説明

昇降用給電装置

【課題】電動昇降装置の固定側から電気機器へ電力または電気信号を外観上シンプルな構成により給電できるようにする。
【解決手段】器具3のベルト掛け4にベルト5を巻きかけ、ベルト5の一端を支持体7に固定するとともに、ベルト5の他端をベルト巻き取りドラム8に巻き付けて固定し、ベルト巻き取りドラム8をギヤ付きモータ9により駆動することにより、器具3およびこれと一体の電気機器10を昇降させる電動昇降装置2において、ベルト5を絶縁体で構成し、その平坦な面にベルト長手方向にそって複数の導電体11を形成しておき、導電体11を電源回路12に接続するとともに、複数の接触子13を対応の導電体11に接触させ、各接触子13を電気機器10に接続して昇降用給電装置1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器を昇降させる電動昇降装置において、電動昇降装置の固定側から昇降側の電気機器へ電力または電気信号を給電する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊戯機、特にパチンコ機による遊戯中に、遊戯者の喫煙のため、遊戯場は、煙の充満により不衛生な状態となりやすい。この対策として、特許出願人は、特許文献1の特許出願により「煙消臭消却装置」を提案している。その煙消臭消却装置は、天井などに吊り具およびワイヤーにより昇降自在に取り付けられ、煙消臭消却装置への給電は、専用のコードにより行われる。専用のコードは、昇降範囲に対応して充分に長くしてある。このため長いコードの納まりが悪く、またワイヤーやコードの数が多くなり、外観上も好ましくない。この欠点は、特許文献2でもいえる。
【特許文献1】特願2004−003291
【特許文献2】特開平7−211127公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は、電気機器を昇降させる電動昇降装置において、電動昇降装置の固定側から昇降側の電気機器へ電力または電気信号を外観上シンプルな構成により給電できるようにすることであり、また電気機器を消煙消臭器により構成することによって遊戯場などでの遊戯者の喫煙によるたばこ煙を速やかに吸着しかつ消臭しながら消煙できるようにするすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題のもとに、本発明は、吊り下げ用の器具に取り付けられている1または2以上のベルト掛けにベルトを巻きかけ、このベルトの一端を支持体に固定するとともに、ベルトの他端をベルト巻き取りドラムに巻き付けて固定し、このベルト巻き取りドラムをギヤ付きモータによって駆動することにより、器具および器具に取り付けられている電気機器を昇降させる電動昇降装置において、上記ベルトを絶縁体により構成し、絶縁体製のベルトの平坦な面にベルト長手方向にそって複数の導電体を形成しておき、導電体をベルトの固定側で電源回路に接続するとともに、器具に取り付けられている複数の接触子を対応の導電体に接触させ、さらにそれぞれの接触子を電気機器に接続することによって、昇降用給電装置を構成している(請求項1)。
【0005】
また、本発明は、電気機器に2つのベルトの一端を固定するとともに、各ベルトの他端をそれぞれ対応のベルト巻き取りドラムに固定して巻き付け、これらのベルト巻き取りドラムを巻き掛け伝導手段により連動させ、ベルト巻き取りドラムをギヤ付きモータによって駆動することにより、電気機器を昇降させる電動昇降装置において、上記少なくとも1つのベルトを絶縁体により構成し、絶縁体製のベルトの平坦な面にベルト長手方向にそって複数の導電体を形成しておき、これらの導電体とベルト巻き取りドラムの近くに取り付けられている複数の接触子とを電気的に接触させ、これらの接触子を電源回路に接続するとともに、導電体を電気機器に接続することによって、昇降用給電装置を構成している(請求項2)。
【0006】
電気機器を消煙消臭器とし、この消煙消臭器を、光触媒層付きプラス電極板と、このプラス電極板に対向して配置されているマイナス電極および紫外線ランプと、プラス電極板とマイナス電極との間に接続される放電回路と、紫外線ランプに接続される点灯回路とで構成し、電源回路を放電回路および点灯回路により構成するとともに、プラス電極板およびマイナス電極と放電回路との接続、および紫外線ランプと点灯回路との接続を導電体と接触子とで行うようにしている(請求項3)。さらに、本発明は、ベルトの両方の面に導電体を形成し、一方の面の導電体と他方の面の導電体とをそれぞれ異なる回路に利用している(請求項4)。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る昇降用給電装置によると、次の効果が得られる。ギヤ付きモータによるベルトの巻き上げ機能・巻き戻し機能によって、電気機器が最も適切な位置に設置でき、それにより2つの機能が最大限に有効に利用できる(請求項1および請求項2)。幅のあるベルトにより吊り下げられているから、電気機器の吊り下げ状態でその方向が安定し、電気機器の機能を有効に利用できる(請求項1および請求項2)。特に、絶縁体製のベルトに複数の導電体が一体に形成されているから、ベルトの他に専用のコードが必要とされず、吊り下げ構造が単純化できるほか、電気機器の上下動に際しても、たるむコードなどもないので、外観上も有利である(請求項1および請求項2)。電気機器が動滑車に吊り下げられているから、ギヤ付きモータのトルクが電気機器を直接吊り下げる方式に比較して半分になる(請求項1)。2つのベルトが同時に巻き上げ・巻き戻しされるため、電気機器が平行移動し、常に所定の姿勢が保たれる(請求項2)。
【0008】
本発明に係る昇降用給電装置において、電気機器が消煙消臭器であると、煙集着用のプラス電極板とマイナス電極との荷電作用によって、煙粒子が主としてプラス電極板に吸着され、吸着された煙粒子が光触媒層により消臭されるため、たばこ煙の拡散が防止できる。また、光触媒層の存在によって、防汚効果、抗菌効果も期待できる。特に、消煙消臭器の昇降機能によって、プラス電極板、マイナス電極および紫外線ランプの高さが電気的なスイッチ操作によって調節できるから、消煙消臭に効果のある位置に消煙消臭器が設置できる(請求項3)。
【0009】
本発明に係る昇降用給電装置において、ベルトの各面の導電体が異なる回路に使い分けられ、各面の導電体の間に絶縁製のベルトが介在しするため、両面の導電体間の電気的な絶縁性が高く、沿面距離も充分に確保できる。したがって、両面の導電体の間で短絡や電気的な干渉などが未然に防止できる(請求項4)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1ないし図3は、本発明に係る昇降用給電装置1の構成を示している。これらの図において、昇降用給電装置1は、電動昇降装置2に組み込まれている。電動昇降装置2は、吊り下げ用の器具3に取り付けられているベルト掛け4にベルト5を巻きかけ、このベルト5の一端をベルト止め具6により支持体7に固定するとともに、ベルト5の他端をベルト巻き取りドラム8に巻き付けて固定し、このベルト巻き取りドラム8をギヤ付きモータ9によって駆動することにより、器具3および器具3に取り付けられている電気機器10を動滑車吊り下げ方式として昇降させる。
【0011】
ベルト掛け4は、1または2以上設けられるが、図示の例で水平方向の2個の固定ピンにより構成されている。このため、ベルト5は、固定ピンによるベルト掛け4の外周面に対して滑るようになっている。しかし、ベルト掛け4は、固定ピンでなく、器具3に対して回転可能なピンあるいは回転可能な滑車(動滑車)により構成することもでき、その構成によると、ベルト5は、回転可能なピンあるいは回転可能な滑車(動滑車)に対して摩擦抵抗のない状態で軽快に転がり移動することになる。なお、ベルト5は、ベルト止め具6により支持体7に固定されるが、この支持体7は、電動昇降装置2を天井や梁などに固定するための取り付け板としても用いられ、同時にギヤ付きモータ9を取り付け、かつ電気機器10を吊り下げる部分としても機能する。
【0012】
また、ギヤ付きモータ9は、正逆回転可能な例えばDCモータにより構成し、支持体7の上面に取り付けられ、その出力軸21に取り付けられているベルト巻き取りドラム8をベルト5の巻き取り方向または巻き戻し方向に回転駆動する。このギヤ付きモータ9の制御は、モータ制御ボックス22に接続されている正回転スイッチ23、正逆回転スイッチ24によりモータ制御ボックス22の位置で行えるようになっている。
【0013】
そして、本発明は、上記の電動昇降装置2において、上記のベルト5を絶縁体例えば厚み0.75mm、幅50mm程度のガラス繊維製織りベルトにより構成し、その平坦な面にベルト長手方向にそって複数の導電体11を形成しておき、導電体11をベルト5の固定側で電源回路12に接続するとともに、器具3に取り付けられている複数の接触子13を対応の導電体11に接触させ、さらにそれぞれの接触子13を電気機器10に接続して、昇降用給電装置1を構成している。
【0014】
図4および図5は、複数の導電体11と複数の接触子13とを示している。これらの図において、導電体11は、ベルト5の外側の面に適当な間隔をおいて銅箔などにより、例えば3本独立に形成されている。3つの接触子13は、器具3の絶縁台25に固定されており、それ自体の弾力または図示しないが押しスプリングの弾力によって各導電体11に接し、電気的に導通し得る状態となっている。なお、接触子13の取り付け位置は、2つのベルト掛け(固定ピン・回転可能なピン・回転可能な滑車)4の間、またはいずれかのベルト掛け(固定ピン・回転可能なピン・回転可能な滑車)4の下とする。接触子13の取り付け位置を2つのベルト掛け4の間とし、絶縁台25の高さをねじやくさび状の調節具により調節可能とすれば、ベルト5の張力の合力変化によって、導電体11と接触子13との接触圧が調整できるので有利である。
【0015】
特に、本発明は、最良の実施形態として、電気機器10を消煙消臭器14としている。図2、図3および図6は、消煙消臭器14の構成を示している。これらの図で、消煙消臭器14は、光触媒層15を表面に有するプラス電極板16と、このプラス電極板16に対向して配置されているマイナス電極17および紫外線ランプ18と、プラス電極板16とマイナス電極17との間に接続される放電回路19と、紫外線ランプ18に接続される点灯回路20とで構成さている。ここで放電回路19および点灯回路20は、ベルト5の固定側で支持体7に設けられている電源回路12を構成している。
【0016】
なお、光触媒層15は、プラス電極板16の表面に、光触媒の消臭効果、防汚効果、抗菌効果を得るために用いられる。その光触媒は、代表的なものとして、二酸化チタンであるが、二酸化チタンは、絶縁体である。そこで、光触媒層15は、プラス電極板16の少なくとも内側の表面に網状または多孔質の状態として形成され、部分的に金属板(導電板)を露出させ、マイナス電極17対する導電性を確保するか、または導電性の金属粉末例えばアルミニュウム粉末を混入した光触媒をプラス電極板16の少なくとも内側の表面全域に形成して、プラス電極板16の光触媒層15の表面全域で導電性を付与することによって、プラス電極板16とマイナス電極17との放電を容易化する。
【0017】
マイナス電極17および紫外線ランプ18は、1または2以上用意され、プラス電極板16の左右の側板の中間位置でそれらに対向する状態で上下方向に配置され、上端部においてプラス電極板16の上面板に電気的に絶縁状態で取付けられている。この例では3個のマイナス電極17と2個の紫外線ランプ18とが中間線上で交互に配置されている。なおマイナス電極17は、電極ロッドに複数の針電極を固定し、各針電極をプラス電極板16の側板に向けて突出させた構造となっている。
【0018】
図6は、プラス電極板16とマイナス電極17との間に接続される放電回路19および紫外線ランプ18に接続される点灯回路20を示している。放電回路19および点灯回路20は、ともに電源26に接続されており、放電回路19は、専用の電線27および共通の電線29によりプラス電極板16、マイナス電極17に接続されている。放電回路19の出力電圧は、プラス電極板16とマイナス電極17との距離や電極形状によるが、例えばDC10kV以上であり、設置環境に応じて調節できるようになっている。また、点灯回路20は、専用の電線28および共通の電線29により紫外線ランプ18に接続されている。これらの電線27、28、29は、途中でそれぞれ3本の導電体11および3個の接触子13により接続されている。
【0019】
上記構成の消煙消臭器14は、電動昇降装置2により遊戯場の天井などに支持体7により取付けられる。このとき、プラス電極板16の側板は、取付け位置での空気の流れ方向に対して平行となるように取付けられる。取り付け後、操作者は、モータ制御ボックス22の正回転スイッチ23または逆回転スイッチ24をオンオフさせ、消煙消臭器14を最も適当な高さに設定する。なお、ベルト5の上昇・下降の限界位置に小さな孔を形成し、この孔と光センサーとを組み合わせるか、またはベルト5の上昇・下降の限界位置に薄い磁気シートを貼付し、この磁気シートと磁気センサーとを組み合わせることによって、消煙消臭器14の上昇限界位置または下降限界位置において、ギヤ付きモータ9を強制的に停止させることもできる。
【0020】
電気機器10としての消煙消臭器14が動滑車方式のもとに吊り下げられているから、ギヤ付きモータ9のトルクが消煙消臭器14を直接吊り下げる方式に比較して半分になり、また幅のあるベルト5により吊り下げられているから、消煙消臭器14の吊り下げ状態でその方向が安定し、その機能を有効に利用できる。特に、絶縁体製のベルト5に複数の導電体11が一体に形成されているから、ベルト5の他に専用のコードが必要とされず、吊り下げ構造が単純化できるほか、消煙消臭器14の上下動に際しても、たるむコードなどもないので、外観上も有利である。
【0021】
この状態で、放電回路19は、その出力によりプラス電極板16とマイナス電極17との間にコロナ放電を持続させ、また点灯回路20は、紫外線ランプ18を連続的に点灯させる。これによって、消煙消臭器14は、動作状態(放電・点灯状態)となる。このときコロナ放電は、取付け位置での空気の流れにより電離域に入り込んだたばこ煙粒子を荷電(帯電)状態とする。帯電状態のたばこ煙粒子は、流れの過程で、主としてプラス電極板16に吸引され、その表面に付着する。これにより、たばこ煙の拡散が防止でき、消煙が行われる。
【0022】
同時に紫外線ランプ18からの紫外線が光触媒層15に照射されると、光触媒層15の光触媒は、光エネルギーを吸収し、励起されることによって、活性化し、酸化・還元反応を促進し、プラス電極板16の表面に付着したたばこ煙粒子や微粒子を消臭すると同時に抗菌作用を営む。これによって、たばこ煙による悪臭が解消され、菌の増殖も抑えられるため、室内環境の不衛生な状態が解消される。
【0023】
消煙消臭器14の使用によって、主としてプラス電極板16の表面にたばこ煙粒子や微粒子が付着するが、その他、マイナス電極17や紫外線ランプ18の表面にも、たばこ煙粒子や微粒子が付着する。このため、消煙消臭器14は、電動昇降装置2により低い位置まで引き下げて、空気吸引式の掃除機や水または蒸気の噴射式掃除機により定期的に清掃される。光触媒層15が光エネルギーを受けて、たばこ煙粒子や油分などの有機物を分解しており、しかも光触媒層15が親水性を有しているため、水または蒸気による清掃は洗い流しやすくなる。つまり光触媒層15は、防汚、セルフクリーニングとしても機能することになる。
【0024】
帯電状態のたばこ煙粒子や微粒子は、プラス電極板16とマイナス電極17との間の電界によって移動する。このため、プラス電極板16とマイナス電極17との間での空気の流れは、帯電状態のたばこ煙粒子や微粒子の移動に対して補助的なものであるが、必要に応じてフアンを付設し、所定の方向に強制的に発生させることもできる。
【0025】
なお、導電体11は、必要に応じてベルト5の両方の面にそれぞれ複数形成される。表面の導電体11は、放電回路19の配線に用いられ、裏面の導電体11は点灯回路20の配線に用いられる。このように、各面の導電体11がそれぞれ異なる回路に使い分けられると、各面の導電体11の間に絶縁性のベルト5が介在しするため、両面の導電体11間の電気的な絶縁性が高く、沿面距離も充分に確保できる。したがって、両面の導電体11の間で短絡や電気的な干渉などが未然に防止できる。また、各面の導電体11を強電用と弱電用(信号用)とに分けて利用することもできる。
【0026】
通常、放電回路19や点灯回路20は、支持体7に固定されるが、器具3の上面にケースなどとともに取り付けることもできる。放電回路19や点灯回路20が器具3の上面に取り付けられるとき、導電体11および接触子13は、電源26と放電回路19および点灯回路20との間に介在して、それらを通電状態とする。また、プラス電極板16は、円筒状あるいは角筒状として構成することもできる。円筒状あるいは角筒状のプラス電極板16に対して、マイナス電極17や紫外線ランプ18は、筒の中心位置に配置される。なお、マイナス電極17と紫外線ランプ18とは、電極の一部またはランプホルダの一部を利用して一体として構成することもできる。
【0027】
次に図7および図8は、本発明に係る昇降用給電装置1において、他の吊り下げ態様を示している。この吊り下げ例は、電気機器10に2つのベルト5の一端を止め金具31により固定するとともに、支持体7に2つのベルト巻き取りドラム8を平行な出力軸21および従動軸30により回転自在に支持しておき、各ベルト巻き取りドラム8にそれぞれ対応のベルト5の一端を固定しながら巻き付け、さらに出力軸21および従動軸30に巻き掛け伝導手段として取り付けられているスプロケットホイール32、それらに巻き掛けたローラチエーン33により同じ回転量で連動回転するようになっている。
【0028】
ギヤ付きモータ9が出力軸21を駆動し、2つのスプロケットホイール32を同一の方向に同じ位相で回転させると、電気機器10は、必ず所定の姿勢、通常、水平な姿勢を維持しながら上下動することになる。巻き掛け伝導手段としてのスプロケットホイール32、ローラチエーン33は、タイミングプーリ、タイミングベルトのほか、プーリ、ベルトで置換可能である。
【0029】
そして、少なくとも一方または双方のベルト5は、前記の例と同様に導電体11を有している。導電体11は、ベルト巻き取りドラム8の近くに取り付けられている複数の接触子13に電気的に接触しており、接触子13は、電源回路12(放電回路19・点灯回路20)に接続されており、導電体11の下部の端部は、最終的に給電すべき対象の電気機器10(プラス電極板16、マイナス電極17、紫外線ランプ18)に接続される。このように、この吊り下げ態様でも、電気機器10は、前記の具体例と同様に電源回路12(放電回路19・点灯回路20)に接続される。
【0030】
図7および図8の例で、複数の接触子13は直接に導電体11に接触しているが、接触子13と導電体11とは図示しないが間接的に接触していてもよい。例えば、導電体11をベルト巻き取りドラム8の軸(出力軸21)に取り付けられているスリップリングに接続するとともに、これらのスリップリングに複数の接触子13を接触させてもよく、その例によると、接触子13と導電体11とは間接的に接触し、電気的に接続されていることになり、この場合、導電体11は被覆して保護できる点で有利である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の昇降用給電装置1は消煙消臭器14に限らず、照明器具などにも利用できる。また電気機器10としての消煙消臭器14は、主に遊戯場での煙の消却用として開発されたが、その煙消却機能、空気の清浄機能、菌除去機能などは、一般家庭の部屋、車輛室内、病院、工場内などでも有効である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る昇降用給電装置1および電動昇降装置2の正面図である。
【図2】本発明に係る昇降用給電装置1および電動昇降装置2の側面図である。
【図3】本発明に係る昇降用給電装置1および電動昇降装置2の底面図である。
【図4】本発明に係る昇降用給電装置1の要部の正面図である。
【図5】本発明に係る昇降用給電装置1の要部の側面図である。
【図6】本発明に係る昇降用給電装置1の電気回路のブロック線図である。
【図7】本発明に係る昇降用給電装置1の他の吊り下げ態様の正面図である。
【図8】本発明に係る昇降用給電装置1の他の吊り下げ態様の平面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 昇降用給電装置
2 電動昇降装置
3 器具
4 ベルト掛け
5 ベルト
6 ベルト止め具
7 支持体
8 ベルト巻き取りドラム
9 ギヤ付きモータ
10 電気機器
11 導電体
12 電源回路
13 接触子
14 消煙消臭器
15 光触媒層
16 プラス電極板
17 マイナス電極
18 紫外線ランプ
19 放電回路
20 点灯回路
21 出力軸
22 モータ制御ボックス
23 正回転スイッチ
24 逆回転スイッチ
25 絶縁台
26 電源
27 電線
28 電線
29 電線
30 従動軸
31 止め金具
32 スプロケットホイール
33 ローラチエーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り下げ用の器具(3)に取り付けられている1または2以上のベルト掛け(4)にベルト(5)を巻きかけ、このベルト(5)の一端を支持体(7)に固定するとともに、ベルト(5)の他端をベルト巻き取りドラム(8)に巻き付けて固定し、このベルト巻き取りドラム(8)をギヤ付きモータ(9)によって駆動することにより、器具(3)および器具(3)に取り付けられている電気機器(10)を昇降させる電動昇降装置(2)において、
上記ベルト(5)を絶縁体により構成し、絶縁体製のベルト(5)の平坦な面にベルト長手方向にそって複数の導電体(11)を形成しておき、導電体(11)をベルト(5)の固定側で電源回路(12)に接続するとともに、器具(3)に取り付けられている複数の接触子(13)を対応の導電体(11)に接触させ、さらにそれぞれの接触子(13)を電気機器(10)に接続してなることを特徴とする昇降用給電装置(1)。
【請求項2】
電気機器(10)に2つのベルト(5)の一端を固定するとともに、各ベルト(5)の他端をそれぞれ対応のベルト巻き取りドラム(8)に巻き付けて固定し、これらのベルト巻き取りドラム(8)を巻き掛け伝導手段(32、33)により連動させ、ベルト巻き取りドラム(8)をギヤ付きモータ(9)によって駆動することにより、電気機器(10)を昇降させる電動昇降装置(2)において、
上記の少なくとも1つのベルト(5)を絶縁体により構成し、絶縁体製のベルト(5)の平坦な面にベルト長手方向にそって複数の導電体(11)を形成しておき、これらの導電体(11)とベルト巻き取りドラム(8)の近くに取り付けられている複数の接触子(13)とを電気的に接触させ、これらの接触子(13)を電源回路(12)に接続するとともに、導電体(11)を電気機器(10)に接続してなることを特徴とする昇降用給電装置(1)。
【請求項3】
電気機器(10)を消煙消臭器(14)とし、この消煙消臭器(14)を、光触媒層(15)付きプラス電極板(16)と、プラス電極板(16)に対向して配置されているマイナス電極(17)および紫外線ランプ(18)と、プラス電極板(16)とマイナス電極(17)との間に接続される放電回路(19)と、紫外線ランプ(18)に接続される点灯回路(20)とで構成し、電源回路(12)を放電回路(19)および点灯回路(20)により構成するとともに、プラス電極板(16)およびマイナス電極(17)と放電回路(19)との接続、および紫外線ランプ(18)と点灯回路(20)との接続を複数の導電体(11)と複数の接触子(13)とで行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の昇降用給電装置(1)。
【請求項4】
ベルト(5)の両方の面に導電体(11)を形成し、一方の面の導電体(11)と他方の面の導電体(11)とをそれぞれ異なる回路に利用することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の昇降用給電装置(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−116114(P2006−116114A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−307967(P2004−307967)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(302036910)株式会社細山田商事 (5)
【Fターム(参考)】