説明

映像音声記録再生装置および映像音声記録再生方法

【課題】 従来の映像記録再生装置においては、サムネイル画像などのAVストリームの特徴を示すメタデータを、処理能力が低いCPUで、録画処理と並行して生成することができなかった。
【解決手段】 映像音声の記録時に、記録する映像音声ストリームからキーフレームを一時的に記録しておき、後にこの一時記録しておいたキーフレームからメタデータを生成することによって、比較的処理能力の低いCPUやシステム構成を用いた映像音声記録再生装置においても、録画動作と並行してメタデータの生成を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像音声信号を記録するとともに、再生時や編集時に再生すべきシーンや編集すべきシーンをユーザーが決定することを補助するメタデータを自動生成する映像音声再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の映像記録再生装置においては、ユーザーが視聴しようする映像および映像の中のシーンや内容を予め知ることができず、実際に再生や早送り等を行うことによって、見たいシーンを見つけなければならなかった。
【0003】
このような問題を解消するため、映像音声再生装置において、EPG(Electric Program Guide)を用いて、ユーザーが見たい映像番組のタイトルや内容を予め提示することによって、映像自身を視聴することなく、見る番組を選択することができるようになっている。また、再生する番組の中のシーンを代表画像として表示する技術が提案されている。例えば、録画中に録画対象となるストリームの符号化パラメータを検出することによって、サムネイル画像の生成を行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。また、デジタル放送の番組内のシーン変化を自動検出し、頭だし位置を特定するものがある(例えば、特許文献2参照)。さらに、録画中の符号化ストリームを抽出し、シーン変化点を自動で検出できるものもある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−177804号広報(第3頁、図3)
【特許文献2】特開2000−224522号公報(第3〜4頁、図1〜2)
【特許文献3】特開2007−49516号公報(第7頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の映像記録再生装置においては、処理能力が低いCPUで、サムネイル画像などのAVストリームの特徴を示すメタデータを録画処理と並行して生成することができなかった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、比較的処理能力の低いCPUやシステム構成を用いた映像音声記録再生装置においても、録画する映像音声コンテンツのサムネイル画像などのメタデータを、録画実行中に作成可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る映像音声記録再生装置は、映像音声データを記録する映像音声記録手段と、前記映像音声データからキーフレームを抽出するキーフレーム抽出手段と、前記映像音声データが記録されている間、前記キーフレーム抽出手段が抽出した前記キーフレームを記録しておくキーフレーム一時記録手段と、前記一時記録手段に対して前記キーフレームの記録および読出を行うキーフレーム記録読出手段と、前記キーフレーム一時記録手段に記録されている前記キーフレームからメタデータを生成するメタデータ生成手段とを有するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の映像音声再生装置は、上記のようにキーフレーム一時記録手段を備え、これに対してキーフレームの記録および読出を行う構成としたので、比較的処理能力の低いCPUやシステムにおいても、録画する映像音声コンテンツのサムネイル画像などのメタデータを、録画実行中に作成する可能とすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1における映像音声記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるサムネイル選択操作における表示画面の一例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1におけるAVストリームと抽出と一時蓄積されるキーフレームの関係を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1におけるキーフレームのファイル上の位置を示すキーフレームファイルテーブルのデータ内容を説明する図である。
【図5】この発明の実施の形態1において、メタデータとしてJPEGサムネイルを生成する構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態1において、入力ストリーム制御部から読出したキーフレームからメタデータを抽出する構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態1において、AVストリーム記録部からキーフレームを読出し、メタデータを抽出する構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態1において、キーフレーム一時記録部に一時的に記録したキーフレームからメタデータを抽出する構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態1におけるAVバッファと入力ストリーム制御部との関係を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1におけるAVバッファに入力されるGOPデータとその上書きを説明する図である。
【図11】この発明の実施の形態1におけるAVバッファに入出力される各GOPデータと処理時間の制約条件を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態1におけるキーフレーム抽出処理とメタデータの生成を説明するシーケンス図である。
【図13】この発明の実施の形態1におけるメタデータ抽出処理の動作フローを示すフォローチャート図である。
【図14】この発明の実施の形態1におけるキーフレーム抽出に要するシステム負荷を説明する図である。
【図15】この発明の実施の形態1における録画開始を説明するシーケンス図である。
【図16】この発明の実施の形態1における録画中のキーフレーム抽出処理およびメタデータ抽出処理を説明するシーケンス図である。
【図17】この発明の実施の形態1における録画終了を説明するシーケンス図である。
【図18】この発明の実施の形態2における映像音声記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図19】この発明の実施の形態2における録画中のキーフレーム抽出処理およびメタデータ抽出処理を説明するシーケンス図である。
【図20】この発明の実施の形態2におけるシーンチェンジとチャプターの関係を示す図である。
【図21】この発明の実施の形態3における映像音声記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に関る映像音声記録再生装置100の構成を示すブロック図である。映像音声記録再生装置100は、外部機器とのインターフェースとして、デジタルチューナー3、アナログチューナー4、外部入力端子5、モニター出力端子8、ネットワーク端子7を有する。デジタルチューナー3およびアナログチューナー4は、アンテナ91に接続され、デジタル放送およびアナログ放送を受信することができる。外部入力端子5は、主に、アナログ入力と呼ばれるコンポジット入力、Sビデオ入力、LR音声入力等に対応する。モニター出力端子8にはモニター93が接続され、映像音声記録再生装置100が生成する映像および音声信号を表示出力することが可能である。また、映像音声記録再生装置100は、装置を遠隔操作するためのリモコン94から送信される赤外線を使って送られるリモコンコードを受信するリモコン受信部6を備え、受信したリモコンコードをシステム制御部2に送信する。
【0011】
システム制御部2は、ユーザーの要求に基づくリモコン94の制御信号に応じて映像音声記録再生装置100を制御する。システム制御部2は、ユーザーから録画の要求がなされると、録画制御部10が、録画の開始、終了および録画中の記録動作を管理する。
【0012】
図1を参照し、映像音声記録再生装置100における、デジタル放送の録画機能について説明する。デジタルチューナー3で受信されたデジタル放送は、フルTS(Transport Stream)として入力ストリーム制御部14に送られる。入力ストリーム制御部14は、AVストリーム記録部16に映像音声データであるAVストリームを安定的に記録するために、データを一時的に蓄えて、AVストリーム記録部16に定常的に書き込む処理を行う。
【0013】
また、入力ストリーム制御部14は、フルTSから記録する必要のないパケット等を省いたパーシャルTS化の機能も有する。また、TSのPIDやセクション情報の検出処理を行うほか、記録されるビデオストリーム中のGOP(Group Of Picture)の開始位置の検出やキーフレームであるIピクチャの位置およびサイズの検出等も行う。AVストリーム記録部16は、HDD(Hard Disc Drive)等により構成される。
【0014】
AVストリーム記録部16にAVストリームを記録する場合、再生時におけるシーン検索性の向上、特殊再生時における任意時間へのランダムシークを実現するため、AVストリーム記録部16に記録されるAVストリームのアドレス情報と時間情報とを対応付けたアドレスマップが必要となる。録画制御部10は、録画時に、入力ストリーム制御部14により検出されるGOP開始位置情報に基づいてアドレスマップを生成し、AVストリーム記録部16に記録する。さらに、AVストリーム記録部16は、前述のアドレスマップを記録するほか、記録された番組のタイトル、記録開始時間、記録終了時間、放送サービス名、チャンネル番号、映像コーデック情報、音声コーデック情報、番組詳細情報等が含まれる再生制御情報を記録する。
【0015】
次に、アナログ放送、および外部から入力された映像信号の録画機能について説明する。アンテナ91で受信されたアナログ放送は、アナログチューナー4によってユーザーが指定されたチャンネルの信号のみが取り出される。アナログチューナー4により取り出された信号は、映像信号化され、図示しないAD/DAコンバーターによってデジタル信号化された後、AVエンコーダ12に入力される。AVエンコーダ12は、映像信号をMPEG−2ビデオに符号化するとともに、音声信号をAACにより符号化し、符号化した映像および音声信号をMPEG−2 Transport Streamに多重し、AVストリームを生成する。AVストリームは入力ストリーム制御部14に送られ、AVストリーム記録部16に記録される。外部入力端子5から入力された映像音声信号についても同様に、AD/DA変換された後に、AVエンコーダ12によってAVストリームに変換され、AVストリーム記録部16に記録される。
【0016】
図1を参照し、映像音声記録再生装置100における再生機能について説明する。ユーザーがリモコン94に設けられた「録画タイトル一覧」ボタンを押下すると、録画された番組タイトルの全て、あるいは一部が画面上に表示される。ユーザーはリモコン94に設けられた上下左右のカーソルキーによって希望するタイトルにカーソルを移動させ、「決定」ボタンを押下することで再生するタイトルを選択する。選択されたタイトルは、リモコン94から赤外線信号としてリモコン受信部6に送信され、ソフトウェアコードに変換された後、システム制御部2に送られ、画面が更新される。また、再生待機状態もしくは録画状態でない場合、これらのコードは再生制御部11に送られ、対応する再生動作機能が呼び出され、再生状態が変更される。以下、具体的な再生動作について説明する。
【0017】
ユーザーが再生タイトルを決定すると、再生制御部11は、指定タイトルに関する再生制御情報をAVストリーム記録部16から読み出し、図示しないRAM上に入力する。再生制御部11は、再生制御情報のうちアドレスマップを用いて、次に再生すべきストリームの再生開始時点に対応するアドレス情報を読み出し、そのアドレスのAVストリームをAVストリーム記録部16から読み出し、出力ストリーム制御部15に送られる。AVデコーダ13は、出力ストリーム制御部15から転送されたAVストリームをその転送順にデコードし、モニター出力端子8からモニター93に出力する。
【0018】
出力ストリーム制御部15は、AVデコーダ13がアンダーフローおよびオーバーフローを生じて映像及び音声が途切れないようにするため、映像音声データのデコードを継続できるよう、AVストリーム記録部16に記録されたAVストリームを読み出す。このとき、出力ストリーム制御部15は、H/WのアシストであるDMA(Direct Memory Access)転送機能を利用してAVデコーダに転送を行う。
【0019】
次に、映像音声記録再生装置100におけるキーフレーム抽出動作について説明する。キーフレームは、AVストリーム記録部16に転送されるAVストリームを入力ストリーム制御部14上で抽出を行う。例えば5秒毎にAVストリームからキーフレームを抽出する場合を例にとって具体的に説明する。録画制御部10が5秒単位の周期を検出すると、キーフレーム抽出制御部30に対してキーフレーム抽出の指示を出す。キーフレーム抽出制御部30は、キーフレーム抽出部31に対して、指定時刻のキーフレームを抽出するように指示を行う。
【0020】
キーフレーム抽出部31は、入力ストリーム制御部14に存在するAVストリームから指定された時刻におけるキーフレームを探し出し、そのビットストリームをキーフレーム記録読出部31に送る。もし、AVストリームがMPEG−2のストリームであれば、MPEG−2のIピクチャを取得する。キーフレーム記録読出部31は、抽出されたキーフレームをキーフレーム記録管理部34内のキーフレーム一時記録部33に保存する。
【0021】
次に、メタデータ抽出について説明する。ここでメタデータの抽出は、録画中、もしくは録画終了処理中に行われるものとする。具体的な状況としては、録画実行中に、図示しないがCM検出機構によってCM区間の検出が行われた場合や、映像のシーンチェンジが検出された場合、音声信号に特徴的な音声が検出された場合に、メタデータの作成を行うものとする。ここでは図示しないCM検出機構によってCMの終了時刻が検出され、その時刻におけるサムネイル画像を生成する場合を例にとって説明する。
【0022】
CM検出機構から録画制御部10に入力されたCM検出信号を元に、録画制御部10はメタデータ生成制御部18に対してメタデータ生成の指示を出す。メタデータ生成制御部18は、メタデータ生成部20に対して、所定時刻のメタデータであるサムネイル生成を指示する。メタデータ生成部20は、キーフレーム記録読出部32に対応するキーフレームデータの読出しを要求する。キーフレーム記録読出部32は、キーフレーム一時記録部33に記録されているキーフレームデータから、対応するキーフレームのデータを抽出し、メタデータ生成部20に送る。
【0023】
もし、対応するキーフレームが存在しなければ前後のキーフレームのデータを抽出し、メタデータ生成部20に送る。メタデータ生成部20は、読み出されたキーフレームから、メタデータであるサムネイル画像を生成する。もしキーフレームがMPEG−2のIピクチャであれば、メタデータ生成部20は、MPEG−2をデコードする機能と、さらにサムネイル画像として表示可能なフォーマットであるビットマップに整形する処理も行う。生成されたビットマップフォーマットのサムネイル画像であるメタデータは、メタデータ記録読出部21によって、メタデータ記録部22に保存される。
【0024】
次に、映像音声記録再生装置100において、メタデータであるサムネイル情報を用いて任意のシーンを再生する方法について説明する。図2は、モニター93にAVストリームの再生映像と画像が重畳された状態を示している。サムネイル画像は、メタデータ記録部22に保存されているサムネイル情報を、メタデータ記録読出部21を経由して読み出し、メタデータ表示部23において画像化された後、グラフィックス重畳24で再生映像に重畳され、モニター93に表示される。
【0025】
ユーザーが所望のタイトルを選択すると、再生制御部11は、選択されたタイトルの再生を開始する。再生制御部11は、AVストリーム記録部16からAVストリームを出力ストリーム制御部15に読み出す。出力ストリーム制御部15に読み出されたAVストリームは、AVデコーダ13によってデコードされ、モニター93に表示される。
【0026】
ユーザーが、図2で示すようなユーザーインターフェースを起動するためのリモコン94に設けられた専用ボタンを押下すると、再生制御部11がメタデータ出力制御部19に対して、再生されるタイトルと、再生映像の経過時間情報を伝える。メタデータ出力制御部19は、経過時間とその前後各2枚の合計5枚のサムネイルをメタデータ記録読出部21を経由してメタデータ記録部22から読み出す。メタデータ出力制御部19は、サムネイルデータからサムネイル画像を生成するとともに、サムネイルの選択枠28を生成しメタデータ表示部23に出力する。メタデータ表示部23は、サムネイルのメタデータを画像として展開し、選択枠とともにグラフィックス重畳24に出力する。
【0027】
上記処理により、図2に示すように、現在のシーンに対応するサムネイル(Scene17)とその前後各2枚の合計5枚のサムネイルが表示される。サムネイルが表示された初期状態においては、リモコン選択枠は、現在再生中のシーンに合わせて表示される。ここでは、シーン17を再生しているためScene17のサムネイルに対してリモコン選択枠28が表示される。ユーザーはリモコン94の左右キーを使ってリモコン選択枠28を左右に移動させ、所望のシーンを選択することができる。サムネイル選択枠28は、このリモコン動作に連動して、左右に移動する選択枠の生成を行う。
【0028】
さらに、リモコン選択枠28が画面の右もしくは左端に到達した状態でさらに左右のカーソルキーを押下すると、表示されているサムネイル全体が、押下されたカーソルキーと反対の方向に移動することによって、現在表示されていないシーンのサムネイルが表示される。ユーザーが、所望のサムネイルにカーソルを合わせ、「決定」キーを押下すると、再生制御部11に対して再生しているコンテンツの再生状態を一時停止させる。
【0029】
さらに、再生制御部11は、ユーザーが選択したシーンの開始位置を示すエントリー情報に基づいて、シーンのエントリー情報によって指定される時間から再生を再開するよう指示を行う。再生制御部11は、AVストリーム記録部16に記録されているアドレスマップ情報を用いて、エントリーの時間情報をAVストリームのアドレス情報に変換し、出力ストリーム制御部15に送る。
【0030】
出力ストリーム制御部15は、再生制御部11からのアドレス情報に基づいて、選択されたシーンのAVストリームのデータをAVストリーム記録部16から読出し、AVデコーダ13に出力する。AVデコーダ13は、出力ストリーム制御部15からのAVストリームのデータをデコードする。これにより、ユーザーが選択したサムネイルに対応するシーンの再生が可能となる。
【0031】
図3は、AVストリームの具体的な例としてMPEG−2のビットストリームを用いて、抽出元のビットストリームと抽出したキーフレームとの関係を示す。MPEG−2ビットストリームにおける各GOP(Group Of Picture)は、キーフレームとしてIピクチャを有する。ここではIピクチャをKで表示し、ハッチングで示している。なお、Iピクチャは通常、GOPの先頭に配置されることが多い。
【0032】
キーフレーム抽出部31は、入力ストリーム制御部14から各GOPおよびIピクチャのサイズ情報を取得し、Iピクチャのデータを抜き出す。抜き出したキーフレームであるIピクチャをキーフレーム記録管理部34内のキーフレーム記録読出部32を経由して、キーフレーム一時記録部33に保存する。ここでは、キーフレームの保存形態として、各キーフレームを元のビットストリームの並び順に結合して、1つのファイルにしている。このファイルを以降、キーフレームファイルと称する。
【0033】
各キーフレームの実データを1つのファイルとすることによって、キーフレームへのアクセスが、1つのファイルに集中でき、ファイルアクセス時に利用するファイルハンドルの数を「1」にできるという利点と、ファイルが1つであるがゆえに、メモリやシステム負荷の低減を目的としたファイルアクセスの排他制御や、さらにはキーフレームファイルに書き込まれるデータの更新や書換え処理にともなうファイルアクセスの衝突を回避することが可能となる。また、キーフレームファイルを録画終了時に消去する場合、複数のキーフレームファイルに分散している状態に比べ、ひとつのキーフレームファイルにすることによって、削除処理が簡単になり、処理時間が短くなるという利点がある。
【0034】
ここでは、キーフレームを1つのキーフレームファイルとして保存した場合に、各キーフレームのデータにアクセスする場合に使用するキーフレームファイルテーブルの内容を図4に示す。キーフレームファイルは、各キーフレームのデータが、元のビットストリームの順に応じて記録が行われている。キーフレームファイルに最新のキーフレームのデータがキーフレームファイルの終端に追加して記録されると同時に、最新キーフレームの図4に示す情報がキーフレームファイルテーブル情報の最後に追加して記録される。ここでは、キーフレームファイルテーブル情報として、各キーフレームのファイル上のアドレス情報、サイズ情報、およびAVストリームにおける時刻情報が記録されているものとしている。
【0035】
ここでアドレスおよびサイズ情報の単位として、バイト単位ではなく、パック単位で記録している。一般的にMPEG−2ビットストリームの場合、データの転送単位としてパックが用いられる。これは、データのサイズを管理する場合においての利便性や、データを格納するエリアサイズの設計において、処理しやすい単位だからである。ここでは、MPEG−2の基準単位であるパックを用いることとする。ちなみに、MPEG−2ビットストリームで使用されるパックは、Transport Streamであれば、188バイトもしくは192バイト。一方、Progaram Streamであれば2048バイトである。
【0036】
次に、メタデータを生成する場合におけるキーフレームデータの読出しについて説明する。メタデータ生成部20は、図4に示すキーフレームファイルテーブルを参照して、メタデータを生成したいキーフレームのデータ位置とサイズを取得し、キーフレーム一時記録部33に記録されているキーフレームファイルから抽出する。キーフレームファイルテーブルがあることによって、キーフレーム抽出部31は、どんなに前のキーフレームであっても、キーフレームファイルの並び順に関係なく取得することができる。これによって、番組の時間位置に関係なく、メタデータ抽出が可能となる。よって、別途用意されるシーンチェンジ検出機構や、CM検出機構など複数の検出機構から順不同にメタデータ生成の要求があったとしても、対応することができる。
【0037】
次に、メタデータ生成について図5を用いて説明する。キーフレーム抽出部31で抽出されたキーフレームは、キーフレームファイルの形式でキーフレーム管理部34を構成するキーフレーム記録読出部32を経由して、キーフレーム一時記録部33に記録される。
【0038】
ここではメタデータの具体的な生成例としてJPEGサムネイルを生成する場合を説明する。MPEG−2のIピクチャであるキーフレームからJPEGサムネイルを生成するメタデータ生成部20は、以下の要素によって構成される。キーフレームデコーダ41は、MPEG−2のIピクチャの復号処理を行い、Y、Cb、Crの非圧縮画像データに戻す。JPEGエンコーダ42は、Y、Cb、Crフォーマットの画像データをJPEGに圧縮符号化い、さらにJPEGファイルフォーマッタ43がJPEGファイル用のファイルヘッダを付加し、ファイル化を行う。生成されたJPEGファイルは、メタデータ記録読出部21に送られ、メタデータ記録部22に記録される。
【0039】
次に、図6を用いてキーフレーム一時記録部33が存在しない場合にAVストリームからメタデータ生成に至るまでのデータの流れを説明する。ここでは、AVストリームがAVストリーム記録部16に記録される場合において、暗号化部25で暗号化が行われるものとしている。さて、図6で示すように入力ストリーム制御部14からキーフレームを抽出し、直接メタデータ生成部20でメタデータを生成する場合、入力ストリーム制御部14から抽出されたキーフレームはすぐにメタデータに変換され、メタデータ記録部22に保存される。この場合、入力ストリーム制御部14から短いパスでメタデータ記録部22に到達する利点がある。
【0040】
しかしながら、メタデータを生成可能なデータは、入力ストリーム制御部14に接続されたAVバッファ27上に存在する数Mバイト、もしくは数秒のデータのみである点と、AVバッファ27にある時間に存在したデータであっても、数秒後には別のデータに置き換わってしまい、十分な時間をかけてメタデータを生成することができない点が問題である。
【0041】
次に、図7でAVストリーム記録部16からキーフレームを取得する場合について説明する。この例では、AVストリーム記録部16からキーフレームを抽出するため、キーフレーム抽出およびメタデータの生成について時間的制約がほとんどなく、時間を掛けてメタデータ生成が可能である。ところが、一般的に、放送波から取得した映像データを圧縮符号化したAVストリーム、もしくは放送波から直接取り込んだAVストリームをHDD等のAVストリーム記録部16に記録する場合、暗号化部25を用いて暗号化を行う。これによって、ユーザーが勝手にAVストリームが記録されてあるHDDを交換したり、AVストリームをHDDから抜き出し、不正にコピーを行うことを防止している。
【0042】
暗号化されたAVストリームから再生可能なAVストリームに復号化するためには復号化部26が必要である。復号化部26は、AVデコーダ13にAVストリームを供給する出力ストリーム制御部15の前段に設置され、AVデコーダ13は復号化されたいわゆる平文のAVストリームを受け取ることができる。
【0043】
さて、メタデータをAVストリーム記録部16から生成する場合についても、暗号化されているAVストリームの復号処理が必要である。復号化部26は、再生専用に設置されており、共用は不可能なため、メタデータ生成用途用の復号化を行う第2の復号化部29が必要である。メタデータを生成する場合、キーフレーム抽出部31は、AVストリーム記録部16から暗号化されているAVストリーム中の指定された時刻または位置のIピクチャを抽出し、第2の復号化部29で復号化を行い、メタデータ生成部20に送る。メタデータ生成部20は、キーフレームからメタデータを生成し、メタデータ記録読出部21を経由して、メタデータ記録部22に書き込みを行う。
【0044】
この場合、AVストリーム記録部16に対して、記録、再生、メタデータ抽出の各機能が同時に読み書きをおこなうため、動作遅延の弊害が発生したり、記録映像もしくは再生画像が乱れる等の悪影響を与える可能性がある。また、H/Wの構成上、第2の復号化部29が用意できない、もしくは、コスト増になるという問題がある。
【0045】
そこで、図8に示すように入力ストリーム制御部14からキーフレームのみを抽出し、キーフレーム一時記録部33に保存し、メタデータ生成部20がメタデータを生成する時に、所望のキーフレームをキーフレーム一時記録部33から読み出す構成にする。この場合、入力ストリーム制御部14から取得するキーフレームは暗号化がかかっていないので、別途復号化部を用意する必要がない。また、キーフレーム一時記録部33に、少なくとも録画中の番組の、現在の録画経過時間までのキーフレームが記録されているので、所望の時間に対応したメタデータの生成が任意のタイミングで可能である。
【0046】
次に、メタデータを録画動作と並行して生成する場合における問題点を図9で説明する。図9はキーフレーム一時記録部33が存在しない場合を示している。この場合は、入力ストリーム制御部14に接続されたAVバッファ27からキーフレームを直接抽出して、メタデータ生成部20でメタデータを生成し、メタデータ記録読出部でメタデータを記録する。ここで、AVバッファにビットストリームが書き込まれ、HDD等のAVストリーム記録部16に転送される。
【0047】
AVバッファに対してビットストリームが順次書込まれる状態を図10に模式化して示す。ここでAVストリームはMPEG−2とし、GOP単位で処理されるものと仮定する。デジタルチューナーやAVエンコーダから出力された各GOPは、AVバッファ27上に時間順に記録されていく。ここではGOPn、GOPn+1、GOPn+2、・・・のようにAVバッファに順次記録されていくものとする。録画が継続され、AVバッファ27の残容量がなくなったGOPn+4のところでGOPn+1の位置にGOPn+4が上書きされ、以降、時間順に古いデータから上書きが行われていく。
【0048】
HDD等への転送は当該GOPに対して、別のGOPデータの上書きが行われるまでに実行されなければならないことは当然であるが、AVバッファ上でAVストリームの解析を行う場合は、現在解析しているデータが、新しいデータによって書き換えられてしまうことに留意して行わなければならず、時間的な制約が非常に厳しい。
【0049】
次に、メタデータを生成するに当たっての制約について図11を用いて説明する。AVバッファに対するGOPの書込み処理と、HDDへの転送処理が継続して行われる点に注目すると、メタデータを実時間で処理可能な条件として、各GOPの記録処理にかかる時間と、当該GOPに割り当てられたメタデータの生成時間の和が、GOPの再生時間以下になる必要がある。
【0050】
このメタデータの生成は、JPEGサムネイルの生成を例にとると、MPEG−2のデコードとJPEGのエンコードを含めると数秒単位の処理時間が必要である。一般的に、放送波で送信されるMPEG−2ストリームでは、GOPの再生時間は約0.5秒である。よって、上記の場合、1GOPに対してメタデータ生成処理を含めて0.5秒以内に実行完了しなければならない。
【0051】
さて、メタデータの生成にかかる時間は、各GOPの処理時間に分けて実行可能であるが、メタデータを生成する場合に、元のデータが存在するか否かが課題である。つまり、AVバッファ27がリングバッファであり、各GOPのデータが未来のGOPデータによって上書きされてしまうことによって参照対象のデータが消えてしまうことがある。例えば、GOPn+1は、次のGOPn+5が書き込まれるまでの間AVバッファ上で有効となる。つまり、AVバッファ27を直接参照可能な条件として、GOPn+1に対するメタデータの生成時間は、GOPn+1がAVバッファ上で別のGOPのデータに上書きされるまでの間、つまりGOPn+5が書込まれる前に完了させる必要がある。
【0052】
ところが、MPEG−2の映像からJPEGのサムネイルを生成することには、GOPの処理に許される時間内に間に合うことも、また、対象とするGOPがAVバッファ27に滞在する時間内に完了することも難しい場合がある。
【0053】
そこで、図1および図8で示したようにキーフレームを一時的に蓄積することによって上記問題を解決できることを、図12のシーケンス図を用いて説明する。ここでは、AVストリームの転送単位をGOPとし、全てのGOPのキーフレームをキーフレーム一時記録部33に記録するものとする。また、ここで説明するのは、録画が開始された以降の定常的な録画継続状態における任意の時間におけるあるGOP単位の録画処理である。入力ストリーム制御部14がGOPnを検出すると(S101)、AVストリーム記録部16にGOPnの転送を行う(S102)。次に、GOPnがAVストリーム記録部16に転送されたことと、GOPの先頭からのアドレス、サイズ、録画開始からの経過時間、キーフレームのアドレス、サイズ等を録画制御部10に通知する(S103)。
【0054】
録画制御部10は、キーフレーム抽出部31に対して、キーフレームnの抽出要求を行う(S104)。このキーフレームnの抽出要求には抽出すべきキーフレームのアドレスとサイズ情報が含まれる。キーフレーム抽出部31は、録画制御部10から送られたキーフレームの情報を元にして、入力ストリーム制御部14を通じて所望のキーフレームnの抽出を実行する(S105)。次に、キーフレーム一時記録部33に抽出したキーフレームnの書込みを行う(S106)。以降、入力ストリーム制御部14が各GOPの検出を行うたびに、録画動作が終了するまで、上記動作が繰り返される(S121からS146)。
【0055】
次に、メタデータの抽出について説明する。例えば、本映像記録再生装置が録画開始からの周期的な時間経過とともに、メタデータを生成する仕様であるとする。その場合、録画制御部10は、時間の周期的なタイマーを元に、メタデータ生成実行のトリガーをかける。録画制御部10は、メタデータ生成部20に対して、GOPnに対するメタデータ生成の指示を出す(S110)。メタデータ生成部20は、キーフレームファイルテーブルの情報を元に、キーフレームnをキーフレーム一時記録部33から読み出す(S111)。
【0056】
メタデータ生成部20は、取得したキーフレームを元に、例えば図5で示した方法によってメタデータであるサムネイル画像を生成する。メタデータの生成は、録画処理と無関係に動作可能であり、どのタイミングでメタデータの生成を開始するか、あるいはメタデータの生成に掛かる時間がどれだけ掛かるかということは、本来の録画動作やキーフレーム抽出処理に対して影響を及ぼさない。また、キーフレームを処理する動作についても、キーフレームnの書込み(S106)の後に、キーフレームn(S111)の読込みを行う、という手順さえ守られていれば特に問題は発生しない。
【0057】
上記のように、キーフレームをキーフレーム抽出部31で抽出し、キーフレーム一時記録部33に記録しておくことで、録画処理とメタデータの抽出処理とを独立させて動作させることができる。これによって、処理能力の高くないCPUやシステム構成であったとしても、録画動作中に容易にメタデータの抽出が可能となる。また、メタデータの生成に関しては、AVストリーム記録部16に対してアクセスを行わないので、AVストリーム記録部16に対して負荷を強いることなく、結果として安定的な記録および同時実行される可能性のある再生処理についても安定的に実行できる。
【0058】
次に、図13を使って、キーフレーム抽出処理と、メタデータ生成処理の関係を示す。S200は、入力ストリーム制御部14で動作するGOP転送スレッドの処理を示している。録画が開始すると(S201)、デジタルチューナー3やAVエンコーダ12からのGOPの入力待ちに入る(S202)。GOPのデータが入力ストリーム制御部14に入ると、当該GOPのデータ位置、サイズ、時刻情報、当該GOP内のIピクチャのサイズ、位置等GOPの情報取得を行う(S203)。次に、当該GOPデータをAVストリーム記録部16に対して書込み処理を行う(S204)。次に、当該GOPがAVストリーム記録部16に転送されたことを録画制御部10内の録画制御スレッドに非同期メッセージ通信を用いて通知する(S205)。GOPの転送通知を終えると、再びGOP入力待ち状態に入る(S202)。
【0059】
次に、録画制御部10内の録画制御スレッドの処理(S210)について説明する。録画が開始すると(S211)、入力ストリーム制御部14からのGOP転送通知待ちに入る(S212)。ここで入力ストリーム制御部14からのGOP転送通知を受け取ると、当該GOPからキーフレームを抽出するか否かの判定を行う(S213)。キーフレームを抽出すると判定するとキーフレーム抽出要求をキーフレーム抽出部31のキーフレーム抽出スレッド(S220)に非同期メッセージ通信を用いて送信する(S214)。
【0060】
キーフレーム抽出要求処理が完了するか、キーフレーム抽出判定においてキーフレーム抽出が不要と判定されれば、次にメタデータの生成を行うか否かの判定を行う(S215)。メタデータの判定条件に一致すればメタデータの生成をメタデータ生成部20のメタデータ生成スレッド(S230)に非同期メッセージ通信を用いて送る。メタデータ生成スレッドに対するメタデータ生成指示が完了するか、メタデータ生成判定でメタデータ生成が不要と判断されれば、再度入力ストリーム制御部14のGOP転送スレッドからのGOP転送通知待ちに入る(S212)。
【0061】
次に、キーフレーム抽出部31のキーフレーム抽出スレッド(S220)の説明を行う。録画が開始すると(S221)、録画制御部10内の録画制御スレッドの処理(S210)からのキーフレーム抽出要求の待ちに入る(S222)。キーフレーム抽出要求を非同期メッセージ通信機構から受け取ると、AVバッファ27からキーフレームを抽出し(S223)、抽出したキーフレームをキーフレーム一時記録部33のキーフレームファイルの最後尾に書込む(S224)。この後再度、録画制御部10内の録画制御スレッド(S210)からのキーフレーム抽出要求の待ちに戻る。
【0062】
次に、メタデータ生成部20におけるメタデータ生成スレッド(S230)について説明を行う。録画が開始すると(S231)、録画制御部10内の録画制御スレッド(S210)からのメタデータ生成指示を待つ(S232)。録画制御スレッド(S210)からのメタデータ生成指示要求を非同期メッセージ通信機構を経由して受け取ると、キーフレーム一時記録部33のキーフレームファイルから該当するキーフレームのデータを読出す(S233)。次に、このキーフレームのデータを用いてメタデータを生成し(S234)、生成したメタデータをメタデータ記録部22内にメタデータ毎にファイルとして書込む(S235)。
【0063】
ここで、キーフレーム抽出部31のキーフレーム抽出処理(S220)と、メタデータ生成部20のメタデータ生成スレッド(S230)の間には、処理の手順の前後関係はなく、メタデータ生成スレッド(S230)があるキーフレームのメタデータを生成する場合において、当該キーフレームが既にキーフレーム一時記録部33に記録されている必要がある、という制約条件が存在するのみである。
【0064】
さらには、メタデータ生成スレッドは、入力ストリーム制御部14におけるGOP転送スレッド(S200)や、録画制御部10における録画制御スレッド(S210)との間にも非同期なメッセージ通信の関係があるのみで、メタデータ生成スレッド(S230)の進捗によって、GOP転送スレッド(S200)、録画制御スレッド(S210)、キーフレーム抽出スレッド(S221)の処理が遅延したり、処理が待たされるといった弊害を生じない。これは、メタデータ生成スレッドが直接AVバッファを参照することはせず、一旦キーフレーム一時記録部33に保存することによって、記録ストリームの保存処理から切り離して動作することを可能としたことによって成立している。
【0065】
そのため、映像記録再生装置本来の録画処理を妨げることなく、また処理能力の低いCPUによって本映像記録再生装置のソフトウェアを動作させる必要な場合や、システム全体の能力が低い場合であったとしても、録画動作と並行して、メタデータの生成が可能である。
【0066】
また、メタデータ生成スレッド(S230)が、GOP転送スレッド(S200)、録画制御スレッド(S210)、キーフレーム抽出スレッド(S221)と独立して動作可能なため、メタデータ生成に処理負荷の高い処理を行ったとしても、録画動作に影響を与えることがないので、メタデータ生成処理として、時間のかかる処理や高負荷な処理を組み込むことができる。これによって、映像記録装置として高付加価値な機能を提供することができる。
【0067】
次に、図14を使って、CPUの負荷の観点から説明を行う。図14(a)は、メタデータを生成する場合に用いるキーフレームをAVストリーム記録部16から抽出する場合を示す。一方、(b)は入力ストリーム制御部14(もしくはAVバッファ27)からキーフレームを抽出する場合を示している。(a)で示すように、キーフレームをAVストリーム記録部16から読み出す場合、CPUは所望するキーフレームのサーチを行い、見つかれば、そのビットストリームをAVストリーム記録部16から読出し、メタデータの生成と、できたメタデータの書込み処理を行う。このとき、キーフレームのサーチと、AVストリーム記録部16からキーフレームを読み出す処理にシステム負荷がかかっていることがわかる。
【0068】
一方、キーフレームを入力ストリーム制御部から読み出した場合が(b)であり、AVバッファからキーフレームを読出し、キーフレーム一時記憶部に一旦記録しておき、別のイベントが発生するとそのキーフレーム一時記録部33から再度読み出し、メタデータ生成とメタデータの書込みを行う。このときAVバッファからキーフレームの抽出とキーフレーム一時記録部33へのキーフレームの書込みにおけるシステム負荷は、書込み対象がGOPデータに対して比較的容量の少ないキーフレームであることと、AVバッファ27に用いられるメモリが実際は高速な伝送帯域を有するメモリを使用するために、大きな負荷上昇は発生しない。また、メタデータの生成時にキーフレームを読込む場合も、GOPに比べれば比較的小さなサイズのデータなので、大きな負荷変動を伴なうことがない。
【0069】
次に、シーケンス図を用いて動作を説明する。図15は、録画開始処理のシーケンスを示す。システム制御部2から録画開始の要求が録画制御部10に送られると(S500)、録画制御部10は、キーフレーム抽出制御部30に対して、キーフレーム抽出初期化処理を要求する(S501)。キーフレーム抽出制御部30は、キーフレーム抽出部31の初期化処理(S502)を実行し、さらにキーフレーム抽出部31は、キーフレーム記録管理部34の初期化処理(S503)を実行する。キーフレーム記録管理部34の初期化処理ではキーフレームファイルのファイル生成とファイルアクセス権の設定や、ファイルとしてデータを扱うためのメモリ空間が確保される(いわゆるファイルオープン処理)。
【0070】
次いで録画制御部10は、メタデータ生成制御部18のメタデータ抽出初期化処理(S504)を実行する。メタデータ生成制御部18は、メタデータ生成部20の初期化処理(S505)を実行し、メタデータ生成部20は、メタデータ記録読出部21の初期化処理(S506)を実行する。次に、録画制御部10は、AVストリーム記録部16に対してAVストリームファイルの生成および、AVストリームファイルに対してアクセスの利便性を高めるためのアドレスマップファイルを生成する(S507)。その後、入力ストリーム制御14に対して、AVストリーム記録部へのビットストリームの転送を開始する(S508)。
【0071】
次に録画中の動作について図16を用いて説明する。ここでは、AVストリームの転送単位をGOPとし、録画番組のある時間位置に、エントリーと呼ばれるアクセスポイントの設定(いわゆるチャプター)と、エントリーに対応したメタデータとしてサムネイル画像を生成するものとする。録画状態が継続していると入力ストリーム制御部14に新たなGOPが入力されるとGOP検出が行われ(S600)、当該GOPのアドレスマップ情報が生成される(S601)。次に検出されたGOPをAVストリーム記録部16に記録するとともに、当該GOPに対応するアドレスマップを既に記録されているアドレスマップに追記する(S602)。
【0072】
入力ストリーム制御部14は、録画制御部10に対して、AVストリーム記録部16にGOPの記録が完了したことと、記録したGOPの情報を通知する(S603)。録画制御部10は、システム制御部2に対して、例えば録画継続時間等のシステムにおける録画に関する情報を通知する(S604)。次に、エントリーを生成する条件が整った状態で、システム制御部2が録画制御部10に対して、エントリー生成要求(S605)を行った場合の処理について説明する。エントリー生成要求(S605)を受け取った録画制御部10は、エントリー情報と時間的に一致するキーフレームの抽出をキーフレーム抽出制御部30に要求する(S606)。
【0073】
キーフレーム抽出制御部30は、該当するキーフレームのAVバッファ上におけるアドレスとサイズを取得するためAVバッファ上のデータやアドレス管理を行う入力ストリーム制御部14に対して、当該キーフレームのアドレス情報やサイズ情報を要求する(S607)。キーフレーム抽出制御部30は、キーフレーム抽出部31に対して、当該キーフレームを取得するように指示する(S608)。
【0074】
この際に上記で取得したキーフレームに関する情報をキーフレーム抽出部31に送る。キーフレーム抽出部31は、キーフレーム抽出制御部30からもらったキーフレームのアドレスおよびサイズ情報を元に、入力ストリーム制御14から該当するキーフレームを取得し(S609)、キーフレーム記録管理部34を経由して、図示しないがキーフレーム一時記録部33にキーフレームを記録する(S610)。
【0075】
録画制御部10は、メタデータ生成制御部18に対して、メタデータ抽出を要求する(S611)。メタデータ生成制御部18は、メタデータ生成の条件が整っていること(例えば対応するキーフレームがキーフレーム一時記録部33に存在するか等)を確認し、メタデータ生成部20に対して、対応するメタデータを生成するように指示を行う(S612)。ここでメタデータであるサムネイルを生成するためにはMEPG−2のデコード処理と、JPEGのエンコード処理が必要であり、画素サイズ、ビットレートやCPUの処理能力によって、処理に要する時間は一定しないが数秒以上の時間を要することから、1つのサムネイルを生成するために、専用のスレッドを起動することとする。
【0076】
メタデータ生成部20は、サムネイルを生成するために専用のスレッドを起動する(S613)。起動されたメタデータ生成スレッドは、まず対応するキーフレームを、キーフレーム記録管理部を経由して、キーフレーム一時記録部33から取得する(S614)。次にメタデータの生成処理(S615)を開始する。
【0077】
ここではメタデータの生成に数秒以上かかるとしているため、処理の完了に時間を要するが、本処理はメタデータ生成スレッドとして独立した動作になっているので、録画制御部10が実行する録画処理を妨げることはない。数秒経過した後に、メタデータであるサムネイル画像ができると、当該メタデータであるサムネイル画像ファイルをメタデータ記録読出部21に記録を行う。
【0078】
メタデータの生成と記録が完了する(S616)と、このメタデータ生成スレッドは自らを破棄するか、次のメタデータ生成要求に備えてスリープ状態に入る。一方、録画制御部10は、アクセスポイントであるアドレス位置情報、時間情報、およびサムネイル画像のファイル名からなるエントリー情報を作成し(S617)、エントリー生成処理を完了する。
【0079】
上記のように、録画状態が継続している中においても、ビットストリームのGOPデータに対するAVストリーム記録部16への記録処理と、メタデータ生成のためのキーフレームアクセスを独立化し、さらにキーフレームからメタデータ生成も独立化することによって、録画処理に悪影響を与えることなく、メタデータの生成を行うことができる。
【0080】
特に、本処理は低速なCPUや、処理能力の低いシステム、またメタデータの生成負荷が高い、もしくはメタデータの生成に秒オーダー以上の処理時間を必要とする場合に有効である。
【0081】
最後に、図17を用いて録画終了の動作を説明する。システム制御部2から録画制御部10に録画終了の要求があると(S700)、録画制御部10は、入力ストリーム制御部14に対してストリームの転送処理の終了を指示する(S701)。すると以降、AVストリーム記録部16に対してデータの転送が行われなくなる。ついで、メタデータの生成処理をとめるために、メタデータ生成制御部18に対してメタデータ抽出終了を要求する(S703)。メタデータ生成制御部18は、メタデータ生成部20に対して終了処理を要求する(S704)。
【0082】
メタデータ生成部20は、動作しているスレッドがあれば、停止させ全てのメタデータ生成処理を完了させる。さらにメタデータ記録読出部21に対して、書込み途中のファイルがあれば書込み完了するように指示を行うとともに、ファイル操作の処理を完了させる(S705)。次に、録画制御部10は、キーフレーム抽出制御部30に対して、キーフレーム抽出処理の終了を指示する(S706)。キーフレーム抽出制御部30は、キーフレーム抽出部31に対して、実行しているキーフレームの抽出処理があれば中断するように指示を行い、全てのキーフレーム抽出処理を完了させる(S707)。
【0083】
さらにキーフレーム抽出部31は、キーフレーム記録読出部32に対して終了処理を要求し(S708)、終了処理を要求されたキーフレーム記録読出部32は、キーフレームの書込みや読出し処理を中断し、全てのキーフレームファイルに対するアクセスを止めたところで、当該キーフレームファイルの削除を行う。また、キーフレームファイルにおける各キーフレームのアドレスやサイズ、時間情報を管理するキーフレームファイルテーブルも同時に削除する。キーフレームファイルおよびキーフレームファイルテーブルは、録画実行中のみ存在し、録画終了とともに削除を行う。
【0084】
これによって、録画中は入力ストリーム制御部14、AVバッファ27、AVストリーム記録部16等のAVストリームの実体、および実体にアクセス可能な要素の状態によらず、キーフレームの情報を取得することができ、一方で、録画が終了し、不要になった時点で削除することによって、キーフレーム一時記録部33のデータ領域の削減に貢献できる。特に、メタデータ生成を目的として、キーフレームのみを記録する構成を取っているために、冗長なデータが少なく、かつ1つのフレーム情報で、1つの独立した画像情報が生成することが可能である。
【0085】
以上において説明した本実施の形態に関る映像音声記録再生装置100は、記録対象となるAVストリームからキーフレームを抽出するキーフレーム抽出部31と、抽出したキーフレームを一時的に記録するキーフレーム一時記録部33と、メタデータを生成するメタデータ生成部20と、生成したメタデータを保存するメタデータ記録部22を有し、メタデータ生成部20がメタデータ生成を行う任意のタイミングでメタデータを抽出可能なので、メタデータを高速に生成する必要がない。よって、比較的処理能力の低いCPUやシステム構成であったとしても、AVストリームの録画処理の実行と並行して、メタデータの生成が可能とである。
【0086】
また、メタデータ生成において参照するデータであるAVストリームの一部であるキーフレームを、キーフレーム一時記録部33に記録している。そのため、メタデータ生成の実行時に、AVストリームのデータを参照する必要があっても、AVストリーム記録部16にアクセスする必要がなく、キーフレーム一時記録部33から読出しを行えばよいので、本来のAVストリーム記録部16の記録動作に対して、妨害をすることがないので、AVストリーム記録部16の主目的であるAVストリームの記録動作を正常に継続することが可能である。
【0087】
さらには、AVストリーム記録部16がメタデータ生成のためにAVストリームの読出しを行う必要がないため、処理能力の低いAVストリーム記録部16で構成が可能である。実質的には、AVストリーム記録部16は、HDDやフラッシュメモリで構成されるために、転送帯域の低い低価格なHDDやフラッシュメモリを用いることが可能である。また、HDDの高寿命化や、低消費電力化にも有効である。
【0088】
また、入力ストリーム制御部14からキーフレームの抽出を行うことによって、録画もしくは本映像音声記録再生装置100内での再記録(例えば、レート変換記録)を行う場合に、録画動作と並行して実施することができる。これは、入力ストリーム制御部14がAVストリーム記録部16へのデータ転送と転送データのアドレス管理機能を有することを利用し、キーフレーム抽出部31と接続することによって、任意のキーフレームの抽出が可能となるためである。またキーフレームを抜き出すだけではなく、アドレス管理機能から抜き出したキーフレームの抜き出した後のアドレス情報(ここでは、キーフレームファイルテーブル)を作成が可能である。このアドレス情報によって抽出した複数のキーフレームの個別認識が可能となる。
【0089】
また、キーフレーム一時記録部33は、録画開始に、キーフレームファイルを生成し、キーフレームが検出される毎に、キーフレームファイルに追記し、さらに録画終了時にキーフレームファイルを削除する、といった、一時的な記憶を行うので、録画を複数回実行したとしてもキーフレームファイルの数および総サイズが増えることがないため、キーフレーム一時記録部33のサイズを大きく取る必要がなく、コスト面やファイルアクセスの負荷において有利である。
【0090】
また、本実施の形態では、キーフレームの保存形態として、複数のキーフレームを1つのファイルに結合して保存しているが、各キーフレームで別のファイルとして保存してもよい。また録画単位でひとつのディレクトリを形成し、その中に各キーフレームファイルを保存してもよい。
【0091】
上記のように、1つのキーフレームに対して1つのファイルを形成する場合において、任意のメタデータの生成に使用された対応するキーフレームファイルについては、メタデータが生成された時点で削除してもかまわない。これによって、メタデータ一時記録部33の容量を削減することができる。
【0092】
また、キーフレーム一時記録部33は、SDRAMなどの揮発媒体を使用しても、HDDやフラッシュメモリなどの不揮発媒体を使用してもかまわない。揮発媒体を利用するとキーフレーム情報を高速に書込み、読出しが可能である。不揮発媒体であれば、コスト面で有利であり、また停電等が発生したとしても、その後復帰したときに不揮発媒体に残っている情報からメタデータを生成することが可能である。
【0093】
本実施の形態では、AVストリーム記録部16と、キーフレーム一時記録部33を別個体としているが、これによってそれぞれに最適な記憶媒体とスペックを策定することができ、コストパフォーマンスのよいシステムを構築することができる。
【0094】
また、逆にAVストリーム記録部16と、キーフレーム一時記録部33を1つの大きなHDD上に構築する等、ひとつの記憶媒体に集約することによって、コスト削減が可能である。その場合、AVストリーム記録部16と、キーフレーム一時記録部33の領域をパーティションで分断する等の処置を講ずるほうが好ましい。ただし、一体にする場合は、パーティションで区切るなどの実装的な差異を制限するものではない。
【0095】
また、1つの大きなHDDにAVストリーム記録部16と、キーフレーム一時記録部33を兼用した場合であっても、大容量のデータを高速に書込む必要があるAVストリーム記録部16にはDMA機能を割り当てることによって、CPUにおけるストリーム転送負荷を低減し、一方で書き込みおよび読み出しするデータサイズが小さく、高速な処理が必要でないキーフレーム一時記録部33向けには、CPUを使った書き込みおよび読み出し処理を割り当てるように構成してもよい。
【0096】
また、システムに対する負荷上昇を抑制するために、キーフレーム抽出制御部30において、キーフレーム抽出の間引き処理を行っても良い。これによって、システム能力を加味したメタデータ生成が実現でき、安定した記録動作とメタデータ生成動作が可能となる。
【0097】
また、キーフレームの抽出は所定の時間周期で行っても良い。この場合、キーフレーム抽出を実行する判断基準が単純になり、実装処理の簡素化、不良事象の発生抑制、実行判断基準の簡素化によるシステム負荷の抑制が可能である。
【0098】
また、キーフレーム抽出を、ユーザーからのキー操作をトリガーとして実行してもよい。これによって、ユーザーの嗜好に沿ったメタデータの生成と、キーフレーム抽出およびメタデータ生成の判断基準の簡素化が可能である。
【0099】
また、生成されたメタデータはAVストリーム記録部16に記録されたAVストリームと関連付けるためのタイトルID等を同時に記録しておくことによって、録画した番組の再生時にメタデータを画面上に表示して再生することができる。さらには、ユーザーがリモコンを使って、画面上に表示されたメタデータを選択することによって、選択したメタデータが有する時間情報に対応した位置から再生を実行することが可能である。
【0100】
また、キーフレーム一時記録部33に記録する形式として、複数のキーフレームデータを一つのファイルにすることによって、データすなわちファイルの個体管理(ファイルIDやファイル名の管理)や、頻繁なファイルオープン/クローズ処理を行う必要がなく、プログラムサイズや、実行速度の面で有利である。また、万一、本映像音声記録再生装置100が録画動作実行中にハングアップし、それによって録画終了時もしくは電源オフ時に実行されるべき不要キーフレームデータの削除処理が実行できず、その結果、キーフレームデータのファイルが残った場合でも、キーフレームファイルの数やファイル名が固定値になるので、再起動時に不要なキーフレームデータのファイルを簡単に検出して削除することができる。
【0101】
本実施の形態では、AVストリームから抽出するデータとしてキーフレームについて説明したが、キーフレーム以外も含めてAVストリームから抽出して一時的に保存しておくデータは、それ自身が独立して再生や表示が可能であり、また圧縮、符号化、暗号化が行われていれば元に復元できることが重要である。例えば、AVストリーム中にあるEPG(ELectic Program Guide)を一時的に保存し、そこから文字や図形などのメタデータを生成してもかまわない。これによって、例えば放送番組のシーン毎にシーンに対応したデータが埋め込まれているような場合、本データをキーフレーム抽出部31で抽出し、キーフレーム一時記録部33に録画が終了するまで保存し、さらにメタデータ生成部でメタデータ化し、メタデータ記録部22で保存することによって、再生時にシーンの特定を行う場合に使用することができる。
【0102】
本実施の形態では、メタデータとしてサムネイルをあげているが、特にサムネイルに限定するものではない。例えば、音声情報から人の声や、音楽、特徴的な音を抽出してもよい。また映像においても、元の映像から抽出した人物画や、部分的なカット映像や複数の画像を組合した画像等、元のAVストリームをなんらかの形で利用してもよい。
【0103】
また、本実施の形態では、圧縮符号化された映像音声データを扱っているが、圧縮符号化される前のデータであってもよい。
【0104】
また、本発明に記録に関係するチューナー3および4、AVエンコーダ7、入力ストリーム制御8、AVストリーム記録部17は従来のものを流用して構成することができるため、従来の映像音声記録再生装置に容易に適用することができる。
【0105】
なお、本実施の形態にかかわる映像音声記録再生装置100は、再生機能を有しているが、記録機能のみを有する記録装置であってもよい。このような記録装置は、記録したAVストリーム、再生制御情報、メタデータを外部に出力するインターフェース機能を設けることにより実現することができる。また、こうしたインターフェースから出力されたデータ、もしくはデータが記録された媒体を用いて、本実施の形態に関る再生機能を有する再生装置を構成してもよい。
【0106】
実施の形態2.
図18は、本発明の実施の形態2に関る映像音声記録再生装置101の構成を示すブロック図である。本実施の形態に関る映像音声記録再生装置101は、図1に示す映像音声記録再生装置100に対して、ストリーム解析部35を備えたことを特徴とする。
【0107】
本実施の形態において、ストリーム解析部35は、録画実行時に入力ストリーム制御部14から記録されるAVストリームを抽出し、その映像もしくは音声の解析を行い、その解析結果をキーフレーム抽出制御部30や、メタデータ生成制御部18に対して送信し、キーフレーム抽出制御部30やメタデータ生成制御部18がそれぞれの判定基準でキーフレームもしくはメタデータの生成を行う点が実施の形態1との差である。
【0108】
本実施の形態においては、ネットワークからMPEG−2 Transport Stream(以下TS)をHTTPプロトコルで受信し、受信したTSをAVストリーム記録部16に記録するものとする。ネットワークから受信したTSストリームにはハイビジョンのMPEG−2ビデオストリームとAACストリームが多重されているものとする。また、ここで生成するメタデータはビットマップ形式のサムネイル画像とする。
【0109】
入力ストリーム制御部14は、入力されたTSストリームをAVバッファに一旦保存し、AVバッファ上で、MPEG−2のGOPの位置、サイズ、およびIピクチャの位置とサイズの検出を行う。さらに、図示しないが入力ストリーム制御部14に内蔵されDMA機構によってHDDによって構成されるAVストリーム記録部16に転送を行う。また、GOPの検出と当該GOPのAVストリーム記録部16への転送が完了すると、録画制御部10とストリーム解析部35に、転送が完了したGOPの位置、サイズまたIピクチャの位置とサイズ情報を転送する。
【0110】
GOPの転送通知を受け取ったストリーム解析部35は、受け取ったIピクチャの情報を使い、入力ストリーム制御部14からIピクチャのデータを抽出する。ここでストリーム解析部35は、MPEG−2のデコード処理と、デコード映像から映像の特徴分析を行う機能を有する。これによって、入力ストリーム制御部14から受け取ったIピクチャをデコードし、さらに以前にデコードしておいた画像との差分を求め、その差分値が予め設定しておいた閾値を超えていればシーンチェンジが発生したと判断する。さらに、以前に解析した複数の画像データを参照し、1つ以上の画像を類似画像と判断できたならチャプターが発生したと判断する機能も有する。
【0111】
シーンチェンジが発生した場合、シーンチェンジが発生したというイベントと、シーンチェンジの程度を表す差分値をキーフレーム抽出制御部30とメタデータ生成制御部18に送り込む。キーフレーム抽出制御部30は、ストリーム解析部30からのシーンチェンジ発生イベントと差分値を元にキーフレーム抽出処理を行うか否かを決める。キーフレーム抽出の条件を満たせば、キーフレーム抽出部31に対して、キーフレーム抽出の指示を出す。以降のキーフレーム抽出処理は実施の形態1と同じである。
【0112】
一方、チャプター発生イベントを受け取ったメタデータ生成制御部18は、キーフレーム一時記録部33内に、指定されたフレームに対応するキーフレームがあるか、そうでなければ指定フレームの近傍時間にキーフレームが存在するかを確認する。対応するキーフレームが存在すれば、メタデータ生成部20に対して、メタデータ生成の要求と、対象となるキーフレームの情報を送る。メタデータ生成部20は、指定されたメタデータをキーフレーム一時記録部33から読み取り、MPEG−2のデコード処理を行い、デコードされた画像をビットマップフォーマットとして出力する。メタデータ記録読出部21は、メタデータ生成部20が生成したビットマップデータをメタデータ記録部22に保存する。
【0113】
上記のように、AVストリームをストリーム解析部35で解析し、その解析結果に応じてキーフレームとメタデータの生成を制御することによって、AVストリームの映像状態に応じてキーフレーム抽出と、メタデータ抽出が行える。これによって記録した映像音声の映像内容に応じたメタデータを生成することが可能である。またキーフレーム抽出は、実際の映像がシーンチェンジしたときのみキーフレーム抽出を行うことができるので、不要なキーフレームを抽出することがなく、システムの負荷低減、キーフレーム一時記録部33の容量縮小に貢献することができる。
【0114】
ここで、キーフレーム一時記録部33におけるデータサイズについて説明する。BSデジタル放送を記録する場合、24Mbpsの転送レートでAVストリームがAVストリーム記録部16に記録される。このとき入力ストリーム制御部14がAVバッファ27からキーフレームであるIピクチャを抽出する。このときキーフレーム一時記録部33のキーフレームファイルは、約1Mバイト/秒で容量が増える。つまり、録画番組長を2時間とすれば7.2Gバイト、一般的な家庭用レコーダの最大録画時間である8時間であれば28.8Gバイトの容量が必要になる。ところが、本実施の形態で示すようにシーンチェンジの発生のときのみキーフレームを保存し、1つのシーンの一般的な長さが5秒以上であることに対応して5秒毎に1つのIピクチャを記録すると仮定すれば、2時間番組であれば、0.72Gバイト、8時間であれば2.88Gバイトの容量に削減することができる。
【0115】
次に、図19を用いて、ストリーム解析部35を有する映像記録再生装置の録画動作について説明する。映像記録再生装置101において録画状態が継続していると、入力ストリーム制御部14でGOPの検出処理が行われる。ここでGOPnの検出が行われると(S800)、GOPnのアドレスマップが生成される(S801)。次に、本GOPnのAVストリーム記録部16への転送において、図示しないがDMAの機構を使って、GOPnがAVストリーム記録部16へと転送が行われる(S802)。このとき同時にGOPnのアドレスマップが、既にAVストリーム記録部16上に存在するGOPnより前までのアドレスマップに追記される。GOPnの転送処理が完了すると録画制御部10に対してGOPnの書込みが完了したことが通知される(S803)。さらにシステム制御部には現在の録画経過時刻等の録画情報が通知される(S804)。一方で、GOPnの転送通知は、ストリーム解析部35にも通知される(S805)。
【0116】
ストリーム解析部35は、GOPnの転送通知を受け取ると、GOPnのキーフレームを入力ストリーム制御部14から受け取る(S806)。次に図示しないが、キーフレームであるIピクチャのデコード処理を行うとともに、前フレームとの差分を取り、その差分値が予め設定された閾値以上であれば、シーンチェンジと判定する。また、ストリーム解析部35は、GOPnより以前を画像データもしくは画像の特徴データを少なくとも2つ以上内部に蓄積しており、蓄積している画像間の相関性を調べ、相関性が極めて低くなる区間を見つける機能を有する。例えば、GOPm−1とGOPmの間で相関性が著しく低くなったと判断されたとすると、GOPmの位置にチャプターが存在すると判定する。
【0117】
GOPnにおいてシーンチェンジが発生したとすると、キーフレーム抽出制御部30に対してシーンチェンジが発生したことを示すイベントと、シーンチェンジの程度を示す差分値を送る(S807)。キーフレーム抽出制御部30は、差分値が適切か、GOPnの時刻情報が正しいかを検証し(S808)、キーフレームの取得が可能と判断すればキーフレーム抽出部31に対して、指定時刻のキーフレームを取得するように指示を行う(S809)。キーフレーム抽出部31は、入力ストリーム制御部14から対応するキーフレームを取得し(S810)、取得したキーフレームをキーフレーム記録管理部32に書込みを依頼する。キーフレーム記録管理部32は図示しないキーフレーム一時記録部にGOPnのキーフレームを書き込む(S811)。
【0118】
さて、ストリーム解析部35は、シーンチェンジを検出したと時を同じくして、GOPnより以前のGOPmにおいて画像間相関性が著しく低くなっていることを検出したとする。するとストリーム制御部35は、自分自身の別スレッドに対して、GOPmにチャプターが検出されたことを通知する(S812)。ストリーム解析部35内の別スレッドは、GOPmにおけるチャプター検出イベントを受け取り、次いでメタデータ生成制御部18に対してチャプター発生イベントを送信する(S813)。メタデータ生成制御部18は、GOPmに対応するキーフレームがキーフレーム記録管理部32内のキーフレーム一時記録部33に保存されているか否かを判定し、存在すればメタデータ生成部20に対してメタデータ抽出を指示する(S814)。
【0119】
メタデータ生成部20は、メタデータ生成スレッドを起動し(S815)、GOPmのキーフレームを抽出し(S816)、抽出したキーフレームからメタデータであるビットマップフォーマットのサムネイル画像の生成を行う(S817)。サムネイル画像の生成が完了するとメタデータ記録読出部21内のメタデータ記録部22にメタデータの書込みを依頼する(S818)。メタデータの書込みが完了すると、ストリーム解析部35に対して、メタデータ生成完了通知(S819)を送信する。メタデータ生成完了通知を受け取ったストリーム解析部35は、この番組の再生においてチャプター発生箇所にスキップボタン等で簡単にアクセスするためのエントリー情報を生成するように、録画制御部10に依頼を出し(S819)、録画制御部10がエントリー情報を生成する(S820)。
【0120】
このとき、ストリーム解析部35が検出したチャプター位置であるGOPm、およびGOPmのデータは、既に過去のものであり、入力ストリーム制御部14内のAVバッファ27には存在していない。そのため、AVバッファ27から読み出すことは不可能である。ところが、キーフレームをキーフレーム一時記録部33に保存しておくことによって、過去の時刻におけるキーフレームの抽出が可能となる。
【0121】
またAVストリーム記録部16は、もっぱら録画されるべきAVストリームの記録を行っており、処理負荷的に厳しい場合もある。また、実施の形態1で説明したとおり、通常AVストリーム記録部16に対応するHDDには暗号化を掛けて記録を行うため、読み出すときに復号処理が必要となるも、番組再生の可能性があるため、使用することができない。ところが、本実施の形態で示すように、録画時に暗号が解かれた状態でキーフレームをキーフレーム一時記録部33に保存しているので、AVストリーム記録部16にアクセスすることによる処理付加の上昇もなく、また、復号機能の追加実装の必要もない。
【0122】
さて本実施の形態では、2画像間の差であるシーンチェンジが発生したときに、キーフレームを保存するとし、さらに複数の画像間で大きな場面転換があった場合にチャプターが発生したとして、メタデータであるサムネイルを生成するものとしている。
【0123】
ここで、シーンチェンジとチャプターの違いについて図20を用いて説明する。図で示しているのは全てキーフレームであるIピクチャのみが時間方向に並んでいる状態を示している。ここで、任意のピクチャと、その直前のピクチャとの間で画像差分が予め設定されている閾値を超えていれば、そのピクチャでシーンチェンジが発生したものとする。図中では、P55、P72、P86、P98、P107においてシーンチェンジが発生したものとしている。次にこれらシーンチェンジが発生した画像間、ここでは隣接2ピクチャ間の間で画像の差分値を求める。
【0124】
次に、これらの差分値が予め決めておいたシーンチェンジの閾値とは別のチャプター差分値より低いという条件を満たす箇所を探す。図中では、P72とP86の区間がこの条件を満たす。この条件を満たすところをチャプター境界とし、メタデータであるサムネイルを生成するものとする。この図で示すように、隣接画像間でシーンチェンジ判定を行うのに比べ、複数の画像間や、時間的に離れた画像間の差を求め、その結果、時間的に相当な過去のところのサムネイル画像を生成しようとする場合、既にAVバッファ27上にその画像データはないので、従来であればAVストリーム記録部14から取得しなければならなかった。
【0125】
しかしながら、前述しているように、一般的にAVストリーム記録部14はHDDで構成され、暗号化処理がおこなわれているため、暗復号ブロックのリソース数の制約によって、メタデータの生成目的に復号ブロックを利用することが難しかった。そこで、キーフレーム抽出部31によって、キーフレームのみを抽出しておき、キーフレーム一時記録部33に、録画が完了するまでの間記録しておくことで、上記のように時間的に過去の画像のメタデータの生成が可能とすることができる。
【0126】
以上において説明した本実施の形態に関る映像音声記録再生装置101によれば、記録対象となるAVストリームからキーフレームを抽出するキーフレーム抽出部31と、抽出したキーフレームを一時的に記録するキーフレーム一時記録部33と、メタデータを生成するメタデータ生成部20と、メタデータを保存するメタデータ記録部22と、記録するAVストリームを解析するストリーム解析部35を有しているので、比較的処理能力の低いCPUやシステム構成であったとしても、AVストリームの録画処理の実行と並行して、メタデータの生成が可能となる。
【0127】
本実施の形態によれば、記録するAVストリームを解析し、その特性に応じてキーフレーム抽出を行うことができるので、実施の形態1の効果に加え、さらに下記の効果を得ることができる。
【0128】
本実施の形態によれば、記録するAVストリームを解析し、その特性に応じてキーフレーム抽出を行うことができるので、よく似た画像をキーフレームとして保存することを回避でき、結果として、キーフレーム一時記録部33の容量削減を行うことができる。
【0129】
また、キーフレームを抽出する回数や、キーフレームをキーフレーム一時記録部33に書き込む頻度が減るので、システム全体の負荷低減が可能である。
【0130】
また、一時記録するキーフレームの数を削減できるので、各キーフレームの属性である、サイズ、元のAVストリームにおける時間位置、保存先等が記録されたキーフレームファイルテーブルのサイズを削減でき、記録媒体の容量の削減が可能である。
【0131】
また、一時記録するキーフレームの数が少なくなるので、メタデータ生成時に対応するキーフレームを検索する時間を短縮することができる。
【0132】
また、メタデータを生成する条件は、キーフレームを生成する条件を含んでいるので、メタデータを生成する場合に、キーフレームが存在しないといった不都合を生じ得ない。
【0133】
また、メタデータとして、映像および音声信号の特徴的なものを採用したいのであれば、ストリーム解析部35によってAVストリームの特徴を解析するので、メタデータを生成するのに必要な条件判断をストリーム解析部35で行える。
【0134】
実施の形態3.
図21は本発明の実施の形態3に関る映像音声記録再生装置102の構成を示すブロック図である。本実施の形態に関る映像音声記録再生装置102は、AVストリーム記録部16に記録されたAVストリームを読み出して、出力ストリーム制御部15からキーフレームを抽出し、キーフレーム抽出部31が出力ストリーム制御部15からキーフレームを取得する点に特徴がある。それにともなって、キーフレーム抽出制御部30およびメタデータ生成制御部18は再生制御部11からの制御を受ける構成になる。それ以外は、図1に示す映像音声記録再生装置100と同様である。また、AVストリームも実施の形態1と同じものとする。
【0135】
本実施例では、再生時にメタデータの抽出を行おうとするものである。ユーザーがリモコン94等で再生に関するボタンを押下すると、再生の赤外線信号がリモコン受信部6を経由し、システム制御部2に到達する。システム制御部2は、再生する番組を再生するように再生制御部11に指示を出す。再生制御部11は、出力ストリーム制御部15に対し、対応するAVストリームをAVストリーム記録部16から読出し、AVデコーダ13に転送するように指示を送る。出力ストリーム制御部15から出力されたAVストリームは、AVデコーダ13で元の表示画像に復号されモニター出力8からモニター93に投影される。出力ストリーム制御部15は、再生が継続されている間中、AVストリーム中のGOPの位置、サイズ、またIピクチャの位置とサイズについて検出を行っている。
【0136】
出力ストリーム制御部15がGOPを検出すると、再生制御部11にGOPの検出通知が送られ、さらにキーフレーム抽出制御部30に送られる。キーフレーム抽出制御部30は、キーフレーム抽出部31に対して、該当するGOPのIピクチャを抽出するように指示を出す。以降、キーフレームの抽出処理は、実施の形態1と同様である。
【0137】
また、GOPの検出通知を取得した再生制御部11は、メタデータ生成制御部18に対してメタデータ抽出指示を行う。このとき、メタデータ生成は時間を要することが多いので、キーフレーム抽出制御部30に指示したキーフレーム抽出指示の頻度より、少なくすることが必要である。メタデータ抽出の指示を受けたメタデータ生成制御部18は、実施の形態1と同様にキーフレーム一時記録部33に蓄積されたキーフレームデータを用いて、メタデータの生成を行い、生成されたメタデータをメタデータ記録部22に格納する。
【0138】
このようにして再生を継続すると、録画された番組に対しても、メタデータの生成が可能である。
【0139】
さらに再生が終了すると、必要なメタデータはメタデータ記録部22に記録されているので、キーフレーム一時記録部33にあるキーフレームは必要がなくなり、削除を行う。このように、録画された番組に対しても、メタデータの生成が可能であり、かつ、キーフレームは一時的にしか存在せず、無駄にキーフレーム一時記録部33の容量を必要としない。
【0140】
生成されたメタデータがサムネイルであれば、メタデータ出力制御部19が必要とするメタデータをメタデータ記録読出部21を経由してメタデータ記録部22から読出し、メタデータ表示部23で画像化し、グラフィック重畳部24で、再生映像と重ね合わせて表示したり、サムネイル画像だけで表示を行う(図2参照)。
【0141】
再生時においてAVストリームを定常的にデコーダに供給することは非常に重要であり、例えば本構成を採らず、再生中に直接AVストリームから必要とされるキーフレームを取得しようとすれば、再生に必要なAVストリームの転送レートが確保できない状態に陥り、画像がスムーズに表示されない、一瞬とまってしまう、最悪はシステムがハングアップしてしまうといった不具合を生じる可能性がある。ところが、出力ストリーム制御部からキーフレームを取得する本実施の形態の場合であれば、AVストリーム記録部16に対して負荷上昇を強いることなく、キーフレームの抽出を行うことができる。
【0142】
また、抽出したキーフレームは一時的にキーフレーム一時記録部33に格納され、必要なときに読み出すことができるので、メタデータの生成タイミングや、メタデータの生成に要する時間長に対する制約を緩和することができる。
【0143】
以上において説明した本実施の形態に関る映像音声記録再生装置102によれば、再生時においても出力ストリーム制御部15からキーフレーム抽出部31がキーフレームを取得し、キーフレーム一時記録部33に取得したキーフレームを一時的に保存し、メタデータ生成部にキーフレームを送ることによって、再生時においてもメタデータの生成が可能である。これは、再生時に出力ストリーム制御部15がAVストリーム記録部16からAVストリーム読み出すことを利用しているためであり、AVストリームを読み出すために特段の手段や処理が必要ではなく、出力ストリーム制御部15に一時的に存在するAVストリームから必要とするキーフレームを抽出し、メタデータを生成すればよい。そのため、比較的処理能力の低いCPUやシステム構成であったとしても、AVストリームの録画処理の実行と並行してメタデータの生成が可能となる。
【0144】
また図示しないが、出力ストリーム制御15からの出力し、AVデコーダ13で復号された映像をAVエンコーダ12に入れて、入力ストリーム制御部14で再度AVストリーム記録部に記録することで、本映像音声記録再生装置内で再エンコード録画をすることができる。その場合においても、実施の形態1もしくは本実施の形態3で示すように入力ストリーム制御部14もしくは出力ストリーム制御部15からキーフレーム抽出部31がキーフレームを抽出し、キーフレーム一時記録部33にキーフレームを保存しておき、所望のタイミングでメタデータ生成部20がメタデータを生成することが可能となる。
【符号の説明】
【0145】
100,101,102 録画音声記録再生装置、2 システム制御部、3 デジタルチューナー、4 アナログチューナー、5 外部入力端子、6 リモコン受信部、7 ネットワーク端子、8 モニター出力端子、10 録画制御部、11 再生制御部、12 AVエンコーダ、13 AVデコーダ、14 入力ストリーム制御部、15 出力ストリーム制御部、16 AVストリーム記録部、18 メタデータ生成制御部、19 メタデータ出力制御部、20 メタデータ生成部、21 メタデータ記録読出部、22 メタデータ記録部、23 メタデータ表示部、24 グラフィック重畳部、25 暗号化部、26 復号化部、27 AVバッファ、28 サムネイル選択枠、29 第2の復号化部、30 キーフレーム抽出制御部、31 キーフレーム抽出部、32 キーフレーム記録読出部、33 キーフレーム一時記録部、34 キーフレーム記録管理部、35 ストリーム解析部、41 キーフレームデコーダ、42 JPEGエンコーダ、43 JPEGファイルフォーマッタ、50 キーフレーム抽出部、91 アンテナ、92 ネットワーク、93 モニター、94 リモコン、95 画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像音声データを記録する映像音声記録手段と、
前記映像音声データからキーフレームを抽出するキーフレーム抽出手段と、
前記映像音声データが記録されている間、前記キーフレーム抽出手段が抽出した前記キーフレームを記録しておくキーフレーム一時記録手段と、
前記キーフレーム一時記録手段に記録されている前記キーフレームからメタデータを生成するメタデータ生成手段と
を有することを特徴とする映像音声記録再生装置。
【請求項2】
前記メタデータ生成手段によって生成されたメタデータの記録および読出を行うメタデータ記録読出手段を有することを特徴とする請求項1記載の映像音声記録再生装置。
【請求項3】
前記映像音声データを一時的に記憶するとともに、前記映像音声記録手段に映像音声データを安定的に転送する入力ストリーム制御手段を有し、
前記入力ストリーム制御手段から前記キーフレーム抽出手段がキーフレームを抽出することを特徴とする請求項1記載の映像音声記録再生装置。
【請求項4】
前記キーフレーム一時記録手段は、不揮発媒体であることを特徴とする請求項1記載の映像音声記録再生装置。
【請求項5】
前記キーフレーム一時記録手段に記録されたキーフレームは、録画が終了したときに削除されることを特徴とする請求項1記載の映像音声記録再生装置。
【請求項6】
前記キーフレーム一時記録手段は、前記映像音声記録手段と同一の媒体で構成されていることを特徴とする請求項1記載の映像音声記録再生装置。
【請求項7】
前記キーフレーム抽出手段の抽出回数や抽出タイミングを制御するキーフレーム抽出制御手段を有することを特徴とする請求項1記載の映像音声記録再生装置。
【請求項8】
前記映像音声データの特徴量を解析する映像音声解析手段を有し、
前記映像音声解析手段の解析結果にもとづいて前記キーフレーム抽出手段の抽出タイミングを決定することを特徴とする請求項7記載の映像音声記録再生装置。
【請求項9】
前記メタデータの生成タイミングと生成回数を制御するメタデータ生成制御手段を有することを特徴とする請求項1記載の映像音声記録再生装置。
【請求項10】
前記メタデータ生成制御手段は、前記映像音声データの特徴量にもとづいて前記メタデータの生成タイミングを決定することを特徴とする請求項9記載の映像音声記録再生装置。
【請求項11】
前記キーフレーム一時記録手段は、前記映像音声データに対して1つのキーフレームデータを有することを特徴とする請求項1記載の映像音声記録再生装置。
【請求項12】
映像音声データを読み出す映像音声読出し手段と、
読出した映像音声データからキーフレームを抽出するキーフレーム抽出手段と、
前記映像音声データが再生されている間、前記キーフレーム抽出手段が抽出した前記キーフレームを記録しておくキーフレーム一時記録手段と、
前記キーフレーム一時記録手段に記録されている前記キーフレームからメタデータを生成するメタデータ生成手段と
を有することを特徴とする映像音声記録再生装置。
【請求項13】
映像音声データを記録する映像音声記録ステップと、
前記映像音声データからキーフレームを抽出するキーフレーム抽出ステップと、
前記映像音声データが記録されている間、前記キーフレーム抽出手段が抽出した前記キーフレームを記録しておくキーフレーム一時記録ステップと、
前記キーフレーム一時記録ステップにおいて記録された前記キーフレームからメタデータを生成するメタデータ生成テップと
を有することを特徴とする映像音声記録再生装置。
【請求項14】
前記メタデータ生成ステップによって生成されたメタデータの記録および読出を行うメタデータ記録読出ステップを有することを特徴とする請求項13記載の映像音声記録再生方法。
【請求項15】
前記映像音声データを一時的に記憶し、前記映像音声記録ステップで映像音声データを安定的に転送する入力ストリーム制御ステップを有し、
前記入力ストリーム制御ステップを使って前記キーフレーム抽出ステップがキーフレームを抽出することを特徴とする請求項13記載の映像音声記録再生方法。
【請求項16】
前記キーフレーム一時記録ステップは、不揮発媒体に対して実行することを特徴とする請求項13記載の映像音声記録再生方法。
【請求項17】
前記キーフレーム一時記録ステップに記録されたキーフレームを、録画が終了したときに削除するステップを有することを特徴とする請求項13記載の映像音声記録再生方法。
【請求項18】
前記キーフレーム抽出ステップの抽出回数や抽出タイミングを制御するキーフレーム抽出制御ステップを有することを特徴とする請求項13記載の映像音声記録再生方法。
【請求項19】
前記記録する映像音声データの特徴量を解析する映像音声解析ステップを有し、
前記映像音声解析ステップの解析結果にもとづいて前記キーフレーム抽出ステップの抽出タイミングを決定することを特徴とする請求項18記載の映像音声記録再生方法。
【請求項20】
前記メタデータの生成タイミングと生成回数を制御するメタデータ生成制御ステップを有することを特徴とする請求項13記載の映像音声記録再生方法。
【請求項21】
前記メタデータ生成制御ステップは、前記映像音声データの特徴量にもとづいて前記メタデータの生成タイミングを決定することを特徴とする請求項20記載の映像音声記録再生方法。
【請求項22】
前記キーフレーム一時記録ステップは、前記映像音声データに対して1つのキーフレームデータを処理することを特徴とする請求項13記載の映像音声記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−24077(P2011−24077A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168601(P2009−168601)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】