説明

新規老化防止剤およびそれを配合するゴム組成物

【課題】
天然ゴム及び合成ゴム用の老化防止剤であって、それを用いたゴム組成物が、老化防止性、着色性に優れたゴム組成物を提供すること
【解決手段】
過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト類化合物を含有することを特徴とした新規な天然ゴム及び合成ゴム用老化防止剤であり、天然ゴム及び合成ゴムに添加することにより、老化防止性に優れ、さらに着色の起こりにくいゴム組成物を得ることができる。
天然ゴム及び合成ゴムに対する添加量は、天然ゴム及び合成ゴムに対して好ましくは0.1〜10重量

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然ゴム及び合成ゴムに添加して老化防止性に優れ、さらに着色の起こりにくい老化防止剤およびそれを用いたゴム組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴム製品は使用中に熱、酸素、オゾン、光、などによって劣化し、物性の低下や表面に亀裂が入るなどの現象が起こり、その機能を保持することが出来なくなる。これらの劣化を防止してゴム製品の機能を長時間保持させるためには、老化防止剤を配合しておくことが重要である。
【0003】
通常使用される老化防止剤としては、芳香族アミン系老化防止剤が有効であり最も多く使用されている。しかし、欠点としては着色性があるため、白色ゴムや透明ゴム製品には使用できない。このような場合には、フェノール系の老化防止剤が使用されているが、芳香族アミン系老化防止剤に比べ老化防止効果は劣り、十分満足できるものではなかった。
【0004】
例えば特許文献1にはフェノチアジンと特定のアルキル基を有するN−フェニル−N’−アルキル−p−フェニレンジアミンとの特定割合からなる老化防止剤の利用が提案されている。しかしながら、この改良された老化防止剤の老化防止効果は優れているが、着色性に関しての改善は見られず、技術的課題を解決する手段としては不十分である。
【特許文献1】特開昭57−117545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、天然ゴム及び合成ゴム用老化防止剤であって、それを用いたゴム組成物が老化防止性、着色性に優れたゴム組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記問題点を改善すべく鋭意研究を重ねた結果、過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト類化合物を用いることによって、老化防止剤として格別の効果を奏することを見出した。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
【0007】
すなわち本発明は、天然ゴム及び合成ゴムに添加して老化防止性に優れ、さらに着色の起こりにくい老化防止剤として使用され、下記一般式(1)に記載の過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト類化合物を含有する新規な天然ゴム及び合成ゴム用老化防止剤およびそれを用いたゴム組成物を提供するものである。
【0008】
【化1】

(式中、3<x<10、0≦y<1、0.1<z≦1、0<m<10、0.5≦n≦20を示す。ただし、mH2Oは層間水、nH2Oは自由水を示す。)
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る天然ゴム及び合成ゴム用老化防止剤は、過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト類化合物であって、好ましくは下記の式(1)で表せる化合物がより好ましい。
【化1】

(式中、3<x<10、0≦y<1、0.1<z≦1、0<m<10、0.5≦n≦20を示す。ただし、mH2Oは層間水、nH2Oは自由水を示す。)
【0010】
本発明の老化防止剤の天然ゴム及び合成ゴムに対する添加量は、天然ゴム及び合成ゴムに対し好ましくは0.1〜10重量部を配合してなるものである。
【0011】
本発明におけるゴムとしては、加硫および/または架橋して使用されるゴム(以下、「加硫・架橋用ゴム」という。)、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。前記加硫・架橋用ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンーブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルーブタジエンゴム、水素化アクリロニトリルーブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンープロピレンゴム、エチレンープロピレンー非共役ジエンゴム、エチレンー酢酸ビニルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エチレンーアクリル酸エステルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エピクロルヒドリンーエチレンオキシドゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ポリサルファイドゴム、ふっ素ゴム等が挙げられる。これらの中で、好ましくはクロロプレンゴム、アクリロニトリルーブタジエンゴム、水素化アクリロニトリルーブタジエンゴム、エチレンープロピレンゴム、エチレンープロピレンー非共役ジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エチレンーアクリル酸エステルゴム、エピクロルヒドリンゴム、エピクロルヒドリンーエチレンオキシドゴム、ウレタンゴム、ポリサルファイドゴムであり、さらに好ましくはアクリロニトリルーブタジエンゴム、エチレンープロピレンゴム、エチレンープロピレンー非共役ジエンゴム、アクリルゴムである。前記加硫・架橋用ゴムは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、前記熱可塑性エラストマーとしては、好ましくはスチレンーブタジエンブロック共重合体、スチレンーイソプレンブロック共重合体や、これらの水素添加物が挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0012】
本発明のゴム組成物には、ゴムが加硫・架橋用ゴムである場合は、通常、加硫・架橋剤が配合され、またゴムの種類に関わらず、充填材、着色剤等を配合することもできる。但し、用いられるゴム自体が加硫性あるいは架橋性を有する場合は、加硫・架橋剤を配合しても配合しなくてもよい。前記加硫・架橋剤としては、用いられるゴムの種類により、硫黄系加硫剤、有機過酸化物、キノイド加硫剤、樹脂加硫剤、金属酸化物加硫剤、含硫黄有機化合物、アミン加硫剤、トリアジン系加硫剤、ポリオール加硫剤、金属石けん加硫剤、マレイミド系加硫剤等を適宜選択して使用される。硫黄系加硫剤としては、例えば粉末硫黄、硫黄華、高分散性硫黄、不溶性硫黄、沈降硫黄、表面処理硫黄、コロイド硫黄、塩化硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄等が挙げられる。これらの硫黄系加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、加硫・架橋剤として硫黄系加硫剤を使用する場合には、加硫促進剤を併用することもできる。加硫促進剤としては、例えばヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド・アンモニア等のアルデヒドアンモニア類;n−ブチルアルデヒドーアニリン縮合品、ブチルアルデヒドーモノブチルアミン縮合品、ヘプトアルデヒドーアニリン反応品、トリクロトニリデン・テトラミン等のアルデヒドアミン類;ジフェニルグアニジン、ジーo−トリルグアニジン、オルト・トリル・ビグアニド、ジカテコール・ホウ酸のジオルト・トリル・グアニジン塩等のグアニジン塩類;2−メルカプトイミダソリン等のイミダソリン類;2−メルカプトベンソチアソール、2−メルカプトチアソリン、ジペンソチアジル・ジスルフィド、2−メルカプトベンソチアソールの亜鉛塩、2−メルカプトベンソチアソールのナトリウム塩、2−メルカプトベンソチアソールのシクロヘキシルアミン塩、2−(2、4−ジニトロフェニルチオ)ペンソチアソール、2−(N、N−ジエチルチオ・カルバモイルチオ)ペンソチアソール、2−(4’
−モルホリノ・ジチオ)ペンソチアソール、4−モルホニルー2−ペンソチアジル・ジスルフィド等のチアソール類;N−シクロヘキシルー2−ペンソチアジル・スルフェンアミド、N、N−ジシクロヘキシルー2−ペンソチアジル・スルフェンアミド、N−オキシジエチレンー2−ペンソチアジル・スルフェンアミド、N、N−ジイソプロピルー2−ペンソチアジル・スルフェンアミド、N−tert−ブチルー2−ペンソチアジル・スルフェンアミド等のスフェンアミド類;チオカルバニド、エチレン・チオ尿素(2−メルカプトイミダソリン)、ジエチル・チオ尿素、ジブチル・チオ尿素、混合アルキルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジラウリルチオ尿素等のチオ尿素類;ジメチル・ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチル・ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジーn−ブチル・カルバミン酸ナトリウム、ジメチル・ジチオカルバミン酸鉛、ジアミル・ジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジーn−ブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジペンジル・ジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレン・ジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチル・ジチオカルバミン酸セレン、ジエチル・ジチオカルバミン酸セレン、ジエチル・ジチオカルバミン酸テルル、ジエチル・ジチオカルバミン酸カドミウム、ジメチル・ジチオカルバミン酸銅、ジメチル・ジチオカルバミン酸鉄、ジメチル・ジチオカルバミン酸ビスマス、ジメチル・ジチオカルバミン酸ピペリジン、メチルペンタメチレン・ジチオカルバミン酸ピペコリン、活性化ジチオカルバメート等のジチオカルバミン酸塩類;テトラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフィド、活性テトラメチルチウラム・ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスルフィド、テトラブチルチウラム・ジスルフィド、N、N’
−ジメチルーN、N’ −ジフェニルチウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム・テトラスルフィド、混合アルキル・チウラム・ジスルフィド等のチウラム類;イソプロピル・キサントゲン酸ナトリウム、イソプロピル・キサントゲン酸亜鉛、ブチル・キサントゲン酸亜鉛等のザンテート類;4、4’−ジチオジモルホリン、アミノジアルキルジチオホスフェート、亜鉛−o、o−n−ブチル・ホスホロジチオエート、3−メルカプトイミダソリンーチオンー2、チオグリコール酸エステル等が挙げられる。これらの加硫促進剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0013】
有機過酸化物としては、例えば1、1−ジ第三ブチルパーオキシー3、3、5−トリメチルシクロヘキサン、ジ第三ブチルパーオキサイド、第三ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2、5−ジメチルー2、5−ジ(第三ブチルパーオキシ)ヘキサン)、2、5−ジメチルー2、5−ジ(第三ブチルパーオキシ)ヘキシン、1、3−ビス(第三ブチルパーオキシーイソプロピル)ペンゼン、第三ブチルパーオキシ−イソプロピルカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート、ジプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ジ(メトキシイソプロピル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、第三ヘキシルパーオキシネオヘキサネート、ジ(3−メチルー3−メチロキシブチル)パーオキシジカーボネート、第三ブチルパーオキシネオデカネ−ト、第三ヘキシルパーオキシネオデカネート、第三ブチルパーオキシネオヘキサネート、2、4−ジクロロペンソイルパーオキシド、第三ヘキシルパーキシピバレート、第三ブチルパーヘキシピバレート、3、3、5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクテート、アセチルパーオキサイド、第三ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサネート)、ベンソイルパーオキサイド、第三ブチルパーオキシイソイソブチレート、1、1−ビス(第三ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、第三ブチルパーオキシマレイックアシッド、第三ブチルパーオキシラウレート、第三ブチルパーオキシー3、3、5−トリメチルヘキサネート、シクロヘキサノンパーオキサイド、第三ブチルパーオキシアリルカーボネート、2、5−ジメチルー2、5−ジ(ペンソイルパーオキシ)ヘキサン、2、2−ビス(第三ブチルパーオキシ)オクタン、第三ブチルパーオキシアセテート、2、2−ビス(第三ブチルパーオキシ)ブタン、第三ブチルパーオキシベンソエート、ブチルー4、4−ビス(第三ブチルパーオキシ)バレレート、ジ第三ブチルジパーオキシイソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、a、・−ビス(第三ブチルパーオキシーm−イソプロピル)シクロヘキサン、ジイソプロピルペンゼンーヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、1、1、3、3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、2、5−ジメチルヘキサンー2、5−ジヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、第三ブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、加硫・架橋剤として有機過酸化物を使用する場合には、共架橋剤を併用することもできる。共架橋剤としては、例えば硫黄、p一キノンジオキシム、p−ペンソキノンジオキシム、p、p’−ジペンソイルキノンジオキシム、N−メチルーN’−4−ジニトロソアニリン、N、N−m−フエニレンビスマレイミド、ジペンタメチレンチウラムペンタスルフィド、ジニトロソペンゼン、ジビニルペンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアジンチオール、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ (メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメトロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルメラミン、ジビニルアジペート、ビニルブチラート、ビニルステアレート、液状ポリブタジエンゴム、液状ポリイソプレンゴム、液状スチレンーブタジエンゴム、液状アクリロニトリルーブタジエンゴム、(メタ)アクリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸アルミニウム、 (メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸第一錫、 (メタ)アクリル酸マグネシウム等が挙げられる。これらの共架橋剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0014】
キノイド加硫剤としては、例えばp−キノンジオキシム、p、p’ −ジペンソイルキノンジオキシム、テトラクロローp−ペンソキノン、ポリーp−ジニトロベンゼン等が挙げられる。これらのキノイド加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。樹脂加硫剤としては、例えばアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、メラミンーホルムアルデヒド縮合物、トリアジンーホルムアルデヒド縮合物、オクチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール・スルフィド樹脂、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。金属酸化物加硫剤としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、一酸化鉛等が挙げられる。これらの金属酸化物加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。含硫黄有機加硫剤としては、例えばモルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、N、N’−ジチオービス(ヘキサヒドロー2H−アゼピノンー2)、チウラムポリスルフィド、2−(4’−モルホリノ・ジチオ)ペンソチアソール等が挙げられる。これらの含硫黄有機加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。ポリアミン系加硫剤としては、例えばヘキサメチレンジアミンカルバメート、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレン・テトラミン、テトラエチレン・ペンタミン、4、4’
−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)カルバメート、N、N’ −ジシンナミリデンー1、6−ヘキサンジアミン、アンモニウムペンソエート等が挙げられる。これらのポリアミン系加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。 トリアジン系加硫剤としては、例えば2、4、6−トリメルカプトーs−トリアジン、2−ジーn−ブチルアミノー4、6−ジメルカプトーs−トリアジン等が挙げられる。これらのトリアジン系加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。ポリオール加硫剤としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールAF、ハイドロキノン、ペンタエリトリトール等が挙げられる。これらのポリオール系加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。金属石けん加硫剤としては、例えばステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等が挙げられる。これらの金属石けん加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。マレイミド系加硫剤としては、例えばN、N’
−m−フェニレンジマレイミド等が挙げられる。
【0015】
前記充填材としては、例えば重質炭酸カルシウム、胡粉、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、カオリンクレー、焼成クレー、パイロフライトクレー、シラン処理クレー、天然ケイ酸、合成無水ケイ酸、合成含水ケイ酸、合成ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カオリン、セリサイト、タルク、微粉タルク、ウオラスナイト、ゼオライト、ゾーノトナイト、マイカ、アスペスト、PMF(Processed Minera1 Fiber:加工鉱物繊維)、セピオライト、チタン酸カリウム、エレスタダイト、石膏繊維、ガラスバルン、シリカバルン、ハイドロタルサイト、フライアシュバルン、シラスバルン、カーボン系バルン、フェノール樹脂、尿素樹脂、スチレン系樹脂、サラン樹脂等の有機系バルン、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維(チョップドストランド、ロービング、ミルドガラス繊維、ガラスフレーク)、カットファイバー、ロックファイバー、ミクロファイバー、炭酸繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、再生ゴム、ゴム粉末、エボナイト粉末、セラック、木粉等が挙げられる。これらの中で、好ましくは重質炭酸カルシウム、胡粉、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、カオリンクレー、焼成クレー、パイロフライトクレー、シラン処理クレー、タルク、微粉タルク、天然ケイ酸、
合成無水ケイ酸、合成含水ケイ酸であり、さらに好ましくは極微細活性化炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、合成含水ケイ酸である。前記充填材は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。充填材の配合量は、ゴム100重量部に対して、通常、5〜400重量部、好ましくは10〜300重量部である。前記着色剤としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン、バライト、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム、せっこう、カーボンブラック、鉛白、べんがら等の無機顔料;不溶性ジスアソ系、縮合アソ系、イソインドリノン系、ベンズイミダソロン系、アニリンブラック等の有機顔料が挙げられる。着色剤の配合量は、ゴム100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。
【0016】
さらに、本発明のゴム組成物には、通常のゴム組成物で使用されている各種の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば滑剤、金属酸化物、軟化剤、可塑剤、老化防止剤等が挙げられる。前記滑剤としては、例えばステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ジブチルアンモニウム・オレート、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの滑剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。前記金属酸化物としては、例えば亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、複合亜鉛華、複合活性亜鉛華、表面処理酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、極微細水酸化カルシウム、一酸化鉛、鉛丹、鉛白等が挙げられる。これらの金属酸化物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。前記軟化剤としては、例えばアロマティック系、ナフテン系、パラフィン系軟化剤等の石油系軟化剤;ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やじ油、落花生油、木ろう等の植物系軟化剤;黒サブ、白サブ、飴サブ等が挙げられる。これらの軟化剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。前記可塑剤としては、例えばフタル酸系、イソフタル酸系、テトラヒドロフタル酸系、アジピン酸系、アゼライン酸系、セバシン酸系、ドデカン−2−酸系、マレイン酸系、フマル酸系、トリメリット酸系、クエン酸系、イタコン酸系、リシノール酸系、ステアリン酸系、ポリエーテル系、ポリエステル系、フオスフェート系、グリコール系、エポキシ系等の可塑剤が挙げられる。これらの可塑剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。前記老化防止剤としては、例えばナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、モノー、ビスー、トリスーまたはポリーフェノ−ル系、チオビスフェノール系、ヒンダートフェノール系、亜リン酸エステル系、イミダソール系、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系、リン酸系等の老化防止剤が挙げられる。これらの老化防止剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。その他必要に応じて、酸化防止剤、加工助剤、活性剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、奪水剤、ワックス、活性剤、光安定剤、カップリング剤、内部離型剤、スコーチ防止剤、発泡剤、発泡助剤、抗菌剤、難燃剤、素練り促進剤等を配合することもできる。
【0017】
本発明のゴム組成物は、通常、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロール等の通常のゴム混練り機によりゴムを軟化させておいてから、化合物(A)および/または化合物(B)、加硫・架橋剤、充填材、着色剤等を添加・混練りすることにより調製することができる。この場合、混練り機の種類、各成分の添加方法や添加順序は特に限定されるものではない。本発明のゴム組成物は、成形加工性に優れており、通常のゴム加工で使用されているプレス成形、押出し成形、射出成形、トランスファー成形、カレンダー成形等により容易に成形される。また、本発明のゴム組成物は、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶媒に溶解し、スプレー、刷毛、ディッピング等の方法により他のゴム、樹脂あるいはその他の材料に塗布したのち、風乾、加熱乾燥等により乾燥し、場合により架橋することによって、他の材料の表面に積層することもできる。本発明のゴム組成物は、特にLCD関連分野、LSI関連分野、IC関連分野、OA機器、AV機器、家電機器、例えばコピー用、ファックス用、プリンター用等の各種ロールに好適に使用することができるほか、自動車部品、ホース、ペルト、シール材、履物等としても有用である。
【実施例】
【0018】
以下、実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0019】
合成例1 ハイドロタルサイト類化合物としてDHT−4A(登録商標)(協和化学工業株式会社製)(Mg4.5Al(OH)13(CO)・3.5HO)507g(1モル)を混合攪拌しながら、過塩素酸201.2g(2.0モル)を134gの水で希釈したものを滴下し、十分に混合した。この生成物の水分をカールフィッシャー水分滴定(水分気化法)(気化温度:105℃)
JIS K0068)で水分を測定した結果、16.5%(自由水6.9モル)の水を含有した以下の式
[Mg4.5Al(OH)13(ClO・3.5HO]・6.9HOで表される過塩素酸イオン型ハイドロタルサイトである本発明の保温剤を得た。
【0020】
合成例2 ハイドロタルサイト類化合物としてDHT−4A(登録商標)(協和化学工業株式会社製)(Mg4.5Al(OH)13(CO)・3.5HO)507g(1モル)を混合攪拌しながら、過塩素酸50.3g(0.5モル)を33.5gの水で希釈したものを滴下し、十分に混合した。この生成物の水分をカールフィッシャー水分滴定(水分気化法)(気化温度:105℃)
JIS K0068)で水分を測定した結果、5.1%(自由水1.6モル)の水を含有した以下の式
[Mg4.5Al(OH)13(CO0.75(ClO0.5・3.5HO]1.6HOで表される過塩素酸イオン型ハイドロタルサイトである本発明の保温剤を得た。
【0021】
合成例3 ハイドロタルサイト類化合物としてHT−7(登録商標)(堺化学工業株式会社製)(Mg3.5Zn0.5Al(OH)13(CO)・3HO)490g(1モル)を混合攪拌しながら、過塩素酸201.2g(2.0モル)を134gの水で希釈したものを滴下し、十分に混合した。この生成物の水分をカールフィッシャー水分滴定(水分気化法)(気化温度:105℃)
JIS K0068)で水分を測定した結果、18.5%(自由水6.6モル)の水を含有した以下の式
[Mg3.5Zn0.5Al(OH)13(ClO・3HO]6.6HOで表される過塩素酸イオン型ハイドロタルサイトである本発明の保温剤を得た。
【0022】
合成例4 合成例2の過塩素酸イオン型ハイドロタルサイトを50gに、ハイドロタルサイト類化合物としてアルカマイザー2(登録商標)(協和化学工業株式会社製)(MgAl(OH)12CO)を50g混合させ、合成例2の過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト、50重量%、アルカマイザー2、50重量%の本発明の保温剤を得た。
【0023】
合成例5 合成例2の過塩素酸イオン型ハイドロタルサイトを50gにハイドロタルサイト類化合物としてHT−7(登録商標)(堺化学工業株式会社)(Mg3.5Zn0.5Al(OH)13CO3・3H2O)を50g混合させ、合成例2の過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト、50重量%、HT−7 50重量%の本発明の保温剤を得た。
【0024】
合成例6 合成例2の過塩素酸イオン型ハイドロタルサイトを50gにハイドロタルサイト類化合物としてDHT−4A(登録商標)(協和化学工業株式会社)50g混合させ、合成例2の過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト、50重量%、DHT−4A50重量%の本発明の保温剤を得た。
【0025】
合成例7 合成例2の過塩素酸イオン型ハイドロタルサイトを10gにハイドロタルサイト類化合物としてDHT−4A(登録商標)(協和化学工業株式会社)90g混合させ、合成例2の過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト、10重量%、DHT−4A90重量%の本発明の保温剤を得た。
【0026】
表1、表2に実施例及び比較例の配合を示す。
【0027】
【表1】


*1 JSR−N230S(JSR株式会社製)
*2 AQ(東ソー・シリカ株式会社製)
*3 A−100(石原産業株式会社製)
*4 DIDP(株式会社ジェイ・プラス製)
*5 PEG#400(日油株式会社製)
*6 ジベンゾチアジルジスルフィド(川口化学工業株式会社製)
*7 テトラメチルチウラムジスルフィド(川口化学工業株式会社製)
*8 2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(川口化学工業株式会社製)
*9 テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(川口化学工業株式会社製)
*10 N-フェニル-N'-イソプロピル-p-フェニレンジアミン(川口化学工業株式会社製)
【表2】


*1 スカイプレインB-30(東ソー株式会社製)
*2 エチレンチオウレア (川口化学工業株式会社製)
*3 2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
(川口化学工業株式会社製)
【0028】
表1に記載の各配合処方からイオウ(加硫剤)、アクセルDM(加硫促進剤)およびアクセルTMT(加硫促進剤)を除いた成分をバンバリーミキサーで混練りしたのち、イオウ、アクセルDMおよびアクセルTMTを添加して6インチテストロールで混練りし、次いで150℃で10分間加硫成形することにより、ゴムシートを作製した。
【0029】
表2に記載の各配合処方からアクセル22−S(加硫剤)を除いた成分をバンバリーミキサーで混練りしたのち、アクセル22−Sを添加して6インチロールで混練りし、次いで160℃で30分間加硫成形することにより、ゴムシートを作製した。

【0030】
得られた各配合ゴムについて耐熱老化試験、耐変色性試験を行った。実施した評価方法は次の方法に準じた。その結果を表3,表4に示す。
耐熱老化試験
各配合ゴムを100℃のギアオーブン中に168時間入れ、試料の熱老化前後の強度と伸度を島津オートクラブS100(25℃で200mm/minの引張り速度)により測定し、これから熱老化後の保持率を求め老化の程度を評価した。
耐変色試験
各配合ゴムを100℃のギアオーブン中に168時間入れ、試料の熱老化前後の着色性を目視により確認を行った。なお、評価基準は10段階で、10がほとんど着色に変化がない状態を表し、数値の減少に伴い着色は大きくなる。
【0031】
【表3】


【表4】

【産業上の利用可能性】
【0032】
表3、表4から明らかなように、本発明の老化防止剤は、それを用いたゴム組成物の老化防止性が優れているとともに、変色の起こりにくいゴム組成物が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ゴム及び合成ゴムに添加される老化防止剤であって、過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト類化合物を含有することを特徴としてなるゴム用老化防止剤
【請求項2】
過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト類化合物が下記式(1)
【化1】

(式中、3<x<10、0≦y<1、0.1<z≦1、0<m<10、0.5≦n≦20を示す。ただし、mH2Oは層間水、nH2Oは自由水を示す。)
である請求項1記載のゴム用老化防止剤
【請求項3】
過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト類化合物を除くハイドロタルサイト類化合物の1種または2種以上を含有する請求項1記載のゴム用老化防止剤
【請求項4】
過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト類化合物を除くハイドロタルサイト類化合物の1種または2種以上を含有する請求項2記載のゴム用老化防止剤
【請求項5】
請求項1に記載のゴム用老化防止剤を用いたゴム組成物
【請求項6】
請求項2に記載のゴム用老化防止剤を用いたゴム組成物
【請求項7】
請求項3に記載のゴム用老化防止剤を用いたゴム組成物
【請求項8】
請求項4に記載のゴム用老化防止剤を用いたゴム組成物

【公開番号】特開2012−233146(P2012−233146A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222513(P2011−222513)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000184023)勝田化工株式会社 (5)
【Fターム(参考)】