説明

映像伝送システム、映像送信システム、映像受信システム、映像送信方法及び映像受信方法

【課題】単一の伝送ケーブルを用いて複数の映像信号を伝送することが可能な映像伝送システム、映像送信システム、映像受信システム、映像送信方法及び映像受信方法を提供する。
【解決手段】映像送信システム100は、カメラ500乃至506のそれぞれからの映像信号をそれぞれ異なる周波数の信号に変換し、更に合成した上で単一の同軸ケーブル300に出力する。映像受信システム200は、同軸ケーブル300を伝送された合成信号から複数の周波数の信号のそれぞれを抽出して、更に映像信号に変換し、モニタ600及び602へ出力し、映像を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送ケーブルを用いて信号を伝送する映像伝送システム、当該映像伝送システムを構成する映像送信システム及び映像受信システム、映像送信システムにおける映像送信方法、映像受信システムにおける映像受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運転者による車両周辺の安全確認を支援するシステムが用いられるようになっている(例えば、特許文献1)。このようなシステムでは、カメラによって、車両周辺、特に、運転者にとって見難い車両後方等を撮影して、その撮影によって得られた映像信号をモニタへ伝送し、当該モニタに車両周辺の映像を表示することによって、運転者による車両周辺の状況確認を可能としている。
【特許文献1】特開2003−304530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、複数のカメラによって車両周辺を撮影する場合、カメラのそれぞれとモニタとを複数の同軸ケーブル等の伝送ケーブルを用いて接続すると、多くの伝送ケーブルの引き回しが必要となり、スペースが限られた車両においては問題となる。
【0004】
そこで、本発明は、単一の伝送ケーブルを用いて複数の映像信号を伝送することが可能な映像伝送システム、映像送信システム、映像受信システム、映像送信方法及び映像受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、映像送信システムと映像受信システムとを単一の伝送ケーブルによって接続し、前記映像送信システムから前記映像受信システムへ映像信号を伝送する映像伝送システムであって、前記映像送信システムが、それぞれが異なる映像信号を入力し、該映像信号をそれぞれ異なる所定周波数の信号に変換して出力する複数の送信手段と、前記複数の送信手段のそれぞれからの所定周波数の信号を合成して、前記伝送ケーブルへ向けて出力する合成手段とを有し、前記映像受信システムが、前記伝送ケーブルを伝送された信号を分配する分配手段と、前記複数の送信手段のそれぞれに対応して設けられ、前記分配手段からの信号のうち、対応する前記送信手段によって出力された所定周波数の信号を抽出し、該所定周波数の信号を映像信号に変換する受信手段とを有することを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、送信側において、複数の映像信号のそれぞれが異なる周波数の信号に変換され、更に合成された上で単一の伝送ケーブルを伝送され、受信側において複数の周波数の信号のそれぞれが映像信号に変換されており、単一の伝送ケーブルを用いて複数の映像信号を伝送することが可能となる。
【0007】
また、本発明は、単一の伝送ケーブルによって映像受信システムと接続され、前記伝送ケーブルを介して前記映像受信システムへ映像信号を送信する映像送信システムであって、それぞれが異なる映像信号を入力し、該映像信号をそれぞれ異なる所定周波数の信号に変換して出力する複数の送信手段と、前記複数の送信手段のそれぞれからの所定周波数の信号を合成して、前記伝送ケーブルへ向けて出力する合成手段とを有することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、送信側において、複数の映像信号のそれぞれが異なる周波数の信号に変換され、更に合成された上で単一の伝送ケーブルを伝送される。従って、受信側において複数の周波数の信号のそれぞれを映像信号に変換することで、単一の伝送ケーブルを用いて複数の映像信号を伝送することが可能となる。
【0009】
また、本発明の映像送信システムは、前記送信手段が、前記所定周波数の信号を予め定められた所定レベルに減衰させて出力するようにしてもよい。
【0010】
この構成によれば、信号を減衰させることにより、伝送ケーブルにおける不要輻射を低減させることができる。
【0011】
同様の観点から、本発明の映像送信システムは、前記送信手段のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記送信手段からの所定周波数の信号を予め定められた所定レベルに減衰させて前記合成手段へ出力する複数の減衰手段を有するようにしてもよい。
【0012】
同様の観点から、本発明の映像送信システムは、前記合成手段からの信号を予め定められた所定レベルに減衰させて前記伝送ケーブルへ出力する減衰手段を有するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の映像送信システムは、複数の撮影手段の撮影により得られた映像信号を入力し、前記送信手段毎に異なる映像信号を選択して前記送信手段へ出力する映像信号選択手段を有するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の映像送信システムは、前記映像信号選択手段が、複数の撮影手段の撮影により得られた映像信号のうち、少なくとも2つの映像信号に基づく合成映像に対応する映像信号を生成し、該合成映像に対応する映像信号を選択して前記送信手段へ出力するようにしてもよい。
【0015】
この構成によれば、例えば、撮影手段の数が送信手段の数よりも多い場合等において、2つ以上の撮影手段の撮影により得られた映像信号に基づく合成映像に対応する映像信号が送信手段へ出力されるため、全ての撮影手段の撮影により得られた映像信号をいずれかの送信手段へ間接的に出力させることが可能となる。
【0016】
また、本発明の映像送信システムは、前記送信手段から漏洩する信号を遮蔽する遮蔽部を有するようにしてもよい。
【0017】
この構成によれば、送信手段における不要輻射を低減させることができる。
【0018】
また、本発明の映像送信システムは、前記映像受信システムによって送信され、前記伝送ケーブルを伝送された所定の制御信号を受信する制御信号受信手段を有するようにしてもよい。
【0019】
また、本発明は、単一の伝送ケーブルによって映像送信システムと接続され、前記伝送ケーブルを介して前記映像送信システムからの映像信号を受信する映像受信システムであって、前記映像送信システムにおいて複数の映像信号をそれぞれ異なる所定周波数の信号に変換して合成することによって得られ、前記伝送ケーブルを伝送された信号を分配する分配手段と、前記分配手段によって分配された信号のうち、前記所定周波数の信号のいずれかを抽出し、該所定周波数の信号を映像信号に変換する受信手段とを有することを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、送信側において、複数の映像信号のそれぞれが異なる周波数の信号に変換され、更に合成された上で単一の伝送ケーブルを伝送された場合に、受信側において複数の周波数の信号のそれぞれを映像信号に変換することにより、単一の伝送ケーブルを用いて複数の映像信号を伝送することが可能となる。
【0021】
また、本発明の映像受信システムは、所定の制御信号を前記伝送ケーブルに向けて出力する制御信号送信手段を有するようにしてもよい。
【0022】
また、本発明の映像受信システムは、前記複数の受信手段が、それぞれに対応して設けられた表示部に前記映像信号を出力するようにしてもよい。
【0023】
また、本発明は、単一の伝送ケーブルによって映像受信システムと接続され、前記伝送ケーブルを介して前記映像受信システムへ映像信号を送信する映像送信システムにおける映像送信方法であって、複数の映像信号をそれぞれ異なる所定周波数の信号に変換する変換ステップと、前記変換ステップにおいて得られた複数の所定周波数の信号を合成して前記伝送ケーブルへ向けて出力する合成ステップとを有することを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、単一の伝送ケーブルによって映像送信システムと接続され、前記伝送ケーブルを介して前記映像送信システムからの映像信号を受信する映像受信システムにおける映像受信方法であって、前記映像送信システムにおいて複数の映像信号をそれぞれ異なる所定周波数の信号に変換して合成することによって得られ、前記伝送ケーブルを伝送された信号を分配する分配ステップと、前記分配ステップによって分配された信号を、前記所定周波数の信号のそれぞれに分離し、該所定周波数の信号を映像信号に変換する復調ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、送信側において、複数の映像信号のそれぞれが異なる周波数の信号に変換され、更に合成された上で単一の伝送ケーブルを伝送され、受信側において複数の周波数の信号のそれぞれが映像信号に変換されており、単一の伝送ケーブルを用いて複数の映像信号を伝送することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する、図1は、本発明の実施の形態に係る映像伝送システムを適用した車両周辺監視システムの構成を示す図である。図1に示す車両監視システムは、映像伝送システム10と、電源400と、車両周辺を撮影する撮影手段に対応する複数のカメラ500、502、504及び506と、映像を表示する表示部に対応するモニタ600及び602とにより構成される。
【0027】
これらのうち、映像伝送システム10は、映像送信システム100、映像受信システム200、及び、車両内を引き回されてこれら映像送システム100と映像受信システム200とを接続する単一の伝送ケーブルである同軸ケーブル300とによって構成され、映像送信システム100から映像受信システム200へ同軸ケーブル300を介して映像信号を伝送する。
【0028】
映像送信システム100は、映像信号選択手段に対応する映像信号選択部102と、送信手段に対応する送信機104と、当該送信機104から漏洩する信号を遮蔽する遮蔽部としてのシールド105と、送信手段に対応する送信機106と、当該送信機106から漏洩する信号を遮蔽する遮蔽部としてのシールド107と、合成手段に対応する電源・信号分離合成部108と、制御信号受信手段に対応する制御信号受信部110とにより構成される。また、これらのうち、送信機104及び106は、図2に示すように、変調部150と、減衰手段としての減衰部152により構成される。
【0029】
一方、映像受信システム200は、分配手段に対応する電源・信号分離合成部202と、受信手段に対応する受信機204及び206と、制御スイッチ(SW)208と、制御信号送信手段に対応する制御信号送信部210とにより構成される。また、これらのうち、受信機204及び206は、図3に示すように、信号抽出部250及び復調部252により構成される。また、受信部204は、映像送信システム100内の送信機104に対応して設けられ、受信部206は、映像送信システム100内の送信機106に対応して設けられている。
【0030】
映像送信システム100及び映像受信システム200は、電源400からの電力により作動する。具体的には、映像受信システム200内の電源・信号分離合成部202は、電源400からの電力を受けると、当該電力を映像受信システム200内の各部へ供給する。また、電源・信号分離合成部202は、同軸ケーブル300を介して映像送信システム100内の電源・信号分離合成部108へ電力を供給する。電源・信号分離合成部108は、この電力を映像送信システム100内の各部へ供給する。また、カメラ500乃至506は、電源400からの電力により作動する。
【0031】
次に、映像送信システム100及び映像受信システム200の映像信号伝送時の動作を説明する。まず、映像送信システム100の映像信号送信時の動作を説明する。図4は、映像送信システム100の映像信号送信時の動作を示すフローチャートである。
【0032】
4台のカメラ500乃至506は、それぞれ車両周辺を撮影して、映像信号を生成、出力しており、映像送信システム100内の映像信号選択部102は、これらカメラ500乃至506のそれぞれが出力した4つの映像信号を入力する(S101)。次に、映像信号選択部102は、これら4つの映像信号を組み合わせて、送信機の台数に応じた数、すなわち、2つの組み合わせを得る。更に、映像信号選択部102は、2つの組み合わせのそれぞれについて、その組み合わせに属する映像信号に基づく合成映像に対応する映像信号を生成する(S102)。
【0033】
例えば、映像信号選択部102は、送信機が送信機104及び106の2台であることに対応して、カメラ500及びカメラ502からの映像信号からなる第1の組み合わせと、カメラ504及びカメラ506からの映像信号からなる第2の組み合わせとを得る。更に、映像信号選択部102は、第1の組み合わせに属するカメラ500及びカメラ502からの映像信号に基づく合成映像である2分割画面の映像に対応する映像信号と、第2の組み合わせに属するカメラ504及びカメラ506からの映像信号に基づく合成映像である2分割画面の映像に対応する映像信号とを生成する。なお、組み合わせは、これに限定されるものではない。
【0034】
次に、映像信号選択部102は、S102において生成した2つの映像信号について、一方を送信機104へ出力すべきものとして選択し、他方を送信機106へ出力すべきものとして選択し、送信機104及び106へ出力する(S103)。
【0035】
送信機104内の変調部150は、映像信号選択部102からの映像信号を入力すると、当該映像信号を予め定められた所定周波数の信号に変換して、後段の減衰部152へ出力する。同様に、送信機106内の変調部150は、映像信号選択部102からの映像信号を入力すると、当該映像信号を予め定められた所定周波数の信号に変換して、後段の減衰部152へ出力する(S104)。この際、送信機104内の変調部150と、送信機104内の変調部150とは、映像信号をそれぞれ異なる所定周波数の信号に変換して出力する。
【0036】
送信機104内の減衰部152は、前段の変調部150からの所定周波数の信号を入力すると、当該所定周波数の信号を予め定められたレベルにまで減衰させる。同様に、送信機106内の減衰部152は、前段の変調部150からの所定周波数の信号を入力すると、当該所定周波数の信号を予め定められたレベルにまで減衰させる(S105)。ここで、減衰部152による減衰率は、同軸ケーブル300を信号が伝送された場合に、当該同軸ケーブル300における不要輻射が規定レベルに抑圧されるような値に設定されている。減衰部152によって減衰された所定周波数の信号は、電源・信号分離合成部108へ出力される。以下、送信機104が出力した所定周波数の信号を第1の所定周波数の信号と称し、送信機106が出力した所定周波数の信号を第2の所定周波数の信号と称する。
【0037】
電源・信号分離合成部108は、加算器の機能を有しており、送信機104からの第1の所定周波数の信号と、送信機106からの第2の所定周波数の信号とを合成し、合成信号を同軸ケーブル300へ出力する(S106)。図5は、同軸ケーブル300を伝送される合成信号の周波数スペクトルの一例を示す図である。上述したように、送信機104内の変調部150と、送信機104内の変調部150とは、映像信号をそれぞれ異なる所定周波数の信号に変換している。このため、電源・信号分離合成部108が、送信機104によって出力された第1の所定周波数の信号と、送信機106によって出力された第2の所定周波数の信号とを合成しても、図5に示すようにこれら第1及び第2の所定周波数の信号の周波数帯域が重なることなく、同軸ケーブル300を伝送される。
【0038】
次に、映像受信システム200の映像信号受信時の動作を説明する。図6は、映像受信システム200の映像信号受信時の動作を示すフローチャートである。
【0039】
映像受信システム200内の電源・信号分離合成部202は、同軸ケーブル300を伝送された合成信号を入力すると、当該合成信号を受信機204及び受信機206へ分配する(S201)。
【0040】
受信機204内の信号抽出部250は、バンドパスフィルタの機能を有しており、電源・信号分離合成部202からの合成信号を入力すると、この合成信号のうち、映像送信システム100内の送信機104によって出力された第1の所定周波数の信号のみを抽出して、後段の復調部252へ出力する。同様に、受信機206内の信号抽出部250は、バンドパスフィルタの機能を有しており、電源・信号分離合成部202からの合成信号を入力すると、この合成信号のうち、映像送信システム100内の送信機106によって出力された第2の所定周波数の信号のみを抽出して、後段の復調部252へ出力する(S202)。
【0041】
受信機204内の復調部252は、前段の信号抽出部250からの第1の所定周波数の信号を入力すると、当該第1の所定周波数の信号に対して復調処理を行って映像信号に変換する。この映像信号は、映像送信システム100内の映像信号選択部102から送信機104へ送られた映像信号に対応するものとなる。同様に、受信機206内の復調部252は、前段の信号抽出部250からの第2の所定周波数の信号を入力すると、当該第2の所定周波数の信号に対して復調処理を行って映像信号に変換する。この映像信号は、映像送信システム100内の映像信号選択部102から送信機106へ送られた映像信号に対応するものとなる(S203)。
【0042】
更に、受信機204内の復調部252は、受信機204に対応して設けられたモニタ600に対して、復調処理によって得た映像信号を出力する。同様に、受信機206内の復調部252は、受信機206に対応して設けられたモニタ602に対して、復調処理によって得た映像信号を出力する(S204)。
【0043】
これにより、モニタ600及び602には、カメラ500乃至506によって撮影された映像が表示される。例えば、映像送信システム100内の映像信号選択部102が、カメラ500とカメラ502からの映像信号に基づく2分割画面の映像に対応する映像信号を送信機104へ出力し、映像送信システム100内の映像信号選択部102が、カメラ504とカメラ506からの映像信号に基づく2分割画面に対応する映像信号を送信機106へ出力した場合を考える。この場合、送信機104に対応する受信機204は、映像信号選択部102から送信機104へ送られた映像信号に対応する映像信号をモニタ600に出力するため、当該モニタ600には、カメラ500とカメラ502からの映像信号に対応する2分割画面の映像が表示される。また、送信機106に対応する受信機206は、映像信号選択部102から送信機104へ送られた映像信号に対応する映像信号をモニタ602に出力するため、当該モニタ602には、カメラ504とカメラ506からの映像信号に対応する2分割画面の映像が表示される。
【0044】
このように、本実施形態の車両監視システムにおける映像伝送システム10は、映像送信システム100が複数の映像信号をそれぞれ異なる周波数の信号に変換し、更に合成した上で単一の同軸ケーブル300に出力し、映像受信システム200が当該同軸ケーブル300を伝送された合成信号から複数の周波数の信号のそれぞれを抽出して、更に映像信号に変換しており、単一の同軸ケーブル300を用いて映像送信システム100から映像受信システム200へ複数の映像信号を伝送することが可能となる。
【0045】
また、映像伝送システム10においては、映像受信システム200から映像送信システム100へ同軸ケーブル300を介して各種の制御信号を伝送することができる。具体的には、映像受信システム200において、利用者によって制御SW208が操作されると、制御信号送信部210は、その操作に応じて、受信機204、206、映像送信システム100内の送信機104、106、及び、カメラ500乃至506を制御するための制御信号を生成し、その制御対象に向けて出力する。この際、制御信号送信部210は、映像送信システム100内の送信機104、106、及び、カメラ500乃至506を制御するための制御信号については、電源・信号分離合成部202へ出力し、当該電源・信号分離合成部202は、入力した制御信号を同軸ケーブル300へ出力する。一方、制御信号送信部210は、受信機204及び206を制御するための制御信号については、直接にこれら受信機204及び206へ出力する。これら受信機204及び206は、入力した制御信号に応じた各種処理を行う。
【0046】
映像送信システム100内の電源・信号分離合成部108は、同軸ケーブル300を伝送された制御信号を入力すると、当該制御信号を制御信号受信部110へ出力する。制御信号受信部110は、入力した制御信号を解析し、当該制御信号による制御対象を特定する。そして、制御信号受信部110は、送信機104及び106を制御するための制御信号については、直接にこれら送信機104及び106へ出力する。これら送信機104及び106は、入力した制御信号に応じた各種処理を行う。
【0047】
一方、制御信号受信部110は、カメラ500乃至506を制御するための制御信号については、映像信号選択部102へ出力する。映像信号選択部102は、入力した制御信号をカメラ500乃至506へ出力する。これにより、カメラ500乃至506のパン角及びチルト角やズーム倍率等が制御される。
【0048】
ところで、上述した実施形態においては、送信機104及び106の内部に減衰部152が設けられていたが、減衰部の配置はこれに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、送信機104の後段に減衰手段としての減衰部112を、送信機106の後段に減衰手段としての減衰部114を設けた構成であってもよい。この場合、減衰部112は、前段の送信機104からの所定周波数の信号を入力し、当該所定周波数の信号を予め定められたレベルにまで減衰させる。同様に、減衰部114は、前段の送信機106からの所定周波数の信号を入力し、当該所定周波数の信号を予め定められたレベルにまで減衰させる。なお、減衰部112及び114による減衰率は、同軸ケーブル300を信号が伝送された場合に、当該同軸ケーブル300における不要輻射が規定レベルに抑圧されるような値に設定されている。
【0049】
また、図8に示すように、電源・信号分離合成部108の後段に減衰部116を設けた構成であってもよい。この場合、減衰部116は、前段の電源・信号分離合成部108からの合成信号を入力し、当該合成信号を予め定められたレベルにまで減衰させて同軸ケーブル300へ出力する。なお、減衰部116による減衰率は、同軸ケーブル300を信号が伝送された場合に、当該同軸ケーブル300における不要輻射が規定レベルに抑圧されるような値に設定されている。
【0050】
また、上述した実施形態では、映像信号選択部102は、カメラ500乃至506からの4つの映像信号を組み合わせて、送信機の台数に応じた数である2つの組み合わせを得て、2つの組み合わせのそれぞれについて、その組み合わせに属する映像信号に基づく合成映像に対応する映像信号を生成したが、送信機の台数がカメラの台数と同一あるいはカメラの台数よりも多い場合には、このような処理を行わなくてもよい。例えば、送信機の台数がカメラの台数と同一である場合には、映像信号選択部102は、各カメラからの映像信号を入力すると、各送信機毎に異なる映像信号を選択し、その選択した映像信号を送信機へ出力する。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上のように、本発明に係る映像伝送システム、映像送信システム、映像受信システム、映像送信方法及び映像受信方法は、単一の伝送ケーブルを用いて複数の映像信号を伝送することが可能であり、映像伝送システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】映像伝送システムを適用した車両周辺監視システムの構成を示す図である。
【図2】送信機の構成を示す図である。
【図3】受信機の構成を示す図である。
【図4】映像送信システムの映像送信時の動作を示すフローチャートである。
【図5】同軸ケーブルを伝送される合成信号の周波数スペクトルの一例を示す図である。
【図6】映像受信システムの映像受信時の動作を示すフローチャートである。
【図7】減衰部の配置の他の第1の例を示す図である。
【図8】減衰部の配置の他の第2の例を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
10 映像伝送システム
100 映像送信システム
102 映像信号選択部
104、106 送信機
105、107 シールド
108、202 電源・信号分離合成部
110 制御信号受信部
112、114、116 減衰部
150 変調部
200 映像受信システム
204、206 受信機
208 制御スイッチ
210 制御信号送信部
250 信号抽出部
252 復調部
300 同軸ケーブル
400 電源
500、502、504、506 カメラ
600、602 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像送信システムと映像受信システムとを単一の伝送ケーブルによって接続し、前記映像送信システムから前記映像受信システムへ映像信号を伝送する映像伝送システムであって、
前記映像送信システムは、
それぞれが異なる映像信号を入力し、該映像信号をそれぞれ異なる所定周波数の信号に変換して出力する複数の送信手段と、
前記複数の送信手段のそれぞれからの所定周波数の信号を合成して、前記伝送ケーブルへ向けて出力する合成手段とを有し、
前記映像受信システムは、
前記伝送ケーブルを伝送された信号を分配する分配手段と、
前記複数の送信手段のそれぞれに対応して設けられ、前記分配手段からの信号のうち、対応する前記送信手段によって出力された所定周波数の信号を抽出し、該所定周波数の信号を映像信号に変換する受信手段とを有することを特徴とする映像伝送システム。
【請求項2】
単一の伝送ケーブルによって映像受信システムと接続され、前記伝送ケーブルを介して前記映像受信システムへ映像信号を送信する映像送信システムであって、
それぞれが異なる映像信号を入力し、該映像信号をそれぞれ異なる所定周波数の信号に変換して出力する複数の送信手段と、
前記複数の送信手段のそれぞれからの所定周波数の信号を合成して、前記伝送ケーブルへ向けて出力する合成手段とを有することを特徴とする映像送信システム。
【請求項3】
前記送信手段は、前記所定周波数の信号を予め定められた所定レベルに減衰させて出力することを特徴とする請求項2に記載の映像送信システム。
【請求項4】
前記送信手段のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記送信手段からの所定周波数の信号を予め定められた所定レベルに減衰させて前記合成手段へ出力する複数の減衰手段を有することを特徴とする請求項2に記載の映像送信システム。
【請求項5】
前記合成手段からの信号を予め定められた所定レベルに減衰させて前記伝送ケーブルへ出力する減衰手段を有することを特徴とする請求項2に記載の映像送信システム。
【請求項6】
複数の撮影手段の撮影により得られた映像信号を入力し、前記送信手段毎に異なる映像信号を選択して前記送信手段へ出力する映像信号選択手段を有することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の映像送信システム。
【請求項7】
前記映像信号選択手段は、複数の撮影手段の撮影により得られた映像信号のうち、少なくとも2つの映像信号に基づく合成映像に対応する映像信号を生成し、該合成映像に対応する映像信号を選択して前記送信手段へ出力することを特徴とする請求項6に記載の映像送信システム。
【請求項8】
前記送信手段から漏洩する信号を遮蔽する遮蔽部を有することを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の映像送信システム。
【請求項9】
前記映像受信システムによって送信され、前記伝送ケーブルを伝送された所定の制御信号を受信する制御信号受信手段を有することを特徴とする2乃至8のいずれかに記載の映像送信システム。
【請求項10】
単一の伝送ケーブルによって映像送信システムと接続され、前記伝送ケーブルを介して前記映像送信システムからの映像信号を受信する映像受信システムであって、
前記映像送信システムにおいて複数の映像信号をそれぞれ異なる所定周波数の信号に変換して合成することによって得られ、前記伝送ケーブルを伝送された信号を分配する分配手段と、
前記分配手段によって分配された信号のうち、前記所定周波数の信号のいずれかを抽出し、該所定周波数の信号を映像信号に変換する受信手段とを有することを特徴とする映像受信システム。
【請求項11】
所定の制御信号を前記伝送ケーブルに向けて出力する制御信号送信手段を有することを特徴とする請求項10に記載の映像受信システム。
【請求項12】
前記複数の受信手段は、それぞれに対応して設けられた表示部に前記映像信号を出力することを特徴とする請求項10又は11に記載の映像受信システム。
【請求項13】
単一の伝送ケーブルによって映像受信システムと接続され、前記伝送ケーブルを介して前記映像受信システムへ映像信号を送信する映像送信システムにおける映像送信方法であって、
複数の映像信号をそれぞれ異なる所定周波数の信号に変換する変換ステップと、
前記変換ステップにおいて得られた複数の所定周波数の信号を合成して前記伝送ケーブルへ向けて出力する合成ステップとを有することを特徴とする映像送信方法。
【請求項14】
単一の伝送ケーブルによって映像送信システムと接続され、前記伝送ケーブルを介して前記映像送信システムからの映像信号を受信する映像受信システムにおける映像受信方法であって、
前記映像送信システムにおいて複数の映像信号をそれぞれ異なる所定周波数の信号に変換して合成することによって得られ、前記伝送ケーブルを伝送された信号を分配する分配ステップと、
前記分配ステップによって分配された信号を、前記所定周波数の信号のそれぞれに分離し、該所定周波数の信号を映像信号に変換する復調ステップとを有することを特徴とする映像受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−98956(P2008−98956A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−278271(P2006−278271)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(301074551)株式会社アイデンビデオトロニクス (4)
【Fターム(参考)】