説明

明るく着色された強膜を有する向きのあるコンタクトレンズ

【課題】コンタクトレンズを提供する。
【解決手段】方向のあるコンタクトレンズが、眼上に装着されたときに強膜の上に実質的に重なる部分が明るく着色又は色付けされたパターンを有し、着色又は色付けされたコンタクトレンズが、眼上に装着されたときに虹彩を強化する着色又は色付けされた中心部分と、角膜縁を強化する角膜縁リングと、を有することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コンタクトレンズを着色又は色付けして目の外観に様々な効果を提供することができる。これは、目の外観に関する問題を矯正するため又は美容のために行うことができる。米国特許第4,652,099号は、周辺部分が白く着色されたコンタクトレンズを提案している。しかしながら、単にレンズのこの部分を白く着色しても、典型的には、自然又は望ましい目の外観を有するレンズは得られない。本発明のレンズは、この問題に取り組む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は、中心部分と、中心部分のまわりの配置された周辺部分とを有するコンタクトレンズである。周辺部分は、明るい色で、レンズの外径の方ほど徐々に透明になるパターンで着色される。本発明の別の態様では、周辺部分は、回転安定化されたレンズを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
明るく着色された周辺部分は、周辺部分の内径の近くが不透明、半不透明、又は半透明でよく、着色することができる角膜縁又は角膜縁リング(ring)のパターンを含むことができる。明るい部分は、角膜縁の縁から周辺部分に延在して、より明るいか、より白い強膜の印象を作り出す。角膜縁リングの追加は、追加のコントラストを提供し、より明るいか、より白い強膜の全体的効果に役立つ。本発明の別の態様では、コンタクトレンズの周辺部分は、幾何学パターンにより着色される。
【0004】
本発明のレンズは、自然な外観を有する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】コンタクトレンズの正面図。
【図2】周辺部の内径から外径の方向に、不透明、半不透明又は乳白色から半透明又は透明に徐々に変化する周辺部分を有するコンタクトレンズの正面図。レンズのパターンには角膜縁リングも付けられる。
【図3】周辺部の内径から外径の方向に、不透明、半不透明又は乳白色から半透明又は透明に徐々に変化する周辺部を有するコンタクトレンズの正面図。着色は、円形透明部分の行と列からなるメッシュや放射状メッシュなどの幾何学パターンで適用される。
【図4】図3に示されたパターンの代替のランダム幾何学パターンを有するコンタクトレンズ。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明のレンズは、レンズ装着者の強膜の外観を強化するパターンを有する。また、そのようなレンズは、虹彩が普通よりも大きく、濃く、又ははっきりと見えるようになる角膜縁リングパターンを有することができる。加えて、本発明のレンズは、装着者の虹彩に完全又は部分的に重なる追加パターン要素を有してもよい。更に、本発明のレンズは、レンズを回転式に向きを合わせ安定化させる特徴を有する。これは、乱視又は老視に見られるようは安定矯正を必要とする人がレンズを装着したときに有利である。
【0007】
目の上のレンズの向きを安定化する種々の手段を使用することができる。レンズの機械的特性の変更は、レンズの裏面に対する前面の偏心、プリズム平衡、レンズ下縁の厚型化、下眼瞼上のレンズの支持、レンズの表面の窪み又は隆起部の形成、及びレンズ縁の切り取りを限定なしに含むプリズム安定化による1つの手法である。
【0008】
更に、デュアル・シン・ゾーン設計を含む動的安定化方法を使用することができる。デュアル・シン・ゾーン設計では、レンズは、レンズの前面、即ち対象物側面の特定の領域の厚さを小さくすることによって安定化される。より好ましくは、薄いゾーンは、レンズの前面周辺部の90〜270度軸に沿った2つの対称に存在する領域のそれぞれに提供される。薄いゾーンに加えて、厚い領域が、使用してレンズの周辺部の残りの部分を形成するために使用されてもよく、現在では水平方向、即ち0〜180度軸方向であることが好ましい。これらの領域は、例えば長方形などの任意の好都合な形状で作成することができる。優勢に配置された薄いゾーンも劣勢に配置された薄いゾーンも両方とも、弧形状を呈することができ、弧の半径は、レンズの外縁の方に向けられ、弧の頂点は、レンズの幾何学中心の方に向けられる。
【0009】
最も好ましくは、薄いゾーンは、米国特許第7,682,019号によりレンズと眼瞼の相互作用を利用するように成形され、この特許全体は、参照により本明細書に組み込まれる。これは、凸状外縁を有する少なくとも1つの薄いゾーンと、最も外側の縁のいずれかの端と一体で、かつ内方に延在する肩部と、肩部と連続しそこから内方に延在する内方テーパ縁と、内方テーパ縁と一体で内方テーパ縁の間に延在する縁とを有するレンズの前面によって達成される。凸状縁の湾曲は、装着者の下眼瞼位置及び幾何学形状と一致する半径が使用されるようなものであることが好ましい。より好ましくは、凸状縁の曲率半径は、約3.5〜約10.5mmである。内方テーパ縁は、縁25に対して約0〜約270度の範囲の角度をなし、また好ましくは約0〜約90度の角度をなす。厚いゾーンが使用される場合、厚いゾーンは、約0〜180度の軸に関して対称的で台形形状を呈することが好ましい。
【0010】
「角膜縁リング」は、レンズが目上の中心にあるときに、レンズ装着者の角膜縁領域、即ち角膜と強膜の接合部分に部分的又は完全に重なる環状の色の帯である。角膜縁リングの最も内側の縁、即ちレンズの幾何学中心に最も近い縁は、約8mm〜約12mm、好ましくは約11〜約13mmの直径を有する円をなしてもよく、この円は、レンズの幾何学中心を中心としている。リングは、任意の適切な幅のものでよく、好ましくは幅が約0.5〜約2.5mm、より好ましくは幅が約0.75〜約2.00mmである。
【0011】
中心部分は、装着中に虹彩を覆うための領域を含む。したがって、中心部分も着色され、角膜縁リングを含むことができる。虹彩と角膜縁リングは両方とも、参照により本明細書に組み込まれた米国特許第7,246,903号のようにパターン形成されることが好ましい。そのような着色は、必要に応じて、角膜縁リングの最も内側の境界からレンズの幾何学中心に向けて内方に延在する車輪のスポークと似た実質的に三角形構造を有する。テーパ付きスポークは、レンズの虹彩部分全体、即ちレンズが眼上で中心にあるときに虹彩と重なるレンズの部分に延在してもよいが、これは好ましくない。より正確に言うと、好ましくは、スポークは、角膜縁リングの最も内側の縁から内方に延在し、その結果、スポークパターンの最も内側の縁が、レンズの幾何学中心から約6.5mm以上、より好ましくは約7mm以上に配置される。スポークは、均一又は異なる形状若しくはサイズのものでもよく、長さが約1〜約2mmであることが好ましい。
【0012】
図1に示されたレンズは、典型的には円形であるが、楕円形や切り欠き円形などのコンタクトレンズに都合のよい任意の形状でもよい(5279に既にある)レンズは、中心10と、中心部分11とを有する。周辺部分20が、中心部分11のまわりに配置され、レンズの周縁まで延在する。周辺部分20は、レンズを回転安定化させる回転対称機能を含まない。周辺部分は、全体としてレンズの外縁と一致できるが、必ずしも一致しなくてもよい内径21と外径22を有する。
【0013】
周辺部分20は、明るい色で着色される。「明るい色」は、白、白に近い色、オフホワイト、淡黄色、淡青色、紅梅色、淡緑色、又は以上の色の任意の組み合わせと定義される。明るい色は、装着者の強膜と徐々に混ざるように配置される。
【0014】
また、レンズは、必要に応じて、角膜縁リング又はパターン13を有することができる(図2)。周辺部分20は、強膜の外観を強化するために本発明により着色された部分である。レンズのこの周辺部分の着色は、不透明、半透明、又はこれらの2つの間の何かの色(半不透明)でもよい。周辺部分は、均一に着色されなくてもよいが、本発明による実施形態は、好ましくは強膜に生き生きとした自然な外観を提供することによってその外観を向上する。そのような目的の「不透明」は、380〜780nmの範囲で0〜50、好ましくは7〜約50% Tの平均光透過率(% T)を可能にする色を意味する。この目的の「半透明」は、380〜780nmの範囲で約50〜約85%、好ましくは約65〜約85%Tの平均光透過率(% T)を可能にする色を意味する。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態を示し、レンズ周辺部20の着色が、周辺部の内径21から周辺部の外径22と角膜縁リング13で、不透明から半透明又は透明に徐々に変更される。周辺部分20は、レンズを回転安定化させるための回転対称特徴を含まない。また、中心部分11は、着色また色付けされ、眼上効果が虹彩を覆うか、強化することができる場合に、虹彩部分と見なすことができる。この組み合わせは、最も自然の虹彩(装着者の実際の虹彩)と暗い角膜縁リングのコントラストを提供すると同時に、周辺部に明るい着色が適用されるという追加の利点を提供する。角膜縁リングは、リングが、虹彩、虹彩パターン、及び周辺部に適用される白色着色と自然に混ざることができるような任意の適切な幅又はパターンのものでよい。角膜縁リングは、半透明でもよく不透明でもよい。中心部分11は、典型的には直径10〜13mm、好ましくは直径11mm超えである。
【0016】
図3は、幾何学パターンの形で周辺部20に適用された明るい着色を有する本発明のレンズを示す。周辺部分20は、レンズを回転安定化させる回転対称機能を含まない。この場合、パターンは、各円が隣り合う円と接線接触するようにレンズ表面から除去された(他の場合は白に着色された)円の外観を呈する。パターンは、そのような円によって構成された十字形の明るく着色された構造物の行と列としても考えることもできる。幾何学形状を含むパターンは、規則的に形成された構造物から構成されてもよく、又は図4に見られるような複数のランダムな点又は形状から構成されてもよい。現実的な又は強化された色彩感覚を伝えるための任意の他の形状が、特に望ましい色相又は濃淡に寄与する場合には、そのような幾何学的形状を使用することができる。本発明のパターンで使用されるドットは、任意のサイズのものでもよく、好ましくは直径約0.060〜約0.180mm、より好ましくは直径約0.0075〜約0.0125mmである。ドットは、レンズの様々な要素の境界を混合させるのに役立つ。
【0017】
周辺部分20は、眼上のレンズを回転式に向きを合わせる回転非対称要素を含む。これらの要素は、前述のように、前記周辺部分20の厚さ変更を含む。厚さ変更は、半径方向でも周囲方向でもよい。
【0018】
本発明のパターンのどれも、中心が透明であることが好ましい。しかしながら、中心部分は、半透明又は不透明色彩、又は不透明及び半透明色彩のいかなる組み合わせの領域であってもよい。
【0019】
装着者の目の色を強化又は変更するためにレンズで使用されるとき、好ましくは角膜縁リング要素は、レンズ装着者の角膜縁領域の色を隠す色の塗潰し帯であり、より好ましくは隠す色は不透明色である。残りの要素、スポーク、ドット、及び他のパターン要素は、所望の美容の眼上結果により、半透明でも不透明でもよい。
【0020】
角膜縁リング要素と虹彩パターン要素のそれぞれに選択される色は、レンズ装着者の虹彩の自然な色と、望みの強化又は色変更とによって決定される。したがって、要素は、任意の多様な色相及び彩度の、青色、緑色、灰色、茶色、黒色、黄色、赤色、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されないいずれかの色彩であってもよい。角膜縁リングに好ましい色には、限定なしに、様々な色相及び色度の黒色、茶色、灰色、黒青色及び暗緑色のいずれかがある。
【0021】
周辺部分を含む明るく着色された要素は、純粋な白、白に近い色、オフホワイト、淡黄色、淡青色、紅梅色、淡緑色、又は上記の色の任意の組み合わせでもよい。この要素は、レンズによって覆われていない強膜の視える部分とはっきりと対照をなさないように一致されることが好ましい。これらの色は、不透明さとコントラストが高められるより大量のTi0の使用によって達成されることが好ましい。更に他の色素には、限定なしに、より白っぽい色の要素を調整するために少量の黒酸化鉄、褐色酸化鉄、黄酸化鉄、赤酸化鉄、二酸化チタンなど、及びそれらの組み合わせがある。これらの色素に加えて、限定なしにジクロロトリジアン染料とビニルスルホン系染料を含む可溶性染料と非可溶性染料を使用してもよい。好ましい実施形態は、適切な半透明性を提供するために10%〜20%のTi0と80%〜90%の透明結合高分子を有する着色剤である。
【0022】
一般に、色付き要素は、コンタクトレンズでの使用に適した任意の有機又は無機色素、又はそのような色素の組み合わせから形成されてもよい。不透明度は、使用される顔料及び二酸化チタンの濃度を変化させることによって調節されてもよく、多量になるにつれてより高い不透明度がもたらされる。具体的な有機色素は、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、バットオレンジNo.1など、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに制約されない。有用な無機色素の例は、黒酸化鉄、褐色酸化鉄、黄酸化鉄、赤酸化鉄、二酸化チタンなど、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに制約されない。これらの色素に加えて、可溶性及び不溶性染料を使用されることができ、ジクロロトリアジン及びビニルスルホン系染料を含むが、それらに制約されない。有用な染料及び色素は、市販されている。
【0023】
選択される染料又は色素は、プレポリマーの1種類以上、又は結合ポリマー、及び溶媒と配合され、本発明のレンズに使用される半透明及び不透明層の生成に使用される着色剤を形成することができる。また、コンタクトレンズの着色剤に有用な他の添加剤が使用されてもよい。本発明の有色層に有用な結合ポリマー、溶媒、及び他の添加剤は既知であり、商業的に入手可能であるか又はそれらを作製する方法が既知である。
【0024】
要素は、レンズの1個以上の表面に塗布又はプリントされてもよく、あるいは、レンズ成形材が付着及び硬化されることになる成形型の1個以上の表面にプリントされてもよい。本発明のデザインを組み入れたレンズを形成する好ましい方法では、任意の好適な材料から形成された熱可塑性光学成形型が使用され、該材料は、環式ポリオレフィン、及びポリプロピレン又はポリスチレン樹脂等のポリオレフィンを含むがこれら限定されない。要素は、成形型の成形面の所望の部分に付着される。「成形面」は、レンズの表面を形成するために使用される成形型又は成形型半体の表面を意味する。好ましくは、この堆積は、以下のようにパッド印刷によって実施される。
【0025】
好ましくは鋼、より好ましくはステンレス鋼でできた金属プレートが、硬化後に水不溶性となることが可能なフォトレジスト材料で覆われる。前記要素が選択又はデザインされた後、写真技術等の多数の技術のいずれかを使って所望のサイズに縮小され、金属プレート上に置かれ、フォトレジスト材料が硬化される。前記プレートは、その後、水性溶液で洗浄され、生じた画像は、適切な深さ、例えば、約20マイクロメートルまでエッチングされる。次に、結合ポリマー、溶媒、及び色素又は染料を含有する着色剤が要素上に付着され、凹部が着色剤で埋められる。
【0026】
また、金属プレートは、好ましい画像を有する領域内の金属を抽出するために適切なソフトウェアとレーザを使用して、これにより深さ15μm〜30μmの像を複製するキャビティが作成されるレーザエッチングされてもよい。更に、好ましいパターンのレーザエッチングが、セラミックなどの他の基板上に行われてもよい。
【0027】
表面上への印刷に使用するのに好適な幾何学形状であり、概して約1〜約10の様々な硬度であるシリコンパッドが、プレート上の像に対して押圧されて着色剤を取り去り、次いでその着色剤は、溶媒の蒸発によって僅かに乾燥される。パッドは次いで、光学モールドの成形面に対して押圧される。モールドは、最高で12時間にわたってガス抜きされて過剰な溶媒及び酸素が除去され、その後、モールドはレンズ材料で充填される。次いで、相補的なモールド半部が使用されてモールドアセンブリが完成し、モールドアセンブリは、使用されるレンズ材料を硬化させるのに好適な条件に曝される。そのような条件は当該技術分野において周知であり、また選択されたレンズ材料に依存する。硬化が完了し、レンズがモールドから解放されると、レンズは緩衝生理食塩溶液中で平衡化される。
【0028】
好ましい一実施態様では、透明なプレポリマー層が使用され、該プレポリマー層は、少なくとも角膜縁リング及びドットパターン上に重なり、好ましくは、本レンズの最も外側の表面全体を形成する。プレポリマーは、使用される顔料及び任意の乳白剤を分散させることが可能な任意のポリマーであってよい。代替実施形態では、様々なパターン又は角膜縁リングが、インクジェット印刷によってレンズ又はレンズ成形型上に配置されてもよい。
【0029】
本発明は、任意の既知のレンズ形成材料又はこの種のレンズを製造するのに好適な材料でできた、着色されたハード又はソフトコンタクトレンズを提供するために利用されてもよい。好ましくは、本発明のレンズは、ソフトコンタクトレンズであり、本発明のレンズを形成するために選択される材料は、ソフトコンタクトレンズを生産するのに好適な任意の材料である。本発明の方法を利用してソフトコンタクトレンズを形成するのに好適な好ましい材料には、シリコーンエラストマー、限定するものではないが、参照によって全てが本願に組み込まれる米国特許第5,371,147号、同第5,314,960号、及び同第5,057,578号に開示されているものを含むシリコーン含有マクロマー、ヒドロゲル、シリコーン含有ヒドロゲルなど、並びにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。より好ましくは、レンズは、シロキサン官能基を含有し、ポリジメチルシロキサンマクロマー、メタクリルオキシプロピルポリアルキルシロキサン、及びそれらの混合物、ヒドロキシ基、カルボキシル基又はそれらの両方,若しくは組み合わせを含有するモノマーから形成されたシリコーンヒドロゲル又はヒドロゲルを含むが、これらに限定されない。ソフトコンタクトレンズを作製するための材料は周知であり、商業的に入手可能である。レンズ材料は、アクアフィルコン、ゲンフィルコン、レネフィルコン、バラフィルコン、ロトラフィルコン、又はガリフィルコンが好ましい。別の実施形態では、レンズは、従来のヒドロゲル材料、例えば、エタフィルコンから作成されてもよい。
【0030】
次の非限定的実施例は、本発明を更に説明する。
【実施例】
【0031】
例1:クリアベースインク組成物の調製
96gの1−ドデカンチオール(「DODT」)、56.54gのメタクリル酸ラウリル(「LMA」)、7.40gのメタクリル酸(「MAA」)、1367gのヒドロキシエチルメタクリレート(「HEMA」)、68.5gのグリセリン、378gの1−エトキシル−2−プロパノール(「EP」)、1511gのイソプロピルラクテート(「IPL」)、及び8.89gの2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(「AMBN」)を使用して結合高分子を作成した。最初に、約50〜100ccのIPLを除き、DODT、モノマー及び溶剤を5リットルのブルーキャップボトル内で混合し、10分間撹拌した。次に、その混合物を、撹拌機を備え窒素を含む5Lのステンレス鋼リアクタに注いだ。混合物を、温度が68℃になるまで、約25分間攪拌し加熱した。温度を68℃で安定させた後で、AMBNを残りのIPLに溶かし、窒素ブリードを開きながら添加した。16〜24時間重合させ、その後で温度を80℃に高め、反応を終了させた。次に、混合物が、室温と釣り合わされる。混合物の粘度は、必要に応じて、4部のIPLを1部のEPと混合することにより調整された。
【0032】
例2:黒インクの調製
243.47gの1D Black Define(例1で述べたようなクリアベース中の11.76重量%の黒酸化鉄顔料(FeO・Fe,CAS # 12227−89−3)からなる)を400mLガラスジャーに秤量することによって黒パッド印刷インクを作成した。また、6重量%の1−プロパノールをジャーに加えた。ジャーをミキサにかけ、インクの外観が均一になるまで1800rpmで混合した。
【0033】
例3:白インクの調製
49.98gの基本白(例1で述べたようなクリアベース中の30.00重量%の二酸化チタン色素(TiO,CAS # 13463−67−7)からなる)を250mLガラスジャーに秤量することによって、白パッド印刷インクを調製した。100.00gのクリアベース(例1で述べた)と6重量%の1−プロパノールもジャーに加えた。ジャーをミキサにかけ、インクの外観が均一になるまで1800rpmで混合した。
【0034】
本明細書に述べるインクは、当該技術分野で知られた方法及び装置を使用して色付けレンズを作成するために使用される。これには、例えば、引用により本明細書に組み込まれた米国特許公報第20090244479号に記載された方法がある。
【0035】
例4:より白い強膜レンズの製作−凹部成形型部品と凸部成形型部品を周囲条件(25℃で21%の酸素)でポリスチレンから射出成形した。凹部成形型部品をパッドプリンタ内側の乾燥窒素トンネルに入れた(約180秒)。凹曲面を、0.5%の酸素で、最初に深さ15μmの全円クリアベースインク組成物(例1からのクリアベースインク組成物による深さ15μmの透明層)で、次に深さ20μmの角膜縁黒インク組成物(例2からの黒インク組成物による深さ20μmの角膜縁クラッチパターン層)で、次に深さ20μmの白円形組成物(例3からの白インク組成物による深さ20μmの白円形クラッチパターン)でパッド印刷した。次に、成形型を、約20秒間、周囲条件(25℃で21%の酸素)に戻した。凹曲面と凸曲面を約70秒間2.8%の酸素で再調整した。次に、印刷された凹部成形型部品に73mgのエタフィルコンA反応性モノマー混合物を充填した。凸部成形型部品は、投与された反応性モノマーミックスの最上部に配置し、密封組立品は、適当な成形型密閉部を確保するために重量(〜200グラム)を前硬化に晒した。前硬化重量を有する組立体を、25℃の前硬化トンネルに光なしで75秒間入れて、モノマーを印刷層に浸透させた。前硬化重量を除去し、次に曲面を制御温度(70℃)と光強度(370〜440nm)の硬化トンネルに約4分間入れた。閉じた組立体を型から取り出し、レンズを成形型から外し、最小60分間、70℃(+/−5)で、脱イオン水とTweenの組み合わせに浸漬することによりレンズから未硬化のモノマー又は希釈剤を抽出した。次に、レンズを緩衝生理食塩水内で平衡させ、パッケージし、殺菌した。
【0036】
〔実施の態様〕
(1) 中心、前記中心のまわりの中心部分、及び前記中心部分のまわりに配置された周辺部分を有するコンタクトレンズであって、前記周辺部分が、前記レンズの外径の方に徐々に透明に変化するパターンで明るく着色され、前記周辺部分が、安定化要素を含む、コンタクトレンズ。
(2) 前記明るく着色された部分が、前記周辺部分の内径の近くで不透明である、実施態様1に記載のレンズ。
(3) 前記明るく着色された部分が、前記周辺部分の内径の近くで半透明である、実施態様1に記載のレンズ。
(4) 前記明るく着色された部分が、白、白に近い色、オフホワイト、淡黄色、淡青色、紅梅色、淡緑色、及びこれらの組み合わせの色からなる群から選択される、実施態様1に記載のレンズ。
(5) 前記明るく着色された部分が、オフホワイトである、実施態様1に記載のレンズ。
(6) 前記明るく着色された部分が、紅梅色である、実施態様1に記載のレンズ。
(7) 前記明るく着色された部分が、淡青色である、実施態様1に記載のレンズ。
(8) 前記明るく着色された部分が、淡黄色である、実施態様1に記載のレンズ。
(9) 前記明るく着色された部分が、淡緑色である、実施態様1に記載のレンズ。
(10) 自然な外観を有する、実施態様1に記載のレンズ。
【0037】
(11) 角膜縁リングを更に含む、実施態様1に記載のレンズ。
(12) 前記周辺部分の内径から前記周辺部分の外径まで不透明から半不透明、半透明、透明に徐々に変化する明るく着色された部分を有する、実施態様1に記載のレンズ。
(13) 前記レンズが目上にあるときに装着者の虹彩に重なる前記レンズの部分に実質的に対応する着色部分を有する、実施態様1に記載のレンズ。
(14) 角膜縁リングを更に有する、実施態様13に記載のコンタクトレンズ。
(15) 前記周辺部分が、幾何学パターンによって着色された、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(16) 前記周辺部分が、ランダムパターンによって着色された、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(17) 前記周辺ゾーンが、前記レンズを回転安定化させる、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(18) 前記周辺部分における前記レンズの厚さが、前記レンズの円周方向に異なる、実施態様17に記載のコンタクトレンズ。
(19) 前記周辺部分内の前記レンズの厚さが、前記レンズの半径方向に異なる、実施態様17に記載のコンタクトレンズ。
(20) 中心、前記中心のまわりの中心部分、及び前記中心部分のまわりに配置された非回転対称周辺部分を有するコンタクトレンズを製造する方法であって、前記周辺部分が、前記レンズの外径の方に透明に徐々に変化するパターンで明るく着色され、前記パターンが、前記レンズ上に印刷される、方法。
【0038】
(21) 前記明るく着色されたパターンが、パッド印刷によって付けられる、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記明るく着色されたパターンが、インクジェット印刷によって付けられる、実施態様20に記載の方法。
(23) 前記明るく着色されたパターンが、フォトリソグラフィによって付けられる、実施態様20に記載の方法。
(24) 中心、前記中心のまわりの中心部分、及び前記中心部分のまわりに配置され、レンズの外径の方に透明に徐々に変化するパターンで明るく着色された非回転対称周辺部分を有するコンタクトレンズを提供することによって装着者の目の外観を強化する、方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心、前記中心のまわりの中心部分、及び前記中心部分のまわりに配置された周辺部分を有するコンタクトレンズであって、前記周辺部分が、前記レンズの外径の方に徐々に透明に変化するパターンで明るく着色され、前記周辺部分が、安定化要素を含む、コンタクトレンズ。
【請求項2】
前記明るく着色された部分が、前記周辺部分の内径の近くで不透明である、請求項1に記載のレンズ。
【請求項3】
前記明るく着色された部分が、前記周辺部分の内径の近くで半透明である、請求項1に記載のレンズ。
【請求項4】
前記明るく着色された部分が、白、白に近い色、オフホワイト、淡黄色、淡青色、紅梅色、淡緑色、及びこれらの組み合わせの色からなる群から選択される、請求項1に記載のレンズ。
【請求項5】
前記明るく着色された部分が、オフホワイトである、請求項1に記載のレンズ。
【請求項6】
前記明るく着色された部分が、紅梅色である、請求項1に記載のレンズ。
【請求項7】
前記明るく着色された部分が、淡青色である、請求項1に記載のレンズ。
【請求項8】
前記明るく着色された部分が、淡黄色である、請求項1に記載のレンズ。
【請求項9】
前記明るく着色された部分が、淡緑色である、請求項1に記載のレンズ。
【請求項10】
自然な外観を有する、請求項1に記載のレンズ。
【請求項11】
角膜縁リングを更に含む、請求項1に記載のレンズ。
【請求項12】
前記周辺部分の内径から前記周辺部分の外径まで不透明から半不透明、半透明、透明に徐々に変化する明るく着色された部分を有する、請求項1に記載のレンズ。
【請求項13】
前記レンズが目上にあるときに装着者の虹彩に重なる前記レンズの部分に実質的に対応する着色部分を有する、請求項1に記載のレンズ。
【請求項14】
角膜縁リングを更に有する、請求項13に記載のコンタクトレンズ。
【請求項15】
前記周辺部分が、幾何学パターンによって着色された、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項16】
前記周辺部分が、ランダムパターンによって着色された、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項17】
前記周辺ゾーンが、前記レンズを回転安定化させる、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項18】
前記周辺部分における前記レンズの厚さが、前記レンズの円周方向に異なる、請求項17に記載のコンタクトレンズ。
【請求項19】
前記周辺部分内の前記レンズの厚さが、前記レンズの半径方向に異なる、請求項17に記載のコンタクトレンズ。
【請求項20】
中心、前記中心のまわりの中心部分、及び前記中心部分のまわりに配置された非回転対称周辺部分を有するコンタクトレンズを製造する方法であって、前記周辺部分が、前記レンズの外径の方に透明に徐々に変化するパターンで明るく着色され、前記パターンが、前記レンズ上に印刷される、方法。
【請求項21】
前記明るく着色されたパターンが、パッド印刷によって付けられる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記明るく着色されたパターンが、インクジェット印刷によって付けられる、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記明るく着色されたパターンが、フォトリソグラフィによって付けられる、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
中心、前記中心のまわりの中心部分、及び前記中心部分のまわりに配置され、レンズの外径の方に透明に徐々に変化するパターンで明るく着色された非回転対称周辺部分を有するコンタクトレンズを提供することによって装着者の目の外観を強化する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−97384(P2013−97384A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−241657(P2012−241657)
【出願日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【出願人】(510294139)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (48)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
【Fターム(参考)】