説明

映像音声出力装置及びコンピュータプログラム

【課題】映像信号に同期した音声信号に対する処理をボツ音が発生することなく変更可能にした映像音声出力装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】入力部11に映像音声信号が入力され、映像処理部13により処理されて映像出力部14から出力される。映像処理部13の処理に対応した遅延時間が、遅延時間表251から読み出されて遅延部15に設定され、映像処理部13により遅延した映像信号に同期すべく音声信号が遅延部15により遅延される。遅延された音声信号は、音声処理部16により設定してある設定情報に基づいて変更されて音声出力部17a,17bから出力される。音声処理部16に設定してある設定情報を変更する場合、変更先の設定情報に対応する変更時間が読み出され、音声信号に含まれる無音信号の経過時間が変更時間よりも長く、かつ遅延時間が変更時間よりも長い場合、変更される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
映像信号に同期した音声信号に対する処理を変更可能にした映像音声出力装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像信号及び当該映像信号に同期した音声信号を受付け、映像信号を処理して音声信号と共に表示部及びスピーカ夫々から出力するテレビジョン受像機等の映像音声出力装置が広く使われている。このような映像音声出力装置は、視聴に適した映像を表示すべく入力された映像信号を高速にデジタル信号処理するためのDSP( Digital Signal Processor )を備えている。DSPにより処理された映像信号は、DSPによるデジタル信号処理の処理時間分遅延する。そこで、これらの映像音声出力装置は、遅延した映像信号に同期させるべく音声信号を遅延させて出力するようにしてある。
【0003】
近年、視聴に適した音声を放音すべく音声信号に対してもデジタル信号処理し、周波数特性及び音量等を変更するためのDSPを備えた映像音声出力装置が使われてきている。このような映像音声出力装置は、音声信号に対する複数種類の処理夫々に対応する複数の音声機能を備えており、各音声機能のオン・オフ及び各音声機能の処理に関する設定情報等を切替可能にしてある。音声機能は、例えばニュース番組に関する音声信号に対してアナウンサー等の人間の音声を強調するよう周波数特性を変更する処理を施す人声強調機能、音楽又は映画に関する音声信号に対して低音を強調するよう周波数特性を変更する処理を施す低音強調機能、及び入力された音声信号の音量の急激な変化を抑制すべく音声信号の音量を調整する処理を施す音量自動調整機能等がある。
【0004】
特許文献1には、ユーザの操作履歴に基づいてユーザの嗜好に適した音声に変更すべく自動的に音声機能のオン・オフ切替を設定する映像音声出力装置が記載されている。このような映像音声出力装置では、音声機能がオフからオンに切り替えられた場合、出力する音声信号が大きく変化し、音声信号の音声にボツ音が発生することが知られている。特許文献2に記載の映像音声出力装置は、複数の出力チャンネルを有するアンプの音場モードを変更する場合、一部の出力チャンネルを切り替える時期を他の出力チャンネルを切り替える時期に対してずらすことにより、出力する音声信号の音声にボツ音が発生することを抑制している。
【特許文献1】特開2000−196790号公報
【特許文献2】特開2008−78879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の映像音声出力装置は、音場モードの変更時におけるボツ音の発生を抑制するものであり、音声信号に対する処理の変更時におけるボツ音の発生を防止するものではなかった。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、遅延された音声信号の遅延時間が入力される音声信号の無音期間よりも長く、かつ当該遅延時間が音声信号に対する処理の変更に要する変更時間よりも長いと判定する時点以降に処理を変更する変更手段を備えることにより、入力された音声信号の無音期間内に処理の変更を完了し、出力する音声信号の音声にボツ音が発生することを防止する映像音声出力装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る映像音声出力装置は、映像信号及び該映像信号に同期した音声信号を受付ける入力手段と、受付けた映像信号を表示すべき映像に応じて処理する映像処理手段と、前記音声信号を遅延させて前記映像処理手段により処理した前記映像信号に同期させる遅延手段とを備え、処理した前記映像信号及び該映像信号に同期した音声信号を出力する映像音声出力装置において、設定情報に基づいて前記入力手段が受付けた音声信号を処理する音声処理手段と、前記設定情報を異なる設定情報へ変更する変更手段と、該変更手段による変更に応じて前記音声処理手段が処理の変更に要する変更時間を取得する取得手段と、前記入力手段が受付けた音声信号に含まれる無音信号を検出する検出手段と、該検出手段が無音信号を検出している期間、無音信号を検出した時点からの経過時間を計時する計時手段と、前記計時手段が計時した前記経過時間が前記取得手段により取得した変更時間よりも長いか否かを判定する第1判定手段と、前記遅延手段により遅延された遅延時間が前記取得手段により取得した変更時間よりも長いか否かを判定する第2判定手段とを備え、前記変更手段は、前記第1判定手段により前記経過時間が前記変更時間よりも長いと判定され、かつ前記第2判定手段により前記遅延時間が前記変更時間よりも長いと判定された場合、前記異なる設定情報へ変更するよう構成してあることを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、映像信号及び当該映像信号に同期した音声信号が入力される。入力された映像信号がユーザの視聴に適した映像を表示すべくデジタル信号処理等による処理が施される。音声信号は、ユーザの視聴に適した音声を放音すべく予め設定してある設定情報に基づいてデジタル信号処理等による処理が施される。通常、映像信号に対する処理時間は、音声信号に対する処理時間よりも長いため、処理により遅延した映像信号と同期させるために音声信号が遅延される。音声信号の処理に関する設定情報を異なる設定情報へ変更する場合、入力される音声信号の無音期間が設定情報の変更に応じて音声信号に対する処理の変更に要する変更時間よりも長く、かつ遅延された音声信号の遅延時間が当該変更時間よりも長いと判定した場合、異なる設定情報へ変更される。これにより、出力される音声信号の無音期間内に処理が変更されるため、出力される音声信号の音声にボツ音が発生しない。
【0009】
本発明に係る映像音声出力装置は、映像信号及び該映像信号に同期した音声信号を受付ける入力手段と、受付けた映像信号を表示すべき映像に応じて処理する映像処理手段と、前記音声信号を遅延させて前記映像処理手段により処理した前記映像信号に同期させる遅延手段とを備え、処理した前記映像信号及び該映像信号に同期した音声信号を出力する映像音声出力装置において、設定情報に基づいて前記入力手段が受付けた音声信号を処理する音声処理手段と、前記設定情報を異なる設定情報へ変更する変更手段と、該変更手段による変更に応じて前記音声処理手段が処理の変更に要する変更時間を取得する取得手段と、前記入力手段が受付けた音声信号に含まれる無音信号を検出する検出手段と、該検出手段が無音信号を検出している期間、無音信号を検出した時点からの経過時間を計時する計時手段と、前記計時手段が計時した前記経過時間が前記遅延手段により遅延された音声信号の遅延時間よりも長いか否かを判定する第1判定手段と、前記遅延時間が前記取得手段により取得した変更時間よりも長いか否かを判定する第2判定手段とを備え、前記変更手段は、前記第1判定手段により前記経過時間が前記遅延時間よりも長いと判定され、かつ前記第2判定手段により前記遅延時間が前記変更時間よりも長いと判定された時点以降に前記異なる設定情報へ変更するよう構成してあることを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、音声信号の処理に関する設定情報を異なる設定情報へ変更する場合、遅延された音声信号の遅延時間が入力される音声信号の無音期間よりも長く、かつ当該遅延時間が設定情報の変更に応じて音声信号に対する処理の変更に要する変更時間よりも長いと判定する時点まで待機し、当該時点以降に異なる設定情報へ変更される。これにより、処理の変更の開始から完了までが無音期間内に行われるため、出力される音声信号の音声にボツ音が発生しない。
【0011】
本発明に係る映像音声出力装置は、複数の設定情報夫々を複数の変更時間に関連付けて記憶してある記憶手段を備え、前記変更手段は、前記記憶手段に記憶してある複数の設定情報から選択した設定情報へ変更するよう構成してあり、前記取得手段は、前記変更手段が選択した設定情報に関連付けて前記記憶手段に記憶してある変更時間を読み出すよう構成してあることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、音声信号に対する処理の変更に要する変更時間が予め複数の設定情報夫々に対して予め求められており、変更先の設定情報夫々に関連付けて記憶部に記憶してある。変更手段は、記憶部に記憶してある複数の設定情報から選択された1つの設定情報へ変更する場合、変更先の設定情報に関連付けて記憶されている変更時間を読み出す。
【0013】
本発明に係る映像音声出力装置は、前記映像信号は、映像コンテンツの種別を示す付加情報を含んでおり、前記変更手段は、前記付加情報に応じて前記設定情報を変更するよう構成してあることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、映像信号に含まれる付加情報が示す映像コンテンツの種別に基づいて聴取に適した音声信号を得るべく設定情報が変更される。例えば、映像のコンテンツ種別がニュース番組である場合、人声の周波数帯域を強調するための設定情報へ変更されてユーザが人声を聞き取りやすい音声信号が出力される。
【0015】
本発明に係る映像音声出力装置は、前記音声処理手段は、前記音声信号の周波数特性及び/又は音量を変更する処理を行うよう構成してあることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、音声信号の周波数特性及び/又は音量が変更される。例えば、映像のコンテンツ種別がドラマ等の放送番組であり、広告番組に関する映像が途中で挿入されて入力された音声信号の音量が急激に増大する場合、出力する音声信号の音量が急激に増大しないように音声信号が処理される。
【0017】
本発明に係る映像音声出力装置は、前記音声処理手段が前記音声信号の低周波成分を除去するよう変更した場合、低周波成分を放音するためのスピーカの駆動をオフにするオフ手段を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、音声処理手段が音声信号の低周波成分が除去するよう処理した場合、映像音声出力装置の外部に接続された低音を放音するウーハ等のスピーカの駆動電源をオフする。
【0019】
本発明に係るコンピュータプログラムは、設定情報に基づいて処理した音声信号を遅延させ、映像信号に同期させて前記映像信号と共に出力する映像音声出力装置が備えるコンピュータに前記設定情報を異なる設定情報へ変更させるコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記音声信号に含まれる無音期間が、前記異なる設定情報への変更に応じて前記音声信号に対する処理の変更に要する変更時間よりも長いか否かを判定する第1判定ステップと、前記設定情報に基づき音声信号を遅延させた遅延時間が、前記変更時間よりも長いか否かを判定する第2判定ステップと、前記第1判定ステップにより前記無音期間が前記変更時間よりも長いと判定し、かつ前記第2判定ステップにより前記遅延時間が前記変更時間よりも長いと判定した場合、前記異なる設定情報へ変更する変更ステップとを実行させることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、音声信号の処理に関する設定情報を異なる設定情報へ変更する場合、遅延された音声信号の遅延時間が入力される音声信号の無音期間よりも長く、かつ当該遅延時間が設定情報の変更に応じて音声信号に対する処理の変更に要する変更時間よりも長いと判定する時点まで待機し、当該時点以降に異なる設定情報へ変更される。これにより、処理の変更の開始から完了までが無音期間内に行われるため、出力される音声信号の音声にボツ音が発生しない。
【発明の効果】
【0021】
本発明にあっては、遅延された音声信号の遅延時間が入力される音声信号の無音期間よりも長く、かつ当該遅延時間が音声信号に対する処理の変更に要する変更時間よりも長いと判定する時点以降に処理を変更する変更手段を備えることにより、入力された音声信号の無音期間内に処理の変更を完了し、出力する音声信号の音声にボツ音が発生することを防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
実施の形態1
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。図1は、実施の形態1に係る映像音声出力装置の内部構成例を示すブロック図である。本発明の映像音声出力装置は、地上デジタルテレビジョン放送等の放送波を受信して得た映像音声信号又は外部に接続されたDVD( Digital Versatile Disc )プレーヤ及びBD( Blu-ray Disc ,登録商標)レコーダ等が再生する映像音声信号の映像及び音声を表示及び放音するテレビジョン受像機、DVDプレーヤ等が再生する映像音声信号の映像及び音声を表示装置及びスピーカから出力するホームシアターシステム、又はこれらの装置に内蔵されており、入力された映像音声信号を処理して出力するDSP等である。本実施の形態1は、放送波を受信したチューナから入力される映像音声信号、又は記録してある映像音声信号を再生するプレーヤから映像音声信号を視聴に適した映像及び音声にすべく処理し、表示装置及びスピーカに対して出力するDSP等からなる映像音声出力装置を例に挙げて説明する。
【0023】
図中1は、映像音声出力装置であり、入力部(入力手段)11に入力された映像音声信号を処理して外部に接続された表示装置3と、スピーカ4a及びウーハ4bとに対して出力することで表示装置3に映像を表示し、スピーカ4a及びウーハ4bから音声を放音するようにしてある。入力部11には、外部に接続された図示しないチューナ及びプレーヤ等から映像音声信号が入力されるようにしてある。映像音声信号は、映像信号、当該映像信号に同期した音声信号、及びコンテンツ(映像コンテンツ)の種別を示す付加情報からなる。
【0024】
映像音声出力装置1は、入力部11に入力された映像音声信号から映像信号、音声信号及び付加情報を分離する分離部12と、分離部12により分離された映像信号を処理する映像処理部(映像処理手段)13と、映像処理部13が処理した映像信号を外部の表示装置3に出力する映像出力部14とを備えている。また、分離部12が分離した音声信号を遅延させる遅延部15と、遅延部15が遅延させた音声信号を設定情報に基づいて処理して、音声信号及び音声信号の低周波成分を出力する音声処理部(音声処理手段)16と、該音声処理部16が出力する音声信号及び音声信号の低周波成分夫々を外部のスピーカ4a及びウーハ4bに出力する音声出力部17a及び17bを備えている。外部のスピーカ4a及びウーハ4b夫々は、図示しないアンプ部を備えており、入力された音声信号夫々を増幅して放音するようにしてある。
【0025】
また、映像音声出力装置1は、分離部12が分離した音声信号の信号強度、すなわち音量を検出する音量検出部18と、分離部12が分離した付加情報に基づいて映像音声信号のコンテンツ種別を判別する種別判別部19と、ユーザからの操作を受付ける操作受付部21とを備えている。さらに映像音声出力装置1は、バス20aを介して映像音声出力装置1のハードウェア各部を制御するCPU( Central Processing Unit )20と、CPU20が実行するコンピュータプログラムを記憶してあるROM( Read-Only Memory )22と、コンピュータプログラムの実行中に生じる変数等を記憶するためのRAM( Random-Access Memory )23と、入力された音声信号に含まれる無音信号を検出した時点からの経過時間(無音期間)を計時するための計時部24と、各種設定表及び時間表を記憶してある記憶部(記憶手段)25とを備えている。
【0026】
記憶部25は、映像処理部13が行う映像信号の各処理に対応して遅延部15に設定すべき遅延時間からなる遅延時間表251と、種別判別部19が判別したコンテンツ種別に応じて音声処理部16に設定すべき設定情報からなる音声設定表252と、音声処理部16に設定されている設定情報が変更された場合、変更された設定情報に応じて音声処理部16が処理の変更を完了するまでに要する変更時間からなる変更時間表253とが記憶してある。CPU20は、音声処理部16に設定してある設定情報を変更する場合、変更先の設定情報に対応する変更時間を変更時間表253から読み出すことで、変更時間を取得する取得手段として機能する。
【0027】
図2は、実施の形態1に係る映像処理部13及び音声処理部16の構成を示すブロック図である。図中(a)は映像処理部を(b)は音声処理部を示している。映像処理部13は、映像信号がインタレース信号である場合、プログレッシブ信号に変換するIP変換部131と、映像信号の動き情報から予測誤差を算出し、当該予測誤差に基づいて映像信号を補正する動き予測補正部132とを備えている。音声処理部16は、音声信号の信号強度、すなわち音量を変更するための音量変更部161と、周波数特性を変更するための周波数特性変更部162と、音声信号の低音成分を放音するウーハ4bの電源(ウーハ電源)のオン・オフを切り替えるウーハ電源切替部163(オフ手段)とを備えている。
【0028】
CPU20は、音量検出部18が検出した音量が所定の閾値よりも低い場合、無音信号として検出することで、音量検出部と共に無音信号の検出手段としても機能する。また、CPU20及び計時部24は、無音信号を検出した場合、計時部24が経過時間を計時開始することにより、無音信号を検出した時点からの経過時間(無音期間)を計時する計時手段としても機能する。また、CPU20は、種別判別部19が判別したコンテンツ種別に対応する設定情報を音声設定表252から読み出して、後述のタイミングで音声処理部16に設定してある設定情報を変更することにより、変更手段として機能する。また、CPU20は、操作受付部21が音声処理部16に設定してある設定情報を変更する操作を受付けた場合、即時に設定情報を変更するようにしてある。
【0029】
図3は、実施の形態1に係る遅延時間表251のレコードレイアウト例を示す図表である。図3に示す遅延時間表251の例では、映像処理部13のIP変換部131がオンにされた場合に対応して遅延時間114msecが記憶してある。当該遅延時間114msecは、映像処理部13にインタレース信号からなる映像信号が入力された場合、IP変換部131がオンにされて実行されるIP変換に要する処理時間と対応している。すなわち、IP変換により遅延した映像信号に同期するように、音声信号を114msec遅延させるべきであることを示している。また、映像処理部13の動き予測補正部132がオンされた場合に対応して遅延時間198msecが記憶してある。
【0030】
当該遅延時間198msecは、映像処理部13に動きベクトルの取得が可能な映像信号が入力された場合、動き予測補正部132がオンにされて実行される動き予測補正に要する処理時間と対応している。すなわち、動き予測補正により遅延した映像信号に同期するように、音声信号を198msec遅延すべきであることを示している。さらに、映像処理部13が映像信号に対して常時、実行している他の処理である通常処理に対応して遅延時間23msecが記憶してある。当該遅延時間23msecは、常時オンにされて実行される通常処理に要する処理時間と対応している。すなわち、通常処理により遅延した映像信号に同期するように、音声信号を23msec遅延すべきであることを示している。
【0031】
図4は、実施の形態1に係る音声設定表252のレコードレイアウト例を示す図表である。図4に示す音声設定表252の例では、種別判別部19が判別したコンテンツ種別夫々に対応付けて、音声処理部16に設定される設定情報が記憶してある。図4に示す例では、設定情報が人声強調機能、音量自動調整機能、低音強調機能及びウーハ電源夫々のオン・オフ設定から構成されている。人声強調機能は、人声に対応する周波数帯域の信号強度を他の周波数帯域の信号強度よりも大となるよう周波数特性変更部162により音声信号の周波数特性を変更する機能である。音量自動調整機能は、音量検出部18が検出した音量が急激に変動した場合、当該変動を抑制するよう音量変更部161により音声信号の音量を変更する機能である。
【0032】
低音強調機能は、低音成分に対応する周波数帯域の信号強度を他の周波数帯域の信号強度よりも大となるよう周波数特性変更部162により音声信号の周波数特性を変更する機能である。ウーハ電源のオン・オフは、ウーハ電源切替部163によりウーハ4bの電源(ウーハ電源)のオン・オフの切り替えを示す。図4に示す例では、コンテンツ種別「ニュース」及び「情報」に対応付けて記憶してある設定情報により、人声強調機能及び音声自動調整機能をオンにし、低音強調機能及びウーハ電源をオフにするよう指定されている。これにより、ニュースに関する音声信号に含まれるアナウンサー又はナレーション等の人声をユーザが聴取し易いように音声信号の周波数特性が周波数特性変更部162により変更される。
【0033】
また、音量が略一定であるニュース番組の途中に音量の大きな広告番組が挿入された場合、出力される音声信号の音量が急激に増大して聴取しているユーザに不快感を与えることがないよう音量変更部161により、音量が自動的に調整される。また、低音域を出力する必要のないニュース番組に対して、低音強調機能及びウーハ電源をオフにすることにより、消費電力が低減される。図4に示す例では、コンテンツ種別「映画」及び「音楽」に対応付けて記憶してある音声設定情報により、人声強調機能及び音声自動調整機能をオフにし、低音強調機能及びウーハ電源をオンにするよう指定している。これにより、映像及び音楽に関する音声信号の低音域を強調してユーザによる迫力ある聴取を可能にすべく、音声信号の周波数特性が周波数特性変更部162により変更される。また、音声信号の低音成分を出力すべくウーハ電源がオンされる。
【0034】
図5は、実施の形態1に係る変更時間表253のレコードレイアウト例を示す図表である。図5に示す変更時間表253の例では、人声強調機能、音量自動調整機能、低音強調機能及びウーハ電源夫々に対応付けて変更時間1msec,3msec,1msec及び200msecが記憶してある。変更時間は、音声処理部16に対して各音声機能又はウーハ電源のオン・オフ状態を切り替えた時点から切り替え後のオン・オフ状態により処理された音声信号が音声処理部16から出力されるまでに要する時間、すなわち処理の変更に要する時間を示す。変更時間は、予め実験的に求めて記憶しておくとよい。また、音声処理部16が予めプログラムされたファームウェアに従って入力された音声信号にデジタル信号処理を施すよう構成されている場合、ファームウェアをなす各命令の実行時間等に基づいて変更時間を求めて記憶しておいてもよい。
【0035】
図5に示す例では、人声強調機能をオフ状態からオン状態に切り替えた場合、切り替えた時点から1msec後に音声処理部16から出力される音声信号が人声を強調された音声信号に変更されることを示している。また、ウーハ電源をオン状態からオフ状態に切り替えた場合、オン状態からオフ状態に至る過渡状態を経て、切り替えた時点から200msec後にオフ状態になることを示している。次に、映像音声出力装置1が音声信号の遅延時間を設定する動作を説明する。
【0036】
図6は、実施の形態1に係る入力映像信号、出力映像信号、入力音声信号及び遅延音声信号の関係を示すタイミングチャートである。図中(a)は、映像処理部13に入力される入力映像信号を示しており、時点T0は、映像処理部13に映像信号の入力が開始された時点を示す。図中(b)は、映像処理部13から出力される出力映像信号を示しており、図中(c)及び(d)夫々は、音声処理部16に入力される入力音声信号、及び遅延部15により遅延された遅延音声信号を示す。図6に示す如く出力映像信号は、時点T0に対して映像処理部13の処理により遅延時間ΔTdを経過した時点T1から出力開始されている。
【0037】
映像処理装置1のCPU20は、映像処理部13がオンしているIP変換及び動き予測補正等の映像処理に対応する遅延時間を遅延時間表251から読み出して合計値を算出し、遅延時間ΔTdを取得する。例えば、インタレース信号であり、動き予測ベクトルの取得ができない映像信号が入力された場合、IP変換に対応付けられた遅延時間114msecと、通常処理に対応付けられた遅延時間23msecとが遅延時間表251から読み出されて合計値137msecが遅延時間ΔTdとして遅延部15に設定される。次に映像音声出力装置1がコンテンツ種別に応じて音声処理部16に設定してある設定情報を変更する場合に、変更するタイミングを決定する手順について説明する。
【0038】
図7は、実施の形態1に係る設定情報を変更するタイミングを説明するための入力音声信号及び遅延音声信号夫々の関係を示すタイミングチャートである。映像音声出力装置1のCPU20は、種別判別部19が判別したコンテンツ種別に応じて音声処理部16に設定してある設定情報を異なる設定情報に変更する場合、遅延部15に設定してある遅延時間ΔTd及び変更先の機能に対応付けて変更時間表253に記憶してある変更時間ΔTcを読み出す。映像音声出力装置1は、入力されている音声信号から無音信号が検出されるまで待機し、無音信号が検出された場合、計時部24に無音信号が検出された時点からの経過時間ΔTsを計時開始させ、無音信号が検出されている期間、計時を継続させる。図7(a)に示す例では、入力音声信号から無音信号が時点T2において検出され、経過時間ΔTsが計時開始されている。
【0039】
CPU20は、計時部24が計時している経過時間ΔTsが変更時間ΔTcよりも長いか否かを判定し(第1判定手段)、経過時間ΔTsが変更時間ΔTcよりも長いと判定されるまで待機する。図7(b)に示す如く経過時間ΔTsが変更時間ΔTcよりも長い場合、遅延音声信号が無音信号となる時点T3から経過時間ΔTsを経過する時点T6までの無音期間内に、設定情報を変更することが可能となる。さらに、CPU20は、遅延時間ΔTdが変更時間ΔTcよりも長いか否かを判定する(第2判定手段)。CPU20は、遅延時間ΔTdが変更時間ΔTcよりも長いと判定した場合、設定情報を変更するタイミングとして決定し、音声処理部16に変更先の設定情報を設定して音声信号を変更開始させる。
【0040】
図7に示す例では、時点T4で遅延時間ΔTdが変更時間ΔTcよりも長いと判定され、時点T4において音声処理部16に変更先の設定情報が設定される。この場合、遅延音声信号が無音信号となった時点で変更先の設定情報が設定されて、遅延音声信号の無音期間内である時点T3から時点T6までに変更時間Tcを有する処理の変更を完了する。これにより、無音期間内で異なる設定情報に基づいた処理の変更が実行されるため、遅延音声信号にボツ音が発生することない。従って、音声処理部16に音声処理部16に入力される。次に、変更するタイミングを決定する手順の他の例について説明する。
【0041】
CPU20は、計時部24が計時している経過時間ΔTsが遅延部15に設定してある遅延時間ΔTdよりも長いか否かを判定し(第1判定手段)、経過時間ΔTsが遅延時間ΔTdよりも長いと判定されるまで待機する。図7(b)に示す如く遅延音声信号が無音信号となる時点T3において、遅延音声信号は時点T2に対して遅延時間ΔTd分を遅延しており、時点T3以降は、遅延音声信号が無音信号となる期間内となる。CPU20は、遅延時間ΔTdが変更時間ΔTcよりも長いか否かを判定する(第2判定手段)。CPU20は、遅延時間ΔTdが変更時間ΔTcよりも長いと判定した時点を、設定情報を変更するタイミングとして決定し、音声処理部16に変更先の設定情報を設定して音声信号を変更開始させる。
【0042】
図7に示す例では、時点T4で遅延時間ΔTdが変更時間ΔTcよりも長いと判定され、時点T4において音声処理部16に変更先の設定情報が設定される。この場合、変更先の設定情報が設定されて、新たに設定された設定情報に基づいて処理の変更を音声処理部16は、遅延音声信号の無音期間内である時点T3から時点T6までに変更時間Tcを有する処理の変更を完了する。これにより、無音期間内で異なる設定情報に基づいた処理の変更が開始されて完了するため、遅延音声信号にボツ音が発生することない。従って、音声処理部16に入力される。
【0043】
例えば、遅延部15に設定した遅延時間ΔTdが137msecであり、音声処理部16の設定情報を変更する場合、無音信号を検出した時点からの経過時間ΔTsが137msecを超えるまで待機する。設定情報の変更が人声強調機能をオフ状態からオン状態への切替である場合、図5に示す例では人声強調機能に対応する変更時間ΔTcとして1msecが読み出される。遅延時間ΔTd(137msec)は、変更時間ΔTc(1msec)よりも長いため、経過時間ΔTsが137msecを超えた時点において人声強調機能がオフ状態からオン状態へ切替開始される。
【0044】
また、例えば、設定情報の変更がウーハ電源のオン状態からオフ状態への切り替えである場合、ウーハ電源に対応する変更時間ΔTcとして200msecが読み出される。この場合、遅延時間ΔTd(137msec)が変更時間Tc(200msec)よりも短く、経過時間ΔTsが137msecを超えた時点であっても、遅延音声信号の無音期間内にウーハ電源の切り替えが完了しないため、オン状態からオフ状態へ切替開始されない。
【0045】
図8は、実施の形態1に係る遅延時間設定処理の手順を示すフローチャートである。遅延時間設定処理は、映像処理部13に映像信号が入力された場合、CPU20により実行するようにしてある。CPU20は、映像処理部13によるIP変換機能及び動き予測補正のうち、オンにされた映像処理に対応する遅延時間を遅延時間表251から読み出す(ステップS11)。CPU20は、映像処理部13による通常処理に対応する遅延時間を遅延時間表251から読み出す(ステップS12)。CPU20は、読み出した遅延時間の合計を算出し(ステップS13)、合計値からなる遅延時間ΔTdを遅延部15に設定する(ステップS14)。
【0046】
CPU20は、入力部11に映像信号が入力されているか否かを判定する(ステップS15)。CPU20は、映像信号が入力されていると判定した場合(ステップS15でYES)、オンされた映像処理に対応する遅延時間を読み出すステップS11に処理を戻す。CPU20は、映像信号が入力されていないと判定した場合(ステップS15でNO)、遅延時間設定処理を終了する。
【0047】
図9は、実施の形態1に係る無音期間計時処理の手順を示すフローチャートである。計時処理は、音量検出部18に音声信号が入力された場合、CPU20により実行するようにしてある。CPU20は、音量検出部18が検出した音量を取得する(ステップS21)。CPU20は、取得した音量が所定値未満であるか否かを判定する(ステップS22)。CPU20は、音量が所定値未満であると判定した場合(ステップS22でYES)、計時部24が計時中であるか否かを判定する(ステップS23)。CPU20は、計時部24が計時中でないと判定した場合(ステップS23でNO)、計時部24に計時開始させる(ステップS24)。
【0048】
CPU20は、音量検出部18に音声信号が入力されているか否かを判定する(ステップS25)。CPU20は、音声信号が入力されていると判定した場合(ステップS25でYES)、音量検出部18が検出した音量を取得するステップS21に処理を戻す。CPU20は、音声信号が入力されていないと判定した場合(ステップS25でNO)、無音期間計時処理を終了する。CPU20は、計時部24が計時中であるか否かを判定するステップS23において、計時部24が計時中であると判定した場合(ステップS23でYES)、音量検出部18に音声信号が入力されているか否かを判定するステップS25に処理を移す。CPU20は、取得した音量が所定値未満であるか否かを判定するステップS22において、音量が所定値未満でないと判定した場合(ステップS22でNO)、計時部24が計時中であるか否かを判定する(ステップS26)。
【0049】
CPU20は、計時部24が計時中であると判定した場合(ステップS26でYES)、計時部24に計時を停止させる(ステップS27)。CPU20は、計時部24の計時時間をクリアし(ステップS28)、音量検出部18が検出した音量を取得するステップS21に処理を戻す。CPU20は、計時部24が計時中であるか否かを判定するステップS26において、計時中でないと判定した場合(ステップS26でNO)、音量検出部18が検出した音量を取得するステップS21に処理を戻す。
【0050】
図10は、実施の形態1に係る音声切替処理の手順を示すフローチャートである。音声切替処理は、種別判別部19に映像信号が入力された場合、CPU20により実行される。CPU20は、種別判別部19が判別したコンテンツ種別を取得する(ステップS41)。CPU20は、コンテンツ種別に対応する設定情報を音声設定表252から読み出し(ステップS42)、音声処理部16に設定してある設定情報を取得する(ステップS43)。CPU20は、音声設定表252から読み出した設定情報が、音声処理部16に設定してある設定情報と異なる設定情報であるか否かを判定する(ステップS44)。CPU20は、異なる音声設定情報でないと判定した場合(ステップS44でNO)、コンテンツ種別を取得するステップS41に処理を戻す。
【0051】
CPU20は、異なる設定情報であると判定した場合(ステップS44でYES)、後述の音声変更処理を実行する(ステップS45)。CPU20は、種別判別部19に映像信号が入力されているか否かを判定し(ステップS46)、映像信号が入力されていると判定した場合(ステップS46でYES)、コンテンツ種別を取得するステップS41に処理を戻す。CPU20は、映像信号が入力されていないと判定した場合(ステップS46でNO)、音声切替処理を終了する。
【0052】
図11は、実施の形態1に係る音声変更処理の手順を示すフローチャートである。CPU20は、遅延部15に設定してある遅延時間ΔTdを取得する(ステップS51)。CPU20は、計時部24が計時中であるか否かを判定し(ステップS52)、計時中でないと判定した場合(ステップS52でNO)、遅延時間を取得するステップS51に処理を戻す。CPU20は、計時中であると判定した場合(ステップS52でYES)、計時部24が計時している経過時間ΔTsを取得し(ステップS53)、変更時間表253から変更先の設定情報に対応する変更時間ΔTcを読み出す(ステップS54)。CPU20は、経過時間ΔTsが遅延時間ΔTdよりも長いか否かを判定する(ステップS55)。CPU20は、経過時間ΔTsが遅延時間ΔTdよりも長いと判定した場合(ステップS55でYES)、遅延時間ΔTdが変更時間ΔTcよりも長いか否かを判定する(ステップS56)。
【0053】
CPU20は、遅延時間ΔTdが変更時間ΔTcよりも長いと判定した場合(ステップS56でYES)、音声処理部16に変更先の設定情報を設定することにより、設定情報を変更し(ステップS57)、音声変更処理を終了する。CPU20は、経過時間ΔTsが遅延時間ΔTdよりも長いか否かを判定するステップS55において、経過時間ΔTsが遅延時間ΔTdよりも長くないと判定した場合(ステップS55でNO)、遅延時間ΔTdを取得するステップS51に処理を戻す。CPU20は、遅延時間ΔTdが変更時間ΔTcよりも長いか否かを判定するステップS56において、遅延時間ΔTdが変更時間ΔTcよりも長くないと判定した場合(ステップS56でNO)、遅延時間ΔTdを取得するステップS51に処理を戻す。
【0054】
図11に示した音声変更処理のステップS55を、CPU20により経過時間ΔTsが変更時間ΔTcよりも長いか否かを判定するように置き換えてもよい。この場合、CPU20により経過時間ΔTsが変更時間ΔTcよりも長いと判定しなかった場合、遅延時間ΔTdを取得するステップS51に処理を移動し、経過時間ΔTsが変更時間ΔTcよりも長いと判定した場合、設定情報を変更するステップS57に処理を移すようにするとよい。
【0055】
遅延時間表251は、各映像処理により遅延する映像信号の遅延時間夫々が記憶してある場合を示したが、これに限るものではなく、映像処理部13から出力される映像信号及び音声処理部16から出力される音声信号の同期ずれを実験的に求めて音声処理部16による処理等の他の処理による遅延分を含んだ遅延時間を記憶させるようにしてもよい。また、遅延時間ΔTdを遅延時間表251から読み出して遅延部15に設定する場合を示したが、これに限るものではなく映像信号及び音声信号夫々に含まれる同期信号に基づいて遅延時間ΔTdを決定し、遅延部15に設定するようにしてもよい。
【0056】
周波数特性変更部162により音声信号の周波数特性を変更することにより低音を強調する低音強調機能を示したが、これに限るものではなく、音声信号から生成した倍音信号を当該音声信号に重畳させて出力することにより、低音を強調してもよい。また、音声処理部16に設定される設定情報は、各機能のオン・オフ状態からなる場合に限るものではなく、周波数特性変更部162による変更先の周波数特性及び音量変更部161による変更先の音量等の音声処理部16で実行される処理で用いられるパラメータからなるものでもよい。
【0057】
実施の形態2
図12は、実施の形態2に係る映像音声出力装置の内部構成を示すブロック図である。本実施の形態2は、実施の形態1がROMに記憶してあるコンピュータプログラムを読み出して実行するのに対し、書き換え可能なEEPROM( Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory )に記録してあるコンピュータプログラムを読み出して実行するようにしてある。図中5は、映像音声出力装置であり、CPU20にバス20aを介して接続されたフラッシュメモリ等からなるEEPROM51及び記録媒体読込部52を備える。
【0058】
映像音声出力装置5は、記録媒体読込部52に挿入されたCD( Compact Disk )−ROM又はDVD( Digital Versatile Disk )−ROM等の記録媒体520からコンピュータプログラム521を読み込んでEEPROM51に記憶するようにしてある。CPU20は、EEPROM51から読み出された本発明のコンピュータプログラム521に従って、映像音声出力装置5に必要な処理を実行する構成となっている。
【0059】
コンピュータプログラム521は、音声信号から無音信号を検出した時点からの経過時間ΔTsが変更時間表253から読み出した変更先の設定情報に対応する変更時間ΔTcよりも長いか否かを判定する(第1判定ステップ)。コンピュータプログラム521は、遅延部15に設定してある遅延時間ΔTdが、遅延時間ΔTdが変更時間ΔTcよりも長いか否かを判定する(第2判定ステップ)。コンピュータプログラム521は、経過時間ΔTsが変更時間ΔTcよりも長いと判定し、かつ遅延時間ΔTdが変更時間ΔTcよりも長いと判定した場合、音声処理部16に設定してある設定情報を変更先の設定情報に変更させる(変更ステップ)。
【0060】
本発明に係るコンピュータプログラム521は、記録媒体520から読み出してEEPROM51に記憶される場合に限るものではなく、工場出荷時にコンピュータプログラム521を記憶したEEPROM51を映像音声出力装置5内部に装着してもよい。また、コンピュータプログラム521は、DSPからなる映像音声出力装置が実行するファームウェアとして、DSPが内蔵するROMに記憶させておいてもよい。
【0061】
本実施の形態2は以上の如き構成としてあり、その他の構成、作用及び処理は実施の形態1と同様であるので対応する部分には同一の符号及び処理名を付してその詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施の形態1に係る映像音声出力装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る映像処理部及び音声処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る遅延時間表のレコードレイアウト例を示す図表である。
【図4】実施の形態1に係る音声設定表のレコードレイアウト例を示す図表である。
【図5】実施の形態1に係る変更時間表のレコードレイアウト例を示す図表である。
【図6】実施の形態1に係る入力映像信号、出力映像信号、入力音声信号及び遅延音声信号の関係を示すタイミングチャートである。
【図7】実施の形態1に係る設定情報を変更するタイミングを説明するための入力音声信号及び遅延音声信号夫々の関係を示すタイミングチャートである。
【図8】実施の形態1に係る遅延時間設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1に係る無音期間計時処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態1に係る音声切替処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1に係る音声変更処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態2に係る映像音声出力装置の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0063】
1,5 映像音声出力装置
3 表示装置
4a スピーカ
4b ウーハ
11 入力部
12 分離部
13 映像処理部
14 映像出力部
15 遅延部
16 音声処理部
17a,17b 音声出力部
18 音量検出部
19 種別判別部
20 CPU
20a バス
21 操作受付部
22 ROM
23 RAM
24 計時部
25 記憶部
51 EEPROM
52 記録媒体読込部
251 遅延時間表
252 音声設定表
253 変更時間表
520 記録媒体
521 コンピュータプログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号及び該映像信号に同期した音声信号を受付ける入力手段と、受付けた映像信号を表示すべき映像に応じて処理する映像処理手段と、前記音声信号を遅延させて前記映像処理手段により処理した前記映像信号に同期させる遅延手段とを備え、処理した前記映像信号及び該映像信号に同期した音声信号を出力する映像音声出力装置において、
設定情報に基づいて前記入力手段が受付けた音声信号を処理する音声処理手段と、
前記設定情報を異なる設定情報へ変更する変更手段と、
該変更手段による変更に応じて前記音声処理手段が処理の変更に要する変更時間を取得する取得手段と、
前記入力手段が受付けた音声信号に含まれる無音信号を検出する検出手段と、
該検出手段が無音信号を検出している期間、無音信号を検出した時点からの経過時間を計時する計時手段と、
前記計時手段が計時した前記経過時間が前記取得手段により取得した変更時間よりも長いか否かを判定する第1判定手段と、
前記遅延手段により遅延された遅延時間が前記取得手段により取得した変更時間よりも長いか否かを判定する第2判定手段と
を備え、
前記変更手段は、前記第1判定手段により前記経過時間が前記変更時間よりも長いと判定され、かつ前記第2判定手段により前記遅延時間が前記変更時間よりも長いと判定された場合、前記異なる設定情報へ変更するよう構成してある
ことを特徴とする映像音声出力装置。
【請求項2】
映像信号及び該映像信号に同期した音声信号を受付ける入力手段と、受付けた映像信号を表示すべき映像に応じて処理する映像処理手段と、前記音声信号を遅延させて前記映像処理手段により処理した前記映像信号に同期させる遅延手段とを備え、処理した前記映像信号及び該映像信号に同期した音声信号を出力する映像音声出力装置において、
設定情報に基づいて前記入力手段が受付けた音声信号を処理する音声処理手段と、
前記設定情報を異なる設定情報へ変更する変更手段と、
該変更手段による変更に応じて前記音声処理手段が処理の変更に要する変更時間を取得する取得手段と、
前記入力手段が受付けた音声信号に含まれる無音信号を検出する検出手段と、
該検出手段が無音信号を検出している期間、無音信号を検出した時点からの経過時間を計時する計時手段と、
前記計時手段が計時した前記経過時間が前記遅延手段により遅延された音声信号の遅延時間よりも長いか否かを判定する第1判定手段と、
前記遅延時間が前記取得手段により取得した変更時間よりも長いか否かを判定する第2判定手段と
を備え、
前記変更手段は、前記第1判定手段により前記経過時間が前記遅延時間よりも長いと判定され、かつ前記第2判定手段により前記遅延時間が前記変更時間よりも長いと判定された時点以降に前記異なる設定情報へ変更するよう構成してある
ことを特徴とする映像音声出力装置。
【請求項3】
複数の設定情報夫々を複数の変更時間に関連付けて記憶してある記憶手段を備え、
前記変更手段は、前記記憶手段に記憶してある複数の設定情報から選択した設定情報へ変更するよう構成してあり、
前記取得手段は、前記変更手段が選択した設定情報に関連付けて前記記憶手段に記憶してある変更時間を読み出すよう構成してある
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の映像音声出力装置。
【請求項4】
前記映像信号は、映像コンテンツの種別を示す付加情報を含んでおり、
前記変更手段は、前記付加情報に応じて前記設定情報を変更するよう構成してある
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の映像音声出力装置。
【請求項5】
前記音声処理手段は、前記音声信号の周波数特性及び/又は音量を変更する処理を行うよう構成してあることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の映像音声出力装置。
【請求項6】
前記音声処理手段が前記音声信号の低周波成分を除去するよう変更した場合、低周波成分を放音するためのスピーカの駆動をオフにするオフ手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の映像音声出力装置。
【請求項7】
設定情報に基づいて処理した音声信号を遅延させ、映像信号に同期させて前記映像信号と共に出力する映像音声出力装置が備えるコンピュータに前記設定情報を異なる設定情報へ変更させるコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記音声信号に含まれる無音期間が、前記異なる設定情報への変更に応じて前記音声信号に対する処理の変更に要する変更時間よりも長いか否かを判定する第1判定ステップと、
前記設定情報に基づき音声信号を遅延させた遅延時間が、前記変更時間よりも長いか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第1判定ステップにより前記無音期間が前記変更時間よりも長いと判定し、かつ前記第2判定ステップにより前記遅延時間が前記変更時間よりも長いと判定した場合、前記異なる設定情報へ変更する変更ステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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