説明

映像記録装置

【課題】複数の記録媒体の容量を効率的に使用する。
【解決手段】本発明に係る映像記録装置は、映像信号が圧縮された圧縮データを分割して複数の記録媒体121、122及び123に記録する映像記録装置100であって、記録媒体121、122及び123の最大記録速度及び記録可能容量を取得する記録媒体情報取得部131と、圧縮レートを取得する入力情報取得部133と、複数の記録媒体121、122及び123のうち、記録可能容量が大きい方から記録媒体を選択する選択部134と、選択部134により選択された記録媒体への記録速度の和が、圧縮レートより大きくなるように、選択部134により選択された記録媒体への記録速度を算出する算出部135と、選択部134により選択された記録媒体に、算出部135により算出された記録速度で、圧縮データを並列に記録する記録部136とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像記録装置に関し、特に、映像信号が圧縮された圧縮データを分割して複数の記録媒体に記録する映像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラ及びデジタルカメラなどの被写体の光学像を高精細な入力映像信号に変換し、任意の圧縮方式により圧縮して記録媒体に記録する映像記録装置が一般に用いられている。一般に、このような映像記録装置は、単一の記録媒体に、圧縮された入力映像信号を記録する。
【0003】
近年、映像記録装置において、入力映像信号の高精細化にともない圧縮データの単位時間当たりのデータ量である圧縮レートが増加している。これにより、映像記録装置は、記録媒体に、高速に大容量の圧縮データを記録する必要がある。
【0004】
しかしながら、単一の記録媒体に高速に大容量の圧縮データを記録するためには、記録媒体が高速の記録速度に対応し、且つ記録媒体が大きな記録容量を有する必要がある。これに対して、複数の記録媒体に並列に圧縮データを記録することで、個々の記録媒体への記録速度を低減することができる。また、記録可能な容量は各記録媒体の記録容量の和となるので、記録可能な容量を容易に増加させることができる。これにより、映像記録装置は、長時間の映像記録を行うことができる。
【0005】
例えば、複数の記録媒体に圧縮データを記録する映像記録装置が、特許文献1に記載されている。
【0006】
特許文献1記載の映像記録装置は、圧縮データをフレーム又はGOP(Group Of Picture)など任意の単位で、複数の記録媒体に巡回させて記録する。これにより、個々の記録媒体の記録速度を超えるデータ量の圧縮データの記録を行うことができる。
【特許文献1】特開2004-48302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の映像記録装置は、複数の記録媒体の記録可能容量が異なる場合、映像記録装置の映像記録時間が、複数の記録媒体の記録可能容量のうち最小の容量により決定される。よって、他の記録媒体に記録可能な容量が存在しても映像記録を行うことはできない。すなわち、特許文献1記載の映像記録装置は、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる映像記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る映像記録装置は、映像信号が圧縮された圧縮データを分割して複数の記録媒体に記録する映像記録装置であって、前記各記録媒体に記録可能な速度の最大値である最大記録速度と、前記各記録媒体に記録可能なデータ量である記録可能容量とを取得する第1取得手段と、前記圧縮データの圧縮レートを取得する第2取得手段と、選択する2以上の記録媒体の前記最大記録速度の和が前記圧縮レートより大きくなるように、前記複数の記録媒体のうち、前記記録可能容量が大きい方から2以上の記録媒体を選択する第1選択手段と、前記第1選択手段により選択された2以上の記録媒体への記録速度の和が、前記圧縮レートより大きくなるように、前記第1選択手段により選択された2以上の記録媒体への記録速度をそれぞれ算出する算出手段と、前記第1選択手段により選択された2以上の記録媒体に、前記算出手段により算出された記録速度で、前記圧縮データを並列に記録する記録手段とを備える。
【0010】
この構成によれば、複数の記録媒体のうち記録可能容量が大きい記録媒体に、優先的に記録を行うので、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。これにより、本発明に係る映像記録装置は、長時間の映像録画を行うことができる。また、本発明に係る映像記録装置は、複数の記録媒体に並列に圧縮データを記録するので、個々の記録媒体の記録速度を低減することができる。
【0011】
また、前記算出手段は、前記複数の記録媒体のうち最も記録可能容量が大きい記録媒体の記録速度を該記録媒体の最大記録速度として算出してもよい。
【0012】
この構成によれば、複数の記録媒体のうち最も記録可能容量が大きい記録媒体に、より多くの圧縮データが記録される。よって、本発明に係る映像記録装置は、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。これにより、本発明に係る映像記録装置は、長時間の映像録画を行うことができる。
【0013】
また、前記第1選択手段は、3以上の記録媒体を選択し、前記算出手段は、前記第1選択手段により選択された記録媒体のうち最も記録可能容量が大きい記録媒体以外の複数の記録媒体の記録速度を、該複数の記録媒体の記録可能容量の比に応じて、記録可能容量が大きい記録媒体ほど記録速度が速くなるように算出してもよい。
【0014】
この構成によれば、記録可能容量が大きい記録媒体ほど、速い記録速度で圧縮データが記録される。よって、本発明に係る映像記録装置は、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。これにより、本発明に係る映像記録装置は、長時間の映像録画を行うことができる。
【0015】
また、前記算出手段は、前記第1選択手段により選択された複数の記録媒体の記録速度を、該複数の記録媒体の記録可能容量の比に応じて、記録可能容量が大きい記録媒体ほど記録速度が速くなるように算出してもよい。
【0016】
この構成によれば、記録可能容量が大きい記録媒体ほど、速い記録速度で圧縮データが記録される。よって、本発明に係る映像記録装置は、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。これにより、本発明に係る映像記録装置は、長時間の映像録画を行うことができる。
【0017】
また、前記映像記録装置は、さらに、前記第1選択手段により選択されていない記録媒体から、前記第1選択手段に選択された記録媒体のうち記録可能時間が最も短い記録媒体と置き換え可能な記録媒体を選択する第2選択手段を備え、前記記録手段は、前記記録手段による記録により、前記記録可能時間が最も短い記録媒体の記録可能容量がなくなった場合に、該記録媒体に置き換えて前記第2選択手段により選択された記録媒体に記録を行ってもよい。
【0018】
この構成によれば、第1選択手段により選択された複数の記録媒体のうち最も記録可能時間が短い記録媒体の記録可能容量がなくなった場合に、他の記録媒体に引き続き圧縮データの記録を行う。よって、本発明に係る映像記録装置は、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。これにより、本発明に係る映像記録装置は、長時間の映像録画を行うことができる。
【0019】
また、本発明に係る映像記録方法は、映像信号が圧縮された圧縮データを分割して複数の記録媒体に記録する映像記録方法であって、前記各記録媒体に記録可能な速度の最大値である最大記録速度と、前記各記録媒体に記録可能なデータ量である記録可能容量とを取得する第1取得ステップと、前記圧縮データの圧縮レートを取得する第2取得ステップと、選択する2以上の記録媒体の前記最大記録速度の和が前記圧縮レートより大きくなるように、前記複数の記録媒体のうち、前記記録可能容量が大きい方から2以上の記録媒体を選択する第1選択ステップと、前記第1選択ステップで選択された2以上の記録媒体への記録速度の和が、前記圧縮レートより大きくなるように、前記第1選択ステップで選択された2以上の記録媒体への記録速度をそれぞれ算出する算出ステップと、前記第1選択ステップで選択された2以上の記録媒体に、前記算出ステップで算出された記録速度で、前記圧縮データを並列に記録する記録ステップとを含む。
【0020】
これによれば、複数の記録媒体のうち記録可能容量が大きい記録媒体に、優先的に記録を行うので、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。これにより、本発明に係る映像記録方法は、長時間の映像録画を行うことができる。また、本発明に係る映像記録方法は、複数の記録媒体に並列に圧縮データを記録するので、個々の記録媒体の記録速度を低減することができる。
【0021】
なお、本発明は、このような映像記録装置及び映像記録方法として実現することができるだけでなく、映像記録方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる映像記録装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る映像記録装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る映像記録装置は、複数の記録媒体の記録可能容量に基づき、記録を行う記録媒体の選択、及び選択された記録媒体への記録速度の算出を行う。これにより、本発明の実施の形態1に係る映像記録装置は、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。
【0025】
まず、本発明の実施の形態1に係る映像記録装置の構成を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る映像記録装置の構成を示すブロック図である。図1に示す映像記録装置100は、被写体の光学像を入力映像信号に変換し、変換された入力映像信号を圧縮し、圧縮された圧縮データを分割して複数の記録媒体に記録するカメラレコーダである。
【0026】
映像記録装置100は、カメラ部101と、信号処理部102と、バッファ103と、圧縮回路104と、バッファ105と、操作部106と、制御部107と、圧縮回路制御部108と、I/F回路111、112及び113とを備える。
【0027】
カメラ部101は、被写体の光学像を入力映像信号に変換する。
信号処理部102は、カメラ部101により変換された入力映像信号に、RGB/YC変換、各種フィルタ処理、及びリサイズなどの画像処理を行う。
【0028】
バッファ103は、信号処理部102により画像処理された入力映像信号を一時的に蓄積する。
【0029】
圧縮回路104は、バッファ103に蓄積される入力映像信号を、DVCPRO又はMPEG(Moving Picture Experts Group)などの圧縮方式で圧縮し圧縮データを生成する。
【0030】
バッファ105は、圧縮回路104により圧縮された圧縮データを一時的に蓄積する。
I/F回路111は、バッファ105に蓄積される圧縮データを記録媒体121に記録する。I/F回路112は、バッファ105に蓄積される圧縮データを記録媒体122に記録する。I/F回路113は、バッファ105に蓄積される圧縮データを記録媒体123に記録する。また、I/F回路111、112及び113は、制御部107の制御により、バッファ105に蓄積される圧縮データを記録媒体121、122及び123に並列に記録する。
【0031】
記録媒体121、122及び123は、半導体メモリカード等の映像記録装置100に着脱可能な記録媒体である。なお、記録媒体121、122及び123は、映像記録装置100に着脱可能な光ディスク、磁気ディスク又は半導体メモリなどであってもよい。さらに、記録媒体121、122及び123は、映像記録装置100に固定的に内蔵される磁気ディスク又は半導体メモリであってもよい。さらに、記録媒体121、122及び123は、異なる種類の記録媒体であってもよい。例えば、記録媒体121及び122は半導体メモリカードであり、記録媒体123は映像記録装置100に固定的に内蔵される磁気ディスクであってもよい。
【0032】
操作部106は、ユーザーにより記録の開始及び停止などの各種の操作が入力される。また、操作部106は、ユーザーにより信号方式、圧縮方式及び圧縮レートの設定などが入力される。ここで、圧縮レートとは、圧縮回路104により圧縮され出力される圧縮データの単位時間当たりのデータ量である。
【0033】
制御部107は、操作部106及び圧縮回路制御部108の制御を行う。また、制御部107は、半導体メモリ及び磁気ディスクなどの記録媒体の種別を管理する。また、制御部107は、複数の記録媒体への圧縮データの記録を制御する。制御部107は、記録媒体情報取得部131と、記憶部132と、入力情報取得部133と、選択部134と、算出部135と、記録部136と、管理部137とを備える。例えば、制御部107は、記憶部(ハードディスク、ROM又はRAM等)に記憶されるプログラムを実行することにより、図1に示す機能ブロックの機能を実現する。なお、制御部107の一部又は全部を専用の回路で構成してもよい。
【0034】
記録媒体情報取得部131は、記録媒体121、122及び123のそれぞれの記録容量、最大記録速度及び記録可能容量を取得する。
【0035】
記憶部132は、記録媒体情報取得部131により取得された記録容量、最大記録速度及び記録可能容量を記録媒体情報として記録する。
【0036】
図2は、記憶部132に記憶される記録媒体情報の一例を示す図である。図2に示すように、記録媒体番号にそれぞれ対応する、記録容量、最大記録速度及び記録可能容量とが記憶される。ここで、記録容量は、記録媒体に記録可能な最大のデータ量である。最大記録速度は、記録媒体に記録可能な速度の最大値である。記録可能容量は、現在、記録媒体に記録可能なデータ量であり、記録容量から記録媒体に記録されているデータの容量を引いた値である。すなわち、記録可能容量は、記録媒体の空き容量である。また、記録媒体番号は、I/F回路111、112及び113にそれぞれ対応した番号であり、記録媒体121、122及び123にそれぞれ対応する。例えば、記録媒体番号1は記録媒体121に対応し、記録媒体番号2は記録媒体122に対応し、記録媒体番号3は記録媒体123に対応する。
【0037】
入力情報取得部133は、操作部106に入力されたユーザーによる操作と、信号方式、圧縮方式及び圧縮レート等を取得する。
【0038】
選択部134は、複数の記録媒体121、122及び123から圧縮データの記録を行う記録媒体を選択する。選択部134は、選択する記録媒体の最大記録速度の和が、入力情報取得部133により取得された圧縮レートより大きくなるように、記録可能容量が大きい記録媒体から圧縮データの記録を行う記録媒体を選択する。
【0039】
算出部135は、選択部により選択された記録媒体への記録速度をそれぞれ算出する。算出部135は、選択部134により選択された記録媒体への記録速度の和が、入力情報取得部133により取得された圧縮レートより大きくなるように、各記録媒体への記録速度を算出する。具体的には、算出部135は、圧縮レートを満たすまで、最大記録容量が大きい記録媒体から、該記録媒体の記録速度を該記録媒体の最大記録速度として算出する。すなわち、算出部135は、複数の記録媒体のうち最も記録可能容量が大きい記録媒体の記録速度を該記録媒体の最大記録速度として算出する。
【0040】
記録部136は、選択部134により選択された記録媒体に、算出部135により算出された記録速度で、圧縮データを並列に記録する。
【0041】
管理部137は、記録部136により複数の記録媒体に並列記録された複数のファイルを同一の映像データファイルとして管理する管理データを生成する。また、管理部137は、生成された管理データを各記録媒体に記録する。
【0042】
圧縮回路制御部108は、操作部106に入力されたユーザーによる操作と、信号方式、圧縮方式及び圧縮レートの設定とに応じて、信号処理部102及び圧縮回路104を制御する。
【0043】
次に、映像記録装置100の動作を説明する。
図3は、映像記録装置100による記録媒体121、122及び123への映像記録動作の流れを示すフローチャートである。
【0044】
例えば、ユーザーは予め映像記録装置100に記録媒体121、122及び123を装着した状態で、映像記録装置100の電源を投入する。
【0045】
映像記録装置100の電源が投入されると、記録媒体情報取得部131は、映像記録装置100に装着されている記録媒体121、122及び123の記録容量、記録可能容量及び最大記録速度を取得し、記録媒体情報として記憶部132に記憶する(S101)。また、記録媒体情報取得部131は、記録媒体が映像記録装置100に新たに装着された時、及び記録媒体が映像記録装置100から外された時に、映像記録装置100に装着されている記録媒体の記録容量、記録可能容量及び最大記録速度を取得し、記憶部132に記憶される記録媒体情報を更新する。また、記録媒体情報取得部131は、映像記録装置100の電源投入後に定期的に、映像記録装置100に装着されている記録媒体の記録容量、記録可能容量及び最大記録速度を取得し、記憶部132に記憶される記録媒体情報を更新してもよい。
【0046】
次に、ユーザーにより、操作部106に信号方式、圧縮方式及び圧縮レートの設定などの映像記録に必要な情報が入力される。
【0047】
入力情報取得部133は、操作部106に入力された圧縮レートを取得する(S102)。また、入力情報取得部133は、操作部106に入力された信号方式及び圧縮方式を取得する。
【0048】
選択部134は、ステップS101で取得された記録媒体121、122及び123の記録可能容量及び最大記録速度と、ステップS102で取得された圧縮レートとに基づき、圧縮データを記録する記録媒体の選択する。また、算出部135は、選択部134により選択された記録媒体への記録速度の算出を行う(S103)。なお、圧縮データを記録する記録媒体の選択、及び、選択された記録媒体への記録速度の算出の詳細については、後述する。
【0049】
一方で、映像記録装置100の電源が投入されると、カメラ部101は、被写体の光学像を入力映像信号に変換する。信号処理部102は、圧縮回路制御部108の制御により、操作部106に入力された信号方式に基づき、カメラ部101により変換された入力映像信号に画像処理を行う。バッファ103は、信号処理部102により画像処理された入力映像信号を一時的に蓄積する。
【0050】
次に、ユーザーにより、操作部106の映像記録開始のボタンが押下されると、圧縮回路104は、圧縮回路制御部108の制御により、操作部106に入力された信号方式、圧縮方式及び圧縮レートの設定に基づき、バッファ103に蓄積される、操作部106の映像記録開始のボタンが押下された時刻以降の入力映像信号を圧縮し、圧縮データを生成する。バッファ105は、圧縮回路104により圧縮された圧縮データを一時的に蓄積する。
【0051】
記録部136は、バッファ105に蓄積される圧縮データを、ステップS103で選択された記録媒体に、ステップS103で算出された記録速度で、並列に記録する(S104)。
【0052】
ユーザーにより操作部106の映像記録停止ボタンを押下されるまで(S105でNo)、記録部136は、バッファ105に蓄積される圧縮データを、ステップS103で選択された記録媒体に、ステップS103で算出された記録速度で、並列に記録する(S104)。
【0053】
ユーザーにより操作部106の映像記録停止ボタンを押下されると(S105でYes)、圧縮回路104は、操作部106の映像記録停止ボタンを押下された時刻までの、バッファ103に蓄積される入力映像信号を圧縮し、圧縮データをバッファ105に蓄積する。記録部136は、操作部106の映像記録停止ボタンを押下された時刻までの入力映像信号に対応する圧縮データを記録媒体に並列に記録し、映像記録を停止する。このとき、管理部137は、複数の記録媒体にファイルとして記録した圧縮データを同一の映像データファイルとして関連付けるための管理データを生成して各記録媒体に併せて記録する(S106)。
【0054】
以上のように、映像記録装置100により、被写体の光学像が入力映像信号に変換され、変換された入力映像信号が圧縮され、圧縮された圧縮データが複数の記録媒体に記録される。
【0055】
次に、ステップS103の記録速度算出処理の詳細を説明する。
図4は、映像記録装置100の記録速度算出処理の流れを示すフローチャートである。以下、ステップS101において、図2に示す記録媒体情報が取得され、ステップS102において、圧縮レートとして7.5(MB/秒)が取得された場合を例に説明する。
【0056】
まず、選択部134は、記録媒体121、122及び123のうち、記録可能容量が最大の記録媒体を選択する(S201)。ここで、記録媒体121の記録可能容量は16(GB)であり、記録媒体の122の記録可能容量は8(GB)であり、記録媒体123の記録可能容量は2(GB)であるので、記録媒体121が選択される。
【0057】
次に、算出部135は、ステップS102で取得された圧縮レート7.5(MB/秒)から、ステップS201で選択された記録媒体121の最大記録速度3(MB/秒)を引くことで、不足する記録速度4.5(MB/秒)を算出する(S202)。
【0058】
選択された記録媒体121のみの記録速度では、圧縮レート7.5(MB/秒)を満足しないので(S203でNo)、算出部135は、選択された記録媒体121の記録速度を、記録媒体121の最大記録速度である3(MB/秒)とする(S204)。
【0059】
次に、選択部134は、選択された記録媒体121以外の記録媒体122及び123のうち、記録可能容量が最大の記録媒体122を選択する(S201)。
【0060】
次に、算出部135は、ステップS202で算出された不足する記録速度4.5(MB/秒)から、選択された記録媒体122の最大記録速度4(MB/秒)を引くことで、不足する記録速度0.5(MB/秒)を算出する(S202)。
【0061】
選択された記録媒体121及び122の記録速度の和では、圧縮レート7.5(MB/秒)を満足しないので(S203でNo)、算出部135は、選択された記録媒体122の記録速度を、記録媒体122の最大記録速度である4(MB/秒)とする(S204)。
【0062】
次に、選択部134は、選択された記録媒体121及び122以外の記録媒体123を選択する(S201)。
【0063】
次に、算出部135は、ステップS202で算出された不足する記録速度0.5(MB/秒)から、ステップ201で選択された記録媒体123の最大記録速度2.5(MB/秒)を引くことで、不足する記録速度を算出する(S202)。
【0064】
ここで、選択された記録媒体123の最大記録速度2.5(MB/秒)は、不足する記録速度0.5(MB/秒)より大きい。すなわち、選択された記録媒体121、122及び123の記録速度の和は、圧縮レート7.5(MB/秒)を満足するので(S203でYes)、算出部135は、選択された記録媒体123の記録速度を、不足する記録速度0.5(MB/秒)とする(S205)。
【0065】
以上により、記録媒体121、122及び123が並列に記録を行われる記録媒体として選択される。また、記録媒体121、122及び123への記録速度が算出される。
【0066】
ここで、記録媒体121の記録可能時間は、16(GB)÷3(MB/秒)=5461.3(秒)であり、記録媒体122の記録可能時間は8(GB)÷4(MB/秒)=2048(秒)であり、記録媒体123の記録可能時間は2(GB)÷0.5(MB/秒)=4096(秒)である。よって、3つの記録媒体121、122及び123への記録可能時間は最も記録可能時間の少ない記録媒体122の記録可能時間2048(秒)となる。
【0067】
一方、圧縮レートを3つの記録媒体に均等に分割した場合には、各記録媒体121、122及び123への記録速度は、7.5(MB/秒)÷3=2.5(MB/秒)である。3つの記録媒体121、122及び123への記録可能時間は、3つの記録媒体121、122及び123のなかで最も記録可能容量の少ない記録媒体123の記録可能時間となる。記録媒体123の記録可能時間は、記録可能容量2(GB)を記録速度2.5(MB/秒)で除算した結果、2(GB)÷2.5(MB/秒)=819.2(秒)となる。すなわち、圧縮レートを3つの記録媒体に均等に分割した場合の3つの記録媒体121、122及び123への記録可能時間は、819.2(秒)である。
【0068】
このように、本発明の実施の形態1に係る映像記録装置100は、圧縮レートを3つの記録媒体に均等に分割した場合に比べ、約2.5倍の時間、記録を行うことができる。
【0069】
なお、上記説明では、3つの記録媒体121、122及び123に並列に圧縮データが記録される例を説明したが、2つの記録媒体の最大記録速度の和が、入力された圧縮レート以上になる場合には、2つの記録媒体に並列に圧縮データが記録される。また、1つの記録媒体の最大記録速度が、入力された圧縮レート以上になる場合には、1つの記録媒体に圧縮データが記録される。
【0070】
以上より、本発明の実施の形態1に係る映像記録装置100は、複数の記録媒体121、122及び123のうち記録可能容量が大きい記録媒体から圧縮データの記録を行う記録媒体を選択する。これにより、複数の記録媒体のうち記録可能容量が大きい記録媒体に、優先的に記録を行うので、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。
【0071】
さらに、本発明の実施の形態1に係る映像記録装置100は、複数の記録媒体121、122及び123のうち最も記録可能容量が大きい記録媒体121の記録速度を記録媒体121の最大記録速度として算出する。これにより、複数の記録媒体121、122及び123のうち最も記録可能容量が大きい記録媒体121に、より多くの圧縮データが記録される。よって、本発明の実施の形態1に係る映像記録装置100は、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。これにより、本発明の実施の形態1に係る映像記録装置100は、長時間の映像録画を行うことができる。
【0072】
また、本発明の実施の形態1に係る映像記録装置100は、複数の記録媒体に並列に圧縮データを記録する。これにより、個々の記録媒体の記録速度を低減することができる。
【0073】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る映像記録装置は、複数の記録媒体の記録可能容量の比に応じて、記録可能容量が大きい記録媒体ほど記録速度が速くなるように複数の記録媒体への記録速度を算出する。これにより、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。
【0074】
本発明の実施の形態2に係る映像記録装置の構成は図1と同様であり、説明は省略する。
【0075】
以下、本発明の実施の形態2に係る映像記録装置の動作を説明する。なお、本発明の実施の形態2に係る映像装置による映像記録動作の流れは図3と同様であり、説明は省略する。
【0076】
図5は、本発明の実施の形態2に係る映像記録装置の記録速度算出処理の流れを示すフローチャートである。なお、図3に示すステップS101において、図2に示す記録媒体情報が取得され、ステップS102において、圧縮レートとして7.5(MB/秒)が取得された場合を例に説明する。
【0077】
まず、選択部134は、記録媒体121、122及び123のうち、記録可能容量が最大の記録媒体121を選択する(S301)。
【0078】
次に、算出部135は、ステップS102で取得された圧縮レート7.5(MB/秒)から、ステップS301で選択された記録媒体121の最大記録速度3(MB/秒)を引くことで、不足する記録速度4.5(MB/秒)を算出する(S302)。
【0079】
選択された記録媒体121のみの記録速度では、圧縮レート7.5(MB/秒)を満足しないので(S303でNo)、算出部135は、選択された記録媒体121の記録速度を、記録媒体121の最大記録速度である3(MB/秒)とする(S304)。
【0080】
次に、選択部134は、選択された記録媒体121以外の記録媒体122及び123のうち、記録可能容量が最大の記録媒体122を選択する(S305)。
【0081】
次に、算出部135は、ステップS302で算出された不足する記録速度4.5(MB/秒)から、ステップS305で選択された記録媒体122の最大記録速度4(MB/秒)を引くことで、不足する記録速度0.5(MB/秒)を算出する(S306)。
【0082】
選択された記録媒体121及び122の記録速度の和では、圧縮レート7.5(MB/秒)を満足しないので(S307でNo)、次に、選択部134は、選択された記録媒体121及び122以外の記録媒体123を選択する(S305)。
【0083】
次に、算出部135は、ステップS306で算出された不足する記録速度0.5(MB/秒)から、選択された記録媒体123の最大記録速度2.5(MB/秒)を引くことで、不足する記録速度を算出する(S306)。
【0084】
ここで、選択された記録媒体123の最大記録速度2.5(MB/秒)は、不足する記録速度0.5(MB/秒)より大きい。すなわち、選択された記録媒体121、122及び123の記録速度の和は、圧縮レート7.5(MB/秒)を満足するので(S307でYes)、次に、算出部135は、ステップS305で選択された記録媒体122及び123の記録速度として、記録媒体122及び123の記録可能容量に比例した記録速度を算出する(S308)。
【0085】
具体的には、記録媒体122の記録速度をX(GB)とし、記録媒体123の記録速度をY(GB)とすると、X+Y=7.5(MB/秒)−3(MB/秒)=4.5(MB/秒)である。また、記録媒体122と記録媒体123との記録可能容量の比は8(GB):2(GB)=4:1である。よって、算出部135は、記録媒体122の記録速度X=4.5(MB/秒)×4/5=3.6(MB/秒)と算出し、記録媒体123への記録速度Y=4.5(MB/秒)×1/5=0.9(MB/秒)と算出する。
【0086】
以上により、記録媒体121、122及び123が並列に記録を行われる記録媒体として選択される。また、記録媒体121、122及び123への記録速度が算出される。
【0087】
ここで、記録媒体121の記録可能時間は、16(GB)÷3(MB/秒)=5461.3(秒)であり、記録媒体122の記録可能時間は8(GB)÷3.6(MB/秒)=2275.5(秒)であり、記録媒体123の記録可能時間は2(GB)÷0.9(MB/秒)=2275.5(秒)である。よって、3つの記録媒体121、122及び123への記録可能時間は最も記録可能時間の少ない記録媒体122の記録可能時間2275.5(秒)となる。上述したように、圧縮レートを3つの記録媒体に均等に分割した場合の3つの記録媒体121、122及び123への記録可能時間は、819.2(秒)である。
【0088】
よって、本発明の実施の形態2に係る映像記録装置は、圧縮レートを3つの記録媒体に均等に分割した場合に比べ、約2.7倍の時間の記録を行うことができる。
【0089】
なお、1つの記録媒体のみで、圧縮レートを満足する場合(ステップS303でYes)、選択された記録媒体の記録速度は圧縮レートの値となる。
【0090】
また、2つの記憶媒体で、圧縮レートを満足する場合、最も記録可能容量が大きい記録媒体の記録速度は該記録媒体の最大記録速度となり、次に記録可能容量が大きい記録媒体の記録速度は圧縮レートから最も記録可能容量が大きい記録媒体の記録速度を引いた記録速度となる。
【0091】
また、ステップS308において算出された記録媒体122又は123の記録速度が該記録媒体の最大記録速度を越える場合には、算出部135は、該記録媒体の記録速度を該記録媒体の最大記録速度として算出する。また、算出部135は、圧縮レートから他の記録媒体の記録速度を引いた値を、残りの記録媒体の記録速度とする。
【0092】
以上より、本発明の実施の形態2に係る映像記録装置は、最も記録可能容量が大きい記録媒体121の記録速度を、記録媒体121の最大記録速度とする。また、算出部135は、選択部134により選択された記録媒体121、122及び123のうち最も記録可能容量が大きい記録媒体121以外の記録媒体122及び123の記録速度を、記録媒体122及び123の記録可能容量の比に応じて、記録可能容量が大きい記録媒体122ほど記録速度が速くなるように記録媒体122及び123への記録速度を算出する。これにより、本発明の実施の形態2に係る映像記録装置は、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。よって、本発明の実施の形態2に係る映像記録装置は、長時間の映像録画を行うことができる。
【0093】
なお、上記説明において、最も記録可能容量が大きい記録媒体を除いた記録媒体に対して、該記録媒体の記録可能容量の比に応じて該記録媒体への記録速度を算出したが、選択された全ての記録媒体に対して、記録可能容量に比例した記録速度を算出してもよい。
【0094】
図6は、本発明の実施の形態2に係る映像記録装置の記録速度算出処理の変形例の流れを示すフローチャートである。
【0095】
まず、選択部134は、記録媒体121、122及び123のうち、記録可能容量が最大の記録媒体を選択する(S401)。
【0096】
次に、算出部135は、選択された記録媒体の最大記録速度の和が、ステップS102で取得された圧縮レート以上であるか否かを判定する(S402)。
【0097】
選択された記録媒体の最大記録速度の和が、ステップS102で取得された圧縮レート未満である場合(S402でNo)、選択部134は、選択されていない記録媒体のうち記録可能容量が最大の記録媒体を選択し(S401)、算出部135は、再度、選択された記録媒体の最大記録速度の和が、ステップS102で取得された圧縮レート以上であるか否かを判定する(S402)。
【0098】
選択された記録媒体の最大記録速度の和が、ステップS102で取得された圧縮レート以上である場合(S402でYes)、次に、算出部135は、選択された記録媒体の記録速度として、選択された記録媒体の記録可能容量に比例した記録速度を算出する(S403)。
【0099】
以上より、本発明の実施の形態2に係る映像記録装置は、選択部134により選択された複数の記録媒体の記録速度を、各記録媒体の記録可能容量の比に応じて、記録可能容量が大きい記録媒体ほど記録速度が速くなるように該記録媒体への記録速度を算出する。これにより、本発明の実施の形態2に係る映像記録装置は、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。よって、本発明の実施の形態2に係る映像記録装置は、長時間の映像録画を行うことができる。
【0100】
なお、上記説明において、選択部134は、選択された記録媒体の最大記録速度の和が圧縮レート以上になった場合に、圧縮データの記録を行う記録媒体の選択を終了しているが、選択部134は、映像記録装置に装着されている全ての記録媒体を選択し、算出部135は、選択された記録媒体の記録可能容量の比に応じて、記録可能容量が大きい記録媒体ほど記録速度が速くなるように該記録媒体への記録速度を算出してもよい。
【0101】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る映像記録装置は、最も記録可能時間が短い記録媒体の記録可能容量がなくなった場合に、引き続き他の記録媒体に記録を行うための処理を行う。これにより、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。
【0102】
まず、本発明の実施の形態3に係る映像記録装置の構成を説明する。
図7は、本発明の実施の形態3に係る映像記録装置の構成を示すブロック図である。なお、図1と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。図7に示す映像記録装置300は、図1に示す映像記録装置100の構成に加え、さらに、制御部107が置き換え制御部138と、記録時間算出部139とを備える。
【0103】
置き換え制御部138は、最も記録可能時間が短い記録媒体の記録可能容量がなくなった場合に、引き続き他の記録媒体に記録を行うための制御を行う。具体的には、置き換え制御部138は、選択部134により選択されていない記録媒体から、選択部134に選択された記録媒体のうち記録可能時間が最も短い記録媒体と置き換え可能な記録媒体を判定し選択する。
【0104】
記録時間算出部139は、選択部134により選択された複数の記録媒体の記録可能時間を算出する。
【0105】
また、記録部136は、置き換え制御部138の制御により、記録部136による記録により、記録可能時間が最も短い記録媒体の記録可能容量がなくなった場合に、該記録媒体に置き換えて置き換え制御部138により選択された記録媒体に記録を行う。
【0106】
以下、本発明の実施の形態3に係る映像記録装置の動作を説明する。なお、本発明の実施の形態3に係る映像装置による映像記録動作の流れは図3と同様であり、説明は省略する。
【0107】
図8は、本発明の実施の形態3に係る映像記録装置の記録速度算出処理の流れを示すフローチャートである。以下、ステップS101において、図2に示す記録媒体情報が取得され、ステップS102において、圧縮レートとして5(MB/秒)が取得された場合を例に説明する。
【0108】
まず、選択部134は、記録媒体121、122及び123のうち、記録可能容量が最大の記録媒体121を選択する(S501)。
【0109】
次に、算出部135は、ステップS102で取得された圧縮レート5(MB/秒)から、ステップS501で選択された記録媒体121の最大記録速度3(MB/秒)を引くことで、不足する記録速度2(MB/秒)を算出する(S502)。
【0110】
選択された記録媒体121のみの記録速度では、圧縮レート5(MB/秒)を満足しないので(S503でNo)、算出部135は、選択された記録媒体121の記録速度を、記録媒体121の最大記録速度である3(MB/秒)とする(S504)。
【0111】
次に、選択部134は、選択された記録媒体121以外の記録媒体122及び123のうち、記録可能容量が最大の記録媒体122を選択する(S501)。
【0112】
次に、算出部135は、算出された不足する記録速度2(MB/秒)から、選択された記録媒体122の最大記録速度4(MB/秒)を引くことで、不足する記録速度を算出する(S502)。
【0113】
選択された記録媒体121及び122の記録速度の和は、圧縮レート5(MB/秒)を満足するので(S503でYes)、算出部135は、選択された記録媒体122の記録速度を、不足する記録速度2(MB/秒)とする(S505)。
【0114】
次に、置き換え制御部138は、全ての記録媒体が選択されているか否かを判定する(S506)。
【0115】
全ての記録媒体が選択されていないので(S506でNo)、記録時間算出部139は、各記録媒体の記録可能時間を算出する。記録時間算出部139は、記録媒体121の記録可能時間を、16(GB)÷3(MB/秒)=5461.3(秒)と算出し、記録媒体122の記録可能時間を、8(GB)÷2(MB/秒)=4096(秒)と算出する。さらに、置き換え制御部138は、記録時間算出部139により算出された記録可能時間より、選択された記録媒体121及び122の記録可能時間のうち、最小の記録可能時間を記録媒体122の記録可能時間である4096(秒)とする(S507)。
【0116】
次に、置き換え制御部138は、最小の記録可能時間の記録媒体である記録媒体122の記録速度2(MB/秒)が、選択されていない記録媒体123の最大記録速度2.5(MB/秒)以下であるか否かを判定することにより、記録媒体122への記録を記録媒体123で置き換え可能であるか否かを判定する(S508)。
【0117】
記録媒体122の記録速度2(MB/秒)は、記録媒体123の最大記録速度2.5(MB/秒)以下なので、置き換え制御部138は、記録媒体122への記録を記録媒体123で置き換え可能であると判定し(S508でYes)、置き換え制御部138は、記録媒体122の記録可能容量がなくなった場合に、引き続き記録媒体123に記録を行うために記録媒体123を選択する(S509)。
【0118】
記録部136は、置き換え制御部138の制御により、図3に示す映像記録中(S104)において、記録媒体122の記録可能容量がなくなった場合に、記録媒体121と記録媒体123とに並列に圧縮データの記録を行う。
【0119】
具体的には、上述した置き換え処理を行うことで、記録可能時間を2(GB)÷2(MB/秒)=1024(秒)増加することができる。
【0120】
なお、ステップS506において、全ての記録媒体が選択されている場合には(S506でYes)、映像記録装置300は、置き換え処理を行わない。すなわち、映像記録装置300は、上述した実施の形態1に係る映像記録装置100と同様の処理を行う。
【0121】
また、S508において、置き換え制御部138により置き換えが不可であると判定された場合(S508でNo)、映像記録装置300は、置き換え処理を行わない。
【0122】
以上により、本発明の実施の形態3に係る映像記録装置300は、最も記録可能時間が短い記録媒体122の記録可能容量がなくなった場合に、引き続き他の記録媒体123に記録を行う。よって、本発明の実施の形態3に係る映像記録装置300は、複数の記録媒体の容量を効率的に使用することができる。これにより、本発明の実施の形態3に係る映像記録装置300は、長時間の映像録画を行うことができる。
【0123】
なお、上記説明では、ステップS501〜S504において実施の形態1と同様の処理を行った後に、ステップS506〜S509の処理を行っているが、実施の形態2と同様の処理を行った後に、ステップS506〜S509の処理を行ってもよい。
【0124】
また、上記実施の形態1〜3の説明では、映像記録装置は、3つのI/F回路111、112及び113を備えているが、2つのI/F回路又は4以上のI/F回路を備えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、映像記録装置に適用でき、特に、デジタルビデオカメラ等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の実施の形態1に係る映像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る映像記録装置に記憶される記録媒体情報の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る映像記録装置の映像記録動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係る映像記録装置の記録速度算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2に係る映像記録装置の記録速度算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2に係る映像記録装置の記録速度算出処理の変形例の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態3に係る映像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る映像記録装置の記録速度算出処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0127】
100、300 映像記録装置
101 カメラ部
102 信号処理部
103、105 バッファ
104 圧縮回路
106 操作部
107 制御部
108 圧縮回路制御部
111、112、113 I/F回路
121、122、123 記録媒体
131 記録媒体情報取得部
132 記憶部
133 入力情報取得部
134 選択部
135 算出部
136 記録部
137 管理部
138 置き換え制御部
139 記録時間算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号が圧縮された圧縮データを分割して複数の記録媒体に記録する映像記録装置であって、
前記各記録媒体に記録可能な速度の最大値である最大記録速度と、前記各記録媒体に記録可能なデータ量である記録可能容量とを取得する第1取得手段と、
前記圧縮データの圧縮レートを取得する第2取得手段と、
選択する2以上の記録媒体の前記最大記録速度の和が前記圧縮レートより大きくなるように、前記複数の記録媒体のうち、前記記録可能容量が大きい方から2以上の記録媒体を選択する第1選択手段と、
前記第1選択手段により選択された2以上の記録媒体への記録速度の和が、前記圧縮レートより大きくなるように、前記第1選択手段により選択された2以上の記録媒体への記録速度をそれぞれ算出する算出手段と、
前記第1選択手段により選択された2以上の記録媒体に、前記算出手段により算出された記録速度で、前記圧縮データを並列に記録する記録手段とを備える
ことを特徴とする映像記録装置。
【請求項2】
前記算出手段は、前記複数の記録媒体のうち最も記録可能容量が大きい記録媒体の記録速度を該記録媒体の最大記録速度として算出する
ことを特徴とする請求項1記載の映像記録装置。
【請求項3】
前記第1選択手段は、3以上の記録媒体を選択し、
前記算出手段は、前記第1選択手段により選択された記録媒体のうち最も記録可能容量が大きい記録媒体以外の複数の記録媒体の記録速度を、該複数の記録媒体の記録可能容量の比に応じて、記録可能容量が大きい記録媒体ほど記録速度が速くなるように算出する
ことを特徴とする請求項2記載の映像記録装置。
【請求項4】
前記算出手段は、前記第1選択手段により選択された複数の記録媒体の記録速度を、該複数の記録媒体の記録可能容量の比に応じて、記録可能容量が大きい記録媒体ほど記録速度が速くなるように算出する
ことを特徴とする請求項1記載の映像記録装置。
【請求項5】
前記映像記録装置は、さらに、
前記第1選択手段により選択されていない記録媒体から、前記第1選択手段に選択された記録媒体のうち記録可能時間が最も短い記録媒体と置き換え可能な記録媒体を選択する第2選択手段を備え、
前記記録手段は、前記記録手段による記録により、前記記録可能時間が最も短い記録媒体の記録可能容量がなくなった場合に、該記録媒体に置き換えて前記第2選択手段により選択された記録媒体に記録を行う
ことを特徴とする請求項1記載の映像記録装置。
【請求項6】
映像信号が圧縮された圧縮データを分割して複数の記録媒体に記録する映像記録方法であって、
前記各記録媒体に記録可能な速度の最大値である最大記録速度と、前記各記録媒体に記録可能なデータ量である記録可能容量とを取得する第1取得ステップと、
前記圧縮データの圧縮レートを取得する第2取得ステップと、
選択する2以上の記録媒体の前記最大記録速度の和が前記圧縮レートより大きくなるように、前記複数の記録媒体のうち、前記記録可能容量が大きい方から2以上の記録媒体を選択する第1選択ステップと、
前記第1選択ステップで選択された2以上の記録媒体への記録速度の和が、前記圧縮レートより大きくなるように、前記第1選択ステップで選択された2以上の記録媒体への記録速度をそれぞれ算出する算出ステップと、
前記第1選択ステップで選択された2以上の記録媒体に、前記算出ステップで算出された記録速度で、前記圧縮データを並列に記録する記録ステップとを含む
ことを特徴とする映像記録方法。
【請求項7】
映像信号が圧縮された圧縮データを分割して複数の記録媒体に記録する映像記録方法のプログラムであって、
前記各記録媒体に記録可能な速度の最大値である最大記録速度と、前記各記録媒体に記録可能なデータ量である記録可能容量とを取得する第1取得ステップと、
前記圧縮データの圧縮レートを取得する第2取得ステップと、
選択する2以上の記録媒体の前記最大記録速度の和が前記圧縮レートより大きくなるように、前記複数の記録媒体のうち、前記記録可能容量が大きい方から2以上の記録媒体を選択する第1選択ステップと、
前記第1選択ステップで選択された2以上の記録媒体への記録速度の和が、前記圧縮レートより大きくなるように、前記第1選択ステップで選択された2以上の記録媒体への記録速度をそれぞれ算出する算出ステップと、
前記第1選択ステップで選択された2以上の記録媒体に、前記算出ステップで算出された記録速度で、前記圧縮データを並列に記録する記録ステップとをコンピュータに実行させる
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−294764(P2008−294764A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138319(P2007−138319)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】