説明

日射遮蔽制御装置

【課題】遮蔽度を調節する所定期間を長くしても屋内に居る人が採光部を見たときに眩しさを感じることがないように昼光利用を行うことができ、そのため照明エネルギの低減が図れるとともに屋内の環境を快適に維持することを可能とする。
【解決手段】制御手段3が日射状態推定手段4によって推定された日射状態の最大値若しくは最小値と遮蔽度とに基づいて採光部における眩しさ感の評価指標を推定した結果を取得するとともに取得した眩しさ感の評価指標が不快を示さない範囲となるように遮蔽度を調節する。故に遮蔽度を調節する所定期間を長く(例えば、本実施形態では30分)しても屋内に居る人が採光部を見たときに眩しさを感じることがないように昼光利用を行うことができ、そのため照明エネルギの低減が図れるとともに屋内の環境を快適に維持することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採光部による屋内への採光を制御する日射遮蔽制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化などの環境に対する懸念により省エネルギ化への社会的要求が増加している。特に、昼光(日光)の導入を利用した省エネルギ制御は、自然エネルギ利用として期待は高く、また昼光を採光部である窓から執務室内へ導入する場合、窓本来の機能である利用者の外部環境とのつながりを促すことから執務者の開放感や快適性の面からも有効と考えられる。このような背景により、近年の制御技術の発展に伴い、外環境の状態に合わした日射遮蔽をブラインドの開閉により自動的に行う日射遮蔽制御装置が普及しつつある。
【0003】
その一つとして本出願人は、屋外の日射状態と屋内における照明装置の配置情報とブラインドの開閉度とに基づいて採光部における眩しさ感の評価指標を推定し、眩しさ感の評価指標が不快を示す値でなくなるようにブラインドの開閉度を調節する日射遮蔽制御装置をすでに提案している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−120090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の従来例のように屋外の日射状態から採光部における眩しさ感の評価指標(以下、「評価指標」と略す。)を推定する場合、太陽高度や雲の影響等によって屋外照度が短時間(数分から数十分)の間に大きく変動することがあるため、ブラインドの開閉度(遮蔽度)を安定して調節するには直前の所定期間(例えば、30〜60分間)の屋外照度からその特性を評価し、当該特性に基づいて今回の所定期間におけるブラインドの開閉度を調節する必要がある。しかしながら、このような制御方式は連続した複数の所定期間における屋外照度がほぼ一定であることを前提としているため、太陽高度が相対的に低いために屋外照度の変化量が大きくなる朝夕の時間帯では評価指標が不快を示す値でなくなるようにブラインドの開閉度を調節することが困難であった。さらに、明るさに対する人の目の感度は明るさが増すほど低下するため、屋外照度の変化量が同程度であったとしても、屋外照度が相対的に高い昼間の時間帯に対して屋外照度が相対的に低い朝夕の時間帯においては人の目の感度が高くなっていることから、朝夕の時間帯では評価指標が不快を示す値でなくなるようにブラインドの開閉度を調節することがますます困難になる。
【0005】
また、過去の所定期間における屋外照度を移動平均することで未来の所定期間における屋外照度を推定することも可能であるが、雲の量が安定している晴天時や曇天時には有効であっても、雲の量が時々刻々と変化する天候時には屋外照度を適切に推定することは困難であり、しかも、移動平均することで不快と感じられたときの屋外照度の情報が欠落してしまうことから眩しさ感を低減することができない虞がある。
【0006】
上述のように、過去の所定期間における屋外照度と未来の所定期間における屋外照度がほぼ同程度であると仮定した従来例では、所定期間が長くなった場合に天候が大きく変動しなくても太陽高度と連動して変化する大気圏外から地表面への透過率の影響によって未来の所定期間における屋外照度(日射状態)の推定が困難となり、眩しさ感を低減することができなくなるという問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、遮蔽度を調節する所定期間を長くしても屋内に居る人が採光部を見たときに眩しさを感じることがないように昼光利用を行うことができ、そのため照明エネルギの低減が図れるとともに屋内の環境を快適に維持することが可能になる日射遮蔽制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、屋外の日射状態を取得する日射状態取得手段と、屋内に採光するための採光部に設けられ当該採光部から採光する光を遮蔽する遮蔽手段と、前記日射状態に基づいて日内の所定期間毎に遮蔽手段の遮蔽度を調節することにより屋内に入射する入射光量を制御する制御手段と、前記所定期間における日射状態に基づいて次の所定期間における日射状態の最大値若しくは最小値を推定する日射状態推定手段とを備え、前記制御手段は、前記日射状態推定手段によって推定された日射状態の最大値若しくは最小値と前記遮蔽度とに基づいて前記採光部における眩しさ感の評価指標を推定した結果を取得するとともに取得した眩しさ感の評価指標が不快を示さない範囲となるように前記遮蔽度を調節することを特徴とする。
【0009】
請求項1の発明によれば、制御手段が、前記日射状態推定手段によって推定された日射状態の最大値若しくは最小値と前記遮蔽度とに基づいて前記採光部における眩しさ感の評価指標を推定した結果を取得するとともに取得した眩しさ感の評価指標が不快を示さない範囲となるように前記遮蔽度を調節するので、遮蔽度を調節する所定期間を長くしても屋内に居る人が採光部を見たときに眩しさを感じることがないように昼光利用を行うことができ、そのため照明エネルギの低減が図れるとともに屋内の環境を快適に維持することが可能になる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明に於いて、前記日射状態推定手段は、太陽高度を考慮して日射状態を推定することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明によれば、太陽高度を考慮して日射状態を推定するので、推定精度が向上する。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記制御手段は、眩しさ感の評価指標が前記所定期間内に前記不快を示さない範囲から外れた場合、評価指標が不快を示さない範囲となるように当該所定期間内に前記遮蔽度を調節することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明によれば、眩しさ感の評価指標が前記所定期間内に前記不快を示さない範囲から外れた場合、評価指標が不快を示さない範囲となるように制御手段が当該所定期間内に前記遮蔽度を調節するので、日射状態の推定値が実際の日射状態から外れた場合にも採光部を見たときに感じる眩しさ感を低減することができる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記制御手段は、眩しさ感の評価指標が前記所定期間内に前記不快を示さない範囲から外れた場合、単調増加する関数と当該評価指標との積が所定のしきい値を超える場合にのみ、評価指標が不快を示さない範囲となるように当該所定期間内に前記遮蔽度を調節するとともに次回の所定期間との区切りでは遮蔽度を調節しないことを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明によれば、制御手段は、眩しさ感の評価指標が前記所定期間内に前記不快を示さない範囲から外れた場合、単調増加する関数と当該評価指標との積が所定のしきい値を超える場合にのみ、評価指標が不快を示さない範囲となるように当該所定期間内に前記遮蔽度を調節するとともに次回の所定期間との区切りでは遮蔽度を調節しないので、必要性が高い、つまり、評価指標が不快を示さない範囲から大きく外れているときにだけ遮蔽度を調節することにより、遮蔽度を頻繁に調節したときに生じるハンチングを回避することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遮蔽度を調節する所定期間を長くしても屋内に居る人が採光部を見たときに眩しさを感じることがないように昼光利用を行うことができ、そのため照明エネルギの低減が図れるとともに屋内の環境を快適に維持することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
本実施形態の日射遮蔽制御装置は、図1に示すように屋外の日射状態を取得する日射状態取得手段1と、屋内に採光するための採光部(例えば、建物の壁面に開口する窓)に設けられ当該採光部から採光する光を遮蔽する遮蔽手段2と、日射状態取得手段1で取得する日射状態に基づいて日内の所定期間毎に遮蔽手段2の遮蔽度を調節することにより屋内に入射する入射光量を制御する制御手段3と、前記所定期間における日射状態に基づいて次の所定期間における日射状態の最大値若しくは最小値を推定する日射状態推定手段4とを備えている。
【0019】
日射状態取得手段1は、図示しない時計により現在の時刻を取得し、建物の立地条件(設置場所の緯度、経度)とに基づいて現在の太陽位置(高度及び方位角)を算出する機能と、照度計(図示せず)により各方位の鉛直面照度を例えば1分間隔で取得する機能と、太陽位置と照度計7aが測定する照度による日射状態から直射光の有無を判定する機能と、太陽位置と鉛直面照度より天候を判定する機能とを有している。なお、照度計は建物の屋上等のように屋外の適所に設けられている。但し、照度計の代わりに日射量を計測する日射量計を用い、日射量から照度へ変換するようにしても良い。
【0020】
遮蔽手段2は、採光部(窓)に設けられたベネチャンブラインド(以下、「ブラインド」という。)と、ブラインドの各スラットを鉛直面内において0度〜90度の範囲で回動する回動機構(図示せず)とを有しており、後述するように制御手段3により回動機構を制御してスラットの角度(鉛直方向における水平面からのスラットの傾き角であって、以下、「スラット角」と呼ぶ。)を変化させることで採光部から採光する光(太陽光)の遮蔽度が調節可能である。
【0021】
日射状態推定手段4は、日射状態取得手段1が1分ごとに取得した過去30分間(所定期間)の日射状態(鉛直面照度)からその時点の大気圏透過率(大気圏から地表面までの太陽光の透過率)及び次の所定期間における大気圏透過率の変動を予測するとともに、予測した大気圏透過率より、次の所定期間の開始時点(以下、「遮蔽度調節時点」と呼ぶ。)における日射状態(鉛直面照度)を推定する機能を有している。さらに詳しく説明すると、大気圏透過率PR、太陽高度h、地表面照度(水平面全天照度)ETHCには下記の関係が成立することが知られており(Bouguerp,Berlage,永田の式等)、
THC=f(PR,h)
任意時刻における地表面照度ETHC,太陽高度hが得られれば、当該時刻における大気圏透過率PRが求められるから、日射状態取得手段1で取得した所定期間における最大若しくは最小の地表面照度ETHCと当該時刻における太陽高度hから上記式を用いて大気圏透過率PRを逆算し、当該大気圏透過率PRと次の遮蔽度調節時点における太陽高度hから日射状態を示す地表面照度ETHCを推定することができる。
【0022】
制御手段3は、遮蔽手段2の遮蔽度(ブラインドの開閉度)と、取得した照度及び太陽位置からなる日射状態に基づいて建物内に居る人が座位の状態で感じる眩しさ感を環境シミュレーションによりリアルタイムで推定し、この推定した眩しさ感が、不快を示さない範囲となるようにブラインドの開閉度を決定する機能と、ブラインドのスラット角が決定した開閉度に一致するように遮蔽手段2の回動機構を制御する機能とを有している。但し、ブラインドの開閉度とはブラインドが動作する範囲の内、動作可能な開閉度であり、例えば、ブラインドがスラット角θ=0度〜90度の内、10度刻みに動作可能なベネチャンブラインドからなる場合では、0度,10度,20度,30度,…,90度となる。尚、ブラインドの開閉度は1度刻みあるいは5度刻みなどであってもよい。
【0023】
次に本実施形態の動作を図2のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では日射状態取得手段1における日射状態(鉛直面照度)の取得周期を1分、制御手段3が遮蔽手段2を制御して遮蔽度を調節する周期(以下、「制御周期」と呼ぶ。)を30分としているが、これらは一例であって1分や30分に限定する趣旨ではない。
【0024】
本実施形態の日射遮蔽制御装置が動作を開始すると、日射状態取得手段1が1分毎に日射状態を取得して半導体メモリのような記憶手段に記憶し、日射状態推定手段4が、既に説明したように制御周期(=30分)の間に記憶手段に記憶された日射状態(鉛直面照度)からその時点の大気圏透過率及び次の制御周期における大気圏透過率の変動を予測するとともに、予測した大気圏透過率より、次の制御周期の開始時点(遮蔽度調節時点)における日射状態(鉛直面照度)を推定する(S1)。
【0025】
続いて、日射状態推定手段4が推定した日射状態(鉛直面照度)を制御手段3が取り込み、ステップS2〜S5のループにおいて、制御手段3が最適なスラット角θの候補を0度〜90度の範囲で10度ずつ変化させてシミュレーションを行って求める。このループ内ではステップS3において環境シミュレーションにより眩しさ感の予測を行う。この予測では眩しさ感(グレア感)の評価指標PGSV(Predicted Glare Sensation Vote)を用いて眩しさ感(グレア感)を予測する。このPGSVは、昼光利用時における眩しさ感を評価する式として提案(戸倉、岩田他:「窓からの昼光によるグレア感の評価方法に関する実験的研究 その1 光環境実験室を用いた実験」、日本建築学会大会学術講演梗概 ,1992.8参照)されており、窓面に対する光源と背景の輝度対比と、居住者のグレア感(眩しさ感)を関連付けた式(数1参照)で表現される。
【0026】
【数1】

【0027】
Lb:背景輝度[cd/m
Lseq:相当均一輝度(光源輝度)[cd/m
ω: 光源の立体角[sr]
而して、制御手段3では上記式から求めた評価指標PGSVの値が不快とまでは感じない許容範囲内に収まっているか否かを判定し、許容範囲内に収まっていれば現在の候補をスラット角θに決定し、前記ループを抜ける。ここで評価指標PGSVの尺度は、表1に示す通りであって、この尺度から上記許容範囲を、例えば、0.0〜2.0の範囲に設定する。
【0028】
【表1】

【0029】
ループを抜けると、制御手段3は決定したスラット角θとなるように遮蔽手段2の回動機構を制御してブラインドの開閉度(遮蔽度)を調節する。
【0030】
上述のように本実施形態によれば、制御手段3が日射状態推定手段4によって推定された日射状態の最大値若しくは最小値と遮蔽度とに基づいて採光部における眩しさ感の評価指標を推定した結果を取得するとともに取得した眩しさ感の評価指標が不快を示さない範囲となるように遮蔽度を調節するので、遮蔽度を調節する所定期間を長く(例えば、本実施形態では30分)しても屋内に居る人が採光部を見たときに眩しさを感じることがないように昼光利用を行うことができ、そのため照明エネルギの低減が図れるとともに屋内の環境を快適に維持することが可能になる。特に、日射状態(鉛直面照度)の時間的な変動が大きくなる朝夕の時間帯においても、本実施形態の日射状態推定手段4によれば日射状態を高い精度で推定することができる。
【0031】
但し、日射状態推定手段4によって推定された日射状態(鉛直面照度)が実際の値から大きくずれることも考えられるので、このような場合には、制御周期の途中であっても、日射状態取得手段1で取得した現在の日射状態(鉛直面照度)から求められる評価指標PGSVの値が許容範囲内に収まるように、直ちに制御手段3が遮蔽手段2の遮蔽度を調節することが望ましい。例えば、日射状態取得手段1で日射状態を取得する周期(1分毎)に同期して、制御手段3がスラット角と日射状態より評価指標PGSVを求め、評価指標PGSVの値が許容範囲から外れている場合にスラット角を修正すればよい。
【0032】
ここで、制御手段3による制御周期を30分というようにある程度長くしているのは、遮蔽手段2たるブラインドのスラット角の調節が連続的ではなく段階的に為され、またスラット角を変更する際の回動機構の動作音やちらつきを避ける必要があることに起因している。従って、遮蔽度調節時点でスラット角が調節された直後に評価指標PGSVが許容範囲を外れた場合と、制御周期が経過して次の遮蔽度調節時点に評価指標PGSVが許容範囲を外れた場合とでは、後者の場合の方がスラット角を修正した場合における居住者の感じる不快感は少ないはずである。そこで、例えば評価指標PGSVの値と許容範囲の上限値(例えば、2.0)との差に、制御周期内で単調増加する関数を乗算し、その積が所定のしきい値を超える場合にのみ、評価指標PGSVが許容範囲内となるように制御周期の途中で遮蔽度を調節するとともに次回の制御周期との区切り(遮蔽度調節時点)では遮蔽度を調節しないようにすれば、居住者の感じる不快感をより少なくすることができる。
【0033】
上述の処理について、図3のフローチャートを参照して詳しく説明する。
【0034】
図3のフローチャートは制御周期の途中における処理を示している。まず、制御手段3は記憶手段に記憶されている調節済みフラグのオン/オフを調べ(S10)、調節済みフラグがオンであれば何もせずに処理を終了し、調節済みフラグがオフであれば、日射状態取得手段1で取得する日射状態(鉛直面照度)や太陽位置等から評価指標PGSVを演算する(S11)。
【0035】
次に、制御手段3は変数(関数に相当)tをインクリメントするとともに評価指標PGSVの値と許容範囲上限値(=2.0)との差に変数tを乗算した積を変数Dに代入し(S12)、当該変数Dの値を所定のしきい値と比較し(S13)、変数の値Dがしきい値を超えていれば、遮蔽手段2の回動機構を制御してブラインドの開閉度(遮蔽度)を調節するとともに変数tを0に初期化した後、記憶手段の調節済みフラグをオンして処理を終了する(S14)。一方、制御周期の区切りである遮蔽度調節時点において、制御手段3は記憶手段に記憶されている調節済みフラグのオン/オフを調べ、調節済みフラグがオンであれば調節済みフラグをオフにして処理を終了し、調節済みフラグがオフであれば、図2のフローチャートに示した処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図2】同上の動作説明用のフローチャートである。
【図3】同上の他の動作説明用のフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
1 遮蔽手段
2 日射状態取得手段
3 制御手段
4 日射状態推定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外の日射状態を取得する日射状態取得手段と、屋内に採光するための採光部に設けられ当該採光部から採光する光を遮蔽する遮蔽手段と、前記日射状態に基づいて日内の所定期間毎に遮蔽手段の遮蔽度を調節することにより屋内に入射する入射光量を制御する制御手段と、前記所定期間における日射状態に基づいて次の所定期間における日射状態の最大値若しくは最小値を推定する日射状態推定手段とを備え、
前記制御手段は、前記日射状態推定手段によって推定された日射状態の最大値若しくは最小値と前記遮蔽度とに基づいて前記採光部における眩しさ感の評価指標を推定した結果を取得するとともに取得した眩しさ感の評価指標が不快を示さない範囲となるように前記遮蔽度を調節することを特徴とする日射遮蔽制御装置。
【請求項2】
前記日射状態推定手段は、太陽高度を考慮して日射状態を推定することを特徴とする請求項1記載の日射遮蔽制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、眩しさ感の評価指標が前記所定期間内に前記不快を示さない範囲から外れた場合、評価指標が不快を示さない範囲となるように当該所定期間内に前記遮蔽度を調節することを特徴とする請求項1又は2記載の日射遮蔽制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、眩しさ感の評価指標が前記所定期間内に前記不快を示さない範囲から外れた場合、単調増加する関数と当該評価指標との積が所定のしきい値を超える場合にのみ、評価指標が不快を示さない範囲となるように当該所定期間内に前記遮蔽度を調節するとともに次回の所定期間との区切りでは遮蔽度を調節しないことを特徴とする請求項3記載の日射遮蔽制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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