説明

既設構造物の補強構造及び補強方法

【課題】既設構造物の斜材の座屈抑制に好適な補強構造及び補強方法を提供する。
【解決手段】所定方向に間隔を隔てて複数配置された箱断面の鉛直材1、2及びこれら鉛直材1、2の間に配置された斜材3を有する既設構造物を補強する構造であって、鉛直材1の内部にダイヤフラム部材12を設けると共に、鉛直材1におけるダイヤフラム部材12の接合部と斜材3の長手方向中間部との間にストラット6を架け渡してなり、ダイヤフラム部材12は、鉛直材1の箱断面の上記所定方向に直交する直交方向中間部同士を結び上記所定方向に延出する第一荷重支持部材13と、第一荷重支持部材13の長手方向中間部と鉛直材1の箱断面の隅部とを結ぶ第二荷重支持部材14とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定方向に間隔を隔てて複数配置された箱断面の鉛直材及びこれら鉛直材の間に配置された斜材を有する既設構造物を補強する構造及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、既設橋梁を耐震補強・補剛することが求められている。図3に示すような、橋軸方向に所定間隔を隔てて複数配置された箱断面の鉛直材1、2及びこれら鉛直材1、2の間に配置された斜材3を有する既設橋梁(トラス橋)の補強構造として、斜材3の座屈を抑制すべく、鉛直材1、2と斜材3の長手方向中間部との間にストラット6を架け渡して設けるものがある。
【0003】
鉛直材1、2と斜材3の長手方向中間部との間にストラット6を架け渡して設けることにより、斜材3の座屈長を短くし、斜材3の耐圧縮力の増強を図ることが可能である。
【0004】
なお、特許文献1及び2には、建築物その他の構造物において、地震力や風力等の水平力に抵抗させる構造要素として使用する十字型座屈拘束筋かい部材が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特許第3474743号公報
【特許文献2】特開2000−45562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ストラット6を取り付ける鉛直材1、2の箱断面の内部にダイヤフラム部材が存在しない場合、当該鉛直材1、2の箱断面の剛性不足により、橋梁が地震力等の水平力を受けた際にストラット6に斜材3の座屈を抑制するのに十分な軸力が発生しないことが懸念される。
【0007】
また、箱断面の断面積が小さい鉛直材1、2では、鉛直材1、2内外を連通するマンホールの開口も小さく、鉛直材1、2内への大きな補強部材(フルウェブのダイヤフラム部材)の搬入が困難である場合があり、又、箱断面の鉛直材1、2内に大きな補強部材(フルウェブのダイヤフラム部材)を搬入できるスペース(入口のマンホールの大きさや、鉛直材1、2内で作業するスペースの大きさ)を確保できない場合があるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、既設構造物の斜材の座屈抑制に好適な補強構造及び補強方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、所定方向に間隔を隔てて複数配置された箱断面の鉛直材及びこれら鉛直材の間に配置された斜材を有する既設構造物を補強する構造であって、上記鉛直材の内部にダイヤフラム部材を設けると共に、上記鉛直材における上記ダイヤフラム部材の接合部と上記斜材の長手方向中間部との間にストラットを架け渡してなり、上記ダイヤフラム部材は、上記鉛直材の箱断面の上記所定方向に直交する直交方向中間部同士を結び上記所定方向に延出する第一荷重支持部材と、該第一荷重支持部材の長手方向中間部と上記鉛直材の箱断面の隅部とを結ぶ第二荷重支持部材とを有するものである。
【0010】
ここで、上記第一荷重支持部材及び上記第二荷重支持部材は、上記鉛直材の内外を連通するマンホールを通じて上記鉛直材内に搬入可能な大きさに形成されても良い。
【0011】
また、上記第一荷重支持部材は、上記鉛直部材の箱断面の直交方向中間部間を架け渡して設けられる第一フレーム部材を有し、上記第二荷重支持部材は、上記鉛直部材の箱断面の隅部に設けられるガセットと、該ガセットの先端と上記第一荷重支持部材の第一フレーム部材の長手方向中間部とを結ぶ第二フレーム部材とを有しても良い。
【0012】
また本発明は、所定方向に間隔を隔てて複数配置された箱断面の鉛直材及びこれら鉛直材の間に配置された斜材を有する既設構造物を補強する方法であって、上記鉛直材の内部にダイヤフラム部材を設けると共に、上記鉛直材における上記ダイヤフラム部材の接合部と上記斜材の長手方向中間部との間にストラットを架け渡すことからなり、上記ダイヤフラム部材を設ける工程は、第一荷重支持部材を、上記鉛直部材の箱断面の上記所定方向に直交する直交方向中間部間に架け渡して設ける工程と、第二荷重支持部材を、上記第一荷重支持部材の長手方向中間部と上記鉛直材の箱断面の隅部との間を架け渡して設ける工程とを含むものである。
【0013】
また本発明は、所定方向に間隔を隔てて複数配置された箱断面の鉛直材及びこれら鉛直材の間に配置された斜材を有する既設構造物を補強する方法であって、ガセットを、上記鉛直材の箱断面の隅部に取り付け、第一フレーム部材を、上記鉛直部材の箱断面の上記所定方向に直交する直交方向中間部間に架け渡して設けると共に、第二フレーム部材を、先端が上記ガセット側に向くようにして上記第一フレーム部材の長手方向中間部に取り付け、上記ガセットと上記第二フレーム部材とを連結し、ストラットを、上記鉛直部材における上記第一フレーム部材の接合部と上記斜材の長手方向中間部との間に架け渡すものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、既設構造物の斜材の座屈抑制に好適な補強構造及び補強方法を提供することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0016】
図1は、図3のI−I線矢視図であって、本発明の一実施形態に係る補強構造が適用される橋梁主塔の平断面図である。図2は、図1のII−II線矢視図である。
【0017】
橋梁(既存構造物)は、橋軸方向(橋梁長手方向)に所定間隔を隔てて複数配置された箱断面(中空の矩形断面)の鉛直材1、2と、これら鉛直材1、2の間に配置された箱断面の斜材3とを備えたトラス橋であり、橋軸方向に隣接する鉛直材1、2同士は箱断面の上弦材4及び下弦材5(図3参照)により連結される。
【0018】
本実施形態は、橋軸方向に所定間隔を隔てて複数配置された鉛直材1、2の内、橋台7(図3参照)上に載置された主塔1及びその主塔1に隣接する斜材3に適用したものである。
【0019】
図1及び図2に示すように、主塔1は、幅方向が橋軸直交方向(橋梁幅方向)に指向されるウェブ8と、幅方向が橋軸方向に指向されるフランジ9とから箱断面に形成されており、主塔1のウェブ8内面及びフランジ9内面にはそれぞれ、内面補強リブ10、11が設けられる。例えば、内面補強リブ10、11はそれぞれ鋼板からなる。
【0020】
本実施形態に係る既設橋梁の補強構造は、主塔1(鉛直材)の内部に設けられたダイヤフラム部材12と、主塔1におけるダイヤフラム部材12の接合部と斜材3の長手方向中間部との間に架け渡して設けられたストラット(水平ストラット)6とを有する。
【0021】
本実施形態では、ダイヤフラム部材12は主塔1の長手方向(高さ方向)に所定間隔を隔てて複数設けられる(図2参照)。
【0022】
本実施形態に係るダイヤフラム部材12は、主塔1の箱断面の橋軸直交方向中間部同士を結び橋軸方向に延出し、軸力(ストラット軸力)を箱断面の主塔1の一側から他側に伝える第一荷重支持部材13と、第一荷重支持部材13の長手方向中間部と主塔1の箱断面の隅部とを結び、第一荷重支持部材13から主塔1に力を伝える第二荷重支持部材14とから構成される。第一荷重支持部材13及び第二荷重支持部材14は、主塔1の内外を連通するマンホール(図示せず)を通じて主塔1内に搬入可能な大きさに形成される。
【0023】
詳しくは、第一荷重支持部材13は、複数のフレーム部材(第一フレーム部材)15、15を添接板16を介してボルト・ナット17により接合してなり、各フレーム部材15はチャネル材18と板材19とを溶接等により接合してなる。各フレーム部材15は、チャネル材18が主塔1の箱断面の橋軸直交方向中間部に固定された仕口(取付金具)20にボルト・ナット(図示せず)により連結されて、主塔1の箱断面の橋軸直交方向中間部間に架け渡される。添接板16の外面には、補強用リブ21が突設される。例えば、チャネル材18は鋼板を略コ字状に折り曲げてなり、添接板16、板材19及び補強用リブ21はそれぞれ鋼板からなる。板材19は図1に示す形状には限定はされないが、板材19を図1に示すように平面視で箱断面中心側に凹む形状にすると、当該凹んでいる部分に作業スペースを確保することができる。
【0024】
また、第二荷重支持部材14は、複数のフレーム部材22、23を添接板24を介してボルト・ナット25により接合してなる。これらフレーム部材22、23の内、主塔1の箱断面の隅部に固定された仕口(取付金具)26に連結されるフレーム部材22はガセット(板材)27からなり、主塔1の箱断面の橋軸直交方向中間部に固定された仕口20に連結されるフレーム部材(第二フレーム部材)23はチャネル材28と板材29とを溶接等により接合してなる。フレーム部材22(ガセット27)は、添接板32を介して、主塔1の箱断面の隅部に固定された仕口26にボルト・ナット33により連結される。フレーム部材23は、チャネル材28が主塔1の箱断面の橋軸直交方向中間部に固定された仕口20にボルト・ナット(図示せず)により連結される。また、フレーム部材23は、チャネル材28と第一荷重支持部材13のフレーム部材15のチャネル材18とでスペーサ30を挟み込んだ状態で、当該チャネル材28が第一荷重支持部材13のフレーム部材15のチャネル材18にボルト・ナット(図示せず)により連結されて、ガセット27の先端と第一荷重支持部材13のフレーム部材15の長手方向中間部との間に架け渡される。添接板24の外面には、補強用リブ31が突設される。例えば、チャネル材28は鋼板を略コ字状に折り曲げてなり、添接板24、ガセット(板材)27、板材29及び補強用リブ31はそれぞれ鋼板からなる。板材29は図1に示す形状には限定はされないが、板材29を図1に示すように平面視で箱断面中心側に凹む形状にすると、当該凹んでいる部分に作業スペースを確保することができる。
【0025】
また、ストラット6は、長手方向一端部が主塔1のウェブ8外面に取り付けられた仕口(取付金具)34にボルト・ナット(図示せず)により接合され、長手方向他端部が斜材の長手方向中間部の外面に取り付けられた仕口(仕口34と同様のもの)にボルト・ナット(図示せず)により接合される。
【0026】
本実施形態では、第一荷重支持部材13に軸力が発生した場合、主塔1にねじりモーメントが発生しないように、第一荷重支持部材13の幅方向(橋軸直交方向)中心を主塔1の幅方向(ウェブ8の幅方向)中心と一致させている。
【0027】
また本実施形態では、ストラット6に軸力が発生した場合、主塔1及び斜材3にねじりモーメントが発生しないように、ストラット6の幅方向中心を主塔1及び斜材3の幅方向中心と一致させ、且つ、第一荷重支持部材13の幅方向中心と一致させている。
【0028】
ダイヤフラム部材12(第一荷重支持部材13及び第二荷重支持部材14)及びストラット6の橋梁(主塔1、斜材3)への取り付けの手順の一例を図4により説明する。
【0029】
まず、図4(a)に示すように、主塔1の箱断面の橋軸直交方向中間部及び隅部にそれぞれ、ウェブ8或いはフランジ9の内外面を連通する孔を設け(孔あけ)、主塔1の箱断面の橋軸直交方向中間部に、仕口20をボルト・ナットにより取り付けると共に、主塔1の箱断面の隅部に、仕口26をボルト・ナットにより取り付ける(仕口取付)。その際、ストラット6を取り付けるための仕口34を、主塔1のウェブ8外面に、ボルト・ナットで仕口20と一緒に取り付ける。
【0030】
次いで、図4(b)に示すように、第二荷重支持部材14のガセット27を、添接板32により主塔1の箱断面の隅部に取り付けた仕口26に取り付ける(ガセット取付)。
【0031】
次いで、図4(c)に示すように、第一荷重支持部材13のフレーム部材15及び第二荷重支持部材14のフレーム部材23を一緒に、主塔1の箱断面の橋軸直交方向中間部に取り付けた仕口20に取り付けることで、第一荷重支持部材13のフレーム部材15を主塔1の箱断面の橋軸直交方向中間部間に架け渡して設けると共に、第二荷重支持部材14のフレーム部材23を、先端がガセット27側に向くようにして第一荷重支持部材13のフレーム部材15の長手方向中間部に取り付ける(フレーム部材取付)。
【0032】
次いで、図4(d)に示すように、第二荷重支持部材14のガセット27とフレーム部材23とを、添接板24により連結する(添接板取付)。
【0033】
そして、図4(e)に示すように、隣接する第一荷重支持部材13のフレーム部材15同士を、添接板16により連結する(添接板取付)。また、ストラット6を仕口34に取り付けることで、ストラット6を主塔1におけるフレーム部材15(第一荷重支持部材13)の接合部と斜材3の長手方向中間部との間に架け渡す。
【0034】
このようにして、ダイヤフラム部材12が主塔1の内部に設けられ、ストラット6が、主塔1におけるダイヤフラム部材12の接合部と斜材3の長手方向中間部との間に架け渡して設けられる。
【0035】
なお、図4に示す手順以外の手順でダイヤフラム部材12(第一荷重支持部材13及び第二荷重支持部材14)及びストラット6を橋梁(主塔1、斜材3)に取り付けるようにしても良い。
【0036】
ここで、本実施形態では、ダイヤフラム部材12が、主塔1の箱断面の橋軸直交方向中間部同士を結び橋軸方向に延出する第一荷重支持部材13と、第一荷重支持部材13の長手方向中間部と主塔1の箱断面の隅部とを結ぶ第二荷重支持部材14とを有する。第一荷重支持部材13で主塔1の箱断面を補剛したことにより、ストラット6を介する主塔1から斜材3への力の伝達がスムーズになり、橋梁が地震力等の水平力を受けた際に斜材3が座屈するのを確実に防止し得る。また、第二荷重支持部材14により主塔1の箱断面の隅部(四隅)を補剛したことにより、第一荷重支持部材13に作用する荷重を主塔1の箱断面の隅部に分散させることで、主塔1の局所的な曲げ変形を防止することができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、第一荷重支持部材13及び第二荷重支持部材14が主塔1の内外を連通するマンホールを通じて主塔1内に搬入可能な大きさに形成されるので、主塔1内へのダイヤフラム部材12(第一荷重支持部材13及び第二荷重支持部材14)の搬入作業が容易となる。
【0038】
また、本実施形態では、ダイヤフラム部材12(第一荷重支持部材13及び第二荷重支持部材14)の橋梁(主塔1)への取り付けを、主にボルト・ナット17、25、33により行うこととしたので、主塔1の内部での溶接量を軽減し或いは溶接を省略でき、主塔1内での作業性が良くなるという利点がある。
【0039】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず他の様々な実施形態を採ることが可能である。
【0040】
例えば、上述の実施形態では、橋軸方向に所定間隔を隔てて複数配置された鉛直材1、2の内、橋台7上に載置された主塔1及びその主塔1に隣接する斜材3に適用するとしたが、これには限定はされず、主塔1以外の鉛直材2及びその鉛直材2に隣接する斜材3に適用することも可能である。また、橋梁には限定はされず、本発明を橋梁以外の既存構造物に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る補強構造が適用される橋梁主塔の平断面図である。
【図2】図2は、図1のII−II線矢視図である。
【図3】図3は、橋梁の概略図である。
【図4】図4(a)〜図4(e)は、ダイヤフラム部材及びストラットを橋梁主塔に取り付ける手順を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 主塔(鉛直材)
2 鉛直材
3 斜材
6 ストラット
12 ダイヤフラム部材
13 第一荷重支持部材
14 第二荷重支持部材
15 フレーム部材(第一フレーム部材)
23 フレーム部材(第二フレーム部材)
27 ガセット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に間隔を隔てて複数配置された箱断面の鉛直材及びこれら鉛直材の間に配置された斜材を有する既設構造物を補強する構造であって、
上記鉛直材の内部にダイヤフラム部材を設けると共に、上記鉛直材における上記ダイヤフラム部材の接合部と上記斜材の長手方向中間部との間にストラットを架け渡してなり、
上記ダイヤフラム部材は、上記鉛直材の箱断面の上記所定方向に直交する直交方向中間部同士を結び上記所定方向に延出する第一荷重支持部材と、該第一荷重支持部材の長手方向中間部と上記鉛直材の箱断面の隅部とを結ぶ第二荷重支持部材とを有することを特徴とする既設構造物の補強構造。
【請求項2】
上記第一荷重支持部材及び上記第二荷重支持部材は、上記鉛直材の内外を連通するマンホールを通じて上記鉛直材内に搬入可能な大きさに形成される請求項1に記載の既設構造物の補強構造。
【請求項3】
上記第一荷重支持部材は、上記鉛直部材の箱断面の直交方向中間部間を架け渡して設けられる第一フレーム部材を有し、
上記第二荷重支持部材は、上記鉛直部材の箱断面の隅部に設けられるガセットと、該ガセットの先端と上記第一荷重支持部材の第一フレーム部材の長手方向中間部とを結ぶ第二フレーム部材とを有する請求項1又は2に記載の既設構造物の補強構造。
【請求項4】
所定方向に間隔を隔てて複数配置された箱断面の鉛直材及びこれら鉛直材の間に配置された斜材を有する既設構造物を補強する方法であって、
上記鉛直材の内部にダイヤフラム部材を設けると共に、上記鉛直材における上記ダイヤフラム部材の接合部と上記斜材の長手方向中間部との間にストラットを架け渡すことからなり、
上記ダイヤフラム部材を設ける工程は、第一荷重支持部材を、上記鉛直部材の箱断面の上記所定方向に直交する直交方向中間部間に架け渡して設ける工程と、第二荷重支持部材を、上記第一荷重支持部材の長手方向中間部と上記鉛直材の箱断面の隅部との間を架け渡して設ける工程とを含むことを特徴とする既設構造物の補強方法。
【請求項5】
所定方向に間隔を隔てて複数配置された箱断面の鉛直材及びこれら鉛直材の間に配置された斜材を有する既設構造物を補強する方法であって、
ガセットを、上記鉛直材の箱断面の隅部に取り付け、
第一フレーム部材を、上記鉛直部材の箱断面の上記所定方向に直交する直交方向中間部間に架け渡して設けると共に、第二フレーム部材を、先端が上記ガセット側に向くようにして上記第一フレーム部材の長手方向中間部に取り付け、
上記ガセットと上記第二フレーム部材とを連結し、
ストラットを、上記鉛直部材における上記第一フレーム部材の接合部と上記斜材の長手方向中間部との間に架け渡す、
ことを特徴とする既設構造物の補強方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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