説明

新鮮さ及び美味しさ並びに臓器活力の決定方法及びシステム

生きている食材(肉、魚、鳥肉、果物及び野菜)の新鮮さ及び美味しさ(柔らかさ、ジューシーさ及び風味)を決定する方法及びシステムは、測定及び成分分析のために生物学的被験モデルに生体インピーダンス分析を利用するステップから成り、システムでは、該ステップの結果が美味しさの客観的尺度、即ち“美味しさ指標”を例証する。また、ヒト、動物、果物或いは野菜のような生命体の全身及び局部的臓器及び組織の活力を査定評価する方法は、成分分析のために生物学的モデルで生体インピーダンス分析を利用する利用ステップと、流体及び組織の量及び分布の客観的査定評価並びに臓器或いは組織の細胞及び細胞膜の電気的健康状態の客観的査定評価を提供するために前記利用ステップの結果を使用するステップとから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現に生きているか若しくは以前には生きていた有機物の少なくとも一部を含む食材生命体(foodstuff
biological entity)の新鮮さ及び美味しさを決定するための方法及びシステムに関し、また臓器や器官の活力についての体外的(in vitro)及び体内的(in
vivo)査定評価に使用する方法及び装置にも関する。
【本発明の詳細な説明】
【0002】
本発明の第1の主要な局面では、以下のような用語が用いられる。
【0003】
用語“生物学的実体”、“患者”及び“被験者”はすべての人類、動物及び/又は有機体の任意のものを意味するものとされる。
【0004】
用語“非急性死”は急性に起こらない任意の死を意味し、それは緊急な事象
若しくは病から四日(96時間)以上で起こり、四日の基準を越えた期間の経過の終点とされ、直前の、中間の若しくは急性な事象から起こる死とは違って‘非急性死’は時がたてば起こることである。
【0005】
BIA(生体インピーダンス分析:bioelectrical impedance analysis)は身体の組織、細胞及び流体の導電特性に基づく電気診断方法研究である。BIA器具、例えば米国特許第5,372,141に開示されているもの、インピーダンス・プレチスモグラフ(impedance
plethysmograph:IPG)では、定電流源が使用されてよく、この定電流源は大抵は50KHzに固定された高周波で通常は800マイクロアンペアの低電圧電気信号を作り出すものであるが、周波数、電極アレイ及びサンプリング量の範囲については、全身若しくは身体の一部に電場を設定するためのものとされてよく、このとき2対の表面ECG-タイプの電極アレイ若しくはその他の構成の電極アレイが身体、その部位或いはその体節に接してか、その中に或るいはその周りに使用される。
【0006】
本発明は、本明細書に組み込まれる米国特許第5,372,141に開示されているような身体組成分析器の変形したものを利用することができる。
【0007】
本発明によれば、BCA(body composition analysis:身体組成分析器)のために生体モデルでBIAを利用することにより、調査対象被験者(全身若しくは臓器や器官(局所的な))の流体及び組織の量及び分布並びに細胞及び種々の皮膜の電気的な健康状態についての客観的な査定評価が提供される。
【0008】
BIAの特性には精密性、正確性、実現可能性及び経済性が含まれる。BIAについては、関心のある任意の領域に局所的に或いは部位的に適用してもよいし、若しくは全身に適用してもよい。それは不快感を与えるものでもなく、また傷害をもたらすものでもない。それは自由に望まれるだけ繰り返してもよく、時がたてば変化が現れることとなり、これにより生理学的な変化、体調の進展、疾患に対する反応及び治療処置が監視され得ることとなって、治療処置が修正或いは変更されて個々の患者の反応及び治療効果が改善されることになる。
【0009】
本発明の幾つかの実施形態では、査定評価、予後、病気の負担、移植臓器の活力の査定評価、他の種からのヒトへの臓器移植(異種間移植)の際の臓器の活力の査定評価のために、また死のタイミングを監視しかつ査定評価するために、IPG/BIA技術が適用される。
【0010】
臓器の活力の査定評価はBCA用の修正BIAの能力に基づくものであり、これにより測定された抵抗(R)、リアクタンス(X)及び計算された位相角(Pa)で細胞の構造並びに細胞及びそれらの皮膜の健康状態が例証される。
【0011】
摘出前に、部位的/体節的な測定が疾患、反応及び治療による臓器細胞の健全性及び流体容量の偏位を検出して例証するために行われる。臓器摘出時、信号導入電極が査定評価すべき臓器の対向側方の周囲縁の個所に或いはそれに接して或いはその下に配置され、また信号検出電極が初期測定の最初の段階のために査定評価すべき臓器の頭部側及び足底側の縁の個所に或いはそれに接して或いはその下に配置される。
【0012】
R値及びX値が測定され、次いでキャパシタンス(C)及びPaが計算されて記録される。
【0013】
次に、信号導入用患者ケーブル・クリップが査定評価すべき臓器の頭部側及び足底側の縁で電極に再位置決めされるか若しくは配置され、一方信号検出用患者ケーブル・クリップが査定評価すべき臓器の電極対向側方の周囲縁に再位置決めされるか若しくは配置される。
【0014】
更に、R値及びX値が測定され、次いでPaが計算されて記録される。次いで、これら値は規準値と比較され、臓器が受入れ可能か(生き生きしているか)否かについて判断される。もし受入れ可能であれば、臓器移植前(同種間移植或いは異種間移植)前に、上述したステップの手順が繰り返され、このとき臓器摘出時に測定されて記録された電気的数値についての比較が行われ、しかも臓器移植後にも繰り返され、これにより活力の評価及び患者の反応評価が続けられる。数値は臓器の活力の更なる損失が無いということを示す協定許容範囲内に入ってなければならず、そこで移植は完了する。
【0015】
同じシナリオは異なった種からの臓器ためにも利用される。
【0016】
死のタイミングを決定するために、全身的な及び/又は部位的な測定が予め決められた時間間隔で(好ましくは、必ずしもというわけではないが、一日おき)行われ、このときR、X及びPaが測定され、計算されて記録される。測定の回数については、捕らえられるべき事象、即ち内在する病状経過の進行、成された治療処置及び生理学上の規準変化を含む事象に応じて変化する。初期の数値は規準値と比較され、順次測定されて記録された数値とも比較される。
【0017】
細胞量及び皮膜容量についての修復不能な損失、即ちX及びPaの減少によって証明されるような損失或いは細胞内水分(intercellular water:ICP)量よりも大きくあるべきである細胞外水分(extracellular water:ECP)量についての修復不能でしかも益々増大しかつ修復不能な壗とされる不均衡によって証明されるような損失については、生命体の死への進行の証明するものとなる。Pa値が常に約4度よりも小さなとき、それは深刻な病気であることを示す。Pa値が常に約2度よりも小さなとき、それは切迫した死去を示す。
【0018】
一実施形態によれば、生命体の病気、該生命体の死に対する進行及び/又は該生命体の死のタイミングを判断するための方法であって、R、X、Pa、ECW及びICWについての全身測定を予め決められた時間間隔で行うステップと、前記全身測定を記録するステップと、前記全身測定の初期値を該全身測定の規準値と比較し、しかも該全身測定で順次得られる測定値とも比較するステップと、前記生命体の病気、該生命体の死に対する進行及び/又は該生命体の死の証しを前述の比較するステップから決定するステップとから成る方法が提供される。
【0019】
また、他の一実施形態によれば、査定評価すべき臓器の移植のために該臓器の活力についての査定評価を行うための方法であって、前記臓器の摘出時に該臓器の対向側方の周囲縁の個所に或いはそれに接して或いはその下に信号導入電極を配置するステップと、前記臓器の摘出時に初期測定の最初の段階のために前記臓器の頭部側及び足底側の縁の個所に或いはそれに接して或いはその下に信号検出電極を配置するステップと、前記初期測定で前記臓器のR及びXの値を測定し、第1回目に測定された値を記録して、Paの値を計算するステップと、前記臓器の電極頭部側及び足底側の縁に電極に信号導入用患者ケーブル・クリップを配置するステップと、前記臓器の電極対向側方の縁に若しくはそこに接して若しくはその下で電極に信号検出用患者ケーブル・クリップを配置するステップと、前記R及びXの値を測定し、第2回目に測定された値を記録して前記臓器の前記第1回目及び第2回目の測定値を規準値と比較して前記臓器が前記移植のために受入れ可能か否かについて判断するステップとから成る方法が提供される。
【0020】
以下に述べる実施形態によれば、病気の存在及び重さについての検出、治療処置の有効性についての検出並びに治療を一層効果的或いは積極的であるように変更するための能力についての検出に使用する方法及び装置が提供され、これにより成果の適正化が図られ、病的状態及び死が制限を受け、そして患者の予後が例証される。
【0021】
この実施形態の目的は、偶然的な病気や傷害、重度の病気や傷害、偶然的ではない慢性的な病気や傷害を含む様々な病気や傷害の存在及びそれらの性質、それらの進行状態、患者の治療処置の有効性や患者の予後を検出して特徴付けを行うことにより、健康管理の提供者や患者に何等かの権能を与えることである。
【0022】
また、患者を診断して治療する際に病気の存在及び重さについての検出に使用する方法及びシステムであって、患者の治療処置を最適化しかつ患者の予後を決定する方法及びシステムが提供される。このシステムでは、全身的及び/又は部位的/体節的インピーダンス分析が用いられ、患者のR、X及びPa及びそれらに関連した電気的値が健康基準値に対して測定されて計算され、その後、患者の病気について、否定的な数値が一時的なものか或いは進行性のものであるかが、若しくは測定数値が時がたてば減少するのかについて評価が行われる。
【0023】
かかるシステムでは、患者の健康基準値が測定された電気的数値として確認され、また該システムでは、日常の健康診断中、或いは患者が何等かの徴候を訴えたり若しくは病気或いは傷害についての何等かの症状を経験的に知っているとき、30日期間枠を超え得る若しくは次第に小さくなり得る基準値からの偏位が例証される。偶然的な病気及び回復可能な傷害では、基準値を下回る短期間(30日以下)の偏位が特徴とされて基準値に復帰する。一層重い病気、慢性疾患及び傷害では、測定値の漸進的或いは急速な減少が特徴とされる。
【0024】
一旦有効な治療処置が開始されると、測定値は安定し、次いで患者の肯定的な予後の徴候となる基準値に戻ることになる。基準測定値へのより急速な復帰は一層効果的な治療及び前向きな反応の徴候となる。もし数値が改善されないない場合には、修正治療処置或いは一層積極的な治療処置が指示され、その前向きな有効性の徴候は測定値の初期安定及びそれに続く基準値への復帰によって示されることとなる。予後については、測定値の基準値への復帰或いは測定値の基準値からの復帰についての早さ及び向きに比例したものとなる。肯定的な予後の徴候は、測定基準値への漸進的及び/又は急速な復帰或いは継続的な復帰によって示される。否定的な予後の徴候は、測定値の漸進的及び/又は急速な減少によって示される。測定値の損失早さ或いは利得については、健康の復帰或いは病気若しくは傷害の重さに比例したものとなる。基準値よりも小さくしかも6ヶ月以上の長期に亘る中位の或いは安定した測定値は、新たな基準、健康的ではない状態及び将来病気に掛かる体質の徴候となる。
【0025】
治療の回数については、例証されるべき経過の重さに比例したものとなる。より重い病気や傷害、即ち一層厳しい徴候や症状、否定的な試験的所見並びに測定値の漸進的及び/又は急速な減少によって特徴付けられる病気や傷害には一層頻繁な治療、毎日及び一日置きの治療が要求される。それ程厳しくない病気や傷害では周に一回の治療であってよい。
【0026】
本発明の第1の主要な局面について、図1、図2及び図3を参照して更に以下に説明される。
【0027】
全身1或いは局部的部位2のいずれかのIPG診察のための初期的研究方法は単純で簡単なものである。患者/被験者には、研究のために高度な準備は要求されない。しかしならが、患者は発汗状態とされてはならず、また尿或いはその他の液体で表面を濡らすことがないようにされなければならず、これにより本研究の基となる電気信号の導通のための一方の伝達経路が提供されることとなる。
【0028】
患者は落ち着いて静止状態で横たわるように忠告され、次いで患者が協力的であるならば、テストに5分以下の時間が掛かるであろうということが知らされる。一般的には、患者は仰向け位置に置かれ、このとき腕及び脚は乾いた非導通表面の中線から約30度程外転させられる。全身1或いは局部的部位2の調査には4極電極体系が要求され、この4極電極体系では、4つの(2対の)表面ECG電極が手首及び足首での解剖学的目印に対して厳密に配置される。もし患者の皮膚が乾燥し過ぎているか若しくは脂ぎっている場合には、電極配置領域をアルコール含侵払拭物で払拭することが勧められる。一般的には、身体の左側が同じ側に配置された電極と共に使用される。しかしながら、もし患者の状態が反対側への配置及びいづれかの身体位置を要求する場合には、これら位置については、将来のすべての治療で同じ位置が繰り返し用いられるという合意及び条件で利用されてもよい。信号検出(SD)電極3又は4は、手首及び足首の双方の既知の解剖学的目印に対して最大の正確さをもって配置されなければならない。
【0029】
手首に関しては、電極の頭部側直線状縁、即ちその頂部直線については、手首の小指側に位置した尺骨の針状体(stylus)となる骨突起(隆起)を等しく二分するようにされなければならず、このとき電極のタブは患者から遠のく側に向けられる。信号導入(SI)電極5はSD電極3から末梢側に配置され、しかも最小距離に保たれなければならず、この最小距離については測定されるべき体節(例えば、手首)の直径に等しいかそれを越える距離とされる。これについては、中指の末梢側指骨で丁度爪に接近した個所を利用することにより最も容易にかつ効果的に達成することができる。
【0030】
足首に関しては、SD電極4は、その頭部側直線状縁が内側の踝(足の親指側の隆起)を等しく二分するように配置され、このと電極のタブは患者から外側に向けられる。患者管理は内側の踝を用いて行われるべきである。というのは、外側の踝(足の子指側の隆起)が内側の踝である目印よりも足底即ち下方側にあるからである。図1に示すように、SI電極6は足の親指側に配置される。
【0031】
IPGの接続は患者ケーブルの導線を介して行われ、このときSI電極及びSD電極に接続されたSI導線及びSD導線に対しては、厳格な注意が払われる。装置が通電されて、R値及びX値が個々に測定され、このとき適当な時間(10-15秒)経過により測定が確定し、次いで測定値は記録される。電極の取外しについては、傷つき易い皮膚を損傷させないように若しくは診察者を汚染させないように注意深く行われる。
【0032】
IPGでは、周波数50キロヘルツで500-800ミクロアンペアの定電流電源が用いられ得る。アールジェイエル・システム社(RJL
Systems, Inc.)で製作された器械システム全身1及び局部的部位2の双方の測定に使用され得るものであるが、しかし種々の電流値、周波数値、電極及び器具についての使用も可能である。
【0033】
局部的部位2の測定に対しては、患者の準備は全身1の診察の場合と同じ態様で行われる。胸部、腹部或いは四肢(腕/脚、左右の上肢或いは下肢)についての局部的部位2の体内測定では、SD電極7はその関係する領域に対して正確に頭部側及び足底側に配置される。SD電極間の距離はセンチメートルの単位で正確に計測されて記録される。皮膚には外科用のペンでマークが付けられ、これにより一連の測定に対して電極の正確な位置決め及び電極の再位置決めが保証される。SI電極1は全身についての標準個所に最善状態で配置される。これには特殊化された患者ケーブルが要求され、この患者ケーブルの寸法距離については、一方のクリップ端に対する患者ケーブルへの挿入個所と他方のクリップから患者ケーブルへの挿入個所との間で十分な長されるか若しくは約18インチ程の許容長さとされる。IPGの接続は患者ケーブルを介して行われ、このときSD電極に対するSD導線への接着及びSI電極に対するSI導線への接着が厳格に行われる。測定値が記録され、電極の取外しが注意深く行われる。
【0034】
測定されたR値、X値及びPa値(計算された)は記録され、保管され、グラフ的に提示され、規準値と比較され、次いで測定が順次続けられて、時の経過に伴なって変化が例証され、疾患の進行及び治療に対する反応についての経過が明らかにされる。順次行われる測定の回数については、捕らえられるべき事象に対して比例したものとなる。もし可能であるならば、基準値について慎重に検討されたものは特に望ましい。
【0035】
細胞外流体量の動的シフトによって特徴付けられる不調については、一層頻繁な測定が処置或いは治療の前後に要求され、そのような処置或いは治療としては、例えば、患者が要求する血液透析、臓器の機能停止における積極的な排尿過多若しくは急性脱水症状或いは外傷における流体の充満についてのものが挙げられる。測定されたRは患者の細胞外流体量に反比例する。Rが減少すれば、流体量は増大する。Rが増大すれば、流体量は減少する。初期のR値が基準値若しくは最初の調査値によって一旦確立されると、それに引き続く測定により、疾患の進行に対する患者の経過及び反応並びに選択された治療処置に対する有効性が例証される。疾患状態或いは傷害状態の重さについては、基準値或いは初期の測定値からの逸脱早さによって立証される。24時間に亘る期間で50オーム以上変動する流体変化は厳しく、かなりの慢性的な状態を示す一週間での50オーム変動よりも一層急性で重症な状態の徴候となる。双方の状態においては、処置が要求される。慢性的で潜行性の変化は、一層急速な変化と同じように生き残りに対しては逆行するものである。このような変化は全身1及び局部的部位2の双方の測定で立証され得る。全身1の測定はそれらの数値において一層概略的なものとなり、それは生命体を全体として取り巻く状態及び事象、例えば心臓或いは腎臓の機能停止及び急性脱水症状の徴候となるものである。局部的部位2の測定は流体量についての特定個所の査定評価となり、それらは、例えば胸部での肋膜滲出、腹部での腹水症或いは脳浮腫でさえ認められる。電気的測定数値の変化はエックス線身体診断或いは実験調査で見られる変化よりも先行して起こる。
【0036】
胸部のR値が増大しつつあるとき、それは乾燥胸部の徴候を表す。R値が減少しつつあるとき、それは流体の付加的な蓄積の徴候を表す。このような変化は疾患状態の改善或いは悪化並びに治療に対する個々の反応及びその有効性を示す。治療の範囲及び積極度は受益効果を最適化するように変更されたり修正されたりする。
【0037】
X値については細胞量及びそれらの細胞膜の数や完全性(健康)に比例するので、細胞が増減すると、X値はそれに追随する。このような態様で変化する細胞は体幹及び内蔵の蛋白質組織のものであり、例えば骨格筋肉組織器官、肝臓、脾臓、肺臓、心臓、胃及び腸のものである。細胞の変化は、比較的ゆっくりと起こり、代謝疾患過程及び特定の疾患過程(炎症、感染、拒絶反応及び/又は化学的平衡失調、外傷(trauma)、傷害(insult)及び/又は損傷(injury))によって影響を受ける。極端に積極的な排尿過多、過度の血液透析、或いは細胞標的異常例えば横紋筋融解症では、細胞量及びそれらの細胞膜並びに測定X値に急速な変化、例えば日々の変化或いは週に亘る変化が引き起こされる。基準値或いは初期測定値からの逸脱の度合いは疾患の病型や進行及び/又は治療処置の有効性を示す。細胞(細胞膜)の増大及びX値の減少は否定的な或いは悪化した代謝状態の徴候となる。一層急激で急速なX値の減少は、細胞及びそれらの細胞膜に影響を与える尋常でない状態、例えば横紋筋融解症骨格筋組織、臓器システムの拒絶反応或いはその感染を徴候となるものである。
【0038】
局部的部位の測定値Xはこれらの疾患の特別な調査のために利用され、一方全身測定値は代謝の調査評価のために利用される。
【0039】
測定値Xに対する測定値Rの導関数(R/X)は、角度即ちPaで表された測定値Rに対する測定値Xの逆正接(X/R)となる。Paは、疾患、傷害及び/又は治療処置に起因する、細胞量及び細胞外流体についての変化及び比率の累積的表現であり、またそれ自体が病状の重さ及び進行並びに治療の有効性及び利益を評価するために使用され得る。Paは、細胞膜の状態を反映し、また細胞内環境及び細胞外環境との仲介をもたらす。肯定的な予後或いは一層健康的で活力のある臓器の徴候はPa値の増大によって示される。思わしくない予後若しくは活力がないか或いは健康的でない臓器はPa値の減少と係わっている。Paは生き残り及び非急性死のタイミングと相関関係を示す。Paは全身測定及び局部的部位測定の双方から由来するものであって、予後を確定するために連続的に追求される。
【0040】
治療処置については、その有効性を個々の患者について得るためにPaを追求することによって評価され得る。一層効果的な治療はPaの増大によって証明され、殆どPaが生じないか或いはその増大が全く無い場合には、それらの効果は無いということが分かる。Paが一旦連続的に4度まで低下し、しかもそれ以下に留まるとすると、患者は重篤病状であり、治療は積極的に行われるべきであり、しかも治療が効果的で最善であるように修正されるべきである。もしPaが集中的な反復治療によっても安定ぜずに増大しないのであれば、治療或いは回復処置目標効果については疑わしいものとなる。Paが持続的に2度以下であることは、差し迫った不可避的な死と係わり、また治療或いは回復処置の断念の必要性にも係わり、更には一時しのぎの鎮痛処置の開始ための配慮や慰安とも係わる。Paのモニタに基づいてホスピスへの入院を客観的に行うことが可能となって、患者には改善された終末介護及び安楽死を提供することができる。
【0041】
図2は、BIAテスト手順のために電極がどのように手に配置され得るかをを説明するためのものである。信号電極縁8は尺骨頭(手首の子指側の骨)を二分する想像線上に配置される。SD電極9は中指の第1関節に配置される。
【0042】
図3は、電極がどのように足に配置されるかを説明するためのものである。SD電極縁10は内側の踝(足首の親指側の骨)を二分する想像線上に配置される。SD電極11第2指の根元に配置される。
【0043】
検査エリアは快適であるべきであり、しかも通風の無い状態とされる。検査テーブル表面は非導通状態とされなければならず、また被験者が仰向けになって両腕が身体に対して30度開かれると共に両足が互いに接しない位の十分な広さとされる。
【0044】
被験者は検査の3時間内では運動させたりサウナに入ったりしないようにされるべきである。被験者の身長及び体重は正確に測定されて記録されるべきである。被験者は全テスト中静かに横たわっているべきである。被験者は発汗状態とされるべきでなく、また汗或いは尿で濡らされないようにされるべきである。
【0045】
被験者は発熱状態となってはならず、若しくはショック状態とされてもならず、もしそのようなことがあると、引続き測定に対する比較が同じ或いは同様な状態で行われた測定に関してのみ行われるべきである。検査及びテストの手順については被験者に説明されるべきである。
【0046】
被験者は靴及びソックスを脱ぐべきであり、また電極側(一般的には、検査は身体の右側で行われる)では、如何なる装身具も排除されるべきである。身体の側(左側或いは右側)はその後も常に使用されるべきである。
【0047】
被験者は、仰向けになって両腕が身体に対して30度開かれると共に両足が互いに接しないようにされるべきである。
【0048】
電極の設置個所については、特に皮膚が乾燥していたり或いはローションで覆われている場合にはアルコールで洗浄することができる。分析器をオンし、被験者が動かないことを確認する。測定が安定したとき、表示されたR及びXが被験者の名前、年齢、性別、身長及び体重と共に記録された。全テスト時間は5分以下であり、BIA分析器の作動時間は1分以下である。検査結果はソフト・プログラムから直ちに得られる。検査は必要な回数だけ繰り返され得る。
【0049】
また、本発明には、関心のある様々な所望領域、例えば、全身、胸郭、腹部、四肢などに本発明を用いるための特徴事項も包含される。
【0050】
IPG診断器具(IPGDx(登録商標))はそれらの測定された電気的等価量を通しての“細胞”レベルの生理的機能の例証に基づくものである。被験者は電気回路の唯一の未知の部分となる。
【0051】
調査の目的に基づいて、患者の全身或いは局部的部位が調査されることになる。2対の表面ECG-タイプの張付け式電極から成る4電極体系は、人目につきやすく及び/又は注意深く注目されるような解剖学的目印に対して位置される。
【0052】
1対の電極は電場を誘発する;SI電極。第2の1対の電極は、電場における変化、即ち電気回路の患者部分によって引き起こされる変化を検出し、また全身或いは局部的部位のいずれかの所望領域に対して配置される。
【0053】
患者ケーブルは電極に接続され、必要に応じて該患者ケーブルはSI電極からSD電極に移動させられ、これによりプレチスモグラフに対する局所的部位での第2の測定、即ち臓器の体外調査評価が行われる。プレチスモグラフは、2つの目的、即ち一定の正確な電気信号を発生させるという目的と、電気回路の患者部分を測定するという目的とを持つ。
【0054】
電気信号は固定周波数或いは可変周波数を持つものとされてよい。電圧は一般的には約500乃至800マイクロ・アンペアの電流で固定される。これら双方については、捕らえられるべき生理学的事象についての特定の測定に合致するように調節される。
【0055】
周波数は、被験者の組織を刺激し、攪乱し若しくは急襲するような閾値以上に維持される。信号強度は、様々な特質の被験者に適合させるために一定値に維持される。
【0056】
R値及びX値が測定されて、患者識別項目、年齢、性別、身長、体重などと共に記録され、もし局部的部位の測定が達成されると、SD電極及び所望領域間の距離が求められる。
【0057】
SD電極間の距離は重要である。というのは、所望領域は検出電極間に位置しなければならないからであり、またこれら電極の形態については、求めるべき若しくは捕らえるべき現象に適した測定深さを提供するようになっていなければならないからである。皮膚内の周辺事象、例えば毛細管状潅水のような事象が互いに接近したSD電極で見られる。内部組織構造では、その解剖学的個所を特定するためには電極間距離を増大することが要求される。
【0058】
例えば、肝臓の調査では、2対のSD電極として、臓器全体からの測定値を記録するためには、該電極の頭部側/足底側縁及び外側/内側縁が肝臓のそれらと近似したものが使用されることになる。検出電極からのSI電極の距離については、少なくともそれら電極が適用される体節の直径よりも大きなものとされなければならない。
【0059】
これら電極は手及び足に最良状態で保持されるが、しかし該電極が体節の直径よりも大きな距離にある限り所望領域に頭部側及び足底側で適用され得る。これは、所望領域を検出電極アレイ内に含ませると共に電気回路を完成させるべく該所望領域を通して完全にしかも十分に分布させられるべき電場に対する必要性のためである。
【0060】
測定されたR及びXは直列回路モデルであり、身体の等価並列回路モデルに数学的に変換される。R値、X値及びPa値は生物学の生理学的な変数に対応する。R値は細胞外水分に逆比例する。X値は細胞量に比例する。というのは、バイ−リピド(bi-lipid)原形質膜はキャパシタとして作用し、細胞内水分量及び肉体細胞量(肉体蛋白質及び内蔵蛋白質の統合されたもの)を反映するからである。単一の測定は、本質的には、たまたま遭遇した状態でのスナップ・ショット(snap-shot)となる。
【0061】
測定値は“規準値”と比較されてよく、それ以上か、それに等しいか若しくはそれ以下であかという査定評価が行われ得る。一連の査定評価を通して、時間の経過に伴なう変化が文書的に記録される。
【0062】
このような測定技術は高い再現性を持つ。というのは、それが変化を受けない申し分のない単純な電気回路であるからである。一方、電気回路の被験者部分は絶えず変化しつつあるので、測定値の変化は被験者に対して固有のものとなる。
【0063】
試験者によるSD電極対の不適切な配置のために小さな誤差は起こり得る。このような影響を最小化するために、人目に付き易い解剖学的な目印、測定値並びに皮膚への簡単なマーキングを利用することが可能である。このような操作者誤差は約2%若しくはそれ以下であり、訓練や試験的試みや特殊化電極アレイを通して管理される。
【0064】
測定技術は時の経過に伴なう変化を例証するのに最も相応しいものである。というのは、関心のある状態、例えば疾患の進行或いは治療処置に対する反応が変化し得ることになるからである。
【0065】
図4を参照すると、身体が幾つかの区分から成る集合体として体系化され、このヒエラルキー、即ち機能的かつ形而上的に体系化された個々区分から成るヒエラルキーは微視的(細胞内)なレベルから巨視的(全身体)なレベルまで及ぶ。各レベル間での輸送過程及び伝達は細胞膜を通してもたらされる。微視的レベルでは、生理的な相互作用はチャンネル、キャリア及びポンプを通してもたらされる。一方、巨視的レベルでは、生理的な相互作用は骨格筋肉組織(肉体細胞量)によってもたらされる。何等かの病因、例えば、外傷、傷害或いは疾患の過程からの病態生理機能については、不首尾に終わった細胞膜輸送システムの証拠となる。
【0066】
インピーダンス(Z)測定から得られるデータは従来の指標よりも一層高感度であり、特有であり、価値の高いものである。というのは、それが“ダウン・ストリーム”発生に対して前駆体となるからである。このような細胞膜レベルについてのデータセットは見たところでは先見の明があるような貴重な仲介役を提供する。というのは、このようなヒエラルキーレベルでの変化は“ダウン・ストリーム”に対して発生するからである。
【0067】
血中の化学的な数値、炎症の発展、感染、拒絶反応或いは肉体的な印しとしての隆起における変化に先行して、イメージング検査、患者の病気の徴候及び細胞膜輸送過程での所見については片寄ったものとなっている。このような変化については、インピーダンス検査を通して気付くことが可能であり、また一層荒っぽく後で見られる所見と相関関係を示し、そして速やかなより良い処置を提供するために使用することができる。
【0068】
IPGDx(登録商標)テスト結果によれば、以下の情報が提供される。
● 流体量及び細胞内と細胞外との間の流体シフト
● 栄養状態
● 細胞膜の健康
● 代謝
● 感染
● 炎症
● 以下についの細胞構造
○臓器
○筋肉
【0069】
これらのデータは以下の評価に使用することができる。
● 以下についての疾患の有無
○全身系的
○局部的
● 疾患の進行
● 薬理的治療処置の反応
● 治療変更或いは治療終結に対する必要性
● 患者の予後
● 以下についての臓器の活力及び機能
○生体内(in vivo)
■ 以下についての肝細胞の組織構造
● 肝硬変
● 線維症
● 脂肪肝
■ 肺水腫(肺浮腫)
○生体外(in vitro)
■以下についての移植用臓器
● 細胞組織構造
● 非急性死のタイミング
● 治療効果
● 以下についての潜在的治療効果の分類
○ 治癒
○ 回復
○ 鎮痛
【0070】
本発明では、生体外移植応用だけでなく、臓器例えば肝臓(腎臓、肺)の活力についてのインピーダンス生体内査定評価も扱われる。
【0071】
横臥位置の患者に対して、該患者の背中が非導体表面上に置かれる。標準全身測定が行われ、このとき信号導入電極は左手及び左足の末梢側に配置され、SD電極は手首の尺骨の針状体及び足釘の内側の踝に対して配置され、R及びXの測定が行われて記録される。
【0072】
SD電極は肝臓(腎臓或いは肺)の頭部側/足底側の縁及び肝臓の外側/内側の縁に対して配置され、R及びXの測定が各対で行われて記録される。
【0073】
測定値は等価並列回路モデルに変換され、位相角が計算される。次いで、これら数値は“規準値”と比較され、もしあれば先の測定値とも比較される。というのは、測定値は治療に対する反応及び疾患の進行において変化するからである。
【0074】
病態生理機能の存在、例えば肝硬変、線維症及び/又は脂肪肝或いは腹水症の存在は測定値によって立証される。肝臓の生体組織検査の場合とは違って、インピーダンス査定評価は、非侵襲性であり、全臓器をサンプルとし(これに対して(1/50,000)、しかも合併症無し(これに対して、0.59%)とするものである。
【0075】
本発明の第2の主要な局面では、以下のような測定技術が適用される。
【0076】
用語“生食材”は、哺乳類の肉、魚肉、鳥類の肉、果物及び野際を含むすべての如何なる生命有機体を意味する。
【0077】
用語“生命体(biological entity)”は、すべての如何なる蛋白質、屠殺体、現に生きている或いは前には生きていた有機体一部或いは全体を意味する。
【0078】
用語“被験材(subject)”は、調査された生命体の部分、その体節、そこから切り離された部分、或いはその全体を意味する。
【0079】
用語“電極体系”は、電気信号を導入するために利用されるすべての如何なる配置構成であって、被験材の表面に接して、その回りに若しくはその中に配置することによって及び/又は特に被験材を電極構造に接して若しくはその他の器具の一部として配置させることによって該当電圧降下を測定するために利用される配置構成を意味する。
【0080】
用語“平均”は、統計的に妥当なサンプル・サイズ数の積で測定値を除算したものを意味する。
【0081】
用語“規準(normal)”は、特定された群、年齢、性別、種(species)或いはカット(cut)に特有な平均値であって、しかもそれらから成る平均値の積を意味するが、しかしそれらに限定されない。
【0082】
用語“最適(optimal)”は、最上或いは最も有望な値であって、主体的、個別的或いは集合的に獲得され得るか若しくは“基準(criterion)”或いは“価値の基準(gold-standard)”と比較されたものとして客観的に獲得され得る値を意味し、そのような基準については、専門家、熟練した人及び当該分野で経験豊かな当業者によって、また客観的尺度での価値についての個別的な選択よって指摘されて同意されるものであり、それらの個人的な最適値は個体によって表現されて選択され得るるものである。
【0083】
用語“個別(individual)”は、単一の被験材或いは個々の被験材から成る均一な集合群に特有な発見を意味し、該集合群は類似性を優先させることに基づきかつ種々の特性で同意された群とされ、該特性については、身体的特徴及び組成が識別されるような、例えば類(genus)、種(species)、カット(cut)、品種(breed)などとされるが、しかしそれらに限定されない。
【0084】
用語“肉”は、牛属(Bos)、豚、子羊(Ovis Aries)、水牛、バイソン、駱駝、山羊(Capra
Hircus)、馬、驢馬、ラマ、トナカイ及びヤクを意味する。
【0085】
用語“鳥肉”或いは“家禽肉”は、鶏、七面鳥、アヒル、ガチョウ、ホロホロ鳥及び白鳥を意味する。
【0086】
用語“外部器具”は、計量器、冷蔵庫、ディスプレイ、及び/又は包装材料、方法、装置或いはシステム、移動可能な温度制御器具、並びに調理器具を含む。
【0087】
用語“新鮮さ”は、死後蛋白質分解に伴なって急速に低下する動的特性であり、その分解については、化学薬品、温度、機械的処理、湿度、通風制御及び光暴露制限を通しての貯蔵によって遅らせたり制御したりすることができる。
【0088】
用語“美味しさ指標(Palatability Index)”(美味しさ:柔らかさ、風味及びジュシーさ)は、食材の特性に対して所定基準で決められた客観的結果であって、重要度の優先度、例えば安全か危険か、次いで様々な程度の美味しさの優先度で報告されるもであり、美味しさ指標については、好み、価格、取得、安全性、健康、生か冷凍についての決定或いは処理のための選択を目的とした食材の生産者、調達人、卸売り商、調理人及び消費者の主観的決定の裏付けために使用される。
【0089】
本発明によれば、測定値及びBIAの結果を得るための方法及びシステムであって、様々な生理的特性を電気的に同等に例証するための客観的手段として該測定値及びBIAの結果を利用するための方法及びシステムが提供され、これにより食材の美味しさを客観的かつ主観的に説明し、比較し、実用化することができる。
【0090】
BIAの測定方法は、食材の多様性に適合させるために様々な形態構成から成るものであってよく、食材の測定については、測定の完全遂行のために被験食材を制御下の電気回路或いはBIA測定の電場内に統合させるように該食材(電極アレイ/電極体系、電源管理(周波数、電流及び電圧))と電気回路モデル(直列及び/又は並列)とのインターフェースを変更し得る範囲まで行われる。
【0091】
電極アレイ/電極体系のためのインターフェースは、電極体系アレイ上で発生させられた電場アレイ内に調査対象の食材を配置させることから成るものであってよく、電極アレイは“捕獲材”を測定するためにかかる配置構成の回りに配置されか、若しくはそのような配置構成に包含され、被験食材の全体としての独特な幾何的形態及び特色を表しかつ例証し、若しくは可能であれば電極体系及びアレイは直接的に検査対象の被験食材に導入されてもよく、及び/又はかかる電源管理形態には、固定或いは可変周波数、電流及び電圧並びに電気回路モデル(直列及び/又は並列)が包含されてよく、また測定値及び計算値には十分な捕獲を達成するような数値及びサンプリング量が含まれ、被験食材の全体としての独特な幾何的形態及び特色を表しかつ例証する。
【0092】
Z、R、X、キャパシタンス(C)及びPaの測定及び計算に使用するための電気信号は、食材の種類及び幾何学的形態に基づく複合的な体系、例えばモノ周波数即ち単一周波数、複数の周波数或いは周波数の一部或いは帯域を横切る分光表示を含む体系から成り得る。
【0093】
Z、R、X、C及びPaから成る測定値及び計算値は、流体、その量及び分布、細胞量、その量、特色及び細胞膜の活力についての生理学的数値に関連したものとなり、これら数値については、被験食材の独特で固有の特徴的美味しさ(風味、ジュシーさ及び柔らかさ)に関係し、また食材製品、安全性の格付け、価格設定、取扱い性、管理及び廃棄に対する上述の数値の客観的査定評価及び主観的判断の根拠を提供するために報告される。
【0094】
本発明によれば、“現に生きている”食材或いは“生命体”の生物学的等価モデルの電気的測定でBIAを使用するための方法及びシステムが提供され、これにより美味しさの客観的査定評価及び尺度が与えられ、その美味しさには安全性、鮮度、ジュシーさ、風味及び柔らかさが含まれ、これらは様々な特性、例えば流体量及びその分布、組織及び細胞並びに細胞及び細胞膜の電気的活力に関係し、これらは固定周波数或いは可変周波数、電流及び電圧でのZ、R、X及びCの測定及びPaの計算を通して提供され、それらの測定は4極電極体系を通して行われ、該4極電極体系は被験材に接して、その回りに及び/又はその中に配置され若しくは被験材と共に配置され、被験材はアレイ上に配置され、若しくは調査対象の被験材は電界内或いはその一部内に置かれ、上述の食材生命体或いはその一部は電極配置形態上に配置され、若しくは電極配置形態は外部器具の一部、例えば計量器、冷蔵庫、移動可能な温度制御器具、包装材或いはディスプレイの一部を包含し、そして検査対象の被験材は個々に測定されて、規準値、平均値及び最適値と比較され、また測定は時の経過に伴なって引き続き行われ、初期測定からの変化が比較される。
【0095】
また、本発明によれば、現に生きているか若しくは以前には生きていた食材、例えば肉、魚、鳥肉、果物或いは野菜の一部或いは全部の美味しさを決定するための方法及びシステムが提供され、これにより食材の特性(美味しさ)が品質及び販売適性が格付けされ、また食材の廃棄、調理、提示、コスト及び消費についての決定が援護される。
【0096】
本発明においては、修正BCAを利用することが可能であり、それはインピーダンス測定器を含むが、しかしそれに限定されず、インピーダンス測定器では、C及びPaを計算するためのZ、R及びXの測定が可能であり、該計算については、単一周波数即ちモノ周波数、複数の周波数及び/又はインピーダンス分光分析或いは電流、電力及び電圧での変化のうちから選択されたものに基づいて行われる。
【0097】
本発明では、生物学的モデルでBIAを利用することにより、調査対象の被験材(生命体の全体或いはその一部)の流体量及びその分布、組織及び細胞並びに細胞及び細胞膜の電気的健康及び活力についての客観的査定評価が提供される。
【0098】
BIAの特徴としては、精度、精密度、実用性及び経済性が挙げられる。BIAについては、美味しさのために検査及び審査されるべき任意の被験材の全体或いは代表的なサンプル或いは所望対象物の一部領域に適用することが可能であり、それらの中には、処理中の屠殺物、その部位的一部が含まれ、若しくはBIAの適用は生命体全体であってもよい。それは不快ではなく、また害するものではない。それは自由に繰り返されてもよく、これにより様々な生きている食材(生命体)に対して独特な種々の動的変化が捕らえられ、初期値及び時間の経過に伴なう変化が例証され、かくして状態の進行が監視され得ることとなり、これのような変化により、輸送中、貯蔵中、荷造り中及び移転中に確定された美味しさがもたらされることになる。BIAの特定の値は、その測定精度、電気的に測定された製品の有意性、食材生命体の例証、流体、組織及び細胞、その量及び分布、細胞膜量及び活力及び初期的誘導値についての等価生理学的変数、平均値、最適値及び規準値に対する比較、それに続く個々の値、並びに時間の経過に伴なう変化にある。
【0099】
食材生命体についての個々の分類(genus)、種類(type)、種(species)、カット(cut)或いはサンプルに基づいて、美味しさは、規準値とそれに対する初期及び時間経過の測定値及び計算値の変化(率、最上値、最低値)とによって決定される。電気的数値の特質については、生物学的等価値に直接的に係わるということである。Rは水分量(ジュシーさ)と逆比例し、かくして増大しつつあるR値は水分損失を示す。減少しつつあるR値は水分蓄積を示す。Xは細胞量に比例する。減少しつつあるXは、細胞崩壊即ち蛋白質分解のような過程(自然発生或いは人工的誘導)による細胞膜損失を示し、Xの減少及び/又は最上値から最低値に向かう率での変化は、最適な美味しさ(柔らかさ、風味及びジュシーさ)を示し、それは最低値の美味しさを超えて進み得ることとなって不味いものとなる。同種類及び同種のサンプル、即ち生命体の一部及びカットのXを、同種類及び同種の他のサンプル、即ち生命体の一部及びカットのものと比較することにより、美味しさの比較尺度が例証される。消費者は特定の美味しさ尺度の値を主観的に選択することが可能であり、このような美味しさ尺度の値は彼/彼女の要望及び好みに変換される。
【0100】
また、本発明によれば、査定評価されるべき食材生命体の美味しさを査定評価するための方法であって、SI電極及びSD電極を検査対象の被験食材に接して、その中に或いはその回りに若しくは生命体の選択或いは収穫時の器官の対向側方縁上に或いはその内部に配置するステップと、生命体の選択或いは収穫時の初期測定の最初の部分のためにSI電極及びSD電極を生命体の頭部側及び足底側の縁に接して、その中に或いはその回り若しくはその内部に配置するステップと、最初の測定において生命体のZ、R及びXの第1の値を測定して記録し、次いでC及びPaを計算するステップと、前記SI電極及びSD電極を生命体の頭部側及び足底側の縁に接して、その中に或いはその回り若しくはその内部に配置するステップと、前記SI電極及びSD電極を生命体の対向側方縁に接して、その中に或いはその回りに或いはその内部に配置するステップと、生命体のZ、R及びXの第2の値を測定して記録し、次いでC及びPaを計算するステップと、生命体の美味しさの尺度を決定すべく前記第1及び/又は第2の値を規準値、平均値、最適値及び個別値と比較するステップとから成り、引き続く測定によりもし美味しさが時間経過(エイジング(aging)或いは貯蔵)に応じて変化している場合には、外部加入が行われるか否かが決定され、次いで生命体の個別の特性、生命体の収穫時期並びに生命体の貯蔵及び輸送方法に基づいて、追加的な一連の測定及び計算が所定時間間隔で繰り返される方法が提供される。
【0101】
代替電極体系アレイには代替外部配置が含まれ、これには周囲包装箇所、複数の配置箇所並びに調査対象の被験材の該アレイ上への配置が伴なう。
【0102】
その他の代替としては、電極アレイの内部配置があり、該電極アレイでは、電極が調査対象の被験材に様々な箇所で、様々な深さでしかも様々な形態で導入される。
【0103】
測定でのその他の変更としては、調査対象の被験材を電場(ソレノイドで発生させられるような)内への導入即ち配置があり、固定プロセス或いは走査プロセスを通して、水分及び細胞の含有量に係わるような電気特性が測定され、それらは美味しさに関係したものとなる。
【0104】
一実施形態では、貯蔵プロセス或いはエイジング・プロセスの査定評価及び例証が行われ、その結果に基づく価格、販売及び取引に対する客観的及び主観的尺度が提供される。
【0105】
他の実施形態では、食料雑貨販売業での価格設定及び販売適正の目的で美味しさ数値が格付けされて報じられる。
【0106】
その他の実施形態としては、販売及び取引ツールがあり、このツールでは、取引先、例えば食肉生産者、食料雑貨商人及び飲食店業者からの入手し得るメニュー/商品可変情報として美味しさが提示される。
【0107】
その他の実施形態では、食材の美味しさ査定評価が消費者により家で、購入時、調理時或いは消費時に利用される。
【0108】
その他の実施形態は、外部器具、例えば計量器、冷蔵庫、ディスプレイ或いは包装システム或いは移動可能な温度制御器具の一部を構成し、これにより貯蔵の有効性が判断される。
【0109】
その他の実施形態においては、食材が美味しくないというときの決定、また食材が安全か否かについての決定が行われる。
【0110】
本発明の特別な目的については、次のような例、即ち米農務省(USDA)による特上級品の牛屠殺体から次位上級品の腰肉カット部分が工場内処理で収穫後(死後)2日で除去されるような例への応用にある。
【0111】
テンダロインの次位上級品が吊り下げられている間、そこには4本の上質の串状ステンレス電極探針が差し込まれ、このとき第1即ち外側の1対の電極探針が腰肉カットの始まり箇所(頂部個所)と終わり個所(底部箇所)に置かれてBAIの信号導入電極とされ、この第1の1対の電極探針内には第2の1対の電極探針が“帯び状腰肉(strip
loin)”の最長背部(longissimus dorsi)の同様な始まり箇所と終わり個所に置かれて信号検出電極とされる。IPGがそれらの電極に接続されて通電され、R及びXの読取りが行われ、計器に自動的に取り込んで認証し、データ及び時刻を記録するIPGが外され、電極探針が取り除かれ、Z、C及びPaの計算が行われ、次いでかかる牛肉のカット部分についての美味しさ指標の対応値に変換されて報告される(この例では、許容範囲3乃至6内の4.5)。
【0112】
このカット肉に対して選ばれたエージング及び保存過程の初めから終わりまで、測定は16日に亘って4日毎に繰り返され(4回の測定:これは、処理業者から卸売商、小売店或いは飲食店への食肉の流通期間に一致し得る)、新たに決定された値は初期値と比較され、これにより数値変化の率が確立され、またかかるカット肉の最適値範囲に該値を向かわせるということに基づく継続的検査の度合い、例えば一日置きか或いは毎日かということが確立され、この時点で食肉がの最終的な販売、処分、処理、調理及び消費のために役立てられ、かくして最終消費者はかかるの美味しさ指標から個々の主観的な好みの値を選択することが可能となる(この例では、最終的な指標値は上級柔らかさ範囲7乃至10内の9)。
【0113】
上述の記載では、本発明はその説明の目的のためだけに詳細に記載されてきたが、その詳細な記載は説明目的だけであり、特許請求の範囲に特定されかつその均等物を含む本発明の技術的精神及び範囲から逸脱することなく本発明に当業者によって様々な変更を加え得ることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の一実施形態を概略的に説明するためのものである。
【図2】BIAテスト手順のために電極がどのように手に配置されるかを説明するためのものである。
【図3】BIAテストのために電極がどのように足に配置されるかを説明するためのものである。
【図4】身体の色々な部分のためのテスト方法を説明し、インピーダンス・プレチスモグラム診断がテスト体系でどこに当て嵌まるかを指示するためのものである。
【符号の説明】
【0115】
1 全身
2 局部的部位
3・4 信号検出電極
5・6 信号導入電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現に生きているか若しくは以前には生きていた有機物の少なくとも一部を含む食材生命体の新鮮さ及び美味しさを決定すると共に監視するための方法であって、
前記食材生命体に測定及び成分分析のために生体インピーダンス分析を施すための施しステップと、
前記食材生命体の美味しさ及び新鮮さの客観的尺度を例証するために前記施しステップの結果を利用するための利用ステップとから成る方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記生体インピーダンス分析が前記食材生命体の抵抗、リアクタンス、インピーダンス、キャパシタンス及び/又は位相角の測定及び/又は計算を包含する方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記利用ステップが前記食材生命体のために“電気的新鮮さ”認証、“美味しさ指標”認証或いは“EFRESH”認証の数値を決定する方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、
前記食材生命体の全体或いはその一部を電場内に配置することと、前記測定を固定プロセス或いは走査プロセスを通して行うことを包含する方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記生体インピーダンス分析が前記食材生命体の抵抗、リアクタンス、インピーダンス、キャパシタンス及び/又は位相角の測定及び/又は計算を含み、これらがモノ周波数或いは複数の周波数或いは分光分析並びに直列及び/又は並列回路モデルによる測定を通して決定され、
前記食材生命体の幾何学的形態に適合するに十分な電圧及び電流を用いる方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記方法が前記食材生命体の最適エージング、最適保存状態及び/又は最適処理状態を決定するために利用され、
前記施しステップが前記食材生命体に測定及び成分分析のために生体インピーダンス分析を施すことと、前記食材生命体のエイジング或いは貯蔵についての連続的な追跡及び格付けと、美味しさ以外にエイジング或いは貯蔵(意図的或いは偶発的)についての決定とを包含する方法。
【請求項7】
請求項3に記載の方法であって、
前記方法が前記食材生命体の最適エージング、最適保存状態及び/又は最適処理状態を決定するために利用され、
前記施しステップが前記食材生命体に測定及び成分分析のために生体インピーダンス分析を施すことと、前記食材生命体のエイジング或いは貯蔵についての連続的な追跡及び格付けと、美味しさ以外にエイジング或いは貯蔵(意図的或いは偶発的)についての決定とを包含する方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、
前記食材生命体の全体或いはその一部を電場内に配置することと、前記測定を固定プロセス或いは走査プロセスを通して行うことを包含する方法。
【請求項9】
請求項6に記載の方法であって、
前記生体インピーダンス分析が前記食材生命体の抵抗、リアクタンス、インピーダンス、キャパシタンス及び/又は位相角の測定及び/又は計算を含み、
更に、時間経過及び/又は故意的或いは偶発的な影響に応じて前記測定及び計算を規準値、平均値、最適値及び/又は個体値と比較するステップから成る方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法であって、
前記生体インピーダンス分析が前記食材生命体の抵抗、リアクタンス、インピーダンス、キャパシタンス及び/又は位相角の測定及び/又は計算を含み、
更に、時間経過及び/又は故意的或いは偶発的な影響に応じて前記測定及び計算を規準値、平均値、最適値及び/又は個体値と比較するステップから成る方法。
【請求項11】
請求項7に記載方法であって、
前記食材生命体の全体或いはその一部を電場内に配置することと、前記測定を固定プロセス或いは走査プロセスを通して行うことを包含する方法。
【請求項12】
請求項6に記載の方法であって、
前記生体インピーダンス分析が前記食材生命体の抵抗、リアクタンス、インピーダンス、キャパシタンス及び/又は位相角の測定及び/又は計算を含み、これらがモノ周波数或いは複数の周波数或いは分光分析による測定を通して決定され、
更に、時間経過及び/又は故意的或いは偶発的な影響に応じて前記測定及び計算を規準値、平均値、最適値及び/又は個体値と比較するステップから成る方法。
【請求項13】
食材生命体の新鮮さ及び美味しさ、前記食材生命体の美味しさの変化、及び/又は最適な美味しさのタイミング、前記食材生命体の美味しさの損失を決定し、及び/又は美味しさの客観的尺度を例証する方法であって、生産者、調達人、卸売り商、調理人及び消費者が個々の味覚を該客観的尺度からの情報に適用し、かつ該客観的尺度から彼らの好みを選択し得る方法において、
前記食材生命体の調査対象となる被験サンプル材の抵抗、リアクタンス、キャパシタンス及び位相角の規準測定値、平均測定値、最適測定値及び個体測定値を提供するステップと、
前記食材生命体の被験サンプル材のインピーダンス、抵抗、リアクタンス、キャパシタンス及び位相角の初期値を測定するステップと、
前記食材生命体の被験サンプル材に基づく所定の時間間隔でインピーダンス、抵抗、リアクタンス、キャパシタンス及び位相角の測定を行うステップと、
前記測定を記録するステップと、
前記測定の初期値を前記測定の規準値と比較し、しかも前記測定で連続的測定された測定値とも比較する比較ステップと、
前記比較ステップからの情報で前記食材生命体の美味しさの保証及び前記食材生命体の美味しさ及び新鮮さにおける変化の進行を特定の個体の美味しさ指標或いは電気的新鮮さに対して決定するステップとから成り、前記美味しさ指標或いは電気的新鮮さが前記食材生命体或いはその一部の固有な平均値、規準値、最適値及び/又は安全について個体特性として報じられかつ見出され得る方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記食材生命体の被験サンプル材のインピーダンス、抵抗、リアクタンス、キャパシタンス及び位相角についての初期値を測定することを包含し、これらが、前記食材生命体の被験サンプル材の固有の特性に適合する条件として様々な電流、電圧及び電力でモノ周波数或いは複数の周波数或いは分光分析及び/又は分光分析並びに直列及び/又は並列回路モデルによって決定される方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、
前記食材生命体の全体或いはその一部を電場内に配置することと、前記測定を固定プロセス或いは走査プロセスを通して行うことを包含する方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、
更に、前記食材生命体の被験サンプル材のインピーダンス、抵抗、リアクタンス、キャパシタンス及び位相角についての前記初期値から“美味しさ/新鮮さ指標”の第1の値を測定するステップと、
前記所定の時間間隔での前記測定から前記“美味しさ/新鮮さ指標”の第2の値を測定するステップと、
前記比較ステップに基づいて前記“美味しさ/新鮮さ指標”の第3の値を測定するステップとから成る方法。
【請求項17】
査定評価されるべき食材生命体ために美味しさの査定評価を行う方法であって、
初期測定で前記食材生命体のインピーダンス、抵抗及びリアクタンスの第1の値を測定して記録し、次いで該食材生命体のキャパシタンス及び位相角を計算するステップと、
信号導入電極及び信号検出電極を前記食材生命体の頭部側縁及び足底側縁に接して、その中に或いはその回りに若しくはその内部に配置するステップと、
信号導入電極及び信号検出電極を前記食材生命体の対向側方縁に接して、その中に或いはその回りに若しくはその内部に配置するステップと、
前記食材生命体のインピーダンス、抵抗及びリアクタンスの第2の値を測定して記録し、次いで該食材生命体のキャパシタンス及び位相角を計算するステップと、
前記第1及び前記第2の値を規準値、平均値、最適値及び個体値と比較して、前記食材生命体が美味しいか否かを決定するステップと、
前記食材生命体の個体特性、該食材生命体の収穫時期並びに該食材生命体の貯蔵及び輸送方法に基づいて追加的な一連の測定及び計算を所定時間間隔で繰り返し実行するステップとから成る方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
信号導入電極及び信号検出電極を前記食材生命体或いはその一部に接して、その中に或いはその回りに若しくは前記食材生命体の選択或いは収穫時には該食材生命体の対向側方縁上に或いはその内部に配置することと、
前記食材生命体の選択或いは収穫時に前記初期測定の最初の部分に対しては、信号導入電極及び信号検出電極を前記食材生命体或いはその一部の頭部側縁及び足底側縁で該食材生命体に接して、その中に或いはその回りに若しくはその内部に配置させることとを包含する方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、
前記食材生命体或いはその一部を特に電極構造に接して若しくは外部器具の一部として配置させることによって信号導入電極及び信号検出電極を前記食材生命体或いはその一部に接して、その中に或いはその回りに或いはその内部に若しくは前記食材生命体の選択或いは収穫時には該食材生命体或いはその一部の対向側方縁上に或いはその内部に配置することと、
前記食材生命体の選択或いは収穫時に前記初期測定の最初の部分に対しては、前記食材生命体或いはその一部を特に電極構造に接して若しくは外部器具の一部として配置させることによって信号導入電極及び信号検出電極を前記食材生命体或いはその一部に接して、その中に或いはその回りに或いはその内部に若しくは前記食材生命体或いはその一部の頭部側縁及び足底側縁に接して、その中に或いはその回りに若しくはその内部に配置することとを包含する方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法であって、
前記食材生命体の全体或いはその一部を電場内に配置することと、前記測定を固定プロセス或いは走査プロセスを通して行うことを包含する方法。
【請求項21】
生命体、ヒト、動物、果物或いは野菜で臓器及び組織の活力を査定評価する方法であって、
生物学的モデルで成分分析のために生体インピーダンス分析を利用する利用ステップと、
流体及び組織の量及び分布の客観的査定評価並びに任意の生命体の臓器或いは組織の細胞及び細胞膜の電気的健康状態の客観的査定評価を提供するために前記利用ステップの結果を使用するステップとから成る方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
更に、前記臓器及び組織の細胞或いは前記生命体の細胞の健康状態をその測定リアクタンスによって査定評価するための成分分析に修正生体インピーダンス分析を利用するステップから成る方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、ドナー或いは提供源からの臓器或いは組織或いは肉、魚、果物或いは野菜についての収穫時、処理時、保存時或いは輸送時に、
更に、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方縁に接して信号導入電極を配置するステップと、
初期測定の最初の部分に対して前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に信号検出電極を配置するステップと、
前記初期測定で前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜のインピーダンス、抵抗及びリアクタンスの第1の値を測定して記録し、次いでそのキャパシタンス及び位相角を計算するステップと、
続いて、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に接して信号導入電極を配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方縁に接して信号検出電極を配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜のインピーダンス、抵抗及びリアクタンスの第2の値を測定して記録し、次いでそのキャパシタンス及び位相角を計算するステップと、
活力を査定評価するために前記第1及び第2の値を規準値と比較するステップとから成る方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法であって、受領者側での臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜についての到着時に、
更に、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方縁に接して信号導入電極を配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の初期測定の最初の部分に対して該臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に信号検出電極を配置するステップと、
前記初期測定で前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜のインピーダンス、抵抗及びリアクタンスの第1の値を測定して記録し、次いでそのキャパシタンス及び位相角を計算するステップと、
続いて、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に接して信号導入電極を配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方縁に接して信号検出電極を配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜のインピーダンス、抵抗及びリアクタンスの第2の値を測定して記録し、次いでそのキャパシタンス及び位相角を計算するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の活力を査定評価するために前記第1及び第2の値を規準値と比較するステップとから成る方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって、受領者側での前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜についての保存、販売、移植、処置及び/又は消費に先だって、
更に、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方縁に接して前記信号導入電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に前記信号検出電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜のインピーダンス、抵抗及びリアクタンスの第3の値を測定して記録し、次いでそのキャパシタンス及び位相角を計算するステップと、
続いて、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に接して前記信号導入電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方縁に接して前記信号検出電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜のインピーダンス、抵抗及びリアクタンスの第4の値を測定して記録し、次いでそのキャパシタンス及び位相角を計算するステップと、
前記第1及び第2の値を前記第3及第4の値と比較して、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の活力について更なる損失が無いことを示す所定の許容範囲内に前記値があるか否かを判断するステップとから成る方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法であって、
更に、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方縁に接して前記信号導入電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に前記信号検出電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜のインピーダンス、抵抗及びリアクタンスの第3の値を測定して記録し、次いでそのキャパシタンス及び位相角を計算するステップと、
続いて、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に接して前記信号導入電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方縁に接して前記信号検出電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜のインピーダンス、抵抗及びリアクタンスの第4の値を測定して記録し、次いでそのキャパシタンス及び位相角を計算するステップと、
前記第1及び第2の値を前記第3及第4の値と比較して、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の活力について更なる損失が無いことを示す所定の許容範囲内に前記値があるか否かを判断するステップとから成る方法。
【請求項27】
臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の活力について査定評価するための方法であって、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方周囲縁に接して信号導入電極を配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の初期測定の最初の部分に対して該臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に信号検出電極を配置するステップと、
前記初期測定で前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の抵抗及びリアクタンスの第1の値を測定して記録するステップと、
続いて、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に接して前記信号導入電極を配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方縁に接して前記信号検出電極を配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の抵抗及びリアクタンスの第2の値を測定して記録するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の活力を査定評価するために前記第1及び第2の値を規準値と比較するステップとから成る方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、
更に、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方周囲縁に接して前記信号導入電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に前記信号検出電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の抵抗及びリアクタンスの第3の値を測定して記録するステップと、
続いて、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に接して前記信号導入電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方縁に接して前記信号検出電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の抵抗及びリアクタンスの第4の値を測定して記録するステップと、
前記第1及び第2の値を前記第3及第4の値と比較して、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の活力について更なる損失が無いことを示す所定の許容範囲内に前記値があるか否かを判断するステップとから成る方法。
【請求項29】
査定評価すべき臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の移植、処置、消費、保存、販売或いは輸送のために該臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の活力について査定評価するための方法であって、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の収穫時に該臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方周囲縁に接して信号導入電極を配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の収穫時に初期測定の最初の部分に対して該臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に信号検出電極を配置するステップと、
前記初期測定で前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の抵抗及びリアクタンスの第1の値を測定して記録するステップと、
続いて、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に接して前記信号導入電極を配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方縁に接して前記信号検出電極を配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の抵抗及びリアクタンスの第2の値を測定して記録するステップと、
前記第1及び第2の値を規準値と比較して、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜が前記移植、消費、処置或いは輸送の効果に対して受入れ可能であるか否かを判断するステップとから成る方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法であって、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜が受入れ可能であるときに、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の保存、販売、移植、消費或いは更なる処置に先だって、
更に、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方周囲縁に接して前記信号導入電極を再び配置するステップと、
初期の収穫後(輸送/処置)/移植前、消費、保存、販売、処置或いは輸送の測定の最初の部分に対して前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に前記信号検出電極を再び配置するステップと、
前記初期の収穫後(輸送、処置)/移植前の測定で前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の抵抗及びリアクタンスの第3の値を測定して記録するステップと、
続いて、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の頭部側縁及び足側縁に接して前記信号導入電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の対向側方縁に接して前記信号検出電極を再び配置するステップと、
前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の抵抗及びリアクタンスの第4の値を測定して記録するステップと、
前記第1及び第2の値を前記第3及第4の値と比較して、前記臓器、組織、肉、魚、果物或いは野菜の活力について更なる損失が無いことを示す所定の許容範囲内に前記値があるか否かを判断するステップとから成る方法。
【請求項31】
請求項29に記載の方法であって、
前記臓器を第1の種の生命体から収穫することと、
前記臓器を別の種の生命体に移植することとを包含する方法。
【請求項32】
請求項30に記載の方法であって、
前記臓器を第1の種の生命体から収穫することと、
前記臓器を別の種の生命体に移植することとを包含する方法。
【請求項33】
請求項23に記載の方法であって、
前記抵抗及びリアクタンスの測定値及び前記位相角についての変化がそれらの前の値と比較され、流体量、細胞組織構造、新鮮さ及び活力についての査定評価が前記変化の増減の率において考慮される方法。
【請求項34】
請求項23に記載の方法であって、
更に、計算された位相角の比較値に基づいて、異なった種類の個体集合内の同種のものについて比較及び査定評価を行うステップから成る方法。
【請求項35】
請求項23に記載の方法において、
不利な状態での重篤度、危篤度或いは重負荷度が前記の計算された位相角の値に基づくものであり、該値が大きければ、不利な状態での重篤、危篤或いは重負荷が低いことを示し、該値が小さければ、不利な状態での重篤、危篤或いは重負荷が高いことを示す方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法であって、
前記不利な状態を管理するために割り当てられるか若しくは要求される対処が前記の測定された位相角の値に基づくものであり、該値がより小さくなるという事態で要求される対処については、該値がより大きくなるという事態で要求されることになる対処よりも一層大きなものとなる方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法であって、
完全には回復しないが、しかし明らかな回復が見られた後に、前記位相角の値が一時的に小さくなっても先の位相角の基準値には完全に復帰しないという事態を経験した場合には、更に不利な状態となり易く、付加的な世話及び治療処置が要求され得る方法。
【請求項38】
請求項30に記載の方法であって、
前記臓器の活力がその測定された抵抗及びリアクタンス及びその計算された位相角に基づく異なった活力レベルを持ち、該位相角は最適ではないが、その目的のためには十分であるとき、該活力レベルが臓器使用の等級分けに利用され、位相角値の小さな臓器受容者には大きな位相角値の臓器が取り合わされ、これとは逆に位相角値の大きな臓器受容者には小さな位相角値の臓器が取り合わされる方法。
【請求項39】
請求項23に記載の方法であって、
肉、魚、鳥肉、果物或いは野菜のような消費可能な食材生命体の新鮮さは前記の計算された位相角値に基づくものであり、初期収穫時或いは初期処理時の一層大きな位相角値が輸送後或いは購入時或いは購入ための処理時にその位相角値のレベルと比較される方法。
【請求項40】
請求項30に記載方法において、
前記位相角が前記消費可能な食材生命体についての新鮮さ表示として使用される方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−530609(P2009−530609A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500372(P2009−500372)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/005164
【国際公開番号】WO2007/108906
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(508247800)
【出願人】(508247796)
【Fターム(参考)】