施肥装置
【課題】 施肥ホッパー内に収容させた肥料を繰出ロールによって一定量毎繰出して施肥する形態では、この施肥ホッパーの形態や、肥料の状態等によって繰出量が変化され易く、特に、残留量が少なくなると繰出条件が一定し難くなり、繰出量が著しく減少し易くなる。
【解決手段】 施肥ホッパーの肥料を繰出ロールの回転によって繰出施肥する施肥機において、前記施肥ホッパーの施肥残留量を検出する残量センサ3と、前記繰出ロールの回転数を検出するロール回転センサ4を有し、この残量センサ3による検出量に応じた繰出ロールの回転数を制御する。
【解決手段】 施肥ホッパーの肥料を繰出ロールの回転によって繰出施肥する施肥機において、前記施肥ホッパーの施肥残留量を検出する残量センサ3と、前記繰出ロールの回転数を検出するロール回転センサ4を有し、この残量センサ3による検出量に応じた繰出ロールの回転数を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、施肥ホッパーに収容されている肥料残留量に応じた繰出ロールの回転数を制御して施肥状態を一定に維持する施肥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
繰出ロールの回転数を検出する回転センサや、施肥量を設定する施肥量設定手段、及び繰出ロールによる繰出量を変更する繰出量変更手段等を設けて、適正な設定施肥量を制御維持する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006ー20607号公報(第1頁、図14)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
施肥装置は、予め肥料(粉粒剤)を、施肥ホッパー内に収容させておき、この底部で繰出ロールを回転して、この上部の施肥ホッパーから流下される肥料を一定量毎繰出して施肥する形態では、この施肥ホッパーの形態や、肥料の状態等によって繰出量が変化され易く、特に、残留量が少なくなると繰出条件が一定し難くなり、繰出量が著しく減少し易くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、施肥ホッパー1の肥料を繰出ロール2の回転によって繰出施肥する施肥機において、前記施肥ホッパー1の肥料残留量を検出する残量センサ3と、前記繰出ロール2の回転数を検出するロール回転センサ4を有し、この残量センサ3による検出量に応じた繰出ロール2の回転数を制御することを特徴とする施肥装置の構成とする。施肥ホッパー1に供給収容した肥料は、繰出ロール2の回転によって繰出されて施用される。この繰出ロール2の回転はロール回転センサ4により検出されていて、予め設定されている施肥量に応じた繰出作用が行われる。この施肥作業の進行に従って、施肥ホッパー1の残留量が減少すると、この残留量センサ3の検出量によって繰出ロール2の回転数を増すように制御して、繰出ロール2による繰出量を高めて、繰出量を一定に安定維持させる。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記繰出ロール2の回転による繰出量に応じた搬送ブロワー5の回転を制御して、この搬送ブロワー5の送風力により繰出肥料を搬送して施用する。前記繰出ロール2の回転による肥料の繰出作用時の、繰出ロール2の回転をロール回転センサ4により検出していて、この繰出ロール2の回転数が増すと搬送ブロワー5の回転を高く制御し、繰出ロール2の回転数が低くなると、ブロワー回転をも低く制御して、繰出肥料量が多いとときは搬送ブロワアー5による送風力を増し、繰出肥料が少いときは送風力を低減して、送風搬送力を適切に調整して、安定した搬送施肥を行わせるものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明は、施肥作業の進行に伴って施肥ホッパー1内肥料の残量が減少すると、残量センサ3の検出によって、繰出ロール2の回転数が高くなるように制御して、この繰出ロール2による繰出速度を速くする。このため、肥料ホッパー1の残留量の減少によって繰出ロール2側への肥料供給量が減少するも、この繰出ロール2の繰出能力が高く維持されて、一定の繰出施肥量を維持することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記のように繰出ロール2の回転によって繰出される肥料を、搬送ブロワー5の駆動による送風力によって搬送施肥するとき、この搬送ブロワー5の送風力は、ロール回転センサ4の検出量に応じて繰出施肥量が多いときは、風力を強くし、繰出施肥量が少いとくは弱くするように制御して、効率的で安定した施肥を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】繰出ロールと、搬送ブロワーの制御ブロック図。
【図2】施肥装置の正面図。
【図3】その施肥装置の側断面図。
【図4】その施肥装置の側面図。
【図5】苗植機の側面図。
【図6】その平面図。
【図7】取出筒部の背面図。
【図8】そのウエイト取付例の正面図と、平断面図。
【図9】デフロックを操作する操作機構部の平面図。
【図10】一部別例を示す車体走行伝動装置の伝動系路図。
【図11】操向制御のブロック図と、そのフローチャート。
【図12】ブレーキロック、及びロック解除機構の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面に基づいて、施肥装置6は、粉粒剤肥料を収容する施肥ホッパー1と、この施肥ホッパー1から供給される肥料を回転によって繰出す繰出ロール2、この繰出口7から繰出された肥料を受けて搬送案内する施肥筒8、及びこの施肥筒8へ送風して繰出肥料を搬送するための搬送ブロワー5等によって構成されて、車体9の後部のリヤフレーム10上に装着される。この車体9は、エンジン11ルームを覆うシートカバー12上に運転席13を設け、フロア14前側のステアリングポスト15上に設けるステアリングハンドル16によって操向する前輪17と、リヤアクスルハウジング18の両端部に後輪19を配置して、前記エンジン11により油圧無段変速装置20、及びミッションケース21等に伝動機構を介して伝動して走行する。車体9に後側には、平行リンク形態のリフトリンク22をリヤフレーム10部に設けて、この後端のヒッチリンク23に苗植装置24や、代掻ロータ25等を装着して、苗植作業を行う構成としている。この苗植装置24は、多条植形態の苗タンク26とマット苗を受けて繰出す繰出ベルト27を有し、この苗タンク26の後端部に作用して苗を分離挿植する苗植爪28、これら苗植フレーム29を支持するフロート30等を配置して、このフロート30によって均平される土壌面に、苗植爪28によって苗植付を行う。この苗植爪28の作動するフロート30の均平部には作溝器31、及び施肥漏斗32を設けて、この施肥漏斗32に、前記施肥装置6に施肥筒8との間を連結す施肥ホース33の端部をのぞませて、苗植付部近くの土壌面に施肥することができる。
【0011】
前記施肥装置6は、各苗植爪28の苗植作動位置に対向する複数の施肥ケース34が左右横方向に沿って配置され、この施肥ケース34の上側に一連の施肥ホッパー1を搭置して、底部の供給口36を各施肥ケース34の各繰出室35にのぞませる。この供給口36に開閉用の供給シャッター37を設ける。各繰出室35には、回転周面に一定の繰出容量の繰出穴38を形成した繰出ロール2をロール軸39で軸装して、この繰出ロール2の回転によって繰出室35上の供給口36から流下供給される肥料を、繰出室35に収容して下方繰出口7側へ繰出すものである。前記繰出室35の上部後側には、この繰出室35上部に残留した肥料を機外へ取出す取出口40、及び取出シャッター41を設けて、この取出シャッター41を開くことによって繰出室35の残留肥料を取出口40から後側部の取出筒42へ取出すことができる。各施肥ケース34の後部に沿って連動軸43を設けて、この連動軸43から各繰出ロール2のロール軸39をギヤ伝動して回転駆動するように構成している。又、前記各取出シャッター41のシャッタ軸44を、レバー46の操作で回動する操作軸47からギヤ48噛合で連動回動して、取出口40を開閉することができる。この取出シャッター41の繰出室35側の面には突起49を形成して、この取出シャッター41面に給合する肥料を砕いて、この取出シャッター41を開いたときの取出口40への排出を円滑に行わせる。前記施肥ホッパー1は、後側のホッパ開閉軸50の周りに前後回動可能に支持されて、後側へ回動して(図4)、このホッパ口を供給口36部から離間して開口開放することができる。
【0012】
前記搬送ブロワー5と、繰出ロール2を連動回転する連動軸43は、前記車体9後部にわたって設けるPTO軸51によって連動される。又、このPTO軸51は後端部を前記苗植装置24の入力軸へも連動する。この繰出ロール2を連動する繰出連動装置52は、クランク機構、及び揺動リンク機構を介して駆動されるラチェット機構を有し、このラチエット機構の往復回動によって前記ロール軸39を繰出方向へ連続的に回動する形態としている。又、この繰出連動装置52には、施肥繰出量を調節するための繰出量調節モータ53を有して、前記ラチェット機構によるロール軸39の回動量を変更して、繰出ロール2の繰出量を調節する形態としている。又、前記繰出連動装置52には、繰出量を調節設定するための手動操作の繰出量調節ダイヤル54を設けて、前記繰出量張設モータ53によるロール軸39の回動量を変更設定して、繰出ロール2の繰出量を調節設定する形態としている。
【0013】
前記施肥ホッパー1内には、多条施肥形態の各供給口36の直上部に残量センサ3を配置して、各供給口36上の施肥ホッパー1における肥料の残留量を常時検出する形態とし、各施肥条毎の残量検出値をコントローラ55で平均算出して、前記繰出量調節モータ53の制御出力値とする。
【0014】
前記コントローラ55の出力側には、前記搬送ブロワー5の電動モータのインバータ56や、エンジン11のスロットルモータ57等を配置する。このインバータ56の電流調節を行うことによって搬送ブロワー5の回転調節する制御が行われる。
【0015】
ここに、この施肥装置6は、施肥ホッパー1の肥料を繰出ロール2の回転によって繰出施肥する施肥機において、前記施肥ホッパー1の施肥残留量を検出する残量センサ3と、前記繰出ロール2の回転数を検出するロール回転センサ4を有し、この残量センサ3による検出量に応じた繰出ロール2の回転数を制御する。施肥ホッパー1に供給収容した肥料は、繰出ロール2の回転によって繰出されて施用される。この繰出ロール2の回転はロール回転センサ4により検出されていて、予め設定されている施肥量に応じて繰出作用が行われる。この施肥作業の進行に従って、施肥ホッパー1の残留量が減少すると、この残留量センサ3の検出によって繰出ロール2の回転数を増すように制御して、繰出ロール2による繰出量を一定に安定維持させる。
【0016】
又、前記繰出ロール2の回転による繰出量に応じた搬送ブロワー5の回転を制御して、この搬送ブロワー5の送風力により繰出肥料を施用搬送する。前記繰出ロール2の回転による肥料の繰出作用時の、繰出ロール2の回転をロール回転センサ4により検出していて、この繰出ロール2の回転数が高くなると搬送ブロワー5の回転をも高く制御し、繰出ロール2の回転数が低くなると、このブロワーの回転を低く制御して、繰出肥料量が多いとときは搬送ブロワアー5による送風力を増し、繰出肥料量が少いときは送風力を低減して、送風搬送力を適切に調整して、安定した搬送施肥を行わせるものである。
【0017】
次に、主として図7、図8に基づいて、施肥作業後に前記施肥ホッパー1、乃至供給口36等に残留した残留肥料を、取出シャッター41の開きによって、取出口40、及び取出筒42等を経て、車体9一側部の肥料収容ネット58に排出案内させて取出す形態において、この取出筒42の排出口部にのそませるネット58に適宜重量のウエイト59を設けて、このネット58の揺れや、変形等を少くし、正確で安定した肥料の取出を受けるものである。ウエイト59としては、ネット58の底部周りに沿って、リング状のコイルスプリング60を取付けたり(A)、球状物61を配置(B)することができる。
【0018】
次に、主として図9に基づいて、前記作業車体9の旋回時、及び畦越時等の走行において、デフロックが自動的に行われるようにオートデフロック機構の構成とするものである。後輪19連動のミッションケース21、又は、リヤアクスルハウジング等の内部に設けるデフギヤを、デフロック操作するためのデフロック軸65にこれを回動するためのデフロックアーム66を設ける。又、前記ステアリングハンドル16の操向によって一体回動されるステアリング軸67のステアリングアーム68を設ける。このステアリングアーム68の前側にはオートロックの切替を行う切替レバー69設ける。これらステアリングアーム68の前縁部には回動外周に形成のカム縁に沿って、中央部にカム凸部70を形成し、この左右両側部にカム凹部71を、このカム凹部71の外側にカム凸部72を各々形成して、ステアリングハンドル16の左、右操向角度と対応させて、カム凸部70を前方中央部に位置させたとき直進状態とし、左、右のカム凸部72を前方中央部に位置させたとき左回り、又は右回りの旋回操向状態にあるものとする。このカム縁の前側に設ける切替レバー69は、レバー軸73の周りに前後回動可能で、このカム縁に圧接するカムローラ74を有し、この切替レバー69を後側Rへ回動操作することにより、このカムローラ74をステアリングアーム68のカム縁に摺接させてオートロック可能位置とすることができ、前側Fへ回動操作することにより、このカムローラ74のカム縁への摺接を外してオートロック不能位置とすることができる。このような切替レバー69は支点越機構の形態に構成されて、ワイヤー75、スプリング76を介して前記デフロックアーム66に連動させている。
【0019】
オートデフロック作用を効かせるときは、切替レバー69を、後側Rへ切替えることによって、ステアリングハンドル16を直進状態、又は左、右旋回状態に操作(略180度)したとき、カムローラ74がカム凸部70、又は72により押されて、切替レバー69を前側Fへ回動して、デフロック軸65をデフロック状態の位置へ回動する。又、これらカムローラ74がカム凹部71と対向するときは、このようなデフロックは効かない。
【0020】
主として、図10、図11に基づいて、前記ステアリングハンドル16の操向によって、急旋回(クイックターン)するとき、旋回側の後輪19を逆回転駆動させて旋回可能に構成するものである。油圧無段変速装置20や、ミッションケース21内の伝動機構を経て、前輪17、及び後輪19を回動駆動して車体9を走行する。このうち左、右の後輪19の連動は、正逆転装置81をを設けて、この正逆転装置81によって、正転伝動、、又は逆転伝動に切替えられる。又、左、右サイドクラッチ80を設け、このサイドクラッチ80を操作することによって、操向操作時は、左側、又は右側のサイドクラッチ80を切り位置にすることができる。そして、この左側操向旋回時は、左側の正逆転装置81が逆転伝動され、右側操向旋回時は、右側の正逆転装置81が逆転伝動される形態に構成している。
【0021】
前記クイックターン制御を行わせるために、コントローラ82の入力側には、ステアリングハンドル16の操向角を検出するハンドル切れ角センサ83を設け、クイックターン制御モードを出力させるためのスイッチ84を設けている。これによって、正逆転装置81を通常の旋回制御モードの正転伝動に、又はクイックターン旋回制御モードの逆転伝動に切替出力する。
【0022】
次に、主として図12に基づいて、ブレーキ86のロック状態を外すための解除ペダル87の踏込面に、ラック形態等の凹凸面88を形成して、この解除ペダル87が漏れたり、泥土等の付着で汚れた場合等において、踏込操作時の足の滑りを防止する。ブレーキ86は、ブレーキペダル89の踏込操作によって、ペダルアーム90をスプリング92に抗してペダル軸91周りに下方回動Aさせて制動することができる。このブレーキペダル89の裏側には、ペダルピン95を設け、下端にフック93を形成し、上部に解除ペダル87を形成したフックアーム94を前後回動自在にして取付け、運転者が前記ブレーキペダル89に足を載せた状態で、この足先で解除ペダル87を踏んで、このペダルピン95の周りに回動することができるように、この解除ペダル87をブレーキペダル89の上端部に突出させた形態に構成している。前記解除ペダル87によってペダルピン95周りに回動されるフックアーム94は、このブレーキペダル89の踏込A時に下端部のフック93を車体9側の定位置に設けるフックピン96に係合させて、ブレーキ86を制動状態に維持する。このブレーキ86の制動ロックを解除するとき、前記解除ペダル87を踏込操作してフックアーム94を回動させて、フック93をフックピン96から外して、ブレーキペダル89をスプリング92により通常のブレーキ解除位置へ戻すものである。
【0023】
このようなブレーキペダル89、及び解除ペダル87の裏側部には、前記解除ペダル87を、解除レバー97の手動把持操作によって、リンク98を介して、前記ペダルピン95周りに回動操作可能に構成している。この解除レバー97は、車体9のステアリングポスト15部に設けるハンドルレバー99に取付けられている。このハンドルレバー99は、前記ペダル軸91よりも前側のレバー軸100の周りに上下回動可能に設け、このハンドルレバー99の中間部には前記ペダルピン95を嵌合させる長穴101を形成している。このハンドルレバー99を、レバー軸100の周りに下方A回動することによって、このペダルピン95係合によるブレーキペダル89、及びペダルアーム90をペダル軸91周りに回動させて、ブレーキ86を制動することができる。又、このとき解除レバー97を把持操作して、フックアーム94を前記ペダルピン95周りのスプリング102に抗して回動して、フックピン96との係合を外して、ブレーキロックを解除することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 施肥ホッパー
2 繰出ロール
3 残量センサー
4 ロール回転センサ
5 搬送ブロワー
【技術分野】
【0001】
この発明は、施肥ホッパーに収容されている肥料残留量に応じた繰出ロールの回転数を制御して施肥状態を一定に維持する施肥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
繰出ロールの回転数を検出する回転センサや、施肥量を設定する施肥量設定手段、及び繰出ロールによる繰出量を変更する繰出量変更手段等を設けて、適正な設定施肥量を制御維持する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006ー20607号公報(第1頁、図14)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
施肥装置は、予め肥料(粉粒剤)を、施肥ホッパー内に収容させておき、この底部で繰出ロールを回転して、この上部の施肥ホッパーから流下される肥料を一定量毎繰出して施肥する形態では、この施肥ホッパーの形態や、肥料の状態等によって繰出量が変化され易く、特に、残留量が少なくなると繰出条件が一定し難くなり、繰出量が著しく減少し易くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、施肥ホッパー1の肥料を繰出ロール2の回転によって繰出施肥する施肥機において、前記施肥ホッパー1の肥料残留量を検出する残量センサ3と、前記繰出ロール2の回転数を検出するロール回転センサ4を有し、この残量センサ3による検出量に応じた繰出ロール2の回転数を制御することを特徴とする施肥装置の構成とする。施肥ホッパー1に供給収容した肥料は、繰出ロール2の回転によって繰出されて施用される。この繰出ロール2の回転はロール回転センサ4により検出されていて、予め設定されている施肥量に応じた繰出作用が行われる。この施肥作業の進行に従って、施肥ホッパー1の残留量が減少すると、この残留量センサ3の検出量によって繰出ロール2の回転数を増すように制御して、繰出ロール2による繰出量を高めて、繰出量を一定に安定維持させる。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記繰出ロール2の回転による繰出量に応じた搬送ブロワー5の回転を制御して、この搬送ブロワー5の送風力により繰出肥料を搬送して施用する。前記繰出ロール2の回転による肥料の繰出作用時の、繰出ロール2の回転をロール回転センサ4により検出していて、この繰出ロール2の回転数が増すと搬送ブロワー5の回転を高く制御し、繰出ロール2の回転数が低くなると、ブロワー回転をも低く制御して、繰出肥料量が多いとときは搬送ブロワアー5による送風力を増し、繰出肥料が少いときは送風力を低減して、送風搬送力を適切に調整して、安定した搬送施肥を行わせるものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明は、施肥作業の進行に伴って施肥ホッパー1内肥料の残量が減少すると、残量センサ3の検出によって、繰出ロール2の回転数が高くなるように制御して、この繰出ロール2による繰出速度を速くする。このため、肥料ホッパー1の残留量の減少によって繰出ロール2側への肥料供給量が減少するも、この繰出ロール2の繰出能力が高く維持されて、一定の繰出施肥量を維持することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記のように繰出ロール2の回転によって繰出される肥料を、搬送ブロワー5の駆動による送風力によって搬送施肥するとき、この搬送ブロワー5の送風力は、ロール回転センサ4の検出量に応じて繰出施肥量が多いときは、風力を強くし、繰出施肥量が少いとくは弱くするように制御して、効率的で安定した施肥を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】繰出ロールと、搬送ブロワーの制御ブロック図。
【図2】施肥装置の正面図。
【図3】その施肥装置の側断面図。
【図4】その施肥装置の側面図。
【図5】苗植機の側面図。
【図6】その平面図。
【図7】取出筒部の背面図。
【図8】そのウエイト取付例の正面図と、平断面図。
【図9】デフロックを操作する操作機構部の平面図。
【図10】一部別例を示す車体走行伝動装置の伝動系路図。
【図11】操向制御のブロック図と、そのフローチャート。
【図12】ブレーキロック、及びロック解除機構の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面に基づいて、施肥装置6は、粉粒剤肥料を収容する施肥ホッパー1と、この施肥ホッパー1から供給される肥料を回転によって繰出す繰出ロール2、この繰出口7から繰出された肥料を受けて搬送案内する施肥筒8、及びこの施肥筒8へ送風して繰出肥料を搬送するための搬送ブロワー5等によって構成されて、車体9の後部のリヤフレーム10上に装着される。この車体9は、エンジン11ルームを覆うシートカバー12上に運転席13を設け、フロア14前側のステアリングポスト15上に設けるステアリングハンドル16によって操向する前輪17と、リヤアクスルハウジング18の両端部に後輪19を配置して、前記エンジン11により油圧無段変速装置20、及びミッションケース21等に伝動機構を介して伝動して走行する。車体9に後側には、平行リンク形態のリフトリンク22をリヤフレーム10部に設けて、この後端のヒッチリンク23に苗植装置24や、代掻ロータ25等を装着して、苗植作業を行う構成としている。この苗植装置24は、多条植形態の苗タンク26とマット苗を受けて繰出す繰出ベルト27を有し、この苗タンク26の後端部に作用して苗を分離挿植する苗植爪28、これら苗植フレーム29を支持するフロート30等を配置して、このフロート30によって均平される土壌面に、苗植爪28によって苗植付を行う。この苗植爪28の作動するフロート30の均平部には作溝器31、及び施肥漏斗32を設けて、この施肥漏斗32に、前記施肥装置6に施肥筒8との間を連結す施肥ホース33の端部をのぞませて、苗植付部近くの土壌面に施肥することができる。
【0011】
前記施肥装置6は、各苗植爪28の苗植作動位置に対向する複数の施肥ケース34が左右横方向に沿って配置され、この施肥ケース34の上側に一連の施肥ホッパー1を搭置して、底部の供給口36を各施肥ケース34の各繰出室35にのぞませる。この供給口36に開閉用の供給シャッター37を設ける。各繰出室35には、回転周面に一定の繰出容量の繰出穴38を形成した繰出ロール2をロール軸39で軸装して、この繰出ロール2の回転によって繰出室35上の供給口36から流下供給される肥料を、繰出室35に収容して下方繰出口7側へ繰出すものである。前記繰出室35の上部後側には、この繰出室35上部に残留した肥料を機外へ取出す取出口40、及び取出シャッター41を設けて、この取出シャッター41を開くことによって繰出室35の残留肥料を取出口40から後側部の取出筒42へ取出すことができる。各施肥ケース34の後部に沿って連動軸43を設けて、この連動軸43から各繰出ロール2のロール軸39をギヤ伝動して回転駆動するように構成している。又、前記各取出シャッター41のシャッタ軸44を、レバー46の操作で回動する操作軸47からギヤ48噛合で連動回動して、取出口40を開閉することができる。この取出シャッター41の繰出室35側の面には突起49を形成して、この取出シャッター41面に給合する肥料を砕いて、この取出シャッター41を開いたときの取出口40への排出を円滑に行わせる。前記施肥ホッパー1は、後側のホッパ開閉軸50の周りに前後回動可能に支持されて、後側へ回動して(図4)、このホッパ口を供給口36部から離間して開口開放することができる。
【0012】
前記搬送ブロワー5と、繰出ロール2を連動回転する連動軸43は、前記車体9後部にわたって設けるPTO軸51によって連動される。又、このPTO軸51は後端部を前記苗植装置24の入力軸へも連動する。この繰出ロール2を連動する繰出連動装置52は、クランク機構、及び揺動リンク機構を介して駆動されるラチェット機構を有し、このラチエット機構の往復回動によって前記ロール軸39を繰出方向へ連続的に回動する形態としている。又、この繰出連動装置52には、施肥繰出量を調節するための繰出量調節モータ53を有して、前記ラチェット機構によるロール軸39の回動量を変更して、繰出ロール2の繰出量を調節する形態としている。又、前記繰出連動装置52には、繰出量を調節設定するための手動操作の繰出量調節ダイヤル54を設けて、前記繰出量張設モータ53によるロール軸39の回動量を変更設定して、繰出ロール2の繰出量を調節設定する形態としている。
【0013】
前記施肥ホッパー1内には、多条施肥形態の各供給口36の直上部に残量センサ3を配置して、各供給口36上の施肥ホッパー1における肥料の残留量を常時検出する形態とし、各施肥条毎の残量検出値をコントローラ55で平均算出して、前記繰出量調節モータ53の制御出力値とする。
【0014】
前記コントローラ55の出力側には、前記搬送ブロワー5の電動モータのインバータ56や、エンジン11のスロットルモータ57等を配置する。このインバータ56の電流調節を行うことによって搬送ブロワー5の回転調節する制御が行われる。
【0015】
ここに、この施肥装置6は、施肥ホッパー1の肥料を繰出ロール2の回転によって繰出施肥する施肥機において、前記施肥ホッパー1の施肥残留量を検出する残量センサ3と、前記繰出ロール2の回転数を検出するロール回転センサ4を有し、この残量センサ3による検出量に応じた繰出ロール2の回転数を制御する。施肥ホッパー1に供給収容した肥料は、繰出ロール2の回転によって繰出されて施用される。この繰出ロール2の回転はロール回転センサ4により検出されていて、予め設定されている施肥量に応じて繰出作用が行われる。この施肥作業の進行に従って、施肥ホッパー1の残留量が減少すると、この残留量センサ3の検出によって繰出ロール2の回転数を増すように制御して、繰出ロール2による繰出量を一定に安定維持させる。
【0016】
又、前記繰出ロール2の回転による繰出量に応じた搬送ブロワー5の回転を制御して、この搬送ブロワー5の送風力により繰出肥料を施用搬送する。前記繰出ロール2の回転による肥料の繰出作用時の、繰出ロール2の回転をロール回転センサ4により検出していて、この繰出ロール2の回転数が高くなると搬送ブロワー5の回転をも高く制御し、繰出ロール2の回転数が低くなると、このブロワーの回転を低く制御して、繰出肥料量が多いとときは搬送ブロワアー5による送風力を増し、繰出肥料量が少いときは送風力を低減して、送風搬送力を適切に調整して、安定した搬送施肥を行わせるものである。
【0017】
次に、主として図7、図8に基づいて、施肥作業後に前記施肥ホッパー1、乃至供給口36等に残留した残留肥料を、取出シャッター41の開きによって、取出口40、及び取出筒42等を経て、車体9一側部の肥料収容ネット58に排出案内させて取出す形態において、この取出筒42の排出口部にのそませるネット58に適宜重量のウエイト59を設けて、このネット58の揺れや、変形等を少くし、正確で安定した肥料の取出を受けるものである。ウエイト59としては、ネット58の底部周りに沿って、リング状のコイルスプリング60を取付けたり(A)、球状物61を配置(B)することができる。
【0018】
次に、主として図9に基づいて、前記作業車体9の旋回時、及び畦越時等の走行において、デフロックが自動的に行われるようにオートデフロック機構の構成とするものである。後輪19連動のミッションケース21、又は、リヤアクスルハウジング等の内部に設けるデフギヤを、デフロック操作するためのデフロック軸65にこれを回動するためのデフロックアーム66を設ける。又、前記ステアリングハンドル16の操向によって一体回動されるステアリング軸67のステアリングアーム68を設ける。このステアリングアーム68の前側にはオートロックの切替を行う切替レバー69設ける。これらステアリングアーム68の前縁部には回動外周に形成のカム縁に沿って、中央部にカム凸部70を形成し、この左右両側部にカム凹部71を、このカム凹部71の外側にカム凸部72を各々形成して、ステアリングハンドル16の左、右操向角度と対応させて、カム凸部70を前方中央部に位置させたとき直進状態とし、左、右のカム凸部72を前方中央部に位置させたとき左回り、又は右回りの旋回操向状態にあるものとする。このカム縁の前側に設ける切替レバー69は、レバー軸73の周りに前後回動可能で、このカム縁に圧接するカムローラ74を有し、この切替レバー69を後側Rへ回動操作することにより、このカムローラ74をステアリングアーム68のカム縁に摺接させてオートロック可能位置とすることができ、前側Fへ回動操作することにより、このカムローラ74のカム縁への摺接を外してオートロック不能位置とすることができる。このような切替レバー69は支点越機構の形態に構成されて、ワイヤー75、スプリング76を介して前記デフロックアーム66に連動させている。
【0019】
オートデフロック作用を効かせるときは、切替レバー69を、後側Rへ切替えることによって、ステアリングハンドル16を直進状態、又は左、右旋回状態に操作(略180度)したとき、カムローラ74がカム凸部70、又は72により押されて、切替レバー69を前側Fへ回動して、デフロック軸65をデフロック状態の位置へ回動する。又、これらカムローラ74がカム凹部71と対向するときは、このようなデフロックは効かない。
【0020】
主として、図10、図11に基づいて、前記ステアリングハンドル16の操向によって、急旋回(クイックターン)するとき、旋回側の後輪19を逆回転駆動させて旋回可能に構成するものである。油圧無段変速装置20や、ミッションケース21内の伝動機構を経て、前輪17、及び後輪19を回動駆動して車体9を走行する。このうち左、右の後輪19の連動は、正逆転装置81をを設けて、この正逆転装置81によって、正転伝動、、又は逆転伝動に切替えられる。又、左、右サイドクラッチ80を設け、このサイドクラッチ80を操作することによって、操向操作時は、左側、又は右側のサイドクラッチ80を切り位置にすることができる。そして、この左側操向旋回時は、左側の正逆転装置81が逆転伝動され、右側操向旋回時は、右側の正逆転装置81が逆転伝動される形態に構成している。
【0021】
前記クイックターン制御を行わせるために、コントローラ82の入力側には、ステアリングハンドル16の操向角を検出するハンドル切れ角センサ83を設け、クイックターン制御モードを出力させるためのスイッチ84を設けている。これによって、正逆転装置81を通常の旋回制御モードの正転伝動に、又はクイックターン旋回制御モードの逆転伝動に切替出力する。
【0022】
次に、主として図12に基づいて、ブレーキ86のロック状態を外すための解除ペダル87の踏込面に、ラック形態等の凹凸面88を形成して、この解除ペダル87が漏れたり、泥土等の付着で汚れた場合等において、踏込操作時の足の滑りを防止する。ブレーキ86は、ブレーキペダル89の踏込操作によって、ペダルアーム90をスプリング92に抗してペダル軸91周りに下方回動Aさせて制動することができる。このブレーキペダル89の裏側には、ペダルピン95を設け、下端にフック93を形成し、上部に解除ペダル87を形成したフックアーム94を前後回動自在にして取付け、運転者が前記ブレーキペダル89に足を載せた状態で、この足先で解除ペダル87を踏んで、このペダルピン95の周りに回動することができるように、この解除ペダル87をブレーキペダル89の上端部に突出させた形態に構成している。前記解除ペダル87によってペダルピン95周りに回動されるフックアーム94は、このブレーキペダル89の踏込A時に下端部のフック93を車体9側の定位置に設けるフックピン96に係合させて、ブレーキ86を制動状態に維持する。このブレーキ86の制動ロックを解除するとき、前記解除ペダル87を踏込操作してフックアーム94を回動させて、フック93をフックピン96から外して、ブレーキペダル89をスプリング92により通常のブレーキ解除位置へ戻すものである。
【0023】
このようなブレーキペダル89、及び解除ペダル87の裏側部には、前記解除ペダル87を、解除レバー97の手動把持操作によって、リンク98を介して、前記ペダルピン95周りに回動操作可能に構成している。この解除レバー97は、車体9のステアリングポスト15部に設けるハンドルレバー99に取付けられている。このハンドルレバー99は、前記ペダル軸91よりも前側のレバー軸100の周りに上下回動可能に設け、このハンドルレバー99の中間部には前記ペダルピン95を嵌合させる長穴101を形成している。このハンドルレバー99を、レバー軸100の周りに下方A回動することによって、このペダルピン95係合によるブレーキペダル89、及びペダルアーム90をペダル軸91周りに回動させて、ブレーキ86を制動することができる。又、このとき解除レバー97を把持操作して、フックアーム94を前記ペダルピン95周りのスプリング102に抗して回動して、フックピン96との係合を外して、ブレーキロックを解除することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 施肥ホッパー
2 繰出ロール
3 残量センサー
4 ロール回転センサ
5 搬送ブロワー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施肥ホッパー(1)の肥料を繰出ロール(2)の回転によって繰出施肥する施肥機において、前記施肥ホッパー(1)の肥料残留量を検出する残量センサ(3)と、前記繰出ロール(2)の回転数を検出するロール回転センサ(4)を有し、この残量センサ(3)による検出量に応じた繰出ロール(2)の回転数を制御することを特徴とする施肥装置。
【請求項2】
前記繰出ロール(2)の回転による繰出量に応じた搬送ブロワー(5)の回転を制御して、この搬送ブロワー(5)の送風力により繰出肥料を搬送することを特徴とする請求項1に記載の施肥装置。
【請求項1】
施肥ホッパー(1)の肥料を繰出ロール(2)の回転によって繰出施肥する施肥機において、前記施肥ホッパー(1)の肥料残留量を検出する残量センサ(3)と、前記繰出ロール(2)の回転数を検出するロール回転センサ(4)を有し、この残量センサ(3)による検出量に応じた繰出ロール(2)の回転数を制御することを特徴とする施肥装置。
【請求項2】
前記繰出ロール(2)の回転による繰出量に応じた搬送ブロワー(5)の回転を制御して、この搬送ブロワー(5)の送風力により繰出肥料を搬送することを特徴とする請求項1に記載の施肥装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−87528(P2011−87528A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−244683(P2009−244683)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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