説明

既設コンクリート管破砕用掘進機

【課題】自立性の乏しい軟弱地盤から、自立性の大きい硬質地盤まで、安定した山止め可能な既設コンクリート管破砕用掘進機の提供。
【解決手段】半径方向に伸びる取り付け軸に回転自在に取り付けられるローラビット7を中央部に開口部が形成されるようにリング状に配置し、駆動手段11により回転駆動するリング状カッターヘッド4とし、このリング状カッターヘッド4を、先端にスリットカッター9を備えた山止め円筒部8内に配置し、これらの複数のローラビット7の取り付け軸をその内径側端部が軸方向の後側、又はカッターヘッド4の回転方向の周側に位置させ、半径方向に対して傾斜させて取り付けることを特徴とする。また、上記先端にスリットカッター9を備えた山止め円筒部8を回転又は非回転とするとともに、リング状カッターヘッド4に対して前後に伸縮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に埋設された雨水の排水管又は下水道等に用いられる既設コンクリート管を破砕し、新設管を敷設するためのリング状カッターヘッドを備えた既設コンクリート管破砕用掘進機に関する。
【背景技術】
【0002】
地中に埋設された既設コンクリート管を開削工法によることなく破砕し、新設管を敷設する装置として、特開平7−98077号公報(従来例1)には、全断面掘進機のように掘削断面全体に回転掘削歯を配置した掘進機により既設コンクリート管を破砕し、その後に新設管を敷設していく既設コンクリート管更新用掘進機が開示されている。
【特許文献1】特開平7−98077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来例1の全断面掘削機では、軟鋼(SS400)の鉄筋は切断できるが、既設コンクリート管の継輪は切断できず、既設コンクリート管の破砕作業の前に既設コンクリート管内に作業機械や作業員を入れ、継輪を数等分に切断しておく必要があった。また、カッターにより切断される鉄筋の長さが長いと、切断された鉄筋がカッターに巻き付き、それを取り除くため作業が中断することになり、効率良く既設コンクリート管を破砕できないという問題を有していた。さらに、全断面掘進機の場合、全面に掘削歯を配置しているため、重量が大きく回転トルクが大きくなり、高出力の駆動手段を備えなければならず、カッターに鉄筋が巻き付いたような場合、既設コンクリート管の反対側から作業員を入れ除去しなければならないという問題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来例の持つ課題を解決するものである。カッターヘッドによる破砕が困難な継輪の切削も可能で、既設コンクリート管内への補助的作業の作業機械又は作業員の出入を可能とし、効率良く既設コンクリート管を破砕する既設コンクリート管破砕用掘進機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第1発明は、前記課題を解決するために、既設コンクリート管破砕用掘進機において、径方向に伸びる取り付け軸に回転自在に取り付けられるローラビットを中央部に開口部が形成されるように複数リング状に配置し駆動手段により回転駆動するリング状カッターヘッドとし、前記リング状カッターヘッドを先端にスリットカッターを備えた山止め円筒部内に配置し、前記複数のローラビットの取り付け軸をその内径側の端部が軸方向の後側に位置し軸方向に傾斜させて取り付けることを特徴とする。
【0006】
本第2発明は、既設コンクリート管破砕用掘進機において、径方向に伸びる取り付け軸に回転自在に取り付けられるローラビットを中央部に開口部が形成されるように複数リング状に配置し駆動手段により回転駆動するリング状カッターヘッドとし、前記リング状カッターヘッドを先端にスリットカッターを備えた山止め円筒部内に配置し、前記複数のローラビットの取り付け軸を内径側の端部が回転方向側に位置し周方向に傾斜させて取り付けることを特徴とする。
【0007】
本第3発明は、既設コンクリート管破砕用掘進機において、径方向に伸びる取り付け軸に回転自在に取り付けられるローラビットを中央部に開口部が形成されるように複数リング状に配置し駆動手段により回転駆動するリング状カッターヘッドとし、前記複数のローラビットの取り付け軸を内径側の端部が軸方向の後側に位置し軸方向に傾斜させ、且つ、前記複数のローラビットの取り付け軸を内径側の端部が回転方向側に位置し周方向に傾斜させて取り付けることを特徴とする。
【0008】
本第4発明は、本第2又は第3発明の既設コンクリート管破砕用掘進機において、前記リング状カッターヘッドを駆動手段により正逆回転可能とし、前記ローラビットの取り付け軸の内径側の端部をピン構造とし、外周側の端部を周方向に所定角度スライド可能な軸受けに取り付け、リング状カッターヘッドの回転方向の変更に応じてローラビットの取り付け軸の周方向の傾斜角度を変更可能とすることを特徴とする。
【0009】
本第5発明は、本第1〜第4発明のいずれかの既設コンクリート管破砕用掘進機において、前記山止め円筒部の先端を前記リング状カッターヘッドの取り付け位置より前方に突出させ、地山からの土砂の掘進機本体内への進入を防止することを特徴とする。
【0010】
本第6発明は、本第1〜第5発明のいずれかの既設コンクリート管破砕用掘進機において、前記リング状カッターヘッドの駆動手段と前記山止め円筒部とを連結又は切り離し可能として前記山止め円筒部を回転または非回転とすることを特徴とする。
【0011】
本第7発明は、本第1〜第6発明のいずれかの既設コンクリート管破砕用掘進機において、前記山止め円筒部を前記リング状カッターヘッドに対して、掘進方向に伸縮可能とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の径方向に伸びる取り付け軸に回転自在に取り付けられるローラビットを中央部に開口部が形成されるように複数リング状に配置し駆動手段により回転駆動するリング状カッターヘッドとする構成により、既設コンクリート管の破砕位置にのみローラビットを配置しているので、全断面に掘削歯を配置した掘進機に比較し、カッターヘッドの重量が軽くでき、カッターヘッドを回転駆動する駆動手段の出力を小さくすることができ、中央部に開口部が形成されているため、既設コンクリート管内での補助的作業のための作業員、作業機械の搬入、搬出が容易となる。
リング状カッターヘッドを先端にスリットカッターを備えた山止め円筒部内に配置する構成により、N値の大きい硬い地盤や玉石地盤でも掘進できる。
複数のローラビットの取り付け軸を内径側の端部が軸方向の後側に位置し軸方向に傾斜させて取り付ける構成により、リング状カッターヘッドのローラビットにより破砕・切断された鉄筋、継輪を内径方向に取り込む作用が大きくなり、破砕・切断物の撤去・搬送作業が容易になる。
複数のローラビットの取り付け軸を内径側の端部が回転方向側に位置し周方向に傾斜させて取り付ける構成により、リング状カッターヘッドのローラビットにより破砕・切断された鉄筋、継輪を内径方向に取り込む作用が大きくなり、破砕・切断物の撤去・搬送作業が容易になる。
複数のローラビットの取り付け軸を内径側の端部が軸方向の後側に位置し軸方向に傾斜させ、且つ、前記複数のローラビットの取り付け軸を内径側の端部が回転方向側に位置し周方向に傾斜させて取り付ける構成により、リング状カッターヘッドのローラビットにより破砕・切断された鉄筋、継輪を内径方向に取り込む作用が大きくなり、破砕、切断物の撤去・搬送作業がより容易になる。
リング状カッターヘッドを駆動手段により正逆回転可能とし、前記ローラビットの取り付け軸の内径側の端部をピン構造とし、外周側の端部を周方向に所定角度スライド可能な軸受けに取り付け、リング状カッターヘッドの回転方向の変更に応じてローラビットの取り付け軸の周方向の傾斜角度を変更可能とする構成により、リング状カッターヘッドの回転方向が一定であると、掘進機がローリングする恐れがあるため所定距離前進する毎にリング状カッターヘッドの回転方向を変更して掘進機のローリングを防止できる。その際、ローラビットの周方向の傾斜角度をリング状カッター方向の回転に伴う抵抗力により変更することにより、回転方向が変更しても破砕・切断された鉄筋、継輪を内径方向に取り込む作用を持続できる。
山止め円筒部の先端を前記リング状カッターヘッドの取り付け位置より前方に突出させる構成により、地山からの過剰な土砂の掘進機本体内への進入を防止することができる。
リング状カッターヘッドの駆動手段と前記山止め円筒部とを連結又は切り離し可能として、前記山止め円筒部を回転又は非回転とする構成により、掘進する地盤のN値が低い場合、山止め円筒部を非回転とし、地山を安定させて掘進でき、掘進する地盤のN値が通常又は大きい場合には、山止め円筒部を回転させて、効率良く地山を掘進できる。
山止め円筒部を前記リング状カッターヘッドに対して、掘進方向に伸縮可能とする構成により、周囲地盤の状況に応じて山止め円筒部の地盤への突出長さを調節でき、周囲地盤を安定させてリング状カッターヘッドによる既設コンクリート管破砕作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態を図により説明する。図1、図2は、本発明の既設コンクリート管破砕用掘進機の第1実施形態を示す図である。
【0014】
既設コンクリート管破砕用掘進機は、地中に埋設された既設コンクリート管2の外径より大きな内径を有し、掘進機本体の前部には、既設コンクリート管2の破砕に必要な部分だけにカッターを設け、中央部に開口部5を形成したリング状カッターヘッド4を備える。リング状カッターヘッド4は、中央に作業員、資材、作業機及び破砕物の出入が可能な大きな開口部5を形成した面盤6を備え、面盤6に所定間隔毎にストレートタイプのローラビット7を、半径方向に伸びる取り付け軸13に回転自在に取り付ける。
【0015】
リング状カッターヘッド4の後部に中央に開口を備えたバルクヘッド(図示せず)を配置する。バルクヘッドに、リング状カッターヘッド4を回転駆動する減速機構を備えた駆動手段11を配置する。リング状カッターヘッド4は、先端には、超硬合金製のスリットカッター9を備えた山止め円筒部8内に配置される。山止め円筒部8は、地山からの土砂が掘進機本体内に浸入しないようにリング状カッターヘッド4の配置位置より前方に突出させる。
【0016】
本発明の第1実施形態においては、リング状カッターヘッド4を駆動する駆動手段11と山止め円筒部8は連結され、リング状カッターヘッド4と山止め円筒部8は同時に同方向に回転する。
【0017】
図2に示されるように、本発明の第1実施形態の既設コンクリート管破砕用掘進機のリング状カッターヘッド4は、ローラビット7の取り付け軸13の内径側の端部を軸方向の後側に位置させ、径方向の垂直線に対して所定角度β°傾斜させて配置し、複数のローラビット7を円錐台状に配列する。軸方向の傾斜角度β°は、3〜45°とする。ローラビット7の取り付け軸13の軸方向の傾斜角度β°が3°以下、つまり半径方向の垂直線に近い角度になると、ローラビット7により破砕・切断された鉄筋、継輪が地山側に押し込まれ、回収撤去できなくなる。ローラビット7の軸方向の取り付け軸13の傾斜角度β°が45°以上であると、ローラビット7の破砕・切断力が低下する。上記構成によりローラビット7の破砕・切断能力を低下させることなく、切断・破砕物を内径側に取り込み撤去・搬送作業を容易とする。継輪を短く切断できない場合でも、内径側に取り込まれるので、前記開口部5から作業員、作業機械を搬入して、搬送・撤去可能な長さに切断する作業が容易にできる。
【0018】
図3は、本発明の第2実施形態を示す図である。第2実施形態の既設コンクリート管破砕用掘進機のリング状カッターヘッド4は、ローラビット7の取り付け軸13の内径側の端部の周方向の位置が回転方向側にずれるように配置し、半径方向に対してα°傾斜させて配置する。半径方向の傾斜角度α°は、3〜45°である。半径方向の傾斜角度α°が3°以下であると、つまり、半径方向の傾斜角度が半径に近い角度になると、ローラビット7により破砕・切断された鉄筋、継輪が地山側に押し込まれ、回収撤去できなくなる。ローラビット7の半径方向の取り付け軸13の傾斜角度α°が45°以上であると、ローラビット7の破砕・切断力が低下する。上記構成によりローラビット7の破砕・切断能力を低下させることなく、切断・破砕物を内径側に取り込み撤去・搬送作業を容易とする。継輪が短く切断できない場合でも、内径側に取り込まれるので、前記開口部5から作業員、作業機械を搬入して、搬送・撤去可能な長さに切断する作業が容易にできる。
【0019】
本発明の第3実施形態は、本発明の第1及び第2実施形態を組み合わせたものである。
つまり、本発明の第3実施形態の既設コンクリート管破砕用掘進機のリング状カッターヘッド4は、ローラビット7の取り付け軸13の内径側の端部を軸方向の後側に位置させ、軸方向に所定角度β°傾斜させて配置し、且つ、ローラビット7の取り付け軸13の内径側の端部の周方向の位置が回転方向側にずれるように配置し、半径方向に対してα°傾斜させて配置する。本発明の第3実施形態の構成により、ローラビット7の破砕・切断能力を低下させることなく、切断・破砕物を内径側に取り込み撤去。搬送作業を容易とする。
【0020】
図4は、本発明の第4実施形態を示すものである。第4実施形態の既設コンクリート管破砕用掘進機は、第2、第3実施形態のローラビット7の取り付け軸13を周方向に傾斜したものに適用するものである。これは、リング状カッターヘッド4を同一方向にのみ回転させて掘進を継続すると、掘進機自体がローリングし、掘進方向がずれてしまうことがあるため、リング状カッターヘッド4の回転方向を所定距離掘進毎に変更する必要がある。しかし、リング状カッターヘッド4の回転方向が変わると、ローラビット7の半径方向の傾斜角度α°の方向がそのままであると、切断・破砕物を地山側に押し込む作用が大きくなり
、切断・破砕物の撤去・搬送作業が困難となる問題が発生する。そのため、本発明の第4実施形態では、ローラビット7の内径側の端部をピン構造とし、外周側の端部を周方向に所定角度スライド可能な周方向軸受けに取り付け、リング状カッターヘッド4の回転方向の変更に伴う抵抗力により、取り付け軸13の外周側の端部を周方向軸受けに沿って周方向にスライドさせ、ローラビット7の周方向の傾斜角度を変更する。周方向軸受けのそれぞれの端部には、取り付け軸13の外周側の端部を係止する溝等を設ける。上記、構成により、掘進機のローリングを防止し、リング状カッターヘッド4の回転方向を変更しても、切断・破砕物の内径方向の取り込み作用を持続できる。
【0021】
既設コンクリート管破砕用掘進機で、地下埋設の既設コンクリート管2を破砕し、新設管を敷設していく際、硬質地盤や軟弱地盤が混在する場合が多い。自立姓のないN値の低い軟弱地盤では、山止め円筒部8に取り込んだ地盤は、山止め円筒部8が回転すると崩れて地山が安息角で安定できず、地山を乱してしまう。このような軟弱地盤では、山止め円筒部8を非回転とし、地山に貫入させた方が地山を安定させる。一方、地盤のN値の高い硬質地盤や玉石地盤では、先端に超硬合金製のスリットカッター9を備えた山止め円筒部8を回転させて掘進する必要がある。そのため、本発明の第5実施形態は、図5に示されるような構成を採用している。
【0022】
図5に示されるように、リング状カッターヘッド4を駆動する駆動手段11の外周先端に山止め円筒部8を支持するサポートリング56を取り付ける。山止め円筒部8とサポートリング56との間にはボールベアリング54を配置し回転自在とし、ボールベアリング54への土砂侵入防止のためのシール53を両端に取り付ける。リング状カッターヘッド4を取り付けた面盤6の後部が駆動手段11に取り付けボルト58により固定され、リング状カッターヘッド4が回転駆動される。山止め円筒部8のリング状カッター4の配置位置に内径方向に伸びるブラケット59が形成され、ブラケット59に回転伝達ピン55挿入用の孔を形成する。一方、リング状カッターヘッド4の面盤6にも、回転伝達ピン55挿入用の孔を形成する。山止め円筒部8を回転する場合には、回転伝達ピン55を、面盤6及びブラケット59にそれぞれ形成した孔に手動又は油圧ジャッキ等の手段で遠隔操作により挿入し、リング状カッターヘッド4を介して駆動力を山止め円筒部8に伝達する。山止め円筒部8を非回転とする場合は、回転伝達ピン55を、面盤6及びブラケット59にそれぞれ形成した孔から手動又は油圧ジャッキ等の手段で遠隔操作により引き抜く。上記構成により、掘進する地盤状態に応じて山止め円筒部8を回転状態又は非回転状態にすることができ、掘進地盤の状態が変動しても掘進地盤を安定させて掘進できる。
【0023】
図6は、本発明の第6実施形態を示すものである。本発明の第6実施形態は、第5実施形態の山止め円筒部8の回転・非回転機構を存続させ、周囲地盤57の状態に応じて、自立性のないN値の低い軟弱地盤では、山止め円筒部8を非回転とし、かつ、山止め円筒部8のリング状カッターヘッド4に対する掘進方向への突出長さを長くし、地山への貫入長さを長くして地山を安定させる。地盤のN値の高い硬質地盤や玉石地盤では、山止め円筒部8のリング状カッターヘッド4に対する掘進方向への突出長さを短くして、先端に超硬合金製のスリットカッター9を備えた山止め円筒部8を回転させ掘進地盤を安定させて掘進する。
【0024】
図6に示されるように、リング状カッターヘッド4を駆動する駆動手段11の外周先端に山止め円筒部支持リング65を支持するサポートリング56を取り付ける。山止め円筒部支持リング65とサポートリング56との間にはボールベアリング54を配置し回転自在とし、ボールベアリング54への土砂侵入防止のためのシール53を両端に取り付ける。山止め円筒部支持リング65の先端部外周に山止め円筒部8を摺動可能に配置する。山止め円筒部支持リング65の先端部には、軸方向に伸びる長孔62が複数形成され、前記複数の長孔62に山止め円筒部8の内周に固定された複数のスクリュウナット63を摺動可能に位置させる。山止め円筒部支持リング65に一端を固定されたスクリュジャッキ64が、スクリュウナット63と螺着され、面盤6に形成した作業孔に配置したキャップ60を外し、工具等を介して六角ヘッド61を介してスクリュウジャッキ64を回転させることにより、スクリュウナット63を前後進させ、山止め円筒部8をリング状カッターヘッド4に対して掘進方向に伸縮させる。山止め円筒部8の掘進方向への前後進は油圧ジャッキ等の駆動手段を用いても良い。山止め円筒部8を回転する場合には、回転伝達ピン55を、面盤6及び山止め円筒部支持リング65にそれぞれ形成した孔に手動又は油圧ジャッキ等の手段で遠隔操作により挿入し、駆動力を山止め円筒部8に伝達する。山止め円筒部8を非回転とする場合は、回転伝達ピン55を、面盤6及び山止め円筒部支持リング65にそれぞれ形成した孔から手動又は油圧ジャッキ等の手段で遠隔操作により引き抜く。上記構成により、掘進する地盤状態に応じて山止め円筒部8を回転状態又は非回転状態にすることができ、掘進地盤の状態が変動しても掘進地盤を安定させて掘進できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の実施形態を示す図である。
【図6】本発明の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
2:既設コンクリート管、4:リング状カッターヘッド、5:中央開口部、6:面盤、7:ローラビット、8:山止め円筒部、9:スリットカッター、11:駆動手段、13:取り付け軸、53:シール、54:ボールベアリング、55:回転伝達ピン、56:サポートリング、57:地盤、58:取り付けボルト、59:ブラケット、60:キャップ、
61:六角ヘッド、62:長孔、63:スクリュウナット、64:スクリュウジャッキ、65:山止め円筒部支持リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設コンクリート管破砕用掘進機において、径方向に伸びる取り付け軸に回転自在に取り付けられるローラビットを中央部に開口部が形成されるように複数リング状に配置し駆動手段により回転駆動するリング状カッターヘッドとし、前記リング状カッターヘッドを先端にスリットカッターを備えた山止め円筒部内に配置し、前記複数のローラビットの取り付け軸をその内径側の端部が軸方向の後側に位置し軸方向に傾斜させて取り付けることを特徴とする既設コンクリート管破砕用掘進機。
【請求項2】
既設コンクリート管破砕用掘進機において、径方向に伸びる取り付け軸に回転自在に取り付けられるローラビットを中央部に開口部が形成されるように複数リング状に配置し駆動手段により回転駆動するリング状カッターヘッドとし、前記リング状カッターヘッドを先端にスリットカッターを備えた山止め円筒部内に配置し、前記複数のローラビットの取り付け軸を内径側の端部が回転方向側に位置し周方向に傾斜させて取り付けることを特徴とする既設コンクリート管破砕用掘進機。
【請求項3】
既設コンクリート管破砕用掘進機において、径方向に伸びる取り付け軸に回転自在に取り付けられるローラビットを中央部に開口部が形成されるように複数リング状に配置し駆動手段により回転駆動するリング状カッターヘッドとし、前記複数のローラビットの取り付け軸を内径側の端部が軸方向の後側に位置し軸方向に傾斜させ、且つ、前記複数のローラビットの取り付け軸を内径側の端部が回転方向側に位置し周方向に傾斜させて取り付けることを特徴とする既設コンクリート管破砕用掘進機。
【請求項4】
前記リング状カッターヘッドを駆動手段により正逆回転可能とし、前記ローラビットの取り付け軸の内径側の端部をピン構造とし、外周側の端部を周方向に所定角度スライド可能な周方向軸受けに取り付け、リング状カッターヘッドの回転方向の変更に応じてローラビットの取り付け軸の周方向の傾斜角度を変更可能とすることを特徴とする請求項2又は3に記載の既設コンクリート管破砕用掘進機。
【請求項5】
前記山止め円筒部の先端を前記リング状カッターヘッドの取り付け位置より前方に突出させ、地山からの土砂の掘進機本体内への進入を防止することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の既設コンクリート管破砕用掘進機。
【請求項6】
前記リング状カッターヘッドの駆動手段と前記山止め円筒部とを連結又は切り離し可能として、前記山止め円筒部を回転又は非回転とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の既設コンクリート管破砕用掘進機。
【請求項7】
前記山止め円筒部を前記リング状カッターヘッドに対して、掘進方向に伸縮可能とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の既設コンクリート管破砕用掘進機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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