説明

日射遮蔽装置の幕体

【課題】
ローマンシェード等の幕体を昇降させる日射遮蔽装置において、メリハリのある意匠を幕体に付与することにある。
【解決手段】
昇降させる幕体に上下1列以上の左右に延長するフロントバーを配置する日射遮蔽装置において、フロントバーを幕体の前面側に逢着されて左右方向に延長又は整列する取付部材と、その取付部材に被せられて左右に延長する外被部材とから形成し、外被部材は、硬質合成樹脂製の割りスリーブ状管材とし、取付部材は、左右に延長する中心線に沿って生地に逢着される軟質合成樹脂製板材又は繊維性テープ材とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローマンシェード等の幕体を昇降させる日射遮蔽装置の幕体に関する。
【背景技術】
【0002】
ローマンシェード等の幕体を昇降させる日射遮蔽装置において、平坦な生地からなる幕体の意匠性を向上するため、幕体の片面に複数の水平方向に延長する袋部を設け、その袋部にフロントバーを挿入し、幕体前面に横段模様を形成することは周知である。しかし、この袋部とフロントバーによる横段模様は表面が幕体の共生地であるため、意匠としては、メリハリに乏しいという問題があった。
【特許文献1】実開昭58−178988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、その課題は、ローマンシェード等の幕体を昇降させる日射遮蔽装置において、メリハリのある意匠を幕体に付与することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を達成するため、本発明が採用する手段は、幕体を昇降させる日射遮蔽装置において、幕体に少なくとも1本の左右に延長するフロントバーを配置し、そのフロントバーを幕体の前面側に逢着されて左右方向に延長又は整列する取付部材と、その取付部材に外装されて左右に延長する外被部材とから形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、上記手段により、日射遮蔽装置の幕体前面において、幕体の平面生地から突出するフロントバーの外被部材が立体的なメリハリのある横段模様を形成するから、幕体前面の意匠性は格段に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
取付部材は、軟質合成樹脂製板材又は繊維製テープ材とし、幕体生地に逢着することが好ましい。外被部材は、硬質合成樹脂製又はアルミ型材製の割りスリーブ状管材とし、幕体生地の側端面から左右方向に滑らせて取付部材に脱着自在に被せることが可能なものが好ましい。必要であれば、外被部材の内部には変形を防止する補強リムを設け、外部には化粧フィルムを貼着する。
【実施例】
【0007】
本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の幕体を備えるローマンシェードの前面図及び側面図、図3は、フロントバーの断面図、図4は、別のフロントバーの断面図である。
【0008】
図1及び図2に示すように、ローマンシェード1の幕体2は、上端部がヘッドフレーム3に取着されて垂下する生地4からなる。生地4の前面側には複数のフロントバー5が上下等間隔に配置されている。フロントバー5は生地4の平坦な表面から突出し立体的なメリハリのある横段模様を形成する。フロントバー5の両側端にはキャップ6が嵌められる。
【0009】
図3に示すように、フロントバー5は生地4に逢着される取付部材7と、その取付部材に被せられる外被部材8とからなる。取付部材7は、生地4の横幅すなわち左右方向に延長する軟質合成樹脂製の型板材であり、その横断面は、前面側に開口するコ字形凹部の上端部が垂直上方に、下端部が垂直下方にそれぞれ折れて延長する形状である。取付部材7は、その左右方向に延長する中心線に沿って生地4に逢着される。
【0010】
外被部材8は、硬質合成樹脂製の割りスリーブ状管材であり、その横断面は、C字形であるが、内面中央から補強リム9が突出する。外被部材8の外周には、化粧フィルム10が貼着されている。この外被部材8は、生地4の一方の側端部、例えば、左端部において、右端部を取付部材7の左端部に外嵌して左端側へ滑らせることにより容易に取付部材7に外挿することができる。このとき、リム9は、取付部材7のコ字形開口に入り、取付部材7の上下両縁は、外被部材8の上下凹部に入る。
【0011】
取付部材7に外挿した外被部材8の両端にキャップ6を嵌めて外被部材8の生地4上の位置を固定する。外被部材8は生地4の平坦な表面から判然と突出し、立体形状としてメリハリのある横段模様を描く。又、外被部材8に貼着する化粧フィルム10の色彩及び模様を適宜選択すると、幕体前面の意匠はさらに多様化する。。
【0012】
生地4をクリーニングする場合、キャップ6を取り、外被部材8を左右方向に滑らせて取付部材7から引き抜き、生地4から外被部材8を外す。取付部材7は軟質であるから、生地4は取付部材7を付けたままでクリーニングすることができる。
【0013】
図4に示すフロントバー5aの取付部材7aは、厚めの繊維製テープ材であり、外被部材8は、図3に示すものと同じである。取付部材7aは、横断面が薄幅な矩形であり、左右方向に延長する中心線に沿って生地4に逢着される。外被部材8が外挿されると、取付部材7aの上下両縁は、外被部材8の上下凹部に入る。このフロントバー5aのその他の構成及び効果は、前記フロントバー5と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の幕体を備えるローマンシェードの前面図、
【図2】図1のローマンシェードの側面図、
【図3】フロントバーの断面図、
【図4】別のフロントバーの断面図。
【符号の説明】
【0015】
1:ローマンシェード
2:ヘッドフレーム
3:幕体
4:生地
5、5a:フロントバー
6:キャップ
7、7a:取付部材
8:外被部材
9:リム
10:化粧フィルム




【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降する幕体に少なくとも1本の左右に延長するフロントバーが配置される日射遮蔽装置において、前記フロントバーは前記幕体の生地の前面側に逢着されて左右方向に延長又は整列する取付部材と、前記取付部材に被せられて左右に延長する外被部材とからなることを特徴とする日射遮蔽装置の幕体。
【請求項2】
外被部材は、両端にキャップが嵌着されることを特徴とする請求項1に記載の日射遮蔽装置の幕体。
【請求項3】
外被部材は、硬質合成樹脂製又はアルミ型材製の割りスリーブ状管材であることを特徴とする請求項1に記載の日射遮蔽装置の幕体。
【請求項4】
外被部材は、C字形断面であり、内面中央に補強リムを備えることを特徴とする請求項3に記載の日射遮蔽装置の幕体。
【請求項5】
取付部材は、生地に逢着される軟質合成樹脂製板材であり、前記板材の横断面は、前面側に開口するコ字形凹部の上端部が上方に下端部が下方にそれぞれ折れて延長する形状であり、前記コ字形凹部に外被部材の補強リムが入ることを特徴とする請求項4に記載の日射遮蔽装置の幕体。
【請求項6】
取付部材は、生地に逢着される繊維製テープ材であることを特徴とする請求項1に記載の日射遮蔽装置の幕体。























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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