説明

映像機器ラック一体型プロジェクタ

【課題】巻き取り式スクリーンのたわみや巻きぐせ、室内の風によるゆがみを補正して、スクリーン全体の平面度を確保することを課題とする。
【解決手段】映像機器ラック29の天面側に配置され前記ラック29の前方に映像を投射する短焦点の投射型映像表示装置20と、該投射型映像表示装置20から投射された映像を投映するスクリーン34と、該スクリーン34と前記ラック29によって閉塞された空間へ給排気するファン43と、を備えることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、光源からの光を入力映像信号に基づき変調して、投射レンズを介して映像を投射するプロジェクタ等の投射型映像表示装置及び、映像機器ラック、収納自在なスクリーンを具備した映像機器ラック一体型プロジェクタにおける、収納自在なスクリーンの凹凸ゆがみの補正に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の、スクリーンの凹凸ゆがみを補正する手段に関しては、例えば図10に示すようなスクリーン収納部2と、該スクリーン収納部2に収納されており、垂下自在な映写スクリーン1と、スクリーン収納部2の両端下部に設置されたスピーカ3L、3Rと、を具備する特許文献1記載の構成が知られている。
【0003】
図11は前記図10のA−A断面を上部から見た断面図として示した図である。スピーカ3L、3Rを設置固定するためのバッフルボード5と、バッフルボード5の前面にあるネットグリル6と、を具えている。
【0004】
そして映写スクリーン1の端部1aは、バッフルボード5とネットグリル6との間を垂下するために、映写スクリーン1にたわみや巻きぐせなどがある場合に、映写スクリーン1の平面度を保持することができる。
【特許文献1】特開平6−70388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記先行技術におけるスクリーンの凹凸ゆがみ補正は、バッフルボードとネットグリルとの間をスクリーン端部が垂下するために、端部の平面度は保たれるが中央部のたわみや巻きぐせは補正することが出来ず、室内の風等によりスクリーンの中央にゆがみを生じさせる時にも、スクリーン全体の平面度を確保することが困難である。
【0006】
そこで、本願発明の課題は、上記事情に鑑み、巻き取り式スクリーンのたわみや巻きぐせ、室内の風によるゆがみを補正して、スクリーン全体の平面度を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為の第1の手段は、映像機器ラックの天面側に配置され前記ラックの前方に映像を投射する短焦点の投射型映像表示装置と、該投射型映像表示装置から投射された映像を投映するスクリーンと、該スクリーンと前記ラックによって閉塞された空間へ給排気するファンと、を備えていることによるものである。
【0008】
第2の手段は、第1の手段において、前記スクリーンは、前記投射型映像表示装置から投射された映像が投射可能となる投影位置と収納されて投影不能となる収納位置間で変位可能であり、前記投射型映像表示装置の下方にあり、映像表示面を前方に向けた状態で映像機器を収納可能な収納部を備え、前記ファンは、前記収納部内の空気を前記映像機器ラック外へ排出することを特徴とする。
【0009】
第3の手段は、第1の手段において、前記スクリーンは、前記投射型映像表示装置から投射された映像が投射可能となる投影位置と収納されて投影不能となる収納位置間で変位可能であり、前記投射型映像表示装置の下方にあり、映像表示面を前方に向けた状態で映像機器を収納可能な収納部を備え、前記ファンは、前記映像機器ラック外の空気を前記収納部内へ供給することを特徴とする。
【0010】
第4の手段は、映像機器ラックの天面側に配置された投射型映像表示装置と、該投射型映像表示装置の投射レンズからの投射光を屈曲反射させて前記ラックの前面へ映像を投射する反射鏡と、該反射鏡から投射された映像を投映するスクリーンと、該スクリーンと前記ラックによって閉塞された空間へ給排気するファンと、を備えていることによるものである。
【0011】
第5の手段は、第4の手段において、前記スクリーンは、前記反射鏡から反射された映像が投射可能となる投影位置と収納されて投影不能となる収納位置間で変位可能であり、前記投射型映像表示装置の下方にあり、映像表示面を前方に向けた状態で映像機器を収納可能な収納部を備え、前記ファンは、前記収納部内の空気を前記映像機器ラック外へ排出することを特徴とする。
【0012】
第6の手段は、第4の手段において、前記スクリーンは、前記反射鏡から反射された映像が投射可能となる投影位置と収納されて投影不能となる収納位置間で変位可能であり、前記投射型映像表示装置の下方にあり、映像表示面を前方に向けた状態で映像機器を収納可能な収納部を備え、前記ファンは、前記映像機器ラック外の空気を前記収納部内へ供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本願発明によれば、収納部内と映像機器ラック外との気圧差を生じさせることによって、スクリーン全体の平面度を確保することが可能な為、投写映像をゆがみなく快適に鑑賞することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、本願発明の第1実施形態を図1乃至図5を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本願発明に係る短焦点の投射型映像表示装置としての短焦点プロジェクタ20の側断面図で、図示しない超高圧水銀ランプ等の光源から出射された光を反射鏡、レンズ、偏光板、液晶バルブ等を含む複数の光学部品により映像信号に基づき変調する光変調部21と、光変調部21からの映像を拡大投射する投射レンズ22と、投射レンズ22の投射方向に配置され、投射レンズ22から投射された映像の映像光路23を屈曲させる凹面反射鏡24と、短焦点プロジェクタ20の筐体25と映像光路23が交差する部分に形成された投射窓26から構成されている。
【0016】
また、短焦点プロジェクタ20を直立させた状態では、短焦点プロジェクタ20の筐体25に形成された投射窓26から投射された映像は、床面27に投影できるようになっている。
【0017】
図2は、本願発明に係る第1実施形態の映像機器ラック一体型プロジェクタ28を第三角法で三面図に図示したものである。尚、以下、図2、図5、図6、図7、図8、図9には同様に夫々の説明に用いている映像機器ラック一体型プロジェクタに係る正面図を符号(a)、上面図を符号(b)、側面図を符号(c)として図示している。
【0018】
短焦点プロジェクタ20は、ラック29の上段にある天面空間30に設置され、留め具31によってラック29に対して螺着固定され、且つ投射窓26から投射される映像がラック29の前面へ投射可能に水平設置されている。
【0019】
液晶テレビ設置場所32は、ラック29の中段に設けられ、前面側のみ開口された略直方体の空間である。液晶テレビ設置場所32は前面側と後述のケーブル通し穴37以外からは外光が射し込まない構造をしている。
【0020】
引き出し33は、ラック29の下段に設けられ、収納物を収納する際に区分可能な様に複数配置されている。
【0021】
巻き取り式スクリーン34は、短焦点プロジェクタ20同様にラック29の上段にある天面空間30に収納され、巻き取り式スクリーン34の主軸41は、天面空間30の両側内壁面に回転可能に固定される。また、巻き取り式スクリーン34は、伸ばしてラック29の前面へ垂下可能で、完全に垂下させると溝部42まで到達する。
【0022】
前記主軸41は、図示しない渦状にバネ材を巻いて成されるぜんまいバネを具備しており、ユーザーが手動で巻き取り式スクリーン34の端辺を引き出すことにより、ぜんまいバネが弾性変形し巻き取り式スクリーン34を引き戻す力が発生する。しかし、巻き取り式スクリーン34は、完全に映像機器設置空間32の前面に垂下させると、巻き取り式スクリーン34の端辺とラック29に具備されている図示しない留め具機構または磁石等により一時固定され、垂下状態で保持可能となる。また、解除する際には、留め具機構または磁石等の保持力より強い力で巻き取り式スクリーン34を引き上げることにより解除することが可能となる。
【0023】
仕切り板35は、天面空間30と液晶テレビ設置場所32の間に設けられた隔壁である。
【0024】
投射穴36は、仕切り板35に設けられ、短焦点プロジェクタ20の投射窓26から投射される映像面より十分大きく開いた空間である。
【0025】
ケーブル通し穴37は、短焦点プロジェクタ20または液晶テレビ38に使用するケーブル等をラック29の内外に引き回す為、ラック29の複数の場所に設けられた通し穴である。
【0026】
識別線39は、液晶テレビ設置場所32の両側内壁面に具備されている。識別線39は、短焦点プロジェクタ20の投射窓26から投射される下限の映像光路23の跡をペイントまたは凹凸によって示しており、ユーザーが液晶テレビ38を液晶テレビ設置場所32に設置する時に映像光路23を遮って設置しないための目印になっている。
【0027】
ファン43は、天面空間30の上方にあり、内部空間と外部空間を隔てる壁に組込み配置され、電力を供給することにより内部の空気を外部へ排出する方向へ回転することが可能である。
【0028】
次に、ファン43の制御と短焦点プロジェクタ20と巻き取り式スクリーン34との関係を表すため、図3に具備している構成を示すブロック図を記載し、図4に制御方法を示すフローチャートを記載している。
【0029】
図3のブロック図に関して以下に説明を行う。
【0030】
まず、ラック29に配置された、図示しないプロジェクタモード電源スイッチをONされると、ファン43、スクリーンスイッチ部54、短焦点プロジェクタ20、制御部52へ電源53より主電力が供給される。
【0031】
ファン電源検出回路51は、ファン43に内蔵されており、制御部52の命令に基づいて電源53からファン43へ前記主電力供給があるか否かの検出を行い、その検出結果を制御部52へ伝送する。
【0032】
スクリーンスイッチ部54は、巻き取り式スクリーン34の端辺と映像機器ラックの溝部42に設けられ、巻き取り式スクリーン34が完全に垂下しているか否かを検出するための機構スイッチや磁気スイッチ等を用いたスイッチである。また、前記主電源の供給があり、スクリーンスイッチ部54がONされる時のみ制御部52の命令に基づいてスクリーンONの検出結果を制御部52へ伝送する。
【0033】
PJ電源検出回路55は、短焦点プロジェクタ20に内蔵されており、前記主電力が供給され、図示しない端焦点プロジェクタ起動スイッチがONされる時のみ、制御部52の命令に基づいてPJ電源ONの検出結果を制御部52へ伝送する。
【0034】
制御部52は、前記主電源が供給されると、ファン電源検出回路51とスクリーンスイッチ部54とPJ電源検出回路55へ夫々の検出結果を伝送するように命令を出し、受け取る夫々の検出結果に基づき、ファン駆動回路56へ駆動の有無を命令する。
【0035】
ファン駆動回路56は、ファン回転部57へ電力を供給することにより、ファン回転部57を回転させることが可能である。
【0036】
図4のフローチャートに関して以下に説明を行う。
【0037】
まず、ファン電源検出回路51により、ファン43の主電源がONされていることを検出すると(ステップ1)、スクリーンスイッチ部54により、巻き取り式スクリーン34が完全に垂下しているか否かを検知し(ステップ2)、且つPJ電源検出回路55により、短焦点プロジェクタ20がONされているか否かを検知する(ステップ3)。
【0038】
スクリーンスイッチ部54とPJ電源検出回路55とがONであればファン43を駆動させ(ステップ4)、どちらか一方でもOFFであればファン43は駆動させない(ステップ5)。
【0039】
最後にファン43の主電源がOFFか否かを判定し(ステップ6)、OFFであれば終了し(ステップ7)、ONであれば(ステップ2)に戻る。
【0040】
図5は、前記映像機器ラック一体型プロジェクタ28において天面空間30に収納された巻取り式スクリーン34を伸ばして使用した状態を第三角法で三面図に図示したものである。
【0041】
この状態では、短焦点プロジェクタ20の投射窓26から投射された映像が投射穴36を経て、巻き取り式スクリーン34に映像40が投影される。
【0042】
また、液晶テレビ設置場所32に設置されている液晶テレビ38は、巻き取り式スクリーン34により隠れている為、短焦点プロジェクタ20の生成する映像を鑑賞する時に適している。
【0043】
また、巻き取り式スクリーン34が天面空間30に収納された図2の状態では、液晶テレビ38を鑑賞者から見て遮るものは何もなく、液晶テレビ38の映像を鑑賞する時に適している。
【0044】
また、液晶テレビ38を設置する際に液晶テレビ設置場所32の両側内壁面に設けられた識別線39によって、ユーザーに映像光路23の下限側を把握させることが可能で有る為に液晶テレビ38が映像光路23を遮ることが無いように設置することが容易となる。
【0045】
また、ファン43が回転することにより天面空間30に存在する空気をラック29の外へ送ることが可能であり、天面空間30の空気密度が薄くなり、気圧が下がる。天面空間30と液晶テレビ設置場所32は投写穴36により通じている為、液晶テレビ設置場所32の気圧も同時に下げることが可能となる。
【0046】
従って液晶テレビ設置場所32の前面に伸ばされた巻き取り式スクリーン34は、液晶テレビ設置場所32の内部へ引き寄せられる力が生じ、且つ巻き取り式スクリーン34の上端部、下端部、及び両側端部は映像機器ラックに挟みこまれて設置されている為、巻き取り式スクリーン34全体の凹凸が無くなる。
【0047】
この様に、短焦点プロジェクタ20、ラック29、収納自在な巻き取り式スクリーン34、ファン43を一体とした映像機器ラック一体型プロジェクタ28とすることによって、ファン43を回転させることにより、液晶テレビ設置場所32内とラック29外の気圧差が生じることによって、スクリーン全体の平面度を確保することが可能な為、投写映像をゆがみなく快適に鑑賞することが可能である。
【0048】
また、ファン43を回転させることにより、映像機器ラック内にある空気を映像機器ラック外へ容易に送ることが可能な為、短焦点プロジェクタ20や液晶テレビ38から発生する熱をラック29外へ逃がすことができ、短焦点プロジェクタ20や液晶テレビ38の長時間駆動、長寿命化が可能である。
【0049】
また、短焦点プロジェクタ20や液晶テレビ38を同一設置方向に設置できる為、短焦点プロジェクタ20の投射窓26から投射される映像と液晶テレビ38の映像とを鑑賞する方向が同一で夫々の映像鑑賞が容易に出来ると共に、設置場所の省スペース化が図れる。
【0050】
また、備え付けのケーブル通し穴37がある為、引き回しのためのケーブル配線が容易となる。
【0051】
また、短焦点プロジェクタ20の使用時には、巻き取り式スクリーン34が垂下され、その裏にある液晶テレビ設置場所32に光が射し込み難いように囲まれる為、明るい室内でも短焦点プロジェクタ20の映像鑑賞が容易となる。
【0052】
ここで、第1実施形態では、液晶テレビ設置場所32と天面空間30との間を仕切り板35により仕切ったが、仕切り板35をなくし、天面空間30と液晶テレビ設置場所32を一つの空間としても良いものとする。
【0053】
また、液晶テレビ38は、液晶テレビ設置場所32へ直立させて設置しているが映像光路23を遮らない限り、壁掛け設置を行っても良いものとする。
【0054】
またファン43を天面空間30の上方へ設置したが、設置する場所や数量を特に指定するものではなく、結果として液晶テレビ設置場所32の気圧を下げることが可能であれば設置場所、設置数量を変更しても良いものとする。
【0055】
また、巻き取り式スクリーン34は、手動で垂下動作を行ったが巻き取り式スクリーン34が開閉動作をした際、たるまない様にその端辺重量を増やし、電動モーター等により主軸41を回転させて自動で使用または収納を行っても良いものとする。
【0056】
(第2実施形態)
前記第1実施形態では、回転することにより天面空間30内の空気をラック29の外へ排出することが可能なファン43を設置したが、第2実施形態は、前記ファン43の代わりとして、液晶テレビ設置場所32の内部に外部の空気を供給するファン143を具えた構成である。
【0057】
図6は、本願発明の第2実施形態における映像機器ラック一体型プロジェクタ128について、第3角法で三面図に図示したものである。また第1実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0058】
ファン143は、液晶テレビ設置場所32の開口された前面側とは相対する面の下方中央に設置されており、ファン43とは作用が逆で、回転することによりラック29の外の空気を液晶テレビ設置場所32内へ供給することが可能であり、液晶テレビ設置場所32内の空気密度が濃くなり、気圧が上がる。
【0059】
従って液晶テレビ設置場所32の前面に伸ばされた巻き取り式スクリーン34は、液晶テレビ設置場所32の内部から押し出される力が生じ、且つ巻き取り式スクリーン34の上端部、下端部、及び両側端部は、ラック29に挟みこまれて設置されている為、巻き取り式スクリーン34全体の凹凸が無くなる。
【0060】
また、液晶テレビ設置場所32と天面空間30は投写穴36により通じている為、液晶テレビ設置場所32の気圧が上がることにより、同時に天面空間30の気圧も上がり、天面空間30に設けてあるケーブル通し穴37より空気が排出される。
【0061】
この様に、短焦点プロジェクタ20、ラック29、収納自在な巻き取り式スクリーン34、ファン143を一体とした映像機器ラック一体型プロジェクタ128とすることによって、第1実施形態と同様な効果を得ることが可能である。
【0062】
また、天面空間30の気圧が上がった時に天面空間30内の空気が排出される部位はケーブル通し穴37としたが、空気排出用の穴を別途、設けても良いものとする。
【0063】
(第3実施形態)
第1実施形態では、巻き取り式スクリーン34に投射するプロジェクタとして短焦点プロジェクタ20を使用したが第3実施形態では、短焦点プロジェクタ20の代わりとして該短焦点プロジェクタ20より長焦点なプロジェクタである既存のプロジェクタ120と凹面反射鏡124とを使用している。
【0064】
以下、本願発明の第3実施形態を図7および図8を参照して詳細に説明する。
【0065】
図7は、後述する第3実施形態における映像機器ラック一体型プロジェクタ228において、第三角法で三面図に図示したものである。また第1実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0066】
プロジェクタ120は、ラック29の液晶テレビ設置場所32の天面空間30に留め具31によってラック29に対して水平に螺着固定されている。
【0067】
凹面反射鏡124は、天面空間30の内壁面から突出した図示しない固定部に凹面反射鏡124の図示しないフランジ部を固定され、プロジェクタ120の投射レンズ122から投射された映像を屈曲反射させる為に投射レンズ122の投射方向に設置されている。
【0068】
そして、プロジェクタ120と凹面反射鏡124とを組み合わせた時に投射レンズ122からの映像がラック29の前面へ投射可能になっており、それらを組み合わせた焦点距離は、前記短焦点プロジェクタ20とほぼ同等となるように凹面反射鏡124の曲率半径や投射レンズ122からの設置距離が設定されている。
【0069】
図8は、映像機器ラック一体型プロジェクタ228において図5と同様に天面空間30に収納された巻取り式スクリーン34を伸ばして使用した状態を第三角法で三面図に図示したものであり、プロジェクタ120の投射レンズ122から投射された映像を凹面反射鏡124により屈曲させ、巻き取り式スクリーン34へ映像40を投影させている。
【0070】
この様に、プロジェクタ120、凹面反射鏡124、ラック29、収納自在な巻き取り式スクリーン34、ファン43を一体とした映像機器ラック一体型プロジェクタ228とすることによって、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。また、既存のプロジェクタ120を使用することが可能であると共に、凹面反射鏡124を短焦点プロジェクタ20の筐体25のように覆う必要がないため、筐体25の材料コストも削減をすることができる。
【0071】
(第4実施形態)
前記第3実施形態では、回転することにより天面空間30内の空気をラック29の外へ排出することが可能なファン43を設置したが、第4実施形態では、第2実施形態と同様に、前記ファン43の代わりとして、液晶テレビ設置場所32内に外気を供給するファン143を具えた構成である。尚、ファン143の詳細説明は図5と同様であるため省略する。
【0072】
図9は、本願発明の第4実施形態における映像機器ラック一体型プロジェクタ328について、第3角法で三面図に図示したものである。また第2実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
この様に、短焦点プロジェクタ20、ラック29、収納自在な巻き取り式スクリーン34、ファン143を一体とした映像機器ラック一体型プロジェクタ328とすることによって、第2実施形態と同様な効果を得ることができる。また、既存のプロジェクタ120を使用することが可能であると共に、凹面反射鏡124を短焦点プロジェクタ20の筐体25のように覆う必要がないため、筐体25の材料コストも削減をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】第1実施形態の短焦点プロジェクタの断面図
【図2】第1実施形態の短焦点プロジェクタを使用した映像機器ラック一体型プロジェクタ(液晶テレビ映鑑賞時)
【図3】ファンと巻き取り式スクリーンとプロジェクタの関係を示すブロック図
【図4】ファンと巻き取り式スクリーンとプロジェクタの関係を示す制御フローチャート
【図5】第1実施形態の短焦点プロジェクタを使用した映像機器ラック一体型プロジェクタ(プロジェクタ映像鑑賞時)
【図6】第2実施形態の短焦点プロジェクタを使用した映像機器ラック一体型プロジェクタ(プロジェクタ映像鑑賞時)
【図7】第3実施形態のプロジェクタと凹面反射鏡を使用した映像機器ラック一体型プロジェクタ(液晶テレビ映像鑑賞時)
【図8】第3実施形態のプロジェクタと凹面反射鏡を使用した映像機器ラック一体型プロジェクタ(プロジェクタ映像鑑賞時)
【図9】第4実施形態のプロジェクタと凹面反射鏡を使用した映像機器ラック一体型プロジェクタ(プロジェクタ映像鑑賞時)
【図10】映写スクリーンのゆがみを補正する装置の先行技術実施例
【図11】図10におけるA−A断面
【符号の説明】
【0074】
20 短焦点のプロジェクタ(短焦点の投射型映像表示装置)
28 映像機器ラック一体型プロジェクタ
29 ラック(映像機器ラック)
32 液晶テレビ設置場所(収納部)
34 巻き取り式スクリーン(スクリーン)

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38 液晶テレビ(映像機器)
43 ファン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像機器ラックの天面側に配置され前記ラックの前方に映像を投射する短焦点の投射型映像表示装置と、該投射型映像表示装置から投射された映像を投映するスクリーンと、該スクリーンと前記ラックによって閉塞された空間へ給排気するファンと、を備える映像機器ラック一体型プロジェクタ。
【請求項2】
前記スクリーンは、前記投射型映像表示装置から投射された映像が投射可能となる投影位置と収納されて投影不能となる収納位置間で変位可能であり、前記投射型映像表示装置の下方にあり、映像表示面を前方に向けた状態で映像機器を収納可能な収納部を備え、前記ファンは、前記収納部内の空気を前記映像機器ラック外へ排出することを特徴とする請求項1記載の映像機器ラック一体型プロジェクタ。
【請求項3】
前記スクリーンは、前記投射型映像表示装置から投射された映像が投射可能となる投影位置と収納されて投影不能となる収納位置間で変位可能であり、前記投射型映像表示装置の下方にあり、映像表示面を前方に向けた状態で映像機器を収納可能な収納部を備え、前記ファンは、前記映像機器ラック外の空気を前記収納部内へ供給することを特徴とする請求項1記載の映像機器ラック一体型プロジェクタ。
【請求項4】
映像機器ラックの天面側に配置された投射型映像表示装置と、該投射型映像表示装置の投射レンズからの投射光を屈曲反射させて前記ラックの前面へ映像を投射する反射鏡と、該反射鏡から投射された映像を投映するスクリーンと、該スクリーンと前記ラックによって閉塞された空間へ給排気するファンと、を備える映像機器ラック一体型プロジェクタ。
【請求項5】
前記スクリーンは、前記反射鏡から反射された映像が投射可能となる投影位置と収納されて投影不能となる収納位置間で変位可能であり、前記投射型映像表示装置の下方にあり、映像表示面を前方に向けた状態で映像機器を収納可能な収納部を備え、前記ファンは、前記収納部内の空気を前記映像機器ラック外へ排出することを特徴とする請求項4記載の映像機器ラック一体型プロジェクタ。
【請求項6】
前記スクリーンは、前記反射鏡から反射された映像が投射可能となる投影位置と収納されて投影不能となる収納位置間で変位可能であり、前記投射型映像表示装置の下方にあり、映像表示面を前方に向けた状態で映像機器を収納可能な収納部を備え、前記ファンは、前記映像機器ラック外の空気を前記収納部内へ供給することを特徴とする請求項4記載の映像機器ラック一体型プロジェクタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−222828(P2009−222828A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−65236(P2008−65236)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】