既設管の切断装置及び切断方法
【課題】切断刃の既設管に対する進退のストローク量を抑え、切断装置全体の小型化を実現可能な既設管の切断装置及び切断方法を提供すること。
【解決手段】密封ケースは、既設管1に対して固着され、開閉弁7が設けられた第1ケース3と、既設管1を切断する切断刃4及び切断刃4を既設管1に対して進退可能な進退駆動部6が設けられ、既設管1に対して伸縮可能に形成された第2ケース5と、から構成されており、切断刃4の先端部は、第1ケース3と第2ケース5とを接続することで開閉弁7よりも既設管1側で既設管1に近接して配置されるとともに、第2ケース5の伸長を利用して開閉弁7よりも既設管1から離間して移動可能となっている。
【解決手段】密封ケースは、既設管1に対して固着され、開閉弁7が設けられた第1ケース3と、既設管1を切断する切断刃4及び切断刃4を既設管1に対して進退可能な進退駆動部6が設けられ、既設管1に対して伸縮可能に形成された第2ケース5と、から構成されており、切断刃4の先端部は、第1ケース3と第2ケース5とを接続することで開閉弁7よりも既設管1側で既設管1に近接して配置されるとともに、第2ケース5の伸長を利用して開閉弁7よりも既設管1から離間して移動可能となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設管の一部に密封状に密封ケースを設置し、密封ケースに設けられた開閉弁を介して既設管を不断流状態にて切断する既設管の切断装置及び切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の既設管の切断装置(穿孔装置)は、仕切弁(開閉弁)を備え、既設水道管(既設管)を密封する割T字管(第1ケース)と、この割T字管に対して既設水道管を穿孔する穿孔刃及びこの穿孔刃を既設管に向けて進退可能な進退駆動部とが一体に設けられた、既設水道管に向けて伸縮可能なスリーブ(第2ケース)と、を備えており、既設水道管を穿孔する際には、スリーブを既設水道管に向けて短縮させることで、穿孔刃の先端部を、仕切弁を介して既設水道管に対して近接させ、既設水道管の穿孔を終了した後は、スリーブを伸長させることで、穿孔刃の先端を既設水道管から離間させて仕切弁を閉塞可能としているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−162862号公報(第2頁、第6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の既設管の切断装置(穿孔装置)にあっては、穿孔刃を既設水道管(既設管)に対して近接させるストローク量と、既設水道管の穿孔後に穿孔刃を既設水道管に対して離間させるストローク量とが長いため、穿孔装置全体が大型化し、取り扱いにくいという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、切断刃の既設管に対する進退のストローク量を抑え、切断装置全体の小型化を実現可能な既設管の切断装置及び切断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の既設管の切断装置は、
既設管の一部に密封状に密封ケースを設置し、該密封ケースに設けられた開閉弁を介して前記既設管を不断流状態にて切断する既設管の切断装置であって、
前記密封ケースは、前記既設管に対して固着され、前記開閉弁が設けられた第1ケースと、前記既設管を切断する切断刃及び該切断刃を前記既設管に対して進退可能な進退駆動部が設けられ、前記既設管に対して伸縮可能に形成された第2ケースと、から構成されており、
前記切断刃の先端部は、前記第1ケースと前記第2ケースとを接続することで前記開閉弁よりも前記既設管側で該既設管に近接して配置されるとともに、前記第2ケースの伸長を利用して前記開閉弁よりも前記既設管から離間して移動可能となっていることを特徴としている。
この特徴によれば、既設管の一部にて第1ケースと第2ケースとが接続されることで切断刃の先端部が開閉弁よりも既設管に近接して配置されるので、切断刃を既設管の切断を開始する位置まで移動させる進退駆動部のストロークを短縮することができるばかりか、第2ケースの伸長を利用して切断刃の先端部を開閉弁よりも既設管から離間して移動することで、開閉弁が開閉可能となる位置まで切断刃の先端部を既設管から退行させる進退駆動部のストローク量を短縮し、切断装置全体を小型化することができる。
【0007】
本発明の既設管の切断装置は、
前記既設管が切断されたことで前記密封ケース内に流入する流体の流体圧による前記第2ケースの伸長を調整可能に規制する伸長規制手段が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、第2ケースを、順次伸長規制手段を調整しながら流体圧によって伸長させていくことができるので、第2ケースの急激な伸長を防止しながら、作業者等がさほど力を加えること無く第2ケースの伸長を行うことができる。
【0008】
本発明の既設管の切断装置は、
前記第2ケースは、複数の入れ子状に分割されていることを特徴としている。
この特徴によれば、第2ケースが複数の入れ子式に分割されているため、第2ケースの最大伸長量に対して第2ケースをコンパクトに構成することができる。
【0009】
本発明の既設管の切断方法は、
既設管の一部に密封状に密封ケースを設置し、該密封ケースに設けられた開閉弁を介して前記既設管を不断流状態にて切断する既設管の切断方法であって、
前記密封ケースは、前記既設管に対して固着され、前記開閉弁が設けられた第1ケースと、前記既設管を切断する切断刃及び該切断刃を前記既設管に対して進退可能な進退駆動部が設けられ、前記既設管に対して伸縮可能に形成された第2ケースと、から構成されており、
前記第1ケースと前記第2ケースとを接続することで、前記切断刃の先端部を前記開閉弁よりも前記既設管側で該既設管に近接して配置するとともに、前記進退駆動部によって前記切断刃を前記既設管に向けて移動させることで前記既設管を切断し、該既設管の切断後に、前記第2ケースの前記既設管に対する伸長を利用して前記切断刃の先端部を前記開閉弁よりも既設管から離間した位置に移動させることを特徴としている。
この特徴によれば、既設管の一部にて第1ケースと第2ケースとが接続されることで切断刃の先端部が開閉弁よりも既設管に近接して配置されるので、切断刃を既設管の切断を開始する位置まで移動させる進退駆動部のストロークを短縮することができるばかりか、第2ケースの伸長を利用して切断刃の先端部を開閉弁よりも既設管から離間して移動させることで、開閉弁が開閉可能となる位置まで切断刃の先端部を既設管から退行させる進退駆動部のストローク量を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例における切断装置を示す一部断面図である。
【図2】流体管を切断した状態を示す一部断面図である。
【図3】流体管の切片を回収した状態を示す一部断面図である。
【図4】図3における筐体及び流体管を示すA−A断面図である。
【図5】実施例における制流体設置装置を示す一部断面図である。
【図6】図5における制流体及び支持ローラを示すB−B断面図である。
【図7】制流体を示す正面図である。
【図8】制流体を示す底面図である。
【図9】制流体の先端部を流体管に近接配置した状態を示す一部断面図である。
【図10】制流体を筐体内に設置した状態を示す一部断面図である。
【図11】図10における支持ローラを示すC−C断面図である。
【図12】制流体の設置を終了した状態示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る既設管の切断装置及び切断方法を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0012】
実施例に係る既設管の切断装置及び切断方法につき、図1から図12を参照して説明する。以下、図1の紙面手前側を切断装置の正面側(前方側)とし、図5の紙面手前を制流体設置装置の正面側(前方側)として説明する。
【0013】
図1の符号1は、本発明における既設管としての、地中に埋設された鋼製等の流体管1である。本実施例では、本実施例では流体管内の流体は上水であるが、流体管1の内部を流れる流体は必ずしも上水に限らず、例えば工業用水であってもよいし、また気体や気液混合状態の流体が流れる流体管であっても構わない。
【0014】
この流体管1には、流体管1の所定箇所を不断水状態にて切断する切断装置2が取り付けられている。この切断装置2は、図1に示すように、流体管1に溶接加工により直接取り付けられる本発明における第1ケースとしての筐体3と、流体管1の所定切断箇所を切断するための本発明における切断刃としてのカッタ部材4と、このカッタ部材4を収納する本発明における第2ケースとしての収納ケース5と、カッタ部材4を流体管1と収納ケース5内との間で進退させることが可能な進退駆動部6と、から主に構成されている。
【0015】
このうち、筐体3は、図3及び図4に示すように、流体管1の所定切断箇所が配置される中央部がA−A断面視で略円形状に形成されているとともに、特に図示しないが、流体管1の径方向に分割可能な2つの接続部材から構成された割T字管であり、該2つの接続部材を接続した後、前述のように溶接加工することで、筐体3と流体管1の外周面との間が密着されている。また、筐体3の右側部には、筐体3の右方への開口を開閉するための開閉弁7が前後方向に移動可能に設けられている。
【0016】
筐体3の上端部及び下端部の内壁は、右側から左側にかけて流体管1側に向けて傾斜をなすテーパー面3aに形成されている。これらテーパー面3aの前端部及び後端部には、後述する制流体11を流体管1内を流れる流体の流体圧に抗して筐体3内にガイドするための一対のガイド片3bが突設されている。
【0017】
収納ケース5は、図1に示すように、筐体3の右端部と水密に接続可能であり左右方向に連通する筒体8と、左方に向けて開口するケース本体9と、から構成されている。収納ケース5は、これら筒体8とケース本体9とによって、左右幅寸法を伸縮自在な入れ子構造となっているとともに、筒体8とケース本体9間は、図示しないパッキンによって水密に保持されている。
【0018】
尚、筒体8とケース本体9とは、それぞれのフランジを介して複数の固定ボルト・ナット23によって互いに相対移動不能に接続されている。更に尚、筒体8とケース本体9とは、それぞれのフランジを介して、各固定ボルト・ナット23よりも切断装置2の左右幅方向に向けて長寸に形成されたボルトを有する複数の操作ボルト・ナット10によって接続されている(本実施例では1本のみ図示)。詳細は後述するが、各固定ボルト・ナット23を筒体8とケース本体9のそれぞれのフランジから全て取り外した状態でこれら操作ボルト・ナット10を回動操作することで、筒体8に対してケース本体9を左右幅方向に相対移動させることが可能となっている。
【0019】
進退駆動部6は、図1及び図2に示すように、ケース本体9の右側端部に水密に接続されている。この進退駆動部6の左部からは、ケース本体9内に、流体管1に向けて水平に軸部材6aが延設されている。進退駆動部6は、油圧や電力等の動力により、この軸部材6aを、軸回りに回転させることが可能であるとともに、流体管1が配置されている筐体3内とケース本体9内との間で進退させることが可能となっている。尚、進退駆動部6は、内部がケース本体9内と水密に連通しているとともに、開放することで進退駆動部6の内部と外部とを連通させることが可能な図示しない排水弁を備えている。
【0020】
カッタ部材4は、流体管1を切断するために流体管1の直径よりも長寸の直径に形成されている。また、カッタ部材4は、軸部材6aの先端部に固設されているとともに、軸部材6aと同一軸心であり、流体管1側に向けて伸びるドリル部材4aを備えている。
【0021】
尚、これらカッタ部材4及びドリル部材4aは、図1に示すように、伸長されていない状態の収納ケース5の左右幅寸法よりも長寸の左右幅寸法に形成されている。このため、開閉弁7が解放されている状態の筐体3と収納ケース5とが水密に接続されることで、カッタ部材4及びドリル部材4aの両先端部は、開閉弁7よりも流体管1側で流体管1の外周面に近接して配置される。
【0022】
このように構成された切断装置2で流体管1を切断するには、先ず、図1に示すように、流体管1の切断する所定箇所に筐体3を水密に取り付け、筐体3に右方からカッタ部材4を収納した収納ケース5を水密に接続する。尚、収納ケース5の左右幅寸法は、予め操作ボルト・ナット10を回動操作することで筒体8に対してケース本体9を左方向に移動させることで、最短となるように調整しておく。
【0023】
このとき、筐体3と収納ケース5が接続されることで、流体管1の一部は水密的に密封される。つまり、本実施例においては、筐体3と収納ケース5とで本発明における密封ケースが構成される。更に、前述したように、カッタ部材4及びドリル部材4aの先端部が流体管1の外周面に近接配置される。
【0024】
そして、図2に示すように、進退駆動部6に設けられた図示しない排水弁を開放操作した後、進退駆動部6を駆動させることで、軸部材6aを介してカッタ部材4を回転させながら流体管1に向けて進出させていく。このとき、流体管1の所定切断箇所は、ドリル部材4aによって穿孔されながら、ドリル部材4aの周囲をカッタ部材4によって切断されていく。尚、このカッタ部材4が流体管1を切断したことで生じた流体管1の切片1aは、切片1aに対して穿孔されたドリル部材4aによってカッタ部材4内に保持される。
【0025】
更に尚、このとき、カッタ部材4が回転しながら流体管1を切断していくことで、ケース本体9には軸部材6aの周方向を向く回転モーメントが生じるが、筒体8とケース本体9とが複数の固定ボルト・ナット23によって接続されているため、ケース本体9の軸部材6aの周方向への回転が防止されている。
【0026】
一方、流体管1内を流れる流体は、流体管1が切断されることで流体管1内から筐体3及び収納ケース5内に流出し、これら筐体3内及び収納ケース5内を満たすとともに、開放されている前記排水弁から切断装置2外に排水される。尚、カッタ部材4が流体管1を切断したことで生じる切り粉は、この流体管1から前記排水弁に向けて生じる水流に乗って切断装置2外に排出される。
【0027】
更に尚、収納ケース5を構成する筒体8とケース本体9とは、流体管1内から流入する流体による流体圧を受けるが、筒体8に対するケース本体9の右方向への移動は、複数の操作ボルト・ナット10及び固定ボルト・ナット23によって規制されているため、収納ケース5の流体圧による伸長は防止されている。
【0028】
次に、前記排水弁を閉止した後、図3に示すように、進退駆動部6を逆転駆動させることで軸部材6aを退行させ、カッタ部材4及び切片1aを筐体3内から収納ケース5内に向けて移動させる。このとき、カッタ部材4の右側部及び切片1aの一部は収納ケース5内に配置されるとともに、カッタ部材4の先端部は、開閉弁7よりも左方側に配置される。
【0029】
更に、筒体8とケース本体9のフランジから固定ボルト・ナット23を全て取り外した後、各操作ボルト・ナット10を順次回動操作することで、筒体8に対するケース本体9の右方向への移動範囲を許容していく。このとき、ケース本体9には流体圧がかかっているため、作業者は、これら操作ボルト・ナット10の回動操作を行うのみで、収納ケース5を右方向に向けて伸長させることができるとともに、操作ボルト・ナット10が許容している移動範囲内のみでケース本体9の右方向への移動が可能となっているため、収納ケース5の流体圧による急激な伸長が防止されている。つまり、これら操作ボルト・ナット10は、本発明における伸縮規制手段を構成している。
【0030】
この収納ケース5の右方向に向けての伸長により、ケース本体9に進退駆動部6の軸部材6aを介して接続されているカッタ部材4は、流体管1から離間する方向である右方に向けて、ケース本体9が右方向に移動した距離だけ移動する。
【0031】
尚、収納ケース5は、ケース本体9が流体圧によって右方向に移動したことで、カッタ部材4及びドリル部材4aよりも長寸の左右幅寸法に形成される。このため、収納ケース5内には、カッタ部材4、ドリル部材4a及び切片1aが完全に収納される。つまり、カッタ部材4及びドリル部材4aの先端部は、開閉弁7よりも右方側に配置される。
【0032】
カッタ部材4、ドリル部材4a及び切片1aが収納ケース5内に収納された後は、図3に示すように、開閉弁7をスライド移動させることで筐体3内を水密に密閉するとともに、収納ケース5を筐体3から取り外し、切断装置2による流体管1の切断を終了する。
【0033】
次に、このように内部に本発明における所定切断箇所である流体管1の切断箇所を有する筐体3内に制流体11を挿入配置する制流体設置装置12について説明する。
【0034】
制流体設置装置12は、図5に示すように、前述したように流体管1に取り付けられている筐体3と、流体管1の切断箇所である筐体3内に挿入配置される制流体11と、この制流体11を収納する収納ケース13と、制流体11を筐体3内と収納ケース13内との間で進退させることが可能な進退駆動部14と、から主に構成されている。
【0035】
収納ケース13は、図5に示すように、筐体3の右端部と水密に接続可能であり左右方向に連通するベース体15と、このベース体15の右端部に接続されるとともに、ベース体15よりも上下幅寸法が短寸に形成された移動体16と、から構成されている。収納ケース13は、これらベース体15と移動体16とによって、左右幅寸法を伸縮自在な入れ子構造となっているとともに、ベース体15と移動体16間は、図示しないパッキンによって水密に保持されている。
【0036】
尚、ベース体15と移動体16とは、図5及び図9に示すように、それぞれのフランジを介して複数の操作ボルト・ナット17によって接続されており(本実施例では1本のみ図示)、これら操作ボルト・ナット17を回動操作することで、ベース体15に対して移動体16を左右幅方向に移動させることが可能となっている。
【0037】
ベース体15内の左部における下端部には、図6及び図11に示すように、上下方向を向く貫通孔15aが前後一対となって形成されている。これら貫通孔15a内には、上端部に前後方向を向く枢軸18aを備えた基部18が挿入配置されており、両枢軸18aには、支持ローラ19が回動可能に枢支されている。また、両貫通孔15aには、下方から操作ネジ20が螺挿されている。これら操作ネジ20の上端部は、基部18の下端部に遊嵌されている。このため、両基部18に枢軸18aを介して設けられている支持ローラ19は、操作ネジ20の螺挿に伴い、貫通孔15a内からのベース体15内への突出量を調整可能となっている。
【0038】
進退駆動部14は、図5に示すように、移動体16の右側端部に水密に接続されている。この進退駆動部14の左部からは、収納ケース13内に、流体管1に向けて水平に軸部材14aが延設されている。進退駆動部14は、油圧や電力等の動力により、この軸部材14aを、流体管1が配置されている筐体3内と収納ケース13内との間で進退させることが可能となっている。
【0039】
また、軸部材14aの先端部には、軸部材14aと制流体11とを接続するためのブラケット14bが取り付けられている。このブラケット14bには、前後方向を向く図示しない枢軸に回動可能に枢支されている補助ローラ21が設けられており、この補助ローラ21は、ベース体15内の下端面に当接している。このため、補助ローラ21は、前述の進退駆動部14の駆動によって、ベース体15内の下端面上を転動しながら軸部材14a及びブラケット14bとともにベース体15内を移動するようになっている。尚、進退駆動部14は、内部が移動体16内と水密に連通しているとともに、開放することで進退駆動部14の内部と外部とを連通させることが可能な図示しない排水弁を備えている。
【0040】
制流体11は、図6、図7及び図8に示すように、筐体3の右部の内部形状と略同一形状の円形(図示せず)に形成された蓋部11aと、この蓋部11aから左方に向けて伸びる制水部11bとから構成されている。蓋部11aの右部には、ブラケット14bが接続可能となっている。また、制水部11bは、筐体3内に突設されているガイド片3b,3b(図4参照)間に挿入配置可能な前後幅寸法に形成されているとともに、上端部と下端部とは、右側から左側にかけて制水部11bの上下幅方向の中央部に向けて傾斜をなすテーパー面11cに形成されている。つまり、本実施例における制流体11は、右方から左端部である先端部にかけて先細りの形状に形成されている。
【0041】
更に、これらテーパー面11cである制水部11bの上下端縁部及び左端縁部と蓋部11aの周縁部には、弾性を有するゴム等で構成された密着部22が一体となって配設されている。尚、これらテーパー面11cの傾斜は、筐体3内に形成されているテーパー面3aの傾斜と同一角度である。
【0042】
制水部11bの下部には、制水部11bの正面側及び背面側に向けて一対のレール部11dが設けられている。これらレール部11dは、制流体11の進退方向である制流体11の左右幅方向に向けて水平に延設されている。また、これらレール部11dの下面には、制流体11が収納ケース13内に収納されることで、各支持ローラ19が下方から当接するようになっている。つまり、本実施例における制流体11は、収納ケース13内に収納されている状態では、左部側の荷重をレール部11dを介して支持ローラ19にて滑動可能に支持されるとともに、右部側の荷重をブラケット14bを介して補助ローラ21にて支持されるようになっている。
【0043】
このように構成された制流体設置装置12を用いて筐体3内に制流体11を設置するには、先ず、図5に示すように、前述の流体管1の切断後に、切断装置2の一部である収納ケース5に換えて、本制流体設置装置12の一部である収納ケース13を、開閉弁7により水密に密閉されている筐体3に右方から水密に接続する。収納ケース13の左右幅寸法は、予め操作ボルト・ナット17を回動操作することでベース体15移動体16を右方向に移動させることで、最長となるように調整しておく。このとき、筐体3と収納ケース13が接続されることで、筐体3内と収納ケース13内とは水密的に密封される。
【0044】
そして、図9に示すように、進退駆動部14に設けられた図示しない排水弁を開放操作した後、開閉弁7を開放する。このとき、流体管1内を流れる流体は、収納ケース13内及び筐体3内を満たすとともに、開放されている前記排水弁から切断装置2外に排水される。
【0045】
次に、前記排水弁を閉止した後、各操作ボルト・ナット17を順次回動操作することで、ベース体15に対して移動体16を所定切断箇所としての筐体3内に向けて、左方向へ移動させるように押し込んでいく。このとき、移動体16は、左方向への移動に抗して収納ケース13内に満たされている流体から流体圧を受けるが、ベース体15が流体圧を受ける面積よりも移動体16が流体圧を受ける面積が小さいため、移動体16は、左方向への移動によって流体から受ける流体圧を少なくして移動することができる。
【0046】
更に、移動体16は、各操作ボルト・ナット17の回動操作によって左方向への移動がなされるため、作業者がさほど労力を要すること無く移動体16を左方向に向けて移動させることができる。移動体16の左方向に向けての移動が完了した後は、ベース体15と移動体16とを、それぞれのフランジを介して複数の固定ボルト・ナット23によって互いに相対移動不能に接続する。
【0047】
この移動体16の左方向への移動によって収納ケース13の左右幅寸法が短縮され、移動体16に進退駆動部14のブラケット14bを介して接続されている制流体11は、荷重を支持ローラ19及び補助ローラ21で支持された状態で筐体3内に向けて移動体16が左方向に移動した距離だけ移動する。このとき、制流体11の先端部は、開閉弁7よりも流体管1側にて、流体管1に近接配置される。
【0048】
この状態から進退駆動部14を駆動させることで、図10に示すように、制流体11を筐体3内に向けて移動させていく。このとき、制流体11は、支持ローラ19と補助ローラ21とによって下方から支持されているため、制流体11の荷重によってブラケット14bを介して軸部材14aに下方を向くモーメントが生じることが防止されている。更に、制流体11の上端部及び下端部は、前後の両ガイド片3b,3b間に挿通されていくため、流体から流体圧による前後方向の位置ずれが防止されている。そして、制流体11を筐体3内に完全に挿入配置することで、密着部22が制流体11と筐体3内との間で全体に亘って弾性変形し、筐体3内における流体の流路が完全に遮断される。
【0049】
尚、作業者は、図10及び図11に示すように、制流体11が所定量筐体3内に挿入配置された状態で両操作ネジ20を回動操作することで、支持ローラ19を貫通孔15a内に収納した後、前述したように制流体11を筐体3内に完全に挿入配置する。このように支持ローラ19のベース体15内への突出量を調整することで、補助ローラ21がベース体15内の下端部を制流体11が筐体3内に完全に挿入配置されるまでスムーズに転動可能とする。尚、補助ローラ21は、図10に示すように、制流体11が筐体3内に完全に挿入配置されると、開閉弁7よりも右側で停止する。
【0050】
図10及び図12に示すように、前記排水弁を開放して収納ケース13内の流体を排水した後、筐体3の外方から図示しない固定ボルトを制流体11の右側方に螺挿することで、制流体11を筐体3内に固定する。そして、ベース体15に設けられた図示しない操作口から作業者が手を入れることで、ブラケット14bから制流体11を取り外す。最後に、進退駆動部14を逆転駆動することで軸部材14a及びブラケット14bを収納ケース13内に収納した後、開閉弁7によって筐体3を閉止し、制流体11の筐体3内への設置を終了する。
【0051】
尚、本実施例では、前述のように制流体11の下端部を支持する支持ローラ19を、操作ネジ20を回動操作することでベース体15内への突出量を調整可能としたが、本実施例で用いた制流体11とは上下幅寸法が異なる制流体を用いる場合には、該制流体が有するレール部の位置に合わせて支持ローラ19の突出量を適宜調整することで、前記制流体を下方から支持することが可能となっている。
【0052】
以上、本実施例における切断装置2にあっては、カッタ部材4の先端部は、筐体3と前記収納ケース5とを接続することで開閉弁7よりも流体管1側で流体管1に近接して配置されるとともに、収納ケース5の伸長を利用して開閉弁7よりも流体管1から離間して移動可能となっているため、カッタ部材4を流体管1の切断を開始する位置まで移動させる進退駆動部6のストロークを短縮することができるばかりか、収納ケース5の伸長を利用してカッタ部材4の先端部を開閉弁7よりも流体管1から離間して移動することで、開閉弁7が開閉可能となる位置までカッタ部材4の先端部を流体管1から退行させる進退駆動部6のストローク量を短縮し、切断装置2全体を小型化することができる。
【0053】
また、流体管1が切断されたことで収納ケース5内に流入する流体の流体圧による収納ケース5の伸長を調整可能に規制する操作ボルト・ナット10が設けられているので、収納ケース5を、順次操作ボルト・ナット10を調整しながら流体圧によって伸長させていくことができるので、収納ケース5の急激な伸長を防止しながら、作業者等がさほど力を加えること無く収納ケース5の伸長を行うことができる。
【0054】
また、収納ケース5は、複数の入れ子状に分割されているので、収納ケース5の最大伸長量に対して収納ケース5をコンパクトに構成することができる。
【0055】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0056】
例えば、前記実施例では、流体管1に対してカッタ部材4を右方から進出させて流体管1の切断を行ったが、流体管1の上方に切断装置2を設置するための十分な空間が存在していれば、流体管1に対して上方に切断装置2を設け、上方からカッタ部材4を進出させて流体管1の切断を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 流体管
2 切断装置
3 筐体(第1ケース)
3a テーパー面
4 カッタ部材(切断刃)
5 収納ケース(第2ケース)
6 進退駆動部
7 開閉弁
10 操作ボルト・ナット(伸縮規制手段)
11 制流体
11c テーパー面
11d レール部
12 制流体設置装置
13 収納ケース
14 進退駆動部
15 ベース体
16 移動体
17 操作ボルト・ナット
19 支持ローラ
21 補助ローラ
22 密着部
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設管の一部に密封状に密封ケースを設置し、密封ケースに設けられた開閉弁を介して既設管を不断流状態にて切断する既設管の切断装置及び切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の既設管の切断装置(穿孔装置)は、仕切弁(開閉弁)を備え、既設水道管(既設管)を密封する割T字管(第1ケース)と、この割T字管に対して既設水道管を穿孔する穿孔刃及びこの穿孔刃を既設管に向けて進退可能な進退駆動部とが一体に設けられた、既設水道管に向けて伸縮可能なスリーブ(第2ケース)と、を備えており、既設水道管を穿孔する際には、スリーブを既設水道管に向けて短縮させることで、穿孔刃の先端部を、仕切弁を介して既設水道管に対して近接させ、既設水道管の穿孔を終了した後は、スリーブを伸長させることで、穿孔刃の先端を既設水道管から離間させて仕切弁を閉塞可能としているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−162862号公報(第2頁、第6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の既設管の切断装置(穿孔装置)にあっては、穿孔刃を既設水道管(既設管)に対して近接させるストローク量と、既設水道管の穿孔後に穿孔刃を既設水道管に対して離間させるストローク量とが長いため、穿孔装置全体が大型化し、取り扱いにくいという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、切断刃の既設管に対する進退のストローク量を抑え、切断装置全体の小型化を実現可能な既設管の切断装置及び切断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の既設管の切断装置は、
既設管の一部に密封状に密封ケースを設置し、該密封ケースに設けられた開閉弁を介して前記既設管を不断流状態にて切断する既設管の切断装置であって、
前記密封ケースは、前記既設管に対して固着され、前記開閉弁が設けられた第1ケースと、前記既設管を切断する切断刃及び該切断刃を前記既設管に対して進退可能な進退駆動部が設けられ、前記既設管に対して伸縮可能に形成された第2ケースと、から構成されており、
前記切断刃の先端部は、前記第1ケースと前記第2ケースとを接続することで前記開閉弁よりも前記既設管側で該既設管に近接して配置されるとともに、前記第2ケースの伸長を利用して前記開閉弁よりも前記既設管から離間して移動可能となっていることを特徴としている。
この特徴によれば、既設管の一部にて第1ケースと第2ケースとが接続されることで切断刃の先端部が開閉弁よりも既設管に近接して配置されるので、切断刃を既設管の切断を開始する位置まで移動させる進退駆動部のストロークを短縮することができるばかりか、第2ケースの伸長を利用して切断刃の先端部を開閉弁よりも既設管から離間して移動することで、開閉弁が開閉可能となる位置まで切断刃の先端部を既設管から退行させる進退駆動部のストローク量を短縮し、切断装置全体を小型化することができる。
【0007】
本発明の既設管の切断装置は、
前記既設管が切断されたことで前記密封ケース内に流入する流体の流体圧による前記第2ケースの伸長を調整可能に規制する伸長規制手段が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、第2ケースを、順次伸長規制手段を調整しながら流体圧によって伸長させていくことができるので、第2ケースの急激な伸長を防止しながら、作業者等がさほど力を加えること無く第2ケースの伸長を行うことができる。
【0008】
本発明の既設管の切断装置は、
前記第2ケースは、複数の入れ子状に分割されていることを特徴としている。
この特徴によれば、第2ケースが複数の入れ子式に分割されているため、第2ケースの最大伸長量に対して第2ケースをコンパクトに構成することができる。
【0009】
本発明の既設管の切断方法は、
既設管の一部に密封状に密封ケースを設置し、該密封ケースに設けられた開閉弁を介して前記既設管を不断流状態にて切断する既設管の切断方法であって、
前記密封ケースは、前記既設管に対して固着され、前記開閉弁が設けられた第1ケースと、前記既設管を切断する切断刃及び該切断刃を前記既設管に対して進退可能な進退駆動部が設けられ、前記既設管に対して伸縮可能に形成された第2ケースと、から構成されており、
前記第1ケースと前記第2ケースとを接続することで、前記切断刃の先端部を前記開閉弁よりも前記既設管側で該既設管に近接して配置するとともに、前記進退駆動部によって前記切断刃を前記既設管に向けて移動させることで前記既設管を切断し、該既設管の切断後に、前記第2ケースの前記既設管に対する伸長を利用して前記切断刃の先端部を前記開閉弁よりも既設管から離間した位置に移動させることを特徴としている。
この特徴によれば、既設管の一部にて第1ケースと第2ケースとが接続されることで切断刃の先端部が開閉弁よりも既設管に近接して配置されるので、切断刃を既設管の切断を開始する位置まで移動させる進退駆動部のストロークを短縮することができるばかりか、第2ケースの伸長を利用して切断刃の先端部を開閉弁よりも既設管から離間して移動させることで、開閉弁が開閉可能となる位置まで切断刃の先端部を既設管から退行させる進退駆動部のストローク量を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例における切断装置を示す一部断面図である。
【図2】流体管を切断した状態を示す一部断面図である。
【図3】流体管の切片を回収した状態を示す一部断面図である。
【図4】図3における筐体及び流体管を示すA−A断面図である。
【図5】実施例における制流体設置装置を示す一部断面図である。
【図6】図5における制流体及び支持ローラを示すB−B断面図である。
【図7】制流体を示す正面図である。
【図8】制流体を示す底面図である。
【図9】制流体の先端部を流体管に近接配置した状態を示す一部断面図である。
【図10】制流体を筐体内に設置した状態を示す一部断面図である。
【図11】図10における支持ローラを示すC−C断面図である。
【図12】制流体の設置を終了した状態示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る既設管の切断装置及び切断方法を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0012】
実施例に係る既設管の切断装置及び切断方法につき、図1から図12を参照して説明する。以下、図1の紙面手前側を切断装置の正面側(前方側)とし、図5の紙面手前を制流体設置装置の正面側(前方側)として説明する。
【0013】
図1の符号1は、本発明における既設管としての、地中に埋設された鋼製等の流体管1である。本実施例では、本実施例では流体管内の流体は上水であるが、流体管1の内部を流れる流体は必ずしも上水に限らず、例えば工業用水であってもよいし、また気体や気液混合状態の流体が流れる流体管であっても構わない。
【0014】
この流体管1には、流体管1の所定箇所を不断水状態にて切断する切断装置2が取り付けられている。この切断装置2は、図1に示すように、流体管1に溶接加工により直接取り付けられる本発明における第1ケースとしての筐体3と、流体管1の所定切断箇所を切断するための本発明における切断刃としてのカッタ部材4と、このカッタ部材4を収納する本発明における第2ケースとしての収納ケース5と、カッタ部材4を流体管1と収納ケース5内との間で進退させることが可能な進退駆動部6と、から主に構成されている。
【0015】
このうち、筐体3は、図3及び図4に示すように、流体管1の所定切断箇所が配置される中央部がA−A断面視で略円形状に形成されているとともに、特に図示しないが、流体管1の径方向に分割可能な2つの接続部材から構成された割T字管であり、該2つの接続部材を接続した後、前述のように溶接加工することで、筐体3と流体管1の外周面との間が密着されている。また、筐体3の右側部には、筐体3の右方への開口を開閉するための開閉弁7が前後方向に移動可能に設けられている。
【0016】
筐体3の上端部及び下端部の内壁は、右側から左側にかけて流体管1側に向けて傾斜をなすテーパー面3aに形成されている。これらテーパー面3aの前端部及び後端部には、後述する制流体11を流体管1内を流れる流体の流体圧に抗して筐体3内にガイドするための一対のガイド片3bが突設されている。
【0017】
収納ケース5は、図1に示すように、筐体3の右端部と水密に接続可能であり左右方向に連通する筒体8と、左方に向けて開口するケース本体9と、から構成されている。収納ケース5は、これら筒体8とケース本体9とによって、左右幅寸法を伸縮自在な入れ子構造となっているとともに、筒体8とケース本体9間は、図示しないパッキンによって水密に保持されている。
【0018】
尚、筒体8とケース本体9とは、それぞれのフランジを介して複数の固定ボルト・ナット23によって互いに相対移動不能に接続されている。更に尚、筒体8とケース本体9とは、それぞれのフランジを介して、各固定ボルト・ナット23よりも切断装置2の左右幅方向に向けて長寸に形成されたボルトを有する複数の操作ボルト・ナット10によって接続されている(本実施例では1本のみ図示)。詳細は後述するが、各固定ボルト・ナット23を筒体8とケース本体9のそれぞれのフランジから全て取り外した状態でこれら操作ボルト・ナット10を回動操作することで、筒体8に対してケース本体9を左右幅方向に相対移動させることが可能となっている。
【0019】
進退駆動部6は、図1及び図2に示すように、ケース本体9の右側端部に水密に接続されている。この進退駆動部6の左部からは、ケース本体9内に、流体管1に向けて水平に軸部材6aが延設されている。進退駆動部6は、油圧や電力等の動力により、この軸部材6aを、軸回りに回転させることが可能であるとともに、流体管1が配置されている筐体3内とケース本体9内との間で進退させることが可能となっている。尚、進退駆動部6は、内部がケース本体9内と水密に連通しているとともに、開放することで進退駆動部6の内部と外部とを連通させることが可能な図示しない排水弁を備えている。
【0020】
カッタ部材4は、流体管1を切断するために流体管1の直径よりも長寸の直径に形成されている。また、カッタ部材4は、軸部材6aの先端部に固設されているとともに、軸部材6aと同一軸心であり、流体管1側に向けて伸びるドリル部材4aを備えている。
【0021】
尚、これらカッタ部材4及びドリル部材4aは、図1に示すように、伸長されていない状態の収納ケース5の左右幅寸法よりも長寸の左右幅寸法に形成されている。このため、開閉弁7が解放されている状態の筐体3と収納ケース5とが水密に接続されることで、カッタ部材4及びドリル部材4aの両先端部は、開閉弁7よりも流体管1側で流体管1の外周面に近接して配置される。
【0022】
このように構成された切断装置2で流体管1を切断するには、先ず、図1に示すように、流体管1の切断する所定箇所に筐体3を水密に取り付け、筐体3に右方からカッタ部材4を収納した収納ケース5を水密に接続する。尚、収納ケース5の左右幅寸法は、予め操作ボルト・ナット10を回動操作することで筒体8に対してケース本体9を左方向に移動させることで、最短となるように調整しておく。
【0023】
このとき、筐体3と収納ケース5が接続されることで、流体管1の一部は水密的に密封される。つまり、本実施例においては、筐体3と収納ケース5とで本発明における密封ケースが構成される。更に、前述したように、カッタ部材4及びドリル部材4aの先端部が流体管1の外周面に近接配置される。
【0024】
そして、図2に示すように、進退駆動部6に設けられた図示しない排水弁を開放操作した後、進退駆動部6を駆動させることで、軸部材6aを介してカッタ部材4を回転させながら流体管1に向けて進出させていく。このとき、流体管1の所定切断箇所は、ドリル部材4aによって穿孔されながら、ドリル部材4aの周囲をカッタ部材4によって切断されていく。尚、このカッタ部材4が流体管1を切断したことで生じた流体管1の切片1aは、切片1aに対して穿孔されたドリル部材4aによってカッタ部材4内に保持される。
【0025】
更に尚、このとき、カッタ部材4が回転しながら流体管1を切断していくことで、ケース本体9には軸部材6aの周方向を向く回転モーメントが生じるが、筒体8とケース本体9とが複数の固定ボルト・ナット23によって接続されているため、ケース本体9の軸部材6aの周方向への回転が防止されている。
【0026】
一方、流体管1内を流れる流体は、流体管1が切断されることで流体管1内から筐体3及び収納ケース5内に流出し、これら筐体3内及び収納ケース5内を満たすとともに、開放されている前記排水弁から切断装置2外に排水される。尚、カッタ部材4が流体管1を切断したことで生じる切り粉は、この流体管1から前記排水弁に向けて生じる水流に乗って切断装置2外に排出される。
【0027】
更に尚、収納ケース5を構成する筒体8とケース本体9とは、流体管1内から流入する流体による流体圧を受けるが、筒体8に対するケース本体9の右方向への移動は、複数の操作ボルト・ナット10及び固定ボルト・ナット23によって規制されているため、収納ケース5の流体圧による伸長は防止されている。
【0028】
次に、前記排水弁を閉止した後、図3に示すように、進退駆動部6を逆転駆動させることで軸部材6aを退行させ、カッタ部材4及び切片1aを筐体3内から収納ケース5内に向けて移動させる。このとき、カッタ部材4の右側部及び切片1aの一部は収納ケース5内に配置されるとともに、カッタ部材4の先端部は、開閉弁7よりも左方側に配置される。
【0029】
更に、筒体8とケース本体9のフランジから固定ボルト・ナット23を全て取り外した後、各操作ボルト・ナット10を順次回動操作することで、筒体8に対するケース本体9の右方向への移動範囲を許容していく。このとき、ケース本体9には流体圧がかかっているため、作業者は、これら操作ボルト・ナット10の回動操作を行うのみで、収納ケース5を右方向に向けて伸長させることができるとともに、操作ボルト・ナット10が許容している移動範囲内のみでケース本体9の右方向への移動が可能となっているため、収納ケース5の流体圧による急激な伸長が防止されている。つまり、これら操作ボルト・ナット10は、本発明における伸縮規制手段を構成している。
【0030】
この収納ケース5の右方向に向けての伸長により、ケース本体9に進退駆動部6の軸部材6aを介して接続されているカッタ部材4は、流体管1から離間する方向である右方に向けて、ケース本体9が右方向に移動した距離だけ移動する。
【0031】
尚、収納ケース5は、ケース本体9が流体圧によって右方向に移動したことで、カッタ部材4及びドリル部材4aよりも長寸の左右幅寸法に形成される。このため、収納ケース5内には、カッタ部材4、ドリル部材4a及び切片1aが完全に収納される。つまり、カッタ部材4及びドリル部材4aの先端部は、開閉弁7よりも右方側に配置される。
【0032】
カッタ部材4、ドリル部材4a及び切片1aが収納ケース5内に収納された後は、図3に示すように、開閉弁7をスライド移動させることで筐体3内を水密に密閉するとともに、収納ケース5を筐体3から取り外し、切断装置2による流体管1の切断を終了する。
【0033】
次に、このように内部に本発明における所定切断箇所である流体管1の切断箇所を有する筐体3内に制流体11を挿入配置する制流体設置装置12について説明する。
【0034】
制流体設置装置12は、図5に示すように、前述したように流体管1に取り付けられている筐体3と、流体管1の切断箇所である筐体3内に挿入配置される制流体11と、この制流体11を収納する収納ケース13と、制流体11を筐体3内と収納ケース13内との間で進退させることが可能な進退駆動部14と、から主に構成されている。
【0035】
収納ケース13は、図5に示すように、筐体3の右端部と水密に接続可能であり左右方向に連通するベース体15と、このベース体15の右端部に接続されるとともに、ベース体15よりも上下幅寸法が短寸に形成された移動体16と、から構成されている。収納ケース13は、これらベース体15と移動体16とによって、左右幅寸法を伸縮自在な入れ子構造となっているとともに、ベース体15と移動体16間は、図示しないパッキンによって水密に保持されている。
【0036】
尚、ベース体15と移動体16とは、図5及び図9に示すように、それぞれのフランジを介して複数の操作ボルト・ナット17によって接続されており(本実施例では1本のみ図示)、これら操作ボルト・ナット17を回動操作することで、ベース体15に対して移動体16を左右幅方向に移動させることが可能となっている。
【0037】
ベース体15内の左部における下端部には、図6及び図11に示すように、上下方向を向く貫通孔15aが前後一対となって形成されている。これら貫通孔15a内には、上端部に前後方向を向く枢軸18aを備えた基部18が挿入配置されており、両枢軸18aには、支持ローラ19が回動可能に枢支されている。また、両貫通孔15aには、下方から操作ネジ20が螺挿されている。これら操作ネジ20の上端部は、基部18の下端部に遊嵌されている。このため、両基部18に枢軸18aを介して設けられている支持ローラ19は、操作ネジ20の螺挿に伴い、貫通孔15a内からのベース体15内への突出量を調整可能となっている。
【0038】
進退駆動部14は、図5に示すように、移動体16の右側端部に水密に接続されている。この進退駆動部14の左部からは、収納ケース13内に、流体管1に向けて水平に軸部材14aが延設されている。進退駆動部14は、油圧や電力等の動力により、この軸部材14aを、流体管1が配置されている筐体3内と収納ケース13内との間で進退させることが可能となっている。
【0039】
また、軸部材14aの先端部には、軸部材14aと制流体11とを接続するためのブラケット14bが取り付けられている。このブラケット14bには、前後方向を向く図示しない枢軸に回動可能に枢支されている補助ローラ21が設けられており、この補助ローラ21は、ベース体15内の下端面に当接している。このため、補助ローラ21は、前述の進退駆動部14の駆動によって、ベース体15内の下端面上を転動しながら軸部材14a及びブラケット14bとともにベース体15内を移動するようになっている。尚、進退駆動部14は、内部が移動体16内と水密に連通しているとともに、開放することで進退駆動部14の内部と外部とを連通させることが可能な図示しない排水弁を備えている。
【0040】
制流体11は、図6、図7及び図8に示すように、筐体3の右部の内部形状と略同一形状の円形(図示せず)に形成された蓋部11aと、この蓋部11aから左方に向けて伸びる制水部11bとから構成されている。蓋部11aの右部には、ブラケット14bが接続可能となっている。また、制水部11bは、筐体3内に突設されているガイド片3b,3b(図4参照)間に挿入配置可能な前後幅寸法に形成されているとともに、上端部と下端部とは、右側から左側にかけて制水部11bの上下幅方向の中央部に向けて傾斜をなすテーパー面11cに形成されている。つまり、本実施例における制流体11は、右方から左端部である先端部にかけて先細りの形状に形成されている。
【0041】
更に、これらテーパー面11cである制水部11bの上下端縁部及び左端縁部と蓋部11aの周縁部には、弾性を有するゴム等で構成された密着部22が一体となって配設されている。尚、これらテーパー面11cの傾斜は、筐体3内に形成されているテーパー面3aの傾斜と同一角度である。
【0042】
制水部11bの下部には、制水部11bの正面側及び背面側に向けて一対のレール部11dが設けられている。これらレール部11dは、制流体11の進退方向である制流体11の左右幅方向に向けて水平に延設されている。また、これらレール部11dの下面には、制流体11が収納ケース13内に収納されることで、各支持ローラ19が下方から当接するようになっている。つまり、本実施例における制流体11は、収納ケース13内に収納されている状態では、左部側の荷重をレール部11dを介して支持ローラ19にて滑動可能に支持されるとともに、右部側の荷重をブラケット14bを介して補助ローラ21にて支持されるようになっている。
【0043】
このように構成された制流体設置装置12を用いて筐体3内に制流体11を設置するには、先ず、図5に示すように、前述の流体管1の切断後に、切断装置2の一部である収納ケース5に換えて、本制流体設置装置12の一部である収納ケース13を、開閉弁7により水密に密閉されている筐体3に右方から水密に接続する。収納ケース13の左右幅寸法は、予め操作ボルト・ナット17を回動操作することでベース体15移動体16を右方向に移動させることで、最長となるように調整しておく。このとき、筐体3と収納ケース13が接続されることで、筐体3内と収納ケース13内とは水密的に密封される。
【0044】
そして、図9に示すように、進退駆動部14に設けられた図示しない排水弁を開放操作した後、開閉弁7を開放する。このとき、流体管1内を流れる流体は、収納ケース13内及び筐体3内を満たすとともに、開放されている前記排水弁から切断装置2外に排水される。
【0045】
次に、前記排水弁を閉止した後、各操作ボルト・ナット17を順次回動操作することで、ベース体15に対して移動体16を所定切断箇所としての筐体3内に向けて、左方向へ移動させるように押し込んでいく。このとき、移動体16は、左方向への移動に抗して収納ケース13内に満たされている流体から流体圧を受けるが、ベース体15が流体圧を受ける面積よりも移動体16が流体圧を受ける面積が小さいため、移動体16は、左方向への移動によって流体から受ける流体圧を少なくして移動することができる。
【0046】
更に、移動体16は、各操作ボルト・ナット17の回動操作によって左方向への移動がなされるため、作業者がさほど労力を要すること無く移動体16を左方向に向けて移動させることができる。移動体16の左方向に向けての移動が完了した後は、ベース体15と移動体16とを、それぞれのフランジを介して複数の固定ボルト・ナット23によって互いに相対移動不能に接続する。
【0047】
この移動体16の左方向への移動によって収納ケース13の左右幅寸法が短縮され、移動体16に進退駆動部14のブラケット14bを介して接続されている制流体11は、荷重を支持ローラ19及び補助ローラ21で支持された状態で筐体3内に向けて移動体16が左方向に移動した距離だけ移動する。このとき、制流体11の先端部は、開閉弁7よりも流体管1側にて、流体管1に近接配置される。
【0048】
この状態から進退駆動部14を駆動させることで、図10に示すように、制流体11を筐体3内に向けて移動させていく。このとき、制流体11は、支持ローラ19と補助ローラ21とによって下方から支持されているため、制流体11の荷重によってブラケット14bを介して軸部材14aに下方を向くモーメントが生じることが防止されている。更に、制流体11の上端部及び下端部は、前後の両ガイド片3b,3b間に挿通されていくため、流体から流体圧による前後方向の位置ずれが防止されている。そして、制流体11を筐体3内に完全に挿入配置することで、密着部22が制流体11と筐体3内との間で全体に亘って弾性変形し、筐体3内における流体の流路が完全に遮断される。
【0049】
尚、作業者は、図10及び図11に示すように、制流体11が所定量筐体3内に挿入配置された状態で両操作ネジ20を回動操作することで、支持ローラ19を貫通孔15a内に収納した後、前述したように制流体11を筐体3内に完全に挿入配置する。このように支持ローラ19のベース体15内への突出量を調整することで、補助ローラ21がベース体15内の下端部を制流体11が筐体3内に完全に挿入配置されるまでスムーズに転動可能とする。尚、補助ローラ21は、図10に示すように、制流体11が筐体3内に完全に挿入配置されると、開閉弁7よりも右側で停止する。
【0050】
図10及び図12に示すように、前記排水弁を開放して収納ケース13内の流体を排水した後、筐体3の外方から図示しない固定ボルトを制流体11の右側方に螺挿することで、制流体11を筐体3内に固定する。そして、ベース体15に設けられた図示しない操作口から作業者が手を入れることで、ブラケット14bから制流体11を取り外す。最後に、進退駆動部14を逆転駆動することで軸部材14a及びブラケット14bを収納ケース13内に収納した後、開閉弁7によって筐体3を閉止し、制流体11の筐体3内への設置を終了する。
【0051】
尚、本実施例では、前述のように制流体11の下端部を支持する支持ローラ19を、操作ネジ20を回動操作することでベース体15内への突出量を調整可能としたが、本実施例で用いた制流体11とは上下幅寸法が異なる制流体を用いる場合には、該制流体が有するレール部の位置に合わせて支持ローラ19の突出量を適宜調整することで、前記制流体を下方から支持することが可能となっている。
【0052】
以上、本実施例における切断装置2にあっては、カッタ部材4の先端部は、筐体3と前記収納ケース5とを接続することで開閉弁7よりも流体管1側で流体管1に近接して配置されるとともに、収納ケース5の伸長を利用して開閉弁7よりも流体管1から離間して移動可能となっているため、カッタ部材4を流体管1の切断を開始する位置まで移動させる進退駆動部6のストロークを短縮することができるばかりか、収納ケース5の伸長を利用してカッタ部材4の先端部を開閉弁7よりも流体管1から離間して移動することで、開閉弁7が開閉可能となる位置までカッタ部材4の先端部を流体管1から退行させる進退駆動部6のストローク量を短縮し、切断装置2全体を小型化することができる。
【0053】
また、流体管1が切断されたことで収納ケース5内に流入する流体の流体圧による収納ケース5の伸長を調整可能に規制する操作ボルト・ナット10が設けられているので、収納ケース5を、順次操作ボルト・ナット10を調整しながら流体圧によって伸長させていくことができるので、収納ケース5の急激な伸長を防止しながら、作業者等がさほど力を加えること無く収納ケース5の伸長を行うことができる。
【0054】
また、収納ケース5は、複数の入れ子状に分割されているので、収納ケース5の最大伸長量に対して収納ケース5をコンパクトに構成することができる。
【0055】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0056】
例えば、前記実施例では、流体管1に対してカッタ部材4を右方から進出させて流体管1の切断を行ったが、流体管1の上方に切断装置2を設置するための十分な空間が存在していれば、流体管1に対して上方に切断装置2を設け、上方からカッタ部材4を進出させて流体管1の切断を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 流体管
2 切断装置
3 筐体(第1ケース)
3a テーパー面
4 カッタ部材(切断刃)
5 収納ケース(第2ケース)
6 進退駆動部
7 開閉弁
10 操作ボルト・ナット(伸縮規制手段)
11 制流体
11c テーパー面
11d レール部
12 制流体設置装置
13 収納ケース
14 進退駆動部
15 ベース体
16 移動体
17 操作ボルト・ナット
19 支持ローラ
21 補助ローラ
22 密着部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設管の一部に密封状に密封ケースを設置し、該密封ケースに設けられた開閉弁を介して前記既設管を不断流状態にて切断する既設管の切断装置であって、
前記密封ケースは、前記既設管に対して固着され、前記開閉弁が設けられた第1ケースと、前記既設管を切断する切断刃及び該切断刃を前記既設管に対して進退可能な進退駆動部が設けられ、前記既設管に対して伸縮可能に形成された第2ケースと、から構成されており、
前記切断刃の先端部は、前記第1ケースと前記第2ケースとを接続することで前記開閉弁よりも前記既設管側で該既設管に近接して配置されるとともに、前記第2ケースの伸長を利用して前記開閉弁よりも前記既設管から離間して移動可能となっていることを特徴とする既設管の切断装置。
【請求項2】
前記既設管が切断されたことで前記密封ケース内に流入する流体の流体圧による前記第2ケースの伸長を調整可能に規制する伸長規制手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の既設管の切断装置。
【請求項3】
前記第2ケースは、複数の入れ子状に分割されていることを特徴とする請求項1または2に記載の既設管の切断装置。
【請求項4】
既設管の一部に密封状に密封ケースを設置し、該密封ケースに設けられた開閉弁を介して前記既設管を不断流状態にて切断する既設管の切断方法であって、
前記密封ケースは、前記既設管に対して固着され、前記開閉弁が設けられた第1ケースと、前記既設管を切断する切断刃及び該切断刃を前記既設管に対して進退可能な進退駆動部が設けられ、前記既設管に対して伸縮可能に形成された第2ケースと、から構成されており、
前記第1ケースと前記第2ケースとを接続することで、前記切断刃の先端部を前記開閉弁よりも前記既設管側で該既設管に近接して配置するとともに、前記進退駆動部によって前記切断刃を前記既設管に向けて移動させることで前記既設管を切断し、該既設管の切断後に、前記第2ケースの前記既設管に対する伸長を利用して前記切断刃の先端部を前記開閉弁よりも既設管から離間した位置に移動させることを特徴とする既設管の切断方法。
【請求項1】
既設管の一部に密封状に密封ケースを設置し、該密封ケースに設けられた開閉弁を介して前記既設管を不断流状態にて切断する既設管の切断装置であって、
前記密封ケースは、前記既設管に対して固着され、前記開閉弁が設けられた第1ケースと、前記既設管を切断する切断刃及び該切断刃を前記既設管に対して進退可能な進退駆動部が設けられ、前記既設管に対して伸縮可能に形成された第2ケースと、から構成されており、
前記切断刃の先端部は、前記第1ケースと前記第2ケースとを接続することで前記開閉弁よりも前記既設管側で該既設管に近接して配置されるとともに、前記第2ケースの伸長を利用して前記開閉弁よりも前記既設管から離間して移動可能となっていることを特徴とする既設管の切断装置。
【請求項2】
前記既設管が切断されたことで前記密封ケース内に流入する流体の流体圧による前記第2ケースの伸長を調整可能に規制する伸長規制手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の既設管の切断装置。
【請求項3】
前記第2ケースは、複数の入れ子状に分割されていることを特徴とする請求項1または2に記載の既設管の切断装置。
【請求項4】
既設管の一部に密封状に密封ケースを設置し、該密封ケースに設けられた開閉弁を介して前記既設管を不断流状態にて切断する既設管の切断方法であって、
前記密封ケースは、前記既設管に対して固着され、前記開閉弁が設けられた第1ケースと、前記既設管を切断する切断刃及び該切断刃を前記既設管に対して進退可能な進退駆動部が設けられ、前記既設管に対して伸縮可能に形成された第2ケースと、から構成されており、
前記第1ケースと前記第2ケースとを接続することで、前記切断刃の先端部を前記開閉弁よりも前記既設管側で該既設管に近接して配置するとともに、前記進退駆動部によって前記切断刃を前記既設管に向けて移動させることで前記既設管を切断し、該既設管の切断後に、前記第2ケースの前記既設管に対する伸長を利用して前記切断刃の先端部を前記開閉弁よりも既設管から離間した位置に移動させることを特徴とする既設管の切断方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−210677(P2012−210677A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77291(P2011−77291)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000105556)コスモ工機株式会社 (270)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000105556)コスモ工機株式会社 (270)
【Fターム(参考)】
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