をAcOEtで抽出した。有機相を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、(6S,9S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,30S,33S)−6−sec−ブチル−33−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−30−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−9,12,21,24−テトライソブチル−27−イソプロピル−2,2,5,11,15,18,20,26,29−ノナメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザテトラトリアコンタン−34−酸メチル(3.22g)を淡黄色粉末として得た。得られた生成物はさらに精製せずに次の反応に用いた。
【0145】
製造例60〜67の化合物は製造例59と同様の方法で得られた。
【0146】
(製造例68)
(6R,9S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,30S,33S)−6−sec−ブチル−33−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−30−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−9,12,21,24−テトライソブチル−27−イソプロピル−2,2,11,15,18,20,26,29,35−ノナメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ウンデカアザヘプタトリアコンタン−37−酸メチル(80mg)を氷浴冷却下で20%TFA/CH2Cl2(2mL)に溶解した。同じ温度で4時間攪拌した後、溶液に飽和NaHCO3水溶液を加えてpH8とした。混合物をCHCl3(20mL)で抽出し、有機層を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生成した残渣をMeOH(4mL)に溶解した。氷浴冷却下で溶液に1N LiOH(0.60mL)を加えた。同じ温度で1時間攪拌した後、5%クエン酸水溶液で溶液を酸性化してpH5とし、減圧濃縮してMeOHを除去し、CHCl3(20mL)で抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生成した残渣をEt2Oで粉砕し、(5S,8S,11S,14S,17S,20R,23S,26S,29S,32R)−32−アミノ−5−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−8−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−14,17,26,29−テトライソブチル−11−イソプロピル−3,9,12,18,20,23,27,33−オクタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30−デカアザペンタトリアコンタン−1−酸(45mg)を固形物として得た。
【0147】
製造例69〜74の化合物は製造例68と同様の方法で得られた。
【0148】
(製造例75)
下記の製造例193の目標化合物(53mg)のジオキサン(0.64mL)溶液に環境温度で1N NaOH(0.16mL)を加え、混合物を2時間攪拌した。反応混合物に10%クエン酸水溶液を加えてpH=4に調節し、溶液をAcOEtで抽出した。有機相を食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をEt2Oで粉砕し、(3R,6S,9S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,30S,33S)−33−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−30−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−3,6,9,12,21,24−ヘキサイソブチル−27−イソプロピル−5,11,15,18,20,26,29−ヘプタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカアザテトラトリアコンタン−34−酸(18mg)を無色粉末として得た。
【0149】
製造例76〜89の化合物は製造例75と同様の方法で得られた。
【0150】
(製造例90)
下記の製造例167の目標化合物(5.40g)、{[(2S,3R)−2−アミノ−3−ヒドロキシブタノイル](メチル)アミノ}酢酸メチル塩酸塩(1.46g)およびHOAt(0.550g)のCH2Cl2(80ml)溶液に、氷浴冷却下でWSCD(0.627g)のCH2Cl2(4mL)を加えた。同じ温度で3時間攪拌した後、反応混合物を減圧濃縮した。残渣をAcOEt(200mL)に溶解し、溶液を0.5N HCl、1M NaHCO3および食塩水で洗い、無水MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して(6S,12S,15S,18S,21S,24R,27S,30S,33S,36S,39S)−6,39−ビス[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−36−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−12,15,18,27,30−ペンタイソブチル−33−イソプロピル−2,2,8,11,17,21,24,26,32,35,41−ウンデカメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40−トリデカオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41−トリデカアザトリテトラコンタン−43−酸メチル(6.00g)を粉末として得た。
【0151】
(製造例91)
製造例3の目標化合物(120mg)、(2S)−2−[{(2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]プロパノイル}(エチル)アミノ]−3−メチルペンタン酸(59mg)およびHOAt(19mg)のCH2Cl2(6mL)溶液に、氷浴冷却下でWSCD(21mg)のCH2Cl2(1mL)溶液を加えた。同じ温度で1時間、室温で5時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。残渣をAcOEt(20mL)に溶解し、溶液を0.5N HCl、1M NaHCO3および食塩水で洗い、無水MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して(6R,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S,36S)−9−sec−ブチル−8−エチル−36−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−33−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−12,15,24,27−テトライソブチル−30−イソプロピル−2,2,5,6,14,18,21,23,29,32−デカメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ウンデカアザヘプタトリアコンタン−37−酸メチル(155mg)を非晶質粉末として得た。
【0152】
製造例92の化合物は製造例91と同様の方法で得られた。
【0153】
(製造例93)
製造例3の目標化合物(1.20g)、(2S,3R)−3−tert−ブトキシ−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル](メチル)アミノ}ブタン酸(516mg)およびHOAt(171mg)のCH2Cl2(20mL)溶液に、氷浴冷却下でWSCD(195mg)のCH2Cl2(1mL)溶液を加えた。同じ温度で1時間、室温で4時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。残渣をAcOEt(50mL)に溶解し、溶液を0.5N HCl、1M NaHCO3および食塩水で洗い、無水MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して(5S,8S,11S,14S,17R,20S,23S,26S,29S,32S)−5−(1−tert−ブトキシエチル)−1−(9H−フルオレン−9−イル)−32−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−29−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−8,11,20,23−テトライソブチル−26−イソプロピル−4,10,14,17,19,25,28−ヘプタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30−デカオキソ−2−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカアザトリトリアコンタン−33−酸メチル(1.6g)を非晶質粉末として得た。
【0154】
製造例94の化合物は製造例93と同様の方法で得られた。
【0155】
(製造例95)
下記の製造例166の目標化合物(1.20g)、(2S,3R)−3−tert−ブトキシ−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル](メチル)アミノ}ブタン酸(527mg)およびHOAt(174mg)のCH2Cl2(20mL)溶液に、氷浴冷却下でWSCD(199mg)のCH2Cl2(1mL)溶液を加えた。同じ温度で1時間、室温で4時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。残渣をAcOEt(50mL)に溶解し、溶液を0.5N HCl、1M NaHCO3および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生成した残渣をシリカゲルカラム(溶離液:2%MeOH含有CHCl3)で精製して(5S,8S,11S,14S,17R,20S,23S,26S,29S,32S)−5−(1−tert−ブトキシエチル)−1−(9H−フルオレン−9−イル)−32−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−29−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−8,11,20,23−テトライソブチル−26−イソプロピル−4,10,14,17,19,25,28,34−オクタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−2−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカアザヘキサトリアコンタン−36−酸メチル(1.58g)を非結晶性粉末として得た。
【0156】
製造例96〜109および111〜116の化合物は製造例95と同様の方法で得られた。
【0157】
(製造例110)
下記の実施例25の目標化合物(190mg)のピリジン(1.2mL)溶液に無水酢酸(280μL)を加えた。混合物を一晩攪拌した後、混合物をAcOEtで希釈し、1N塩酸水溶液およびNaHCO3水溶液で洗い、MgSO4で乾燥した後、濃縮した。 残渣にシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt=1/4の後、CH2Cl2/MeOH=9/1)を実施して酢酸(1R)−1−{(2S,5R,8S,11S,14S,17S,20R,23S,26S,29S,32S)−8−(1−tert−ブトキシエチル)−32−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチルへキサ−4−エン1−イル]−11,14,23,26−テトライソブチル−29−イソプロピル−4,5,7,13,17,20,22,28,31−ノナメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2−イル}エチル(193mg)を得た。
【0158】
(製造例117)
下記の製造例154の目標化合物(未精製84g、理論値82.5g)のMeCN(1L)溶液に氷浴冷却下で1N HCl(1.11L)を加えた。混合物を30℃に加温し、30℃で4時間攪拌した。生成した混合物をNa2CO3溶液(H2O 300mL中58.8g)で中和し、減圧濃縮した。飽和NaHCO3水溶液で残留溶液のpH値を8に調節し、溶液をAcOEtで抽出した。有機相を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、(6S,9S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,30S,33S)−33−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−30−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−6,9,12,21,24−ペンタイソブチル−27−イソプロピル−5,11,15,18,20,26,29−ヘプタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカアザテトラトリアコンタン−34−酸メチル(未精製78g、理論値69.4g)を淡褐色粉末として得た。得られた粗生成物はさらに精製せずに次の反応に用いた。
【0159】
(製造例118)
製造例4の目標化合物(100mg)の溶液に、氷浴冷却下で(2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]ブタン酸(27.6mg)、Bop−Cl(43.2mg)、およびジイソプロピルエチルアミン(59μL)を加えた。混合物を環境温度で13時間攪拌し、AcOEtで抽出した。有機相を10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=90:10)で精製して(6R,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S,36S)−9−sec−ブチル−6−エチル−36−(1−ヒドロキシエチル)−33−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−12,15,24,27−テトライソブチル−30−イソプロピル−2,2,5,8,14,18,21,23,29,32−デカメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ウンデカアザヘプタトリアコンタン−37−酸メチル(64.8mg)を無色固形物として得た。
【0160】
製造例119〜127の化合物は製造例118と同様の方法で得られた。
【0161】
(製造例128)
製造例118の目標化合物(64.8mg)のCH2Cl2(1.2mL)溶液に氷浴冷却下でTFA(0.36mL)を加え、混合物を氷浴冷却下で2時間攪拌した。生成した溶液に飽和NaHCO3水溶液を加えてpH=8に調節した。混合物をAcOEtで抽出し、有機相を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗った。減圧下で溶媒を除去し、(3R,6S,9S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,30S,33S)−6−sec−ブチル−3−エチル−33−(1−ヒドロキシエチル)−30−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−9,12,21,24−テトライソブチル−27−イソプロピル−5,11,15,18,20,26,29−ヘプタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカアザテトラトリアコンタン−34−酸メチル(58.6mg)を得た。得られた生成物はさらに精製せずに次の反応に用いた。
【0162】
製造例129〜137の化合物は製造例128と同様の方法で得られた。
【0163】
(製造例138)
下記の製造例168の目標化合物(3.70g)のAcOEt(40mL)溶液に室温でイソチオシアナトベンゼン(757mg)のAcOEt(10mL)溶液を加えた。同じ温度で30分間攪拌した後、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(752mg)を溶液に加えた。 溶液を15分間攪拌し、0.2N HCl、NaHCO3および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して粉末を得た。生成した粉末をMeCN(100mL)に溶解し、1N HCl(60mL)を氷浴冷却下で加えた。室温で6時間攪拌した後、1N Na2CO3(50mL)で溶液を中和し、減圧濃縮してMeCNを除去し、AcOEt(200mL)で抽出した。有機層をNaHCO3および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶離液:2%MeOH含有CHCl3)で精製して(3S,6S,9S,12S,15R,18S,21S,24S,27S,30S)−30−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−27−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−3,6,9,18,21−ペンタイソブチル−24−イソプロピル−8,12,15,17,23,26,32−ヘプタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカアザテトラトリアコンタン−34−酸メチル(3.19g)を粉末として得た。
【0164】
(製造例139)
製造例128の目標化合物(58.6mg)のMeOH(1.2mL)溶液に環境温度で1N NaOH(0.23mL)を加え、混合物を2時間攪拌した。反応混合物に10%クエン酸水溶液を加えてpH=4に調節し、溶液をAcOEtで抽出した。有機相を食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をEt2Oで粉砕し、(3R,6S,9S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,30S,33S)−6−sec−ブチル−3−エチル−33−(1−ヒドロキシエチル)−30−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−9,12,21,24−テトライソブチル−27−イソプロピル−5,11,15,18,20,26,29−ヘプタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカアザテトラトリアコンタン−34−酸(58.6mg)を無色粉末として得た。
【0165】
製造例140〜148の化合物は製造例139と同様の方法で得られた。
【0166】
(製造例149)
(6R,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S,36S)−9−(1−tert−ブトキシエチル)−6−エチル−36−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−33−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−12,15,24,27−テトライソブチル−30−イソプロピル−2,2,5,8,14,18,21,23,29,32−デカメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ウンデカアザヘプタトリアコンタン−37−酸メチル(110mg)を氷浴冷却下で20%TFA/CH2Cl2(3mL)に溶解した。同じ温度で4時間攪拌した後、溶液に飽和NaHCO3水溶液を加えてpH8とした。混合物をCHCl3(20mL)で抽出し、有機層を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生成した残渣をMeOH(4mL)に溶解した。氷浴冷却下で溶液に1N LiOH(0.77mL)を加えた。同じ温度で1時間攪拌した後、5%クエン酸水溶液で溶液を酸性化してpH5とし、減圧濃縮してMeOHを除去し、AcOEt(20mL)で抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生成した残渣をEt2Oで粉砕し、(3R,6S,9S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,30S,33S)−3−エチル−33−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−6−(1−ヒドロキシエチル)−30−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−9,12,21,24−テトライソブチル−27−イソプロピル−5,11,15,18,20,26,29−ヘプタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカアザテトラトリアコンタン−34−酸(70mg)を固形物として得た。
【0167】
製造例150および151の化合物は製造例149と同様の方法で得られた。
【0168】
(製造例152)
製造例90の目標化合物(6.00g)を氷浴冷却下で20%TFA含有CH2Cl2(80mL)に溶解し、混合物を同じ温度で4時間攪拌した。溶液に飽和NaHCO3水溶液を加えてpH=8とし、混合物をCHCl3(200mL)で抽出した。有機層を飽和NaHCO3および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、濃縮して(5S,8S,11S,14S,17S,20R,23S,26S,29S,32S,38S,39R)−38−アミノ−39−ヒドロキシ−5−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−8−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−14,17,26,29,32−ペンタイソブチル−11−イソプロピル−3,9,12,18,20,23,27,33,36−ノナメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37−ドデカオキソ−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36−ドデカアザテトラコンタン−1−酸メチル(5.70g)を非晶質粉末として得た。
【0169】
製造例153の化合物は製造例152と同様の方法で得られた。
【0170】
(製造例154)
下記の製造例155の目標化合物(未精製75.0g、理論値71.8g)の混合溶媒(AcOEt 75mLおよびピリジン67.5mL)溶液にイソチオシアナトベンゼン(19.8mL)を加え、混合物を13時間攪拌した。混合物にピリジン(67.5mL)およびジイソプロピルエチルアミンを加え、混合物のpH値を8に調節した。混合物を3時間攪拌した。生成した溶液にN,N−ジメチルプロパンジアミン(19.8g)を加え、5分間攪拌した。反応混合物を0.5N HCl(1L)に注ぎ、AcOEtで抽出した。有機層を0.5N HCl、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、(3S,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S,36S)−1−アニリノ−3,36−ビス[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−33−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−9,12,15,24,27−ペンタイソブチル−30−イソプロピル−5,8,14,18,21,23,29,32−オクタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカオキソ−1−チオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ドデカアザヘプタトリアコンタン−37−酸メチル(未精製84g、理論値82.5g)を褐色の形態で得た。得られた粗生成物はさらに精製せずに次の反応に用いた。
【0171】
(製造例155)
下記の製造例157の目標化合物(未精製80.2g、理論値77.1g)のCH2Cl2溶液に氷浴冷却下でTFA(205mL)を加えた。混合物を氷浴冷却下で2時間攪拌した。氷浴冷却下で、溶液のpH値をNa2CO3溶液(147g/500mL H2O)および飽和NaHCO3水溶液で調節した。生成した溶液をCHCl3で抽出した。有機相を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、(2S,5S,8S,11S,14S,17R,20S,23S,26S,29S,35S,36R)−35−アミノ−36−ヒドロキシ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−5−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−11,14,23,26,29−ペンタイソブチル−8−イソプロピル−6,9,15,17,20,24,30,33−オクタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカオキソ−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカアザヘプタトリアコンタン−1−酸メチル(75g、未精製)を褐色粉末として得た。得られた粗生成物はさらに精製せずに次の反応に用いた。
【0172】
(製造例156)
(3S,6S,9S,12R,15S,18S,21S,24S,30S,33S)−30−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−33−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−6,9,18,21,24−ペンタイソブチル−3−イソプロピル−1,4,10,12,15,19,25,28−オクタメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(100g)のテトラヒドロフラン(1L)溶液に4−メチルベンゼンスルホン酸(70.6g)を加え、混合物を50℃で14時間攪拌した。氷浴冷却下で混合物に1N NaOHを加えて中和し、Boc2O(17.9g)を加えた。氷浴冷却下で1N NaOHにより混合物のpH値を8に調節した。混合物を環境温度で2.5時間攪拌した。生成した混合物を減圧濃縮し、AcOEtで抽出した。有機相を飽和NaHCO3水溶液、0.1N HClおよび食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、{(3S,6S,9S,12S,15R,18S,21S,24S,27S,33S,34R)−3−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−9,12,21,24,27−ペンタイソブチル−6−イソプロピル−4,7,13,15,18,22,28,31,34−ノナメチル−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカオキソ−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカアザシクロテトラトリアコンタン−33−イル}カルバミン酸tert−ブチル(167.2g)を褐色の形態で得た。得られた粗生成物はさらに精製せずに次の反応に用いた。
【0173】
(製造例157)
下記の製造例167の目標化合物(71.0g)のCH2Cl2(1L)溶液に環境温度で(2S,3R)−2−アミノ−3−ヒドロキシブタン酸メチル塩酸塩(10.8g)およびHOAt(10.8g)を加えた。氷浴冷却下で混合物にWSCD(9.9g)を加えた。混合物を環境温度で1.5時間攪拌した。生成した混合物を減圧濃縮し、AcOEtで抽出した。有機相を0.5N HCl、飽和NaHCO3および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、(6S,12S,15S,18S,21S,24R,27S,30S,33S,36S,39S)−6,39−ビス[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−36−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−12,15,18,27,30−ペンタイソブチル−33−イソプロピル−2,2,8,11,17,21,24,26,32,35−デカメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37−ドデカオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38−ドデカアザテトラコンタン−40−酸メチル(80.2g、未精製)を褐色形態として得た。得られた粗生成物はさらに精製せずに次の反応に用いた。
【0174】
(製造例158)
製造例117の目標化合物(未精製78g、理論値69.4g)のAcOEt(690mL)溶液に環境温度でイソチオシアナトベンゼン(11.3g)を加え、混合物を1時間攪拌した。溶液にジイソプロピルエチルアミン(5mL)を加え、混合物をさらに1.5時間攪拌した。生成した溶液にN,N−ジメチルプロパンジアミン(9.1g)を加え、5分間攪拌した。反応混合物を0.5N HCl(1L)に注ぎ、AcOEtで抽出した。有機層を0.5N HCl、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、(6S,9S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,30S,33S)−1−アニリノ−33−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−30−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−6,9,12,21,24−ペンタイソブチル−27−イソプロピル−2,5,11,15,18,20,26,29−オクタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−1−チオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカアザテトラトリアコンタン−34−酸メチル(未精製78g、理論値76.9g)を褐色の形態で得た。得られた粗生成物はさらに精製せずに次の反応に用いた。
【0175】
(製造例159)
製造例1の目標化合物(87mg)の溶液に、氷浴冷却下で(2R)−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル](メチル)アミノ}プロパン酸(36mg)、Bop−Cl(28.2mg)、およびジイソプロピルエチルアミン(39μL)を加えた。混合物を環境温度で13時間攪拌し、AcOEtで抽出した。有機相を10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=90:10)で精製して(5R,8S,11S,14S,17S,20R,23S,26S,29S,32S,35S)−1−(9H−フルオレン−9−イル)−35−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−32−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−8,11,14,23,26−ペンタイソブチル−29−イソプロピル−4,5,7,13,17,20,22,28,31−ノナメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−2−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカアザヘキサトリアコンタン−36−酸メチル(110mg)を無色固形物として得た。
【0176】
製造例160の化合物は製造例159と同様の方法で得られた。
【0177】
(製造例161)
製造例95の目標化合物(1.55g)のジオキサン(30mL)溶液に氷浴冷却下で1N LiOH(10mL)を加えた。同じ温度で3時間攪拌した後、5%クエン酸で溶液を酸性化してpH5とし、減圧濃縮してジオキサンを除去し、AcOEt(50mL)で抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生成した残渣をEt2Oで粉砕し、(5S,8S,11S,14S,17S,20R,23S,26S,29S,32S)−5−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−8−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−14,17,26,29−テトライソブチル−11−イソプロピル−3,9,12,18,20,23,27,33,35,35−デカメチル−32−(メチルアミノ)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−34−オキサ−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30−デカアザヘキサトリアコンタン−1−酸を固形物として得た。
【0178】
製造例162〜165の化合物は製造例161と同様の方法で得られた。
【0179】
(製造例166)
製造例138の目標化合物(3.15g)のAcOEt(40mL)溶液に室温でイソチオシアナトベンゼン(511mg)のAcOEt(10mL)溶液を加えた。同じ温度で30分間攪拌した後、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(527mg)を溶液に加えた。溶液を15分間攪拌し、0.2N HCl、NaHCO3および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して粉末を得た。生成した粉末をMeCN(100mL)に溶解し、1N HCl(50mL)を氷浴冷却下で加えた。室温で6時間攪拌した後、1N Na2CO3(25mL)で溶液を中和し、減圧濃縮してMeCNを除去し、AcOEt(150mL)で抽出した。有機層をNaHCO3および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶離液:2%MeOH含有CHCl3)で精製して(5S,8S,11S,14S,17S,20R,23S,26S,29S)−29−アミノ−5−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−8−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−14,17,26−トリイソブチル−11−イソプロピル−3,9,12,18,20,23,27,31−オクタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナアザドトリアコンタン−1−酸メチル(2.72g)を粉末として得た。
【0180】
(製造例167)
製造例156の目標化合物(未精製167g、理論値108g)のMeOH(1L)溶液に氷浴冷却下で1N NaOH(819mL)を加えた。混合物を環境温度で8時間攪拌した。混合物に1N NaOH(82mL)を加え、混合物を2時間攪拌した。生成した混合物を1N HClで中和し、減圧濃縮した。生成した溶液を1N HClで酸性化し(PH=3)、AcOEtで抽出した。有機相を0.1N HClおよび食塩水で洗い、MgSO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去した。生成した油状物質をAcOEt:ヘキサン=450mL:1500mLで粉末化し、(6S,12S,15S,18S,21S,24R,27S,30S,33S,36S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−36−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−12,15,18,27,30−ペンタイソブチル−33−イソプロピル−2,2,8,11,17,21,24,26,32,35−デカメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ウンデカアザヘプタトリアコンタン−37−酸(80.4g)を得た。
【0181】
(製造例168)
製造例152の目標化合物(5.70g)のAcOEt(100mL)溶液に室温でイソチオシアナトベンゼン(1.08g)のAcOEt(10mL)溶液を加えた。同じ温度で2時間攪拌した後、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(820mg)を溶液に加えた。溶液を15分間攪拌し、0.2N HCl、NaHCO3および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して粉末を得た。生成した粉末をMeCN(100mL)に溶解し、1N HCl(100mL)を氷浴冷却下で加えた。室温で6時間攪拌した後、1N Na2CO3(50mL)で溶液を中和し、減圧濃縮してMeCNを除去し、AcOEt(200mL)で抽出した。有機層をNaHCO3および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶離液:2%MeOH含有CHCl3)で精製して(6S,9S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,30S,33S)−33−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−30−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−6,9,12,21,24−ペンタイソブチル−27−イソプロピル−5,11,15,18,20,26,29,35−オクタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ドデカアザヘプタトリアコンタン−37−酸メチル(3.77g)を粉末として得た。
【0182】
(製造例169)
(3S,6S,9S,12S,15R,18S,21S,24S,27S,30S)−3−sec−ブチル−30−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−27−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−6,9,18,21−テトライソブチル−24−イソプロピル−8,12,15,17,23,26,32−ヘプタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカアザテトラトリアコンタン−34−酸メチル(230mg)のMeOH(4mL)溶液に氷浴冷却下で1N LiOH(1.84mL)を加えた。同じ温度で1時間攪拌した後、5%クエン酸で溶液を酸性化してpH5とし、減圧濃縮してMeOHを除去し、AcOEt(20mL)で抽出した。有機層を食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生成した残渣をEt2Oで粉砕し、(3S,6S,9S,12S,15R,18S,21S,24S,27S,30S)−3−sec−ブチル−30−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−27−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−6,9,18,21−テトライソブチル−24−イソプロピル−8,12,15,17,23,26,32−ヘプタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカアザテトラトリアコンタン−34−酸(188mg)を固形物として得た。
【0183】
製造例170〜177の化合物は製造例169と同様の方法で得られた。
【0184】
(製造例178)
製造例1の目標化合物(66mg)のCH2Cl2(2.5mL)溶液に氷浴冷却下で(2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]−4−メチルペンタン酸(16.5mg)およびHOAt(9.1mg)、およびWSCD(10.4mg)を加え、混合物を氷浴冷却下で1.5時間攪拌した。生成した混合物を減圧濃縮し、残渣をAcOEtで抽出した。有機相を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、(6R,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S,36S)−36−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−33−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−6,9,12,15,24,27−ヘキサイソブチル−30−イソプロピル−2,2,5,8,14,18,21,23,29,32−デカメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ウンデカアザヘプタトリアコンタン−37−酸メチル(57mg)を淡黄色粉末として得た。得られた生成物はさらに精製せずに次の反応に用いた。
【0185】
製造例179〜192の化合物は製造例178と同様の方法で得られた。
【0186】
(製造例193)
製造例178の目標化合物(57mg)のCH2Cl2(1.2mL)溶液に氷浴冷却下でTFA(0.3mL)を加え、混合物を氷浴冷却下で2時間攪拌した。生成した混合物を氷浴冷却下でNaHCO3水溶液(H2O 20mL中430mg)で中和し、減圧濃縮した。飽和NaHCO3水溶液を残留溶液に加えてpH=8に調節し、混合物をAcOEtで抽出した。有機相を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、NaSO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、(3R,6S,9S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,30S,33S)−33−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−30−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−3,6,9,12,21,24−ヘキサイソブチル−27−イソプロピル−5,11,15,18,20,26,29−ヘプタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカアザテトラトリアコンタン−34−酸メチル(53mg)を無色固形物として得た。
【0187】
製造例194〜207の化合物は製造例193と同様の方法で得られた。
【0188】
(製造例208)
製造例57の目標化合物(1.00g)、(2S)−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル](メチル)アミノ}プロパン酸(399mg)、およびBop−Cl(416mg)のCH2Cl2(20mL)溶液に、氷浴冷却下でN−エチル−N−イソプロピル−2−プロパンアミン(422mg)を加えた。室温で一晩攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。残渣をAcOEt(50mL)に溶解し、溶液を0.5N HCl、1M NaHCO3および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生成した残渣をシリカゲルカラム(溶離液:2%MeOH含有CHCl3)で精製して(5R,8S,11S,14S,17S,20R,23S,26S,29S,32S,35S)−8−(1−tert−ブトキシエチル)−1−(9H−フルオレン−9−イル)−35−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−32−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−11,14,23,26−テトライソブチル−29−イソプロピル−4,5,7,13,17,20,22,28,31−ノナメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−2−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34−ウンデカアザヘキサトリアコンタン−36−酸メチル(1.25g)を非晶質粉末として得た。
【0189】
製造例209〜212の化合物は製造例208と同様の方法で得られた。
【0190】
(製造例213)
製造例159の目標化合物(110mg)のジオキサン(2.4mL)溶液に環境温度で1N NaOH(0.6mL)を加え、混合物を2時間攪拌した。反応混合物に10%クエン酸水溶液を加えてpH=4に調節し、溶液をAcOEtで抽出した。有機相を食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をEt2Oで粉砕し、(3R,6S,9S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,30S,33S)−33−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−30−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−6,9,12,21,24−ペンタイソブチル−27−イソプロピル−3,5,11,15,18,20,26,29−オクタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデカアザテトラトリアコンタン−34−酸(79mg)を無色粉末として得た。
【0191】
製造例214の化合物は製造例213と同様の方法で得られた。
【0192】
(製造例215)
製造例110の目標化合物(193mg)を氷浴冷却下で10%TFA含有CH2Cl2に溶解した。同じ温度で2時間攪拌した後、反応液に1M NaHCO3水溶液を加えてpH=8とした。反応混合物をCHCl3(50mL)で抽出し、有機層を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生成した残渣をシリカゲルカラム(溶離液:2%MeOH含有CHCl3)で精製して酢酸(1R)−1−{(2S,5R,8S,11S,14S,17S,20R,23S,26S,29S,32S)−8−(1−ヒドロキシエチル)−32−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチルへキサ−4−エン1−イル]−11,14,23,26−テトライソブチル−29−イソプロピル−4,5,7,13,17,20,22,28,31−ノナメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2−イル}エチル(183mg)を非晶質粉末として得た。
【0193】
(製造例216)
製造例215の目標化合物(187mg)のCH2Cl2(1.2mL)溶液にクロロギ酸4−ニトロフェニル(54mg)およびN−メチルモルホリン(29μL)を加えた。混合物を一晩攪拌した後、さらにクロロギ酸4−ニトロフェニル(54mg)およびN−メチルモルホリン(29μL)を3回に分けて1時間ずつ間隔をおいて加えた。出発化合物が消費された後、混合物をAcOEtで希釈し、1N塩酸水溶液およびNaHCO3水溶液で洗い、MgSO4で乾燥し、濃縮した。残渣にシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt=1/4の後、CH2Cl2/MeOH=9/1)を実施して酢酸(1R)−1−[(2S,5R,8S,11S,14S,17S,20R,23S,26S,29S,32S)−32−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチルへキサ−4−エン1−イル]−11,14,23,26−テトライソブチル−29−イソプロピル−4,5,7,13,17,20,22,28,31−ノナメチル−8−(1−{[(4−ニトロフェノキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2−イル]エチル(87mg)を得た。
【0194】
(製造例217)
製造例216の目標化合物(27mg)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液にモルホリン(4.9μL)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。残渣にシリカゲルクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH=97/3から90/10)を実施して1−{(2S,5S,8S,11S,14R,17S,20S,23S,26S,29S,32R)−29−[(1R)−1−アセトキシエチル]−26−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチルへキサ−4−エン1−イル]−5,8,17,20−テトライソブチル−23−イソプロピル−1,7,11,14,16,22,25,31,32−ノナメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2−イル}エチル=モルホリン−4−カルボキシラート(22mg)を得た。
【0195】
製造例218〜220の化合物は製造例217と同様の方法で得られ、また実施例1の化合物は製造例4と同様の方法で得られた。
【0196】
(実施例2)
製造例139の目標化合物(42.7mg)のCH2Cl2(43mL)溶液に氷浴冷却下でHOAt(5.5mg)およびWSCD(6.3mg)を加え、混合物を5℃で13時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をAcOEtで抽出した。有機相をH2O、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=95:5)で精製して(3R,6S,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S)−33−sec−ブチル−3−エチル−6−(1−ヒドロキシエチル)−9−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−15,18,27,30−テトライソブチル−12−イソプロピル−1,4,10,13,19,21,24,28−オクタメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(29mg)を無色粉末として得た。
【0197】
実施例3〜11の化合物は実施例2と同様の方法で得られた。
【0198】
(実施例12)
下記の実施例25の目標化合物(1.00g)を氷浴冷却下で10%TFA含有CH2Cl2に溶解した。同じ温度で2時間攪拌した後、反応液に1M NaHCO3水溶液を加えてpH8とした。反応混合物をCHCl3(50mL)で抽出し、有機層を飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。生成した残渣をシリカゲルカラム(溶離液:2%MeOH含有CHCl3)で精製して(3R,6S,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−33−(1−ヒドロキシエチル)−9−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−15,18,27,30−テトライソブチル−12−イソプロピル−1,3,4,10,13,19,21,24,28−ノナメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(625mg)を非晶質粉末として得た。
【0199】
実施例13の化合物は製造例12と同様の方法で得られた。
【0200】
(実施例14)
製造例41の目標化合物(42.7mg)のCH2Cl2(48mL)溶液に氷浴冷却下でHOAt(7.3mg)およびWSCD(8.3mg)を加え、混合物を5℃で13時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をAcOEtで抽出した。有機相をH2O、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=95:5)で精製して(3R,6S,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S)−33−sec−ブチル−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−9−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−15,18,27,30−テトライソブチル−12−イソプロピル−1,3,4,10,13,19,21,24,28−ノナメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(29mg)を無色粉末として得た。
【0201】
実施例15〜24の化合物は実施例14と同様の方法で得られた。
【0202】
(実施例25)
製造例20の目標化合物(785mg)およびHOAt(99mg)のCH2Cl2(785mL)溶液に、氷浴冷却下でWSCD(113mg)のCH2Cl2(10mL)を3時間かけて加えた。5℃で一晩攪拌した後、溶液を減圧濃縮した。残渣をAcOEt(40mL)−H2O(40mL)に溶解し、溶液を0.2N HCl、飽和NaHCO3および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して粉末を得た。粗粉末をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:アセトン、2:1)で精製して(3R,6S,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S)−33−(1−tert−ブトキシエチル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−9−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−15,18,27,30−テトライソブチル−12−イソプロピル−1,3,4,10,13,19,21,24,28−ノナメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(365mg)を非晶質粉末として得た。
【0203】
実施例26〜35の化合物は実施例25と同様の方法で得られた。
【0204】
(実施例36)
製造例75の目標化合物(48mg)のCH2Cl2(37mL)溶液に氷浴冷却下でHOAt(6.0mg)およびWSCD(6.9mg)を加え、混合物を5℃で13時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をAcOEtで抽出した。有機相をH2O、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=95:5)で精製して(3R,6S,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−9−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−3,15,18,27,30,33−ヘキサイソブチル−12−イソプロピル−1,4,10,13,19,21,24,28−オクタメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(34mg)を無色粉末として得た。
【0205】
実施例37〜51の化合物は実施例36と同様の方法で得られた。
【0206】
(実施例52)
製造例161の目標化合物(920mg)およびHOAt(489mg)のCH2Cl2(1000mL)溶液に、氷浴冷却下でWSCD(558mg)のCH2Cl2(10mL)を加え、混合物を氷浴冷却下で攪拌した。5℃で一晩攪拌した後、溶液を減圧濃縮した。残渣をAcOEt(100mL)−H2O(100mL)に溶解し、溶液を0.2N HCl、飽和NaHCO3および食塩水で洗い、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して粉末を得た。粗粉末をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:4%MeOH含有CHCl3)で精製して(3S,6S,9S,12R,15S,18S,21S,24S,30S,33S)−24−(1−tert−ブトキシエチル)−30−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−33−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−6,9,18,21−テトライソブチル−3−イソプロピル−1,4,10,12,15,19,25,28−オクタメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(448mg)を非晶質粉末として得た。
【0207】
実施例53〜73の化合物は実施例52と同様の方法で得られた。
【0208】
(実施例74)
製造例213の目標化合物(79mg)のCH2Cl2(63mL)溶液に氷浴冷却下でHOAt(10.3mg)およびWSCD(11.7mg)を加え、混合物を5℃で13時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をAcOEtで抽出した。有機相をH2O、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=95:5)で精製して(3R,6S,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−9−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−イル]−15,18,27,30,33−ペンタイソブチル−12−イソプロピル−1,3,4,10,13,19,21,24,28−ノナメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(43mg)を無色粉末として得た。
【0209】
(実施例75)
(3R,6S,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S)−3−[(ベンジルオキシ)メチル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−9−[(1R,2R)−1−ヒドロキシ−2−メチルヘキシル]−15,18,27,30,33−ペンタイソブチル−12−イソプロピル−1,4,10,13,19,21,24,28−オクタメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(22mg)をMeOH(1mL)に溶解し、5%Pd坦持活性炭を用いて室温および大気圧で水素化した。2時間後、触媒を濾取し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン、1:1)で精製して(3R,6S,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(ヒドロキシメチル)−9−[(1R,2R)−1−ヒドロキシ−2−メチルヘキシル]−15,18,27,30,33−ペンタイソブチル−12−イソプロピル−1,4,10,13,19,21,24,28−オクタメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(18mg)を得た。
【0210】
(実施例76)
(3R,6S,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S)−3−[(ベンジルオキシ)メチル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−9−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−ヘキセン−1−yl]−15,18,27,30−テトライソブチル−12−イソプロピル−33−(1−メトキシエチル)−1,4,10,13,19,21,24,28−オクタメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(20mg)をMeOH(2mL)に溶解し、Pd坦持活性炭を用いて室温および大気圧で水素化した。40分後、触媒を濾取し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲル分取薄層クロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=95:5)で精製して(3R,6S,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(ヒドロキシメチル)−9−[(1R,2R)−1−ヒドロキシ−2−メチルヘキシル]−15,18,27,30−テトライソブチル−12−イソプロピル−33−(1−メトキシエチル)−1,4,10,13,19,21,24,28−オクタメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(12mg)を無色の粉末として得た。
【0211】
(実施例77)
製造例217の目標化合物(11.5mg)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液にナトリウムメタノラート(25μmol)のMeOH(1mL)溶液を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。混合物にODS精製を実施して1−{(2S,5S,8S,11S,14R,17S,20S,23S,26S,29S,32R)−29−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−26−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチルへキサ−4−エン1−イル]−5,8,17,20−テトライソブチル−23−イソプロピル−1,7,11,14,16,22,25,31,32−ノナメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2−イル}エチル−モルホリン−4−カルボキシラート(9mg)を得た。
【0212】
実施例78〜80の化合物は実施例77と同様の方法で得られた。
【0213】
(実施例81)
(3R,6S,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−9−[(1R,2R,4E)−1−ヒドロキシ−2−メチルへキサ−4−エン1−イル]−15,18,27,30−テトライソブチル−12−イソプロピル−33−(1−メトキシエチル)−1,3,4,10,13,19,21,24,28−ノナメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(60mg)のMeOH(6.0mL)溶液を、20%Pd/C(50%湿潤;30mg)を用いて室温で2時間水素化した。混合物をろ過し、濾液を濃縮した。残留物を蒸発させて(3R,6S,9S,12S,15S,18S,21R,24S,27S,30S,33S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−9−[(1R,2R)−1−ヒドロキシ−2−メチルヘキシル]−15,18,27,30−テトライソブチル−12−イソプロピル−33−(1−メトキシエチル)−1,3,4,10,13,19,21,24,28−ノナメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカアザシクロトリトリアコンタン−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−ウンデコン(56mg)を得た。
【0214】
製造例82および83の化合物は実施例81と同様の方法で得られた。
【0215】
実施例および製造例化合物についての構造および質量スペクトルデータ(特に示さない限りESI−MS[(M+H)+])をテーブル1〜42に示し、また実施例の化合物の1H−NMRデータのピークδppm(クロロホルム−d、TMS内部標準)を表44(テーブル43)に示す。
【0216】
表2から13(テーブル1〜11):以下の式で表される実施例化合物
【化64】

【0217】
【表2】

【0218】
【表3】

【0219】
【表4】

【0220】
【表5】

【0221】
【表6】

【0222】
【表7】

【0223】
【表8】

【0224】
【表9】

【0225】
【表10】

【0226】
【表11】

【0227】
【表12】

【0228】
【表13】

【0229】
表14から23(テーブル13 〜 22) :次式で示されるタイプ1の製造例化合物
【0230】
【化65】

【0231】
【表14】

【0232】
【表15】

【0233】
【表16】

【0234】
【表17】

【0235】
【表18】

【0236】
【表19】

【0237】
【表20】

【0238】
【表21】

【0239】
【表22】

【0240】
【表23】

【0241】
表24から32(テーブル23 〜 31): 次式で表されるタイプ2の製造例化合物
【化66】

【0242】
【表24】

【表25】

【0243】
【表26】

【0244】
【表27】

【0245】
【表28】

【0246】
【表29】

【0247】
【表30】

【0248】
【表31】

【0249】
【表32】

【0250】
表33から表37(テーブル32 〜 36):次式で表されるタイプ3の製造例化合物
【化67】

【0251】
【表33】

【0252】
【表34】

【0253】
【表35】

【0254】
【表36】

【0255】
【表37】

【0256】
表38から表41(テーブル 37 〜 40) :式で表されるタイプ4の製造例化合物
【0257】
【化68】

【0258】
【表38】

【0259】
【表39】

【0260】
【表40】

【0261】
【表41】

【0262】
次式で表される他のタイプの製造例化合物(表42=テーブル41)
【0263】
【表42】

【0264】
次式で表される別のタイプの製造例化合物(表43=テーブル42)
【0265】
【表43】

【0266】
本発明の化合物の構造を以下の表44に示す。これらの化合物は上述の製造方法、実施例または製造例に記載された方法、または当業者に周知の方法またはその変法によって容易に製造することができる。
【表44】

【0267】

【0268】

【0269】

【0270】

【0271】

【0272】

【0273】

【0274】

【0275】

【0276】

【0277】

【0278】

【0279】

【0280】

【0281】

【0282】

【0283】

【0284】

【0285】

【0286】

【0287】
【表45】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I)を有する環状ペプチド化合物:
【化1】

(式中、
Xが
【化2】

または
【化3】

であり、
1が水素または低級アルキルであり;
2が水素、アリールまたは、以下からなる群から選択される1個の適切な置換基で置換されてもよい低級アルキル:
ヒドロキシ、シクロ(低級)アルキル、低級アルコキシ、アリール、アリール(低級)アルコキシ、置換されてもよいカルバモイルオキシ、および置換されてもよいアミノ
であり;
【化4】

がNを含む複素環基であり;
Yが
【化5】

または
【化6】

であり、
3がシクロ(低級)アルキル、アリール、置換されてもよい複素環基または以下からなる群から選択される1個の適切な置換基によって置換されてもよい低級アルキル:
ヒドロキシ、シクロ(低級)アルキル、低級アルコキシ、アリール、アリール(低級)アルコキシ、低級アルコキシ(低級)アルコキシ、置換されてもよいアミノおよび−OC(O)NR67(式中、R6およびR7がそれぞれ独立に水素または低級アルキルであるか、または、その代わりにR6およびR7がその結合する窒素原子と一緒になって、低級アルキルで置換されてもよいNを含む複素環基を表す)
であり;かつ
4およびR5がそれぞれ独立に水素または低級アルキルであり;
----が単結合または二重結合を表す)
またはその塩。
(ただし、
2が水素である場合、R3がシクロ(低級)アルキル、アリール、置換されてもよい複素環基、低級アルコキシメチル、アリール(低級)アルキル、t−ブチル、sec−ブチル、シクロ(低級)アルキル(低級)アルキル、またはヒドロキシ、低級アルコキシ、アリール(低級)アルコキシ、低級アルコキシ(低級)アルコキシ、置換されてもよいアミノおよび−OC(O)NR67(式中、R6およびR7がそれぞれ上記の定義通り)からなる群より選択される1個の適切な置換基によって置換されるエチルである。)
【請求項2】
Xが
【化7】

であり、
1が水素または低級アルキルであり;
2がアリールまたは、以下からなる群より選択される1個の適切な置換基で置換されてもよい低級アルキル:
ヒドロキシ、シクロ(低級)アルキル、低級アルコキシ、アリール、アリール(低級)アルコキシ、ジ(低級)アルキルカルバモイルオキシ、および以下からなる群から選択される1個または2個の適切な置換基によって置換されてもよいアミノ:
低級アルキル、ベンジルオキシカルボニル、およびt−ブトキシカルボニル
であり;
Yが
【化8】

または
【化9】

であり、
3がシクロ(低級)アルキル、アリールまたは、以下からなる群から選択される1個の適切な置換基で置換されてもよい低級アルキル:
ヒドロキシ、低級アルコキシおよびアリール(低級)アルコキシ
であり;
4が水素であり;
5が低級アルキルである、
請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
1が低級アルキルであり;
2が低級アルキルであり;
Yが
【化10】

であり、
3がアリールまたは、ヒドロキシまたは低級アルコキシで置換されてもよい低級アルキルであり;
4が水素であり;
5が低級アルキルであり;
----部分が二重結合である、
請求項2に記載の化合物、またはその塩。
【請求項4】
3がヒドロキシまたは低級アルコキシで置換されてもよい低級アルキルである請求項3に記載の化合物、またはその塩。
【請求項5】
Xが
【化11】

であり、
1が低級アルキルであり;
2が水素であり;
Yが
【化12】

または
【化13】

であり、
3がシクロ(低級)アルキル、アリール、低級アルコキシカルボニル、(低級)アルコキシ(低級)アルキル、アリール(低級)アルキル、t−ブチル、sec−ブチル、シクロ(低級)アルキル(低級)アルキルで置換されてもよい複素環基、または以下からなる群から選択される1個の適切な置換基によって置換されるエチル:
ヒドロキシ、低級アルコキシ、アリール(低級)アルコキシ、低級アルコキシ(低級)アルコキシ、−OC(O)NR67(式中、R6およびR7がそれぞれ独立に水素または低級アルキルであるか、またはその代わりにR6およびR7が、その結合する窒素原子と一緒になって、低級アルキルで置換されてもよいNを含む複素環基を表す)、および以下からなる群から選択される1個または2個の適切な置換基によって置換されてもよいアミノ:
低級アルキルおよびベンジルオキシカルボニル;
であり、
4およびR5がそれぞれ独立に水素または低級アルキルである;
請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項6】
Yが
【化14】

であり、
3がシクロ(低級)アルキル、アリール、低級アルコキシカルボニル、t−ブチル、sec−ブチルによって置換されてもよい複素環基、または以下からなる群から選択される1個の適切な置換基によって置換されるエチル:
ヒドロキシ、低級アルコキシ、アリール(低級)アルコキシ、低級アルコキシ(低級)アルコキシ、および−OC(O)NR67(式中、R6およびR7がそれぞれ独立に水素または低級アルキルであるか、またはその代わりにR6およびR7が、その結合する窒素原子と一緒になって、低級アルキルで置換されてもよいNを含む複素環基を表す)であり;
4が水素であり、
5が低級アルキルであり;
----部分が二重結合である、
請求項5に記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
Xが
【化15】

であり;
【化16】

であり、
3が低級アルキルであり;
4およびR5がそれぞれ独立に水素または低級アルキルである
請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項8】
Xが
【化17】

または
【化18】

であり;
4が水素であり;
5が低級アルキルであり;
----部分が二重結合である、
請求項7に記載の化合物またはその塩。
【請求項9】
i)以下の式の化合物(IIa):
【化19】

またはその塩に以下の式の化合物(V):
【化20】

(式中、Yは請求項1に定義され、
Pはアミノ保護基であり、
Lは脱離基である)
またはその塩との反応、およびこれに続いてアミノ保護基の脱保護反応、およびさらにこれに続いて環化反応を施して以下の式の化合物(Ia):
【化21】

(式中、Yは請求項1に定義される)
またはその塩を得ること、
ii)以下の式の化合物(IIb):
【化22】

またはその塩に、以下の式の化合物(VI):
【化23】

(式中、Xは請求項1に定義され、
LおよびPが上記に定義するとおりである)
またはその塩との反応、およびこれに続いてアミノ保護基の脱保護反応、およびさらにこれに続いて環化反応を施して以下の式の化合物(Ib):
【化24】

(式中、Xは請求項1に定義される)またはその塩を得ること、
iii)以下の式の化合物(IIc):
【化25】

またはその塩に上記の化合物(V)またはその塩との反応、およびこれに続いてアミノ保護基の脱保護反応、およびさらにこれに続いて上記の化合物(VI)またはその塩との反応、脱保護反応および環化反応の一連の反応を施して以下の式の化合物(Ic):
【化26】

(式中、XおよびYは請求項1に定義される)またはその塩を得ること、
iv)上記の化合物(Ic)またはその塩に水素化反応を施して以下の式の化合物(Id):
【化27】

(式中、XおよびYはそれぞれ請求項1に定義される)またはその塩を得ることを含む、請求項1に記載の化合物またはその塩を製造するためのプロセス。
【請求項10】
以下の式の化合物(II)
【化28】

(式中、
R’がメトキシまたは
【化29】

であり、
R’’が水素または
【化30】

である)またはその塩を製造するプロセスであって、
以下の式の化合物(VII):
【化31】

またはその塩に転位反応、およびこれに続いてアミノ保護反応、およびその後の加水分解反応、さらに次に続いて以下の式の化合物(X):
【化32】

(式中、R’は上記の定義のとおりである)またはその塩との反応、さらに続いてアミノ保護基の脱保護反応、さらに最終的にエドマン分解法を2または3回施すプロセス。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物または製薬上許容できるその塩を、主成分として、製薬上許容できる担体または賦形剤と混合して含む医薬組成物。
【請求項12】
治療薬の製造のための請求項1に記載の化合物または製薬上許容できるその塩の使用。
【請求項13】
治療薬として使用するための請求項1に記載の化合物または製薬上許容できるその塩。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物または製薬上許容できるその塩をヒトまたは動物に投与することを含む、C型肝炎の予防的および/または治療的処置の方法。
【請求項15】
請求項11に記載の前記医薬組成物およびこれに関連する文書を含み、前記文書が前記医薬組成物をC型肝炎の予防または治療のために用いることができるかまたは用いるべきであると記載する商品包装。
【請求項16】
包装材料および前記包装材料に収容される請求項1に特定される前記化合物(I)を含み、前記化合物(I)がC型肝炎の予防または治療について治療的に有効であり、かつ前記包装材料が前記化合物(I)をC型肝炎の予防または治療のために用いることができるかまたは用いるべきであることを示すラベルまたは文書を含む製造物。

【公表番号】特表2009−513562(P2009−513562A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521463(P2008−521463)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際出願番号】PCT/JP2006/321924
【国際公開番号】WO2007/049803
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【Fターム(参考)】