説明

映像出力装置

【課題】立体映像を再現させる機能を必要最小限に抑えることが可能な映像出力装置を提供する。
【解決手段】この液晶テレビジョン装置100(映像出力装置)は、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを含む3次元映像を出力する表示パネル出力回路部25と、3次元映像の左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを比較する映像信号比較回路部23と、映像信号比較回路部23による比較結果に基づいて、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが略同じであると判断した場合に、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを表示パネル出力回路部25から2次元的な映像として出力させる制御を行う制御部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、映像出力装置に関し、特に、3次元映像を出力する出力部を備えた映像出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、3次元映像を出力する出力部を備えた映像出力装置などが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、観察者の左眼が見る映像(画像)と右眼が見る映像(画像)とを交互に切り換えて立体映像を表示することが可能な画像表示装置(映像出力装置)が開示されている。この画像表示装置では、観察者は、左眼用の画像と右眼用の画像とが切り換わる周期に同期して駆動される液晶シャッター付きの眼鏡を用いて立体映像を鑑賞するように構成されている。なお、この画像表示装置では、立体映像(3次元映像)のみならず非立体映像(2次元映像)も表示可能であり、2次元映像が表示される場合には、眼鏡の液晶シャッターは両眼とも「開」の状態に切り換えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−336729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
立体映像信号(3次元映像信号)を構成する左眼用の映像信号と右眼用の映像信号とは、少しずつ異なっている。つまり、観察者が左眼で見る左眼用画像と右眼で見る右眼用画像との間に人工的に視差を作リ出すことにより、左眼用画像および右眼用画像は各々が平面的に表示されるにも拘わらず、奥行感や立体感のような情報を観察者の脳内で認知させている。ここで、所定の時間に亘って放映される3次元映像には、観察者の両眼視差が所定の閾値以上となるシーンに加えて、両眼視差が前述の閾値未満であるシーンも含まれる場合がある。両眼視差が閾値以上であれば観察者にとってそのシーンは奥行感のある3次元映像として確実に認知される一方、両眼視差が閾値未満であれば3次元映像として視認される効果が低減される。つまり、両眼視差が閾値未満のシーンでは、実質的に立体映像として視認されなくなる場合がほとんどである。
【0006】
上記特許文献1に記載された画像表示装置では、装置本体に入力される映像信号が明らかに2次元映像信号である場合には2次元映像を表示させるモードに切り換えられる一方、3次元映像を表示させるモードにおいて、入力される3次元映像信号に実質的に平面画像信号(2次元映像信号)とほとんど変わらない映像信号が含まれていた場合においても、3次元映像を表示させるモードが継続されると考えられる。3次元映像信号が平面画像信号とほとんど変わらない映像信号(映像シーン)では、両眼視差が極めて小さいので、立体映像としての認知効果は薄れる。したがって、この画像表示装置では、立体映像としての認知効果が薄れるような映像信号が入力されているにも拘わらず3次元映像信号を表示させるモードが継続されるため、立体映像を再現する機能を立体映像を再現する必要がない状況においても無駄に働かせていると考えられる。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、立体映像を再現させる機能を最小限に抑えることが可能な映像出力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
この発明の一の局面による映像出力装置は、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを含む3次元映像を出力する出力部と、3次元映像の左眼用映像信号と右眼用映像信号とを比較する比較部と、比較部による比較結果に基づいて、左眼用映像信号と右眼用映像信号とが略同じであると判断した場合に、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを出力部から2次元映像として出力させる制御を行う制御部とを備える。
【0009】
なお、本発明における「2次元映像」とは、観察者によって2次元的(平面的)に鑑賞することが可能に構成された2次元的な映像信号によって構成された映像を含む広い概念である。
【0010】
この発明の一の局面による映像出力装置では、上記のように、左眼用映像信号と右眼用映像信号とが略同じであると判断した場合に、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを出力部から2次元映像として出力させる制御を行う制御部を備えることによって、この映像出力装置では、3次元映像信号を構成する左眼用映像信号と右眼用映像信号とが略同じであり立体映像の効果が薄らぐ場合には、立体映像を再現する機能を無理に使用することなく映像信号を出力することができる。つまり、立体映像の効果が期待できないような映像信号(2次元的な映像信号)が出力される場合に立体映像を再現する機能を不必要に使用しなくすることができる分、立体映像を再現させる機能を最小限に抑えることができる。これにより、映像出力装置における制御部の負荷を適切に抑制することができる。
【0011】
上記一の局面による映像出力装置において、好ましくは、制御部は、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを所定のタイミングで交互に切り換えることにより出力部から3次元映像として出力させる制御を行うように構成されており、制御部は、比較部による比較結果に基づいて、左眼用映像信号と右眼用映像信号とが略同じであると判断した場合に、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを所定のタイミングで交互に切り換えずに出力部から出力させることにより、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを2次元映像として出力させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、容易に、左眼用映像信号と右眼用映像信号とが略同じであると判断した場合に、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを出力部から2次元映像として出力させることができる。
【0012】
上記一の局面による映像出力装置において、好ましくは、制御部は、入力された3次元映像を左眼用映像信号と右眼用映像信号とに分離した状態で左眼用映像信号と右眼用映像信号とを比較部に比較させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、比較部において、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを容易に比較することができる。また、分離された左眼用映像信号と右眼用映像信号とを容易に比較することができるので、制御部による左眼用映像信号と右眼用映像信号とが略同じか否かの判断を迅速に行うことができる。
【0013】
上記一の局面による映像出力装置において、好ましくは、出力部から出力された左眼用映像信号および右眼用映像信号を表示する表示部をさらに備え、制御部は、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを出力部から2次元映像として出力させる制御を行う際に、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを出力部から3次元映像として出力させる場合よりも表示部の輝度を下げた状態で、出力部から2次元映像として出力させる制御を行うように構成されている。ここで、立体映像効果を得るために表示部に左眼用映像信号と右眼用映像信号とを所定のタイミングで交互に切り換えながら択一的に表示させる場合と異なり、左眼用映像信号と右眼用映像信号とをたとえば所定のタイミングで交互に切り換えずに略同じタイミングにより平面的な映像(2次元的な映像)として表示させる場合には映像の輝度(明るさ)が増加される。このため、2次元映像としての輝度が増加される分、表示部の輝度を下げるように構成すれば、2次元映像としての輝度を3次元映像を表示する場合の輝度と同等レベルに抑えることができる。この結果、立体映像を再現させる機能を最小限に抑えつつ、映像出力装置の消費電力を低減することができる。
【0014】
上記表示部をさらに備える構成において、好ましくは、表示部は、3次元映像が表示される表示パネルと、表示パネルに光を照射する光源部とを含み、制御部は、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを出力部から2次元映像として出力させる制御を行う際に、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを出力部から3次元映像として出力させる場合よりも光源部の輝度を下げた状態で、出力部から2次元映像として出力させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、表示部を構成する光源部の輝度を下げるので、映像出力装置の消費電力を効果的に低減することができる。
【0015】
上記表示部をさらに備える構成において、好ましくは、表示部に出力される3次元映像を鑑賞するための眼鏡をさらに備え、制御部は、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを所定のタイミングで交互に切り換えることにより出力部から3次元映像として出力させる制御を行うとともに、所定のタイミングに同期させて眼鏡を駆動する制御を行うように構成されており、さらに、制御部は、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを所定のタイミングで交互に切り換えずに出力部から出力させることにより2次元映像として出力させる制御を行う際に、所定のタイミングに同期させて眼鏡を駆動させる制御を停止するように構成されている。このように構成すれば、2次元映像としての出力時には、眼鏡についても3次元映像の出力に対応した駆動制御を行う必要がないので、ユーザは、眼鏡を装着した状態のままで表示部に2次元映像(2次元的な映像)として表示された映像を支障なく鑑賞することができる。また、眼鏡に対する駆動制御が行われない分、眼鏡を含む映像出力装置の消費電力をさらに低減することができる。
【0016】
上記3次元映像を鑑賞するための眼鏡をさらに備える構成において、好ましくは、制御部は、所定のタイミングに同期させて眼鏡を駆動させる制御を停止した後に、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを出力部から3次元映像として出力させる場合よりも表示部の輝度を下げた状態で、出力部から2次元映像として出力させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、立体映像の効果が薄らいだ映像に対して、まず眼鏡の駆動を停止したとしても、立体映像の効果が薄らいだ映像が支障なく鑑賞される分、ユーザに対して眼鏡の駆動が停止されたことに起因する違和感を与えにくくすることができる。その後、表示部の輝度を下げたとしても、ユーザは、表示部に2次元映像(2次元的な映像)として表示された映像を特に支障なく鑑賞することができる。
【0017】
上記表示部をさらに備える構成において、好ましくは、制御部は、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを出力部から2次元映像として出力させる制御を行う際に、予め設定された輝度に基づいて、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを出力部から3次元映像として出力させる場合よりも表示部の輝度を下げた状態で、出力部から2次元映像として出力させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、予め設定された輝度に基づいて表示部の輝度の下げ幅を適切に調整することができるので、輝度の減少に起因した違和感をユーザに与えにくくすることができる。
【0018】
上記一の局面による映像出力装置において、好ましくは、出力部から出力された左眼用映像信号および右眼用映像信号を表示する表示部と、表示部に出力される3次元映像を鑑賞するための眼鏡とをさらに備え、制御部は、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを所定のタイミングで交互に切り換えることにより出力部から3次元映像として出力させる制御を行うように構成されており、比較部による比較結果に基づいて、左眼用映像信号と右眼用映像信号とが所定のタイミングで交互に切り換えられずに出力部から出力されることにより2次元映像として出力された状態から、左眼用映像信号と右眼用映像信号とが所定のタイミングで交互に切り換えられて出力部から出力されることにより3次元映像として出力される状態に移行される際に、制御部は、所定のタイミングに同期させて眼鏡を駆動させる制御を再開するとともに、表示部の輝度を、左眼用映像信号と右眼用映像信号とを3次元映像として出力する場合の輝度に戻す制御を行うように構成されている。このように構成すれば、2次元映像が出力されている状態から容易に3次元映像が出力される状態に復帰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の概略的な構成を示した図である。
【図2】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の詳細な構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の制御フローを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置100の構成について説明する。なお、液晶テレビジョン装置100は、本発明の「映像出力装置」の一例である。
【0021】
本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置100は、図1に示すように、映像を出力する表示部1と、音声を出力するスピーカ2と、装置本体が外部機器(付属機器)との通信を行うための通信部3とを備えている。また、液晶テレビジョン装置100には液晶シャッターが内蔵された3D用眼鏡90が付属されている。これにより、液晶テレビジョン装置100では、表示部1に2次元映像に加えて3次元映像が表示可能であり、通信部3からの同期信号に基づいて駆動される3D用眼鏡90を使用して、ユーザが3次元映像を鑑賞することが可能に構成されている。なお、表示部1は、本発明の「表示パネル」の一例である。
【0022】
ここで、3次元映像は、ユーザの左眼に映る左眼用画像と右眼に映る右眼用画像とによって構成されている。したがって、3次元映像を再現するための3次元映像信号は、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを含んでいる。液晶テレビジョン装置100では、3D用眼鏡90を装着したユーザの左眼に映される左眼用画像と右眼に映される右眼用画像とが、表示部1に所定の時間間隔で交互に表示されることにより、人工的に作り出された視差に基づいて、ユーザが鑑賞中の映像に奥行感や立体感を味わえるように構成されている。
【0023】
また、液晶テレビジョン装置100は、図2に示すように、装置本体内部に制御回路部10を備えている。制御回路部10は、外部に延びるケーブル(図示せず)を介してアンテナ5に接続されるとともに、装置本体内で表示部1およびスピーカ2に接続されている。これにより、放送局から送出されたテレビジョン放送波などの映像/音声信号を表示部1およびスピーカ2に出力することが可能に構成されている。また、制御回路部10は、3D用眼鏡90との通信を行う通信部3と、表示部1のバックライト光源となる光源部4とに接続されている。なお、3D用眼鏡90は、本発明の「眼鏡」の一例である。
【0024】
また、制御回路部10は、アンテナ5を介して映像/音声信号を受信する受信部11と、映像信号および音声信号の出入力を切り換えるAVセレクタ12と、受信部11からの映像/音声信号を復号するAVデコーダ13と、AVデコーダ13を経由した映像信号に対する各種処理を行う映像処理部14と、AVセレクタ12からの音声信号(AVデコーダ13を経由する音声信号を含む)を処理する音声処理部15と、CPUからなり装置本体の制御を行う制御部16と、制御プログラムや制御上の各種データが格納されたROM(読取り専用メモリ)17とを備えている。ここで、ROM17に記憶されている制御上のデータには、表示部1に光を照射する光源部4の輝度に関する設定値が含まれている。
【0025】
また、制御回路部10には、DVDレコーダなどの外部接続機器を液晶テレビジョン装置100に接続するための外部入力端子18が設けられている。これにより、受信部11と同様に、外部入力端子18からの入力信号(映像/音声信号)がAVセレクタ12に伝達されるように構成されている。また、制御回路部10の各構成要素は、バス(伝送路)19によって互いに接続されることによって、制御信号および制御上の各種データを互いに送受信することが可能に構成されている。
【0026】
ここで、映像処理部14は、以下のように構成されている。具体的には、図3に示すように、映像処理部14は、映像信号判別回路部21と、映像信号分離回路部22と、映像信号比較回路部23と、映像信号出力回路部24と、表示パネル出力回路部25とを含んでいる。加えて、映像処理部14は、映像信号変換回路部26と、映像処理回路部27と、眼鏡用信号送信回路部28とをさらに含んでいる。なお、映像信号比較回路部23および表示パネル出力回路部25は、それぞれ、本発明の「比較部」および「出力部」の一例である。
【0027】
映像信号判別回路部21は、AVデコーダ13から映像処理部14に入力された映像信号が3次元映像信号であるか、または、2次元映像信号であるかを判別する機能を有している。そして、映像信号判別回路部21による映像信号の判別結果に基づいて、制御部16(図2参照)により、入力された映像信号が映像信号分離回路部22、映像信号比較回路部23および映像信号出力回路部24を経て表示パネル出力回路部25に伝達されるか、または、映像信号判別回路部21から表示パネル出力回路部25に直接的に伝達されるかが制御されるように構成されている。本実施形態では、映像処理部14に入力された映像信号が3次元映像信号であると判別された場合、映像信号分離回路部22〜映像信号出力回路部24を経て表示パネル出力回路部25に伝達されるとともに、映像処理部14に入力された映像信号が2次元映像信号であると判別された場合、映像信号判別回路部21から直接表示パネル出力回路部25に伝達されるように構成されている。
【0028】
また、映像信号分離回路部22は、映像信号判別回路部21から伝達された3次元映像信号を、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとに分離する機能を有している。これにより、3次元映像信号が左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとに分離された状態で、映像信号比較回路部23に伝達される。映像信号比較回路部23は、映像信号分離回路部22から伝達された左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを比較する機能を有している。映像信号比較回路部23により、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとの差異の有無が比較結果として制御部16に返される。本実施形態では、映像信号比較回路部23の比較結果(左右の映像信号間における差異の有り無し)に基づいて、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとに明確な差異があることが制御部16により判断された場合、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとは、映像信号出力回路部24に伝達される。なお、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとの差異の有無の判断基準については、制御部16が実行する制御プログラム内に予め規定されている。
【0029】
また、映像信号出力回路部24は、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを所定のタイミングで交互に切り換えながら表示パネル出力回路部25に対して出力する機能を有している。本実施形態では、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが約120分の1秒毎に交互に切り換えられながら表示パネル出力回路部25に送出されるように構成されている。また、映像信号出力回路部24は、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを上記したタイミングで交互に切り換えることに同期させて、眼鏡用信号送信回路部28に対して3D用眼鏡90(図2参照)を駆動する同期信号を発生させるための制御信号を送出する機能を有している。
【0030】
また、眼鏡用信号送信回路部28は、映像信号出力回路部24から受信した制御信号に基づいて、3D用眼鏡90を駆動させるための同期信号を発生させる機能を有している。そして、眼鏡用信号送信回路部28からの同期信号は、バス19(図2参照)を経由して通信部3(図2参照)から3D用眼鏡90に送信されるように構成されている。
【0031】
また、通信部3から送信された同期信号は、3D用眼鏡90の後述する通信部93(図2参照)により受信されるように構成されている。3D用眼鏡90の詳細な構成については後述するが、3D用眼鏡90では、図2に示すように、通信部93が受信した同期信号に基づいて、左眼用シャッター95aおよび右眼用シャッター96aの開閉動作が行われるように構成されている。
【0032】
また、表示パネル出力回路部25は、図3に示すように、映像信号出力回路部24から所定のタイミング(約120分の1秒周期)で交互に切り換えられながら送出された左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを表示部1に出力する機能を有している。AVデコーダ13から映像処理部14に入力された3次元映像信号がこのようにして表示部1に出力されることにより、3D用眼鏡90を装着したユーザの左眼に映される左眼用画像と右眼に映される右眼用画像とが、表示部1に約120分の1秒毎に交互に表示されるように構成されている。
【0033】
ここで、本実施形態では、映像信号比較回路部23の比較結果(左右の映像信号間における差異の有り無し)に基づいて、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとに明確な差異がほとんどないことが制御部16により判断された場合、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとは、映像信号比較回路部23から映像信号変換回路部26に送出されるように構成されている。そして、映像信号変換回路部26において、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを略同じタイミングに揃えた状態で表示パネル出力回路部25に対して出力するように構成されている。すなわち、所定のタイミング(約120分の1秒周期)で交互に切り換えられる信号処理とは異なり、略同じタイミングに揃えられた左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが、映像処理部14(表示パネル出力回路部25)から表示部1に出力されるように構成されている。これにより、表示部1には映像処理部14に入力された3次元映像信号が2次元的な映像として表示される。
【0034】
また、本実施形態では、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが表示パネル出力回路部25から2次元的な映像として出力される際に、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが表示パネル出力回路部25から完全な3次元映像として出力される場合よりも表示部1の輝度を所定の明るさだけ減少させた状態で、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを2次元的な映像として表示するように構成されている。この場合、制御部16により表示部1に設けられた光源部4の輝度を減少させることにより表示部1の輝度を下げて表示するように構成されている。ここで、輝度を下げることなく2次元的な映像を表示した場合には、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rと交互に表示されずに同時に表示される分、3次元映像よりも映像が明るくなる。本実施形態では、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rが同時に表示される際に、表示部1側の輝度を減少させることによって、映像の明るさの増加分をキャンセルしている。これにより、2次元的な映像であっても、3次元映像の場合と略同等の明るさで映像が表示されるように構成されている。
【0035】
また、本実施形態では、光源部4の輝度を下げる際、予めROM17に記憶されている輝度に関するデータ(設定値)を用いるように構成されている。この場合、3次元映像を表示する際の輝度よりも約8%以上約12%以下の範囲において光源部4の輝度を一定の割合で減少させた状態で2次元的な映像が表示されるように構成されている。
【0036】
また、本実施形態では、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを2次元的な映像として出力する際、3次元映像信号に同期させて駆動させていた3D用眼鏡90の動作を停止させる制御が行われるように構成されている。この場合、左眼用シャッター95aおよび右眼用シャッター96aの開閉動作が停止されて両方のシャッターとも「開」の状態に固定される。これにより、ユーザは、3D用眼鏡90を装着したままの状態でも、表示部1に表示された2次元的な映像を鑑賞することが可能になる。なお、制御部16の指令に基づいて、まず、3D用眼鏡90の駆動が停止され、その後、表示部1の輝度が下げられて2次元的な映像が表示されるように構成されている。
【0037】
また、3D用眼鏡90は、制御部91と、バッテリー(図示せず)などを含む電源部92と、液晶テレビジョン装置100側の通信部3との無線通信を行うための通信部93と、左眼用ドライバ95と、右眼用ドライバ96とを備えている。また、電源部92、通信部93、左眼用ドライバ95および右眼用ドライバ96は、制御部91に接続されている。
【0038】
左眼用ドライバ95は、液晶シャッターからなる左眼用シャッター95aを駆動するとともに、右眼用ドライバ96は、液晶シャッターからなる右眼用シャッター96aを駆動するように構成されている。液晶テレビジョン装置100の表示部1に3次元映像の左眼用画像が表示されている場合には、制御部91は、3D用眼鏡90の右眼用シャッター96aを閉じる(見えなくする)ことにより、ユーザの右眼に左眼用画像が入らないので、ユーザの左眼だけで表示部1の左眼用画像を観察することが可能に構成されている。同様に、表示部1に右眼用画像が表示されている場合には、制御部91は、3D用眼鏡90の左眼用シャッター95aを閉じることにより、ユーザの左眼に右眼用画像が入らないので、ユーザの右眼だけで表示部1の右眼用画像を観察することが可能に構成されている。これにより、ユーザが3D用眼鏡90を装着した状態で、表示部1に表示される3次元映像を立体的に鑑賞することが可能とされている。
【0039】
次に、図2〜図4を参照して、液晶テレビジョン装置100により表示部1に3次元映像が表示される際の制御回路部10の制御動作について説明する。
【0040】
図4に示すように、まず、ステップS1では、映像信号判別回路部21(図3参照)の判別機能に基づいて、AVデコーダ13(図2参照)から映像処理部14(図2参照)に入力された映像信号が3次元映像信号であるか否かが制御部16(図2参照)により判断される。このステップS1の判断は、映像信号判別回路部21によって3次元映像信号が検出されるまで繰り返される。なお、映像信号判別回路部21により完全な2次元映像信号が検出されている場合は、図3に示すように、入力された映像信号(2次元映像信号)は、映像信号判別回路部21から表示パネル出力回路部25に直接的に伝達されて、表示部1に出力される。また、ステップS1において、映像信号判別回路部21によって3次元映像信号が検出されたと判断された場合には、ステップS2に進む。
【0041】
ステップS2では、制御部16の指令に基づいて、映像処理部14に入力された3次元映像信号が、映像信号分離回路部22により左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとに分離される。その後、ステップS3において、制御部16の指令に基づいて、分離された左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが、映像信号比較回路部23により比較される。そして、映像信号比較回路部23により、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとの差異の有無が比較結果として制御部16に送出される。
【0042】
そして、ステップS4において、映像信号比較回路部23の比較結果(左右の映像信号間における差異の有り無し)に基づいた判断が制御部16により行われる。つまり、分離された左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとに明確な差異がほとんどない状態か否か(左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが略同じ信号か否か)の判断が行われる。
【0043】
ここで、本実施形態では、ステップS4において、分離された左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが明確な差異がほとんどない状態(左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが略同じ信号である状態)ことが判断された場合、ステップS5において、分離された左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとは、制御部16の指令に基づいて映像信号変換回路部26に伝達される。これにより、分離された左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが明確な差異がほとんどない状態の3次元映像信号が、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを略同じタイミングに揃えて出力するような2次元的な映像信号に作り換えられる。
【0044】
また、本実施形態では、次のステップS6において、制御部16の指令に基づいて眼鏡用信号送信回路部28から3D用眼鏡90を駆動させるための同期信号を発生させる動作が停止される。これにより、眼鏡用信号送信回路部28からの同期信号を受信しない3D用眼鏡90は、左眼用シャッター95aおよび右眼用シャッター96aの開閉動作が停止されるとともに、両方のシャッターが常に「開」の状態に移行される。
【0045】
その後、ステップS7において、制御部16の指令に基づいて表示部1の輝度が下げられる。この際、ROM17に記憶されている輝度値に基づいて光源部4の輝度が低下される。これにより、表示部1に3次元映像が表示される場合よりも約8%以上約12%以下の範囲で光源部4の輝度が低下(減少)される。
【0046】
そして、ステップS8では、表示部1の輝度が下げられた状態で、完全な3次元映像信号から2次元的な映像信号に作り換えられた映像信号が、表示パネル出力回路部25から表示部1に出力される。これにより、表示部1には、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが同じタイミングで出力された2次元的な映像が表示される。
【0047】
一方、ステップS4において、分離された左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが互いに明確に異なる映像信号である(確実に3次元映像信号である)ことが判断された場合、本実施形態では、ステップS9において、眼鏡用信号送信回路部28から3D用眼鏡90を駆動させるための同期信号を発生させる動作が行われる。これにより、3D用眼鏡90では、左眼用シャッター95aおよび右眼用シャッター96aが周期的に「開」の状態と「閉」の状態とを繰り返す状態に移行される。
【0048】
その後、ステップS10において、現在の表示部1の輝度が低い状態であるか否かの判断が制御部16により行われる。ステップS10において、現在の表示部1の輝度が低い状態であると判断された場合、ステップS11では、表示部1の輝度が3次元映像の表示に適した通常の明るさに戻される。つまり、本実施形態では、ステップS5〜S8までの制御により、表示部1の輝度を下げて2次元的な映像が表示されている状態から、再度、完全な3次元映像を表示する場合には、表示部1の輝度が通常の明るさに戻される前に、3D用眼鏡90を駆動させる同期信号の発生を再開させている。
【0049】
最後に、ステップS12において、完全な3次元映像信号として判別された映像信号が、表示パネル出力回路部25から表示部1に出力される。
【0050】
また、ステップS10において、現在の表示部1の輝度が通常の明るさであると判断された場合には、ステップS10からステップS12に進み、完全な3次元映像信号として判別された映像信号が、表示パネル出力回路部25から表示部1に出力される。このようにして、液晶テレビジョン装置100により3次元映像が表示される際の制御動作が実行される。
【0051】
本実施形態では、上記のように、制御部16によって左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとに明確な差異がない(左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが略同じ信号である)ことが判断された場合に、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを所定のタイミング(約120分の1秒周期)で交互に切り換えずに表示パネル出力回路部25から出力させることにより左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを2次元的な映像として表示部1に出力させることによって、この液晶テレビジョン装置100では、3次元映像信号を構成する左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが略同じであり立体映像の効果が薄らぐ場合には、立体映像を再現する機能を無理に使用することなく映像信号(左眼用映像信号Lおよび右眼用映像信号R)を出力することができる。つまり、立体映像の効果が期待できないような映像信号が出力される場合に立体映像を再現する機能を不必要に使用しなくすることができる分、立体映像を再現させる機能を最小限に抑えることができる。これにより、液晶テレビジョン装置100の制御回路部10における制御部16の負荷を適切に抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態では、映像処理部14に入力された3次元映像信号を映像信号分離回路部22を用いて左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとに分離した後、分離された左眼用映像信号Lおよび右眼用映像信号Rを映像信号比較回路部23を用いて比較することによって、映像信号比較回路部23において、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを容易に比較することができる。また、分離された左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを容易に比較することができるので、比較結果(左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとの差異の有り無し)を参照する制御部16の判断を迅速に行うことができる。
【0053】
また、本実施形態では、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを表示パネル出力回路部25から2次元映像として出力させる際に、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを表示パネル出力回路部25から3次元映像として出力させる場合よりも表示部1の輝度を下げた状態で、表示パネル出力回路部25から2次元的な映像として出力させている。ここで、立体映像効果を得るために表示部1に左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを所定のタイミング(約120分の1秒周期)で交互に切り換えながら択一的に表示させる場合と異なり、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを略同じタイミングにより平面的な映像(2次元的な映像)として表示させる場合には映像の輝度(明るさ)が増加される。このため、2次元的な映像としての輝度が増加される分、表示部1の輝度を下げるように構成すれば、2次元的な映像としての輝度を3次元映像を表示する際の輝度と同等レベルに抑えることができる。この結果、立体映像を再現させる機能を最小限に抑えつつ、液晶テレビジョン装置100の消費電力を低減することができる。
【0054】
また、本実施形態では、表示部1の輝度を下げる際、表示部1に設けられた光源部4の輝度を下げているので、液晶テレビジョン装置100の消費電力を効果的に低減することができる。
【0055】
また、本実施形態では、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを所定のタイミング(約120分の1秒周期)で交互に切り換えずに表示パネル出力回路部25から出力させることにより2次元的な映像として出力させる際に、所定のタイミングに同期させて3D用眼鏡90を駆動させる制御を停止することによって、2次元的な映像としての出力時には、3D用眼鏡90についても3次元映像の出力に対応した駆動制御を行う必要がないので、ユーザは、3D用眼鏡90を装着した状態のままで表示部1に2次元的な映像として表示された映像を支障なく鑑賞することができる。また、3D用眼鏡90における左眼用シャッター95aおよび右眼用シャッター96aの開閉動作が行われない分、3D用眼鏡90の電源部92の消費電力を低減することができる。
【0056】
また、本実施形態では、3次元映像用としての3D用眼鏡90を駆動させる制御(左眼用シャッター95aおよび右眼用シャッター96aの開閉動作)を停止した後に、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを表示パネル出力回路部25から3次元映像として出力させる場合よりも表示部1の輝度を下げた状態で、表示パネル出力回路部25から2次元的な映像として出力させることによって、立体映像の効果が薄らいだ映像に対して、まず3D用眼鏡90の駆動を停止したとしても、立体映像の効果が薄らいだ映像が支障なく鑑賞される分、ユーザに対して3D用眼鏡90の駆動が停止されたことに起因する違和感を与えにくくすることができる。その後、表示部1の輝度を下げたとしても、ユーザは、表示部1に2次元的な映像として表示された映像を特に支障なく鑑賞することができる。
【0057】
また、本実施形態では、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを表示パネル出力回路部25から2次元的な映像として出力させる制御を行う際に、ROM17に予め記憶された輝度に関する設定値に基づいて、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを表示パネル出力回路部25から3次元映像として出力させる場合よりも表示部1の輝度を下げた状態で、表示パネル出力回路部25から2次元的な映像として出力させることによって、予め設定された輝度に基づいて表示部1の輝度の下げ幅を適切に調整することができるので、輝度の減少に起因した違和感をユーザに与えにくくすることができる。また、予め設定された輝度の下げ幅を用いるので、制御部16において液晶テレビジョン装置100の消費電力をきめ細かく管理することができる。
【0058】
また、本実施形態では、映像信号比較回路部23による比較結果に基づいて、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが所定のタイミングで交互に切り換えられずに表示パネル出力回路部25から出力されることにより2次元的な映像として出力された状態から、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとが所定のタイミング(約120分の1秒周期)で交互に切り換えられて表示パネル出力回路部25から出力されることにより完全な3次元映像として出力される状態に移行される際に、所定のタイミングに同期させて3D用眼鏡90を駆動させる制御を再開した後、表示部1の輝度を、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを3次元映像として出力する場合の輝度に戻すことによって、2次元的な映像が出力されている状態から容易に3次元映像が出力される状態に復帰させることができる。
【0059】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0060】
たとえば、上記実施形態では、表示部1を備えた液晶テレビジョン装置100に本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。3次元映像を出力することが可能な出力部を備えた映像出力装置であれば、液晶テレビジョン装置100以外の、たとえばDVDプレーヤ装置や、ケーブルテレビ信号などを液晶モニタなどの表示装置に入力するためのセットトップボックス(信号変換装置)などに適用してもよい。この場合、映像出力装置としてのDVDプレーヤ装置またはセットトップボックスに設けられた制御部が、2次元的な映像を表示させる際に表示装置の輝度を下げる制御を行うように構成されていることが好ましい。また、本発明の3次元映像を鑑賞するための「眼鏡」についても、映像出力装置側の付属機器であってもよいし、表示装置側の付属機器であってもよい。本発明の「制御部」が表示装置に2次元的な映像を表示させる際に、3次元映像を鑑賞する際に駆動されていた眼鏡の駆動を停止する制御が行えるように構成されていればよい。
【0061】
また、上記実施形態では、2次元的な映像を出力する際に、3D用眼鏡90を駆動させる制御を停止した後に、表示部1の輝度を下げた状態で表示パネル出力回路部25から2次元的な映像を出力させるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、2次元的な映像を出力する際に、3D用眼鏡90を駆動させる制御を停止するのと略同じタイミングで表示部1の輝度を下げて2次元的な映像を出力するように構成してもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、本発明の「制御部」としての機能を、制御回路部10内の映像処理部14以外の部分に設けられた制御部16が担うように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明の「制御部」を映像処理部14の内部に設けるように構成してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを2次元的な映像として表示する際に光源部4の輝度を一定の割合で減少させるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、3次元映像から2次元的な映像に表示が切り換えられる際に、光源部4の輝度を段階的に減少させるように構成してもよい。これにより、3次元映像から2次元的な映像に切り換わることを境にして表示部1の輝度が不自然に変化することをユーザに認識させにくくすることができる。また、2次元的な映像から完全な3次元映像に表示が切り換えられる際においても、表示部1の輝度を徐々に通常の明るさに戻すように構成してもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを2次元的な映像として表示する際に表示部1(光源部4)の輝度を減少させるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを略同じタイミングで表示する際のリフレッシュレートを変更することによって表示部1の輝度を減少させるように構成してもよい。たとえば、3次元映像では約120分の1秒の周期で左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを交互に切り換えて表示させていたところを、2次元的な映像にする場合には、約120分の1秒の周期よりも長い周期(たとえば、約75分の1秒の周期)で、かつ、ユーザに映像のちらつきが視認されない程度の周期に調整した上で、左眼用映像信号Lと右眼用映像信号Rとを同時に表示/非表示を繰り返すように制御してもよい。これによっても、表示部1の輝度を減少させることができる。
【0065】
また、上記実施形態では、2次元的な映像を出力した状態から完全な3次元映像を出力する状態に移行する際に、3D用眼鏡90を駆動させる制御を再開した後、表示部1の輝度を元の明るさに戻すように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、3D用眼鏡90を駆動させる制御を再開させるのと略同じタイミングで表示部1の輝度を元の明るさに戻してもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部16の処理動作をスタート時はイベント駆動的に記載し、スタート以降の処理動作はフロー駆動的に記載したフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。制御部の処理動作を完全なイベント駆動型で行ってもよいし、完全なフロー駆動型で行ってもよいし、並行処理的に行ってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 表示部(表示パネル)
4 光源部
16 制御部
23 映像信号比較回路部(比較部)
25 表示パネル出力回路部(出力部)
90 3D用眼鏡(眼鏡)
100 液晶テレビジョン装置(映像出力装置)
L 左眼用映像信号
R 右眼用映像信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左眼用映像信号と右眼用映像信号とを含む3次元映像を出力する出力部と、
前記3次元映像の前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを比較する比較部と、
前記比較部による比較結果に基づいて、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とが略同じであると判断した場合に、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを前記出力部から2次元映像として出力させる制御を行う制御部とを備える、映像出力装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを所定のタイミングで交互に切り換えることにより前記出力部から前記3次元映像として出力させる制御を行うように構成されており、
前記制御部は、前記比較部による比較結果に基づいて、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とが略同じであると判断した場合に、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを前記所定のタイミングで交互に切り換えずに前記出力部から出力させることにより、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを前記2次元映像として出力させる制御を行うように構成されている、請求項1に記載の映像出力装置。
【請求項3】
前記制御部は、入力された前記3次元映像を前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とに分離した状態で前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを前記比較部に比較させる制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載の映像出力装置。
【請求項4】
前記出力部から出力された前記左眼用映像信号および前記右眼用映像信号を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを前記出力部から前記2次元映像として出力させる制御を行う際に、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを前記出力部から前記3次元映像として出力させる場合よりも前記表示部の輝度を下げた状態で、前記出力部から前記2次元映像として出力させる制御を行うように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の映像出力装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記3次元映像が表示される表示パネルと、前記表示パネルに光を照射する光源部とを含み、
前記制御部は、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを前記出力部から前記2次元映像として出力させる制御を行う際に、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを前記出力部から前記3次元映像として出力させる場合よりも前記光源部の輝度を下げた状態で、前記出力部から前記2次元映像として出力させる制御を行うように構成されている、請求項4に記載の映像出力装置。
【請求項6】
前記表示部に出力される前記3次元映像を鑑賞するための眼鏡をさらに備え、
前記制御部は、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを所定のタイミングで交互に切り換えることにより前記出力部から前記3次元映像として出力させる制御を行うとともに、前記所定のタイミングに同期させて前記眼鏡を駆動する制御を行うように構成されており、さらに、前記制御部は、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを前記所定のタイミングで交互に切り換えずに前記出力部から出力させることにより前記2次元映像として出力させる制御を行う際に、前記所定のタイミングに同期させて前記眼鏡を駆動させる制御を停止するように構成されている、請求項4または5に記載の映像出力装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記所定のタイミングに同期させて前記眼鏡を駆動させる制御を停止した後に、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを前記出力部から前記3次元映像として出力させる場合よりも前記表示部の輝度を下げた状態で、前記出力部から前記2次元映像として出力させる制御を行うように構成されている、請求項6に記載の映像出力装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを前記出力部から前記2次元映像として出力させる制御を行う際に、予め設定された輝度に基づいて、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを前記出力部から前記3次元映像として出力させる場合よりも前記表示部の輝度を下げた状態で、前記出力部から前記2次元映像として出力させる制御を行うように構成されている、請求項4〜7のいずれか1項に記載の映像出力装置。
【請求項9】
前記出力部から出力された前記左眼用映像信号および前記右眼用映像信号を表示する表示部と、
前記表示部に出力される前記3次元映像を鑑賞するための眼鏡とをさらに備え、
前記制御部は、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを所定のタイミングで交互に切り換えることにより前記出力部から前記3次元映像として出力させる制御を行うように構成されており、
前記比較部による比較結果に基づいて、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とが前記所定のタイミングで交互に切り換えられずに前記出力部から出力されることにより前記2次元映像として出力された状態から、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とが前記所定のタイミングで交互に切り換えられて前記出力部から出力されることにより前記3次元映像として出力される状態に移行される際に、前記制御部は、前記所定のタイミングに同期させて前記眼鏡を駆動させる制御を再開するとともに、前記表示部の輝度を、前記左眼用映像信号と前記右眼用映像信号とを前記3次元映像として出力する場合の輝度に戻す制御を行うように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の映像出力装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−235218(P2012−235218A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101182(P2011−101182)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】