既知の及び調整可能な相対湿度のガスサンプルを生成するシステム及び方法
【課題】相対湿度が0%と100%の間の試験ガスを早く簡単に正確に生成する能力を備えた、費用効果の良いシステムを提供する。
【解決手段】選択可能な既知の湿度を有するガスを目標点に供給するシステム及び方法。初期相対湿度を有するガスは、デューティサイクルに従って、湿ガスを供給するためのガスを加湿することが可能な湿路、及びガスの初期相対湿度を維持するか或いは乾ガスを供給するためのガスを除湿するかのいずれかが可能な乾路に沿って、交互に導かれる。湿ガス及び乾ガスは混合され、その結果、選択されたデューティサイクルに基づいて選択された相対湿度を有する混合ガスが生成される。
【解決手段】選択可能な既知の湿度を有するガスを目標点に供給するシステム及び方法。初期相対湿度を有するガスは、デューティサイクルに従って、湿ガスを供給するためのガスを加湿することが可能な湿路、及びガスの初期相対湿度を維持するか或いは乾ガスを供給するためのガスを除湿するかのいずれかが可能な乾路に沿って、交互に導かれる。湿ガス及び乾ガスは混合され、その結果、選択されたデューティサイクルに基づいて選択された相対湿度を有する混合ガスが生成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
フィルムの遮断性を測定する従来の方法は、フィルムサンプルを、第一のチャンバの関心のある試験ガス及び第二のチャンバの搬送ガスとを含む二つのチャンバ間に設置することからなる。試験ガスがフィルムサンプルに浸潤すると、試験ガスは第二のチャンバに集められ、その後適当な検知器によって測定される。
【背景技術】
【0002】
測定値に寄与する要因はしばしば参照され、フィルムの厚さ、温度、相対湿度及び存在する他のガスとの割合のような試験ガスの混合物の他の特性を含んでいる。
【0003】
これらの要因のそれぞれがフィルムの浸透性に対して持つ効果を確かめるため、試験は通常様々な温度及び相対湿度で行われるべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、0%と100%の間の試験ガスの相対湿度を早く簡単に正確に調整する能力を備えた、既知の相対湿度の試験ガスを生成できる費用効果の良いシステム及び方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の側面は、目標点に、選択された既知の湿度を有するガスを提供するシステムである。本発明の第一の側面の第一の実施形態は、(i)初期相対湿度を有するガス源と、(ii)ガス源から目標点へガスを導くためにガス源と流体連通する供給ラインと、(iii)湿路或いは乾路に沿ったガス源からのガスの流れをどちらか一方だけ相互排他的に可能にするために、供給ラインと流体連通する少なくとも一つの弁とを含む。供給ラインは、(A)湿路と、(B)乾路と、(C)分岐点とを含む。湿路は、ガス源からこの湿路に沿って初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度へガスを加湿することが可能である。乾路は、ガス源からこの乾路に沿ってガスの初期相対湿度を維持することが可能である。分岐点は、湿路及び乾路から下流、及び目標点から上流であり、分岐点では目標点に供給する前にガスが湿路及び乾路に沿って混合されるようになっている。システムは、(a)湿路だけに沿ってガスの流れを導くことによって、目標点に第一の既知の相対湿度でガスを供給することができ、(b)乾路だけに沿ってガスの流れを導くことによって、目標点に初期相対湿度でガスを供給することができ、(c)湿路と乾路とに沿って、所定のデューティサイクルに従ってガスの流れを交互に入れ替えることによって、目標点に、初期相対湿度と第一の相対湿度との間のどこかにある既知の相対湿度を有するガスを供給することができる。
【0006】
本発明の第一の側面の第二の実施形態は、(i) 初期相対湿度を有するガス源と、 (ii) ガス源から目標点へガスを導くためにガス源と流体連通する供給ラインと、(iii)湿路或いは乾路に沿ったガス源からのガスの流れをどちらか一方だけ相互排他的に可能にするために、供給ラインと流体連通する少なくとも一つの弁とを含む。供給ラインは、(A)湿路と、(B)乾路と、(C)分岐点とを含む。湿路は、ガス源からこの湿路に沿って初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度へガスを加湿することが可能である。乾路は、ガス源からこの乾路に沿って初期相対湿度よりも低い第二の既知の相対湿度へガスの相対湿度を減じさせることが可能である。分岐点は、湿路及び乾路から下流、及び目標点から上流であり、分岐点では目標点に供給する前にガスが湿路及び乾路に沿って混合されるようになっている。システムは、(a)湿路だけに沿ってガスの流れを導くことによって、目標点に第一の既知の相対湿度でガスを供給することができ、(b)乾路だけに沿ってガスの流れを導くことによって、目標点に第二の相対湿度でガスを供給することができ、(c)湿路と乾路とに沿って、所定のデューティサイクルに従ってガスの流れを交互に入れ替えることによって、目標点に、初期相対湿度と第一の相対湿度との間のどこかにある既知の相対湿度を有するガスを供給することができる。
【0007】
本発明の第二の側面は、選択可能な相対湿度を有するガスを生成する方法である。本発明の第二の側面の第一の実施形態は、(i)所定のサイクルタイム及びデューティサイクルとに基づいて、初期相対湿度を有するガスの流れを、(A)湿ガスを生成するために初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度へガスを加湿することが可能な湿路と(B)乾ガスを生成するためにガスの初期相対湿度を維持することが可能な乾路との間で、交互に入れ替える段階と、(ii)選択された相対湿度を有する混合ガスを生成するために、湿ガスと乾ガスの交互に製造されたスラグを混合する段階とを含む。
【0008】
本発明の第二の側面の第二の実施形態は、(i)所定のサイクルタイム及びデューティサイクルとに基づいて、初期相対湿度を有するガスの流れを、(A)湿ガスを生成するために初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度へガスを加湿することが可能な湿路と(B)乾ガスを生成するために初期相対湿度よりも低い第二の既知の相対湿度へガスの相対湿度を減じさせることが可能な乾路との間で、交互に入れ替える段階と、(ii)選択された相対湿度を有する混合ガスを生成するために、湿ガスと乾ガスの交互に製造されたスラグを混合する段階とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
特許請求の範囲を含み、本明細書で用いられる“デューティサイクル(Duty Cycle)”という用語は、ガスの流れが湿チャンバを経て導かれる時間のサイクルタイムに対する割合を意味し、通常は%で表される。
【0010】
特許請求の範囲を含み、本明細書で用いられる“サイクルタイム”という用語は、湿路を経てガスの流れを供給し、及び乾路を経てガスの流れを供給する一つのシーケンスを完了させるために必要な時間を意味する。
【0011】
特許請求の範囲を含み、本明細書で用いられる“約0%の相対湿度”という用語は、除湿システムのわずかな変化、微妙な差異或いは予想のつかない変動により、0%或いは若干高い相対湿度を意味する。通常は、約0%の相対湿度は、1%より低い相対湿度をもつはずである。
【0012】
特許請求の範囲を含み、本明細書で用いられる“約100%の相対湿度”という用語は、除湿システムのわずかな変化、微妙な差異或いは予想のつかない変動により、100%或いは若干低い相対湿度を意味する。通常は、約100%の相対湿度は、少なくとも99%の相対湿度をもつはずである。
【0013】
特許請求の範囲を含み、本明細書で用いられる“乾ガス”という用語は、約0%の相対湿度を有するガスを意味する。
【0014】
次に、本願発明の実施形態について説明する。図1及び2に示すように、本発明の第一の実施形態は、試験装置90の試験チャンバ99のような目標点に供給されるガスを定量的に加湿するためのシステム10である。図1を参照すると、システム10の第一の実施形態は、(i)ガス源20と、(ii)湿チャンバ30wetと、(iii)所定長の供給ライン80dryと、(iv)少なくとも一つの弁40とを有する。ガス源20は、初期相対湿度を有し、試験装置90の試験チャンバ99と流体連通する。湿チャンバ30wetは試験チャンバ99とガス源20の間に介在し、初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度を有する湿ガスを生成するために、湿チャンバ30wetを経て流れるガスを加湿することができる。供給ライン80dryは、湿チャンバ30wetを経てガスを通過させることなく、ガス源20から試験チャンバ99にガスを供給することを可能とするために、湿チャンバ30wetを迂回して試験チャンバ99及びガス源20と流体連通する。少なくとも一つの弁40は、湿チャンバ30wet(すなわち湿路)或いはバイパス供給ライン80dry(すなわち乾路)のいずれか一方のみを経て、ガス源20から試験チャンバ99にガスの流れを相互排他的に可能にするようになっている。
【0015】
図2を参照する。システム10の第二の実施形態は、(i)ガス源20と、(ii)湿チャンバ30wetと、(iii) 乾チャンバ30dryと、(iv)少なくとも一つの弁40とを有する。ガス源20は、初期相対湿度を有し、試験チャンバ99と流体連通する。湿チャンバ30wetは試験チャンバ99とガス源20の間に介在し、初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度を有する湿ガスを生成するために、湿チャンバ30wetを経て流れるガスを加湿することができる。乾チャンバ30dryは試験チャンバ99とガス源20の間に介在し、初期相対湿度よりも低い第二の相対湿度を有する乾ガスを生成するために、乾チャンバ30wetを経て流れるガスを除湿することが可能である。少なくとも一つの弁40は、湿チャンバ30wet(すなわち湿路)或いは乾チャンバ30dry(すなわち乾路)のいずれか一方のみを経て、ガス源20から試験チャンバ99にガスの流れを可能にするようになっている。
【0016】
約0%の初期相対湿度を有するガスが望ましいが、これは初期相対湿度が、供給されるロットによる変動或いは局所の温度及び/又は圧力の変動により、時間がたつと変動する傾向があるからである。望まれる第一の相対湿度の目標(すなわち湿ガスの相対湿度)は約100%であるが、これは一貫した基準で達成するのに最も直接的で簡単な目標だからである。同様に、望まれる第二の相対湿度の目標(すなわち乾ガスの相対湿度)は約0%であるが、これは一貫した基準で達成するのに最も直接的で簡単な目標だからである。
【0017】
図1を参照する。システム10の第一の実施例は、湿チャンバ30wet及びバイパス供給ライン80dryを経て流れるガス量を制御することによって(すなわちデューティサイクルを制御することによって)、ガスの初期相対湿度(望ましくは約0%)と第一の相対湿度(望ましくは約100%)との間のどこかにある既知の相対湿度を有するガスを目標点に提供するために効果的に使用される。得られた混合ガスの相対湿度は、以下に記述された式Aを使って計算される。
式A
RHBlended = (RHwet)(DutyCycle/100) + (RHinitial)((100−DutyCycle)/100)
【0018】
図2を参照する。システム10の第二の実施例は、湿チャンバ30wet及び乾チャンバ30dryを経て流れるガス量を制御することによって(すなわちデューティサイクルを制御することによって)、第二の相対湿度(望ましくは約0%)と第一の相対湿度(望ましくは約100%)との間のどこかにある相対湿度を有するガスを目標点に提供するために効果的に使用される。得られた混合ガスの相対湿度は、以下に記述された式Bを使って計算される。
式B
RHBlended = (RHwet)(DutyCycle/100) + (RHdry)((100−DutyCycle)/100)
【0019】
ガス源20は、相対的に乾燥したガスを含む圧力タンク(図示せず)であることが望ましく、そのガス源20はそれがガスを試験装置90に供給するために使用されるときには、試験装置90によって測定される測定可能な量の検体を有してはならない。試験装置90によって測定される一般的な検体は、酸素(O2)、一酸化炭素(CO)及び揮発性有機化合物(VOCs)を含む。そのような試験装置90にキャリア”及び/又は“フラッシング”ガスとして一般的に使用されるガスは、窒素(N2)及び二酸化炭素(CO2)の不活性の大気ガスである。
【0020】
湿チャンバ30wetは、湿チャンバ30wetを経てガスが流れるときにガスを飽和させるために、湿チャンバ30wet内に位置する水源を含む。そのような加湿チャンバの構造及び設計は、当業者の能力があれば十分できる。
【0021】
同様に、乾チャンバ30dryは、乾チャンバ30dryを経てガスが流れるときにガスを乾燥させるために、乾チャンバ30dry内に位置する乾燥剤を含む。そのような除湿チャンバの構造及び設計は、当業者の能力があれば十分できる。
【0022】
少なくとも一つの弁40は、湿路(すなわち湿チャンバ30wetを経て)と乾路(すなわち乾チャンバ30dryの有無にかかわらず、バイパス供給ライン80dryを経て)とのどちらか一方を経て、ガス源20から試験チャンバ99へのガスの流れを相互排他的に交互に入れ替えるために、ガス源20と試験チャンバ99との間に設置される。湿路及び乾路のどちらか一方を経てガスの流れを相互排他的に交互に入れ替えるのに必要な望まれる機能は、図1に示されるような単一の三方向弁40或いは図2に示されるような共通で制御される一対の弁40wet及び40dryを使用することによって得ることができる。弁40は、図1及び2のそれぞれで示されるように、湿チャンバ30wet又は乾チャンバ30dryから上流又は下流に設置される。
【0023】
混合チャンバ50は、湿路及び乾路の双方からのガスの流れを受け、二つの経路から出て来る湿ガス及び乾ガスのスラグの混合をもたらすために、望ましくは湿チャンバ30wet及び乾チャンバ30dryと目標点(例えば試験装置90)との間に供給され、その結果、目標点に達するガスは一定で一様な相対湿度を有する混合ガスであることが保証される。
【0024】
流量制御弁60は、システム10を流れるガスの流れを制御するために、ガス源20と供給ライン80が湿路80wet及び乾路80dryに分岐する点との間に供給され得る。
【0025】
湿度センサ70は、混合ガスの相対湿度に対してフィードバックを提供するため、及び目的の相対湿度を達成するためのデューティサイクルの微調整を可能にするために、混合ガスを検出可能な状態で設置され得る。湿度センサ70は、検知された相対湿度データをマイクロプロセッサ100に伝達して、流量或いはサイクルタイムの調整に使用するためにマイクロプロセッサ100と電気的に接続された状態で配置される。これは、ガスの湿った或いは乾いたスラグの不完全な混合によって生じた混合ガスの相対湿度の循環的変化を減じさせ、或いは計算された相対湿度と混合ガスの実際の或いは検知された相対湿度との間の不一致を減じる或いは除去するためである。
【0026】
供給ラインは、システム10の様々な要素を流体的に相互接続し、第一の部分80a及び第二の部分80bを含む。第一の部分80aは、ガス源20から分岐点81まで延び、分岐点では供給ライン80は湿路80wetと乾路80dryとに分岐する。第二の部分80bは、湿路80wet及び乾路80dryが集合する集合点82から目標点まで延びる。
【0027】
マイクロコントローラ100は、望ましくはモニタ、キーボード、マウスのような通例のユーザインターフェース要素を含み、それらによってユーザーは計算されたり検知された相対湿度を追跡することができ、また、望まれる相対湿度を達成させたり変えさせるのに必要な及び適当な流量、サイクルタイム及びデューティサイクルを調整することができる。
【0028】
サイクルタイムは弁40の反応時間によって制限されうるが、湿スラグ及び乾スラグの大きさが目標点に供給される前に一様に混合されることができることを保証するように選択されなければならない。一般には、約0.1秒から10秒の間のサイクルタイムは、湿ガス及び乾ガスの一様な混合を提供する所望の目標を達成することが可能である。0.1秒より少ない反応時間では弁40に重大な損傷を及ぼして対応する利益は得られない。そして約10秒より長い反応時間では、目標点に供給する前に湿ガス或いは乾ガスの不完全な混合を周期的に生じることになる。
【0029】
以下に、本願発明の実施例を説明する。
実施例1
表1で記述される相対湿度(RHInitial)を有するガスは、図1に示される湿度調整システム10を経て導かれる。システム10の湿チャンバ30wetは、ガスの相対湿度を表1で記述される第一の相対湿度(RHwet)まで増加させるために構成され配置される。表1に記述される所望の最終相対湿度(RHFinal)を達成するために必要なデューティサイクルは、下記に記述される式Cを使って計算される。計算されたデューティサイクルも表1に記述される。
式C
Duty Cycle = 100(1−(RHwet − RHFinal)/ (RHwet − RHInitial))
【0030】
表1
──────────────────────┬────────
RHInitial RHwet RHFinal │Duty Cycle
% % % │ %
──────────────────────┼────────
0 100 100 │ 100
0 100 0 │ 0
0 100 50 │ 50
10 100 50 │ 44.5
40 100 50 │ 16.7
0 90 50 │ 55.6
0 50 50 │ 100
0 100 30 │ 30
0 100 80 │ 80
10 90 50 │ 50
10 90 70 │ 75
0 90 20 │ 22.2
──────────────────────┴────────
【0031】
実施例2
ガスは、図2に示されるように、湿度調整システム10を経て導かれる。システム10の湿チャンバ30wetは、ガスの相対湿度を表2で記述される第一の相対湿度(RHwet)まで増加させるために構成され配置される。システム10の乾チャンバ30dryは、ガスの相対湿度を表2で記述される第二の相対湿度(RHdry)まで減少させるために構成され配置される。表2に記述される所望の最終相対湿度(RHFinal)を達成するために必要なデューティサイクルは、下記に記述される式Dを使って計算される。
式D
Duty Cycle = 100(1−(RHwet − RHFinal)/ (RHwet − RHDry))
【0032】
表2
──────────────────────┬────────
RHDry RHwet RHFinal │Duty Cycle
% % % │ %
──────────────────────┼────────
0 100 100 │ 100
0 100 0 │ 0
0 100 50 │ 50
10 100 50 │ 44.5
0 90 50 │ 55.6
0 50 50 │ 100
0 100 30 │ 30
0 100 80 │ 80
10 90 50 │ 50
10 90 70 │ 75
0 90 20 │ 22.2
──────────────────────┴────────
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第一実施形態の概略図である。
【図2】本発明の第二実施形態の概略図である。
【符号の説明】
【0034】
10 システム
20 ガス源
30wet 湿チャンバ
30dry 乾チャンバ
40 弁
40wet 弁
40dry 弁
50 混合チャンバ
60 流量制御弁
70 湿度センサ
80 供給ライン
80a 第一の部分
80b 第二の部分
80wet 供給ライン
80dry 供給ライン
81 分岐点
82 集合点
90 試験装置
99 試験チャンバ
100 マイクロプロセッサ
【技術分野】
【0001】
フィルムの遮断性を測定する従来の方法は、フィルムサンプルを、第一のチャンバの関心のある試験ガス及び第二のチャンバの搬送ガスとを含む二つのチャンバ間に設置することからなる。試験ガスがフィルムサンプルに浸潤すると、試験ガスは第二のチャンバに集められ、その後適当な検知器によって測定される。
【背景技術】
【0002】
測定値に寄与する要因はしばしば参照され、フィルムの厚さ、温度、相対湿度及び存在する他のガスとの割合のような試験ガスの混合物の他の特性を含んでいる。
【0003】
これらの要因のそれぞれがフィルムの浸透性に対して持つ効果を確かめるため、試験は通常様々な温度及び相対湿度で行われるべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、0%と100%の間の試験ガスの相対湿度を早く簡単に正確に調整する能力を備えた、既知の相対湿度の試験ガスを生成できる費用効果の良いシステム及び方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の側面は、目標点に、選択された既知の湿度を有するガスを提供するシステムである。本発明の第一の側面の第一の実施形態は、(i)初期相対湿度を有するガス源と、(ii)ガス源から目標点へガスを導くためにガス源と流体連通する供給ラインと、(iii)湿路或いは乾路に沿ったガス源からのガスの流れをどちらか一方だけ相互排他的に可能にするために、供給ラインと流体連通する少なくとも一つの弁とを含む。供給ラインは、(A)湿路と、(B)乾路と、(C)分岐点とを含む。湿路は、ガス源からこの湿路に沿って初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度へガスを加湿することが可能である。乾路は、ガス源からこの乾路に沿ってガスの初期相対湿度を維持することが可能である。分岐点は、湿路及び乾路から下流、及び目標点から上流であり、分岐点では目標点に供給する前にガスが湿路及び乾路に沿って混合されるようになっている。システムは、(a)湿路だけに沿ってガスの流れを導くことによって、目標点に第一の既知の相対湿度でガスを供給することができ、(b)乾路だけに沿ってガスの流れを導くことによって、目標点に初期相対湿度でガスを供給することができ、(c)湿路と乾路とに沿って、所定のデューティサイクルに従ってガスの流れを交互に入れ替えることによって、目標点に、初期相対湿度と第一の相対湿度との間のどこかにある既知の相対湿度を有するガスを供給することができる。
【0006】
本発明の第一の側面の第二の実施形態は、(i) 初期相対湿度を有するガス源と、 (ii) ガス源から目標点へガスを導くためにガス源と流体連通する供給ラインと、(iii)湿路或いは乾路に沿ったガス源からのガスの流れをどちらか一方だけ相互排他的に可能にするために、供給ラインと流体連通する少なくとも一つの弁とを含む。供給ラインは、(A)湿路と、(B)乾路と、(C)分岐点とを含む。湿路は、ガス源からこの湿路に沿って初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度へガスを加湿することが可能である。乾路は、ガス源からこの乾路に沿って初期相対湿度よりも低い第二の既知の相対湿度へガスの相対湿度を減じさせることが可能である。分岐点は、湿路及び乾路から下流、及び目標点から上流であり、分岐点では目標点に供給する前にガスが湿路及び乾路に沿って混合されるようになっている。システムは、(a)湿路だけに沿ってガスの流れを導くことによって、目標点に第一の既知の相対湿度でガスを供給することができ、(b)乾路だけに沿ってガスの流れを導くことによって、目標点に第二の相対湿度でガスを供給することができ、(c)湿路と乾路とに沿って、所定のデューティサイクルに従ってガスの流れを交互に入れ替えることによって、目標点に、初期相対湿度と第一の相対湿度との間のどこかにある既知の相対湿度を有するガスを供給することができる。
【0007】
本発明の第二の側面は、選択可能な相対湿度を有するガスを生成する方法である。本発明の第二の側面の第一の実施形態は、(i)所定のサイクルタイム及びデューティサイクルとに基づいて、初期相対湿度を有するガスの流れを、(A)湿ガスを生成するために初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度へガスを加湿することが可能な湿路と(B)乾ガスを生成するためにガスの初期相対湿度を維持することが可能な乾路との間で、交互に入れ替える段階と、(ii)選択された相対湿度を有する混合ガスを生成するために、湿ガスと乾ガスの交互に製造されたスラグを混合する段階とを含む。
【0008】
本発明の第二の側面の第二の実施形態は、(i)所定のサイクルタイム及びデューティサイクルとに基づいて、初期相対湿度を有するガスの流れを、(A)湿ガスを生成するために初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度へガスを加湿することが可能な湿路と(B)乾ガスを生成するために初期相対湿度よりも低い第二の既知の相対湿度へガスの相対湿度を減じさせることが可能な乾路との間で、交互に入れ替える段階と、(ii)選択された相対湿度を有する混合ガスを生成するために、湿ガスと乾ガスの交互に製造されたスラグを混合する段階とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
特許請求の範囲を含み、本明細書で用いられる“デューティサイクル(Duty Cycle)”という用語は、ガスの流れが湿チャンバを経て導かれる時間のサイクルタイムに対する割合を意味し、通常は%で表される。
【0010】
特許請求の範囲を含み、本明細書で用いられる“サイクルタイム”という用語は、湿路を経てガスの流れを供給し、及び乾路を経てガスの流れを供給する一つのシーケンスを完了させるために必要な時間を意味する。
【0011】
特許請求の範囲を含み、本明細書で用いられる“約0%の相対湿度”という用語は、除湿システムのわずかな変化、微妙な差異或いは予想のつかない変動により、0%或いは若干高い相対湿度を意味する。通常は、約0%の相対湿度は、1%より低い相対湿度をもつはずである。
【0012】
特許請求の範囲を含み、本明細書で用いられる“約100%の相対湿度”という用語は、除湿システムのわずかな変化、微妙な差異或いは予想のつかない変動により、100%或いは若干低い相対湿度を意味する。通常は、約100%の相対湿度は、少なくとも99%の相対湿度をもつはずである。
【0013】
特許請求の範囲を含み、本明細書で用いられる“乾ガス”という用語は、約0%の相対湿度を有するガスを意味する。
【0014】
次に、本願発明の実施形態について説明する。図1及び2に示すように、本発明の第一の実施形態は、試験装置90の試験チャンバ99のような目標点に供給されるガスを定量的に加湿するためのシステム10である。図1を参照すると、システム10の第一の実施形態は、(i)ガス源20と、(ii)湿チャンバ30wetと、(iii)所定長の供給ライン80dryと、(iv)少なくとも一つの弁40とを有する。ガス源20は、初期相対湿度を有し、試験装置90の試験チャンバ99と流体連通する。湿チャンバ30wetは試験チャンバ99とガス源20の間に介在し、初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度を有する湿ガスを生成するために、湿チャンバ30wetを経て流れるガスを加湿することができる。供給ライン80dryは、湿チャンバ30wetを経てガスを通過させることなく、ガス源20から試験チャンバ99にガスを供給することを可能とするために、湿チャンバ30wetを迂回して試験チャンバ99及びガス源20と流体連通する。少なくとも一つの弁40は、湿チャンバ30wet(すなわち湿路)或いはバイパス供給ライン80dry(すなわち乾路)のいずれか一方のみを経て、ガス源20から試験チャンバ99にガスの流れを相互排他的に可能にするようになっている。
【0015】
図2を参照する。システム10の第二の実施形態は、(i)ガス源20と、(ii)湿チャンバ30wetと、(iii) 乾チャンバ30dryと、(iv)少なくとも一つの弁40とを有する。ガス源20は、初期相対湿度を有し、試験チャンバ99と流体連通する。湿チャンバ30wetは試験チャンバ99とガス源20の間に介在し、初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度を有する湿ガスを生成するために、湿チャンバ30wetを経て流れるガスを加湿することができる。乾チャンバ30dryは試験チャンバ99とガス源20の間に介在し、初期相対湿度よりも低い第二の相対湿度を有する乾ガスを生成するために、乾チャンバ30wetを経て流れるガスを除湿することが可能である。少なくとも一つの弁40は、湿チャンバ30wet(すなわち湿路)或いは乾チャンバ30dry(すなわち乾路)のいずれか一方のみを経て、ガス源20から試験チャンバ99にガスの流れを可能にするようになっている。
【0016】
約0%の初期相対湿度を有するガスが望ましいが、これは初期相対湿度が、供給されるロットによる変動或いは局所の温度及び/又は圧力の変動により、時間がたつと変動する傾向があるからである。望まれる第一の相対湿度の目標(すなわち湿ガスの相対湿度)は約100%であるが、これは一貫した基準で達成するのに最も直接的で簡単な目標だからである。同様に、望まれる第二の相対湿度の目標(すなわち乾ガスの相対湿度)は約0%であるが、これは一貫した基準で達成するのに最も直接的で簡単な目標だからである。
【0017】
図1を参照する。システム10の第一の実施例は、湿チャンバ30wet及びバイパス供給ライン80dryを経て流れるガス量を制御することによって(すなわちデューティサイクルを制御することによって)、ガスの初期相対湿度(望ましくは約0%)と第一の相対湿度(望ましくは約100%)との間のどこかにある既知の相対湿度を有するガスを目標点に提供するために効果的に使用される。得られた混合ガスの相対湿度は、以下に記述された式Aを使って計算される。
式A
RHBlended = (RHwet)(DutyCycle/100) + (RHinitial)((100−DutyCycle)/100)
【0018】
図2を参照する。システム10の第二の実施例は、湿チャンバ30wet及び乾チャンバ30dryを経て流れるガス量を制御することによって(すなわちデューティサイクルを制御することによって)、第二の相対湿度(望ましくは約0%)と第一の相対湿度(望ましくは約100%)との間のどこかにある相対湿度を有するガスを目標点に提供するために効果的に使用される。得られた混合ガスの相対湿度は、以下に記述された式Bを使って計算される。
式B
RHBlended = (RHwet)(DutyCycle/100) + (RHdry)((100−DutyCycle)/100)
【0019】
ガス源20は、相対的に乾燥したガスを含む圧力タンク(図示せず)であることが望ましく、そのガス源20はそれがガスを試験装置90に供給するために使用されるときには、試験装置90によって測定される測定可能な量の検体を有してはならない。試験装置90によって測定される一般的な検体は、酸素(O2)、一酸化炭素(CO)及び揮発性有機化合物(VOCs)を含む。そのような試験装置90にキャリア”及び/又は“フラッシング”ガスとして一般的に使用されるガスは、窒素(N2)及び二酸化炭素(CO2)の不活性の大気ガスである。
【0020】
湿チャンバ30wetは、湿チャンバ30wetを経てガスが流れるときにガスを飽和させるために、湿チャンバ30wet内に位置する水源を含む。そのような加湿チャンバの構造及び設計は、当業者の能力があれば十分できる。
【0021】
同様に、乾チャンバ30dryは、乾チャンバ30dryを経てガスが流れるときにガスを乾燥させるために、乾チャンバ30dry内に位置する乾燥剤を含む。そのような除湿チャンバの構造及び設計は、当業者の能力があれば十分できる。
【0022】
少なくとも一つの弁40は、湿路(すなわち湿チャンバ30wetを経て)と乾路(すなわち乾チャンバ30dryの有無にかかわらず、バイパス供給ライン80dryを経て)とのどちらか一方を経て、ガス源20から試験チャンバ99へのガスの流れを相互排他的に交互に入れ替えるために、ガス源20と試験チャンバ99との間に設置される。湿路及び乾路のどちらか一方を経てガスの流れを相互排他的に交互に入れ替えるのに必要な望まれる機能は、図1に示されるような単一の三方向弁40或いは図2に示されるような共通で制御される一対の弁40wet及び40dryを使用することによって得ることができる。弁40は、図1及び2のそれぞれで示されるように、湿チャンバ30wet又は乾チャンバ30dryから上流又は下流に設置される。
【0023】
混合チャンバ50は、湿路及び乾路の双方からのガスの流れを受け、二つの経路から出て来る湿ガス及び乾ガスのスラグの混合をもたらすために、望ましくは湿チャンバ30wet及び乾チャンバ30dryと目標点(例えば試験装置90)との間に供給され、その結果、目標点に達するガスは一定で一様な相対湿度を有する混合ガスであることが保証される。
【0024】
流量制御弁60は、システム10を流れるガスの流れを制御するために、ガス源20と供給ライン80が湿路80wet及び乾路80dryに分岐する点との間に供給され得る。
【0025】
湿度センサ70は、混合ガスの相対湿度に対してフィードバックを提供するため、及び目的の相対湿度を達成するためのデューティサイクルの微調整を可能にするために、混合ガスを検出可能な状態で設置され得る。湿度センサ70は、検知された相対湿度データをマイクロプロセッサ100に伝達して、流量或いはサイクルタイムの調整に使用するためにマイクロプロセッサ100と電気的に接続された状態で配置される。これは、ガスの湿った或いは乾いたスラグの不完全な混合によって生じた混合ガスの相対湿度の循環的変化を減じさせ、或いは計算された相対湿度と混合ガスの実際の或いは検知された相対湿度との間の不一致を減じる或いは除去するためである。
【0026】
供給ラインは、システム10の様々な要素を流体的に相互接続し、第一の部分80a及び第二の部分80bを含む。第一の部分80aは、ガス源20から分岐点81まで延び、分岐点では供給ライン80は湿路80wetと乾路80dryとに分岐する。第二の部分80bは、湿路80wet及び乾路80dryが集合する集合点82から目標点まで延びる。
【0027】
マイクロコントローラ100は、望ましくはモニタ、キーボード、マウスのような通例のユーザインターフェース要素を含み、それらによってユーザーは計算されたり検知された相対湿度を追跡することができ、また、望まれる相対湿度を達成させたり変えさせるのに必要な及び適当な流量、サイクルタイム及びデューティサイクルを調整することができる。
【0028】
サイクルタイムは弁40の反応時間によって制限されうるが、湿スラグ及び乾スラグの大きさが目標点に供給される前に一様に混合されることができることを保証するように選択されなければならない。一般には、約0.1秒から10秒の間のサイクルタイムは、湿ガス及び乾ガスの一様な混合を提供する所望の目標を達成することが可能である。0.1秒より少ない反応時間では弁40に重大な損傷を及ぼして対応する利益は得られない。そして約10秒より長い反応時間では、目標点に供給する前に湿ガス或いは乾ガスの不完全な混合を周期的に生じることになる。
【0029】
以下に、本願発明の実施例を説明する。
実施例1
表1で記述される相対湿度(RHInitial)を有するガスは、図1に示される湿度調整システム10を経て導かれる。システム10の湿チャンバ30wetは、ガスの相対湿度を表1で記述される第一の相対湿度(RHwet)まで増加させるために構成され配置される。表1に記述される所望の最終相対湿度(RHFinal)を達成するために必要なデューティサイクルは、下記に記述される式Cを使って計算される。計算されたデューティサイクルも表1に記述される。
式C
Duty Cycle = 100(1−(RHwet − RHFinal)/ (RHwet − RHInitial))
【0030】
表1
──────────────────────┬────────
RHInitial RHwet RHFinal │Duty Cycle
% % % │ %
──────────────────────┼────────
0 100 100 │ 100
0 100 0 │ 0
0 100 50 │ 50
10 100 50 │ 44.5
40 100 50 │ 16.7
0 90 50 │ 55.6
0 50 50 │ 100
0 100 30 │ 30
0 100 80 │ 80
10 90 50 │ 50
10 90 70 │ 75
0 90 20 │ 22.2
──────────────────────┴────────
【0031】
実施例2
ガスは、図2に示されるように、湿度調整システム10を経て導かれる。システム10の湿チャンバ30wetは、ガスの相対湿度を表2で記述される第一の相対湿度(RHwet)まで増加させるために構成され配置される。システム10の乾チャンバ30dryは、ガスの相対湿度を表2で記述される第二の相対湿度(RHdry)まで減少させるために構成され配置される。表2に記述される所望の最終相対湿度(RHFinal)を達成するために必要なデューティサイクルは、下記に記述される式Dを使って計算される。
式D
Duty Cycle = 100(1−(RHwet − RHFinal)/ (RHwet − RHDry))
【0032】
表2
──────────────────────┬────────
RHDry RHwet RHFinal │Duty Cycle
% % % │ %
──────────────────────┼────────
0 100 100 │ 100
0 100 0 │ 0
0 100 50 │ 50
10 100 50 │ 44.5
0 90 50 │ 55.6
0 50 50 │ 100
0 100 30 │ 30
0 100 80 │ 80
10 90 50 │ 50
10 90 70 │ 75
0 90 20 │ 22.2
──────────────────────┴────────
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第一実施形態の概略図である。
【図2】本発明の第二実施形態の概略図である。
【符号の説明】
【0034】
10 システム
20 ガス源
30wet 湿チャンバ
30dry 乾チャンバ
40 弁
40wet 弁
40dry 弁
50 混合チャンバ
60 流量制御弁
70 湿度センサ
80 供給ライン
80a 第一の部分
80b 第二の部分
80wet 供給ライン
80dry 供給ライン
81 分岐点
82 集合点
90 試験装置
99 試験チャンバ
100 マイクロプロセッサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整可能な既知の湿度を有するガス流を提供するシステムであって、(a)ガス源と、(b)供給ラインと、(c)少なくとも一つの弁とを有し、
前記ガス源は初期相対湿度を有し、
前記供給ラインは前記ガス源から目標点にガスを導くために前記ガス源と流体連通し、供給ラインは(i)湿路と、(ii)乾路と、(iii)分岐点とを有し、
前記湿路は、前記湿路に沿って通過する前記ガス源からのガスを、前記初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度に加湿することが可能であり、
前記乾路は、前記乾路に沿って通過する前記ガス源からのガスの相対湿度を維持することが可能であり、
前記分岐点は、前記湿路及び乾路から下流及び前記目標点から上流にあり、分岐点では前記湿路及び乾路に沿って通過するガスが前記目標点に供給される前に混合され、
前記少なくとも一つの弁は、前記湿路或いは前記乾路に沿った前記ガス源からのガスの流れのどちらか一方のみを可能にするために、前記供給ラインと流体連通し、
それによって、(i)前記湿路に沿ったガスの流れを可能にすることによって、前記目標点に前記第一の既知の相対湿度を有するガスだけが供給され、(ii)前記乾路に沿ったガスの流れを可能にすることによって、前記目標点に前記初期相対湿度を有するガスだけが供給され、そして(iii)所定のデューディサイクルに基づいて前記湿路及び乾路に沿ったガスの流れを交互に入れ替えることによって、前記目標点に前記初期相対湿度と前記第一の相対湿度との間の既知の相対湿度を有するガスが供給されるようになっているシステム。
【請求項2】
前記ガス源と、当該システムを通るガスの流れを選択的に制御する前記弁との中間にある流量制御弁をさらに有する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記初期相対湿度と前記第一の相対湿度との間の所定の相対湿度を有する混合ガスを生成するために、前記デューティサイクルを制御するための前記少なくとも一つの弁と電気的に接続されたマイクロコントローラをさらに有する請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記目標点が試験装置の試験チャンバである請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記試験装置が透過試験装置である請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記透過試験装置が酸素透過装置である請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記透過試験装置が二酸化炭素透過装置である請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記初期相対湿度が約0%である請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第一の既知の相対湿度が約100%である請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
調整可能な既知の湿度を有するガス流を提供するシステムであって、(a)ガス源と、(b)供給ラインと、(c)少なくとも一つの弁とを有し、
前記ガス源は初期相対湿度を有し、
前記供給ラインは前記ガス源から目標点にガスを導くために前記ガス源と流体連通し、供給ラインは(i)湿路と、(ii)乾路と、(iii)分岐点とを有し、
前記湿路は、前記湿路に沿って通過する前記ガス源からのガスを、前記初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度に加湿することが可能であり、
前記乾路は、前記乾路に沿って通過する前記ガス源からのガスの相対湿度を、前記初期相対湿度よりも低い第二の既知の相対湿度に除湿することが可能であり、
前記分岐点は、前記湿路及び乾路から下流及び前記目標点から上流にあり、分岐点では前記湿路及び乾路に沿って通過するガスが前記目標点に供給される前に混合され、
前記少なくとも一つの弁は、前記湿路或いは前記乾路に沿った前記ガス源からのガスの流れのどちらか一方のみを可能にするために、前記供給ラインと流体連通し、
それによって、(i)前記湿路に沿ったガスの流れを可能にすることによって、前記目標点に前記第一の既知の相対湿度を有するガスだけが供給され、(ii)前記乾路に沿ったガスの流れを可能にすることによって、前記目標点に前記第二の既知の相対湿度を有するガスだけが供給され、そして(iii)所定のデューディサイクルに基づいて前記湿路及び乾路に沿ったガスの流れを交互に入れ替えることによって、前記目標点に前記第一の相対湿度と前記第二の相対湿度との間の既知の相対湿度を有するガスが供給されるようになっているシステム。
【請求項11】
前記ガス源と、当該システムを通るガスの流れを選択的に制御する前記弁との中間にある流量制御弁をさらに有する請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第一の相対湿度と前記第二の相対湿度との間の所定の相対湿度を有する混合ガスを生成するために、前記デューティサイクルを制御するための前記少なくとも一つの弁と電気的に接続されたマイクロコントローラをさらに有する請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記目標点が試験装置の試験チャンバである請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記試験装置が透過試験装置である請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記透過試験装置が酸素透過装置である請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記透過試験装置が二酸化炭素透過装置である請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記初期相対湿度が約0%である請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記第一の既知の相対湿度が約100%である請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
選択可能な相対湿度を有するガスを生成する方法であって、
(a)初期相対湿度を有するガスの流れを、所定のサイクルタイムとデューティサイクルとに基づいて、(i)湿ガスを供給するために前記初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度にガスを加湿することができる湿路と(ii)乾ガスを供給するために前記ガスの前記初期相対湿度を維持することができる乾路との間で交互に入れ替える段階と、
(b)選択された相対湿度を有する混合ガスを生成するために、湿ガス及び乾ガスの交互に生成された前記スラグを混合する段階と、
を有する方法。
【請求項20】
前記サイクルタイムが約0.1秒から約10秒である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ガスが前記湿路及び前記乾路に沿って毎分約1cm3から約1,000cm3の間の流量で流れる請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記混合ガスが透過試験装置に供給される請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記初期相対湿度が約0%である請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記第一の既知の相対湿度が約100%である請求項19に記載の方法。
【請求項25】
選択可能な相対湿度を有するガスを生成する方法であって、
(a)初期相対湿度を有するガスの流れを、所定のサイクルタイムとデューティサイクルとに基づいて、(i)湿ガスを供給するために前記初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度にガスを加湿することができる湿路と(ii)乾ガスを供給するために前記ガスの前記相対湿度を前記初期相対湿度よりも低い第二の既知の相対湿度に除湿することができる乾路との間で交互に入れ替える段階と、
(b)選択された相対湿度を有する混合ガスを生成するために、湿ガス及び乾ガスの交互に生成された前記スラグを混合する段階と、
を有する方法。
【請求項26】
前記サイクルタイムが約0.1秒から約10秒である請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ガスが前記湿路及び前記乾路に沿って毎分約1cm3から約1,000cm3の間の流量で流れる請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記混合ガスが透過試験装置に供給される請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記第二の相対湿度が約0%である請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記第一の既知の相対湿度が約100%である請求項25に記載の方法。
【請求項1】
調整可能な既知の湿度を有するガス流を提供するシステムであって、(a)ガス源と、(b)供給ラインと、(c)少なくとも一つの弁とを有し、
前記ガス源は初期相対湿度を有し、
前記供給ラインは前記ガス源から目標点にガスを導くために前記ガス源と流体連通し、供給ラインは(i)湿路と、(ii)乾路と、(iii)分岐点とを有し、
前記湿路は、前記湿路に沿って通過する前記ガス源からのガスを、前記初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度に加湿することが可能であり、
前記乾路は、前記乾路に沿って通過する前記ガス源からのガスの相対湿度を維持することが可能であり、
前記分岐点は、前記湿路及び乾路から下流及び前記目標点から上流にあり、分岐点では前記湿路及び乾路に沿って通過するガスが前記目標点に供給される前に混合され、
前記少なくとも一つの弁は、前記湿路或いは前記乾路に沿った前記ガス源からのガスの流れのどちらか一方のみを可能にするために、前記供給ラインと流体連通し、
それによって、(i)前記湿路に沿ったガスの流れを可能にすることによって、前記目標点に前記第一の既知の相対湿度を有するガスだけが供給され、(ii)前記乾路に沿ったガスの流れを可能にすることによって、前記目標点に前記初期相対湿度を有するガスだけが供給され、そして(iii)所定のデューディサイクルに基づいて前記湿路及び乾路に沿ったガスの流れを交互に入れ替えることによって、前記目標点に前記初期相対湿度と前記第一の相対湿度との間の既知の相対湿度を有するガスが供給されるようになっているシステム。
【請求項2】
前記ガス源と、当該システムを通るガスの流れを選択的に制御する前記弁との中間にある流量制御弁をさらに有する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記初期相対湿度と前記第一の相対湿度との間の所定の相対湿度を有する混合ガスを生成するために、前記デューティサイクルを制御するための前記少なくとも一つの弁と電気的に接続されたマイクロコントローラをさらに有する請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記目標点が試験装置の試験チャンバである請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記試験装置が透過試験装置である請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記透過試験装置が酸素透過装置である請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記透過試験装置が二酸化炭素透過装置である請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記初期相対湿度が約0%である請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第一の既知の相対湿度が約100%である請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
調整可能な既知の湿度を有するガス流を提供するシステムであって、(a)ガス源と、(b)供給ラインと、(c)少なくとも一つの弁とを有し、
前記ガス源は初期相対湿度を有し、
前記供給ラインは前記ガス源から目標点にガスを導くために前記ガス源と流体連通し、供給ラインは(i)湿路と、(ii)乾路と、(iii)分岐点とを有し、
前記湿路は、前記湿路に沿って通過する前記ガス源からのガスを、前記初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度に加湿することが可能であり、
前記乾路は、前記乾路に沿って通過する前記ガス源からのガスの相対湿度を、前記初期相対湿度よりも低い第二の既知の相対湿度に除湿することが可能であり、
前記分岐点は、前記湿路及び乾路から下流及び前記目標点から上流にあり、分岐点では前記湿路及び乾路に沿って通過するガスが前記目標点に供給される前に混合され、
前記少なくとも一つの弁は、前記湿路或いは前記乾路に沿った前記ガス源からのガスの流れのどちらか一方のみを可能にするために、前記供給ラインと流体連通し、
それによって、(i)前記湿路に沿ったガスの流れを可能にすることによって、前記目標点に前記第一の既知の相対湿度を有するガスだけが供給され、(ii)前記乾路に沿ったガスの流れを可能にすることによって、前記目標点に前記第二の既知の相対湿度を有するガスだけが供給され、そして(iii)所定のデューディサイクルに基づいて前記湿路及び乾路に沿ったガスの流れを交互に入れ替えることによって、前記目標点に前記第一の相対湿度と前記第二の相対湿度との間の既知の相対湿度を有するガスが供給されるようになっているシステム。
【請求項11】
前記ガス源と、当該システムを通るガスの流れを選択的に制御する前記弁との中間にある流量制御弁をさらに有する請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第一の相対湿度と前記第二の相対湿度との間の所定の相対湿度を有する混合ガスを生成するために、前記デューティサイクルを制御するための前記少なくとも一つの弁と電気的に接続されたマイクロコントローラをさらに有する請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記目標点が試験装置の試験チャンバである請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記試験装置が透過試験装置である請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記透過試験装置が酸素透過装置である請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記透過試験装置が二酸化炭素透過装置である請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記初期相対湿度が約0%である請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記第一の既知の相対湿度が約100%である請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
選択可能な相対湿度を有するガスを生成する方法であって、
(a)初期相対湿度を有するガスの流れを、所定のサイクルタイムとデューティサイクルとに基づいて、(i)湿ガスを供給するために前記初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度にガスを加湿することができる湿路と(ii)乾ガスを供給するために前記ガスの前記初期相対湿度を維持することができる乾路との間で交互に入れ替える段階と、
(b)選択された相対湿度を有する混合ガスを生成するために、湿ガス及び乾ガスの交互に生成された前記スラグを混合する段階と、
を有する方法。
【請求項20】
前記サイクルタイムが約0.1秒から約10秒である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ガスが前記湿路及び前記乾路に沿って毎分約1cm3から約1,000cm3の間の流量で流れる請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記混合ガスが透過試験装置に供給される請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記初期相対湿度が約0%である請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記第一の既知の相対湿度が約100%である請求項19に記載の方法。
【請求項25】
選択可能な相対湿度を有するガスを生成する方法であって、
(a)初期相対湿度を有するガスの流れを、所定のサイクルタイムとデューティサイクルとに基づいて、(i)湿ガスを供給するために前記初期相対湿度よりも高い第一の既知の相対湿度にガスを加湿することができる湿路と(ii)乾ガスを供給するために前記ガスの前記相対湿度を前記初期相対湿度よりも低い第二の既知の相対湿度に除湿することができる乾路との間で交互に入れ替える段階と、
(b)選択された相対湿度を有する混合ガスを生成するために、湿ガス及び乾ガスの交互に生成された前記スラグを混合する段階と、
を有する方法。
【請求項26】
前記サイクルタイムが約0.1秒から約10秒である請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ガスが前記湿路及び前記乾路に沿って毎分約1cm3から約1,000cm3の間の流量で流れる請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記混合ガスが透過試験装置に供給される請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記第二の相対湿度が約0%である請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記第一の既知の相対湿度が約100%である請求項25に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図2】
【公開番号】特開2008−151791(P2008−151791A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323411(P2007−323411)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(592014182)モコン・インコーポレーテッド (16)
【氏名又は名称原語表記】MODERN CONTROLS, INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(592014182)モコン・インコーポレーテッド (16)
【氏名又は名称原語表記】MODERN CONTROLS, INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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