説明

映像再生装置、映像表示装置および映像再生方法

【課題】より好適に映像を視聴可能とする。
【解決手段】受信した映像データを再生する映像データ再生部と、映像データに対するコメントのテキストデータを受信するテキストデータ受信部と、映像データ再生部で再生した映像データにテキストデータ受信部で受信したテキストデータを重畳する重畳部と、テキストデータ受信部で受信したテキストデータに基づいて、または、テキストデータおよび映像データ再生部で再生した映像データに基づいて、重畳処理によってテキストデータが映像データを覆い隠しうる度合いを判定する判定部とを備え、重畳部は、判定部の判定結果に応じて、映像データへのテキストデータの重畳処理を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テキストデータが重畳される映像を見易く再生する映像再生技術、映像処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
映像コンテンツをストリーミング配信する際に、利用者から入力された掲示板上のテキストデータを重畳してストリーミング配信するストリーミング配信技術が、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-297245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、多人数で利用した場合など、利用者から入力されたテキストデータが多い場合、映像が見えにくくなることがあった。
【0005】
特許文献1には、類似した内容のテキストデータについては表示しないことで表示されるテキストデータの数を減らす技術が開示されているが、この場合、内容が類似していないテキストデータが多い場合には効果が小さいという課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、より好適に映像を視聴可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施の態様は、例えば、受信した映像データを再生する映像データ再生部と、映像データに対するコメントのテキストデータを受信するテキストデータ受信部と、映像データ再生部で再生した映像データにテキストデータ受信部で受信したテキストデータを重畳する重畳部と、テキストデータ受信部で受信したテキストデータに基づいて、または、テキストデータおよび映像データ再生部で再生した映像データに基づいて、重畳処理によってテキストデータが映像データを覆い隠しうる度合いを判定する判定部とを備え、重畳部は、判定部の判定結果に応じて、映像データへのテキストデータの重畳処理を変更する構成とすればよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、より好適に映像を視聴可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1に係る映像再生装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係るテキストデータを示す図である。
【図3】本発明の実施例2に係る映像再生装置を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例3に係る映像再生装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための好ましい形態について、図面を参照しつつ以下に説明する。
【実施例1】
【0011】
まず、本発明の実施例1について、説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施例1に係る映像処理装置である映像再生装置100のブロック図を示すものであって、図示されるように、映像再生装置100は、映像音声データ受信再生部110、コメントテキストデータ受信部111、隠蔽度判定部112、重畳部113、出力部115、隠蔽度伝達部116を有する。以下、各要素の動作、機能の詳細について説明する。
【0013】
映像再生装置100は、映像音声データ101およびコメントテキストデータテーブル102を外部より受信する。例えば、インターネットなどのネットワーク回線を通じてコンテンツ配信サーバから映像音声データ101を受信する。
【0014】
ここで、他の映像再生装置の利用者がコメントとして入力したテキストデータが、ネットワークを介して該他の映像再生装置からコメントテキストデータ配信サーバに送信され、該コメントテキストデータ配信サーバに保持される。これらのコメントテキストデータを含むコメントテキストデータテーブル102がコメントテキストデータ配信サーバから映像再生装置100に送信され、映像再生装置100はこれをを受信する。但し、映像音声データ101やコメントテキストデータテーブル102の受信は、テレビジョン放送で用いられるような放送波を介したものでもよい。映像音声データ101は、例えばストリーミング方式で送受信されるが、本発明の実施の形態はストリーミング方式に限定されるものではなく、ダウンロード方式やその他の方式でもよい。
【0015】
受信したコメントテキストデータテーブル102は、図2に示すように、利用者がコメントした内容を表すテキストデータの文字列と、コメントした利用者を識別する識別情報であるユーザIDと、映像のどの再生時刻についてコメントしたかを示すコメント時刻と、コメントについてのテキストデータを映像上のどの位置に表示するかを表す位置情報ととを含むテーブルである。この位置情報は、例えば、映像の左上を基準としたピクセル単位のx、y座標系で表現すると良い。位置情報は、各映像再生装置において、利用者の指定に基づいて、コメントテキストデータとともに入力する構成とすればよい。
【0016】
映像音声データ受信再生部110は、映像音声データ101を受信した後に、映像や音声を再生するために必要な処理を行い、再生映像音声データ120を生成して映像や音声を再生する。例えば、映像音声データ101がエンコード処理されたデータである場合には、映像や音声についてデコード処理を行う。このとき、デコード情報などにもとづいて映像や音声のの再生時刻を表す再生時刻125を出力する。
【0017】
コメントテキストデータ受信部111は、コメントテキストデータテーブル102を受信し、再生するために必要な処理を行う。例えば、エンコードされている場合には適宜デコードして、再生コメントテキストデータテーブル121として出力する。
【0018】
次に、重畳部113は、再生映像音声データ120を出力映像音声データ123として出力する。また、映像音声データ120の再生時刻が、再生コメントテキストデータテーブル121に含まれるコメントテキストデータのコメント時刻と一致したときには、再生映像音声データ120の映像情報に対して、当該コメントテキストデータに対応する位置情報が指す座標に該コメントテキストデータの文字列の重畳を開始する。コメントテキストデータの文字列の重畳は、コメント時刻に対応する再生時刻に重畳を始めてから、例えば数秒間など、所定時間継続する。これは、映像再生装置100の利用者がコメントテキストデータの文字列を視認する時間を確保するためである。
【0019】
また、重畳部113は、後述する隠蔽度122に応じて、重畳処理を変更する。隠蔽度とは、重畳処理を行う場合に、重畳処理によってコメントテキストデータが映像情報を覆い隠しうる度合いを示すパラメータである。例えば、隠蔽度が所定の閾値を超えた場合に、コメントテキストデータの映像への追加重畳を所定時間または隠蔽度がが該閾値より小さくなるまで中断する。または、隠蔽度が高ければ高いほどコメントテキストデータの文字列の透明度を上げて重畳する。または、隠蔽度が高ければ高いほどコメントテキストデータの文字列のフォントサイズを小さくして重畳する。このようなコメントテキストデータの表示を制限する重畳方式、あるいはこれらの重畳方式の組み合わせにより、多数のコメントテキストが同時に重畳されて映像が視聴しづらい状態を解消し、より好適な映像視聴が可能となる。
【0020】
ここで、隠蔽度判定部112は、再生コメントテキストデータテーブル121から隠蔽度122を算出し、重畳部122に出力する。
【0021】
隠蔽度122の算出の第1の例を説明する。まず、映像音声データ受信再生部110から、再生中の映像音声データの再生時刻125を取得し、時刻の同期をとる。ここで、第1の算出例では、取得した再生時刻125において重畳部113が重畳するコメントテキストの文字数の合計の予め定めた所定の文字数(正規化基準文字数)に対する比を隠蔽度として算出する。例えば、各コメントテキストデータの文字列が表示される時間を5秒、正規化基準文字数を100とした場合、受信したコメントテキストデータテーブル102が図2の内容であるときには、再生時刻1分21秒において、文字列は「12345」と「あいうえお」のが表示されており、合計文字数は10文字である。このとき第1の算出例では、隠蔽度は10/100=0.1である。
【0022】
次に、隠蔽度122の算出の第2の例を説明する。第2の算出例では、取得した再生時刻125において重畳部113が重畳するコメント数の合計の予め定めた所定のコメント数(正規化基準コメント数)に対する比を隠蔽度として算出する。例えば、コメントテキストの文字列が表示される時間を5秒、正規化基準コメント数を10とした場合、受信したコメントテキストデータテーブル102が図2の内容であるときには、再生時刻1分21秒において、コメントは「12345」と「あいうえお」の2つが表示されている。このとき第2の算出例では、隠蔽度は2/10=0.2である。この方法は、文字数を計算する方法に比べ計算処理量を低減することが可能となり、より簡便な構成で映像再生装置100を構成することが可能となる。
【0023】
次に、隠蔽度122の算出の第3の例を説明する。第3の算出例では、取得した再生時刻125において重畳部113が重畳する文字列の面積の予め定めた所定の値(正規化基準面積)に対する比を隠蔽度として算出する。この場合、正規化基準面積は、例えば映像の面積(例えばピクセル数)とすればよい。文字列の面積は、重畳部と同じように文字列を描画した実際には表示されない映像情報を映像メモリ領域上に生成して、生成された映像情報内の文字列の面積(ピクセル数)から算出できる。この方法は、映像がテキストでどの程度覆い尽くされているかをより正確に算出することが可能である。
【0024】
また、上記のように説明した隠蔽度の計算をユーザIDごとに行っても良い。例えば、ユーザIDごとに隠蔽度を計算して、その中から最も高かったものを隠蔽度として出力する。この場合、多数の利用者の映像再生装置からコメントテキストデータ配信サーバへがコメントテキストデータを送信したシーンではなく、ある特定の利用者の映像再生装置から故意に大量のコメントテキストデータがコメントテキストデータ配信サーバへ送信されたシーンのみ隠蔽度が高いと検出することが可能である。つまり、多数の利用者が注目したシーンはコメントテキストを表示させ、一利用者による大量のコメントテキストは表示させない制御が可能となる。
【0025】
出力部115は、出力映像音声データ115の映像情報を光に変換として出力し、音声情報を音に変換して出力するものである。例えば、前者はディスプレイなどの表示部、後者はスピーカなどの音出力部である。
【0026】
以上説明した構成により、映像上に大量のコメントテキストが重畳されたときでも、映像が見えにくくなる現象が回避できる。
【0027】
また、一利用者による大量のコメントテキストにより映像が見えにくくなる現象が回避できる。
【0028】
映像再生装置100は、上記構成に加えて隠蔽度伝達部116を備えてもよい。隠蔽度伝達部116は、隠蔽度124に応じて光、音、振動などを用いて利用者に注意を促すものである。例えば、隠蔽度124がある閾値を超えたときに光、音、振動を発するようにする。すなわち、隠蔽度伝達部116は、重畳処理によってコメントテキストデータが映像情報を覆い隠しうる度合いを示す情報を出力して利用者の注意を促すものである。このとき隠蔽度124は隠蔽度122と同一でも良いが、隠蔽度124の方が時間的に後の再生時刻に対応する隠蔽度であるとより望ましい。つまり、隠蔽度判定部は、再生時刻125と同期した隠蔽度122と、再生時刻125より所定時間後の隠蔽度124を出力する。この時間差を設けることによって、実際に隠蔽度が高くなるシーンの前に、利用者に注意を促すことが可能となる。
【0029】
ここで、隠蔽度伝達部116は、出力部115が兼ねても良い。すなわち、出力映像音声データ123の映像や音声に、注意を喚起するための表示(文字、画像、映像)や音などを加えて出力することで、利用者に注意を促しても良い。この場合、映像再生装置100が、別途隠蔽度伝達部116を備える必要はなく、コストの低減が可能である。
【0030】
ここで、図示は省略するが、隠蔽度伝達部116を、映像再生装置100に対する外部機器である隠蔽度伝達装置とする構成としても良い。すなわち、映像再生装置100に前記外部機器である隠蔽度伝達装置へ無線または有線の通信線などを通じて制御情報を送信する送信部を設けて、隠蔽度判定部112が、隠蔽度124に基づく制御情報を、該送信部を介して外部機器である隠蔽度伝達装置に送信する。携帯電話や腕時計などを隠蔽度伝達装置とし、映像再生装置100から無線通信を介して送信される隠蔽度124に基づく制御情報を受信する。このとき、隠蔽度124に基づく制御情報を受信した隠蔽度伝達装置は携帯電話や腕時計が有するディスプレイなどの表示部の表示出力による隠蔽度の伝達、スピーカなどの音出力部の音出力による隠蔽度の伝達、またはバイブレータの振動発生による隠蔽度の伝達などで、利用者に注意を促すことが可能となる。この場合、利用者が出力部115を注視していない場合でも、身に付けた隠蔽度伝達装置によって利用者に注意が喚起され、大量のコメントテキストが重畳されたシーン、つまり他の多くの利用者が注目しているシーンを見逃しにくくなるという効果がある。
【0031】
以上説明した構成により、映像上に大量のコメントテキストが表示されるため映像が見えにくくなる前に、事前に利用者に注意を促すことが可能となる。また、他の利用者が注目しているシーンであることを利用者に喚起させることが可能となる。
【0032】
映像再生装置100は、出力部115としてディスプレイなどの表示部を有する映像表示装置として構成してもよく、テレビジョン放送信号を受信して映像を再生するテレビジョン受信機として構成しても良い。また、映像音声データ101やコメントテキストデータテーブル102などを記録する記録装置を備えた記録再生装置として構成してもよい。
【0033】
また、映像音声データ101およびコメントテキストデータテーブル102は、インターネット回線だけでなく、放送波401を通じて配信しても良い。
【0034】
なお、以上の説明では、映像音声データ受信再生部110で受信し、重畳部113、出力部115で処理するデータは映像音声データとしたが、単に映像データだけでもよい。
【0035】
また、映像音声データ受信再生部110、重畳部113、出力部115間のデータの送信は、説明を簡単にするため、映像音声データとして説明したが、映像音声データ受信再生部110で映像データと音声データとを分離し、以降の処理をそれぞれ別系統で処理してもよい。
【0036】
また、コンテンツ配信サーバとコメントテキストデータ配信サーバとは別サーバとして説明したが、一体のサーバでもよい。
【0037】
また、映像音声データ受信再生部110とコメントテキストデータ受信部111とは一体の受信部または入力部でもよい。
【0038】
以上説明した実施例1に係る映像再生装置によれば、他の利用者の装置によるコメントテキストデータが多い場合にも、より好適な映像の視聴が可能となる。
【実施例2】
【0039】
次に、本発明の実施例2について説明する。
【0040】
図3は、本発明実施例2に係る映像処理装置である映像再生装置101のブロック図を示すものである。映像再生装置101は、再生制御部117、映像音声データ受信再生部110、コメントテキストデータ受信部111、隠蔽度判定部118、重畳部113、出力部115、隠蔽度伝達部116を有する。
【0041】
実施例1と同じ符号が付された構成要素は、実施例1と同様の動作を行うものであるため、動作の説明は省略する。
【0042】
また、実施例1に記載に記載のいずれの変形例も同様に実施例2に適用可能であるので、繰り返しの説明は省略する。
【0043】
以下、各要素の動作、機能の詳細について説明する。
【0044】
映像音声データ受信再生部110は、後述する再生制御部117から送信される制御信号105が示す再生時刻の再生映像音声データ120を出力する。再生映像音声データ120がエンコード処理されたデータである場合には、デコード処理を行う。映像音声データ101がストリーミング方式で送信される場合、映像音声データ受信再生部110で既に受信した映像音声データを記憶しておくか、あるいは映像音声データ要求信号104をコンテンツ配信サーバに対して送信し、所望の時刻の映像音声データを要求することで、該所望の時刻の映像音声データ101を取得し、当該時刻の再生映像音声データ120を出力することができる。また、映像音声データ受信再生部110は、現在再生中の映像音声データの再生時刻を再生時刻125として出力する。
【0045】
再生制御部117は、リモコンなどにより映像再生装置101の外部から入力されるユーザ操作信号103に応じて、映像音声データのどの時刻を再生するかを制御する制御信号105を映像音声データ受信再生部110に送信する。このとき、利用者が所望の時間分の巻き戻し操作を行い、再び同じ映像を再生し始めた場合、隠蔽度判定部118にリプレイ信号106を送信する。例えば、このリプレイ信号は、映像音声データ受信再生部110から入力される再生時刻125が巻き戻し操作開始時の再生時刻に戻るするまで送信し続ける。
【0046】
隠蔽度判定部118は、実施例1に記載した隠蔽度判定部112の動作に加え、もし、リプレイ信号が再生制御部117から送信されているときには、リプレイ信号がない通常の再生時よりも隠蔽度を高くする。例えば、隠蔽度を強制的に1.0や最大値など、通常の再生時の隠蔽度よりも高い可能性が高くなる所定の値としてもよい。
【0047】
これにより、再生制御部117の制御により映像音声データ受信再生部110による映像データの再生時刻を変更し、該映像データについて既に映像音声データ受信再生部110が再生した部分を再び再生する場合には、重畳部113は、先の再生時よりもコメントテキストデータの表示の制限を強くするように、コメントテキストデータの映像データへの重畳処理を変更することとなる。
【0048】
以上説明した構成により、利用者が例えば、所望の短時間の巻き戻し動作と再生動作(クイックリプレイ)を行ったときに、コメントテキストを見えにくくすることが可能となる。例えば、大量のコメントテキストが表示され実際の映像が見えにくくなった場合に、利用者の操作によりクイックリプレイを行うことがあるが、クイックリプレイの再生の際には自動的にコメントテキストを見えにくくし、映像を見易くすることが可能となる。
【0049】
以上説明した実施例2に係る映像再生装置によれば、実施例1の効果に加えて、利用者の操作によるクイックリプレイの際に、より好適な映像の視聴が可能となるという効果がある。
【実施例3】
【0050】
次に、本発明の実施例3について説明する。
【0051】
図4は、本発明の実施例3に係る映像処理装置である映像再生装置102のブロック図を示すものである。映像再生装置102は、再生制御部130、映像音声データ受信再生部110、テキストデータ受信部111、隠蔽度判定部119、重畳部113、出力部115、隠蔽度伝達部116を有する。
【0052】
このうち、実施例1、実施例2と同じ符号が付された構成要素は、実施例1と同様の動作を行うものであるため、動作の説明は省略する。
【0053】
また、実施例1及び実施例2に記載に記載のいずれの変形例も同様に実施例2に適用可能であるので、繰り返しの説明は省略する。
【0054】
以下、各要素の動作、機能の詳細について説明する。
【0055】
隠蔽度判定部119は、再生コメントテキストデータテーブル121を受信した後、再生コメントテキストデータテーブル121を解析して、再生ポイント情報107を生成して再生制御部130に出力する。当該再生ポイント情報は、実施例1において説明した隠蔽度判定によって算出した隠蔽度が、所定の閾値を超えた時刻を示す。このようなコメントテキストが大量に送信された(隠蔽度が高くなる)時刻は、多数の利用者が注目しているシーンである可能性が高い。
【0056】
再生制御部130は、リモコンなどにより映像再生装置101の外部から入力されるユーザ操作信号103により当該再生ポイントへのジャンプ指示(再生時刻変更指示)を受け取ったら、隠蔽度判定部119から取得した再生ポイントの時刻を示す制御信号105を出力する。この制御信号105を受信した映像音声データ受信再生部110は、当該制御信号105が示す再生ポイントの時刻の再生映像音声データ120を出力する。
【0057】
なお、隠蔽度判定部119で生成した再生ポイント情報107を、重畳部113に送信し、再生映像に重畳して出力部115から出力することにより、再生ポイントを利用者による提示してもよい。この場合、利用者に対して、所望の再生ポイントの選択を促すことが可能である。
【0058】
以上説明した構成により、多数の利用者が注目しているシーン(コメントテキストが多いシーン)についての再生時刻を示す再生ポイント情報を自動生成することができ、利用者は当該時刻の映像をより簡単に再生することが可能となる。
【0059】
以上説明した実施例3に係る映像再生装置によれば、実施例1または実施例2の効果に加えて、当該映像再生装置の利用者が、他の多くの利用者が注目しているシーンをより簡単に再生することが可能となるという効果がある。
【符号の説明】
【0060】
100 映像再生装置
101 映像再生装置
102 映像再生装置
110 映像音声データ受信再生部
111 コメントテキストデータ受信部
112 隠蔽度判定部
113 重畳部
115 出力部
116 隠蔽度伝達部
117 再生制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した映像データを再生する映像データ再生部と、
前記映像データに対するコメントのテキストデータを受信するテキストデータ受信部と、
前記映像データ再生部で再生した映像データに前記テキストデータ受信部で受信したテキストデータを重畳する重畳部と、
前記テキストデータ受信部で受信したテキストデータに基づいて、または、該テキストデータおよび前記映像データ再生部で再生した前記映像データに基づいて、重畳処理によって前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いを判定する判定部とを備え、
前記重畳部は、前記判定部の判定結果に応じて、前記映像データへの前記テキストデータの重畳処理を変更することを特徴とする映像再生装置。
【請求項2】
前記判定部が、前記重畳処理によって前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いを示す値を算出し、該値が所定の閾値より大きいと判定した場合に、前記重畳部は前記テキストデータの表示が制限されるように、前記テキストデータの前記映像データへの重畳処理を変更することを特徴とする請求項1の映像再生装置。
【請求項3】
前記重畳部は、前記判定部の判定結果に応じて、前記テキストデータの前記映像データへの追加重畳の中断の有無、前記映像データへ重畳するテキストデータの透明度、または前記映像データへ重畳するテキストデータのフォントサイズを変更することを特徴とする請求項1または請求項2の映像再生装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3に記載の映像再生装置であって、
前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いを示す情報を伝達する伝達部を有することを特徴とする映像再生装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3に記載の映像再生装置であって、
前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いを示す情報に基づく制御情報を外部の機器に送信する送信部を備えることを特徴とする映像再生装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5に記載の映像再生装置であって、
外部から入力される操作信号により、前記映像データ再生部が再生する映像データの再生時刻を変更する再生制御部を備え、
前記再生制御部により再生時刻が変更され、前記映像データ再生部が前記映像データのうち、既に再生した部分を再び再生する場合には、
前記重畳部は、既に再生した再生時よりも前記テキストデータの表示の制限を強くするように、前記テキストデータの前記映像データへの重畳処理を変更することを特徴とする映像再生装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6に記載の映像再生装置であって、
前記判定部は、前記重畳処理によって前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いを示す値を算出し、該値が所定の閾値より大きくなる再生時刻を示す情報を生成することを特徴とする映像再生装置。
【請求項8】
受信した映像データを再生する映像データ再生部と、
前記映像データに対するコメントのテキストデータを受信するテキストデータ受信部と、
前記映像データ再生部で再生した映像データに前記テキストデータ受信部で受信したテキストデータを重畳したデータを生成する重畳部と、
前記テキストデータ受信部で受信したテキストデータに基づいて、または、該テキストデータおよび前記映像データ再生部で再生した前記映像データに基づいて、重畳処理によって前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いを判定する判定部と、
前記重畳部が生成したデータを表示する表示部とを備え、
前記表示部における表示において、前記判定部の判定結果に応じて、前記映像データへの前記テキストデータの重畳表示が変更されることを特徴とする映像表示装置。
【請求項9】
前記判定部が前記重畳処理によって前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いを示す値を算出し、該値が所定の閾値より大きいと判定された場合に、前記表示部における表示において、前記テキストデータの表示が制限されることを特徴とする請求項8の映像表示装置。
【請求項10】
前記表示部における表示において、前記判定部の判定結果に応じて、前記テキストデータの前記映像データへの追加重畳表示の中断の有無、前記映像データへ重畳するテキストデータの透明度、または前記映像データへ重畳するテキストデータのフォントサイズが変更されることを特徴とする請求項8または請求項9の映像表示装置。
【請求項11】
請求項8から請求項10に記載の映像表示装置であって、
前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いを示す情報を伝達する伝達部を有する、または、前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いを示す情報を前記表示部に表示することを特徴とする映像表示装置。
【請求項12】
請求項8から請求項10に記載の映像表示装置であって、
前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いに基づく制御情報を外部の機器に送信する送信部を備えることを特徴とする映像表示装置。
【請求項13】
請求項8から請求項12に記載の映像表示装置であって、
外部から入力される操作信号により、前記映像データ再生部が再生する映像データの再生時刻を変更する再生制御部を備え、
前記再生制御部により再生時刻が変更され、前記映像データ再生部が前記映像データのうち、既に再生した部分を再び再生する場合には、
前記表示部における表示において、既に再生した再生時よりも前記テキストデータの表示が強く制限されることを特徴とする映像表示装置。
【請求項14】
請求項8から請求項13に記載の映像表示装置であって、
前記判定部が前記重畳処理によって前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いを示す値を算出し、前記表示部は該値が所定の閾値より大きくなる再生時刻を示す情報を表示することを特徴とする映像表示装置。
【請求項15】
映像データを受信する映像データステップと、
前記映像データに対するコメントのテキストデータを受信するテキストデータ受信ステップと、
前記映像データを再生する映像データ再生ステップと、
受信した前記テキストデータに基づいて、または、前記テキストデータおよび再生した前記映像データに基づいて、重畳処理を行う場合に前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いを判定する判定ステップと、
再生した前期映像データに受信した前記テキストデータを重畳する重畳ステップとを備え、
前記重畳ステップでは、前記判定ステップの判定結果に応じて、前記映像データへの前記テキストデータの重畳処理を変更することを特徴とする映像再生方法。
【請求項16】
前記判定ステップにおいて、前記重畳処理を行う場合に前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いを示す値を算出し、該値が所定の閾値より大きいと判定された場合に、
前記重畳ステップにおいて、前記テキストデータの表示が制限されるように、前記テキストデータの前記映像データへの重畳処理を変更することを特徴とする請求項15の映像再生方法。
【請求項17】
前記重畳ステップにおいて、前記判定ステップにおける判定結果に応じて、前記テキストデータの前記映像データへの追加重畳の中断の有無、前記映像データへ重畳するテキストデータの透明度、または前記映像データへ重畳するテキストデータのフォントサイズを変更することを特徴とする請求項15または請求項16の映像再生方法。
【請求項18】
請求項15から請求項17に記載の映像再生方法であって、
前記映像データ再生ステップで再生する映像データが、映像データ再生時刻の変更により既に再生された部分を再度再生するものである場合には、
前記重畳ステップにおいて、既に再生した再生時よりも前記テキストデータの表示の制限を強くするように、前記テキストデータの前記映像データへの重畳処理を変更することを特徴とする映像再生方法。
【請求項19】
請求項15から請求項17に記載の映像再生方法であって、
前記重畳処理を行う場合に前記テキストデータが前記映像データを覆い隠しうる度合いを示す値を算出し、該値が所定の閾値より大きくなる再生時刻を示す情報を生成する再生時刻情報生成ステップを備える
ことを特徴とする映像再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−216930(P2011−216930A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80108(P2010−80108)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】