説明

施設内複合端末装置

【課題】テレビ放送やビデオ・オン・デマンドの視聴、及びパーソナルコンピュータの利用を複合化した装置で、利用者に快適な環境下でコマーシャル放送を含む各種サービスを活用していただく。
【解決手段】複数の提供サービスをトップ画面のそれぞれの選択アイコンIC1〜IC6で表現し、且つそれらのうちの特定の選択アイコンIC2中でコマーシャル画像を表示する画像及びこのコマーシャル画像に対応した音声を出力し(ステップS02)、上記トップ画面中の任意の選択アイコンの選択指示を受付け(ステップS03〜S05)、受付けた選択アイコンの提供サービスを実行させる(ステップS11)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばホテルや旅館等の宿泊施設、あるいは病院等の入院施設などで不特定の利用者が、テレビ放送やビデオ・オン・デマンドの視聴、あるいはパーソナルコンピュータの利用等を行なう施設内複合端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホテルや旅館などの宿泊施設、あるいは病院などの入院施設に敷設される構内テレビ配信網でテレビ放送を視聴する場合、アンテナで受信した地上波放送、及びCS放送等と、施設内で独自に放送する自主放送等の複数の番組を客室等に個別に設置した専用のテレビ放送受信装置で受信し、復調した出力をこのテレビ放送受信装置に接続したモニタ装置に出力して視聴する方法が一般的である。
【0003】
このような場合、上記複数の番組の一部には有料番組が割り当てられ、利用者がその有料番組を視聴した場合にはその料金を支払う仕組みとなっており、機器を貸与して運営するオペレータや施設管理者の重要な収益となっている。
【0004】
近年、BSデジタル放送や110°CSデジタル放送等の高画質で多彩なハイビジョン番組等が普及し、且つ地上波デジタル放送も開始され、上記施設においてもそれらの設備対応を余儀なくされている一方で、テレビ放送とは配信形態が異なるパーソナルコンピュータを利用したデータストリーミングでのビデオ・オン・デマンドで映画などを有料化して提供するシステムや、インターネット接続環境、及び各種ワードプロセッサや表計算等のアプリケーションプログラムを利用可能な環境の実現が急務とされている。
【0005】
これらデジタルテレビ放送を視聴する設備やビデオ・オン・デマンドの視聴設備などの導入で、利用者にさらなるサービスを提供を行なうには高額の設備費用が必要となり、これらを円滑に導入し、その運営を推進するために、あらたな上述した利用者への課金に加えて、コマーシャル放送等により広告主からも広告料金を回収する方法が考えられ、一部実現されている。
【0006】
この種の一方法として、病院や銀行等の待合場所で待つ人に見える場所に設置された情報表示器により、広告情報を含んだ一般の情報を表示させるようにしたものが考えられている。(例えば、特許文献1)
【特許文献1】特開2002−032067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の技術は、同時に不特定多数の利用者が待合場所で見る情報を対象としたものであり、利用者個人がそれぞれ自己の趣味嗜好等に応じて視聴内容を選択し、あるいはパーソナルコンピュータのアプリケーションプログラムを実行するような場合を想定していないため、そのような選択操作等の利用環境下で各利用者に不快感を与えずに広告を行なう方法等については考慮していない。
【0008】
しかるに、上記コマーシャル放送で収益の向上を図るためには、コマーシャル放送を出力することで、テレビ放送やビデオ・オン・デマンドの視聴を行なう利用者の操作性を損なわず、不快感や煩雑さ等を感じさせないことが重要となる。
【0009】
また、コマーシャル放送を出力するためにあらたな設備費用が発生しないものとする必要もある。
【0010】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、テレビ放送やビデオ・オン・デマンドの視聴、及びパーソナルコンピュータの利用を複合化した装置で、利用者に快適な環境下でコマーシャル放送を含む各種サービスを活用していただくことが可能な施設内複合端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、複数の提供サービスをトップ画面のそれぞれの選択アイコンで表現し、且つそれらのうちの特定の選択アイコン中でコマーシャル画像を表示する画像及びこのコマーシャル画像に対応した音声を出力する第1の出力手段と、上記トップ画面中の任意の選択アイコンの選択指示を受付ける選択入力手段と、この選択入力手段で選択指示を受付けた選択アイコンの提供サービスを実行させる実行制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記第1の出力手段は、トップ画面への表示切替毎に上記コマーシャル画像及びこのコマーシャル画像に対応した音声を前回のトップ画面の表示時と異なる内容に切り換えることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記選択入力手段は、任意のアイコンの仮選択を受付け、仮選択した状態での確定指示によりその選択アイコンの選択指示を受付ける2段階の操作を要し、上記選択入力手段で特定の選択アイコンが仮選択された状態で当該選択アイコンを所定のサイズに拡大してそのアイコン中でコマーシャル画像を表示する画像及びこのコマーシャル画像に対応した音声を出力する第2の出力手段をさらに具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3いずれかに記載の発明において、上記第1の出力手段は、上記特定の選択アイコンとは別に、上記コマーシャル画像の占有出力を選択する選択アイコンを独立して配置したトップ画面の画像を出力し、上記選択入力手段で上記コマーシャル画像の占有出力を選択する選択アイコンを受けつけた場合に、全画面でコマーシャル画像を表示する画像及びこのコマーシャル画像に対応した音声を出力する第3の出力手段をさらに具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、提供サービスを選択するためのトップ画面中の例えばテレビ放送を選択するための特定アイコンで当該アイコン中にコマーシャル画像を表示しながら、併せてコマーシャル画像に対応した音声を出力するようにしたので、当該端末装置を利用するユーザに不快感を与えないよう配慮しながら、該ユーザがなんらかの機能を選択アイコンにより指示するまでの間、コマーシャル画像とそれに対応する音声を出力し続けることができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、トップ画面の表示頻度に比例してコマーシャル画像及び対応する音声の出力を切換えることにより、その設定の仕方によって広告主に対するきめ細かい広告料金を設定して、効率的に収益を増大させることができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、特定の選択アイコンが仮選択されるとそのサイズが拡大され、コマーシャル画像も拡大して表示されることとなるので、ユーザに不自然な印象を与えることなく、鮮明な画像でコマーシャル効果を高めることができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、上記請求項1乃至3いずれかに記載の発明の効果に加えて、ユーザに不自然な印象を与えることなく、より鮮明な画像でコマーシャル効果を大きく高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下本発明をホテル施設館内に設置した、テレビ放送視聴システムとコンピュータ、ビデオ・オン・デマンドの視聴システムが複合したシステムで、上記ホテルの各客室毎に設置される施設内複合端末装置に適応した場合の実施の一形態について図面を参照して説明する。
【0020】
なお、ホテル施設館内のテレビ放送視聴システムは、BS・110°CSデジタル放送と地上波デジタル放送をそれぞれ専用のアンテナで受信し、それらの出力と、館内の自主放送、及び全デジタルテレビ放送受信装置を管理するフロントコンピュータに接続されたデータ回線からの信号を混合器で同一周波数軸上に配列して混合した後に、このシステムの配信網を構成する同軸伝送ラインを通じて、ホテル館内の各客室内に配置された複合端末装置内のテレビ放送受信装置まで伝送する。
【0021】
一方、コンピュータを使用するビデオ・オン・デマンドによる映画などのストリーミングデータや、一般的なパーソナルコンピュータのOS(オペレーティングシステム)及びアプリケーションソフト(ビデオ・オーディオ再生ソフト、ワードプロセッサ・ソフト、表計算ソフト、電子メール・ソフト、個人情報管理ソフト、インターネット閲覧ソフト等)は、ホテル館内のサーバ装置に蓄積されており、例えば館内のフロア単位等で区分したハブを経由してLAN回線より各客室に設置された複合端末装置内のコンピュータにダウンロードすることで、その都度、利用可能となる。
【0022】
図1は、各客室内に設置される主として施設内複合端末装置1の接続と機能の概略構成を示すもので、この施設内複合端末装置1は、基本的にテレビ放送受信装置2とコンピュータ3とが一体にして構成されている。
【0023】
テレビ放送受信装置2では、BS・110°CSデジタル放送の中間周波信号、地上波デジタル放送の受信信号、及び館内の自主放送であるコマーシャル放送を同軸伝送ライン10より入力し、このテレビ放送受信装置2内のBS・110°CSデジタルチューナまたは地上波チューナに送り、リモートコントローラ5からの指示操作に対応した選局動作を実行し、当該チャンネルのトランポートストリーム(TS)を復調して、必要により同じくテレビ放送受信装置2内に装着されるB−CASカードに記憶された情報に従いスクランブルを解除、復号化することで映像及び音声の情報を得、これもテレビ放送受信装置2内のAVデコーダにより時間的に連続した映像信号とステレオ音声信号とを生成する。
【0024】
こうして生成された映像信号とステレオ音声信号は、この施設内複合端末装置1と共に設置される液晶モニタ装置4を映像及び音声ケーブル11で接続して出力することで、この液晶モニタ装置4より映像と音声が共に再生出力される。
【0025】
一方、コンピュータ3は、テレビ放送受信装置2によるテレビ放送の視聴、LAN回線12を介して入力されるストリーミングデータにより映画等のビデオ・オン・デマンドの視聴、上述したパーソナルコンピュータのアプリケーションソフトの利用を上記リモートコントローラ5での操作に応じて実現するもので、具体的には液晶モニタ装置4の画面に表示する各種アイコンのうちの1つをリモートコントローラ5での操作により選択することで所望する機能を実行する。
【0026】
リモートコントローラ5のキー等の操作により発信される赤外線変調信号は、テレビ放送受信装置2内の受光センサにより受信され、その復調信号がリモコン信号ケーブル13を介してコンピュータ3内の制御部に入力される。
【0027】
テレビ放送受信装置2とコンピュータ3との間は、他にシリアル通信ライン14及び映像及び音声ケーブル15で接続され、テレビ放送受信装置2はコンピュータ3とシリアル通信ライン14を介して適宜必要な制御データの送受を行なうと共に、コンピュータ3から映像及び音声ケーブル15を介して送られてくる映像及び音声信号を、映像及び音声ケーブル11を介して液晶モニタ装置4へ出力することで再生出力させる。
【0028】
図2は、リモートコントローラ5の具体的なキートップ構成を例示するものである。ここでは、本実施の形態で使用するキー等のみを主体にして説明するもので、施設内複合端末装置1の電源をオン/オフする電源キー31、所望のチャンネルを選局操作するための数値キーよりなるチャンネルキー32、画面中に表示されるカーソルの上下左右各方向への移動を指示する方向指示キー33、有料放送のチャンネルのアップ/ダウンを指示する有料CHアップ/ダウンキー34、後述するトップ画面を表示させるためのトップ画面キー35、上記方向指示キー33の中心にあってポインティングデバイスとして機能するトラックボール36、無料放送のチャンネルのアップ/ダウンを指示する無料CHアップ/ダウンキー37、仮選択状態からの確定を指示する「決定」キー38、及び1つ前の状態に戻るための「戻る」キー39を有している。
【0029】
次いで上記実施の形態の動作について説明する。
【0030】
図3は、リモートコントローラ5の主として電源キー31の操作に伴うトップ画面の表示とそれに続く各種機能選択を行なうまでの間の処理内容を示すものであり、その処理当初には、ユーザからの見かけ上は施設内複合端末装置1の電源がオフされているスタンバイ状態においてリモートコントローラ5の電源キー31が操作されるか、あるいはすでに電源がオンされている状態でトップ画面キー35が操作されたか否かを繰返し判断することにより、これらのキー操作入力があるのを待機する(ステップS01)。
【0031】
しかして電源キー31またはトップ画面キー35が操作された時点でこれを判断し、トップ画面を表示する(ステップS02)。
【0032】
図4は、この液晶モニタ装置4に表示される当初のトップ画面を例示するものであり、ここでは「パソコン」アイコンIC1、「テレビ」アイコンIC2、「CM」アイコンIC3、「映画」アイコンIC4、「ホテル案内」アイコンIC5、及び「取説」アイコンIC6を表示し、初期状態としてそのうちの「パソコン」アイコンIC1をカーソルCSにより反転表示するものとする。
【0033】
「パソコン」アイコンIC1は、コンピュータ3を用いてパーソナルコンピュータの機能を実現し、上述した各種アプリケーションソフト、例えばワードプロセッサ・ソフト、表計算ソフト、電子メール・ソフト、個人情報管理ソフト、インターネット閲覧ソフト等を実行したい場合に選択する。
【0034】
「テレビ」アイコンIC2は、テレビ放送受信装置2によりBS・110°CSデジタル放送、あるいは地上波デジタル放送等を視聴する場合に選択するもので、テレビ受像機画面を模したシンボルが表示され、その画面中で実際にコマーシャル(CM)画像を表示しており、併せてこの液晶モニタ装置4のスピーカから該コマーシャル画像に対応した音声信号が音量レベルを抑えた状態で出力されるものとする。
【0035】
「CM」アイコンIC3は、上記「テレビ」アイコンIC2の中で表示されているコマーシャル画像を液晶モニタ装置4の画面全面で表示させるために選択する。
【0036】
「映画」アイコンIC4は、コンピュータ3を用いたビデオ・オン・デマンド機能により映画を視聴する場合に選択する。
【0037】
「ホテル案内」アイコンIC5は、このホテル館内の自主放送によるホテル案内番組を視聴する場合に選択する。
【0038】
「取説」アイコンIC6は、コンピュータ3によるヘルプ機能を実行してこの施設内複合端末装置1の操作方法等、各種取扱い説明情報を利用する場合に選択する。
【0039】
上記のようにトップ画面を液晶モニタ装置4で表示し、且つ「テレビ」アイコンIC2中ではコマーシャル画像の表示を行なっている状態で、「テレビ」アイコンIC2と「CM」アイコンIC3以外の「パソコン」アイコンIC1、「映画」アイコンIC4、「ホテル案内」アイコンIC5、及び「取説」アイコンIC6のいずれかが選択されたか否か(ステップS03)、「テレビ」アイコンIC2にカーソルCSが移動されたか否か(ステップS04)、「CM」アイコンIC3が選択されたか否か(ステップS05)を繰返し判断することで、これらのいずれかの状態となるのを方向指示キー33、トラックボール36、及び「決定」キー38のキー操作により待機する。
【0040】
図5(A)は上記図4と同じくトップ画面の初期状態で、「パソコン」アイコンIC1がカーソルCSにより反転表示されていることを示す。
ここで、方向指示キー33またはトラックボール36の操作によりカーソルCSが「テレビ」アイコンIC2に移動されると、上記ステップS04によりこれを判断し、「テレビ」アイコンIC2を他のアイコンに比して所定の倍率で拡大し、これに連れてアイコン中で出力するコマーシャル画像も拡大した仮選択の状態とした上で(ステップS06)、「決定」キー38の操作により「テレビ」アイコンIC2の選択が決定されたか否か(ステップS07)、方向指示キー33またはトラックボール36または「戻る」キー39の操作によりカーソルCSが他の位置に移動されたか否かを判断する(ステップS08)、という処理を繰返し実行し、カーソルCSが「テレビ」アイコンIC2にある状態では仮選択の状態として「テレビ」アイコンIC2とその内部のコマーシャル画像を所定のサイズに拡大して表示しながら、「決定」キー38が操作されるか、あるいはカーソルCSが移動されるのを待機する。
【0041】
図5(B)はこのときの液晶モニタ装置4での表示画面を例示するもので、上述した如く「テレビ」アイコンIC2を所定のサイズに拡大して表示するため、内部のコマーシャル画像も比例して大きく表示されることとなり、ユーザに対するコマーシャル画像の訴求力が向上する。
【0042】
このとき、併せてコマーシャル画像に対応する音声信号の音量レベルもある程度上昇させ、画像と音声との連係を図ってもよい。
【0043】
しかるに、カーソルCSが「テレビ」アイコンIC2の位置から移動されたと判断した場合には、ステップS08でこれを判断し、操作に対応してカーソルCSを「テレビ」アイコンIC2以外の位置に戻した上で、再び上記ステップS02からの動作に戻る。
【0044】
また、上記ステップS05で「CM」アイコンIC3の位置にカーソルCSが移動されて選択されたと判断した場合には、液晶モニタ装置4の画面全面でコマーシャル画像を拡大して表示しながら、「戻る」キー39が操作されたか否かを判断する(ステップS10)、という処理を繰返し実行し、「戻る」キー39が操作されるまでコマーシャル画像を液晶モニタ装置4の画面全面で表示する。
【0045】
図5(C)はこのときの液晶モニタ装置4での表示画面を例示するもので、上述した如くコマーシャル画像のみを全面に拡大して表示するため、ユーザに対するコマーシャル画像の訴求力が格段に向上する。
【0046】
このとき、併せてコマーシャル画像に対応する音声信号の音量レベルも許される範囲内で十分大きくすることにより、画像と音声との連係を図ってもよい。
【0047】
このコマーシャル画像を画面全面で表示している状態から「戻る」キー39が操作されると、ステップS10でこれを判断し、その前に選択していたアイコンの位置にカーソルCSを戻して表示したトップ画面を表示した上で、再び上記ステップS02からの動作に戻る。
【0048】
しかるに、ステップS03で「テレビ」アイコンIC2と「CM」アイコンIC3以外の「パソコン」アイコンIC1、「映画」アイコンIC4、「ホテル案内」アイコンIC5、及び「取説」アイコンIC6が仮選択にあるカーソルCSが移動した状態から「決定」キー38が操作されてその機能を実行するものとされた場合、あるいは、上記ステップS06で「テレビ」アイコンIC2をコマーシャル画像と共に拡大表示している状態から「決定」キー38が操作されてテレビ放送の視聴機能を実行するものと判断した場合には、その選択して決定したアイコンの機能内容にしたがった動作を開始し(ステップS11)、以上でこの図3の処理を終了して、決定した機能の動作状態に移行する。
【0049】
このように、提供可能なサービスを選択するためのトップ画面中の「テレビ」アイコンIC2では、当該アイコン中にコマーシャル画像を表示しながら、併せてコマーシャル画像に対応した音声を出力するようにしたので、当該施設内複合端末装置1を利用するユーザに不快感を与えないよう配慮しながら、該ユーザがなんらかの機能を選択アイコンにより指示するまでの間、コマーシャル画像とそれに対応する音声を出力し続けることができる。
【0050】
この場合、特に「テレビ」アイコンIC2中に表示するコマーシャル画像及びそれに対応する音声は1つのパターンではなく、複数のパターンを予め用意しておき、トップ画面となる毎のその内容を順次またはランダムに切換えるものとしてもよい。
【0051】
そのようにトップ画面の表示頻度に比例してコマーシャル画像及び対応する音声の出力を切換えることにより、その設定の仕方によっては広告主に対するきめ細かい広告料金を設定し、効率的に収益を増大させることができると共に、視聴者である施設内複合端末装置1のユーザに対しても画一的ではないコマーシャルを提供でき、コマーシャル内容に飽きてしまって、かえって広告効果が低減してしまうのを回避できる。
【0052】
加えて、上記実施の形態の如く「テレビ」アイコンIC2が仮選択されるとそのサイズが拡大され、コマーシャル画像も拡大して表示されるものとしたので、ユーザに不自然な印象を与えることなく、鮮明な画像でコマーシャル効果を高めることができる。
【0053】
さらに、専用に設けた「CM」アイコンIC3が選択された場合には、所定のサイズで拡大するのではなく、液晶モニタ装置4の画面全面でコマーシャル画像を表示するものとした。
【0054】
そのため、ユーザに不自然な印象を与えることなく、より鮮明な画像でコマーシャル効果を大きく高めることができる。
【0055】
なお、上記実施の形態では、テレビ放送視聴システムとコンピュータ、ビデオ・オン・デマンドの視聴システムが複合したシステムをホテル施設館内に構築し、そのホテル各客室毎に設置される施設内複合端末装置に適応したものとして、施設内複合端末装置1を液晶モニタ装置4と別体であるものとして説明したが、施設内複合端末装置1と液晶モニタ装置4、あるいは一般のテレビ受像機を一体にして構成するものとしても同様に実現できる。
【0056】
また、上記リモートコントローラ5で行なうキー操作はコンピュータ3のキーボード(ワイヤード/ワイヤレス問わず)または同等の機能を有する他の操作部材を用いるもの、あるいは併用するものとしてもよい。
【0057】
さらに、コマーシャル画像は施設館内のサーバ装置からストリーミングデータで提供するものとしたが、各客室に設置された複合端末装置1内のコンピュータ3のHDD装置等の記憶媒体に記憶させた上で適宜これを読出して出力させるものとしてもかまわない。
【0058】
また、上記システム及びその端末装置を構築するのはホテルや旅館等の宿泊施設、あるいは病院や介護施設等の入院施設に限らず、不特定のユーザが利用できるような施設内の複合端末装置であればよい。
【0059】
その他、本発明は上記実施の形態に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0060】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の一形態に係る主として施設内複合端末装置の接続と機能の概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態に係るリモートコントローラのキートップ構成を例示する図。
【図3】同実施の形態に係るリモートコントローラのキー操作に対応したトップ画面からの遷移制御の処理内容を示すフローチャート。
【図4】同実施の形態に係るトップ画面の表示状態を例示する図。
【図5】同実施の形態に係るトップ画面からの表示状態の変化を例示する図。
【符号の説明】
【0062】
1…施設内複合端末装置、2…テレビ放送受信装置、3…コンピュータ、4…液晶モニタ装置、5…リモートコントローラ、10…同軸伝送ライン、11…映像及び音声ケーブル、12…LAN回線、13…リモコン信号ケーブル、14…映像及び音声ケーブル、15…映像及び音声ケーブル、31…電源キー、32…チャンネルキー、33…方向指示キー、34…有料CHアップ/ダウンキー、35…トップ画面キー、36…トラックボール、37…無料CHアップ/ダウンキー、38…「決定」キー、39…「戻る」キー、CS…カーソル、IC1…「パソコン」アイコン、IC2…「テレビ」アイコン、IC3…「CM」アイコン、IC4…「映画」アイコン、IC5…「ホテル案内」アイコン、IC6…「取説」アイコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の提供サービスをトップ画面のそれぞれの選択アイコンで表現し、且つそれらのうちの特定の選択アイコン中でコマーシャル画像を表示する画像及びこのコマーシャル画像に対応した音声を出力する第1の出力手段と、
上記トップ画面中の任意の選択アイコンの選択指示を受付ける選択入力手段と、
この選択入力手段で選択指示を受付けた選択アイコンの提供サービスを実行させる実行制御手段と
を具備したことを特徴とする施設内複合端末装置。
【請求項2】
上記第1の出力手段は、トップ画面への表示切替毎に上記コマーシャル画像及びこのコマーシャル画像に対応した音声を前回のトップ画面の表示時と異なる内容に切り換えることを特徴とする請求項1記載の施設内複合端末装置。
【請求項3】
上記選択入力手段は、任意のアイコンの仮選択を受付け、仮選択した状態での確定指示によりその選択アイコンの選択指示を受付ける2段階の操作を要し、
上記選択入力手段で特定の選択アイコンが仮選択された状態で当該選択アイコンを所定のサイズに拡大してそのアイコン中でコマーシャル画像を表示する画像及びこのコマーシャル画像に対応した音声を出力する第2の出力手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の施設内複合端末装置。
【請求項4】
上記第1の出力手段は、上記特定の選択アイコンとは別に、上記コマーシャル画像の占有出力を選択する選択アイコンを独立して配置したトップ画面の画像を出力し、
上記選択入力手段で上記コマーシャル画像の占有出力を選択する選択アイコンを受けつけた場合に、全画面でコマーシャル画像を表示する画像及びこのコマーシャル画像に対応した音声を出力する第3の出力手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の施設内複合端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate