説明

映像表示システム

【課題】高解像度の映像と低解像度の映像を表示する場合に、これらの映像に関する操作機器による操作を効果的に実現する。
【解決手段】端末1の上位画面を表示する機能、低解像度の映像表示用の画面を表示する機能、高解像度の映像表示用の画面を表示する機能、映像の操作機器2を備えた。上位画面で低解像度表示の映像を指定する機能、当該指定された映像を表示する機能、上位画面で高解像度表示の映像を指定する機能、当該指定された映像を表示する機能、操作機器による操作の対象を高解像度の映像から低解像度の映像へ移行させる機能、操作機器による操作の対象を低解像度の映像から高解像度の映像へ移行させる機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を表示する映像表示システムに関し、特に、高解像度の映像と低解像度の映像を表示する場合に、これらの映像に関する操作機器による操作を効果的に実現した映像表示システムに関する。
なお、「映像」としては、例えば「画像」などのように、他の用語で呼ばれるものも含む。
【背景技術】
【0002】
例えば、放送システムにおける素材(例えば、映像や音声)の収録や編集や送出を行う収録・編集・送出システムでは、映像を高解像度で表示するHD(High Definition)試写と映像を低解像度で表示するプロキシ試写が可能な映像表示システムが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−210490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような映像表示システムでは、HD試写する上位アプリケーションとプロキシ試写する試写アプリケーションとで同じジョグ(JOG)コントローラを利用して映像操作を行うため、ジョグコントローラの制御を管理する仕組みが必要であった。
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、高解像度の映像と低解像度の映像を表示する場合に、これらの映像に関する操作機器(例えば、ジョグコントローラ)による操作を効果的に実現することができる映像表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る映像表示システムでは、次のような構成とした。
すなわち、端末の上位画面を表示する機能と、低解像度の映像表示用の画面を表示する機能と、高解像度の映像表示用の画面を表示する機能と、映像の操作機器と、を備えた。
また、前記上位画面で低解像度表示の映像を指定する機能と、当該指定された映像を前記低解像度の映像表示用の画面に表示する機能と、前記上位画面で高解像度表示の映像を指定する機能と、当該指定された映像を前記高解像度の映像表示用の画面に表示する機能と、前記操作機器による操作の対象を前記高解像度の映像表示用の画面に表示される高解像度の映像から前記低解像度の映像表示用の画面に表示される低解像度の映像へ移行させる機能と、前記操作機器による操作の対象を前記低解像度の映像表示用の画面に表示される低解像度の映像から前記高解像度の映像表示用の画面に表示される高解像度の映像へ移行させる機能と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように、本発明に係る映像表示システムによると、高解像度の映像と低解像度の映像を表示する場合に、これらの映像に関する操作機器による操作を効果的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施例に係る映像表示システムの構成例を示す図である。
【図2】(a)は試写端末(上位アプリケーション)とプロキシ試写プレーヤーとの関係の例を示す図であり、(b)は送出端末(上位アプリケーション)とプロキシ試写プレーヤーとの関係の例を示す図である。
【図3】端末が試写端末である場合におけるモニタの構成例を示す図である。
【図4】端末が送出端末である場合におけるモニタの構成例を示す図である。
【図5】試写端末(モードレスダイアログのケース)におけるジョグコントローラ制御取得の処理の流れの一例を示す図である。
【図6】送出端末におけるジョグコントローラ制御取得の処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
まず、システムについて説明する。
例えば、放送システムにおける素材(例えば、映像や音声)の収録や編集や送出を行う収録・編集・送出システムでは、映像を高解像度で表示するHD試写と映像を低解像度で表示するプロキシ試写が可能な映像表示システムが用いられる。
【0009】
表示対象となる映像は、例えば、収録した映像、又は、編集(例えば、テロップを挿入するなど)した映像である。
同一の素材の映像について、例えば素材の入力時又は編集時に、HD試写用の映像(HD映像)とプロキシ試写用の映像(プロキシ映像)がそれぞれ生成されて、それぞれがメモリに記録される。
【0010】
図1には、本発明の一実施例に係る映像表示システムの構成例を示してある。
本例の映像表示システムは、パーソナルコンピュータ(PC)などから構成された端末1、端末1と接続されたジョグ(JOG)コントローラ2、端末1と接続されたデコーダ制御装置3、デコーダ制御装置3と接続されたデコーダ4、端末1と接続された情報管理サーバー11とプロキシ管理サーバー12とプロキシサーバー13、デコーダ4と接続された送出管理サーバー21と送出サーバー22とHD試写モニタ(HD試写に専用のモニタ)23を備えている。
ここで、接続としては、例えば、有線の接続や無線の接続を用いることができる。
【0011】
本例では、端末1としては、試写端末又は送出端末が用いられる。本例では、映像表示システムには、試写端末と送出端末が備えられる。端末1は、1つ又は複数のモニタを有している。
映像に関する操作機器となるジョグコントローラ2は、試写端末に対して1つ設けられ、送出端末に対して1つ設けられる。
【0012】
本例の映像表示システムにおいて行われる動作の例を示す。
ジョグコントローラ2は、ユーザ(人)により操作されて、例えば、操作対象となる映像の再生、停止、一時停止、高速の送りなどの種々な操作を行うことができる。
端末1は、端末アプリケーションを有しており、これにより、ジョグコントローラ2との間で通信して、デコーダ制御装置3に対して制御(ジョグ制御)を行い、デコーダ制御装置3からのACKなどを受信する。
デコーダ制御装置3は、端末1からの制御の内容に従って、デコーダ4に対して制御(ジョグ制御)を行い、デコーダ4からのACKなどを受信する。
デコーダ4は、デコーダ制御装置3からの制御の内容に従って、映像の再生制御を行う。
【0013】
本例では、プロキシサーバー13のメモリにプロキシ映像が記憶(格納)されており、ユーザにより希望されたプロキシ映像が端末1のモニタの画面に表示される。
また、本例では、送出サーバー22のメモリにHD映像が記憶(格納)されており、ユーザにより希望されたHD映像がデコーダ4によりHD試写モニタ23の画面に表示される。
【0014】
以下で、更に詳しく説明する。
ジョグコントローラ制御の概要について説明する。
端末1の中では、HD試写の制御及びプロキシ試写の制御を両方実施することが可能となっている。
そこで、映像を操作するジョグコントローラ2がHD試写とプロキシ試写のいずれを実行しているかを指示するために、プロキシ試写プレーヤー呼び出し元のアプリケーションは、プロキシ試写プレーヤーの起動時にジョグコントローラ2の有無及びジョグ制御のオン/オフ(ON/OFF)を設定させる。
【0015】
ジョグコントローラ制御をプロセス間メッセージで送信する。上位アプリケーションからプロキシ試写プレーヤーにジョグコントローラ制御初期化を指示すると、プロキシ試写プレーヤーにおいてドライバーが初期化(INITIAL)される。同様に、プロキシ試写プレーヤーにジョグコントローラ制御開放を指示すると、プロキシ試写プレーヤーにおいてドライバーが開放(RELEASE)される。
【0016】
ジョグコントローラ制御の取得方法は、ジョグコントローラ2のAPI(Application Program Interface)に依存する。
ジョグコントローラ用のライブラリであるダイナミックリンクライブラリ(DLL)が組み込まれた上位アプリケーションは、全て、起動時にINITIALによりジョグコントローラ制御を取得する。
【0017】
試写端末とプロキシ試写プレーヤーについて説明する。ここでは、端末1が試写端末である場合について説明する。
試写端末は、上位アプリケーションを有する当該試写端末によりプロキシ試写するときにプロキシ試写プレーヤーを起動させる。プロキシ試写プレーヤーは、モードレスダイアログで起動を行い、背面にある試写端末画面の操作を可能なようにする。
【0018】
図2(a)には、試写端末(上位アプリケーション)とプロキシ試写プレーヤーとの関係の例を示してある。
本例では、上位アプリケーション31がプロキシ試写プレーヤー32をコマンド起動する。
【0019】
図3には、端末1が試写端末である場合におけるモニタの構成例を示してある。
本例では、試写端末のモニタ101と、HD試写モニタ102(図1に示されるHD試写モニタ23に相当するもの)が用いられる。
試写端末モニタ101の画面には、上位アプリケーション(図2(a)に示される上位アプリケーション31に相当するもの)による表示内容である上位画面(試写端末画面)が表示され、その画面には、候補となる複数の映像を表示する候補表示部111や、プロキシ試写ボタン112や、起動されている間に表示されるプロキシ試写プレーヤー113(図2(a)に示されるプロキシ試写プレーヤー32に相当するもの)や、各種の操作を行うためのボタン群114などが表示される。
【0020】
ここで、プロキシ試写プレーヤー113は、起動されていないときには表示されておらず、そのときに、例えば、上位画面において1つの映像(例えば、太枠の映像)が選択されて、プロキシ試写ボタン112が押下されたことに応じて、起動されて表示される。
プロキシ試写プレーヤー113の表示内容としては、選択された表示対象となるプロキシ映像や、終了ボタン121や、各種の操作を行うためのボタン群122などがある。プロキシ試写プレーヤー113は、起動されて表示されているときに、終了ボタン121が押下されたことに応じて、起動が終了させられて表示が消去される。
【0021】
HD試写モニタ102の画面には、上位画面において選択された表示対象となるHD映像が表示される。ここで、表示対象とするプロキシ映像とHD映像とは、それぞれ独立に別な映像(元の映像が別ということ)を選択することが可能である。
本例では、上位画面は、マウスオペレーションにより操作される。
また、ジョグコントローラ2の操作により、プロキシ試写プレーヤー113上のプロキシ映像又はHD試写モニタ102上のHD映像を操作することができる。
【0022】
送出端末とプロキシ試写プレーヤーについて説明する。ここでは、端末1が送出端末である場合について説明する。
送出端末は、その1つのモニタ(例えば、21インチ液晶タッチパネルディスプレイ)に上位画面である送出画面(送出端末画面)を表示し、プロキシ試写プレーヤーを他の1つのモニタ(例えば、17インチプロキシ試写用液晶ディスプレイ)に表示する。送出端末画面とプロキシ試写プレーヤーは端末起動時にそれぞれのディスプレイに表示される。送出端末画面からセット(SET)ボタンを押下することで、試写に必要な情報をプロキシ試写プレーヤーへ送信し、プロキシ試写プレーヤーによりプロキシ映像の試写を行う。
【0023】
図2(b)には、送出端末(上位アプリケーション)とプロキシ試写プレーヤーとの関係の例を示してある。
動作の例を示す。
(1)送出端末画面41で、セット(SET)ボタンが押下されると、試写に必要な情報(例えば、表示対象とするプロキシ映像の識別番号など)がプロキシ試写プレーヤー42へ送信される。
(2)プロキシ試写プレーヤー42は情報管理サーバー11と通信して、排他(例えば、プロキシ試写をする権限の排他)を開始し、送出メタ(例えば、表示対象とするプロキシ映像のタイトルなどの情報)を取得する。
(3)プロキシ試写プレーヤー42はプロキシ管理サーバー12と通信して、表示対象とするプロキシ映像の格納位置を取得する。
(4)プロキシ試写プレーヤー42はプロキシサーバー13と通信して、表示対象とするプロキシ映像を取得する。
(5)プロキシ試写プレーヤー42は、本処理の結果を送出端末画面41へ通知する。
【0024】
図4には、端末1が送出端末である場合におけるモニタの構成例を示してある。
本例では、送出端末のモニタとして、上位画面のモニタ201と、プロキシ試写プレーヤー202のモニタが用いられる。また、本例では、HD試写モニタ203(図1に示されるHD試写モニタ23に相当するもの)が用いられる。
【0025】
上位モニタ201の画面には、上位アプリケーションによる表示内容である上位画面(図2(b)に示される送出端末画面41に相当するもの)が表示され、その画面には、候補となる複数の映像を表示する候補表示部211や、プロキシ試写に関するセット(SET)ボタン212及びイジェクト(EJECT)ボタン213や、各種の操作を行うためのボタン群214などが表示される。
【0026】
例えば送出端末がオンであるときには常に表示されるプロキシ試写プレーヤー202(図2(b)に示されるプロキシ試写プレーヤー42に相当するもの)には、選択された表示対象となるプロキシ映像や、各種の操作を行うためのボタン群221などが表示される。
本例では、上位画面において1つの映像(例えば、太枠の映像)が選択されて、セットボタン212が押下されたことに応じて、プロキシ試写プレーヤー202に該当するプロキシ映像が表示され、その表示中に、上位画面においてイジェクトボタン213が押下されたことに応じて、表示が消去される。
【0027】
HD試写モニタ203の画面には、上位画面において選択された表示対象となるHD映像が表示される。ここで、表示対象とするプロキシ映像とHD映像とは、それぞれ独立に別な映像(元の映像が別ということ)を選択することが可能である。
本例では、上位画面は、タッチパネルオペレーションにより操作される。
また、ジョグコントローラ2の操作により、プロキシ試写プレーヤー202上のプロキシ映像又はHD試写モニタ203上のHD映像を操作することができる。
【0028】
試写端末(モードレスダイアログのケース)におけるジョグコントローラ制御取得について説明する。
図5には、試写端末(モードレスダイアログのケース)におけるジョグコントローラ制御取得の処理の流れの一例を示してある。
ここで、モードレスダイアログでプロキシ試写プレーヤー113が起動する場合(試写端末の場合)には、ウインドウがアクティブになった場合にジョグコントローラ2の制御を取得する。
【0029】
図5に示される処理の流れを説明する。
上位アプリケーションによる試写端末画面(上位画面)は、起動(INITIAL)時に、HD試写が可能な状態になる。
上位画面では、プロキシ試写ボタン112が押下されると、起動オプション(JOG制御初期化指示(ジョグコントローラ制御初期化を指示するコマンド))がプロキシ試写プレーヤー113へ送信され、また、上位画面の非アクティベートが検知されて、JOG制御開放(RELEASE)が行われる。
プロキシ試写プレーヤー113では、起動オプション(JOG制御初期化指示)を受信すると、初期化やプロキシ映像キューアップを行い、ジョグコントローラの制御初期化であるJOG制御初期化(INITIAL)を行う。
【0030】
プロキシ試写プレーヤー113から上位画面へフォーカスが移動すると、上位画面では、上位画面のアクティベートが検知されて、JOG制御開放指示がプロキシ試写プレーヤー113へ送信され、また、JOG制御初期化(INITIAL)が行われる。
プロキシ試写プレーヤー113では、ジョグコントローラ制御の開放指示であるJOG制御開放指示を受信すると、ジョグコントローラ制御の開放であるJOG制御開放(RELEASE)が行われ、その結果を上位画面へ通知する。
【0031】
上位画面では、HD試写が可能な状態になり、その後、上位画面からプロキシ試写プレーヤー113へフォーカスが移動すると、上位画面では、上位画面の非アクティベートが検知されて、JOG制御開放(RELEASE)が行われ、また、JOG制御初期化指示がプロキシ試写プレーヤー113へ送信される。
プロキシ試写プレーヤー113では、JOG制御初期化指示を受信すると、JOG制御初期化(INITIAL)が行われ、その結果を上位画面へ通知する。
【0032】
その後、プロキシ試写プレーヤー113では、終了ボタン121が押下されると、終了処理が開始され、イジェクト(EJECT)やJOG制御開放(RELEASE)が行われて、終了処理が終了する。これにより、プロキシ試写プレーヤー113から上位画面へフォーカスが移動する。
上位画面では、プロキシ試写プレーヤー113の終了を検知すると、JOG制御初期化(INITIAL)が行われる。
【0033】
ここで、本例では、上位画面の上にプロキシ試写プレーヤー113が表示され、例えば、上位画面がフォーカスされているときにプロキシ試写プレーヤー113のウインドウの内側がマウスでクリックされるとプロキシ試写プレーヤー113へフォーカスが移動し、プロキシ試写プレーヤー113がフォーカスされているときに上位画面上であってプロキシ試写プレーヤー113のウインドウの外側がマウスでクリックされると上位画面へフォーカスが移動する。
また、上位画面がフォーカスされているときにはHD試写のHD映像がジョグコントローラ2により操作可能な状態となり、プロキシ試写プレーヤー113がフォーカスされているときにはプロキシ試写のプロキシ映像がジョグコントローラ2により操作可能な状態となる。
【0034】
送出端末におけるジョグコントローラ制御取得について説明する。
図6には、送出端末におけるジョグコントローラ制御取得の処理の流れの一例を示してある。
上位アプリケーションによる送出端末画面(上位画面)は、起動(INITIAL)時に、HD試写が可能な状態になる。ここで、送出端末内では、プロキシ試写プレーヤー202は、呼び出しアプリケーションとは別のディスプレイに、事前に起動されている。そして、HD試写する上位画面の起動時に、ジョグコントローラ制御を初期化している。
【0035】
上位画面では、映像が選択されて、プロキシ試写ボタン(本例では、プロキシ試写のセットボタン212)が押下されると、JOG制御開放(RELEASE)が行われて、ジョグコントローラ制御の開放が実行され、また、SETコマンドをプロキシ試写プレーヤー202へ送信することにより、プロキシ試写プレーヤー202にキューアップ指示を出すと同時にプロキシ映像のタイトル情報等を送信する。
プロキシ試写プレーヤー202では、SETコマンドを受信すると、初期化して、プロキシ映像をキューアップし、その結果を上位画面へ通知する。
【0036】
その後、上位画面では、JOG制御初期化指示(ジョグコントローラ制御初期化を指示するコマンド)を送信する。
プロキシ試写プレーヤー202では、JOG制御初期化指示を受信すると、ジョグコントローラの制御初期化であるJOG制御初期化(INITIAL)を行い、その結果を上位画面へ通知する。
【0037】
その後、上位画面でプロキシ試写のイジェクトボタン213が押下されると、上位画面からプロキシ試写プレーヤー202へジョグコントローラ制御の開放指示であるJOG制御開放指示を送信する。
プロキシ試写プレーヤー202では、JOG制御開放指示を受信すると、ジョグコントローラ制御の開放であるJOG制御開放(RELEASE)が行われ、その結果を上位画面へ通知する。
【0038】
続いて、上位画面では、EJECTコマンドをプロキシ試写プレーヤー202へ送信することにより、プロキシ試写プレーヤー202にプロキシ映像のEJECT処理を指示する。
プロキシ試写プレーヤー202では、EJECTコマンドを受信すると、EJECT処理を実行し、その結果を上位画面へ通知する。
上位画面では、プロキシ試写プレーヤー202によりEJECT処理の実行が完了したことを検知すると、再度、ジョグコントローラ制御を初期化するJOG制御初期化(INITIAL)を行う。
【0039】
ここで、本例では、HD試写のHD映像がジョグコントローラ2により操作可能な状態で、上位画面において、プロキシ試写のセットボタン212が押下されると、プロキシ試写のプロキシ映像がジョグコントローラ2により操作可能な状態へ移行し、その状態で、上位画面において、プロキシ試写のイジェクトボタン213が押下されると、再び、HD試写のHD映像がジョグコントローラ2により操作可能な状態へ戻る。
なお、本例では、プロキシ試写プレーヤー202の映像の表示中には、HD試写モニタ203の画面では黒画面の状態となる。
【0040】
以上のように、本例の映像表示システムでは、端末(本例では、試写端末又は送出端末)の上位画面を表示する機能と、低解像度の映像表示用の画面(本例では、プロキシ試写プレーヤーであり、上位画面と同一の画面上の画面又は別の画面)を表示する機能と、高解像度の映像表示用の画面(本例では、上位画面とは別のHD試写モニタの画面)を表示する機能と、映像の操作機器(本例では、試写端末又は送出端末のジョグコントローラ)を備えている。
そして、上位画面で低解像度表示の映像を指定する機能や、この指定された映像を低解像度の映像表示用の画面に表示する機能や、上位画面で高解像度表示の映像を指定する機能や、この指定された映像を高解像度の映像表示用の画面に表示する機能や、操作機器による操作の対象を高解像度の映像から低解像度の映像へ移行させる機能や、操作機器による操作の対象を低解像度の映像から高解像度の映像へ移行させる機能を有している。
【0041】
具体例として、試写端末に関する構成例を示す。
試写端末では、HD試写する上位アプリケーションとプロキシ試写する試写アプリケーションが同一のモニタで画面表示する場合に、次のようなジョグコントローラ制御により管理を行う。
すなわち、上位アプリケーションと試写アプリケーションは同一のモニタで表示し、プロキシ試写するタイミングで試写アプリケーションを起動する(起動オプション)。上位アプリケーションは試写操作で試写アプリケーションを起動するタイミングでジョグコントローラ制御を開放(RELEASEコマンド実行)する。次に、試写アプリケーション起動時に上位アプリケーションから試写アプリケーションへ起動オプションにより起動と同時にジョグコントローラ制御初期化(INITIAL)を指示する。試写アプリケーションは、キューアップ(CUEUP)実行後に、ジョグコントローラ制御初期化(INITIALコマンド実行)する。試写アプリケーションは閉じるボタン(本例では、終了ボタン121)で終了する時にジョグコントローラ制御を開放(RELEASEコマンド実行)する。上位アプリケーションで再度ジョグコントローラ制御初期化(INITIALコマンド実行)する。
【0042】
具体例として、送出端末に関する構成例を示す。
送出端末では、HD試写する上位アプリケーションとプロキシ試写する試写アプリケーションがそれぞれ別のモニタで画面表示する場合に、次のようなジョグコントローラ制御により管理を行う。
すなわち、上位アプリケーションと試写アプリケーションは、それぞれ別のモニタに、アプリケーション起動時に画面が表示される。上位アプリケーションの起動時にジョグコントローラ制御の初期化(INITIALコマンド実行)を行う(例えば、HD試写の初期化)。上位アプリケーションから映像を選択して試写アプリケーションへSET操作すると、上位アプリケーションはジョグコントローラ制御を開放(RELEASEコマンド実行)し、試写アプリケーションへキューアップ(CUEUP)指示(例えば、SETコマンド)を出すと同時に映像のタイトル情報など(例えば、SETコマンドに入っている)を送信する。その後、上位アプリケーションは試写アプリケーションへジョグコントローラ制御初期化(INITIAL)要求を送信する。試写アプリケーションはジョグコントローラ制御初期化(INITIALコマンド実行)する。上位アプリケーションで試写をEJECT操作すると試写アプリケーションへジョグコントローラ制御の開放指示を送信する。続いて、上位アプリケーションは試写アプリケーションへ映像のEJECT処理を指示(例えば、EJECTコマンド送信)する。
【0043】
従って、本例の映像表示システムでは、HD試写とプロキシ試写を行う端末1において、同一端末上のHD試写する上位アプリケーションとプロキシ試写する試写アプリケーションで使用するジョグコントローラ2の制御を管理することが可能となり、例えば、HD試写する上位アプリケーションとプロキシ試写する試写アプリケーションで同じジョグコントローラ2を利用して映像操作を行うことができる。
【0044】
また、本例では、上位アプリケーションと試写アプリケーションが同一のモニタで画面表示する場合(試写端末の場合)と、上位アプリケーションと試写アプリケーションがそれぞれ別のモニタで画面表示する場合(送出端末の場合)について、ジョグコントローラ2の制御方法を定めることで、適切にHD試写とプロキシ試写におけるジョグコントローラ2の制御を扱うことが可能となる。
【0045】
なお、同一の映像について、高解像度の映像の解像度や低解像度の映像の解像度としては、本例では、これらを比較した場合に相対的に高い或いは低いと言っており、それぞれの解像度としては、種々なものが用いられてもよい。
【0046】
(以下、構成例の説明)
一構成例として、映像表示システムでは、次のような構成とした。
すなわち、端末(本例では、試写端末や送出端末である端末1)の上位画面(本例では、図3や図4に示される上位画面)を表示する機能と、低解像度の映像表示用の画面(本例では、図3や図4に示されるプロキシ試写プレーヤー)を表示する機能と、高解像度の映像表示用の画面(本例では、図3や図4に示されるHD試写モニタの画面)を表示する機能と、映像の操作機器(本例では、ジョグコントローラ2)と、を備えた。
また、前記上位画面で低解像度表示の映像を指定する機能と、当該指定された映像を前記低解像度の映像表示用の画面に表示する機能と、前記上位画面で高解像度表示の映像を指定する機能と、当該指定された映像を前記高解像度の映像表示用の画面に表示する機能と、前記操作機器による操作の対象を前記高解像度の映像表示用の画面に表示される高解像度の映像から前記低解像度の映像表示用の画面に表示される低解像度の映像へ移行させる機能と、前記操作機器による操作の対象を前記低解像度の映像表示用の画面に表示される低解像度の映像から前記高解像度の映像表示用の画面に表示される高解像度の映像へ移行させる機能と、を有する。
従って、高解像度の映像と低解像度の映像を表示する場合に、これらの映像に関する操作機器による操作を効果的に実現することができる。
なお、本構成例における各機能は、それぞれシステムのいずれのところに備えられてもよいが、例えば、プログラムなどとして、前記端末に備えられる。
(以上、構成例の説明)
【0047】
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々なシステムや装置として提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【符号の説明】
【0048】
1・・端末、 2・・ジョグコントローラ、 3・・デコーダ制御装置、 4・・デコーダ、 11・・情報管理サーバー、 12・・プロキシ管理サーバー、 13・・プロキシサーバー、 21・・送出管理サーバー、 22・・送出サーバー、 23、102、203・・HD試写モニタ、 31・・上位アプリケーション、 32、42、113、202・・プロキシ試写プレーヤー、 41・・送出端末画面、 101・・試写端末モニタ、 111、211・・候補表示部、 112・・プロキシ試写ボタン、 114、122、214、221・・ボタン群、 121・・終了ボタン、 201・・上位モニタ、 212・・セットボタン、 213・・イジェクトボタン、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末の上位画面を表示する機能と、低解像度の映像表示用の画面を表示する機能と、高解像度の映像表示用の画面を表示する機能と、映像の操作機器と、を備え、
前記上位画面で低解像度表示の映像を指定する機能と、当該指定された映像を前記低解像度の映像表示用の画面に表示する機能と、前記上位画面で高解像度表示の映像を指定する機能と、当該指定された映像を前記高解像度の映像表示用の画面に表示する機能と、前記操作機器による操作の対象を前記高解像度の映像表示用の画面に表示される高解像度の映像から前記低解像度の映像表示用の画面に表示される低解像度の映像へ移行させる機能と、前記操作機器による操作の対象を前記低解像度の映像表示用の画面に表示される低解像度の映像から前記高解像度の映像表示用の画面に表示される高解像度の映像へ移行させる機能と、を有する、
ことを特徴とする映像表示システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−95003(P2012−95003A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238903(P2010−238903)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】