映像表示装置、表示制御方法及びプログラム
【課題】映像編集により、前後フィールドの走査線が混在した画像データを表示する場合の画像劣化を防止する。
【解決手段】フィールド間走査線補間部41は、チューナ17又はメモリカード21から入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、その映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成する。バックエンド18には、CPUから、映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かの判定結果を示すIP変換選択信号50が入力される。セレクタ44は、IP変換選択信号50を参照し、CPUにおいて映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、フィールド間走査線補間部41によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する。
【解決手段】フィールド間走査線補間部41は、チューナ17又はメモリカード21から入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、その映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成する。バックエンド18には、CPUから、映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かの判定結果を示すIP変換選択信号50が入力される。セレクタ44は、IP変換選択信号50を参照し、CPUにおいて映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、フィールド間走査線補間部41によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、放送による映像ストリームに基づく映像と、映像編集ソフトにより編集された映像ストリームに基づく映像などを表示する映像表示装置、その映像表示装置の表示制御方法及びその映像表示装置を制御するコンピュータによって実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン放送などの映像ストリームは、通常、飛び越し走査(以下、「インターレース」と呼ぶ)画像データの形式(例えば、図17(A)、図17(B)参照)で伝送されている。このため、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のマトリクス型表示装置でテレビジョン放送による映像を表示するためには、その映像ストリームの画像データを順次走査(以下、「プログレッシブ」と呼ぶ)画像データに変換する必要がある。
【0003】
インターレース画像データをプログレッシブ画像データに変換する処理方式には、フィールド間走査線補間処理とフィールド内走査線補間処理とがある。フィールド間走査線補間処理及びフィールド内走査線補間処理は、ともに、映像ストリームにおけるインターレース画像データの各走査線の隙間に、補間走査線データを挿入することにより、その映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成する補間処理である点は同じである。
【0004】
フィールド間走査線補間処理は、映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを補間走査線データとして用いる(例えば、図18(A)、図18(B)参照)。これに対し、フィールド内走査線補間処理は、映像ストリームにおけるインターレース画像データの同一フィールド内の走査線データ(具体的には、直上、直下の走査線データ)を補間走査線データとして用いる(例えば、図19(A)、図19(B)参照)。
【0005】
フィールド間走査線補間処理とフィールド内走査線補間処理とは、同時併用が可能である。例えば、映像ストリームにおける画像の動き量(変化)に応じてフィールド間走査線補間処理とフィールド内走査線補間処理との重み付けを変える信号処理装置が、従来より用いられている。この信号処理装置の中には、映像ストリームにおける画像データの走査線構造が、NTSC(National Television System Committee)に準拠していなければ、フィールド内走査線補間処理を選択するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2−196581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
最近では、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と呼ぶ)や携帯端末において、映像編集ソフトを用いたプライベートな映像の編集が可能となっている。PCや携帯端末は、表示画面の画素数やサイズが様々であり、走査線の数も様々であるため、映像編集では、上記プログレッシブ画像への変換処理に加え、そのプログレッシブ画像データの拡大縮小処理(すなわち走査線の増減処理)が行われることが多い。
【0008】
より具体的には、映像の編集では、まず、原画像としてのインターレース画像データ(例えば、図17(A)、図17(B)参照)を、フィールド間補間処理を行ってプログレッシブ画像データ(例えば、図18(A)、図18(B)参照)に変換する。続いて、変換されたプログレッシブ画像データに対して、画面の拡大比(例えば、360ライン→480ラインであれば3分の4)に応じた適当な間隔(3ラインに1ライン)で、フィールド内の走査線データを挿入する(例えば、図20参照)。
【0009】
最終的に、拡大されたプログレッシブ画像データは、奇数フィールドでは奇数ラインが抜き出され、偶数フィールドでは偶数ラインが抜き出されることにより、再びインターレース画像データ(例えば、図21参照)に変換される。図21に示すように、このインターレース画像データは、奇数フィールド(フィールド1)の走査線データと、偶数フィールド(フィールド2)の走査線データとが、4ライン毎に混在した画像データとなる。
【0010】
ここで、図22に示すように、1本の縦棒が、画面上を左から右にスクロールする動画を原画像として編集する場合について考える。図23(A)乃至図23(C)には、図22に示す原画像に対応するインターレース画像データの拡大図が示されている。これらの画像データに対して、フィールド間走査線補間処理を行い、さらに画像データの拡大処理を行うと、図24(A)乃至図24(C)に示すように、前後のフィールドの走査線が混在した画像データが生成される。
【0011】
このように生成された画像データを、動画であればフィールド内走査線補間処理を行い、静止画であればフィールド間走査線補間処理を行う信号処理装置で表示する場合について考える。この信号処理装置では、この画像データは、動画の1コマであると判定されるので、フィールド内走査線補間処理が行われる。これにより、図25(A)乃至図25(C)に示すように、縦棒の位置が4ラインごとにずれた画像データが生成される。この結果、表示画面には、1本の縦棒が左から右へスクロールする映像(図22参照)ではなく、図26に示すように、うねりのある(周期的な歪みを有する)縦線が左から右へスクロールする映像が表示されるようになる。
【0012】
このように、PCや携帯端末で映像編集ソフトにより映像を編集すると、インターレースに不整合が生じることがある。インターレースに不整合が生じた画像データは、著しい表示不具合を引き起こす可能性があり、この表示不具合については、上記特許文献1に記載された信号処理装置でも対応するのは困難である。
【0013】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、PCや携帯端末での映像編集により、前後フィールドの走査線が混在した画像データを表示する場合の画像劣化を防止する映像表示装置、表示制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る映像表示装置は、
映像ストリームを入力する1又は複数の入力パスと、
前記複数の入力パスのうちのいずれかの入力パスから入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、前記映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成するフィールド間走査線補間部と、
前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、前記フィールド間走査線補間部によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する選択部と、
を備える。
【0015】
この場合、前記判定部は、
前記映像ストリームを入力する入力パスが特定の入力パスである場合に、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしていないと判定する、
ようにしてもよい。
【0016】
この場合、前記映像ストリームを格納するメモリをさらに備え、
前記特定の入力パスは、
前記メモリから読み出された映像ストリームが入力される入力パスである、
こととしてもよい。
【0017】
また、通信ネットワークを介して前記映像ストリームを受信する受信部をさらに備え、
前記特定の入力パスは、
前記受信部で受信された映像ストリームが入力される入力パスである、
こととしてもよい。
【0018】
また、前記判定部は、
前記映像ストリームの識別情報に基づいて、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する、
こととしてもよい。
【0019】
この場合、前記識別情報は、
前記映像ストリームのヘッダに含まれ、
前記判定部は、
前記ヘッダから、前記識別情報を抽出する抽出部を備え、
前記抽出部によって抽出された前記識別情報に基づいて、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する、
こととしてもよい。
【0020】
また、前記識別情報は、
前記映像ストリームのファイル名又は拡張子名に含まれ、
前記判定部は、
前記ファイル名又は前記拡張子名から前記識別情報を抽出する抽出部を備え、
前記抽出部によって抽出された前記識別情報に基づいて、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する、
こととしてもよい。
【0021】
また、前記映像ストリームにおけるインターレース画像データに対して、同一のフィールド内の走査線データを用いて補間処理を行うフィールド内走査線補間部をさらに備え、
前記判定部は、
前記フィールド間走査線補間部で生成された第1の画像データと、前記フィールド内走査線補間部で生成された第2の画像データとに基づいて、前記映像ストリーム内の画像のうねりを検出するうねり検出部を備え、
前記うねり検出部によって画像のうねりが検出されると、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしていないと判定する、
こととしてもよい。
【0022】
この場合、前記うねり検出部は、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとの差分画像データに含まれる所定の周波数以下の空間周波数成分の総和が所定の度数以上含まれている場合に、画像のうねりを検出する、
こととしてもよい。
【0023】
また、前記映像ストリームにおけるインターレース画像データに対して、同一のフィールド内の走査線データを用いて補間処理を行うフィールド内走査線補間部と、
前記フィールド間走査線補間部及び前記フィールド内走査線補間部から出力された画像データを入力し、前記画像データのうち、動きがある部分に対しては、前記フィールド内走査線補間部から出力された画像データが適用され、前記画像データのうち、動きがない部分に対しては、前記フィールド内走査線補間部から出力された画像データが適用された画像データを出力する動き適応部と、
をさらに備え、
前記選択部は、
前記判定部により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしていると判定された場合に、
前記動き適応部から出力された画像データを、表示対象として選択する、
こととしてもよい。
【0024】
また、本発明の第2の観点に係る表示制御方法は、
映像ストリームを入力する1又は複数の入力パスと、
前期複数の入力パスのうちのいずれかの入力パスから入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、前記映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成するフィールド間走査線補間部と、
を備える映像表示装置の表示制御方法において、
前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、前記フィールド間走査線補間部によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する選択工程と、
を含むことを特徴とする。
【0025】
また、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
映像ストリームを入力する1又は複数の入力パスと、
前期複数の入力パスのうちのいずれかの入力パスから入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、前記映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成するフィールド間走査線補間部と、
を備える映像表示装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、前記フィールド間走査線補間部によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する選択手順と、
をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定されると、その映像ストリームにおけるインターレース画像データをプログレッシブ画像データに変換する際の補間方法として、フィールド間走査線補間が採用される。これにより、映像編集により走査線方向により生じた画像データの周期的な歪みをぼかすことができるので、前後フィールドの走査線が混在した画像データを表示する場合の画像劣化を防止し、良好な画像表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態1に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のバックエンドの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図1のCPUによって実行されるプログラム(第1の判定選択処理)のフローチャートである。
【図4】図4(A)、図4(B)は、フィールド間走査線補間により生成されたプログレッシブ画像データの一例である。
【図5】実際に表示される動画の一例である。
【図6】本発明の実施形態2に係る携帯端末のバックエンドの構成を示すブロック図である。
【図7】映像ストリームのヘッダのデータフォーマットの一例を示すテーブルである。
【図8】図6のデコーダによって実行される動作(第2の判定選択処理)のフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態3に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図10】図9の携帯端末のCPUによって実行されるプログラム(第3の判定選択処理)のフローチャートである。
【図11】図11(A)乃至図11(C)は、表示画像の一例を示す模式図である。
【図12】本発明の実施形態4に係る携帯端末のバックエンドの構成を示すブロック図である。
【図13】図13(A)乃至図13(C)は、フィールド間走査線補間部から出力される画像データの一例を示す図である。
【図14】図14(A)乃至図14(C)は、フィールド内走査線補間部から出力される画像データの一例を示す図である。
【図15】図15(A)、図15(B)は、差分画像データのパワースペクトルを示すグラフである。
【図16】図12のうねり検出部によって実行される動作(第4の判定選択処理)のフローチャートである。
【図17】図17(A)、図17(B)は、インターレース画像データを説明するための模式図である。
【図18】図18(A)、図18(B)は、フィールド間走査線補間を説明するための模式図である。
【図19】図19(A)、図19(B)は、フィールド内走査線補間を説明するための模式図である。
【図20】拡大処理を説明するための模式図である。
【図21】拡大された画像データのインターレース画像データへの変換処理を説明するための模式図である。
【図22】表示される原画像としての動画の一例である。
【図23】図23(A)乃至図23(C)は、原画像としてのインターレース画像データの拡大図である。
【図24】図24(A)乃至図24(C)は、フィールド間走査線補間処理及び拡大処理により生成されたプログレッシブ画像データの拡大図である。
【図25】図25(A)乃至図25(C)は、映像編集ソフトによって編集されたプログレッシブ画像データの拡大図である。
【図26】従来技術による実際に表示される動画の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係る映像表示装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、映像表示装置は、携帯電話等の携帯端末である。
【0029】
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1について説明する。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る携帯端末100は、通信アンテナ1と、無線回路2と、符号復号処理回路3と、マイク4と、レシーバ5と、キー6と、CPU(Central Processing Unit)7と、CPUバス8と、メモリ9と、DAC(Digital Analog Converter)10と、スピーカ11と、ビデオI/F12と、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ13と、ビデオI/F14と、表示装置15と、を備える。
【0031】
通信アンテナ1は、空中を伝送されてきた電波を受信して、その電波を高周波電気信号に変換する。変換された高周波電気信号は、無線回路2に供給される。また、通信アンテナ1は、無線回路2から供給された高周波電気信号を電波に変換して発信する。
【0032】
無線回路2は、通信アンテナ1で変換された高周波電気信号を復調し、符号復号処理回路3に入力する。また、無線回路2は、符号復号処理回路3の出力信号を変調して高周波電気信号に変換し、その高周波電気信号を通信アンテナ1へ出力する。
【0033】
符号復号処理回路3は、無線回路2の出力信号に対して復号処理を施す。符号復号処理回路3は、この復号処理の結果得られた通話用音声信号をレシーバ5に出力する一方、同様にして得られた文字データや画像データ等をCPU7へ出力する。
【0034】
さらに、符号復号処理回路3は、マイク4からの音声信号や、キー6の操作により入力されCPU7から出力された文字データや、メモリ9から読み取られCPU7から出力された画像データ等に対して符号化処理を施す。この符号化処理の結果得られた各種データは、出力信号として無線回路2へ出力される。
【0035】
CPU7は、携帯端末100の各構成要素を統括制御する。例えば、CPU7は、キー6の操作内容を検出し、検出されたキー操作に従って、無線回路2及び符号復号処理回路3を制御して、音声通話、音楽や画像の再生動作を行う。
【0036】
メモリ9は、CPUバス8を介してCPU7と接続されている。メモリ9には、各種制御用のプログラムが格納され、データベースが構築されている。より具体的には、メモリ9には、電話帳、アドレス帳などのデータ、着信メロディ、楽曲などの音声データ、動画や静止画などの画像データ等が格納されている。
【0037】
CPU7は、CPUバス8を介してメモリ9からプログラムを取得し、取得されたプログラムを実行することにより、携帯端末100の各構成要素を統括制御する。例えば、CPU7は、符号復号処理回路3、無線回路2を制御して、例えば、着信待ち等に係る処理を行う。また、着信時には、CPU7は、メモリ9の電話帳から発信者の名前や着信メロディ、着信画像を読み出して、着信処理を行う。
【0038】
CPU7は、本実施形態では、後述するように、映像ストリームが入力される入力パスを検出し、その検出結果に基づいて、映像ストリームの信頼性を判定する判定部としても機能する。
【0039】
DAC10は、CPUバス8を介してCPU7と接続されている。CPU7は、CPUバス8を介して音声データをDAC10へ出力する。DAC10は、CPU7から出力される着信音や通話音声等のデジタル音声信号をアナログ信号に変換し、スピーカ11へ供給する。スピーカ11は、DAC10から供給されたアナログ信号に応じた着信音や通話音声等を音声出力する。
【0040】
CPU7は、相手の電話番号や名前、画像データを、ビデオI/F12を介して、LCDコントローラ13へ出力する。ビデオI/F12としては、CMOSのパラレルバスを採用することができるが、最近では信号線数の削減やノイズ面での配慮から差動シリアルバスを採用するのが主流となっている。
【0041】
LCDコントローラ13は、VRAM(Video RAM)30を内蔵している。VRAM30は、1画面分又は2画面分程度の画像を保持可能な容量を有する。LCDコントローラ13は、VRAM30を用いて、CPU7(又は後述するバックエンド18)から、間欠的又は部分的に送られてきた画像データの片方又は両方を合成してフレーム画像を生成する。さらに、LCDコントローラ13は、そのフレーム画像を、60Hz程度の周波数で連続的に読み出して、ビデオI/F14を介して表示装置15へ出力する。
【0042】
ビデオI/F14は、ビデオI/F12と同様に差動シリアルバスであっても構わないが、本実施形態では、ビデオI/F14として、CMOSのパラレルバスが採用されている。
【0043】
表示装置15としては、RGBの3ピクセルで1画素を構成するストライプ形式のものが採用されている。より具体的には、QVGA(320×240×RGB)、VGA(640×480×RGB)、ワイドVGA(800×480×RGB)、フルワイドVGA(854×480×RGB)など、多様な画素数のデバイスを表示装置15として使用可能である。本実施形態では、VGA(640×480×RGB)を採用するものとする。また、本実施形態では、表示装置15を、液晶ディスプレイであるものとする。
【0044】
以上の構成要素に加え、携帯端末100は、テレビアンテナ16と、チューナ17と、バックエンド18と、ビデオI/F19と、メモリカード21と、DAC22と、スピーカ23と、バックエンドI/F24と、をさらに備える。
【0045】
チューナ17は、テレビアンテナ16で受信したテレビジョン放送の電波から映像/音声ストリームを復調し、バックエンド18に出力する。
【0046】
バックエンド18は、デコーダ31と、IP変換部32と、リサイズ部33と、を備える。
【0047】
デコーダ31は、チューナ17から映像/音声ストリームを入力する入力パスと、メモリカード21から映像/音声ストリームを入力する入力パスという2つの入力パスを有する。デコーダ31は、チューナ17から入力された映像/音声ストリームをデコードして、画像データ(映像データ)と、音声データとに分離する。
【0048】
IP変換部32は、デコードの結果得られたインターレース画像データから、プログレッシブ画像データへの変換処理を行う。この変換処理を、プログレッシブ変換処理(以下、「IP変換処理」という)という。
【0049】
リサイズ部33は、画像データに対して、表示装置15の画素数に一致させるための拡大縮小処理、すなわちリサイズ処理を施す。リサイズされた画像データは、ビデオI/F19を介してLCDコントローラ13に出力される。
【0050】
ビデオI/F19は、ビデオI/F12と同様に差動シリアルバスであっても構わないが、本実施形態では、ビデオI/F19として、ビデオI/F17と同様に、CMOSのパラレルバスが採用されている。一方、デコーダ31によりデコードされた音声データは、DAC22を介してスピーカ23から音声出力される。
【0051】
メモリカード21は、上記の映像と音声が多重化された動画ストリームの他、静止画やアニメーションの画像ファイルや、音声のみのファイルを保持可能である。バックエンド18は、メモリカード21から読み出した映像/音声ストリームについても上述した処理を行うことが可能である。
【0052】
バックエンド18とCPU7との間には、バックエンドI/F24が設けられている。このバックエンドI/F24を介して、バックエンド18とCPU7との間で、例えば、バックエンド18に接続されたデバイスの制御コマンドや映像/音声データの送受信が可能となる。
【0053】
バックエンド18の構成について、さらに詳細に説明する。バックエンド18は、前述のように、デコーダ31、IP変換部32、リサイズ部33を備える。
【0054】
デコーダ31は、チューナ17又はメモリカード21から入力された映像ストリームをデコードして、デコードの結果得られる画像データをIP変換部32に出力する。ここでは、映像ストリームに係る画像データが、インターレース画像データであるものとする。
【0055】
図17(A)には、この画像データの奇数フィールドであるフィールド1が示されている。フィールド1では、ライン1、ライン3、ライン5、・・・というように奇数ラインに走査線が配置されている。一方、図17(B)には、この画像データの偶数フィールドであるフィールド2が示されている。フィールド2では、ライン2、ライン4、ライン6、・・・というように偶数ラインに、走査線が配置されている。
【0056】
IP変換部32は、図2に示すように、フィールド間走査線補間部41と、フィールド内走査線補間部42と、動き適応部43と、選択部としてのセレクタ44と、を備える。IP変換部32に入力された映像信号は、フィールド間走査線補間部41及びフィールド内走査線補間部42に入力される。
【0057】
フィールド間走査線補間部41は、図18(A)、図18(B)に示すように、映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールド(フィールド1、2)の走査線データ(図18(A)では、フィールド1の奇数ラインとフィールド2の偶数ライン、図18(B)では、フィールド1の奇数ラインとフィールド2の偶数ライン)を重ね合わせることにより、走査線の間を補間して、プログレッシブ画像データを生成する。補間により生成された画像データは、動き適応部43に出力される。
【0058】
フィールド間走査線補間は、各フィールドにおける走査線の隙間を、後のフィールドの走査線で補間するため、高精細な画像が得られるが、時間的に異なるフィールドが重ね合わさって同時に表示されるようになるので、画像中の動きがある部分は、2重像となる。このため、フィールド間走査線補間は、静止画の表示に適している。
【0059】
フィールド内走査線補間部42は、図19(A)、図19(B)に示すように、映像ストリームにおけるインターレース画像データの同一フィールド内の走査線データを重ね合わせることにより、走査線の間を補間して、プログレッシブ画像データを生成する。補間により生成された画像データは、動き適応部43に出力される。
【0060】
フィールド内走査線補間は、各フィールドにおける走査線の隙間を、同一フィールド内の走査線データ(具体的には、直上の走査線データ)で補間するため、解像度は低下するものの、画像中の動きがあっても2重像が生じることはないので、動画の表示に適している。
【0061】
動き適応部43は、生成されたプログレッシブ画像データ中の動き(変化)を検出し、その画像データが静止画であるか動画であるかを判定する。そのプログレッシブ画像データが静止画であると判定された場合、動き適応部43は、フィールド間走査線補間部41から入力した画像データ(例えば、図18(A)、図18(B)参照)を出力する。また、そのプログレッシブ画像データが動画であると判定された場合、動き適応部43は、フィールド内走査線補間部42から入力した画像データ(図19(A)、図19(B))を出力する。
【0062】
これにより、静止画では、フィールド間走査線補間により生成されたプログレッシブ画像データを用いて画像表示が行われるようになり、動画では、フィールド内走査線補間により生成されたプログレッシブ画像データを用いて、画像表示が行われるようになる。これにより、画像の2重化が防止され、画像内の動きに関わらず、高精細な画像を表示することができる。
【0063】
セレクタ44は、CPU7から出力されるIP変換選択信号50に基づいて、フィールド間走査線補間部41から入力される画像データ又は動き適応部43から入力される画像データを選択的に出力する。
【0064】
リサイズ部33は、IP変換部42の出力を、表示装置15の画素数(ここでは、640×480)に適合させるため、必要に応じて画像を拡大または縮小してLCDコントローラ13に出力する。例えば、360ラインの画像データを、480ラインの画像データに拡大する場合、例えば、図18(A)に示す画像データに対して、3ラインに1ラインの割合で補間走査線を挿入し、図20に示す画像データを生成する。ただし、画像データの拡大縮小処理は、他の手法を採用してもかまわない。
【0065】
CPU7は、チューナ17から入力された画像データを表示する場合には、動き適応部43からの出力画像を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する。また、CPU7は、メモリカード21から入力された画像データを表示する場合には、フィールド間走査線補間部41の出力画像を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する。
【0066】
次に、本実施形態に係る携帯端末100の動作について説明する。図3には、CPU7によって実行されるプログラム(第1の判定選択処理)のフローチャートが示されている。このプログラムは、バックエンド18への映像ストリームの入力が開始される時に実行される。
【0067】
図3に示すように、まず、CPU7は、映像ストリームが入力される入力パスを検出する(ステップS1)。ここで、バックエンド18に入力される映像ストリームが、チューナ17からのものであるのか、メモリカード21からのものであるのかが検出される。
【0068】
続いて、CPU7は、映像ストリームがメモリカード21から入力されているか否かを判定する(ステップS2)。映像ストリームがメモリカード21から入力されている場合(ステップS2;Yes)、CPU7は、映像ストリームの信頼性が低いものとして、フィールド間走査線補間部41の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力し(ステップS3)、映像ストリームがチューナ17から入力されている場合(ステップS2;No)、映像ストリームの信頼性が高いものとして、動き適応部43の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する(ステップS4)。
【0069】
ステップS3、S4実行後、CPU7は、処理を終了する。
【0070】
ここで、図22に示すように、1本の縦線を、左から右にスクロールさせる動画を表示する場合について説明する。
【0071】
(メモリカード21から入力された画像データを表示する場合)
まず、メモリカード21から入力される映像ストリームに基づく画像を表示する場合について説明する。この場合、CPU7は、フィールド間走査線補間部41の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する(ステップS3)。このIP変換選択信号50を受けて、セレクタ44は、フィールド間走査線補間部41から入力された画像データを、リサイズ部33に出力する。
【0072】
すなわち、本実施形態では、メモリカード21から入力される映像ストリームに対しては、常に、フィールド間走査線補間が用いられる。ここで、例えば、メモリカード21から入力された映像ストリームにおける画像データが、前後のフィールドの走査線が混在した編集画像データ(例えば、図24(A)乃至図24(C)参照)であった場合について考える。
【0073】
この場合、図24(A)の画像データと図24(B)の画像データとを合成したプログレッシブ画像データが生成され、図24(B)の画像データと、図24(C)の画像データとを合成したプログレッシブ画像データが生成される。これらのプログレッシブデータは、図4(A)、図4(B)に示すように、縦棒のエッジが、ほぼ1ライン毎の細かな周期の櫛型を有する画像データとなる。
【0074】
携帯端末100は、全体的にコンパクトであることが要求されるので、表示装置15の表示画面の物理的サイズは、必然的に小さくなる。表示画面が小さいので、図4(A)、図4(B)の櫛状の部分は、その周期が極めて小さくなる。これにより、図5に示すように、櫛状の部分は、わずかなエッジのぼやけとして知覚されるに留まる。
【0075】
このため、本実施形態では、映像編集ソフト等で編集された可能性のある映像ストリーム、すなわちメモリカード21から入力された映像ストリームを再生する場合、セレクタ44は、フィールド間走査線補間部41から入力される画像データを選択し、リサイズ部33に出力する。このようにすれば、極端な画質劣化を防止することができる。
【0076】
(チューナ17から入力された画像データを表示する場合)
次に、チューナ17から入力された映像ストリームに基づく画像を表示する場合について説明する。この場合、CPU7は、フィールド間走査線補間部41の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する(ステップS3)。このIP変換選択信号50を受けて、セレクタ44は、動き適応部43から入力された画像データを、リサイズ部33に出力する。
【0077】
チューナ17から入力された映像ストリームは、放送局から伝送されるものであるため、その映像ストリームにおける画像データの信頼性は極めて高い。このことから、その映像ストリームにおける画像データは、前後のフィールドの走査線が混在した画像データである可能性は極めて低い。このため、チューナ17から入力された映像ストリームを再生する場合には、セレクタ44は、動き適応部43から出力される画像データを選択し、リサイズ部33に出力するのである。
【0078】
動き適応部43は、前述のように、画像データの変化を検出し、動画である場合には、フィールド内走査線補間部42から入力される画像データを出力し、静止画である場合には、フィールド間走査線補間部41から入力される画像データを出力する。これにより、静止画における解像度の低下を防止するとともに、動画における画像の歪みなどの発生が防止され、高精細な画像表示が可能となる。
【0079】
上述したように、チューナ17から入力された映像ストリームにおける画像データの信頼性は極めて高い。これに対し、メモリカード21から入力された映像ストリームにおける画像データは、前後のフィールドの走査線が混在した編集画像データである可能性があり、その信頼性は、必ずしも高いとはいえない。したがって、CPU7において、映像ストリームが入力される入力パスが、チューナ17からの入力パスであるか、メモリカード21からの入力パスであるかを判定するということは、その映像ストリームの信頼性が所定レベル以下であるか否かを判定することを意味している。
【0080】
すなわち、本実施形態では、CPU7は、映像ストリームが、メモリカード21から入力されている場合には、予め、歪みを含む画像データが混じっている可能性があるので、その映像ストリームの信頼性が所定レベルより低いものと判定し、常に、フィールド間走査線補間が行われた画像データを用いて表示を行うのである。
【0081】
なお、上記各実施形態に係る携帯端末100では、映像ストリームが入力される入力パスが2つであったが、入力パスは1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。いずれの入力パスも、入力される映像ストリームにおける画像データに、前後のフィールドの走査線が混在した編集画像データが含まれる可能性があるか否かに基づいて、その信頼性が予め決定されており、CPU7は、決定された信頼性に基づいて判定を行う。
【0082】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定されると、その映像ストリームにおけるインターレース画像データをプログレッシブ画像データに変換する際の補間方法として、必ずフィールド間走査線補間を採用する。これにより、映像編集により走査線方向により生じた画像データの周期的な歪み(うねり)をぼかすことができるので、前後フィールドの走査線が混在した画像データを表示する場合の画像劣化(画像のうねり)を防止し、良好な画像表示が可能となる。
【0083】
また、チューナ17から入力された映像ストリームに対しては、画像の動きに応じてフィールド間走査線補間と、フィールド内走査線補間とを併用することにより、常に高画質で映像を表示することが可能となる。
【0084】
なお、本実施形態に係る携帯端末100は、チューナ17及びメモリカード21が、バックエンド18側に接続した装置構成であった。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。例えば、チューナ17及びメモリカード21の片方または両方を、CPU7側に接続し、バックエンドI/F24を介して制御コマンドや映像、音声データを送受信して、上記動作を実現するようにしても良い。
【0085】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態に係る携帯端末100は、上記実施形態1に係る携帯端末100とは、バックエンド18の構成が異なる。
【0086】
図6には、本実施形態に係るバックエンド18の構成が示されている。図6に示すように、IP変換選択信号50は、デコーダ31から出力され、セレクタ44に入力されている。
【0087】
上記実施形態1では、映像ストリームの入力パスによってCPU7の指示によりセレクタ44を切り換えた。これに対して、本実施形態では、映像ストリームのヘッダに、走査線補間方式を指定する情報をセットしておき、メモリカード21からの映像ストリームを再生する際に、デコーダ31が、その情報に基づいて、セレクタ44を制御する。
【0088】
図7のテーブルには、映像ストリームのヘッダへの走査線補間方式を指定する識別情報の挿入例が示されている。図7に示すように、この映像ストリームのヘッダには、1番目の項目として、映像フォーマットが設定される。ここでは、映像フォーマットの内容として、「YUV:422」が設定されている。
【0089】
続く2番目の項目には、画素数が設定される。ここでは、画素数として「640(H)×480(V)」が設定されている。
【0090】
続く3番目の項目には、I/P(インターレース/プログレッシブ)が設定される。ここでは、I/Pとして、「インターレース」が設定されている。
【0091】
続く4番目の項目には、走査線補間方式が設定される。ここでは、走査線補間方式として「1」が設定されている。この項目が「1」である場合は、映像ストリームは編集されておらず、動き適応補間可能と解釈するものとする。動き適応補間とは、画像に動きがあり、動画であると見なせる部分には、フィールド内走査線補間を適用し、画像に動きがなく、静止画であると見なせる部分には、フィールド間走査線補間を適用する補間方法のことである。録画により生成され、その後編集がなされてない映像ストリームである場合や、正常なインターレース構造を保持して編集したストリームの場合は、録画した機器や編集ソフトで、この項目(走査線補間方式)が「1」に設定される。この項目(走査線補間方式)が、映像ストリームの識別情報である。
【0092】
映像ストリームの再生時には、デコーダ31がこの項目のデータを抽出する。抽出されたデータが「1」である場合、デコーダ31は、動き適応部43の出力画像を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する。また、抽出されたデータが「1」でない場合、デコーダ31は、フィールド間走査線補間部41の出力画像を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する。セレクタ44は、上記第1の実施形態と同様に、このIP変換選択信号50に従って、リサイズ部33に出力する画像データを切り換える。
【0093】
次に、本実施形態に係る携帯端末100の動作について説明する。図8には、デコーダ31によって実行されるプログラム(第2の判定選択処理)のフローチャートが示されている。このプログラムは、バックエンド18への映像ストリームの入力が開始される時に実行される。
【0094】
図8に示すように、まず、デコーダ31は、映像ストリームのヘッダから走査線補間方式のデータを抽出する(ステップS11)。ここで抽出されるデータは、この映像ストリームが、編集されていない信頼性の高いものであるのか否かを示すデータである。
【0095】
続いて、デコーダ31は、抽出されたデータが「1」であるか否かを判定する(ステップS12)。抽出されたデータが「1」でない場合(ステップS12;No)、デコーダ31は、フィールド間走査線補間部41の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力し(ステップS13)、抽出されたデータが「1」である場合(ステップS12;Yes)、デコーダ31は、動き適応部43の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する(ステップS14)。
【0096】
ステップS13、S14実行後、デコーダ31は、処理を終了する。
【0097】
本実施形態では、映像ストリーム自身の属性に基づいて、映像ストリームの信頼性が判定される。これにより、メモリカード21から入力される映像ストリームであっても、その映像ストリーム自体の信頼性が高いと判定されれば、動き適応部43から出力された画像データに基づいて映像が表示されるようになる。この結果、ぼやけた画像の表示が極力制限される。
【0098】
一方、IP変換部72は、チューナ17から入力された映像ストリームについては、上記実施形態1と同様に、動き適応補間によるプログレッシブ画像データを出力する。
【0099】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、デコーダ31の動作であるステップS11が抽出部に対応する。
【0100】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、チューナ17から入力された映像ストリームに加え、メモリカード21から入力された映像ストリームのうち、ヘッダの識別情報(走査線補間方式)に、編集されていないこと(すなわち信頼性が高いこと)がセットされている映像ストリームについても、動き適応部43から出力されたプログレッシブ画像データを選択することにより、画像中の動きに応じた高画質な表示が可能となる。
【0101】
なお、デコーダ31等が、映像ストリームのヘッダの識別情報(走査線補間方式のデータ)の取得に失敗した場合には、デコーダ31等は、フィールド間走査線補間部41の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力するのが望ましい。このようにした方が、画像が大幅に歪むのを防止できるからである。映像ストリームのヘッダの識別情報を取得はしたものの、取得された値が不正な場合も同様である。
【0102】
また、映像ストリームのヘッダの解析が困難な場合には、その映像ストリームのファイル名の一部または全てに、正常に編集した画像であることを示す識別情報を予めセットしておくようにしてもよい。この場合にも、デコーダ31が、そのファイル名等から、識別情報を抽出し、抽出されたデータに基づいて、映像ストリームの信頼性を判定すればよい。
【0103】
なお、放送電波を録画した時には、録画した映像ストリームの拡張子を(***.ts)とすることが一般的である。このため、映像ストリームの拡張子を識別情報として用いるようにしてもよい。もちろん、他の専用の拡張子を識別情報として用いてもよいのは勿論である。
【0104】
なお、本実施形態では、映像ストリームのヘッダの解析を、デコーダ31で行った。しかしながら、本発明は、これに限られるものでない。例えば、CPU7において、映像ストリームのヘッダを解析し、バックエンドI/F24を介してセレクタ44を直接制御するようにしてもよい。また、CPU7からデコーダ31に対して制御コマンドを発行することにより、セレクタ44を間接的に制御するようにしてもよい。
【0105】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。
【0106】
上記実施形態1では、映像ストリームの入力パスがチューナ17側であるか、メモリカード21側であるかによってセレクタ44を切り換えた。これに対し、本実施形態では、映像ストリームの入力パスがチューナ17からの入力であるか、無線回路2を介した無線通信ネットワークであるかによってセレクタ44を切り換える。
【0107】
本実施形態に係る携帯端末100は、図9に示すように、CPU7内部に、デコーダ71、IP変換部72、リサイズ部73、VRAM74が組み込まれている。これらの構成要素は、メモリ9に格納されたプログラムをCPU7が実行することにより実現されるものである。
【0108】
デコーダ71は、無線通信ネットワークから受信される映像ストリームを、無線回路2から取得して復号化し、その画像データを出力する。IP変換部72は、その映像ストリームにおける画像データに対して、IP変換処理を施す。IP変換部72の機能は、上記実施形態1に係るIP変換部32の機能と同じである。すなわち、IP変換部72は、フィールド間走査線補間によって生成されたプログレッシブ画像データか、動き適応補間によって生成されたプログレッシブ画像データかのいずれかを、リサイズ部73に出力する。
【0109】
ただし、IP変換部72は、CPU7内で構築されているため、IP変換選択信号50を入力しない。本実施形態では、IP変換部72自らが、映像ストリームの信頼性の判定及びその判定に基づいてフィールド間走査線補間によって生成されたプログレッシブ画像データか、動き適応補間によって生成されたプログレッシブ画像データかのいずれかを選択して出力する。
【0110】
無線通信ネットワークを介して取得される映像コンテンツには、個人で編集した映像コンテンツ等、信頼性の低い映像コンテンツが含まれる。これらの映像コンテンツの中には、例えば、図24(A)乃至図24(C)に示すような画像の歪みを有する映像コンテンツも存在する。したがって、本実施形態では、無線通信ネットワークを介して取得される映像コンテンツに対して、IP変換部72は、フィールド間走査線補間によってプログレッシブ画像データを生成して、リサイズ部73に出力する。
【0111】
一方、チューナ17から入力された映像ストリームは、バックエンド18のデコーダ31で復号された後、バックエンドI/F24を介してCPU7内部のIP変換部72に入力される。IP変換部72は、チューナ17から入力された映像ストリームについて、動画であれば、フィールド内走査線補間を行い、静止画であれば、フィールド間走査線補間を行って、プログレッシブ画像データを生成して、リサイズ部73に出力する。
【0112】
このプログレッシブ画像データは、VRAM74に展開された後、ビデオI/F12を介して表示装置15に出力される。なお、デコーダ71から出力された音声データと、デコーダ31からバックエンドI/F24を介してCPU7に転送された音声データとは、CPU7側のDAC10を介してスピーカ11に出力される。
【0113】
図10には、CPU7によって実行されるプログラム(第3の判定選択処理)のフローチャートが示されている。このプログラムは、CPU7への映像ストリームの入力が開始される時に実行される。
【0114】
図10に示すように、まず、CPU7は、映像ストリームが入力される入力パスを検出する(ステップS21)。ここで、CPU7に入力される映像ストリームが、チューナ17からのものであるのか、無線回路2を介して無線通信ネットワークから入力されるものであるのかが検出される。
【0115】
続いて、CPU7は、映像ストリームが無線通信ネットワークから入力されているか否かを判定する(ステップS22)。映像ストリームが無線通信ネットワークから入力されている場合(ステップS22;Yes)、CPU7のIP変換部72は、プログレッシブ画像データを生成するための補間方法として、フィールド間走査線補間を選択する(ステップS23)。一方、映像ストリームがチューナ17から入力されている場合(ステップS22;No)、IP変換部72は、プログレッシブ画像データを生成するための補間方法として、動き適応補間を選択する(ステップS24)。
【0116】
ステップS23、S24実行後、CPU7は、処理を終了する。
【0117】
ところで、デコーダ71の出力とデコーダ31の出力とを、時分割で処理してVRAM74に書き込むことにより、図11(A)に示すように、チューナ画像中にネットワーク画像をオーバーレイ表示したり、逆に、図11(B)に示すように、ネットワーク画像中にチューナ画像を、オーバーレイ表示したりすることが可能である。さらに、2つの画像を左右または上下に並べて表示したり、どちらか片方または両方の画像に拡大、または縮小して表示したりするようにしてもよい。
【0118】
また、図11(C)に示すように、CPU7で生成されたバッテリの残量や、電界強度を示す図形や、アイコン、ソフトキーや背景画像に、チューナ画像またはネットワーク画像を合成して表示させることも可能である。
【0119】
ここでは、1系統のIP変換部72とリサイズ部73を時分割で使用する場合の例について述べた。しかしながら、本発明はこれに限られるものでない。例えば、IP変換部72とリサイズ部73を2系統設け、デコーダ71の出力とデコーダ31の出力とを別系統とし、最終的にVRAM74で両画像データを合成するようにしてもよい。
【0120】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、チューナ17から入力された映像ストリームに対応する画像については、高画質表示される一方で、無線通信ネットワークから入力された映像ストリームについては、画像うねりを防止することにより、極端な画質劣化が防止される。
【0121】
また、本実施形態によれば、チューナ17からの画像、無線通信ネットワークからの画像、CPU7で生成された画像を合成して表示することが可能となる。
【0122】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について説明する。
【0123】
上記実施形態1では、ストリームの入力パスがチューナ17側であるか、メモリカード21側であるかによってセレクタ44を切り換えた。これに対し、本実施形態に係るバックエンド18は、図12に示すように、画像のうねりの有無を検出するうねり検出部80をさらに備える。本実施形態では、画像のうねりの有無に応じてIP変換方式を切り換える。
【0124】
うねり検出部80は、フィールド間走査線補間部41から出力される画像データを入力し、フィールド内走査線補間部42から出力される画像データを入力する。うねり検出部80は、入力した両画像データを、ライン単位またはフレーム単位で比較してそれらの差分画像を求め、その差分画像における空間周波数に対するパワースペクトルを求める。
【0125】
例えば、映像編集ソフトによって拡大処理がされていない映像ストリーム(例えば、図23(A)乃至図23(C)参照)が入力された場合、フィールド間走査線補間部41から出力される画像データは、図13(A)乃至図13(C)に示すように、1ライン毎に前後のフィールドの走査線が入り混じった画像になる。この場合、フィールド内走査線補間部42から出力される画像データは、図14(A)乃至図14(C)に示すように、1直線の画像になる。したがって、両画像データの差分画像のパワースペクトルとしては、図15(A)に示すように、比較的高い周波数f1をピークとしたものが得られるようになる。
【0126】
また、映像編集ソフトによって拡大処理された映像ストリーム(例えば、図24(A)乃至図24(C)参照)が入力された場合、フィールド間走査線補間部41の出力は、3ライン毎に前後のフィールドの走査線が入り混じった画像(例えば、図4(A)、図4(B)参照)となる。この画像のパワースペクトルは、おおむね図15(A)に示すスペクトルと同じようになる。
【0127】
これに対し、フィールド内走査線補間部42の出力は、8ライン周期の大きなうねりを生じた画像(例えば、図25(A)乃至図25(C)参照)となる。このため、この画像には、図15(B)に示すように、高周波側の周波数f1をピークとしたスペクトルに加えて周波数f1よりも低い周波数f2をピークとしたスペクトルが現れる。
【0128】
そこで、本実施形態では、周波数f1と、周波数f2の間の周波数f0を境界周波数とする。うねり検出部80は、フィールド間走査線補間部41から入力された画像データと、フィールド内走査線補間部42から入力された画像データとの差分画像に含まれる空間周波数成分に、境界周波数f0以下の成分の総和Sが所定の境界度数以上含まれている場合に、画像のうねりを検出する。
【0129】
図16には、うねり検出部80の動作(第4の判定選択処理)のフローチャートが示されている。図16に示すように、まず、うねり検出部80は、フィールド間走査線補間部41から出力された画像データと、フィールド内走査線補間部から出力された画像データとの差分画像を生成する(ステップS31)。続いて、うねり検出部80は、差分画像のパワースペクトルを生成する(ステップS32)。さらに、うねり検出部80は、境界周波数f0以下のパワースペクトルの総和Sを次式によって算出する(ステップS33)。
【0130】
【数1】
ここで、fは、空間周波数であり、xは、その空間周波数fにおけるスペクトルである。
【0131】
続いて、うねり検出部80は、総和Sが境界度数以上であるか否かを判定する(ステップS34)。総和Sが境界度数以上である場合(ステップS34;Yes)、うねり検出部80は、画像にうねりが有ると判定して、フィールド間走査線補間部41から出力された画像データを選択するようにセレクタ44を制御する(ステップS35)。また、総和Sが境界度数よりも小さい場合(ステップS34;No)、うねり検出部80は、画像にうねりが無いと判定し、動き適応部43から出力される画像データを選択するようにセレクタ44を制御する(ステップS36)。
【0132】
ステップS35、S36実行後、うねり検出部80は、処理を終了する。うねり検出部80は、フレーム毎に、上述した処理を行う。
【0133】
なお、境界周波数や境界度数は、入力される映像信号の画素数に応じて製造時に最適な値に設定される必要がある。これらの値については、製品出荷後にユーザが設定できるようにしてもよい。
【0134】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、映像編集ソフトによる拡大処理によって画像のうねりが発生した映像ストリームが入力されても、そのうねりを検出して、最適な走査線補間処理を選択することができる。このため、画像のうねりの発生を防止し、常に良好な画像表示が可能となる。
【0135】
なお、うねり検出部80は、フィールド間走査線補間部41とフィールド内走査線補間部42の出力画像の差に基づいて、画像のうねりを検出した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。例えば、ブロックマッチング法等の既存の手法を用いて、画像のうねりを検出するようにしてもよい。
【0136】
なお、上記各実施形態では、動き適応部43は、動画である場合には、フィールド内走査線補間部42から入力される画像データを出力し、静止画である場合には、フィールド間走査線補間部41から入力される画像データを出力した。しかしながら、本発明は、これには限られない。例えば、画像データの変化量に応じて、フィールド内走査線補間部42から入力される画像データの各画素と、フィールド間走査線補間部41から入力される画像データの各画素との重み付け平均値を、その画素値とする画像データを、出力するようにしてもよい。
【0137】
このようにすれば、動き適応部43は、画像データのうち、動きのある動画の部分に対しては、フィールド内走査補間が適用されたその部分に対応する画像データを出力し、動きのない静止画の部分に対しては、フィールド間走査補間が適用されたプログレッシブ画像データを生成して、出力することができる。
【0138】
なお、上記各実施形態に係る携帯端末100の構成は、あくまで一例であり、各実施形態に係る携帯端末100の構成要素は、如何様にも組み合わせ可能である。
【0139】
また、メモリカード21の代わりに、ハードディスク装置やフラッシュメモリ等の半導体メモリ、さらには、光ディスク装置を使用したとしても、本発明を逸脱するものではない。
【0140】
また、上記実施形態では、表示装置15を、液晶ディスプレイであるものとしたが、自発光型の有機ELディスプレイを表示装置15として用いてもよい。小型であれば、様々の種類のディスプレイに本発明を適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、映像を表示可能な端末装置全般、例えば携帯電話の他、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、PC、テレビ、映像記録装置、映像再生装置等に適応可能である。
【符号の説明】
【0142】
1…通信アンテナ、2…無線回路、3…符号復号処理回路、4…マイク、5…レシーバ、6…キー、7…CPU、8…CPUバス、9…メモリ、11…スピーカ、12…ビデオI/F、13…LCDコントローラ、14…ビデオI/F、15…表示装置、16…テレビアンテナ、17…チューナ、18…バックエンド、19…ビデオI/F、21…メモリカード、22…DAC、23…スピーカ、24…バックエンドI/F、30…VRAM、31…デコーダ、32…IP変換部、33…リサイズ部、41…フィールド間走査線補間部、42…フィールド内走査線補間部、43…動き適応部、44…セレクタ、50…IP変換選択信号、71…デコーダ、72…IP変換部、73…リサイズ部、74…VRAM、80…うねり検出部、100…携帯端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、放送による映像ストリームに基づく映像と、映像編集ソフトにより編集された映像ストリームに基づく映像などを表示する映像表示装置、その映像表示装置の表示制御方法及びその映像表示装置を制御するコンピュータによって実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン放送などの映像ストリームは、通常、飛び越し走査(以下、「インターレース」と呼ぶ)画像データの形式(例えば、図17(A)、図17(B)参照)で伝送されている。このため、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のマトリクス型表示装置でテレビジョン放送による映像を表示するためには、その映像ストリームの画像データを順次走査(以下、「プログレッシブ」と呼ぶ)画像データに変換する必要がある。
【0003】
インターレース画像データをプログレッシブ画像データに変換する処理方式には、フィールド間走査線補間処理とフィールド内走査線補間処理とがある。フィールド間走査線補間処理及びフィールド内走査線補間処理は、ともに、映像ストリームにおけるインターレース画像データの各走査線の隙間に、補間走査線データを挿入することにより、その映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成する補間処理である点は同じである。
【0004】
フィールド間走査線補間処理は、映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを補間走査線データとして用いる(例えば、図18(A)、図18(B)参照)。これに対し、フィールド内走査線補間処理は、映像ストリームにおけるインターレース画像データの同一フィールド内の走査線データ(具体的には、直上、直下の走査線データ)を補間走査線データとして用いる(例えば、図19(A)、図19(B)参照)。
【0005】
フィールド間走査線補間処理とフィールド内走査線補間処理とは、同時併用が可能である。例えば、映像ストリームにおける画像の動き量(変化)に応じてフィールド間走査線補間処理とフィールド内走査線補間処理との重み付けを変える信号処理装置が、従来より用いられている。この信号処理装置の中には、映像ストリームにおける画像データの走査線構造が、NTSC(National Television System Committee)に準拠していなければ、フィールド内走査線補間処理を選択するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2−196581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
最近では、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と呼ぶ)や携帯端末において、映像編集ソフトを用いたプライベートな映像の編集が可能となっている。PCや携帯端末は、表示画面の画素数やサイズが様々であり、走査線の数も様々であるため、映像編集では、上記プログレッシブ画像への変換処理に加え、そのプログレッシブ画像データの拡大縮小処理(すなわち走査線の増減処理)が行われることが多い。
【0008】
より具体的には、映像の編集では、まず、原画像としてのインターレース画像データ(例えば、図17(A)、図17(B)参照)を、フィールド間補間処理を行ってプログレッシブ画像データ(例えば、図18(A)、図18(B)参照)に変換する。続いて、変換されたプログレッシブ画像データに対して、画面の拡大比(例えば、360ライン→480ラインであれば3分の4)に応じた適当な間隔(3ラインに1ライン)で、フィールド内の走査線データを挿入する(例えば、図20参照)。
【0009】
最終的に、拡大されたプログレッシブ画像データは、奇数フィールドでは奇数ラインが抜き出され、偶数フィールドでは偶数ラインが抜き出されることにより、再びインターレース画像データ(例えば、図21参照)に変換される。図21に示すように、このインターレース画像データは、奇数フィールド(フィールド1)の走査線データと、偶数フィールド(フィールド2)の走査線データとが、4ライン毎に混在した画像データとなる。
【0010】
ここで、図22に示すように、1本の縦棒が、画面上を左から右にスクロールする動画を原画像として編集する場合について考える。図23(A)乃至図23(C)には、図22に示す原画像に対応するインターレース画像データの拡大図が示されている。これらの画像データに対して、フィールド間走査線補間処理を行い、さらに画像データの拡大処理を行うと、図24(A)乃至図24(C)に示すように、前後のフィールドの走査線が混在した画像データが生成される。
【0011】
このように生成された画像データを、動画であればフィールド内走査線補間処理を行い、静止画であればフィールド間走査線補間処理を行う信号処理装置で表示する場合について考える。この信号処理装置では、この画像データは、動画の1コマであると判定されるので、フィールド内走査線補間処理が行われる。これにより、図25(A)乃至図25(C)に示すように、縦棒の位置が4ラインごとにずれた画像データが生成される。この結果、表示画面には、1本の縦棒が左から右へスクロールする映像(図22参照)ではなく、図26に示すように、うねりのある(周期的な歪みを有する)縦線が左から右へスクロールする映像が表示されるようになる。
【0012】
このように、PCや携帯端末で映像編集ソフトにより映像を編集すると、インターレースに不整合が生じることがある。インターレースに不整合が生じた画像データは、著しい表示不具合を引き起こす可能性があり、この表示不具合については、上記特許文献1に記載された信号処理装置でも対応するのは困難である。
【0013】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、PCや携帯端末での映像編集により、前後フィールドの走査線が混在した画像データを表示する場合の画像劣化を防止する映像表示装置、表示制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る映像表示装置は、
映像ストリームを入力する1又は複数の入力パスと、
前記複数の入力パスのうちのいずれかの入力パスから入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、前記映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成するフィールド間走査線補間部と、
前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、前記フィールド間走査線補間部によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する選択部と、
を備える。
【0015】
この場合、前記判定部は、
前記映像ストリームを入力する入力パスが特定の入力パスである場合に、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしていないと判定する、
ようにしてもよい。
【0016】
この場合、前記映像ストリームを格納するメモリをさらに備え、
前記特定の入力パスは、
前記メモリから読み出された映像ストリームが入力される入力パスである、
こととしてもよい。
【0017】
また、通信ネットワークを介して前記映像ストリームを受信する受信部をさらに備え、
前記特定の入力パスは、
前記受信部で受信された映像ストリームが入力される入力パスである、
こととしてもよい。
【0018】
また、前記判定部は、
前記映像ストリームの識別情報に基づいて、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する、
こととしてもよい。
【0019】
この場合、前記識別情報は、
前記映像ストリームのヘッダに含まれ、
前記判定部は、
前記ヘッダから、前記識別情報を抽出する抽出部を備え、
前記抽出部によって抽出された前記識別情報に基づいて、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する、
こととしてもよい。
【0020】
また、前記識別情報は、
前記映像ストリームのファイル名又は拡張子名に含まれ、
前記判定部は、
前記ファイル名又は前記拡張子名から前記識別情報を抽出する抽出部を備え、
前記抽出部によって抽出された前記識別情報に基づいて、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する、
こととしてもよい。
【0021】
また、前記映像ストリームにおけるインターレース画像データに対して、同一のフィールド内の走査線データを用いて補間処理を行うフィールド内走査線補間部をさらに備え、
前記判定部は、
前記フィールド間走査線補間部で生成された第1の画像データと、前記フィールド内走査線補間部で生成された第2の画像データとに基づいて、前記映像ストリーム内の画像のうねりを検出するうねり検出部を備え、
前記うねり検出部によって画像のうねりが検出されると、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしていないと判定する、
こととしてもよい。
【0022】
この場合、前記うねり検出部は、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとの差分画像データに含まれる所定の周波数以下の空間周波数成分の総和が所定の度数以上含まれている場合に、画像のうねりを検出する、
こととしてもよい。
【0023】
また、前記映像ストリームにおけるインターレース画像データに対して、同一のフィールド内の走査線データを用いて補間処理を行うフィールド内走査線補間部と、
前記フィールド間走査線補間部及び前記フィールド内走査線補間部から出力された画像データを入力し、前記画像データのうち、動きがある部分に対しては、前記フィールド内走査線補間部から出力された画像データが適用され、前記画像データのうち、動きがない部分に対しては、前記フィールド内走査線補間部から出力された画像データが適用された画像データを出力する動き適応部と、
をさらに備え、
前記選択部は、
前記判定部により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしていると判定された場合に、
前記動き適応部から出力された画像データを、表示対象として選択する、
こととしてもよい。
【0024】
また、本発明の第2の観点に係る表示制御方法は、
映像ストリームを入力する1又は複数の入力パスと、
前期複数の入力パスのうちのいずれかの入力パスから入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、前記映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成するフィールド間走査線補間部と、
を備える映像表示装置の表示制御方法において、
前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、前記フィールド間走査線補間部によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する選択工程と、
を含むことを特徴とする。
【0025】
また、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
映像ストリームを入力する1又は複数の入力パスと、
前期複数の入力パスのうちのいずれかの入力パスから入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、前記映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成するフィールド間走査線補間部と、
を備える映像表示装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、前記フィールド間走査線補間部によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する選択手順と、
をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定されると、その映像ストリームにおけるインターレース画像データをプログレッシブ画像データに変換する際の補間方法として、フィールド間走査線補間が採用される。これにより、映像編集により走査線方向により生じた画像データの周期的な歪みをぼかすことができるので、前後フィールドの走査線が混在した画像データを表示する場合の画像劣化を防止し、良好な画像表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態1に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のバックエンドの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図1のCPUによって実行されるプログラム(第1の判定選択処理)のフローチャートである。
【図4】図4(A)、図4(B)は、フィールド間走査線補間により生成されたプログレッシブ画像データの一例である。
【図5】実際に表示される動画の一例である。
【図6】本発明の実施形態2に係る携帯端末のバックエンドの構成を示すブロック図である。
【図7】映像ストリームのヘッダのデータフォーマットの一例を示すテーブルである。
【図8】図6のデコーダによって実行される動作(第2の判定選択処理)のフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態3に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図10】図9の携帯端末のCPUによって実行されるプログラム(第3の判定選択処理)のフローチャートである。
【図11】図11(A)乃至図11(C)は、表示画像の一例を示す模式図である。
【図12】本発明の実施形態4に係る携帯端末のバックエンドの構成を示すブロック図である。
【図13】図13(A)乃至図13(C)は、フィールド間走査線補間部から出力される画像データの一例を示す図である。
【図14】図14(A)乃至図14(C)は、フィールド内走査線補間部から出力される画像データの一例を示す図である。
【図15】図15(A)、図15(B)は、差分画像データのパワースペクトルを示すグラフである。
【図16】図12のうねり検出部によって実行される動作(第4の判定選択処理)のフローチャートである。
【図17】図17(A)、図17(B)は、インターレース画像データを説明するための模式図である。
【図18】図18(A)、図18(B)は、フィールド間走査線補間を説明するための模式図である。
【図19】図19(A)、図19(B)は、フィールド内走査線補間を説明するための模式図である。
【図20】拡大処理を説明するための模式図である。
【図21】拡大された画像データのインターレース画像データへの変換処理を説明するための模式図である。
【図22】表示される原画像としての動画の一例である。
【図23】図23(A)乃至図23(C)は、原画像としてのインターレース画像データの拡大図である。
【図24】図24(A)乃至図24(C)は、フィールド間走査線補間処理及び拡大処理により生成されたプログレッシブ画像データの拡大図である。
【図25】図25(A)乃至図25(C)は、映像編集ソフトによって編集されたプログレッシブ画像データの拡大図である。
【図26】従来技術による実際に表示される動画の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係る映像表示装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、映像表示装置は、携帯電話等の携帯端末である。
【0029】
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1について説明する。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る携帯端末100は、通信アンテナ1と、無線回路2と、符号復号処理回路3と、マイク4と、レシーバ5と、キー6と、CPU(Central Processing Unit)7と、CPUバス8と、メモリ9と、DAC(Digital Analog Converter)10と、スピーカ11と、ビデオI/F12と、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ13と、ビデオI/F14と、表示装置15と、を備える。
【0031】
通信アンテナ1は、空中を伝送されてきた電波を受信して、その電波を高周波電気信号に変換する。変換された高周波電気信号は、無線回路2に供給される。また、通信アンテナ1は、無線回路2から供給された高周波電気信号を電波に変換して発信する。
【0032】
無線回路2は、通信アンテナ1で変換された高周波電気信号を復調し、符号復号処理回路3に入力する。また、無線回路2は、符号復号処理回路3の出力信号を変調して高周波電気信号に変換し、その高周波電気信号を通信アンテナ1へ出力する。
【0033】
符号復号処理回路3は、無線回路2の出力信号に対して復号処理を施す。符号復号処理回路3は、この復号処理の結果得られた通話用音声信号をレシーバ5に出力する一方、同様にして得られた文字データや画像データ等をCPU7へ出力する。
【0034】
さらに、符号復号処理回路3は、マイク4からの音声信号や、キー6の操作により入力されCPU7から出力された文字データや、メモリ9から読み取られCPU7から出力された画像データ等に対して符号化処理を施す。この符号化処理の結果得られた各種データは、出力信号として無線回路2へ出力される。
【0035】
CPU7は、携帯端末100の各構成要素を統括制御する。例えば、CPU7は、キー6の操作内容を検出し、検出されたキー操作に従って、無線回路2及び符号復号処理回路3を制御して、音声通話、音楽や画像の再生動作を行う。
【0036】
メモリ9は、CPUバス8を介してCPU7と接続されている。メモリ9には、各種制御用のプログラムが格納され、データベースが構築されている。より具体的には、メモリ9には、電話帳、アドレス帳などのデータ、着信メロディ、楽曲などの音声データ、動画や静止画などの画像データ等が格納されている。
【0037】
CPU7は、CPUバス8を介してメモリ9からプログラムを取得し、取得されたプログラムを実行することにより、携帯端末100の各構成要素を統括制御する。例えば、CPU7は、符号復号処理回路3、無線回路2を制御して、例えば、着信待ち等に係る処理を行う。また、着信時には、CPU7は、メモリ9の電話帳から発信者の名前や着信メロディ、着信画像を読み出して、着信処理を行う。
【0038】
CPU7は、本実施形態では、後述するように、映像ストリームが入力される入力パスを検出し、その検出結果に基づいて、映像ストリームの信頼性を判定する判定部としても機能する。
【0039】
DAC10は、CPUバス8を介してCPU7と接続されている。CPU7は、CPUバス8を介して音声データをDAC10へ出力する。DAC10は、CPU7から出力される着信音や通話音声等のデジタル音声信号をアナログ信号に変換し、スピーカ11へ供給する。スピーカ11は、DAC10から供給されたアナログ信号に応じた着信音や通話音声等を音声出力する。
【0040】
CPU7は、相手の電話番号や名前、画像データを、ビデオI/F12を介して、LCDコントローラ13へ出力する。ビデオI/F12としては、CMOSのパラレルバスを採用することができるが、最近では信号線数の削減やノイズ面での配慮から差動シリアルバスを採用するのが主流となっている。
【0041】
LCDコントローラ13は、VRAM(Video RAM)30を内蔵している。VRAM30は、1画面分又は2画面分程度の画像を保持可能な容量を有する。LCDコントローラ13は、VRAM30を用いて、CPU7(又は後述するバックエンド18)から、間欠的又は部分的に送られてきた画像データの片方又は両方を合成してフレーム画像を生成する。さらに、LCDコントローラ13は、そのフレーム画像を、60Hz程度の周波数で連続的に読み出して、ビデオI/F14を介して表示装置15へ出力する。
【0042】
ビデオI/F14は、ビデオI/F12と同様に差動シリアルバスであっても構わないが、本実施形態では、ビデオI/F14として、CMOSのパラレルバスが採用されている。
【0043】
表示装置15としては、RGBの3ピクセルで1画素を構成するストライプ形式のものが採用されている。より具体的には、QVGA(320×240×RGB)、VGA(640×480×RGB)、ワイドVGA(800×480×RGB)、フルワイドVGA(854×480×RGB)など、多様な画素数のデバイスを表示装置15として使用可能である。本実施形態では、VGA(640×480×RGB)を採用するものとする。また、本実施形態では、表示装置15を、液晶ディスプレイであるものとする。
【0044】
以上の構成要素に加え、携帯端末100は、テレビアンテナ16と、チューナ17と、バックエンド18と、ビデオI/F19と、メモリカード21と、DAC22と、スピーカ23と、バックエンドI/F24と、をさらに備える。
【0045】
チューナ17は、テレビアンテナ16で受信したテレビジョン放送の電波から映像/音声ストリームを復調し、バックエンド18に出力する。
【0046】
バックエンド18は、デコーダ31と、IP変換部32と、リサイズ部33と、を備える。
【0047】
デコーダ31は、チューナ17から映像/音声ストリームを入力する入力パスと、メモリカード21から映像/音声ストリームを入力する入力パスという2つの入力パスを有する。デコーダ31は、チューナ17から入力された映像/音声ストリームをデコードして、画像データ(映像データ)と、音声データとに分離する。
【0048】
IP変換部32は、デコードの結果得られたインターレース画像データから、プログレッシブ画像データへの変換処理を行う。この変換処理を、プログレッシブ変換処理(以下、「IP変換処理」という)という。
【0049】
リサイズ部33は、画像データに対して、表示装置15の画素数に一致させるための拡大縮小処理、すなわちリサイズ処理を施す。リサイズされた画像データは、ビデオI/F19を介してLCDコントローラ13に出力される。
【0050】
ビデオI/F19は、ビデオI/F12と同様に差動シリアルバスであっても構わないが、本実施形態では、ビデオI/F19として、ビデオI/F17と同様に、CMOSのパラレルバスが採用されている。一方、デコーダ31によりデコードされた音声データは、DAC22を介してスピーカ23から音声出力される。
【0051】
メモリカード21は、上記の映像と音声が多重化された動画ストリームの他、静止画やアニメーションの画像ファイルや、音声のみのファイルを保持可能である。バックエンド18は、メモリカード21から読み出した映像/音声ストリームについても上述した処理を行うことが可能である。
【0052】
バックエンド18とCPU7との間には、バックエンドI/F24が設けられている。このバックエンドI/F24を介して、バックエンド18とCPU7との間で、例えば、バックエンド18に接続されたデバイスの制御コマンドや映像/音声データの送受信が可能となる。
【0053】
バックエンド18の構成について、さらに詳細に説明する。バックエンド18は、前述のように、デコーダ31、IP変換部32、リサイズ部33を備える。
【0054】
デコーダ31は、チューナ17又はメモリカード21から入力された映像ストリームをデコードして、デコードの結果得られる画像データをIP変換部32に出力する。ここでは、映像ストリームに係る画像データが、インターレース画像データであるものとする。
【0055】
図17(A)には、この画像データの奇数フィールドであるフィールド1が示されている。フィールド1では、ライン1、ライン3、ライン5、・・・というように奇数ラインに走査線が配置されている。一方、図17(B)には、この画像データの偶数フィールドであるフィールド2が示されている。フィールド2では、ライン2、ライン4、ライン6、・・・というように偶数ラインに、走査線が配置されている。
【0056】
IP変換部32は、図2に示すように、フィールド間走査線補間部41と、フィールド内走査線補間部42と、動き適応部43と、選択部としてのセレクタ44と、を備える。IP変換部32に入力された映像信号は、フィールド間走査線補間部41及びフィールド内走査線補間部42に入力される。
【0057】
フィールド間走査線補間部41は、図18(A)、図18(B)に示すように、映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールド(フィールド1、2)の走査線データ(図18(A)では、フィールド1の奇数ラインとフィールド2の偶数ライン、図18(B)では、フィールド1の奇数ラインとフィールド2の偶数ライン)を重ね合わせることにより、走査線の間を補間して、プログレッシブ画像データを生成する。補間により生成された画像データは、動き適応部43に出力される。
【0058】
フィールド間走査線補間は、各フィールドにおける走査線の隙間を、後のフィールドの走査線で補間するため、高精細な画像が得られるが、時間的に異なるフィールドが重ね合わさって同時に表示されるようになるので、画像中の動きがある部分は、2重像となる。このため、フィールド間走査線補間は、静止画の表示に適している。
【0059】
フィールド内走査線補間部42は、図19(A)、図19(B)に示すように、映像ストリームにおけるインターレース画像データの同一フィールド内の走査線データを重ね合わせることにより、走査線の間を補間して、プログレッシブ画像データを生成する。補間により生成された画像データは、動き適応部43に出力される。
【0060】
フィールド内走査線補間は、各フィールドにおける走査線の隙間を、同一フィールド内の走査線データ(具体的には、直上の走査線データ)で補間するため、解像度は低下するものの、画像中の動きがあっても2重像が生じることはないので、動画の表示に適している。
【0061】
動き適応部43は、生成されたプログレッシブ画像データ中の動き(変化)を検出し、その画像データが静止画であるか動画であるかを判定する。そのプログレッシブ画像データが静止画であると判定された場合、動き適応部43は、フィールド間走査線補間部41から入力した画像データ(例えば、図18(A)、図18(B)参照)を出力する。また、そのプログレッシブ画像データが動画であると判定された場合、動き適応部43は、フィールド内走査線補間部42から入力した画像データ(図19(A)、図19(B))を出力する。
【0062】
これにより、静止画では、フィールド間走査線補間により生成されたプログレッシブ画像データを用いて画像表示が行われるようになり、動画では、フィールド内走査線補間により生成されたプログレッシブ画像データを用いて、画像表示が行われるようになる。これにより、画像の2重化が防止され、画像内の動きに関わらず、高精細な画像を表示することができる。
【0063】
セレクタ44は、CPU7から出力されるIP変換選択信号50に基づいて、フィールド間走査線補間部41から入力される画像データ又は動き適応部43から入力される画像データを選択的に出力する。
【0064】
リサイズ部33は、IP変換部42の出力を、表示装置15の画素数(ここでは、640×480)に適合させるため、必要に応じて画像を拡大または縮小してLCDコントローラ13に出力する。例えば、360ラインの画像データを、480ラインの画像データに拡大する場合、例えば、図18(A)に示す画像データに対して、3ラインに1ラインの割合で補間走査線を挿入し、図20に示す画像データを生成する。ただし、画像データの拡大縮小処理は、他の手法を採用してもかまわない。
【0065】
CPU7は、チューナ17から入力された画像データを表示する場合には、動き適応部43からの出力画像を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する。また、CPU7は、メモリカード21から入力された画像データを表示する場合には、フィールド間走査線補間部41の出力画像を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する。
【0066】
次に、本実施形態に係る携帯端末100の動作について説明する。図3には、CPU7によって実行されるプログラム(第1の判定選択処理)のフローチャートが示されている。このプログラムは、バックエンド18への映像ストリームの入力が開始される時に実行される。
【0067】
図3に示すように、まず、CPU7は、映像ストリームが入力される入力パスを検出する(ステップS1)。ここで、バックエンド18に入力される映像ストリームが、チューナ17からのものであるのか、メモリカード21からのものであるのかが検出される。
【0068】
続いて、CPU7は、映像ストリームがメモリカード21から入力されているか否かを判定する(ステップS2)。映像ストリームがメモリカード21から入力されている場合(ステップS2;Yes)、CPU7は、映像ストリームの信頼性が低いものとして、フィールド間走査線補間部41の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力し(ステップS3)、映像ストリームがチューナ17から入力されている場合(ステップS2;No)、映像ストリームの信頼性が高いものとして、動き適応部43の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する(ステップS4)。
【0069】
ステップS3、S4実行後、CPU7は、処理を終了する。
【0070】
ここで、図22に示すように、1本の縦線を、左から右にスクロールさせる動画を表示する場合について説明する。
【0071】
(メモリカード21から入力された画像データを表示する場合)
まず、メモリカード21から入力される映像ストリームに基づく画像を表示する場合について説明する。この場合、CPU7は、フィールド間走査線補間部41の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する(ステップS3)。このIP変換選択信号50を受けて、セレクタ44は、フィールド間走査線補間部41から入力された画像データを、リサイズ部33に出力する。
【0072】
すなわち、本実施形態では、メモリカード21から入力される映像ストリームに対しては、常に、フィールド間走査線補間が用いられる。ここで、例えば、メモリカード21から入力された映像ストリームにおける画像データが、前後のフィールドの走査線が混在した編集画像データ(例えば、図24(A)乃至図24(C)参照)であった場合について考える。
【0073】
この場合、図24(A)の画像データと図24(B)の画像データとを合成したプログレッシブ画像データが生成され、図24(B)の画像データと、図24(C)の画像データとを合成したプログレッシブ画像データが生成される。これらのプログレッシブデータは、図4(A)、図4(B)に示すように、縦棒のエッジが、ほぼ1ライン毎の細かな周期の櫛型を有する画像データとなる。
【0074】
携帯端末100は、全体的にコンパクトであることが要求されるので、表示装置15の表示画面の物理的サイズは、必然的に小さくなる。表示画面が小さいので、図4(A)、図4(B)の櫛状の部分は、その周期が極めて小さくなる。これにより、図5に示すように、櫛状の部分は、わずかなエッジのぼやけとして知覚されるに留まる。
【0075】
このため、本実施形態では、映像編集ソフト等で編集された可能性のある映像ストリーム、すなわちメモリカード21から入力された映像ストリームを再生する場合、セレクタ44は、フィールド間走査線補間部41から入力される画像データを選択し、リサイズ部33に出力する。このようにすれば、極端な画質劣化を防止することができる。
【0076】
(チューナ17から入力された画像データを表示する場合)
次に、チューナ17から入力された映像ストリームに基づく画像を表示する場合について説明する。この場合、CPU7は、フィールド間走査線補間部41の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する(ステップS3)。このIP変換選択信号50を受けて、セレクタ44は、動き適応部43から入力された画像データを、リサイズ部33に出力する。
【0077】
チューナ17から入力された映像ストリームは、放送局から伝送されるものであるため、その映像ストリームにおける画像データの信頼性は極めて高い。このことから、その映像ストリームにおける画像データは、前後のフィールドの走査線が混在した画像データである可能性は極めて低い。このため、チューナ17から入力された映像ストリームを再生する場合には、セレクタ44は、動き適応部43から出力される画像データを選択し、リサイズ部33に出力するのである。
【0078】
動き適応部43は、前述のように、画像データの変化を検出し、動画である場合には、フィールド内走査線補間部42から入力される画像データを出力し、静止画である場合には、フィールド間走査線補間部41から入力される画像データを出力する。これにより、静止画における解像度の低下を防止するとともに、動画における画像の歪みなどの発生が防止され、高精細な画像表示が可能となる。
【0079】
上述したように、チューナ17から入力された映像ストリームにおける画像データの信頼性は極めて高い。これに対し、メモリカード21から入力された映像ストリームにおける画像データは、前後のフィールドの走査線が混在した編集画像データである可能性があり、その信頼性は、必ずしも高いとはいえない。したがって、CPU7において、映像ストリームが入力される入力パスが、チューナ17からの入力パスであるか、メモリカード21からの入力パスであるかを判定するということは、その映像ストリームの信頼性が所定レベル以下であるか否かを判定することを意味している。
【0080】
すなわち、本実施形態では、CPU7は、映像ストリームが、メモリカード21から入力されている場合には、予め、歪みを含む画像データが混じっている可能性があるので、その映像ストリームの信頼性が所定レベルより低いものと判定し、常に、フィールド間走査線補間が行われた画像データを用いて表示を行うのである。
【0081】
なお、上記各実施形態に係る携帯端末100では、映像ストリームが入力される入力パスが2つであったが、入力パスは1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。いずれの入力パスも、入力される映像ストリームにおける画像データに、前後のフィールドの走査線が混在した編集画像データが含まれる可能性があるか否かに基づいて、その信頼性が予め決定されており、CPU7は、決定された信頼性に基づいて判定を行う。
【0082】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定されると、その映像ストリームにおけるインターレース画像データをプログレッシブ画像データに変換する際の補間方法として、必ずフィールド間走査線補間を採用する。これにより、映像編集により走査線方向により生じた画像データの周期的な歪み(うねり)をぼかすことができるので、前後フィールドの走査線が混在した画像データを表示する場合の画像劣化(画像のうねり)を防止し、良好な画像表示が可能となる。
【0083】
また、チューナ17から入力された映像ストリームに対しては、画像の動きに応じてフィールド間走査線補間と、フィールド内走査線補間とを併用することにより、常に高画質で映像を表示することが可能となる。
【0084】
なお、本実施形態に係る携帯端末100は、チューナ17及びメモリカード21が、バックエンド18側に接続した装置構成であった。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。例えば、チューナ17及びメモリカード21の片方または両方を、CPU7側に接続し、バックエンドI/F24を介して制御コマンドや映像、音声データを送受信して、上記動作を実現するようにしても良い。
【0085】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態に係る携帯端末100は、上記実施形態1に係る携帯端末100とは、バックエンド18の構成が異なる。
【0086】
図6には、本実施形態に係るバックエンド18の構成が示されている。図6に示すように、IP変換選択信号50は、デコーダ31から出力され、セレクタ44に入力されている。
【0087】
上記実施形態1では、映像ストリームの入力パスによってCPU7の指示によりセレクタ44を切り換えた。これに対して、本実施形態では、映像ストリームのヘッダに、走査線補間方式を指定する情報をセットしておき、メモリカード21からの映像ストリームを再生する際に、デコーダ31が、その情報に基づいて、セレクタ44を制御する。
【0088】
図7のテーブルには、映像ストリームのヘッダへの走査線補間方式を指定する識別情報の挿入例が示されている。図7に示すように、この映像ストリームのヘッダには、1番目の項目として、映像フォーマットが設定される。ここでは、映像フォーマットの内容として、「YUV:422」が設定されている。
【0089】
続く2番目の項目には、画素数が設定される。ここでは、画素数として「640(H)×480(V)」が設定されている。
【0090】
続く3番目の項目には、I/P(インターレース/プログレッシブ)が設定される。ここでは、I/Pとして、「インターレース」が設定されている。
【0091】
続く4番目の項目には、走査線補間方式が設定される。ここでは、走査線補間方式として「1」が設定されている。この項目が「1」である場合は、映像ストリームは編集されておらず、動き適応補間可能と解釈するものとする。動き適応補間とは、画像に動きがあり、動画であると見なせる部分には、フィールド内走査線補間を適用し、画像に動きがなく、静止画であると見なせる部分には、フィールド間走査線補間を適用する補間方法のことである。録画により生成され、その後編集がなされてない映像ストリームである場合や、正常なインターレース構造を保持して編集したストリームの場合は、録画した機器や編集ソフトで、この項目(走査線補間方式)が「1」に設定される。この項目(走査線補間方式)が、映像ストリームの識別情報である。
【0092】
映像ストリームの再生時には、デコーダ31がこの項目のデータを抽出する。抽出されたデータが「1」である場合、デコーダ31は、動き適応部43の出力画像を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する。また、抽出されたデータが「1」でない場合、デコーダ31は、フィールド間走査線補間部41の出力画像を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する。セレクタ44は、上記第1の実施形態と同様に、このIP変換選択信号50に従って、リサイズ部33に出力する画像データを切り換える。
【0093】
次に、本実施形態に係る携帯端末100の動作について説明する。図8には、デコーダ31によって実行されるプログラム(第2の判定選択処理)のフローチャートが示されている。このプログラムは、バックエンド18への映像ストリームの入力が開始される時に実行される。
【0094】
図8に示すように、まず、デコーダ31は、映像ストリームのヘッダから走査線補間方式のデータを抽出する(ステップS11)。ここで抽出されるデータは、この映像ストリームが、編集されていない信頼性の高いものであるのか否かを示すデータである。
【0095】
続いて、デコーダ31は、抽出されたデータが「1」であるか否かを判定する(ステップS12)。抽出されたデータが「1」でない場合(ステップS12;No)、デコーダ31は、フィールド間走査線補間部41の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力し(ステップS13)、抽出されたデータが「1」である場合(ステップS12;Yes)、デコーダ31は、動き適応部43の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力する(ステップS14)。
【0096】
ステップS13、S14実行後、デコーダ31は、処理を終了する。
【0097】
本実施形態では、映像ストリーム自身の属性に基づいて、映像ストリームの信頼性が判定される。これにより、メモリカード21から入力される映像ストリームであっても、その映像ストリーム自体の信頼性が高いと判定されれば、動き適応部43から出力された画像データに基づいて映像が表示されるようになる。この結果、ぼやけた画像の表示が極力制限される。
【0098】
一方、IP変換部72は、チューナ17から入力された映像ストリームについては、上記実施形態1と同様に、動き適応補間によるプログレッシブ画像データを出力する。
【0099】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、デコーダ31の動作であるステップS11が抽出部に対応する。
【0100】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、チューナ17から入力された映像ストリームに加え、メモリカード21から入力された映像ストリームのうち、ヘッダの識別情報(走査線補間方式)に、編集されていないこと(すなわち信頼性が高いこと)がセットされている映像ストリームについても、動き適応部43から出力されたプログレッシブ画像データを選択することにより、画像中の動きに応じた高画質な表示が可能となる。
【0101】
なお、デコーダ31等が、映像ストリームのヘッダの識別情報(走査線補間方式のデータ)の取得に失敗した場合には、デコーダ31等は、フィールド間走査線補間部41の出力を選択する旨のIP変換選択信号50を出力するのが望ましい。このようにした方が、画像が大幅に歪むのを防止できるからである。映像ストリームのヘッダの識別情報を取得はしたものの、取得された値が不正な場合も同様である。
【0102】
また、映像ストリームのヘッダの解析が困難な場合には、その映像ストリームのファイル名の一部または全てに、正常に編集した画像であることを示す識別情報を予めセットしておくようにしてもよい。この場合にも、デコーダ31が、そのファイル名等から、識別情報を抽出し、抽出されたデータに基づいて、映像ストリームの信頼性を判定すればよい。
【0103】
なお、放送電波を録画した時には、録画した映像ストリームの拡張子を(***.ts)とすることが一般的である。このため、映像ストリームの拡張子を識別情報として用いるようにしてもよい。もちろん、他の専用の拡張子を識別情報として用いてもよいのは勿論である。
【0104】
なお、本実施形態では、映像ストリームのヘッダの解析を、デコーダ31で行った。しかしながら、本発明は、これに限られるものでない。例えば、CPU7において、映像ストリームのヘッダを解析し、バックエンドI/F24を介してセレクタ44を直接制御するようにしてもよい。また、CPU7からデコーダ31に対して制御コマンドを発行することにより、セレクタ44を間接的に制御するようにしてもよい。
【0105】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。
【0106】
上記実施形態1では、映像ストリームの入力パスがチューナ17側であるか、メモリカード21側であるかによってセレクタ44を切り換えた。これに対し、本実施形態では、映像ストリームの入力パスがチューナ17からの入力であるか、無線回路2を介した無線通信ネットワークであるかによってセレクタ44を切り換える。
【0107】
本実施形態に係る携帯端末100は、図9に示すように、CPU7内部に、デコーダ71、IP変換部72、リサイズ部73、VRAM74が組み込まれている。これらの構成要素は、メモリ9に格納されたプログラムをCPU7が実行することにより実現されるものである。
【0108】
デコーダ71は、無線通信ネットワークから受信される映像ストリームを、無線回路2から取得して復号化し、その画像データを出力する。IP変換部72は、その映像ストリームにおける画像データに対して、IP変換処理を施す。IP変換部72の機能は、上記実施形態1に係るIP変換部32の機能と同じである。すなわち、IP変換部72は、フィールド間走査線補間によって生成されたプログレッシブ画像データか、動き適応補間によって生成されたプログレッシブ画像データかのいずれかを、リサイズ部73に出力する。
【0109】
ただし、IP変換部72は、CPU7内で構築されているため、IP変換選択信号50を入力しない。本実施形態では、IP変換部72自らが、映像ストリームの信頼性の判定及びその判定に基づいてフィールド間走査線補間によって生成されたプログレッシブ画像データか、動き適応補間によって生成されたプログレッシブ画像データかのいずれかを選択して出力する。
【0110】
無線通信ネットワークを介して取得される映像コンテンツには、個人で編集した映像コンテンツ等、信頼性の低い映像コンテンツが含まれる。これらの映像コンテンツの中には、例えば、図24(A)乃至図24(C)に示すような画像の歪みを有する映像コンテンツも存在する。したがって、本実施形態では、無線通信ネットワークを介して取得される映像コンテンツに対して、IP変換部72は、フィールド間走査線補間によってプログレッシブ画像データを生成して、リサイズ部73に出力する。
【0111】
一方、チューナ17から入力された映像ストリームは、バックエンド18のデコーダ31で復号された後、バックエンドI/F24を介してCPU7内部のIP変換部72に入力される。IP変換部72は、チューナ17から入力された映像ストリームについて、動画であれば、フィールド内走査線補間を行い、静止画であれば、フィールド間走査線補間を行って、プログレッシブ画像データを生成して、リサイズ部73に出力する。
【0112】
このプログレッシブ画像データは、VRAM74に展開された後、ビデオI/F12を介して表示装置15に出力される。なお、デコーダ71から出力された音声データと、デコーダ31からバックエンドI/F24を介してCPU7に転送された音声データとは、CPU7側のDAC10を介してスピーカ11に出力される。
【0113】
図10には、CPU7によって実行されるプログラム(第3の判定選択処理)のフローチャートが示されている。このプログラムは、CPU7への映像ストリームの入力が開始される時に実行される。
【0114】
図10に示すように、まず、CPU7は、映像ストリームが入力される入力パスを検出する(ステップS21)。ここで、CPU7に入力される映像ストリームが、チューナ17からのものであるのか、無線回路2を介して無線通信ネットワークから入力されるものであるのかが検出される。
【0115】
続いて、CPU7は、映像ストリームが無線通信ネットワークから入力されているか否かを判定する(ステップS22)。映像ストリームが無線通信ネットワークから入力されている場合(ステップS22;Yes)、CPU7のIP変換部72は、プログレッシブ画像データを生成するための補間方法として、フィールド間走査線補間を選択する(ステップS23)。一方、映像ストリームがチューナ17から入力されている場合(ステップS22;No)、IP変換部72は、プログレッシブ画像データを生成するための補間方法として、動き適応補間を選択する(ステップS24)。
【0116】
ステップS23、S24実行後、CPU7は、処理を終了する。
【0117】
ところで、デコーダ71の出力とデコーダ31の出力とを、時分割で処理してVRAM74に書き込むことにより、図11(A)に示すように、チューナ画像中にネットワーク画像をオーバーレイ表示したり、逆に、図11(B)に示すように、ネットワーク画像中にチューナ画像を、オーバーレイ表示したりすることが可能である。さらに、2つの画像を左右または上下に並べて表示したり、どちらか片方または両方の画像に拡大、または縮小して表示したりするようにしてもよい。
【0118】
また、図11(C)に示すように、CPU7で生成されたバッテリの残量や、電界強度を示す図形や、アイコン、ソフトキーや背景画像に、チューナ画像またはネットワーク画像を合成して表示させることも可能である。
【0119】
ここでは、1系統のIP変換部72とリサイズ部73を時分割で使用する場合の例について述べた。しかしながら、本発明はこれに限られるものでない。例えば、IP変換部72とリサイズ部73を2系統設け、デコーダ71の出力とデコーダ31の出力とを別系統とし、最終的にVRAM74で両画像データを合成するようにしてもよい。
【0120】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、チューナ17から入力された映像ストリームに対応する画像については、高画質表示される一方で、無線通信ネットワークから入力された映像ストリームについては、画像うねりを防止することにより、極端な画質劣化が防止される。
【0121】
また、本実施形態によれば、チューナ17からの画像、無線通信ネットワークからの画像、CPU7で生成された画像を合成して表示することが可能となる。
【0122】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について説明する。
【0123】
上記実施形態1では、ストリームの入力パスがチューナ17側であるか、メモリカード21側であるかによってセレクタ44を切り換えた。これに対し、本実施形態に係るバックエンド18は、図12に示すように、画像のうねりの有無を検出するうねり検出部80をさらに備える。本実施形態では、画像のうねりの有無に応じてIP変換方式を切り換える。
【0124】
うねり検出部80は、フィールド間走査線補間部41から出力される画像データを入力し、フィールド内走査線補間部42から出力される画像データを入力する。うねり検出部80は、入力した両画像データを、ライン単位またはフレーム単位で比較してそれらの差分画像を求め、その差分画像における空間周波数に対するパワースペクトルを求める。
【0125】
例えば、映像編集ソフトによって拡大処理がされていない映像ストリーム(例えば、図23(A)乃至図23(C)参照)が入力された場合、フィールド間走査線補間部41から出力される画像データは、図13(A)乃至図13(C)に示すように、1ライン毎に前後のフィールドの走査線が入り混じった画像になる。この場合、フィールド内走査線補間部42から出力される画像データは、図14(A)乃至図14(C)に示すように、1直線の画像になる。したがって、両画像データの差分画像のパワースペクトルとしては、図15(A)に示すように、比較的高い周波数f1をピークとしたものが得られるようになる。
【0126】
また、映像編集ソフトによって拡大処理された映像ストリーム(例えば、図24(A)乃至図24(C)参照)が入力された場合、フィールド間走査線補間部41の出力は、3ライン毎に前後のフィールドの走査線が入り混じった画像(例えば、図4(A)、図4(B)参照)となる。この画像のパワースペクトルは、おおむね図15(A)に示すスペクトルと同じようになる。
【0127】
これに対し、フィールド内走査線補間部42の出力は、8ライン周期の大きなうねりを生じた画像(例えば、図25(A)乃至図25(C)参照)となる。このため、この画像には、図15(B)に示すように、高周波側の周波数f1をピークとしたスペクトルに加えて周波数f1よりも低い周波数f2をピークとしたスペクトルが現れる。
【0128】
そこで、本実施形態では、周波数f1と、周波数f2の間の周波数f0を境界周波数とする。うねり検出部80は、フィールド間走査線補間部41から入力された画像データと、フィールド内走査線補間部42から入力された画像データとの差分画像に含まれる空間周波数成分に、境界周波数f0以下の成分の総和Sが所定の境界度数以上含まれている場合に、画像のうねりを検出する。
【0129】
図16には、うねり検出部80の動作(第4の判定選択処理)のフローチャートが示されている。図16に示すように、まず、うねり検出部80は、フィールド間走査線補間部41から出力された画像データと、フィールド内走査線補間部から出力された画像データとの差分画像を生成する(ステップS31)。続いて、うねり検出部80は、差分画像のパワースペクトルを生成する(ステップS32)。さらに、うねり検出部80は、境界周波数f0以下のパワースペクトルの総和Sを次式によって算出する(ステップS33)。
【0130】
【数1】
ここで、fは、空間周波数であり、xは、その空間周波数fにおけるスペクトルである。
【0131】
続いて、うねり検出部80は、総和Sが境界度数以上であるか否かを判定する(ステップS34)。総和Sが境界度数以上である場合(ステップS34;Yes)、うねり検出部80は、画像にうねりが有ると判定して、フィールド間走査線補間部41から出力された画像データを選択するようにセレクタ44を制御する(ステップS35)。また、総和Sが境界度数よりも小さい場合(ステップS34;No)、うねり検出部80は、画像にうねりが無いと判定し、動き適応部43から出力される画像データを選択するようにセレクタ44を制御する(ステップS36)。
【0132】
ステップS35、S36実行後、うねり検出部80は、処理を終了する。うねり検出部80は、フレーム毎に、上述した処理を行う。
【0133】
なお、境界周波数や境界度数は、入力される映像信号の画素数に応じて製造時に最適な値に設定される必要がある。これらの値については、製品出荷後にユーザが設定できるようにしてもよい。
【0134】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、映像編集ソフトによる拡大処理によって画像のうねりが発生した映像ストリームが入力されても、そのうねりを検出して、最適な走査線補間処理を選択することができる。このため、画像のうねりの発生を防止し、常に良好な画像表示が可能となる。
【0135】
なお、うねり検出部80は、フィールド間走査線補間部41とフィールド内走査線補間部42の出力画像の差に基づいて、画像のうねりを検出した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。例えば、ブロックマッチング法等の既存の手法を用いて、画像のうねりを検出するようにしてもよい。
【0136】
なお、上記各実施形態では、動き適応部43は、動画である場合には、フィールド内走査線補間部42から入力される画像データを出力し、静止画である場合には、フィールド間走査線補間部41から入力される画像データを出力した。しかしながら、本発明は、これには限られない。例えば、画像データの変化量に応じて、フィールド内走査線補間部42から入力される画像データの各画素と、フィールド間走査線補間部41から入力される画像データの各画素との重み付け平均値を、その画素値とする画像データを、出力するようにしてもよい。
【0137】
このようにすれば、動き適応部43は、画像データのうち、動きのある動画の部分に対しては、フィールド内走査補間が適用されたその部分に対応する画像データを出力し、動きのない静止画の部分に対しては、フィールド間走査補間が適用されたプログレッシブ画像データを生成して、出力することができる。
【0138】
なお、上記各実施形態に係る携帯端末100の構成は、あくまで一例であり、各実施形態に係る携帯端末100の構成要素は、如何様にも組み合わせ可能である。
【0139】
また、メモリカード21の代わりに、ハードディスク装置やフラッシュメモリ等の半導体メモリ、さらには、光ディスク装置を使用したとしても、本発明を逸脱するものではない。
【0140】
また、上記実施形態では、表示装置15を、液晶ディスプレイであるものとしたが、自発光型の有機ELディスプレイを表示装置15として用いてもよい。小型であれば、様々の種類のディスプレイに本発明を適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、映像を表示可能な端末装置全般、例えば携帯電話の他、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、PC、テレビ、映像記録装置、映像再生装置等に適応可能である。
【符号の説明】
【0142】
1…通信アンテナ、2…無線回路、3…符号復号処理回路、4…マイク、5…レシーバ、6…キー、7…CPU、8…CPUバス、9…メモリ、11…スピーカ、12…ビデオI/F、13…LCDコントローラ、14…ビデオI/F、15…表示装置、16…テレビアンテナ、17…チューナ、18…バックエンド、19…ビデオI/F、21…メモリカード、22…DAC、23…スピーカ、24…バックエンドI/F、30…VRAM、31…デコーダ、32…IP変換部、33…リサイズ部、41…フィールド間走査線補間部、42…フィールド内走査線補間部、43…動き適応部、44…セレクタ、50…IP変換選択信号、71…デコーダ、72…IP変換部、73…リサイズ部、74…VRAM、80…うねり検出部、100…携帯端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像ストリームを入力する1又は複数の入力パスと、
前記複数の入力パスのうちのいずれかの入力パスから入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、前記映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成するフィールド間走査線補間部と、
前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、前記フィールド間走査線補間部によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する選択部と、
を備える映像表示装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記映像ストリームを入力する入力パスが特定の入力パスである場合に、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしていないと判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記映像ストリームを格納するメモリをさらに備え、
前記特定の入力パスは、
前記メモリから読み出された映像ストリームが入力される入力パスである、
ことを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
通信ネットワークを介して前記映像ストリームを受信する受信部をさらに備え、
前記特定の入力パスは、
前記受信部で受信された映像ストリームが入力される入力パスである、
ことを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記判定部は、
前記映像ストリームの識別情報に基づいて、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項6】
前記識別情報は、
前記映像ストリームのヘッダに含まれ、
前記判定部は、
前記ヘッダから、前記識別情報を抽出する抽出部を備え、
前記抽出部によって抽出された前記識別情報に基づいて、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項7】
前記識別情報は、
前記映像ストリームのファイル名又は拡張子名に含まれ、
前記判定部は、
前記ファイル名又は前記拡張子名から前記識別情報を抽出する抽出部を備え、
前記抽出部によって抽出された前記識別情報に基づいて、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項8】
前記映像ストリームにおけるインターレース画像データに対して、同一のフィールド内の走査線データを用いて補間処理を行うフィールド内走査線補間部をさらに備え、
前記判定部は、
前記フィールド間走査線補間部で生成された第1の画像データと、前記フィールド内走査線補間部で生成された第2の画像データとに基づいて、前記映像ストリーム内の画像のうねりを検出するうねり検出部を備え、
前記うねり検出部によって画像のうねりが検出されると、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしていないと判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項9】
前記うねり検出部は、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとの差分画像データに含まれる所定の周波数以下の空間周波数成分の総和が所定の度数以上含まれている場合に、画像のうねりを検出する、
ことを特徴とする請求項8に記載の映像表示装置。
【請求項10】
前記映像ストリームにおけるインターレース画像データに対して、同一のフィールド内の走査線データを用いて補間処理を行うフィールド内走査線補間部と、
前記フィールド間走査線補間部及び前記フィールド内走査線補間部から出力された画像データを入力し、前記画像データのうち、動きがある部分に対しては、前記フィールド内走査線補間部から出力された画像データが適用され、前記画像データのうち、動きがない部分に対しては、前記フィールド内走査線補間部から出力された画像データが適用された画像データを出力する動き適応部と、
をさらに備え、
前記選択部は、
前記判定部により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしていると判定された場合に、
前記動き適応部から出力された画像データを、表示対象として選択する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の映像表示装置。
【請求項11】
映像ストリームを入力する1又は複数の入力パスと、
前期複数の入力パスのうちのいずれかの入力パスから入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、前記映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成するフィールド間走査線補間部と、
を備える映像表示装置の表示制御方法において、
前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、前記フィールド間走査線補間部によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する選択工程と、
を含むことを特徴とする表示制御方法。
【請求項12】
映像ストリームを入力する1又は複数の入力パスと、
前期複数の入力パスのうちのいずれかの入力パスから入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、前記映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成するフィールド間走査線補間部と、
を備える映像表示装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、前記フィールド間走査線補間部によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する選択手順と、
をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
映像ストリームを入力する1又は複数の入力パスと、
前記複数の入力パスのうちのいずれかの入力パスから入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、前記映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成するフィールド間走査線補間部と、
前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、前記フィールド間走査線補間部によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する選択部と、
を備える映像表示装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記映像ストリームを入力する入力パスが特定の入力パスである場合に、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしていないと判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記映像ストリームを格納するメモリをさらに備え、
前記特定の入力パスは、
前記メモリから読み出された映像ストリームが入力される入力パスである、
ことを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
通信ネットワークを介して前記映像ストリームを受信する受信部をさらに備え、
前記特定の入力パスは、
前記受信部で受信された映像ストリームが入力される入力パスである、
ことを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記判定部は、
前記映像ストリームの識別情報に基づいて、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項6】
前記識別情報は、
前記映像ストリームのヘッダに含まれ、
前記判定部は、
前記ヘッダから、前記識別情報を抽出する抽出部を備え、
前記抽出部によって抽出された前記識別情報に基づいて、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項7】
前記識別情報は、
前記映像ストリームのファイル名又は拡張子名に含まれ、
前記判定部は、
前記ファイル名又は前記拡張子名から前記識別情報を抽出する抽出部を備え、
前記抽出部によって抽出された前記識別情報に基づいて、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項8】
前記映像ストリームにおけるインターレース画像データに対して、同一のフィールド内の走査線データを用いて補間処理を行うフィールド内走査線補間部をさらに備え、
前記判定部は、
前記フィールド間走査線補間部で生成された第1の画像データと、前記フィールド内走査線補間部で生成された第2の画像データとに基づいて、前記映像ストリーム内の画像のうねりを検出するうねり検出部を備え、
前記うねり検出部によって画像のうねりが検出されると、前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしていないと判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項9】
前記うねり検出部は、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとの差分画像データに含まれる所定の周波数以下の空間周波数成分の総和が所定の度数以上含まれている場合に、画像のうねりを検出する、
ことを特徴とする請求項8に記載の映像表示装置。
【請求項10】
前記映像ストリームにおけるインターレース画像データに対して、同一のフィールド内の走査線データを用いて補間処理を行うフィールド内走査線補間部と、
前記フィールド間走査線補間部及び前記フィールド内走査線補間部から出力された画像データを入力し、前記画像データのうち、動きがある部分に対しては、前記フィールド内走査線補間部から出力された画像データが適用され、前記画像データのうち、動きがない部分に対しては、前記フィールド内走査線補間部から出力された画像データが適用された画像データを出力する動き適応部と、
をさらに備え、
前記選択部は、
前記判定部により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしていると判定された場合に、
前記動き適応部から出力された画像データを、表示対象として選択する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の映像表示装置。
【請求項11】
映像ストリームを入力する1又は複数の入力パスと、
前期複数の入力パスのうちのいずれかの入力パスから入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、前記映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成するフィールド間走査線補間部と、
を備える映像表示装置の表示制御方法において、
前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、前記フィールド間走査線補間部によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する選択工程と、
を含むことを特徴とする表示制御方法。
【請求項12】
映像ストリームを入力する1又は複数の入力パスと、
前期複数の入力パスのうちのいずれかの入力パスから入力される映像ストリームにおけるインターレース画像データの前後のフィールドの走査線データを重ね合わせることにより、フィールド間走査線補間を行い、前記映像ストリームに対応するプログレッシブ画像データを生成するフィールド間走査線補間部と、
を備える映像表示装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記映像ストリームの信頼性が所定レベルを満たしているか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により前記映像ストリームの信頼性が所定レベルに満たないと判定された場合に、前記フィールド間走査線補間部によって補間処理された画像データを、表示対象として選択する選択手順と、
をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2011−55243(P2011−55243A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202117(P2009−202117)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
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