説明

映像伝送プログラム

【課題】種類の異なるビデオインタフェースがそれぞれ持つ輝度・色度信号の取り得る値の範囲を補正して、全黒から全白までの映像を正しく再生する。
【解決手段】本発明は、映像送信装置と映像受信装置からなる映像伝送システムにおける該映像送信装置として利用されるコンピュータに、映像データを取得する映像入力ステップと、入力された映像データを圧縮及び符号化する映像符号化ステップと、外部から、映像データの映像が持つ輝度・色度信号の取り得る値の範囲の情報である輝度・色度パラメータを取得し、該輝度・色度パラメータと、映像符号化ステップで圧縮及び符号化された映像データとを合成する合成ステップと、合成された符号化データを映像受信装置に送信する符号化データ送出ステップと、を実行させることを特徴とする映像伝送プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像伝送方法及びシステム及びプログラムに係り、特に、ディジタル動画像データを符号化して、ネットワークを通じて伝送し、符号化してディジタル映像データを再生する映像伝送方法及びシステム及びプログラムに関する。詳しくは、映像データが持つ輝度・色度信号の取りうる値の範囲を、変換パラメータによって変換し、その変換パラメータを伝送路での通信を通じて共有する映像伝送方法及びシステム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像データを符号化して通信路を用いて伝送する映像コーディック装置では、映像信号の入出力インタフェースとして、各業界で標準となるディジタルインタフェースが用いられ、相互に互換性がない標準規格として成立・利用されている。放送業界ではHDTV(High Definition TeleVision)の映像信号に対してHD−SDI(High Definition Serial Digital Interface)インタフェースが専ら用いられている。これは、約1.5Gbpsの帯域を用いて最大1920×1080画素60フィールド4:2:2色サンプリングの映像を伝送できる。輝度・色度信号については、8ビットと10ビットの2つのモードを持っているが、放送分野ではアナログ信号の規格の名残から最小側と最大側の約1割を使用しない規定があり、YCbCr各8ビットの映像信号の場合は16〜236(輝度)、16〜240(色度)の値の範囲をとっている。10ビットないし12ビットの場合、YCbCrかRGBの各組み合わせにおいても色表現範囲が以下のように定められている(例えば、非特許文献1参照)。
・R,G,B,Y 8bit 16-235、10 bit 64・940、12 bit 256・3760
・Cb,Cr 8bit 16-240、10 bit 64-960、12 bit 256-3840
・X,Y,Z 12 bit 16・4079
一方で、コンピュータを入出力機器とする映像インタフェースではDVI(Digital Visual Interface)が専ら用いられている。RGB色空間での4:4:4サンプリングを基本としており、各色成分の値の範囲は8ビット全体で表される0〜265の値をとる。近年TV・ビデオレコーダなどの民生用映像機器で使われるようになったHDMI(High Definition Multimedia Interface)インタフェースは、DVIをベースとしており、これに音声ディジタル信号と機器相互間の制御信号線を追加して、コネクタを規定している。HD−SDIと異なり音声信号は、ビデオ信号にマルチプレクサで時間多重重畳されているのではなく、電気信号として独立している。
【0003】
最近は、放送用の機材から送出される映像信号をネットワークで伝送し、受信した受信端末において、コンピュータインタフェース中での映像信号の輝度・色度の違いが、伝送・再生表示される映像の品質劣化をもたらす。例えば、放送用の輝度16〜235の地域の信号をそのままのレンジでコンピュータ用のディスプレイ・プロジェクタに表示すると、表示デバイスは0〜255の範囲で表示可能であるので、黒が浮いた、あるいは、最高輝度の白が完全に明るくない、コントラストの低い映像が表示される。逆に、コンピュータ等で合成した0〜255の輝度・色度を利用する映像をネットワーク伝送装置で伝送して受信側でそのまま出すと、最低輝度の黒や、最高輝度の白がクリッピングされてしまうか、色彩が原色となるようになってしまう。この弊害を緩和する方法として、HD−SDIビデオを使う際に、伝送上問題とならない1〜254の値の範囲を使うといった規格外の用法も考えられている。なお、HD−SDIでは、8ビットフォーマットにおける最小値・最大値である0ないし255、10ビットでの0・1023、12ビットでの0・4095の値は、線路上の伝送ビット列が全「0」ないし全「1」となるため、伝送時のビット同期が外れやすくなる。そのため、放送規格の遵守、例外(規格外使用)に関わらず利用できない制約がある。
【非特許文献1】SMPTE規格書 S274M(1080i/P伝送フォーマット仕様)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
映像伝送システムを用いて映像のネットワーク伝送を行う場合、送信側がHD−SDIないしDVIを入力としている場合に、どのような輝度・色度の範囲を想定しているか、従来の符号化データから受信装置側では推定することができない。ディジタル信号では、映像信号フォーマットの変換が簡単にできるので、仮に、HD−SDIで入力された信号が、規格に準拠するか、規格外の信号値の範囲を使っているかはアプリケーション依存である。
【0005】
結果として、受信装置に接続された映像表示装置に適切な値の範囲の映像信号を出力することができない。その結果、ネットワークの両側にある、映像入力装置と映像表示装置の組み合わせにより、黒浮きや、白がくすんだ映像が表示されたり、黒・白がレベル範囲外になってクリッピングされてしまうことで映像品質の劣化が生じてしまう。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、映像データを符号化してネットワークを用いて伝送する際に、カメラ等の映像入力装置からの映像信号を入力する送信装置側の映像入力インタフェースや、モニタ・プロジェクタ等に映像信号を出力する受信側伝送装置の映像出力インタフェースにおいて、種類の異なるビデオ・インタフェースがそれぞれ持つ輝度・色度信号の取り得る値の範囲を補正して、全黒から全白までの映像を正しく再生するための映像伝送方法及びシステム及びプログラムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図1は、本発明の原理構成図である。
【0008】
図1の映像伝送システムは、映像送信装置100と映像受信装置200からなる映像伝送システムであって、
映像送信装置100は、
映像データが入力される映像入力手段110と、
映像データを圧縮及び符号化する映像符号化手段120と、
外部から、映像が持つ輝度・色度信号の取り得る値の範囲の情報である輝度・色度パラメータを取得し、該輝度・色度パラメータと、映像符号化手段120で圧縮及び符号化された映像データとを合成する合成手段130と、
合成手段130で合成された符号化データを映像受信装置200に送信する符号化データ送出手段140と、を有し、
映像受信装置200は、
映像送信装置100から符号化データを受信する符号化データ受信手段210と、
符号化データを輝度・色度パラメータと圧縮及び符号化された映像データに分離する分離手段220と、
分離手段220で分離された圧縮及び符号化された映像データを復号する映像復号230と、
分離手段220で分離された輝度・色度パラメータに基づいて、輝度及び色度のレベル変換を行うための係数を設定する変換パラメータ設定手段250と、
変換パラメータ設定手段250により設定された係数に基づいて、輝度及び色度の最大値と最小値との間で復号された映像データの輝度及び色度のレベルのレベル変換を行う輝度・色度レベル変換手段240と、
輝度・色度変換手段240で輝度及び色度のレベル変換が行われた映像データを出力する映像出力手段260と、を有する。
【0009】
図2は、本発明の原理を説明するための図である。
【0010】
図2に示す映像伝送方法は、映像送信装置と映像受信装置からなる映像伝送システムにおける映像伝送方法であって、
映像送信装置において、
映像入力手段が、映像データを取得する映像入力ステップ(ステップ1)と、
映像符号化手段が、入力された映像データを圧縮及び符号化する映像符号化ステップ(ステップ2)と、
合成手段が、外部から、映像が持つ輝度・色度信号の取り得る値の範囲の情報である輝度・色度パラメータを取得し、該輝度・色度パラメータと、映像符号化手段で圧縮及び符号化された映像データとを合成する合成ステップ(ステップ3)と、
符号化データ送出手段が、合成された符号化データを映像受信装置に送信する符号化データ送出ステップ(ステップ4)と、を行い、
映像受信装置において、
分離手段が、映像送信装置から符号化データを受信すると(ステップ5)、該符号化データを輝度・色度パラメータと圧縮及び符号化された映像データに分離する分離ステップ(ステップ6)と、
映像復号手段が、分離された圧縮及び符号化された映像データを復号する映像復号ステップ(ステップ7)と、
変換パラメータ設定手段が、分離された輝度・色度パラメータに基づいて、輝度及び色度のレベル変換を行うための係数を設定する変換パラメータ設定ステップ(ステップ8)と、
輝度・色度レベル変換手段が、変換パラメータ設定ステップで設定された係数に基づいて、輝度及び色度の最大値と最小値との間で復号された映像データの輝度及び色度のレベルのレベル変換を行う輝度・色度レベル変換ステップ(ステップ9)と、
映像出力手段が、輝度・色度変換ステップで輝度及び色度のレベル変換が行われた映像データを出力する映像出力ステップ(ステップ10)と、を行う。
【0011】
本発明(請求項1)は、映像送信装置と映像受信装置からなる映像伝送システムにおける該映像送信装置として利用されるコンピュータに、
映像データを取得する映像入力ステップと、
入力された前記映像データを圧縮及び符号化する映像符号化ステップと、
外部から、映像データの映像が持つ輝度・色度信号の取り得る値の範囲の情報であり、映像受信装置において復号された映像データの輝度および色度のレベル変換を行うための係数を設定するために用いる輝度・色度パラメータを取得し、該輝度・色度パラメータと、映像符号化ステップで圧縮及び符号化された映像データとを合成する合成ステップと、
合成された符号化データを映像受信装置に送信する符号化データ送出ステップと、を実行させる映像伝送プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
上記のように本発明によれば、受信装置側では、ビデオ・インタフェースの規格に依らず、送信装置が想定ないし検出している映像信号のレベル値範囲を知ることができるため、受信装置に接続される映像表示装置の信号値の範囲を勘案して、変換マトリックスの値を適切な係数セットで設定することが可能で、本来の入力映像に適合した正しい輝度値の範囲で映像を再生することができる。
【0013】
また、伝送される輝度・色度パラメータは、受信ストリームに重畳されて伝送されるので、受信装置側で、受信するストリームを切り替えた場合にも、送信装置毎の輝度パラメータを逐次設定することが可能で、複数の送信装置から伝送される映像信号をそれぞれ正しく再生表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面と共に本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図3は、本発明の一実施の形態における映像伝送システムの構成図である。
【0016】
同図に示す映像伝送システムは、映像送信装置100、映像受信装置200、ネットワーク300から構成される。
【0017】
映像送信装置100は、映像入力インタフェース110、映像符号化部120、マルチプレクサ130、及び符号化データ送出部140から構成される。映像入力インタフェース110では、外部からディジタル映像信号が入力される。映像符号化部120は、入力されたディジタル映像信号を圧縮及び符号化し、符号化データをマルチプレクサ130に出力する。マルチプレクサ130は、入力映像の取る輝度・色度レベル範囲に応じた輝度・色度変換パラメータを映像符号化部120から出力された符号化データに重畳する。符号化データ送出部140は、マルチプレクサ130により重畳された符号化データをネットワーク300を介して映像受信装置200に送信する。
【0018】
映像受信装置200は、符号化データ受信部210、デマルチプレクサ220、映像復号部230、輝度・色度変換マトリクス240、変換パラメータ設定部250、映像出力インタフェース260から構成される。符号化データ受信部210は、ネットワーク300を介して映像送信装置100から符号化データ受信する。デマルチプレクサ220は、符号化データを輝度・色度変換パラメータと符号化データに分離する。映像復号部230は、分離された符号化データを復号する。輝度・色度変換マトリクス240は、輝度及び色度の最大値と最小値との間での1対1変換が行われる。この輝度・色度変換マトリクスの1対1変換は、複数の係数セットを予め保持する変換パラメータ設定部250によって設定される。変換パラメータ設定部250は、映像送信装置100から伝送され、デマルチプレクサ220で分離された輝度・色度変換パラメータに基づいて、変換マトリクスの係数セットを変化させる。
【0019】
図4は、本発明の第1の実施の形態における映像伝送システムの動作のフローチャートである。
【0020】
ステップ101) 映像送信装置100において、映像入力インタフェース110に画像データが入力される。入力される画像データは、HD−SDIやDVIなどのディジタルフォーマットで入力され、映像入力インタフェース110において、映像の非圧縮データストリームに変換される。
【0021】
ステップ102) 次に、映像符号化部120において、非圧縮映像は、JPEG2000等の画像圧縮アルゴリズムによって圧縮・符号化される。従来の映像送信装置では、この符号化・圧縮された映像ストリームをネットワークに向けて送信するための符号化映像送出部に送られるが、本発明ではマルチプレクサ130に出力する。
【0022】
ステップ103) マルチプレクサ130に、輝度・色度パラメータが外部入力される。当該輝度・色度パラメータは、入力されたディジタル映像信号の輝度・色度信号の値の範囲を保持している。
【0023】
ステップ104) マルチプレクサ130は、符号化映像ストリームと輝度・色度パラメータが入力されると、符号化映像ストリームに輝度・色度パラメータを重畳する。
【0024】
ステップ105) 符号化データ送出部140は、輝度・色度パラメータが重畳された符号化映像ストリームをネットワーク300を介して映像受信装置200に送信する。
【0025】
ステップ106) 映像受信装置200の符号化データ受信部210は、符号化映像ストリームを受信する。
【0026】
ステップ107) デマルチプレクサ220において、受信した映像符号化映像ストリームから輝度・色度変換パラメータを分離し、輝度・色度変換パラメータを変換パラメータ設定部250に出力し、符号化データを映像復号部230に出力する。
【0027】
ステップ108) 映像復号部230は、符号化データを復号する。
【0028】
ステップ109) 輝度・色度変換マトリクス240において、変換パラメータ設定部250により設定された変換マトリクスの係数セットに基づいて、復号された映像ストリームを輝度・色度個別に数値的な圧縮伸張を行うことによってレベル変換を行う。
【0029】
ステップ110) 映像出力インタフェース260は、輝度・色度変換マトリクス240においてレベル変換が行われた映像信号を外部のディスプレイ・プロジェクタ等の映像表示機器に向けて出力する。
【0030】
次に、上記のステップ109の処理について説明する。
【0031】
図5は、本発明の第1の実施の形態における映像信号の輝度・色度の変換(同一レベルでの1:1等倍変換)を示す。同図では、映像送信装置100と映像受信装置200が輝度・色度のレンジが同一で8ビットフォーマットの場合を示している。このときは、従来と同様に、特別な処理をしないで、映像復号部230で復号された映像信号を映像出力インタフェース260に出力する。
【0032】
図6は、本発明の第1の実施の形態における映像信号の輝度・色度の変換(異なるレベルでの変換)を示す。同図では、映像送信装置100と映像受信装置200の輝度・色度レンジが異なる場合を示している。このときは、一定の傾きをもった変換式(変換直線)を用いて輝度・色度変換マトリクスにおいて輝度・色度レベルを変換する。図6中の6本の直線は、8ビットフォーマットの映像入力信号レベル3種類、出力信号レベル3種類の組み合わせで考えられる9通りの変換例のうちから、輝度・色度レンジ変換の必要のない図5の等倍変換3例を除いた6種類の例を示している。
【0033】
また、映像フォーマットが10ビットや12ビットの場合は、HD−SDI信号の場合は、映像信号のYCbCr/RGBと8/10/12ビットフォーマットの違いによって
・R,G,B,Y 8bit 16・235、 10 bit 64-940、 12 bit 256・3760
・Cb,Cr 8bit 16-240、 10 bit 64-960、 12 bit 256-3840
・X,Y,Z 12 bit 16-4079
の値をとるので、それぞれの値の最小値、最大値、あるいは、HD−SDIのインタフェースを用いて規格外で伝送した場合に表現可能な1〜1022(10ビット時)、1〜4094(12ビット時)の値に関するパラメータ情報を映像送信装置100から映像受信装置200に向けて、符号化データに重畳してネットワーク300を介して伝送し、映像受信装置200の輝度・色度変換マトリクス240において、輝度・色度のレベル変換を行う。
【0034】
図7は、本発明の第1の実施の形態における輝度・色度変換マトリクスのHD−SDIの8/10/12ビット各フォーマットの映像信号の8ビットDVIへの輝度信号の変換例を示している。
【0035】
[第2の実施の形態]
上記の実施の形態では、映像送信装置100の輝度・色度パラメータは、接続した映像ソースの種類によって外部から設定される場合を想定していたが、これを入力されるディジタル映像信号から自動的に判別して映像伝送システムの利用を簡単化することも可能である。
【0036】
図8は、本発明の第2の実施の形態における映像伝送システムの構成図である。
【0037】
同図において、図3の構成と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
同図に示す映像伝送システムは、映像送信装置100で輝度・色度レベルの自動検出を行う場合を示しており、映像送信装置100は、映像入力インタフェース115、映像符号化部120、マルチプレクサ130、符号化データ送出部140、映像信号レベル検出部150から構成される。映像受信装置200は、第1の実施の形態と同様である。
【0039】
映像入力インタフェース115は、入力された映像信号を分離して映像符号化部120と映像信号レベル検出部150に出力する。
【0040】
映像信号レベル検出部150は、映像入力インタフェース115から入力される映像信号の輝度及び色度の振幅を一定時間監視することで、HD−SDIの規格内の信号か、そうでないかを判断する。例えば、HD−SDI、8ビットフォーマットの場合には、図9のように輝度・色度信号が16〜235(輝度)・240(色度)の範囲を超えるか超えないかを判別して、輝度・色度変換パラメータを16〜235/240とするか、1〜254とするかを決定し、マルチプレクサ130に出力する。図9の例では、実線で示すものが、16〜235/240を超えているため規格外信号と判定され、点線で示すものが規格内信号と判定される。
【0041】
他の処理については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0042】
映像送信装置100が複数ある場合には、映像受信装置200が受信する符号化データを1つの映像送信装置から別の映像送信装置に切り替えることが考えられる。その場合は、新しい輝度・色度パラメータが符号化データに重畳されて受信されるので、その変化により、変換パラメータ設定部250は、改めて輝度・色度変換マトリクス240の変換係数を再設定して、新しい符号化データを復号・伸張した映像信号に対して、適切なレベル変換を行う。
【0043】
上記の第1の実施の形態の図3及び、第2の実施の形態の図8の映像送信装置100と映像受信装置200の構成要素の動作をプログラムとして構築し、それぞれ、映像送信装置、映像受信装置として利用されるコンピュータにインストールする、または、ネットワークを介して流通させることが可能である。
【0044】
また、構築されたプログラムをハードディスクや、フレキシブルディスク・CD−ROM等の可搬記憶媒体に格納し、コンピュータにインストールする、または、配布することが可能である。
【0045】
なお、本発明は、上記の実施の形態及び実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内において種々変更・応用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、ディジタルシネマ等の映像配信技術に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の原理を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における映像伝送システムの構成図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における映像伝送システムの動作のフローチャートである。
【図5】発明の第1の実施の形態における映像信号の輝度・色度の変換(同一レベルでの1:1等倍変換)を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における映像信号の輝度・色度の変換(異なるレベルでの変換)を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における輝度・色度マトリクスのHD−SDIの8/10/12ビット各フォーマットの映像信号の8ビットDVIへの輝度信号の変換例である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における映像伝送システムの構成図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における映像信号レベル検出部での規格内・規格外レベル使用判定方式の例である。
【符号の説明】
【0048】
100 映像送信装置
110 映像入力手段、映像入力インタフェース
120 映像符号化手段、映像符号化部
130 合成手段、マルチプレクサ
140 符号化データ送出手段、符号化データ送出部
150 映像信号レベル検出部
200 映像受信装置
210 符号化データ受信手段、符号化データ受信部
220 分離手段、デマルチプレクサ
230 映像復号手段、映像復号部
240 輝度・色度レベル変換手段、輝度・色度変換マトリクス
250 変換パラメータ設定手段、変換パラメータ設定部
260 映像出力手段、映像出力インタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像送信装置と映像受信装置からなる映像伝送システムにおける該映像送信装置として利用されるコンピュータに、
映像データを取得する映像入力ステップと、
入力された前記映像データを圧縮及び符号化する映像符号化ステップと、
外部から、前記映像データの映像が持つ輝度・色度信号の取り得る値の範囲の情報であり、前記映像受信装置において復号された映像データの輝度および色度のレベル変換を行うための係数を設定するために用いる輝度・色度パラメータを取得し、該輝度・色度パラメータと、前記映像符号化ステップで圧縮及び符号化された映像データとを合成する合成ステップと、
合成された符号化データを前記映像受信装置に送信する符号化データ送出ステップと、
を実行させることを特徴とする映像伝送プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−199977(P2012−199977A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−119989(P2012−119989)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【分割の表示】特願2007−286733(P2007−286733)の分割
【原出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】