説明

映像処理装置

【課題】メモリを効率的に使用し、精度の高いフレーム検出と早い動きに対応したフレーム検出の両方を行うことができる映像処理装置を提供する。
【解決手段】映像処理装置100は、映像データが入力される処理選択部21、第1動き検索用メモリ部13、フレームメモリ部12、第2動き検索用メモリ部14、第2動き検索用メモリ部14へ画像フレームを供給するセレクタ部22、画像フレームのアドレス読み出し位置を制御するアドレス制御部20、第2動き検索用メモリ部14の画像フレームの対象画素の動きを検出する第1動き候補検出部15、第1動き検索用メモリ部13の画像フレームの対象画素の動きを検出する第2動き候補検出部16、対象画像の動き候補位置を第1動き検索用メモリ部13及び第2動き検索用メモリ部14に格納された画像フレームから検出する第3動き候補検出部17を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プルダウン方式で作成された映像の、前後フレーム間での動き推定を行うための映像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ等の映像表示デバイスにおいて、入力映像のフレーム間に補間フレームを挿入することで、入力されたフレームレートと比して高いフレームレートで出力し、滑らかでぼけの少ない動画を提供する技術が一般的になっている。その一つとして、映画等の映像を滑らかに見せるためのデジャダー処理が注目されている。
【0003】
映画等の映像信号は、元々1秒間に24コマで撮影されているが、日本における映像フォーマットは1秒間に60コマが一般的である。このため24コマで撮影された映像を60コマで再生するために、同じフレームを2フレーム連続、3フレーム連続を交互に表示させる2−3プルダウン処理等を行っている。
【0004】
2−3プルダウン処理による表示では、連続するフレームが2フレームと3フレームで交互に出力されるため、動画に多少がたつきが見られる。また、1秒間に映像の異なるフレームは24コマあるため、60コマの映像信号に比べて1コマあたりの動きが大きく、動画のぼけが目立つ。
【0005】
そこで、24コマの映像フレーム間の動きを推定して補間フレームを生成し挿入し、映像の異なるフレームを60コマ分、即ち標準的映像フォーマットと同じコマ数分生成することで、2−3プルダウン処理時の動画のがたつきがなくなり、動画のぼけも少なくなる。
【0006】
例えば、このような動画像フォーマット変換技術として、特許文献1に示されるような手法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−167887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
デジャダー処理において補間フレームを生成するためには、元フレーム間の差異によって動きを検出する必要がある。動き検出の方法は多種多様だが、一般的に、精度の高い検出をする際には、連続する前後のフレーム間の検出において、前フレームの対象画素の後フレームにおける該当位置を検出する前フレーム基準の検出と、後フレームの対象画素の前フレームにおける該当位置を検出する後フレーム基準の検出との、両方を行うことが行われる。
【0009】
又、対象画素の早い移動に対応するためには広範囲で検出する必要がある。このためには、基準のフレームではない方のフレームにおいて、ある程度広い探索範囲を持つ必要がある。探索範囲の拡大には、多量のメモリ資源が必要であった。
【0010】
そこで本発明は、メモリを有効に利用し、メモリを増やさずに広範囲の検索にも対応させ、かつ精度の高い検出を行うことが可能な映像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明は次の(a)、(b)の映像処理装置を提供するものである。
【0012】
(a)複数の同一画像フレームを有する複数の画像フレーム群から構成される映像データが入力される処理選択部(21)と、前記画像フレームを一時的に格納する第1メモリ(13)と、前記画像フレームを1または複数フレーム遅延させるフレームメモリ(12)と、前記画像フレームあるいは、前記フレームメモリから出力された画像フレームを一時的に格納する第2メモリ(14)と、前記第2メモリへ選択的に画像フレームを供給するセレクタ(22)と、前記フレームメモリに格納された前記画像フレームのアドレス読み出し位置を制御するアドレス制御部(20)と、前記第1メモリに格納された画像フレームを基準として、前記第2メモリに格納された画像フレームより対象画素の動きを検出する第1動き候補検出部(15)と、前記第2メモリに格納された画像フレームを基準として、前記第1メモリに格納された画像フレームより対象画素の動きを検出する第2動き候補検出部(16)と、前記フレームメモリ部から取得する前記対象画像の動き候補位置を、第1メモリ及び第2メモリに格納された画像フレームから検出する第3動き候補検出部(17)とを備え、前記処理選択部は、第1の画像フレーム群に含まれる第1の画像フレームと異なる第2の画像フレームが入力されたことを検出すると、前記フレームメモリから前記第1の画像フレームを前記第2メモリへ供給させるよう前記セレクタを制御し、前記第2の画像フレームが少なくとも2以上入力されたことを検出すると、前記第2の画像フレームを前記第2メモリへ供給させるよう前記セレクタを制御すると共に前記アドレス制御部を制御することを特徴とする映像処理装置。
(b)前記処理選択部は、前記第1の画像フレームに続く前記第2の画像フレームの入力を検出すると、前記フレームメモリから対象画素を読み出すよう前記アドレス制御部を制御し、前記第1メモリに格納された画像フレームの映像データに続く読み出し位置の映像データを前記第2メモリに供給するよう前記セレクタ部を制御することを特徴とする(a)に記載の映像処理装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明の映像処理装置によれば、メモリ資源を効率的に使用することによって、メモリを拡大せずに、精度の高いフレーム検出と早い動きに対応したフレーム検出の両方を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る映像処理装置の全体構成図である。
【図2】精度の高いフレーム検出に係る映像処理装置の構成図である。
【図3】早い動作の広範囲フレーム検索に係る映像処理装置の構成図である。
【図4】2-3プルダウン処理時のメモリ使用状態を示す図である。
【図5】2-3プルダウン処理時のメモリ使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。更に以下に記載される数式は一例であり、その本質を同一とする範囲において適宜変更可能であることに留意すべきである。
【0016】
(実施の形態)
(映像処理装置)
本発明の実施の形態に係る映像処理装置100について図1を参照して説明する。
【0017】
映像処理装置100は、入力信号受信部11、フレームメモリ部12、第一動き検索用メモリ部13、第二動き検索用メモリ部14、第一動き候補検出部15、第二動き候補検出部16、第三動き候補検出部17、動き候補選択部18、動き決定部19、アドレス制御部20、処理選択部21およびセレクタ部22を備えている。
【0018】
入力信号受信部11は、複数の同一画像フレームを有する複数の画像フレーム群から構成される映像入力信号を受信する。本実施形態では入力信号受信部11は、2-3プルダウン処理がなされた映像入力信号、すなわち2枚の同一画像フレームを有する第1の画像フレーム群、3枚の同一画像フレームを有する第2の画像フレーム群、2枚の同一画像フレームを有する第3の画像フレーム群、3枚の同一画像フレームを有する第4の画像フレーム群、…から構成される映像入力信号を受信する。フレームメモリ部12は、入力信号受信部11から受信する映像入力信号を一時格納し、画像フレームを1または複数フレーム遅延させる。
【0019】
第一動き検索用メモリ部13は、画像フレームを一時的に格納する第1メモリであり、入力信号受信部11から受信する動き検索用の映像入力信号を一時格納する。
【0020】
第二動き検索用メモリ部14は、画像フレームあるいは、フレームメモリ部12から出力された画像フレームを一時的に格納する第2メモリであり、入力信号受信部11から受信する動き検索用の映像入力信号を一時格納する。第一動き検索用メモリ部13と第二動き検索用メモリ部14は同じメモリ幅、例えば30ライン分の水平メモリ又は垂直メモリを有する。
【0021】
第一動き候補検出部15は、連続する前後フレーム間のうち、前フレームを基準として後フレームにおける該当動き候補位置を検出する。より具体的には、第1動き候補検出部15は、第一動き検索用メモリ部13に格納された画像フレームを基準として、第二動き検索用メモリ部14に格納された画像フレームより対象画素の動きを検出する。第二動き候補検出部16は、連続する前後フレーム間のうち、後フレームを基準として前フレームにおける該当動き候補位置を検出する。より具体的には、第2動き候補検出部16は、第二動き検索用メモリ部14に格納された画像フレームを基準として、第一動き検索用メモリ部13に格納された画像フレームより対象画素の動きを検出する。第一動き候補検出部15および第二動き候補検出部16は、精度の高い動き検出において使用される。
【0022】
第三動き候補検出部17は、フレームメモリ部12から取得する対象画像の該当動き候補位置を第一動き検索用メモリ部13及び第二動き検索用メモリ部14の内から検出する。第三動き候補検出部17は、早い動きの広範囲検出において使用される。
【0023】
動き候補選択部18は、第一動き候補検出部15および第二動き候補検出部16から取得する該当動き候補位置を基に、動き候補位置を選択する。
【0024】
動き決定部19は、動き候補選択部18から受信する動き候補位置と、第三動き候補検出部17から受信する動き候補位置を比較し、どちらの動き候補位置を動き位置として採用するか決定する。
【0025】
アドレス制御部20は、処理選択部21の指示に従い、フレームメモリ部12に格納された画像フレームのデータアドレス読み出し位置を制御する。読み出しの際、精度の高い動き検出の場合と、早い動きに対応した動き検出の場合とで、映像信号データの読み出し位置を変えることで、動き検索対象画素の位置を任意に決めることができるようにする。
【0026】
処理選択部21は、入力信号受信部11から映像入力信号を受信し、入力された映像信号が前画像フレーム群とは異なる次の画像フレーム群であるか否か、画像フレーム群の切り替わりを検出した後同一画像フレームが検出されたか否か、等を判断する。処理選択部21は、判断結果をアドレス制御部20およびセレクタ部22に送信する。
【0027】
セレクタ部22は、第2メモリへ選択的に画像フレームを供給するセレクタである。具体的にはセレクタ部22は、切り替え位置画像であるとの判断結果を受信すると、第二動き検索用メモリ部14へ入力するための映像データ送信元を選択し、切り替えを行う。
【0028】
尚、図1と図2及び図3は同じ構成を示したものであるが、理解を助けるために、図2は精度の高い動き検出にて使用される各部を実線で示しており、図3は早い動きの広範囲検出にて使用される各部を実線で示している。
【0029】
(映像処理装置の動き検索動作)
映像処理装置100の動き検出について、精度の高い動き検出と早い動きの広範囲検出に分けて説明する。
【0030】
(a)まず、精度の高い動き検出について図2を参照して説明する。
【0031】
入力信号受信部11から送られる映像入力信号は第一動き検索用メモリ部13と、処理選択部21に送信される。第一動き検索用メモリ部13は受信した映像入力信号を所定メモリ幅分、例えば30ライン分の映像情報を一時格納する。処理選択部21は当該映像入力信号が前画像フレーム群と異なる画像フレーム群であるか否かを判断する。具体的に説明すると、2−3プルダウン処理方式の画像であった場合、図4(a)に示すようにA1、A2、B1、B2、B3、C1、C2、D1…と画像が並ぶが、この内の同一アルファベットの付された画像、例えばA1およびA2を、複数枚の同一画像で構成された画像フレーム群とする。処理選択部21は、図4(a)丸1にてA2画像の次のB1画像を受信した際、画像フレーム群Aから新たな画像フレーム群Bに移行したと判断する。判断結果はアドレス制御部20に送信される。アドレス制御部20が判断結果より新たな画像フレーム群への移行であると判断した場合、アドレス制御部20は、図5(a)に示すよう、アドレス制御部20に第一動き検索用メモリ部13に一時格納される映像入力信号と同位置から同一メモリ幅ラインをフレームメモリ部12に読み込むように指示する。尚、動き検索の対象画素5は、動き検索を容易とするため、第一動き検索用メモリ部13と第二動き検索用メモリ部14の中央ライン近辺となるようにする。フレームメモリ部12はこの読み込み指示を受け、第一動き検索用メモリ部13に格納される映像入力信号と同位置から同一幅分画像を読み込む。更に処理選択部21から新たな画像フレーム群へ移行したとの判断結果を受信したセレクタ部22は、フレームメモリ部12に格納される画像データを第二動き検索用メモリ部14に出力させる。言い換えると、処理選択部21は、第1の画像フレーム群に含まれる第1の画像フレームと異なる第2の画像フレームが入力されたことを検出すると、フレームメモリ部12から第1の画像フレームを第二動き検索用メモリ部14へ供給させるようセレクタ部22を制御する。これにより、図4(b)丸1に示すように、第一動き検索用メモリ部13と第二動き検索用メモリ部14には同位置から読み込まれた同一幅分の画像が一時格納される。
【0032】
(b)次に、第一動き検索用メモリ部13と第二動き検索用メモリ部14に格納される画像を用いて精度の高い動き検出処理を行う動作を図2を参照して説明する。
【0033】
第一動き候補検出部15は、第一動き検索用メモリ部13の出力信号群のうちの基準となる対象画素5と第二動き検索用メモリ部14の出力信号群とを比較し、対象画素5の動いた先が第二動き検索用メモリ部14上のどの位置に該当するのかを検出する。同様に、第二動き候補検出部16は、第二動き検索用メモリ部14の出力信号群のうちの基準となる対象画素5と第一動き検索用メモリ部13の出力信号群とを比較し、対象画素5の動いた先が第一動き検索用メモリ部13上のどの位置に該当するのかを検出する。即ち、連続する前後フレーム間の、前フレームの対象画素の動きと、後フレームの対象画素の動きの両方を検出する。
【0034】
動き候補選択部18は、第一動き候補検出部15および第二動き候補検出部16から動き候補検出結果を取得し、動き候補位置を選択する。選択された動き候補位置は動き決定部19に送信される。尚、動き候補位置の決定は動きベクトル検出等を用いた公知の方法で決定する。
【0035】
(c)次に早い動きの広範囲での検出について図3を参照して説明する。
【0036】
入力信号受信部11から送られる映像入力信号は第一動き検索用メモリ部13と、処理選択部21に送信される。第一動き検索用メモリ部13は受信した映像入力信号を所定メモリ幅分、例えば30ライン分の映像情報を一時格納する。処理選択部21は先に入力された画像フレーム群とは異なる画像フレーム群の画像フレームが入力された後、同一画像フレームが連続して入力されたか否かを判断する。例えば、図4(a)丸2に示すような位置の場合、画像フレーム群Aとは異なる画像フレーム群Bの画像フレームB1を検出した後、連続して入力される画像フレームB2が先の画像フレームB1と同一画像フレームであるか否かを判断し、画像フレームB2を選択対象と判断する。尚、図4(a)丸1及び2では一例として精度の高い検出に画像フレームB1を、素早い広範囲の検出に画像フレームB2を使用しているが、2-3プルダウン方式ではB1〜B3の画像はいずれも同じものである為、いずれの検出にどの画像を使用しても構わない。しかしメモリを不要に拡張しない為、精度の高い検出で例えば画像フレームB1が使用されると、早い動きの広範囲検出ではB1とは異なる同一の画像フレーム群のフレームB2又はB3が使用されることが好ましい。又B画像フレーム群のように2−3プルダウン方式で3枚の同一画像が存在する場合は処理選択部21において使用しないフレームをフレームメモリに書き込まないよう制御する等の処理を行うことが望ましい。実装として、例えば、異なる画像フレーム群の一枚目の画像を精度の高い検出に使用し、二枚目の画像を早い動きの広範囲検出に使用し、三枚目の画像はフレームメモリに書き込まないよう制御するように設計してもよい。
【0037】
処理選択部21は、A画像フレーム群に含まれるA画像フレームA2に続いて、A画像フレームとは異なるB画像フレームB1が入力されたことを検出し、続いて入力された画像フレームが、B画像フレームB2であることを検出する。処理選択部21は、同一画像フレーム(ここでは、B画像フレーム)が続いて2以上入力されたことを検出すると、アドレス制御部20及びセレクタ部22を以下のように制御する。
【0038】
処理選択部20による判断結果に基づいて、アドレス制御部20は、動き検索の対象画素5を含む映像信号を読み出すようフレームメモリ部12を制御する。尚、動き検索の対象画素5の位置は、広範囲での動き検索を容易とするため、第一動き検索用メモリ部13と第二動き検索用メモリ部14の中央となるようにする。フレームメモリ部12は対象画素を含む映像信号を第三動き候補検出部17に出力する。更に処理選択部21から異なる画像フレーム群へ移行したとの判断結果を受信したセレクタ部22は、第一動き検索用メモリ部13に格納される映像信号データより1メモリ幅分だけ遅れて読みだした映像信号データを第二動き検索用メモリ部14に出力させる。これにより、図4(b)丸2に示すように、第一動き検索用メモリ部13には対象画素5から上方にかけての1メモリ幅分の画素、第二動き検索用メモリ部14には対象画素5から下方にかけての1メモリ幅分の画素が一時格納される。尚、本実施の形態においては水平メモリが使用されているが、これは垂直メモリであっても構わない。
【0039】
(d)次に、フレームメモリ部12より取得する対象画素5と、第一動き検索用メモリ部13及び第二動き検索用メモリ部14に格納される画像を用いて早い動きの広範囲での検出処理を行う動作を図3を参照して説明する。
【0040】
第三動き候補検出部17は、フレームメモリ部12から送信される基準となる対象画素5と、第一動き検索用メモリ部13及び第二動き検索用メモリ部14の出力信号群とを比較し、対象画素5の動いた先が第一動き検索用メモリ部13及び第二動き検索用メモリ部14上のどの位置に該当するのかを検出する。即ち、対象画素5の上位ライン方向への動きと下位ライン方向への動きの双方を1メモリ幅ずつ、即ち2メモリ幅分を検出する。検出された動き候補結果は動き決定部19へ送信される。
【0041】
動き決定部19は、動き候補選択部18から受信する精度の高い動き候補位置と、第三動き候補検出部17から受信する広範囲での動き候補位置を比較し、どちらの動き候補位置を動き位置として採用するか決定する。
【0042】
同様に、後続する画像フレーム群Bから画像フレーム群C間の動き推定においても、図4(a)丸3に示す前画像フレーム群Bから異なる画像フレーム群Cへ移った際には、図4(b)丸3に示すようにフレームC1を用いて精度の高い検出を行い、図4(a)丸4ではフレームC2を用いて図4(b)丸4に示すような早い動きの広範囲検出を行う。尚、図4(a)丸3及び4では精度の高い検出にフレームC1を、早い動きの広範囲検出にフレームC2を使用しているが、上述したようにこれは一例であり、精度の高い検出にフレームC2を、早い動きの広範囲検出にフレームC1を使用しても同様の結果が得られることは勿論である。
【0043】
このように、2つのメモリを有効に利用することで、メモリ量を増やさずに精度の高い動き検出及び広範囲の検出を行うことができる。
【0044】
なお上述した、処理選択部21が、A画像フレーム群に含まれるA画像フレームA2に続いて、A画像フレームとは異なるB画像フレームB1が入力されたことを検出した場合に行うアドレス制御部20及びセレクタ部22に対する制御と、B画像フレームB1が入力され、続いてB画像フレームB2(あるいはB画像フレームB3)が入力されたことを検出した場合に行うアドレス制御部20及びセレクタ部22に対する制御とは、交換してもよいものである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の映像処理装置によれば、メモリ資源を効率的に使用することによって、精度の高いフレーム検出と早い動きに対応したフレーム検出の両方を行うことができ、メモリ量の拡大を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0046】
5 … 動き検出の対象画素
11 … 入力信号受信部
12 … フレームメモリ部
13 … 第一動き検索用メモリ部
14 … 第二動き検索用メモリ部
15 … 第一動き候補検出部
16 … 第二動き候補検出部
17 … 第三動き候補検出部
18 … 動き候補選択部
19 … 動き決定部
20 … アドレス制御部
21 … 処理選択部
22 … セレクタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の同一画像フレームを有する複数の画像フレーム群から構成される映像データが入力される処理選択部と、
前記画像フレームを一時的に格納する第1メモリと、
前記画像フレームを1または複数フレーム遅延させるフレームメモリと、
前記画像フレームあるいは、前記フレームメモリから出力された画像フレームを一時的に格納する第2メモリと、
前記第2メモリへ選択的に画像フレームを供給するセレクタと、
前記フレームメモリに格納された前記画像フレームのアドレス読み出し位置を制御するアドレス制御部と、
前記第1メモリに格納された画像フレームを基準として、前記第2メモリに格納された画像フレームより対象画素の動きを検出する第1動き候補検出部と、
前記第2メモリに格納された画像フレームを基準として、前記第1メモリに格納された画像フレームより対象画素の動きを検出する第2動き候補検出部と、
前記フレームメモリ部から取得する前記対象画像の動き候補位置を、第1メモリ及び第2メモリに格納された画像フレームから検出する第3動き候補検出部とを備え、
前記処理選択部は、第1の画像フレーム群に含まれる第1の画像フレームと異なる第2の画像フレームが入力されたことを検出すると、前記フレームメモリから前記第1の画像フレームを前記第2メモリへ供給させるよう前記セレクタを制御し、前記第2の画像フレームが少なくとも2以上入力されたことを検出すると、前記第2の画像フレームを前記第2メモリへ供給させるよう前記セレクタを制御すると共に前記アドレス制御部を制御する
ことを特徴とする映像処理装置。
【請求項2】
前記処理選択部は、前記第2の画像フレームが2以上入力されたことを検出すると、前記フレームメモリから対象画素を読み出すよう前記アドレス制御部を制御し、前記第1メモリに格納された画像フレームの映像データに続く読み出し位置の映像データを前記第2メモリに供給するよう前記セレクタ部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−213106(P2012−213106A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78435(P2011−78435)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】