既設マンホールの耐震化方法
【課題】マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールを、地中からマンホールや下水道本管を掘り起こしたり、埋め戻したりすることなく容易に耐震化することができる既設マンホールの耐震化方法の提供。
【解決手段】下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットで、既設マンホールのマンホール側壁12を貫通直前まで切削し、ビット内径が下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビット6でマンホール側壁12を貫通するまで切削し、切削により生じた切削屑を搬出し、マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入し、該切削空隙のマンホール内壁側をマンホール充填材で塞ぐと耐震化済マンホールとなる。この工法で施工すれば、地中からマンホールや下水道本管14を掘り起こしたり、埋め戻したりする必要がない。
【解決手段】下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットで、既設マンホールのマンホール側壁12を貫通直前まで切削し、ビット内径が下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビット6でマンホール側壁12を貫通するまで切削し、切削により生じた切削屑を搬出し、マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入し、該切削空隙のマンホール内壁側をマンホール充填材で塞ぐと耐震化済マンホールとなる。この工法で施工すれば、地中からマンホールや下水道本管14を掘り起こしたり、埋め戻したりする必要がない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水道本管がマンホール側壁に剛接合されている既設マンホールの耐震化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の下水道管との連結構造では、下水道管とマンホール側壁とが剛接合されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−90077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1は、下記の課題を有する。
下水道本管がマンホール側壁に剛接合されている既設マンホールでは、地震動が加わると、マンホールと下水道管との動きに違いが生じる。この動きの違いを吸収できない場合には、マンホールや下水道本管の破損を招く。
【0005】
現在では、下水道管渠施設(主にマンホールと下水道管)を新しく敷設(新設工事)する場合は、耐震および止水目的で、フレキシブルジョイントを介して接続することが一般的になっている。
しかし、以前に敷設された下水道管渠施設には、マンホールにフレキシブルジョイントが取り付けられていないのが現状である。
このため、阪神淡路大震災(平成7年1月発生)では、マンホールと下水道管との接合部、およびマンホールから1本目の下水道管に多くの被害が見られた。
【0006】
下水道管とマンホール側壁とが剛接合されている従来の下水道管渠施設を、耐震性の下水道管渠施設に変更する場合には、地中から一旦、マンホールや下水道管を掘り起こし、フレキシブルジョイントを取り付け後、再び埋め直す必要がある。
地中から一旦、マンホールや下水道管を掘り起こし、フレキシブルジョイントを取り付ける場合には、下記に示す課題が生じる。
熟練を要する。施工費が嵩む。工期がかかる。交通障害を引き起こす。
【0007】
本発明の目的は、下水道管とマンホール側壁とが剛接合されている既設マンホールを、地中からマンホールや下水道管を掘り起こしたり、埋め戻したりすることなく容易に耐震化することができる既設マンホールの耐震化方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(請求項1について)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールを以下の工程を経て耐震化する。
(1次切削ビット取付工程)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットを駆動軸に取り付ける。
【0009】
(1次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、1次切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削していく。
(2次切削ビット取付工程)
切削マシンを後退させた後に1次切削ビットを駆動軸から取り外してマンホールへ搬出し、ビット内径が下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビットを駆動軸に取り付ける。
(2次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、2次切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削していく。
【0010】
(搬出工程)
切削マシンを後退させた後に2次切削ビットを駆動軸から取り外して、2次切削ビットおよび切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る。
(継手取付工程)
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して下水道本管の外周に取り付けた後、切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ。
【0011】
(請求項2について)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールを以下の工程を経て耐震化する。
(1次切削ビット取付工程)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットを駆動軸に取り付ける。
(1次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、1次切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削していく。
【0012】
(2次切削ビット取付工程)
切削マシンを後退させた後に1次切削ビットを駆動軸から取り外してマンホール外へ搬出し、ビット内径が下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビットを駆動軸に取り付ける。
(2次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、2次切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削していく。
【0013】
(搬出工程)
マンホール側壁内に2次切削ビットを残した状態で駆動軸から2次切削ビットを取り外し、切削マシンをマンホール外へ搬出し、1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る。
(継手取付工程)
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して下水道本管の外周に取り付けた後、切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ。
【0014】
(請求項3について)
(内側切削ビット取付工程)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビットを駆動軸に取り付ける。
(内側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、内側切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削していく。
(外側切削ビット取付工程)
切削マシンを後退させた後に内側切削ビットを駆動軸から取り外してマンホール外へ搬出し、ビット内径が下水道本管外径より大きい外側切削ビットを駆動軸に取り付ける。
【0015】
(外側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、外側切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削していく。
(搬出工程)
切削マシンを後退させた後に外側切削ビットを駆動軸から取り外して、外側切削ビットおよび切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、内側切削と外側切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る。
(継手取付工程)
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して下水道本管の外周に取り付けた後、切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ。
【0016】
(請求項4について)
(内側切削ビット取付工程)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビットを駆動軸に取り付ける。
【0017】
(内側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、内側切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削していく。
(外側切削ビット取付工程)
マンホール側壁内に内側切削ビットを残した状態で駆動軸から内側切削ビットを取り外し、切削マシンを後退させた後に、ビット内径が下水道本管外径より大きい外側切削ビットを駆動軸に取り付ける。
【0018】
(外側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、外側切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削していく。
(搬出工程)
切削マシンを後退させた後に外側切削ビットを駆動軸から取り外して、外側切削ビットおよび切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、内側切削と外側切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る。
(継手取付工程)
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して下水道本管の外周に取り付けた後、切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ。
【0019】
[発明の効果]
(請求項1について)
単一の切削ビットでマンホール側壁を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットでマンホール側壁を切削し、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい2次切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削する施工方法である。
このため、1次切削ビット、2次切削ビットが薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシンで切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0020】
1次切削ビットによる切削でマンホール側壁を貫通させず、直前で切削を止めているので、1次切削工程において、マンホール内へ地下水や土砂が流入しない。
2次切削ビットは、マンホール側壁を貫通させるだけで良いので、薄い刃で良く、2次切削工程において、マンホール内への地下水や土砂の流入が最小限に抑えられる。
【0021】
(請求項2について)
単一の切削ビットでマンホール側壁を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットでマンホール側壁を切削し、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい2次切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削する施工方法である。
このため、1次、2次切削ビットが薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシンで切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0022】
1次切削ビットによる切削でマンホール側壁を貫通させず、直前で切削を止めているので、1次切削工程において、マンホール内へ地下水や土砂が流入しない。
2次切削工程で2次切削ビットがマンホール側壁を貫通するが、2次切削ビットをマンホール側壁内に残す施工方法であるので、マンホール内へ、地下水や土砂が流入し難い。
【0023】
(請求項3について)
単一の切削ビットでマンホール側壁を切削せず、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい内側切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削し、下水道本管外径よりもビット内径が大きい外側切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削する施工方法である。
このため、内側、外側切削ビットが薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシンで切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0024】
内側切削ビットは、マンホール側壁を貫通させるだけで良いので、薄い刃で良く、内側切削工程において、マンホール内への地下水や土砂の流入が最小限に抑えられる。また、外側切削ビットによる切削でマンホール側壁を貫通させず、直前で切削を止めているので、マンホール側壁の貫通部分が広がらない(地下水や土砂の流入が増加しない)。
【0025】
(請求項4について)
単一の切削ビットでマンホール側壁を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削し、下水道本管外径よりビット内径が大きい外側切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削する施工方法である。
このため、内側、外側切削ビットが薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシンで切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0026】
内側切削工程で内側切削ビットがマンホール側壁を貫通するが、内側切削ビットをマンホール側壁内に残す施工方法であるので、マンホール内へ、地下水や土砂が流入し難い。 また、外側切削工程において、外側切削ビットによる切削でマンホール側壁を貫通させず、直前で切削を止めているので、マンホール側壁に新たな貫通部分が生じない(地下水や土砂の流入を防止できる)。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(a)、(b)は実施例1、2に係る既設マンホールの耐震化方法の1次切削ビット取付工程を示す説明図である。
【図2】実施例1、2に係る既設マンホールの耐震化方法の1次切削工程を示す説明図である。
【図3】(a)は実施例1、2に係る既設マンホールの耐震化方法の2次切削ビット取付工程を示す説明図であり、(b)はその耐震化方法の2次切削工程を示す説明図である。
【図4】実施例1、3に係る既設マンホールの耐震化方法の搬出工程を示す説明図である。
【図5】実施例1〜4に係る既設マンホールの耐震化方法の継手取付工程を示す説明図である。
【図6】実施例2、4に係る既設マンホールの耐震化方法の搬出工程を示す説明図である。
【図7】実施例2、4に係る既設マンホールの耐震化方法の継手取付工程を示す説明図である。
【図8】(a)は実施例3、4に係る既設マンホールの耐震化方法の内側切削ビット取付工程を示す説明図であり、(b)は実施例3、4に係る既設マンホールの耐震化方法の内側切削工程を示す説明図である。
【図9】実施例3に係る既設マンホールの耐震化方法の外側切削工程を示す説明図である。
【図10】実施例4に係る既設マンホールの耐震化方法の外側切削工程を示す説明図である。
【図11】異なる構造の耐震継手の説明図である。
【図12】(a)は実施例2に係る2次切削ビットの説明図であり、(b)は変形例に係る2次切削ビットの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールを以下の工程を経て耐震化する。
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットを切削マシンの駆動軸に取り付ける(1次切削ビット取付工程)。
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、ビットに注水しながら、1次切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削していく(1次切削工程)。
【0029】
切削マシンを後退させた後に1次切削ビットを駆動軸から取り外してマンホール外へ1次切削ビットを搬出し、ビット内径が下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビットを駆動軸に取り付ける(2次切削ビット取付工程)。
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、ビットに注水しながら、2次切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削していく(2次切削工程)。
【0030】
切削マシンを後退させた後に2次切削ビットを駆動軸から取り外し、2次切削ビットおよび切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る(搬出工程)。
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して下水道本管の外周に取り付けた後、切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ(継手取付工程)。
【0031】
太い刃を有する1つの切削ビットでマンホール側壁を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削し、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい2次切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削する施工方法である。
このため、1次、2次切削ビットが薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシンで切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0032】
1次切削ビットによる切削でマンホール側壁を貫通させず、直前で切削を止めているので、1次切削工程において、マンホール内へ地下水や土砂が流入しない。
2次切削ビットは、マンホール側壁を貫通させるだけで良いので、薄い刃で良く、2次切削工程において、マンホール内への地下水や土砂の流入が最小限に抑えられる。
【実施例】
【0033】
[実施例1]
本発明の実施例1(請求項1に対応)に係る既設マンホールの耐震化方法を図1〜図5に基づいて説明する。
土中に埋設された既設マンホールE(コンクリート製)は、底版11の端縁から立設するマンホール側壁12の側壁孔13に下水道本管(ヒューム管)14を剛接合してなる{図1(a)参照}。
既設マンホールの耐震化方法を用いて改修された耐震化済マンホールAは、径大部15および貫通部16を有する切削空隙17の径大部15内に耐震継手2を取り付け、マンホール充填材3で隙間を塞いでなる(図5参照)。
【0034】
(1次切削ビット取付工程)
マンホール側壁12の側壁孔13に下水道本管14が剛接合されている既設マンホールEを以下の工程を経て耐震化済マンホールAへ変更する。
既設マンホールEの底版11上に切削マシン4を据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビット5を駆動軸41に取り付ける{図1の(a)、(b)参照}。
【0035】
1次切削ビット5は、駆動軸41に連結される径大なフランジ51と、フランジ51に取り付けられる円筒状の切削ビット52とからなる。
(1次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、注水管42で1次切削ビット5に注水43しながら、1次切削ビット5でマンホール側壁12を貫通直前まで切削していく(図2参照)。
【0036】
(2次切削ビット取付工程)
切削マシン4を後退させた後に1次切削ビット5を駆動軸41から取り外してマンホール外へ搬出した後に、ビット内径が下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビット6を駆動軸41に取り付ける{図3の(a)参照}。
2次切削ビット6は、駆動軸41に連結される径大なフランジ61と、フランジ61に取り付けられる円筒状の切削ビット62とからなる。なお、18は、1次切削ビット5による切削空隙である。
【0037】
(2次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、2次切削ビット6でマンホール側壁12を貫通するまで切削していく{図3の(b)参照}。
(搬出工程)
切削マシン4を後退させた後に2次切削ビット6を駆動軸41から取り外して、2次切削ビット6および切削マシン4をマンホール外へ搬出するとともに、1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙17を作る(図4参照)。
【0038】
(継手取付工程)
マンホール内から耐震継手2を切削空隙17の径大部15内へ装入して下水道本管14の外周に取り付けた後、切削空隙17のマンホール内壁側をマンホール充填材3で塞ぐと、耐震化済マンホールAが完成する(図5参照)。
【0039】
耐震継手2は、内周が下水道本管外周に略等しい長尺径小円筒部21、外周が切削空隙17の径大部内壁に略等しい短尺径大円筒部22、および両者を接続する接続部23を有する継手本体(ゴム製)と、短尺径大円筒部22に内嵌される鋼製円筒24と、長尺径小円筒部21に内嵌される鋼製円筒27と、長尺径小円筒部外周および短尺径大円筒部外周に取り付けられるステンレスバンド26、25とを備える(図5参照)。なお、mは充填したモルタルである。
【0040】
実施例1の既設マンホールの耐震化方法は、以下の利点を有する。
単一の切削ビットでマンホール側壁12を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビット5でマンホール側壁12を切削し、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい2次切削ビット6でマンホール側壁12を貫通するまで切削する施工方法である。
このため、1次切削ビット5、2次切削ビット6が薄い刃で良いので製造し易く、且つ、安価である。また、小型の切削マシン4でマンホール側壁12を切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0041】
1次切削ビット5による切削でマンホール側壁12を貫通させず、直前で切削を止めているので、1次切削工程において、マンホール内へ地下水や土砂が流入しない。
2次切削ビット6は、マンホール側壁12を貫通させるだけで良いので、薄い刃で良く、2次切削工程において、マンホール内への地下水や土砂の流入が最小限に抑えられる。
【0042】
[実施例2]
つぎに、本発明の実施例2(請求項2に対応)に係る既設マンホールの耐震化方法を説明する(図1、図2、図3、図6、図7、図12(a)参照)。
マンホール側壁12の側壁孔13に下水道本管14が剛接合されている既設マンホールE{図1の(a)参照}を以下の工程を経て耐震化済マンホールCへ変更する。
本実施例の既設マンホールの耐震化方法は、1次切削ビット取付工程、1次切削工程、2次切削ビット取付工程、2次切削工程が実施例1と同じである。
【0043】
(1次切削ビット取付工程)
既設マンホールEの底版11上に切削マシン4を据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビット5を駆動軸41に取り付ける{図1の(a)、(b)参照}。
1次切削ビット5は、駆動軸41に連結される径大なフランジ51と、フランジ51に取り付けられる円筒状の切削ビット52とからなる。
【0044】
(1次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、注水管42で1次切削ビット5に注水43しながら、1次切削ビット5でマンホール側壁12を貫通直前まで切削していく(図2参照)。
【0045】
(2次切削ビット取付工程)
切削マシン4を後退させた後に1次切削ビット5を駆動軸41から取り外してマンホール外へ搬出した後に、ビット内径が下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビット6を駆動軸41に取り付ける{図3の(a)参照}。
【0046】
2次切削ビット6は、駆動軸41に連結される径大なフランジ61と、フランジ61に分離可能に取り付けられる円筒状の切削ビット62とからなる{図12の(a)参照}。 なお、18は、1次切削ビット5による切削空隙である。
(2次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、2次切削ビット6でマンホール側壁12を貫通するまで切削していく{図3の(b)参照}。
【0047】
(搬出工程)
マンホール側壁内に2次切削ビット6の切削ビット62を残した状態で駆動軸41から2次切削ビット6のフランジ61を取り外す。
切削マシン4をマンホール外へ搬出する。
1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙17を作り、押込治具(図示せず)を使って、ビット後端が切削空隙17の奥壁近傍に達する位置まで切削ビット62を押し込む(図6参照)。
【0048】
(継手取付工程)
2次切削ビット6の切削ビット62をマンホール側壁内に残した状態で、マンホール内から耐震継手2を切削空隙17の径大部15内へ装入して下水道本管14の外周に取り付けた後、切削空隙17のマンホール内壁側をマンホール充填材3で塞ぐと、耐震化済マンホールCが完成する(図7参照)。
【0049】
耐震継手2は、内周が下水道本管外周に略等しい長尺径小円筒部21、外周が切削空隙17の径大部内壁に略等しい短尺径大円筒部22、および両者を接続する接続部23を有する継手本体(ゴム製)と、短尺径大円筒部22に内嵌される鋼製円筒24と、長尺径小円筒部21に内嵌される鋼製円筒27と、長尺径小円筒部外周および短尺径大円筒部外周に取り付けられるステンレスバンド26、25とを備える。
【0050】
実施例2の既設マンホールの耐震化方法は、以下の利点を有する。
単一の切削ビットでマンホール側壁12を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビット5でマンホール側壁12を切削し、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい2次切削ビット6でマンホール側壁12を貫通するまで切削する施工方法である。
このため、1次切削ビット5、2次切削ビット6が薄い刃で良いので製造し易く、且つ、安価である。また、小型の切削マシン4でマンホール側壁12を切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0051】
1次切削ビット5による切削でマンホール側壁12を貫通させず、直前で切削を止めているので、1次切削工程において、マンホール内へ地下水や土砂が流入しない。
2次切削工程で2次切削ビット6がマンホール側壁12を貫通するが、切削ビット62をマンホール側壁12内に残す施工方法であるので、マンホール内へ、地下水や土砂が流入し難い。
【0052】
[実施例3]
つぎに、本発明の実施例3(請求項3に対応)に係る既設マンホールの耐震化方法を説明する(図4、図5、図8、図9参照)。
マンホール側壁12に下水道本管14が剛接合されている既設マンホールE{図1の(a)参照}を以下の工程を経て耐震化済マンホールAへ変更する。
【0053】
(内側切削ビット取付工程)
マンホール側壁12の側壁孔13に下水道本管14が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシン4を据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビット7を駆動軸41に取り付ける{図8の(a)参照}。
【0054】
内側切削ビット7は、駆動軸41に連結される径大なフランジ71と、フランジ71に取り付けられる円筒状の切削ビット72とからなる。
(内側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、内側切削ビット7でマンホール側壁12を貫通するまで切削していく{図8の(b)参照}。
【0055】
(外側切削ビット取付工程)
切削マシン4を後退させた後に内側切削ビット7を駆動軸41から取り外してマンホール外へ搬出し、ビット内径が下水道本管外径より大きい外側切削ビット8を駆動軸41に取り付ける。
【0056】
(外側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、注水管42で外側切削ビット8に注水43しながら、外側切削ビット8でマンホール側壁12を貫通直前まで切削していく(図9参照)。
外側切削ビット8は、駆動軸41に連結される径大なフランジ81と、フランジ81に取り付けられる円筒状の切削ビット82とからなる。
なお、19は、内側切削ビット7による切削空隙である。
【0057】
(搬出工程)
切削マシン4を後退させた後に外側切削ビット8を駆動軸41から取り外し、外側切削ビット8および切削マシン4をマンホール外へ搬出するとともに、内側切削と外側切削の間に残った壁を撤去して切削空隙17を作る(図4参照)。
(継手取付工程)
マンホール内から耐震継手2を切削空隙17の径大部15内へ装入して下水道本管14の外周に取り付けた後、切削空隙17のマンホール内壁側をマンホール充填材3で塞ぐと、耐震化済マンホールAが完成する(図5参照)。
【0058】
耐震継手2は、内周が下水道本管外周に略等しい長尺径小円筒部21、外周が切削空隙17の径大部内壁に略等しい短尺径大円筒部22、および両者を接続する接続部23を有する継手本体(ゴム製)と、短尺径大円筒部22に内嵌される鋼製円筒24と、長尺径小円筒部21に内嵌される鋼製円筒27と、長尺径小円筒部外周および短尺径大円筒部外周に取り付けられるステンレスバンド26、25とを備える(図5参照)。なお、mは充填したモルタルである。
【0059】
実施例3の既設マンホールの耐震化方法は、以下の利点を有する。
単一の切削ビットでマンホール側壁12を切削せず、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい内側切削ビット7でマンホール側壁12を貫通するまで切削し、下水道本管外径よりもビット内径が大きい外側切削ビット8でマンホール側壁12を貫通直前まで切削する施工方法である。
このため、内側切削ビット7および外側切削ビット8が共に薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシン4で切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0060】
内側切削ビット7は、マンホール側壁12を貫通させるだけであるので刃が薄く、内側切削工程において、マンホール内への地下水や土砂の流入が最小限に抑えられる。
また、外側切削ビット8による切削でマンホール側壁12を貫通させず、直前で切削を止めているので、マンホール側壁12の貫通部分が広がらない(地下水や土砂の流入が増加しない)。
【0061】
[実施例4]
つぎに、本発明の実施例4(請求項4に対応)に係る既設マンホールの耐震化方法を説明する(図1、図6〜8、図10参照)。
マンホール側壁12の側壁孔13に下水道本管14が剛接合されている既設マンホールE{図1の(a)参照}を以下の工程を経て耐震化済マンホールDへ変更する。
本実施例の既設マンホールの耐震化方法は、内側切削ビット取付工程、内側切削工程が実施例3と同じである。
【0062】
(内側切削ビット取付工程)
マンホール側壁12の側壁孔13に下水道本管14が剛接合されている既設マンホールEの底版上に切削マシン4を据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビット7を駆動軸41に取り付ける{図8の(a)参照}。
【0063】
内側切削ビット7は、駆動軸41に連結される径大なフランジ71と、フランジ71に分離可能に取り付けられる円筒状の切削ビット72とからなる。
(内側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、内側切削ビット7でマンホール側壁12を貫通するまで切削していく{図8の(b)参照}。
【0064】
(外側切削ビット取付工程)
マンホール側壁内に内側切削ビット7の切削ビット72を残した状態(図6参照)で、切削マシン4の駆動軸41から内側切削ビット7のフランジ71を取り外す。
切削マシン4を後退させた後に、ビット内径が下水道本管外径より大きい外側切削ビット8を駆動軸41に取り付ける。
【0065】
(外側切削工程)
マンホール側壁内に内側切削ビット7の切削ビット72を残した状態で、注水管42で外側切削ビット8に注水43しながら、外側切削ビット8でマンホール側壁12を貫通直前まで切削していく(図10参照)。
外側切削ビット8は、駆動軸41に連結される径大なフランジ81と、フランジ81に取り付けられる円筒状の切削ビット82とからなる。
【0066】
(搬出工程)
マンホール側壁内に内側切削ビット7の切削ビット72を残した状態で駆動軸41から内側切削ビット7のフランジ71を取り外す。
切削マシン4をマンホール外へ搬出する。
内側切削と外側切削の間に残った壁を撤去して切削空隙17を作り、押込治具(図示せず)を使って、ビット後端が切削空隙17の奥壁近傍に達する位置まで切削ビット72を押し込む(図6参照)。
【0067】
(継手取付工程)
マンホール側壁内に内側切削ビット7の切削ビット72を残した状態で、マンホール内から耐震継手2を切削空隙17の径大部15内へ装入し、この切削空隙17のマンホール内壁側をマンホール充填材3で塞ぐと、耐震化済マンホールDが完成する(図7参照)。 耐震継手2は、内周が下水道本管外周に略等しい長尺径小円筒部21、外周が切削空隙17の径大部内壁に略等しい短尺径大円筒部22、および両者を接続する接続部23を有する継手本体(ゴム製)と、短尺径大円筒部22に内嵌される鋼製円筒24と、長尺径小円筒部21に内嵌される鋼製円筒27と、長尺径小円筒部外周および短尺径大円筒部外周に取り付けられるステンレスバンド26、25とを備える。
【0068】
実施例4の既設マンホールの耐震化方法は、以下の利点を有する。
単一の切削ビットでマンホール側壁12を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビット7でマンホール側壁12を切削し、下水道本管外径よりビット内径が大きい外側切削ビット8でマンホール側壁12を貫通直前まで切削する施工方法である。
このため、内側切削ビット7および外側切削ビット8が共に薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシン4で切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0069】
内側切削工程で内側切削ビット7がマンホール側壁12を貫通するが、内側切削ビット7の切削ビット72をマンホール側壁12内に残す施工方法であるので、マンホール内へ、地下水や土砂が流入し難い。また、外側切削工程において、外側切削ビット8による切削でマンホール側壁12を貫通させず、直前で切削を止めているので、マンホール側壁12に新たな貫通部分が生じない(地下水や土砂の流入を防止できる)。
【0070】
(変形例)
実施例2において、マンホール側壁内へ残す2次切削ビット6は、駆動軸41に連結される径大なフランジ61と、フランジ61に取り付けられる円筒状の切削ビット62とからなり、切削ビット62の前部62aが後部62bから分離可能な構成であっても良い{図12の(b)参照}。
【0071】
実施例4において、マンホール側壁内へ残す内側切削ビット7は、駆動軸41に連結される径大なフランジ71と、フランジ71に取り付けられる円筒状の切削ビット72とからなり、切削ビット72の前部が後部から分離可能な構成であっても良い。
【0072】
耐震継手は、耐震継手2の構造に拘らず、図11に示す構造の耐震継手20であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0073】
この既設マンホールの耐震化方法を採用すれば、下水道管とマンホール側壁とが剛接合されている従来の下水道管渠施設を、地面を掘り起こすことなく耐震性の下水道管渠施設に変更することができる。
【符号の説明】
【0074】
A〜D 耐震化済マンホール
E 既設マンホール
2 耐震継手
3 マンホール充填材(充填材)
4 切削マシン
5 1次切削ビット
6 2次切削ビット
7 内側切削ビット
8 外側切削ビット
11 底版
12 マンホール側壁
13 側壁孔
14 下水道本管
17 切削空隙
41 駆動軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水道本管がマンホール側壁に剛接合されている既設マンホールの耐震化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の下水道管との連結構造では、下水道管とマンホール側壁とが剛接合されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−90077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1は、下記の課題を有する。
下水道本管がマンホール側壁に剛接合されている既設マンホールでは、地震動が加わると、マンホールと下水道管との動きに違いが生じる。この動きの違いを吸収できない場合には、マンホールや下水道本管の破損を招く。
【0005】
現在では、下水道管渠施設(主にマンホールと下水道管)を新しく敷設(新設工事)する場合は、耐震および止水目的で、フレキシブルジョイントを介して接続することが一般的になっている。
しかし、以前に敷設された下水道管渠施設には、マンホールにフレキシブルジョイントが取り付けられていないのが現状である。
このため、阪神淡路大震災(平成7年1月発生)では、マンホールと下水道管との接合部、およびマンホールから1本目の下水道管に多くの被害が見られた。
【0006】
下水道管とマンホール側壁とが剛接合されている従来の下水道管渠施設を、耐震性の下水道管渠施設に変更する場合には、地中から一旦、マンホールや下水道管を掘り起こし、フレキシブルジョイントを取り付け後、再び埋め直す必要がある。
地中から一旦、マンホールや下水道管を掘り起こし、フレキシブルジョイントを取り付ける場合には、下記に示す課題が生じる。
熟練を要する。施工費が嵩む。工期がかかる。交通障害を引き起こす。
【0007】
本発明の目的は、下水道管とマンホール側壁とが剛接合されている既設マンホールを、地中からマンホールや下水道管を掘り起こしたり、埋め戻したりすることなく容易に耐震化することができる既設マンホールの耐震化方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(請求項1について)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールを以下の工程を経て耐震化する。
(1次切削ビット取付工程)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットを駆動軸に取り付ける。
【0009】
(1次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、1次切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削していく。
(2次切削ビット取付工程)
切削マシンを後退させた後に1次切削ビットを駆動軸から取り外してマンホールへ搬出し、ビット内径が下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビットを駆動軸に取り付ける。
(2次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、2次切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削していく。
【0010】
(搬出工程)
切削マシンを後退させた後に2次切削ビットを駆動軸から取り外して、2次切削ビットおよび切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る。
(継手取付工程)
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して下水道本管の外周に取り付けた後、切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ。
【0011】
(請求項2について)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールを以下の工程を経て耐震化する。
(1次切削ビット取付工程)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットを駆動軸に取り付ける。
(1次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、1次切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削していく。
【0012】
(2次切削ビット取付工程)
切削マシンを後退させた後に1次切削ビットを駆動軸から取り外してマンホール外へ搬出し、ビット内径が下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビットを駆動軸に取り付ける。
(2次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、2次切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削していく。
【0013】
(搬出工程)
マンホール側壁内に2次切削ビットを残した状態で駆動軸から2次切削ビットを取り外し、切削マシンをマンホール外へ搬出し、1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る。
(継手取付工程)
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して下水道本管の外周に取り付けた後、切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ。
【0014】
(請求項3について)
(内側切削ビット取付工程)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビットを駆動軸に取り付ける。
(内側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、内側切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削していく。
(外側切削ビット取付工程)
切削マシンを後退させた後に内側切削ビットを駆動軸から取り外してマンホール外へ搬出し、ビット内径が下水道本管外径より大きい外側切削ビットを駆動軸に取り付ける。
【0015】
(外側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、外側切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削していく。
(搬出工程)
切削マシンを後退させた後に外側切削ビットを駆動軸から取り外して、外側切削ビットおよび切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、内側切削と外側切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る。
(継手取付工程)
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して下水道本管の外周に取り付けた後、切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ。
【0016】
(請求項4について)
(内側切削ビット取付工程)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビットを駆動軸に取り付ける。
【0017】
(内側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、内側切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削していく。
(外側切削ビット取付工程)
マンホール側壁内に内側切削ビットを残した状態で駆動軸から内側切削ビットを取り外し、切削マシンを後退させた後に、ビット内径が下水道本管外径より大きい外側切削ビットを駆動軸に取り付ける。
【0018】
(外側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、外側切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削していく。
(搬出工程)
切削マシンを後退させた後に外側切削ビットを駆動軸から取り外して、外側切削ビットおよび切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、内側切削と外側切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る。
(継手取付工程)
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して下水道本管の外周に取り付けた後、切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ。
【0019】
[発明の効果]
(請求項1について)
単一の切削ビットでマンホール側壁を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットでマンホール側壁を切削し、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい2次切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削する施工方法である。
このため、1次切削ビット、2次切削ビットが薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシンで切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0020】
1次切削ビットによる切削でマンホール側壁を貫通させず、直前で切削を止めているので、1次切削工程において、マンホール内へ地下水や土砂が流入しない。
2次切削ビットは、マンホール側壁を貫通させるだけで良いので、薄い刃で良く、2次切削工程において、マンホール内への地下水や土砂の流入が最小限に抑えられる。
【0021】
(請求項2について)
単一の切削ビットでマンホール側壁を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットでマンホール側壁を切削し、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい2次切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削する施工方法である。
このため、1次、2次切削ビットが薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシンで切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0022】
1次切削ビットによる切削でマンホール側壁を貫通させず、直前で切削を止めているので、1次切削工程において、マンホール内へ地下水や土砂が流入しない。
2次切削工程で2次切削ビットがマンホール側壁を貫通するが、2次切削ビットをマンホール側壁内に残す施工方法であるので、マンホール内へ、地下水や土砂が流入し難い。
【0023】
(請求項3について)
単一の切削ビットでマンホール側壁を切削せず、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい内側切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削し、下水道本管外径よりもビット内径が大きい外側切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削する施工方法である。
このため、内側、外側切削ビットが薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシンで切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0024】
内側切削ビットは、マンホール側壁を貫通させるだけで良いので、薄い刃で良く、内側切削工程において、マンホール内への地下水や土砂の流入が最小限に抑えられる。また、外側切削ビットによる切削でマンホール側壁を貫通させず、直前で切削を止めているので、マンホール側壁の貫通部分が広がらない(地下水や土砂の流入が増加しない)。
【0025】
(請求項4について)
単一の切削ビットでマンホール側壁を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削し、下水道本管外径よりビット内径が大きい外側切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削する施工方法である。
このため、内側、外側切削ビットが薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシンで切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0026】
内側切削工程で内側切削ビットがマンホール側壁を貫通するが、内側切削ビットをマンホール側壁内に残す施工方法であるので、マンホール内へ、地下水や土砂が流入し難い。 また、外側切削工程において、外側切削ビットによる切削でマンホール側壁を貫通させず、直前で切削を止めているので、マンホール側壁に新たな貫通部分が生じない(地下水や土砂の流入を防止できる)。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(a)、(b)は実施例1、2に係る既設マンホールの耐震化方法の1次切削ビット取付工程を示す説明図である。
【図2】実施例1、2に係る既設マンホールの耐震化方法の1次切削工程を示す説明図である。
【図3】(a)は実施例1、2に係る既設マンホールの耐震化方法の2次切削ビット取付工程を示す説明図であり、(b)はその耐震化方法の2次切削工程を示す説明図である。
【図4】実施例1、3に係る既設マンホールの耐震化方法の搬出工程を示す説明図である。
【図5】実施例1〜4に係る既設マンホールの耐震化方法の継手取付工程を示す説明図である。
【図6】実施例2、4に係る既設マンホールの耐震化方法の搬出工程を示す説明図である。
【図7】実施例2、4に係る既設マンホールの耐震化方法の継手取付工程を示す説明図である。
【図8】(a)は実施例3、4に係る既設マンホールの耐震化方法の内側切削ビット取付工程を示す説明図であり、(b)は実施例3、4に係る既設マンホールの耐震化方法の内側切削工程を示す説明図である。
【図9】実施例3に係る既設マンホールの耐震化方法の外側切削工程を示す説明図である。
【図10】実施例4に係る既設マンホールの耐震化方法の外側切削工程を示す説明図である。
【図11】異なる構造の耐震継手の説明図である。
【図12】(a)は実施例2に係る2次切削ビットの説明図であり、(b)は変形例に係る2次切削ビットの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールを以下の工程を経て耐震化する。
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットを切削マシンの駆動軸に取り付ける(1次切削ビット取付工程)。
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、ビットに注水しながら、1次切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削していく(1次切削工程)。
【0029】
切削マシンを後退させた後に1次切削ビットを駆動軸から取り外してマンホール外へ1次切削ビットを搬出し、ビット内径が下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビットを駆動軸に取り付ける(2次切削ビット取付工程)。
マンホール側壁方向へ切削マシンを前進させ、ビットに注水しながら、2次切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削していく(2次切削工程)。
【0030】
切削マシンを後退させた後に2次切削ビットを駆動軸から取り外し、2次切削ビットおよび切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る(搬出工程)。
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して下水道本管の外周に取り付けた後、切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ(継手取付工程)。
【0031】
太い刃を有する1つの切削ビットでマンホール側壁を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットでマンホール側壁を貫通直前まで切削し、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい2次切削ビットでマンホール側壁を貫通するまで切削する施工方法である。
このため、1次、2次切削ビットが薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシンで切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0032】
1次切削ビットによる切削でマンホール側壁を貫通させず、直前で切削を止めているので、1次切削工程において、マンホール内へ地下水や土砂が流入しない。
2次切削ビットは、マンホール側壁を貫通させるだけで良いので、薄い刃で良く、2次切削工程において、マンホール内への地下水や土砂の流入が最小限に抑えられる。
【実施例】
【0033】
[実施例1]
本発明の実施例1(請求項1に対応)に係る既設マンホールの耐震化方法を図1〜図5に基づいて説明する。
土中に埋設された既設マンホールE(コンクリート製)は、底版11の端縁から立設するマンホール側壁12の側壁孔13に下水道本管(ヒューム管)14を剛接合してなる{図1(a)参照}。
既設マンホールの耐震化方法を用いて改修された耐震化済マンホールAは、径大部15および貫通部16を有する切削空隙17の径大部15内に耐震継手2を取り付け、マンホール充填材3で隙間を塞いでなる(図5参照)。
【0034】
(1次切削ビット取付工程)
マンホール側壁12の側壁孔13に下水道本管14が剛接合されている既設マンホールEを以下の工程を経て耐震化済マンホールAへ変更する。
既設マンホールEの底版11上に切削マシン4を据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビット5を駆動軸41に取り付ける{図1の(a)、(b)参照}。
【0035】
1次切削ビット5は、駆動軸41に連結される径大なフランジ51と、フランジ51に取り付けられる円筒状の切削ビット52とからなる。
(1次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、注水管42で1次切削ビット5に注水43しながら、1次切削ビット5でマンホール側壁12を貫通直前まで切削していく(図2参照)。
【0036】
(2次切削ビット取付工程)
切削マシン4を後退させた後に1次切削ビット5を駆動軸41から取り外してマンホール外へ搬出した後に、ビット内径が下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビット6を駆動軸41に取り付ける{図3の(a)参照}。
2次切削ビット6は、駆動軸41に連結される径大なフランジ61と、フランジ61に取り付けられる円筒状の切削ビット62とからなる。なお、18は、1次切削ビット5による切削空隙である。
【0037】
(2次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、2次切削ビット6でマンホール側壁12を貫通するまで切削していく{図3の(b)参照}。
(搬出工程)
切削マシン4を後退させた後に2次切削ビット6を駆動軸41から取り外して、2次切削ビット6および切削マシン4をマンホール外へ搬出するとともに、1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙17を作る(図4参照)。
【0038】
(継手取付工程)
マンホール内から耐震継手2を切削空隙17の径大部15内へ装入して下水道本管14の外周に取り付けた後、切削空隙17のマンホール内壁側をマンホール充填材3で塞ぐと、耐震化済マンホールAが完成する(図5参照)。
【0039】
耐震継手2は、内周が下水道本管外周に略等しい長尺径小円筒部21、外周が切削空隙17の径大部内壁に略等しい短尺径大円筒部22、および両者を接続する接続部23を有する継手本体(ゴム製)と、短尺径大円筒部22に内嵌される鋼製円筒24と、長尺径小円筒部21に内嵌される鋼製円筒27と、長尺径小円筒部外周および短尺径大円筒部外周に取り付けられるステンレスバンド26、25とを備える(図5参照)。なお、mは充填したモルタルである。
【0040】
実施例1の既設マンホールの耐震化方法は、以下の利点を有する。
単一の切削ビットでマンホール側壁12を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビット5でマンホール側壁12を切削し、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい2次切削ビット6でマンホール側壁12を貫通するまで切削する施工方法である。
このため、1次切削ビット5、2次切削ビット6が薄い刃で良いので製造し易く、且つ、安価である。また、小型の切削マシン4でマンホール側壁12を切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0041】
1次切削ビット5による切削でマンホール側壁12を貫通させず、直前で切削を止めているので、1次切削工程において、マンホール内へ地下水や土砂が流入しない。
2次切削ビット6は、マンホール側壁12を貫通させるだけで良いので、薄い刃で良く、2次切削工程において、マンホール内への地下水や土砂の流入が最小限に抑えられる。
【0042】
[実施例2]
つぎに、本発明の実施例2(請求項2に対応)に係る既設マンホールの耐震化方法を説明する(図1、図2、図3、図6、図7、図12(a)参照)。
マンホール側壁12の側壁孔13に下水道本管14が剛接合されている既設マンホールE{図1の(a)参照}を以下の工程を経て耐震化済マンホールCへ変更する。
本実施例の既設マンホールの耐震化方法は、1次切削ビット取付工程、1次切削工程、2次切削ビット取付工程、2次切削工程が実施例1と同じである。
【0043】
(1次切削ビット取付工程)
既設マンホールEの底版11上に切削マシン4を据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビット5を駆動軸41に取り付ける{図1の(a)、(b)参照}。
1次切削ビット5は、駆動軸41に連結される径大なフランジ51と、フランジ51に取り付けられる円筒状の切削ビット52とからなる。
【0044】
(1次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、注水管42で1次切削ビット5に注水43しながら、1次切削ビット5でマンホール側壁12を貫通直前まで切削していく(図2参照)。
【0045】
(2次切削ビット取付工程)
切削マシン4を後退させた後に1次切削ビット5を駆動軸41から取り外してマンホール外へ搬出した後に、ビット内径が下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビット6を駆動軸41に取り付ける{図3の(a)参照}。
【0046】
2次切削ビット6は、駆動軸41に連結される径大なフランジ61と、フランジ61に分離可能に取り付けられる円筒状の切削ビット62とからなる{図12の(a)参照}。 なお、18は、1次切削ビット5による切削空隙である。
(2次切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、2次切削ビット6でマンホール側壁12を貫通するまで切削していく{図3の(b)参照}。
【0047】
(搬出工程)
マンホール側壁内に2次切削ビット6の切削ビット62を残した状態で駆動軸41から2次切削ビット6のフランジ61を取り外す。
切削マシン4をマンホール外へ搬出する。
1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙17を作り、押込治具(図示せず)を使って、ビット後端が切削空隙17の奥壁近傍に達する位置まで切削ビット62を押し込む(図6参照)。
【0048】
(継手取付工程)
2次切削ビット6の切削ビット62をマンホール側壁内に残した状態で、マンホール内から耐震継手2を切削空隙17の径大部15内へ装入して下水道本管14の外周に取り付けた後、切削空隙17のマンホール内壁側をマンホール充填材3で塞ぐと、耐震化済マンホールCが完成する(図7参照)。
【0049】
耐震継手2は、内周が下水道本管外周に略等しい長尺径小円筒部21、外周が切削空隙17の径大部内壁に略等しい短尺径大円筒部22、および両者を接続する接続部23を有する継手本体(ゴム製)と、短尺径大円筒部22に内嵌される鋼製円筒24と、長尺径小円筒部21に内嵌される鋼製円筒27と、長尺径小円筒部外周および短尺径大円筒部外周に取り付けられるステンレスバンド26、25とを備える。
【0050】
実施例2の既設マンホールの耐震化方法は、以下の利点を有する。
単一の切削ビットでマンホール側壁12を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビット5でマンホール側壁12を切削し、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい2次切削ビット6でマンホール側壁12を貫通するまで切削する施工方法である。
このため、1次切削ビット5、2次切削ビット6が薄い刃で良いので製造し易く、且つ、安価である。また、小型の切削マシン4でマンホール側壁12を切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0051】
1次切削ビット5による切削でマンホール側壁12を貫通させず、直前で切削を止めているので、1次切削工程において、マンホール内へ地下水や土砂が流入しない。
2次切削工程で2次切削ビット6がマンホール側壁12を貫通するが、切削ビット62をマンホール側壁12内に残す施工方法であるので、マンホール内へ、地下水や土砂が流入し難い。
【0052】
[実施例3]
つぎに、本発明の実施例3(請求項3に対応)に係る既設マンホールの耐震化方法を説明する(図4、図5、図8、図9参照)。
マンホール側壁12に下水道本管14が剛接合されている既設マンホールE{図1の(a)参照}を以下の工程を経て耐震化済マンホールAへ変更する。
【0053】
(内側切削ビット取付工程)
マンホール側壁12の側壁孔13に下水道本管14が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシン4を据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビット7を駆動軸41に取り付ける{図8の(a)参照}。
【0054】
内側切削ビット7は、駆動軸41に連結される径大なフランジ71と、フランジ71に取り付けられる円筒状の切削ビット72とからなる。
(内側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、内側切削ビット7でマンホール側壁12を貫通するまで切削していく{図8の(b)参照}。
【0055】
(外側切削ビット取付工程)
切削マシン4を後退させた後に内側切削ビット7を駆動軸41から取り外してマンホール外へ搬出し、ビット内径が下水道本管外径より大きい外側切削ビット8を駆動軸41に取り付ける。
【0056】
(外側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、注水管42で外側切削ビット8に注水43しながら、外側切削ビット8でマンホール側壁12を貫通直前まで切削していく(図9参照)。
外側切削ビット8は、駆動軸41に連結される径大なフランジ81と、フランジ81に取り付けられる円筒状の切削ビット82とからなる。
なお、19は、内側切削ビット7による切削空隙である。
【0057】
(搬出工程)
切削マシン4を後退させた後に外側切削ビット8を駆動軸41から取り外し、外側切削ビット8および切削マシン4をマンホール外へ搬出するとともに、内側切削と外側切削の間に残った壁を撤去して切削空隙17を作る(図4参照)。
(継手取付工程)
マンホール内から耐震継手2を切削空隙17の径大部15内へ装入して下水道本管14の外周に取り付けた後、切削空隙17のマンホール内壁側をマンホール充填材3で塞ぐと、耐震化済マンホールAが完成する(図5参照)。
【0058】
耐震継手2は、内周が下水道本管外周に略等しい長尺径小円筒部21、外周が切削空隙17の径大部内壁に略等しい短尺径大円筒部22、および両者を接続する接続部23を有する継手本体(ゴム製)と、短尺径大円筒部22に内嵌される鋼製円筒24と、長尺径小円筒部21に内嵌される鋼製円筒27と、長尺径小円筒部外周および短尺径大円筒部外周に取り付けられるステンレスバンド26、25とを備える(図5参照)。なお、mは充填したモルタルである。
【0059】
実施例3の既設マンホールの耐震化方法は、以下の利点を有する。
単一の切削ビットでマンホール側壁12を切削せず、下水道本管外径よりビット内径が僅かに大きい内側切削ビット7でマンホール側壁12を貫通するまで切削し、下水道本管外径よりもビット内径が大きい外側切削ビット8でマンホール側壁12を貫通直前まで切削する施工方法である。
このため、内側切削ビット7および外側切削ビット8が共に薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシン4で切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0060】
内側切削ビット7は、マンホール側壁12を貫通させるだけであるので刃が薄く、内側切削工程において、マンホール内への地下水や土砂の流入が最小限に抑えられる。
また、外側切削ビット8による切削でマンホール側壁12を貫通させず、直前で切削を止めているので、マンホール側壁12の貫通部分が広がらない(地下水や土砂の流入が増加しない)。
【0061】
[実施例4]
つぎに、本発明の実施例4(請求項4に対応)に係る既設マンホールの耐震化方法を説明する(図1、図6〜8、図10参照)。
マンホール側壁12の側壁孔13に下水道本管14が剛接合されている既設マンホールE{図1の(a)参照}を以下の工程を経て耐震化済マンホールDへ変更する。
本実施例の既設マンホールの耐震化方法は、内側切削ビット取付工程、内側切削工程が実施例3と同じである。
【0062】
(内側切削ビット取付工程)
マンホール側壁12の側壁孔13に下水道本管14が剛接合されている既設マンホールEの底版上に切削マシン4を据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビット7を駆動軸41に取り付ける{図8の(a)参照}。
【0063】
内側切削ビット7は、駆動軸41に連結される径大なフランジ71と、フランジ71に分離可能に取り付けられる円筒状の切削ビット72とからなる。
(内側切削工程)
マンホール側壁方向へ切削マシン4を前進させ、内側切削ビット7でマンホール側壁12を貫通するまで切削していく{図8の(b)参照}。
【0064】
(外側切削ビット取付工程)
マンホール側壁内に内側切削ビット7の切削ビット72を残した状態(図6参照)で、切削マシン4の駆動軸41から内側切削ビット7のフランジ71を取り外す。
切削マシン4を後退させた後に、ビット内径が下水道本管外径より大きい外側切削ビット8を駆動軸41に取り付ける。
【0065】
(外側切削工程)
マンホール側壁内に内側切削ビット7の切削ビット72を残した状態で、注水管42で外側切削ビット8に注水43しながら、外側切削ビット8でマンホール側壁12を貫通直前まで切削していく(図10参照)。
外側切削ビット8は、駆動軸41に連結される径大なフランジ81と、フランジ81に取り付けられる円筒状の切削ビット82とからなる。
【0066】
(搬出工程)
マンホール側壁内に内側切削ビット7の切削ビット72を残した状態で駆動軸41から内側切削ビット7のフランジ71を取り外す。
切削マシン4をマンホール外へ搬出する。
内側切削と外側切削の間に残った壁を撤去して切削空隙17を作り、押込治具(図示せず)を使って、ビット後端が切削空隙17の奥壁近傍に達する位置まで切削ビット72を押し込む(図6参照)。
【0067】
(継手取付工程)
マンホール側壁内に内側切削ビット7の切削ビット72を残した状態で、マンホール内から耐震継手2を切削空隙17の径大部15内へ装入し、この切削空隙17のマンホール内壁側をマンホール充填材3で塞ぐと、耐震化済マンホールDが完成する(図7参照)。 耐震継手2は、内周が下水道本管外周に略等しい長尺径小円筒部21、外周が切削空隙17の径大部内壁に略等しい短尺径大円筒部22、および両者を接続する接続部23を有する継手本体(ゴム製)と、短尺径大円筒部22に内嵌される鋼製円筒24と、長尺径小円筒部21に内嵌される鋼製円筒27と、長尺径小円筒部外周および短尺径大円筒部外周に取り付けられるステンレスバンド26、25とを備える。
【0068】
実施例4の既設マンホールの耐震化方法は、以下の利点を有する。
単一の切削ビットでマンホール側壁12を切削せず、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビット7でマンホール側壁12を切削し、下水道本管外径よりビット内径が大きい外側切削ビット8でマンホール側壁12を貫通直前まで切削する施工方法である。
このため、内側切削ビット7および外側切削ビット8が共に薄い刃で良いので製造し易く、且つ安価である。また、小型の切削マシン4で切削できるとともに、短時間で切削できる。
【0069】
内側切削工程で内側切削ビット7がマンホール側壁12を貫通するが、内側切削ビット7の切削ビット72をマンホール側壁12内に残す施工方法であるので、マンホール内へ、地下水や土砂が流入し難い。また、外側切削工程において、外側切削ビット8による切削でマンホール側壁12を貫通させず、直前で切削を止めているので、マンホール側壁12に新たな貫通部分が生じない(地下水や土砂の流入を防止できる)。
【0070】
(変形例)
実施例2において、マンホール側壁内へ残す2次切削ビット6は、駆動軸41に連結される径大なフランジ61と、フランジ61に取り付けられる円筒状の切削ビット62とからなり、切削ビット62の前部62aが後部62bから分離可能な構成であっても良い{図12の(b)参照}。
【0071】
実施例4において、マンホール側壁内へ残す内側切削ビット7は、駆動軸41に連結される径大なフランジ71と、フランジ71に取り付けられる円筒状の切削ビット72とからなり、切削ビット72の前部が後部から分離可能な構成であっても良い。
【0072】
耐震継手は、耐震継手2の構造に拘らず、図11に示す構造の耐震継手20であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0073】
この既設マンホールの耐震化方法を採用すれば、下水道管とマンホール側壁とが剛接合されている従来の下水道管渠施設を、地面を掘り起こすことなく耐震性の下水道管渠施設に変更することができる。
【符号の説明】
【0074】
A〜D 耐震化済マンホール
E 既設マンホール
2 耐震継手
3 マンホール充填材(充填材)
4 切削マシン
5 1次切削ビット
6 2次切削ビット
7 内側切削ビット
8 外側切削ビット
11 底版
12 マンホール側壁
13 側壁孔
14 下水道本管
17 切削空隙
41 駆動軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットを駆動軸に取り付ける1次切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記1次切削ビットで前記マンホール側壁を貫通直前まで切削していく1次切削工程と、
前記切削マシンを後退させた後に前記1次切削ビットを前記駆動軸から取り外してマンホール外へ搬出し、ビット内径が前記下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビットを前記駆動軸に取り付ける2次切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記2次切削ビットで前記マンホール側壁を貫通するまで切削していく2次切削工程と、
前記切削マシンを後退させた後に前記2次切削ビットを前記駆動軸から取り外して、前記2次切削ビットおよび前記切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る搬出工程と、
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して前記下水道本管の外周に取り付けた後、前記切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ継手取付工程とからなる既設マンホールの耐震化方法。
【請求項2】
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットを駆動軸に取り付ける1次切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記1次切削ビットで前記マンホール側壁を貫通直前まで切削していく1次切削工程と、
前記切削マシンを後退させた後に前記1次切削ビットを前記駆動軸から取り外してマンホール外へ搬出し、ビット内径が前記下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビットを前記駆動軸に取り付ける2次切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記2次切削ビットで前記マンホール側壁を貫通するまで切削していく2次切削工程と、
マンホール側壁内に前記2次切削ビットを残した状態で前記駆動軸から前記2次切削ビットを取り外し、前記切削マシンをマンホール外へ搬出し、1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る搬出工程と、
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して前記下水道本管の外周に取り付けた後、前記切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ継手取付工程とからなる既設マンホールの耐震化方法。
【請求項3】
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビットを駆動軸に取り付ける内側切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記内側切削ビットで前記マンホール側壁を貫通するまで切削していく内側切削工程と、
前記切削マシンを後退させた後に前記内側切削ビットを前記駆動軸から取り外してマンホール外へ搬出し、ビット内径が前記下水道本管外径より大きい外側切削ビットを前記駆動軸に取り付ける外側切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記外側切削ビットで前記マンホール側壁を貫通直前まで切削していく外側切削工程と、
前記切削マシンを後退させた後に前記外側切削ビットを前記駆動軸から取り外して、前記外側切削ビットおよび前記切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、内側切削と外側切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る搬出工程と、
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して前記下水道本管の外周に取り付けた後、前記切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ継手取付工程とからなる既設マンホールの耐震化方法。
【請求項4】
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビットを駆動軸に取り付ける内側切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記内側切削ビットで前記マンホール側壁を貫通するまで切削していく内側切削工程と、
マンホール側壁内に前記内側切削ビットを残した状態で前記駆動軸から前記内側切削ビットを取り外し、前記切削マシンを後退させた後に、ビット内径が前記下水道本管外径より大きい外側切削ビットを前記駆動軸に取り付ける外側切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記外側切削ビットで前記マンホール側壁を貫通直前まで切削していく外側切削工程と、
前記切削マシンを後退させた後に前記外側切削ビットを前記駆動軸から取り外して、前記外側切削ビットおよび前記切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、内側切削と外側切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る搬出工程と、
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して前記下水道本管の外周に取り付けた後、前記切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ継手取付工程とからなる既設マンホールの耐震化方法。
【請求項1】
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットを駆動軸に取り付ける1次切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記1次切削ビットで前記マンホール側壁を貫通直前まで切削していく1次切削工程と、
前記切削マシンを後退させた後に前記1次切削ビットを前記駆動軸から取り外してマンホール外へ搬出し、ビット内径が前記下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビットを前記駆動軸に取り付ける2次切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記2次切削ビットで前記マンホール側壁を貫通するまで切削していく2次切削工程と、
前記切削マシンを後退させた後に前記2次切削ビットを前記駆動軸から取り外して、前記2次切削ビットおよび前記切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る搬出工程と、
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して前記下水道本管の外周に取り付けた後、前記切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ継手取付工程とからなる既設マンホールの耐震化方法。
【請求項2】
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が大きい1次切削ビットを駆動軸に取り付ける1次切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記1次切削ビットで前記マンホール側壁を貫通直前まで切削していく1次切削工程と、
前記切削マシンを後退させた後に前記1次切削ビットを前記駆動軸から取り外してマンホール外へ搬出し、ビット内径が前記下水道本管外径より僅かに大きい2次切削ビットを前記駆動軸に取り付ける2次切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記2次切削ビットで前記マンホール側壁を貫通するまで切削していく2次切削工程と、
マンホール側壁内に前記2次切削ビットを残した状態で前記駆動軸から前記2次切削ビットを取り外し、前記切削マシンをマンホール外へ搬出し、1次切削と2次切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る搬出工程と、
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して前記下水道本管の外周に取り付けた後、前記切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ継手取付工程とからなる既設マンホールの耐震化方法。
【請求項3】
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビットを駆動軸に取り付ける内側切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記内側切削ビットで前記マンホール側壁を貫通するまで切削していく内側切削工程と、
前記切削マシンを後退させた後に前記内側切削ビットを前記駆動軸から取り外してマンホール外へ搬出し、ビット内径が前記下水道本管外径より大きい外側切削ビットを前記駆動軸に取り付ける外側切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記外側切削ビットで前記マンホール側壁を貫通直前まで切削していく外側切削工程と、
前記切削マシンを後退させた後に前記外側切削ビットを前記駆動軸から取り外して、前記外側切削ビットおよび前記切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、内側切削と外側切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る搬出工程と、
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して前記下水道本管の外周に取り付けた後、前記切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ継手取付工程とからなる既設マンホールの耐震化方法。
【請求項4】
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの底版上に切削マシンを据え付け、下水道本管外径よりもビット内径が僅かに大きい内側切削ビットを駆動軸に取り付ける内側切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記内側切削ビットで前記マンホール側壁を貫通するまで切削していく内側切削工程と、
マンホール側壁内に前記内側切削ビットを残した状態で前記駆動軸から前記内側切削ビットを取り外し、前記切削マシンを後退させた後に、ビット内径が前記下水道本管外径より大きい外側切削ビットを前記駆動軸に取り付ける外側切削ビット取付工程と、
マンホール側壁方向へ前記切削マシンを前進させ、前記外側切削ビットで前記マンホール側壁を貫通直前まで切削していく外側切削工程と、
前記切削マシンを後退させた後に前記外側切削ビットを前記駆動軸から取り外して、前記外側切削ビットおよび前記切削マシンをマンホール外へ搬出するとともに、内側切削と外側切削の間に残った壁を撤去して切削空隙を作る搬出工程と、
マンホール内から耐震継手を切削空隙へ装入して前記下水道本管の外周に取り付けた後、前記切削空隙のマンホール内壁側を充填材で塞ぐ継手取付工程とからなる既設マンホールの耐震化方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−241614(P2011−241614A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115213(P2010−115213)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(599024001)株式会社サンリツ (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(599024001)株式会社サンリツ (20)
【Fターム(参考)】
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